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JP2020070407A - 発泡体 - Google Patents

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JP2020070407A JP2018207480A JP2018207480A JP2020070407A JP 2020070407 A JP2020070407 A JP 2020070407A JP 2018207480 A JP2018207480 A JP 2018207480A JP 2018207480 A JP2018207480 A JP 2018207480A JP 2020070407 A JP2020070407 A JP 2020070407A
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Abstract

【課題】本発明は、優れた柔軟性を発揮し得る発泡体を提供すること、発泡体の生産効率を高めることを課題とする。
【解決手段】本発明は、粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分を含む発泡体であって、発泡体100質量部を粉砕し、500質量部のイオン交換水に分散させ水分散液とした際に、水分散液のpHが3〜6.5である、発泡体に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発泡体に関する。具体的には、本発明は、粉状バイオマス原料を含む発泡体に関する。
従来、断熱材や緩衝材として、合成樹脂を主体とする発泡体が多用されている。例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン等を原料とした発泡体が知られている。このような合成樹脂を発泡させて、合成樹脂中に気体を分散させることで発泡体が得られる。しかし、合成樹脂を主体とする発泡体は生分解性に乏しく、焼却処分時には温暖化ガスである二酸化炭素を多く排出することが指摘されている。このため、近年は、紙粉やデンプンを用いた発泡体の開発も進められている。
例えば、特許文献1には、紙微粉体と親水性高分子との混合物である紙ペレットと、再生樹脂と、発泡性ポリプロピレン樹脂と、水とを加熱混合し、発泡成形してなる発泡体が開示されている。また、特許文献2には、官製葉書古紙の紙粉未成分と、澱粉成分と、ポリプロピレン樹脂成分とからなる発泡体が開示されている。
特許文献3には、押出発泡体の製造原料となるペレットの製造方法が開示されている。ここでは、紙粉と澱粉の混合物に対し、浸透剤を含むポリビニルアルコール水溶液を添加して、造粒機で成形体とした後に、乾燥工程を含むペレットの製造方法が開示されている。
特許第4594445号公報 特開2001−354795号公報 特開2010−229322号公報
発泡体を製造する方法としては、紙粉や水分を含む各種原料を溶融混練し、溶融原料を径の小さな射出口から射出することで発泡体を形成する方法が知られている。この場合、射出口の径を小さくすることで射出口付近を加圧条件とし、射出後に加圧が解除されることで発泡が促進される。しかしながら、射出口の径が小さいために、溶融混練した原料が詰まり易く、射出口が目詰まりすることで、生産効率が低下するといった問題がある。また、紙粉や澱粉等を主成分として含む従来の発泡体においては、柔軟性が劣る場合があり、改善が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、紙粉等のバイオマス原料を用いた場合であっても優れた柔軟性を発揮し得る発泡体を提供することを目的として検討を進めた。また、本発明者らは発泡体の製造工程における生産効率を高めることの検討も行った。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分を含む発泡体において、発泡体を水分散液とした際の水分散液のpHを所定範囲内とすることにより、優れた柔軟性を発揮し得る発泡体が得られることを見出した。さらに、本発明者らは、このような発泡体を製造する際には、射出口の目詰まりが抑制され、生産効率が高まることを発見し、本発明を完成するに至った。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分を含む発泡体であって、
発泡体100質量部を粉砕し、4000質量部のイオン交換水に分散させ水分散液とした際に、水分散液のpHが3〜6.5である、発泡体。
[2] 粉状バイオマス原料がセルロース由来原料である[1]に記載の発泡体。
[3] セルロース由来原料がトウモロコシ外皮由来原料である[2]に記載の発泡体。
[4] トウモロコシ外皮由来原料がコーンスティープリカーを含む[3]に記載の発泡体。
[5] 樹脂成分が、ポリオレフィン系樹脂及び生分解性樹脂から選択される少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれかに記載の発泡体。
本発明によれば、優れた柔軟性を発揮し得る発泡体を得ることができる。また、本発明によれば、発泡体の生産効率を高めることができる。
図1は、発泡体の製造装置を説明する概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(発泡体)
本発明は、粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分を含む発泡体に関する。ここで、本発明の発泡体100質量部を粉砕し、4000質量部のイオン交換水に分散させ水分散液とした場合、水分散液のpHは3〜6.5である。発泡体の水分散液のpHが3〜6.5であるということは、発泡体が酸成分を含有していることを意味する。なお、本明細書において、発泡体とは、粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分を含む固形部分に気体(気泡)が分散した分散体である。
発泡体100質量部を粉砕し、4000質量部のイオン交換水に分散させ水分散液とした場合、水分散液のpHは6.5以下であればよく、6.0以下であることが好ましく、5.5以下であることがより好ましく、5.0以下であることがさらに好ましく、4.5以下であることが特に好ましい。水分散液のpHを測定する際には、100質量部の発泡体を平均粒子径が300μm以下となるように粉砕し、この粉砕物を4000質量部のイオン交換水に分散させ、48時間攪拌した後に分散液から発泡体をろ別し、得られたろ液についてpHの測定を行う。なお、pHの測定は、25℃の条件で行う。また、pHの測定装置としては、堀場製作所社製のF−72S(ガラス電極に堀場製作所社製pH電極6367―10Dを使用)を用いることができる。測定はフタル酸塩pH標準液(関東化学社製)、中性リン酸塩pH標準液(関東化学社製)、炭酸塩pH標準液(関東化学社製)を用いて3点校正してから実施する。なお、イオン交換水の初期pHが7.0〜7.3の範囲から外れる場合は、NaOH又はHClを添加して上記範囲に調整して測定に供試する。
本発明の発泡体は上記構成を有するものであるため、優れた柔軟性を有している。例えば、発泡体を指で押圧した際には、発泡体の柔らかな感触を感じることができる。これは、発泡体の水分散液のpHが3〜6.5であるため、すなわち、発泡体が酸成分を含むために、粉状バイオマス原料や澱粉の重合度を低く抑えることで達成されるものと考えられる。粉状バイオマス原料や澱粉の重合度を低く抑えることにより、発泡体は、より多くの水分を抱えこみ易くなり、その結果、本発明の発泡体は保水性が高く、柔軟性に優れているものと考えられる。
また、本発明においては、発泡体の生産効率がよい。具体的には、本発明の発泡体を製造する際には、粉状バイオマス原料、澱粉、樹脂成分、水分を含む各種原料を溶融混練し、溶融原料を径の小さな射出口から射出することで発泡体を形成しているが、本発明においては、酸成分を含むため(発泡体の水分散液のpHが3〜6.5であるため)溶融原料の粘度上昇を抑制することができ、これにより溶融原料の混練均一性が高められる。このため、射出口に溶融原料が詰まることが抑制され、結果として発泡体の生産効率が高められる。なお、本発明においては、溶融原料の混練均一性が高められているために、得られる発泡体の柔軟性や強度が向上しているものと考えられる。
本発明の発泡体の密度は、0.01g/cm3以上であることが好ましく、0.025g/cm3以上であることがより好ましい。また、発泡体の密度は、0.06g/cm3以下であることが好ましく、0.045g/cm3以下であることがより好ましい。なお、発泡体の密度は、発泡体を1cm角の立方体に切り出し、重量測定をして以下の式で算出した値である。
密度(g/cm3)=重量(g)/体積(cm3
本発明の発泡体の圧縮率は、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。発泡体の圧縮率は、厚さ1cmの発泡体に0.4N/cm2の加重をかけた状態で厚み(1)を測定する。次いで、厚さ1cmの発泡体に5.0N/cm2の加重をかけた状態で厚み(2)を測定し、以下の式で圧縮率を算出する。
圧縮率(%)=(厚さ(2)−厚さ(1))/厚さ(2)×100
本発明の発泡体の形状は特に限定されるものではないが、例えば、板状や棒状の発泡体であってもよい。また、本発明の発泡体はブロック状の発泡体であってもよく、球状や繭状の発泡体であってもよい。本発明の発泡体は棒状の発泡体の集合体であってもよく、例えば、発泡体が板状である場合には、棒状の発泡体が長さ方向に整列して集合することで板状の発泡体を形成することが好ましい。
(粉状バイオマス原料)
粉状バイオマス原料は、バイオマス原料を粉末状にしたものである。ここで、バイオマス原料とは、化石燃料を除いた生物由来の資源である。中でも、バイオマス原料は植物資源を原料とするものであることが好ましく、セルロース系バイオマスであることが特に好ましい。すなわち、粉状バイオマス原料はセルロース由来原料であることが好ましい。
セルロース由来原料としては、例えば、製紙用樹木、林地残材、間伐材等のチップ又は樹皮、製材工場等から発生する鋸屑又はおがくず、街路樹の剪定枝葉、建築廃材等が挙げられる。また、草本系の資源としては、ケナフ、稲藁、麦わら、バガスなどの農産廃棄物、草本系エネルギー作物のエリアンサス、ミスカンサス、ネピアグラス等が挙げられる。さらに、セルロース系バイオマスとして、木材由来の紙、ティシュペーパー、新聞紙、古紙、パルプ、ペーパースラッジ等も利用可能である。なお、木材由来の紙、新聞紙、古紙、パルプ、ペーパースラッジ等を粉末状にしたものを、所謂、紙粉と呼ぶこともある。
また、本実施形態においてはセルロース由来原料として、トウモロコシ外皮由来原料を用いることも好ましい。ここで、トウモロコシ外皮とは、トウモロコシ穎果の種皮(果皮)である。
トウモロコシ外皮由来原料は、コーンスティープリカーを含む原料であることが好ましい。コーンスティープリカーは、トウモロコシ外皮からデンプンを製造する工程で得られる濃縮浸漬液であり、トウモロコシの水溶性成分が含まれる。コーンスティープリカーは、トウモロコシの穎果を0.3%程度の亜硫酸液に浸漬し、浸漬液からデンプン、トウモロコシ外皮、タンパク質を分離したあと、浸漬液を濃縮することで得られるものである。コーンスティープリカーには、原料であるトウモロコシ外皮を軟化させるために用いられた酸成分(例えば、亜硫酸や亜硝酸等)が含まれているため、コーンスティープリカーをトウモロコシ外皮に添加することで、酸成分を含むトウモロコシ外皮が得られる。このため、コーンスティープリカーを含む粉状バイオマス原料を用いることで、発泡体の水分散液のpHを所望の範囲に調整することが容易となる。
粉状バイオマス原料の平均粒子径は特に限定されるものではないが、平均粒子径は1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。また、粉状バイオマス原料の平均粒子径は1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、500μm以下であることがさらに好ましい。粉状バイオマス原料を得るためには、所望の粒子径となるようにバイオマス原料を粉砕してもよい。
粉状バイオマス原料の含有量は、発泡体の全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。また、粉状バイオマス原料の含有量は、発泡体の全質量に対して、50質量%以下であることが好ましく、45質量%以下であることがより好ましい。粉状バイオマス原料は、主に発泡体の強度を高めるための充填材として機能する。このため、粉状バイオマス原料の含有量を上記下限値以上とすることにより、発泡体の柔軟性や強度を高めることができる。また、粉状バイオマス原料が酸性分を含む原料である場合には、粉状バイオマス原料の含有量を適宜調整することで、発泡体の水分散液のpHを所望の範囲内とすることが容易となる。
一方、粉状バイオマス原料の含有量は、発泡体の全質量に対して、50質量%以上であってもよい。特に粉状バイオマス原料としてパルプを使用する場合であって、粉状バイオマス原料の含有量が発泡体の全質量に対して50質量%以上である場合、得られる発泡体は紙製品に分類されることとなり、より環境フレンドリーな製品となる。
粉状バイオマス原料がセルロース由来原料である場合、粉状バイオマス原料にはセルロース由来原料の少なくとも一部が繊維として含まれていることが好ましい。また、粉状バイオマス原料がトウモロコシ外皮由来原料である場合、粉状バイオマス原料にはコーンファイバーが含まれていてもよい。この場合、セルロース繊維の平均繊維長は、500μm以下であることが好ましく、400μm以下であることがより好ましく、300μm以下であることがさらに好ましい。また、セルロース繊維の平均繊維長は、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、10μm以上であることがさらに好ましい。粉状バイオマス原料に含まれるセルロース繊維やコーンファイバーの繊維長を上記範囲内とすることにより、発泡体の強度を高めつつも、発泡体形成用の溶融原料を射出成形(押出成形)する際に射出口に溶融原料が詰まることを抑制することができる。
(澱粉)
本発明の発泡体は澱粉を含む。澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、トウモロコシ由来澱粉等を挙げることができる。トウモロコシ由来の澱粉としては、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ等が挙げられる。中でも、澱粉は、コーンスターチであることが好ましい。また、澱粉としては、エステル化処理、エーテル化処理、酸化処理、アルカリ処理、酵素処理、漂白処理等を施した加工澱粉を用いることもできる。
発泡体の全質量に対する澱粉の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることがさらに好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。また、発泡体の全質量に対する澱粉の含有量は、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることがさらに好ましい。澱粉の含有量を上記範囲内とすることにより、発泡体を形成する際の発泡性をより高めることができ、さらに発泡体の弾性を高めることができる。また、澱粉の含有量を上記範囲内とすることにより、発泡体を構成する各種原料を溶融混練した際の混練均一性をより高めることができ、射出口の目詰まりを効果的に抑制することができる。
(樹脂成分)
本発明の発泡体は樹脂成分を含む。樹脂成分としては、熱可塑性樹脂や水溶性樹脂、生分解性樹脂を用いることが好ましい。樹脂成分としては、例えば、ナイロンなどのポリアミド系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂;ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂;ポリスチレン、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂等を挙げることができる。また、生分解性樹脂として、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリビニルアルコール系樹脂等を挙げることができる。中でも、樹脂成分は、ポリオレフィン系樹脂及び生分解性樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。より具体的には、樹脂成分は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール及びポリ乳酸から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
発泡体の全質量に対する樹脂成分の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、7.5質量%以上であることがより好ましい。また、発泡体の全質量に対する樹脂成分の含有量は、70質量%以下であることが好ましく、65質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。樹脂成分の含有量を上記範囲内とすることにより、発泡体の弾性や柔軟性を高めることができる。また、樹脂成分の含有量を上記範囲内とすることにより、発泡体の強度を高めることもできる。
(水分)
本発明の発泡体は水分を含む。水は発泡体の弾性や柔軟性を高めるが、発泡体の製造工程において、水は膨張剤としても機能する。すなわち、発泡体を形成するための溶融混練原料中に水が含まれることで、加熱した際に水蒸気となる性質を利用して発泡体を得る。
発泡体中に含まれる水分の含有量は、発泡体の全質量に対して5〜20質量%であることが好ましい。なお、発泡体中に含まれる水分の含有量を算出する際には、まず発泡体を室温23℃、相対湿度50%の環境下で一晩静置して調湿し、重量を測定する。次いで、発泡体を105℃の乾燥機で2時間処理し、重量を測定する。そして、下記の式で水分の含有量を算出する。
水分の含有量(質量%)=(乾燥前重量―乾燥後重量)/乾燥前重量×100
(任意成分)
本発明の発泡体は、上述した成分の他に任意成分を含んでもよい。例えば、発泡体を形成するためには、溶融混練原料中に膨張剤を添加してもよい。膨張剤としては、例えば、エタノール、2−プロパノール、アセトン等の有機溶剤や、窒素や二酸化炭素等のガスを挙げることができる。また、膨張剤としては、炭酸水素ナトリウムやアゾ化合物といった化合物を挙げることができる。
任意成分としては、膨張剤の他に、例えば、架橋剤、潤滑剤、可塑剤、着色剤、紫外線吸収剤、防腐剤、殺菌剤、香料、界面活性剤、無機充填剤 等を挙げることができる。無機充填剤としては、例えば、無機成分を含んでいてもよく、無機成分としては、例えば、Ca、Si、Al、Fe、Mg、Ti等の酸化物、酸素酸塩、水酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
(発泡体の製造方法)
本発明の発泡体の製造方法は、粉状バイオマス原料、澱粉、樹脂成分及び水を溶融混練する工程と、溶融混練した原料を射出口から射出する工程とを含む。
図1には、本発明の発泡体を製造するための製造装置(押出成形機)の一例が示されている。押出成形機100は、原料を投入するホッパー1と、内部にスクリュー40を備えた本体部(シリンダ)20と、シリンダ20の下流端に設けられた射出口(ノズル)50とを備える。なお、スクリュー40は少なくとも1本設けられていればよいが、2本以上設けられていてもよい。図1に示されるように、スクリュー40が2本設けられている押出成形機を二軸押出成形機という。また、シリンダ20の中間位置には、内部の混合物にタンク30内の水を供給する給水路35が設けられている。なお、図示していないが、シリンダ20の外周部にはシリンダ20を加熱するためのヒーターが複数備え付けられていてもよい。さらに、シリンダ20の上流側には、スクリュー40を回転させるためのモーター45が設けられている。
溶融混練する工程では、まず、ホッパー10に粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分が投入され、混合される。この際、樹脂成分は樹脂ペレットとして投入されることが好ましい。ここで、粉状バイオマス原料が酸成分を含有しない原料である場合には、ホッパー10に酸成分を添加してもよい。この際の酸成分としては、例えば、亜硫酸、亜硝酸、塩酸、硫酸、酢酸、リン酸等を挙げることができる。酸成分を添加する場合には、溶融混練された原料のpHが3〜6.5となるように添加することが好ましい。なお、粉状バイオマス原料が上述したように、コーンスティープリカーを含むトウモロコシ外皮由来原料である場合には、酸成分を別途添加しなくてもよいが、よりpHを低下させることを目的として、酸成分を添加してもよい。
ホッパー10で混合された原料は、シリンダ20に供給され、シリンダ20内で2本のスクリュー40によって撹拌されながら、加熱されることによって溶融混練が行われる。なお、溶融混練時のシリンダ20内の温度は、120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。また、溶融混練時のシリンダ20内の温度は300℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましい。
シリンダ20内では、給水路35から加熱された水が供給され、溶融混練された原料と混合される。加熱された水は、溶融された原料と共にさらに加熱されることで、その少なくとも一部が気化する。これにより、原料内部に多数の気泡が形成される。
シリンダ20で溶融混練された原料は、射出口(ノズル)50から射出される。射出口は、1つのノズルからなるものであってもよいが、複数個のノズルからなるものであってもよい。シリンダ20で溶融混練された原料は、ノズルの細孔から押し出されることで、大気圧下に開放されるため、溶融混練された原料に含まれる水が気化したり、原料内部に抱き込まれた気泡が膨張することで、発泡体1が形成される。このような工程で形成される発泡体1は棒状の発泡体である。なお、射出口が複数個のノズルからなるものである場合、複数の棒状発泡体が同時に形成され、その後に押圧工程等が設けられることで、例えば、板状に成形されてもよい。
各ノズル50のノズル径(直径)は、1mm以上であることが好ましく、2mm以上であることがより好ましい。また、ノズル径(直径)は、10mm以下であることが好ましく、8mm以下であることがより好ましい。また、溶融混練された原料を射出する際の、射出圧力は500〜5000kg/cm2であることが好ましく、射出速度は5〜500cm3/secであることが好ましい。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
トウモロコシ外皮50質量部に、コーンスティープリカー(王子コーンスターチ社製、CSL)0.04質量部を添加し、竪型ニーダーを用いて混合した後、105℃で2時間乾燥した。このようにして、コーンスティープリカー含有トウモロコシ外皮を得た。次いで、コーンスティープリカー含有トウモロコシ外皮をボールミルで平均粒子径が
100μmとなるまで粉砕し、トウモロコシ外皮粉末を得た。トウモロコシ外皮粉末30質量部、澱粉(イングレディオン社製、CAT0308)50質量部、ポリプロピレン(日本ポリプロ株式会社製、日本ポリプロ・ノバテックPP BC8)20質量部を、二軸押出成形機(日本製鋼所製、TEX58F)の上流のホッパーに投入し混合した。
混合した原料を二軸押出成形機の本体部(シリンダ)内で溶融混練し、その際に水10質量部を連続して加え、混練した。なお、二軸押出成形機内の温度は180℃とし、スクリュー径は28mm、スクリュー回転速度は265rpmとした。溶融混練した原料を二軸押出成形機の射出口(ノズル)から射出することで発泡体を得た。この際の二軸押出成形機の射出口のノズル径は4mmとし、射出圧力は1990kg/cm2,射出速度は80cm3/secとした。
(実施例2〜4)
トウモロコシ外皮に添加するコーンスティープリカーの量を、0.4質量部(実施例2)、4質量部(実施例3)、40質量部(実施例4)に変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を作製した。
(実施例5)
トウモロコシ外皮に添加するコーンスティープリカーの量を40質量部に変更し、その他の原料の配合量を表1に記載のとおり変更した以外は、実施例1と同様にして発泡体を作製した。
(比較例1)
トウモロコシ外皮にコーンスティープリカーを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして発泡体を作製した。
(比較例2)
トウモロコシ外皮にコーンスティープリカーを添加しなかった以外は、実施例5と同様にして発泡体を作製した。
(評価)
<発泡体水分散液のpHの測定方法>
実施例及び比較例で得られた発泡体10gを5mm角となるように、細かく裁断した。次いで、裁断した発泡体を、平均粒子径が300μm以下となるように粉砕機(大阪ケミカル製DM−6)を用いて粉砕した。粉砕物を400mLのイオン交換水に分散させて水分散液とし、マグネチックスターラーで48時間攪拌した。その後、水分散液中の発泡体をろ過分離し、ろ液のpHをガラス電極のpHメーター(堀場製作所社製のF−72S(ガラス電極に堀場製作所社製pH電極6367―10Dを使用))で測定した。なお、pHの測定は、25℃の条件で行った。測定はフタル酸塩pH標準液(関東化学社製)、中性リン酸塩pH標準液(関東化学社製)、炭酸塩pH標準液(関東化学社製)を用いて3点校正してから実施した。なお、イオン交換水の初期pHが7.0〜7.3の範囲から外れる場合は、NaOH又はHClを添加して上記範囲に調整して測定に供試した。
<目詰まり頻度の測定>
二軸押出成形機に原料を投入しているのにも関わらず吐出が停止した場合に、目詰まりが発生したとして、発泡体が押出機の射出口から射出され始めた時間を0時間として、目詰まりの発生が確認されるまでの時間を測定した。その時間から1時間あたりの目詰まりの発生回数を算出した。
<発泡体の柔らかさの評価>
実施例及び比較例で得られた発泡体を人差し指と親指でつまみ、軽く加圧した時の柔らかさを以下の評価基準で評価した。
比較例1の柔らかさを×とし、非常に柔らかい場合は○、やや柔らかい場合を△、比較例1と同等の場合×とした。
Figure 2020070407
実施例では、柔軟であり、柔らかな感触を有する発泡体が得られた。また、実施例においては、発泡体の製造工程において、射出口(ノズル)の目詰まりの発生が抑制されていた。
1 発泡体
10 ホッパー
20 シリンダ
30 タンク
35 給水路
40 スクリュー
45 モーター
50 ノズル
100 押出成形機

Claims (5)

  1. 粉状バイオマス原料、澱粉及び樹脂成分を含む発泡体であって、
    前記発泡体100質量部を粉砕し、4000質量部のイオン交換水に分散させ水分散液とした際に、前記水分散液のpHが3〜6.5である、発泡体。
  2. 前記粉状バイオマス原料がセルロース由来原料である請求項1に記載の発泡体。
  3. 前記セルロース由来原料がトウモロコシ外皮由来原料である請求項2に記載の発泡体。
  4. 前記トウモロコシ外皮由来原料がコーンスティープリカーを含む請求項3に記載の発泡体。
  5. 前記樹脂成分が、ポリオレフィン系樹脂及び生分解性樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡体。
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