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JP2019178117A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

固形粉末化粧料 Download PDF

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JP2019178117A JP2018069533A JP2018069533A JP2019178117A JP 2019178117 A JP2019178117 A JP 2019178117A JP 2018069533 A JP2018069533 A JP 2018069533A JP 2018069533 A JP2018069533 A JP 2018069533A JP 2019178117 A JP2019178117 A JP 2019178117A
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Abstract

【課題】 耐衝撃性、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れる固形粉末化粧料を提供すること。【解決手段】 成分(A)ポリウレタンゲル組成物及び成分(B)球状粉体を含む、固形粉末化粧料;好適には前記ポリウレタンゲル組成物が、HO−R3−OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタン及び油剤を含有するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、固形粉末化粧料に関し、更に詳しくは、耐衝撃性、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた固形粉末化粧料に関するものである。
アイカラーやパウダーファンデーションに代表される固形粉末化粧料は、粉体を主成分とし、適宜顔料や油剤等を混合した化粧料であり、使用方法が簡便かつ携帯性に優れるため、消費者に広く支持されている。しかしながら、固形粉末化粧料は粉体を主成分としているため、肌上における塗布時の軽い伸び広がりが損なわれることがあった。そのため、軽い伸び広がりを得るために球状粉体を含有する場合があるが、球状粉体を含有すると粉体間の結合力が弱くなりやすく、落下などの外部衝撃により化粧料が破損してしまう場合があった。さらに粉体を主成分としているため、化粧もちやしっとり感に関しても満足のいくものは得られていなかった。
上記の課題点を解決するために、従来より様々な検討が行われてきた。例えば、球状粉体を含有しつつ、耐衝撃性を向上させる技術としては、板状粉体と炭酸マグネシウム、球状粉体を主成分とする粉体と固形油を組み合わせて用いる技術が提案されている(特許文献1)。また球状粉体を含有しつつ、しっとり感を向上させる技術としてはトリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェートとシリコーンエラストマー球状粉体を組み合わせて用いる技術が提案されている(特許文献2)。
特開2012−020982号公報 特許第5349867号公報
しかしながら板状粉体と炭酸マグネシウム、球状粉体と固形油を組み合わせて用いる技術(特許文献1)では耐衝撃性は向上するものの、炭酸マグネシウムを含有しているため肌上できしみ感を感じる場合があり、軽い伸び広がりに関して満足のいくものではなかった。一方で軽い伸び広がりとしっとり感を向上させたトリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェートとシリコーンエラストマー球状粉体を組み合わせて用いる技術(特許文献2)では水溶性保湿剤であるトリス(エトキシエトキシエチル)ホスフェートを用いており、汗などに対して落ちやすく化粧もちに関しては満足のいくものが得られなかった。
したがって、耐衝撃性、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れる固形粉末化粧料が求められていた。
かかる実情において、本発明者は、球状粉体と他の素材を組み合わせ、軽い伸び広がりに加え耐衝撃性、しっとり感、化粧もちが向上する固形粉末化粧料の開発ができないか鋭意検討を行ってきた。その結果、肌との親和性に優れるイソシアネート基を有するポリウレタンに着目し、その中でも特定のポリウレタンゲル組成物と球状粉体を組み合わせたところ、驚くべきことに、軽い伸び広がりの向上に加え、耐衝撃性と化粧もちが大幅に向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、次の成分(A)及び成分(B)を含む、固形粉末化粧料であり、
前記成分(A)が、成分(A−1)ポリウレタン及び成分(A−2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
当該成分(A−1)は、
(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO−R−OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
前記成分(B)が球状粉体である、固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A−1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A−1)ポリウレタンが、重量平均分子量(Mw)10000〜100000である、前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A−2)油剤が、25℃で液状の油剤である、前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A)及び前記成分(B)の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.005〜3である前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A−1)及び前記成分(B)の含有質量割合が、成分(A−1)/成分(B)=0.002〜1である前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A−2)を含む全て油剤の含有量が、2〜45質量%である前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
前記成分(A)、(B)及びその他の成分を含有する粉体基剤を溶媒と混合しスラリー状とし、容器に充填した後に溶媒の一部又は全部を除去して得られる前記記載の固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明は、耐衝撃性、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れる固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明において自己復元力を測定する方法を示す模式図である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。なお、本明細書において、百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
本発明で用いられる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、成分(A−1)ポリウレタンと成分(A−2)油剤とを含有するポリウレタンゲル組成物である。当該ポリウレタンゲル組成物は、成分(A−2)油剤の存在下で成分(A−1)ポリウレタンの原料を用いて製造することによって得ることができる。
ここで、成分(A−1)ポリウレタンは、HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用するポリウレタンである。
さらに、成分(A−1)ポリウレタンは、少なくとも以下の(i)又は(ii)のポリウレタンを含むものが好適である。
より好適には、前記成分(A−1)ポリウレタンは、(i)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであるか、又は、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO−R−OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンである。
前記成分(A−1)における前記(b)HO−R−OHで表されるグリコールとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、及びジエチレングルコール等が挙げられる。
本発明で用いる新規なポリウレタンゲル組成物は、発明者らが、ツヤが高く、弾力性、復元力がある油溶性ゲルの化粧膜を得るためにゲル素材に関して鋭意研究開発を重ねた結果、見出されたゲル組成物である。
発明者らは、復元性素材として、シリコーンゴム、多糖類、水性のポリウレタンを用いて研究を重ねていた。しかし、これらの素材は利点とともに解決されるべき欠点を有していた。具体的には、シリコーンゴムは、ツヤが足りず復元力に欠けるという欠点;多糖類は復元性・復元力が弱いという欠点;水性のポリウレタンは水系のため色域に制限があり、ツヤが足りないという重大な欠点;を有していた。
しかしながら、鋭意検討を行った結果、発明者らは、油剤存在下で、HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを使用してポリウレタン合成を行ったところ、新規なゲル素材を偶然にも得た。当該新規なゲル素材は、後記実施例に示すように、ツヤが高く、弾力性があり、復元力がある特殊な機能を有していた。このことは、発明者らにとって予測し得ない効果であった。
なお、ポリウレタンは、ジイソシアネートとポリオールとを反応させて得られることが知られている。しかしながら、ポリウレタンを油溶性ゲル化剤として用いている例はなく、本発明のポリウレタンゲル組成物は油剤存在下で製造するという新たな着想により見出されたものである。
本発明に使用するポリウレタンゲル組成物の概念について、未だ鋭意検討中であるが、しかし現時点において発明者らは以下のように考えている。(1)ポリウレタンゲル組成物中のポリウレタンは、分子内の親水部同士で会合することで複数のリング状のクラスター(房)を形成すると共に、分子内の疎水部で油剤に接触することで、親水基会合性増粘機構を有していると発明者らは考えている。(2)当該ポリウレタンは、当該分子内の疎水性部が低結晶性の炭化水素であるため柔軟性と油溶性を付与している;当該分子内の親水部の極性基が相互作用することでゲル化力・復元力を付与していると、発明者らは考えている。(3)親水基会合性増粘機構により、三次元立体構造体を微細に取ることで透明ゲル化されていると発明者らは考えている。なお、当該ポリウレタンは油溶性ポリウレタンであることが好ましく、当該油溶性ポリウレタンはより好適には30℃にて2−エチルヘキサン酸セチルに少なくとも1質量(以下、単に「%」と記す)%以上溶解できるものである。
本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、次の組成物1及び組成物2を包含する。このうち、組成物1及び2が好ましい。
組成物1:成分(A−1)(i)ポリウレタン及び成分(A−2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物1;
成分(A−1)ポリウレタンとして、(i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、及び成分(A−2)油剤を含有する組成物。
組成物2:成分(A−1)(ii)ポリウレタン及び成分(A−2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物2;
成分(A−1)ポリウレタンとして、(ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO−R−OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン。
本発明において「末端」とは「両末端」を意味する。
前記(a):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には前記組成物1)の成分(A−1)ポリウレタンにおいて用いられる(a)は、末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンであれば、特に限定されない。例えば、下記一般式(1)で示される化合物が示され、当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
(式中、R、Rは各々独立してC1〜C6アルキレン基、nは10〜100の整数、n、nは各々独立して0又は1を表す)
、Rは、各々独立して同一又は異なって、C1〜C6アルキレン基を表し、当該アルキレンは直鎖であっても分岐鎖であってもよい。当該C1〜C6アルキレン基として、例えば、メチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン、n−ペンチレン、n−ヘキシレン等が挙げられる。Rのアルキレン基は、好ましくはC1〜C2アルキレン基である。Rのアルキレン基は、好ましくはC5〜C6アルキレン基である。当該アルキレン基は、好ましくは直鎖である。
nは、10〜100の整数を表し、さらにnのより好ましい範囲は15〜55である。
、nは、各々独立して同一若しくは異なって、0又は1を表す。
一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(下記一般式(6))における繰り返し単位「C」の構造は、例えば、下記一般式(7a)〜(7d)に示すように、様々な種類が存在する。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
本発明において使用する末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおける水添ポリブタジエン部分は、上で例示したような繰り返し単位の1種のみからなるものであってもよい、又は、2種以上の繰り返し単位を規則的若しくはランダムに含むものであってもよい。
本発明において一般式(1)の水添ポリブタジエン部分(上記一般式(6))を構成する繰り返し単位「C」の立体構造が同一であっても異なっていてもよく、水添ポリブタジエン部分が一般式(6)で表される構造はすべて本発明に包含される。
一般式(1)で表される末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンとして、例えば、下記一般式(2)で表される化合物が例示され、当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
(ここで、当該式(2)中、nは10〜100の整数を表す)
一般式(2)の化合物は、一般式(1)の末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンにおいて、Rがエチレン基、Rがヘキサメチレン基、n=n=1である場合に相当する。
前記(b):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物1及び2)の成分(A−1)ポリウレタンにおいて用いられる(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールの例として、例えば、エチレングリコール(HOCHCHOH)、プロピレングリコール(HOCHCH(OH)CH)、1,3−ブチレングリコール(HOCHCHCH(OH)CH)、及びジエチレングルコール(HOCHCHOCHCHOH)等が挙げられる。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
前記(b)HO−R−OHは、下記一般式(5)で示される化合物が示され、当該化合物は本発明の効果の観点から好適である。
前記(c):成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物2)の成分(A−1)ポリウレタンにおいて用いられる(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンは、特に限定されない。例えば、下記一般式(3)で示される化合物が示され、当該化合物は本発明の効果の観点から好適である。
(式中、nは10〜100の整数を表す)
一般式(3)において、水添ポリブタジエン部分(一般式(6))は、上記と同じ意味を有する。当該化合物を用いることは本発明の効果の観点から好適である。
前記(d):成分(A−1)ポリウレタン(好適には組成物2)において用いられる(d)ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、2,4−トルエンジイソシアネート、及び2,6−トルエンジイソシアネート等を挙げることができる。これらのうち、下記一般式(4)で示されるヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物1)において、(i):(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを重付加してポリウレタンを製造する場合、モル比(a):(b)=1:4〜4:1で行うことが好ましく、モル比(a):(b)=2:3〜3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5〜4:3、よりさらに好ましくは9:10〜10:9である。この場合、(a)の重量平均分子量(Mw)は1000〜3000であることが好ましい。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物(好適には組成物2)において、(ii):(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO−R−OH(式中Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によってポリウレタンを製造する場合、モル比(c):(b)=1:4〜4:1で行うことが好ましく、モル比(c):(b)=2:3〜3:2で行うことがより好ましく、さらに好ましくは4:5〜4:3、よりさらに好ましくは9:10〜10:9である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
また、前記(i)又は(ii)で得られるポリウレタンの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは10000〜100000、より好ましくは20000〜80000、さらに好ましくは30000〜70000である。当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A−1)ポリウレタンの含有量は、好ましくは1〜35%であり、より好ましくは5〜30%、さらに好ましくは10〜30%である。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物中の成分(A−2)油剤の含有量は、好ましくは65〜99%であり、より好ましくは70〜95%、さらに好ましくは70〜90%である。
当該範囲にすることにより、本発明の効果が顕著に得られる点からより好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A−2)油剤は、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されずに用いることができる。性状としては、特に限定されないが、25℃で液状の油剤であることが好ましい。また、本発明のポリウレタンゲル組成物を製造するときに溶剤として使用することが好ましい。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A−2)油剤としては、動物油、植物油、合成油等の起源を問わず、例えば、炭化水素油、エステル油(特に、水酸基の数が0又は1個であるエステル油)、脂肪酸類、シリコーン油、フッ素系油類等が挙げられる。
これらのうち、極性が低い方がポリウレタンゲル組成物の強度が高くなる傾向にあることから、炭化水素油、水酸基の数が0又は1個であるエステル油、及びフェニル基を含有するシリコーン油から選ばれる1種以上を使用することが例示され、これら1種又は2種以上を、成分(A−2)油剤中に含ませることが好ましい。
これら炭化水素油、エステル油及びシリコーン油から選択された1種又は2種以上は、成分(A−2)油剤中に、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上含ませることが好適である。
また製造する際に、成分(A−2)油剤を、溶剤として使用することが好ましい。製造する際に当該油剤を使用することで製造されたポリウレタンゲル組成物の特性が良好になる。また製造されたポリウレタンゲル組成物に適宜油剤を使用することで組成物硬度を調整することができる。
成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A−2)油剤としては、より具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ポリブテン、ポリイソブチレン等の炭化水素類;オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類;ホホバ油、イソオクタン酸セチル(2−エチルヘキサン酸セチル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、イソステアリン酸ジグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等のエステル類;メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等のシリコーン類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、透明性とツヤのみならず、弾力性・復元力が極めて高いという利点を有する。
針入荷重値測定の結果、このポリウレタンゲル組成物30部と流動パラフィン(ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/s)70部とを、85℃にて加熱溶解し、30℃に冷却し得られたゲルは、2cmφ球状アダプタを2cm/minで10mm針入させた時の荷重値が0.2〜10Nと優れた特性を示した。この硬度特性は、本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物がゲル復元力を有することを示す。
また、透明性に関しては、本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は700nmの波長の透過率が90%以上である。この高い透過性は、本発明に用いる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は極めて高い透明性を有することを示す。
本発明の成分(A)ポリウレタンゲル組成物の製造方法は、前記(A−2)油剤の存在下でポリウレタンを製造することが好ましい。さらに、前記成分(A−1)で特定のポリオールをポリウレタン原料として使用すると共に前記(A−2)油剤の存在下でポリウレタンを製造することがより好適である。そして、本発明の成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、公知のポリウレタン製造方法を参考して製造することができる。
例えば、本発明に用いるポリウレタンゲル組成物1は、成分(A−2)油剤中において、Aの(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールを加えて重付加反応を行うことによって得られる。
例えば、本発明のポリウレタンゲル組成物2は、(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエン、(b)HO−R−OH(式中、Rはエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコール、成分(A−2)油剤を仕込んで均一に混合し、(d)ジイソシアネート化合物を投入して反応させることによって製造することができる。
なお、本発明のポリウレタンゲル組成物は、上記成分(A−1)及び成分(A−2)以外に本発明の効果を損なわない範囲で医薬分野に又は化粧分野で使用可能な任意成分を適宜含有させてもよい。任意成分として、例えば、揮発性成分、界面活性剤、油性成分、粉体、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等、各種の効果を付与するために通常化粧料に用いられる他の成分を適宜用いることができる。
本発明に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されないが、しっとり感、化粧もちに優れるという観点から、0.1〜7%であることが好ましく、1〜5%であることがより好ましく、2〜4%であることが特に好ましい。
本発明に用いられる成分(B)球状粉体は、通常の化粧料に用いられる球状粉体であれば、特に限定されず、真球状のみならず、楕円、略球状、楕円球状、偽球状などを包含し、長径/短径の比が好ましくは1.5/1〜1/1、より好ましくは、1.2/1〜1/1の範囲のものである。また、成分(B)球状粒子は、多孔質、無孔質、中空、多層、複合、表面に微小の凹凸がある等の粒子構造等により特に限定されず、有機球状粉体、無機球状粉体等が挙げられる。例えば、無機球状粉体として、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられる。また有機球状粉体として、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸アルキル、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、架橋型シリコーン・網状シリコーンブロック共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体、ポリエチレン、ウレタン、シルク、セルロース等が挙げられる。また、これら有機球状粉体、無機球状粉体等を複合化し、複合球状粉体として用いてもよい。これらの球状粉体を1種又は2種以上用いることができる。また、特に限定されないが、化粧もちと軽い伸び広がりを得る観点から、有機球状粉体と無機球状粉体を併用すると特に好ましい。これら球状粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
本発明では、特に限定されないが、これら成分(B)の球状粉体のなかでも、有機球状粉体を用いることがより好ましく、これらのなかでも、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、オルガノポリシロキサンエラストマー、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリスチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリエチレン、ウレタンから選ばれる1種又は2種以上を用いると、しっとり感と滑らかな伸び広がりが得られるため、さらに好ましい。そのなかでも、オルガノポリシロキサンエラストマー及びウレタンから選ばれる1種又は2種以上を用いることが、しっとり感及び軽い伸び広がりがより得られるため特に好ましい。
市販品としては、PLASTIC POWDER CS−400、PLASTIC POWDER D−400(何れも、根上工業社製)、KSP−100、KSP−101、KSP−102、KSP−300(何れも、信越化学工業社製)、ミペロン PM−200(三井化学社製)、オルガソール2002D(アトフィナジャパン社製)、ガンツパールGM−2800(アイカ工業社製)、ガンツパールGS−0605(アイカ工業社製)、ケミスノーMR5C(綜研化学社製)、コスメシリカCQ4(富士シリシア化学社製)、シリカマイクロビード N−1505(日揮触媒化成社製)、HCS 160M5(日揮触媒化成社製)、SILCRUSTA MK03(日興リカ社製)等が挙げられる。
成分(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、耐衝撃性と軽い伸び広がり、化粧もちの観点から、1〜35μmのものを用いることが好ましく、5〜25μmのものを用いることがより好ましく、12〜20μmのものを用いることが特に好ましい。
本発明において、粉体の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(KEYENCE社製のリアルサーフェイスビュー顕微鏡VE−7800)を用いて粒子径の測定を30個の粒子について行い、その平均値を用いることで算出した。
本発明の固形粉末化粧料における成分(B)の含有量は、化粧もちと軽い伸び広がり、耐衝撃性により優れるという観点から、特に限定されないが、1〜40%が好ましく、10〜30%がより好ましく、15〜25%であることが特に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料における成分(A)と成分(B)の含有質量割合は、特に限定されないが、耐衝撃性、化粧もち、軽い伸び広がりにより優れる点から、(A)/(B)=0.005〜3であることが好ましく、0.01〜0.35であることがより好ましく、0.1〜0.2であることが特に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料における成分(A−1)と成分(B)の含有質量割合は、特に限定されないが、耐衝撃性、化粧もち、軽い伸び広がりにより優れる点から、(A−1)/(B)=0.002〜1であることが好ましく、0.01〜1であることがより好ましく、0.01〜0.1であることが特に好ましい。
本発明の固形粉末粉末化粧料は、上記の成分(A)及び(B)の他に、本発明の効果を妨げない範囲で、通常化粧料に使用される成分である粉体、粉体分散や感触調整としての界面活性剤、皮膜形成剤、水溶性成分、紫外線吸収剤、保湿剤、褪色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などを本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。
本発明において、成分(A)ポリウレタンゲル組成物に用いられる成分(A−2)油剤以外の油剤をさらに含有させることができる。本発明の固形粉末化粧料に含有可能な油剤としては、通常の化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素系類、カルナウバロウ、ミツロウ、ラノリンワックス、キャンデリラ等の天然ロウ類、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ホホバ油、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル等のエステル類、ステアリン酸、ベヘニン酸等の脂肪酸類、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、モクロウ等の油脂類、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類、N−ラウロイルーL−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)等のアミノ酸誘導体類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を用いることができる。
これらの中でも成分(A)のゲルの特性をより発揮でき、耐衝撃性と化粧もちが向上するとの観点から、炭化水素油、水酸基の数が0又は1個であるエステル油、シリコーン油であることが好ましく、炭化水素油、水酸基の数が0又は1個であるエステル油、シリコーン油は成分(A−2)油剤以外の油剤中に50%以上であることが好ましく、70%以上含まれるとより好ましく、90%以上含まれると特に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料中の成分(A−2)油剤以外の油剤の含有量は、特に限定されないが、軽い伸び広がり、化粧もち、しっとり感の観点から、固形粉末化粧料全量に対して、4〜40%であることが好ましく、8〜32%であることがより好ましく、10〜25%であることが特に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料中の成分(A−2)を含む全ての油剤の含有量は、特に限定されないが、軽い伸び広がり、化粧もち、しっとり感の観点から、固形粉末化粧料全量に対して、2〜45%であることが好ましく、5〜35%であることがより好ましく、10〜25%であることが特に好ましい。
本発明の固形粉末化粧料における成分(A−1)と成分(A−2)を含む全ての油剤の含有質量割合は、特に限定されないが、耐衝撃性、化粧もち、軽い伸び広がりにより優れる点から、(A−1)/成分(A−2)を含む全ての油剤=0.001〜0.45であることが好ましく、0.015〜0.15であることがより好ましく、0.03〜0.1であることが特に好ましい。
本発明に含有可能な粉体は、着色剤、隠蔽剤(メーキャップ効果)、感触調整剤、賦形剤、紫外線遮蔽剤等の目的で用いられるものであり、通常の化粧料に用いられる粉体であればよく、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。これら粉体の中でも化粧もちの観点から、特にマイカ、合成マイカ、セリサイト、タルクを1種又は2種以上含有することが好ましく、固形粉末化粧料全量に対して、20%以上含まれることが好ましく、さらに30%以上含まれることがより好ましい。
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、蔗糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシアルキレンアルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
皮膜形成剤としては、アクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル重合体、メタクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。
水溶性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、例えば、エチルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられる。
水溶性高分子としては、カルボキシビニルポリマー、アルキル付加カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等の合成系のものを挙げることができる。タンパク質、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等、保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2―ペンタンジオール等が挙げられる。
本発明の固形粉末化粧料は、通常公知の方法で製造することができる。特に限定されず、例えば以下のような方法を挙げることができる。
成分(A)、(B)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、金皿や樹脂皿等の容器に充填し、圧縮成型する乾式成形法。
成分(A)、(B)及びその他の任意成分を均一分散した化粧料基剤を、水、エタノール、揮発性油や、非揮発性油等の溶媒と混合し、これを充填成型した後、溶媒の一部または全てを除去して成型する湿式成型法。
本発明の固形粉末化粧料では、湿式成型法を用いて製造することが、本発明の効果を特に顕著に得ることができるため好ましい。
湿式成型法に用いられる溶媒としては、非揮発性、揮発性のいずれも用いることができるが、常圧における沸点が260℃以下の揮発性溶媒が好ましく、具体的には、水性成分として水、もしくはエチルアルコール、イソプロピルアルコールのような低沸点アルコール、油性成分としてイソドデカン、イソヘキサデカン、軽質流動イソパラフィン等の低沸点炭化水素油、低重合度のジメチルポリシロキサン、メチルトリメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等の低沸点の鎖状もしくは環状シリコーン油、低沸点パーフルオロポリエーテル等の低沸点フッ素化合物等が挙げられ、これらは一種または二種以上を組み合わせて混合物として用いることができる。成分(A)との相溶性の観点から、油性のものが好ましく用いられ、特にイソドデカン、軽質流動イソパラフィン等の揮発性炭化水素油が好ましく用いられる。これらの溶媒は、減圧吸引、加熱乾燥、加圧時に紙や不織布等の吸収体を用いた吸い取り除去、プレス型等に設けられた排出孔を通して除去する等の通常公知の方法を用いて除去することができる。本発明においては、溶媒の量が化粧料基剤100質量部に対し溶媒20〜150質量部が好ましく、更には40〜100質量部である。
本発明の固形粉末化粧料は、粉体を主成分とするものであり、特に限定されないが、ファンデーション、白粉、アイカラー、チークカラー、アイブロウ等のメークアップ化粧料、ボディパウダー、美白パウダー等の基礎化粧料に適用可能である。これらの中でも、本発明の効果が顕著に発揮される点から、メークアップ化粧料に好適に用いられ、さらに好ましくはファンデーション、アイカラー、チークカラーに好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて本技術を更に詳細に説明する。なお、これらは本発明を何ら限定するものではない。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例1]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2−エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で5時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて10000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、2.5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例2]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2−エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で10時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例3]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)と、2−エチルヘキサン酸セチル2450部、ヘキサメチレンジイソシアネート128部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらジブチル錫ジラウレート0.9部を投入し、3時間攪拌後、2−エチルヘキサン酸セチルで希釈しながら、エチレングリコールを24部投入した。
投入終了後、80℃で15時間攪拌後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、7.5Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例4]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2−エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながらヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で10時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて50000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、3Nであった。
[成分(A)のポリウレタンゲル組成物の製造実施例5]
3Lの三口フラスコに末端水酸基水素化ポリブタジエン899部(分子量2200)、エチレングリコール24部、ジブチル錫ジラウレート0.9部、2−エチルヘキサン酸セチル2450部を仕込み、均一に混合した。
60℃に制御しながら、ヘキサエチレンジイソシアネート128部を投入し、投入終了後80℃で15時間攪拌し、その後、エタノールを18部添加して反応を完結させた。
得られたポリウレタンゲル中のポリウレタンの重量平均分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)にて100000であった。また、得られたゲル30部を、流動パラフィン70部と、85℃にて加熱溶解、30℃に冷却したゲルの荷重値は、荷重測定機(FUDOH社製)による、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件の場合、4.5Nであった。
[製造比較例1]
架橋型シリコーンゲル(KSG−43 信越化学工業社製)100部を用いる。
[製造比較例2]
デキストリン脂肪酸エステル(レオパールISK 千葉製粉社製)35部と、2−エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、多糖類ゲルを調製した。
[製造比較例3]
結晶性ポリエチレンワックス(PERFORMALENE655 ニューフェーズテクノロジー社製)35部と、2−エチルヘキサン酸セチル65部を、90℃にて加熱、冷却し、ワックスオイルゲルを調製した。
なお、製造比較例1のシリコーンゲルは、ツヤが足りず復元力に欠けている。製造比較例2の多糖類ゲルは、復元性・復元力が弱い。製造比較例3のワックスオイルゲルは、ツヤが足りない。
[ゲルの評価]
前記製法により得られたポリウレタンゲルの中から、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物に対して、化粧料に汎用される各種油剤に対するゲル荷重値、並びにゲルの透明性に関して評価した(試験例1〜6)。その結果を表1に示す。また、種々の評価方法は、以下となる。なお、製造実施例1〜5の成分(A)ポリウレタンゲル組成物のゲル荷重値は2.5〜7.5N、重量均分子量は10000〜100000であった。
[荷重値の測定及びゲル強度評価]
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物と、表1に記載の各種油剤を85℃にて加熱溶解、30℃に冷却し、弾力性のあるゲルを調製した(試験例1〜6)。ゲルの荷重値に関しては、荷重測定機(FUDOH社製)を用いて、2cmφ球状アダプター、2cm/min、10mm針入の条件にて測定した。これによりゲル強度を評価した。試験例1〜4の結果、分子中の水酸基数が少ない油剤ほど、荷重値が高い傾向にあることを確認した。これは、ポリウレタンゲルの親水基会合性増粘機構における、親水基部分に、油剤中の水酸基が影響を与え、増粘低下をもたらしたと考えられる。
[透明性の測定及び評価]
表1に記載の各種ゲル(試験例1〜6)に対する透明性は、透過度測定機(島津製作所社製)を用いて、700nmにおける透過率を測定した。その結果、試験例1〜6全てのゲルにおいて、90%以上と、良好な透明性(◎)を示した。
[自己復元力の測定及び評価]
製造実施例2のポリウレタンゲル組成物、及び製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルを用いて、自己復元力の評価を実施した。測定サンプルは、各々、純分が10.5%になる様に2−エチルヘキサン酸セチルで希釈し、85℃にて加熱後、ジャー容器に流し込み、30℃に冷却することで弾力性のあるゲルを調製した。調製したサンプルに対し、テクスチュアアナライザー(英栄精機社製)を用いて、2cmφ球状アダプターにて5gの荷重をかけた時点から、1mm/minの速度、5mm針入する条件にて、7回、同じ動作を繰り返すことで、荷重によりゲル構造が破壊されず、復元力があるか確認した。測定の模式図を図1に示す。
その結果、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルは、繰り返しの荷重で、ゲル構造が破壊し、同じ曲線にならないのに対し、製造実施例2のポリウレタンゲル組成物は、繰り返しの荷重でゲルが崩壊することなく、同じ曲線を辿ることから、ゲルの復元性が高いことが分かった。また、荷重値自体の値も、製造比較例2のデキストリン脂肪酸エステルゲルと比較して高いことから、弾力性に優れることが分かった。
前記検討により、本発明で用いられる成分(A)ポリウレタンゲル組成物は、透明性、高い弾力性に優れ、また、自己復元力に優れる新規性の高いゲルであることが分かった。
実施例1〜28および比較例1〜5アイカラー
下記表2及び3に示す処方のアイカラーを製造し、耐衝撃性や、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりを下記の方法により評価した。その結果も併せて表2及び3に示す。
(評価方法)
下記評価項目について各々下記方法により評価を行った。
(評価項目)
イ.耐衝撃性
実施例及び比較例のアイカラーを30cmの高さからコンクリート床に自由落下を行い、アイカラーが破損するまでの回数を数え、以下の判断基準に従って「耐衝撃性」を判定した。ここで破損とは、化粧料にヒビや割れ等が生じ、化粧料が金皿容器から半分以上こぼれてしまう状態と定義した。
(判定基準)
(判定):(破損までの落下回数)
◎ :6回で破損なし
○ :5〜6回
△ :3〜4回
× :1〜2回
(評価項目)
ロ.しっとり感
ハ.化粧もち
二.軽い伸び広がり
ロ〜ニの項目について、各試料について専門パネル(以下、単に「パネル」と記す)20名による使用テストを行った。パネル各人が実施例1〜29及び比較例1〜5の各アイカラーを使用し、下記絶対評価基準にて7段階に評価し評点をつけ、各試料についてパネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。ロ.しっとり感に関しては、各試料を塗布し、パネルに通常の生活を6時間してもらった後に塗布部にしっとり感を感じたか、ハ.化粧もちに関しては、パネルに通常の生活を6時間してもらった後に涙や汗などで化粧膜がくずれていないか、二.軽い伸び広がりに関しては、各試料を肌に塗布し、伸び広げる際に、滑らかに化粧料を肌上に伸び広げることができたかを評価した。
絶対評価基準
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
(判定):(評点の平均点)
A :5.0点以上
B :3.5点以上〜5.0点未満
C :2.0点以上〜3.5点未満
D :2.0点未満
表2及び3の結果から明らかなように、実施例1〜29は、耐衝撃性、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた化粧料であった。
一方、成分(A)の代わりに水系のポリウレタンである(PEG−240/デシルテトラデセスー20/HDI)コポリマーを用いた比較例1は、耐水性が弱く化粧もちに関して満足のいく結果が得られなかった。また、パルミチン酸デキストリンを用いた比較例2は、粉体間の結合剤としての効果が弱く、耐衝撃性に関して満足のいく結果が得られなかった。成分(A)の代わりに架橋型シリコーンゲルを用いた比較例3では、粉体が凝集してしまい、軽い伸び広がりを得ることができなかった。成分(A)の代わりにポリエチレンワックスを用いた比較例4およびトリメチルシロキシケイ酸を用いた比較例5では、耐衝撃性および軽い伸び広がりに関して満足のいくものが得られなかった。
実施例29:白粉
下記の処方および製法に白粉を製造した。
(成分) (質量%)
1.合成金雲母 残量
2.メタクリル酸メチルクロスポリマー*21 20
3.窒化ホウ素 10
4.酸化亜鉛 10
5.酸化チタン 5
6.球状無水ケイ酸*22 5
7.ベンガラ 0.15
8.黄酸化鉄 0.2
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
10.製造実施例1のポリウレタンゲル組成物 4
11.リンゴ酸ジイソステアリル 10
12.トリエチルヘキサノイン 2
13.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 4
*21:ガンツパール GMI−0804(平均粒子径 8μm アイカ工業社製)
*22:シリカP−1505(平均粒子径 12μm 日揮触媒化成社製)
(製造方法)
A.1〜9をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.9〜13を均一に混合溶解する。
C.AにBを加え均一に混合し、溶媒として水を80%を加え、均一に混合する。
D.Cの溶媒を吸取りながら圧縮成形した後、70℃で10時間乾燥しボディパウダーを得た。
得られた白粉は、耐衝撃性や、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた化粧料であった。
実施例21:チークカラー
下記の処方および製法によりチークカラーを製造した。
(成分) (質量%)
1.球状(スチレン/DVB)コポリマー*23 10.0
2.球状(ジフェニルジメチコン/ビニルフェニルジメチコン/
シルセスキオキサン)クロスコポリマー*24 5.0
3.赤色226号 0.5
4.赤色202号 0.2
5.黄色4号 0.2
6.赤酸化鉄 0.2
7.タルク 5.0
8.マイカ 残量
9.セリサイト 10.0
10.2%ジメチコン表面処理合成金雲母 10.0
11.窒化ホウ素 5.0
12.雲母チタン 14.0
13.酸化亜鉛 2.0
14.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
15.製造実施例3のポリウレタンゲル組成物 4.0
16.セスキイソステアリン酸ソルビタン 2.0
17.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 0.2
18.ミネラルオイル 5.0
19.ワセリン 5.0
20.ジメチコン 10.0
21.DPG 0.1
22.ホホバ油 0.3
23.ラベンダー油 0.3
24.香料 0.2
*23:ガンツパールGS−0605 (平均粒子径 6μm アイカ工業社製)
*24:KSP−300(平均粒子径 5μm 信越化学工業社製)
(製造方法)
A.1〜14をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.15〜24を均一に混合溶解する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cを粉砕後、プレス成型しチークカラーを得た。
得られたチークカラーは、耐衝撃性や、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた化粧料であった。
実施例22:アイブロウ
下記の処方および製法によりアイブロウを製造した。
(成分) (質量%)
1.硫酸バリウム 4.0
2.球状ポリメタクリル酸メチル*13 10.0
3.ポリエチレンテレフタレート 5.0
4.オキシ塩化ビスマス 3.0
5.麻セルロース 0.5
6.黄酸化鉄 1.0
7.黒酸化鉄 4.5
8.赤酸化鉄 1.0
9.マイカ 残量
10.アミノ変性シリコーン1%処理マイカ 10.0
11.酸化チタン被覆マイカ 4.0
12.ジメチルポリシロキサン1%処理合成金雲母 11.0
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
14.ジメチルポリシロキサン 0.3
15.トリプロピレングリコール 0.3
16.水添ヒマシ油 0.3
17.エタノール 0.3
18.アクリレーツコポリマー 1.0
19.マリツカ花エキス 0.01
20.トコフェロール 0.1
21.テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル 8.0
22.(PEG−15/ラウリルジメチコン)クロスポリマー 2.0
23.製造実施例4のポリウレタンゲル組成物 4.0
(製造方法)
A.1〜13をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.14〜23を均一に混合溶解する。
C.AにBを加え均一に混合し、溶媒としてイソドデカンを60%を加え、均一に混合する。
D.Cの溶媒を吸取りながら圧縮成形した後、70℃で10時間乾燥しアイブロウを得た。
得られたアイブロウは、耐衝撃性や、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた化粧料であった。
実施例23:アイカラー
下記の処方および製法によりアイカラーを製造した。
(成分) (質量%)
1.赤色226号 0.8
2.黄色4号 0.5
3.ジメチルポリシロキサン1%処理黄酸化鉄 0.3
4.ジメチルポリシロキサン1%処理黒酸化鉄 0.3
5.グンジョウ 0.2
6.ジメチルポリシロキサン1%処理合成金雲母 11.0
7.合成金雲母 残量
8.球状ナイロン−12*11 4.0
9.タルク 20.0
10.球状(ジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー*16 4.0
11.酸化チタン被覆ガラス末 8.0
12.酸化鉄被覆雲母チタン 20.0
13.ジメチルポリシロキサン2%処理雲母チタン 3.0
14.ジメチコン 5.0
15.ワセリン 4.0
16.セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
17.トリメリト酸トリトリデシル 5.0
18.トリエチルヘキサノイン 15.0
19.ホホバ種子油 0.1
20.製造実施例5のポリウレタンゲル組成物 2.0
21.香料 0.01
(製造方法)
A.1〜13をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.14〜21を均一に混合溶解する。
C.AにBを添加し均一に混合する。
D.Cの溶媒を吸取りながら圧縮成形した後、70℃で10時間乾燥しアイカラーを得た。
得られたアイカラーは、耐衝撃性や、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた化粧料であった。
実施例24:ファンデーション
下記の処方および製法にファンデーションを製造した
(成分) (質量%)
1.黄酸化鉄 0.3
2.赤酸化鉄 0.2
3.黒酸化鉄 0.2
4.リン脂質0.1%処理タルク 5
5.ステアリン酸アルミニウム 0.5
6.球状ポリメタクリル酸メチル*13 6
7.球状(ビニルジメチコン/メチルシルセスキオキサン)
クロスポリマー*16 4
8.球状シリカ*25 4
9.球状(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー*9 3
10.酸化チタン 5
11.酸化亜鉛 5
12.窒化ホウ素 10
13.合成金雲母 残量
14.タルク 10
15.パラメトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
16.イソノナン酸イソトリデシル 5
17.セスキステアリン酸ソルビタン 0.5
18.製造実施例2のポリウレタンゲル組成物 4
*25 HCS 160M5(平均粒子径 6μm 日揮触媒化成社製)
(製造方法)
A.1〜15をスーパーミキサーで均一に混合する。
B.16〜18を均一に混合溶解する。
C.AにBを加え均一に混合し、溶媒として水を80%を加え、均一に混合する。
D.Cの溶媒を吸取りながら圧縮成形した後、70℃で10時間乾燥しファンデーションを得た。
得られたファンデーションは、耐衝撃性や、しっとり感、化粧もち、軽い伸び広がりに優れた化粧料であった。

Claims (8)

  1. 次の成分(A)及び成分(B)を含む、固形粉末化粧料であり、
    前記成分(A)が、成分(A−1)ポリウレタン及び成分(A−2)油剤を含有するポリウレタンゲル組成物であり、
    当該成分(A−1)は、
    (i)(a)末端にイソシアネート基を持つ水添ポリブタジエンと(b)HO−R3−OH(式中、R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタン、又は、
    (ii)(c)末端に水酸基を持つ水添ポリブタジエンと(d)ジイソシアネート化合物と(b)HO−R3−OH(式中R3はエーテル結合を有していてもよい直鎖若しくは分岐のC2〜C6アルキレン基を表す)で表されるグリコールとの反応によって得られるポリウレタンであり、
    前記成分(B)が球状粉体である、固形粉末化粧料。
  2. 前記成分(A−1)ポリウレタンが、油溶性ポリウレタンである、請求項1に記載の固形粉末化粧料。
  3. 前記成分(A−1)ポリウレタンが、重量平均分子量(Mw)10000〜100000である、請求項1又は2に記載の固形粉末化粧料。
  4. 前記成分(A−2)油剤が、25℃で液状の油剤である、請求項1〜3の何れか1項に記載の固形粉末化粧料。
  5. 前記成分(A)及び前記成分(B)の含有質量割合が、成分(A)/成分(B)=0.005〜3である請求項1〜4の何れか1項に記載の固形粉末化粧料。
  6. 前記成分(A−1)及び前記成分(B)の含有質量割合が、成分(A−1)/成分(B)=0.002〜1である請求項1〜5の何れか1項に記載の固形粉末化粧料。
  7. 前記成分(A−2)を含む全て油剤の含有量が、2〜45質量%である請求項1〜6の何れか1項に記載の固形粉末化粧料。
  8. 前記成分(A)、(B)及びその他の成分を含有する粉体基剤を溶媒と混合しスラリー状とし、容器に充填した後に溶媒の一部又は全部を除去して得られる請求項1〜7の何れか1項に記載の固形粉末化粧料。

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