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JP2019173010A - 樹脂材料、積層フィルム及び多層プリント配線板 - Google Patents

樹脂材料、積層フィルム及び多層プリント配線板 Download PDF

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JP2019173010A JP2019061453A JP2019061453A JP2019173010A JP 2019173010 A JP2019173010 A JP 2019173010A JP 2019061453 A JP2019061453 A JP 2019061453A JP 2019061453 A JP2019061453 A JP 2019061453A JP 2019173010 A JP2019173010 A JP 2019173010A
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Abstract

【課題】1)凹凸表面に対する埋め込み性を高め、2)ラミネート時における樹脂材料の基板周囲からの過度のはみ出しを抑え、3)硬化温度を低く抑え、4)硬化物の誘電正接を低くし、5)金属との密着性を高め、かつ6)硬化物の折り曲げ安定性を高めることができる樹脂材料を提供する。【解決手段】本発明に係る樹脂材料は、ポリイミド化合物と、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物及び脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも一方の脂肪族骨格含有化合物とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミド化合物を含む樹脂材料に関する。また、本発明は、上記樹脂材料を用いた多層プリント配線板に関する。
従来、半導体装置、積層板及びプリント配線板等の電子部品を得るために、様々な樹脂材料が用いられている。例えば、多層プリント配線板では、内部の層間を絶縁するための絶縁層を形成したり、表層部分に位置する絶縁層を形成したりするために、樹脂材料が用いられている。上記絶縁層の表面には、一般に金属である配線が積層される。また、上記絶縁層を形成するために、上記樹脂材料がフィルム化された樹脂フィルムが用いられることがある。上記樹脂材料及び上記樹脂フィルムは、ビルドアップフィルムを含む多層プリント配線板用の絶縁材料等として用いられている。
下記の特許文献1には、マレイミド基と、少なくとも2つのイミド結合を有する2価の基及び飽和又は不飽和の2価の炭化水素基とを有する化合物を含有する樹脂組成物が開示されている。特許文献1には、この樹脂組成物の硬化物を、多層プリント配線板等の絶縁層として用いることができることが記載されている。
下記の特許文献2には、(A)多官能エポキシ樹脂(但し、フェノキシ樹脂を除く)、(B)フェノール系硬化剤及び/又は活性エステル系硬化剤、(C)熱可塑性樹脂、(D)無機充填材、並びに(E)4級ホスホニウム系硬化促進剤を含有する樹脂組成物が開示されている。(C)熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、及びポリスルホン樹脂から選択される熱可塑性樹脂である。(E)4級ホスホニウム系硬化促進剤は、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、及びブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネートから選ばれる1種以上の4級ホスホニウム系硬化促進剤である。
WO2016/114286A1 特開2015−145498号公報
特許文献1に記載のような従来の樹脂材料を用いて絶縁層を形成した場合、基板等の凹凸に対する樹脂材料の埋め込み性が十分に高くならなかったり、ラミネート時に樹脂材料が基板周囲から過度にはみ出したりして、膜厚の制御が困難になることがある。また、特許文献2に記載のような従来の樹脂材料を用いて絶縁層を形成した場合には、該絶縁層の誘電正接が十分に低くならなかったり、該絶縁層と銅基板との密着性が十分に高くならなかったりすることがある。
一方、芳香族骨格を有するマレイミド化合物のみが配合された従来の樹脂材料では、該マレイミド化合物のTgが高いため、硬化温度を低くする(例えば200℃以下)ことは困難である。また、硬化温度を低くした場合には、十分な分子運動が起こりにくいため、硬化不良が生じることがある。また、硬化温度を低くした場合には、多層プリント配線板の製造時において、初期に積層された樹脂材料が、後期に積層された樹脂材料よりも、より多くの回数かつより長い時間加熱されるため、絶縁層の電気特性や物性が変化することがある。
また、従来の樹脂材料では、硬化物の折り曲げ安定性が十分に高くならないことがある。
このように、1)凹凸表面に対する埋め込み性を高め、2)ラミネート時における樹脂材料の基板周囲からの過度のはみ出しを抑え、3)硬化温度を低く抑え、4)硬化物の誘電正接を低くし、5)金属との密着性を高め、かつ6)硬化物の折り曲げ安定性を高めることは極めて困難であるという現状がある。すなわち、上記1)−6)の効果を全て発揮する樹脂材料を得ることは極めて困難であるという現状がある。
本発明の目的は、1)凹凸表面に対する埋め込み性を高め、2)ラミネート時における樹脂材料の基板周囲からの過度のはみ出しを抑え、3)硬化温度を低く抑え、4)硬化物の誘電正接を低くし、5)金属との密着性を高め、かつ6)硬化物の折り曲げ安定性を高めることができる樹脂材料を提供することである。また、本発明は、上記樹脂材料を用いた積層フィルム及び多層プリント配線板を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、ポリイミド化合物と、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物及び脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも一方の脂肪族骨格含有化合物とを含む、樹脂材料が提供される。
本発明に係るある特定の局面では、前記脂肪族骨格含有化合物において、マレイミド骨格又はベンゾオキサジン骨格を形成している窒素原子に、前記脂肪族骨格が結合している。
本発明に係るある特定の局面では、前記ポリイミド化合物の重量平均分子量が15000以上であり、前記脂肪族骨格含有化合物の重量平均分子量が15000未満である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記脂肪族骨格含有化合物が、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有する。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記脂肪族骨格含有化合物が、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有する。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記脂肪族骨格を有するジアミン化合物が、ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記樹脂材料は、熱硬化性化合物と、無機充填材とを含む。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記熱硬化性化合物がエポキシ化合物である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、前記無機充填材の含有量が、50重量%以上である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記ポリイミド化合物と前記脂肪族骨格含有化合物との合計100重量%中、前記ポリイミド化合物の含有量が、3重量%以上80重量%以下である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記ポリイミド化合物が、ダイマージアミンに由来する骨格を有するポリイミド化合物である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、樹脂材料中の溶剤を除く有機成分100重量%中、前記ポリイミド化合物と前記脂肪族骨格含有化合物との合計の含有量が、10重量%以上98重量%以下である。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記樹脂材料は、硬化促進剤を含み、前記硬化促進剤が、ラジカル性硬化促進剤及びアニオン性硬化促進剤の内の少なくとも一方を含む。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記硬化促進剤が、ラジカル性硬化促進剤とジメチルアミノピリジンとを含むか、又は、ラジカル性硬化促進剤とイミダゾール化合物とを含むか、又はラジカル性硬化促進剤とリン化合物とを含む。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記樹脂材料は、硬化剤と硬化促進剤とを含み、前記硬化促進剤が、イミダゾール化合物を含む。
本発明に係る樹脂材料のある特定の局面では、前記樹脂材料は、樹脂フィルムである。
本発明に係る樹脂材料は、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために好適に用いられる。
本発明の広い局面によれば、基材と、前記基材の表面上に積層された樹脂フィルムとを備え、前記樹脂フィルムが、上述した樹脂材料である、積層フィルムが提供される。
本発明の広い局面によれば、回路基板と、前記回路基板の表面上に配置された複数の絶縁層と、複数の前記絶縁層間に配置された金属層とを備え、複数の前記絶縁層の内の少なくとも1層が、上述した樹脂材料の硬化物である、多層プリント配線板が提供される。
本発明に係る樹脂材料は、ポリイミド化合物と、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物及び脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも一方の脂肪族骨格含有化合物とを含む。本発明に係る樹脂材料では、上記の構成が備えられているので、1)凹凸表面に対する埋め込み性を高め、2)ラミネート時における樹脂材料の基板周囲からの過度のはみ出しを抑え、3)硬化温度を低く抑え、4)硬化物の誘電正接を低くし、5)金属との密着性を高め、かつ6)硬化物の折り曲げ安定性を高めることができる。本発明に係る樹脂材料では、上記1)−6)の効果を全て発揮することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂材料を用いた多層プリント配線板を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る樹脂材料は、ポリイミド化合物と、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物及び脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも一方の脂肪族骨格含有化合物とを含む。
本発明に係る樹脂材料では、上記の構成が備えられているので、1)凹凸表面に対する埋め込み性を高め、2)ラミネート時における樹脂材料の基板周囲からの過度のはみ出しを抑え、3)硬化温度を低く抑え、4)硬化物の誘電正接を低くし、5)金属との密着性を高め、かつ6)硬化物の折り曲げ安定性を高めることができることができる。本発明に係る樹脂材料では、上記1)−6)の効果を全て発揮することができる。本発明に係る樹脂材料では、5)金属との密着性として、例えば、絶縁層と金属層(銅層)とのピール強度を高めることができる。
また、本発明に係る樹脂材料では、上記の構成が備えられているので、熱寸法安定性を高めることができる。また、本発明に係る樹脂材料では、上記の構成が備えられているので、ハンドリング性を高めることができる。
本発明に係る樹脂材料は、樹脂組成物であってもよく、樹脂フィルムであってもよい。上記樹脂組成物は、流動性を有する。上記樹脂組成物は、ペースト状であってもよい。上記ペースト状には液状が含まれる。取扱性に優れることから、本発明に係る樹脂材料は、樹脂フィルムであることが好ましい。本発明に係る樹脂材料が樹脂組成物である場合には、塗布時又はフィルム成形時のハンドリング性を高めることができる。本発明に係る樹脂材料が樹脂フィルムである場合には、ラミネート時のハンドリング性を高めることができる。
特に、上記ポリイミド化合物と、上記脂肪族骨格含有化合物との双方が、下記式(X)で表される構造を有する場合には、該ポリイミド化合物と該脂肪族骨格含有化合物との相溶が向上するため、硬化物の折り曲げ安定性をより一層高めることができる。
Figure 2019173010
上記式(X)中、R1は、4価の有機基を表す。
本発明に係る樹脂材料は、熱硬化性材料であることが好ましい。上記樹脂材料が樹脂フィルムである場合には、該樹脂フィルムは、熱硬化性樹脂フィルムであることが好ましい。
本発明では、ポリイミド化合物と、特定の脂肪族骨格含有化合物との組み合せが重要かつ技術的意義のある構成である。樹脂材料が、ポリイミド化合物を含み、かつ特定の脂肪族骨格含有化合物を含まない場合に、上述した1)−6)の本発明の効果を全て効果的に発揮することは困難である。特に、樹脂材料が、ポリイミド化合物を含み、かつ特定の脂肪族骨格含有化合物を含まない場合に、凹凸表面に対する埋め込み性を高めたり、誘電正接を低くしたり、硬化温度を低くしたり、硬化物の折り曲げ安定性を高めることは困難である。特に、マレイミド化合物がN−フェニルマレイミド化合物(例えば、複数のマレイミド骨格を有し、かつ全ての窒素原子が芳香族環と結合した構造を有するマレイミド化合物)である場合、該N−フェニルマレイミド化合物はTgが高いため、硬化温度を低くすることは困難であり、誘電正接を低くすることは困難である。一方、樹脂材料が、ポリイミド化合物を含まず、特定の脂肪族骨格含有化合物を含む場合も、上述した1)−6)の本発明の効果を全て効果的に発揮することは困難である。特に、樹脂材料が、ポリイミド化合物を含まず、特定の脂肪族骨格含有化合物を含む場合に、ラミネート時に樹脂材料が基板周囲から過度にはみ出したりして、絶縁層の膜厚制御が困難になったり、周囲の基板等が汚染したりすることがある。また、樹脂材料が樹脂フィルムである場合、ラミネート時のフロー量が大きくなることがある。その結果、絶縁層の厚みにむらが生じることがある。
以下、本発明に係る樹脂材料に用いられる各成分の詳細、及び本発明に係る樹脂材料の用途などを説明する。
[ポリイミド化合物]
本発明に係る樹脂材料は、ポリイミド化合物を含む。上記ポリイミド化合物は、マレイミド化合物とは異なる化合物である。上記ポリイミド化合物は末端に、マレイミド骨格を有していてもよく、有していなくてもよい。なお、上記ポリイミド化合物は末端に、酸無水物構造、シトラコンイミド構造を有していてもよい。上記ポリイミド化合物として、従来公知のポリイミド化合物を使用可能である。上記ポリイミド化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリイミド化合物は、テトラカルボン酸二無水物とイソシアネートエステル化合物とを反応させる方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを反応させる方法、並びにテトラカルボン酸二無水物とトリアミン化合物とを反応させる方法等によって得ることができる。
上記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、及びビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
上記ジアミン化合物としては、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−エチレンジアニリン、イソホロンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,4−ジアミノブタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ジアミノプロパン、1,11−ジアミノウンデカン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、及びダイマージアミン等が挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物と上記ジアミン化合物との反応により、イミド骨格が形成される。
上述した1)−6)の本発明の効果を効果的に発揮する観点からは、上記ポリイミド化合物は、ダイマージアミンに由来する骨格を有するポリイミド化合物であることが好ましい。上記ダイマージアミンに由来する骨格は、上記ポリイミド化合物において、部分骨格として存在する。
上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するポリイミド化合物は、上記テトラカルボン酸二無水物と上記ダイマージアミンとを反応させて得ることが好ましい。
上記ダイマージアミンとしては、例えば、バーサミン551(商品名、BASFジャパン社製、3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)シクロヘキセン)、バーサミン552(商品名、コグニクスジャパン社製、バーサミン551の水添物)、PRIAMINE1075、PRIAMINE1074(商品名、いずれもクローダジャパン社製)等が挙げられる。
上記ポリイミド化合物と上記脂肪族骨格含有化合物との合計100重量%中、上記ポリイミド化合物の含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは50重量%以下である。上記ポリイミド化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、樹脂材料の粘度が高くなりすぎず、ハンドリング性及び凹凸表面に対する埋め込み性をより一層高めることができる。また、上記ポリイミド化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、ラミネート時のフロー量が大きくなりすぎることを抑えることができる。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記ポリイミド化合物の含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは7重量%以上である。上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記ポリイミド化合物の含有量は、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下、更に好ましくは25重量%以下、特に好ましくは20重量%以下である。上記ポリイミド化合物の含有量が上記下限以上であると、硬化物の誘電正接を低くでき、フロー量を良好に制御するこができ、絶縁層と金属層の密着性をより一層高めることができる。上記ポリイミド化合物の含有量が上記上限以下であると、凹凸表面に対する埋め込み性をより一層高めることができる。上記ポリイミド化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、ハンドリング性を高めることができる。
凹凸表面に対する埋め込み性をより一層高める観点からは、上記ポリイミド化合物の重量平均分子量は、好ましくは15000以上、より好ましくは20000以上、好ましくは50000未満、より好ましく40000未満である。
上記ポリイミド化合物の重量平均分子量は、該ポリイミド化合物が重合体ではない場合、及び該ポリイミド化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記ポリイミド化合物の重量平均分子量は、該ポリイミド化合物が重合体である場合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記ポリイミド化合物が末端にマレイミド骨格を有する場合、上記ポリイミド化合物の重量分子量は、15000以上であることが好ましく、20000以上であることがより好ましい。
[脂肪族骨格含有化合物]
本発明に係る樹脂材料は、脂肪族骨格含有化合物を含む。該脂肪族骨格含有化合物は、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物及び脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも一方の化合物である。本発明に係る樹脂材料は、該脂肪族骨格含有化合物として、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物のみを含んでいてもよく、脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物のみを含んでいてもよく、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物と脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物との双方を含んでいてもよい。
<脂肪族骨格を有するマレイミド化合物>
本発明に係る樹脂材料は、脂肪族骨格含有化合物として、脂肪族骨格を有するマレイミド化合物(以下、マレイミド化合物Xと記載することがある)を含むことが好ましい。上記マレイミド化合物Xは、ポリイミド化合物とは異なる化合物である。マレイミド化合物Xは、マレイミド基を有する。マレイミド化合物Xは、末端にマレイミド基を有する。マレイミド化合物Xは、脂肪族骨格を有する。したがって、マレイミド化合物Xは、マレイミド基と脂肪族骨格とを有する。マレイミド化合物Xにおいて、マレイミド骨格を形成している窒素原子に、上記脂肪族骨格が結合していることが好ましい。なお、マレイミド化合物Xは、イミド骨格を有していてもよい。上記マレイミド化合物Xとして、従来公知のマレイミド化合物を使用可能である。なお、上記マレイミド化合物Xには、シトラコンイミド化合物が含まれる。上記シトラコンイミド化合物とは、マレイミド基における炭素原子間の二重結合を構成する炭素原子の一方にメチル基が結合した化合物である。上記マレイミド化合物Xは末端に、シトラコンイミド構造を有していてもよい。上記マレイミド化合物Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記マレイミド化合物Xは、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有することが好ましい。上記ポリアミン化合物とは、2個以上の1級のアミノ基を有する化合物を意味する。上記マレイミド化合物Xは、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有してもよく、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物と、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とは異なるアミン化合物と、カルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有してもよい。
上記脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有するマレイミド化合物Xは、例えば、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物とを反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物と無水マレイン酸とを反応させて得ることができる。
上記マレイミド化合物Xは、具体的には、脂肪族骨格を有するジアミン化合物又は脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有することが好ましい。上記マレイミド化合物Xは、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよい。上記マレイミド化合物Xは、脂肪族骨格を有するジアミン化合物と、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とは異なるアミン化合物(例えば、芳香族骨格を有するジアミン化合物)と、カルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよい。上記マレイミド化合物Xは、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよく、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物と、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とは異なるアミン化合物と、カルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよい。この場合に、該反応物を得るために、脂肪族骨格を有するジアミン化合物及び脂肪族骨格を有するトリアミン化合物の内の一方が用いられていることが好ましい。該反応物を得るために、脂肪族骨格を有するジアミン化合物と脂肪族骨格を有するトリアミン化合物との双方が用いられていることがより好ましい。なお、この場合に、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物の配合量(重量%)は脂肪族骨格を有するジアミン化合物の配合量(重量%)の5%以下であることが好ましい。
上記脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有するマレイミド化合物Xは、例えば、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物を反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物と無水マレイン酸とを反応させて得ることができる。
上記脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有するマレイミド化合物Xは、例えば、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物を反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物と無水マレイン酸とを反応させて得ることができる。
上記マレイミド化合物Xが、ジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物である場合において、マレイミド化合物Xが、以下の(1)又は(2)を満足することが好ましく、(1)及び(2)を満足することがより好ましい。(1)両末端にジアミン骨格を有する。(2)カルボン酸二無水物と直接結合していないジアミン化合物のアミノ基において、該アミノ基を有する骨格がマレイミド骨格である。
上記脂肪族骨格を有するジアミン化合物としては、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)、1,4−ジアミノブタン、1,10−ジアミノデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,7−ジアミノヘプタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,5−ジアミノペンタン、1,8−ジアミノオクタン、1,3−ジアミノプロパン、1,11−ジアミノウンデカン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、及びダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有するジアミン化合物としては、1,1−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−エチレンジアニリン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)、及び4,4’−メチレンビス(2−エチル−6−メチルアニリン)等が挙げられる。
上記カルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、及びビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
誘電正接を低くする観点からは、脂肪族骨格を有するジアミン化合物は、ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物であることが好ましい。
上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物は、ダイマージアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応物であることが好ましい。なお、上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物が、ダイマージアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応物である場合に、該反応物(該ジアミン化合物)は、ダイマージアミンに由来する骨格以外のジアミン骨格を有していてもよい。
上記ダイマージアミンとしては、例えば、バーサミン551(商品名、BASFジャパン社製、3,4−ビス(1−アミノヘプチル)−6−ヘキシル−5−(1−オクテニル)シクロヘキセン)、バーサミン552(商品名、コグニクスジャパン社製、バーサミン551の水添物)、PRIAMINE1075、PRIAMINE1074(商品名、いずれもクローダジャパン社製)等が挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、及びビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物等が挙げられる。
上述した1)−6)の本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記マレイミド化合物Xは、ダイマージアミンに由来する骨格を有するN−アルキルビスマレイミド化合物であることが好ましい。
上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するN−アルキルビスマレイミド化合物の市販品としては、Designer Molecules Inc.社製「BMI−1500」、「BMI−1700」、及び「BMI−3000」等が挙げられる。
上記マレイミド化合物Xの含有量の、後述する熱硬化性化合物と後述する成分Xとの合計の含有量に対する重量比(マレイミド化合物Xの含有量/熱硬化性化合物と成分Xとの合計の含有量)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.75以下である。上記重量比(マレイミド化合物Xの含有量/熱硬化性化合物と成分Xとの合計の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、誘電正接をより一層低くでき、絶縁層と金属層との密着性をより一層高めることができる。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記マレイミド化合物Xの含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。上記マレイミド化合物Xの含有量が上記下限以上であると、誘電正接をより一層低くでき、絶縁層と金属層との密着性をより一層高めることができる。上記マレイミド化合物Xの含有量が上記上限以下であると、ラミネート時の埋め込み性を良好にすることができる。
絶縁層と金属層との密着性をより一層高める観点からは、上記マレイミド化合物Xの重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、好ましくは15000未満、より好ましくは12000未満、更に好ましくは10000未満である。
上記マレイミド化合物Xの重量平均分子量は、該マレイミド化合物Xが重合体ではない場合、及び該マレイミド化合物Xの構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記マレイミド化合物Xの重量平均分子量は、該マレイミド化合物Xが重合体である場合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
<脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物>
本発明に係る樹脂材料は、脂肪族骨格含有化合物として、脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物(以下、ベンゾオキサジン化合物Xと記載することがある)を含むことが好ましい。ベンゾオキサジン化合物Xは、ベンゾオキサジン骨格を有する。したがって、ベンゾオキサジン化合物Xは、ベンゾオキサジン骨格と脂肪族骨格とを有する。ベンゾオキサジン化合物Xにおいて、ベンゾオキサジン骨格を形成している窒素原子に、上記脂肪族骨格が結合していることが好ましい。なお、ベンゾオキサジン化合物Xは、イミド骨格を有していてもよい。上記ベンゾオキサジン化合物Xとして、従来公知のベンゾオキサジン化合物を使用可能である。上記ベンゾオキサジン化合物Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ベンゾオキサジン化合物Xとしては、N−アルキルベンゾオキサジン化合物等が挙げられる。
上記ベンゾオキサジン化合物Xは、上述したマレイミド化合物Xのマレイミド骨格が、ベンゾオキサジン骨格に置換された化合物であることが好ましい。
上記ベンゾオキサジン化合物Xは、例えば、上述したテトラカルボン酸二無水物と上述したジアミン化合物とを反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物とフェノールとパラホルムアルデヒドとを反応させて得ることができる。また、上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するN−アルキルベンゾオキサジン化合物は、例えば、テトラカルボン酸二無水物とダイマージアミンとを反応させて両末端がダイマージアミンに由来する骨格を有する反応物を得た後、該反応物とフェノールとパラホルムアルデヒドとを反応させて得ることができる。
上記ベンゾオキサジン化合物Xは、主鎖にイミド骨格を有することが好ましい。この場合、上記ポリイミド化合物との相溶性を高めることができるため、硬化物の折り曲げ安定性をより一層高めることができる。
上記ベンゾオキサジン化合物Xは、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有することが好ましい。上記ポリアミン化合物とは、2個以上の1級のアミノ基を有する化合物を意味する。上記ベンゾオキサジン化合物Xは、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有してもよく、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物と、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とは異なるアミン化合物と、カルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有してもよい。
上記脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有するベンゾオキサジン化合物Xは、例えば、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物とを反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物とフェノールとパラホルムアルデヒドとを反応させて得ることができる。
上記ベンゾオキサジン化合物Xは、具体的には、脂肪族骨格を有するジアミン化合物又は脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有することが好ましい。上記ベンゾオキサジン化合物Xは、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよい。上記ベンゾオキサジン化合物Xは、脂肪族骨格を有するジアミン化合物と、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とは異なるアミン化合物(例えば、芳香族骨格を有するジアミン化合物)と、カルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよい。上記ベンゾオキサジン化合物Xは、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよく、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物と、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とは異なるアミン化合物と、カルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有していてもよい。この場合に、該反応物を得るために、脂肪族骨格を有するジアミン化合物及び脂肪族骨格を有するトリアミン化合物の内の一方が用いられていることが好ましい。該反応物を得るために、脂肪族骨格を有するジアミン化合物と脂肪族骨格を有するトリアミン化合物との双方が用いられていることがより好ましい。なお、この場合に、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物の配合量(重量%)は脂肪族骨格を有するジアミン化合物の配合量(重量%)の5%以下であることが好ましい。
上記脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有するベンゾオキサジン化合物Xは、例えば、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物を反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物とフェノールとパラホルムアルデヒドとを反応させて得ることができる。
上記脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有するベンゾオキサジン化合物Xは、例えば、脂肪族骨格を有するトリアミン化合物とカルボン酸二無水物を反応させて両末端がアミノ基である反応物を得た後、該反応物とフェノールとパラホルムアルデヒドとを反応させて得ることができる。
上記脂肪族骨格を有するジアミン化合物としては、上述したジアミン化合物等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有するジアミン化合物としては、上述したジアミン化合物等が挙げられる。
上記カルボン酸二無水物としては、上述したカルボン酸二無水物が挙げられる。
誘電正接を低くする観点からは、脂肪族骨格を有するジアミン化合物は、ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物であることが好ましい。
上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物は、ダイマージアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応物であることが好ましい。なお、上記ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物が、ダイマージアミンとテトラカルボン酸二無水物との反応物である場合に、該反応物(該ジアミン化合物)は、ダイマージアミンに由来する骨格以外のジアミン骨格を有していてもよい。
上記ダイマージアミンとしては、上述したダイマージアミンが挙げられる。
上記テトラカルボン酸二無水物としては、上述したテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
上述した1)−6)の本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記ベンゾオキサジン化合物Xは、ダイマージアミンに由来する骨格を有するN−アルキルビスベンゾオキサジン化合物であることが好ましい。
上記ベンゾオキサジン化合物Xの含有量の、後述する熱硬化性化合物と後述する成分Xとの合計の含有量に対する重量比(ベンゾオキサジン化合物Xの含有量/熱硬化性化合物と成分Xとの合計の含有量)は、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.75以下である。上記重量比(ベンゾオキサジン化合物Xの含有量/熱硬化性化合物と成分Xとの合計の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、誘電正接をより一層低くでき、絶縁層と金属層との密着性をより一層高めることができる。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記ベンゾオキサジン化合物Xの含有量は、好ましくは3重量%以上、より好ましくは5重量%以上、更に好ましくは10重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。上記ベンゾオキサジン化合物Xの含有量が上記下限以上であると、誘電正接をより一層低くでき、絶縁層と金属層との密着性をより一層高めることができる。上記ベンゾオキサジン化合物Xの含有量が上記上限以下であると、ラミネート時の埋め込み性を良好にすることができる。
絶縁層と金属層との密着性をより一層高める観点からは、上記ベンゾオキサジン化合物Xの重量平均分子量は、好ましくは500以上、より好ましくは1000以上、好ましくは15000未満、より好ましくは12000未満、更に好ましくは10000未満である。
上記ベンゾオキサジン化合物Xの重量平均分子量は、該ベンゾオキサジン化合物Xが重合体ではない場合、及び該ベンゾオキサジン化合物Xの構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記ベンゾオキサジン化合物Xの重量平均分子量は、該ベンゾオキサジン化合物Xが重合体である場合は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記樹脂材料中の溶剤を除く有機成分100重量%中、上記ポリイミド化合物と上記脂肪族骨格含有化合物との合計の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは15重量%以上、更に好ましくは20重量%以上である。上記樹脂材料中の溶剤を除く有機成分100重量%中、上記ポリイミド化合物と上記脂肪族骨格含有化合物との合計の含有量は、好ましくは98重量%以下、より好ましくは80重量%以下である。上記合計の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、上述した1)−6)の本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
[熱硬化性化合物]
上記樹脂材料は、熱硬化性化合物を含むことが好ましい。上記熱硬化性化合物は、上記ポリイミド化合物、上記マレイミド化合物X及び上記ベンゾオキサジン化合物Xとは異なる熱硬化性化合物である。上記熱硬化性化合物としては、スチレン化合物、ビニル化合物、フェノキシ化合物、オキセタン化合物、エポキシ化合物、エピスルフィド化合物、(メタ)アクリル化合物、フェノール化合物、アミノ化合物、不飽和ポリエステル化合物、ポリウレタン化合物、及びシリコーン化合物等が挙げられる。上記熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上述した1)−6)の本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点、また、熱寸法安定性を高める観点からは、上記熱硬化性化合物は、エポキシ化合物であることが好ましい。
上記エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、ビフェノール型エポキシ化合物、ナフタレン型エポキシ化合物、フルオレン型エポキシ化合物、フェノールアラルキル型エポキシ化合物、ナフトールアラルキル型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物、アントラセン型エポキシ化合物、アダマンタン骨格を有するエポキシ化合物、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ化合物、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ化合物等が挙げられる。
上記エポキシ化合物は、芳香族骨格を有するエポキシ化合物を含むことが好ましく、ナフタレン骨格又はフェニル骨格を有するエポキシ化合物を含むことが好ましく、芳香族骨格を有するエポキシ化合物であることがより好ましく、ナフタレン骨格を有するエポキシ化合物であることが更に好ましい。この場合には、誘電正接をより一層低くし、かつ耐熱性、難燃性及び熱寸法安定性を高めることができる。
誘電正接をより一層低くし、かつ硬化物の熱線膨張係数(CTE)を良好にする観点からは、上記エポキシ化合物は、25℃で液状のエポキシ化合物と、25℃で固形のエポキシ化合物とを含むことが好ましい。
上記25℃で液状のエポキシ化合物の25℃での粘度は、1000mPa・s以下であることが好ましく、500mPa・s以下であることがより好ましい。
上記エポキシ化合物の粘度を測定する際には、例えば動的粘弾性測定装置(レオロジカ・インスツルメンツ社製「VAR−100」)等が用いられる。
上記エポキシ化合物の分子量は1000以下であることがより好ましい。この場合には、樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%、無機充填材の含有量が50重量%以上であっても、絶縁層の形成時に流動性が高い樹脂材料が得られる。このため、樹脂材料の未硬化物又はBステージ化物を回路基板上にラミネートした場合に、無機充填材を均一に存在させることができる。
上記エポキシ化合物の分子量は、上記エポキシ化合物が重合体ではない場合、及び上記エポキシ化合物の構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味する。また、上記エポキシ化合物が重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
硬化物と金属層との接着強度をより一層高める観点からは、樹脂材料中の溶剤を除く有機成分100重量%中、上記エポキシ化合物の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは25重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。
上記エポキシ化合物の含有量の、上記脂肪族骨格含有化合物と後述する成分Xとの合計の含有量に対する重量比(上記エポキシ化合物の含有量/上記脂肪族骨格含有化合物と上記成分Xとの合計の含有量)は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上である。上記エポキシ化合物の含有量の、上記脂肪族骨格含有化合物と後述する成分Xとの合計の含有量に対する重量比(上記エポキシ化合物の含有量/上記脂肪族骨格含有化合物と上記成分Xとの合計の含有量)は、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下である。上記重量比(上記エポキシ化合物の含有量/上記脂肪族骨格含有化合物と上記成分Xとの合計の含有量)が上記下限以上及び上記上限以下であると、誘電正接を低くすることができ、線膨張係数を小さくすることができ、絶縁層と金属層との密着性をより一層高め、かつハンドリング性を高めることができる。
[無機充填材]
上記樹脂材料は、無機充填材を含むことが好ましい。上記無機充填材の使用により、硬化物の誘電正接をより一層低くすることができる。また、上記無機充填材の使用により、硬化物の熱による寸法変化がより一層小さくなる。上記無機充填材は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機充填材としては、シリカ、タルク、クレイ、マイカ、ハイドロタルサイト、アルミナ、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、及び窒化ホウ素等が挙げられる。
硬化物の表面の表面粗さを小さくし、硬化物と金属層との接着強度をより一層高くし、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成し、かつ硬化物により良好な絶縁信頼性を付与する観点からは、上記無機充填材は、シリカ又はアルミナであることが好ましく、シリカであることがより好ましく、溶融シリカであることが更に好ましい。シリカの使用により、硬化物の熱膨張率がより一層低くなり、また、硬化物の誘電正接がより一層低くなる。また、シリカの使用により、硬化物の表面の表面粗さが効果的に小さくなり、硬化物と金属層との接着強度が効果的に高くなる。シリカの形状は球状であることが好ましい。
硬化環境によらず、樹脂の硬化を進め、硬化物のガラス転移温度を効果的に高くし、硬化物の熱線膨張係数を効果的に小さくする観点からは、上記無機充填材は球状シリカであることが好ましい。
上記無機充填材の平均粒径は、好ましくは50nm以上、より好ましくは100nm以上、更に好ましくは500nm以上、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、更に好ましくは1μm以下である。上記無機充填材の平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、凹凸表面に対する埋め込み性をより一層高め、絶縁層と金属層との密着性をより一層高めることができる。
上記無機充填材の平均粒径として、50%となるメディアン径(d50)の値が採用される。上記平均粒径は、レーザー回折散乱方式の粒度分布測定装置を用いて測定可能である。
上記無機充填材は、球状であることが好ましく、球状シリカであることがより好ましい。この場合には、硬化物の表面の表面粗さが効果的に小さくなり、更に硬化物と金属層との接着強度が効果的に高くなる。上記無機充填材が球状である場合には、上記無機充填材のアスペクト比は好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下である。
上記無機充填材は、表面処理されていることが好ましく、カップリング剤による表面処理物であることがより好ましく、シランカップリング剤による表面処理物であることが更に好ましい。上記無機充填材が表面処理されていることにより、粗化硬化物の表面の表面粗さがより一層小さくなり、硬化物と金属層との接着強度がより一層高くなる。また、上記無機充填材が表面処理されていることにより、硬化物の表面により一層微細な配線を形成することができ、かつより一層良好な配線間絶縁信頼性及び層間絶縁信頼性を硬化物に付与することができる。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、メタクリルシラン、アクリルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン、ビニルシラン、及びエポキシシラン等が挙げられる。
樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、上記無機充填材の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、更に好ましくは65重量%以上、特に好ましくは68重量%以上である。樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、上記無機充填材の含有量は、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下、更に好ましくは80重量%以下、特に好ましくは75重量%以下である。上記無機充填材の含有量が上記下限以上であると、誘電正接が効果的に低くなり、線膨張係数を小さくすることができる。上記無機充填材の含有量が上記上限以下であると、接着性、凹凸表面に対する埋め込み性、及びエッチング性能を高めることができる。上記無機充填材の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物の表面の表面粗さをより一層小さくすることができ、かつ硬化物の表面により一層微細な配線を形成することができる。さらに、この無機充填材量であれば、硬化物の熱膨張率を低くすることと同時に、スミア除去性を良好にすることも可能である。
[硬化剤]
上記樹脂材料は、硬化剤を含むことが好ましい。上記硬化剤は特に限定されない。上記硬化剤として、従来公知の硬化剤を使用可能である。上記硬化剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤としては、シアネートエステル化合物(シアネートエステル硬化剤)、アミン化合物(アミン硬化剤)、チオール化合物(チオール硬化剤)、イミダゾール化合物、ホスフィン化合物、ジシアンジアミド、フェノール化合物(フェノール硬化剤)、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物(カルボジイミド硬化剤)、脂肪族骨格を有さないベンゾオキサジン化合物(ベンゾオキサジン硬化剤)、及び脂肪族骨格を有さないマレイミド化合物等が挙げられる。上記硬化剤は、上記エポキシ化合物のエポキシ基と反応可能な官能基を有することが好ましい。
誘電正接を低くし、熱寸法安定性を高める観点から、上記硬化剤は、フェノール化合物、シアネートエステル化合物、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、及び脂肪族骨格を有さないベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも1種の成分を含むことが好ましい。すなわち、上記樹脂材料は、フェノール化合物、シアネートエステル化合物、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、及び脂肪族骨格を有さないベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも1種の成分を含む硬化剤を含むことが好ましい。上記脂肪族骨格を有さないベンゾオキサジン化合物は、ベンゾオキサジン骨格を形成している窒素原子に、芳香族骨格が結合しているNフェニルベンゾオキサジン化合物であることが好ましい。
本明細書において、「フェノール化合物、シアネートエステル化合物、酸無水物、活性エステル化合物、カルボジイミド化合物、及びベンゾオキサジン骨格を形成している窒素原子に、芳香族骨格が結合しているNフェニルベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも1種の成分」を「成分X」と記載することがある。
上記樹脂材料は、成分Xを含む硬化剤を含むことが好ましい。上記成分Xは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノール化合物としては、ノボラック型フェノール、ビフェノール型フェノール、ナフタレン型フェノール、ジシクロペンタジエン型フェノール、アラルキル型フェノール及びジシクロペンタジエン型フェノール等が挙げられる。
上記フェノール化合物の市販品としては、ノボラック型フェノール(DIC社製「TD−2091」)、ビフェニルノボラック型フェノール(明和化成社製「MEH−7851」)、アラルキル型フェノール化合物(明和化成社製「MEH−7800」)、並びにアミノトリアジン骨格を有するフェノール(DIC社製「LA1356」及び「LA3018−50P」)等が挙げられる。
上記シアネートエステル化合物としては、ノボラック型シアネートエステル樹脂、ビスフェノール型シアネートエステル樹脂、並びにこれらが一部三量化されたプレポリマー等が挙げられる。上記ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂及びアルキルフェノール型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。上記ビスフェノール型シアネートエステル樹脂としては、ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂、ビスフェノールE型シアネートエステル樹脂及びテトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル樹脂等が挙げられる。
上記シアネートエステル化合物の市販品としては、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(ロンザジャパン社製「PT−30」及び「PT−60」)、及びビスフェノール型シアネートエステル樹脂が三量化されたプレポリマー(ロンザジャパン社製「BA−230S」、「BA−3000S」、「BTP−1000S」及び「BTP−6020S」)等が挙げられる。
上記酸無水物としては、テトラヒドロフタル酸無水物、及びアルキルスチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
上記酸無水物の市販品としては、新日本理化社製「リカシッド TDA−100」等が挙げられる。
上記活性エステル化合物とは、構造体中にエステル結合を少なくとも1つ含み、かつ、エステル結合の両側に芳香族環が結合している化合物をいう。活性エステル化合物は、例えばカルボン酸化合物又はチオカルボン酸化合物と、ヒドロキシ化合物又はチオール化合物との縮合反応によって得られる。活性エステル化合物の例としては、下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2019173010
上記式(1)中、X1は、脂肪族鎖を含む基、脂肪族環を含む基又は芳香族環を含む基を表し、X2は、芳香族環を含む基を表す。上記芳香族環を含む基の好ましい例としては、置換基を有していてもよいベンゼン環、及び置換基を有していてもよいナフタレン環等が挙げられる。上記置換基としては、炭化水素基が挙げられる。該炭化水素基の炭素数は、好ましくは12以下、より好ましくは6以下、更に好ましくは4以下である。
X1及びX2の組み合わせとしては、置換基を有していてもよいベンゼン環と、置換基を有していてもよいベンゼン環との組み合わせ、置換基を有していてもよいベンゼン環と、置換基を有していてもよいナフタレン環との組み合わせが挙げられる。さらに、X1及びX2の組み合わせとしては、置換基を有していてもよいナフタレン環と、置換基を有していてもよいナフタレン環との組み合わせが挙げられる。
上記活性エステル化合物は特に限定されない。熱寸法安定性をより一層高める観点からは、上記活性エステル化合物は、2個以上の芳香族骨格を有する活性エステル化合物であることが好ましい。硬化物の誘電正接を低くし、かつ硬化物の熱寸法安定性を高める観点から、活性エステルの主鎖骨格中にナフタレン環を有することがより好ましい。
上記活性エステル化合物の市販品としては、DIC社製「HPC−8000−65T」、「EXB9416−70BK」、「EXB8100−65T」、及び「HPC−8150−60T」等が挙げられる。
上記カルボジイミド化合物は、下記式(2)で表される構造単位を有する。下記式(2)において、右端部及び左端部は、他の基との結合部位である。上記カルボジイミド化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
Figure 2019173010
上記式(2)中、Xは、アルキレン基、アルキレン基に置換基が結合した基、シクロアルキレン基、シクロアルキレン基に置換基が結合した基、アリーレン基、又はアリーレン基に置換基が結合した基を表し、pは1〜5の整数を表す。Xが複数存在する場合、複数のXは同一であってもよく、異なっていてもよい。
好適な一つの形態において、少なくとも1つのXは、アルキレン基、アルキレン基に置換基が結合した基、シクロアルキレン基、又はシクロアルキレン基に置換基が結合した基である。
上記カルボジイミド化合物の市販品としては、日清紡ケミカル社製「カルボジライト V−02B」、「カルボジライト V−03」、「カルボジライト V−04K」、「カルボジライト V−07」、「カルボジライト V−09」、「カルボジライト 10M−SP」、及び「カルボジライト 10M−SP(改)」、並びに、ラインケミー社製「スタバクゾールP」、「スタバクゾールP400」、及び「ハイカジル510」等が挙げられる。
上記脂肪族骨格を有さないベンゾオキサジン化合物としては、P−d型ベンゾオキサジン、及びF−a型ベンゾオキサジン等が挙げられる。
上記脂肪族骨格を有さないベンゾオキサジン化合物の市販品としては、四国化成工業社製「P−d型」等が挙げられる。
上記ポリイミド化合物と、上記脂肪族骨格含有化合物と、上記熱硬化性化合物との合計100重量部に対する上記成分Xの含有量は、好ましくは70重量部以上、より好ましくは85重量部以上、好ましくは150重量部以下、より好ましくは120重量部以下である。上記成分Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れ、熱寸法安定性をより一層高め、残存未反応成分の揮発をより一層抑制できる。
上記熱硬化性化合物100重量部に対する上記成分Xの含有量は、好ましくは70重量部以上、より好ましくは85重量部以上、好ましくは150重量部以下、より好ましくは120重量部以下である。上記成分Xの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れ、熱寸法安定性をより一層高め、残存未反応成分の揮発をより一層抑制できる。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記ポリイミド化合物と、上記脂肪族骨格含有化合物と、上記熱硬化性化合物と、上記成分Xとの合計の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。上記熱硬化性化合物と上記成分Xとの合計の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れ、熱寸法安定性をより一層高めることができる。
上記樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記熱硬化性化合物と上記成分Xとの合計の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは60重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。上記熱硬化性化合物と上記成分Xとの合計の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化性により一層優れ、熱寸法安定性をより一層高めることができる。
[硬化促進剤]
上記樹脂材料は、硬化促進剤を含むことが好ましい。上記硬化促進剤の使用により、硬化速度がより一層速くなる。樹脂材料を速やかに硬化させることで、硬化物における架橋構造が均一になると共に、未反応の官能基数が減り、結果的に架橋密度が高くなる。上記硬化促進剤は特に限定されず、従来公知の硬化促進剤を使用可能である。上記硬化促進剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール化合物等のアニオン性硬化促進剤、アミン化合物等のカチオン性硬化促進剤、リン化合物及び有機金属化合物等のアニオン性及びカチオン性硬化促進剤以外の硬化促進剤、並びに過酸化物等のラジカル性硬化促進剤等が挙げられる。
上記イミダゾール化合物としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエチレンテトラミン、トリエチレンテトラミン及び4,4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられる。
上記リン化合物としては、トリフェニルホスフィン化合物等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、オクチル酸スズ、オクチル酸コバルト、ビスアセチルアセトナートコバルト(II)及びトリスアセチルアセトナートコバルト(III)等が挙げられる。
上記過酸化物としてはジクミルペルオキシド、及びパーヘキシル25B等が挙げられる。
硬化温度をより一層低く抑える観点からは、上記硬化促進剤は、上記アニオン性硬化促進剤を含むことが好ましく、上記イミダゾール化合物を含むことがより好ましい。
硬化温度をより一層低く抑える観点からは、上記硬化促進剤100重量%中、上記アニオン性硬化促進剤の含有量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、更に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは100重量%(全量)である。
上記硬化促進剤は、ラジカル性硬化促進剤とアニオン性硬化促進剤との少なくとも一方を含むことが好ましい。アニオン性硬化促進剤は、イミダゾール化合物であることが好ましい。上記硬化促進剤は、ラジカル性硬化促進剤とジメチルアミノピリジンとを含むか、又は、ラジカル性硬化促進剤とイミダゾール化合物とを含むか、又はラジカル性硬化促進剤とリン化合物とを含むことが好ましい。樹脂材料の硬化が十分に進行しない場合には、誘電正接が高くなり、また、線膨張係数が大きくなることがある。上記硬化促進剤は、上記ラジカル性硬化促進剤と上記イミダゾール化合物とを含んでいてもよい。ラジカル性硬化促進剤としては、前記ラジカル性硬化促進剤存在下の反応温度がエッチング前の仮硬化温度よりも高く、エッチング後の本硬化温度よりも低いものが好ましい。ラジカル性硬化促進剤として、パーヘキシル25Bを用いた場合に、上記の効果がより一層効果的に発揮される。
上記硬化促進剤が、ラジカル性硬化促進剤とイミダゾール化合物とを含むか、又は、ラジカル性硬化促進剤とリン化合物とを含む場合には、上記樹脂材料の硬化を良好に進行させることができ、より一層良好な硬化物を得ることができる。
上記硬化促進剤は、ラジカル性硬化促進剤と、ジメチルアミノピリジン、イミダゾール化合物、及びリン化合物のうちの少なくとも1種の硬化促進剤を含んでいてもよい。
上記硬化促進剤の含有量は特に限定されない。樹脂材料中の無機充填材及び溶剤を除く成分100重量%中、上記硬化促進剤の含有量は好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.05重量%以上、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。上記硬化促進剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、樹脂材料が効率的に硬化する。上記硬化促進剤の含有量がより好ましい範囲であれば、樹脂材料の保存安定性がより一層高くなり、かつより一層良好な硬化物が得られる。
[熱可塑性樹脂]
上記樹脂材料は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。上記熱可塑性樹脂としては、ポリビニルアセタール樹脂及びフェノキシ樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化環境によらず、誘電正接を効果的に低くし、かつ、金属配線の密着性を効果的に高める観点からは、上記熱可塑性樹脂は、フェノキシ樹脂であることが好ましい。フェノキシ樹脂の使用により、樹脂フィルムの回路基板の穴又は凹凸に対する埋め込み性の悪化及び無機充填材の不均一化が抑えられる。また、フェノキシ樹脂の使用により、溶融粘度を調整可能であるために無機充填材の分散性が良好になり、かつ硬化過程で、意図しない領域に樹脂組成物又はBステージ化物が濡れ拡がり難くなる。
上記樹脂材料に含まれているフェノキシ樹脂は特に限定されない。上記フェノキシ樹脂として、従来公知のフェノキシ樹脂を使用可能である。上記フェノキシ樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型の骨格、ビスフェノールF型の骨格、ビスフェノールS型の骨格、ビフェニル骨格、ノボラック骨格、ナフタレン骨格及びイミド骨格などの骨格を有するフェノキシ樹脂等が挙げられる。
上記フェノキシ樹脂の市販品としては、例えば、新日鐵住金化学社製の「YP50」、「YP55」及び「YP70」、並びに三菱化学社製の「1256B40」、「4250」、「4256H40」、「4275」、「YX6954BH30」及び「YX8100BH30」等が挙げられる。
保存安定性により一層優れた樹脂材料を得る観点からは、上記熱可塑性樹脂及び上記フェノキシ樹脂の重量平均分子量は、好ましくは5000以上、より好ましくは10000以上、好ましくは100000以下、より好ましくは50000以下である。
上記熱可塑性樹脂及び上記フェノキシ樹脂の上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されたポリスチレン換算での重量平均分子量を示す。
上記熱可塑性樹脂及び上記フェノキシ樹脂の含有量は特に限定されない。樹脂材料中の上記無機充填材及び上記溶剤を除く成分100重量%中、上記熱可塑性樹脂の含有量(上記熱可塑性樹脂がフェノキシ樹脂である場合にはフェノキシ樹脂の含有量)は好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、好ましくは30重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、樹脂材料の回路基板の穴又は凹凸に対する埋め込み性が良好になる。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記下限以上であると、樹脂フィルムの形成がより一層容易になり、より一層良好な絶縁層が得られる。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記上限以下であると、硬化物の熱膨張率がより一層低くなる。上記熱可塑性樹脂の含有量が上記上限以下であると、硬化物の表面の表面粗さがより一層小さくなり、硬化物と金属層との接着強度がより一層高くなる。
[溶剤]
上記樹脂材料は、溶剤を含まないか又は含む。上記溶剤の使用により、樹脂材料の粘度を好適な範囲に制御でき、樹脂材料の塗工性を高めることができる。また、上記溶剤は、上記無機充填材を含むスラリーを得るために用いられてもよい。上記溶剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記溶剤としては、アセトン、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、2−アセトキシ−1−メトキシプロパン、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、N−メチル−ピロリドン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン及び混合物であるナフサ等が挙げられる。
上記溶剤の多くは、上記樹脂組成物をフィルム状に成形するときに、除去されることが好ましい。従って、上記溶剤の沸点は好ましくは200℃以下、より好ましくは180℃以下である。上記樹脂組成物における上記溶剤の含有量は特に限定されない。上記樹脂組成物の塗工性などを考慮して、上記溶剤の含有量は適宜変更可能である。
[他の成分]
耐衝撃性、耐熱性、樹脂の相溶性及び作業性等の改善を目的として、上記樹脂材料には、レベリング剤、難燃剤、カップリング剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線劣化防止剤、消泡剤、増粘剤、揺変性付与剤及びエポキシ化合物以外の他の熱硬化性樹脂等を添加してもよい。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニルシラン、アミノシラン、イミダゾールシラン及びエポキシシラン等が挙げられる。
上記他の熱硬化性樹脂としては、ポリフェニレンエーテル樹脂、ジビニルベンジルエーテル樹脂、ポリアリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、ベンゾオキサゾール樹脂、ビスマレイミド樹脂及びアクリレート樹脂等が挙げられる。
(樹脂フィルム及び積層フィルム)
上述した樹脂組成物をフィルム状に成形することにより樹脂フィルム(Bステージ化物/Bステージフィルム)が得られる。上記樹脂材料は、樹脂フィルムであることが好ましい。樹脂フィルムは、Bステージフィルムであることが好ましい。
上記樹脂材料は、熱硬化性材料であることが好ましい。
樹脂組成物をフィルム状に成形して、樹脂フィルムを得る方法としては、以下の方法が挙げられる。押出機を用いて、樹脂組成物を溶融混練し、押出した後、Tダイ又はサーキュラーダイ等により、フィルム状に成形する押出成形法。溶剤を含む樹脂組成物をキャスティングしてフィルム状に成形するキャスティング成形法。従来公知のその他のフィルム成形法。薄型化に対応可能であることから、押出成形法又はキャスティング成形法が好ましい。フィルムにはシートが含まれる。
樹脂組成物をフィルム状に成形し、熱による硬化が進行し過ぎない程度に、例えば50〜150℃で1〜10分間加熱乾燥させることにより、Bステージフィルムである樹脂フィルムを得ることができる。
上述のような乾燥工程により得ることができるフィルム状の樹脂組成物をBステージフィルムと称する。上記Bステージフィルムは、半硬化状態にある。半硬化物は、完全に硬化しておらず、硬化がさらに進行され得る。
上記樹脂フィルムは、プリプレグでなくてもよい。上記樹脂フィルムがプリプレグではない場合には、ガラスクロス等に沿ってマイグレーションが生じなくなる。また、樹脂フィルムをラミネート又はプレキュアする際に、表面にガラスクロスに起因する凹凸が生じなくなる。
上記樹脂フィルムは、積層フィルムの形態で好適に用いることができる。
上記積層フィルムは、基材と、上記基材の表面上に積層された樹脂フィルムとを備える。上記樹脂フィルムが上述した樹脂材料である。上記積層フィルムは、樹脂フィルムの上記基材とは反対側の表面上に積層された保護フィルムを備えていてもよい。
上記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル樹脂フィルム、ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルム等のオレフィン樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、及び銅箔等の金属箔等が挙げられる。上記基材の表面は、必要に応じて、離型処理されていてもよい。
樹脂フィルムの硬化度をより一層均一に制御する観点からは、上記樹脂フィルムの厚さは、好ましくは5μm以上であり、好ましくは200μm以下である。上記樹脂フィルムを回路の絶縁層として用いる場合、上記樹脂フィルムにより形成された絶縁層の厚さは、回路を形成する導体層(金属層)の厚さ以上であることが好ましい。上記絶縁層の厚さは、好ましくは5μm以上であり、好ましくは200μm以下である。
(半導体装置、プリント配線板、銅張積層板及び多層プリント配線板)
上記樹脂材料は、半導体装置において半導体チップを埋め込むモールド樹脂を形成するために好適に用いられる。
上記樹脂材料は、プリント配線板において絶縁層を形成するために好適に用いられる。
上記プリント配線板は、例えば、上記樹脂材料を加熱加圧成形することにより得られる。
上記樹脂フィルムに対して、片面又は両面に金属箔を積層できる。上記樹脂フィルムと金属箔とを積層する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。例えば、平行平板プレス機又はロールラミネーター等の装置を用いて、加熱しながら又は加熱せずに加圧しながら、上記樹脂フィルムを金属箔に積層可能である。
上記樹脂材料は、銅張積層板を得るために好適に用いられる。上記銅張積層板の一例として、銅箔と、該銅箔の一方の表面に積層された樹脂フィルムとを備える銅張積層板が挙げられる。
上記銅張積層板の上記銅箔の厚さは特に限定されない。上記銅箔の厚さは、1〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、上記樹脂材料の硬化物と銅箔との接着強度を高めるために、上記銅箔は微細な凹凸を表面に有することが好ましい。凹凸の形成方法は特に限定されない。上記凹凸の形成方法としては、公知の薬液を用いた処理による形成方法等が挙げられる。
上記樹脂材料は、多層基板を得るために好適に用いられる。
上記多層基板の一例として、回路基板と、該回路基板上に積層された絶縁層とを備える多層基板が挙げられる。この多層基板の絶縁層が、上記樹脂材料により形成されている。また、多層基板の絶縁層が、積層フィルムを用いて、上記積層フィルムの上記樹脂フィルムにより形成されていてもよい。上記絶縁層は、回路基板の回路が設けられた表面上に積層されていることが好ましい。上記絶縁層の一部は、上記回路間に埋め込まれていることが好ましい。
上記多層基板では、上記絶縁層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面が粗化処理されていることが好ましい。
粗化処理方法は、従来公知の粗化処理方法を用いることができ、特に限定されない。上記絶縁層の表面は、粗化処理の前に膨潤処理されていてもよい。
また、上記多層基板は、上記絶縁層の粗化処理された表面に積層された銅めっき層をさらに備えることが好ましい。
また、上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された絶縁層と、該絶縁層の上記回路基板が積層された表面とは反対側の表面に積層された銅箔とを備える多層基板が挙げられる。上記絶縁層が、銅箔と該銅箔の一方の表面に積層された樹脂フィルムとを備える銅張積層板を用いて、上記樹脂フィルムを硬化させることにより形成されていることが好ましい。さらに、上記銅箔はエッチング処理されており、銅回路であることが好ましい。
上記多層基板の他の例として、回路基板と、該回路基板の表面上に積層された複数の絶縁層とを備える多層基板が挙げられる。上記回路基板上に配置された上記複数層の絶縁層の内の少なくとも1層が、上記樹脂材料を用いて形成される。上記多層基板は、上記樹脂フィルムを用いて形成されている上記絶縁層の少なくとも一方の表面に積層されている回路をさらに備えることが好ましい。
多層基板のうち多層プリント配線板においては、低い誘電正接が求められ、絶縁層による高い絶縁信頼性が求められる。本発明に係る樹脂材料では、誘電正接を低くし、かつ絶縁層と金属層との密着性及びエッチング性能を高めることによって絶縁信頼性を効果的に高めることができる。従って、本発明に係る樹脂材料は、多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために好適に用いられる。
上記多層プリント配線板は、例えば、回路基板と、上記回路基板の表面上に配置された複数の絶縁層と、複数の上記絶縁層間に配置された金属層とを備える。上記絶縁層の内の少なくとも1層が、上記樹脂材料の硬化物である。
図1は、本発明の一実施形態に係る樹脂材料を用いた多層プリント配線板を模式的に示す断面図である。
図1に示す多層プリント配線板11では、回路基板12の上面12aに、複数層の絶縁層13〜16が積層されている。絶縁層13〜16は、硬化物層である。回路基板12の上面12aの一部の領域には、金属層17が形成されている。複数層の絶縁層13〜16のうち、回路基板12側とは反対の外側の表面に位置する絶縁層16以外の絶縁層13〜15には、上面の一部の領域に金属層17が形成されている。金属層17は回路である。回路基板12と絶縁層13の間、及び積層された絶縁層13〜16の各層間に、金属層17がそれぞれ配置されている。下方の金属層17と上方の金属層17とは、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続の内の少なくとも一方により互いに接続されている。
多層プリント配線板11では、絶縁層13〜16が、上記樹脂材料の硬化物により形成されている。本実施形態では、絶縁層13〜16の表面が粗化処理されているので、絶縁層13〜16の表面に図示しない微細な孔が形成されている。また、微細な孔の内部に金属層17が至っている。また、多層プリント配線板11では、金属層17の幅方向寸法(L)と、金属層17が形成されていない部分の幅方向寸法(S)とを小さくすることができる。また、多層プリント配線板11では、図示しないビアホール接続及びスルーホール接続で接続されていない上方の金属層と下方の金属層との間に、良好な絶縁信頼性が付与されている。
(粗化処理及び膨潤処理)
上記樹脂材料は、粗化処理又はデスミア処理される硬化物を得るために用いられることが好ましい。上記硬化物には、更に硬化が可能な予備硬化物も含まれる。
上記樹脂材料を予備硬化させることにより得られた硬化物の表面に微細な凹凸を形成するために、硬化物は粗化処理されることが好ましい。粗化処理の前に、硬化物は膨潤処理されることが好ましい。硬化物は、予備硬化の後、かつ粗化処理される前に、膨潤処理されており、さらに粗化処理の後に硬化されていることが好ましい。ただし、硬化物は、必ずしも膨潤処理されなくてもよい。
上記膨潤処理の方法としては、例えば、エチレングリコールなどを主成分とする化合物の水溶液又は有機溶媒分散溶液などにより、硬化物を処理する方法が用いられる。膨潤処理に用いる膨潤液は、一般にpH調整剤などとして、アルカリを含む。膨潤液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。具体的には、例えば、上記膨潤処理は、40重量%エチレングリコール水溶液等を用いて、処理温度30〜85℃で1〜30分間、硬化物を処理することにより行なわれる。上記膨潤処理の温度は50〜85℃の範囲内であることが好ましい。上記膨潤処理の温度が低すぎると、膨潤処理に長時間を要し、更に硬化物と金属層との接着強度が低くなる傾向がある。
上記粗化処理には、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物などの化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。粗化処理に用いられる粗化液は、一般にpH調整剤などとしてアルカリを含む。粗化液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
上記マンガン化合物としては、過マンガン酸カリウム及び過マンガン酸ナトリウム等が挙げられる。上記クロム化合物としては、重クロム酸カリウム及び無水クロム酸カリウム等が挙げられる。上記過硫酸化合物としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム及び過硫酸アンモニウム等が挙げられる。
硬化物の表面の算術平均粗さRaは好ましくは10nm以上であり、好ましくは300nm未満、より好ましくは200nm未満、更に好ましくは150nm未満である。この場合には、硬化物と金属層との接着強度が高くなり、更に絶縁層の表面により一層微細な配線が形成される。さらに、導体損失を抑えることができ、信号損失を低く抑えることができる。上記算術平均粗さRaは、JIS B0601:1994に準拠して測定される。
(デスミア処理)
上記樹脂材料を予備硬化させることにより得られた硬化物に、貫通孔が形成されることがある。上記多層基板などでは、貫通孔として、ビア又はスルーホール等が形成される。例えば、ビアは、COレーザー等のレーザーの照射により形成できる。ビアの直径は特に限定されないが、60〜80μm程度である。上記貫通孔の形成により、ビア内の底部には、硬化物に含まれている樹脂成分に由来する樹脂の残渣であるスミアが形成されることが多い。
上記スミアを除去するために、硬化物の表面は、デスミア処理されることが好ましい。デスミア処理が粗化処理を兼ねることもある。
上記デスミア処理には、上記粗化処理と同様に、例えば、マンガン化合物、クロム化合物又は過硫酸化合物等の化学酸化剤等が用いられる。これらの化学酸化剤は、水又は有機溶剤が添加された後、水溶液又は有機溶媒分散溶液として用いられる。デスミア処理に用いられるデスミア処理液は、一般にアルカリを含む。デスミア処理液は、水酸化ナトリウムを含むことが好ましい。
上記樹脂材料の使用により、デスミア処理された硬化物の表面の表面粗さが十分に小さくなる。
以下、実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例に限定されない。
(脂肪族骨格を有するマレイミド化合物)
N−アルキルビスマレイミド化合物1(Designer Molecules Inc.社製「BMI−1700」、テトラカルボン酸二無水物とダイマージアミンとの反応物であるダイマージアミンに由来する骨格を有する)
N−アルキルビスマレイミド化合物2(Designer Molecules Inc.社製「BMI−3000」、テトラカルボン酸二無水物とダイマージアミンとの反応物であるダイマージアミンに由来する骨格を有する)
N−アルキルビスマレイミド化合物3(Designer Molecules Inc.社製「BMI−1500」)
N−アルキルビスマレイミド化合物4(Designer Molecules Inc.社製「BMI−3000J」)
N−アルキルビスマレイミド化合物5(下記の合成例1に従って合成、ダイマージアミンに由来する骨格を有する)
N−アルキルビスマレイミド化合物6(下記の合成例2に従って合成、ダイマージアミンに由来する骨格を有する)
(合成例1)
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、テトラカルボン酸二無水物(SABICジャパン合同会社製「BisDA−1000」)135.0gと、シクロヘキサノン400gとを入れ、反応容器中の溶液を60℃まで加熱した。次いで、反応容器中に、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製)17.5gを滴下して、反応させて、両末端が酸無水物である反応生成物を得た。次いで、反応容器中に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」)148gをゆっくり添加した後、メチルシクロヘキサン60.0gを反応容器中に添加した。ディーンスタークトラップとコンデンサーとをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流に熱し、両末端にアミン構造を有するイミド化合物を得た。次いで、無水マレイン酸28gを添加し、得られた混合物をさらに12時間還流した。反応終了後、イソプロパノールを添加し、再沈殿させたのち、沈殿物を回収し、乾燥させ、ダイマージアミンに由来する骨格を有するN−アルキルビスマレイミド化合物を得た。ダイマージアミンに由来する骨格を有するN−アルキルビスマレイミド化合物の回収率は83%であった。(重量平均分子量10000)
(合成例2)
撹拌後、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ピロメリット酸二無水物(東京化成社製、分子量254.15)55gと、シクロヘキサノン300gとを入れ、反応容器中の溶液を60℃まで加熱した。次いで、反応容器中に、ビス(アミノメチル)ノルボルナン(東京化成工業社製、分子量154.26)26.7gをシクロヘキサノンに溶解させた溶液を滴下して、反応させて、両末端が酸無水物である反応生成物を得た。その後、イソプロパノールを入れ、両末端が酸無水物のイミド化合物を回収した。次いで、沈殿を再度シクロヘキサンに溶解させ、反応容器中にダイマージアミン(クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」)46.0gをゆっくり添加した後、メチルシクロヘキサン45.0gを反応容器中に添加した。ディーンスタークトラップとコンデンサーとをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流に熱し、両末端にアミン構造を有するイミド化合物を得た。マレイミド化合物の回収率は70%であった。(重量平均分子量8700)
(脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物)
N−アルキルビスベンゾオキサジン化合物(下記の合成例3に従って合成)
(合成例3)
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、ピロメリット酸二無水物(東京化成工業社製、分子量218.12)65gとシクロヘキサノン500mLとを入れ、続いて、ダイマージアミン(クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」)164gをシクロヘキサノンに溶解させた後、滴下して入れた。その後、ディーンスタークトラップとコンデンサーとをフラスコに取り付け、混合物を2時間還流に熱し、両末端にアミン構造を有するイミド化合物を得た。得られたイミド化合物とフェノール(東京化成工業社製、分子量94.11)38gとパラホルムアルデヒド(東京化成工業社製)12gとを混合して得られた混合物をさらに12時間還流して、ベンゾオキサジン化を行った。その後イソプロパノールで再沈殿することにより、N−アルキルベンゾオキサジン化合物(重量平均分子量7700)を得た。
(脂肪族骨格を有さないマレイミド化合物(芳香族骨格を有するマレイミド化合物)) N−フェニルマレイミド化合物1(大和化成工業社製「BMI−2300」)
N−フェニルマレイミド化合物2(大和化成工業社製「BMI−4000」)
(ポリイミド化合物)
テトラカルボン酸二無水物とダイマージアミンとの反応物であるポリイミド化合物含有溶液(不揮発分26.8重量%)を以下の合成例4に従って合成した。
(合成例4)
撹拌機、分水器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、テトラカルボン酸二無水物(SABICジャパン合同会社製「BisDA−1000」)300.0gと、シクロヘキサノン665.5gとを入れ、反応容器中の溶液を60℃まで加熱した。次いで、反応容器中に、ダイマージアミン(クローダジャパン社製「PRIAMINE1075」)89.0gと、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製)54.7gとを滴下した。次いで、反応容器中に、メチルシクロヘキサン121.0gと、エチレングリコールジメチルエーテル423.5gとを添加し、140℃で10時間かけてイミド化反応を行った。このようにして、ポリイミド化合物含有溶液(不揮発分26.8重量%)を得た。得られたポリイミド化合物の分子量(重量平均分子量)は20000であった。なお、酸成分/アミン成分のモル比は1.04であった。
合成例4で合成したポリイミド化合物の分子量は、以下のようにして求めた。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定:
島津製作所社製高速液体クロマトグラフシステムを使用し、テトラヒドロフラン(THF)を展開媒として、カラム温度40℃、流速1.0ml/分で測定を行った。検出器として「SPD−10A」を用い、カラムはShodex社製「KF−804L」(排除限界分子量400,000)を2本直列につないで使用した。標準ポリスチレンとして、東ソー社製「TSKスタンダードポリスチレン」を用い、重量平均分子量Mw=354,000、189,000、98,900、37,200、17,100、9,830、5,870、2,500、1,050、500の物質を使用して較正曲線を作成し、分子量の計算を行った。
(熱可塑性樹脂)
フェノキシ樹脂(三菱化学社製「YX6954BH30」)
(熱硬化性化合物)
ビフェニル型エポキシ化合物(日本化薬社製「NC−3000」)
ナフタレン型エポキシ化合物(DIC社製「HP−4032D」)
レゾルシノールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製「EX−201」)
ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物(アデカ社製「EP4088S」)
ナフトールアラルキル型エポキシ化合物(新日鐵住金化学社製「ESN−475V」)
(無機充填材)
シリカ含有スラリー(シリカ75重量%:アドマテックス社製「SC4050−HOA」、平均粒径1.0μm、アミノシラン処理、シクロヘキサノン25重量%)
(硬化剤)
成分X:
シアネートエステル化合物含有液(ロンザジャパン社製「BA−3000S」、固形分75重量%)
活性エステル化合物1含有液(DIC社製「EXB−9416−70BK」、固形分70重量%)
活性エステル化合物2含有液(DIC社製「HPC−8000L」、固形分65重量%)
活性エステル化合物3含有液(DIC社製「HPC−8150」、固形分62重量%)
フェノール化合物含有液(DIC社製「LA−1356」、固形分60重量%)
カルボジイミド化合物含有液(日清紡ケミカル社製「V−03」、固形分50重量%)
(硬化促進剤)
ジメチルアミノピリジン(和光純薬工業社製「DMAP」)
2−フェニル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「2P4MZ」)
2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業社製「2E4MZ」)
ジクミルペルオキシド(東京化成工業社製)
(実施例1〜16及び比較例1〜6)
下記の表1,2に示す成分を下記の表1,2に示す配合量で配合し、均一な溶液となるまで常温で攪拌し、樹脂材料を得た。
樹脂フィルムの作製:
アプリケーターを用いて、離型処理されたPETフィルム(東レ社製「XG284」、厚み25μm)の離型処理面上に得られた樹脂材料を塗工した後、100℃のギヤオーブン内で2分30秒間乾燥し、溶剤を揮発させた。このようにして、PETフィルム上に、厚さが40μmである樹脂フィルム(Bステージフィルム)が積層されている積層フィルム(PETフィルムと樹脂フィルムとの積層フィルム)を得た。
(評価)
(1)ハンドリング性
得られた樹脂フィルム(Bステージフィルム)を180度に10回折り曲げた。10回中、樹脂フィルムにひび又は割れが生じる回数を観察した。
[ハンドリング性の判定基準]
○:10回中、ひび又は割れが生じる回数が3回未満である
△:10回中、ひび又は割れが生じる回数が3回以上、6回未満である
×:10回中、ひび又は割れが生じる回数が6回以上である
(2)凹凸表面に対する埋め込み性、及び、はみ出し防止性(過度の濡れ拡がり防止性)
100mm角の銅張積層板(厚さ400μmのガラスエポキシ基板と厚さ25μmの銅箔との積層体)の銅箔のみをエッチングして、直径100μm及び深さ25μmの窪み(開口部)を、基板の中心30mm角のエリアに対して直線上にかつ隣接する穴の中心の間隔が900μmになるように開けた。このようにして、計900穴の窪みを持つ評価基板を準備した。
得られた積層フィルムの樹脂フィルム側を評価基板上に重ねて、名機製作所社製「バッチ式真空ラミネーターMVLP−500−IIA」を用い、ラミネート圧0.4MPaで20秒、プレス圧力0.8MPaで20秒、ラミネート及びプレスの温度90℃で加熱加圧した。常温で冷却した後、PETフィルムを剥離した。このようにして、評価基板上に樹脂フィルムが積層された評価サンプルを得た。
得られた評価サンプルについて光学顕微鏡を用いて、窪みの中のボイドを観察した。ボイドが観察された窪みの割合を評価することによって、凹凸表面に対する埋め込み性を下記の基準で判定した。
[凹凸表面に対する埋め込み性の判定基準]
○:ボイドが観察された窪みの割合0%
△:ボイドが観察された窪みの割合0%を超え、5%未満
×:ボイドが観察された窪みの割合5%以上
得られた評価サンプルについて光学顕微鏡を用いて、基板上の所定の領域から、樹脂フィルムがはみ出しているか否かを観察して、はみ出し防止性を以下の基準で判定した。
[はみ出し防止性の判定基準]
○:ラミネート後の評価基板周辺部からの樹脂フィルムのはみ出しが2mm以下
△:ラミネート後の評価基板周辺部からの樹脂フィルムのはみ出しが2mmを超え、3mm以下
×:ラミネート後の評価基板周辺部からの樹脂フィルムのはみ出しが3mmを超える
(3)硬化温度
得られた樹脂フィルム(Bステージフィルム)の硬化に伴う発熱ピークを、示差走査熱量測定装置(TA・インスツルメント社製「Q2000」)を用いて評価した。専用アルミパンに樹脂フィルム8mgを取り、専用治具を用いて蓋をした。この専用アルミパンと空のアルミパン(リファレンス)とを加熱ユニット内に設置し、昇温速度3℃/分で−30℃から250℃まで窒素雰囲気下で加熱を行い、リバースヒートフロー及びノンリバースヒートフローの観測を行った。ノンリバースヒートフローにおいて観測される発熱ピークにより、硬化温度を確認した。
[硬化温度の判定基準]
○:200℃以下に全ての発熱ピークを有する
×:200℃よりも高い温度に少なくとも一つの発熱ピークを有する
(4)誘電正接
得られた樹脂フィルムを幅2mm、長さ80mmの大きさに裁断して5枚を重ね合わせて、厚み200μmの積層体を得た。得られた積層体を190℃で90分間加熱して、硬化物を得た。得られた硬化物について、関東電子応用開発社製「空洞共振摂動法誘電率測定装置CP521」及びキーサイトテクノロジー社製「ネットワークアナライザーN5224A PNA」を用いて、空洞共振法で常温(23℃)にて、周波数1.0GHzにて誘電正接を測定した。
[誘電正接の判定基準]
○:誘電正接が3.5×10−3以下
×:誘電正接が3.5×10−3を超える
(5)絶縁層と金属層との密着性(ピール強度)
ラミネート工程:
両面銅張積層板(各面の銅箔の厚み18μm、基板の厚み0.7mm、基板サイズ100mm×100mm、日立化成社製「MCL−E679FG」)を用意した。この両面銅張積層板の銅箔面の両面をメック社製「Cz8101」に浸漬して、銅箔の表面を粗化処理した。粗化処理された銅張積層板の両面に、名機製作所社製「バッチ式真空ラミネーターMVLP−500−IIA」を用いて、積層フィルムの樹脂フィルム(Bステージフィルム)側を銅張積層板上に重ねてラミネートして、積層構造体を得た。ラミネートの条件は、30秒減圧して気圧を13hPa以下とし、その後30秒間、100℃及び圧力0.4MPaでプレスする条件とした。
フィルム剥離工程:
得られた積層構造体において、両面のPETフィルムを剥離した。
銅箔貼り付け工程:
銅箔(厚み35μm、三井金属社製)のシャイニー面をCz処理(メック社製「Cz8101」)して、銅箔表面を1μm程度エッチングした。PETフィルムを剥離した上記積層構造体に、エッチング処理した銅箔を貼り合せて、銅箔付き基板を得た。得られた銅箔付き基板をギアオーブン内で190℃で90分熱処理し、評価サンプルを得た。
ピール強度の測定:
評価サンプルの銅箔の表面に1cm幅の短冊状の切込みを入れた。90°剥離試験機(テスター産業社製「TE−3001」)に評価サンプルをセットし、つかみ具で切込みの入った銅箔の端部をつまみあげ、銅箔を20mm剥離して剥離強度(ピール強度)を測定した。
[絶縁層と金属層との密着性(ピール強度)の判定基準]
○○:ピール強度が0.6kgf以上
〇:ピール強度が0.4kgf以上0.6kgf未満
×:ピール強度が0.4kgf未満
(6)平均線膨張係数(CTE)
得られた厚さ40μmの樹脂フィルム(Bステージフィルム)を190℃で90分間加熱して得られた硬化物を3mm×25mmの大きさに裁断した。熱機械的分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「EXSTAR TMA/SS6100」)を用いて、引っ張り荷重33mN及び昇温速度5℃/分の条件で、裁断された硬化物の25℃〜150℃までの平均線膨張係数(ppm/℃)を算出した。
[平均線膨張係数の判定基準]
○:平均線膨張係数が25ppm/℃以下
△:平均線膨張係数が25ppm/℃を超え30ppm/℃以下
×:平均線膨張係数が30ppm/℃を超える
(7)硬化物の折り曲げ安定性
得られた厚さ40μmの樹脂フィルム(Bステージフィルム)を190℃で90分間加熱して得られた硬化物を30mm×150mmの大きさに裁断した。面状体U字折り返し試験機(ユアサ社製)を用いて、200回/分、180℃折り曲げ(折り曲げギャップ5mm)、フィルムストローク70mmの条件で降り曲げ試験を行った。測定は繰り返し5回行い、平均値を算出した。
[硬化物の折り曲げ安定性の判定基準]
〇〇:2000回折り曲げ後割れなし
〇:折り曲げ回数が100回以上2000回未満で割れが発生
×:折り曲げ回数が100回未満で割れが発生
組成及び結果を下記の表1,2に示す。なお、表1中、各成分の含有量は、純分量で記載した。
Figure 2019173010
Figure 2019173010
11…多層プリント配線板
12…回路基板
12a…上面
13〜16…絶縁層
17…金属層

Claims (19)

  1. ポリイミド化合物と、
    脂肪族骨格を有するマレイミド化合物及び脂肪族骨格を有するベンゾオキサジン化合物の内の少なくとも一方の脂肪族骨格含有化合物とを含む、樹脂材料。
  2. 前記脂肪族骨格含有化合物において、マレイミド骨格又はベンゾオキサジン骨格を形成している窒素原子に、前記脂肪族骨格が結合している、請求項1に記載の樹脂材料。
  3. 前記ポリイミド化合物の重量平均分子量が15000以上であり、
    前記脂肪族骨格含有化合物の重量平均分子量が15000未満である、請求項1又は2に記載の樹脂材料。
  4. 前記脂肪族骨格含有化合物が、脂肪族骨格を有するポリアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  5. 前記脂肪族骨格含有化合物が、脂肪族骨格を有するジアミン化合物とカルボン酸二無水物との反応物に由来する骨格を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  6. 前記脂肪族骨格を有するジアミン化合物が、ダイマージアミンに由来する骨格を有するジアミン化合物である、請求項5に記載の樹脂材料。
  7. 熱硬化性化合物と、無機充填材とを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  8. 前記熱硬化性化合物がエポキシ化合物である、請求項7に記載の樹脂材料。
  9. 樹脂材料中の溶剤を除く成分100重量%中、前記無機充填材の含有量が、50重量%以上である、請求項7又は8に記載の樹脂材料。
  10. 前記ポリイミド化合物と前記脂肪族骨格含有化合物との合計100重量%中、前記ポリイミド化合物の含有量が、3重量%以上80重量%以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  11. 前記ポリイミド化合物が、ダイマージアミンに由来する骨格を有するポリイミド化合物である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  12. 樹脂材料中の溶剤を除く有機成分100重量%中、前記ポリイミド化合物と前記脂肪族骨格含有化合物との合計の含有量が、10重量%以上98重量%以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  13. 硬化促進剤を含み、
    前記硬化促進剤が、ラジカル性硬化促進剤及びアニオン性硬化促進剤の内の少なくとも一方を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  14. 前記硬化促進剤が、ラジカル性硬化促進剤とジメチルアミノピリジンとを含むか、又は、ラジカル性硬化促進剤とイミダゾール化合物とを含むか、又はラジカル性硬化促進剤とリン化合物とを含む、請求項13に記載の樹脂材料。
  15. 硬化剤と硬化促進剤とを含み、
    前記硬化促進剤が、イミダゾール化合物を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  16. 樹脂フィルムである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  17. 多層プリント配線板において、絶縁層を形成するために用いられる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の樹脂材料。
  18. 基材と、
    前記基材の表面上に積層された樹脂フィルムとを備え、
    前記樹脂フィルムが、請求項1〜17のいずれか1項に記載の樹脂材料である、積層フィルム。
  19. 回路基板と、
    前記回路基板の表面上に配置された複数の絶縁層と、
    複数の前記絶縁層間に配置された金属層とを備え、
    複数の前記絶縁層の内の少なくとも1層が、請求項1〜17のいずれか1項に記載の樹脂材料の硬化物である、多層プリント配線板。
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