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JP2019094780A - クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機の容量制御弁 - Google Patents

クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機の容量制御弁 Download PDF

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JP2019094780A
JP2019094780A JP2017221871A JP2017221871A JP2019094780A JP 2019094780 A JP2019094780 A JP 2019094780A JP 2017221871 A JP2017221871 A JP 2017221871A JP 2017221871 A JP2017221871 A JP 2017221871A JP 2019094780 A JP2019094780 A JP 2019094780A
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pressure
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中村 慎二
Shinji Nakamura
慎二 中村
田口 幸彦
Yukihiko Taguchi
幸彦 田口
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Sanden Automotive Components Corp
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)

Abstract

【課題】特にクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機に好適に使用され得る容量制御弁を提供する。【解決手段】容量制御弁200は、吐出室120内の冷媒を制御圧室105に供給するための供給通路の一部を形成すると共に絞り部(弁孔220)を有した弁内供給通路250と、制御圧室105内の冷媒を吸入室119に排出するための排出通路の一部を形成する弁内排出通路260と、ソレノイド部270と、吸入室119の圧力がソレノイド部270の通電量に対応する設定圧力よりも高い場合に弁内排出通路260の開度を大きくし、吸入室119の圧力が前記設定圧力よりも低い場合に弁内排出通路260の開度を小さくする連結部材224と、弁内供給通路250を閉鎖する方向に付勢され、弁内排出通路260を閉鎖した連結部材224に押圧されることによって弁内供給通路250を開放する弁体222と、を含む。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用のエアコンシステム(エア・コンディショナー・システム)などに使用されるクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機の容量制御弁に関する。
車両用のエアコンシステムなどに使用される斜板式可変容量圧縮機は、一般に、制御圧室の圧力を調整する容量制御弁を備えている。この種の容量制御弁としては、例えば、特許文献1に記載された可変容量型圧縮機用制御弁(以下単に「制御弁」という)が知られている。
特許文献1に記載された制御弁1は、弁口(弁孔)22が設けられた弁室21を有し、弁口22より上流側に圧縮機の吐出圧力Pdの冷媒を導入するための吐出圧冷媒入口25が設けられるとともに、弁口22より下流側に前記圧縮機のクランク室(制御圧室)に連通する冷媒出口26が設けられた弁本体(バルブハウジング)20と、弁棒15を弁口開閉方向に駆動するための電磁式アクチュエータ(ソレノイド)30と、前記圧縮機の吸入圧力Psに応動して弁棒15を弁口開閉方向に駆動する感圧応動部材40と、を備えている。電磁式アクチュエータ30のプランジャ37と弁本体20との間には、前記圧縮機の吸入圧力Psが導入される吸入圧冷媒導入室23が形成されている。また、弁棒15を縦貫するように冷媒出口26における冷媒圧力Pcを吸入圧冷媒導入室23に導く貫通孔51が形成されており、貫通孔51の上端開口がプランジャ37の昇降移動によって開閉されるようになっている。ここで、弁口(弁孔)22は、前記圧縮機の吐出室内の冷媒を前記圧縮機の前記クランク室(制御圧室)に供給する供給通路の一部を形成し、貫通孔51は、前記クランク室(制御圧室)内の冷媒を前記圧縮機の吸入室に排出する排出通路の一部を形成している。さらに、特許文献1に記載された制御弁1において、電磁アクチュエータ30の吸引子34とプランジャ37との間には、プランジャ37を介して弁棒15を開弁方向に付勢する閉弁ばね47が設けられている。
そして、特許文献1に記載された制御弁1は、電磁アクチュエータ(ソレノイド)30(のコイル32)の通電がOFFされているときには、弁口(弁孔)22、すなわち、前記供給通路を開放し、貫通孔51の前記上端開口、すなわち、前記排出通路を閉鎖するように構成されている。
特開2006−291933号公報
ところで、斜板式可変容量圧縮機としては、車両の原動機(エンジンなど)からの回転駆動力が電磁クラッチ(以下単に「クラッチ」という)を介して駆動軸に伝達されるクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機と、車両の原動機からの回転駆動力がクラッチを介さずに直接伝達されるクラッチレス斜板式可変容量圧縮機とが存在する。
クラッチレス斜板式可変容量圧縮機は、車両の原動機が稼働しているあいだ、原動機によって駆動軸が常時回転駆動される。したがって、前記エアコンシステムがOFF(すなわち、前記ソレノイドの通電がOFF)のときは、原動機に対する負荷を軽減するため、斜板の傾角を最小傾角にして吐出容量を最小化する必要がある。具体的には、吐出室内の冷媒をクランク室(制御圧室)に供給してクランク室(制御圧室)の圧力を上昇させることによって斜板の傾角を最小傾角にする。このため、クラッチレス斜板式可変容量圧縮機においては、特許文献1に記載された制御弁のように、前記ソレノイドの通電がOFFされているときに前記供給通路を開放し、前記排出通路を閉鎖する構成の制御弁が使用される場合が多い。
一方、クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機は、前記エアコンシステムがONされることによってクラッチがON(締結)され、これにより、車両の原動機によって駆動軸が回転駆動される。また、クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機は、前記エアコンシステムがOFFされることによってクラッチがOFF(解放)されて停止する(前記ソレノイドの通電もOFFされる)。このようなクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機に、特許文献1に記載された制御弁のような構成の容量制御弁を用いると、クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機が停止するときに、前記吐出室内の冷媒や前記エアコンシステムの冷媒回路の冷媒(高圧側の冷媒)がクランク室(制御圧室)に流入して貯留され、その結果、前記エアコンシステムがONされたときのクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機の立ち上がり(斜板の傾角変化など)が遅れてしまうおそれがある。
そこで、本発明は、特にクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機に好適に使用され得る容量制御弁を提供することを目的とする。
本発明の一側面によると、冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室に導かれた冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、制御圧室と、を含み、供給通路を介して前記吐出室内の冷媒が前記制御圧室に供給され又は排出通路を介して前記制御圧室の冷媒が前記吸入室に排出されることで前記制御圧室の圧力が調整され、これによって、斜板の傾角が変更されて吐出容量が変更されるように構成されたクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機に用いられる容量制御弁が提供される。前記容量制御弁は、前記供給通路の一部を形成すると共に絞り部を有した弁内供給通路と、前記排出通路の一部を形成する弁内排出通路と、ソレノイド部と、前記吸入室の圧力が前記ソレノイド部の通電量に対応する設定圧力よりも高い場合に前記弁内排出通路の開度を大きくし、前記吸入室の圧力が前記設定圧力よりも低い場合に前記弁内排出通路の開度を小さくする第1弁部と、前記弁内供給通路を閉鎖する方向に付勢され、前記弁内排出通路を閉鎖した前記第1弁部に押圧されることによって前記弁内供給通路を開放する第2弁部と、を含む。
前記容量制御弁によれば、前記クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機が停止したとき、前記ソレノイド部の通電OFF時の前記設定圧力よりも前記吸入室の圧力が大幅に低い場合にのみ前記弁内供給通路が開放される。このため、クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機が停止したときに前記吐出室内の冷媒や外部冷媒回路(例えば、エアコンシステムの冷媒回路)の冷媒が前記制御圧室に流入することはほとんどなく、前記制御圧室に冷媒が貯留されることが防止される。また、前記弁内供給通路は前記絞り部を有しているので、前記クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機が停止したときに前記弁内供給通路が開放されたとしても、前記吐出室内の冷媒又は前記外部冷媒回路の冷媒が僅かに前記制御圧室に流入するだけであって、前記制御圧室に貯留する冷媒量が抑制される。この結果、クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機の立ち上がり(斜板の傾角変化など)の遅れが防止される。
本発明の一実施形態に係る容量制御弁が適用されたクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機の概略構成を示す断面図である。 前記容量制御弁の構成を模式的に示す断面図である。 前記容量制御弁による前記可変容量圧縮機の吐出容量の制御動作を説明するための図である。 前記容量制御弁による前記可変容量圧縮機の吐出容量の制御動作を説明するための図である。 前記容量制御弁による前記可変容量圧縮機の吐出容量の制御動作を説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る容量制御弁が適用されたクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機(以下単に「可変容量圧縮機」という)の概略構成を示す断面図である。この可変容量圧縮機は、車両用のエアコンシステムに使用される。なお、図1は、可変容量圧縮機の設置状態を示しており、図1における上側が鉛直方向の上側であり、図1における下側が鉛直方向の下側である。また、図1においては、クラッチが省略されている。
図1に示されるように、可変容量圧縮機100は、複数のシリンダボア101aが形成されたシリンダブロック101と、シリンダブロック101の一端側に設けられたフロントハウジング102と、シリンダブロック101の他端側にバルブプレート103を介して設けられたシリンダヘッド104と、を含む。そして、シリンダブロック101、フロントハウジング102、バルブプレート103及びシリンダヘッド104は、複数の通しボルト131によって締結されて圧縮機ハウジングを構成している。
なお、図では省略しているが、フロントハウジング102とシリンダブロック101との間にはセンターガスケットが配置され、シリンダブロック101とシリンダヘッド104との間には、バルブプレート103の他にも、シリンダガスケット、吸入弁形成板、吐出弁形成板及びヘッドガスケットが配置されている。
前記圧縮機ハウジングの内部には、シリンダブロック101とフロントハウジング102とによって制御圧室105が形成されている。また、可変容量圧縮機100には、制御圧室105を貫通して延びる駆動軸106が設けられている。駆動軸106は、前記圧縮機ハウジングに回転自在に支持されている。
駆動軸106の一端(図1における左端)は、フロントハウジング102のボス部102aを貫通してフロントハウジング102の外側まで延在している。また、駆動軸106の前記一端は、クラッチ及び動力伝達装置(いずれも図示省略)を介して外部駆動源(図示省略)に連結されている。前記外部駆動源は、前記車両のエンジンや電動モータなどである。そして、前記クラッチが締結(ON)されて前記外部駆動源からの回転駆動力が駆動軸106に伝達されることによって駆動軸106が回転する。
制御圧室105内には、斜板107が収容されている。斜板107の中央には貫通孔107aが形成されており、駆動軸106は、斜板107の貫通孔107aに挿通されている。貫通孔107aは、駆動軸106上で斜板107が傾斜することを許容する形状に形成されている。また、斜板107は、駆動軸106に固定されたロータ108に連結部109を介して連結されている。連結部109は、リンク機構やヒンジ機構などである。
斜板107は、貫通孔107aを介した駆動軸106の支持と連結部109を介したロータ108との連結とによって、駆動軸106(及びロータ108)と一体に回転すると共に駆動軸106の軸線に直交する平面に対する角度(以下「傾角」という)が変更可能になっている。
斜板107とロータ108との間には、斜板107を最小傾角(駆動軸106の軸線にほぼ直交する状態)に向けて付勢する傾角減少バネ110が配置されており、駆動軸106が回転していないとき、斜板107の傾角は前記最小傾角となる。なお、図示は省略するが、斜板107を挟んで傾角減少バネ110とは反対側に、斜板107の傾角を増大する方向に付勢する傾角増大バネが配置されてもよい。この場合、駆動軸106が回転していないとき、斜板107は、傾角減少バネ110の付勢力と前記傾角増大バネの付勢力とがバランスされたバランス傾角(>前記最小傾角)に位置決めされる。
駆動軸106とロータ108との連結体は、ラジアル方向においては軸受112、113で支持され、スラスト方向においては軸受114、スラストプレート115で支持されている。駆動軸106の他端、すなわち、スラストプレート115側の端部と、スラストプレート115との隙間は、調整部材116によって所定の隙間に調整されている。
各シリンダボア101a内には、ピストン117が配置されている。ピストン117の制御圧室105内に突出する突出部のくぼみ117aには、一対のシュー118を介して斜板107の外周部側の所定範囲が収容されている。そして、駆動軸106の回転は、斜板107及びシュー118を介してピストン117の往復運動に変換される。なお、ピストン117のストローク量は、斜板107の前記傾角に応じて変化する。
シリンダヘッド104には、吸入室119と吐出室120とが形成されている。吸入室119は、吸入ポート104aを介して前記エアコンシステムの冷媒回路(図示省略)の低圧側に接続されている。また、吸入室119は、バルブプレート103に形成された連通孔103a及び前記吸入弁形成板(図示省略)に形成された吸入弁(図示省略)を介してシリンダボア101aに連通している。吐出室120は、図示省略の吐出ポートを介して前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側に接続されている。また、吐出室120は、前記吐出弁形成板(図示省略)に形成された吐出弁(図示省略)及びバルブプレート103に設けられた連通孔103bを介してシリンダボア101aに連通している。
前記エアコンシステムの前記冷媒回路の低圧側の冷媒は、吸入ポート104aを介して吸入室119に導かれる。吸入室119に導かれた冷媒は、駆動軸106の回転に伴うピストン117の往復運動によってシリンダボア101a内に吸入され、圧縮されて吐出室120に吐出される。すなわち、本実施形態においては、シリンダボア101a及びピストン117によって、吸入室119に導かれた冷媒を圧縮する圧縮部が構成されている。そして、吐出室120に吐出された冷媒は、前記吐出ポートを介して前記エアコンシステムの前記冷媒回路の高圧側へと導かれる。
可変容量圧縮機100には、吐出室120と制御圧室105とを連通させて吐出室120内の冷媒を制御圧室105に供給するための供給通路150と、制御圧室105と吸入室119とを連通させて制御圧室105内の冷媒を吸入室119に排出するための第1排出通路160と、が設けられている。供給通路150及び第1排出通路160はシリンダヘッド104に取り付けられた容量制御弁200によって開閉される。本実施形態において、容量制御弁200は、供給通路150及び第1排出通路160を閉鎖すること、供給通路150を閉鎖した状態で第1排出通路160の開度を調整すること、及び、第1排出通路160を閉鎖した状態で供給通路150を開放すること、が可能に構成されている。なお、容量制御弁200、供給通路150及び第1排出通路160については後述する。
また、可変容量圧縮機100において、制御圧室105と吸入室119とは、駆動軸106と軸受113との隙間、駆動軸106とスラストプレート115との隙間、駆動軸106と調整部材116との隙間、シリンダブロック101に形成された空間101b、及び、バルブプレート103に形成された固定絞り(オリフィス)103cで形成される第2排出通路170を介して連通している。
したがって、容量制御弁200が第1排出通路160を閉鎖している場合、制御圧室105内の冷媒は、第2排出通路170のみを介して吸入室119に排出され、容量制御弁200が第1排出通路160を開放している場合、制御圧室105内の冷媒は、第1排出通路160及び第2排出通路170を介して吸入室119に排出される。
第1排出通路160の開度が小さい場合、ピストン117とシリンダボア101aとの隙間から漏れ出るブローバイガスによって制御圧室105の圧力が上昇する。一方、第1排出通路160の開度が大きくなると、前記ブローバイガスよりも制御圧室105から吸入室119に排出される冷媒の量が多くなって制御圧室105の圧力が低下する。
また、容量制御弁200が供給通路150を開放した場合、制御圧室105の圧力は、主に前記供給通路を介して吐出室120から制御圧室105に供給される冷媒によって上昇する。
そして、制御圧室105の圧力が上昇又は低下すると、各ピストン117の前後の圧力差、すなわち、シリンダボア101a内の圧縮室と制御圧室105との圧力差が変化し、これに伴って斜板107の前記傾角も変化する。その結果、ピストン117のストローク量が変化して可変容量圧縮機100の吐出容量が変化する。例えば、制御圧室105の圧力が上昇すると、斜板107の前記傾角が小さくなり、ピストン117のストローク量が減少して可変容量圧縮機100の吐出容量が減少する。また、制御圧室105の圧力が低下すると、斜板107の前記傾角が大きくなり、ピストン117のストローク量が増加して可変容量圧縮機100の吐出容量が増加する。
このように、容量制御弁200は、第1排出通路160の開度を調整して制御圧室105から吸入室119に排出される冷媒の量を調整し又は供給通路150を開放して吐出室120内の冷媒を制御圧室105に供給することによって制御圧室105の圧力を調整(変更)し、これによって、斜板107の前記傾角を変更して可変容量圧縮機100の吐出容量を制御するように構成されている。
なお、本実施形態においては、制御圧室105内の冷媒を吸入室119に排出するための排出通路として第1排出通路160及び第2排出通路170が形成されているが、第2排出通路170を省略することも可能である。
図2は、容量制御弁200の構成を模式的に示す断面図である。
図2に示されるように、容量制御弁200は、バルブハウジング210を有している。バルブハウジング210の内部には、吸入室119に連通する吸入室連通空間211、制御圧室105に連通する制御圧室連通空間212及び吐出室120に連通する吐出室連通空間213が形成されている。
吸入室連通空間211は、容量制御弁200がシリンダヘッド104に取り付けられたとき、三つの連通空間211、212、213のうちの鉛直方向の最も上側に位置する。吸入室連通空間211は、バルブハウジング210に形成された第1連通孔214及びシリンダヘッド104に形成された第1連通路104bを介して吸入室119に連通している。
制御圧室連通空間212は、容量制御弁200がシリンダヘッド104に取り付けられたとき、三つの連通空間211、212、213のうちの鉛直方向の最も下側に位置する。制御圧室連通空間212は、バルブハウジング210に形成された第2連通孔215、シリンダヘッド104に形成された第2連通路104c及びシリンダブロック101に形成された第3連通路101cを介して制御圧室105に連通している。
吐出室連通空間213は、吸入室連通空間211と制御圧室連通空間212との間に位置している。吐出室連通空間213は、バルブハウジング210に形成された第3連通孔216と、シリンダヘッド104に形成された第4連通路104dを介して吐出室120に連通している。
吸入室連通空間211と吐出室連通空間213とは、区画壁217によって区画されており、制御圧室連通空間212と吐出室連通空間213とは、区画壁218によって区画されている。
また、バルブハウジング210内において、吸入室連通空間211と制御圧室連通空間212との間には挿通孔219が形成されており、制御圧室連通空間212と吐出室連通空間213との間には弁孔220が形成されている。
挿通孔219は、バルブハウジング210の横断面のほぼ中央に配置されている。挿通孔219は、上端が吸入室連通空間211に開口すると共に直線状に延びて下端が制御圧室連通空間212に開口している。すなわち、吸入室連通空間211と制御圧室連通空間212とは、挿通孔219を介して連通している。また、挿通孔219は、吐出室連通空間213とは区画されている。
弁孔220は、挿通孔219の径方向外方において、制御圧室連通空間212と吐出室連通空間213とを区画する区画壁218を貫通している。すなわち、制御圧室連通空間212と吐出室連通空間213とは、弁孔220を介して連通している。
なお、吸入室連通空間211と吐出室連通空間213とは互いに連通していない。すなわち、吐出室連通空間213は、吸入室連通空間211に対して密閉構造とされている。
そして、本実施形態においては、第4連通路104d、第3連通孔216、吐出室連通空間213、弁孔220、制御圧室連通空間212、第2連通孔215、第2連通路104c及び第3連通路101cによって、吐出室120と制御圧室105とを連通させて吐出室120内の冷媒を制御圧室105に供給するための上述の供給通路150が形成されている。
また、第3連通孔216、吐出室連通空間213、弁孔220、制御圧室連通空間212及び第2連通孔215によって、供給通路150の一部を形成する容量制御弁200内の供給通路(以下「弁内供給通路」という)250が形成されている。
さらに、本実施形態において、弁孔220は、弁内供給通路250(すなわち、供給通路150)を流れる冷媒の量を制限する絞り部として機能するように、開口面積が比較的小さく形成されている。
挿通孔219には、ロッド部材221が軸方向(上下方向)に移動自在に挿通されている。ロッド部材221の上端部は、吸入室連通空間211内に突出しており、ロッド部材221の下端部は、制御圧室連通空間212内に突出している。また、ロッド部材221の内部には、軸方向に貫通するロッド内通路221aが形成されている。ロッド内通路221aの一端はロッド部材221の前記上端部(すなわち、吸入室連通空間211内)に開口し、ロッド内通路221aの他端はロッド部材221の前記下端部(すなわち、制御圧室連通空間212内)に開口している。
制御圧室連通空間212には、弁孔220、すなわち、弁内供給通路250(供給通路150)を開閉する弁体222が収容されている。本実施形態において、弁体222は、ロッド部材221の前記下端部に一体的に形成され又は固定されている。弁体222は、ロッド部材221が挿通孔219内を上下方向に移動することによって制御圧室連通空間212内を上下に移動する。また、制御圧室連通空間212には、弁孔220を閉鎖する方向(閉弁方向)に弁体222を付勢する第1付勢バネ(付勢部材)231が収容されている。
そして、ロッド部材221の移動に伴って弁体222が区画壁218の制御圧室連通空間212側の面に形成された弁座218aに当接(着座)すると、弁孔220が閉鎖されて弁内供給通路250(供給通路150)が閉鎖される。一方、ロッド部材221の移動に伴って弁体222が弁座218aから離間(離座)すると、弁孔220が開放されて弁内供給通路250(供給通路150)が開放される。
ここで、弁体222が弁孔220を閉鎖したとき、ロッド部材221の外周面と挿通孔219の内周面との隙間を介した吸入室連通空間211と制御圧室連通空間212との連通も遮断される。但し、吸入室連通空間211と制御圧室連通空間212とは、ロッド部材221のロッド内通路221aを介して連通している。
そして、本実施形態においては、第3連通路101c、第2連通路104c、第2連通孔215、制御圧室連通空間212、ロッド部材221のロッド内通路221a、吸入室連通空間211、第1連通孔214及び第1連通路104bによって、制御圧室105と吸入室119とを連通させて制御圧室105内の冷媒を吸入室119に排出するための上述の第1排出通路160が形成されている。
また、第2連通孔215、制御圧室連通空間212、ロッド部材221のロッド内通路221a、吸入室連通空間211及び第1連通孔214によって、第1排出通路160の一部を形成する容量制御弁200内の排出通路(以下「弁内排出通路」という)260が形成されている。
吸入室連通空間211には、吸入室119の圧力を感知して伸縮するベローズ(感圧部材)223が収容されている。ベローズ223は、バルブハウジング210の横断面のほぼ中央に配置されている。ベローズ223の上端部は、バルブハウジング210に固定されており、ベローズ223の内部には、ベローズ223を伸長方向に付勢する第2付勢バネ232が収容されている。また、ベローズ223の下端部には、ロッド部材221に対して接離可能に構成されたロッド状の連結部材224が取り付けられている。
連結部材224は、ロッド部材221とほぼ同径の円柱状に形成されており、その上端部(基端部)がベローズ223の前記下端部に固定されている。連結部材224は、ベローズ223の伸縮に応じて上下方向に移動し、その下端部(先端部)がロッド部材221の前記上端部に接離するように構成されている。
また、連結部材224の軸方向の中間部には、外周面から外方に突出した外方突出部224aが形成されている。連結部材224は、吸入室連通空間211と吐出室連通空間213とを区画する区画壁217の吸入室連通空間211側の面と、外方突出部224aの下面と、の間に配置された第3付勢バネ233によって、ロッド部材221から離れる方向(換言すれば、ベローズ223を収縮させる方向)に付勢されている。
そして、連結部材224の前記下端部がロッド部材221の前記上端部から離間してロッド部材221のロッド内通路221aが開放されているとき、すなわち、弁内排出通路260(第1排出通路160)が開放されているときに、ベローズ223が伸長して連結部材224が下方に移動して連結部材224の前記下端部(先端部)がロッド部材221の前記上端部に当接すると、ロッド部材221のロッド内通路221aが閉鎖されて弁内排出通路260(第1排出通路160)が閉鎖される。この状態からベローズ223がさらに伸長すると、ロッド部材221が連結部材224によって押圧されて挿通孔219内を下方に移動し、弁体222が弁座218aから離間して弁孔220が開放されて弁内供給通路250(供給通路150)が開放される。
一方、弁体222が弁座218aから離間して弁孔220が開放されているとき、すなわち、弁内供給通路250(供給通路150)が開放されているときに、ベローズ223が収縮して連結部材224が上方に移動すると、ロッド部材221は、第1付勢バネ231の付勢力によって挿通孔219内を上方に移動する。そして、ロッド部材221の移動に伴い弁体222が弁座218aに当接すると、弁孔220が閉鎖されて弁内供給通路250(供給通路150)が閉鎖される。この状態からベローズ223がさらに収縮すると、連結部材224の前記下端部がロッド部材221の前記上端部から離間してロッド部材221のロッド内通路221aが開放され、弁内排出通路260(第1排出通路160)が開放される。
つまり、連結部材224は、弁内排出通路260(第1排出通路160)を開閉する弁体としての機能を有しており、連結部材224及びロッド部材221は、ベローズ223の伸縮を弁体222に伝達する機能を有している。また、連結部材224の前記下端部(先端部)がロッド部材221の前記上端部から離れるほど、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度は大きくなる。
吸入室連通空間211には、さらに固定鉄心225、可動鉄心226及びコイル227が収容されている。
固定鉄心225は、バルブハウジング210に固定されている。固定鉄心225は、円筒状に形成されており、内部にベローズ223を収容している。固定鉄心225には、ベローズ223の下方においてその内周面から内方に突出する環状の内方突出部225aが形成されている。そして、連結部材224の外方突出部224aよりも前記上端側(基端側)の所定部位は、固定鉄心225の内方突出部225aの内周面に軸方向に移動自在に挿通されている。
可動鉄心226は、固定鉄心225よりも小径の円筒状に形成されている。可動鉄心226は、固定鉄心225の内方突出部225aの下方において、上下方向に移動可能に保持されている。可動鉄心226は、その上端部が固定鉄心225の内方突出部225aの下面に対向するように配置されている。可動鉄心226は、前記上端部が固定鉄心225の内方突出部225aの前記下面に当接することによって上限位置が規制され、下端部がバルブハウジング210に形成された図示省略の規制部に当接することによって下限位置が規制されている。また、可動鉄心226には、可動鉄心226が上方に移動したときに連結部材224の外方突出部224aの前記下面の周縁部に当接して連結部材224を上方に押圧する押圧部226aが形成されている。本実施形態において、押圧部226aは、可動鉄心226の前記下端部近傍において内周面から内方に環状に突出している。
コイル227は、樹脂で覆われており、固定鉄心225及び可動鉄心226の外側周囲に配置されている。コイル227が通電されると、固定鉄心225と可動鉄心226との間にコイル227の通電量に応じた大きさの電磁力が発生し、発生した電磁力によって可動鉄心226が固定鉄心225に向かって上方に移動する。すなわち、固定鉄心225、可動鉄心226及びコイル227によってソレノイド部270が構成されている。
そして、コイル227が通電されて可動鉄心226が上方に移動すると、可動鉄心226の押圧部226aが連結部材224の外方突出部224aの前記下面の前記周縁部に当接して連結部材224を上方に押圧する。これにより、ベローズ223は、連結部材224を介して収縮方向に付勢される。すなわち、ベローズ223には、コイル227の通電量に応じた収縮方向の付勢力が付与される。
本実施形態において、第2、第3付勢バネ232、233の付勢力は、ソレノイド部270のコイル227の通電がOFFされているとき、連結部材224の前記下端部のロッド部材221の前記上端部から離間するように、すなわち、弁内排出通路260(第1排出通路160)が開放されるように設定されている。
また、弁内排出通路260(第1排出通路160)が開放されているとき、弁体222は、第1付勢バネ231の付勢力によって弁座218aに当接し、弁孔220を閉鎖して弁内供給通路250(供給通路150)を閉鎖するように構成されている。
さらに、コイル227の通電量に応じた電磁力(収縮方向の付勢力)がベローズ223に作用する(付与される)ことによって、ベローズ223が伸長動作から収縮動作に切り替わる吸入室119の圧力(動作転換点)が変更される。つまり、ソレノイド部270は、コイル227の通電量に応じてベローズ223の前記動作転換点を変更するように構成されている。具体的には、ソレノイド部270は、コイル227の通電量が小さいほどベローズ223の前記動作転換点を高く変更するように構成されている。
次に、図2〜図5を参照して容量制御弁200による可変容量圧縮機100の吐出容量の制御動作について説明する。
まず、前記エアコンシステムがOFFのとき、前記クラッチはOFF(解放)されており、可変容量圧縮機100は停止している。このとき、制御圧室105の圧力は、吸入室119の圧力と同等であり、斜板107の前記傾角は、前記最小傾角(又は前記バランス傾角)となっている。容量制御弁200においては、ソレノイド部270のコイル227の通電がOFFされており、図2に示されるように、連結部材224の前記下端部はロッド部材221の前記上端部から離間している。すなわち、弁内排出通路260(第1排出通路160)は開放されている。また、弁体222は、第1付勢バネ231の付勢力によって弁座218aに当接して弁孔220が閉鎖されている。すなわち、弁内供給通路250(供給通路150)は閉鎖されている。
前記エアコンシステムがONされると、前記クラッチがON(締結)されて可変容量圧縮機100の駆動軸106が回転する。すると、各ピストン117が対応するシリンダボア101a内を往復運動して前記ブローバイガスが発生し、発生した前記ブローバイガスが制御圧室105から第1排出通路160及び第2排出通路170を介して吸入室119へと流れる。このとき、制御圧室105内に残留する冷媒(ガス冷媒、液冷媒)も第1排出通路160及び第2排出通路170を介して吸入室119に排出される。また、各ピストン117の圧縮反力が斜板107に作用することによって斜板107の前記傾角が増加して最大傾角となり、ピストン117のストローク量(すなわち、可変容量圧縮機100の吐出容量)が最大となる。
前記クラッチがONされてから所定時間が経過すると、必要に応じて、ソレノイド部270のコイル227の通電がONされる。コイル227の通電量は、前記エアコンシステムにおける空調設定や外部環境などに基づいて設定される。コイル227の通電がONされるとコイル227の通電量に応じた電磁力(収縮方向の付勢力)がベローズ223に作用してベローズ223の前記動作転換点が変更(決定)される。ここで、前記動作転換点は、後述するコイル227の通電量に対応する(吸入室119の)設定圧力に相当する。
図3は、コイル227の通電がONされた状態の容量制御弁200を示している。コイル227の通電がONされると、可動鉄心226の押圧部226aが連結部材224の外方突出部224aの前記下面の前記周縁部に当接して連結部材224を押圧し、ベローズ223にコイル227の通電量に応じた電磁力が作用してベローズ223が基準状態となる。そして、容量制御弁200は、吸入室119の圧力がコイル227の通電量に対応する設定圧力になるように弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度を調整すると共に、必要に応じて弁内供給通路250(供給通路150)を開放し、これによって、制御圧室105の圧力を調整(変更)して可変容量圧縮機100の吐出容量を制御する。
具体的には、吸入室119の圧力が前記設定圧力よりも低い場合、容量制御弁200においては、ベローズ223が前記基準状態よりも伸長して連結部材224の前記下端部のロッド部材221の前記上端部からの離間量が小さくなる。すなわち、容量制御弁200は、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度を小さくする。なお、連結部材224の前記下端部のロッド部材221の前記上端部からの前記離間量が小さくなることは、連結部材224の前記下端部がロッド部材221の前記上端部に当接することを含み、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度を小さくすることは、弁内排出通路260(第1排出通路160)を閉鎖することを含む。また、前記設定圧力と吸入室119の圧力との差が大きいほど、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度は小さくなる。
これにより、制御圧室105から第1排出通路160を介して吸入室119に排出される冷媒の量が制限される。そして、制御圧室105の圧力が前記ブローバイガスによって上昇し、斜板107の前記傾角が減少して可変容量圧縮機100の吐出容量が減少する。
一方、吸入室119の圧力が前記設定圧力よりも高い場合、容量制御弁200においては、図4に示されるように、ベローズ223が前記基準状態よりも収縮して連結部材224の前記下端部のロッド部材221の前記上端部からの前記離間量が大きくなる。すなわち、容量制御弁200は、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度を大きくする。なお、連結部材224の前記下端部のロッド部材221の前記上端部からの前記離間量が大きくなることは、連結部材224の前記下端部がロッド部材221の前記上端部から離間することを含み、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度を大きくすることは、弁内排出通路260(第1排出通路160)を開放することを含む。また、吸入室119の圧力と前記設定圧力との差が大きいほど、弁内排出通路260(第1排出通路160)の開度は大きくなる。
これにより、制御圧室105から前記第1排出通路を介して吸入室119に排出される冷媒の量が多くなる。このため、制御圧室105の圧力が低下し、斜板107の前記傾角が増加して可変容量圧縮機100の吐出容量が増加する。
また、例えば前記車両の急加速によって駆動軸106の回転数が急激に上昇すると、前記冷媒回路における冷媒循環量が増加し前記冷媒回路における冷媒の蒸発温度が低下し、可変容量圧縮機100の吸入圧が低下して吸入室119の圧力も大幅に低下する。このように吸入室119の圧力が大幅に低下した場合、換言すれば、吸入室119の圧力の低下量が所定値よりも大きい場合、容量制御弁200においては、図5に示されるように、ベローズ223の伸長量が大きくなり、連結部材224の前記下端部がロッド部材221の前記上端部に当接すると共に連結部材224がロッド部材221を下方(開弁方向)に押圧し、これによって、弁体222が弁座218aから離間して弁孔220が開放される。すなわち、容量制御弁200は、弁内排出通路260(第1排出通路160)を閉鎖すると共に弁内供給通路250(供給通路150)を開放する。
これにより、制御圧室105から第1排出通路160を介して吸入室119に排出される冷媒の量が制限された状態で吐出室120内の冷媒が供給通路150を介して制御圧室105に供給される。このため、制御圧室105の圧力が速やかに上昇し、斜板107の前記傾角が減少して可変容量圧縮機100の吐出容量が減少する。
ここで、本実施形態において、弁孔220は、上述のように、弁内供給通路250(供給通路150)の絞り部として機能するように形成されており、弁孔220の開口面積が比較的小さくなっている。しかし、弁内供給通路250(供給通路150)が開放されたときには、弁内排出通路260(第1排出通路160)が閉鎖されているため、供給通路150を介して供給される吐出室120内の冷媒によって制御圧室105の圧力は速やかに上昇し得る。また、弁孔220の開口面積が比較的小さいため、吐出室120と制御圧室105との圧力差による弁体222の作動特性への影響は抑制される。
その後、前記エアコンシステムがONからOFFになると、前記クラッチがOFF(解放)されて可変容量圧縮機100が停止すると共にソレノイド部270のコイル227の通電がOFFされる。
可変容量圧縮機100が停止したときの吸入室119の圧力が、コイル227の通電がOFFされているときのベローズ223の前記動作転換点、すなわち、通電OFF時の吸入室119の設定圧力以上であれば、容量制御弁200は、弁内排出通路260(第1排出通路160)を開放すると共に弁内供給通路250(供給通路150)を閉鎖する。また、可変容量圧縮機100が停止したときの吸入室119の圧力が電OFF時の吸入室119の設定圧力よりも低い場合であってもその差がある程度小さければ、容量制御弁200は、弁内供給通路250(供給通路150)を開放するまでには至らない。したがって、吐出室120内の冷媒が制御圧室105に流入したり、前記エアコンシステムの冷媒回路の冷媒(高圧側の冷媒)が吐出室120を介して制御圧室105に流入したりすることがなく、制御圧室105に冷媒が貯留することが防止される。
一方、可変容量圧縮機100が停止したときの吸入室119の圧力が、通電OFF時の吸入室119の設定圧力よりも大幅に低い場合、容量制御弁200は、弁内排出通路260(第1排出通路160)を閉鎖すると共に弁内供給通路250(供給通路150)を開放する。しかし、弁内供給通路250(供給通路150)には、絞り部として機能する弁孔220が設けられている。また、容量制御弁200は、その後に吸入室119の圧力が通電OFF時の吸入室119の設定圧力以上になると弁内供給通路250(供給通路150)を閉鎖する。このため、吐出室120内の冷媒又は記エアコンシステムの冷媒回路の冷媒(高圧側の冷媒)が僅かに制御圧室105に流入するだけである。したがって、この場合であっても制御圧室105に冷媒が貯留することが抑制される。
本実施形態に係る容量制御弁200は、可変容量圧縮機100の供給通路150の一部を形成すると共に弁孔(絞り部)220を有した弁内供給通路250と、可変容量圧縮機100の第1排出通路160の一部を形成する弁内排出通路260と、ソレノイド部270と、吸入室119の圧力がソレノイド部270(のコイル227)の通電量に対応する設定圧力よりも高い場合には弁内排出通路260の開度を大きくし、吸入室119の圧力が前記設定圧力よりも低い場合には弁内排出通路260の開度を小さくする連結部材(第1弁部)224と、第1付勢バネ(付勢部材)231によって弁孔220を閉鎖する方向に付勢され、弁内排出通路260を閉鎖した連結部材224に押圧されることよって弁内供給通路250を開放する弁体(第2弁部)222と、を含む。
具体的には、本実施形態に係る容量制御弁200は、吸入室連通空間211と制御圧室連通空間212との間に形成された挿通孔219に軸方向に移動自在に挿通され、その内部に軸方向に貫通するロッド内通路221aが形成されたロッド部材221と、制御圧室連通空間212に配置されると共にロッド部材221の前記下端部に一体的に形成され又は固定され、弁孔220を開閉する弁体(第2弁部)222と、弁孔220を閉鎖する方向に弁体222を付勢する第1付勢バネ231と、吸入室連通空間211に配置され、吸入室119の圧力を感知して伸縮するベローズ(感圧部材)223と、上端部(基端部)がベローズ223に固定され、ベローズ223の伸縮に応じて下端部(先端部)がロッド部材221の前記上端部に接離する連結部材(第1弁部)224と、コイル227の通電量に応じた付勢力をベローズ223に付与することによって吸入室119の前記設定圧力を変更するソレノイド部270と、を有する。ここで、弁孔220は、吐出室連通空間213及び制御圧室連通空間212と共に弁内供給通路250を形成すると共に弁内供給通路250の前記絞り部を形成し、ロッド部材221のロッド内通路221aは、吸入室連通空間211及び制御圧室連通空間212と共に弁内排出通路260を形成する。また、連結部材224の前記下端部(先端部)がロッド部材221の前記上端部に当接することによってロッド部材221のロッド内通路221a(の上端開口)が閉鎖されて弁内排出通路260が閉鎖される。そして、容量制御弁200は、吸入室119の圧力が前記設定圧力よりも高い場合にはベローズ223が収縮して連結部材224の前記下端部とロッド部材221の前記上端部との離間量が大きくなることによって弁内排出通路260の開度を大きくし、吸入室119の圧力が前記設定圧力よりも低い場合にはベローズ223が伸長して連結部材224の前記下端部とロッド部材221の前記上端部との離間量が小さくなることによって弁内排出通路260の開度を小さくするように構成されている。また、容量制御弁200は、連結部材224の前記下端部がロッド部材221の前記他端部に当接して連結部材224がロッド部材221を押圧することによって、連結部材224が弁内排出通路260を閉鎖する共に弁体222が弁孔220を開放して弁内供給通路250を開放するように構成されている。
このため、前記エアコンシステムがOFF(クラッチOFF、通電OFF)されて可変容量圧縮機100が停止したとき、ソレノイド部270の通電OFF時の前記設定圧力よりも吸入室119の圧力が大幅に低い場合にのみ弁内供給通路250が開放される。このため、可変容量圧縮機100が停止したときに吐出室120内の冷媒や前記エアコンシステムの冷媒回路の冷媒が制御圧室105に流入することはほとんどなく、制御圧室105に冷媒が貯留されることが防止される。また、可変容量圧縮機100が停止したときに弁内供給通路250が開放されたとしても、弁内供給通路250には前記絞り部としての弁孔220が設けられているので、吐出室120内の冷媒又は前記エアコンシステムの冷媒回路の冷媒が僅かに制御圧室105に流入するだけであり、制御圧室105に冷媒が貯留することが抑制される。したがって、前記エアコンシステムがONされたときの可変容量圧縮機100の立ち上がり(斜板107の傾角変化など)の遅れが防止される。
また、容量制御弁200において、吐出室連通空間213は、吸入室連通空間211に対して密閉構造とされている。このため、弁体222が弁孔220を閉鎖して弁内供給通路250(供給通路150)を閉鎖しているときに、吐出室連通空間213内の冷媒が吸入室連通空間211を介して制御圧室連通空間212へと流れてしまい、その結果、制御圧室105内に冷媒が貯留されてしまうことも防止される。
また、容量制御弁200において、ロッド部材221が摺動自在に挿通される挿通孔219は、前記供給通路に一部を形成する弁孔220と異なる位置に形成され、かつ、吐出室連通空間213とは区画されている。具体的には、挿通孔219は、バルブハウジング210の横断面のほぼ中央に設けられ、一端が吸入室連通空間211に開口すると共に直線状に延びて他端が制御圧室連通空間212に開口している。弁孔220は、挿通孔219よりも外側、すなわち、挿通孔219の径方向外方に設けられ、制御圧室連通空間212と吐出室連通空間213とを区画する区画壁218を貫通している。
このため、吐出室120から吐出室連通空間213に流入した冷媒がロッド部材221の外周面と挿通孔219の内周面との隙間を流れることがなく、当該冷媒に含まれた微小な異物が前記隙間に挟まってしまうことがない。したがって、前記冷媒に含まれる微小な異物に起因するロッド部材221及び弁体222の動作不良が防止され、弁体222の安定した動作が確保される。
なお、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
100…可変容量圧縮機、101a…シリンダボア(圧縮部)、105…制御圧室、107…斜板、117…ピストン(圧縮部)、119…吸入室、120…吐出室、150…供給通路、160…第1排出通路、170…第2排出通路、200…容量制御弁、210…バルブハウジング、211…吸入室連通空間、212…制御圧室連通空間、213…吐出室連通空間、217,218…区画壁、219…挿通孔、220…弁孔(絞り部)、221…ロッド部材、221a…ロッド内通路、222…弁体(第2弁部)、223…ベローズ(感圧部材)、224…連結部材(第1弁部)、250…弁内供給通路、260…弁内排出通路、270…ソレノイド部、321…連結ロッド、321b…ロッド内通路


Claims (8)

  1. 冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室に導かれた冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、制御圧室と、を含み、供給通路を介して前記吐出室内の冷媒が前記制御圧室に供給され又は排出通路を介して前記制御圧室の冷媒が前記吸入室に排出されることで前記制御圧室の圧力が調整され、これによって、斜板の傾角が変更されて吐出容量が変更されるように構成されたクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機に用いられる容量制御弁であって、
    前記供給通路の一部を形成すると共に絞り部を有した弁内供給通路と、
    前記排出通路の一部を形成する弁内排出通路と、
    ソレノイド部と、
    前記吸入室の圧力が前記ソレノイド部の通電量に対応する設定圧力よりも高い場合に前記弁内排出通路の開度を大きくし、前記吸入室の圧力が前記設定圧力よりも低い場合に前記弁内排出通路の開度を小さくする第1弁部と、
    前記弁内供給通路を閉鎖する方向に付勢され、前記弁内排出通路を閉鎖した前記第1弁部に押圧されることによって前記弁内供給通路を開放する第2弁部と、
    を含む、容量制御弁。
  2. 前記ソレノイド部の前記通電量が小さいほど前記設定圧力が高くなるように構成されている、請求項1に記載の容量制御弁。
  3. 内部に、前記吸入室に連通する吸入室連通空間と、前記制御圧室に連通する制御圧室連通空間と、前記吐出室に連通すると共に前記吸入室連通空間と前記制御圧室連通空間との間に配置された吐出室連通空間と、前記吸入室連通空間と前記制御圧室連通空間との間に形成された挿通孔と、前記制御圧室連通空間と前記吐出室連通空間との間に形成された弁孔と、を有するバルブハウジングと、
    前記挿通孔に軸方向に移動自在に挿通され、内部に軸方向に貫通するロッド内通路が形成されたロッド部材と、
    前記制御圧室連通空間に配置されると共に前記ロッド部材の一端部に一体的に形成又は固定され、前記弁孔を開閉する弁体と、
    前記弁孔を閉鎖する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、
    前記吸入室連通空間に配置され、前記吸入室の圧力を感知して伸縮する感圧部材と、
    前記感圧部材に固定され、前記感圧部材に伸縮に応じて前記ロッド部材の他端部に接離する連結部材と、
    を含み、
    前記ソレノイド部は、通電量に応じた付勢力を前記感圧部材に付与することによって前記吸入室の前記設定圧力を変更し、
    前記弁孔は、前記吐出室連通空間及び前記制御圧室連通空間と共に前記弁内供給通路を形成すると共に前記弁内供給通路の前記絞り部を形成し、
    前記ロッド内通路は、前記吸入室連通空間及び前記制御圧室連通空間と共に前記弁内排出通路を形成し、
    前記吸入室の圧力が前記設定圧力よりも高い場合には前記感圧部材が収縮して前記第1弁部としての前記連結部材と前記ロッド部材の前記他端部との離間量が大きくなることによって前記弁内排出通路の開度を大きくし、前記吸入室の圧力が前記設定圧力よりも低い場合には前記感圧部材が伸長して前記連結部材と前記ロッド部材の前記他端部との離間量が小さくなることによって前記弁内排出通路の開度を小さくし、
    前記連結部材が前記ロッド部材の前記他端部に当接して前記ロッド部材を押圧することによって、前記連結部材が前記弁内排出通路を閉鎖する共に前記第2弁部としての前記弁体が前記弁孔を開放することによって前記弁内供給通路を開放する、
    請求項1又は2に記載の容量制御弁。
  4. 前記吐出室連通空間は、前記吸入室連通空間に対して密閉構造とされている、請求項3に記載の容量制御弁。
  5. 前記挿通孔は、前記弁孔とは異なる位置に形成され、かつ、前記吐出室連通空間とは区画されている、請求項3又は4に記載の容量制御弁。
  6. 前記挿通孔は、前記バルブハウジングの横断面のほぼ中央に設けられ、
    前記弁孔は、前記挿通孔よりも外側に設けられている、
    請求項5に記載の容量制御弁。
  7. 前記挿通孔は、一端が前記吸入室連通空間に開口すると共に直線状に延びて他端が前記制御圧室連通空間に開口しており、
    前記弁孔は、前記挿通孔の径方向外方において、前記制御圧室連通空間と前記吐出室連通空間とを区画する区画壁を貫通している、
    請求項5又は6に記載の容量制御弁。
  8. 冷媒が導かれる吸入室と、前記吸入室に導かれた冷媒を圧縮する圧縮部と、前記圧縮部によって圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、制御圧室と、を含み、供給通路を介して前記吐出室内の冷媒が前記制御圧室に供給され又は排出通路を介して前記制御圧室の冷媒が前記吸入室に排出されることで前記制御圧室の圧力が調整され、これによって、斜板の傾角が変更されて吐出容量が変更されるように構成されたクラッチ付き斜板式可変容量圧縮機であって、
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の容量制御弁を備えた、クラッチ付き斜板式可変容量圧縮機。
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