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JP2019084294A - ワイピングシート - Google Patents

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JP2019084294A
JP2019084294A JP2017217088A JP2017217088A JP2019084294A JP 2019084294 A JP2019084294 A JP 2019084294A JP 2017217088 A JP2017217088 A JP 2017217088A JP 2017217088 A JP2017217088 A JP 2017217088A JP 2019084294 A JP2019084294 A JP 2019084294A
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行人 成田
Yukito Narita
行人 成田
金田 学
Manabu Kaneda
学 金田
東城 武彦
Takehiko Tojo
武彦 東城
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Kao Corp
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Abstract

【課題】研磨性を有しながらもワイピング対象面を傷つけることなく、該対象面に強固に付着した汚れを効率的に除去できるワイピングシートを提供すること。【解決手段】本発明のワイピングシート1は、平均繊維径が0.2μm以上5μm以下である合成繊維2を含む繊維集合体2Aを備え、ワイピング面として用いられる第1の面1Fと、該第1の面1Fの反対側に位置する第2の面1Rとを有するワイピングシートである。合成繊維2を形成する樹脂を含む樹脂塊3が、繊維集合体2A中に複数存在している。第1の面1Fにおいて、樹脂塊3が8×108個/m2以上1.5×109個/m2以下存在している。樹脂塊3の平均径が、合成繊維2の平均繊維径の20倍以上1000倍以下であることが好適である。樹脂塊3が、合成繊維2の端部に固着して存在することも好適である。【選択図】図2

Description

本発明は、ワイピングシートに関する。
近年、1μm前後の繊維径を有する極細繊維は、その繊維を交絡させた不織布として様々な用途に用いられている。例えば特許文献1には、平均繊維直径が0.05〜2.0μmの極細繊維が収束してなる極細繊維束が絡合してなる不織布と、高分子弾性体とを主体として構成される研磨布が開示されている。この研磨布は、研磨加工において従来の極細繊維からなる研磨布よりもスクラッチ欠点が少なく、高精度な研磨加工を可能とすることが同文献に記載されている。
特開2012−071415号公報
ところで、フローリングや壁、家具等の硬質表面を清拭する物品として、極細繊維を含む不織布からなるワイピングシートがしばしば用いられる。特に、シールやテープなどの粘着性物質がワイピング対象面に付着していた場合、粘着性物質に担持されている粘着剤がワイピング対象面に付着残存してしまう事がある。このような粘着剤は、それ自体が外観悪化の原因となるとともに、更なる汚れを付着させ、汚染の原因となりうる。
一方で、特許文献1に開示されている研磨布は、磁気記録ディスク等に用いられる基板の研磨加工を目的としているので、清拭や清掃を目的とした場合の繊維集合体の機能性に関しては何ら言及されていない。また、ワイピング対象面に強固に付着した粘着剤などの汚れを除去することを目的として、クレンザー等の無機粒子を含有する研磨剤を併用した場合、ワイピング対象面に意図しない傷がつき、外観が悪化する可能性があった。
したがって本発明の課題は、研磨性を有しつつ、且つワイピング対象面を傷つけにくいワイピングシートを提供することにある。
本発明は、平均繊維径が0.2μm以上5μm以下である合成繊維を含む繊維集合体を備え、ワイピング面として用いられる第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面とを有するワイピングシートであって、
前記繊維を形成する樹脂を含む樹脂塊が、前記繊維集合体中に複数存在しており、
前記第1の面において、前記樹脂塊が8×10個/m以上1.5×10個/m以下存在する、ワイピングシートを提供するものである。
本発明によれば、研磨性を有しながらもワイピング対象面を傷つけることなく、該対象面に強固に付着した汚れを効率的に除去できるワイピングシートを提供できる。
図1は、本発明のワイピングシートの断面の模式図である。 図2は、本発明のワイピングシートの第1の面を、走査型電子顕微鏡を用いて撮像した走査型電子顕微鏡像である。 図3は、本発明のワイピングシートの製造に用いられる製造装置の模式図である。
以下、本発明のワイピングシートをその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明においてワイピングとは、清掃及び清拭の両方の意味を含むものであり、例えば、床面、壁面、天井及び柱等の建物の清掃、建具や備品の清掃、物品の拭き取り、身体及び身体に係る器具の清拭等が含まれる。
図1に示すように、本発明のワイピングシート1は、合成繊維2を含む繊維集合体2Aと、該繊維2の集合体中に存在する複数の樹脂塊3とを有している。合成繊維2は、その繊維どうしが、堆積、交絡又は結合して繊維集合体2Aを形成している。ワイピングシート1は、第1の面1F、及び第1の面1Fの反対側に位置する第2の面1Rとを有する。第1の面1Fは、ワイピングシート1の使用時におけるワイピング面として供される。なお以下の説明では、第1の面1Fを表面又はワイピング面ともいい、第1の面1Fと反対側の面である第2の面1Rを裏面ともいう。
ワイピングシート1は、繊維集合体2Aのみから構成されていてもよく、あるいは繊維集合体2Aに加えて他の層を有していてもよい。繊維集合体2Aと他の層とが積層されてワイピングシート1が構成されている場合には、繊維集合体2Aにおける外方を向く面がワイピング面として供される。
本発明のワイピングシート1は、合成繊維2を含む。合成繊維2は、繊維形成性の樹脂を原料として構成されていることが好ましい。そのような樹脂としては、例えば各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニルやポリスチレン等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸やポリメタクリル酸メチル等のアクリル系樹脂、ポリパーフルオロエチレン等のフッ素樹脂などが挙げられ、これらのうち一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
合成繊維2の平均繊維径は、汚れの捕集効率の観点から、0.2μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることが好ましく、またその上限は、5μm以下であることが好ましく、4μm以下であることが更に好ましい。合成繊維の平均繊維径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)観察による二次元画像から繊維の塊、繊維の交差部分及び樹脂塊を除いた繊維を任意に10本選び出し、繊維の長手方向に直交する線を引いたときの長さの測定値の平均値を、平均繊維径とする。
繊維径を上述の範囲にコントロールする観点から、合成繊維2を構成する樹脂は、その重量平均分子量が12000以上であることが好ましく、15000以上であることがより好ましく、25000以上であることが更に好ましく、またその上限は600000以下であることが好ましく、500000以下であることがより好ましく、400000以下であることが更に好ましい。重量平均分子量の測定は、GPC(Gel Permeation Chromatograpy)法によって行う。GPC法は、分子サイズの差に基づいて分離を行う液体クロマトグラフィーの一種であり、高分子物質の分子量分布、および平均分子量分布を測定する手法である。高分子鎖が希薄溶液中でとっている大きさ(Hydrodynamic Volume)と同じくらいの細孔を有する粒状ゲルを充填したカラムに試料溶液を注入すると、分子量の高い分子、すなわち、溶液中における分子サイズの大きいものは、ゲル表面の細孔への浸透(Permeation)が少なく、分子量の低い分子よりも速くカラム中を移動して溶出する(Size Separation)。なお、この分離機構から、GPCはSEC(Size Exclusion Chromatography)とも呼ばれる。
繊維径を上述の範囲にコントロールする観点、及び繊維の工業生産性を高める観点から、合成繊維2を構成する樹脂は、そのメルトフローレート(MFR)が50g/10min以上であることが好ましく、500g/10min以上であることがより好ましく、1000g/10min以上であることが更に好ましく、またその上限は2000g/10min以下であることが好ましく、1900g/10min以下であることがより好ましく、1850g/10min以下であることが更に好ましい。MFRは、荷重2.16kg、温度230℃の条件でJIS K 7210に従って測定することができる。
上述の繊維集合体2Aは、合成繊維2以外の繊維を含んでいてもよい。ワイピング性能の向上の観点から、合成繊維2の含有量は、繊維集合体2Aの全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることが更に好ましい。
ところで従来、ワイピング対象面に強固に付着した粘着剤等の汚れを除去するためには、ワイピングシートを構成する繊維とワイピング対象面との摩擦に加えて、クレンザーなどの研磨粒子を用いて、該対象面を研磨して汚れを除去していた。しかし、研磨粒子は比較的高い硬度を有していることに起因して、汚れを除去する際に、ワイピング対象面に傷がつき、ワイピング対象物の外観を損なう恐れがあった。
このような欠点を解決すべく発明者が鋭意検討した結果、意外にも、溶融紡糸法等で製造された繊維の欠陥であると考えられてきた樹脂塊(樹脂ダマ)がワイピングシートを構成する繊維集合体に存在していることによって、研磨粒子を使用することなく効率的に汚れを除去できることを見出した。また発明者は、この樹脂塊が繊維を形成する樹脂を含み、硬度が低いものであるので、ワイピングの際に、ワイピング対象面に傷がつきにくいという利点も奏されることも見出した。
図1に示すように、ワイピングシート1は、複数の樹脂塊3を有している。本明細書における樹脂塊3とは、合成繊維2の原料樹脂が粒状に固化し、紡糸される合成繊維2の繊維径以上の径を有するものである。樹脂塊3は、合成繊維2を形成する樹脂を含むものであり、好ましくは合成繊維2を構成する樹脂からなるものである。樹脂塊3は、ワイピングシート1を構成する繊維集合体2Aの平面方向及び厚み方向にわたり複数存在している。樹脂塊3の形状は、例えば球状、楕円体状又は不定形である。
図2に示すように、樹脂塊3は、繊維集合体2A中だけでなく、ワイピング面である第1の面1Fにも複数存在している。汚れの除去性を高める観点から、第1の面1Fに存在する樹脂塊3は、8×10個/m以上であることが好ましく、1.0×10個/m以上であることがより好ましく、1.2×10個/m以上であることが更に好ましく、またその上限は、1.5×10個/m以下であることが好ましく、1.4個×10個/m以下であることがより好ましく、1.3個×10個/m以下であることが更に好ましい。なお、「樹脂塊3が第1の面1Fに存在する」とは、第1の面1Fを観察したときに、粒状の樹脂塊3の存在を視認できることを指し、必ずしも樹脂塊3が第1の面1Fに完全に露出していることを要しない。樹脂塊3の存在個数は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)において、第1の面1Fを観察対象として、観察視野を1000μm×1400μmとしたときに、平面視における最大長さが5μm以上5000μm以下の樹脂塊3を計測する。
ワイピング対象面に傷をつきにくくし、且つ汚れの除去を効率的に行う観点から、樹脂塊3の平均径が、合成繊維2の平均繊維径の20倍以上であることが好ましく、30倍以上であることがより好ましく、50倍以上であることが更に好ましく、またその上限は1000倍以下であることが好ましく、500倍以下であることがより好ましく、300倍以下であることが更に好ましい。樹脂塊3の平均径は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)において、第1の面1Fを観察対象として、観察視野を1000μm×1400μmとしたときに、平面視における最大長さが5μm以上5000μm以下の樹脂塊3について、平面視における最大長さをそれぞれ計測し、その最大長さの平均値を平均径とする。
樹脂塊3の繊維集合体2Aからの脱落を防止できる範囲で、樹脂塊3は繊維集合体2A中に該繊維集合体2Aと別個に存在していてもよいが、繊維集合体2Aからの樹脂塊3の脱落を効果的に防ぐ観点から、樹脂塊3は、融着によって合成繊維2と固着していることが好ましい。一本の合成繊維2に固着する樹脂塊3の個数は特に制限されないが、生産効率の向上の観点から、樹脂塊3は、合成繊維2の端部に固着していることが一層好ましい。このような樹脂塊3は、上述の樹脂を用いて、後述する製造方法によって好適に形成することができる。
ワイピングシートの剛性及び強度を発現させる観点から、ワイピングシート1を構成する繊維集合体2Aの坪量は、50g/m以上が好ましく、60g/m以上が更に好ましく、またその上限は、100g/m以下が好ましく、90g/m以下が更に好ましい。
また同様の観点から、ワイピングシート1の厚みは、40N/m荷重下において1mm以上であることが好ましく、1.2mm以上であることが更に好ましく、またその上限は、同荷重下において3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることが更に好ましい。
ワイピングシート1は、ワイピング時において、繊維集合体2Aをそのまま(いわゆる乾式の態様)で使用してもよく、繊維集合体2Aに洗浄液を塗布、噴霧、担持又は含浸させた態様(いわゆる湿式の態様)で使用してもよい。これらの態様は、ワイピング対象面に付着している汚れの種類や、ワイピング対象物の物性に応じて選択することができる。
ワイピング時において、ワイピングシートを湿式の態様で用いる場合、該シートに担持される洗浄液としては、水単独や、添加剤を含む水溶液など、湿式ワイピングシートに用いられる一般的な組成のものを用いることができる。洗浄液に用いられる添加剤としては、界面活性剤、殺菌剤、香料、芳香剤、消臭剤、pH調整剤、アルコール、研磨粒子などが挙げられる。なお、洗浄液に研磨粒子等を含む研磨剤が含まれていることは妨げられないが、本発明によれば、そのような研磨剤を用いなくても、ワイピング対象面における研磨効果は十分に奏される。
以上は本発明のワイピングシートの一実施形態に関する説明であったところ、以下にワイピングシートの好適な製造方法を図3を参照しながら説明する。図3には、ワイピングシートの製造に好適に用いられる製造装置10が示されている。本実施態様の製造方法は、溶融樹脂を吐出部14から吐出するとともに、熱風を吹き付けることによって溶融樹脂を引き延ばして合成繊維2とし、その合成繊維2を堆積、交絡又は結合させて繊維集合体2Aとする。なお、以下に示す製造装置10の構成は、メルトブローン法による繊維集合体の一般的な製造装置と同様である。
図3に示すように、製造装置10は、原料樹脂を溶融混練して押し出す押出部11と、押出部11に原料樹脂を供給するホッパー12と、押出部11内部に備えられたスクリュー(図示せず)を回転させるモーター13と、押出部11から該スクリューによって押し出された溶融樹脂を吐出する吐出部14とを具備する。押出部11と吐出部14とは互いに連通しており、溶融樹脂が流通可能となっている。吐出部14の下端部には、複数の吐出口15が幅方向Yに沿って設けられており、該吐出口15から溶融樹脂を吐出できるようになっている。
また、製造装置10は、吐出部14における吐出口15の近傍に、吐出口15から吐出された溶融樹脂に吹き付ける熱風を噴射するための噴射口(図示せず)が設けられている。熱風は、吐出部14に接続された熱風供給部16から供給される。
吐出部14の下方には、合成繊維2の捕集器としてのベルトコンベア17が設けられている。ベルトコンベア17は、吐出口15から吐出された溶融樹脂から生じた合成繊維2を、その上部の捕集面17aで捕集して繊維集合体2Aを形成し、X方向に搬送するものである。
以下に、上述の構成を有する製造装置10を用いたワイピングシート1の製造方法を説明する。なお、本製造方法は、個々の具体的な運転条件を除き、メルトブローン法による一般的な方法と同様である。
まず、合成繊維2の原料樹脂をホッパー12を介して押出部11に供給する。押出部11に供給された原料樹脂は、押出部11の内部で溶融混練されて溶融樹脂となった後、吐出部14の吐出口15に供給される。また、溶融樹脂の供給と同時に、熱風供給部16内で発生した加熱空気が熱風として噴射口に供給される。
次に、熱風を噴射口から噴射しつつ、吐出口15から溶融樹脂を吐出し、細径の合成繊維2を紡糸する。吐出された溶融樹脂は、熱風の噴射によって延伸されながら切断される。このとき、吐出された溶融樹脂は、溶融樹脂の切断箇所が表面張力によって収縮しながら冷却固化される。
原料樹脂の加熱温度は、原料樹脂の溶融状態を適切に維持する観点から、原料樹脂の融点をMP(℃)としたときに、(MP+50)℃以上であることが好ましく、(MP+60)℃以上であることがより好ましく、(MP+70)℃以上であることが更に好ましく、また原料樹脂の分解を防ぐ観点から、(MP+300)℃以下であることが好ましく、(MP+250)℃以下であることがより好ましく、(MP+200)℃以下であることが更に好ましい。例えば、原料樹脂としてポリプロピレン(融点MP:150℃)を用いた場合、原料樹脂の加熱温度を200℃以上450℃以下とすることができる。
合成繊維2の繊維径をより細径にしつつ樹脂塊3を生成させる観点から、噴射口から噴射される熱風の温度は、原料樹脂の融点MP(℃)を基準として、(MP+150)℃以上であることが好ましく、(MP+200)℃以上であることがより好ましく、(MP+250)℃以上であることが更に好ましく、またその上限は、原料樹脂の分解等を防ぐ観点から、(MP+400)℃以下であることが好ましく、(MP+380)℃以下であることがより好ましく、(MP+350)℃以下であることが更に好ましい。例えば、原料樹脂としてポリプロピレン(融点MP:150℃)を用いた場合、噴射口から噴射される熱風の温度を300℃以上550℃以下とすることができる。
合成繊維2の製造効率を高めつつ樹脂塊3を生成させる観点から、溶融樹脂の吐出量は、吐出口15における直径や溶融樹脂の温度などの条件に依存するが、4g/min以上であることが好ましく、8g/min以上であることがより好ましく、9g/min以上であることが更に好ましく、またその上限は、50g/min以下であることが好ましく、30g/min以下であることがより好ましく、20g/min以下であることが更に好ましい。
樹脂塊3を繊維集合体2A中に十分に形成させる観点から、溶融樹脂の吐出量の総量が4g/min以上30g/min以下の範囲であることを条件として、熱風の流量は、200L/min以上であることが好ましく、250L/min以上であることが更に好ましく、またその上限は、300L/min以下であることが好ましく、800L/min以下であることが更に好ましい。このような流量で熱風を吹き付けることによって、樹脂塊3が合成繊維2の端部に固着するように一度の製造工程で製造できるという利点も奏される。
具体的な製造条件として、原料樹脂をポリプロピレン(重量平均分子量:75500、MFR:1300g/10min)を用いた場合について説明すると、吐出口15の直径を0.08mmとし、溶融樹脂の温度を230℃、溶融樹脂の吐出量を5g/minの条件下で、噴射される熱風の温度を380℃、熱風の流量を400L/minとすることで、平均繊維径が0.2μm〜5μmである合成繊維2が形成されながら、平面視における最大長さが5μm〜5000μmの樹脂塊3が該繊維2の端部に形成される。
このような工程を経て、合成繊維2の紡糸と同時に、繊維径以上の大きさを有する樹脂塊3が形成される。特に本発明において使用される樹脂は、通常のメルトブローン法で使用される樹脂よりも分子量が低く、且つMFRが高いものであるので、熱風の流量を通常のメルトブローン法よりも高い流量で噴射することによって、樹脂塊3が固着した細径の合成繊維2を紡糸することができる。
最後に、紡糸された合成繊維2は、ベルトコンベア17の捕集面上に集積され、繊維集合体2Aとなる。製造された繊維集合体2Aは、該集合体2Aをそのままで乾式のワイピングシート1としてもよく、該集合体2Aに更に洗浄液を担持させて、湿式のワイピングシート1とすることができる。
ワイピングシート1の別の製造方法として、次の方法も挙げられる。すなわち、メルトブローン法等の溶融紡糸法で細径の繊維からなる不織布を製造する。その不織布とは別に、該不織布を構成する繊維の樹脂と同じ樹脂を原料として、樹脂塊を製造する。そして、この樹脂塊を前記不織布の表面及び内部に分散させる。その後、必要に応じて加熱して、繊維と樹脂塊とを結合させたのちに洗浄液を担持させる。このようにして、目的とするワイピングシート1を得ることができる。
このようにして製造されたワイピングシート1は、該ワイピングシート単体で、又はワイパーなどの清掃用具に付着させて、床面、壁面等の建物、戸棚、窓ガラス、鏡、ドア、ドアノブ等の建具、ラグ、カーペット、机食卓等の家具、キッチン、トイレ、身体の清拭や、衛生用品、包装などにも使用できる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態のワイピングシートは、単一の合成繊維を含むものであったが、これに代えて二種類以上の繊維を含むワイピングシートであってもよい。二種類以上の繊維を含む場合、必要に応じて、水流又は空気流の吹き付けによる交絡、接着又は融着等の工程を経て、繊維集合体を形成してもよい。
また、本発明のワイピングシートは、該シート自体に洗浄液が担持されていなくてもよい。具体的には、ワイピング対象面に洗浄液を直接塗布又は噴霧して、該対象面に洗浄液が存在している状態下で、乾式のワイピングシートを用いてワイピング対象面をワイピングしてもよい。このような実施形態であっても、本発明の効果は十分に奏される。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
図3に示す製造装置10を用いて、単一の合成繊維からなる繊維集合体2Aをメルトブローン法によって以下の製造条件で製造した。繊維集合体2Aの寸法を285mm×205mmに成形した後、第1の面1Fにイオン交換水を2g/cm塗布し、これを目的とするワイピングシート1とした。合成繊維2の原料樹脂としてポリプロピレン(PP)を用いた。合成繊維2の平均繊維径は3μmであった。繊維集合体の坪量は40g/mであり、第1の面における樹脂塊は1.3×10個/m存在していた。
<製造条件>
吐出口15の直径:0.08mm
原料樹脂の吐出時の温度:230℃
原料樹脂の重量平均分子量:75500
原料樹脂のメルトフローレート:1300g/10min(230℃)
原料樹脂の溶融液の吐出量:5g/min
熱風の噴射量:400L/min
熱風の温度:380℃
〔実施例2〕
実施例1における製造条件のうち、熱風の噴射量を350L/minに変更して、第1の面における樹脂塊を1×10個/m存在するものとしたほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔比較例1〕
実施例1における製造条件のうち、熱風の噴射量を300L/minに変更して、第1の面における樹脂塊を5×10個/m存在するものとしたほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔比較例2〕
本比較例では、繊維集合体2Aをカレンダー加工によるシート化で繊維の端部をカットして樹脂塊を除去した。その後、第1の面にイオン交換水を2g/cm塗布し、これを目的とするワイピングシートとした。第1の面における樹脂塊は存在していなかった。本比較例における合成繊維の平均繊維径は4.5μmであった。
〔比較例3〕
実施例1における製造条件のうち、原料樹脂のメルトフローレートを800g/10min(230℃)に変更して、第1の面における樹脂塊を8×10個/m存在するものとし、合成繊維の平均繊維径を6μmとしたほかは、実施例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔比較例4〕
比較例1のワイピングシートおける第1の面に、無機粒子を含む研磨剤(花王株式会社製、ニューホーミングクレンザー)を0.5g塗布したほかは、比較例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔比較例5〕
比較例1のワイピングシートおける第1の面に、研磨剤としてSiO粒子(ThermoFisher社製、Duke8100、平均粒子径1μm)を0.5g塗布したほかは、比較例1と同様にワイピングシートを製造した。
〔評価〕
以下の方法に従って、粘着剤の除去性、ワイピング対象面の外観及び該対象面の傷つき性を評価した。各評価結果を以下の表1に示す。
〔粘着剤の除去性〕
実施例及び比較例のワイピングシートに、0.16kN/mの荷重をかけて、ワイピング速度1m/sで、粘着剤が付着した壁(吉野石膏社製、タイガーボード(標準タイプ))をワイピング対象面としてワイピングを行った。ワイピング後でのワイピング対象面における粘着剤の除去性を、以下の基準で目視によって評価した。
A:付着した粘着剤を完全に除去できた。
B:付着した粘着剤をほとんど除去できた。
C:付着した粘着剤を一部除去できた。
D:付着した粘着剤を除去できなかった。
〔ワイピング対象面の外観〕
〔粘着剤の除去性〕の項でワイピングした後のワイピング対象面の外観を、以下の基準で目視により評価した。
A:ワイピング対象面に汚れがない。
B:ワイピング対象面に汚れが一部付着している。
C:ワイピング対象面に汚れがかなり付着している。
D:ワイピング対象面の全面が汚れている。
〔ワイピング対象面の傷つき性〕
〔粘着剤の除去性〕の項でワイピングした後のワイピング対象面の傷つき性を、以下の基準で目視により評価した。
A:ワイピング対象面が滑らかである。
B:ワイピング対象面の一部が傷ついているが、滑らかである。
C:ワイピング対象面の一部が傷ついており、表面が粗い。
D:ワイピング対象面の全面が傷ついており、表面が非常に粗い。
表1に示すように、実施例1及び2のワイピングシートは、ワイピング面における樹脂塊の存在量が少ない比較例1及び2や、平均繊維径が太い比較例3と比較して、ワイピング対象面に付着した粘着物を効率的に除去できることが判る。また、研磨剤を塗布した比較例4及び5ではワイピング対象面が傷ついているのに対し、実施例1及び2のワイピングシートは、樹脂塊が繊維を形成する樹脂を含んで形成されているため、ワイピング対象面を傷つけることなく、ワイピング対象面に付着した粘着物を除去することができることが判る。
以上より、本発明のワイピングシートは、研磨性を有しながらもワイピング対象面を傷つけることなく、該対象面に付着した粘着物を効率的に除去できるものであることがわかる。
1 ワイピングシート
2 合成繊維
2A 繊維集合体
3 樹脂塊
10 製造装置
11 押出部
12 ホッパー
13 モーター
14 吐出部
15 吐出口
16 熱風供給部
17 ベルトコンベア

Claims (3)

  1. 平均繊維径が0.2μm以上5μm以下である合成繊維を含む繊維集合体を備え、ワイピング面として用いられる第1の面と、該第1の面の反対側に位置する第2の面とを有するワイピングシートであって、
    前記繊維を形成する樹脂を含む樹脂塊が、前記繊維集合体中に複数存在しており、
    前記第1の面において、前記樹脂塊が8×10個/m以上1.5×10個/m以下存在する、ワイピングシート。
  2. 前記樹脂塊の平均径が、前記繊維の平均繊維径の20倍以上1000倍以下である、請求項1に記載のワイピングシート。
  3. 前記樹脂塊が、前記繊維の端部に固着して存在する、請求項1又は2に記載のワイピングシート。
JP2017217088A 2017-11-10 2017-11-10 ワイピングシート Pending JP2019084294A (ja)

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