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JP2019083794A - 担体の製造方法、および担体 - Google Patents

担体の製造方法、および担体 Download PDF

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JP2019083794A JP2017217166A JP2017217166A JP2019083794A JP 2019083794 A JP2019083794 A JP 2019083794A JP 2017217166 A JP2017217166 A JP 2017217166A JP 2017217166 A JP2017217166 A JP 2017217166A JP 2019083794 A JP2019083794 A JP 2019083794A
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Abstract

【課題】細胞等の内包物を任意の大きさと形状を有する3次元形状的に内包可能な担体の提供。【解決手段】内包物を、所定の大きさと形状に加工されたゲルで包埋する内包物包埋工程1と、内包物包埋工程1後の前記ゲルの表面を覆うことで、内包物包埋工程1後のゲル表面形状に沿った形状を有する外殻となるポリマー被覆構造を形成するポリマー被覆工程2とを有する、前記内包物を内部に有する担体の製造方法。好ましくは、ポリマー被覆工程2が、ポリマー被覆構造を連通多孔質のポリマー被覆構造とし、使用ポリマーが非溶媒誘起相分離法の適用可能なポリマーであり、内包物包理工程1後のゲルの表面を、ドープで被覆し、凝固液に接触させて、前記ドープに相分離を生じさせ、内包物包理工程1後のゲルの表面に連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させる、担体の製造方法。【選択図】図1

Description

細胞等の内包物を任意の大きさと形状を有する3次元形状に内包可能な担体に関する。
細胞の培養においては、シャーレ等の培養容器に細胞を播種して培養し、細胞分裂により底面いっぱいに細胞が広がった後に、タンパク質分解酵素等によって培養容器の底面から細胞を一旦剥離させ、他の複数の培養容器に分割して播種する、いわゆる継代処理を行うことが一般的におこなわれている。しかしながら、この方法では、培養容器の底面に固定した細胞を剥離させる際に、細胞が損傷を受ける等の問題点があった。
このため、細胞の培養及びハンドリングをより安定に行う方法が提案されている。
例えば、多孔質膜にアルギン酸ゲル層(例えば、アルギン酸カルシウムゲル層)を重層化した細胞培養担体を用いて細胞を培養し、得られる細胞培養物のアルギン酸ゲル層を可溶化すれ方法が提案されている。この方法によれば、細胞層を含む細胞培養物を容易に脱離できるとともに、この可溶化した細胞培養物を用いれば、細胞層を容易に重層化が可能である(例えば、特許文献1)。
特許第3261456号公報
特許文献1に示された方法は、細胞培養物を容易に脱離可能であり、且つ重層化が可能であるものの、基本的には2次元状にしか細胞の培養を行うことができない。しかし、実際の臓器は3次元構造であり、培養や創薬の試験を行う場合、細胞を固定する方法として3次元形状で細胞を固定することが望ましいケースも少なくない。例えば、ES細胞やiPS細胞を用いた再生医療においては、これらの細胞を培養し、分化させて組織化し、臓器や皮膚等の身体の一部に再生させることが要求されている。
また、細胞培養等の分野においては、新たな技術が開発されており、所望の3次元形状を有する担体の必要性は非常に高まっている。その一例として、フローケミストリーについて説明する。
フローケミストリーを用いた細胞培養や創薬試験の必要性は、近年、ますます重要視されている。フローケミストリーを用いた装置では、流体が連続流やプラグ流で流れるため、流体の流路に適合するように細胞等の目的物を配設しなければならない。たとえば、流路の片側に細胞等の目的物が配設され、流路に空間部がある場合には、流体が抵抗の少ない空間部を流れる、いわゆる片流れが生じるために、目的物に流体が充分に接触しないという問題が発生する。すなわち、このような片流れが生じずに、流体が充分に目的物に接触するようにためには、フローケミストリー用装置の流路に適合する形状の3次元担体を設け、内部に目的物を配設することで、目的物に流体が充分に接触する構成が必要になる。
しかし、特許文献1に示された方法では、フローケミストリー用装置の流路に適合する形状の3次元担体を製造し、かつ容易に担体をハンドリングすることができないことは明確である。
すなわち、予め設計された3次元形状を持つ担体を用いて、フローケミストリー装置の流路に適合するように、細胞等の目的物を固定することは、今後の再生医療等のバイオテクノロジー分野などにおいて極めて重要な課題といえる。
さらに、担体の性質として、容易にハンドリングできるものが望まれている。
しかしながら、細胞等の微小でデリケートな内包物を内部に保持し、所望の3次元形状を有するカプセル状の担体を作製することは困難であった。特に、細胞等の内包物にダメージを与えることなく、このようなカプセル状の担体を作製することは従来技術では困難であった。
本発明は、フローケミストリー等の先端技術にも適用可能なポテンシャルを有する新たな担体の製造方法、構造を提案することで、この課題を克服するものである。
本発明に係る担体の製造方法に関して、主要な特徴は以下の通りである。
本発明に係る担体の製造方法は、内包物を内部に有する担体の製造方法であって、
前記内包物を、所定の大きさと形状に加工されたゲルで包埋する内包物包埋工程と、
当該内包物包埋工程後のゲルの表面を覆うことで、上記内包物包埋工程後のゲル表面形状に沿った形状を有する、外殻となるポリマー被覆構造を形成するポリマー被覆工程と、
を有するものである。
また、上記ポリマー被覆工程は、前記ポリマー被覆構造を連通多孔質のポリマー被覆構造とするものであり、
前記ポリマーが、非溶媒誘起相分離法に適用可能なポリマーであり、
上記内包物包埋工程後の前記ゲルの表面を、ドープで被覆し、凝固液に接触させることで前記ドープに相分離を生じさせ、前記内包物包埋工程後のゲルの表面に前記連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させるものであり、
前記ドープは、少なくとも前記ポリマーと前記ポリマーを溶解させる良溶媒を含有し、
前記凝固液は、少なくとも前記ポリマーの貧溶媒を含有する
ことを特徴とするものである。
本発明の目的は、細胞等の微小な内包物を内部に保持し、フローケミストリー等の先端技術にも適用可能なポテンシャルを持つ所望の3次元形状を有するカプセル状の担体を作製することにある。
このようなカプセルを作製することは従来技術では困難であった。また、内包物にダメージを与えずに、この目的を達成することも極めて困難であった。
しかし、内包物を包埋するゲルを導入することにより、この目的を達成することができた。この点につて、以下に詳細に説明する。
ゲルを形成する物質は、所定の溶液に接しさせたり、温度やpH等の環境条件を変化させることで、液体になったり、ゲル構造になったりする性質を有している。この性質を利用すると、内包物を容易にゲル内に包埋した、所望の3次元形状のゲルを作製することができる。例えば、所望の3次元形状を有する型の中に液体状のゲルとなる物質と内包物を入れ、ゲル化することで、容易に内包物を包埋する、所望の3次元形状のゲルが得られる。この工程が内包物包埋工程である。
内包物を包埋した3次元形状のゲルは、内包物包埋工程に続くポリマー被覆工程において、ゲルの表面に沿った形状のポリマー被覆構造により覆われる。これによって、所望の3次元構造を有するカプセル形状に担体の被膜を形成することができる。また、内包物はゲルで包埋されているため、このポリマー被覆工程において使用されるポリマー溶液や凝固液に、内包物が直接触れることが無く、内包物へのダメージが最小化される。
以上のように、ゲルの第一の役割は、ポリマー被覆工程において、ポリマー被覆構造の型となることである。
通常、樹脂等の成型においては、その成型で用いる型の内面形状に沿った形体の樹脂が得られる。一方、本発明においては、型の外形形状に沿った形体のポリマー被覆構造が形成される。すなわち、ポリマー被覆工程において、型となるゲルの表面にポリマー溶液が塗布されることで、ゲルが型となり、そのゲル表面を覆うポリマー被覆構造が形成される。ゲルは、前記の型を用いた方法や、切削などの機械加工等によって、簡単に形を整えることができ、形状加工しやすい。したがって、ゲルを所望の形状に加工することで、所望の形状のポリマー被覆構造が容易に得られる。
さらに、ポリマー被覆工程を、成形工程後のゲルの表面をドープで被覆し、凝固液に接触させることでドープに相分離を生じさせ、前記ゲルの表面に連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させることができる。ドープの良溶媒濃度と凝固液の貧溶媒濃度を調整することで、空孔の密度や大きさを容易に制御できる。これによって、例えば、フローケミストリー用装置の流路に3次元形状を有するカプセル状の担体をはめ込み、片流れを防止し、さらに被膜の空孔から容易にカプセル内に流体を導通させて、内包物と流体との充分な接触を実現することができる可能性がある。
被膜に空孔が無い場合は、流体は被膜内を分子拡散して内部に侵入するため、空孔がある場合に比べて、流体の物質移動速度が遅くなる。
また、ゲルの第二の役割は、前記の通り、ポリマー被覆工程において内包物を保護することである。
ゲルの第三の役割は、ゲルが液体化、および、液体からゲル化しやすい性質を利用し、ポリマー被覆から除去、あるいは、除去後に再構成されることである。この第三の役割については、後述の実施の形態2および4で詳述している。
まず、担体内にゲルが不要である場合には、容易にゲルを除去して、担体内に内包物のみを残すことができる。
また、内包物に細胞の足場材を含まない場合には、担体を形成した後に、改めてゲルによる足場を構築することが可能である。
さらには、細胞を培養した後に、細胞を取り出す場合に、ポリマー被覆を溶解させる必要がある。この時、担体内にゲルが存在する場合には、ゲルが細胞の保護材となって、ポリマーの良溶媒を流して、外郭のポリマーを除去することができる。また、担体内にゲルが存在しない場合には、再度、担体内にゲルを形成させ、それを細胞の保護材として、ポリマーの良溶媒を流して、外郭のポリマーを除去することが可能となる。
以上のように、本発明は内包物を包埋するゲルを導入することにより、ゲルの持つ性質を利用し、それを多段階に活用することで、極めて困難な課題を克服することを可能とした。
以上の特徴より、様々な実用上のメリットが生じる。
まず、内包物が細胞の場合には、例えば、フローケミカル装置を用いて、外殻の内部にて3次元的な培養が可能となる可能性がある。さらに、ポリマー被覆構造には微小な空孔が多数形成されていると、内包物はこの空孔を介して外部と高速で物質移動が可能である。
また、内包物はゲルに包埋されているため、ポリマー被覆工程において、ドープ等と接することなく保護された状態にできる。したがって、内包物が細胞や微生物であっても、ダメージを与えることなく、外殻となるポリマー被覆構造を形成できる。
また、ポリマー被覆構造という外殻があることで、ハンドリングが非常に容易になる。
そして、ポリマー被覆構造の微小な空孔を介して、ゲルを除去したり、除去後に再構築したり、内部に足場材を形成することが可能となり、実施の形態2から4において示したような、自由度の高い担体として使用することができる。
以上のように、内包物を包埋するゲルを導入することで、内包物へダメージを与えることなく、フローケミストリー等の先端技術にも適用可能なポテンシャルを持つ、所望の3次元形状を有するカプセル状のポリマー被覆構造が得られる。
また、本発明は様々な用途に適用可能であり、例えば、最適な用途の例として、以下の用途を挙げることができる。
(a)任意の三次元構造の細胞・微生物固定(マイクロリアクターなどへの応用)
(b)任意の三次元構造の細胞・微生物培養(再生医療への応用)
(c)任意の三次元構造の微細吸着剤・触媒などの固定(マイクロリアクターなどへの応用)
本発明の実施の形態1に係る担体の製造工程のフロー図である。 本発明の実施の形態2に係る担体の製造工程のフロー図である。 本発明の実施の形態3に係る担体の製造工程のフロー図である。 本発明の実施の形態4に係る担体の製造工程のフロー図である。
本発明に係る担体の製造方法について、以下に説明する。以下において開示する物質やそれらの量等は、担体の製造方法の良好な例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施の形態1.
まず、図1を用いて、本実施の形態に係る担体の製造方法について説明する。本発明に係る担体の製造方法は、内包物を内部に有する担体の製造方法であって、前記内包物を所定の大きさと形状に加工されたゲルで包埋する内包物包埋工程1と、当該ゲル成形工程2後のゲルの表面を覆う外殻となるポリマー被覆構造を形成するポリマー被覆工程2とを有している。
特に、ポリマー被覆工程2として、成形工程後のゲルの表面を、ドープで被覆し、凝固液に接触させることで前記ドープに相分離を生じさせる工程とすることで、前記ゲルの表面に連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させることができる。ここで、前記ポリマーは、非溶媒誘起相分離法に適用可能なポリマーであり、前記ドープは、少なくともポリマーと当該ポリマーを溶解させる良溶媒を含有し、前記凝固液は、少なくとも上記ポリマーの貧溶媒である溶媒を含有する。
<内包物>
本発明において内包物とは、細胞、微生物、細胞の足場材、微細有機物、微細無機物のうちの少なくとも一つである。
特に本発明に適した担体は細胞、微生物および細胞の足場材である。ここで、細胞とは、ES細胞およびiPS細胞を含む細胞であり、本願の担体は、培養され、分化し組織化され、身体の一部となるような細胞に最も適している。
なお、微細有機物、微細無機物とは、大きさが1mm以下の有機物、あるいは無機物を意味する。
<担体>
本発明において担体とは、上述の内包物を包埋することによって、固定したものである。具体的には、内包物をゲルで包埋したもの、さらに、内包物をゲルで包埋した後、その周囲にポリマー被覆構造を形成したものである。あるいは、このポリマー被覆構造を形成した後に、ゲルを除去したもの等である。
<ゲル>
本発明において、ゲルとは、分散系の一種であり、分散質のネットワークにより高い粘性を得て流動性を喪失し固体状になったものを指す。
本発明においては、所定の操作において水溶液化するゲルが特に適している。例えば、温度変化やキレート化剤等により、容易に可溶化することができるゲルを挙げることができる。
例えば、多糖類ゲルが本発明のゲルとして好適である。多糖類ゲルとは、寒天、ゼラチン、カラギナン、LMペクチン、HMペクチン、LAジェランガム、HAジェランガム、アルギン酸およびその塩等である。
この中でも、本発明においては、多糖類ゲルとして、アルギン酸カルシウム塩、あるいは寒天、ゼラチンが最も適している。
アルギン酸とは、一般にアルギン酸ナトリウムのことを指す。アルギン酸は日本では食品の指定添加物に分類されており、内包物が細胞や微生物であっても害を与えることがない。また、Caの二価イオンに接すると直ちにイオン架橋が起こりゲル化するという性質を有している。さらに、EDAT等のキレート化剤により容易に可溶化することができる。
また、寒天やゼラチンは、アルギン酸と同様に安全な物質であり、温度を上げると液体になり、且つ硬度が高いため、切削具等を用いて加工し、形状を整えることができる。
<足場材>
細胞の足場材としては、組織工学で使用される、ポリ乳酸などの合成ポリマー、ベータTCPなどの生体親和性の高い多孔性無機材料、天然ECMの生成物、自己組織化ペプチド等の繊維状素材などが含まれる。
担体内に内包できるものであれば、材質や形状、大きさの制限はない。
<内包物包埋工程>
内包物包埋工程1においては、所定の形状に成形されたゲル内に内包物が包埋された成形物が得られる。ここで、ゲルを所定の大きさと形状に成形する方法には制限はない。
例えば、二価のCaイオンをキレート剤などでいったん封鎖した塩化カルシウム水溶液と、アルギン酸ナトリウム水溶液、内包物を所定の型に流し込み、良く混合した上で、二価のCaイオンを徐々にリリースしてやることで、型内に均一なゲルを形成させることができる。
また、塩化カルシウム水溶液の中に、内包物を混合したアルギン酸ナトリウム水溶液を適量、滴下することで、液滴は表面張力で丸くなりながら、その球体の表面が瞬時にゲル化して、球形ゲルを得ることができる。滴下ではなく、紡錐形にたらすと、細長いフカヒレ上のゼリーを作ることもできる。
さらには、所定の型の内部に塩化カルシウム水溶液を充分に塗布し、その中に内包物を含んだアルギン酸ナトリウム水溶液をゆっくりと添加することで、アルギン酸カルシウムを析出させて、内包物を包埋し、所定の大きさ・形状に成型されたゲルを得ることもできる。
アルギン酸を用いない方法としては、例えば、寒天水溶液に内包物を混合し、ゲル化温度(30−45℃)まで冷却して、その後、ナイフ等でゲルを削って、所定の大きさ・形状に加工しても良い。また、寒天の代わりにゼラチンを使うこともできる。
なお、内包物包埋工程1に関して、「所定の大きさと形状に加工されたゲルで包埋する」という表現を用いている。ここで「所定の大きさと形状」とは、後述するポリマー被覆構造を所望の大きさと形状にするために適切な所定の大きさと形状のことである。また、「加工された」とは、必ずしもゲルを切削具等で積極的に加工することだけではなく、上述のように、滴下等により、球形等の形状を得ることも含まれる。あるいは、多数の球形状のゲルが得られた場合に、そこから大きさや形状を選別して使用すること等も含まれる。
<ポリマー被覆構造>
(ポリマー)
本発明のポリマー被覆構造は、ポリマーにより形成される。ポリマーとして疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーが挙げられる。疎水性ポリマーとして、アラミドポリマー、アクリルポリマー、ビニルアルコールポリマー、セルロースポリマーなどが挙げられる。親水性ポリマーとして、デキストリン、水溶性澱粉、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性酢酸セルロース、キトサンなどが挙げられる。
なお、連通多孔構造を有するポリマー被膜を形成させる場合は、ポリマーは、非溶媒誘起相分離法(NIPS法、Nonsolvent Induced Phase Separation)に適用できる性状を有するものに限定される。
(細孔)
連通多孔構造を有するポリマー被膜を形成させる場合、ポリマー被覆構造は、ポリマー自体に細孔を有するポリマーにより形成されている。細孔は他の細孔とポリマー中で連通しており、細孔同士が連結した網目構造を形成している。細孔の孔径は1nm〜1μm、好ましくは10nm〜100nmの範囲にある。細孔は、ドープをポリマーの貧溶媒である溶媒を含有する凝固液で凝固させることにより相分離現象が生ずることで形成される。細孔は、走査型電子顕微鏡写真、透過型電子顕微鏡写真により観察することができる。
<ポリマー被覆工程>
ポリマー被覆工程2は、内包物包埋工程1後のゲルに、ドープを塗布し、凝固液と接触させて、凝固させることにより、ゲル表面に多孔質ポリマーを形成する工程である。
ここで、ドープとは、ポリマーを良溶媒に溶解させた溶液のことである。
また、内包物包埋工程1後のゲルに、ドープを塗布する方法は、どのような方法でも良く、特に制限はない。たとえば、ハケ状物でドープをゲル表面に塗りつけても良いし、ゲルをドープ溶液に浸漬させてもよい。
さらに、凝固液との接触方法についても、制限はない。たとえば、凝固液中にドープを塗布したゲルを浸漬させても良いし、ドープを塗布したゲルの凝固液をミスと状に吹き付けても良い。
<実証実験1>
以下、本発明の効果を実証実験により検証する。
(内包物包埋工程)
内包物としては、無機物であるハイドロタルサイト(富田製薬株式会社製、製品名TPEX)を、ゲルとしてはアルギン酸カルシウムを用いた。
まず、3%アルギン酸ナトリウム水溶液100mlにハイドロタルサイト10gを入れ、十分に攪拌した。この水溶液を注射器に入れ、10%塩化カルシウム液中に滴下した。直ちに、アルギン酸ナトリウム水溶液の表面はゲル化し、ハイドロタルサイトを包埋する略球状のゲルが得られた。得られたゲルの大きさは0.5mm〜3mm径であり、この中から約1mm径のゲルを選別した。
室温において、ポリマーである100重量部のポリメタフェニレンイソフタルアミド(PmIA)を良溶媒である1900重量部のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて、ポリマー溶液を作製した。次いで、PmIA100重量部に対して、上述の約1mm径のゲルを400質量部添加し、攪拌棒で全体を充分に攪拌して、ゲルを凝固液から取り出した。
なお、ポリメタフェニレンイソフタルアミド(PmIA)は、非溶媒誘起相分離法に適応するポリマーである。
(凝固液)
ポリマーの貧溶媒である水を用いた。
(ポリマー被覆工程)
室温において、前記のドープで塗付したゲルを凝固液中に滴下し、直径が約1mmの球形ポリマー被覆構造を得た。
この球状のポリマー被覆構造を透過型電子顕微鏡で観察した。
ポリマー被覆構造の全体に渡り、微細な空孔が多数存在していた。空孔の直径は0.5μm〜1μm程度であり、この空孔を通してゲルは外界と繋がっていることを確認できた。すなわち、内包物を包埋したゲル表面を覆う外殻となる連通多孔質のポリマー被覆構造を形成できた。
<実施の形態1のまとめ>
本実施の形態においては、内包物をゲルで包埋する内包物包埋工程と、内包物包埋工程後のゲルの表面を覆う外殻となるポリマー被覆構造を形成するポリマー被覆工程とを有する製造方法により、内包部と、内包物を包埋するゲル、およびこのゲルの表面を覆う外殻となるポリマー被覆構造を有する担体を形成できた。すなわち、細胞等の微小な内包物にダメージを与えることなく、内包物を内部に保持し且つ所望の3次元形状を有するマイクロカプセル状の担体を作製できることを確認した。
さらに詳細には、ゲルの滴下量を変えることによって、ゲルを所望の形状、大きさに成型、あるいは成形することは難しくない。このことを利用して、所望の形状、大きさを有するポリマー構造体を簡便に得ることが可能であることを確認した。
また、内包物はゲルに包埋されているため、ポリマー被覆工程において、ドープ等と接することなく保護された状態にできる。したがって、内包物が細胞や微生物であって、ダメージを与えることなく、外殻となるポリマー被覆構造を形成できることも確認できた。
さらに、ポリマー被覆工程において、ポリマー被覆構造を連通多孔質のポリマー被覆構造とできることも確認した。すなわち、内包物包埋工程後のゲルの表面を、ドープで被覆し、凝固液に接触させることで前記ドープに相分離を生じさせ、前記ゲルの表面に連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させることができる。ここで、ドープは、少なくともポリマーと当該ポリマーを溶解させる良溶媒を含有し、凝固液は、少なくとも上記ポリマーの貧溶媒である溶媒を含有する。ポリマーは、非溶媒誘起相分離法に適用できる性状を有するものである。
このようにして、内包物、内包部を包埋するゲル、およびこのゲルの表面を覆う外殻となる連通多孔質のポリマー被覆構造を形成できた。このポリマー被覆構造には微小な空孔が多数形成されているため、この空孔を介して外部と高速の物質移動が可能である。
さらに、ドープの構成を変えることで、空孔の大きさや密度も制御可能であるため、内包物等に最適なポリマー被覆構造を得ることができる。
あるいは、内包物包埋工程で内包物に足場材を入れなかった場合や、同工程で寒天等でゲルを形成した場合、ゲルを除去した後の担体内部に、足場材を形成させることもかのうである。たとえば、二価のCaイオンをキレート剤などでいったん封鎖した塩化カルシウム水溶液と、アルギン酸ナトリウム水溶液の混合物を担体に流し込み、二価のCaイオンを徐々にリリースしてやることで、担体内に均一なゲルを形成させることができる。
また、ポリマー被覆構造が連通多孔質のポリマーを有する、すなわち、空孔を多数有する構造であることを利用して、後述する実施の形態に示す様々な追加プロセスにより、応用範囲が一段と広がる。
なお、連通多孔質ではないポリマー被覆構造においても、外部との物資移動は可能であり、後述する実施の形態に示す様々な追加プロセスは適応できる。しかし、連通多孔質のポリマー被覆構造に比べると、その速度は格段に遅くなる。
これらの構造の利点は、例えば、内包物が細胞の場合には、外殻の内部にて3次元的な培養が可能となる点である。
また、ポリマー被覆構造という強固な外殻があることで、ハンドリングが非常に容易になる。
ゲルとしては、アルギン酸塩や寒天といった多糖類が有効であることも確認できた。
アルギン酸はアルギン酸は日本では食品の指定添加物に分類されており、安全性が高い。また、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムといったアルギン酸の塩は、アルギン酸とナトリウム(あるいはカリウム等)の組成比を変化させることで、ゲルの状態を制御できる。これにより、加工に適した硬度のゲルを得ることが可能となる。さらに、注射器やスポイドを用いた滴下法により、容易に球状のゲルを得ることも可能であり、3次元形状のゲルを作製するのに適している。
寒天やゼラチンについても同様に安全性は高い。さらに硬度が比較的高いため、切削具による加工にも向いている。
実施の形態2.
実施の形態1においては、中央近傍に内包物があり、その周囲をゲルが、さらにその周囲を連通多孔質のポリマー被覆構造を覆う構造を得ることができた。本実施の形態においては、この構造からゲルのみを取り除いた担体を作製する。
図2は、本実施の形態における担体の製造方法のフロー図である。内包物包埋工程1、およびポリマー被覆工程2は、実施の形態1と同様である。ゲル除去工程3においては、例えば、ゲルがアルギン酸塩である場合には、DAT等のキレート化剤により可溶化する。キレート化剤は、連通多孔質のポリマー被覆構造の空孔から内部に侵入し、アルギン酸塩のゲルを水溶液化する。そして、水溶液となったゲルは、水を担体内に導通することで、ポリマー被覆構造の空孔から外部に排出される。
なお、温度変化により、ゲルから水溶液に変化するゲルを用いている場合には、温度を変えることで、ゲルを水溶液化し、ポリマー被覆構造の空孔から外部に排出しても良い。
<実施の形態2のまとめ>
ゲルのみを除去することで、連通多孔質のポリマー被覆構造の中に内包物のみが存在する構造が得られる。ゲルが存在しないため、内包物は外界とより高速に物質等をやり取りすることが可能になる。
また、ポリマー被覆構造の空孔から所望の物質を入れることで、内包物を接触させることもできる。例えば、内包物が細胞の場合、コラーゲン等の細胞外物質を入れることで、3次元的な培養を助長することができる。また、実施の形態で述べた足場材で入れやすくなる。
実施の形態3.
実施の形態1においては、中央近傍に内包物があり、その周囲をゲルが、さらにその周囲を連通多孔質のポリマー被覆構造を覆う構造を得ることができた。本実施の形態においては、この構造からポリマー被覆構造のみを取り除いた担体を作製する。
図3は、本実施の形態における担体の製造方法のフロー図である。内包物包埋工程1、およびポリマー被覆工程2は、実施の形態1と同様である。
内包物処理工程Aにおいては、内包物になんらかの処理を行う。例えば、内包物が細胞であり、流動培養を行う場合、ポリマー被覆工程2後の担体をマイクロリアクターなどの流動場に置くことが容易にできる。ポリマー被覆工程2後の担体は、流動場に合わせた三次元形状をしており、かつポリマー被覆構造を有するためハンドリングが容易であり、このような移動や設置、固定を容易に行うことができる。
そして、細胞培養後(内包物処理工程A後)に、ポリマー被覆構造を除去する。ポリマー被覆構造の除去は、ポリマーの良溶媒を用いて行うことができる。この際に、内包物はゲルに覆われているため、溶解したポリマー等と直接に接することなく、ダメージを受けない。
<実施の形態3のまとめ>
上記の例のように、内包物に何らかの処理を行った後に、ポリマー被覆構造のみを除去できる。これにより、担体はゲルのみになるため、ゲルがアルギン酸等の生体に優しい物質であれば、そのまま生体内に投与することができる。
実施の形態4.
実施の形態1においては、中央近傍に内包物があり、その周囲をゲルが、さらにその周囲を連通多孔質のポリマー被覆構造を覆う構造を得ることができた。そして、実施の形態2においては、その構造からゲルのみを除去した。本実施の形態においては、このゲルのみを除去した構造において、内包物になんらかの処理を行い、その後に処理された内包物を安全に取り出す方法について述べる。
図4は、本実施の形態における担体から内包物を取り出す方法のフロー図である。内包物包埋工程1、ポリマー被覆工程2およびゲル除去工程3は、実施の形態2と同様である。
内包物処理工程Aにおいては、実施の形態3と同様に、内包物になんらかの処理を行う。例えば、内包物が細胞であり、流動培養を行う場合、ポリマー被覆工程3後の担体をマイクロリアクターなどの流動場に置くことができる。ポリマー被覆工程3後の担体は、流動場に合わせた三次元形状をしており、かつポリマー被覆構造を有するためハンドリングが容易であり、このような移動や設置、固定を容易に行うことができる。あるいは、実施の形態2と同様に、内包物が細胞の場合、コラーゲン等の細胞外物質を入れることで、3次元的な培養を助長することができる。また、足場材を内部に形成させて、培養することも可能である。
このような内包物処理工程Aを経た後に、内包物をゲルで包埋する(再包埋工程5)。たとえば、二価のCaイオンをキレート剤などでいったん封鎖した塩化カルシウム水溶液と、アルギン酸ナトリウム水溶液の混合物を担体に流し込み、二価のCaイオンを徐々にリリースしてやることで、担体内に均一なゲルを形成させることができる。
そして、ポリマー被覆構造を除去する(ポリマー除去工程6)。ポリマー被覆構造の除去は、ポリマーの良溶媒を用いて行うことができる。この際に、内包物はゲルに覆われているため、溶解したポリマー等と直接に接することなく、ダメージを受けない。
さらに、ゲルを可溶化することで、ダメージを与えることなく、内包物を取り出すことができる。
<実施の形態4のまとめ>
上記の例のように、内包物に何らかの処理を行った後に、ダメージを与えることなく、内包物を取り出すことができる。
<本発明のまとめ>
本発明の目的は、細胞等の微小な内包物を内部に保持し、フローケミストリー等の先端技術にも適用可能なポテンシャルを持つ所望の3次元形状を有するカプセル状の担体を作製することにある。
このようなカプセルを作製することは従来技術では困難であった。また、内包物にダメージを与えずに、この目的を達成することも極めて困難であった。
しかし、内包物を包埋するゲルを導入することにより、この目的を達成することができた。この点につて、以下に詳細に説明する。
ゲルを形成する物質は、所定の溶液に接しさせたり、温度やpH等の環境条件を変化させることで、液体になったり、ゲル構造になったりする性質を有している。この性質を利用すると、内包物を容易にゲル内に包埋した、所望の3次元形状のゲルを作製することができる。例えば、所望の3次元形状を有する型の中に液体状のゲルとなる物質と内包物を入れ、ゲル化することで、容易に内包物を包埋する、所望の3次元形状のゲルが得られる。この工程が内包物包埋工程である。
内包物を包埋した3次元形状のゲルは、内包物包埋工程に続くポリマー被覆工程において、ゲルの表面に沿った形状のポリマー被覆構造により覆われる。これによって、所望の3次元構造を有するカプセル形状に担体の被膜を形成することができる。また、内包物はゲルで包埋されているため、このポリマー被覆工程において使用されるポリマー溶液や凝固液に、内包物が直接触れることが無く、内包物へのダメージが最小化される。
以上のように、ゲルの第一の役割は、ポリマー被覆工程において、ポリマー被覆構造の型となることである。
通常、樹脂等の成型においては、その成型で用いる型の内面形状に沿った形体の樹脂が得られる。一方、本発明においては、型の外形形状に沿った形体のポリマー被覆構造が形成される。すなわち、ポリマー被覆工程において、型となるゲルの表面にポリマー溶液が塗布されることで、ゲルが型となり、そのゲル表面を覆うポリマー被覆構造が形成される。ゲルは、前記の型を用いた方法や、切削などの機械加工等によって、簡単に形を整えることができ、形状加工しやすい。したがって、ゲルを所望の形状に加工することで、所望の形状のポリマー被覆構造が容易に得られる。
さらに、ポリマー被覆工程を、成形工程後のゲルの表面をドープで被覆し、凝固液に接触させることでドープに相分離を生じさせ、前記ゲルの表面に連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させることができる。ドープの良溶媒濃度と凝固液の貧溶媒濃度を調整することで、空孔の密度や大きさを容易に制御できる。これによって、例えば、フローケミストリー用装置の流路に3次元形状を有するカプセル状の担体をはめ込み、片流れを防止し、さらに被膜の空孔から容易にカプセル内に流体を導通させて、内包物と流体との充分な接触を実現することができる可能性がある。
被膜に空孔が無い場合は、流体は被膜内を分子拡散して内部に侵入するため、空孔がある場合に比べて、流体の物質移動速度が遅くなる。
また、ゲルの第二の役割は、前記の通り、ポリマー被覆工程において内包物を保護することである。
ゲルの第三の役割は、ゲルが液体化、および、液体からゲル化しやすい性質を利用し、ポリマー被覆から除去、あるいは、除去後に再構成されることである。この第三の役割については、前述の実施の形態2および4で詳述している。
まず、担体内にゲルが不要である場合には、容易にゲルを除去して、担体内に内包物のみを残すことができる。
また、内包物に細胞の足場材を含まない場合には、担体を形成した後に、改めてゲルによる足場を構築することが可能である。
さらには、細胞を培養した後に、細胞を取り出す場合に、ポリマー被覆を溶解させる必要がある。この時、担体内にゲルが存在する場合には、ゲルが細胞の保護材となって、ポリマーの良溶媒を流して、外郭のポリマーを除去することができる。また、担体内にゲルが存在しない場合には、再度、担体内にゲルを形成させ、それを細胞の保護材として、ポリマーの良溶媒を流して、外郭のポリマーを除去することが可能となる。
以上のように、本発明は内包物を包埋するゲルを導入することにより、ゲルの持つ性質を利用し、それを多段階に活用することで、極めて困難な課題を克服することを可能とした。
以上の特徴より、様々な実用上のメリットが生じる。
まず、内包物が細胞の場合には、例えば、フローケミカル装置を用いて、外殻の内部にて3次元的な培養が可能となる可能性がある。さらに、ポリマー被覆構造には微小な空孔が多数形成されていると、内包物はこの空孔を介して外部と高速で物質移動が可能である。
また、内包物はゲルに包埋されているため、ポリマー被覆工程において、ドープ等と接することなく保護された状態にできる。したがって、内包物が細胞や微生物であっても、ダメージを与えることなく、外殻となるポリマー被覆構造を形成できる。
また、ポリマー被覆構造という外殻があることで、ハンドリングが非常に容易になる。
そして、ポリマー被覆構造の微小な空孔を介して、ゲルを除去したり、除去後に再構築したり、内部に足場材を形成することが可能となり、実施の形態2から4において示したような、自由度の高い担体として使用することができる。
以上のように、内包物を包埋するゲルを導入することで、内包物へダメージを与えることなく、フローケミストリー等の先端技術にも適用可能なポテンシャルを持つ、所望の3次元形状を有するカプセル状のポリマー被覆構造が得られる。
また、本発明は様々な用途に適用可能であり、例えば、最適な用途の例として、以下の用途を挙げることができる。
(a)任意の三次元構造の細胞・微生物固定(マイクロリアクターなどへの応用)
(b)任意の三次元構造の細胞・微生物培養(再生医療への応用)
(c)任意の三次元構造の微細吸着剤・触媒などの固定(マイクロリアクターなどへの応用)
1 内包物包埋工程
2 ポリマー被覆工程
3 ゲル除去工程
4 ポリマー除去工程
5 再包埋工程
6 ポリマー除去工程

Claims (13)

  1. 内包物を内部に有する担体の製造方法であって、
    前記内包物を、所定の大きさと形状に加工されたゲルで包埋する内包物包埋工程と、
    当該内包物包埋工程後のゲルの表面を覆うことで、上記内包物包埋工程後のゲル表面形状に沿った形状を有する、外殻となるポリマー被覆構造を形成するポリマー被覆工程と、
    を有する
    ことを特徴とする担体の製造方法。
  2. 上記ポリマー被覆工程は、前記ポリマー被覆構造を連通多孔質のポリマー被覆構造とするものであり、
    前記ポリマーが、非溶媒誘起相分離法に適用可能なポリマーであり、
    前記内包物包埋工程後の前記ゲルの表面を、ドープで被覆し、凝固液に接触させることで前記ドープに相分離を生じさせ、前記内包物包埋工程後の前記ゲルの表面に前記連通多孔質のポリマー被覆構造を形成させるものであり、
    前記ドープは、少なくともポリマーと前記ポリマーを溶解させる良溶媒を含有し、
    前記凝固液は、少なくとも前記ポリマーの貧溶媒を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の担体の製造方法。
  3. 前記内包物が、細胞、微生物、細胞の足場材からなる群のうち、少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の担体の製造方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の担体を形成後、前記ゲルを除去する
    ことを特徴とする担体の製造方法。
  5. 請求項4に記載の担体を形成後、前記ポリマー被膜の連通孔を通して、足場材形成剤を流入させ、担体内部に足場材を形成する
    ことを特徴とする担体の製造方法。
  6. 前記担体は、フローケミカル用装置の流体流路形状に適合する、大きさと3次元形状を有する
    ことを特徴とする請求項1から5に記載の担体の製造方法。
  7. 請求項1から3及び請求項5のいずれかに記載の担体に、前記ポリマーを溶解させる良溶媒を接触させることによって前記ポリマー被覆構造を溶解させ、前記内包物を包埋したゲルを得る
    ことを特徴とする担体の製造方法。
  8. 請求項4または請求項5に記載の担体の前記ポリマー被覆構造内部に、前記内包物を包埋するようにゲルを形成した後、前記ポリマーを溶解させる良溶媒を接触させることによってポリマー被覆構造を溶解させて、前記内包物を包埋したゲルを得る
    ことを特徴とする担体の製造方法。
  9. 上記ゲルは多糖類ゲルである
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の担体の製造方法。
  10. 上記多糖類ゲルは、寒天、ゼラチン、アルギン酸塩のゲルのうちの少なくとも一つである
    ことを特徴とする請求項9に記載の担体の製造方法。
  11. 内包物と、
    当該内包物を包埋するゲルと、
    当該ゲルの表面を覆い、前記表面の形状に沿った形状を有する外殻となるポリマー被覆構造と、
    を有する
    ことを特徴とする担体。
  12. 上記ポリマー被覆構造は連通多孔質のポリマー被覆構造であり、
    前記ポリマーが、非溶媒誘起相分離法に適用可能なポリマーである
    ことを特徴とする請求項11に記載の担体。
  13. 前記内包物が、細胞、微生物、細胞の足場材からなる群のうち、少なくとも一つを含む
    ことを特徴とする請求項11または12に記載の担体。
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