JP2019080793A - 断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラム - Google Patents
断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019080793A JP2019080793A JP2017210522A JP2017210522A JP2019080793A JP 2019080793 A JP2019080793 A JP 2019080793A JP 2017210522 A JP2017210522 A JP 2017210522A JP 2017210522 A JP2017210522 A JP 2017210522A JP 2019080793 A JP2019080793 A JP 2019080793A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tomographic image
- tomographic
- image
- display
- curvature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000003384 imaging method Methods 0.000 title claims abstract description 66
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims description 85
- 238000012545 processing Methods 0.000 title claims description 64
- 238000005259 measurement Methods 0.000 claims abstract description 116
- 238000012937 correction Methods 0.000 claims abstract description 93
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 claims description 117
- 230000008569 process Effects 0.000 claims description 59
- 238000005452 bending Methods 0.000 claims description 27
- 230000008859 change Effects 0.000 claims description 6
- 238000012360 testing method Methods 0.000 claims description 2
- 238000007689 inspection Methods 0.000 claims 5
- 238000003745 diagnosis Methods 0.000 abstract description 10
- 210000001508 eye Anatomy 0.000 description 98
- 238000012014 optical coherence tomography Methods 0.000 description 41
- 239000013307 optical fiber Substances 0.000 description 20
- 210000001747 pupil Anatomy 0.000 description 15
- YOBPSXOHCHDCMU-VKZZUTNHSA-M sodium;(6r,7r)-7-[[(2z)-2-(2-amino-1,3-thiazol-4-yl)-2-methoxyiminoacetyl]amino]-3-[(2-methyl-5,6-dioxo-1h-1,2,4-triazin-3-yl)sulfanylmethyl]-8-oxo-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate Chemical compound [Na+].S([C@@H]1[C@@H](C(N1C=1C([O-])=O)=O)NC(=O)\C(=N/OC)C=2N=C(N)SC=2)CC=1CSC1=NC(=O)C(=O)NN1C YOBPSXOHCHDCMU-VKZZUTNHSA-M 0.000 description 15
- 210000004220 fundus oculi Anatomy 0.000 description 14
- 238000005286 illumination Methods 0.000 description 11
- 230000006870 function Effects 0.000 description 8
- 210000003128 head Anatomy 0.000 description 8
- 230000002207 retinal effect Effects 0.000 description 8
- 238000004364 calculation method Methods 0.000 description 7
- 210000001525 retina Anatomy 0.000 description 7
- 239000000835 fiber Substances 0.000 description 6
- 230000003902 lesion Effects 0.000 description 5
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 4
- 239000006185 dispersion Substances 0.000 description 4
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 3
- 238000006243 chemical reaction Methods 0.000 description 3
- 230000001427 coherent effect Effects 0.000 description 3
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 3
- 239000011521 glass Substances 0.000 description 3
- 206010029864 nystagmus Diseases 0.000 description 3
- 230000004323 axial length Effects 0.000 description 2
- 210000001110 axial length eye Anatomy 0.000 description 2
- 230000004397 blinking Effects 0.000 description 2
- 230000007246 mechanism Effects 0.000 description 2
- 230000035945 sensitivity Effects 0.000 description 2
- 230000003595 spectral effect Effects 0.000 description 2
- 210000004127 vitreous body Anatomy 0.000 description 2
- 238000004458 analytical method Methods 0.000 description 1
- 238000013459 approach Methods 0.000 description 1
- 210000005252 bulbus oculi Anatomy 0.000 description 1
- 210000004087 cornea Anatomy 0.000 description 1
- 230000003111 delayed effect Effects 0.000 description 1
- 238000012217 deletion Methods 0.000 description 1
- 230000037430 deletion Effects 0.000 description 1
- 238000013461 design Methods 0.000 description 1
- 238000001514 detection method Methods 0.000 description 1
- 230000004424 eye movement Effects 0.000 description 1
- 230000004907 flux Effects 0.000 description 1
- 238000007429 general method Methods 0.000 description 1
- 238000010191 image analysis Methods 0.000 description 1
- 239000000463 material Substances 0.000 description 1
- 238000000865 membrane-inlet mass spectrometry Methods 0.000 description 1
- 239000000203 mixture Substances 0.000 description 1
- 210000000056 organ Anatomy 0.000 description 1
- 238000002360 preparation method Methods 0.000 description 1
- 230000001902 propagating effect Effects 0.000 description 1
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 238000005070 sampling Methods 0.000 description 1
- 230000002269 spontaneous effect Effects 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Eye Examination Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】断層画像を観察して診断を行う際の検者に対する負担を軽減する【解決手段】光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて取得した干渉信号から断層データを生成する第1生成手段と、直交座標系に配置される断層データを再配置して、湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する第2生成手段と、断層データに基づく湾曲補正断層画像を表示可能な表示手段の表示画面に湾曲補正断層画像を表示させる際に、湾曲補正断層画像を拡大することで表示画面からはみ出す領域を削除して、表示画面に表示する拡大された湾曲補正断層画像を生成する第3生成手段と、を断層画像撮影装置に配する。【選択図】図9
Description
本発明は、断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラムに関する。
低コヒーレント光を用い、被検眼(例えば、眼底、前眼部、等)の断層画像を非侵襲で得ることができる光干渉断層撮影法(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いた断層画像撮影装置(OCT装置)が知られている。このようなOCT装置では、例えば、測定光を眼底上で1次元走査させながら、被検眼の深さ方向の情報を測定光の走査方向に沿って得ることにより、断層画像を得ている。
例えば眼底の断層画像を撮影するOCT装置は、被検眼眼底に照射した測定光の反射散乱光と、測定光と参照光との光路長差とに基づいて断層画像を生成する。この反射散乱光は、測定光の光軸方向である眼底の深さ方向の情報を含む。そして、例えば眼底の深さ方向を縦軸とし、この深さ方向の情報から得た輝度に例示される断層情報を、該縦軸とは垂直な方向の横軸上で平行に並べることでこの断層画像を生成する手法が一般的に行われている。これに対し、実際には測定光は被検眼における測定光の入射点(ピボットポイント)を中心として眼底上の各位置に照射されており、この断層情報は極座標上に配列している。そのため、一般的な手法により生成された断層画像は眼底の湾曲を反映した実形状・実寸法を示していなかった。特許文献1では、このような状況に鑑み、眼底の実形状に近い断層画像を再現するために断層情報を湾曲補正し、実形状に近いより解剖学的な形状を表す方法が開示されている。
特許文献1に開示される方法を実施した場合、眼底の深さ方向を縦軸(Z軸)とし、眼底上の測定光の任意の走査方向を横軸(X軸)とする平面に表示される断層画像は、上述したピボットポイントを中心とする極座標上の画像に変換される。ここで、XZ平面に表示される画像を極座標に変換すると、断層画像は扇形に変換されその上辺と下辺との長さが異なってしまう。この変換された画像は通常元の断層画像と同じ表示画面に表示されるため、上下で不均等な扇形の画像をその表示画面に収めようとすると、その表示サイズが小さくなる。このことは診断に供せられる画像のサイズが実質的に小さくなることを意味し、詳細な病変部等を観察しようとした場合に検者に対して不要な負担を与える。
本発明はこのような状況に鑑みたものであって、断層画像を観察して診断を行う際の検者に対する負担を軽減できる画像の提供を目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る断層画像撮影装置は、
光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と前記光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて取得した干渉信号から断層データを生成する第1生成手段と、
直交座標系に配置される前記断層データを再配置して、湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する第2生成手段と、
前記湾曲補正断層画像を表示可能な表示手段の表示画面に前記湾曲補正断層画像を表示させる際に、前記湾曲補正断層画像を拡大することで前記表示画面からはみ出す領域を削除して、前記表示画面に表示する前記拡大された湾曲補正断層画像を生成する第3生成手段と、を備えることを特徴とする。
光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と前記光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて取得した干渉信号から断層データを生成する第1生成手段と、
直交座標系に配置される前記断層データを再配置して、湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する第2生成手段と、
前記湾曲補正断層画像を表示可能な表示手段の表示画面に前記湾曲補正断層画像を表示させる際に、前記湾曲補正断層画像を拡大することで前記表示画面からはみ出す領域を削除して、前記表示画面に表示する前記拡大された湾曲補正断層画像を生成する第3生成手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、断層画像を観察して診断を行う際の検者に対する負担を軽減する画像の提供が可能となる。
以下、本発明を実施するための例示的な実施例を、図面を参照して説明する。ただし、以下の実施例で説明される寸法、材料、形状、および構成要素の相対的な位置等は任意であり、本発明が適用される装置の構成または様々な条件に応じて変更できる。また、図面において、同一であるかまたは機能的に類似している要素を示すために図面間で同じ参照符号を用いる。なお、以下の実施例では本発明の一態様として眼科診療に用いられる断層画像撮影装置(OCT装置)について述べるが、取得されている断層画像等に特定の処理を施して目的の画像を得る画像処理装置も本発明の一態様に含まれる。
[実施例1]
<断層画像撮影装置の概略構成>
図1を参照して、本実施例に係る眼科装置の一態様として、断層画像撮影装置(OCT装置)の概略構成について説明する。OCT装置は、走査部を介して測定光が照射された被検眼からの戻り光と該測定光に対応する参照光とを干渉させて得た干渉光に基づいて、被検眼の断層画像を取得する。OCT装置は、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300を備える。以下、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300の構成について、これらの順に説明する。
<断層画像撮影装置の概略構成>
図1を参照して、本実施例に係る眼科装置の一態様として、断層画像撮影装置(OCT装置)の概略構成について説明する。OCT装置は、走査部を介して測定光が照射された被検眼からの戻り光と該測定光に対応する参照光とを干渉させて得た干渉光に基づいて、被検眼の断層画像を取得する。OCT装置は、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300を備える。以下、光学ヘッド部100、分光器200、および制御部300の構成について、これらの順に説明する。
<光学ヘッド部および分光器の構成>
光学ヘッド部100は、被検眼Eの前眼部Eaや、被検眼の眼底Erの2次元画像および断層画像を撮影するための測定光学系で構成されている。以下、光学ヘッド部100の内部構成について説明する。被検眼Eに対向して、対物レンズ101−1が配置されている。対物レンズ101−1の光軸上には、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103が設けられている。対物レンズ101−1からの光路は、これら第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103によって、OCT光学系の測定光の光路L1、眼底観察と固視灯用の光路L2、および前眼部観察用の光路L3に波長帯域ごとに分岐される。本実施例では、第1ダイクロイックミラー102の透過方向に前眼部観察用の光路L3が配置され、反射方向にOCT光学系の測定光の光路L1並びに眼底観察と固視灯用の光路L2が配置される。また、第2ダイクロイックミラー103は、第1ダイクロイックミラー102の反射方向に配置される。さらに、第2ダイクロイックミラー103の透過方向にはOCT光学系の測定光の光路L1が配置され、反射方向には眼底観察と固視灯用の光路L2が配置される。しかし、これら光路の配置はここで例示した配置に限られず、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103の透過方向並びに反射方向がそれぞれ逆の配置となるように各光路が配置されてもよい。
光学ヘッド部100は、被検眼Eの前眼部Eaや、被検眼の眼底Erの2次元画像および断層画像を撮影するための測定光学系で構成されている。以下、光学ヘッド部100の内部構成について説明する。被検眼Eに対向して、対物レンズ101−1が配置されている。対物レンズ101−1の光軸上には、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103が設けられている。対物レンズ101−1からの光路は、これら第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103によって、OCT光学系の測定光の光路L1、眼底観察と固視灯用の光路L2、および前眼部観察用の光路L3に波長帯域ごとに分岐される。本実施例では、第1ダイクロイックミラー102の透過方向に前眼部観察用の光路L3が配置され、反射方向にOCT光学系の測定光の光路L1並びに眼底観察と固視灯用の光路L2が配置される。また、第2ダイクロイックミラー103は、第1ダイクロイックミラー102の反射方向に配置される。さらに、第2ダイクロイックミラー103の透過方向にはOCT光学系の測定光の光路L1が配置され、反射方向には眼底観察と固視灯用の光路L2が配置される。しかし、これら光路の配置はここで例示した配置に限られず、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103の透過方向並びに反射方向がそれぞれ逆の配置となるように各光路が配置されてもよい。
眼底観察と固視灯用の光路L2には、第2ダイクロイックミラー103より順に、レンズ101−2、Xスキャナ117−1、Yスキャナ117−2、レンズ111、レンズ112、および第3ダイクロイックミラー118が配置される。眼底観察と固視灯用の光路L2は、第3ダイクロイックミラー118によって、眼底観察用のAPD(アバランシェフォトダイオード)115および固視灯116への光路に波長帯域ごとに分岐される。Xスキャナ117−1およびYスキャナ117−2は、不図示の眼底観察用照明光源から発せられた照明光を被検眼Eの眼底Er上で走査する。Xスキャナ117−1は主走査方向に対する照明光の走査に用いられ、Yスキャナ117−2は主走査方向と交差する副走査方向に対する照明光の走査に用いられる。レンズ101−2は、Xスキャナ117−1およびYスキャナ117−2の中心位置付近を焦点位置として配置されている。本実施例では、Xスキャナ117−1は共振型のミラーで構成されているが、ポリゴンミラー等、公知の任意の偏向手段により構成されていても良い。Xスキャナ117−1およびYスキャナ117−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置は光学的に共役関係となるように構成されている。レンズ111は、固視灯および眼底観察用の合焦調整のため、後述する制御部300に制御される不図示のモータによって、図中矢印にて示す光軸方向に駆動される。
第3ダイクロイックミラー118は、穴あきミラーや、中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、固視灯116からの光と、眼底Erからの戻り光とを分離する。本実施例では、固視灯116からの光を反射し、眼底Erからの戻り光を透過する。眼底観察用の照明光により照明された眼底からの戻り光は、第3ダイクロイックミラー118を透過してAPD115により受光される。APD115は、眼底観察用の照明光の波長、具体的には780nm付近に感度を持つシングルディテクターであり、眼底Erから散乱・反射され戻ってきた戻り光を検出する。APD115は受光した戻り光に応じた信号を生成して後述する制御部300にこれを送り、制御部300はこの信号に基づいて眼底の正面画像を生成する。
固視灯116は、可視光を発生して被検者の固視を促すことができる。固視灯116から発せられた固視光は第3ダイクロイックミラー118により反射され、光路L2に従って眼底に導かれる。その際、固視灯116からの光はXスキャナ117−1およびYスキャナ117−2により眼底Er上で走査される。このとき、制御部300によってこれらスキャナの動作に合わせて固視灯116を点滅させることで、被検眼E上の任意の位置に任意の形状を提示し、被検者の固視を促す。なお、第3ダイクロイックミラー118に対するAPD115および固視灯116の配置はこの例示に限られず、第3ダイクロイックミラー118に対して逆の配置としてもよい。また、本実施例では、眼底Erを観察するために照明光を眼底上で走査するタイプの眼底観察系を用いている。しかし、眼底観察系の構成は本実施例として例示したものに限られず、例えば眼底Erを撮影する眼底カメラ等、既知の観察系を用いて眼底観察系を構成してもよい。
前眼部観察用の光路L3には、レンズ141と、前眼部観察用の赤外線CCD142とが配置されている。この赤外線CCD142は、不図示の前眼部観察用の光源の発する照明光の波長、具体的には970nm付近に感度を持つ。不図示の前眼観察用の光源から発せられた照明光は被検眼前眼部に照射され、照明された前眼部の赤外線画像が赤外線CCD142により撮影される。赤外線CCD142は、撮影した前眼部画像を制御部300に送信する。
光路L1は、前述の通りOCT光学系の測定光路(測定光学系)を成しており、本実施例では被検眼Eの眼底Erの断層画像を撮影するために使用される。より具体的には断層画像を生成する際に用いる干渉信号を得るために使用される。光路L1には、第2ダイクロイックミラー103より順に、レンズ101−3、ミラー121、OCTXスキャナ122−1、OCTYスキャナ122−2、レンズ123、およびレンズ124が配置されている。OCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2は本OCT光学系において測定光を眼底Er上で走査するための走査部として機能する。さらに、OCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2は、これらの中心位置付近がレンズ101−3の焦点位置となるように配置される。また、OCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2の中心位置付近と、被検眼Eの瞳の位置とは光学的な共役関係となっている。この構成により、走査部を物点とした光路が、対物レンズ101−1とレンズ101−3の間で略平行となる。それによりOCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2により測定光の走査を行っても、第1ダイクロイックミラー102および第2ダイクロイックミラー103に測定光が入射する角度を同じにすることが可能となる。なお、本実施例ではこれらスキャナに各々ガルバノミラーを用いているが、任意の既知の偏向手段によりこれらを構成してもよく、単一のミラーを駆動するMIMSにより構成してもよい。また、図1において、OCTXスキャナ122−1とOCTYスキャナ122−2との間の光路は紙面内において構成されるように記載されているが、実際は紙面に垂直方向に構成されている。
測定光源130は、測定光を測定光路に入射させるための光を発する光源となる。本実施例の場合、OCT光学系の測定光路における測定光の光源は光ファイバー125−2のファイバー端に対応する。点光源として作用するファイバー端は、被検眼Eの眼底Erと光学的な共役関係を有する。光路L1上に配置されるレンズ123およびレンズ124の内のレンズ123は、測定光の眼底Erに対する合焦調整をするため、制御部300に制御される不図示のモータによって図中矢印で示す光軸方向に駆動される。具体的に、この合焦調整は、光ファイバー125−2のファイバー端から出射する測定光を眼底Er上に結像するように行われる。合焦調整部として機能するレンズ123は、ファイバー端と、走査部として機能するOCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2との間に配置されている。これにより、より大きなレンズ101−3の必要性や、光ファイバー125−2を動かす必要性がなくなる。また、この合焦調整によって、被検眼Eの眼底Erに測定光源130の像を結像させることができると共に、被検眼Eの眼底Erからの戻り光を光ファイバー125−2のファイバー端にスポット状に結像させ、効率良く戻すことができる。
次に、測定光源130からの光路と参照光学系、分光器200の構成について説明する。本実施例では、測定光源130、光カプラー125、光ファイバー125−1〜4、レンズ151、分散補償用ガラス152、参照ミラー153、および分光器200によってマイケルソン干渉系が構成されている。光ファイバー125−1は測定光源130用であり、光ファイバー125−2は測定光学系用であり、光ファイバー125−3は参照光学系用であり、光ファイバー125−4は分光器用の光ファイバーである。これら光ファイバー125−1〜4はシングルモードの光ファイバーであり、各々光カプラー125に接続されて一体化されている。
次に、測定光源130の周辺について説明する。測定光源130には、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)を用いる。射出される光の中心波長は855nm、波長バンド幅は約100nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。なお、用いる光源として本実施例ではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等も用いることができる。また、光源光の中心波長は眼を測定することを鑑みると、近赤外であることが好ましい。また、中心波長は得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。双方の理由から、本実施例では中心波長が855nmである光を射出する光源を用いた。なお、本実施例等で述べた数値は例示であり、撮影条件等に応じて他の値とすることできる。
測定光源130から出射された光は、光ファイバー125−1を通じ、光カプラー125を介して光ファイバー125−2等のOCT光学系の測定光路に伝播する測定光と、光ファイバー125−3等の参照光学系に伝播する参照光とに分割される。測定光は前述のOCT光学系の光路L1を通じ、観察対象である被検眼Eの眼底Erに照射され、網膜による反射や散乱により、戻り光として同じ光路を通じて光カプラー125に到達する。一方、参照光は光ファイバー125−3、レンズ151、および測定光と参照光との分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス152を介して参照ミラー153に到達し反射される。そして同じ光路を戻り、光カプラー125に到達する。これら光ファイバー125−3、レンズ151、分散補償用ガラス152、および参照ミラー153は、参照光学系を構成する。
被検眼Eからの戻り光と参照ミラー153を経た参照光とは、光カプラー125により合波される。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とがほぼ等しい状態となったときに、戻り光と参照光とは互いに干渉し、干渉光を生じる。参照ミラー153は制御部300により制御される不図示のモータおよび駆動機構により、図中矢印で示される参照光の光軸方向に位置を調整可能に保持され、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。干渉光は光ファイバー125−4を介して分光器200に導かれる。
分光器200は、レンズ201、回折格子202、レンズ203、およびラインセンサ204を備えている。光ファイバー125−4から出射された干渉光はレンズ201を介して略平行光となった後、回折格子202で分光され、レンズ203によってラインセンサ204上に結像される。なお、ラインセンサ204は、干渉光を受光して干渉光に応じた干渉信号を生成してこれを出力する受光素子の一例として示されている。制御部300は、ラインセンサ204によって生成された干渉信号に基づいて、眼底Erの断層に関する情報を取得し、断層画像を生成する。
なお、本実施例では、干渉計として上述した構成からなるマイケルソン干渉計を用いたが、マッハツェンダー干渉計を用いてもよい。例えば、測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉計を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉計を用いることが望ましい。さらに、本実施例では光源光を分割する手段として光カプラー125を使用したファイバー光学系を用いているが、コリメータとビームスプリッタを使用した空間光学系を用いてもよい。また、光学ヘッド部100の構成は、上記の構成に限られず、光学ヘッド部100に含まれる構成の一部を光学ヘッド部100と別体の構成としてもよい。さらに、本実施例において、光学ヘッド部100は、ヘッド駆動部140を備えている。ヘッド駆動部140は、不図示の3つのモータから構成されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動可能としている。これにより、被検眼Eに対する光学ヘッド部100のアライメントが可能となっている。
<制御部の構成>
制御部300は、光学ヘッド部100および分光器200の各部と接続されている。具体的には、制御部300は光学ヘッド部100内の赤外線CCD142およびAPD115と接続されている。これらより得られる信号に基づいて、制御部300は、被検眼Eの前眼部Eaの観察画像や被検眼Eの眼底Erの観察画像を生成可能としている。また、制御部300は、光学ヘッド部100内のヘッド駆動部140とも接続されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元的に駆動可能とし、該光学ヘッド部100の被検眼Eに対するアライメントを可能としている。また、制御部300は、参照ミラー153、レンズ111、およびレンズ123を駆動する不図示の各々のモータや駆動系に接続されており、これらの光軸上の位置制御を行う。また、制御部300は、眼底観察用のXスキャナ117−1およびYスキャナ117−2、並びにOCT光学系のOCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2とも接続されており、眼底観察用の照明光やOCT光学系の測定光の走査を制御する。
制御部300は、光学ヘッド部100および分光器200の各部と接続されている。具体的には、制御部300は光学ヘッド部100内の赤外線CCD142およびAPD115と接続されている。これらより得られる信号に基づいて、制御部300は、被検眼Eの前眼部Eaの観察画像や被検眼Eの眼底Erの観察画像を生成可能としている。また、制御部300は、光学ヘッド部100内のヘッド駆動部140とも接続されており、光学ヘッド部100を被検眼Eに対して3次元的に駆動可能とし、該光学ヘッド部100の被検眼Eに対するアライメントを可能としている。また、制御部300は、参照ミラー153、レンズ111、およびレンズ123を駆動する不図示の各々のモータや駆動系に接続されており、これらの光軸上の位置制御を行う。また、制御部300は、眼底観察用のXスキャナ117−1およびYスキャナ117−2、並びにOCT光学系のOCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2とも接続されており、眼底観察用の照明光やOCT光学系の測定光の走査を制御する。
一方、制御部300は、分光器200のラインセンサ204とも接続されている。これにより分光器200によって波長分解された干渉信号を取得可能であり、さらに干渉信号に基づいて被検眼Eの断層画像を生成することができる。制御部300が干渉信号から断層画像を生成する処理の詳細については後述する。上述した赤外線CCD142およびAPD115並びにラインセンサ204から出力される信号より生成された被検眼Eの前眼部観察画像および眼底観察画像並びに断層画像は、制御部300に接続されたモニタ301に表示可能である。制御部300はまた操作入力部302に接続されており、該操作入力部302を介して検者によって被検者或いは被検眼の情報、撮影条件等の入力が可能であり、検者によるOCT装置の制御が可能となっている。
制御部(画像処理装置)300には、取得部331、画像生成部332、補正処理部333、駆動制御部334、記憶部335、および表示制御部336が設けられている。取得部(取得手段)331は、OCTXスキャナ122−1およびOCTYスキャナ122−2からの走査角度に関する情報やラインセンサ204からの干渉信号、APD115からの映像信号等を取得する。画像生成部(生成手段)332は、取得部331で取得した各種信号から断層画像、眼底画像、前眼部画像等を生成する。駆動制御部334は、各スキャナや合焦用の各レンズ、参照ミラー153の駆動機構等、およびヘッド駆動部140の各モータと接続され、これらの制御を行う。記憶部335は、制御部300に入力された被検者の情報、制御部300で生成した各種画像、および制御部300を機能させるためのプログラム等を記憶する。表示制御部(表示制御手段)336は、制御部300に接続されるモニタ301の表示の制御を行う。
なお、本実施例では、光学ヘッド部100、制御部300等が個別に設けられているが、これらを一部または全てを一体として構成してもよい。制御部300において後述する各種処理を実行する構成は、CPUやMPUで実行されるモジュールにて構成されてもよいし、ASICなどの特定の機能を実現する回路等により構成されてもよい。また、制御部300に備えられ、撮影条件、後述する断層データ、或いは後述する処理を記憶する記憶部335は、光学ディスク等の記憶媒体を用いて構成することができる。
図2は、OCT装置による被検眼Eの断層画像撮影時にモニタ301に表示される測定時画面の一例を示している。被検眼Eより取得された上述した各々の画像は、前眼部画像表示部312、眼底画像表示部313、並びに断層画像表示部315および316に表示される。また、眼底画像表示部313内には、検者により配置等を設定可能な断層画像測定ライン314が、キャラクタ画像として眼底観察画像上に重畳表示されている。図2に示す例では、断層画像測定ライン314が縦横に交差するラインで表示されており、断層画像表示部315は縦の測定ラインに、断層画像表示部316は横の測定ラインに対応した断層画像を各々表示している。
ここで、断層画像表示部315および316には、断層画像測定ライン314により眼底観察画像上で指示された眼底部位の断層画像が連続的に動画表示されている。なお、ここで表示される動画像は最終的に診断に用いられる断層画像に対し、サンプリング間隔を大きく設定し、一つの画像生成に必要なデータを少なくした簡易表示を行っている。このような簡易表示を行うことで、画像としては粗い反面、検者が動画として違和感を覚えない動画像の提供を可能としている。
図2に例示される測定時画面上には、さらに検者が操作可能なマウスポインタ311、トラッキング開始/停止ボタン318、測定開始ボタン317、C−GATE調整スライダ319、および湾曲補正選択ボタン320が表示されている。マウスポインタ311は検者が例えば不図示のマウスを操作することで表示位置の移動が可能であり、このマウスポインタ311を何れかのボタンに合わせてマウスをクリック等することで、各ボタンの押圧等の操作を実行する。検者は、C−GATE調整スライダ319を操作することで、制御部300を介して参照ミラー153を駆動させ、それにより眼底において取得する断層画像の深さ位置を変更する。湾曲補正選択ボタン320は、後述する断層画像の湾曲補正を行うか否かの選択をするために配置されている。なお、実際の測定画面ではこれらボタン等に加え、測定光の焦点位置を調整するフォーカス位置調整手段等が配置されている。ここで述べた各種ボタン等は、上述した操作入力部302の一部を構成する。しかし、本実施例と直接的な関係がないため図2において不図示とし、ここでの説明を省略している。
<被検眼Eのアライメント方法>
次に本実施例に係るOCT装置による断層画像の撮影の際に実行される、該OCT装置と被検眼Eとのアライメント方法について説明する。撮影に先立ち、まず検者は被検者を装置の前に着座させる。
次に本実施例に係るOCT装置による断層画像の撮影の際に実行される、該OCT装置と被検眼Eとのアライメント方法について説明する。撮影に先立ち、まず検者は被検者を装置の前に着座させる。
検者は操作入力部302およびヘッド駆動部140の上述した3つのモータを用い、モニタ301上の前眼部画像表示部312に被検眼Eの瞳孔の少なくとも一部が表示されるように光学ヘッド部100を移動させる。前眼部画像表示部312に瞳孔の一部が表示されると、制御部300は、駆動制御部334を介して、以下の自動アライメント処理を開始する。制御部300は、自動アライメント処理が開始されると、前眼部画像取得部として機能して定期的に赤外線CCD142より得た信号から前眼部画像を生成して解析する。具体的には、制御部300は、入力された前眼部画像内の瞳孔領域を検出する。
制御部300は、検出された瞳孔領域の中心位置を算出し、検出された瞳孔領域の中心位置と、前眼部画像表示部312の中心位置との変位量(位置ずれ量)を算出する。本実施例に示すOCT装置は、前眼部画像表示部312の中心と対物レンズ101−1の光軸とが一致するよう構成されており、算出される変位量は、被検眼Eと測定光軸との位置ずれ量を表している。次に制御部300は、算出された位置ずれ量に応じて、光学ヘッド部100を移動するようにヘッド駆動部140へ指示を行う。ヘッド駆動部140は、上述した3つのモータを駆動させて、光学ヘッド部100の位置を被検眼Eに対して3次元(X、Y、Z)方向に移動させる。このような移動の結果、光学ヘッド部100に搭載される対物レンズ101−1の光軸の位置は、被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心位置に近づくように補正されることになる。光学ヘッド部100の移動後に、制御部300は再度赤外線CCD142から前眼部画像を取得し瞳孔検出を行う。ここで被検眼Eの瞳孔が予め設定された指定領域内に位置しているか否かを判定する。瞳孔が指定領域内に位置していると制御部300において判断された場合、自動アライメント処理を終了する。一方、被検眼瞳孔が所定領域に位置していないと判断された場合は、光学ヘッド部100に搭載される対物レンズ101−1の光軸と被検眼光軸が一致していないと判断し、上述した処理が繰り返される。
上述した一連の自動アライメント処理の実行によって、対物レンズ101−1の光軸位置は常に被検眼Eの前眼部Eaの瞳孔中心位置を追跡するように移動することになる。仮に被検眼Eの視線方向が変化した場合であっても、この自動アライメント処理によって対物レンズ101−1の光軸は視線変化後の前眼部Eaの瞳孔中心を追尾(前眼トラッキング)する。そのため、測定光源130から発せられる測定光束が瞳孔によって遮られることなく眼底Erに照射され、安定した断層画像の撮影が可能となる。なお、この一連の自動アライメント処理は、被検眼Eの眼底Erの断層画像を取得するために、眼底Er上での測定光の走査が開始するまで継続することも可能である。
なお、本実施例では赤外線CCD142を用いて取得した前眼部画像に基づいて、被検眼Eに対する光学ヘッド部100の自動アライメント処理を行っている。しかし、自動アライメント処理の方法はここで述べた例に限られず、他の手法を用いてこれを実施してもよい。例えば、アライメント用の指標を被検眼の前眼部に投影し、その反射光を検出することで光学ヘッド部100と被検眼Eとの3次元(X、Y、Z)方向の自動アライメントを行うこともできる。
<断層画像の撮影方法>
次に、本実施例に係るOCT装置を用いた断層画像の撮影方法について説明する。
制御部300は、前述した自動アライメント処理の終了後、光路L2を通じた眼底Erの二次元観察画像(眼底観察画像)の取得動作を開始する。具体的には、制御部300における取得部331は、APD115より出力される眼底Erからの戻り光に基づいた信号の取得を開始する。眼底Erに照射される照明光は、Xスキャナ117−1およびYスキャナ117−2によって眼底Er上を二次元的に継続して走査されている。そのため、APD115により受光される戻り光より得られる信号を定期的に合成することで、眼底Erの観察画像を定期的に得ることができる。得られた眼底観察画像は、上述したように表示制御部336によって、図2に例示した測定時の表示画面における眼底画像表示部313に表示される。
次に、本実施例に係るOCT装置を用いた断層画像の撮影方法について説明する。
制御部300は、前述した自動アライメント処理の終了後、光路L2を通じた眼底Erの二次元観察画像(眼底観察画像)の取得動作を開始する。具体的には、制御部300における取得部331は、APD115より出力される眼底Erからの戻り光に基づいた信号の取得を開始する。眼底Erに照射される照明光は、Xスキャナ117−1およびYスキャナ117−2によって眼底Er上を二次元的に継続して走査されている。そのため、APD115により受光される戻り光より得られる信号を定期的に合成することで、眼底Erの観察画像を定期的に得ることができる。得られた眼底観察画像は、上述したように表示制御部336によって、図2に例示した測定時の表示画面における眼底画像表示部313に表示される。
検者は眼底画像表示部313に表示される眼底Erの眼底観察画像を観察し、断層画像測定ライン314を用いて断層画像の取得を所望する部位の指定を行う。また断層画像を撮影する眼底の深さ位置を変更するC−GATE調整スライダ319を操作し、断層画像表示部315および316に表示されている断層動画像を所望の表示位置に移動させる。撮影部位等の指定が終了すると、検者はモニタ301上に配置された測定開始ボタン317を操作して断層画像の撮影を開始する。制御部300は、撮影開始の指示に従い、定期的にラインセンサ204から出力される干渉信号に基づいて、記録用の断層画像の生成を開始する。なお、その際に、トラッキング開始/停止ボタン318を操作して、被検眼Eに対するトラッキング処理を併用することが望ましい。被検眼Eは一般的に固視微動と称される不随意の動きを常にしており、測定光走査時においてもこの動きは生じている。このため被検眼Eの動きに対応して、測定光の照射位置を補正する必要がある。トラッキング開始/停止ボタン318を操作してトラッキング処理を行うことにより、被検眼Eの動きによらず、眼底Er上の任意の部位の断層画像を適切に得ることができる。
ラインセンサ204から出力される干渉信号は、回折格子202で分光された各周波数の光毎に得られる信号である。制御部300は、ラインセンサ204より出力されたこの干渉信号をFFT(Fast Fourier Transform)処理し、後述するように眼底Er上のある一点における深さ方向の情報を生成する。これら処理は、取得部331が取得した各種信号を用いて、画像生成部332により実行される。この眼底Er上のある一点における深さ方向の情報を生成する処理をAスキャンと称し、得られる情報をAスキャンデータと称する。ここで、眼底Erに照射される測定光は、OCTXスキャナ122−1とOCTYスキャナ122−2との少なくとも何れか一方を駆動制御することによって、眼底Er上の任意の走査線に沿った走査が可能である。例えば一方のスキャナを駆動制御して測定光による任意の方向の走査を行い、この走査軌跡上で複数のAスキャンを行う処理をBスキャンと称し、複数のAスキャンデータを走査軌跡に沿って並べて得られる情報をBスキャンデータと称する。また、このBスキャンを実行してBスキャンデータを取得するモードをBスキャンモードと称する。このBスキャンデータにより、眼底Er上の測定光の任意の走査線における断層画像を生成することができる。なお、Bスキャンを同一走査線に対して繰り返して行い、得られた複数の断層画像を加算平均することでノイズを低減した高画質な断層画像を得ることとしてもよい。
一方、制御部300は、OCTXスキャナ122−1とOCTYスキャナ122−2の一方を駆動制御して一走査線に沿ったBスキャンデータを取得する処理を、他方のスキャナの駆動制御を順次行いながら実行してもよい。このように、例えば測定光によるX方向の走査を一定の間隔でY方向にずらしながら順次行うことで、眼底Er上の矩形領域全体を覆う複数枚の断層画像を生成することができる。このような測定光の走査をCスキャンと称し、得られる三次元のデータをCスキャンデータと称する。制御部300はこのような複数のBスキャンデータを合成することで眼底ErのCスキャンデータを得、これにより三次元の断層画像を生成し、これをモニタ301に表示することもできる。なお、以上に述べた測定光の走査パターンはこれらB或いはCスキャンの様式に限られず、円形、放射形状等を測定光で眼底に描画するような走査パターンを用いることも可能である。これら走査パターンは、例えば不図示のスキャンパターン選択ボタンの操作により、任意に切り替え可能としてもよい。
<断層画像生成方法>
まず初めに一般的な断層画像の生成方法について図3〜図6を用いて説明する。光ファイバー125−4には、被検眼Eの眼底Erからの戻り光と、参照ミラー153から反射された参照光との合波光が導かれる。光カプラー125から眼底Erまでの光路長と、光カプラー125から参照ミラー153までの光路長の差により、光カプラー125で合波されるとき、戻り光と参照光とは位相差を有する。この位相差は波長により異なるため、ラインセンサ204の受光領域上に現れる合波光の分光強度分布には干渉縞が生じる。また、網膜には複数の層があり、それぞれの層境界からの戻り光はそれぞれ異なる光路長を有するため、生じた干渉縞には、異なる周波数の干渉縞が含まれる。この強度分布に含まれる干渉縞の周波数とその強度より、反射物体の位置とその位置からの反射・散乱に対応した明るさを求めることができる。
まず初めに一般的な断層画像の生成方法について図3〜図6を用いて説明する。光ファイバー125−4には、被検眼Eの眼底Erからの戻り光と、参照ミラー153から反射された参照光との合波光が導かれる。光カプラー125から眼底Erまでの光路長と、光カプラー125から参照ミラー153までの光路長の差により、光カプラー125で合波されるとき、戻り光と参照光とは位相差を有する。この位相差は波長により異なるため、ラインセンサ204の受光領域上に現れる合波光の分光強度分布には干渉縞が生じる。また、網膜には複数の層があり、それぞれの層境界からの戻り光はそれぞれ異なる光路長を有するため、生じた干渉縞には、異なる周波数の干渉縞が含まれる。この強度分布に含まれる干渉縞の周波数とその強度より、反射物体の位置とその位置からの反射・散乱に対応した明るさを求めることができる。
眼底Er上の一走査線上を測定光で走査するBスキャンモードにおいては、制御部300は、例えば、2つのスキャナの内のOCTXスキャナ122−1だけを駆動しながら、ラインセンサ204からの出力である干渉信号を取得する。その際、OCTXスキャナ122−1からは、スキャンミラーの角度を示すデータが出力されており、取得された干渉信号はスキャンミラーの角度と共にデジタルデータに変換される。このスキャンミラーの角度は、さらに測定光が被検眼Eに入射する入射角度θiに変換されて制御部300に記憶される。スキャンミラーの角度と測定光の入射角度θiは、対応しており、光学系の設計値より求めることができる。
図3は、入射角度θiに対応するスキャンミラーの角度において得られたラインセンサ204上の干渉光の強度分布の一例を示す。同図における横軸は、ラインセンサ204上のセンサー位置であり、波長分解された波長の各々に対応する。縦軸は、ラインセンサ各々が取得している信号の強度を示している。ここでは、中心波長λ0、半値幅δλの強度分布に対して、干渉縞による波形が重なっている。制御部300はこの干渉信号より得た波形の強度情報を読み出し、制御部300内に内蔵された不図示のA/D変換器によりこの情報をデジタルデータに変換する。このデジタルデータは、さらに上述したFFT処理によって波数変換および周波数変換され、周波数毎の強度分布が求められる。
図4は以上の処理により得られた強度分布の一例を示している。同図において、横軸はコヒーレンスゲートからの距離hであり、縦軸は各々の距離で得られた干渉光の信号強度Iを示している。具体的には、コヒーレンスゲートからの距離h1,h2,h3のところの信号強度が各々I2,I1,I3であることを示す。ここで、コヒーレンスゲートの位置とは、上述のように測定光と参照光との光路長が一致する位置である参照ミラー153の位置に対応する。本実施例では、このコヒーレンスゲート位置は断層画像の上端に対応する。制御部300は、実際の断層画像の撮影において、前述した入射角度θiに対応するスキャンミラーの角度を、測定光の走査開始時の角度θsから走査終了時の角度θeまで変化させながら、信号強度を測定する。このように取得した信号強度I(θi,hj)を例えば輝度値に変換し、θを横軸、hを縦軸にして表示することにより図5に示すように眼底のBスキャン画像(光学的な距離に基づく画像)を生成することができる。
なお、制御部300は、例えばX方向に測定光を走査してZ−X面の断層画像を生成するBスキャンをY方向にその位置をずらせながら繰り返すことで、三次元の断層画像を生成することができる。或いは、制御部300は、Z−Y方向のBスキャンをX方向に繰り返し行ってもよい。また、断層画像の生成は、上記方法以外の既知の任意の方法によっても行われてよい。なお、以上に述べた実施例等において、取得された干渉信号、変換後のデジタルデータ、該データに信号処理を施して得られるデータを本実施例における断層データと称する。また、この断層データは、輝度情報、断層画像を生成する際に輝度情報より得た画素値等、断層画像の生成に供せられたデータも含む。また、この断層データは、干渉信号取得時の走査角度と対応付けられて記憶される。
図6に眼底をBスキャンする場合に眼底Erに到る光線(測定光)の一例を示し、次にBスキャンにおける測定光の走査について説明する。同図は被検眼Eに対して光学ヘッド部100が正しくアライメントされた状態の被検眼Eの断面を模式的に示し、被検眼の光軸を一点鎖線で、被検眼内の測定光の走査状態を破線で、被検眼に入射した測定光を実線で各々示している。入射角度θiで、角膜61より被検眼Eに入射した光線は、被検眼Eの内部の、瞳孔62の中央部、水晶体63、および硝子体64を通り、網膜層65(眼底Er)へ入射角度θi’で向かい、網膜の各層で反射・散乱される。
OCTXスキャナ122−1は、被検眼Eと光学ヘッド部100との距離がオートアライメント機能により適切に保たれている場合に、瞳孔62と共役になるように設計されている。そのため、OCTXスキャナ122−1のスキャン角度が変化しても、光線は常に瞳孔62の中央部の点Pを通る。この点Pをピボットポイントという。ピボットポイントPは、被検眼Eの内部に測定光を入射させ且つ網膜上で測定光を走査した場合であっても、該測定光が常に通過する位置に対応する。そのため、ピボットポイントPは、被検眼Eの内部において網膜上で測定光を走査する場合の、被検眼Eに対する測定光の入射点に対応する。なお、同図には、参照光の光路長が測定光の光路長と同じ距離になる位置、すなわち参照ミラー153の位置と等価なコヒーレンスゲート位置66も併せて示される。図5に例示したBスキャン画像における縦軸は、このコヒーレンスゲート位置66からの距離hjに対応するが、図の理解を容易とするために、同図ではコヒーレンスゲート位置が断層画像の下端に対応する場合について示している。眼軸長が異なる被検眼Eの断層画像を撮影する場合には、参照ミラー153の位置は、眼軸長に合わせて調整される。
<湾曲補正の適用>
ところで、図5に示したOCT画像から得られる眼底の形状と実際の眼球の形状は異なる。すなわち、通常のOCT画像は、スキャンミラーの各々の角度で行ったAスキャンより取得した断層データを、測定光の走査方向(直線方向)に平行に並べて画像を作成している。しかし、実際には、これらの断層データは、図6の光線図で示すように、測定光の走査中心(ピボットポイントP)を中心とする極座標上に表されるべき画像データである。従って、眼底形状のより詳細な解析を行う場合には、通常の断層データの取得後に、この極座標上に断層データを再配置する補正(以後、湾曲補正)を行うことが望ましい。具体的には、XZ座標に断層データを並べて生成した断層画像に含まれるデータを、ピボットポイントPを中心とした極座標上に並び替える。より詳細には、ピボットポイントPから網膜層までの光学的距離を被検眼内の屈折要素(硝子体等)の屈折率で除した値、および眼底Erにおける測定光の照射位置とピボットポイントPとを結ぶ線分と測定光軸との成す角度である入射角度θi’を求める。その後、求めた値および入射角度θi’をパラメータとし、ピボットポイントPを原点とする極座標を用いて補正画像を生成する。以上の処理は、制御部300における補正処理部333により実行される。なお、湾曲補正の方法はここで述べたものに限られず、その他の既知の方法を用いることも可能である。
ところで、図5に示したOCT画像から得られる眼底の形状と実際の眼球の形状は異なる。すなわち、通常のOCT画像は、スキャンミラーの各々の角度で行ったAスキャンより取得した断層データを、測定光の走査方向(直線方向)に平行に並べて画像を作成している。しかし、実際には、これらの断層データは、図6の光線図で示すように、測定光の走査中心(ピボットポイントP)を中心とする極座標上に表されるべき画像データである。従って、眼底形状のより詳細な解析を行う場合には、通常の断層データの取得後に、この極座標上に断層データを再配置する補正(以後、湾曲補正)を行うことが望ましい。具体的には、XZ座標に断層データを並べて生成した断層画像に含まれるデータを、ピボットポイントPを中心とした極座標上に並び替える。より詳細には、ピボットポイントPから網膜層までの光学的距離を被検眼内の屈折要素(硝子体等)の屈折率で除した値、および眼底Erにおける測定光の照射位置とピボットポイントPとを結ぶ線分と測定光軸との成す角度である入射角度θi’を求める。その後、求めた値および入射角度θi’をパラメータとし、ピボットポイントPを原点とする極座標を用いて補正画像を生成する。以上の処理は、制御部300における補正処理部333により実行される。なお、湾曲補正の方法はここで述べたものに限られず、その他の既知の方法を用いることも可能である。
次に湾曲補正後の断層画像の表示について、図7を参照して説明する。図7(a)は断層データをXZ平面に配置して得られる通常の断層画像を表示画面Wに表示した例を示し、図7(b)は湾曲補正後の断層画像を表示画面Wに表示した例を示している。また、これら図において、比較を容易とするために格子グリッドGを合わせて表示している。この格子グリッドGは実際の測定光の軌跡に対応しており、図7(b)においては縦軸線が放射状に、横軸線が同心円状に変化している。この格子グリッドGは、実際に断層画像がモニタ301に表示される際には、重畳表示されてもよい。なお、以降の説明において、断層画像とは、図7(a)の場合には格子グリッドGが重畳表示されている表示画面Wに表示される矩形状の画像を、図7(b)の場合には格子グリッドGが重畳表示されている扇形の領域の画像を意味することとする。
図7(b)で例示したとおり、湾曲補正後の断層画像は、通常の元の断層画像の上辺と下辺とがピボットポイントPを中心とする円弧に変換されるため、二つの円弧に挟まれる扇形状をしている。すなわち、湾曲補正後の断層画像は、図7(a)に図示した通常の断層画像に比べ、水平方向(Bスキャン方向)に広がりを持つ。従って、湾曲補正後の断層画像をそのまま通常の角型の表示枠内で表示する場合、最大のサイズで表示しようとしても、断層画像の表示に使えない領域(不要領域)が表示画面W内に必ず生じてしまう。このことは、必然的に湾曲補正後の断層画像が通常の断層画像に比べ縮小表示されてしまうことを意味し、診断において病変部等を詳細に観察しようとする場合、小さな画像からの判断を強いられるという不要な負担を検者に与えてしまう。
そこで、本実施例では、図8に示すように湾曲補正後の断層画像の表示画面Wの枠内最大化を行う。本実施例では、湾曲補正後の断層画像における極座標グリッドの上辺両端を表示画面Wの上辺両端に一致させ、極座標グリッドの下辺中央を表示画面Wの下辺中央に一致させるように、断層画像の変形拡大を行っている。このような画像の変形拡大を行った場合、表示画面Wからはみ出す領域が生じる。しかし、断層画像中に含まれる画像において診断に必要な部分は、例えば網膜層Rおよびその近傍がほとんどである。この断層画像中において診断時に不要となる蓋然性の高い領域は、はみ出した領域とほぼ一致する。よって、この領域を不要部F(図8における斜線部)とし、表示画面Wにおける表示対象領域から除外することとする。このように、図8に図示した枠外の不要部Fを非表示とすることで、湾曲補正後の断層画像を補正前の断層画像とほぼ同じ大きさで表示することが可能となり、被検眼を詳細に観察することが容易となる。以上の処理は、制御部300における補正処理部333により実行される。なお、湾曲補正後の断層画像の拡大方法はここで述べた例に限られず、湾曲補正の前後で表示される断層画像の大きさが略等しければその他の既知の種々の方法を用いることができる。
<断層画像表示処理>
ここで、一般的に、OCT装置による断層画像の撮影には、測定光の眼底上での1次元走査を要するために全ての断層データの取得にはある程度時間がかかってしまう。そのため、被検眼Eの固視が安定しない場合、得られた断層画像に比較的大きな位置ずれが生じて、撮影に失敗してしまうことがある。さらに、特許文献1に例示した湾曲補正処理を行う場合、当該処理には通常の断層画像生成のための演算処理のパラメータに加え、被検眼Eの眼軸長や測定光軸に対する光線角度(入射角度θiに対応)等のパラメータが追加される。このため、湾曲補正後の断層画像の生成のための演算にはさらに時間がかかってしまい、例えば従来の断層画像の画像処理に対して数倍の時間を要する。また、上述した拡大処理は、その演算時間をさらに延ばしてしまう。そのため、撮影開始から図8に示した断層画像の表示まで撮影の適否の判定ができないと、例えば瞬きや眼振等で所望の断層画像が得られていなかった場合に再撮影すべきか否かの判断が遅れてしまう可能性がある。
ここで、一般的に、OCT装置による断層画像の撮影には、測定光の眼底上での1次元走査を要するために全ての断層データの取得にはある程度時間がかかってしまう。そのため、被検眼Eの固視が安定しない場合、得られた断層画像に比較的大きな位置ずれが生じて、撮影に失敗してしまうことがある。さらに、特許文献1に例示した湾曲補正処理を行う場合、当該処理には通常の断層画像生成のための演算処理のパラメータに加え、被検眼Eの眼軸長や測定光軸に対する光線角度(入射角度θiに対応)等のパラメータが追加される。このため、湾曲補正後の断層画像の生成のための演算にはさらに時間がかかってしまい、例えば従来の断層画像の画像処理に対して数倍の時間を要する。また、上述した拡大処理は、その演算時間をさらに延ばしてしまう。そのため、撮影開始から図8に示した断層画像の表示まで撮影の適否の判定ができないと、例えば瞬きや眼振等で所望の断層画像が得られていなかった場合に再撮影すべきか否かの判断が遅れてしまう可能性がある。
本実施例では、このように所望の断層画像が撮影できていない場合であっても、再撮影の要否を適切に判断できる表示処理を実行している。以下にその表示処理の詳細について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。なお、断層画像に対する湾曲補正処理を行わない場合は通常の断層画像の表示が行われるだけであるため、本実施例では上述した測定時画面に表示された湾曲補正選択ボタン320が選択されていることを前提として説明を行う。また、以降の説明において、従来表示されていた断層画像を通常断層画像と称し、湾曲補正後の断層画像を湾曲補正断層画像と称する。
検者により、測定時画面上の測定開始ボタン317が操作されると、断層画像の撮影から表示に至る処理が実行される。制御部300は、ステップS101において、表示制御部336によりモニタ301の画面上に不図示のステータスバーを表示させる。これにより、検者に対して、眼底Erを測定光で走査中であることおよび断層画像の生成処理中であることが通知される。このステータスバーの表示は、フローが後述するステップS106に至るまで継続される。ステータスバーの表示が開始された後、ステップS102において、制御部300は、光学ヘッド部100を制御して測定光による眼底Erの走査を開始する。取得部331は測定光の走査に応じて干渉信号の取得を開始する。続くステップS103において、制御部300における画像生成部332は、ラインセンサ204より得られた干渉信号から通常断層画像生成のための演算処理を開始する。
ステップS104において、制御部300における補正処理部333は、湾曲補正断層画像を生成するための処理を開始する。上述したように、湾曲補正断層画像の生成には、通常の断層画像の生成処理に対してさらに被検眼眼軸長や測定光軸に対する光線角度を生成処理のための演算パラメータに含める。このため、湾曲補正断層画像の生成のための演算には時間がかかり、湾曲補正断層画像の生成処理よりも通常の断層画像の生成処理の方が早く終了する。そこで、ステップS105において、制御部300はまず通常断層画像の生成処理が終了したか否かを確認する。ステップS105で、通常断層画像の生成処理が終了していると確認されると、制御部300はフローをステップS106に進める。この生成処理の終了が確認されない場合、制御部300はステップS105の処理を繰り返し、通常断層画像の生成処理が終了するまで表示制御部336によるモニタ301でのステータスバーの表示を継続させる。
ステップS106において、通常断層画像の生成処理が終了しており該通常断層画像の表示が可能となっていることから、表示制御部336はモニタ301上のステータスバーの表示を消す。制御部300はさらにフローをステップS107に進めて、モニタ301上での生成された通常断層画像の表示を表示制御部336に行わせる。通常断層画像の表示が開始されると、制御部300はフローをステップS108に進める。ステップS108では、湾曲補正断層画像の生成処理が終了しているか否かを確認する。ステップS108で、湾曲補正断層画像の生成処理が終了していることが確認されると、制御部300はフローをステップS109に進める。この生成処理の終了が確認されない場合、制御部300はステップS108の処理を繰り返し、湾曲補正断層画像の生成処理が終了まで表示制御部336によるモニタ301での通常断層画像の表示を継続させる。
フローがステップS109に進められる段階において、湾曲補正断層画像の生成処理はすでに終了している。ステップS109において、制御部300は、この湾曲補正断層画像に拡大処理を施す。この拡大処理は、上述した方法であってもよく、その他の既知の方法によって行われてもよい。拡大処理後、制御部300はステップS110において、拡大画像において表示画面Wからはみ出す領域(不要部F)を削除する。その後、フローはステップS111に進み、制御部300は、このはみ出し領域の削除によって生成された湾曲断層画像と、すでにモニタ301に表示されている通常断層画像とを切換える。拡大された湾曲補正断層画像がモニタ301に表示されると、制御部300はフローをさらに進め、断層画像の撮影処理を終了させる。以上の処理を実行することにより、湾曲補正断層画像の表示前に検者には通常断層画像が表示され、検者はこれを観察して撮影が適切に実行されたか否かを判断できる。なお、本実施例では湾曲補正断層画像が生成された段階でモニタ301に表示されている通常断層画像をこれに置き換えたが、拡大された湾曲補正断層画像が生成されるまで通常断層画像の表示を継続することとしてもよい。また、通常断層画像の表示に際しては、例えば1Bスキャン中で実行するAスキャンの数を減らし、解像度よりも表示速度を優先した画像を用いることとしてもよい。
以上に述べたように、本実施例によれば、検者は時間のかかる湾曲補正処理(および拡大処理)の終了を待たずして、断層画像撮影の成否を知ることが可能となる。ステップS108で通常断層画像を湾曲補正断層画像の表示前に検者に提示することで、検者は測定の成否を早い段階で確認することができる。もし、被検眼の眼振や瞬き等により正常な断層像が得られていない場合も、処理時間のかかる湾曲補正処理および拡大処理の終了前にその演算処理を停止し、再度測定画面に戻り測定を行うことが可能となる。なお、本実施例では明言していないが、通常断層画像と湾曲補正断層画像のモニタ301上での表示位置は任意に決定することが可能である。また、通常断層画像も診断に必要な場合は、湾曲補正断層画像と異なる表示領域にこれを表示することとしてもよい。また、湾曲補正断層画像のみ必要な場合は、通常断層画像は測定の成否判断用としてのみ利用するため、湾曲補正断層画像生成のための演算が終わった後は、通常断層画像の表示位置に湾曲補正断層画像を上書き表示することもできる。これにより、検者は撮影の失敗等を迅速に知ることができると共に観察が容易な拡大された湾曲補正された断層画像を観察することが可能となり、不要な待ち時間や確認し辛い画像を観察するといった不具合を低減することができる。
なお、湾曲補正処理の前後における表示画面Wと格子グリッドGの関係は既知であり、湾曲補正断層画像の拡大様式が定まっていれば、不要部Fの大きさや湾曲補正処理前の断層画像において不要部Fとなる領域を予め知ることができる。従って、湾曲補正処理および拡大処理の後に不要となる不要部Fに対応する通常断層画像上の領域に関しては、湾曲補正処理および拡大処理を省くことも可能である。このように不要部Fに関する処理を行わないことにより、モニタ301に表示される湾曲補正断層画像および拡大された湾曲補正断層画像の生成に要する処理時間を短縮することもできる。
以上に述べたように、本実施例で述べた断層画像撮影装置(OCT装置)における制御部300は、第1生成手段、第2生成手段および第3生成手段としての機能を備える。OCT装置において、光学ヘッド部100が、光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と該光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて干渉信号を生成する。第1生成手段は、被検眼Eから得たこの干渉信号、若しくは制御部300に備えられたメモリに記憶された情報から断層データを生成する。この断層データは、本実施例においてXZ平面として述べられる通常の直交座標系に配置される。第2生成手段は、XZ平面に配置される断層データを再配置して湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する。また、モニタ301は、表示手段として断層データに基づく第1断層画像(通常断層画像)および第2断層画像(湾曲補正断層画像)の少なくとも何れかを表示可能となっている。ここで、第3生成手段は、モニタ301の表示画面(断層画像表示部315等)に湾曲補正断層画像を表示させる際に、該湾曲補正断層画像を拡大することでこの表示画面からはみ出す領域を削除する。第3生成手段は、以上の処理を実行することで、表示画面に表示する拡大された第2断層画像(拡大後の湾曲補正断層画像)を生成する。制御部300は、表示制御手段としてこの拡大された第2断層画像を、例えば断層画像表示部315に表示させる。
なお、上述したように、本発明は画像処理装置としての態様も含む。この場合、画像処理装置が処理する断層データは、上述した光学ヘッド部100および制御部300より得た干渉信号から取得されてもよく、不図示のメモリ等に記憶された予め取得されている断層データ群から取得されてもよい。この場合、この断層データの取得は制御部300が取得手段として機能することで実行される。また、第2生成手段は、XZ座標に例示される直交座標系に配置される断層データを再配置して湾曲補正された湾曲補正断層画像(第2断層画像)を生成する。表示画面Wに表示される画像は湾曲補正後さらに拡大された画像であることから、この湾曲補正断層画像は中間画像とも言える。従って、第2生成手段は、中間画像生成手段とも言い換えられる。同様に、第3生成手段は、湾曲補正断層画像を拡大することで表示画面Wからはみ出す領域を削除して、表示画面Wに表示する拡大された湾曲補正断層画像を生成する。この拡大された湾曲補正断層画像は表示画面Wに表示される表示対象画像であり、よって第3生成手段は表示画像生成手段と言い換えられる。また、第1生成手段、第2生成手段、および第3生成手段により実行される工程は、第1生成工程、第2生成工程、および第3生成工程として本発明の一態様である断層画像撮影装置の制御方法を構成する。
なお、制御部300が第2生成手段として湾曲補正断層画像を生成する際には、上述した断層データおよび被検眼E内の屈折要素の屈折率等、被検眼Eにおける光学的な情報を用いる。はみ出す領域(不要部F)は、湾曲補正断層画像において被検眼Eにおける網膜層等、要観察部位を含まない領域に対応するとよい。
上述したOCT装置において、測定光は例えば被検眼Eの瞳孔中心部を旋回中心であるピボットポイントPとして被検査物上(被検眼Eの網膜上)の走査線上を走査される。また、通常断層画像の生成の際に用いる直交座標系(XZ座標系)は、測定光の光軸を縦軸とし、走査線を横軸として定義される。即ち、通常断層画像は、網膜の深さ方向を縦軸とし、測定光の走査方向(本実施例では主走査方向)が横軸となる。これに対し、湾曲補正断層画像は、上述したピボットポイントPを中心とし、このピボットポイントPから走査線(網膜表面)までの距離を動径とする極座標系に断層データを再配置することにより生成される。また、上述したように、制御部300は、湾曲補正断層画像の極座標系における内側の円弧に対応する辺の両端を表示画面Wの上辺の両端に対応させる。同時に、極座標系における外側の円弧に対応する辺の中央を表示画面Wの下辺中央に対応させる。このように表示画像を対応付けて表示画像を変形することで湾曲補正断層画像を拡大することができる。
本実施例における制御部300は、モニタ301の断層画像表示部315に通常断層画像および拡大された湾曲補正断層画像の少なくとも何れかを表示させる表示制御手段を備える。この表示制御手段は、拡大し且つ不要部Fが削除された湾曲補正断層画像が生成されるまで、通常断層画像を断層画像表示部315若しくは316に表示させる。なお、通常断層画像と拡大後の湾曲補正断層画像とは切換えて表示されてもよく、異なる表示画面を用いて並べて表示されてもよい。また、上述したように、モニタ301において、被検眼Eの撮影開始の指示を受付けてから通常断層画像が生成されるまで、被検眼Eの撮影中であることを示すステータスバーを表示させることが好ましい。これにより、断層画像の撮影処理が実行中であること検者に報知することができる。
また、本実施例におけるOCT装置は、湾曲補正断層画像を生成させるか否かを選択する選択手段として、例えば湾曲補正選択ボタン320を備える。なお、本実施例では検者によるこのボタンの操作により湾曲補正の実行の有無を選択しているが、例えば通常断層画像が写損なく得られた等、撮影処理が特定の条件を満たして終了したことを受けてこの選択が実行されることとしてもよい。さらに湾曲補正断層画像を生成することが選択された場合に、表示制御手段は、通常断層画像において拡大後の湾曲補正断層画像のはみ出す領域に対応する領域を非表示とした画像をモニタ301に表示させてもよい。或いは湾曲補正断層画像を生成することが選択された場合に、表示制御手段は、通常断層画像において拡大後の湾曲補正断層画像のはみ出す領域に対応する領域が認識可能となる態様でモニタ301に表示させてもよい。この場合の態様としては、図10等に例示したマスク様の表示を重畳することが考えられる。
[実施例2]
実施例1においては、OCT装置によって取得した断層画像に対して湾曲補正処理と拡大処理を施して、表示画面W中において、通常断層画像と表示サイズがほぼ同等の湾曲補正断層画像の表示を可能としている。しかし、通常断層画像に含まれる網膜層の配置等によっては、この網膜層等、観察したい病変部が部分的に不要部Fに含まれてしまい、表示画面W内に表示されない場合も想定される。本実施例では、拡大された湾曲補正断層画像において、観察したい病変部等の観察対象領域が含まれない場合を減らすことを目的としている。また、このような場合が生じ得る可能性を通常断層画像の表示時に確認することにより、湾曲補正断層画像が適切に得られているか否かを早期に知ることを可能とする。
実施例1においては、OCT装置によって取得した断層画像に対して湾曲補正処理と拡大処理を施して、表示画面W中において、通常断層画像と表示サイズがほぼ同等の湾曲補正断層画像の表示を可能としている。しかし、通常断層画像に含まれる網膜層の配置等によっては、この網膜層等、観察したい病変部が部分的に不要部Fに含まれてしまい、表示画面W内に表示されない場合も想定される。本実施例では、拡大された湾曲補正断層画像において、観察したい病変部等の観察対象領域が含まれない場合を減らすことを目的としている。また、このような場合が生じ得る可能性を通常断層画像の表示時に確認することにより、湾曲補正断層画像が適切に得られているか否かを早期に知ることを可能とする。
実施例1において、拡大された湾曲補正断層画像における不要部Fは、上述したように格子グリッドGの対応付けにより元の通常断層画像上にも対応させることが可能である。図10は、モニタ301における例えば断層画像表示部315に表示される断層画像に対して、不要部Fに対応させた対応領域Fpを重畳した例を示している。通常断層画像と湾曲補正断層画像とは元となる断層データは同一のものであり、図8に図示された不要部Fと、図10に図示された対応領域Fpは同じ断層データから作られている。そのため、格子で図示された対応領域Fpは、図8で図示された枠外の不要部Fと1対1で対応している。従って、例えば撮影処理を実行する前の参照用の断層動画像(以下プレビュー画像と称する。)が表示されている段階で、観察対象領域が対応領域Fpに含まれていれば、湾曲補正処理後に表示される断層画像が観察対象領域を含んでいないと判断できる。
以下に、本実施例を用いた断層画像の撮影処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明を行う。なお、本実施例における撮影処理は図9にフローチャートとして示した断層画像の撮影処理が実行される以前に行われる処理であり、本フローチャートにおけるサブルーチンであるステップS204において、図9に示した処理が実行されることとなる。撮影処理の開始時において、制御部300はモニタ301に不図示の初期画面を表示させ、被検者のIDの入力や被検眼Eと光学ヘッド部100とのアライメント調整等、被検者に対する撮影準備を検者に実行させる。制御部300は、これら入力が終了すると、モニタ301の表示を図2に示した測定時画面に移行させ、撮影処理の開始を被検者に促す。被検者は、測定時画面に表示される各種ボタン等を操作することにより、本実施例における撮影処理を制御部300に実行させる。
撮影処理が開始されると、制御部300は、ステップS201において、湾曲補正選択ボタン320が操作され、湾曲補正処理が選択されているか否かを確認する。ステップS201にて、湾曲補正処理が選択されていなければ、制御部300はフローをステップS205に進める。ステップS205において、制御部300は、断層画像の撮影後に通常の断層画像をモニタ301、より詳細には断層画像表示部315に表示させる。通常断層画像を表示させた後、制御部300はフローを進め、撮影処理を終了する。なお、通常断層画像を表示させるサブルーチンの詳細は従来の断層画像を生成および表示する処理と同一であるため、ここでの説明は省略する。
ステップS201において湾曲補正処理が選択されていると確認された場合、制御部300はフローをステップS202に進める。ステップS202において、制御部300は、断層画像表示部315に、例えば取得データ数を減らして生成した通常の断層画像の動画(断層動画像)をプレビューとして表示させる。制御部300は、その際に、断層画像表示部315に上述した対応領域Fpをキャラクタとして該断層動画像上に重ねて表示させる。検者は、断層画像表示部315に表示されたキャラクタを重畳した断層動画像を観察し、病変部等の観察対象領域(要観察部位)が画面内の適切な位置(対応領域Fp以外の領域)に存在しているか否かの確認を行う。ここで、例えばC−GATE調整スライダ319を操作することで、断層動画像として表示される眼底の部位をずらすことができる。観察対象領域が対応領域Fpに一部でも含まれる場合、例えばこのようなC−GATE調整スライダ319の操作により、観察対象領域が対応領域Fpから外れるように眼底における断層動画像の撮影位置を調整することができる。検者は、ステップS203において撮影位置の調整(測定部位の選択)をした後、測定開始ボタン317を操作し、実際の、例えば実施例1において述べた撮影処理を開始させる。なお、観察対象領域の撮影位置或いは表示位置の調整の方法はC−GATE調整スライダ319によるものに限られず、上述したヘッド駆動部140のようなXYZ方向の駆動系を用いる等、既知の種々の方法も含まれる。
制御部300は例えば測定開始ボタン317を介して撮影開始の指示を受付けると、フローをステップS204の湾曲断層画像の表示処理のサブルーチンに進める。ステップS204のサブルーチンにおいて、制御部300は、湾曲断層画像の表示処理を例えば図9に示したフローチャートに従い実行する。その結果、本実施例においても、図8に例示したように不要部Fを削除した湾曲補正断層画像がモニタ301に表示される。
以上に述べたように、本実施例では、予めプレビュー画像を表示させて不要部Fとして画像表示されない領域を検者に認識させている。そして、この表示状態で眼底における撮影領域を調整することにより、表示画面Wに表示される拡大表示された湾曲補正断層画像に観察対象部位を含ませることができる。さらに、湾曲補正処理時において対応領域Fpにおける湾曲補正のために演算が不要になり、湾曲補正断層画像の表示を早めることが可能となる。
なお、以上に述べた実施例におけるステップS202では、対応領域Fpをキャラクタとして断層画像表示部315における表示画面W上に重ねて表示している。しかし、検者に提示する断層画像の表示様式はこれに限られない。例えば、対応領域Fpを表示画面Wにおいて非表示とし、通常断層画像を台形表示することも可能である。さらには、図13のように台形で表示されている通常断層画像を、断層画像表示部315の画面枠に合うように一部拡大表示することで、簡易湾曲補正画像を作成することも可能である。この簡易湾曲補正画像は、図10に示した通常断層画像に対して、対応領域Fpを除く台形状の領域が表示画面Wの表示領域と一致するように、表示画面Wの縦方向を下方に行くに従って横方向の拡大倍率を大きくする様式の拡大処理を施している。この拡大処理を施して得られた画像を断層画像表示部315に表示することで、湾曲補正前の画像であっても表示画面Wに表示される表示態様を類推することができる。
なお、以上に述べた対応領域Fpを重畳表示した画像、簡易湾曲補正画像等は、走査線上から干渉信号を取得するAスキャンの数を減らして比較的解像度の低い画像を連続的に表示するプレビュー画像としてもよい。このような制御を行うことで、予め不要部位を削除した断層動画像を提示することができ、検者に違和感を意識させない動画を観察させて対応領域Fpを削除した干渉信号を得ることが可能となる。
上述したように、本実施例では、はみ出す領域である不要部Fについて、これに応じた対応領域Fpを認識可能として重畳表示した通常断層画像が表示された状態において、撮影条件を変更して断層データの再生成を行わせてもよい。撮影条件としては、干渉信号を取得する条件として、例えば参照ミラー153の位置の変更(C−GATE調整スライダ319の操作)による断層画像の表示位置の変更が例示できる。この場合、制御部300に付随する例えばマウスポインタ311が、検者の指示を受付ける受付け手段として例示される。該受付け手段は、撮影条件の変更の指示を受付けてOCT装置を動作させ、干渉信号の取得から断層データの再生成を行わせる。なお、該受付け手段は検者による指示を受付ける場合に限られず、例えば網膜層等の要観察部位が対応領域Fpに掛かっているか否かを画像解析により判断し、その結果に応じて再撮影の指示を自動的に受付けることとしてもよい。
また、上述したように、本実施例における制御部300は、表示画面Wに通常断層画像および拡大後の湾曲補正断層画像の少なくとも何れかを表示させる表示制御手段と、湾曲補正断層画像を生成させるか否かを選択する選択手段と、を備えてもよい。この場合、湾曲補正断層画像を生成することが選択された場合、制御部300は、拡大後の湾曲補正断層画像が生成されるまで、簡易湾曲補正画像を表示する。上述したように、この簡易湾曲補正画像は、通常断層画像において対応領域Fpを削除して得られた台形状の画像に対して表示画面Wの縦方向で下方に行くに従って横方向の拡大倍率を大きくする拡大処理を施して得られる。
以上に述べたように、本発明によれば、表示画面内に断層画像における不要部分を表示せず、検査対象となる部位を相対的に拡大して画面に表示することから、診断の際に検者にかける負担を減らした湾曲補正した断層画像を提供できる。また、当該湾曲補正断層画像の表示に際し、湾曲補正処理時間中に通常の断層画像を予め表示することで、瞬きや眼振による撮影成否の判断が最終画像を表示する前に判断することができる。また、画像として不必要な部分を削除することで湾曲補正の処理時間を短くすることが可能となる。
なお、上述した実施例では、OCT装置として、SLDを光源として用いたスペクトラルドメインOCT(SD−OCT)装置を用いた場合について述べた。しかし、本発明に用いるOCT装置の構成はここでの例示に限られず、例えば出射光の波長を掃引する波長掃引光源を用いた波長掃引型(SS−OCT)装置等、他の任意の種類のOCT装置も用いることができる。また、上述した実施例では、制御部300が光学ヘッド部100を介して取得した干渉信号を取得して該干渉信号から断層データおよび断層画像を生成する場合について述べている。しかし、断層画像および湾曲補正断層画像を生成するために信号等を取得する構成は上述した実施例に限られず、制御部300とLAN、WAN、またはインターネット等を介して接続されるサーバや撮影装置であってもよい。また、上述した実施例では被検査物として被検眼を例示しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、この被検査物は、被検体の皮膚や臓器等でも良い。このとき、本発明は、眼科装置以外に、内視鏡等の医療機器に適用することができる。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施例の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、実施例を参照して本発明について説明したが、本発明は上述した実施例に限定されるものではない。本発明の趣旨に反しない範囲で変更された発明、および本発明と均等な発明も本発明に含まれる。また、上述した各実施例は、本発明の趣旨に反しない範囲で適宜組み合わせることができる。
100 光学ヘッド、
200 分光器、
300 制御部、
301 モニタ、
315、316 断層画像表示部、
320 湾曲補正選択ボタン
200 分光器、
300 制御部、
301 モニタ、
315、316 断層画像表示部、
320 湾曲補正選択ボタン
Claims (14)
- 光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と前記光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて取得した干渉信号から断層データを生成する第1生成手段と、
直交座標系に配置される前記断層データを再配置して、湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する第2生成手段と、
前記湾曲補正断層画像を表示可能な表示手段の表示画面に前記湾曲補正断層画像を表示させる際に、前記湾曲補正断層画像を拡大することで前記表示画面からはみ出す領域を削除して、前記表示画面に表示する前記拡大された湾曲補正断層画像を生成する第3生成手段と、を備えることを特徴とする断層画像撮影装置。 - 前記第2生成手段は、前記断層データおよび前記被検査物の光学的な情報を用いて前記湾曲補正断層画像を生成することを特徴とする請求項1に記載の断層画像撮影装置。
- 前記はみ出す領域は、前記湾曲補正断層画像において被検査物における要観察部位を含まない領域であることを特徴とする請求項1または2に記載の断層画像撮影装置。
- 前記測定光はピボットポイントを旋回中心として前記被検査物の走査線上を走査され、
前記直交座標系は、前記測定光の光軸を縦軸とし、前記走査線を横軸として定義され、
前記第2生成手段は、前記ピボットポイントを中心とし、前記ピボットポイントから前記走査線までの距離を動径とする極座標系に前記断層データを再配置することにより前記湾曲補正断層画像を生成することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の断層画像撮影装置。 - 前記第3生成手段は、前記湾曲補正断層画像の前記極座標系における内側の円弧に対応する辺の両端を前記表示画面の上辺の両端に対応させ、前記極座標系における外側の円弧に対応する辺の中央を前記表示画面の下辺中央に対応させることで前記拡大された第2断層画像を生成することを特徴とする請求項4に記載の断層画像撮影装置。
- 前記表示手段の前記表示画面に前記断層データを前記直交座標系に配置して生成される通常断層画像および前記拡大された湾曲補正断層画像の少なくとも何れかを表示させる表示制御手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記第3生成手段により前記拡大された湾曲補正断層画像が生成されるまで、前記通常断層画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の断層画像撮影装置。 - 前記表示制御手段は、前記被検査物の撮影開始の指示を受付けてから前記通常断層画像が生成されるまで、前記被検査物の撮影中であることを示すステータスバーを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の断層画像撮影装置。
- 前記第2生成手段に前記湾曲補正断層画像を生成させるか否かを選択する選択手段をさらに備え、
前記湾曲補正断層画像を生成することが選択された場合に、前記表示制御手段は、前記通常断層画像において前記はみ出す領域に対応する領域を非表示とした画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6または7に記載の断層画像撮影装置。 - 前記第2生成手段に前記湾曲補正断層画像を生成させるか否かを選択する選択手段をさらに備え、
前記湾曲補正断層画像を生成することが選択された場合に、前記表示制御手段は、前記通常断層画像において前記はみ出す領域に対応する領域が認識可能となる態様で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6または7に記載の断層画像撮影装置。 - 前記はみ出す領域を認識可能に表示した通常断層画像が表示された状態において、前記干渉信号を取得する条件の変更を受付けて前記条件を変更して前記第1生成手段に前記断層データの再生成を行わせる受付け手段をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の断層画像撮影装置。
- 前記表示手段の前記表示画面に前記断層データを前記直交座標系に配置して生成される通常断層画像および前記拡大された第2断層画像の少なくとも何れかを表示させる表示制御手段と、
前記第2生成手段に前記湾曲補正断層画像を生成させるか否かを選択する選択手段と、をさらに備え、
前記湾曲補正断層画像を生成することが選択された場合に、前記表示制御手段は、前記第3生成手段により前記拡大された湾曲補正断層画像が生成されるまで、前記通常断層画像において前記はみ出す領域に対応する領域を削除して得られた台形状の画像に対して表示画面の縦方向の位置に従って横方向の拡大倍率を変える拡大処理を施して得られた簡易湾曲補正画像を、通常断層画像として前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の断層画像撮影装置。 - 光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と前記光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて取得した干渉信号から生成された断層データを取得する取得手段と、
直交座標系に配置される前記断層データを再配置して、湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する中間画像生成手段と、
前記湾曲補正断層画像を表示可能な表示手段の表示画面に前記湾曲補正断層画像を表示させる際に、前記湾曲補正断層画像を拡大することで前記表示画面からはみ出す領域を削除して、前記表示画面に表示する前記拡大された湾曲補正断層画像を生成する表示画像生成手段と、を備えることを特徴とする画像処理装置。 - 光源からの光より分割された測定光で被検査物を走査して得た戻り光と前記光より分割された参照光とを合波して得た干渉光を用いて取得した干渉信号から断層データを生成する第1生成工程と、
直交座標系に配置される前記断層データを再配置して、湾曲補正された湾曲補正断層画像を生成する第2生成工程と、
前記湾曲補正断層画像を表示可能な表示手段の表示画面に前記湾曲補正断層画像を表示させる際に、前記湾曲補正断層画像を拡大することで前記表示画面からはみ出す領域を削除して、前記表示画面に表示する前記拡大された湾曲補正断層画像を生成する第3生成工程と、を含むことを特徴とする断層画像撮影装置の制御方法。 - 請求項13に記載の断層画像撮影装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017210522A JP2019080793A (ja) | 2017-10-31 | 2017-10-31 | 断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017210522A JP2019080793A (ja) | 2017-10-31 | 2017-10-31 | 断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019080793A true JP2019080793A (ja) | 2019-05-30 |
Family
ID=66670724
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017210522A Pending JP2019080793A (ja) | 2017-10-31 | 2017-10-31 | 断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019080793A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020199226A (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
WO2020250820A1 (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
JP2020199227A (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
CN116327112A (zh) * | 2023-04-12 | 2023-06-27 | 始终(无锡)医疗科技有限公司 | 一种动态机器视觉指导的全自动眼科oct系统 |
-
2017
- 2017-10-31 JP JP2017210522A patent/JP2019080793A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020199226A (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
WO2020250820A1 (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
JP2020199227A (ja) * | 2019-06-13 | 2020-12-17 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
JP7423912B2 (ja) | 2019-06-13 | 2024-01-30 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
JP7434729B2 (ja) | 2019-06-13 | 2024-02-21 | 株式会社ニデック | 眼科装置、および眼科装置制御プログラム |
CN116327112A (zh) * | 2023-04-12 | 2023-06-27 | 始终(无锡)医疗科技有限公司 | 一种动态机器视觉指导的全自动眼科oct系统 |
CN116327112B (zh) * | 2023-04-12 | 2023-11-07 | 始终(无锡)医疗科技有限公司 | 一种动态机器视觉指导的全自动眼科oct系统 |
WO2024212982A1 (zh) * | 2023-04-12 | 2024-10-17 | 始终(无锡)医疗科技有限公司 | 一种动态机器视觉指导的全自动眼科oct系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5236089B1 (ja) | 光干渉断層撮像装置、光干渉断層撮像装置の制御方法、およびプログラム | |
JP6460618B2 (ja) | 光干渉断層撮像装置およびその制御方法 | |
USRE45344E1 (en) | Retinal function measurement apparatus | |
JP6367563B2 (ja) | 眼科装置 | |
JP6045895B2 (ja) | 眼科観察装置 | |
JP6184114B2 (ja) | 光干渉断層撮像装置およびその制御方法 | |
JP6469411B2 (ja) | 眼科装置 | |
JP6184113B2 (ja) | 光断層撮像装置およびその制御方法 | |
JP6589020B2 (ja) | 眼科装置 | |
CN110226915B (zh) | Oct数据处理装置及方法、存储介质 | |
JP2019088382A (ja) | 画像処理装置、眼科撮影装置、画像処理方法、及びプログラム | |
JP7195769B2 (ja) | 撮影装置及びその作動方法 | |
JP2018051391A (ja) | 眼科装置 | |
JP2018201749A (ja) | 制御装置、断層像撮影システム、制御方法、及びプログラム | |
JP2019080793A (ja) | 断層画像撮影装置、画像処理装置、断層画像撮影装置の制御方法およびプログラム | |
JP2020110256A (ja) | 眼科撮影装置、その制御装置、制御方法、およびプログラム | |
JP2022185838A (ja) | Oct装置および撮影制御プログラム | |
JP2017158836A (ja) | 眼科装置および撮像方法 | |
JP6274728B2 (ja) | 光干渉断層撮像装置およびその制御方法 | |
JP6279682B2 (ja) | 眼科観察装置 | |
JP5649679B2 (ja) | 光干渉断層撮像装置、光干渉断層撮像装置の制御方法、およびプログラム | |
JP2013144046A (ja) | 画像形成方法及び装置 | |
JP6311045B2 (ja) | 眼科観察装置 | |
JP2017221741A (ja) | 画像生成装置、画像生成方法およびプログラム | |
JP6486427B2 (ja) | 光干渉断層撮像装置およびその制御方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20171214 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20180126 |