[go: up one dir, main page]

JP2019047962A - 身体装着具 - Google Patents

身体装着具 Download PDF

Info

Publication number
JP2019047962A
JP2019047962A JP2017174296A JP2017174296A JP2019047962A JP 2019047962 A JP2019047962 A JP 2019047962A JP 2017174296 A JP2017174296 A JP 2017174296A JP 2017174296 A JP2017174296 A JP 2017174296A JP 2019047962 A JP2019047962 A JP 2019047962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wearer
body wearing
conductive
fabric portion
fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017174296A
Other languages
English (en)
Inventor
祐輔 清水
Yusuke Shimizu
祐輔 清水
表 雄一郎
Yuichiro Omote
雄一郎 表
勇也 炭本
Yuya Sumimoto
勇也 炭本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Toyobo STC Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Toyobo STC Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd, Toyobo STC Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP2017174296A priority Critical patent/JP2019047962A/ja
Publication of JP2019047962A publication Critical patent/JP2019047962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement And Recording Of Electrical Phenomena And Electrical Characteristics Of The Living Body (AREA)

Abstract

【課題】身体の特定位置に固定しやすく、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測でき、意匠性にも優れる身体装着具を提供する。【解決手段】装着者の肌に接触する複数の電極を有する身体装着具であって、装着者の一方肩部を通る襷掛け布帛部を有し、他方肩部を通る襷掛け布帛部を有さない身体装着具。前記襷掛け布帛部は、長さ調節手段を有することが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、身体装着具に関し、詳細には、身体の生体情報を取得、計測するための身体装着具に関する。
身体の心拍数、脈拍数、呼吸数、血圧、体温、筋電などの生体情報を運動中に取得、計測し、運動内容を見直したり、運動負荷を調整することによって、運動の安全性を高めたり、運動効率を向上できる。また、身体の生体情報は、例えば、病人の治療や介護などにも利用できる。
身体の生体情報を取得、計測する身体装着具として、ウェアラブル電子機器が開発されている。ウェアラブル電子機器とは、身体に極近接するか、身体に密着した状態で使用する機器であり、この機器では、身体の生体情報を入出力、演算、外部へ通信などできる。ウェアラブル電子機器には、各種センサを付属させることもでき、気温、湿度、気圧などの環境情報も計測できる。
ウェアラブル電子機器としては、例えば、腕時計、メガネ、イヤホン、ベルトなどのアクセサリ型の電子機器の他、衣服に電子機能を組み込んだテキスタイル集積型の電子機器が知られている。
テキスタイル集積型の電子機器としては、例えば、特許文献1に、衣料の表面または裏面に導電部材を固着することにより配線パターンを形成すると共に、所定の電気的機能を発揮させるための電気回路を形成した電気回路付き衣料が提案されている。また、特許文献2には、電子デバイスと、該電子デバイスを機能させるための配線パターンおよび/または電子回路を有する電子布または電子布から構成される電子衣料が提案されている。
テキスタイル集積型の電子機器は、電子機能が衣服に組み込まれているため、装着者は衣服を着るだけでよく、アクセサリ型の電子機器のように、電子機器を身体に装着する必要がない。そのため、電子機器を新たに装着するという装着者のストレスを低減できる。また、電子機器の遺失を防止できる。
こうしたウェアラブル電子機器には、身体の生体情報を取得、計測するために、電極が備えられており、電極で、身体の電気信号を取得する。また、ウェアラブル電子機器には、電極で取得した電気信号を計測する機能を有する電子ユニットを備えており、電極と電子ユニットは、電力供給用や信号伝送用の電気配線で接続されている。
テキスタイル集積型の電子機器の場合は、衣服は、身体の動きに合わせて伸縮するため、衣服に設けられた電気配線には伸縮性が求められる。しかし、電気配線の素材となる金属線や金属箔は、伸縮性を有していないため、金属線や金属箔からなる電気配線を、例えば、波形模様やジグザグ模様、馬蹄形が繰り返された模様として衣服に形成することにより、擬似的に伸縮性を付与している。例えば、金属線からなる電気配線の場合は、金属線を刺繍糸と見なして衣服にジグザグ模様に縫い付けることにより、擬似的に伸縮性を付与できる。また、金属箔からなる電気配線の場合は、金属箔と、伸縮性を有する樹脂シートとを貼り合わせ、プリント配線板と同様の手法で衣服に波形模様などを形成することにより、擬似的に伸縮性を付与できる。
電気配線に伸縮性を付与する方法として、例えば、特許文献3には、ゴムを主成分とした伸縮性を有する基材に、導電性粒子を互いに接触させて形成した導電部を設けたゴム材料が開示されている。ゴムとしては、シリコーンゴムが用いられており、導電性粒子としては、銀粒子が用いられている。
また、電気配線に伸縮性を付与する方法として、導電性ペーストを用いて電気配線を衣服に印刷、描画する方法も知られている。導電性ペーストとしては、例えば、銀粒子、カーボン粒子、カーボンナノチューブ等の導電性粒子と、伸縮性を有するウレタン樹脂などのエラストマー、天然ゴム、合成ゴム等のバインダーと、溶剤などを混練したものが用いられる。例えば、特許文献4には、ポリウレタン分散液と導電粒子の導電性ペーストを乾燥させて形成される電気配線が記載されている。導電粒子としては銀粒子が用いられている。
導電性ペーストを用いて電気配線を衣服に印刷、描画する方法としては、衣服に導電性ペーストを直接印刷、描画する方法の他、導電性ペーストと伸縮性のフィルム基材などを組み合わせたものを衣服に印刷、描画する方法などが知られている。
導電性ペーストを用いて電気配線を形成すると、巨視的には、電気配線に伸縮性を付与できる。この電気配線の比抵抗は、巨視的には、金属線や金属箔を用いて形成した電気配線の比抵抗よりも高いが、導電性ペーストを用いて形成した電気配線は、それ自体が伸縮性を有するため、電気配線の形状を、波形模様やジグザグ模様、馬蹄形が繰り返された模様などにする必要が無い。そのため、電気配線の幅と厚さの自由度が高くなり、結果として、金属線や金属箔を用いて形成した電気配線よりも低抵抗な電気配線を形成できる。
特開平2−234901号公報 特許第3723565号公報 特開2007−173226号公報 特開2012−54192号公報
人は、発汗によって体温を調節でき、運動すると発汗量が増加するため、衣服は著しく湿潤する。しかし、ウェアラブル電子機器として、電子機能を組み込んだテキスタイル集積型の衣服を着用している場合には、衣服が湿潤したり、土砂や泥等で汚れても、身体の生体情報を取得、計測し続けるために、衣服を着用し続けなければならない。もちろん、衣服を着替えることもできるが、電子機能を組み込んだテキスタイル集積型の衣服は、一般の衣服と比べて高価なため、同様の衣服を複数準備することは経済的に難しく、気軽に着替えられないのが実情である。また、衣服を着替えると、電子機器によっては、身体の生体情報を取得、計測するための設定を再度行う必要があるため、操作が煩雑となる場合がある。そのため、テキスタイル集積型のウェアラブル電子機器よりも、アクセサリ型のウェアラブル電子機器の方が、衣服を替えやすいという利点がある。
また、身体の生体情報を取得するにあたっては、電極が身体に密着するように、電極部分に伸縮性を持たせればよいが、テキスタイル集積型の衣服の場合は、衣服全体に伸縮性を持たせる必要があるため、着用者は必要以上に衣服による圧迫を受けることとなり、不快感を覚える。
アクセサリ型のウェアラブル電子機器としては、心拍ベルト(チェストベルト)に代表されるベルトが知られている。
ところが、身体のくびれた部分以外の箇所にベルトを装着すると、運動時の動きや自重に伴ってズレやすいため、ベルトを身体の特定位置に固定することは難しい。例えば、肩、腋窩(わきのした)、肘窩(肘の反対側)、肘、膝蓋(膝)などの関節周りや、頸の特定位置、上腕の特定位置、前腕の特定位置、胸や腹など体幹の特定位置、大腿の特定位置、下腿の特定位置、殿(臀)などに固定することは難しい。
ベルトがズレないように、きつく締め付けることが考えられるが、きつく締め付けると、装着者は不快になるし、身体の自由度が制限されたり、血行が悪くなる。また、きつく締め付けると、ベルトと身体が擦れ、擦り傷が生じることがある。更に、ベルトを体幹に固定すると、呼吸の妨げになることがある。そのため、ベルトを用いて自然な状態で身体の生体情報を取得、計測することは困難であった。
更に、ベルトは意匠性に乏しいため、そのようなベルトを装着することに魅力は感じにくい。また、胸部にベルトを装着すると、ブラジャーを付けているように見えるため、特に男性はベルトの装着に抵抗を示すことがある。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、身体の特定位置に固定しやすく、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測でき、意匠性にも優れる身体装着具を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る身体装着具は、以下の構成からなる。
[1]装着者の肌に接触する複数の電極を有する身体装着具であって、装着者の一方肩部を通る襷掛け布帛部(以下、単に「襷掛け布帛部」と記載する)を有し、他方肩部を通る襷掛け布帛部を有さない身体装着具。
[2]前記襷掛け布帛部は、長さ調節手段を有する[1]に記載の身体装着具。
[3]前記襷掛け布帛部は、幅広領域と、幅広領域より幅が狭い幅狭領域とを含む[1]に記載の身体装着具。
[4]前記幅狭領域は、長さ調節手段を有する[3]に記載の身体装着具。
[5]前記襷掛け布帛部は、前記装着者の腹側の所定位置から始まり、一方腋窩を通り、装着者の背側の所定位置へ至る接続部材を更に有する[1]〜[4]のいずれかに記載の身体装着具。
[6]前記接続部材は、前記装着者の背側の所定位置から始まり、他方腋窩を通り、装着者の腹側の所定位置へ至る[5]に記載の身体装着具。
[7]前記接続部材は、長さ調節手段を有する[5]または[6]に記載の身体装着具。
[8]前記襷掛け布帛部は、前記装着者の腹側に一対の電極を少なくとも一組有する[1]〜[7]のいずれかに記載の身体装着具。
[9]前記襷掛け布帛部は、前記装着者の背側に一対の電極を少なくとも一組有する[1]〜[7]のいずれかに記載の身体装着具。
[10]前記襷掛け布帛部は、前記装着者の右外側と左外側で一対となる電極を少なくとも一組有する[1]〜[7]のいずれかに記載の身体装着具。
[11]前記襷掛け布帛部は、前記装着者の腹側と背側で一対となる電極を少なくとも一組有する[1]〜[7]のいずれかに記載の身体装着具。
[12]前記装着者の腹側には、前記一方肩部側の鎖骨と乳頭の間に一方電極を有し、前記装着者の背面には、前記一方電極より身長方向の下方に他方電極を有する[11]に記載の身体装着具。
[13]前記襷掛け布帛部は、小物収容部を有する[1]〜[12]のいずれかに記載の身体装着具。
本発明によれば、身体装着具を、装着者の一方肩部を通る襷掛け布帛部を有し、他方肩部を通る襷掛け布帛部を有さない形状としているため、身体の特定位置に固定できる。また、きつく締め付けなくても固定できるため、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測できる。更に、意匠性を改善できるため、男性も抵抗なく装着可能となる。
図1は、本発明に係る身体装着具1の装着状態を示す模式図である。 図2は、図1に示した身体装着具1の拡大図である。 図3は、図1に示した身体装着具1の部分拡大図であり、平置きした状態を示す模式図である。 図4は、身体装着具1の正面図である。 図5は、図4に示した身体装着具1の背面図である。 図6は、図4に示した身体装着具1の装着状態を示す模式図である。
本発明に係る身体装着具は、装着者の肌に接触する複数の電極を有しており、装着者の一方肩部を通る襷掛け布帛部を有し、他方肩部を通る襷掛け布帛部を有さないところに特徴がある。以下、本発明に係る身体装着具に関して、図面を参照しつつ具体的に説明するが、本発明は図示例に限定される訳ではなく、前記および後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
図1は、本発明に係る身体装着具1の装着状態を示す模式図である。図1に示した点線は、人の輪郭を示しており、図1は、装着者の正面から見た状態を示している。身体装着具1は、装着者の一方肩部2aを通る襷掛け布帛部を有し、装着者の他方肩部2bを通る襷掛け布帛部は有していない。図1に示すように、本発明に係る身体装着具は、環状で、片襷であり、綾襷ではない。このように、身体装着具を、装着者の一方肩部を通る襷掛け布帛部を有し、他方肩部を通る襷掛け布帛部を有さない形状としているため、身体の特定位置に固定できる。また、テキスタイル集積型の衣服や、アクセサリ型のベルトのように、きつく締め付けなくても固定できるため、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測できる。更に、身体装着具を装着しても、ブラジャーを付けているようには見えないため、意匠性が改善され、男性も抵抗なく装着可能となる。
本発明の身体装着具は、衣服の下に装着できるため、衣服が湿潤したり、汚れた場合には、衣服を気軽に着替えることができるし、着用者は好みの衣服を着用できる。
上記図1には、身体装着具1を装着者の腹側に装着した状態を示したが、上記身体装着具1は、装着者の背側に装着してもよい。
次に、図1に示した本発明に係る身体装着具1について、図2を用いてより詳細に説明する。図2は、図1に示した身体装着具1の拡大図であり、幅広領域10と、幅広領域10より幅が狭い幅狭領域11とを含んでいる。幅狭領域11は、主として、幅広領域10を身体へ固定するための接続部材として機能している。
上記身体装着具1は、装着者の一方肩部を通る襷掛けとするために、一方肩部2aで接触する位置と、装着者の外側の腰付近で接触する位置で、身体に密着させることが好ましい。身体に密着させることによって身体装着具のズレを防止できるため、きつく締め付けなくても身体の特定位置に固定でき、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測できる。
身体に密着させるには、例えば、図3に示すように、上記身体装着具1の前身頃を上、後身頃を下として平置きしたときに、幅狭領域11のうち一方肩部2aで接触する位置においては、首側の長手方向長さ11aよりも腕側の長手方向長さ11bが長くなるように環を形成すればよい。また、図示しないが、装着者の外側の腰付近で接触する位置においても同様である。
上記幅広領域10の幅は特に限定されないが、例えば、20cm以下が好ましく、より好ましくは15cm以下、更に好ましくは10cm以下である。
一方、上記幅狭領域11の幅も特に限定されないが、狭すぎると装着者の身体へ食い込み、不快感を与えることがある。従って、上記幅狭領域11の幅は、例えば、1.5cm以上が好ましく、より好ましくは2cm以上、更に好ましくは2.5cm以上である。
上記幅広領域10および上記幅狭領域11の幅は、それぞれの領域において一定でもよいし、それぞれの領域内で変化してもよい。
図2に示した幅広領域10には、電子ユニット13が設けられている。電子ユニット13は、装着者の肌に接触しない側に設けることが好ましい。一方、上記幅広領域10の装着者の肌に接触する側には、図示しない複数の電極を設け、電極と電子ユニット13は、電気配線で接続すればよい。電子ユニット13、電極、および電気配線については、後で説明する。
図2に示すように、上記幅広領域10には、小物収容部14を設けることが好ましい。小物収容部14を設けることにより、例えば、スマートフォンや携帯電話、財布、鍵などの小物を入れることができる。
上記小物収容部14としては、小物を出し入れするための開口部と、小物を収容し、保持するための保持部を有していればよく、具体的には、ポケット、網状の小物ホルダーなどを設ければよい。なお、図2では、小物収容部14としてポケットを設け、スマートフォン15を入れている。
上記小物収容部14の素材は特に限定されないが、例えば、通気性を高めるためにメッシュ素材で構成してもよいし、収容物を濡らさないように、耐水性を有する素材で構成してもよい。
上記図2では、上記小物収容部14を装着者の肌に接触しない側に設けたが、上記小物収容部は、装着者の肌に接触する側に設けてもよい。
上記幅狭領域11には、長さ調節手段12を設けている。図2に示した長さ調節手段12は、バックルである。長さ調節手段12を有することにより、身体装着具のズレを一層防止できるため、きつく締め付けなくても身体の特定位置に固定でき、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測できる。
上記長さ調節手段12としては、例えば、バックル、ホック、面ファスナー、ボタン、スナップボタン、コキ(リュックカン、アジャスター)などの係合部材を用いることができ、単独で、或いは2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、留め外し易さの観点から、バックルが好ましい。
上記長さ調節手段12の数は特に限定されず、1つでもよいし、2つ以上でもよい。長さ調節手段12を複数設け、間に、例えば、長さ調節ベルトを接続することにより、体格の異なる人同士で上記身体装着具を共有できる。
上記幅広領域10および上記幅狭領域11は、一体形状として切り出した布帛を用いても良いし、幅広領域10のパーツと幅狭領域11のパーツをそれぞれ準備し、縫い合わせてもよい。
次に、本発明に係る身体装着具の他の構成例について、図4〜図6を用いて説明する。図4は、身体装着具1の正面図、図5は、図4に示した身体装着具1の背面図、図6は、図4に示した身体装着具1の装着状態を示す模式図である。図1、図2と同じ箇所には同一の符号を付して重複説明を避ける。図6に示した点線は、人の輪郭を示しており、図6は、装着者の正面から見た状態を示している。
図4に示した身体装着具1は、装着者の腹側の所定位置21aから始まり、一方腋窩31aを通り、装着者の背側を回り、他方腋窩31bを通り、装着者の腹側の所定位置21bへ至る接続部材21を有している。接続部材21を有することにより、身体装着具1の身体への密着性を高めることができ、身体装着具1のズレを防止できるため、身体装着具1を特定位置に固定できる。なお、腋窩とは、わきの下を意味する。また、一方腋窩31aは、布帛部が通る一方肩部2a側のわきの下であり、他方腋窩31bは、布帛部が通らない他方肩部2bのわきの下である。
上記接続部材21の身体への密着圧力は、例えば、0.5kPa以上が好ましい。密着圧力は、より好ましくは0.6kPa以上、更に好ましくは0.8kPa以上である。上限は、例えば、1.2kPa以下が好ましい。上記密着圧力は、例えば、歪みゲージ、ウォーターバック型圧力センサ、エアパック式圧力センサ等を用いて測定できる。
上記接続部材21には、長さ調節手段12を設けている。図5に示した長さ調節手段12は、バックルである。長さ調節手段12を有することにより、身体装着具のズレを一層防止できるため、きつく締め付けなくても身体の特定位置に固定でき、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測できる。
上記長さ調節手段12としては、上記長さ調節手段12で例示した係合部材を用いることができ、バックルが好ましい。
上記接続部材21を設ける場合は、図4に示すように、接続部材21と幅広領域10との接続位置に、羽部10a、10bを設けることが好ましい。羽部10a、10bを設けることにより、接続部材21と幅広領域10との接続強度を高めることができる。
上記図4には、接続部材21が、装着者の腹側の所定位置21aから装着者の腹側の所定位置21bへ至る構成を示したが、接続部材21は、例えば、装着者の腹側の所定位置21aから始まり、一方腋窩31aを通り、装着者の背側の所定位置21cへ至る構成であってもよい。即ち、身体装着具1が通る一方肩部2a側の上腕周りに接続部材21を周回させることにより、身体装着具1を固定できる。
図1〜図6には、幅広領域10と幅狭領域11とを含む身体装着具1を示したが、布帛部の幅は一定でもよく、環状の布帛部に、接続部材21が設けられていてもよい。
上記布帛部を構成する布帛としては、織物、編み物、不織布を例示できる。
上記布帛が織物の場合は、例えば、平織、綾織、朱子織等で織られたものを用いることができる。
上記布帛が編み物の場合は、例えば、平編、鹿の子編、アムンゼン編、レース編、アイレット編、添え糸編、パイル編、リブ編、リップル編、亀甲編、ブリスター編、ミラノリブ編、シングルピケ編、ダブルピケ編、斜文編、ヘリボーン編、ポンチローマ編、バスケット編、トリコット編、ハーフトリコット編、サテントリコット編、ダブルトリコット編、クインズコード編、ストライプサッカー編、ラッセル編、チュールメッシュ編、およびこれらを変形・組み合わせて編まれたものを用いることができる。
上記不織布としては、例えば、エラストマー繊維などを用いたものが挙げられる。
上記布帛の素材となる繊維の種類は特に限定されず、天然繊維または化学繊維を用いることができる。上記天然繊維としては、例えば、綿や麻などの植物繊維、羊毛、絹、カシミヤなどの動物繊維などを用いることができる。上記化学繊維としては、例えば、ナイロン、アクリル、ポリエステル、ポリウレタンなどを用いることができる。
上記繊維は、それぞれ単独で、または混紡して用いることができる。
上記繊維を混紡する場合は、天然繊維と化学繊維を混紡してもよいし、複数種類の天然繊維を混紡してもよいし、複数種類の化学繊維を混紡してもよい。
混紡する場合の組み合わせとしては、例えば、綿とポリウレタンの組み合わせや、綿、ポリエステル、およびポリウレタンの組み合わせが挙げられる。
上記布帛が綿を含む場合は、布帛全体の質量を100%としたとき、綿を25質量%以上含有することが好ましい。上記綿の含有量は、より好ましくは45質量%以上、更に好ましくは65質量%以上である。上限は特に限定されず、綿100質量%であってもよいが、より好ましくは95質量%以下である。
上記布帛は、綿以外に、更に伸縮性を有する素材を含むことが好ましい。上記伸縮性を有する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム、各種エラストマー等からなるスパンデックスなどが挙げられる。
上記伸縮性を有する素材は、布帛全体の質量を100%としたとき、5質量%以上含有することが好ましい。上記伸縮性を有する素材は、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。上限は特に限定されないが、例えば、55質量%以下が好ましい。
上記布帛は、繰り返し10%以上の伸縮が可能な伸縮性を有することが好ましい。伸縮性は、例えば、JIS L1096(2010)における伸縮織物及び編物の伸縮性試験を繰り返し行う事で測定できる。
また、上記布帛は、50%以上の破断伸度(引張伸び)を有することが好ましい。破断伸度は、引張強度試験によって測定できる。
上記布帛には、樹脂を被覆したり、樹脂を含浸させてもよい。上記布帛に被覆したり、含浸させる樹脂としては、例えば、ポリウレタン、合成ゴム、天然ゴムなどを用いることができる。
また、上記布帛の一部に、ゴムシートを用いてもよい。ゴムシートとしては、例えば、クロロプレンに代表される合成ゴムシートの発泡体を用いることができる。合成ゴムシートは、ネオプレン(登録商標)として販売されているものを用いることができる。
上記一方肩部2aを通る襷掛け布帛部が、幅広領域10と、幅狭領域11とを含む場合は、幅広領域10を構成する布帛と、幅狭領域11を構成する布帛の素材は同じであってもよいし、異なっていても良い。
上記幅広領域10と上記幅狭領域11の伸縮性は、同じであってもよいし、異なっていてもよく、異なる場合は、上記幅広領域10の伸縮性よりも上記幅狭領域11の伸縮性の方が高いことが好ましい。
次に、電子ユニット13、電極、および電気配線について説明する。上記身体装着具1は、装着者の肌に接触する複数の電極を有しており、上記電極では、電気信号を取得する。
上記襷掛け布帛部は、(a)装着者の腹側に一対の電極を少なくとも一組有してもよいし、(b)装着者の背側に一対の電極を少なくとも一組有してもよいし、(c)装着者の右外側と左外側で一対となる電極を少なくとも一組有してもよいし、(d)装着者の腹側と背側で一対となる電極を少なくとも一組有してもよい。上記(d)の場合は、装着者の腹側には、一方肩部側の鎖骨と乳頭の間に一方電極を有し、装着者の背面には、前記一方電極より身長方向の下方に他方電極を有してもよい。上記電極は、一組でもよいし、二組以上設けてもよい。
上記電極の形状や大きさは特に限定されず、上記身体装着具1の形状や大きさを考慮して定めればよい。
上記電極としては、例えば、(1)金属箔、(2)導電性ファブリック、(3)伸縮性導体層などを形成すればよい。
(1)金属箔
上記金属箔としては、例えば、銅箔、りん青銅箔、ニッケルメッキ銅箔、錫メッキ銅箔、ニッケル/金メッキ銅箔、アルミニウム箔、銀箔、および金箔よりなる群から選択される少なくとも一種の金属箔が好ましい。
上記金属箔の平均厚さは、例えば、0.08μm以上が好ましい。また、平均厚さは、50μm以下が好ましく、より好ましくは25μm以下、更に好ましくは15μm以下、特に好ましくは8μm以下、最も好ましくは4μm以下である。
上記金属箔は、例えば、電解法、無電解法、圧延法、蒸着法、スパッタリング法など公知の方法で形成すればよい。
また、上記金属箔は、例えば、エッチング法、リフトオフ法、アディティブ法、打ち抜き法、レーザーカッティング法などの方法により、所定のパターン形状に加工することが好ましい。
(2)導電性ファブリック
上記導電性ファブリックとは、導電性を有する繊維構造体を意味する。上記導電性ファブリックとしては、例えば、導電糸(導電性糸、導電性繊維を含む意味。以下、同じ。)を含む繊維で構成された織物、編み物、不織布が挙げられる。上記導電糸とは、繊維長1cmあたりの抵抗値が100Ω以下の糸を意味する。
上記導電糸とは、導電性繊維、導電性繊維の繊維束、導電性繊維を含む繊維から得られる撚糸、組み糸、紡績糸、混紡糸、金属線を極細に延伸した極細金属線、フィルムを極細の繊維状に切断した極細フィルムの総称である。
上記導電性繊維としては、例えば、金属で被覆された化学繊維または天然繊維、導電性金属酸化物で被覆された化学繊維または天然繊維、グラファイト、カーボン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどのカーボン系導電性材料で被覆された化学繊維または天然繊維、導電性高分子で被覆された化学繊維または天然繊維などが挙げられる。
また、上記導電性繊維として、例えば、金属、導電性金属酸化物、カーボン系導電性材料、および導電性高分子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の導電性材料を含む高分子材料を紡糸して得られた繊維を用いることができる。
上記導電性繊維の繊維束としては、例えば、上記導電性繊維のマイクロファイバーやナノファイバーなどからなる繊維束に、導電性フィラーや導電性高分子等を担持、含浸させて得られたものを用いることができる。
上記導電糸として、上記導電性繊維を含む繊維を用いて得られた撚糸、組み糸、紡績糸、混紡糸など用いてもよい。
上記導電糸には、金属線を極細に延伸した極細金属線も包含される。
上記導電性繊維、上記導電性繊維の繊維束、上記導電性繊維を含む繊維から得られる撚糸、組み糸、紡績糸、混紡糸、上記極細金属線の平均直径は、250μm以下が好ましく、より好ましくは120μm以下、更に好ましくは80μm以下、特に好ましくは50μm以下である。
上記導電糸には、フィルムを極細の繊維状に切断した極細フィルムも包含され、上記極細フィルムとは、金属、導電性金属酸化物、カーボン系導電性材料、および導電性高分子よりなる群から選ばれる少なくとも1種の導電性材料を被覆した高分子フィルムを幅800μm以下に切断して得られた繊維状フィルムを意味する。
上記導電糸のなかでも、金属で被覆された化学繊維、導電性高分子を担持、含浸させた導電性繊維の繊維束、および平均直径が50μm以下の極細金属線よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
上記導電性ファブリックとしては、具体的には、非導電性の布帛に導電糸を刺繍した繊維構造体、非導電性の布帛に導電性高分子含有溶液を含浸、乾燥させた繊維構造体、導電性フィラーとバインダー樹脂とを含む溶液を含浸、乾燥させた繊維構造体などが挙げられる。これらのなかでも、非導電性の布帛に導電性高分子含有溶液を含浸、乾燥させた繊維構造体を用いることが好ましい。
上記導電性高分子としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸とを含む混合物を好ましく用いることができる。
上記導電糸を含む繊維としては、合成繊維マルチフィラメントが好ましく、該合成繊維マルチフィラメントの少なくとも一部が、繊度が30dtex未満の極細フィラメントであるか、或いは、繊度が400dtexを超え、かつ単糸繊度が0.2dtex以下の合成繊維マルチフィラメントであることが好ましい。
上記導電性ファブリックが、導電糸を含む繊維で構成された織物であるか、編み物である場合は、目付けは50g/m2未満が好ましく、導電性高分子の脱落を防止できる。また、目付けは300g/m2を超えることが好ましく、充分な導電性を確保できる。
(3)伸縮性導体層
上記伸縮性導体層とは、伸縮性を有し、且つ比抵抗が1×100Ωcm以下の層を意味する。上記伸縮性とは、導電性を保った状態で、繰り返し10%以上の伸縮が可能であることを意味する。
上記伸縮性導体層は、層単独で40%以上の破断伸度を有することが好ましい。破断伸度は、より好ましくは50%以上、更に好ましくは80%以上である。破断伸度は、導電性ペーストを離型シート上に所定の膜厚に塗布し、乾燥後に剥離し、引張試験を行って測定できる。
上記伸縮性導体層は、引張弾性率が10〜500MPaであることが好ましい。
上記伸縮性導体層の平均厚さは、例えば、15μm以上が好ましく、より好ましくは30μm以上である。平均厚さは、例えば、250μm以下が好ましく、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは80μm以下である。
このような伸縮性導体層を形成できる材料を、以下、伸縮性導体層用組成物と呼ぶことがある。
上記伸縮性導体層は、例えば、伸縮性導体層用組成物として導電性ペーストを用いて形成できる。
導電性ペーストは、少なくとも(i)導電性粒子、(ii)柔軟性樹脂、および(iii)溶剤を含むものである。
(i)導電性粒子
上記導電性粒子とは、比抵抗が1×10-1Ωcm以下の粒子を意味する。上記比抵抗が1×10-1Ωcm以下の粒子としては、例えば、金属粒子、合金粒子、カーボン粒子、カーボンナノチューブ粒子、ドーピングされた半導体粒子、導電性高分子粒子、ハイブリッド粒子などが挙げられる。
上記金属粒子としては、例えば、銀粒子、金粒子、白金粒子、パラジウム粒子、銅粒子、ニッケル粒子、アルミニウム粒子、亜鉛粒子、鉛粒子、錫粒子などが挙げられる。上記合金粒子としては、例えば、黄銅粒子、青銅粒子、白銅粒子、半田粒子などが挙げられる。上記ドーピングされた半導体粒子としては、例えば、錫の酸化物、インジウムと錫の複合酸化物などが挙げられる。上記導電性高分子粒子としては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸とを含む混合物からなる粒子や、金属被覆した高分子粒子が挙げられる。上記ハイブリッド粒子としては、例えば、金属被覆した金属粒子、金属被覆したガラス粒子、金属被覆したセラミック粒子などが挙げられる。上記金属被覆した金属粒子としては、例えば、銀被覆銅粒子が挙げられる。
上記導電性粒子の平均粒子径は、例えば、100μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは12μm以下である。上記平均粒子径の下限は特に限定されないが、例えば、0.08μm以上である。
上記粒子は、例えば、フレーク状粉であってもよいし、不定形凝集粉であってもよい。例えば、上記銀粒子としては、フレーク状銀粒子や不定形凝集銀粉を用いることができる。
上記フレーク状粉の平均粒子径は、動的光散乱法により測定した平均粒子径(50%D)が、例えば、0.5〜20μmであるものが好ましい。平均粒子径が0.5μm未満では、粒子同士が接触できないことがあり、導電性が悪化するおそれがある。平均粒子径は、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。しかし、平均粒子径が20μmを超えると、微細な配線の形成が困難になることがある。また、スクリーン印刷などを行うと、目詰まりすることがある。平均粒子径は、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは12μm以下である。
上記不定形凝集粉の平均粒子径は、光錯乱法により測定した平均粒子径(50%D)が、例えば、1〜20μmであるものが好ましい。平均粒子径が1μm未満では、凝集粉としての効果が失われ、導電性を維持できないことがある。平均粒子径は、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは5μm以上である。しかし、平均粒子径が20μmを超えると、溶剤への分散性が低下し、ペースト化が難しくなる。平均粒子径は、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは12μm以下である。
(ii)柔軟性樹脂
上記柔軟性樹脂とは、弾性率が1〜1000MPaの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴムなどを用いることができる。膜の伸縮性を発現させるために、ゴムを用いることが好ましい。上記弾性率は、好ましくは3MPa以上、より好ましくは10MPa以上、更に好ましくは30MPa以上である。上記弾性率は、好ましくは600MPa以下、より好ましく500MPa以下、更に好ましくは300MPa以下である。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステルなどを用いることができる。上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂などを用いることができる。
上記ゴムとしては、例えば、ウレタンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴムや水素化ニトリルゴムなどのニトリル基含有ゴム、イソプレンゴム、硫化ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ化ビニリデンコポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、ニトリル基含有ゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴムが好ましく、ニトリル基含有ゴムが特に好ましい。
上記ニトリル基含有ゴムは、ニトリル基を含有するゴムやエラストマーであれば特に限定されず、例えば、ニトリルゴムと水素化ニトリルゴムが好ましい。ニトリルゴムはブタジエンとアクリロニトリルの共重合体であり、結合アクリロニトリル量が多いと金属との親和性が増加するが、伸縮性に寄与するゴム弾性は逆に減少する。従って、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム中の結合アクリロニトリル量は18〜50質量%が好ましく、より好ましくは40〜50質量%である。
上記柔軟性樹脂の配合量は、導電性粒子と柔軟性樹脂の合計に対して、7〜35質量%であり、より好ましくは9質量%以上、更に好ましくは12質量%以上、より好ましくは28質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
(iii)溶剤
上記溶剤は特に限定されず、公知の有機溶媒または水系溶媒を用いることができる。
上記電極の表面、即ち、装着者の肌に接触する側には、電極表面層を有することが好ましい。一方、上記電極と上記布帛部との境界には、絶縁性を高めるために、下地層を有することが好ましい。
(電極表面層)
上記電極表面層としては、例えば、貴金属メッキ層、不動態形成により酸化しにくい金属層、耐食性合金層、カーボン層、伸縮性導電層などが挙げられ、単独で、あるいは2種以上を積層して設けてもよい。
上記貴金属メッキ層としては、例えば、金、銀、白金、ロジウム、およびルテニウムよりなる群から選ばれる少なくとも1種の層が挙げられる。上記不動態形成により酸化しにくい金属層としては、例えば、クロム、モリブデン、タングステン、およびニッケルよりなる群から選ばれる1種の層が挙げられる。上記耐食性合金層としては、例えば、モネル合金などの層が挙げられる。上記カーボン層は、上記電極の表面に、例えば、カーボンペーストなどを印刷して層を形成することが好ましい。
上記伸縮性導電層としては、例えば、導電性フィラーと柔軟性樹脂などを含む伸縮性導電組成物を用いて層を形成することが好ましい。
上記電極表面層の平均厚さは、12μm以上が好ましく、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは40μm以上である。上記平均厚さとは、電極表面層の算術平均厚さであり、厚さを無作為に10点測定した値の算術平均値である。
(下地層)
上記絶縁性とは、電気的な絶縁性に加え、機械的、化学的、生物学的な絶縁性を含む意味である。即ち、布帛を透過してくる汗などの水分や、化学物質、生体物質から電極を絶縁する機能を有している。
上記下地層は、柔軟な高分子材料であることが好ましい。上記柔軟な高分子材料としては、ゴム、エラストマーと呼ばれる材料を用いることができる。上記ゴム、エラストマーとしては、伸縮性導体層用組成物として例示した柔軟性樹脂で具体的に挙げたゴム、エラストマーを好ましく用いることができる。
上記下地層の平均厚さは、12μm以上が好ましく、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは40μm以上である。上記平均厚さとは、下地層の算術平均厚さであり、厚さを無作為に10点測定した値の算術平均値である。
上記下地層は、繰り返し10%以上の伸縮が可能な伸縮性を有することが好ましい。また、上記下地層は、50%以上の破断伸度を有することが好ましい。更に、上記下地層は、引張弾性率が10〜500MPaであることが好ましい。
上記下地層は、布帛の表面に、例えば、コーティング液、浸漬液、印刷インクまたは印刷ペースト等の液状物、スラリー状物を介して形成することが好ましい。
また、上記下地層として、予めウレタン樹脂、あるいはゴムなどをシート化したものを準備しておき、ホットプレスなどの手法で布帛と貼り合わせて形成してもよい。
(電子ユニット)
上記身体装着具は、上記電極の他、電極で取得した電気信号を演算する機能(演算手段)を有する電子ユニットを備えていることが好ましい。上記電子ユニットでは、電極で取得した電気信号を演算することにより、例えば、心拍数、脈拍数、呼吸数、血圧、体温、筋電などの身体の生体情報が得られる。
上記電子ユニットは、更に、表示手段、記憶手段、通信手段、USBコネクタなどを有することが好ましい。
上記通信手段としては、例えば、ブルートゥース(登録商標)などにより変換された生体情報を、外部機器(例えば、腕時計や、パーソナルコンピューター、タブレット型パーソナルコンピューター、スマートフォンなどの携帯情報機器など)へ無線で送信できる機能を備えることが好ましい。また、電子ユニットにコネクタを設け、電子ユニットと外部機器とを有線で接続し、電子ユニット内に記憶させた生体情報を外部機器へ送信できる機能を備えることも好ましい。
上記電子ユニットは、気温、湿度、気圧などの環境情報を計測できるセンサや、GPSを用いた位置情報を計測できるセンサなどを備えてもよい。
上記電子ユニットは、身体装着具に対して脱着できることが好ましい。
(電気配線)
上記電極と上記電子ユニットは、電力供給用や信号伝送用の電気配線で接続されている。上記電気配線としては、上記電極と同様、例えば、(1)金属箔、(2)導電性ファブリック、(3)伸縮性導体層などを形成すればよい。
電気配線の厚みは、電極の厚みと同じであってもよい。
上記電気配線として、金属箔を形成する場合は、例えば、ゴムシート、ウレタンシート、シリコーンゴムシートなどの伸縮可能なシートと金属箔との積層体を形成した後、サブトラクティブ法で、金属箔の不要部分を除去し、所定のパターンを形成すればよい。上記サブトラクティブ法とは、一般的なプリント配線板製法に用いられるエッチング法と同義である。
上記伸縮可能なシートは、布帛との境界に、下地層を兼ねてもよく、下地層の一部として構成してもよい。
上記電気配線として、導電性ファブリックを形成する場合は、電気配線を導電糸とし、導電性ファブリックを用いた電極と組み合わせることが好ましい。
上記電気配線は、冗長性を有することが好ましい。上記冗長性とは、空間中に、点A、点Bの二点を定義したときに、二点間の最短距離Xに対して、最短距離よりも長い経路Yを用いて2点を結ぶことにより、二点間の距離が伸びた際にも余裕をもって接続状態が維持される状態を意味する。冗長性は、下記式で定義される冗長性係数で評価できる。
冗長性係数=Y/X
二点間の距離を測定して冗長性係数を算出するにあたり、線路が幅を有している場合は、線路の中央を通る線の長さを測定すればよい。
上記電気配線に冗長性を持たせるには、上記電気配線の形状を、例えば、波形模様やジグザグ模様、馬蹄形が繰り返された模様などにすればよい。例えば、導電性ファブリックの場合は、導電糸をニットに組み込み、導電糸でループを作って冗長性を確保し、ニット生地そのものを電気配線として用いることができる。
本発明において、上記冗長性係数は1.41以上が好ましく、より好ましくは1.8以上、更に好ましくは2.2以上、特に好ましくは2.8以上である。
上記電気配線の表面、即ち、布帛とは反対側には、電気配線表面層を設けることが好ましい。一方、上記電極と同様、上記電気配線と上記布帛部との境界には、絶縁性を高めるために、下地層を設けることが好ましい。
(電気配線表面層)
上記電気配線表面層としては、絶縁性を有する絶縁皮膜を設けることが好ましい。上記絶縁皮膜の抵抗率は、1×109Ωcm以上が好ましい。上記絶縁皮膜としては、例えば、ポリウレタン、シリコーンゴム、ポリアクリル酸エステルなどからなる絶縁層を設けることが好ましい。
上記電気配線表面層の平均厚さは、12μm以上が好ましく、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは40μm以上である。上記平均厚さとは、絶縁皮膜の算術平均厚さであり、厚さを無作為に10点測定した値の算術平均値である。
上記絶縁皮膜は、絶縁性の他、更に伸縮性を有することが好ましい。
以上の通り、本発明の身体装着具によれば、身体の特定位置に固定でき、自然な状態で身体の生体情報を取得、計測できる。また、男性も抵抗なく装着できる。
上記身体装着具は、例えば、空手、ボクシング、テコンドー、剣道、フェンシング、柔道などの格闘技、野球、ソフトボール、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、テニス、卓球、バスケットボール、ハンドボール、バレーボールなどの球技、ジョギング、ランニング、競歩などの陸上競技、自転車競技などスポーツを行う際に好ましく装着できる。また、上記身体装着具は、例えば、病人や要介護者に装着してもよい。
1 身体装着具
2a 一方肩部
2b 他方肩部
10 幅広領域
10a、10b 羽部
11 幅狭領域
12 長さ調節手段
13 電子ユニット
14 小物収容部
15 スマートフォン
21 接続部材
31a 一方腋窩
31b 他方腋窩

Claims (13)

  1. 装着者の肌に接触する複数の電極を有する身体装着具であって、
    装着者の一方肩部を通る襷掛け布帛部(以下、単に「襷掛け布帛部」と記載する)を有し、他方肩部を通る襷掛け布帛部を有さない身体装着具。
  2. 前記襷掛け布帛部は、長さ調節手段を有する請求項1に記載の身体装着具。
  3. 前記襷掛け布帛部は、幅広領域と、幅広領域より幅が狭い幅狭領域とを含む請求項1に記載の身体装着具。
  4. 前記幅狭領域は、長さ調節手段を有する請求項3に記載の身体装着具。
  5. 前記襷掛け布帛部は、前記装着者の腹側の所定位置から始まり、一方腋窩を通り、装着者の背側の所定位置へ至る接続部材を更に有する請求項1〜4のいずれかに記載の身体装着具。
  6. 前記接続部材は、前記装着者の背側の所定位置から始まり、他方腋窩を通り、装着者の腹側の所定位置へ至る請求項5に記載の身体装着具。
  7. 前記接続部材は、長さ調節手段を有する請求項5または6に記載の身体装着具。
  8. 前記襷掛け布帛部は、前記装着者の腹側に一対の電極を少なくとも一組有する請求項1〜7のいずれかに記載の身体装着具。
  9. 前記襷掛け布帛部は、前記装着者の背側に一対の電極を少なくとも一組有する請求項1〜7のいずれかに記載の身体装着具。
  10. 前記襷掛け布帛部は、前記装着者の右外側と左外側で一対となる電極を少なくとも一組有する請求項1〜7のいずれかに記載の身体装着具。
  11. 前記襷掛け布帛部は、前記装着者の腹側と背側で一対となる電極を少なくとも一組有する請求項1〜7のいずれかに記載の身体装着具。
  12. 前記装着者の腹側には、前記一方肩部側の鎖骨と乳頭の間に一方電極を有し、前記装着者の背面には、前記一方電極より身長方向の下方に他方電極を有する請求項11に記載の身体装着具。
  13. 前記襷掛け布帛部は、小物収容部を有する請求項1〜12のいずれかに記載の身体装着具。
JP2017174296A 2017-09-11 2017-09-11 身体装着具 Pending JP2019047962A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017174296A JP2019047962A (ja) 2017-09-11 2017-09-11 身体装着具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017174296A JP2019047962A (ja) 2017-09-11 2017-09-11 身体装着具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019047962A true JP2019047962A (ja) 2019-03-28

Family

ID=65904690

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017174296A Pending JP2019047962A (ja) 2017-09-11 2017-09-11 身体装着具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019047962A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020261943A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57501664A (ja) * 1980-09-24 1982-09-16
JP2014226367A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 日本電信電話株式会社 生体電極および衣類
JP2015077226A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 日本電信電話株式会社 ウエアラブル電極

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57501664A (ja) * 1980-09-24 1982-09-16
JP2014226367A (ja) * 2013-05-23 2014-12-08 日本電信電話株式会社 生体電極および衣類
JP2015077226A (ja) * 2013-10-16 2015-04-23 日本電信電話株式会社 ウエアラブル電極

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020261943A1 (ja) * 2019-06-27 2020-12-30
JP7582187B2 (ja) 2019-06-27 2024-11-13 東洋紡株式会社 動物用の生体情報計測用衣服および生体情報計測方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7079199B2 (ja) 生体信号検出衣料
JP7335163B2 (ja) 生体情報計測用の電極部材、生体情報計測装置、生体情報計測用の電極部材の取り付け方法および生体情報計測方法
JP2017512542A5 (ja)
JP7222348B2 (ja) 生体情報計測用衣類
CN107708543B (zh) 可穿戴式电极
WO2019044649A1 (ja) 生体接触型電極および生体情報計測用衣服
JP2019047963A (ja) 身体装着具
JP7017067B2 (ja) 生体情報計測用衣類
JP2019068901A (ja) 生体電極、及びこれを備える衣類
JP7069063B2 (ja) 衣類
JP2022133335A (ja) 衣類
JP2019123959A (ja) 衣類
JP2019050936A (ja) 身体装着具
JP2019050935A (ja) 身体装着具
JP6991805B2 (ja) 身体装着具
JP2019047962A (ja) 身体装着具
JP6772403B1 (ja) 衣類
JP7291519B2 (ja) 衣類
WO2020203945A1 (ja) 衣類
JP2019123963A (ja) 衣類
JP2020100903A (ja) 衣類
JP7031319B2 (ja) 衣類
Zaman The development of reliable and washable intelligent textiles: noms and characterization
JP2023104811A (ja) 下衣
JP2023104812A (ja) 下衣

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190605

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200608

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210413

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20211012