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JP2018197219A - 整髪料組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】手触りが柔軟で、カールがしっかり付き、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感と毛先がランダムな方向を向いた動きのあるスタイルに仕上げることができ、持続性にも優れる整髪用化粧料の提供。【解決手段】成分(A)〜(C)を含有し、質量比(A)/(B)が1〜100、質量比[(A)+(B)]/(C)が1.30〜30である整髪料組成物。(A) 主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメント、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、該重合体セグメント中にN,N-ジメチルアクリルアミド由来の繰返し単位を50〜100質量%含み、全体中のオルガノポリシロキサンセグメントの比率が10〜70質量%であるオルガノポリシロキサングラフトポリマー(B) オルガノシロキサンセグメント骨格を有しない非架橋型被膜形成ポリマー(C) 界面活性剤【選択図】なし

Description

本発明は、整髪料組成物に関する。
整髪剤では、一般的に、髪型のセット保持力を高めるためには粘着性ポリマーや強固な被膜を形成するセット用ポリマーの配合量を増加させている。
被膜形成性ポリマーを多く配合する整髪剤は、髪同士を接着して髪型をつくるとともに髪同士を固定して髪型の持続性を与えている。しかし、その反面で固定されることにより髪がごわついたり、太い束を形成することで動きのない不自然な仕上がりになったりしてしまうという問題点があった。一方、感触の面からも仕上がりの面からも自然で動きのある仕上がりを好む女性が多い。したがって、髪を望む形に固定させ維持させることに加えて、同時に髪をごわつかせず、自然な仕上がりに保つことが必要となる。
このような要求に対し特許文献1では、特定のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを水に分散させた、毛髪のセット能力及びセット後の毛髪形状の保持性と、セット後の柔軟な感触を併せもつ毛髪化粧料が開示されている。
特開2014-77112号公報
一方、ウェーブパーマを活かしたヘアスタイルや、元々持つくせ毛を活かしたヘアスタイルにおいては、近年、しっかりとカールが付いているだけでなく、手触りが柔らかく、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感のあるスタイルであること、毛先がランダムな方向を向いた動きのあるスタイルであること、更にはそのスタイルが長時間持続することが求められるようになってきた。
しかしながら、特許文献1に記載の毛髪化粧料では、カールをしっかり付け、自然な手触りにすることはできるが、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感や、毛先がランダムな方向を向いた動きのあるスタイルに仕上げることができなかった。更に、日中の生活行動での物理的刺激によりセットが崩れてしまい、作ったウェーブスタイルの持続性に劣るという問題があった。
したがって本発明は、仕上がりの手触りが柔軟で自然でありながら、カールがしっかり付き、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感と毛先がランダムな方向を向いた動きのあるウェーブスタイルに仕上げることができ、整髪後の物理的刺激にも優れた持続性を有する整髪用化粧料に関する。
本発明者は、特許文献1に記載のオルガノポリシロキサングラフトポリマーと被膜形成ポリマーと界面活性剤とを特定の比率で併用することによって、前記要求を満たす整髪料組成物が得られることを見出した。
本発明は、下記成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が1以上100以下であり、成分(C)に対する成分(A)と(B)の合計の質量比[(A)+(B)]/(C)が1.30以上30以下である、整髪料組成物を提供するものである。
(A) 主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、該重合体セグメント中にN,N-ジメチルアクリルアミド由来の繰返し単位を50質量%以上100質量%以下含み、全体中のオルガノポリシロキサンセグメントの比率が10質量%以上70質量%以下である、オルガノポリシロキサングラフトポリマー
(B) オルガノシロキサンセグメント骨格を有しない非架橋型被膜形成ポリマー
(C) 界面活性剤
本発明の整髪料組成物は、仕上がりの手触りが柔軟で自然でありながら、カールがしっかり付き、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感と毛先がランダムな方向を向いた動きのあるウェーブスタイルに仕上げることができ、整髪後の物理的刺激にも優れた持続性を有する。
〔成分(A):特定のオルガノポリシロキサングラフトポリマー〕
成分(A)は、主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、この不飽和単量体由来の重合体セグメント中にN,N-ジメチルアクリルアミド(以下「DMAAm」ともいう)由来の繰返し単位を50質量%以上100質量%以下含み、全体中のオルガノポリシロキサンセグメントの比率が10質量%以上70質量%以下であるポリマーである。成分(A)は「ポリシリコーン-28」のINCI名を有するポリマーである。
成分(A)のグラフトポリマーにおいては、カールをしっかり付ける観点から、2つ以上の側鎖が、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの任意のケイ素原子に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して結合していることが好ましく、両末端を除く1以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることがより好ましく、両末端を除く2以上のケイ素原子に上記アルキレン基を介して結合していることが更に好ましい。
<オルガノポリシロキサンセグメント>
成分(A)のグラフトポリマーは、主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有する。オルガノポリシロキサンセグメントの化学構造は特に限定されないが、好ましい具体例としては、下記一般式(1)又は(2)で表される変性オルガノポリシロキサンセグメントが挙げられる。
Figure 2018197219
一般式(1)及び(2)中、R1は、それぞれ独立に炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上14以下のアリール基を表し、R2は、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基を表す。pは、2以上4000以下の数を表し、qは、2以上250以下の数を表す。式中、p個の繰返し単位とq個の繰返し単位の結合様式は、それぞれの繰返し単位がブロック状につながっていてもよいし、ランダム状につながっていてもよい。
一般式(1)及び(2)中、R1で表されるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基が挙げられ、R1で表されるアルキル基の炭素数は、成分(A)の水分散性の観点から、好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上6以下である。R1で表されるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。なお、成分(A)の水分散性とは、水を主成分とする組成物中で成分(A)が安定に分散しうる性質のことである。本性質が良好であると、水を主たる溶媒とする毛髪化粧料に対し、成分(A)を安定に配合することができ、毛髪にカールをしっかり付けることができ、洗髪性も良好となるため好ましい。
1で表されるアリール基の炭素数は、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは6以上12以下、より好ましくは6以上9以下である。R1で表されるアリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
これらの中でも、R1としては、成分(A)の水分散性を向上させる観点から炭素数1以上6以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
一般式(1)及び(2)中、pは、カールをしっかり付ける観点、及び本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした後の毛髪の感触(べたつき軽減)を向上させる観点から、好ましくは50以上、より好ましくは80以上、更に好ましくは100以上の数であり、また、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは2000以下、より好ましくは1300以下、更に好ましくは700以下の数である。
一般式(1)及び(2)中、qは、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは3以上、より好ましくは5以上の数であり、本発明の整髪料組成物のセット力(カールをしっかり付ける力)、セット後の毛髪形状の持続性を向上させる観点から、好ましくは50以下、より好ましくは30以下の数である。
一般式(1)及び(2)中、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基(R2)の一部又は全部は、主鎖であるオルガノポリシロキサンセグメント及び側鎖である不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合し、両セグメントの連結基として機能する。ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の一部が不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合していない場合には、そのような基は主鎖及び水素原子と結合している。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の炭素数は、成分(A)の製造原料の入手容易性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR3CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されていてもよい。ここでR3は、炭素数1以上3以下のアルキル基である。すなわち、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、「−(アルキレン基部分1)−(上記の原子又は官能基)−(アルキレン基部分2)−」という構造であってもよく、この場合、アルキレン基の炭素数とは、アルキレン基部分1の炭素数及びアルキレン基部分2の炭素数の和をいう。ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基が上記原子又は官能基によって分断されている場合は、成分(A)の製造の容易さの観点から、−NHCO−によって分断されていることが好ましい。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基、及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよい。この場合、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の炭素数には、前記置換基の炭素数を含まないものとする。成分(A)の製造原料の入手容易性の観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、及びアミノ基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していることが好ましい。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、−O−、−S−、−NH−、−NR30−、及び−COO−から選ばれる、2価のヘテロ原子又はヘテロ原子を含む2価の基が置換していてもよい。ここでR30は、ジメチルアミノ基が置換していてもよいアルキル基(炭素数1以上3以下)である。該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む2価の基は、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基が不飽和単量体由来の重合体セグメントとの連結基として働く場合には、不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合している。その他の場合は水素原子と結合している。成分(A)の製造の容易性の観点から、ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基は、−S−が置換していることが好ましい。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基(R2)は、カールをしっかり付ける観点から、該ヘテロ原子、好ましくは窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子、より好ましくは硫黄原子を介して不飽和単量体由来の重合体セグメントと結合していることが好ましい。
したがって、R2で表される「ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基」は、(i)無置換のアルキレン基、(ii)酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR3CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されたアルキレン基、(iii)水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換しているアルキレン基、(iv)−O−、−S−、−NH−、−NR30−及び−COO−から選ばれる2価のヘテロ原子又はヘテロ原子を含む2価の基が置換したアルキレン基のほか、上記(ii)、(iii)、(iv)の組合せからなるアルキレン基が該当する。
ヘテロ原子を含んでいてもよいアルキレン基の具体例としては、下記式(i)〜(xii)が例示される。なかでも成分(A)の製造上の容易さの観点から、下記式(xi)及び(xii)が好ましい。
Figure 2018197219
式(i)〜(xii)中、*は、前記一般式(1)又は(2)におけるケイ素原子に結合する部位を表し、**は、不飽和単量体由来の重合体セグメントに結合する部位を表す。
式(xii)中、X1は−O−、−OCO−、−COO−、−CONH−、及び−NHCO−から選ばれる一種以上であり、成分(A)の製造上の容易さの観点から、−CONH−、−NHCO−が好ましく、−NHCO−がより好ましい。
また、式(xii)中、R4は、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよいアルキレン基である。置換基としては、製造原料の入手容易性の観点から、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、及びアミノ基が好ましい。R4で表されるアルキレン基の炭素数は、成分(A)の製造上の容易さの観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは10以下、より好ましくは6以下である。
4の具体例としては、下記式(xiii)〜(xv)が挙げられる。
Figure 2018197219
式(xiv)中、X-は、塩化物イオン、臭化物イオン等のハロゲン化物イオン、酢酸イオン、アルキル(炭素数1以上3以下)硫酸イオン等のアニオンを表す。
<不飽和単量体由来の重合体セグメント>
成分(A)のグラフトポリマーは、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有し、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、不飽和単量体由来の重合体セグメント中に、DMAAm由来の繰返し単位を50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは75質量%以上有する。また、本発明の整髪料組成物料で毛髪をセットした後の毛髪のべたつき軽減を向上させる観点から、不飽和単量体由来の重合体セグメント中におけるDMAAm由来の繰返し単位の比率は100質量%以下、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
ここで、不飽和単量体由来の繰返し単位とは、該不飽和単量体の重合時に形成される繰返し単位をいう。また、成分(A)のグラフトポリマーにおいて、不飽和単量体由来の重合体セグメント中におけるDMAAm由来の繰返し単位の含有量は、NMR法により測定することができる。
不飽和単量体由来の重合体セグメント中、DMAAm由来の繰返し単位以外の部分は、DMAAmと共重合可能な不飽和単量体(ただし、DMAAmを除く)由来の繰返し単位からなっている。DMAAmと共重合可能な不飽和単量体由来の繰返し単位としては、オレフィン、ハロゲン化オレフィン、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類(ただし、DMAAmを除く)等の不飽和単量体由来の繰返し単位が挙げられる。不飽和単量体由来の重合体セグメント中、DMAAm由来の繰返し単位以外の部分は、DMAAmと共重合可能な単一種の不飽和単量体由来の繰返し単位からなっていてもよいし、2種以上の不飽和単量体由来の繰返し単位からなっていてもよい。
オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレンが挙げられる。ハロゲン化オレフィンの具体例としては、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオライドが挙げられる。ビニルエステルの具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の炭素数1以上16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル等の水酸基が置換した炭素数1以上16以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;及び(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
DMAAmを除く(メタ)アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、メタクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド等のN,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド類(ただし、DMAAmは除く);N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-tert-オクチル(メタ)アクリルアミド等のN-アルキル(メタ)アクリルアミド類;ジアセトン(メタ)アクリルアミド等の窒素原子上の置換基にカルボニル基を有するN-モノ置換(メタ)アクリルアミド類;N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の窒素原子上の置換基にアミノ基を有するN-モノ置換(メタ)アクリルアミド類;N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の窒素原子上の置換基に水酸基を有するN-モノ置換(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
これらの中でも、毛髪のセット能力及びセット後の毛髪形状の保持性を向上させる観点からは、DMAAmを除く(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチルがより好ましく、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが更に好ましく、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチルが更に好ましく、N-tert-ブチル(メタ)アクリルアミドが更に好ましい。
<オルガノポリシロキサングラフトポリマーの構成>
成分(A)のグラフトポリマー中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの比率は、カールをしっかり付ける観点、及び本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした後の毛髪のベタつきを軽減させる観点から、10質量%以上であって、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上であり、本発明のグラフトポリマーの水分散性を向上させる観点から、70質量%以下であって、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。成分(A)中におけるオルガノポリシロキサンセグメントの含有量は、NMRで測定できる。
また、成分(A)の水分散性を向上させる観点、カールをしっかり付ける観点、及び本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした後の毛髪のベタつきを軽減させる観点から、オルガノポリシロキサンセグメント(a)と、不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)は、好ましくは10/90以上、より好ましくは20/80以上、更に好ましくは30/70以上、更に好ましくは35/65以上であり、また、好ましくは70/30以下、より好ましくは65/35以下、更に好ましくは60/40以下である。
なお、本明細書において、前記質量比(a/b)は、成分(A)のグラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、「製造時に配合されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの総質量(c)」と、「「製造時に配合される不飽和単量体の総質量(d)」から「製造時に生成するオルガノポリシロキサンに結合していない不飽和単量体由来の重合体の総質量(e)」を差し引いた値」との比(c/(d−e))と同一であるとみなす(下式(I))。
a/b=c/(d−e) (I)
また、隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメントの数平均分子量(MNg)(以下、「グラフト点間分子量」ということがある)は、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした場合のセット力とセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは500以上、より好ましくは700以上、更に好ましくは1000以上、更に好ましくは1500以上であり、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは1万以下、より好ましくは5000以下、更に好ましくは3000以下、更に好ましくは2500以下である。
ここで、「隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメント間におけるオルガノポリシロキサンセグメント」とは、下記式に示すように、不飽和単量体由来の重合体セグメントのオルガノポリシロキサンセグメントに対する結合点(結合点A)から、これに隣接する不飽和単量体由来の重合体セグメントの結合点(結合点B)までの2点間において破線で囲まれた部分であって、1つのR1SiO単位と、1つのR2と、y+1個の(R1)2SiO単位とから構成されるセグメントをいう。
Figure 2018197219
式中、R1はそれぞれ独立に炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上14以下のアリール基を示し、R2はヘテロ原子が含まれていてもよいアルキレン基を示し、−W−R5は不飽和単量体由来の重合体セグメントを示し、R5は重合開始剤の残基又は水素原子を示し、yは正の数を示す。
グラフト点間分子量は、上記式において破線で囲まれた部分の分子量の平均値であって、不飽和単量体由来の重合体セグメント1モル当たりのオルガノポリシロキサンセグメントの質量(g/mol)と解することができる。グラフト点間分子量は、成分(A)のグラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合であって、かつすべてのラジカル反応性官能基と不飽和単量体由来の重合体とが結合している場合には、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりに存在するラジカル反応性官能基モル数(mol/g)の逆数の値と同一とみなされる。
また、主鎖を構成するオルガノポリシロキサンセグメントの重量平均分子量(MWsi)は、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上、更に好ましくは15000以上である。MWsiは、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは20万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは6万以下、更に好ましくは5万以下である。
成分(A)のグラフトポリマーが後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造される場合には、オルガノポリシロキサンセグメントは、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンと共通の骨格を有するため、MWsiはラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWra)と略同一であり、本発明においては同一と見なす。なお、MWraは、実施例に記載の測定条件によるゲル浸透クロマトグラフ法(GPC)で測定し、ポリスチレン換算したものである。
成分(A)のグラフトポリマーの重量平均分子量(MWt)は、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは14,000以上、更に好ましくは17,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは160,000以下、更に好ましくは130,000以下、更に好ましくは95,000以下である。当該範囲内であれば、十分な皮膜強度を確保でき、加えて水分散性が優れるようになり、また、べたつかず、かつセット力及びセット後の毛髪形状の保持力がより一層向上したものとすることができる。本明細書において、MWtは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
また、成分(A)のグラフトポリマーをラジカル反応性オルガノポリシロキサンから製造する場合に、MWraと前述の質量比(a/b)の逆数から下式(II)を用いて得られる成分(A)の計算上の重量平均分子量(MWtcalc)は、成分(A)を含有する毛髪化粧料で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは10,000以上、より好ましくは14,000以上、更に好ましくは17,000以上、更に好ましくは30,000以上であり、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは200,000以下、より好ましくは160,000以下、更に好ましくは130,000以下、更に好ましくは95,000以下である。
MWtcalc=MWra×{1+質量比(b/a)} (II)
<オルガノポリシロキサングラフトポリマーの製造方法>
成分(A)のグラフトポリマーの製造方法としては特に制限はないが、例えば(i)反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンと、該反応性官能基と反応しうる官能基を末端に有する不飽和単量体由来の重合体セグメントを反応させるgraft-onto法(高分子反応法)、(ii)後述のラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合させるgraft-from法等が挙げられる。これらの中では製造時の負荷低減の観点から、(ii)ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合させるgraft-from法が好ましい。
以下、graft-from法による成分(A)のグラフトポリマーの製造方法に関して説明する。
(ラジカル反応性オルガノポリシロキサン)
成分(A)のグラフトポリマーは、下記一般式(4)又は(5)で示されるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体をラジカル重合することにより製造することができる。
Figure 2018197219
式中、R11は、それぞれ独立に炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上14以下のアリール基を表し、R12は、ラジカル反応性官能基を有するアルキル基(以下「ラジカル反応性基含有アルキル基」ともいう)を表す。
一般式(4)及び(5)中、R11の好ましい様態は、前記一般式(1)及び(2)中のR1の好ましい様態と同様である。また、一般式(4)及び(5)中のp及びqは、それぞれ前記一般式(1)及び(2)のp及びqと同義であり、好ましい様態は、それぞれ一般式(1)及び(2)中のp及びqの好ましい様態と同様である。
本発明においてラジカル反応性官能基とは、ラジカルを発生し得る官能基のことをいい、例えば、エチレン性不飽和基、クロロ基やブロモ基等のハロゲノ基、スルファニル基(メルカプト基)等が挙げられる。これらの中では不飽和単量体との反応性、分子量制御の観点からスルファニル基が好ましい。
一般式(4)及び(5)において、R12で示されるラジカル反応性基含有アルキル基の炭素数は、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの入手の容易性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
なお、ラジカル反応性基含有アルキル基の炭素数には、ラジカル反応性官能基が炭素を有する場合であってもラジカル反応性官能基の炭素数は含まれず、またラジカル反応性基含有アルキル基が前述の1価の基が置換したものであった場合も、該1価の基の炭素数は含まれない。
一般式(4)及び(5)において、R12で示されるラジカル反応性基含有アルキル基は、水酸基、アミノ基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、ジアルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基と炭素数2以上4以下の脂肪酸が脱水縮合して得られるアミド基、カルボキシ基及びアルキル(炭素数1以上3以下)エステル基から選ばれる1つ以上の1価の基が置換していてもよい。これら置換基のうち、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの製造原料の入手容易性の観点から、アセトアミド基、アルキル(炭素数1以上3以下)アミノ基、アミノ基が好ましい。
一般式(4)及び(5)において、R12で示されるラジカル反応性基含有アルキル基は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−COO−、−NHCO−、及び−NR13CO−から選ばれる1つ以上の原子又は官能基によって分断されていてもよい。ここでR13は、炭素数1以上3以下のアルキル基である。ラジカル反応性基含有アルキル基が上記原子又は官能基によって分断されている場合は、ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの入手性又は製造の容易さの観点から、−NHCO−によって分断されていることが好ましい。
本発明におけるラジカル反応性基含有アルキル基の具体例としては、下記式(xvi)〜(xix)が挙げられ、なかでもラジカル反応性オルガノポリシロキサンの製造上、又は入手の容易さの観点から、下記式(xviii)及び(xix)が好ましい。式(xix)中のX11及びR14、並びにそれらの好ましい様態は、それぞれ前記式(xii)中のX1及びR4、並びにそれらの好ましい様態と同様である。
Figure 2018197219
ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWra)は、本発明においては前記MWsiと同一とみなされ、よって、その好ましい様態も前記MWsiの好ましい様態と同様である。なお、本発明においてMWraは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりに存在するラジカル反応性官能基のモル数は、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは1/500mol/g以下、より好ましくは1/700mol/g以下、更に好ましくは1/1000mol/g以下であり、成分(A)の水分散性の観点から、好ましくは1/1万mol/g以上、より好ましくは1/5000mol/g以上、更に好ましくは1/3000mol/g以上である。
ラジカル反応性基がスルファニル基であるラジカル反応性オルガノポリシロキサンは市販品としても入手することができ、例えば「KF-2001」(信越化学工業社製)等がある。
(反応性官能基を有するオルガノポリシロキサン)
またラジカル反応性オルガノポリシロキサンは、下記一般式(6)又は(7)で示される反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンと、ラジカル反応性付与剤とを反応させて得ることもできる。一般式(6)及び(7)で示される反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンは、種々の構造のものが市販されており、入手が容易である。
Figure 2018197219
式中、R21は、それぞれ独立に炭素数1以上22以下のアルキル基又は炭素数6以上14以下のアリール基を表し、R22は反応性官能基を有するアルキル基(以下「反応性基含有アルキル基」ともいう)を表す。p及びqは、それぞれ前記一般式(4)及び(5)のp及びqと同義であり、好ましい様態は、それぞれ一般式(4)及び(5)中のp及びqの好ましい様態と同様である。また、一般式(6)及び(7)中のR21の好ましい様態は、前記一般式(4)及び(5)におけるR11の好ましい様態と同様である。
本発明において反応性官能基とは、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、又はエポキシ基をいう。反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンは、水酸基、アミノ基、カルボキシ基、及びエポキシ基から選ばれる1種以上の置換基を有している。反応性官能基としては、入手性の観点から、水酸基、アミノ基、エポキシ基が好ましく、反応性及び取扱い性の観点から、アミノ基が好ましい。
一般式(6)及び(7)において、R22で示される反応性基含有アルキル基の炭素数は、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの入手の容易性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、また、成分(A)の水分散性を向上させる観点から、好ましくは15以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは5以下である。
本発明における反応性基含有アルキル基の具体例としては、下記式(xx)〜(xxvii)が挙げられ、入手性の観点から、(xx)〜(xxiii)から選ばれる一種以上が好ましく、反応性の観点から、(xxiii)がより好ましい。
Figure 2018197219
反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの重量平均分子量(MWsim)は、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上、更に好ましくは1万以上、更に好ましくは15000以上であり、また、成分(A)の水分散性の観点から、好ましくは20万以下、より好ましくは10万以下、更に好ましくは6万以下、更に好ましくは5万以下である。なお、本発明においてMWsimは、実施例に記載の測定条件によるGPCで測定し、ポリスチレン換算したものである。
反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの単位質量当たりに存在する反応性官能基のモル数は、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした場合のセット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは1/500mol/g以下、より好ましくは1/700mol/g以下、更に好ましくは1/1000mol/g以下であり、成分(A)の水分散性の観点から、好ましくは1/10000mol/g以上、より好ましくは1/5000mol/g以上、更に好ましくは1/3000mol/g以上である。
(ラジカル反応性付与剤)
本発明においてラジカル反応性付与剤とは、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基と反応して、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンにラジカル反応性官能基を付加する剤をいう。
ラジカル反応性付与剤としては、分子内にラジカル反応性官能基と、前記反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基と反応可能なカルボキシ基、エステル基、エポキシ基、ヒドロキシル基、及びラクトン類から選ばれる一種以上の官能基とを有する化合物を用いることができ、前記反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基が、水酸基、アミノ基、又はエポキシ基である場合には、置換基を有していてもよいチオラクトン類を用いることができる。
ラジカル反応性付与剤のラジカル反応性官能基及びその好ましい様態は、前記ラジカル反応性オルガノポリシロキサンのラジカル反応性官能基及びその好ましい様態と同様である。なかでも、重合時の反応性の観点から、ラジカル反応性付与剤はラジカル反応性官能基として、スルファニル基(メルカプト基)を有しているものが好ましく、例えば、3-メルカプトプロピオン酸等のスルファニル基とカルボキシ基を分子内に有する化合物、γ-ブチロラクトンチオール等のスルファニル基を有するラクトン類等が挙げられる。また、置換基を有していてもよいチオラクトンとしては、γ-チオブチロラクトン、N-アセチル-DL-ホモシステインチオラクトン、DL-ホモシステインチオラクトン塩酸塩等が挙げられる。これらのうち、ラジカル反応性付与剤としては、反応性オルガノポリシロキサンとの反応性、重合時の反応性を向上させる観点から、N-アセチル-DL-ホモシステインチオラクトンが好ましい。
ラジカル反応性付与剤の使用量は、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基の総量に対し、反応性の観点から、0.8当量以上が好ましく、0.9当量以上がより好ましく、また、反応後の未反応のラジカル反応性付与剤を低減させる観点から、1.2当量以下が好ましく、1.1当量以下がより好ましい。
(ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの製造)
ラジカル反応性付与剤と反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとの反応では、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。環境負荷低減の観点から、溶媒は用いないことが好ましい。
反応温度は、反応性を向上させる観点から、70℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、得られるラジカル反応性ポリシロキサンの化学的安定性を向上させる観点から、200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
反応時間は、反応を十分に進行させる観点から、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、生産性の観点から、10時間以下が好ましく、5時間以下がより好ましい。
反応は、得られるラジカル反応性オルガノポリシロキサンの反応性の観点から、反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基とラジカル反応性付与剤の少なくとも一方の転化率が、80%以上となるまで行うことが好ましく、90%以上となるまで行うことがより好ましい。
転化率の測定法は、反応に用いる反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基、及びラジカル反応性付与剤によって異なるが、いずれも公知の方法によって測定できる。例えば反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンの反応性官能基がアミノ基であり、ラジカル反応性付与剤がチオラクトン類である場合には、アミノ基の転化率は「石油製品全塩基価試験方法(過塩素酸法)」(JIS K2501)によって求められ、またチオラクトン類の転化率は、液体クロマトグラフ法を用いて求めることができる。
(オルガノポリシロキサングラフトポリマーの製造)
ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの存在下、不飽和単量体を重合させる方法は特に限定されず、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等を採用しうるが、なかでも溶液重合法が好ましい。
原料となる不飽和単量体の使用量は、成分(A)の水分散性の観点から、原料となるラジカル反応性オルガノポリシロキサンと原料となる不飽和単量体の総量に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上であり、また、本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした後の毛髪のべたつき低減の観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下である。
原料となる不飽和単量体中のDMAAmの含有量は、成分(A)の水分散性の観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは75質量%以上であり、また、カールをしっかり付ける観点、及び本発明の整髪料組成物で毛髪をセットした後の毛髪のべたつき低減の観点から、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
不飽和単量体中のDMAAmの含有量が100質量%でない場合、不飽和単量体はDMAAmと共重合可能な不飽和単量体(ただし、DMAAmを除く)を含有する。該不飽和単量体の具体例及び好ましい様態は、上述したDMAAmと共重合可能な不飽和単量体の具体例及びその好ましい様態と同様である。
不飽和単量体の重合を溶液重合法で行う場合、用いる溶媒としては、原料であるラジカル反応性オルガノポリシロキサン、不飽和単量体、及び得られる成分(A)のいずれもが溶解又は均一に分散すれば特に制限はない。
溶媒の具体例としては、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中で、より均一な側鎖分子量分布を有する成分(A)を得る観点から、水、エタノール、イソプロパノール等の炭素数1以上8以下のアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチル等の炭素数2以上8以下のエステル、ジエチルエーテル、及びテトラヒドロフラン等の炭素数2以上8以下のエーテルから選ばれる1種以上の溶媒を用いることが好ましく、整髪料組成物へのグラフトポリマー製造時の溶媒の持ち込みの観点から、水、エタノール等の炭素数1以上3以下のアルコールから選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。
溶媒の使用量は、原料であるラジカル反応性オルガノポリシロキサン、不飽和単量体及び得られるオルガノポリシロキサングラフトポリマーのいずれもが溶解又は均一に分散すれば特に制限はないが、製造時の操作の容易性、及び生産性の観点から、製造時に投入するラジカル反応性オルガノポリシロキサン及び不飽和単量体の総質量に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更に好ましくは100質量%以上であり、また、反応性の観点から、好ましくは1000質量%以下、より好ましくは900質量%以下、更に好ましくは400質量%以下、更に好ましくは300質量%以下である。
重合開始剤としては、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル等の過酸化物系開始剤;過硫酸アンモニウム等の過硫酸系開始剤等が挙げられる。また光照射等によりラジカルを発生させることにより重合を開始してもよい。重合開始剤としては、反応性の観点から、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)が好ましい。重合開始剤の使用量は特に制限がないが、得られる成分(A)のグラフトポリマーの重量平均分子量の観点から、投入する不飽和単量体の総質量に対して、好ましくは10質量%以下、より好ましくは1質量%以下であり、また、反応性の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上である。
重合反応時の温度は、用いる重合開始剤、溶媒の種類等により適宜選択できるが、重合反応速度の観点から、好ましくは50℃以上、より好ましくは60℃以上である。また、重合反応に用いる設備負荷低減のため常圧で反応させることが好ましく、溶媒の沸点以下で反応させる観点から、重合反応時の温度は、好ましくは100℃以下、より好ましくは90℃以下である。
重合反応は、不飽和単量体の転化率が80%以上になるまで行うことが好ましく、90%以上まで行うことがより好ましい。転化率の上限は100%である。なお、不飽和単量体の転化率は、核磁気共鳴(1H-NMR)分析により求めることができる。具体的な操作については、実施例に記載する。
重合反応時間は通常0.1時間以上60時間以下であり、操作性の観点から、好ましくは0.5時間以上、より好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上、更に好ましくは4時間以上であり、また、生産性の観点から、好ましくは30時間以下、より好ましくは20時間以下、更に好ましくは10時間以下である。重合反応を、原料を滴下や分割添加等、時間をかけて添加する場合、重合反応時間は、原料の添加に要する時間を含む。重合反応の時間は、例えば重合反応温度を上げることで短時間化が可能であり、重合温度に応じて変えることができる。
原料となるラジカル反応性オルガノポリシロキサン、不飽和単量体、溶媒、重合開始剤等は一括添加して重合反応を行ってもよいが、組成をコントロールするために、分割添加又は滴下して重合反応を行ってもよい。例えば、(1)ラジカル反応性オルガノポリシロキサン、不飽和単量体、溶媒を混合して加熱し、そこに開始剤を溶解させた溶液を一括あるいは滴下で添加する方法;(2)溶媒を加熱したところに、ラジカル反応性オルガノポリシロキサン、不飽和単量体、開始剤をそれぞれ別々に又は混合させて溶媒に溶解させた溶液を滴下する方法;(3)ラジカル反応性オルガノポリシロキサン、不飽和単量体の一部及び溶媒を混合して加熱し、そこに開始剤及び不飽和単量体の残部を溶解させた溶液を一括あるいは滴下で添加する方法等がある。
また重合反応終了後に必要に応じて公知の方法によって精製や未反応の不飽和単量体の低減等を行ってもよい。例えば、重合開始剤を添加して加熱することや膜精製、吸着剤処理等による未反応の不飽和単量体やその他不純物の低減を行ってもよい。
成分(A)のグラフトポリマーは、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感と毛先がランダムな方向を向いた動きのあるウェーブスタイルに仕上げる観点から、不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)に対する前述したオルガノポリシロキサンセグメント(a)の質量比(a/b)が、10/90以上50/50以下であるもの(以下、「成分(A1)」という)と、50/50を超え70/30以下であるもの(以下、「成分(A2)」という)の両方を含有することが好ましい。成分(A1)のa/bは、上記の観点から、好ましくは20/80以上、より好ましくは30/70以上であり、かつ、好ましくは48/52以下、より好ましくは46/54以下である。また成分(A2)のa/bは、上記の観点から、好ましくは52/48以上、より好ましくは54/46以上であり、かつ、好ましくは60/40以下、より好ましくは58/42以下である。
更に、同様の観点から、成分(A1)に対する成分(A2)の質量比[(A2)/(A1)]は、好ましくは1/99以上、より好ましくは3/97以上、更に好ましくは4/96以上、更に好ましくは5/95以上であり、また、好ましくは98/2以下、より好ましくは70/30以下、更に好ましくは30/70以下であり、更に好ましくは15/85以下である。
本発明の整髪料組成物中における成分(A)のグラフトポリマーの含有量は、整髪時の優れたセット性及び整髪後の毛髪形状持続力を付与する観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、整髪時の優れたセット性及び整髪後の毛髪形状持続力の付与と、柔軟な仕上がりの両立の観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3.5質量%以下、更に好ましくは3.0質量%以下である。
なお、整髪料組成物がエアゾール式整髪料組成物の場合、上記成分(A)の含有量は、エアゾール式整髪料組成物から噴射剤を除いた成分(原液ともいう)を100質量%としたときの割合である。以下、他の成分についても同様である。
〔成分(B):オルガノシロキサンセグメント骨格を有しない非架橋型被膜形成ポリマー〕
本発明で用いる成分(B)の非架橋型被膜形成ポリマーは、オルガノシロキサンセグメント骨格を有しないものであり、例えば、以下の(b-1)及び(b-2)から選ばれる1種以上の単量体に由来する構成単位を含む被膜形成ポリマーが挙げられる。
(b-1) ビニルピロリドン
(b-2) (メタ)アクリル酸又はそのエステル若しくはアミド
なお、成分(B)の非架橋型被膜形成ポリマーには、上記(b-1)に由来する構成単位と上記(b-2)に由来する構成単位の両方を含むものも包含されるが、以下、そのような被膜形成ポリマーは、便宜上、(b-1)に由来する構成単位を含む被膜形成ポリマーに分類して記載する。
(b-1)ビニルピロリドンに由来する構成単位を含む被膜形成ポリマーの具体例としては、
・カチオン性ポリマーとして、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(INCI名Polyquaternium-11;ガフカット734、ガフカット755N、ガフカット755N-O(以上、ISP社製)等)、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(INCI名Polyquaternium-55;スタイラーゼW-20(ISP社)等)、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体(INCI名Polyquaternium-52;ソフケアKG-101W-E(花王社製))、(PVP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー(アクアフレックスSF-40(アシュランド社製)等)、(ビニルピロリドン/アクリル酸DMAPA)コポリマー(スタイリーゼCC-10(アシュランド社製)等)、ビニルイミダゾリウムメタクロライド/ビニルピロリドン共重合体(INCI名POLYQUATERNIUM-16;ルビカットHM552(BASF社製)等)、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体(ルビフレックス(BASF社製)、コポリマー845、コポリマー937、コポリマー958(以上、アシュランド社製)等)、ポリビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体コポリマー(VC-713(アシュランド社製)等)などが挙げられ、
・非イオン性ポリマーとして、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK17、ルビスコールK30、ルビスコールK90(以上、BASF社製)等)、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA73E、ルビスコールVA73W、ルビスコール37E(以上、BASF社製)等)、ビニルピロリドン・メタクリルアミド・ビニルイミダゾール共重合体(ルビセットクリア(BASF社製)等)、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル三元共重合体(ルビスコールVAP343(BASF社製)等)などが挙げられる。
これらのうち、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体)から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ビニルピロリドン・ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド・ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸ジエチル硫酸塩・N,N-ジメチルアクリルアミド・ジメタクリル酸ポリエチレングリコール共重合体、ポリビニルピロリドンから選ばれる少なくとも1種がより好ましい。
(b-2) (メタ)アクリル酸又はそのエステル若しくはアミドに由来する構成単位を含む被膜形成ポリマーの具体例としては、
・アニオン性ポリマーとして、アクリル樹脂アルカノールアミン液(プラスサイズL-53P、プラスサイズL-9540B(以上、互応化学工業社製)等)、アクリル酸/アクリル酸エステル共重合体(ダイヤホールド(三菱化学社製)等)、アクリル酸/アクリル酸アミド/アクリル酸エチル共重合体(アンフォーマーV-42、ダーマクリル79(以上、アクゾノーベル社製)、ウルトラホールド8、ウルトラホールドstrong(以上、BASF社製)等)、アクリル酸アルキル共重合体(アニセットNF-1000、アニセットHS-3000(以上、大阪有機化学工業社製)等)、(アクリル酸アルキル/オクチルアクリルアミド)コポリマー(アンフォーマーHC(アクゾノーベル社製)等)、アクリレーツコポリマー(ティラマーFix A1000(DSM社製)、ルビマー100P(BASF社製)等)、(アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシアルキル)コポリマー(アキュダイン180(ダウ・ケミカル社製)等)、(アクリレーツ/コハク酸アルキル(C1,2)/アクリル酸ヒドロキシアルキル)コポリマー(アキュダインLT-120(ダウ・ケミカル社製)等)が挙げられ、
・非イオン性ポリマーとして、(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-23)コポリマー(特開2015-13842号公報に記載)、(ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー(プラスサイズL-2700、プラスサイズL-2714(以上、互応化学工業社製)等)が挙げられ、
・カチオン性ポリマーとして、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(INCI名Polyquaternium-99;プラスサイズL-515(互応化学工業社製)等)、アルキルアクリルアミド/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(特開平8-291206号公報に記載)が挙げられ、
・両性ポリマーとして、アクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体(ダイヤフォーマーZ651(三菱化学社製)等)、メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキル共重合体(ユカフォーマーM75、ユカフォーマーR205(以上、三菱化学社製)等)、オクチルアクリルアミド・アクリル酸ヒドロキシプロピル・メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(アンフォーマー28-4910、アンフォーマーSH30(以上、アクゾノーベル社製)等)が挙げられる。
これらのうち、アクリレーツ・アクリル酸ラウリル・アクリル酸ステアリル・メタクリル酸エチルアミンオキシド共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン液、(アクリレーツ/メタクリル酸メトキシPEG-23)コポリマー、アルキルアクリルアミド/アクリレート/アルキルアミノアルキルアクリルアミド/ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
以上の成分(B)は、いずれかを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、好ましいものとして挙げたポリマーの2種以上を併用することがより好ましい。
本発明の整髪料組成物中における成分(B)の非シリコーン非架橋型被膜形成ポリマーの含有量は、セット力及びセット後の毛髪形状の保持力を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.15質量%以上であり、また、セット時のべたつきの軽減及びセット後の柔軟性を向上させるの観点から、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
本発明の整髪料組成物は、特定のオルガノポリシロキサングラフトポリマーと特定の被膜形成ポリマーを含む。このような特定のポリマーを2種含み、更に界面活性剤を含むことで、その詳細なる理由は不明なるも、仕上がりの手触りが柔軟で自然でありながら、カールがしっかり付き、リッジや陰影がはっきりと付いており毛先がランダムな方向を向いた立体感のあるウェーブスタイルに仕上げることができ、整髪後の物理的刺激にも優れた持続性を有する整髪料組成物が得られることがわかった。
検討の結果、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)は、成分(A)の有するセット後の柔軟な感触と、リッジや陰影がはっきりと付いた立体感のある仕上がりの両立の観点から、1以上であって、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、更に好ましくは5以上であり、また、セット後の毛髪形状の保持力向上の観点から、100以下であって、好ましくは90以下、より好ましくは70以下、更に好ましくは30以下、更に好ましく15以下である。
〔成分(C):界面活性剤〕
本発明の整髪料組成物には、溶剤の可溶化、分散性等を含めた系の安定性、及び感触向上の観点から、界面活性剤を含有させることができる。界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤のいずれをも使用できる。
カチオン界面活性剤としては、次の一般式(8)で表される第4級アンモニウム塩が挙げられる。
Figure 2018197219
〔式中、R及びR'は各々独立して水素原子、炭素数1〜28のアルキル基又はベンジル基を示し、同時に水素原子、ベンジル基若しくは炭素数1〜3の低級アルキル基又はこれらの組み合わせとなる場合を除く。An-はアニオンを示す。〕
ここでR及びR'は、その一方が炭素数16〜24、更には22のアルキル基、更には直鎖アルキル基であるのが好ましく、また他方は炭素数1〜3の低級アルキル基、更にはメチル基であるのが好ましい。
アニオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、乳酸イオン、サッカリンイオン等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル四級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルベンザルコニウム等が挙げられ、なかでも塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、高級脂肪酸ショ糖エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸モノ又はジエタノールアミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、アルキルサッカライド系界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド等が挙げられる。これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油から選ばれる少なくとも1種が好ましく、なかでもポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
両性界面活性剤としてはイミダゾリン系、カルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系等が挙げられる。中でも、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン等のベタイン系界面活性剤が好ましく、なかでも脂肪酸アミドプロピルベタインが好ましい。脂肪酸アミドプロピルベタインは、炭素数8〜18、更には炭素数10〜16のアシル基を有するものが好ましく、なかでもラウリン酸アミドプロピルベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン等から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
アニオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、α-スルホン脂肪酸塩、N-アシルアミノ酸型界面活性剤、リン酸モノ又はジエステル型界面活性剤、スルホコハク酸エステル等が挙げられる。上記界面活性剤のアニオン性残基の対イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン、マグネシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;炭素数2又は3のアルカノール基を1〜3個有するアルカノールアミン(例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等)を挙げることができる。またカチオン性残基の対イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン、メトサルフェートイオン、サッカリネートイオンを挙げることができる。
これらのうち、塗布時の感触を向上させる観点から、カチオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種が好ましい。界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、本発明の整髪料組成物中の含有量は、溶剤の可溶化、油剤の乳化等を含めた系の安定性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは5質量%以下、より好ましくは4質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
また、成分(C)に対する成分(A)と(B)の合計の質量比[(A)+(B)]/(C)は、カールの付けやすさ、リッジや陰影がはっきりと付いており毛先がランダムな方向を向いた立体感のあるウェーブスタイルに仕上げられることと、セットの持続性向上の観点から、1.30以上であって、好ましくは1.35以上、より好ましくは1.50以上であり、また、セット後の毛髪の柔軟性向上の観点から、30以下であって、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
〔成分(D):シリコーン〕
本発明の整髪料組成物には、更に成分(D)として成分(A)以外のシリコーンを含有させることができる。シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、脂肪酸変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が例示される。中でも、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
毛髪への塗布時において、ジメチルポリシロキサンは、毛髪に良好な潤滑性を付与することができ、ポリエーテル変性シリコーンは、毛髪に滑らかさを付与することができ、アミノ変性シリコーンは、毛髪にしっとり感を付与することができる。本発明においては、求める性能に応じて、各種のシリコーン類を単独で又は2種以上を使用することができる。
ジメチルポリシロキサンとしては、求める感触に応じて5mm2/s程度の粘度のものから、エマルションとして供給される場合が多い1,000万mm2/s程度の粘度のものまで使用できる。ジメチルポリシロキサンの粘度は、好ましくは1,000mm2/s以上、より好ましくは1万mm2/s以上であり、また、好ましくは500万mm2/s以下、より好ましくは100万mm2/s以下である。
ポリエーテル変性シリコーンの粘度は、好ましくは50mm2/s以上、より好ましくは1000mm2/s以上であり、また、好ましくは50万mm2/s以下、より好ましくは10万mm2/s以下である。ポリエーテル変性シリコーンは、ポリオキシアルキレン基を有するシリコーン類であればよく、ポリオキシアルキレン基を構成する基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基を挙げることができる。市販品としては、例えば、「KF-6015」、「KF-945A」、「KF-6005」、「KF-6009」、「KF-6013」、「KF-6019」、「KF-6029」、「KF-6017」、「KF-6043」、「KF-353A」、「KF-354A」、「KF-355A」(以上、信越化学工業社製)、「FZ-2404」、「SS-2805」、「FZ-2411」、「FZ-2412」、「SH3771M」、「SH3772M」、「SH3773M」、「SH3775M」、「SH3749」、「SS-280Xシリーズ」、「BY22-008M」、「BY11-030」、「BY25-337」(以上、東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンとしては、平均分子量が約3,000以上10万以下の、アモジメチコーン(Amodimethicone)の名称でICID(米国化粧品工業会発行,International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook)第16版中に記載されているものが好ましい。このアミノ変性シリコーンは水性乳濁液として用いるのが好ましく、市販品としては、「SM 8904」、「CB-1002」(東レ・ダウコーニング社製)、「XF42-B8922」(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)等が挙げられる。
これらのシリコーンは単独で又は2種以上を組み合わせて含有することができる。本発明の整髪料組成物中における成分(D)の含有量は、指通り性や、べたつき感のなさを向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、また、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
〔成分(E):油剤〕
本発明の整髪料組成物には、乾燥後の毛髪のまとまり感向上のため、更に成分(E)として油剤を含有させることができる。油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマー、流動パラフィン、シクロパラフィン、水添ポリイソブテン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボカド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、カルナウバロウ等のロウ類;セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2-オクチルドデカノール等の高級アルコール類;ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類;コレステロール、ワセリン、コレステリルイソステアレート、スフィンゴ脂質等の固体脂;その他、ホホバ油、イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ビスメトキシプロピルアミドイソドコサンなどが挙げられる。これらの中から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明の整髪料組成物中における油剤の含有量は、まとまりの良さや、べたつき感のなさの点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上であり、また、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下である。
〔その他の任意成分〕
更に、本発明の整髪料組成物には、商品価値を高めるために香料や色素、整髪料組成物の経日的変質防止のために防腐剤や酸化防止剤を添加することができ、また、更に必要に応じて、調湿剤、硬化剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、増粘剤、紫外線吸収剤、有色染料、染料定着剤、噴射剤等を添加することもできる。
〔媒体〕
溶媒(支持媒体)としては、水、低級アルコール(エタノール、イソプロパノール等)、ラクトン類等を使用することができ、これらは単独で又は混合して用いることができる。これらのうち、汎用性及び整髪料組成物の溶解性、分散性確保の観点から、水、エタノール又は水とエタノールの混合系が好ましい。また、溶媒に水を含有する場合には、水の含有量は、整髪料組成物中の60質量%以上、更には65質量%以上、更には70質量%以上が好ましい。
〔剤型〕
本発明の整髪料組成物の剤型としては、特に制限はなく、透明液状、ローション状、乳液状、ジェル状、泡状(エアゾール、ノンエアゾール)等が可能である。
本発明の整髪料組成物は、カールがしっかり付き、リッジや陰影がはっきりと付き、毛先がランダムな方向を向いた立体感のあるウェーブスタイルに仕上げられる点から、噴射剤を含有させたエアゾール型整髪毛髪化粧料とすることが好ましい。
噴射剤としては、通常エアゾール型化粧料に用いられているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、プロパン、ブタン又はそれらの混合物(液化石油ガスを含む)等の低級飽和炭化水素、ジメチルエーテル等のエーテル類、窒素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガス等を使用することができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。原液と噴射剤の質量比(原液/噴射剤)は、好ましくは10/90以上、より好ましくは40/60以上であり、また、好ましくは99/1以下、より好ましくは90/10以下である。
合成例1 ポリシリコーン-28(成分(A)のポリマー)の合成
(1) ラジカル反応性オルガノポリシロキサンの合成
還流冷却管、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに反応性官能基を有するオルガノポリシロキサンとして、側鎖一級アミノプロピル変性オルガノポリシロキサン(重量平均分子量30,000、単位質量当たりのアミノ基のモル数;1/2,030mol/g、東レ・ダウコーニング社製)を100g、N-アセチル-DL-ホモシステインチオラクトンを8g仕込んだ。窒素雰囲気下で、100℃に昇温し、3時間撹拌し、スルファニル基を有するラジカル反応性オルガノポリシロキサンAを合成した。電位差滴定測定によりアミノ基の残存量を測定したところ、原料とした側鎖一級アミノイソプロピル変性オルガノポリシロキサンのアミノ基の99%がN-アセチル-DL-ホモシステインチオラクトンと反応していた(アミノ基転化率99%)。したがってラジカル反応性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数は1/2,210mol/gである。GPC測定により求めたラジカル反応性オルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、30,000であった。
(2) オルガノポリシロキサングラフトポリマーの合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール101.0gを仕込んだ。エタノールを窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に1時間かけて滴下した。
溶液(a):N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAAm)76.8g、N-tert-ブチルアクリルアミド(tBuAAm)19.2g、エタノール96.0gを混合した溶液。
溶液(b):前記(1)にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサンA 64.0g、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)「V-65B」(和光純薬工業社製、アゾ系重合開始剤)0.03g、エタノール43.0gを混合した溶液。
滴下終了後、反応混合物を80℃で3時間撹拌したのち冷却した。反応時間は計4時間である。反応混合物から室温(25℃)、減圧下(20kPa)で4時間かけてエタノールを除去し、オルガノポリシロキサングラフトポリマーBを含む混合物を白色固体として得た。後述の方法でスルファニル基の残存率を測定したところ、3%であった。
得られた混合物について後述の方法に従って、反応終了後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーBを含む混合物中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体の含有量を測定したところ、29質量%であった。
オルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)を前記数式(I)により算出したところ、56/44であった。
(スルファニル基の残存率の算出方法)
10mLのスクリュー管に、オルガノポリシロキサングラフトポリマーの50質量%エタノール溶液を0.6g、N-エチルマレイミド(シグマアルドリッチ製)の10質量%エタノール溶液を0.15g、エタノールを0.55g入れ、室温で2時間撹拌した。撹拌終了後、エタノール1gを加え、その溶液をガスクロマトグラフィーにて分析し、N-メチルマレイミド量を定量した。N-メチルマレイミドの消費率からスルファニル基の残存量を算出し、この値とスルファニル基変性オルガノポリシロキサンの単位質量当たりのスルファニル基のモル数から、スルファニル基の残存率を算出した。
(オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体の含有量の測定方法)
反応終了後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体の含有量の測定は以下のように行った。
重合反応終了後、溶媒を除去した後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーを含む混合液中における該不飽和単量体由来の重合体の含有量(質量%)を液体クロマトグラフィにより測定した。測定条件を以下に示す。
[液体クロマトグラフィの測定条件]
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:230nm)
カラム:ODSカラム「L-column ODS」(一般財団法人 化学物質評価研究機構製、サイズ:4.6×150mm、5μm)
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:2%リン酸水溶液、移動相B:2%リン酸エタノール溶液
流速:0.5mL/min
サンプル濃度とサンプル量:1〜2mg/mL、10.0μL
合成例2 ポリシリコーン-28(成分(A)のポリマー)の合成
還流冷却器、温度計、窒素導入管、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにエタノール96.0gを仕込んだ。エタノールを窒素雰囲気下80℃の還流下で撹拌しながら、下記溶液(a)及び溶液(b)をそれぞれ別の滴下ロートに入れ、同時に1時間かけて滴下した。
溶液(a):N,N-ジメチルアクリルアミド(DMAAm)78.4g、N-tert-ブチルアクリルアミド(tBuAAm)33.6g、エタノール112.0gを混合した溶液。
溶液(b):前記合成例1(1)にて合成したラジカル反応性オルガノポリシロキサンA 48.0g、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)「V-65B」(和光純薬工業社製、アゾ系重合開始剤)0.027g、エタノール32.0gを混合した溶液。
滴下終了後、反応混合物を80℃で3時間撹拌したのち冷却した。反応時間は計4時間である。反応混合物から室温(25℃)、減圧下(20kPa)で4時間かけてエタノールを除去し、オルガノポリシロキサングラフトポリマーCを含む混合物を白色固体として得た。前述の方法でスルファニル基の残存率を測定したところ、3%であった。
得られた混合物について前述の方法に従って、反応終了後のオルガノポリシロキサングラフトポリマーCを含む混合物中における、オルガノポリシロキサングラフトポリマーに結合していない不飽和単量体由来の重合体の含有量を測定したところ、29質量%であった。
オルガノポリシロキサンセグメント(a)と不飽和単量体由来の重合体セグメント(b)との質量比(a/b)を前記数式(I)により算出したところ、42/58であった。
実施例1〜13、比較例1〜3
表1〜2に示す原料を常温(25℃)で混合し、エアゾール整髪剤原液を調製した。このエアゾール整髪剤原液と、噴射剤としてのLPG(0.39MPa,20℃)を用い、耐圧容器内の圧力が25℃で0.46MPa、原液/噴射剤(質量比)=93/7で、エアゾール容器に充填した。エアゾール容器は、下記バルブ及びノズルを備えたものを用いた。バルブ:ステム径φ0.5mm、ハウジング径φ0.3mm、ベーパータップ径0mmノズル:口径φ0.5mm
●評価(1)〜(5)
(毛束処理条件)
長さ30cm、重さ1.5gの日本人ウェーブパーマ毛を評価に用いた。この毛束全体が湿るように水で濡らし、サンプルを0.1g塗布して揉み込んでウェーブを出した後に自然乾燥させ、室内にて、白色灯の真下に上記サンプルを置いて、評価(1)〜(5)について、官能評価した。
この一連の処理について、以下の基準に従って官能評価を行った。評価は5人のパネラーによる平均値を示している(小数第1位を四捨五入)。
(評価基準)
(1)カールのつきやすさ
上記の毛束処理条件において、乾燥後の毛束の状態について、以下の判定基準により目視評価した。
5:毛髪にかかっているパーマ以上にしっかりとカールが出ている
4:毛髪にかかっているパーマ以上にややカールが出ている
3:毛髪にかかっているパーマと同程度に毛髪のカールが出ている
2:毛髪にかかっているパーマよりも弱いカールが出る
1:全く毛髪にかかっているパーマのカールが出ない
(2)リッジの出方
上記の毛束処理条件において、乾燥後の毛束の状態について、以下の判定基準により目視評価した。
5:ウェーブのリッジがはっきりと出ている
4:ウェーブのリッジがややはっきりと出ている
3:どちらともいえない
2:ウェーブのリッジがやや出ていない
1:ウェーブのリッジが出ていない
なお、ここでのリッジとは、パーマウェーブがくっきりし、かつ太すぎず細すぎない適度な束感をいうものとする。
(3)陰影の明確さ
上記の毛束処理条件において、乾燥後の毛束の状態について、以下の判定基準により目視評価した。
5:未塗布よりも陰影がはっきりとある
4:未塗布よりも陰影がややある
3:未塗布と同程度の陰影がある
2:未塗布よりも陰影がややない
1:未塗布よりも陰影がない
(4)毛先のランダムさ
上記の毛束処理条件において、乾燥後の毛束の状態について、以下の判定基準により目視評価した。
5:毛髪にかかっているパーマ以上に毛先が様々な方向を向いている
4:毛髪にかかっているパーマ以上に毛髪がやや様々な方向を向いている
3:毛髪にかかっているパーマと同程度に毛先の方向が一定である
2:毛髪にかかっているパーマよりもやや毛先の方向がそろっている
1:毛先の方向が完全にそろっている
(5)髪の柔らかさ
上記の毛束処理条件において、乾燥後の毛束の状態について、以下の判定基準により目視評価した。
5:毛髪が柔らかいと感じる
4:やや毛髪が柔らかいと感じる
3:どちらともいえない
2:あまり毛髪が柔らかいと感じない
1:毛髪が柔らかいと感じない
●評価(6)セット持続性
毛髪の長さがミディアム(髪が肩にかかる程度の長さ)でパーマがかかっている専門パネラー5人の頭髪をモデルシャンプーで洗浄後、ドライヤーで乾燥し、美容師がサンプルを3g塗布して整えた。
その後、4時間日常生活をしてもらい、各パネラーがセットの持続性について以下の判定基準により官能評価を行った。
5:セットの持ちが良い
4:ややセットの持ちが良い
3:どちらともいえない
2:ややセットの持ちが良くない
1:セットの持ちが良くない
Figure 2018197219
Figure 2018197219
*1:製造例1で合成されたオルガノポリシロキサングラフトポリマー
*2:製造例2で合成されたオルガノポリシロキサングラフトポリマー
*3:ガフカット734、ISP社製
*4:ガフカット755N-O、ISP社製
*5:特開2015-13842号公報に記載のポリマー
*6:ルビスコールK90、BASF社製
*7:ルビスコールVA73W、BASF社製
*8:プラスサイズL-9540B、互応化学工業社製
*9:ニッコールBC-20TX、日本サーファクタント工業社製
*10:GE-IS、花王社製
*11:ソフタノール90、日本触媒社製
*12:マクビオブライトMG-10P、日油社製
*13:ウィルブライドS-753、日油社製
*14:ユニルーブ50MB-26、日油社製
*15:カルコール200GD、花王社製
*16:コータミン86W、花王社製
*17:SH3775M、東レ・ダウコーニング社製
*18:ELEMENT14* PDMS 5K-JC(TSF451-5000A)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
*19:エキセパールDG-MI、花王社製
*20:パールリーム4、日油社製
*21:18-MEA、クローダジャパン社製
*22:BRS661、花王社製

Claims (5)

  1. 下記成分(A)、(B)及び(C)を含有し、成分(B)に対する成分(A)の質量比(A)/(B)が1以上100以下であり、成分(C)に対する成分(A)と(B)の合計の質量比[(A)+(B)]/(C)が1.30以上30以下である、整髪料組成物。
    (A) 主鎖としてオルガノポリシロキサンセグメントを有し、側鎖として不飽和単量体由来の重合体セグメントを有するオルガノポリシロキサングラフトポリマーであって、該重合体セグメント中にN,N-ジメチルアクリルアミド由来の繰返し単位を50質量%以上100質量%以下含み、全体中のオルガノポリシロキサンセグメントの比率が10質量%以上70質量%以下である、オルガノポリシロキサングラフトポリマー
    (B) オルガノシロキサンセグメント骨格を有しない非架橋型被膜形成ポリマー
    (C) 界面活性剤
  2. 成分(B)が、以下の(b-1)及び(b-2)から選ばれる1種以上の単量体に由来する構成単位を含む被膜形成ポリマーである請求項1に記載の整髪料組成物。
    (b-1) ビニルピロリドン
    (b-2) (メタ)アクリル酸又はそのエステル若しくはアミド
  3. 成分(A)における不飽和単量体由来の重合体セグメントが、更にN,N-ジメチルアクリルアミドを除く(メタ)アクリルアミド類及び(メタ)アクリレート類から選ばれる1種以上の不飽和単量体由来の繰返し単位を含有する、請求項1又は2に記載の整髪料組成物。
  4. 更に成分(D)として成分(A)以外のシリコーンを0.01質量%以上10質量%以下含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の整髪料組成物。
  5. エアゾール剤型である請求項1〜4のいずれか1項に記載の整髪料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022096054A (ja) * 2020-12-17 2022-06-29 株式会社ミルボン 整髪用組成物、整髪用エアゾールスプレー、及び整髪方法

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