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JP2018178153A - Cu−Si合金粒子を製造する方法、Cu−Si合金粒子、Ni−Si合金粒子を製造する方法、Ni−Si合金粒子、Ti−Si合金粒子を製造する方法、Ti−Si合金粒子、Fe−Si合金粒子を製造する方法、及びFe−Si合金粒子 - Google Patents

Cu−Si合金粒子を製造する方法、Cu−Si合金粒子、Ni−Si合金粒子を製造する方法、Ni−Si合金粒子、Ti−Si合金粒子を製造する方法、Ti−Si合金粒子、Fe−Si合金粒子を製造する方法、及びFe−Si合金粒子 Download PDF

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JP2018178153A
JP2018178153A JP2017074861A JP2017074861A JP2018178153A JP 2018178153 A JP2018178153 A JP 2018178153A JP 2017074861 A JP2017074861 A JP 2017074861A JP 2017074861 A JP2017074861 A JP 2017074861A JP 2018178153 A JP2018178153 A JP 2018178153A
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滋 中澤
Shigeru Nakazawa
滋 中澤
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Tokyo Printing and Equipment Trading Co Ltd
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Abstract

【課題】均一な組成の金属シリサイド合金を製造する方法を提供する。また、均一な組成の金属シリサイド合金粒子を提供する。【解決手段】金属粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、原料の融点以下の温度で熱処理して、金属シリサイド合金粒子を製造する。【選択図】 図1

Description

本発明は、Cu−Si合金粒子、Ni−Si合金粒子、Ti−Si合金粒子、及びFe−Si合金粒子の金属シリサイド合金粒子を製造する方法に関し、また、Cu−Si合金粒子、Ni−Si合金粒子、Ti−Si合金粒子、及びFe−Si合金粒子の金属シリサイド合金粒子に関する。
金属シリサイド合金を製造する方法として、溶製法が知られており、金属原料とSiとを融点以上の高温に加熱し溶融した後に、室温まで冷却して、金属とSiのシリサイド合金を製造する。
しかしながら、高温での金属の蒸気圧が大きい場合には、金属原料の蒸発を抑制するために、高圧容器内で溶融する必要がある。また、状態図にも依るが、種々の組成の合金が混在し、偏析が生ずるおそれがある。
最近では、高エネルギーボールミルを用いて、金属原料粒子とSi粒子を粉砕混合することにより、機械的に合金化するメカニカルアロイイング法も検討されている。
微細粒子の原料を用い、微細粒子表面を活性化して、それぞれの原料の融点以下の温度で、材料間の接触面積を大きくすることによって、固相−固相間で互いの元素の熱拡散によって、均一な組成のCu−Si、Ni−Si、Ti−Si、Fe−Siの金属シリサイド合金を製造する方法を提供することが課題である。また、均一な組成の金属シリサイド合金粒子を提供することも課題である。
そのために、金属原料粉末とSi粉末を比較的低温で固相−固相反応によって均質な組成の金属シリサイド合金粉末を製造するための製造条件を見出すべく鋭意研究した。
当該課題は、請求項1に記載の第1の本発明、すなわち、Cu粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、800〜900℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Cu−Si合金粒子を製造する方法によって、達成される。なお、「アルカリ金属のハロゲン化物」の例として、塩化ナトリウムNaCl、塩化カリウムKCl、臭化ナトリウムNaBr、臭化カリウムKBrを挙げることができる。
また、当該課題は、請求項5に記載の第2の本発明、すなわち、粒度分布が0.1〜50μmであり、平均粒子径D50が1〜5μmであり、かさ密度が2.0〜3.0g/cmである、球状のCu−Si合金粒子によっても、達成される。
また、当該課題は、請求項6に記載の第3の本発明、すなわち、Ni粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、900〜1100℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Ni−Si合金粒子を製造する方法によっても、達成される。なお、「アルカリ金属のハロゲン化物」の例として、塩化ナトリウムNaCl、塩化カリウムKCl、臭化ナトリウムNaBr、臭化カリウムKBrを挙げることができる。
また、当該課題は、請求項10に記載の第4の本発明、すなわち、粒度分布が0.1〜100μmであり、平均粒子径D50が1〜30μmであり、かさ密度が0.7〜0.9g/cmであるNi−Si合金粒子によっても、達成される。
また、当該課題は、請求項11に記載の第5の本発明、すなわち、Ti粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、950〜1150℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Ti−Si合金粒子を製造する方法によっても、達成される。なお、「アルカリ金属のハロゲン化物」の例として、塩化ナトリウムNaCl、塩化カリウムKCl、臭化ナトリウムNaBr、臭化カリウムKBrを挙げることができる。
また、当該課題は、請求項15に記載の第6の本発明、すなわち、粒度分布が0.1〜50μmであり、平均粒子径D50が20〜40μmであり、かさ密度が0.2〜0.4g/cmであり、気孔率が80%以上である、Ti−Si合金粒子によっても、達成される。
また、当該課題は、請求項16に記載の第7の本発明、すなわち、Fe粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、900〜1200℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Fe−Si合金粒子を製造する方法によっても、達成される。なお、「アルカリ金属のハロゲン化物」の例として、塩化ナトリウムNaCl、塩化カリウムKCl、臭化ナトリウムNaBr、臭化カリウムKBrを挙げることができる。
また、当該課題は、請求項20に記載の第8の本発明、すなわち、粒度分布が0.1〜100μmであり、平均粒子径D50が1〜20μmであり、かさ密度が0.5〜0.7g/cmである、Fe−Si合金粒子によっても、達成される。
反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末を加えることによって、金属原料やSiの溶融温度よりはるかに低い温度において金属原料粉末とSi粉末の固相−固相状態で原子拡散によって金属シリサイド合金粒子を生成することができることを本願発明者は見出した。
しかも、原料純度、原料平均粒子径、配合比、真空度、加熱温度、保持時間など製造条件によって、得られた粒子中の組成等を制御することができることを本願発明者は見出した。また、得られたCu−Si粒子は、粒子間の凝集結合・増大や分離・減少はほぼ生じないことも見出し、得られたNi−Si粒子は、球状化した粒子や不定形粒子が凝集した微粉体であることを見出し、得られたTi−Si粒子は、1次粒子径が1μm程度の粒状体が凝集した多孔体であることを見出し、得られたFe−Si粒子は、粒状物の凝集体であることを見出した。
原料として高純度の粉末を用い、真空排気した直後に熱拡散処理しているので、原料粉末の表面が活性化される。そのため、熱拡散速度が遅くならず、金属とSiの固相−固相反応が促進され、さらに、反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末を用いているので、飛躍的に低温度かつ比較的短時間で原料金属粉末の中心部まで、加熱によってSiとシリサイド合金を生成する金属の相互拡散を均等に行うことができたと考える。その結果、本発明によって、均一な組成の金属シリサイド合金粉末を製造することができた。
使用した製造装置の概略図である。 本実施例の金属シリサイド合金粉末製造の熱処理において実施した温度−時間グラフの概略図である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。 得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布を示している。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のマクロ写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のマクロ写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のマクロ写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のマクロ写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はTi分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はTi分布、(c)はSi分布を示している。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。 得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。 得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末の走査電子顕微鏡観察写真である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末のXRDパターン図である。 得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。 得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。 得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。 得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。 得られた試料粉末の細孔分布測定結果を示すグラフである。
(A)Cu−Si合金粒子についての実施例
固相−固相反応によってCu粉末とSi粉末からCu−Si合金粒子を製造する実施例について比較例とともに説明する。
比較例A−1
原料として、Cu粉末とSi粉末を使用し、反応助剤を使用しなかった。
試料粉末の作成
高純度化学品のCu粉末の純度は99.9%であり、粒子径は45μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
上記のCu粉末50.0gと上記のSi粉末19.9gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Cu粉末とSi粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はCu:Si=1:1である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から750℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、750℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は銅色が残っていた。
試料粉末の測定
断面を作成し、得られた試料粉末の断面について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡によるCOMP:反射電子組成像を観察した。図3、図4は得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図4の(b)は図3の部分拡大写真であり、図4の(a)は拡大位置を示している。
形態観察の結果、明度の高い樹状結晶物や球状物及び明度の低い棒状物や粉状物が散在していることが認められ、また、樹状物を拡大すると、表層近傍に明度のやや低い球状物が認められる。
さらに、得られた試料粉末の断面を観察し、Cu分布、Si分布、O分布を測定した。図5は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
樹状結晶物にCuが認められ、棒状物にSi及びわずかなOが認められる。表層近傍の球状物にCu及びわずかなSiの分布が認められる。なお、Oは包埋樹脂の成分からも検出される。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図6の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はCuの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はCu0.875Si0.125の標準ピークパターンであり、(e)はCu3.17Siの標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いCuの回折パターンと強いSiの回折パターンが認められ、Cu及びSiの存在が認められる。ケイ化銅が存在する可能性があるが、ピーク強度が低く特定が困難である。
比較例A−2
原料として、Cu粉末とSi粉末を使用し、反応助剤を使用しなかった。
試料粉末の作成
高純度化学品のCu粉末の純度は99.9%であり、粒子径は45μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
上記のCu粉末50.0gと上記のSi粉末19.9gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Cu粉末とSi粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はCu:Si=1:1である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1000℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1000℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は黒色になっていたが、わずかに未反応のSiが残っていた。
試料粉末の測定
試料粉末の断面を作成し、得られた試料粉末のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図7、図8は、得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。
灰色物を内包する淡褐色の球状物、微小な灰色棒状物及び粒状物、灰色物を内包しない淡褐色の球状物が認められる。
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)及び走査電子顕微鏡による反射電子組成像(COMP)を観察した。図9、図10は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図9の(a)は二次電子像であり、(b)は同一位置の反射電子像である。同様に、図10の(a)は二次電子像であり、(b)は同一位置の反射電子像である。
表面の形態観察の結果、明度の高い球状物及び明度の低い球状物が認められる。また、明度の低い粒状物を内包する明度の高い球状物及び明度の低い物質と明度の高い物質が融合したような球状物が認められる。その他、微小な球状物や粉状物が認められる。
さらに、断面を作成し、得られた試料粉末の断面を観察し、Cu分布、Si分布、O分布を測定した。図11、図12は得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図11の(b)は図7の部分拡大写真であり、図11の(a)は拡大位置を示している。また、図12の(b)は図11の(b)の部分拡大写真であり、図12の(a)は拡大位置を示している。
明度の低い塊状物を内包する明度の高い球状物について、詳しく断面観察を行った。この視野1についての断面観察の結果、球状物表層部を拡大すると、棒状物から球状物内部へ向かう線状模様が認められる。
図15は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
面分析の結果、明度の高い領域にCu及びSiの分布が認められ、明度の低い内包物及び粒状物にSiの分布が認められる。Oは球状物の表面にSiとともにわずかに分布している。
また、視野2について、得られた試料粉末の断面を観察し、Cu分布、Si分布、O分布を測定した。図13、図14は得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図13の(b)は図8の部分拡大写真であり、図13の(a)は拡大位置を示している。また、図14の(b)は図13の(b)の部分拡大写真であり、図14の(a)は拡大位置を示している。
視野2では明度のほぼ均一な明度の高い球状物を観察した。球状物表面を覆うように明度の低い針状物が認められる。
図16は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
面分析の結果、球状物にCu及びSiの均一な分布が見られる。球状物を覆っている針状物に、Si及びOの分布が認められる。なお、Oは包埋樹脂の成分からも検出される。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図17の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はη−Cu3.17Si、Cu3.17Siの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はCuOの標準ピークパターンであり、(e)はSiO2の標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いη−Cu3.17Siの回折パターンと強いSiの回折パターンが認められ、ケイ化銅及びケイ素が検出された。
銅の酸化物及びケイ素の酸化物が存在する可能性があるが、ピーク強度が低く、特定が困難であった。
実施例A−3
原料として、Cu粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例A−3ではNaClを用いた。
塩化ナトリウムの蒸気圧表は表1のとおりである。
試料粉末の作成
高純度化学品のCu粉末の純度は99.9%であり、粒子径は45μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のCu粉末50.0gと上記のSi粉末7.4gと反応助剤としてNaCl5.1gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Cu粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はCu:Si=3:1である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から750℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、750℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は、原料混合粉末の色とも違い、比較例A−2での黒色とも違い、緑茶色であった。未反応のSiが残っていなかった。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図18、図19は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図19の(b)は図18の部分拡大写真であり、図19の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、比較的大きな塊状物と、棒状物が凝集し、一部が融合した形態が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図20の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はCu0.875Si0.125の標準ピークパターンであり、(c)はCu0.83Si0.17の標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いCu0.875Si0.125の回折パターンと強いCu0.83Si0.17の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分は銅シリサイドであると推定される。
実施例A−4
原料として、Cu粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例A−4ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
高純度化学品のCu粉末の純度は99.9%であり、粒子径は45μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のCu粉末50.0gと上記のSi粉末7.4gと反応助剤としてNaCl5.1gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Cu粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はCu:Si=3:1である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から850℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、850℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は、実施例A−3で得られた試料粉末よりサラサラしていた。色は黄土色に近かった。水洗すると凝集物ができた。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図21、図22は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図22の(b)は図21の部分拡大写真であり、図22の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、大きさの異なる球状物が認められた。球状物をさらに拡大すると、粉状物や微小な球状物の付着が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図23の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はη−Cu3.17Si、Cu3.17Siの標準ピークパターンであり、(c)はSiO2の標準ピークパターンであり、(d)はCu0.875Si0.125の標準ピークパターンであり、(e)はCu2Oの標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いη−Cu3.17Siの回折パターンと強いSiO2の回折パターンと強いCu0.875Si0.125の回折パターンと弱いCu2Oの回折パターンが認められたが、SiO2は原料の酸化あるいは熱処理中のリークが原因であると考えられる。したがって、得られた試料粉末の主成分は銅シリサイドであると推定される。
実施例A−5
原料として、Cu粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例A−5ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
高純度化学品のCu粉末の純度は99.9%であり、粒子径は45μm以下であった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のCu粉末50.0gと上記のSi粉末7.4gと反応助剤としてNaCl5.1gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Cu粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はCu:Si=3:1である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から875℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、875℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は、大きな溶融物もなく、全体的にきれいな球状物が得られた。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図24、図25は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。
表面の形態観察の結果、粉状体や大きさの異なる球状物が認められた。
さらに、断面を作成し、得られた試料粉末の断面について、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡によるSEI:二次電子像を観察した。図26、図27は得られた試料粉末の断面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図27の(b)は図26の部分拡大写真であり、図27の(a)は拡大位置を示している。
図28は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はCu分布、(c)はSi分布を示している。
面分析の結果、球状物にCu及びSiの均一な分布が見られる。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図29の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はη−Cu3.17Si、Cu3.17Siの標準ピークパターンであり、(c)はCu2Oの標準ピークパターンであり、(d)はCuの標準ピークパターンであり、(e)はCuOの標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いη−Cu3.17Siの回折パターンと弱いCu2Oの回折パターンと弱いCuの回折パターンと弱いCuOの回折パターンと弱いSiの回折パターンと弱いSiO2の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分は銅シリサイドであると推定される。
得られた試料粉末について、島津製作所製粒度測定装置SALD−3100を用いて粒度分布を測定した。
図111は得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。測定結果から、得られた試料粉末の粒度分布は0.1〜50μm程度であり、平均粒子径D50は1〜5μm程度であった。
得られた試料粉末について、体積−重量法によって、かさ密度を測定した。かさ密度は2.20g/cmであった。
(B)Ni−Si合金粒子についての実施例
固相−固相反応によってNi粉末とSi粉末からNi−Si合金粒子を製造する実施例について比較例とともに説明する。
実施例B−1
原料として、Ni粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例B−1ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
高純度化学品のNi粉末の純度は99.9%であり、粒子径は3〜5μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のNi粉末31.4gと上記のSi粉末30.0gと反応助剤としてNaCl20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ni粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はNi:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から900℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、900℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末はサラサラしており、色は薄緑色系であった。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図30、図31は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図31の(b)は図30の部分拡大写真であり、図31の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、大きさの異なる塊状物や球状物が認められた。さらに拡大すると、微粉末が塊状物や粉状物に付着していることが認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図32の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はNiSiの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はα−SiO2の標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いNiSiの回折パターンと強いSiの回折パターンと弱いSiO2の回折パターンが認められたが、SiO2は原料の酸化あるいは熱処理中のリークが原因であると考えられる。したがって、得られた試料粉末の主成分はニッケルシリサイドであると推定される。
実施例B−2
原料として、Ni粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例B−2ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
高純度化学品のNi粉末の純度は99.9%であり、粒子径は3〜5μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のNi粉末31.4gと上記のSi粉末15.0gと反応助剤としてNaCl20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ni粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はNi:Si=1:1である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から900℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、900℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末には目視で一部分に小さな球状溶融物が見られた。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図33、図34は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図34の(b)は図33の部分拡大写真であり、図34の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、不定形や球状の塊状物が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図35の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はNiSiの標準ピークパターンであり、(c)はNi3Siの標準ピークパターンであり、(d)はSiO2の標準ピークパターンであり、(e)はSiの標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いNiSiの回折パターンと非常に強いNi3Siの回折パターンと強いSiO2の回折パターンと弱いSiの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はニッケルシリサイドであると推定される。
実施例B−3
原料として、Ni粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例B−3ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
高純度化学品のNi粉末の純度は99.9%であり、粒子径は3〜5μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のNi粉末31.4gと上記のSi粉末30.0gと反応助剤としてNaCl20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ni粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はNi:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1000℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1000℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末には目視で一部分に小さな球状溶融物が見られた。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図36、図37は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図37の(b)は図36の部分拡大写真であり、図37の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、粉状体や不定形や球状の塊状物が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図38の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はNiSiの標準ピークパターンであり、(c)はNiSi2の標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いNiSiの回折パターンと非常に強いNiSi2の回折パターンと強いSiの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はニッケルシリサイドであると推定される。
実施例B−4
原料として、Ni粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例B−4ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
高純度化学品のNi粉末の純度は99.9%であり、粒子径は3〜5μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のNi粉末15.0gと上記のSi粉末15.0gと反応助剤としてNaCl15.7gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ni粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1100℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1100℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
試料粉末の測定
得られた試料粉末について、島津製作所製粒度測定装置SALD−3100を用いて粒度分布を測定した。
図112は得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。測定結果から、得られた試料粒子の粒度分布は0.1〜50μm程度であり、得られた試料粉末の平均粒子径D50は1〜20μmであった。
得られた試料粉末について、体積−重量法によって、かさ密度を測定した。かさ密度は0.79g/cmであった。
(C)Ti−Si合金粒子についての実施例
固相−固相反応によってTi粉末とSi粉末からTi−Si合金粒子を製造する実施例について比較例とともに説明する。
比較例C−1、2、3、4
原料として、Ti粉末とSi粉末を使用し、反応助剤を使用しなかった。
試料粉末の作成
トーホーテック製のTi粉末の純度は99.8%であり、粒子径は10〜45μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
上記のTi粉末20.0gと上記のSi粉末23.5gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ti粉末とSi粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はTi:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1150℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1150℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は色の異なる4種類の部分に分かれていた。
比較例C−1はるつぼ内の上部から採取し、図39に示すように黄褐色であった。
比較例C−2はるつぼ内の中央上部から採取し、図41に示すように黒褐色であった。
比較例C−3はるつぼ内の中央下部から採取し、図43に示すように黒褐色であった。
比較例C−4はるつぼ内の下部から採取した。図45に示すように茶褐色であった。
試料粉末の測定
得られた試料粉末(比較例C−1)について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図40の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はTiSiの標準ピークパターンであり、(d)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(e)はTi5Si3の標準ピークパターンである。
比較例C−1についてのX線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いTiSiの回折パターンと強いTiSi2の回折パターンと弱いTi5Si3の回折パターンが認められた。
得られた試料粉末(比較例C−2)について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図42の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(c)はTiSiの標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンであり、(e)はTi5Si3の標準ピークパターンである。
比較例C−2についてのX線回折プロファイルから、非常に強いTiSi2の回折パターンと強いTiSiの回折パターンと強いTiの回折パターンと弱いTi5Si3の回折パターンが認められた。
得られた試料粉末(比較例C−3)について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図44の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はTiSiの標準ピークパターンであり、(e)はTi5Si3の標準ピークパターンである。
比較例C−3についてのX線回折プロファイルから、非常に強いTiSi2の回折パターンと非常に強いSiの回折パターンと強いTiSiの回折パターンと弱いTi5Si3の回折パターンが認められた。
得られた試料粉末(比較例C−4)について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図46の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はTiSiの標準ピークパターンであり、(d)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(e)はTi5Si3の標準ピークパターンである。
比較例C−4についてのX線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いTiSiの回折パターンと強いTiSi2の回折パターンと弱いTi5Si3の回折パターンが認められた。
実施例C−5
原料として、Ti粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてKClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例C−5ではKClを用いた。
アルカリ金属のハロゲン化物として、KClがあるが、その蒸気圧表は表2のとおりである。
試料粉末の作成
トーホーテック製のTi粉末の純度は99.8%であり、粒子径は10〜45μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
また、高純度化学品のKCl粉末を使用した。
上記のTi粉末27.6gと上記のSi粉末32.4gと上記のKCl粉末6.0gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ti粉末とSi粉末とKCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はTi:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1150℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1150℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
黒鉛るつぼのガス抜き穴の断熱材は黄色に変色していた。
得られた試料粉末の中には金属色の粒子が認められた。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図47、図48は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図48の(b)は図47の部分拡大写真であり、図48の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、表面の滑らかな塊状物及び粉状物等が見られた。塊状物を拡大すると、一部に粒状物同士が溶融して成長したような形態が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図49の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(c)はTiSiの標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンであり、(e)はSiO2の標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いTiSi2の回折パターンと強いTiSiの回折パターンと強いSiの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素とチタンシリサイドであると推定される。
実施例C−6
原料として、Ti粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例C−6ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
トーホーテック製のTi粉末の純度は99.8%であり、粒子径は10〜45μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
また、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のTi粉末25.7gと上記のSi粉末30.0gと上記のNaCl粉末20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ti粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はTi:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1050℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1050℃(Tmax)で20時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は均一な濃い灰色であった。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図50、図51は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図51の(b)は図50の部分拡大写真であり、図51の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、粒状物が互いに半溶融化状態で凝集し、一体化した多孔体の形態が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図52の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(c)はTiSiの標準ピークパターンであり、(d)はTi5Si3の標準ピークパターンであり、(e)はSiO2の標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いTiSi2の回折パターンと強いTiSiの回折パターンと強いTi5Si3の回折パターンと強いSiO2の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はチタンシリサイドであると推定される。
さらに、断面を作成し、得られた試料粉末の断面のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図53、図54、図55は、得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。なお、図54の(b)は図53の部分拡大写真であり、図54の(a)は拡大位置を示している。また、図55の(b)は図54の(b)の部分拡大写真であり、図55の(a)は拡大位置を示している。
断面のミクロ観察の結果、白色の粒状物が半溶融して連なり、多孔質体となっている状態が認められる。
図56は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はTi分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
面分析の結果、明度が異なる塊状物等が、大きく分類して4相認められる。
カラーマップデータを考慮すると、Ti5Si3がリッチな相とTiSi2がリッチな相とTiSiがリッチな相とSiO2がリッチな相が見られる。
実施例C−7
原料として、Ti粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例C−7ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
トーホーテック製のTi粉末の純度は99.8%であり、粒子径は10〜45μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
また、高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のTi粉末12.9gと上記のSi粉末15.0gと上記のNaCl粉末10.4gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Ti粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はTi:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から950℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、950℃(Tmax)で20時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は黒色の粉体であった。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。図57、図58は得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図58の(b)は図57の部分拡大写真であり、図58の(a)は拡大位置を示している。
表面の形態観察の結果、粒状物が半溶融化状態で互いに凝集し、一体化した多孔体の形態が認められた。
得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。図59の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はTiSi2の標準ピークパターンであり、(c)はTiSiの標準ピークパターンである。
X線回折プロファイルから、非常に強いTiSi2の回折パターンと強いTiSiの回折パターンと強いTi5Si3の回折パターンと弱いTiSiの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はチタンシリサイドであると推定される。
さらに、断面を作成し、得られた試料粉末の断面のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図60、図61は、得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。なお、図61の(b)は図60の部分拡大写真であり、図61の(a)は拡大位置を示している。
図62は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はTi分布、(c)はSi分布を示している。
得られた試料粉末について、島津製作所製粒度測定装置SALD−3100を用いて粒度分布を測定した。
図113は得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。測定結果から、得られた試料粉末の粒度分布は0.5〜50μmであり、平均粒子径D50は25μm程度であった。
得られた試料粉末について、体積−重量法によって、かさ密度を測定した。かさ密度は0.32g/cmであった。
また、得られた試料粉末について、島津製作所製マクロメリテックス細孔分布測定装置オートポア9520形を用いて細孔分布を測定した。図115は得られた試料粉末の細孔分布測定結果を示すグラフである。+印の点をプロットした曲線は積算細孔容積分布を表し、左軸の目盛に対応している。また、○印の点をプロットした曲線はログ微分細孔容積分布を表し、右軸の目盛に対応している。気孔率は81.7%であった。
(D)Fe−Si合金粒子についての実施例
固相−固相反応によってFe粉末とSi粉末からFe−Si合金粒子を製造する実施例について比較例とともに説明する。
比較例D−1、D−2
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤を使用しなかった。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
上記のFe粉末15.0gと上記のSi粉末15.1gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から850℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、850℃(Tmax)で14時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末はフェライト色であった。得られた試料粉末について、磁石を用いて分離し、非磁性のものを比較例D−1とし、磁性のものを比較例D−2とした。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。
図63、図64、図65は比較例D−1について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図64の(b)は図63の部分拡大写真であり、図64の(a)は拡大位置を示している。また、図65の(b)は図64の(b)の部分拡大写真であり、図65の(a)は拡大位置を示している。
図67、図68、図69は比較例D−2について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図68の(b)は図67の部分拡大写真であり、図68の(a)は拡大位置を示している。また、図69の(b)は図68の(b)の部分拡大写真であり、図69の(a)は拡大位置を示している。
比較例D−1及び比較例D−2について表面の形態観察の結果、塊状物及び粒状物等が見え、それらの表面に微小な球状物が複数付着した形態が認められる。
比較例D−1及び比較例D−2について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
比較例D−1について、図66の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はFeの標準ピークパターンであり、(d)はFe2SiO4の標準ピークパターンである。
比較例D−1について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと非常に強いFeの回折パターンと弱いFe2SiO4の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄であると推定される。
比較例D−2について、図70の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はFeの標準ピークパターンである。
比較例D−2について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと弱いFeの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄であると推定される。
比較例D−3、D−4
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤を使用しなかった。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
上記のFe粉末15.0gと上記のSi粉末15.1gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から850℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、850℃(Tmax)で10時間(t〜t)保持し、さらに、1150℃で10時間保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末について、磁石を用いて分離し、非磁性のものを比較例D−3とし、磁性のものを比較例D−4とした。
試料粉末の測定
得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。
図71、図72、図73は比較例D−3について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図72の(b)は図71の部分拡大写真であり、図72の(a)は拡大位置を示している。また、図73の(b)は図72の(b)の部分拡大写真であり、図73の(a)は拡大位置を示している。
また、図76、図77は比較例D−3について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図77の(b)は図76の部分拡大写真であり、図77の(a)は拡大位置を示している。
図89、図90、図91は比較例D−4について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図90の(b)は図89の部分拡大写真であり、図90の(a)は拡大位置を示している。また、図91の(b)は図90の(b)の部分拡大写真であり、図91の(a)は拡大位置を示している。
比較例D−3及び比較例D−4について表面の形態観察の結果、塊状物及び数珠状に連なる球状物が認められる。
比較例D−3及び比較例D−4について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
比較例D−3について、図88の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2の標準ピークパターンであり、(e)はα−Feの標準ピークパターンであり、(f)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(g)はSiO2の標準ピークパターンである。
比較例D−3について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いε−FeSiの回折パターンと強いFeSi2の回折パターンと強いα−Feの回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンと弱いSiO2の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄ケイ化物であると推定される。
また、比較例D−4について、図92の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はFeSi2の標準ピークパターンであり、(d)はε−FeSiの標準ピークパターンである。
比較例D−4について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いFeSi2の回折パターンと強いε−FeSiの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素及び鉄ケイ化物であると推定される。
さらに、比較例D−3について、断面を作成し、得られた試料粉末の断面のミクロ観察を、ニコン製金属顕微鏡エクリプスLV100を用いて行った。図74、図75は、得られた試料の断面の金属顕微鏡ミクロ観察写真である。
断面のミクロ観察の結果、塊状物や粒状物、及び塊状物を覆う粉状物が認められる。多くの塊状物の内部に、色調の異なる相が見える。
さらに、比較例D−3について、得られた試料粉末の表面の面分析を、日本電子製のフィールドエミッション電子プローブマイクロアナライザーJXA−8530Fを用いて行った。測定位置は図77(b)で示す表面である。
図78は得られた試料粉末の表面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。濃度分布(mass%)で示す。
面分析の結果、塊状物にFe、Siの分布が見られる。異なる相で覆われた領域にFe、Si及びOが検出された。また、表面に見られる球状の突起物(明度の高い箇所)にSi、Oの分布が見られる。
比較例D−4について断面を作成し、試料粉末の断面観察を日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による反射電子組成像(COMP)を観察した。
図75に示す断面の一部の視野1における反射電子組成像を図79の(b)に示し、図79の(a)に測定位置を示す。図80は図79の反射電子組成像の拡大写真であり、図80の(b)は図79の(b)の拡大写真であり、図80の(a)は測定位置を示す。
図81は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
カラーマップデータから、塊状物は明度の異なる領域において、FeとSiの検出強度が異なることが認められる。塊状体を覆っている粉状物にはSi及びOの分布が認められる。塊状物と同様に、検出強度の異なる領域が認められる。
図75に示す断面の一部の視野2における反射電子組成像を図82の(b)に示し、図82の(a)に測定位置を示す。図84は図82の反射電子組成像の拡大写真であり、図84の(b)は図82の(b)の拡大写真であり、図84の(a)は測定位置を示す。
図83は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
カラーマップデータから、塊状物は,周囲に存在する明度の低い粉状物にSiの分布が見られ、明度のやや高い塊状物にFeとSiの分布が見られる。
後述するXRD分析結果も考慮すると、中央に位置する明度の高い領域には、全体としてFe5Si3等が分布するとともに、明度の高い微細粒子としてFeが点在し、その下方及びその右下に位置するやや明度の高い領域にはFeSi2が分布していると考えられる。
図75に示す断面の一部の視野3における反射電子組成像を図85の(b)に示し、図85の(a)に測定位置を示す。図87は図85の反射電子組成像の拡大写真であり、図87の(b)は図85の(b)の拡大写真であり、図87の(a)は測定位置を示す。
図86は得られた試料粉末の断面のカラーマップデータであり、(a)は断面のSEM像、(b)はFe分布、(c)はSi分布、(d)はO分布を示している。
カラーマップデータから、断面がハート形の塊状物の左部分にはFeSiが分布し、右部分にはFe5Si3等が分布していると推測される。
実施例D−5
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてKClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−5ではKClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のKCl粉末を用いた。
上記のFe粉末30.0gと上記のSi粉末30.2gと上記のKCl粉末6.0gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とKCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si=1:2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から900℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1150℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
黒鉛るつぼのガス抜き穴に蒸発した後凝固したKClが付着していた。得られた試料粉末の約1/3は非磁性であった。
試料粉末の測定
実施例D−5について得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。
図93、図94は実施例D−5について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図94の(b)は図93の部分拡大写真であり、図94の(a)は拡大位置を示している。
実施例D−5について表面の形態観察の結果、表面の滑らかな塊状物及び粉状物等が認められ、塊状物を拡大すると、一部にセル状の形態が認められる。
実施例D−5について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−5について、図95の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2の標準ピークパターンであり、(e)はSiO2の標準ピークパターンである。
実施例D−5について、X線回折プロファイルから、非常に強いε−FeSiの回折パターンと非常に強いSiの回折パターンと強いFeSi2の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
実施例D−6
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてKClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−6ではKClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のKCl粉末を用いた。
上記のFe粉末26.5gと上記のSi粉末30.0gと上記のKCl粉末8.5gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とKCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:KCl=1:2.25:0.2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1150℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1150℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
一部溶融した大きな球状バルクが目視で観察された。Siとの反応は進んでいる様子が推測できる。
試料粉末の測定
実施例D−6について得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。
図96、図97は実施例D−6について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図97の(b)は図96の部分拡大写真であり、図97の(a)は拡大位置を示している。
実施例D−6について表面の形態観察の結果、表面が多孔質の塊状物と表面が滑らかな球状物及び塊状物が認められる。
実施例D−6について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−6について、図98の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(c)はFeSi2の標準ピークパターンであり、(d)はSiの標準ピークパターンである。
実施例D−6について、X線回折プロファイルから、非常に強いε−FeSiの回折パターンと強いFeSi2の回折パターンと強いSiの回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。なお、鉄シリサイドのX線回析線強度がケイ素のX線回析線強度よりも強い。
実施例D−7
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−7ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9であり、パウダー状であった。
上記のFe粉末26.5gと上記のSi粉末30.0gと上記のNaCl粉末20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:NaCl=1:2.25:0.74である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から900℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、900℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は磁性を持った生成物の割合が多かった。
試料粉末の測定
実施例D−7について得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。
図99、図100は実施例D−7について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図100の(b)は図99の部分拡大写真であり、図100の(a)は拡大位置を示している。
実施例D−7について表面の形態観察の結果、微小な粉状体が凝集した形態が認められた。
実施例D−7について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−7について、図101の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2(Iron Silicide)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(g)はFe11Si5の標準ピークパターンである。
実施例D−7について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いε−FeSiの回折パターンと弱いFeSi2(Iron Silicide)の回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンと弱いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。なお、鉄シリサイドのX線回析線強度がケイ素のX線回析線強度よりも強い。
実施例D−8
実施例D−8においては実施例D−7において得られた試料粉末を水洗して試料粉末を得た。
試料粉末の測定
実施例D−8について得られた試料粉末の形態観察として、日本電子製JXA−8530Fを用いて、走査電子顕微鏡による二次電子像(SEI)を観察した。
図102、図103は実施例D−8について得られた試料粉末の表面の走査電子顕微鏡観察写真である。なお、図103の(b)は図102の部分拡大写真であり、図103の(a)は拡大位置を示している。
実施例D−8について表面の形態観察の結果、実施例D−7の表面と類似した形態であるが、表面がより多孔質となっていることが認められた。
実施例D−8について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−8について、図104の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2(Iron Silicide)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンである。
実施例D−8について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いε−FeSiの回折パターンと弱いFeSi2(Iron Silicide)の回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンと弱いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。なお、ケイ素のX線回析線強度が鉄シリサイドのX線回析線強度よりも強い。
実施例D−9
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてKClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−9ではKClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のKCl粉末を用いた。
上記のFe粉末28.5gと上記のSi粉末30.0gと上記のKCl粉末8.5gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とKCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:KCl=1:2.25:0.2である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1050℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1050℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は、大きな溶融物がなかったが、磁性を持った生成物の割合が多かった。
試料粉末の測定
実施例D−9について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−9について、図105の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はSiO2の標準ピークパターンである。
実施例D−9について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いε−FeSiの回折パターンと弱いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
実施例D−10
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−10ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のFe粉末28.5gと上記のSi粉末30.0gと上記のNaCl粉末20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:NaCl=1:2.25:0.74である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1050℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1050℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
試料粉末の測定
実施例D−10について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−10について、図106の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はSiO2の標準ピークパターンである。
実施例D−10について、X線回折プロファイルから、非常に強いSiの回折パターンと強いε−FeSiの回折パターンと弱いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
実施例D−11
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−11ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のFe粉末29.8gと上記のSi粉末15.0gと上記のNaCl粉末20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:NaCl=1:1:0.36である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1050℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1050℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
得られた試料粉末は、他の試料粉末よりも磁性が強い。
試料粉末の測定
実施例D−11について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−11について、図107の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(e)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(f)はSiO2の標準ピークパターンであり、(g)はFeの標準ピークパターンであり、(h)はFe2.603Siの標準ピークパターンである。
実施例D−11について、X線回折プロファイルから、非常に強いε−FeSiの回折パターンと弱いSiの回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンと弱いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
実施例D−12
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−12ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のFe粉末29.8gと上記のSi粉末30.0gと上記のNaCl粉末41.6gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:NaCl=1:2:0.74である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1050℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1050℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
反応助剤としてのNaClを増量することによって、FeとSiの反応が多少進むことを確認した。
試料粉末の測定
実施例D−12について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−12について、図108の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はSiの標準ピークパターンであり、(c)はε−FeSiであり、(d)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はSiO2の標準ピークパターンである。
実施例D−12について、X線回折プロファイルから、非常に強いε−FeSiの回折パターンと弱いSiの回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンと弱いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
実施例D−13
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−13ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のFe粉末29.8gと上記のSi粉末30.0gと上記のNaCl粉末20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:NaCl=1:2:0.36である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1050℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1050℃(Tmax)で10時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
加熱保持時間を長く(2倍)することによって、FeとSiの反応が多少進むことを確認した。
試料粉末の測定
実施例D−13について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−13について、図109の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はSiO2の標準ピークパターンである。
実施例D−13について、X線回折プロファイルから、非常に強いε−FeSiの回折パターンと非常に強いSiの回折パターンと強いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
実施例D−14
原料として、Fe粉末とSi粉末を使用し、反応助剤としてNaClを使用した。
アルカリ金属のハロゲン化物として、実施例D−14ではNaClを用いた。
試料粉末の作成
東邦亜鉛製のFe粉末の純度は99.5%であり、粒子径は約75μmであった。
また、Si粉末(東京印刷機材トレーディング(株)製)の純度は99.9999%以上であり、平均粒子径D50は1〜3μmであった。
高純度化学品のNaCl粉末の純度は99.9%であり、パウダー状であった。
上記のFe粉末29.8gと上記のSi粉末30.0gと上記のNaCl粉末20.8gを容器内に秤量して、振とうしたところ、Fe粉末とSi粉末とNaCl粉末は均一に混合され原料混合粉末を得た。配合モル比はFe:Si:NaCl=1:2:0.36である。
図1は使用した製造装置の概略図である。黒鉛るつぼ1は内径φ70mm×高さ125mmであり、上面の中央にガス抜き穴11が設けられている。原料混合粉末2を黒鉛るつぼ1内に収納した後に、高周波加熱装置4を備えた真空容器3内に水平に配置した。
そして、原料混合粉末2が飛散しないように注意しながら、配管5を通じて真空ポンプ6を用いて真空容器3内を8Paまで真空排気した。
8Paまで真空排気した直後に、図2に示す熱処理パターンのように、室温(T)から1100℃(Tmax)まで1時間(0〜t)かけて昇温し、1100℃(Tmax)で5時間(t〜t)保持し、その後、加熱電源をOFFして、自然冷却した。昇温、保持、冷却の間も真空ポンプ6を用いて真空排気を続けた。
原料混合粉末2を十分に冷却した後、真空ポンプ6を停止し大気圧に戻し、黒鉛るつぼ1を取り出し、試料粉末を得た。
表面の一部が微妙に溶融していることを確認した。得られた試料粉末の2/5は非磁性であった。
試料粉末の測定
実施例D−14について得られた試料粉末について、リガク製X線回折装置RINT 2200VK/PCを用いてX線回析分析を行った。
実施例D−14について、図110の(a)は試料粉末のX線回折プロファイルであり、(b)はε−FeSiの標準ピークパターンであり、(c)はSiの標準ピークパターンであり、(d)はFeSi2(Linzhiite)の標準ピークパターンであり、(e)はFe5Si3の標準ピークパターンであり、(f)はSiO2の標準ピークパターンである。
実施例D−14について、X線回折プロファイルから、非常に強いε−FeSiの回折パターンと強いSiの回折パターンと強いFeSi2(Linzhiite)の回折パターンと弱いFe5Si3の回折パターンが認められ、得られた試料粉末の主成分はケイ素と鉄シリサイドであると推定される。
得られた試料粉末について、島津製作所製粒度測定装置SALD−3100を用いて粒度分布を測定した。
図114は得られた試料粉末の粒度分布を示すグラフである。測定結果から、得られた試料粉末の粒度分布は0.1〜100μmであり、平均粒子径D50は1〜20μm程度であった。
得られた試料粉末について、体積−重量法によって、かさ密度を測定した。かさ密度は0.59g/cmであった。
本発明のCu−Si合金粒子、Ni−Si合金粒子、Ti−Si合金粒子、Fe−Si合金粒子は、各粒子の組成が均一であるため、粒子を焼結加工やプラズマジェット溶射加工することにより、組成が均一なバルクや被膜を形成することができる。
本発明のFe−Si合金粒子、特にβ−FeSi2は熱電材料としての利用が期待される。
1 黒鉛るつぼ
2 原料混合粉末
3 真空容器
4 高周波加熱装置
5 配管
6 真空ポンプ
11 ガス抜き穴

Claims (20)

  1. Cu粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、800〜900℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Cu−Si合金粒子を製造する方法。
  2. アルカリ金属のハロゲン化物がNaClであることを特徴とする請求項1に記載のCu−Si合金粒子を製造する方法。
  3. Cu粉末の純度が99.9%であり、平均粒子径D50が45μm以下であり、Si粉末の純度が99.999%以上であり、平均粒子径D50が1〜3μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のCu−Si合金粒子を製造する方法。
  4. 10Pa以下の真空度まで真空排気することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のCu−Si合金粒子を製造する方法。
  5. 粒度分布が0.1〜50μmであり、平均粒子径D50が1〜5μmであり、かさ密度が2.0〜3.0g/cmである、球状のCu−Si合金粒子。
  6. Ni粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、900〜1100℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Ni−Si合金粒子を製造する方法。
  7. アルカリ金属のハロゲン化物がNaClであることを特徴とする請求項6に記載のNi−Si合金粒子を製造する方法。
  8. Ni粉末の純度が99.9%であり、平均粒子径D50が10μm以下であり、Si粉末の純度が99.999%以上であり、平均粒子径D50が1〜3μmであることを特徴とする請求項6または7に記載のNi−Si合金粒子を製造する方法。
  9. 10Pa以下の真空度まで真空排気することを特徴とする請求項6から8までのいずれか1項に記載のNi−Si合金粒子を製造する方法。
  10. 粒度分布が0.1〜100μmであり、平均粒子径D50が1〜30μmであり、かさ密度が0.7〜0.9g/cmであるNi−Si合金粒子。
  11. Ti粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、950〜1150℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Ti−Si合金粒子を製造する方法。
  12. アルカリ金属のハロゲン化物がNaClまたはKClであることを特徴とする請求項11に記載のTi−Si合金粒子を製造する方法。
  13. Ti粉末の純度が99.8%であり、平均粒子径D50が45μm以下であり、Si粉末の純度が99.999%以上であり、平均粒子径D50が1〜3μmであることを特徴とする請求項11または12に記載のTi−Si合金粒子を製造する方法。
  14. 10Pa以下の真空度まで真空排気することを特徴とする請求項11から13までのいずれか1項に記載のTi−Si合金粒子を製造する方法。
  15. 粒度分布が0.1〜50μmであり、平均粒子径D50が20〜40μmであり、かさ密度が0.2〜0.4g/cmであり、気孔率が80%以上である、Ti−Si合金粒子。
  16. Fe粉末とSi粉末とを均一に混合した混合物を反応助剤としてのアルカリ金属のハロゲン化物の粉末とともにるつぼ内に収納し、真空排気後に、900〜1200℃の温度で3〜20時間保持し熱処理して、Fe−Si合金粒子を製造する方法。
  17. アルカリ金属のハロゲン化物がNaClまたはKClであることを特徴とする請求項16に記載のFe−Si合金粒子を製造する方法。
  18. Fe粉末の純度が99.5%であり、平均粒子径D50が100μm以下であり、Si粉末の純度が99.999%以上であり、平均粒子径D50が1〜3μmであることを特徴とする請求項16または17に記載のFe−Si合金粒子を製造する方法。
  19. 10Pa以下の真空度まで真空排気することを特徴とする請求項16から18までのいずれか1項に記載のFe−Si合金粒子を製造する方法。
  20. 粒度分布が0.1〜100μmであり、平均粒子径D50が1〜20μmであり、かさ密度が0.5〜0.7g/cmである、Fe−Si合金粒子。
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