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JP2018143177A - 観察装置、観察システム及び観察装置の制御方法 - Google Patents

観察装置、観察システム及び観察装置の制御方法 Download PDF

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JP2018143177A JP2017042008A JP2017042008A JP2018143177A JP 2018143177 A JP2018143177 A JP 2018143177A JP 2017042008 A JP2017042008 A JP 2017042008A JP 2017042008 A JP2017042008 A JP 2017042008A JP 2018143177 A JP2018143177 A JP 2018143177A
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Giichi Kaneda
義一 兼田
宏樹 網野
Hiroki Amino
宏樹 網野
義浩 横前
Yoshihiro Yokomae
義浩 横前
小林 有二
Yuji Kobayashi
有二 小林
信将 田中
Nobumasa Tanaka
信将 田中
孝徳 高橋
Takanori Takahashi
孝徳 高橋
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Abstract

【課題】観察装置の変形を抑制できる観察装置を提供する。
【解決手段】観察装置100は、試料300を撮像する撮像部151を有する観察装置100であって、撮像部151の撮像用光路上に設けられる試料300を配置するための透明板102と、透明板102とともに用いられて観察装置100の内部環境を密閉状態とするように構成されている筐体101と、透明板102又は筐体101に第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に、内部環境と観察装置100が配置される外部環境との間の圧力差を低減させるように動作する変形制御機構とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、観察装置、観察システム及び観察装置の制御方法に関する。
一般に、インキュベータ内に培養容器と撮像装置とを静置し、当該培養容器内の培養細胞等の画像を得る装置が知られている。例えば細胞等の培養においてはインキュベータ内の環境を高温多湿としている場合がある。このように、当該装置の内部と外部との間に温度差や圧力差が生じ得る場合など、装置の内外に生じた温度差や圧力差を解消する技術には需要がある。例えば特許文献1には、開閉弁を備えて電気エネルギーを用いることなく動作する収納装置に係る技術が開示されている。
ところが、インキュベータのように高温多湿の環境で使用される観察装置においては、当該装置の内部に高温多湿の空気が入り込んで結露、さび等の問題が生じることを抑制するために、当該装置の内部を密閉状態とすることが望ましい。一方で、観察装置の内外に圧力差が生じた場合には、観察装置の変形に起因する観察不良が発生し得る。
特開平11−206579号公報
本発明は、観察装置の変形を抑制できる観察装置、観察システム及び観察装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、観察装置は、試料を撮像する撮像部を有する観察装置であって、前記撮像部の撮像用光路上に設けられる前記試料を配置するための透明板と、前記透明板とともに用いられて前記観察装置の内部環境を密閉状態とするように構成されている筐体と、前記透明板又は前記筐体に第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に、前記内部環境と前記観察装置が配置される外部環境との間の圧力差を低減させるように動作する変形制御機構とを備える。
本発明の一態様によれば、観察システムは、観察装置と、ユーザの操作結果を取得して前記観察装置へ出力し、前記観察装置の観察結果を取得するコントローラとを備える。
本発明の一態様によれば、観察装置の制御方法は、試料を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像用光路上に設けられる前記試料を配置するための透明板と、筐体とを有する観察装置の制御方法であって、前記透明板と前記筐体とを用いて前記観察装置の内部環境を密閉状態とすることと、前記透明板又は前記筐体に第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に、前記内部環境と前記観察装置が配置される外部環境との間の圧力差を低減させるように変形制御機構を動作させることとを含む。
本発明によれば、観察装置の変形を抑制できる観察装置、観察システム及び観察装置の制御方法を提供できる。
図1は、第1の実施形態に係る観察システムの外観の概略の一例を示す模式図である。 図2は、第1の実施形態に係る観察システムの構成例の概略を示すブロック図である。 図3は、第1の実施形態に係る変形制御機構の構成の一例を示す模式図である。 図4は、第1の実施形態に係る変形制御機構の一部を拡大して構成の一例を示す模式図である。 図5は、第1の実施形態に係る観察装置制御処理の一例を示すフローチャートである。 図6は、第1の実施形態に係るコントローラ制御処理の一例を示すフローチャートである。 図7は、第1の変形例に係る変形制御機構の構成の一例を示す模式図である。 図8は、第1の変形例に係る変形制御機構の構成の動作時の一例を示す模式図である。 図9は、第2の実施形態に係る観察システムの構成例の概略を示すブロック図である。 図10は、第2の実施形態に係る変形制御機構の構成の一例を示す模式図である。 図11は、第2の実施形態に係る変形制御機構の構成の動作時の一例を示す模式図である。 第2の実施形態に係る変形制御処理の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
<観察システムの構成>
(観察システムの概要)
本発明の第1の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態に係る観察システムは、培養中の細胞、細胞群、組織等を撮影し、細胞又は細胞群の個数、形態等を記録するためのシステムである。観察システム1の外観の概略を模式図として図1に示し、図1を参照して観察システム1の構成について説明する。観察システム1は、観察装置100とコントローラ200とを備える。観察装置100は、おおよそ平板形状をしている。観察装置100の上面には観察対象である試料300が配置され、観察装置100と試料300とは、例えばインキュベータ内に設置される。試料300は、観察装置100の上面に配置されたまま、例えばインキュベータ、クリーンベンチ等への出し入れが行われ得る。
観察装置100は、筐体101と、透明板102と、画像取得ユニット150と、移動機構160とを備える。筐体101の上面には、透明板102が配置されている。画像取得ユニット150と移動機構160とは、筐体101の内部に設けられている。画像取得ユニット150は、移動機構160によって移動させられながら、透明板102を介して試料300を照明し、また、撮影して試料300の画像を取得する。一方、コントローラ200は、例えばインキュベータの外部に設置される。観察装置100とコントローラ200とは、通信する。コントローラ200は、観察装置100の動作を制御する。
(試料について)
観察システム1の測定対象である試料300は、例えば次のようなものである。試料300は、例えば、容器310と、培地322と、細胞324と、反射板360とを含む。容器310内に培地322が入れられ、培地322内で細胞324が培養されている。容器310は、例えばシャーレ、培養フラスコ、マルチウェルプレート等であり得る。このように、容器310は、例えば、生体試料を培養するための培養容器である。容器310の形状、大きさ等は限定されない。培地322は、液体培地でも固体培地でもよい。測定対象は例えば細胞324であるが、これは、接着性の細胞でもよいし、浮遊性の細胞でもよい。また、細胞324は、スフェロイドや組織であってもよい。さらに、細胞324は、どのような生物に由来してもよく、菌等であってもよい。このように、試料300は、生物又は生物に由来する試料である生体試料を含む。反射板360は、透明板102を介して試料300に入射した照明光を反射させて、細胞324を照明するためのものであり、容器310の上面に配置される。
(観察装置について)
観察装置100の筐体101の上面に配置されている透明板102は、例えばガラス等で形成されている。試料300は、この透明板102上に静置される。図1には、筐体101の上面の全体が透明な板で形成されている例が示されているが、観察装置100は、筐体101の上面の一部に透明な板が設けられ、上面のその他の部分が不透明であるように構成されてもよい。なお、ここでの透明とは、照明光の波長に対して透明であることを示す。
観察装置100は、例えば筐体101と透明板102とを含む部材によってその内部が密閉された状態となっている。このように、密閉された観察装置100の内部に、透明板102を介した撮像によって画像データを生成する画像取得ユニット150と、画像取得ユニット150を移動させる移動機構160とを設けることによって、信頼性が高く、取り扱いや洗浄が容易であり、コンタミネーション等を防止できる構造にすることができる。さらに、当該密閉構造は、温度、湿度等が異なる複数の環境(外部環境)に晒され得る観察装置100の内部に、例えば温度37度、湿度95%等の高温多湿に設定されたインキュベータ内部の空気が入り込み、結露等が生じることを抑制できる。
以降の説明のため、観察装置100の試料300が配置される面と平行な面内に互いに直交するX軸及びY軸を定義し、X軸及びY軸と直交するようにZ軸を定義する。
観察装置100は、移動機構160をさらに備える。図1に示すように、移動機構160は、筐体101の内部に設けられている。移動機構160は、支持部165と、支持部165をX軸方向に移動させるためのX送りねじ161と、Xアクチュエータ162とを備える。また、移動機構160は、支持部165をY軸方向に移動させるためのY送りねじ163とYアクチュエータ164とをさらに備える。なお、移動機構160は支持部165をZ軸方向に移動させるためのZ送りねじ及びZアクチュエータ等を備えてもよい。
図1に示すように、筐体101の内部に設けられた画像取得ユニット150は、撮像部151と、照明部155とを備える。試料300を照明するための照明部155が支持部165に設けられており、また、照明部155の近傍には撮像部151が設けられている。照明部155は、透明板102がある方向、すなわち、試料300が置かれている方向に照明光を放射する。当該照明光は、透明板を通過して反射板360上で反射又は散乱され、細胞324を照明する。また、撮像部151は、透明板102を介して試料300の方向を撮像し、試料300の画像を取得する。撮像部151が取得する光線を撮像用光と称し、当該撮像用光の光路を撮像用光路と称する。
撮像部151は、例えば撮像光学系と撮像素子とを含み、撮像光学系を介して撮像素子の撮像面に結像した像に基づいて、画像データを生成する。撮像光学系152は、焦点距離を変更できるズーム光学系であることが好ましい。照明部155は、照明光学系と光源とを備える。光源から放射された照明光は、照明光学系を介して試料300へと照射される。光源は、例えばLEDを含む。なお、照明部155は支持部165に配置されていると述べたが、照明光学系の光放射端が支持部165に配置されていればよく、例えば光源は、観察装置100の何れの場所に配置されていてもよい。
なお、このように試料300を照明した照明光が、透明板102を介して撮像光学系へと入射する光の光路を計測光路と称する。当該計測光路は、撮像用光路に含まれる。撮像用光は、照明光学系156から放射されて試料300を照明した照明光に限らず、撮像光学系152へと入射する光線である。例えば、撮像用光路には、観察システム1の外部にある照明部が放射する照明光の光路も含まれる。
このように、観察装置100は、移動機構160に画像取得ユニット150の位置をX方向及びY方向に位置を変更させながら繰り返し撮影を行い、複数の画像を取得する。また、観察装置100は、これらの画像を合成して1つの画像を生成する。ここで生成される画像は、例えば撮像部151の光軸に垂直な面、すなわち、透明板102と平行な面を示す画像である。さらに、観察装置100は、厚さ方向に撮影位置を変化させながら、同様に、X方向及びY方向に位置を変更させながら繰り返し撮影を行い、それらを合成して、各々のZ方向位置における画像を順次取得する。ここで、厚さ方向とは、撮像部151の光軸方向であるZ軸方向であり、透明板102に対して垂直な方向である。このようにして、3次元の各部における画像が取得される。
ここでは、Z方向に撮影面を変化させながら撮影を繰り返す例を示したが、Z方向には複数の画像を得ることなく、X方向及びY方向にのみ位置を変更させながら繰り返し撮影が行われてもよい。この場合、1つの平面の合成画像が得られる。なお、複数のZ方向位置における画像の取得方法については、Z軸方向の位置を固定してX方向及びY方向にスキャンし、その後、Z軸方向の位置を変更して再びX方向及びY方向にスキャンしてもよい。また、X方向及びY方向の1つの位置につきZ軸方向の位置を変更しながら複数回の撮影が行われ、この複数回の撮影がX方向及びY方向にスキャンしながら行われてもよい。スキャンをしない特定点の撮影の応用も可能である。
Z軸方向の撮影位置は、撮像部151の撮像光学系の合焦位置が変更されることで変更される。すなわち、この撮像光学系は、合焦用レンズを光軸方向に移動させるための合焦調整機構を備えている。また、合焦調整機構は例えば液体レンズのような焦点距離が可変のレンズであってもよい。また、合焦用には焦点の異なるレンズが複数用意されてもよい。用意されたレンズが多眼であればリフォーカス技術などを利用することが可能となる。
ところが、画像取得ユニット150が移動機構160によって移動させられながら繰り返し撮像を行う際の、撮影の状況及び継続時間等によっては、例えば撮像部151、照明部155、Xアクチュエータ162、Yアクチュエータ164等が発熱する問題がある。また、本実施形態に係る観察装置100は、温度、湿度、圧力等が観察装置100の内部の温度、湿度、圧力等の環境(内部環境)とは異なる複数の環境(外部環境)に晒され得る。なお、当該外部環境には、上述したような高温多湿のインキュベータ内の環境、観察装置100が輸送される際に晒される例えば低温低圧の環境が含まれる。
上述したように、本実施形態に係る観察装置100は、例えば高温多湿のインキュベータ内の空気が観察装置100の内部へ入り込むことを防ぐために、その内部が密閉された状態となっている。一方で、観察装置100の内部が密閉された状態であることから、例えば、内部環境と使用環境との間に圧力差、温度差が存在する又は生じた場合、筐体101、透明板102等が変形し得る。なお、温度差に起因する変形は、例えば内部環境の空気(気体)が当該温度差に起因する温度変化により膨張又は収縮して生じる内部環境の圧力変化、筐体101や透明板102等の部材が内部環境と使用環境との異なる温度の両方に晒されて生じたり各々の部材の熱容量や熱膨張率の違いによって生じたりする熱ひずみ等に基づく。
このような筐体101や透明板102の変形は、観察装置100を損傷し得る。また、観察装置100における撮像用光路上に位置する透明板102の変形は、観測不良を起こし得る。さらに、筐体101が変形しても、傾き等の本来の測定条件からの乖離が生じ、同様に観察不良が起こることがある。そこで、本実施形態に係る観察装置100は、変形制御機構をさらに備える。なお、本実施形態では、変形制御機構が圧力弁180である場合を例として説明する。
ここで、図3に本実施形態に係る変形制御機構の構成の一例を模式図として示し、これを参照して本実施形態に係る圧力弁180について説明をする。図3に示す模式図は、図1に示す切断線における観察装置100の構成の一例を示す断面図である。図3に示すように、本実施形態に係る圧力弁180は、押さえ板181と、弾性部材182と、仕切り板183と、Oリング184とを備える。押さえ板181は、例えば筐体101に固定されている。なお、押さえ板181として、筐体101の一部が用いられてもよい。押さえ板181の一部には、押さえ板181の平面に概ね垂直な方向に押さえ板181を貫通するように穴が設けられている。弾性部材182は、少なくとも1つの方向に弾性力を有する材料、又は形状によって構成される。弾性部材182は、コイル状ばね、板ばね等のように形状によって弾性力を有するように構成されていてもよいし、ゴムのように弾性力を有する高分子化合物で構成されていてもよい。弾性部材182は、その弾性力の方向(弾性軸方向)の一端が押さえ板181に固定されている。また、弾性部材182の弾性軸方向の他端には、仕切り板183が固定されている。仕切り板183は、弾性部材182の有する弾性力によって、筐体101の一部に設けられた穴を塞ぐようにOリング184を介して筐体101へと押し付けられて(圧接されて)いる。以下、本実施形態では、例えば図3に示すように、弾性部材182がコイル状ばねである場合を例として説明をする。
本実施形態に係る圧力弁180は、内部環境の圧力が外部環境の圧力より高いときに動作する第1の圧力弁180aと、内部環境の圧力が外部環境の圧力より低いときに動作する第2の圧力弁180bとを備える。第1の圧力弁180aと第2の圧力弁180bとは、弾性部材182の有する弾性力によって、所定の圧力差未満である場合には動作せず、ともに閉じた状態となっている。また、弾性部材182の有する弾性力によって、第1の圧力弁180aと第2の圧力弁180bとは同時に動作しないように構成されている。なお、本実施形態における説明では、例えば圧力弁180と記載する場合は、第1の圧力弁180aと第2の圧力弁180bとを区別しない場合である。また、圧力弁180の備える各部についても同様に記載する。
ここで、第2の圧力弁180bを例に、圧力弁の一部を拡大した模式図を図4に示す。図4では、筐体101と、弾性部材182bと、仕切り板183bと、Oリング184bとの位置関係が示されている。図4に示すように、仕切り板183bは、内部環境の圧力(内圧Pi)に基づく応力Fpiと弾性部材から伝達される応力Fkとの合力と、外部環境の圧力(外圧Po)に基づく応力Fpoとの釣り合いによって、弾性軸方向の位置が決定される。また、Oリング184bは、図4に示すような内圧Piと外圧Poとの間に圧力差がない(圧力弁180が動作していない)状態では、仕切り板183bと筐体101とによって押しつぶされている。このように、Oリング184bが押しつぶされる程度に、仕切り板183bが筐体101側に押し付けられることで、例えばインキュベータ内の高温多湿の空気が観察装置100の内部に入り込むことを防ぐ。
本実施形態に係る弾性部材182は、仕切り板183から伝達される内部環境と外部環境との圧力差に応じた応力によって変形する。また、当該圧力差が第1の圧力差以上となったときに、仕切り板183とOリング184との間に隙間が生じる。なお、第1の圧力差は、例えば筐体101又は透明板102に第1の閾値以上の変形が生じる圧力差である。また、上述したように、例えば筐体101又は透明板102に生じる第1の閾値以上の変形は、本実施形態に係る観察装置100において、筐体101又は透明板102の変形に起因した観察不良が生じる変形である。観察不良としては、ピント位置の変化や、傾きにより均一な画質が乱される事等が挙げられる。観察不良を起こす変形は、さらには機器本体、部品等の劣化にもつながる。なお、筐体101の変形に起因して観察不良が生じ得る第1の閾値と透明板102の変形に起因して観察不良が生じ得る第1の閾値とは異なり得る。この場合には、筐体101又は透明板102の何れか一方でも第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に圧力弁180が動作するように弾性部材182の弾性力等を調整すればよい。
このように、本実施形態に係る圧力弁180は、仕切り板183が圧力差に起因する応力によって弾性軸方向に変位することによって、内部環境と外部環境との間を空間的に接続し、当該圧力差を低減させるように動作する。
なお、押さえ板181と弾性部材182との間、弾性部材182と仕切り板183との間は、必ずしも固定されている必要はない。例えば、筐体101が、押さえ板181、弾性部材182、仕切り板183等のガイドとなるような形状を有していれば、上述したような圧力弁180の動作は実現される。
また、図3及び図4に示すように、本実施形態に係る観察装置100は、吸湿部400を備える。吸湿部400は、例えば圧力弁180の動作に伴って観察装置100の内部へ入り込んだインキュベータ内の高温多湿の空気から水蒸気を取り除く。吸湿部400は、例えばシリカゲルのような吸湿部材であってもよいし、吸湿部400の内部で凝縮させて内部環境の水蒸気量を低下させる凝縮器であってもよい。さらに、除湿器を特別に設けてもよい。また、圧力弁180を開閉する際に、空気の流れで異物が出入りしないように圧力弁180の空気の流路に多孔質フィルムのようなフィルタを設けてもよいし、当該フィルタに抗菌、滅菌の部材を併設して、インキュベータ外の環境からインキュベータ内へ持ち込まれた観察装置100の内部の空気がインキュベータ内を汚染することを抑制し、インキュベータ内の環境がクリーンに保たれるようにしてもよい。なお、多孔質フィルムを圧力弁180の代わりに使うと、常に、湿度を含む空気の出入りが観察装置100の内外に存在することになり、本願の目的を達成することが出来ない。
ここで、図1及び図2を再び参照して、観察システム1の構成について説明を続ける。
観察装置100は、図1に示すように、回路群104をさらに備える。回路群104は、例えば筐体101の内部に設けられており、観察側制御回路110と、画像処理回路120と、観察側記録回路130と、観察側通信装置140とを含む。
観察側制御回路110は、観察装置100の備える各部の動作を制御する。また、観察側制御回路110は、観察装置100の動作に係る各種情報を取得し、観察装置100の動作に係る各種判定を行い、また、当該判定の結果に基づいてユーザに対して通知、警告等を行う。なお、観察側制御回路110は、当該通知、警告を行う通知制御部、警告制御部としての機能を備えていてもよい。図2に示すように、観察側制御回路110は、位置制御部111、撮像制御部112、照明制御部113、通信制御部114、記録制御部115、測定制御部116及び変形情報処理部117としての機能を備える。位置制御部111は、移動機構160の動作を制御し、画像取得ユニット150の位置を制御する。撮像制御部112は、画像取得ユニット150の備える撮像部151の動作を制御し、撮像部151に試料300の画像を取得させる。撮像制御部112は、ピント・露出切替部を備える。撮像制御部112は、例えば撮像光学系152に含まれる合焦用レンズを光軸方向に移動させてピント調節を行う。当該合焦用レンズは、例えば液体レンズのような焦点距離が可変のレンズであってもよい。また、合焦用には焦点の異なるレンズが複数用意されてもよい。用意されたレンズが多眼であればリフォーカス技術などを利用することが可能となる。また、ピント・露出切替部は、例えば絞りの動作を制御して露出の調節をしたり、レンズの光軸方向の動作を制御してズームの調整をしたりする。照明制御部113は、画像取得ユニット150の備える照明部155の動作を制御する。通信制御部114は、観察側通信装置140を介したコントローラ200との通信を管理する。記録制御部115は、観察装置100で得られたデータの記録について制御する。測定制御部116は、測定を行うタイミングや回数など、測定全体を制御する。
変形情報処理部117は、変形情報取得部と変形判定部としての機能を備える。変形情報取得部は、例えば筐体101又は透明板102に変形を生じさせ得る要因である、観察装置100の内部環境の圧力、温度等の計測値をセンサ部171から取得する。また、観察装置100が配置される環境等、外部環境の圧力、温度等の値を取得する。これら外部環境に係る値は、センサ部171から取得されてもよいし、予め設定されて記録されている情報が観察側記録回路130から取得されてもよいし、観察側通信装置140を介して、コントローラ200、インターネット上に構築されたサーバ等の観察システム1の外部のデータベースから取得されてもよい。変形情報取得部は、これら取得した内部環境と外部環境との情報から、筐体101又は透明板102の変形の要因となる温度差、圧力差を変形情報として取得する。
なお、変形情報取得部は、撮像部151が取得した画像を画像処理回路120に解析させた結果に基づいて変形情報を取得してもよいし、例えば撮像制御部112の備える合焦判定部が行う合焦判定の結果に基づいて合焦位置の変化量を変形情報として取得してもよい。また、観察装置100が歪みセンサを備える場合には、当該歪みセンサの計測値が変形情報として取得されてもよいし、観察装置100がフォトインタラプタとフォトリフレクタとを備える場合には、これらの計測値の変化量が変形情報として取得されてもよい。
変形判定部は、当該変形情報に基づいて、例えば、筐体101又は透明板102に観察不良を生じさせる第1の閾値以上の変形が生じ得るか否か、筐体101又は透明板102に第1の閾値以上の変形が生じているか否か等、観察装置100の変形に係る判定を行う。
画像処理回路120は、撮像部151で得られた画像データに対して各種画像処理を施す。画像処理回路120による画像処理後のデータは、例えば観察側記録回路130に記録されたり、コントローラ200に送信されたりする。また、画像処理回路120は、得られた画像に基づく各種解析を行ってもよい。例えば画像処理回路120は、得られた画像に基づいて、試料300に含まれる細胞324又は細胞群の画像を抽出したり、細胞又は細胞群の数を算出したりする。このようにして得られた解析結果も、例えば観察側記録回路130に記録されたり、コントローラ200に送信されたりする。
観察側記録回路130は、観察装置100の備える各部で用いられるプログラムや各種パラメータ、観察装置100で得られたデータを記録する。また、観察側記録回路130は、例えば画像データ(画素データ)、記録用の画像データ、表示用の画像データ、動作時の処理データといった各種データを一時的に記録する。
観察装置100は、観察側通信装置140を介して、例えばコントローラ200と通信を行う。通信には、例えばWi−Fi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等を利用した無線通信が利用される。また、観察装置100とコントローラ200とは、有線によって接続されて有線によって通信が行われてもよいし、互いにインターネット等の電気通信回線に接続されてインターネット等の電気通信回線を介して通信が行われてもよい。
観察装置100は、センサ部171と、電源190とをさらに備える。センサ部171は、例えば、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ等を含む。センサ部171は、例えば、観察装置100の内部の温度、湿度、圧力等を計測し、観察側制御回路110へ出力する。なお、センサ部171は、観察装置100の外部の温度、湿度、圧力等をさらに計測できるように配置されていてもよい。前述したように、センサ部171は、筐体101又は透明板102等の変形を検出できるように歪みセンサ、圧電素子等を備えていてもよい。また、センサ部171は、フォトインタラプタとフォトリフレクタとを備えて筐体101又は透明板102等の変形を検出してもよい。この場合には、例えば筐体101の一部が変形検出用に透明であってもよい。電源190は、観察装置100の備える各部に電源を供給する。電源190は、ユーザの操作結果を取得する操作部を備えていてもよい。操作部は、例えばボタン、スイッチ、ダイヤル、レバー、タッチパネル等を含む。ユーザは、例えば観察装置100の電源をオン/オフとしたいとき、待機状態としたいとき等に当該操作部を操作したりする。
(コントローラについて)
コントローラ200は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型の情報端末等である。図1には、タブレット型の情報端末を図示している。
コントローラ200には、例えば液晶ディスプレイといった表示装置272とタッチパネルといった入力装置274とを備える入出力装置270が設けられている。入力装置274は、タッチパネルの他に、スイッチ、ダイヤル、キーボード、マウス等を含んでいてもよい。
また、コントローラ200には、コントローラ側通信装置240が設けられている。コントローラ側通信装置240は、観察側通信装置140と通信を行うための装置である。観察側通信装置140及びコントローラ側通信装置240を介して、観察装置100とコントローラ200とは通信を行う。
また、コントローラ200は、コントローラ側制御回路210と、コントローラ側記録回路230とを備える。コントローラ側制御回路210は、コントローラ200の各部の動作を制御する。コントローラ側記録回路230は、例えばコントローラ側制御回路210で用いられるプログラムや各種パラメータ、観察装置100から受信したデータを記録する。
コントローラ側制御回路210は、システム制御部211、表示制御部212、記録制御部213及び通信制御部214としての機能を有する。システム制御部211は、試料300の測定のための制御に係る各種演算を行う。表示制御部212は、表示装置272の動作を制御する。表示制御部212は、表示装置272に必要な情報等を表示させる。記録制御部213は、コントローラ側記録回路230への情報の記録を制御する。通信制御部214は、コントローラ側通信装置240を介した観察装置100との通信を制御する。なお、通信制御部214は、インターネット等の電気通信回線上に設けられたクラウド等との通信を制御する。観察システム1の外部に設けられているネットワークサーバの有する画像処理回路等に観察結果に基づいた細胞カウント、奥行き情報の算出等の処理を行わせてもよい。また、通信制御部214は、インターネットに接続されたインキュベータ、空調設備、照明設備等のIoT機器から情報を取得したり、当該IoT機器を制御したりする通信を制御する。
なお、観察側制御回路110、画像処理回路120及びコントローラ側制御回路210は、Central Processing Unit(CPU)、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、又はField Programmable Gate Array(FPGA)等の集積回路等を含む。観察側制御回路110、画像処理回路120及びコントローラ側制御回路210は、それぞれ1つの集積回路等で構成されてもよいし、複数の集積回路等が組み合わされて構成されてもよい。また、観察側制御回路110及び画像処理回路120は、1つの集積回路等で構成されてもよい。また、観察側制御回路110の位置制御部111、撮像制御部112、照明制御部113、通信制御部114、記録制御部115、測定制御部116及び変形情報処理部117は、それぞれ1つの集積回路等で構成されてもよいし、複数の集積回路等が組み合わされて構成されてもよい。また、位置制御部111、撮像制御部112、照明制御部113、通信制御部114、記録制御部115、測定制御部116及び変形情報処理部117のうち2つ以上が1つの集積回路等で構成されてもよい。同様に、コントローラ側制御回路210のシステム制御部211、表示制御部212、記録制御部213及び通信制御部214は、それぞれ1つの集積回路等で構成されてもよいし、複数の集積回路等が組み合わされて構成されてもよい。また、システム制御部211、表示制御部212、記録制御部213及び通信制御部214のうち2つ以上が1つの集積回路等で構成されてもよい。これら集積回路の動作は、例えば観察側記録回路130又はコントローラ側記録回路230や集積回路内の記録領域に記録されたプログラムに従って行われる。
なお、観察側記録回路130、コントローラ側記録回路230又はこれらの備える各要素は、例えばフラッシュメモリのような不揮発性メモリであるが、Static Random Access Memory(SRAM)やDynamic Random Access Memory(DRAM)のような揮発性メモリをさらに有していてもよい。また、観察側記録回路130又はこれらの備える各要素と、コントローラ側記録回路230又はこれらの備える各要素とは、それぞれ1つのメモリ等で構成されてもよいし、複数のメモリ等が組み合わされて構成されてもよい。また、観察システム1の外部にあるデータベース等を、そのメモリの一部として利用してもよい。
<観察システムの動作>
コントローラ200との間で通信して観察装置100で行われる観察装置制御処理の一例をフローチャートとして図5に示し、これを参照して観察システム1の動作について説明をする。
ステップS101において、観察側制御回路110は、観察装置100の電源がオンとされたか否かを判定する。本ステップで電源がオンとされたと判定される場合には、例えば、ユーザが電源190の備える電源スイッチを操作した場合、外部電源に接続された場合、設定された時刻になった場合等がある。また、例えばユーザの操作に応じてコントローラ200から電源をオンとする制御信号を受信した場合に電源がオンとされてもよい。観察装置制御処理は、電源がオンであると判定された場合はステップS102へ進み、電源がオンであると判定されなかった場合は電源がオンであると判定されるまで待機する。
ステップS102において、観察側制御回路110は、例えばコントローラ200からユーザの操作に応じて出力される信号を受信するまで待機する。ここで使用される通信は、例えば観察装置100が制御信号等の送受信用に備えるBluetooth Low Energy(BLE)等の省待機電力の通信規格を使用したものである。受信した場合、観察側制御回路110は、コントローラ200との通信を確立する。ここで確立される通信は、例えば、データの送受信用に観察装置100が備えるWi−Fi等の高速の通信規格を使用したものである。
ステップS103において、観察側制御回路110は、例えばコントローラ200から動作確認処理の実行を指示する制御信号を受信したか否かを判定する。観察装置制御処理は、当該制御信号を受信したと判定された場合はステップS104へ進み、判定されなかった場合はステップS105へ進む。
ステップS104において、観察側制御回路110は、動作確認処理を実行する。本実施形態に係る動作確認処理において、観察側制御回路110は、例えば、観察装置100の備える各部の動作を確認する。動作確認処理は、観察装置100がインキュベータ内に配置される前(配置前)に行われてもよいし、観察装置100がインキュベータ内に配置された後(配置後)に行われてもよい。なお、観察装置100がインキュベータ内に配置されているか否かの判定は、ユーザ操作に基づいて行われてもよいし、センサ部171の計測する温度、圧力等の計測値に基づいて行われてもよい。
(動作確認処理が配置前に行われる場合について)
観察側制御回路110は、変形情報処理部117の取得する内部環境と外部環境(インキュベータ内の環境)との温度差、圧力差等の変形情報に基づいて、現在の状態のまま観察装置100がインキュベータ内に配置された場合に、筐体101又は撮像用光路上の透明板102に変形が生じ得るか否かを判定する。インキュベータ内の温度や湿度等はほぼ一定である。このため、インキュベータ内の温度や湿度等の情報は、予め観察システム1の内部に設定されて記録されていてもよい。勿論、インキュベータ内の温度や湿度等の情報は、観察装置100の使用のたびに観察装置100によって計測又は通信が行われて取得されてもよい。観察側制御回路110は、変形が発生する可能性があると判定された場合には、ユーザに対して観察不良が生じる可能性がある旨の警告を行う。
(動作確認処理が配置後に行われる場合について)
観察側制御回路110は、変形情報処理部117の取得する内部環境と外部環境(インキュベータ内の環境)との温度差、圧力差等の変形情報に基づいて、筐体101又は撮像用光路上の透明板102に変形が生じているか否かを判定する。これらの判定は、例えば画像取得ユニット150に取得させた画像を画像処理回路120に解析させて行われるか、又は例えばセンサ部171の出力する内部環境の温度、圧力等の計測値に基づいて行われる。観察側制御回路110は、観察不良が生じていると判定された場合は、ユーザに対して観察不良が生じている旨の警告を行う。
また、動作確認処理において、観察装置100は、例えば、撮像用光路上に結露が発生する可能性があるか否か、撮像用光路上に結露が発生したか否かの判定を行い、結露に起因する観察不良が生じているか否かを判定してもよい。また、当該結露に係る判定の結果に応じて、ユーザに警告を行ってもよい。
また、本実施形態に係る動作確認処理は、観察装置100の動作不良や観察不良がなく、観察装置100が正常に使用できる場合には、ユーザへ使用可能通知を行ってもよい。
なお、これらの警告や通知は、観察装置100の照明部155の放射する照明光を点滅させて行われてもよいし、コントローラ200へ警告を表示させて行われてもよい。また、コントローラ200が音声データを出力したり、振動したりして当該警告や通知が行われてもよい。一方で、問題なく観察装置100が使用できる状態であれば、ユーザに対して使用可能通知を行ってもよい。
なお、筐体101又は透明板102等の変形は、センサ部171の出力による検出、画像解析による検出に限らず、例えば透明板102が撮像用光路上にあることを利用して、筐体101又は透明板102の変形に伴う合焦位置のずれ量に基づいて検出されてもよい。
また、ユーザへの警告は、筐体101又は透明板102に観察不良が生じる第1の閾値以上の変形が生じる前に行われる。
ステップS105において、観察側制御回路110は、例えばコントローラ200から観察・測定処理の実行を指示する制御信号を受信したか否かを判定する。観察装置制御処理は、当該制御信号を受信したと判定された場合はステップS106へ進み、判定されなかった場合はステップS107へ進む。
ステップS106において、観察側制御回路110は、観察・測定処理を実行する。本実施形態に係る観察・測定処理において、観察側制御回路110は、例えば、ユーザが指定する特定の位置に対して観察及び測定を行う特定観察を実行する。特定観察において、例えばユーザは、観察したい領域について、コントローラ200を操作して画像取得ユニット150の位置を移動機構160に移動させて得られるライブビュー表示を見ながら指定したり、当該領域を示す位置座標をコントローラ200へ入力して指定したりする。
また、本実施形態に係る観察・測定処理において、観察側制御回路110は、例えば、予め設定されて観察側記録回路130に記録されている移動パターンに従って、画像取得ユニット150を移動機構160に移動させながら撮像させて、観察及び測定を行うカウントスキャン処理を実行する。カウントスキャン処理において複数の撮像位置で取得された複数の画像は、例えば画像処理回路120において、広範囲の高画素画像として合成される。また、観察側制御回路110は、例えば当該合成画像に基づいて、画像処理回路120に試料300に含まれる細胞324の数をカウントさせる。
観察側制御回路110は、このようにして取得された画像データ、カウント結果等の観察・測定結果を、例えばコントローラ200へ送信させる。なお、これらの結果は、観察側記録回路130に記録されてもよいし、観察システム1の外部にあるクラウド等のネットワークサーバへ送信されてもよい。その後、観察装置制御処理はステップS107へ進む。
なお、図3及び図4を参照して上述したように、本実施形態に係る圧力弁180は、筐体101又は透明板102に所定の閾値(第1の閾値)以上の変形が生じる場合に随時動作する。そのため、このような観察・測定処理が行われている際に内部環境、外部環境における圧力、温度等が変化しても観察不良は生じない。また、観察・測定処理の実行中に、圧力弁180が動作しても筐体101又は透明板102の変形が収まらない場合には、観察側制御回路110は、ユーザに警告を行ってもよい。このように圧力弁180の動作によっても筐体101又は透明板102の変形が第1の閾値未満にならない場合には、例えば撮像部151や照明部155の発熱等によって生じた熱ひずみに起因する変形である可能性もあり得る。このような警告によって、ユーザは、圧力弁180では対処できない観察不良が生じている場合に、すぐに対処可能となる。また、このような熱ひずみに起因する観察不良が生じた場合、本実施形態に係る変形制御機構は、照明部155の放射する照明光の光量、放射する頻度等を制限したり、撮像素子153の動作を制限したりして、観察装置100の内部での発熱を抑制する。
ステップS107において、観察側制御回路110は、コントローラ200から観察装置100の使用を終了する旨の制御信号を受信したか否かを判定する。観察装置制御処理は、当該制御信号を受信したと判定された場合はステップS108へ進み、判定されなかった場合はステップS102へ戻る。
ステップS108において、観察側制御回路110は、観察装置100の電源をオフとする。このとき、観察側制御回路110は、例えばBLE等の省待機電力の制御信号の送受信のための通信機能はオンのままとする。その後、観察装置制御処理はステップS101へ戻る。
コントローラ200で行われるコントローラ制御処理の一例をフローチャートとして図6に示し、これらを参照して観察システム1の動作について説明をする。図6のフローチャートに示す処理は、例えば観察装置100の電源が入れられた後に開始する。なお、例えばユーザがコントローラ200を操作して観察装置100の電源をオンとする場合には、以下の処理に先立ち、ユーザ操作に応じて観察装置100の電源をオンとするための制御信号が送信されてもよい。
ステップS201において、コントローラ側制御回路210は、表示装置272に、例えばユーザが観察装置100を操作するための、アイコン群(使用可能な機能の一覧)を表示させる。本実施形態に係るコントローラ200は、例えばタブレットPC、スマートフォン等であり、ユーザは、通話、メール等のアプリを選択して使用する場合と同様にして、観察装置100の操作を行うためのアプリ(検査アプリ)を選択して使用できる。なお、当該表示はアイコンに限らず、文字列等で行われてもよい。また、観察装置100の操作を開始するためのボタン、スイッチ等が設けられていてもよい。コントローラ側制御回路210は、例えば入力装置274がユーザの操作結果に応じて出力する操作信号を受信するまで待機し、受信後は当該操作信号に基づいてユーザが何れのアイコンを選択したかの判定(操作判定)を行う。また、コントローラ側制御回路210は、当該操作判定の結果に応じて、観察装置100との、例えばWi−Fi等の高速の通信規格を用いた、通信を確立する。本ステップの処理は、例えば観察装置制御処理のステップS102に対応する。
ステップS202において、コントローラ側制御回路210は、選択されたアイコン(機能)が動作確認であるか否かを判定する。コントローラ制御処理は、動作確認が選択されたと判定された場合はステップS203へ進み、判定されなかった場合はステップS206へ進む。
ステップS203において、コントローラ側制御回路210は、動作確認処理の実行を指示するための制御信号をコントローラ側通信装置240に観察装置100へ送信させる。ステップS204において、コントローラ側制御回路210は、動作確認処理の結果を観察装置100から受信したか否かを判定する。コントローラ制御処理は、当該結果を受信するまで処理を繰り返し、受信した後にステップS205へ進む。
ステップS205において、コントローラ側制御回路210は、動作確認処理の結果に応じて、動作確認処理の結果を表示装置272に表示させる。このとき、コントローラ側制御回路210は、例えば、観察装置100の内部環境における温度、圧力、湿度等の計測値が所定の閾値以上である場合、筐体101又は撮像用光路上の透明板102が変形していたり、撮像用光路上に結露が発生していたりするなどして観察不良が生じていると判定された場合等に、ユーザに対して警告を行う。また、コントローラ側制御回路210は、動作確認処理の結果に応じて、観察装置100が使用可能な状態である旨をユーザに通知する。その後、コントローラ制御処理はステップS206へ進む。ステップS202乃至ステップS205の処理は、観察装置制御処理のステップS103及びステップS104に対応する。
このように動作確認処理の結果に応じて警告や通知が行われることで、ユーザが観察不良に気付かないまま観察・測定処理を実行してしまうことを防ぐことができる。さらに、このような警告等によってユーザに対処を促すことで、例えば圧力弁180では対処できない状態のまま放置されたりして、観察装置100が故障したり損傷したりすることを防ぐことができる。
ステップS206において、コントローラ側制御回路210は、選択されたアイコン(機能)が観察・測定処理であるか否かを判定する。コントローラ制御処理は、観察・測定処理が選択されたと判定された場合はステップS207へ進み、判定されなかった場合はステップS210へ進む。
ステップS207において、コントローラ側制御回路210は、観察・測定処理の実行を指示するための制御信号をコントローラ側通信装置240に観察装置100へ送信させる。ステップS208において、コントローラ側制御回路210は、観察・測定処理の結果を観察装置100から取得し、当該結果を表示させる。なお、当該結果に基づいてステップS205のような警告、通知等が行われてもよい。ここで、観察装置100で実行された観察・測定処理で得られた結果は、観察装置100で取得される毎に受信してもよいし、スキャン処理等が終了したときに受信してもよい。また、画像処理を含む解析は、観察装置100で行われもよいし、コントローラ200で行われてもよいし、観察システム1の外部に設けられた画像処理回路で行われてもよい。
ステップS209において、コントローラ側制御回路210は、例えばユーザの操作結果に応じて入力装置274が出力する制御信号に基づいて、観察・測定処理を終了するか否かを判定する。なお、当該判定は、例えば予め設定された領域のスキャンが終了したか否かに基づいて行われてもよい。観察・測定処理は、終了すると判定された場合はステップS210に進み、判定されなかった場合はステップS207へ戻る。ステップS206乃至ステップS209の処理は、観察装置制御処理のステップS105及びステップS106に対応する。
ステップS210において、コントローラ側制御回路210は例えばユーザの操作結果に応じて入力装置274が出力する制御信号に基づいて、観察装置100を用いた各種処理を終了するか否かを判定する。コントローラ制御処理は、終了しないと判定された場合はステップS201へ戻り、終了すると判定された場合は観察装置制御処理を終了して観察装置100の電源をオフとすることを指示する制御信号を観察装置100へ送信する。その後、コントローラ制御処理は終了する。
<観察システムの利点>
本実施形態に係る観察装置100は、例えばインキュベータ内の高温多湿の環境等の、外部環境に配置され、画像取得ユニット150を移動機構160に移動させながら繰り返し撮像を行い、試料300の観察画像、試料300に含まれる細胞数等を取得する。
ところが、外部環境の状態、撮像部151や照明部155等の内部環境での発熱等によっては、外部環境と内部環境との間に圧力差や温度差が生じ得る。このような圧力差や温度差は、筐体101、撮像用光路上に配置される透明板102等に変形を生じさせ得る。さらに、変形の程度が大きくなれば、観察装置100の損傷もあり得る。
そのような中、本実施形態に係る変形制御機構は、内部環境と外部環境との圧力差に応じて、かつ、観察装置100の各種動作とは独立して随時動作し、内部環境と外部環境との間の圧力差を低減させる。そのため、ユーザは、本実施形態に係る観察装置100を使用すれば、筐体101又は透明板102に第1の閾値以上の変形が生じて観察不良が生じることなく、観察等を実施できる。
また、本実施形態に係る変形制御機構は、内部環境と外部環境との間の圧力差によって駆動するため、内圧調整に際して電源を必要としない。そのため、ユーザは、本実施形態に係る観察装置100を利用すれば、様々な外部環境を経て行われる輸送時、保管時などの観察装置100が電源に接続されていない状況であっても、観察装置100を破損することなく輸送、保管等ができる。
また、例えば動作確認処理が、観察装置100がインキュベータ内に配置される前に行われる場合には、ユーザは、観察装置100を用いた観察等を開始する前に、変形や結露等の観察不良が生じ得るか否かを知ることができる。また、本実施形態に係る観察装置100は、インキュベータ内に配置された後に、変形や結露が生じた場合、圧力弁180では対処できない変形が生じてしまった場合にもユーザへ警告を行う。なお、圧力弁180では対処できない変形は、急激な圧力変動が生じた場合、圧力弁180が動作不良を起こしている場合、温度差に基づいた熱ひずみが生じている場合等に生じ得る。このような警告があるため、ユーザは、随時、必要に応じた対策を講じることができる。
なお、本実施形態に係る変形制御機構が、筐体101又は撮像用光路上に配置される透明板102に観察不良の原因となる第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に動作する圧力弁180である場合を例として説明したが、これに限定されない。例えば、観察装置100の輸送時等、筐体101又は透明板102の変形が、観察不良を起こし得る第1の閾値より大きくても、観察装置100が破壊し得る第2の閾値より小さければ良いといった場合もあり得る。また、必要以上に変形制御機構が動作した場合には、観察装置100の内部に高温多湿の空気、不純物を含んだ空気等が流入することによる観察装置100への影響が考えられる。このような対策として、本実施形態に係る変形制御機構は、例えば計測不良が生じ得る第1の圧力差によって駆動する圧力弁と、観察装置100の破壊が起こり得る第2の圧力差によって駆動する圧力弁とを切り替える弁切り替え機構を備えていてもよい。この場合、例えばユーザは、観察不良を抑制したい場合には圧力弁180が第1の圧力差によって駆動するように弁切り替え機構を操作し、輸送前、保管前等の精緻な内圧制御が不要な場合には、圧力弁180が第2の圧力差によって駆動するように弁切り替え機構を操作する。なお、例えば、第1の圧力差は、筐体101又は透明板102に第1の閾値の変形が生じ得る圧力差であり、第2の圧力差は、筐体101又は透明板102に第2の閾値の変形が生じ得る圧力差である。
なお、本実施形態に係る圧力弁180は、図3及び図4に示す構成に限定されない。例えば、図7及び図8に変形制御機構の構成の別の一例を模式図として示す。図7及び図8に示す模式図は、図1に示す切断線における観察装置100の構成の一例を示す断面図である。図7及び図8に示す構成例では、圧力弁180は、内部環境の圧力が外部環境の圧力と比較して低い場合に動作する第3の圧力弁180cと、内部環境の圧力が外部環境の圧力と比較して高い場合に動作する第4の圧力弁180dとを備える。第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとは、仕切り板183が動作する際の支点185をさらに備える。また、第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとは、弾性部材182に代わり、仕切り板183と押さえ板181とを接続し、仕切り板183の一端がOリング184に押し付けられるように動作させる弾性力を有する第1の弾性部材186と、押さえ板181に設けられた貫通穴の位置で固定されており、内部環境と外部環境との圧力差によって変形する第2の弾性部材187とをさらに備える。図8に示すように、第2の弾性部材187は、当該圧力差によって変形した場合に仕切り板183と接触して、仕切り板183を開放側に動作するように構成されている。このような第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとでは、第1の弾性部材186と第2の弾性部材187との弾性力の大きさ、仕切り板183と支点185との位置関係によって駆動する圧力差が調整できる。また、このように駆動する圧力差が調整されることで、第1の圧力弁180aと第2の圧力弁180bとの場合と同様に、第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとは、所定の圧力差未満である場合には動作せず、ともに閉じた状態となっている。また、第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとは同時に動作しないように構成されている。なお、図7及び図8に示すような第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとを使用しても、図3及び図4に示すような第1の圧力弁180aと第2の圧力弁180bとを使用した場合と同様の効果が得られ得る。
なお、本実施形態では、内部環境の圧力と外部環境の圧力との大小関係に応じて内圧調整が可能なように、圧力弁180が、例えば第1の圧力弁180aと第2の圧力弁180b又は第3の圧力弁180cと第4の圧力弁180dとのように、双方向に設けられている場合を例として説明したが、これに限定されない。観察装置100の配置される外部環境に応じて、何れか一方向の圧力弁のみを備える構成も考えられる。この場合には、部品点数の低減、観察装置100の小型化等の効果が得られ得る。
なお、本実施形態に係る変形制御機構として、弾性部材の弾性力によって仕切り板183が動作する圧力弁180を例に説明したが、これに限定されない。例えば、仕切り板183と筐体101との間に磁力による引力又は斥力が働いており、応力Fpiと、応力Fpoと、磁力との釣り合いによって圧力弁180が動作するように構成されていてもよい。
また、本実施形態に係る変形制御機構が圧力弁180である場合を例として説明をしたが、これに限定されない。例えば、変形制御機構として、観察装置100の筐体101又は透明板102のうち、観察に影響を与えない場所に、圧力差に応じて変形する変形部が設けられる仕様もあり得る。変形部は、圧力差に応じて膨張したり、収縮したりして、観察装置100の内部の体積を変動させることができる。このような変形制御機構であれば、本実施形態に係る圧力弁180と同様にして、観察装置100の気密性を維持したまま、電源を使用しなくても、筐体101又は透明板102の変形に伴い生じる観察不良を抑制できる。
[第2の実施形態]
本発明における第2の実施形態について説明する。ここでは、第1の実施形態との相違点について説明し、同一の部分については同一の符号を付してその説明を省略する。
第1の実施形態では、変形制御機構が、内部環境と外部環境との圧力差が所定の圧力差以上となった場合に弾性部材182が当該圧力差に応じて変形することで動作する圧力弁180である場合について説明した。このような圧力弁180を使用する場合、観察不良の原因となる筐体101又は撮像用光路上の透明板102の変形を抑制するためには、小さな圧力差で頻繁に動作することが好ましい。一方で、結露が生じないようにするためには、圧力弁180を必要以上に動作させずにインキュベータ内の高温多湿の空気が観察装置100の内部に入り込まないようにすることが好ましい。さらに、インキュベータの扉の開け閉めや、その他の作業で生じる、短時間の温度変化では、これら圧力弁180が動作しないように、弾性部材182の弾性力を決めている。
このような、相反する要求を実現するために、本実施形態に係る観察装置100の備える変形制御機構は、第1の実施形態で上述したような圧力差で駆動する圧力弁180が、電気的な制御によっても駆動されるように構成されている。本実施形態に係る圧力弁180は、筐体101又は透明板102の変形が第1の閾値以上となる場合には電気的な制御によって動作し、筐体101又は透明板102の変形が第2の閾値以上となる場合には圧力差によって動作する。なお、筐体101又は透明板102の変形が第1の閾値以上となる場合には観察不良が生じる可能性があり、さらに第2の閾値以上となる場合には観察装置100が損傷する可能性があるものとする。
<観察システムの構成>
本実施形態に係る観察装置100の観察側制御回路110は、変形制御部をさらに備える。本実施形態に係る変形制御部は、例えば圧力弁180を制御する弁制御部118である。弁制御部118は、例えばセンサ部171の出力、合焦位置のずれ量等に基づいて、筐体101又は透明板102に観察不良が生じ得る第1の閾値以上の変形が生じていると判定された場合に、圧力弁180を電気的な制御によって動作させる。
ここで、図10及び図11に本実施形態に係る変形制御機構の構成の一例を模式図として示し、これを参照して本実施形態に係る変形制御機構について説明をする。
図10及び図11に示すように、本実施形態に係る変形制御機構は、被操作片188をさらに備える。本実施形態に係る移動機構160は、操作片166をさらに備える。操作片166は、例えば支持部165に設けられており、支持部165が所定の位置(弁開放位置)へ移動機構160によって移動させられたときに、被操作片188と接触するように構成されている。被操作片188は、操作片166によって、例えば図11に示すように押し下げられ、仕切り板183を動作させる。
なお、図10及び図11には、内部環境の圧力が外部環境の圧力と比較して高い場合に動作する第1の圧力弁が移動機構160によっても動作する場合を例として示しているが、これに限定されない。例えば、第2の圧力弁の備える被操作片188は、操作片166によって押し上げられ、仕切り板183が動作するように構成されていてもよい。
<観察システムの動作>
観察装置制御処理のステップS104における動作確認処理、ステップS106における観察・測定処理等、観察装置100が画像取得等を行う間に観察装置100で行われる変形制御処理の一例をフローチャートとして図12に示し、これを参照して観察システム1の動作について説明をする。
ステップS301において、観察側制御回路110は、変形情報を取得する。当該変形情報には、例えば、筐体101又は透明板102が変形しているか否か、筐体101又は透明板102の変形量、筐体101又は透明板102の変形を生じさせる要因に係る情報(内部環境と外部環境の温度差、圧力差)等の情報が含まれる。
ステップS302において、観察側制御回路110は、ステップS301で取得した変形情報に基づいて、筐体101又は透明板102の変形が第1の閾値以上であるか否かの判定を行う。変形制御処理は、変形していると判定された場合にはステップS303へ進み、判定されなかった場合にはステップS301へ戻る。
ステップS303において、観察側制御回路110は、筐体101又は透明板102に変形が生じており、観察不良が生じている旨の警告を行うための制御信号を生成し、当該制御信号を観察側通信装置140にコントローラ200へ送信させる。
ステップS304において、観察側制御回路110は、移動機構160に画像取得ユニット150を所定の位置(弁開放位置)まで移動させて、圧力弁180を動作させる。その後、観察側制御回路110は、移動機構160に画像取得ユニット150を当該所定の位置から移動させて、圧力弁180の開放を終了する。その後、変形制御処理はステップS301へ戻る。
<観察システムの利点>
本実施形態に係る観察システム1は、第1の実施形態で得られる利点に加え、以下のような利点を有する。
本実施形態に係る観察装置100は、観察装置100の破壊等の損傷が発生し得る第2の閾値以上の変形が筐体101又は透明板102に生じる場合には随時動作し観察装置100の破壊を防ぎ、かつ、画像取得中には観察不良が生じ得る第1の閾値以上の変形が筐体101又は透明板102に生じる場合には操作片166によって圧力弁180を電気的に制御して動作させて観察装置100での観察不良を防ぐことができる。
また、本実施形態に係る観察装置100は、画像取得中には精緻な変形制御が可能な一方で、輸送中、保管中等の電源の供給がない状態であっても、変形制御機構が動作することによって、観察装置100が破壊することを防ぐことができる。
また、画像取得中に電源供給を受けて行われる変形制御が可能なことにより、結露の原因となる高温多湿の空気が入り込まないように観察装置100の気密度を高めた場合であっても、筐体101又は透明板102の変形に基づく観察不良を防ぐことができる。
なお、本実施形態では、内部環境と外部環境との圧力差に応じて動作する圧力弁180が、弁制御部の制御によっても動作するとした変形制御機構について説明したが、これに限定されない。例えば、変形制御機構は、圧力差そのものによって駆動せず、弁制御部によって動作する電磁弁であってもよい。このような場合であっても、第2の実施形態と同様に、筐体101又は透明板102の変形を抑制する効果が得られ得る。また、この場合には、輸送時や保管時のために、例えば手動で開の状態とするバルブを備えていてもよい。
また、変形制御機構は、第2の閾値に応じて動作する圧力弁180と、第1の閾値に基づいて動作する電磁弁とのそれぞれを別に備えていてもよい。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において、圧力弁180は例えば観察装置100の下方に設けられている場合を例として説明したが、これに限定されない。圧力弁180は、筐体101や透明板102の何れかの場所に設けられていればよい。ただし、観察不良の原因となり得る結露等の対策から、画像取得ユニット150の可動範囲から離れた位置であることが望ましい。
また、本実施形態に係る変形制御機構として、例えば、加熱部又は冷却部が設けられる仕様もあり得る。内部環境の圧力が低下して内部環境と外部環境との圧力差が所定の閾値以上となった場合には、加熱部は、内部環境の温度を上昇させて、内部環境の圧力を上昇させる。また、内部環境の圧力が上昇して当該圧力差が所定の閾値以上となった場合には、冷却部は、内部環境の温度を低下させて、内部環境の圧力を低下させる。このような変形制御機構であれば、観察装置100の気密性を維持したまま、本実施形態に係る圧力弁180と同様に、筐体101又は透明板102の変形に伴い生じる観察不良を抑制できる。さらに、このように変形制御機構として加熱部又は冷却部が設けられている場合には、圧力差が第1の閾値未満であっても温度差に起因して生じ得る、筐体101又は透明板102の圧力差に起因しない熱ひずみも抑制できる。
第1の実施形態及び第2の実施形態では、観察側制御回路110と、画像処理回路120と、観察側記録回路130と、観察側通信装置140とが回路群104として筐体101の内部に備えられている場合を例として説明したが、これに限定されない。例えば、これらのうち1つ又は複数の機能が画像取得ユニット150に備えられていてもよい。また、例えば観察側通信装置140としての機能は、画像取得ユニット150と、回路群104との両方に備えられていてもよい。また、観察側制御回路110と、画像処理回路120と、観察側記録回路130とのうち1つ又は複数の機能が、コントローラ200に備えられていてもよい。すなわち、例えば上述した各種判定、画像処理等の一部又は全てがコントローラ200で行われてもよい。
また、コントローラ200の備える各部のうち、例えば入出力装置270等、一部の要素が観察装置100に含まれていてもよい。さらに、観察装置100とコントローラ200とが1つの筐体に組み込まれた構成も考えられる。観察装置100とコントローラ200とが一体となった観察システム1は、例えば恒温室等の、ユーザ自身が使用環境に立ち入る場合に使用され得る。
また、観察装置100とコントローラ200とは、それぞれ、観察側通信装置140とコントローラ側通信装置240とを介して、インターネット等の電気通信回線に接続されたIoT機器であってもよい。例えば観察装置100が配置されるインキュベータ等がIoT機器である場合には、インターネット回線を通じて外部環境に係る情報が取得できるようになるため、観察装置100は、より精緻に観察装置100の変形を抑制できる。さらに、観察時に限らず、観察装置100の輸送ルートに応じた変形制御も可能となる。
また、観察システム1には、画像解析等の観察結果、ユーザの使用頻度等を含む観察システム1の使い方、インキュベータの設定等を記録して学習して、ユーザに、ユーザが設定する各種条件、パラメータ等を提示するような人工知能(AI)が含まれていてもよい。また、AIは、例えばDSP等に構築されて観察システム1の内部にあってもよいし、インターネット上に構築されて観察システム1の外部にあってもよい。このようなAIを含む観察システム1は、例えば、取得した画像について、サーバ上に用意されたデータベースを参照して細胞の様子、種類、培地の状態、異物混入の有無等を判定できる。また、例えば過去の観察装置100の使用状況や圧力弁180の動作状況を学習させることによって、より適切な筐体101又は透明板102の変形制御が可能となることは言うまでもない。
本技術は、例えば監視カメラや内視鏡のように、撮像部と観察対象との間に透明なカバー等が存在して、多様な環境に配置され得る撮像装置に対しても有効である。本技術は、例えば当該カバーの変形に伴う観察不良について、ユーザへの警告を行ったり、当該カバーの変形を抑制したりできる。したがってユーザは、本技術を適用した撮像装置を使用すれば、例えば圧力差や温度差に起因する観察装置の変形に基づく観察不良なく、画像等の観察結果を取得できる。変形が繰り返されると各部位の劣化等が起こるが、これも本技術を利用すれば防止できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
1…観察システム、100…観察装置、101…筐体、102…透明板、104…回路群、110…観察側制御回路、111…位置制御部、112…撮像制御部、113…照明制御部、114…通信制御部、115…記録制御部、116…測定制御部、117…変形情報処理部、118…弁制御部、120…画像処理回路、130…観察側記録回路、140…観察側通信装置、150…画像取得ユニット、151…撮像部、152…撮像光学系、153…撮像素子、155…照明部、156…照明光学系、157…光源、160…移動機構、161…X送りねじ、162…Xアクチュエータ、163…Y送りねじ、164…Yアクチュエータ、165…支持部、166…操作片、172…時計部、180…圧力弁、200…コントローラ、210…コントローラ側制御回路、211…システム制御部、212…表示制御部、213…記録制御部、214…通信制御部、230…コントローラ側記録回路、240…コントローラ側通信装置、270…入出力装置、272…表示装置、274…入力装置、300…試料、310…容器、322…培地、324…細胞、360…反射板。

Claims (14)

  1. 試料を撮像する撮像部を有する観察装置であって、
    前記撮像部の撮像用光路上に設けられる前記試料を配置するための透明板と、
    前記透明板とともに用いられて前記観察装置の内部環境を密閉状態とするように構成されている筐体と、
    前記透明板又は前記筐体に第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に、前記内部環境と前記観察装置が配置される外部環境との間の圧力差を低減させるように動作する変形制御機構と
    を備える観察装置。
  2. 前記変形制御機構は、
    前記筐体に固定された押さえ板と、
    前記押さえ板から離れる方向に弾性力を有し、かつ、一端が前記押さえ板と接触している弾性部材と、
    前記弾性部材の前記方向の前記押さえ板と接触していない一端と接触し、前記弾性力によって、前記筐体に設けられた穴を塞ぐように前記筐体に圧接される仕切り板と
    をさらに備え、
    前記仕切り板は、前記内部環境と前記外部環境との間の圧力差に基づく応力を前記弾性部材に伝達し、
    前記弾性部材は、前記応力が前記透明板又は前記筐体に第1の閾値以上の変形が生じ得る第1の圧力差に基づく応力以上の場合に、前記方向へ変位することで前記仕切り板を動作させて前記内部環境と前記外部環境との間を空間的に接続する、
    請求項1に記載の観察装置。
  3. 前記内部環境の圧力が前記外部環境の圧力より高い場合に動作する第1の変形制御機構と、
    前記内部環境の圧力が前記外部環境の圧力より低い場合に動作する第2の変形制御機構と
    を備える、
    請求項2に記載の観察装置。
  4. 前記弾性力は、前記第1の変形制御機構と、前記第2の変形制御機構とが、同時に動作しない力の大きさである、請求項3に記載の観察装置。
  5. 前記変形に係る情報を変形情報として取得する変形情報取得部と、
    前記変形情報に基づいて前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じ得るか否かの判定を行う変形判定部と、
    前記判定の結果に基づいて前記変形制御機構の動作を制御する変形制御部と
    をさらに備える、
    請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の観察装置。
  6. 前記試料に対する撮影位置を変更するために前記撮像部を移動させる移動機構と、
    前記移動機構の動作を制御する位置制御部と、
    前記移動機構が所定の位置に移動したときに前記変形制御機構と接触可能なように前記移動機構に設けられる操作片と
    をさらに備え、
    前記変形制御部は、前記位置制御部に前記移動機構を所定の位置へ移動させて前記操作片と前記変形制御機構とを接触させ、
    前記変形制御機構は、前記操作片との接触により動作する、
    請求項5に記載の観察装置。
  7. 前記変形制御機構は、
    前記透明板又は前記筐体の変形に伴う観察不良の抑制が要求される場合には、前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じ得ると判定された場合に前記変形制御部によって動作させられ、
    前記観察不良の抑制が要求されない場合には、前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値より大きく、前記観察装置の損傷が生じる第2の閾値以上の変形が生じ得る場合に前記内部環境と前記外部環境との間の圧力差に応じて動作する、
    請求項5又は6に記載の観察装置。
  8. 前記内部環境と前記外部環境との間の圧力差を計測する圧力センサをさらに備え、
    前記変形情報取得部は、前記圧力差を前記変形情報として取得し、
    前記変形判定部は、前記圧力差が所定の圧力差以上である場合に前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定し、
    前記変形制御部は、前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定された場合に前記変形制御機構を動作させる、
    請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の観察装置。
  9. 前記内部環境と前記外部環境との間の温度差を計測する温度センサをさらに備え、
    前記変形情報取得部は、前記温度差を前記変形情報として取得し、
    前記変形判定部は、前記温度差が所定の温度差以上である場合に前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定し、
    前記変形制御部は、前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定された場合に前記変形制御機構を動作させる、
    請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の観察装置。
  10. 前記透明板又は前記筐体の歪み量を計測する歪みセンサをさらに備え、
    前記変形情報取得部は、前記歪み量を前記変形情報として取得し、
    前記変形判定部は、前記歪み量が所定の歪み量以上である場合に前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定し、
    前記変形制御部は、前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定された場合に前記変形制御機構を動作させる、
    請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の観察装置。
  11. 前記撮像における合焦位置のずれ量を取得して合焦判定を行う合焦判定部をさらに備え、
    前記変形情報取得部は、前記合焦位置のずれ量を前記変形情報として取得し、
    前記変形判定部は、前記合焦位置のずれ量が所定のずれ量以上である場合に前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定し、
    前記変形制御部は、前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じる可能性があると判定された場合に前記変形制御機構を動作させる、
    請求項5乃至7のうち何れか1項に記載の観察装置。
  12. 前記透明板又は前記筐体に前記第1の閾値以上の変形が生じ得る場合にユーザへ警告する警告制御部をさらに備える、請求項1乃至11のうち何れか1項に記載の観察装置。
  13. 請求項1乃至12のうち何れか1項に記載の観察装置と、
    ユーザの操作結果を取得して前記観察装置へ出力し、前記観察装置の観察結果を取得するコントローラと
    を備える、観察システム。
  14. 試料を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像用光路上に設けられる前記試料を配置するための透明板と、筐体とを有する観察装置の制御方法であって、
    前記透明板と前記筐体とを用いて前記観察装置の内部環境を密閉状態とすることと、
    前記透明板又は前記筐体に第1の閾値以上の変形が生じ得る場合に、前記内部環境と前記観察装置が配置される外部環境との間の圧力差を低減させるように変形制御機構を動作させることと
    を含む、観察装置の制御方法。
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