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JP2018079428A - 炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着除去方法 - Google Patents

炭化水素吸着剤及び炭化水素の吸着除去方法 Download PDF

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JP2018079428A JP2016223691A JP2016223691A JP2018079428A JP 2018079428 A JP2018079428 A JP 2018079428A JP 2016223691 A JP2016223691 A JP 2016223691A JP 2016223691 A JP2016223691 A JP 2016223691A JP 2018079428 A JP2018079428 A JP 2018079428A
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圭太 中尾
Keita Nakao
圭太 中尾
亮 三橋
Akira Mihashi
亮 三橋
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Abstract

【課題】従来の炭化水素吸着剤と比べ、吸着した炭化水素の脱離温度の低下が抑制された炭化水素吸着剤を提供する。【解決手段】銅を含有するLEV型ゼオライトを含む炭化水素吸着剤。前記LEV型ゼオライトの銅含有量は、LEV型ゼオライトに対する銅の重量割合が1.0〜7.0重量%であることが好ましい。好ましくは、LEV型ゼオライトの平均粒子径が、0.5μmであり、前記LEV型ゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比が10〜50である、炭化水素吸着剤。【選択図】なし

Description

本発明は、炭化水素の吸着剤及び炭化水素の吸着方法に関する。特に排出ガス浄化システムへの適用に適した炭化水素の吸着剤にかかる。
自動車や船舶などの移動体に使用されている内燃機関から排出される排ガスは炭化水素を多く含む。移動体から排出される排ガスから炭化水素を除去するため、内燃機関の後に触媒等を設けた排ガス処理システムが実用化されている。排ガス処理システムにおける炭化水素の除去触媒として、貴金属を含む三元触媒が広く使用されている。しかしながら、三元触媒が機能するためには250℃以上の温度環境が必要であるため、内燃機関の起動時など、温度が低い状態では三元触媒では炭化水素を分解することができず、内燃機関から排出された炭化水素がそのまま移動体の外へと排出される。
そのため、排ガス処理システムでは三元触媒と炭化水素吸着剤を組合せることで、三元触媒が機能する前に炭化水素吸着剤に炭化水素を吸着させ、三元触媒が機能する温度になった時点で吸着した炭化水素を炭化水素吸着剤から脱離させ、これを三元触媒で分解除去することにより、炭化水素の大気中への排出を抑制している(例えば、特許文献1)。炭素数の少ない炭化水素を吸着及び脱離は難しいため、これまで、排ガス浄化システムにおける炭化水素吸着剤について、炭素数の少ない炭化水素の吸着及び脱離特性の改善が検討されている。
例えば、特許文献1では、三元触媒の下流に、シリカ/アルミナ比の異なる2種のゼオライトを組み合わせたガソリンエンジンの排ガス浄化システムが開示されている。さらに、特許文献1では、低級炭化水素を吸着するためにZSM−5を用いることが好ましい旨が記載されている。特許文献2には、銀でイオン交換したフェリエライト、モルデナイト、ZSM−5及びβ型ゼオライトがエチレンの吸着剤として使用できることが開示されている。さらに、特許文献3では、プロトン型のSUZ−4がプロピレンの吸着性能に優れることが開示されている。
特開平11−192427 特表2009−518162 特許2011−062664
排ガス処理システムに適用される炭化水吸着剤は、炭化水素の吸着機能に加え、200〜300℃で吸着した炭化水素を脱離する機能が必要とされる。これに加え、排ガス処理システムの炭化水素吸着剤は600℃以上、更には900℃以上高温の排ガスに晒される一方、内燃機関の停止時には室温、更には零下にまで晒されるため、熱負荷が非常に大きい。
しかしながら、従来報告された炭化水素吸着剤は、熱負荷のため、長期間の使用により炭化水素を脱離する温度が著しく低下するため、特に安定した炭化水素の脱離特性を有していなかった。
このような課題に鑑み、本発明は、従来の炭化水素吸着剤と比べ、吸着した炭化水素の脱離温度の低下が抑制された炭化水素吸着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、内燃機関の排ガス処理システムとしての適用に適した炭化水素吸着剤について検討を重ねた。その結果、特定の構造を有する小細孔ゼオライトに金属を含有させることで、熱負荷後の炭化水素の脱離特性の変化が小さくなること見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 銅を含有するLEV型ゼオライトを含む炭化水素吸着剤。
[2] 前記LEV型ゼオライトの銅含有量が、LEV型ゼオライトに対する銅の重量割合として1.0重量%以上7.0重量%以下である上記[1]に記載の炭化水素吸着剤。
[3] 前記LEV型ゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比が10以上50以下である上記[1]又は[2]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
[4] 前記LEV型ゼオライトの平均粒子径が0.5μm以上である上記[1]乃至[3]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
[5] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤を使用することを特徴とする炭化水素含有ガスの処理方法。
[6] 上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の炭化水素吸着剤を使用することを特徴とする炭化水素の吸着方法。
本発明により、従来の炭化水素吸着剤と比べ、吸着した炭化水素の脱離温度の変化が少ない炭化水素吸着剤を提供することができる。
以下、本発明の炭化水素吸着剤について説明する。
本発明の炭化水素吸着剤は、銅を含有するLEV型ゼオライトを含む。LEV型ゼオライトは、LEV構造を有する結晶性アルミノシリケートである。LEV構造は、国際ゼオライト学会(International ZeoliteAssociation;以下、「IZA」)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードで、LEV型となる構造である。結晶性アルミノシリケートは、アルミニウム(Al)とケイ素(Si)とが酸素(O)を介したネットワークの繰返しからなる構造(以下、「ネットワーク構造」ともいう。)を有する。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれる、銅を含有するLEV型ゼオライト(以下、「銅含有LEV型ゼオライト」ともいう。)は銅を含有する。銅は銀やパラジウム等の貴金属と比べて安価であるため、銅を含有する本発明の炭化水素吸着剤はこれらと比べて、価格あたりの炭化水素吸着量が多くなりやすい。銅は、少なくともLEV型の細孔に含まれていることが好ましい。
銅含有LEV型ゼオライトは、銅含有量が、LEV型ゼオライトに対する銅の重量割合として1.0重量%以上7.0重量%以下、更には2.0重量%以上5.0重量%以下であることが好ましい。銅含有量が多くなるほど、吸着した炭化水素の脱離温度が高くなる傾向がある。本発明における銅含有量は、銅含有LEV型ゼオライトに対する銅の重量割合である。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれる銅含有LEV型ゼオライトは、アルミナに対するシリカのモル比(以下、「SiO/Alモル比」ともいう。)が、10以上50以下、更には30以上40以下であることが好ましい。SiO/Alモル比が高くなることで耐熱性が高くなる傾向があるが、SiO/Alモル比が高くなりすぎると炭化水素の吸着量が低くなる傾向がある。SiO/Alモル比を10以上50以下とすることで、熱負荷に対して実用的な耐性を有し、なおかつ、実用的な炭化水素吸着量を示す。
本発明の炭化水素吸着剤に含まれる銅含有LEV型ゼオライトは、平均結晶径が0.5μm以上、更には0.8μm以上であることが好ましい。平均結晶径が0.5μm以上であることで、熱履歴後の炭化水素吸着量の低下が抑制されやすくなる。
本発明における結晶径とは、一次粒子の粒径であり、電子顕微鏡で観察される独立した最小単位の粒子の直径である。平均結晶径は、電子顕微鏡で無作為に抽出した30個以上の一次粒子の結晶径を相加平均した値である。そのため、複数の一次粒子が凝集した二次粒子の直径である二次粒子径や平均二次粒子径と、結晶径や平均結晶径とは異なる。一次粒子の形状は、立方晶形状、正方晶形状、並びに、立方晶形状又は正方晶形状が複合化した双晶形状からなる群の少なくとも1種であってもよい。
本発明の炭化水素吸着剤の形状は任意であり、粉末又は成形体のいずれの形状としてもよい。本発明の炭化水素吸着剤を粉末状で使用する場合、これをハニカム等の基材に塗布又はウォシュコートした触媒部材としてもよい。本発明の炭化水素吸着剤を成形体として使用する場合、球状、略球状、楕円状、円板状、円柱状、多面体状、不定形状及び花弁状からなる群の少なくとも1種の形状、その他用途に適した形状とすればよい。
また、本発明の炭化水素吸着剤を成形体とする場合、本発明の炭化水素吸着剤は銅含有LEV型ゼオライトに加え、シリカ、アルミナ、カオリン、アタパルガイト、モンモリロナイト、ベントナイト、アロフェン及びセピオライトからなる群の少なくとも1種の粘土を含んでいてもよい。
本発明の炭化水素吸着剤は、炭化水素含有気体の処理方法、炭化水素の吸着方法、炭化水素の吸着脱離方法などに使用することができ、、炭化水素含有気体からの炭化水素吸着剤、特に炭素数の少ない炭化水素(以下、「低級炭化水素」ともいう。)の吸着剤としての使用に適している。本発明の炭化水素吸着剤を使用して炭化水素を吸着させる場合、被処理ガスとして炭化水素含有気体を用い、これと本発明の炭化水素吸着剤とを接触させればよい。本発明の炭化水素吸着剤と炭化水素含有気体とを接触させる場合、温度を−30℃以上250℃未満とすることで、炭化水素を吸着することできる。また、炭化水素を吸着した炭化水素吸着剤を250℃以上とすることで、吸着した炭化水素を脱離することができる。さらに、本発明の炭化水素吸着剤は、炭化水素の脱離開始温度が250℃以上、更には260℃以上である。特に本発明の炭化水素吸着剤は、高温高湿下に晒された後であっても炭化水素の脱離開始温度は250℃以上、更には260℃以上であり、なおかつ、高温高湿下に晒される前後の炭化水素の脱離開始温度の温度差は50℃以下、更には30℃以下と小さい。移動体の内燃機関の排ガス処理システムとして使用された場合であっても、高い炭化水素吸着能を示す。なお、炭化水素の脱離量が多くなる温度、いわゆる脱離ピーク温度は、通常、脱離開始温度よりも高くなる。このように本発明の炭化水素吸着剤は250℃未満で炭化水素を吸着し、なおかつ、250℃以上で炭化水素を脱離する、炭化水素の吸着脱離材としても使用することができる。
炭化水素含有気体は炭化水素を含んでいる気体であればよく、具体的に、内燃機関の排ガス、更にはディーゼルエンジン又はガソリンエンジンの排ガスを挙げることができる。炭化水素含有気体は炭化水素以外に、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、酸素、窒素、窒素酸化物、硫黄酸化物及び水からなる群の少なくとも1種を含んでいてもよい。炭化水素含有気体として以下の組成を例示することができる。
炭化水素 :0.001〜5体積%、更には0.005〜3体積%(メタン換算)
一酸化炭素 :0〜1体積%
二酸化炭素 :0〜10体積%
酸素 :0〜20体積%
窒素酸化物 :0〜1体積%
硫黄酸化物 :0〜0.05体積%
水(HO):0〜15体積%
窒素 :残部
本発明の炭化水素吸着剤で吸着する炭化水素は特に限定されないが、低級炭化水素は炭素数1以上3以下の炭化水素、更にはメタン、エタン、エチレン、プロパン及びプロピレンからなる群の少なくとも1種を挙げることができる。
本発明において、炭化水素の脱離開始温度は、水素イオン化検出器(FID)を用い、本発明の炭化水素吸着剤を通過した後のガス中の炭化水素を定量分析することでもとめればよい。本発明の炭化水素吸着剤通過前の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「吸着前炭化水素濃度」とする。)と、本発明の炭化水素吸着剤通過後の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「吸着後炭化水素濃度」とする。)を測定し、吸着前炭化水素濃度が吸着後炭化水素濃度より高い状態を吸着段階、吸着後炭化水素濃度が吸着前炭化水素濃度より高い状態を脱離段階とみなし、吸着段階と脱離段階とが切り替わった温度をもって、炭化水素の脱離開始温度とすればよい。
次に、本発明の炭化水素吸着剤の製造方法について説明する。
本発明の炭化水素吸着剤は、上述した銅含有LEV型ゼオライトを含めば、その製造方法は任意である。本発明の炭化水素吸着剤の製造方法として、カチオンタイプがH型又はNH型のいずれかであるLEV型ゼオライトと銅化合物と接触させる銅含有工程、を有する製造方法を挙げることができる。
銅含有工程に供する、カチオンタイプがH型又はNH型のいずれかであるLEV型ゼオライト(以下、「原料ゼオライト」ともいう。)は、公知の方法で得られたものを使用することができる。
LEVの公知の製造方法として、例えば、シリカ源、アルミナ源、アルカリ源、有機構造指向剤及び水を含む組成物(以下、「原料組成物」ともいう。)を結晶化する結晶化工程、を有するLEV型ゼオライトの製造方法を挙げることができる。上記の各種原料に加えて、さらに銅源を含む原料組成物を結晶化する結晶化工程、を有する製造方法であってもよい。
なお、LEV型ゼオライトのカチオンタイプがNa型やK型である場合、これを塩化アンモニウム水溶液と混合することでカチオンタイプがNH型の原料ゼオライトとすることができ、また、カチオンタイプがNH型のLEV型ゼオライトを焼成することでカチオンタイプがH型の原料ゼオライトとすることができる。
銅含有工程では、原料ゼオライトと銅化合物とを接触させる。これにより、原料ゼオライトの細孔中に銅が挿入される。原料ゼオライトと銅化合物との接触方法として、イオン交換法、含浸担持法、蒸発乾固法、沈殿担持法及び物理混合法からなる群の少なくとも1種、更にはイオン交換法又は含浸担持法の少なくともいずれか、を挙げることができる。
銅含有工程に供する銅源及び銅化合物は任意の化合物が使用で、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、錯塩、酸化物及び複合酸化物からなる群の少なくとも1種の銅化合物であればよく、塩化物、硝酸塩及び酸化物からなる群の少なくとも1種であることが好ましい。
銅含有工程では、銅化合物と接触させた後の銅含有LEV型ゼオライトを500℃以上900℃以下で加熱処理することが好ましい。これにより、銅含有LEV型ゼオライトの表面等に存在する銅が細孔内に分散性が高い状態で取込まれやすくなる。
以下、実施例において本発明を更に詳細に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
NH型のLEV型ゼオライトに硝酸銅水溶液を含浸することで銅含有LEV型ゼオライトを得た。すなわち、NH型のLEV型ゼオライトを10gに1mol/Lの硝酸銅水溶液を4.5mL添加した後、乳鉢で混練した。混練後、空気中、110℃で一晩乾燥し、さらに空気中、800℃で5時間、加熱処理することで、銅を細孔内に分散させた。得られた銅含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比は31、銅含有量が2.7重量%及び平均結晶粒径が1.0μmであった。
当該銅含有LEV型ゼオライトライトを本実施例の炭化水素吸着剤とした。
実施例2
硝酸銅水溶液との混練後の加熱処理の温度を600℃としたこと以外は実施例1と同様な方法で本実施例の銅含有LEV型ゼオライトを得た。得られた銅含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比は31、銅含有量が2.8重量%及び平均結晶粒径が1.0μmであった。
当該銅含有LEV型ゼオライトライトを本実施例の炭化水素吸着剤とした。
実施例3
硝酸銅水溶液として1mol/Lの硝酸銅水溶液6.5mLを使用したこと以外は実施例1と同様な方法で本実施例の銅含有LV型ゼオライトを得た。得られた銅含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比は31、銅含有量が4.0重量%及び平均結晶粒径が1.0μmであった。
当該銅含有LEV型ゼオライトライトを本実施例の炭化水素吸着剤とした。
実施例4
無水硫酸銅、純水、エチレンジアミン、沈降法シリカ、アルミン酸ソーダ、1−アダマンチルアミン及びチャバザイト型ゼオライトを含み、原料組成物を180℃、72時間で結晶化した後、空気中、600℃、2時間で焼成し、細孔に銅を含むLEV型ゼオライトを得た。得られた銅含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比は22、銅含有量が3.6重量%及び平均結晶粒径が5.1μmであった。
当該銅含有LEV型ゼオライトライトを本実施例の炭化水素吸着剤とした。
実施例5
無水硫酸銅、純水、トリエチレンテトラミン沈降法シリカ、アルミン酸ソーダ、1−アダマンチルアミン及びチャバザイト型ゼオライトを含み、原料組成物を180℃、135時間で結晶化した後、空気中、600℃、2時間で焼成し、細孔に銅を含むLEV型ゼオライトを得た。得られた銅含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比は33、銅含有量が1.8重量%及び平均結晶粒径が4.5μmであった。
当該銅含有LEV型ゼオライトライトを本実施例の炭化水素吸着剤とした。
比較例1
実施例1と同様な方法でNH型のLEV型ゼオライトを得た。得られたNH4型のLEV型ゼオライト10gを0.3mol/Lの硝酸銀水溶液60mLに添加し、60℃、4時間攪拌することで、銀イオン交換を行った。
銀イオン交換後、固液分離、洗浄及び空気中、110℃で一晩乾燥することで、銀含有LEV型ゼオライトを得た。得られた銀含有LEV型ゼオライトは、SiO/Alモル比は31、銀含有量が4.2重量%及び平均結晶粒径が1.0μmであった。
当該銅含有LEV型ゼオライトライトを本比較例の炭化水素吸着剤とした。
比較例2
NH型のLEV型ゼオライトの代わりに、NH型のCHA型ゼオライトを使用したこと、硝酸銅水溶液との混練後、空気中、600℃で2時間加熱したこと以外は実施例1と同様な方法で銅含有CHA型ゼオライトを得た。得られた銅含有CHA型ゼオライトは、SiO/Alモル比は31及び銅含有量が3.0重量%であった。
当該銅含有CHA型ゼオライトライトを本比較例の炭化水素吸着剤とした。
比較例3
NH型のLEV型ゼオライトの代わりに、NH型のMFI型ゼオライトを使用したこと、硝酸銅水溶液との混練後、空気中、600℃で2時間加熱したこと以外は実施例1と同様な方法で銅含有CHA型ゼオライトを得た。得られた銅含有CHA型ゼオライトは、SiO/Alモル比は31及び銅含有量が3.0重量%であった。
当該銅含有CHA型ゼオライトライトを本比較例の炭化水素吸着剤とした。
測定例1
以下の組成を有する炭化水素含有ガスを用いて、炭化水素の脱離開始温度の評価を行った。
プロピレン :1000体積ppmC(メタン換算の濃度)
水 :10体積%
窒素 :残部
(測定試料の作製及び前処理)
実施例及び比較例で得られた炭化水素吸着剤を、それぞれ、加圧成形及び粉砕し、凝集径20〜30メッシュの不定形成形体を得た。成形後の炭化水素吸着剤を常圧固定床流通式反応管に充填し、窒素流通下、500℃で一時間前処理した後50℃まで冷却した。
(炭化水素の脱離温度の測定)
前処理後、窒素ガスを炭化水素含有ガスに切り替え、以下の条件で炭化水素吸着剤に炭化水素含有ガスを流通させながら、炭化水素の脱離温度を測定した。
測定温度 :50〜600℃
昇温速度 :10℃/分
炭化水素含有ガスの流量 :200mL/分
水素イオン化検出器(FID)により、炭化水素吸着剤を通過した後のガス中の炭化水素を連続的に定量分析した。常圧固定床流通式反応管の入口側の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「入口炭化水素濃度」とする。)と、常圧固定床流通式反応管の出口側の炭化水素含有ガスの炭化水素濃度(以下、「出口炭化水素濃度」とする。)を測定し、入口炭化水素濃度が出口炭化水素濃度より高い状態を吸着段階、出口炭化水素濃度が入口炭化水素濃度より高い状態を脱離段階とみなし、吸着段階と脱離段階とが切り替わった温度をもって、炭化水素の脱離開始温度とした。結果を表1に示す。
測定例2
実施例及び比較例で得られた炭化水素吸着剤に水熱耐久処理を施した後、測定例1と同様な方法で、炭化水素の脱離開始温度を測定した。結果を表1に示す。
水熱耐久処理は炭化水素吸着剤を加圧成形及び粉砕して得られた凝集径20〜30メッシュに凝集粒子を常圧固定床流通式反応管に充填し、以下の条件で混合ガスを流通することで行った。
処理ガス :プロピレン 3000ppmC(メタン換算の濃度)
水 10体積%
窒素 残部
流量 :200mL/分
処理温度 :900℃
処理時間 :5時間
Figure 2018079428
表1から、実施例の炭化水素吸着剤は高温高湿雰囲気に晒される前後において、炭化水素の脱離温度が低下しておらず、更には、炭化水素の脱離開始温度が高くなる傾向があった。これに対し、銀を含有するLEV型ゼオライトからなる炭化水素吸着剤、LEV型ゼオライト以外のゼオライトからなる炭化水素吸着剤は、いずれも高温高湿雰囲気に晒されることによって脱離開始温度が大きく低下することが確認できた。
本発明の熱水耐久処理後も吸着性能の劣化の小さいCu担持LEV型ゼオライトからなる炭化水素吸着剤は、自動車排ガス中に含まれる炭化水素を浄化する吸着剤として利用可能である。

Claims (6)

  1. 銅を含有するLEV型ゼオライトを含む炭化水素吸着剤。
  2. 前記LEV型ゼオライトの銅含有量が、LEV型ゼオライトに対する銅の重量割合として1.0重量%以上7.0重量%以下である請求項1に記載の炭化水素吸着剤。
  3. 前記LEV型ゼオライトのアルミナに対するシリカのモル比が10以上50以下である請求項1又は2のいずれかに記載の炭化水素吸着剤。
  4. 前記LEV型ゼオライトの平均粒子径が0.5μm以上である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の炭化水素吸着剤。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の炭化水素吸着剤を使用することを特徴とする炭化水素含有ガスの処理方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の炭化水素吸着剤を使用することを特徴とする炭化水素の吸着方法。
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