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JP2018050598A - 製パン用油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、合成乳化剤や最終商品に表示する必要のある食品添加物の添加量を低減しつつ、パンの食感を改良し高いソフト化効果、歯切れ感向上効果を付与する製パン用油脂組成物を提供することにある。【解決手段】上記課題を解決するために、食用油脂、至適pHが2〜4であるたんぱく質分解酵素<A>、および糖質分解酵素<B>を含有し、食用油脂100質量部に対して、たんぱく質分解酵素<A>が活性量50000u/g基準で0.05〜0.2質量部であり、糖質分解酵素<B>が活性量10000u/g基準で0.05〜0.2質量部である製パン用油脂組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は製パンに使用し、パンのソフト感、歯切れ感を向上させる製パン用油脂組成物に関する。
パンに求める食感としては、ソフト感、しっとり感、もっちり感、歯切れ感、口とけ感などがある。その中で、よりソフトで食べやすさを求める消費者嗜好に対応し、酵素、乳化剤、その他食品添加物を用い焼成品を作る方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
一方で、乳化剤をはじめとする最終商品に表示される食品添加物について、一部の製パンメーカーやコンビニエンスストアでは、それらを使用しないパン類が求められている。しかしながら、パン類の製造において乳化剤をはじめとする食品添加物を使用しないと、食感が悪い、老化が早いなどの問題点があり、満足なパン類が得られない。
食品添加物の使用を抑え、パンの食感を改善するために、酵素を用いる試みは、従来からなされている。例えば、至適pHが弱塩基性(pH7〜9)であるたんぱく質分解酵素を用いながら、食品添加物の使用を加工澱粉にとどめた製パン用油脂組成物(特許文献4)や、至適pHが中性(pH6〜7)であるたんぱく質分解酵素の使用により食品添加物を不使用とした製パン用油脂組成物(特許文献5)が開示されている。これらの技術においては食感の向上が図られているが、小麦たんぱく質への影響を考えると、たんぱく質分解酵素の添加量には現実的に限りがあり、十分な食感改良効果は得られない。
このように、ベーカリー製品において合成乳化剤のような食品添加物を使用しなければ、満足する食感改良効果を得ることが困難であった。合成乳化剤や最終商品に表示する必要のある食品添加物を用いることなく、ソフトで歯切れよい食感を満たす製パン用油脂組成物が求められているのである。
特開2016−005446号公報 特開2015−144592号公報 特開2009−240261号公報 特開平11−221017号公報 特開平11−332452号公報
上述の通り、本発明の目的は合成乳化剤や最終商品に表示する必要のある食品添加物の添加量を低減しつつ、パンの食感を改良し高いソフト化効果、歯切れ感向上効果を付与する製パン用油脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の組合せの酵素成分を使用することによって、上記の課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は次の〔1〕〜〔3〕である。
〔1〕食用油脂、至適pHが2〜4であるたんぱく質分解酵素<A>、および糖質分解酵素<B>を含有し、食用油脂100質量部に対して、たんぱく質分解酵素<A>が活性量50000u/g基準で0.05〜0.2質量部であり、糖質分解酵素<B>が活性量10000u/g基準で0.05〜0.3質量部である、製パン用油脂組成物。
〔2〕さらに水を含有する、前記の〔1〕に記載の製パン用油脂組成物。
〔3〕穀粉、前記の〔1〕に記載の製パン用油脂組成物を含有し、前記穀粉100質量部に対して、前記の〔1〕に記載の製パン用油脂組成物が1〜35質量部である、製パン用穀粉生地。
本発明によれば、たんぱく質分解酵素、糖質分解酵素を使用することにより、パンの食感を改良し、高いソフト化効果、歯切れ感向上効果を付与する製パン用油脂組成物を提供することができる。
<製パン用油脂組成物>
本発明の製パン用油脂組成物は、食用油脂、至適pHが2〜4であるたんぱく質分解酵素<A>、および糖質分解酵素<B>を含有する。
(たんぱく質分解酵素<A>)
本発明で使用するたんぱく質分解酵素<A>は、パンの歯切れ感向上効果に寄与する。たんぱく質分解酵素には至適pHが塩基性、中性、酸性のものがあり、本発明に用いるたんぱく質分解酵素<A>はそのうち至適pH2〜4の酸性域であることを特徴とする。たんぱく質分解酵素はエンド型、エキソ型、エンド・エキソ混交型があり、いずれを選択しても良いが好ましくはエンド型である。
たんぱく質分解酵素<A>の含有量は、活性量50000u/g基準で、食用油脂100質量部に対して0.05〜0.2質量部であり、より好ましくは0.1〜0.2質量部である。0.05質量部未満であると十分な歯切れ感向上効果は得られず、0.2質量部を超えると作業性の低下や得られるパンの品質の低下などの原因となる。
なお、たんぱく質分解酵素<A>の含有量をユニット数で表した場合には、食用油脂100gに対して、2500〜10000uであり、より好ましくは5000〜10000uである。
本発明においてたんぱく質分解酵素<A>の活性量は、0.6%ミルクカゼイン(pH3.0、1/10M燐酸緩衝液)5mLに1mLの酵素液を加えて、30℃、10分間反応させ、酵素分解により生じたペプチド及びアミノ酸(可溶性成分)をフォリン-チオカルト試薬で発色させることにより求める。なお、可溶性成分は、遠心分離することにより不溶性成分と分離する。たんぱく質分解酵素<A>の活性量は、1μgのチロジンに相当する量を1ユニット(u)とし、反応時間1分間あたりに生じた可溶性成分についてユニット数を算出し、更に酵素量あたりのユニット数(u/g)として算出した。
本発明において至適pHとは上記活性測定方法にて、ミルクカゼインを含む燐酸緩衝液のpHを変えて測定した場合の、最大活性量を示したpHを指す。
このようなたんぱく質分解酵素として、例えばナガセケムテックス(株)の「デナプシン2P」、新日本化学工業(株)の「スミチームAP」等が例示できる。なお、上記酵素の名称はいずれも商品名である。
(糖質分解酵素<B>)
本発明で使用する糖質分解酵素は、パンのソフト化効果に寄与する。糖質分解酵素とはαアミラーゼ、βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼを含み、例えばαアミラーゼは澱粉のα−1,4−グルコシド結合を加水分解する酵素であり、Bacillus等の細菌由来、Malt等の穀物由来、およびAspergillus等のカビ由来のいずれも用いることができる。例えばヘミセルラーゼは植物組織に含まれる多糖類を加水分解する酵素であり、キシランを加水分解するキシラナーゼ、アラバンを加水分解するアラバナーゼ、マンナンを加水分解するマンナーゼ等が含まれる。これら糖質分解酵素は1種単独もしくは2種以上配合して使用してもよい。好ましくはαアミラーゼである。
糖質分解酵素<B>の含有量は、食用油脂100質量部に対して0.05〜0.3質量部であり、より好ましくは0.1〜0.2質量部である。0.05質量部未満であると十分なソフト化効果は得られず、0.2質量部を超えると作業性の低下や得られるパンの品質の低下などの原因となる。但し、αアミラーゼの場合には活性量10000u/g基準であり、βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼの場合には活性量15000u/g基準である。
なお、糖質分解酵素<B>の含有量をユニット数で表した場合には、αアミラーゼでは、食用油脂100gに対して、500〜3000uであり、より好ましくは1000〜2000uである。βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼ、ヘミセルラーゼ、セルラーゼでは、食用油脂100gに対して、750〜4500uであり、より好ましくは1500〜3000uである。
本発明に使用する糖質分解酵素<B>は、澱粉等の多糖類を分解することで、パンをソフトにする効果がある。同時に多糖類が包含する水がパン生地中に放出され、グルテンの水和が進む効果もある。水和が進んだグルテンは、伸展性が高まり、ガス保持力が向上する。結果的に緻密なグルテンネットワークが形成される。たんぱく質分解酵素<A>は至適pHが酸性のため、パン製造工程の発酵によりpHが低下した後に酵素活性が高まる。すなわち、緻密なグルテンネットワークが形成された後にたんぱく質分解酵素<A>の酵素活性が高まることになる。よって、緻密なグルテンネットワークを適度に分解することができるにようになるため、たんぱく質分解酵素<A>による歯切れ感向上効果を効率的に高めることができる。
本発明において糖質分解酵素<B>の活性量とは、αアミラーゼ、βアミラーゼ、イソアミラーゼ、グルコアミラーゼについては、1.2%澱粉基質液5mLに1mLの酵素液を加えて、40℃、10分間反応させ、1分間に1mgのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素活性を1u/gとする。ヘミセルラーゼ、セルラーゼについては、1%CMC(カルボシキメチルセルロース)、もしくは1%ヘミセルロース基質液5mLに1mLの酵素液を加えて30℃、30分間反応させ、1分間に1mgのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素活性を1u/gとする。なお、各還元糖については、「還元糖の定量法(第2版)」(福井作蔵著、学会出版センター)を参照して定量することができる。
本発明の製パン用油脂組成物に使用する食用油脂としては、パーム油、ナタネ油、大豆油等の天然の植物油;牛脂、豚脂、魚油等の天然の動物油;またはこれらの硬化油、極度硬化油、分別油、エステル交換油が挙げられ、目的に応じて適宜選択され1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の製パン用油脂組成物には、他に保存料、pH調整剤、色素、香料を適宜添加して使用してもよい。
本発明の製パン用油脂組成物は、前記の食用油脂と、たんぱく質分解酵素<A>、糖質分解酵素<B>を所定の配合量で配合し、均一に混合し製造する。その際、製パン用油脂組成物の形態としてはショートニングが挙げられる。ショートニングタイプの製造方法としては、前記の油を融点以上の温度で加熱し、たんぱく質分解酵素<A>、糖質分解酵素<B>を均一に混合攪拌し窒素充填を行いながら試作機により急冷練り上げすることで製パン用油脂組成物を得る。好ましくは30℃以下まで冷却することにより製パン用油脂組成物を得る。
本発明の製パン用油脂組成物は、さらに水を添加し乳化してなる組成物であることが好ましい。この形態としてはマーガリンタイプ、エマルションタイプが挙げられる。水の添加量としては、食用油脂100質量部に対して、1〜25質量部であることが好ましい。製造方法としては、前記の食用油脂を融点以上の温度で加熱し、水を加え、攪拌する。その後、たんぱく質分解酵素<A>、糖質分解酵素<B>を配合し均一に混合しながら試作機により急冷練り上げすることで製パン用油脂組成物を得る。
上記製造において高温状態にある均一混合物を冷却する際には、均一混合物を入れた容器を外部から冷却してもよいが、一般的なショートニング、マーガリンの製造に用いられるチラー、ボテーター、コンビネーター等を用いて急冷する方が性能上好ましい。
<製パン用穀粉生地>
本発明の製パン用油脂組成物を穀粉に配合することによって、パン類の焼成に用いる、本発明の製パン用穀粉生地が得られる。本発明の製パン用穀粉生地は、穀粉100質量部に対して、前記の製パン用油脂組成物を1〜35質量部、好ましくは5〜15質量部を含有する。製パン用油脂組成物の添加量が1質量部未満であると、十分な老化抑制効果が得られず、35質量部を越えると、得られたパン類の食感が低下する。
本発明の製パン用穀粉生地を焼成して得られるパン類には、フィリングなどの詰め物をしたパン類も含まれ、食パン、特殊パン、調理パン、菓子パンなどが挙げられる。具体的には食パンとして白パン、黒パン、フランスパン、バラエティブレッド、ロール(テーブルロール、バンズ、バターロール)が挙げられる。特殊パンとしてはマフィンなど、調理パンとしてはホットドック、ハンバーガーなど、菓子パンとしてはジャムパン、あんパン、クリームパン、レーズンパン、メロンパンなどが挙げられる。
本発明の製パン用穀粉生地に用いる原料としては、主原料の穀粉として小麦粉の他にイースト、イーストフード、乳化剤、油脂類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油糖)、水、加工澱粉、乳製品、食塩、糖類、調味料(グルタミン酸ソーダ類や核酸類)、保存料、ビタミン、カルシウム等の強化剤、蛋白質、アミノ酸、化学膨張剤、フレーバー等が挙げられる。さらに、一般に原料として用いると老化しやすくなる、レーズン等の乾燥果実、小麦粉ふすま、全粒粉等を使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜10、比較例1〜11)
次に示す配合組成の食用油脂中に酵素を添加して、製パン用油脂組成物を得た。
パーム硬化油(融点42℃): 5質量部
パーム油: 30質量部
ナタネ硬化油(融点36℃): 15質量部
ナタネ油: 50質量部
製パン用油脂組成物の製造方法は以下のとおりである。
パーム硬化油(融点42℃)5kg、パーム油30kg、ナタネ硬化油15kg(融点36℃)、ナタネ油50kgを配合した食用油脂部を降温した後、酵素を添加し十分に攪拌を行いショートニング試作機により急冷練り上げすることで製パン用油脂組成物を得た。なお、酵素の添加量は、食用油脂部100g中に含有される酵素量として、表1〜4に示す通りである。
(実施例11)
表4に示す配合組成の食用油脂中に酵素および水を添加して、製パン用油脂組成物を得た。製パン用油脂組成物の製造方法は、以下のとおりである。
パーム硬化油(融点42℃)5kg、パーム油30kg、ナタネ硬化油15kg(融点36℃)、ナタネ油50kgを配合した食用油脂部を加熱溶解した油相部に、あらかじめWPC392を溶解した水を添加し乳化液を製造した。乳化液を降温し、酵素を添加後、十分に撹拌を行い、ついで、マーガリン試作機を用いて急冷し、製パン用油脂組成物を得た。なお、酵素の添加量は、食用油脂部100g中に含有される酵素量が表4となるように配合した。
実施例および比較例に記した製パン用油脂組成物を使用して、以下の製造方法によりパンを製造し、歯切れ感、ソフト感、比容積、縦伸び率について評価した。これらの評価結果は表1〜4の下段に示す。
(パンの製造方法)
[中種生地調整]
強力粉700g、イーストフード0.1g、イースト3g、水420gをミキサーボウルに投入し低速2分中速2分捏ね上げ、捏ね上げ温度24℃の中種生地を28℃で2時間発酵させた。
[本捏生地調整]
発酵させた中種生地をミキサーボウルに投入し、さたに強力粉300g、上白糖140g、脱脂粉乳20g、食塩16g、水240gを投入し低速3分、中速5分捏ね上げ、ここで練り込み用油脂として実施例および比較例において得られた組成物を50g投入し、さらに低速3分、中速4分捏ね上げ、捏ね上げ温度28℃の生地を得た。フロアタイム30分取った後、35gに分割し次いでベンチタイム30分取った後、モルダーを通してコッペパン形に成形した。天板に並べた生地を温度38℃、湿度85%のホイロに50分いれて最終発酵を行った。最終発酵後、上火205℃、下火200℃のオーブンに入れ8.5分焼成した。焼成後、室温にて放冷し袋に入れた。
(歯切れ感の測定方法)
焼成後1日間、一定条件下で保管した焼成物の歯切れ感の測定には(株)山電製「RHEONERII」を用いた。3cmの輪切りにした焼成物を測定台に置き、刃型プランジャーにて5mm/secで圧縮し刃が貫通するのに必要な破断荷重値を測定した。
評価◎: 破断荷重値(相対値)70未満
評価○: 破断荷重値(相対値)70以上80未満
評価△: 破断荷重値(相対値)80以上90未満
評価×: 破断荷重値(相対値)90以上
なお、「破断荷重値(相対値)とは<A>成分および<B>成分を含有しない場合の破断荷重値を100とし、各例の破断荷重値をその相対値として算出した値である。
(ソフト感の測定方法)
焼成後1日間、一定条件下で保管した焼成物のソフト感の測定には(株)山電製「RHEONERII」を用いた。3cmの輪切りにした焼成物を測定台に置き、丸用プランジャーにて5mm/secで対象物50%圧縮するのに必要な荷重値を測定した。
評価◎: 荷重値(相対値)70未満
評価○: 荷重値(相対値)70以上80未満
評価△: 荷重値(相対値)80以上90未満
評価×: 荷重値(相対値)90以上
なお、「荷重値(相対値)」とは<A>成分および<B>成分を含有しない場合の荷重値を100とし、各例の荷重値をその相対値として算出した値である。
(比容積、縦伸び率の測定方法)
焼成後1日間、一定条件下で保管した焼成物の比容積、縦伸び率の測定には(株)アステックス製「Selnac−WinVM2100Aレーザー体積計測機」を用いた。パンの容積(cc)を測定し、容積をパンの重量で割ることで比容積(cc/g)とした。またパンの短径、最大高を測定し、最大高を短径で割ることで縦伸び率とした。
[比容積]
評価◎: 比容積(相対値)110以上
評価○: 比容積(相対値)105以上110未満
評価△: 比容積(相対値)100以上105未満
評価×: 比容積(相対値)100未満
[縦伸び率]
評価◎: 縦伸び率(相対値)110以上
評価○: 縦伸び率(相対値)105以上110未満
評価△: 縦伸び率(相対値)100以上105未満
評価×: 縦伸び率(相対値)100未満
なお、「比容積(相対値)」、「縦伸び率(相対値)」とは、<A>成分および<B>成分を含有しない場合の比容積、縦伸び率をそれぞれ100とし、各例の比容積、縦伸び率をその相対値として算出した値である。
Figure 2018050598
Figure 2018050598
Figure 2018050598
Figure 2018050598

※WPC392:ホエイタンパク質、フォンテラジャパン(株)販売
[使用酵素]
(商品名)「スミチームAP」 新日本化学工業(株)製、至適pH3、活性量50000u/g
(商品名)「デナプシン2P」 ナガセケムテックス(株)製、至適pH3、活性量20000u/g
(商品名)「スミチームLP」 新日本化学工業(株)製、至適pH7、活性量50000u/g
(商品名)「デナチームAP」 ナガセケムテックス(株)製、至適pH7、活性量50000u/g
(商品名)「Novamyl−3D」(αアミラーゼ)ノボザイムジャパン(株)製、至適温度75℃、活性量10000u/g
(商品名)「Novamyl」(αアミラーゼ)ノボザイムジャパン(株)製、至適温度70℃、活性量10000u/g
(商品名)「Fungamyl」(αアミラーゼ)ノボザイムジャパン(株)製、至適温度70℃、活性量2500u/g
表1から明らかなとおり、至適pHが3であるたんぱく質分解酵素<A>を使用することにより、ソフトで歯切れよい食感のパンが製造できることがわかる(実施例1、2)。一方、至適pHが7であるたんぱく質分解酵素を使用した場合には、比容積と縦伸び率が低下し、製パン性の低下が起きる(比較例1〜6)。
また、表2、3から明らかなとおり、たんぱく質分解酵素の使用量は、食用油脂100質量部に対して、活性量50000u/g基準で0.05〜0.2質量部(食用油脂100gに対して、2500〜10000u)とすることにより、本発明の効果を発揮することがわかる。そして、使用量が本発明の範囲を上回る場合には、比容積と縦伸び率が低下し、製パン性の低下が起きるだけでなく、歯切れ感、ソフト感が低下し、食感も低下する(比較例7)。また使用量が本発明の範囲を下回る場合、歯切れ感、ソフト感が弱くなることが分かる(比較例8、9、10、11)。
表4から明らかなとおり、種々の糖質分解酵素を使用しても、同様の効果を得られることがわかる(実施例8〜10)。また、水を含む乳化液の形態としても同様の効果を得られることがわかる(実施例11)。

Claims (3)

  1. 食用油脂、至適pHが2〜4であるたんぱく質分解酵素<A>、および糖質分解酵素<B>を含有し、食用油脂100質量部に対して、たんぱく質分解酵素<A>が活性量50000u/g基準で0.05〜0.2質量部であり、糖質分解酵素<B>が活性量10000u/g基準で0.05〜0.3質量部である、製パン用油脂組成物。
  2. さらに水を含有する、請求項1に記載の製パン用油脂組成物。
  3. 穀粉、請求項1または2に記載の製パン用油脂組成物を含有し、前記穀粉100質量部に対して、前記製パン用油脂組成物が1〜35質量部である、製パン用穀粉生地。
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