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JP2018039902A - 難燃性樹脂組成物、これを用いた絶縁電線、メタルケーブル、光ファイバケーブル、自動車用ワイヤハーネス、及び成形品 - Google Patents

難燃性樹脂組成物、これを用いた絶縁電線、メタルケーブル、光ファイバケーブル、自動車用ワイヤハーネス、及び成形品 Download PDF

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JP2018039902A JP2016174354A JP2016174354A JP2018039902A JP 2018039902 A JP2018039902 A JP 2018039902A JP 2016174354 A JP2016174354 A JP 2016174354A JP 2016174354 A JP2016174354 A JP 2016174354A JP 2018039902 A JP2018039902 A JP 2018039902A
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亮 渡部
Akira Watabe
亮 渡部
学 佐々木
Manabu Sasaki
学 佐々木
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Fujikura Ltd
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Abstract

【課題】十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する難燃性樹脂組成物、これを用いた絶縁電線、メタルケーブル、光ファイバケーブル、自動車用ワイヤハーネス、及び成形品を提供すること。【解決手段】ベース樹脂と、ベース樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合で配合される炭酸カルシウム粒子と、ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合されるシリコーン系化合物と、ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される脂肪酸含有化合物とを含み、ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が80質量%より大きい難燃性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、難燃性樹脂組成物、これを用いた絶縁電線、メタルケーブル、光ファイバケーブル、自動車用ワイヤハーネス、及び成形品に関する。
メタルケーブルや光ファイバケーブルなどのケーブルの被覆、ケーブルの外被、チューブ、テープ、包装材、建材等には難燃性樹脂組成物が使用されることが多い。このような難燃性樹脂組成物として、従来、例えばベース樹脂100質量部に対して10質量部以上の割合で配合される炭酸カルシウム粒子と、1質量部より大きい割合で配合されるシリコーン系化合物と、3質量部より大きい割合で配合される脂肪酸含有化合物とを含む難燃性組成物が知られている(下記特許文献1参照)。
特開2014−94969号公報
ところで、近年、ケーブルについて軽量化が広く求められており、ケーブルに用いる難燃性樹脂組成物についても軽量化が求められている。難燃性樹脂組成物を軽量化するためには、難燃性樹脂組成物を低密度化する必要がある。ここで、低密度の難燃性樹脂組成物をリサイクルするために、難燃性樹脂組成物と他の樹脂組成物との混合物を水に投入してその混合物から密度の違いを利用して難燃性樹脂組成物を回収する場合にその回収性をも考慮すると、難燃性樹脂組成物を1.0g/cm未満の低密度にすることが望まれる。
しかし、上記特許文献1に記載の難燃性樹脂組成物は以下の課題を有していた。
すなわち、上記特許文献1に記載の難燃性樹脂組成物を軽量化のために低密度化しようとすると、難燃性又は耐摩耗性が低下する場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する難燃性樹脂組成物、これを用いた絶縁電線、メタルケーブル、光ファイバケーブル、自動車用ワイヤハーネス、及び成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するため、特にベース樹脂について着目して検討した。その結果、本発明者らは、ベース樹脂に対して、炭酸カルシウム粒子、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物をそれぞれ所定の割合で配合した上で、ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率を特定の値より大きくすることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち本発明は、ベース樹脂と、前記ベース樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合で配合される炭酸カルシウム粒子と、前記ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合されるシリコーン系化合物と、前記ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される脂肪酸含有化合物とを含み、前記ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が80質量%より大きい難燃性樹脂組成物である。
本発明の難燃性樹脂組成物は、十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する。
なお、上記効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように推察している。
すなわち、プロピレン系樹脂は、十分に低い密度を有し且つ優れた耐摩耗性を有している。そのため、耐摩耗性の向上に寄与するが、密度を増加させる要因となる炭酸カルシウム粒子及び脂肪酸含有化合物の配合量を減らしても、ベース樹脂がプロピレン系樹脂を80質量%より多く含むことで、難燃性樹脂組成物全体として、十分な低密度化を可能としつつ、優れた耐摩耗性を有することが可能となる。さらに、本発明では、ベース樹脂に対して炭酸カルシウム粒子、シリコーン系化合物及び脂肪酸含有化合物が特定の配合割合で配合されることで、燃焼時にベース樹脂の表面にバリア層が形成される。このため、上記効果が得られるのではないかと本発明者らは推察している。
上記難燃性樹脂組成物においては、前記ベース樹脂中の前記プロピレン系樹脂の含有率が100質量%であることが好ましい。
この場合、ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が100質量%未満である場合と比べて、より優れた耐摩耗性が得られる。
上記難燃性樹脂組成物においては、前記ベース樹脂が前記プロピレン系樹脂と前記プロピレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂とからなることが好ましい。
この場合、ベース樹脂がプロピレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂を含まない場合と比べて、難燃性樹脂組成物においてより優れた耐低温脆化特性及び耐衝撃特性が得られる。
上記難燃性樹脂組成物においては、前記プロピレン系樹脂が、極性基を含有する極性基含有プロピレン系樹脂を含み、前記ベース樹脂中の前記極性基含有プロピレン系樹脂の含有率が1〜10質量%であることが好ましい。
この場合、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率が1質量%未満である場合と比べて、ベース樹脂と炭酸カルシウム粒子、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物との相溶性が高まり、ブルームの発生が抑制されるとともに、より優れた耐摩耗性が得られる。一方、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率が10質量%を超える場合と比べて、難燃性樹脂組成物の加工性がより向上するとともにコストの上昇をより十分に抑えることができる。
上記難燃性樹脂組成物においては、前記極性基が無水マレイン酸基であることが好ましい。
この場合、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率がより少ない場合でも上述の効果を得ることができるため、機械特性などの物性の低下を抑制できる。
上記難燃性樹脂組成物は、1.0g/cm未満の密度を有することが好ましい。
この場合、難燃性樹脂組成物をより十分に軽量化させることができる。また、本発明の難燃性樹脂組成物は水に浮くことが可能である。このため、難燃性樹脂組成物中の樹脂をリサイクルするために、難燃性樹脂組成物と他の樹脂組成物との混合物を水に投入してその混合物から密度の違いを利用して難燃性樹脂組成物を回収する場合、難燃性樹脂組成物を容易に回収することができる。
また本発明は、導体と、前記導体を被覆する絶縁層とを備え、前記絶縁層が、上記難燃性樹脂組成物で構成される絶縁電線である。
この絶縁電線では、絶縁層が上記難燃性樹脂組成物で構成され、上記難燃性樹脂組成物は十分に低密度化できる。このため、本発明の絶縁電線を十分に軽量化できる。また、上記難燃性樹脂組成物は優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、絶縁電線も優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
また本発明は、導体、及び、前記導体を被覆する絶縁層を有する絶縁電線と、前記絶縁電線を包囲するように設けられる被覆層とを備え、前記絶縁層及び前記被覆層の少なくとも一方が、上記難燃性樹脂組成物で構成されるメタルケーブルである。
このメタルケーブルによれば、絶縁層及び被覆層の少なくとも一方が上記難燃性樹脂組成物で構成され、上記難燃性樹脂組成物は十分に低密度化できる。このため、本発明のメタルケーブルを十分に軽量化できる。また、上記難燃性樹脂組成物は優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、メタルケーブルも優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
さらに本発明は、光ファイバと、前記光ファイバを被覆する被覆部とを備え、前記被覆部が、前記光ファイバを直接被覆する絶縁体を有し、前記絶縁体が、上記難燃性樹脂組成物で構成される光ファイバケーブルである。
この光ファイバケーブルでは、光ファイバケーブルの被覆部における絶縁体が上記難燃性樹脂組成物で構成され、上記難燃性樹脂組成物は十分に低密度化できる。このため、本発明の光ファイバケーブルを十分に軽量化できる。また、上記難燃性樹脂組成物は優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、光ファイバケーブルも優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
また本発明は、絶縁電線、メタルケーブル及び光ファイバケーブルからなる群より選ばれる少なくとも1種を有する自動車用ワイヤハーネスであって、前記絶縁電線が上記絶縁電線で構成され、前記メタルケーブルが上記メタルケーブルで構成され、前記光ファイバケーブルが上記光ファイバケーブルで構成される自動車用ワイヤハーネスである。
本発明の自動車用ワイヤハーネスは、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する絶縁電線、メタルケーブル及び光ファイバケーブルからなる群より選ばれる少なくとも1種を備えるため、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する。また、本発明の自動車用ワイヤハーネスは、十分に軽量化することが可能な絶縁電線、メタルケーブル及び光ファイバケーブルからなる群より選ばれる少なくとも1種を備えるため、十分に軽量化することが可能である。このように、本発明の自動車用ワイヤハーネスは、優れた難燃性及び耐摩耗性を有し、十分に軽量化が可能である。従って、本発明の自動車用ワイヤハーネスは自動車用途に適している。
さらに本発明は、上記難燃性樹脂組成物を含む成形品である。
上記難燃性樹脂組成物は、十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、本発明の成形品も十分に軽量化しつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
本発明によれば、十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する難燃性樹脂組成物、これを用いた絶縁電線、メタルケーブル、光ファイバケーブル、自動車用ワイヤハーネス、及び成形品が提供される。
本発明のメタルケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。 図1のII−II線に沿った断面図である。 本発明の光ファイバケーブルの実施形態を示す断面図である。 本発明の自動車用ワイヤハーネスの実施形態を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について図1及び図2を用いて詳細に説明する。
[メタルケーブル]
図1は、本発明に係るメタルケーブルの一実施形態を示す部分側面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2に示すように、メタルケーブル10は、絶縁電線4と、絶縁電線4を被覆する被覆層3とを備えている。そして、絶縁電線4は、導体1と、導体1を被覆する絶縁層2とを有している。
ここで、絶縁層2及び被覆層3は難燃性樹脂組成物で構成されており、この難燃性樹脂組成物は、ベース樹脂と、ベース樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合で配合される炭酸カルシウム粒子と、ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合されるシリコーン系化合物と、ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される脂肪酸含有化合物とを含んでいる。
絶縁層2及び被覆層3は上記難燃性樹脂組成物で構成され、上記難燃性樹脂組成物は十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する。このため、メタルケーブル10を十分に軽量化できる。また、上記難燃性樹脂組成物は優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、メタルケーブル10も優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
以下、絶縁層2及び被覆層3を構成する難燃性樹脂組成物について詳細に説明する。
(難燃性樹脂組成物)
上記難燃性樹脂組成物は、上述したように、ベース樹脂と、ベース樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合で配合される炭酸カルシウム粒子と、ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合されるシリコーン系化合物と、ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される脂肪酸含有化合物とを含んでいる。ここで、ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率は80質量%よりも大きくなっている。
上記難燃性樹脂組成物は1.0g/cm未満の密度を有することが好ましい。この場合、難燃性樹脂組成物をより十分に軽量化させることができる。また、上記難燃性樹脂組成物は水に浮くことが可能である。このため、難燃性樹脂組成物中の樹脂をリサイクルするために、難燃性樹脂組成物と他の樹脂組成物との混合物を水に投入してその混合物から密度の違いを利用して難燃性樹脂組成物を回収する場合、難燃性樹脂組成物を容易に回収することができる。
(ベース樹脂)
上述したように、ベース樹脂はプロピレン系樹脂を含む。
プロピレン系樹脂は、プロピレンを構成単位として含む樹脂である。プロピレン系樹脂としては、例えばホモポリプロピレン、プロピレンブロックコポリマー、プロピレンランダムコポリマー、プロピレン‐αオレフィンコポリマーを含むコポリマーなどが挙げられる。中でも、耐熱性及び耐摩耗性の観点から、ホモポリプロピレン又はプロピレンブロックコポリマーが好ましい。これらの中でも、耐衝撃性及び低温脆化特性の観点からはプロピレンブロックコポリマーが特に好ましい。
プロピレン系樹脂は、極性基を含有する極性基含有プロピレン系樹脂をさらに含んでもよい。ここで、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率は特に制限されるものではないが、1〜10質量%であることが好ましい。この場合、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率が1質量%未満である場合と比べて、ベース樹脂と炭酸カルシウム粒子、シリコーン系化合物、脂肪酸含有化合物との相溶性が高まり、ブルームの発生が抑制されるとともに、より優れた耐摩耗性が得られる。一方、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率が10質量%を超える場合と比べて、難燃性樹脂組成物の加工性がより向上するとともにコストの上昇をより十分に抑えることができる。ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率は2〜5質量%であることがより好ましい。
極性基含有プロピレン系樹脂の極性基としては、例えばマレイン酸基、メタクリル酸基、無水フマル酸基、無水マレイン酸基、ヒドロキシル基及びカルボキシル基などが挙げられる。中でも、極性基としては、無水マレイン酸基が好ましい。この場合、ベース樹脂中の極性基含有プロピレン系樹脂の含有率がより少ない場合でも上述の効果を得ることができるため、機械特性などの物性の低下を抑制できる。
ベース樹脂は、プロピレン系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。プロピレン系樹脂以外の樹脂としては、プロピレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。中でも、プロピレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂が好ましい。この場合、プロピレン系樹脂以外の樹脂はプロピレン系樹脂との相溶性が良く、難燃性樹脂組成物において、より優れた耐摩耗性が得られる。プロピレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂としては、例えばポリブテン、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体などが挙げられる。
ベース樹脂はプロピレン系樹脂を80質量%よりも多く含んでいればよい。この場合、ベース樹脂がプロピレン系樹脂を80質量%以下の割合で含んでいる場合と比べて、より優れた耐摩耗性が得られる。
ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率は100質量%であることが好ましい。この場合、ベース樹脂がプロピレン系樹脂以外の樹脂を含む場合と比べて、より優れた耐摩耗性が得られる。
(炭酸カルシウム粒子)
炭酸カルシウム粒子は、重質炭酸カルシウム又は軽質炭酸カルシウムのいずれでもよい。
炭酸カルシウム粒子の平均粒径は、特に制限されるものではないが、0.7μm以上であることが好ましい。この場合、炭酸カルシウム粒子の平均粒径が0.7μm未満である場合と比べて、より優れた難燃性が得られる。但し、炭酸カルシウム粒子の平均粒径は、1.8μm以下であることが好ましい。この場合、炭酸カルシウム粒子の平均粒径が1.8μmを超える場合に比べて、絶縁層2や被覆層3を成形する際の気泡の発生を十分に抑制できる。このため、絶縁層2及び被覆層3において難燃性のムラや耐摩耗性の低下を十分に抑制することができる。
炭酸カルシウム粒子は、ベース樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合で配合される。この場合、炭酸カルシウム粒子の割合がベース樹脂100質量部に対して1質量部未満である場合に比べて、より優れた難燃性が得られる。また、ベース樹脂100質量部に対する炭酸カルシウム粒子の配合割合が上記範囲内にあると、ベース樹脂100質量部に対する炭酸カルシウム粒子の配合割合が20質量部より大きい場合に比べて、難燃性樹脂組成物をより低密度化できる。
また、炭酸カルシウム粒子はベース樹脂100質量部に対して5〜10質量部の割合で配合されることがより好ましい。ベース樹脂100質量部に対する炭酸カルシウム粒子の配合割合が上記範囲を外れる場合に比べて、難燃性樹脂組成物の難燃性を十分に確保しつつ、難燃性樹脂組成物をより低密度化できる。
(シリコーン系化合物)
シリコーン系化合物は、難燃助剤として機能するものであり、ポリオルガノシロキサンなどが挙げられる。ここで、ポリオルガノシロキサンは、シロキサン結合を主鎖とし側鎖に有機基を有するものであり、有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などのアルキル基;ビニル基;及びフェニル基などのアリール基などが挙げられる。具体的にはポリオルガノシロキサンとしては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルオクチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサンなどが挙げられる。ポリオルガノシロキサンとして、シリコーンパウダー、シリコーンガム及びシリコーンレジンが挙げられる。中でも、シリコーンガムが好ましい。この場合、シリコーン系化合物がシリコーンガム以外のシリコーン系化合物である場合に比べて、難燃性樹脂組成物においてブルームが起こりにくくなる。
シリコーン系化合物は、上述したようにベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される。この場合、ベース樹脂100質量部に対するシリコーン系化合物の配合割合が0.5質量部未満である場合に比べて、より優れた難燃性が得られる。また、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対するシリコーン系化合物の配合割合が上記範囲内にあると、シリコーン系化合物の配合割合が10質量部より大きい場合に比べて、難燃性樹脂組成物においてシリコーン系化合物のブルームをより十分に抑制できる。
シリコーン系化合物は、ベース樹脂100質量部に対して1.5〜3質量部の割合で配合されることが好ましい。この場合、より優れた難燃性が得られるとともに、被覆層3に印刷を行う場合、より鮮明に印刷を行うことができる。
シリコーン系化合物は、炭酸カルシウム粒子の表面に予め付着させておいてもよい。この場合、難燃性樹脂組成物中に含まれる各炭酸カルシウム粒子の全体がシリコーン系化合物で被覆されていることが好ましい。この場合、炭酸カルシウム粒子をベース樹脂中に容易に分散させることができるため、難燃性樹脂組成物における特性の均一性がより向上する。
炭酸カルシウムの表面にシリコーン系化合物を付着させる方法としては、例えば炭酸カルシウム粒子にシリコーン系化合物を添加して混合し、混合物を得た後、この混合物を40〜75℃にて10〜40分乾燥し、乾燥した混合物をヘンシェルミキサ、アトマイザなどにより粉砕する方法が挙げられる。
(脂肪酸含有化合物)
脂肪酸含有化合物は、難燃助剤として機能するものである。脂肪酸含有化合物とは、脂肪酸又はその金属塩を含有するものを言う。ここで、脂肪酸としては、例えば炭素原子数が12〜28である脂肪酸が用いられる。このような脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、ベヘン酸及びモンタン酸が挙げられる。中でも、脂肪酸としては、ステアリン酸が好ましい。この場合、ステアリン酸以外の脂肪酸を用いる場合に比べて、より優れた難燃性が得られる。
脂肪酸の金属塩を構成する金属としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛及び鉛などが挙げられる。脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウムが好ましく、ステアリン酸マグネシウムが特に好ましい。この場合、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸カルシウム以外の脂肪酸金属塩を用いる場合に比べて、難燃性樹脂組成物においてより少ない添加量で優れた難燃性が得られる。
脂肪酸含有化合物は、上述したようにベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される。この場合、ベース樹脂中100質量部に対して脂肪酸含有化合物の配合割合が0.5質量部未満である場合に比べて、より優れた難燃性が得られる。
ベース樹脂100質量部に対する脂肪酸含有化合物の配合割合が上記範囲内にあると、ベース樹脂100質量部に対する脂肪酸含有化合物の配合割合が10質量部より大きい場合に比べて、難燃性樹脂組成物による吸湿をより十分に抑制できる。
脂肪酸含有化合物は、ベース樹脂100質量部に対して1.5〜5質量部の割合で配合されることが好ましい。この場合、脂肪酸含有化合物の割合が上記範囲を外れる場合に比べて、難燃性樹脂組成物においてより優れた難燃性が得られるとともに、難燃性樹脂組成物による吸湿をより十分に抑制できる。
上記難燃性樹脂組成物は、酸化防止剤、金属不活性化剤、紫外線劣化防止剤、加工助剤、着色顔料、滑剤、カーボンブラックなどの充填剤を必要に応じてさらに含んでもよい。
[メタルケーブルの製造方法]
次に、上述したメタルケーブル10の製造方法について説明する。
<導体>
まず導体1を準備する。導体1は、1本の素線のみで構成されてもよく、複数本の素線を束ねて構成されたものであってもよい。導体1の材質は特に限定されるものではないが、メタルケーブル10の軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金であることが好ましい。また、導体の断面積についても、特に限定されるものではないが、細径化や軽量化の観点から、5mm未満であることが好ましく、3mm以下であることがより好ましい。但し、導体1の強度及び導電率の観点からは、導体1の断面積は0.13mm以上であることが好ましい。
<絶縁層>
次に、上記難燃性樹脂組成物で導体1を被覆し、導体1を包囲するように絶縁層2を形成する。具体的には、上記の難燃性樹脂組成物を、押出機を用いて混練し、チューブ状の押出物を形成する。そして、このチューブ状押出物を導体1上に連続的に被覆する。こうして絶縁電線4が得られる。
混練は、例えばバンバリーミキサ、タンブラ、加圧ニーダ、混練押出機、二軸押出機、ミキシングロール等の混練機で行うことができる。このとき、シリコーン系化合物の分散性を向上させる観点からは、ベース樹脂の一部とシリコーン系化合物とを混練し、得られたマスターバッチ(MB)を、残りのベース樹脂、炭酸カルシウム粒子及び脂肪酸含有化合物等と混練してもよい。
絶縁層2の厚さは、特に限定されるものではないが、0.7mm未満であることが好ましい。この場合、絶縁層2の厚さが0.7mm以上である場合に比べて、メタルケーブル10をより軽量化及び細径化できる。絶縁層2の厚さはそれぞれ、0.6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。但し、耐摩耗性の観点から、絶縁層2の厚さは0.1mm以上であることが好ましい。絶縁層2の厚さは、0.15mm以上であることがさらに好ましく、0.2mm以上であることが特に好ましい。
<被覆層>
最後に、上記のようにして得られた絶縁電線4を1本用意し、この絶縁電線4を、上述した難燃性樹脂組成物を用いて作製した被覆層3で被覆する。被覆層3は、絶縁層2を物理的又は化学的な損傷から保護するものである。
被覆層3の厚さは、特に限定されるものではないが、0.7mm未満であることが好ましい。この場合、被覆層3の厚さが0.7mm以上である場合に比べて、メタルケーブル10をより軽量化できる。被覆層3の厚さは0.6mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることがさらに好ましい。但し、耐摩耗性の観点から、被覆層3の厚さは、0.4mm以上であることが好ましい。
以上のようにしてメタルケーブル10が得られる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態ではメタルケーブル10は1本の絶縁電線4を有しているが、本発明のメタルケーブルは被覆層3の内側に絶縁電線4を2本以上有していてもよい。また被覆層3と絶縁電線4との間には、銅やアルミニウム等の金属線の編組などにより形成されたシールド層が設けられていてもよい。すなわち、本発明のメタルケーブルは、同軸ケーブルであってもよい。
また上記実施形態では、絶縁電線4の絶縁層2及び被覆層3が上記の難燃性樹脂組成物で構成されているが、絶縁層2が通常の絶縁樹脂で構成され、被覆層3のみが、絶縁層2を構成する難燃性樹脂組成物で構成されてもよい。
さらに、上記実施形態において絶縁電線4の絶縁層2及び被覆層3を構成する難燃性樹脂組成物は、光ファイバケーブルにおいて光ファイバを被覆する被覆部としても適用可能である。例えば図3は、本発明の光ファイバケーブルの一例としてのドロップ型光ファイバケーブルを示す断面図である。図3に示すように、光ファイバケーブル20は、支持線21と、2本のテンションメンバ22,23と、光ファイバ24と、これらを被覆する被覆部25とを備えている。ここで、被覆部25は、光ファイバ24を直接被覆する絶縁体で構成され、絶縁体は、上記実施形態において絶縁電線4の絶縁層2及び被覆層3を構成する難燃性樹脂組成物で構成される。
この光ファイバケーブル20においては、被覆部25を構成する絶縁体が上記難燃性樹脂組成物で構成され、上記難燃性樹脂組成物は十分に低密度化できる。このため、光ファイバケーブル20を十分に軽量化できる。また、上記難燃性樹脂組成物は優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、光ファイバケーブル20も優れた難燃性及び耐摩耗性を有することが可能となる。
上記光ファイバケーブル20においては、被覆部25が絶縁体で構成されているが、被覆部25は絶縁体を被覆する被覆体をさらに有していてもよい。ここで、被覆体は、外皮として用いてもよい。また、上記光ファイバケーブル20は、光ファイバ24を1本備えているが、本発明の光ファイバケーブルは、光ファイバ24を複数本備えていてもよい。
[自動車用ワイヤハーネス]
図4は、本発明の自動車用ワイヤハーネスの一例を示す断面図である。図4に示すように、自動車用ワイヤハーネス30は、複数本の絶縁電線4と、複数本の絶縁電線4を束ねるテープ31とを備える。テープ31は、複数本の絶縁電線4をその長さ方向に沿って全体的に被覆している必要はなく、複数の絶縁電線4をその長さ方向に沿って必要な箇所で部分的に被覆していればよい。
この自動車用ワイヤハーネス30は、優れた難燃性及び耐摩耗性を有する絶縁電線4を備えるため、優れた難燃性及び耐摩耗性を有することができる。また、自動車用ワイヤハーネス30は、十分に軽量化することが可能な絶縁電線4を備えるため、十分に軽量化することが可能である。このように、自動車用ワイヤハーネス30は、優れた難燃性及び耐摩耗性を有し、十分に軽量化が可能である。従って、自動車用ワイヤハーネス30は、自動車用途に適している。
上記自動車用ワイヤハーネス30において、テープ31は、上記実施形態において絶縁電線4の絶縁層2及び被覆層3を構成する難燃性樹脂組成物で構成されていてもよいし、それ以外の組成物で構成されていてもよい。
上記自動車用ワイヤハーネス30は、絶縁電線4を複数本備えているが、絶縁電線4を1本のみ備えていてもよい。また、上記自動車用ワイヤハーネス30においては、絶縁電線4の代わりにメタルケーブル10又は光ファイバケーブル20を用いることもできる。上記自動車用ワイヤハーネス30においては、絶縁電線4、メタルケーブル10及び光ファイバケーブル20のうちの1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記自動車用ワイヤハーネス30は、テープ31を備えているが、自動車用ワイヤハーネス30はテープ31の代わりに結束帯等を用いることもできる。
[成形品]
また、上記実施形態において絶縁電線4の絶縁層2及び被覆層3を構成する難燃性樹脂組成物は、成形品に含まれる材料にも適用可能である。
上記難燃性樹脂組成物は十分に低密度化が可能であるため、本発明の成形品は、軽量化が可能である。また、上記難燃性樹脂組成物は、優れた難燃性及び耐摩耗性を有するため、本発明の成形品も優れた難燃性及び耐摩耗性を有することができる。
<用途>
本発明の難燃性樹脂組成物は、自動車用絶縁電線の絶縁層、制御用ケーブルや電力ケーブルの絶縁層又は被覆層などに適用可能である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜27及び比較例1〜15)
ベース樹脂、シリコーンマスターバッチ(シリコーンMB)、脂肪酸含有化合物及び炭酸カルシウム粒子を、表1〜5に示す配合量で配合し、オープンロールによって170℃にて30分間混練し、難燃性樹脂組成物を得た。なお、表1〜5において、各配合成分の配合量の単位は質量部である。また表1〜5において、ベース樹脂の欄の配合量が100質量部となっていないが、シリコーンMB中にも樹脂が含まれており、ベース樹脂の欄の配合量とシリコーンMB中の樹脂の配合量とを合計すれば、その合計は100質量部となる。
上記ベース樹脂、シリコーンMB、炭酸カルシウム粒子及び脂肪酸含有化合物としては、具体的には下記のものを用いた。
(1)ベース樹脂
(プロピレン系樹脂)
PP−1:ポリプロピレンブロックコポリマー(商品名「E701G」、プライムポリマー社製)
PP−2:ホモポリプロピレン(商品名「E111G」、プライムポリマー社製)
PP−3:低融点ポリプロピレン(商品名「WMG03」、日本ポリプロ社製)
PP−4(極性基含有):無水マレイン酸変性プロピレン系樹脂(商品名「アドマーQE800」、三井化学社製)
(ポリブテン)
ポリブテン:ポリブテン−1(商品名「ビューロン5050N」、三井化学社製)
(ポリエチレン樹脂)
PE−1:高密度ポリエチレン(商品名「Hizex5303E」、プライムポリマー社製)
PE−2:低密度ポリエチレン(商品名「エクセレンGMH CB2001」、住友化学社製)
(2)シリコーンMB
シリコーンMB−1:(商品名「X−22−2125H」、信越化学社製)
50質量%シリコーンガムと50質量%低密度ポリエチレンとを含有
シリコーンMB−2:(商品名「X−22−2101」、信越化学社製)
50質量%シリコーンガムと50質量%プロピレン系樹脂とを含有
(3)炭酸カルシウム粒子
平均粒径1.7μm(商品名「NCC_P」、日東粉化社製)
(4)脂肪酸含有化合物
ステアリン酸Mg(商品名「エフコ・ケムMGS」、ADEKA社製)
次いで、この難燃性樹脂組成物を、押出機(25mm押出機、マース精機社製)に投入し、その押出機から押出物を押し出し、0.6mm径の7本の素線を撚り合せてなり、断面積が2mmである導体上に、厚さ0.2mmとなるように被覆した。こうして絶縁電線を得た。

Figure 2018039902
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上記のようにして得られた実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物及び絶縁電線について、以下のようにして難燃性、耐摩耗性、密度、水中での浮上性及び耐ブルーム性についての評価を行った。
<難燃性>
上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物から得られた絶縁電線について、水平燃焼試験、45度傾斜燃焼試験及び60度傾斜燃焼試験を行った。それぞれの燃焼試験について以下に示す。
(水平燃焼試験)
上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物から得られた絶縁電線について、JASO D618に準拠した水平燃焼試験を行った。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5において、絶縁電線が燃焼するまで接炎した後、燃焼開始から30秒以内に自己消火したものを難燃性に優れるとして「○」と表記し、30秒以内に自己消火しなかったものを難燃性に劣るとして「×」と表記した。
(45度傾斜燃焼試験)
上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物から得られた絶縁電線について、ISO 6722−1に準拠した45度傾斜燃焼試験を行った。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5において、絶縁電線を15秒間接炎した後、70秒以内に自己消火したものを難燃性に優れるとして「○」と表記し、70秒以内に自己消火しなかったものを難燃性に劣るとして「×」と表記した。
(60度傾斜燃焼試験)
上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物から得られた絶縁電線について、JIS C3005に準拠した60度傾斜燃焼試験を行った。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5において、絶縁電線が燃焼するまで接炎した後、燃焼開始から60秒以内に自己消火したものを難燃性に優れるとして「○」と表記し、60秒以内に自己消火しなかったものを難燃性に劣るとして「×」と表記した。
(合格基準)
難燃性については、上記水平燃焼試験によって評価し、燃焼開始から30秒以内に自己消火したものを合格とした。
<耐摩耗性>
耐摩耗性は、上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物から得られた絶縁電線について、JASO D618に準拠したスクレープ摩耗試験を行い、導通までの回数によって評価した。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5においては、導通までの回数が5000回以上である場合には耐摩耗性に特に優れるとして「◎」と表記し、2000〜4999回である場合には耐摩耗性に優れるとして「○」と表記し、750〜1999回である場合には耐摩耗性にやや劣るとして「△」と表記し、750回未満である場合には耐摩耗性に劣るとして「×」と表記した。なお、耐摩耗性については、「○」又は「◎」を合格とした。
<密度>
密度は、上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物について、電子比重計(アルファ・ミラージュ社製)を用いて測定した。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5において密度の単位はg/cmである。また、密度が1.0g/cm未満である場合には、十分な低密度化が可能であるとして合格とした。
<水中での浮上性>
水中での浮上性は、上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物を純水中に入れて、水面に浮上するかどうかによって評価した。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5において、水面に浮上したものを「○」と表記し、水面に浮上しなかったものを「×」と表記した。
<耐ブルーム性>
耐ブルーム性は、上記実施例1〜27及び比較例1〜15の難燃性樹脂組成物から得られた絶縁電線について、85℃、90%RHの恒温恒湿槽(楠本化成社製)に6か月間放置したものの表面を目視及びマイクロスコープ(キーエンス社製)によって観察することで評価した。結果を表1〜5に示す。なお、表1〜5において、マイクロスコープの倍率を50倍にしてもブルームが確認できなかったものを耐ブルーム性に特に優れるとして「◎」と表記し、マイクロスコープの倍率を50倍にした場合にブルームが若干量確認できたものを耐ブルーム性に優れるとして「○」と表記し、目視にてブルームが若干量確認できたものを耐ブルーム性にやや劣るとして「△」と表記し、目視にてブルームが明確に確認できたものを耐ブルーム性に劣るとして「×」と表記した。
表1〜5に示す結果より、実施例1〜27の難燃性樹脂組成物は、密度、難燃性及び耐摩耗性について合格基準に達していた。これに対し、比較例1〜15の難燃性樹脂組成物は、密度、難燃性及び耐摩耗性のうち少なくとも1つについて合格基準に達していなかった。
このことから、本発明の難燃性樹脂組成物によれば、十分な低密度化を可能としつつ、優れた難燃性及び耐摩耗性を確保することができることが確認された。
1…導体
2…絶縁層
3…被覆層
4…絶縁電線
10…メタルケーブル
20…光ファイバケーブル
24…光ファイバ
25…被覆部(絶縁体)
30…自動車用ワイヤハーネス

Claims (11)

  1. ベース樹脂と、
    前記ベース樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下の割合で配合される炭酸カルシウム粒子と、
    前記ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合されるシリコーン系化合物と、
    前記ベース樹脂100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下の割合で配合される脂肪酸含有化合物とを含み、
    前記ベース樹脂中のプロピレン系樹脂の含有率が80質量%より大きい難燃性樹脂組成物。
  2. 前記ベース樹脂中の前記プロピレン系樹脂の含有率が100質量%である請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  3. 前記ベース樹脂が前記プロピレン系樹脂と前記プロピレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂とからなる請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 前記プロピレン系樹脂が、極性基を含有する極性基含有プロピレン系樹脂を含み、
    前記ベース樹脂中の前記極性基含有プロピレン系樹脂の含有率が1〜10質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 前記極性基が無水マレイン酸基である、請求項4に記載の難燃性樹脂組成物。
  6. 1.0g/cm未満の密度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物。
  7. 導体と、
    前記導体を被覆する絶縁層とを備え、
    前記絶縁層が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物で構成される絶縁電線。
  8. 導体、及び、前記導体を被覆する絶縁層を有する絶縁電線と、
    前記絶縁電線を包囲するように設けられる被覆層とを備え、
    前記絶縁層及び前記被覆層の少なくとも一方が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物で構成されるメタルケーブル。
  9. 光ファイバと、
    前記光ファイバを被覆する被覆部とを備え、
    前記被覆部が、前記光ファイバを直接被覆する絶縁体を有し、
    前記絶縁体が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物で構成される光ファイバケーブル。
  10. 絶縁電線、メタルケーブル及び光ファイバケーブルからなる群より選ばれる少なくとも一種を有する自動車用ワイヤハーネスであって、
    前記絶縁電線が請求項7に記載の絶縁電線で構成され、
    前記メタルケーブルが請求項8に記載のメタルケーブルで構成され、
    前記光ファイバケーブルが請求項9に記載の光ファイバケーブルで構成される自動車用ワイヤハーネス。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の難燃性樹脂組成物を含む成形品。
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