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JP2018017833A - フォトマスクの製造方法、描画装置、表示装置の製造方法、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置 - Google Patents

フォトマスクの製造方法、描画装置、表示装置の製造方法、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置 Download PDF

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JP2018017833A JP2016146741A JP2016146741A JP2018017833A JP 2018017833 A JP2018017833 A JP 2018017833A JP 2016146741 A JP2016146741 A JP 2016146741A JP 2016146741 A JP2016146741 A JP 2016146741A JP 2018017833 A JP2018017833 A JP 2018017833A
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Abstract

【課題】フォトマスクの製造における座標精度の向上を、より効率的に行えるようにする。【解決手段】透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、第1主面に薄膜とレジスト膜とを積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、薄膜をパターニングする工程と、を含み、描画工程では、描画装置がフォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1と、フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、描画装置固有データM1及び裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板に転写用パターンを描画する。【選択図】図3

Description

本発明は、半導体装置や表示装置の製造に適したフォトマスクに関し、特に、液晶表示装置や有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置などに代表されるFPD(フラットパネルディスプレイ)等の表示装置を製造する際に有利に用いられるフォトマスクの製造方法、描画装置、表示装置の製造方法、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置に関する。
フォトマスクの分野では、設計されたデザインに基づいてフォトマスク基板に形成される転写用パターンの形成精度を高くすること、更に、形成された転写用パターンの検査精度を高くすることが望まれている。
特許文献1(特開2010−134433号公報)には、転写用パターンが形成されたフォトマスクを用いて、被転写体上にパターンを転写する際に、そのパターンの座標精度を高くすることが可能なフォトマスクの製造方法等が記載されている。また、特許文献1には、特に、フォトマスクの製造工程において、転写用パターンの設計データをそのまま描画データに用いて描画しても、描画時の膜面(パターン形成面)の形状が、露光時とは異なるため、設計どおりのパターンが被転写体上に形成されないという問題を解消するべく、補正した描画データを得る方法が記載されている。
特開2010−134433号公報
表示装置の製造においては、得ようとするデバイスの設計に基づいた転写用パターンを備えたフォトマスクが多く利用される。デバイスとして、スマートフォンやタブレット端末に代表される、液晶表示装置や有機EL表示装置には、明るく省電力、動作速度が速く、かつ、解像度の高い美しい画像が要求される。このため、上述の用途に使用されるフォトマスクに対し、新たな技術課題が発明者らによって顕在化した。
微細な画像を鮮明に表現するためには、画素密度を高める必要があり、現在、画素密度を更に高める要求が生じている。このため、フォトマスクの転写用パターンのデザインは、微細化、高密度化の方向にある。ところで、表示用デバイスを含む多くの電子デバイスは、微細パターンが形成された複数のレイヤ(Layer)の積層によって立体的に形成される。したがって、これら複数のレイヤにおける座標精度の向上、及び互いの座標の整合が肝要になる。すなわち、個々のレイヤのパターン座標精度が、すべて所定レベルを満足していなければ、完成したデバイスにおいて適正な動作が生じないなどの不都合が起きる。したがって、各レイヤに求められる座標ずれの許容範囲は益々小さくなっていく方向にある。つまり、各レイヤを製造するために用いられるフォトマスクの転写用パターンに求められる座標精度の要求が、益々高まる傾向にある。
フォトマスクの製造には、透明基板の第1主面(以下、「膜面」ともいう)に薄膜とレジスト膜が形成されたフォトマスク基板が用いられる。また、フォトマスクの製造工程では、透明基板上の薄膜をパターニングして、所望の形状をもつ転写用パターンとすることが行われる。
本明細書において、「フォトマスク基板」とは、下記に列挙する透明基板、フォトマスクブランク、レジスト付フォトマスクブランク、フォトマスク中間体、又はフォトマスクを含むものとする。
(a)フォトマスクを形成するための透明基板。
(b)上記透明基板上に薄膜(パターニングによって転写用パターンを形成するための光学膜であって、遮光膜や半透光膜などとして機能する膜)が形成されたフォトマスクブランク。
(c)上記薄膜上にレジスト膜が形成されたレジスト付フォトマスクブランク。
(d)既に薄膜パターンを有し、更なるパターニングを行うため、又は、更なる薄膜パターンを積層するためのフォトマスク中間体。
(e)転写用パターンの検査を行うための、完成されたフォトマスク。
また、本明細書では、フォトマスク基板を、簡便に「基板」とも称する。
フォトマスクの製造工程において、例えば、レジスト付フォトマスクブランクであるフォトマスク基板に描画装置を用いてパターンを描画するときは、水平なステージ上にフォトマスク基板を載置する。その際、フォトマスク基板の膜面を上向きとする。そして、その膜面を構成しているレジスト膜に対し、レーザビーム等のエネルギービームを照射し、かつそのビームを走査することにより、所望のパターンを描画する。
但し、描画データとして、所望の転写用パターンの設計データをそのまま用いると、不都合が生じることがある。その理由は、図11(a),(b)に示すように、フォトマスク基板51を支持する描画装置のステージ50表面が理想的な平面とは限らず、また、フォトマスク基板51も理想的な平面のみをもつとは限らないためである。ステージ50の表面及びフォトマスク基板51の両主面は、いずれも精密に加工されているものの、面の平坦度という観点でみると、僅かな凹凸が生じている場合がある。また、描画装置のステージ50表面の凹凸、ステージ50表面とフォトマスク基板51の第2主面(以下、「裏面」ともいう)との間の異物の挟み込みによる基板のたわみ、フォトマスク基板51の裏面の凹凸、フォトマスク基板51の厚みのばらつきなどが生じている場合、図11(b)に示すように、ステージ50上に載置されたフォトマスク基板51の上面(すなわち膜面)の形状は、これらの変形要因が累積した凹凸をもって形成される。そして、この状態のフォトマスク基板51に対し、描画ヘッド52が設計描画データW1にしたがってパターン描画を行う。
一方、図11(c)に示すように、転写用パターンが形成されたフォトマスク基板(フォトマスク)51を露光装置に搭載し、転写用パターンを被転写体上に転写する場合は、フォトマスク基板51の膜面(図中、黒色で塗り潰された部分)を下向きにするとともに、フォトマスク基板51の外縁部だけを治具53により支持する状態で、露光装置にフォトマスク基板51を固定する。そして、フォトマスク基板51の下に被転写体(不図示)を配置し、フォトマスク基板51の上から(すなわちフォトマスク基板51の裏面側から)露光光を照射する。
このように、フォトマスク基板51の描画時と露光時では、フォトマスク基板51の膜面の向きが上下反転する。また、描画時における基板膜面の上記変形要因は、その多くが露光時に消失する。したがって、描画時と露光時ではフォトマスク基板の膜面形状が異なる。よって、描画に用いたパターンデータに対応するパターンと、被転写体上に転写されるパターンでは、パターン形状に差異が生じる。具体的には、設計されたパターンの座標に、上記膜面形状の変化に応じたずれが生じ、このずれが転写像の座標ずれとなる(図11(c)参照)。
そこで、フォトマスク基板の膜面形状の変化に起因する座標ずれ分を予め算定し、描画データに反映させることが考えられる。すなわち、想定される座標ずれ分を相殺するべく、描画データ、又は描画条件を補正しておく方法である。
本発明者は、フォトマスク基板の描画工程における膜面の形状と、転写用パターンをもつフォトマスク基板を用いて露光を行う際の膜面の形状との形状変化分を算定し、算定した形状変化分に基づいて、描画に用いる設計描画データを補正する方法を提案した(特許文献1)。すなわち、膜面を上側にしてフォトマスク基板を描画装置のステージに載置した状態で、フォトマスク基板の上側の面の高さ分布を測定することによって得られる高さ分布データと、予め取得したフォトマスク基板の膜面形状データとの差分データを用いて、設計描画データを補正する方法である。この方法を図12に示す。
上記方法においては、パターンを描画する段階で存在する、フォトマスク基板の膜面における理想平面からの変形要因のうち、露光時にも残留する分と、露光時には消失する分とを区別して、消失する分のみを設計描画データに反映して補正した描画データを得る。
具体的には、図12(a)に示すように、フォトマスク基板61の膜面形状を測定して、膜面形状データを得る。また、図12(b)に示すように、膜面を上側にしてフォトマスク基板61を描画装置のステージ60に載置し、その状態でフォトマスク基板61の上側の面の高さ分布を測定して、高さ分布データを得る。そして、図12(c)に示すように、これら2つのデータの差分データを基に設計描画データを補正し、これによって得られた補正描画データを用いて描画する。この方法を採用することにより、フォトマスク基板に形成される転写用パターンの座標精度を高めることができる。
但し、上記方法では、膜面を上側にしてフォトマスク基板を描画装置のステージに載置し、その状態でフォトマスク基板の上側の面の高さ分布を測定する必要がある。このため、フォトマスク基板によって描画装置が占有される時間(以下、「描画装置の占有時間」ともいう。)を増加させるデメリットがある。
表示装置製造用のフォトマスクは、一般に面積が大きく(例えば、主面の一辺が300mm以上の四角形)、描画に長時間を要する。特に、携帯端末の生産などに多く利用されるフォトマスク(主として、主面の一辺が800mm以上)においては、描画時間が増加している。一方、特許文献1に記載の方法では、フォトマスク基板の上側の面の高さ分布を測定する場合に、基板の面内に所定の間隔で複数の測定点を設定し、各々の測定点ごとに高さを測定して高さデータを集積することにより、高さ分布データを求めている。このため、上述した大面積の基板の測定にともなって測定の所要時間も長くなるため、描画装置の占有時間が増大してしまう。描画装置の占有時間は、フォトマスクの生産効率やコストに対する影響が大きい。このため、これを改善する潜在的な技術課題があることに本発明者は着目した。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、被転写体上に形成されるパターンの座標精度を高めることのできるフォトマスクの製造方法、描画装置、表示装置の製造方法、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置を提供することを目的とする。
(第1の態様)
本発明の第1の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
前記描画工程では、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1と、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法である。
(第2の態様)
本発明の第2の態様は、
前記描画装置の前記ステージに載置されたフォトマスク基板の主面に平行な面をXY平面とし、該XY平面に垂直な軸をZ軸とするとき、
前記座標ずれ合成量D1は、前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2の合計による、Z軸方向の高さ変動データH1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換したものであることを特徴とする、上記第1の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
(第3の態様)
本発明の第3の態様は、
前記描画工程では、前記座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させるために、前記座標ずれ合成量D1に基づき、前記座標ずれを相殺すべく前記設計描画データW1を補正して補正描画データW2を求め、前記補正描画データW2を用いて描画することを特徴とする、上記第1又は第2の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
(第4の態様)
本発明の第4の態様は、
前記描画工程では、前記座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させるために、前記座標ずれ合成量D1に基づき、前記座標ずれを相殺すべく描画装置のもつ座標系を補正して補正座標系を求め、前記補正座標系を、前記設計描画データW1とともに用いて描画することを特徴とする、上記第1又は第2の態様に記載のフォトマスクの製造方法である。
(第5の態様)
本発明の第5の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
前記フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、
−100nm≦k1≦100nm
を満たすとき、
前記描画工程では、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を用意し、
前記描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法である。
(第6の態様)
本発明の第6の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
前記描画装置のステージの平坦度係数k2が、
−100nm≦k2≦100nm
を満たすとき、
前記描画工程では、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D3を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法である。
(第7の態様)
本発明の第7の態様は、
透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
前記描画制御系は、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1、及び前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、
前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
を備えることを特徴とする、描画装置である。
(第8の態様)
本発明の第8の態様は、
前記記憶手段は、前記描画装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換した、座標ずれ補正量として保有することを特徴とする、上記第7の態様に記載の描画装置である。
(第9の態様)
本発明の第9の態様は、
前記記憶手段は、前記描画装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換して座標系を補正した、補正座標系として保有することを特徴とする、上記第7の態様に記載の描画装置である。
(第10の態様)
本発明の第10の態様は、
前記描画装置固有データM1は、前記ステージの表面形状を示す、ステージ平坦度データを含むことを特徴とする、上記第7〜9のいずれかの態様に記載の描画装置である。
(第11の態様)
本発明の第11の態様は、
透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
前記描画制御系は、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1を入力する入力手段と、
前記描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
を備えることを特徴とする、描画装置である。
(第12の態様)
本発明の第12の態様は、
透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
前記描画装置のステージの平坦度係数k2が、
−100nm≦k2≦100nm
を満たし、
前記描画制御系は、
前記設計描画データW1と、前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D3を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
を備えることを特徴とする、描画装置である。
(第13の態様)
本発明の第13の態様は、
上記第1〜第6の態様のいずれか1つに記載のフォトマスクの製造方法によって製造されたフォトマスクを用意する工程と、
露光装置を用いて前記フォトマスクを露光する工程と、を含む、表示装置の製造方法である。
(第14の態様)
本発明の第14の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
前記判定工程では、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2と、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D4と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法である。
(第15の態様)
本発明の第15の態様は、
前記判定工程では、前記座標ずれ合成量D4を、前記パターン検査データX1、又は前記設計描画データW1に反映させて、前記判定を行うことを特徴とする、上記第14の態様に記載のフォトマスク基板の検査方法である。
(第16の態様)
本発明の第16の態様は、
前記検査装置のステージに載置されたフォトマスク基板の主面に平行な面をXY平面とし、該XY平面に垂直な軸をZ軸とするとき、
前記座標ずれ合成量D4は、前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2の合計による、Z軸方向の高さ変動データH2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換したものであることを特徴とする、上記第14の態様に記載のフォトマスク基板の検査方法である。
(第17の態様)
本発明の第17の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
前記フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、
−100nm≦k1≦100nm
を満たすとき、
前記判定工程では、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を用意し、
前記検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法である。
(第18の態様)
本発明の第18の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
前記検査装置のステージの平坦度係数k3が、
−100nm≦k3≦100nm
を満たすとき、
前記判定工程では、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法である。
(第19の態様)
本発明の第19の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1、及び前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、を含み、
前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D4と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1を用いて、前記判定を行う
ことを特徴とする、フォトマスク基板の検査装置である。
(第20の態様)
本発明の第20の態様は、
前記判定手段は、前記座標ずれ合成量D4を、前記パターン検査データX1、又は前記設計描画データW1に反映させて、前記判定を行うことを特徴とする、上記第19の態様に記載のフォトマスク基板の検査装置である。
(第21の態様)
本発明の第21の態様は、
前記記憶手段は、前記検査装置固有データM2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換した、座標ずれ補正量として保有することを特徴とする、上記第19の態様に記載のフォトマスク基板の検査装置である。
(第22の態様)
本発明の第22の態様は、
前記記憶手段は、前記検査装置固有データM2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換して座標系を補正した、補正座標系として保有することを特徴とする、上記第19の態様に記載のフォトマスク基板の検査装置である。
(第23の態様)
本発明の第23の態様は、
前記検査装置固有データM2は、前記ステージの表面形状を示す、ステージ平坦度データを含むことを特徴とする、上記第19〜22のいずれかの態様に記載のフォトマスク基板の検査装置である。
(第24の態様)
本発明の第24の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1を入力する入力手段と、を含み、
前記検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行う、フォトマスク基板の検査装置である。
(第25の態様)
本発明の第25の態様は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定する測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
前記検査装置のステージの平坦度係数k3が、
−100nm≦k3≦100nm
を満たし、
前記判定手段は、
前記設計描画データW1と、前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段を含み、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行う、フォトマスク基板の検査装置である。
本発明によれば、フォトマスクの製造における座標精度の向上を、より効率的に行うことにより、生産性やコストをより有利にすることができる。
フォトマスク基板の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る描画装置の構成例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係るフォトマスク基板の製造方法を説明する図であって、(a)はフォトマスク基板の裏面データS2を用意する段階、(b)は描画装置固有データM1を用意する段階、(c)は高さ変動データH1を求める段階、(d)は座標ずれ合成量D1を求める段階、(e)は補正描画データW2を求める段階を示す図である。 本発明の実施形態に係るフォトマスク基板の製造方法及び表示装置の製造方法を説明する図であって、(a)はフォトマスク基板にパターンを描画する段階、(b)はフォトマスク基板を露光する段階を示す図である。 (a)はフォトマスク基板の裏面データS2の一例を示す図であり、(b)は描画装置固有データM1の一例を示す図である。 (a)はフォトマスク基板の裏面データS2をミラー反転して得られるデータの一例を示す図であり、(b)は高さ変動データH1の一例を示す図である。 XY変換の一例を説明する図である。 設計描画データと補正描画データの描画位置の関係を示す概念図である。 本発明の実施形態に係るフォトマスクの検査方法を説明する図であって、(a)はパターン検査データX1を得る段階、(b)はフォトマスク基板の裏面データS2を用意する段階、(c)は検査装置固有データM2を用意する段階、(d)は高さ変動データH2を求める段階、(e)は座標ずれ合成量D4を求める段階、(f)は比較用検査データX2を得て判定する段階を示す図である。 本発明の実施形態に係るフォトマスク基板の検査装置の構成例を示す概略図である。 従来の製造方法によるフォトマスクの一例を説明する図であって、(a)はフォトマスク基板の状態、(b)は描画の段階、(c)は露光の段階を示す図である。 従来の製造方法によるフォトマスクの他の例を説明する図であって、(a)はフォトマスク基板の膜面形状データを得る段階、(b)はステージ上の基板膜面の高さ分布データを得る段階、(c)は補正描画データを得る段階を示す図である。 従来の製造方法によるフォトマスクの他の例を説明する図であって、(a)はフォトマスク基板にパターンを描画する段階、(b)はフォトマスク基板を露光する段階を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明は、フォトマスクの製造方法、描画装置、表示装置の製造方法、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置を含むものである。以下、それぞれの実施形態について説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
前記描画工程では、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1と、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法に係るものである。
本実施形態では、一例として、図1に示すフォトマスク基板1を用いる。このフォトマスク基板1は、レジスト付フォトマスクブランクであって、透明基板2と、薄膜としての遮光膜3と、レジスト膜4と、を備える。透明基板2は、表裏の関係で2つの主面2a,2bを有する。透明基板2の第1主面2aに、遮光膜3と、レジスト膜4とが順に積層されている。なお、本実施形態では、透明基板2の第1主面2a側に位置するフォトマスク基板1の主面を、フォトマスク基板1の第1主面、表面、又は膜面ともいう。また、透明基板2の第2主面2b側に位置するフォトマスク基板1の主面を、フォトマスク基板1の第2主面、又は裏面ともいう。
透明基板2としては、石英ガラス等の透明材料を平坦かつ平滑に研磨したものを用いることができる。表示装置製造用のフォトマスクに使用する透明基板としては、主表面が一辺300〜1800mmの四角形であって、厚みが5〜16mmのものを用いることが好ましい。フォトマスク基板1は、透明基板2の第1主面2aに、薄膜としてCr(クロム)系の遮光膜3を成膜し、更にその遮光膜3上にレジスト膜4を形成することで得られる。ここでは、レジスト膜4の材料としてフォトレジストを用いる。フォトレジストは、ポジ型でもネガ型でもよいが、ここではポジ型を用いることにする。薄膜の素材は、もちろん上記に限定されず、フォトマスクを構成する膜(遮光膜、半透光膜など)として使用される素材であれば、如何なる素材でもかまわない。
上記のフォトマスク基板1を用いて、転写用パターンをもつフォトマスクを製造するためには、フォトマスク基板1に対して描画を行う描画工程と、遮光膜3をパターニングする工程(以下、「パターニング工程」という。)と、を行う必要がある。このうち、描画工程では、フォトマスク基板1のレジスト膜4にレーザビームなどのエネルギービームを照射し、かつそのビームを走査することにより、転写用パターンを描画する。その後のパターニング工程では、現像液等を用いてレジスト膜4を現像し、フォトマスク基板1の遮光膜3上にレジストパターンを形成する。さらにレジストパターンを用いて遮光膜3をパターニングする。上述のように遮光膜3をCr系の材料で形成した場合は、Cr用エッチング剤を用いて遮光膜3をパターニングすることができる。
図2は本発明の実施形態に係るフォトマスクの製造方法で用いられる描画装置の概念図である。
描画装置としては、EB(Electron Beam)描画装置、レーザ描画装置などを適用可能であるが、ここでは、FPD用のレーザ描画装置を用いる。この描画装置は、ステージ10と、描画手段11と、高さ測定手段12と、描画制御係15と、を備えている。
ステージ10は、描画の対象となるフォトマスク基板1を水平に載置した状態で支持(固定)する。このとき、薄膜(本形態例では遮光膜3)が形成されている透明基板2の第1主面2aを上向きに配置する。
描画手段11は、レーザビームを照射しつつ、XY平面と平行に移動する描画ヘッド14(図4参照)を有する。この描画ヘッド14の移動によりフォトマスク基板1の膜面全体をレーザビームで走査することができる。但し、レーザビームによる走査は、描画ヘッド14とステージ10の相対的な移動によって行われるものであるため、描画ヘッド14の移動に代えてステージ10の移動によって行ってもよいし、描画ヘッド14の移動とステージ10の移動を適宜組み合わせて行ってもよい。
ここで、描画装置のステージ10にフォトマスク基板1を載置した状態で、ステージ10の表面や透明基板2の主面2a,2bと実質的に平行な平面をXY平面(XY座標平面)とし、このXY平面に直交する軸をZ軸(高さ方向の高い方を正方向)とする。また、XY平面内でZ軸に直交するX軸及びY軸のうち、いずれか一方の軸は、フォトマスク基板1の長辺または短辺に平行に配置されるものとする。この点は、後述の、フォトマスク基板の検査装置においても同様である。
高さ測定手段12は、測定対象となる表面の高さを測定する機能を有する。例えばその面内に所定間隔(例えば、X軸方向及びY軸方向にそれぞれ10mm間隔)で格子状に複数の測定点を設定し、各々の測定点ごとに表面の高さを測定することにより行う。これにより、測定対象となる表面の形状を示す高さ分布データが得られる。高さ測定手段12は、ステージ10にフォトマスク基板1が載置されている状態では、フォトマスク基板1の表面(膜面)を測定対象として高さ測定を行うことが可能であり、ステージ10にフォトマスク基板1が載置されていない状態では、ステージ10の表面を測定対象として高さ測定を行うことが可能である。 描画制御系15の詳細な機能については、後述する。
描画工程では、得ようとするデバイスの設計に基づいて設計描画データW1を作成し、この設計描画データW1を、描画制御系15が備える入力手段15bにより入力する。但し、この設計描画データW1を用いて描画を行うと、フォトマスク基板の形状や描画装置に起因する基板の変形要因により、作製されたフォトマスクによる転写像の座標精度に問題が生じる場合がある。そこで、設計描画データW1に補正を施した補正描画データを用いることが考えられる。
設計描画データW1の補正は、描画装置のステージ10にフォトマスク基板1をセットして描画する際の膜面形状と、露光装置にフォトマスクをセットして露光する際の膜面形状の差異に起因する座標ずれ量を定量的に求め、この座標ずれ量を相殺するように、設計描画データに座標ずれ量を反映させることにより行うことができる。すなわち、上記膜面形状の差異、つまり転写用パターン内の各座標位置における高さの差異(Z軸方向の差異)を、X軸方向及びY軸方向(XY平面)の座標のずれ量に変換(以下、「XY変換」ともいう)し、設計描画データW1における対応する位置に、このずれをキャンセルする方向の補正を加えればよい。
ところで、描画時にフォトマスク基板の膜面形状が変形する要因(以下、「変形要因」ともいう。)には、以下の4つの要因がある。
(1)描画装置のステージ表面の凹凸など、描画装置に固有の変形要因。同じ装置を使用する限り、再現性があるもの。
(2)描画装置のステージとフォトマスク基板の裏面との間に異物を挟みこむことによる、フォトマスク基板の撓み。フォトマスク基板をステージ上に載置するときに、異物の挟み込みによるフォトマスク基板の裏面の撓みが、それと反対側の膜面の変形として現れる。
(3)フォトマスク基板の第1主面となる膜面の凹凸。平坦化のための精密研磨後、更に残存するもの。
(4)フォトマスク基板の第2主面となる裏面の凹凸。
一方、転写用パターンが形成されたフォトマスク基板(フォトマスク)を露光装置にセットする際には、転写用パターンが形成されている領域よりも外側の部分を冶具等によって保持する。このとき、フォトマスク基板には自重による撓みが生じる。但し、フォトマスク基板の自重撓みによる座標ずれの影響は、フォトマスク基板の素材や形状等、既知のパラメータによって算定可能であり、また露光装置においてもこれを補償する機構を備えるものがある。したがって、本発明では、露光時のフォトマスク基板の自重撓みによる変形以外の要因による座標ずれに注目する。すなわち、本発明でいう、描画時と露光時の、フォトマスク基板の形状変化分には、露光装置内でのフォトマスク基板の自重撓みによる変化は含まないものとする。
また、上記4つの変形要因のうち、(3)のフォトマスク基板の膜面の凹凸については、描画時でも露光時でも同様に存在するため差異が生じない。したがって、(1),(2),(4)の変形要因によって生じる座標ずれを補正することが考えられる。
そこで、特許文献1に記載の方法では、上記図12(a)に示すように、フォトマスク基板61の膜面形状データを取得する一方、図12(b)に示すように、描画装置のステージ60にフォトマスク基板61を載置した状態で、フォトマスク基板61の上側の面の高さ分布を測定して高さ分布データを取得している。また、図12(c)に示すように、それらの差分データを用いて設計描画データを補正することにより、補正描画データを求めている。そして、図13(a)に示すように、描画ヘッド62でパターン描画する際には、上記設計補正データを適用してフォトマスク基板61にパターンを描画している。これにより、図13(b)に示すように、露光装置の治具63にフォトマスク基板61をセットして露光する際には、転写像に座標ずれが生じないようにしている。
また、フォトマスク基板61の膜面形状データを取得する場合は、フォトマスク基板1の膜面が水平面に対して垂直になるように保持することにより、フォトマスク基板61の自重による撓みを実質的に排除し、その状態で、フォトマスク基板61の膜面形状データ、すなわち膜面のフラットネスデータを取得している。この膜面形状データは、上記(3)のフォトマスク基板の膜面の凹凸に相当する。
一方、フォトマスク基板61の高さ分布データを取得する場合は、フォトマスク基板61の膜面を上側にして、描画装置のステージ60にフォトマスク基板61を載置し、その状態でフォトマスク基板61の上側の面(膜面)の高さ分布を測定している。具体的には、描画装置のステージ60上に載置したフォトマスク基板61の膜面に複数の測定点を設定し、各々の測定点における膜面の高さ分布を測定することにより、膜面全体の高さ分布データを取得している。この高さ分布データは、描画装置にフォトマスク基板61をセットした状態での膜面形状を示すものであって、理想平面からの変形要因の合計、すなわち上記4つの変形要因による膜面形状の変形分の合計を意味する。
上記特許文献1に記載の方法によれば、フォトマスク基板61の膜面形状データが、上記(3)の変形要因を含み、フォトマスク基板61の膜面の高さ分布データが上記(1),(2),(3),(4)の変形要因を含む。よって、それらの差分データは上記(1),(2),(4)の変形要因を含むことになる。したって、特許文献1に記載の方法では、この差分データを用いて設計描画データを補正している。これにより、描画時と露光時の膜面形状の差異によって生じる座標ずれを補正することが可能となる。
しかしながら、描画装置のステージにフォトマスク基板を載せて膜面の高さ分布を測定する方法では、フォトマスク基板に対して描画手段により描画を行う度毎に、そのフォトマスク基板につき予め高さ分布の測定を行って高さ分布データを取得する必要がある。本発明者の更なる検討によれば、この高さ分布データを取得するために必要となる描画装置の占有時間は、フォトマスクの生産において軽視できない。そこで、本発明者は、描画時と露光時の膜面形状の差異による座標ずれを補正するにあたって、描画装置の占有時間を増大させない方法について検討した。
まず、上述したとおり、描画時と露光時の膜面形状の差異による座標ずれは、上記(1),(2),(4)の変形要因に起因する。このうち、(1)のステージ表面の凹凸、及び、(4)のフォトマスク基板の裏面の凹凸は、描画装置にフォトマスク基板を載置しなくても、それぞれ個別の測定によって把握することが可能である。これに対して、(2)の異物の挟み込みよる基板の撓みは、描画装置にフォトマスク基板を載置する前に測定し、把握することは難しい。(2)の変形要因はきわめて偶発的なものであって、再現性がないからである。但し、(2)の変形要因については、描画装置を適切に管理することにより、異物の挟み込みの発生確率を極力下げることができ、仮に発生した場合でも基板の撓み量を小さくして、その影響度合を低下させることが可能である。そこで、本実施形態においては、(1)と(4)の変形要因によって生じる座標ずれを求めることとした。
(ステージ表面の凹凸について)
まず、(1)のステージ表面の凹凸など、描画装置固有の変形要因による影響を測定する。例えば、ステージ10にフォトマスク基板1を載置しない状態で高さ測定手段12により高さ分布を測定する。その場合、高さ測定手段12は、ステージ10の表面(フォトマスク基板1が載置される面)を被測定面として高さ測定を行い、ステージ10表面の形状(平坦度)を反映した高さ分布データを得る。このデータは、その描画装置に載置するフォトマスクによらず、再現性がある。
上記測定は、ステージ10にフォトマスク基板1を未載置の状態で予め行っておくことができる。また、この測定によって得られるステージ10表面の高さ分布データは、描画制御系15に保有しておくことができる。ステージ10表面の高さ分布データは、描画装置がフォトマスク基板1の形状に及ぼす変形量を表す描画装置固有データM1となる。
但し、ステージ10表面の高さ分布データの他にも、フォトマスク基板1の形状に影響を及ぼす描画装置固有の要因があれば、それを描画装置固有データM1に加えてもよい。すなわち、ステージ10表面の形状以外にも、そこに載置されたフォトマスク基板1の膜面に変形を与える描画装置固有の要因があれば、それを予め測定しておく。そして、その測定データを、フォトマスク基板1が載置されたときの、膜面高さ分布(つまりZ軸方向の変形量の分布)に与えるパラメータとして、描画制御系15に保有しておく。このため、描画装置固有データM1は、ステージ10表面の高さ分布データで構成される場合と、その高さ分布データと他の要因データとで構成される場合とがある。本形態では、一例として、描画装置固有データM1がステージ10表面の高さ分布データで構成される場合を想定する。
なお、描画装置固有データM1は、XY面内での座標ずれ量に換算するため、XY変換した値として保有しておいてもよい。XY変換の方法については後述する。また、描画装置固有データM1は、描画装置に備えられた描画制御系15の記憶手段(メモリ等)15aに保有しておくことができる。また、ステージ10の表面形状は、短期的にはほとんど変化しないものの、長期的にみると僅かずつ変化することも考えられる。このため、例えばフォトマスク基板1の描画処理枚数が予め決められた所定枚数に達したら、高さ測定手段12を用いてステージ10表面の高さ分布を測定し、その測定結果に基づいて、描画制御系15の記憶手段15aに保有する描画装置固有データM1を更新してもよい。ステージ以外の装置固有の変形要素についても同様とすることができる。
描画装置固有データM1は、例えば、ステージ10の面内で、所定間隔(例えば10mm間隔)で格子状に複数の測定点を設定し、各々の測定点ごとに高さ測定を行って得られる高さ分布データとすることができる。この高さ分布データは、ステージ10表面の平坦度マップとして保存しておくことができる。その際、各々の測定点の位置は、後述のフォトマスク基板の膜面データや裏面データを取得する際に設定する測定点の位置と対応するように選択することが好ましい。このようにステージ10表面で測定点の位置を選択することにより、フォトマスク基板の膜面形状や裏面形状は、ステージ10の表面形状と同様に、所定間隔の複数の測定点による高さ分布(平坦度分布、平坦度マップ)として表現することができる。このため、各々の面形状を表すデータを、それぞれの測定位置を対応付けて取り扱う場合に便利である。
描画装置のステージ10表面の高さ分布の測定は、高さ測定手段12により行うことができる。具体的には、例えば、ステージ10表面から一定の距離を隔てて高さ測定手段12を配置し、その状態で高さ測定手段12をX軸方向及びY軸方向に適宜移動させる。その際、ステージ10の表面形状による高さの変化に応じて高さ測定手段12の高さがZ軸方向に変化するように、高さ測定手段12を支持する機構とする。これにより、高さ測定手段12の高さの変化を、ステージ10表面の高さの変化として測定することができる。
なお、表面の高さを測定する方法としては、例えば、オートコリメータなどの光学的角度測定器やLaser平面度測定器を用いて、ステージ10の面内に所定間隔で設定した各々の測定点における角度測定により行うことができる。そして、この測定により、所定の測定ピッチによる各位置の平坦度を得て、平坦度マップを得ることができる。また、ほかにも、例えば、高さ測定手段12と同様な部材を一定位置に維持するためのエア流量を用いて測定する方法、ギャップ間の静電容量を測定する方法、レーザを用いたパルスカウント、光学的なフォーカスによるもの、などでもよく、特定の方法に限定されない。
(フォトマスク基板の裏面の凹凸について)
一方、(4)のフォトマスク基板の裏面の凹凸については、フォトマスク基板1の裏面の形状測定を行うことで得られる。例えば、フォトマスク基板1の主面が実質的に水平面と垂直になるように保持し、フォトマスク基板1の自重による撓みが実質的に表裏(両主面)の形状に影響しない状態にして、平坦度測定機等を用いて、第2主面(裏面)の形状を測定する。この測定は、光学的な測定方法を用いる平坦度測定機により行うことができ、測定装置の例として、例えば黒田精工株式会社製の平面度測定機FTTシリーズや、特開2007−46946号公報記載のものなどを挙げることができる。このとき、フォトマスク基板1の第2主面上に、等間隔(離間距離をピッチPとする)に、X軸方向及びY軸方向に描いた格子の交点(格子点)を複数設定し、各々の交点を測定点とすることができる。そして、所定の基準面と、上記の各測定点とのZ軸方向(基準面と垂直の方向)の距離を、各測定点について測定することができる。各測定点の離間距離、すなわちピッチPは、例えば10mmに設定することができる。この測定により、フォトマスク基板1の第2主面形状(平坦度)を表す裏面データS2が得られる。
こうして得られるフォトマスク基板1の裏面データS2を、他の面形状を示すデータと演算する(和や差を得る)場合は、後述のとおり、座標の対応関係と、座標軸の向きに留意する必要がある。例えば、描画装置のステージ10の表面形状と、そこに載置されるフォトマスク基板1の裏面形状とを合成したものが、フォトマスク基板1の膜面の形状に影響を及ぼすことを考えると、上述した描画装置固有データM1と裏面データS2とを合成した平坦度マップを求めることが有用である。
なお、ここで使用した平坦度測定機は、フォトマスク基板1の裏面形状を表す裏面データS2の取得に限らず、裏面形状以外の面形状を表すデータの取得にも利用可能である。例えば、上記裏面データS2を取得する際、フォトマスク基板1の膜面についても、対応する位置に測定点を設定して、同様の測定を行うことにより、フォトマスク基板1の膜面形状を表わす膜面データS1を取得することも可能である。また、フォトマスク基板1の膜面データS1と裏面データS2により、対応する位置の各測定点におけるフォトマスク基板1の厚み(対応する測定点における膜面から裏面までの距離)を取得し、この取得結果に基づいてフォトマスク基板1の板厚分布データTを求めておくこともできる。フォトマスク基板1の板厚分布は、TTV(Total thickness variation)とも呼ばれる。測定点の設定については、フォトマスク基板1の基板サイズによる測定時間の観点と、補正精度の観点から、各測定点の離間距離Pを決定することができる。この離間距離Pは、例えば、5mm≦P≦100mm、より好ましくは10mm≦P≦50mmとすることができる。
また、フォトマスク基板1の裏面、又は膜面の形状測定は、フォトマスクとなるときには剥離されてしまうレジスト膜4が形成された状態で行ってもよいし、レジスト膜4を形成する前に行ってもよい。これは、上記(1)〜(4)の変形要因が座標精度に影響を与える影響に比べて、レジスト膜4が与える影響は無視できるほど小さいためである。すなわち、レジスト膜4の膜厚はごく小さく(通常600〜1000nm程度)、その膜厚変動はさらに小さいものであるため、フォトマスク基板1の第1主面の形状をレジスト膜4上から測定しても支障が生じないからである。また、フォトマスク基板1の主面の形状測定は、フォトマスク基板1の第1主面に薄膜が形成された状態で行ってもよいし、薄膜を形成する前の透明基板2の状態で行ってもよい。これは、薄膜が主面の平坦度に与える影響がごく僅かであるためである。
上述のように、描画時と露光時で膜面形状に差異が生じる原因としては上記(1),(2),(4)の要因があり、このうち(2)については、描画装置などの製造環境の管理によって発生確率を低減可能であることを考慮すると、描画時と露光時の膜面形状の差異による座標ずれの主要因は(1)と(4)になる。したがって、描画データを適切に補正するには、(1)と(4)の要因による座標ずれの影響の和、すなわち座標ずれ合成量D1を求めることが課題となる。
座標ずれの合成量とは、複数の要因によって理想座標からずれが生じ、このずれが累積した場合の、座標ずれ量の和である。描画装置のステージ10の表面も、フォトマスク基板1の裏面も、多くの場合、理想的な平面ではないことを考慮すると、これらの現実の面形状から生じる理想座標からの座標ずれを累積し、結果としての座標ずれを算出し、これを相殺するように、描画を制御すれば良い。
そこで本実施形態では、描画装置のステージ10に、膜面を上側にしてフォトマスク基板1を載置し、このフォトマスク基板1に描画工程で描画を行うにあたって、上述のように描画装置固有データM1と裏面データS2とを用意し、これらのデータM1,S2に起因する座標ずれ合成量D1を求める。そして、描画装置固有データM1及び裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、上記座標ずれを相殺すべく設計描画データW1に反映させて、描画手段11によるパターン描画を制御する。この場合、描画装置固有データM1及び裏面データS2は、いずれも描画装置にフォトマスク基板1を載置する前に取得しておくことが好ましい。描画装置固有データM1は、描画装置の描画制御系15が有する記憶手段15aに保有しておくことができる。また、裏面データS2は、描画対象となるフォトマスク基板1が決定した後、描画装置の描画制御系15が有する入力手段15bにより入力することができる。本発明における、データの用意とは、データを入力によるもののほか、記憶手段15aからの読み込みを含む。
描画装置固有データM1及び裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、座標ずれを相殺すべく設計描画データW1に反映させるプロセスは、以下のように行うことができる。また、このプロセスにおける演算処理は、描画装置の描画制御系15が有するデータ制御手段によって行うことができる。そのプロセスの概要を図3を用いて説明する。
まず、図3(a),(b)に示すように、フォトマスク基板1の裏面データS2と描画装置固有データM1とを用意する。次に、図3(c)に示すように、フォトマスク基板1の裏面データS2をミラー反転(左右反転)したデータと、描画装置固有データM1とを用いて、フォトマスク基板1の膜面の高さ変動データH1を求める。次に、図3(d)に示すように、先に求めた高さ変動データH1を、XY平面(X軸方向及びY軸方向)の座標のずれ量に変換(XY変換)して、座標ずれ合成量D1を求める。次に、図3(e)に示すように、座標ずれ合成量D1に基づいて設計描画データW1を補正することにより、補正描画データW2を求める。
上記の補正描画データW2は、図4(a)に示すように、フォトマスク基板1をステージ10に載置して、描画ヘッド14によりパターン描画を行うための描画データに適用される。このとき、フォトマスク基板1に描画されるパターンは、座標ずれ合成量D1に相当する分だけ、設計描画データW1が示すパターンとは異なるものとなる。但し、図4(b)に示すように、フォトマスク基板1を露光装置の治具16にセットして露光するときには、上記座標ずれ合成量D1によって座標ずれが相殺されるため、設計描画データW1が示すパターンどおりの転写像が得られる。
以下に、描画装置固有データM1及び裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させるプロセスについて詳しく説明する。
図5(a)はフォトマスク基板1の裏面形状を測定して得られる裏面データS2の一例を示し、図5(b)は描画装置のステージ10の表面形状を測定して得られる描画装置固有データM1の一例を示す図である。図5(a)及び図5(b)においては、例えば各々の測定データから最小二乗法により求めた基準平面(最小二乗平面)の高さをゼロとし、その基準平面よりも高さの高い部分(正の値をとる部分)を相対的に薄い濃度、基準平面よりも高さの低い部分(負の値をとる部分)を相対的に濃い濃度で表している。フォトマスク基板1の裏面データS2は、描画の対象となるフォトマスク基板1が決定した後、描画装置の描画制御系15が有する入力手段15bから入力すればよい。また、描画装置固有データM1は、描画装置の描画制御系15が有する記憶手段15aに予め保有しておけばよい。
次に、描画装置固有データM1及び裏面データS2が合算された、Z軸方向の高さ変動データH1を得る。その際、データS2のX,Y座標の向き(XY平面におけるX,Y軸の向き)と、描画装置固有データM1のX,Y座標の向きとが一致していない場合は、それらのデータを合算する前に、両データのXY座標の向きを一致させる必要がある。例えば、裏面データS2は、フォトマスク基板1の裏面側から測定したものであれば、この裏面データS2を図6(a)に示すようにミラー反転(例えば、図中一点鎖線で示すY軸回りに反転)することにより、描画装置固有データM1に対して、XY軸の向きを一致させることができる。好ましくは、フォトマスク基板1の裏面データS2に設定した各測定点の座標位置と、描画装置固有データM1の測定に際してステージ10の表面に設定した各測定点の座標位置を各々一致させる。或いは、両データのうちのいずれかにおいて、実際の測定点から補間し、又は補外して得た擬似的な測定点の高さデータを使用しても良い。また、両データの測定点のうち、代表点を複数選択して、これらが互いに一致するようにしてもよい。
但し、上記のように裏面データS2をミラー反転すると、各測定点の高さ(Z軸)の正負が反転する。このため、描画装置固有データM1と裏面データS2との合計(和)によって膜面の高さ変動データH1を演算する場合は、下記の式のように、描画装置固有データM1から裏面データS2のミラー反転データを差し引くことにより、フォトマスク基板1の膜面の高さ変動データH1(図6(b)参照)を求める。
(高さ変動データH1)=(描画装置固有データM1)−(裏面データS2のミラー反転データ)
次に、上記の高さ変動データH1を、XY平面(X軸方向及びY軸方向)の座標のずれ量に変換して、座標ずれ合成量D1を得る。以下に、XY変換の具体的な方法を例示する。
(XY変換)
まず、図7に示すように、変形のない理想的な平面であった場合のフォトマスク基板1の膜面を仮想的に基準面21とする。この基準面21は、上記の演算により求めた膜面の高さ変動データH1がゼロの面となる。但し、実際の演算によって求まる高さ変動データH1の多くは、ゼロよりも大きい値や小さい値をとる。そこで、例えば高さ変動データH1がゼロの測定点22−1と、この測定点22−1に対してX軸方向又はY軸方向で隣り合う測定点22−2との間に、Z軸方向でHの高さの違いが生じていた場合、この高さの違いによってフォトマスク基板1の膜面と基準面21とがなす角の角度Φは、
sinΦ=H/Pitch・・・・・・(式1)
で表わされる。
上記(式1)において、H/Pitchは、基板表面の高さ方向の勾配と考えることもできる。
なお、Φの値が十分に小さければ、
Φ=H/Pitch・・・・・・(式1’)
と近似することもできる。以下の説明では、(式1)を用いる。
上記の場合、2つの測定点22−1,22−2が、例えばX軸方向で隣り合うものとすると、これらの高さの違いに起因する測定点22−2のX軸方向の座標ずれdは、フォトマスク基板1の厚さをtとすると、一般的に、
d=sinΦ×t/2=H×(t/2Pitch)・・・・・(式2)
で求めることができる。
フォトマスク基板1の厚さtは、フォトマスク基板1の平均厚さとすることができる。
なお、上記においても、Φが十分に小さければ、
d=Φ×t/2=H×(t/2Pitch)・・・・・(式2’)
と近似することもできる。
このような2つの測定点の高さの違いに起因する座標ずれは、Y軸方向で隣り合う2つの測定点に関しても、上記同様に求めることができる。
これにより、X軸方向及びY軸方向について、所定の間隔Pitchに対応した高さ変動データH1を、各測定点におけるXY平面上の座標ずれに変換して、座標ずれ合成量D1を得ることができる。すなわち、高さ変動データH1が示す高さ分布に起因して生じる座標ずれを定量的に把握することができる。そして、この座標ずれ合成量D1に基づいて、予め座標ずれを相殺する方向に設計描画データW1を補正することにより、補正描画データW2を得ることができる。図8は設計描画データと補正描画データの描画位置の関係を示す概念図であって、図中の黒色の丸が設計描画データW1の描画位置、灰色の丸が補正描画データW2の描画位置を示している。
描画装置は、ステージ10に載置されたフォトマスク基板1に描画を行う場合に、上記補正描画データW2を用いて描画を行う。具体的には、描画装置の描画制御系15が補正描画データW2を適用して描画手段11を制御し、ステージ10上のフォトマスク基板1に転写用パターンを描画する。これにより、座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板1に転写用パターンを描画することができる。
以上述べた方法によれば、描画装置のステージ10にフォトマスク基板1を載せて高さ分布を測定しなくても、描画時と露光時の基板表面(膜面)形状の違いに起因したパターンの座標ずれを補正することができる。これにより、被転写体上に形成されるパターンの座標精度を高めるにあたって、描画装置の占有時間を極力短く抑えることができる。したがって、フォトマスクの生産効率を向上させることが可能となる。
なお、ここでは座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させるために、座標ずれ合成量D1に基づいて設計描画データW1を補正し、これによって得られた補正描画データW2を用いてフォトマスク基板1を描画するものとしたが、本発明はこれに限らない。例えば、設計描画データW1を補正する代わりに、上記の座標ずれ合成量D1に基づき、描画装置のもつ座標系を補正して補正座標系を求め、この補正座標系を、設計描画データW1とともに用いて描画してもよい。この場合は、描画装置のもつ座標系が、座標ずれを相殺するように補正されるため、その補正座標系に設計描画データW1を適用してパターン描画を行うことにより、座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板1に転写用パターンを描画することができる。
また、フォトマスク基板1上でのX軸及びY軸は、それぞれ四角形の基板主面の長辺方向をX軸方向、短辺方向をY軸方向としてもよいし、これと逆に、基板主面の長辺方向をY軸方向、短辺方向をX軸方向としてもよい。
また、フォトマスク基板1の裏面データS2は、フォトマスク基板1の板厚分布データTと膜面データS1とから算出して求めてもよい。
また、本発明において、上記の演算順序のほか、演算の前後を入れ替えても同じ結果が得られる場合について、排除されないことは言うまでもない。すなわち、本発明の効果が得られる限りにおいて、工程の順序が入れ替えられた態様についても本発明に含まれる。
以上、描画装置のステージ10上で高さ測定を行わずに、設計描画データW1の補正、あるいは描画装置の座標系の補正を行う方法について述べた。この方法では、描画装置を使用しなくてもフォトマスク基板1の裏面データS2が得られるため、実質的に描画装置の占有時間を増加させることがない。その一方で、フォトマスク基板1の裏面データS2を得るには、フォトマスク基板一枚一枚に対して、上述したフォトマスク基板1の裏面の形状測定を行って裏面データS2を保存する必要があり、このことが所定の工数及び所定の時間を要し、更なる効率化を図る上で新たな課題となり得る。
そこで、座標ずれの影響度合いに対して、フォトマスク基板1の主面の凹凸が十分に小さいものを選択し、これによって裏面データS2を取得するための測定を行わない方法が考えられる。すなわち、上記実施形態における座標ずれ合成量D1の替わりに、描画装置固有データMのみを用いて座標ずれ量D2を求め、この座標ずれ量D2を設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板1に転写用パターンを描画する方法である。以下に、この方法を本発明の第2実施形態として説明する。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
前記フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、
−100nm≦k1≦100nm
を満たすとき、
前記描画工程では、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を用意し、
前記描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法に係るものである。
この方法は、平坦性の高いフォトマスク基板を用いる場合、特に、フォトマスク基板の裏面(第2主面)の平坦度が優れている場合に用いることができる。
また、上記の方法は、フォトマスク基板の裏面の平坦度が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内であることが、予め明らかである場合に適用することが好ましい。
すなわち、フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1は、フォトマスク基板の厚さをt1とし、フォトマスク基板の裏面の平坦度マップを取得する際に適用した測定ピッチ(各測定点の離間距離)をp1とし、X軸方向またはY軸方向で隣り合う2つの測定点のZ軸方向の高さの差をh1とするとき、下記の式で定義される。
k1=(t1/2)×(h1/p1)
ここで、t1は、基板の平均厚さ、または、規格上の厚さとすることができる。
多くの場合、フォトマスク基板製品には、その特長を表す数値として、主面(膜面、裏面)の平坦度情報が、測定ピッチp1、及び各測定点におけるZ軸方向の高さデータとして、平坦度マップ等の形で付属する。
上記のh1/p1は、所定の測定点とそれに隣り合う測定点との間における、Z軸方向の高さの差異に起因して想定される座標ずれ量を意味する。これが、フォトマスク基板の基板面内全体にわたって100nm以下であれば、この潜在的な座標ずれは、該フォトマスク基板を用いて製造する表示装置の性能には、実質的に影響を与えない。したがって、k1の値は、好ましくは、−100nm≦k1≦100nmであり、より好ましくは、−50nm≦k1≦50nmである。また、p1の値は、好ましくは、5mm≦p1≦100mmであり、より好ましくは10mm≦p1≦50mmである。
そこで本第2実施形態では、フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、−100nm≦k1≦100nm(より好ましくは、−50nm≦k1≦50nm)を満たす場合は、上記第1実施形態で用いた高さ変動データH1の代わりに、描画装置固有データM1を適用し、この描画装置固有データM1に由来する座標ずれ量D2を用いて、座標ずれを補正することとした。その際の補正の方法は、基本的に上記第1実施形態と同様である。
すなわち、描画装置固有データM1がZ軸方向の高さ分布データを示すものであるとすると、その描画装置固有データM1を、XY平面の座標のずれ量に変換し、座標ずれ量D2を得る。そして、この座標ずれ量D2を、設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板1に転写用パターンを描画する。具体的には、座標ずれ量D2に基づいて設計描画データW1を補正し、これによって得られた補正描画データを用いてフォトマスク基板1を描画する。あるいは、設計描画データW1を補正する代わりに、上記の座標ずれ量D2に基づいて、描画装置のもつ座標系を補正して補正座標系を求め、この補正座標系を、設計描画データW1とともに用いて描画する。
上記の方法によれば、フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が所定の条件を満たすときに、露光工程において、フォトマスク基板の裏面データS2を使用することなく、描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板に転写用パターンを描画する。このため、フォトマスク基板一枚一枚に対して裏面の形状測定を行う必要がなくなり、更なる効率化が図られる。
なお、ここでは高さ変動データH1の代わりに、描画装置固有データM1を適用する場合について説明したが、これ以外にも、高さ変動データH1の代わりに、フォトマスク基板の裏面データS2を適用してもよい。以下に、この方法を本発明の第3実施形態として説明する。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
前記描画装置のステージの平坦度係数k2が、
−100nm≦k2≦100nm
を満たすとき、
前記描画工程では、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D3を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法に係るものである。
この方法は、ステージ10の平坦度が高い描画装置を用いる場合に適用できる。
また、上記の方法は、描画装置固有データM1が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内であることが、予め明らかである場合に適用することが好ましい。
すなわち、ステージ10の平坦度係数k2は、ステージ10表面の平坦度を表す係数であって、描画装置において、フォトマスク基板を載置するステージの平坦度マップを取得する際に適用した測定ピッチ(各測定点の離間距離)をp2とし、X軸方向またはY軸方向で隣り合う2つの測定点のZ軸方向の高さの差をh2とするとき、下記の式で定義される。
k2=(t2/2)×(h2/p2)
ここで、t2は、取り扱うフォトマスク基板の最大の厚みを考慮して、例えば16mmとすることができる。
上記のh2/p2は、所定の測定点とそれに隣り合う測定点との間における、Z軸方向の高さの差異に起因して想定される座標ずれ量を意味する。これが、ステージ10の表面全体にわたって100nm以下であれば、この潜在的な座標ずれは、該フォトマスク基板を用いて製造する表示装置の性能には、実質的に影響を与えない。したがって、k2の値は、好ましくは、−100nm≦k1≦100nmであり、より好ましくは、−50nm≦k1≦50nmである。また、p2の値は、好ましくは、5mm≦p2≦100mmであり、より好ましくは10mm≦p2≦50mmである。
そこで本第3実施形態では、描画装置のステージ10の平坦度係数k2が、−100nm≦k2≦100nm(より好ましくは、−50nm≦k2≦50nm)を満たす場合は、上記第1実施形態で用いた高さ変動データH1の代わりに、フォトマスク基板の裏面データS2を適用し、この裏面データS2に由来する座標ずれ量D3を用いて、座標ずれを補正することとした。その際の補正の方法は、基本的に上記第1実施形態と同様である。
すなわち、フォトマスク基板の裏面データS2を、XY平面の座標のずれ量に変換し、座標ずれ量D3を得る。そして、この座標ずれ量D3を、設計描画データW1に反映させて、フォトマスク基板1に転写用パターンを描画する。具体的には、座標ずれ量D3に基づいて設計描画データW1を補正し、これによって得られた補正描画データを用いてフォトマスク基板1を描画する。あるいは、設計描画データW1を補正する代わりに、上記の座標ずれ量D3に基づいて、描画装置のもつ座標系を補正して補正座標系を求め、この補正座標系を、設計描画データW1とともに用いて描画する。
なお、上記第1〜第3実施形態において、描画工程が完了した後は、フォトマスク基板上のレジスト膜は現像工程によって現像され、レジストパターンとなる。そして、このレジストパターンをマスクに用いて薄膜をエッチングによりパターニングすると、転写用パターンが形成される。薄膜のエッチングには、ドライエッチングとウェットエッチングのいずれも適用可能であるが、FPD用フォトマスクとしては、ウェットエッチングを適用することが効率的である。
また、フォトマスクを製造する場合は、必要に応じて、同一のフォトマスク基板に対して、描画、現像、エッチングの工程によるパターニングを繰り返すことができる。更には、新たな薄膜を成膜する工程を含むこともできる。
また、上記の方法によって製造されるフォトマスクの用途には特に制約はない。転写用パターンは、得ようとするデバイスのデザインに基づくマスクパターンである。この転写用パターンを有するフォトマスクは、透光部と遮光部からなる2値のパターンをもつ、いわゆるバイナリマスクでもよい。あるいは、3階調以上のトーンをもつ多階調フォトマスクでもよい。あるいは、所定の透過率をもつとともに、露光光の位相を反転させる位相シフト機能をもつ、位相シフトマスクでもよい。フォトマスク基板が有する薄膜として、位相シフト効果をもつ材料や膜厚を適用した、ハーフトーン型位相シフトマスクとすることもできる。
また、フォトマスクの転写用パターンは、表示装置製造用にパターニングされたパターンであることが好ましい。この場合、本発明の製造方法によるフォトマスクを、露光装置によって露光し、そのフォトマスクがもつ転写用パターンを、ディスプレイパネル基板などの被転写体に転写することができる。また本発明は、上記第1実施形態、第2実施形態、又は第3実施形態に係る製造方法を適用して製造されるフォトマスクを用意する工程と、露光装置を用いてそのフォトマスクを露光する工程と、を含む、表示装置の製造方法を含む。その場合、フォトマスクを露光する工程では、上記の製造方法によって得られるフォトマスクを露光装置に搭載し、そのフォトマスクに形成されている転写用パターンを被転写体に転写することになる。
また、上記表示装置の製造方法で使用する露光装置としては、LCD(liquid crystal display)用、或いはFPD(Flat Panel Display)用として知られる露光装置を好適に使用することができる。この種の露光装置としては、例えば、i線、h線、g線を含む露光光を用い、開口数(NA)が0.08〜0.15、コヒーレントファクタ(σ)が0.7〜0.9程度の等倍光学系をもつ、プロジェクション露光装置を使用可能である。もちろん、プロキシミティ露光装置を使用してもよい。
また、本発明は、フォトマスクの製造方法として実現するだけでなく、フォトマスクの製造に用いる描画装置として実現することもできる。以下、描画装置について説明する。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態は、
透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
前記描画制御系は、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1、及び前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、
前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
を備えることを特徴とする、描画装置に係るものである。
本実施形態に係る描画装置は、上記図2に示すように、ステージ10と、描画手段11と、高さ測定手段12と、描画制御係15と、を備える。また、描画制御系15は、記憶手段15aと、入力手段15bと、データ制御手段15cと、を備える。記憶手段15aは、描画に必要な各種のデータを記憶して保有する手段である。記憶手段15aが保有するデータには、描画装置固有データM1が含まれる。入力手段15bは、描画の対象となるフォトマスク基板や、このフォトマスク基板に描画すべき転写用パターンが決定したのちに、必要な情報を入力するための手段である。入力手段15bを介して入力される情報には、設計描画データW1、及びフォトマスク基板の裏面データS2が含まれる。データ制御手段15cは、入力手段15bから入力された情報を適切に演算処理し、描画手段11による描画を制御する手段である。データ制御手段15cが行う演算には、描画に用いるパターンデータの演算や、座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させる演算などが含まれる。
描画手段11は、レーザビームなどのエネルギービームを出射して、フォトマスク基板に対して描画を行う手段である。
ここで、描画装置固有データM1は、例えば、描画装置のステージ10の表面形状を示す、ステージ平坦度データを含むことが好ましい。また、ステージ10上でフォトマスク基板を保持する冶具など、描画工程の度毎に再現性をもって現れる要素を、描画装置固有データM1とすることができる。
本実施形態では、描画装置固有データM1は、描画制御系15の記憶手段15aに保有されている。記憶手段15aには、描画装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換した、座標ずれ補正量として、保有しておいてもよい。また、記憶手段15aには、描画装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換して、描画装置のもつ座標系を補正した、補正座標系として保有しておいてもよい。これらは、同一の描画装置を使用する限り、再現される補正要素だからである。
描画装置においては、描画対象となるフォトマスク基板が決定した後、その裏面データS2を、描画制御系15の入力手段15bにより入力する。これに対して、データ制御手段15cは、記憶手段15aに保有してある描画装置固有データM1と、入力手段15bにより入力された裏面データS2とに起因する座標ずれ合成量D1を求める。座標ずれ合成量D1の求め方は、上記第1実施形態と同様である。但し、座標ずれ合成量D1の求め方は、それに限らず、例えば、描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量と、裏面データS2に起因する座標ずれ量とをそれぞれ個別に求めてから、それらの座標ずれ量を合算して座標ずれ合成量D1を求めてもよい。その場合は、描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量と、裏面データS2に起因する座標ずれ量の、どちらを先に求めてもよい。また、座標ずれ量の演算は、上記第1実施形態と同様にXY変換によって行えばよい。
こうして座標ずれ合成量D1を求めたら、データ制御手段15cは、この座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させて、描画手段11による描画を制御する。座標ずれ合成量D1を設計描画データW1に反映させる方法は、上記第1実施形態と同様である。すなわち、座標ずれ合成量D1に基づいて設計描画データW1を補正し、これによって得られた補正描画データW2を用いて、描画手段11による描画を制御すればよい。あるいは、座標ずれ合成量D1に基づき、描画装置のもつ座標系を補正して補正座標系を求め、この補正座標系を、設計描画データW1とともに用いて、描画手段11による描画を制御してもよい。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態は、
透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
前記描画制御系は、
前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1を入力する入力手段と、
前記描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
を備えることを特徴とする、描画装置に係るものである。
上記構成の描画装置は、描画対象となるフォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、下記の条件を満たすときに採用することができる。
−100nm≦k1≦100nm
更に好ましくは、−50nm≦k1≦50nmの条件を満たすときに、上記構成の描画装置を好適に用いることができる。
上記の平坦度係数k1は、上記第2実施形態と同様に、下記の式で定義される。
k1=(t1/2)×(h1/p1)
このように、フォトマスク基板の裏面の平坦度が高く、その平坦度が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内である場合は、描画装置固有データW1に由来する座標ずれ量D2を設計描画データW1に反映させる演算をデータ制御手段15cで行い、その結果を基に描画手段11による描画を制御することにより、パターンの座標ずれを補正することができる。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態は、
透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
前記描画装置のステージの平坦度係数k2が、
−100nm≦k2≦100nm
を満たし、
前記描画制御系は、
前記設計描画データW1と、前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D3を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
を備えることを特徴とする、描画装置に係るものである。
上記構成の描画装置は、描画装置固有データM1が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内であることが、予め明らかである場合に用いることができる。更に好ましくは、描画装置のステージの平坦度係数k2が、−50nm≦k2≦50nmの条件を満たすときに、上記構成の描画装置を好適に用いることができる。
上記の平坦度係数k1は、上記第3実施形態と同様に、下記の式で定義される。
k2=(t2/2)×(h2/p2)
このように、描画装置のステージの平坦度が高く、その平坦度が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内である場合は、フォトマスク基板の裏面データS2に由来する座標ずれ量D3を設計描画データW1に反映させる演算をデータ制御手段15cで行い、その結果を基に描画手段11による描画を制御することにより、パターンの座標ずれを補正することができる。
以上述べたフォトマスクの製造方法、及び描画装置は、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置にも転用することができる。これは、フォトマスク基板の検査工程では、描画工程の場合と同様に、転写用パターンを有する面を上側にしてフォトマスク基板を検査装置のステージに載置し、この状態で転写用パターンの形状を測定するからである。以下、フォトマスク基板の検査方法、及びフォトマスク基板の検査装置についての実施形態を説明する。
<第7実施形態>
本発明の第7実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
前記判定工程では、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2と、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D4と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法に係るものである。
描画工程、現像工程、及びエッチング工程によるパターニングが完了したフォトマスク、又は、その中間体は、パターニングの精度を確認する手段として、検査工程を経る。例えば、フォトマスク基板に形成された転写用パターンの形状、特に座標精度を確認するため、XY平面における特定パターンの位置や、特定パターン間の相対的な位置関係(例えば、距離や角度など)などを測定する。この測定は、検査装置のもつ測定手段(後述)によって行うことができる。本発明のフォトマスク基板の検査装置は、転写用パターンのパターン形状を測長する測長装置を含むことができる。
フォトマスク基板の検査工程では、図9(a)に示すように、被検体となるフォトマスク基板1を、第1主面(膜面)を上側にして、検査装置のステージ30に載置し、その状態で転写用パターンの形状を検査装置の測定手段31により測定して、パターン検査データX1を得る。そうした場合、ステージ30表面の凹凸や、フォトマスク基板1の裏面の凹凸などによって、上記描画時と同様の座標ずれ要素が生じる。そして、この座標ずれ要素に起因し、検査結果の精度を阻害する可能性が生じる。したがって、検査工程においては、検査装置によって得られるパターン検査データX1に対して、上記座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行う必要がある。
(判定工程)
そこで、判定工程では、図9(b)に示すように、フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意する。既に、上記描画工程で描画を行う前に裏面データS2が得られている場合、その裏面データS2をそのまま適用することができる。また、裏面データS2より先に、フォトマスク基板の板厚分布データTと膜面データS1が得られている場合には、上記描画工程と同様に、フォトマスク基板の板厚分布データTと膜面データS1から裏面データS2を算出して求めてもよい。
また、判定工程では、図9(c)に示すように、検査装置がフォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を用意する。この検査装置固有データM2には、例えば、検査装置のステージ30の平坦度データが含まれることが好ましい。その場合は、上記描画装置の場合と同様に、ステージ30の表面(フォトマスク基板1が載置される面)を被測定面として高さ測定を行い、これによって得られた高さ分布データを、ステージ30の平坦度データとして用いることができる。また、検査装置固有データM2は、検査装置がもつ記憶手段(後述)に保有しておくことが好ましい。
こうして検査装置固有データM2と裏面データS2を用意したら、これらのデータM2,S2に起因する座標ずれ合成量D4を求める。そして、この座標ずれ合成量D4と、パターン検査データX1と、設計描画データW1と、を用いて、転写用パターンの良否を判定する。
その際、座標ずれ合成量D4は、上記第1実施形態と同様の手法で求めることができる。すなわち、検査装置固有データM2及び裏面データS2の合計による、Z軸方向の高さ変動データH2を求め、この高さ変動データH2を、XY平面の座標のずれ量に変換することで、座標ずれ合成量D4を求めることができる。また、検査装置固有データM2と裏面データS2を合計する方法は、上記第1実施形態で記述した、描画装置固有データM1と裏面データS2の合計を得た方法を参照することができる。すなわち、いずれかのデータのミラー反転、及びZ軸の正負の調整を行うことが好ましい(図9(d)参照)。この場合も、検査装置固有データM2と裏面データS2との合計(和)によって膜面の高さ変動データH2を演算する場合は、下記の式を適用することができる。
(高さ変動データH2)=(検査装置固有データM2)−(裏面データS2のミラー反転データ)
尚、フォトマスク基板の検査装置においても、上記描画装置の場合と同様に、ステージの主面やそこに水平に載置されるフォトマスク基板の主面に平行な面をXY面、これに垂直な軸をZ軸(高さの高い方を正方向)とする。また、XY平面内でZ軸に直交するX軸及びY軸のうち、いずれか一方の軸は、フォトマスク基板の長辺または短辺に平行に配置することができる。
次に、図9(e)に示すように、上記の高さ変動データH2を、X軸方向及びY軸方向の座標のずれ量に変換して、座標ずれ合成量D4を得る。XY変換の方法は既述のとおりである。次に、図9(f)に示すように、上記座標ずれ合成量D4をパターン検査データX1に反映させて、検査装置における座標ずれの影響を相殺すべく、比較用検査データX2を得る。具体的には、座標ずれ合成量D4に基づいて、予め座標ずれを相殺する方向に、パターン検査データX1を補正することにより、比較用検査データX2を得る。この比較用検査データX2は、転写用パターンの形状測定によって得られるパターン検査データX1に対して、検査装置固有データM2に起因する座標ずれと、裏面データS2に起因する座標ずれと、を加味したパターン検査データとなる。したがって、この比較用検査データX2を設計描画データW1と比較し、設計描画データW1に対する比較用検査データX2のずれが、予め定めた許容範囲内であるか否かによって、転写用パターンの良否を判定する。これにより、検査装置固有データM2及び裏面データS2に起因する座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行うことができる。
なお、ここでは、座標ずれ合成量D4をパターン検査データX1に反映させて、上記判定を行うようにしているが、これ以外にも、座標ずれ合成量D4を設計描画データW1に反映させて、上記判定を行うようにしてもよい。その場合は、座標ずれ合成量D4を設計描画データW1に反映させて、比較用描画データW3とし、この比較用描画データW3をパターン検査データX1と比較する。そして、比較用描画データW3に対するパターン検査データX1のずれが、予め定めた許容範囲内であるか否かによって、転写用パターンの良否を判定する。或いは、座標ずれ合成量D4によって、検査装置が持つ座標系を補正し、補正した座標系によって、設計描画データW1をパターン検査データX1と比較してもよい。
また、測定によって得られるパターン検査データX1が、例えば転写用パターンの特定の部分(例えば、フォトマスク基板の四隅など)に存在する特定パターンの位置を示すデータであるとすると、このパターン検査データX1に座標ずれ合成量D4を反映させて得られる比較用検査データX2は、座標ずれ合成量D4による座標ずれ分だけ特定パターンの位置をシフトさせたデータとなる。したがって、比較用検査データX2と設計描画データW1との比較では、設計描画データW1によって規定される特定パターンの位置に対し、比較用検査データX2が示す特定パターンの位置がどの程度ずれているかを確認し、このずれが許容範囲内であれば転写用パターンを「良」と判定し、許容範囲外であれば「不良」と判定すればよい。これに対して、座標ずれ合成量D4を設計描画データW1に反映させる場合は、これによって得られる比較用描画データW3が、座標ずれ合成量D4による座標ずれ分だけ設計描画データW1のパターン位置をシフトさせたデータとなる。したがって、比較用描画データW3とパターン検査データX1との比較では、比較用描画データW3によって規定される特定パターンの位置に対し、パターン検査データX1が示す特定パターンの位置がどの程度ずれているかを確認し、このずれが許容範囲内であれば転写用パターンを「良」と判定し、許容範囲外であれば「不良」と判定すればよい。
<第8実施形態>
本発明の第8実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
前記フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、
−100nm≦k1≦100nm
を満たすとき、
前記判定工程では、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を用意し、
前記検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法に係るものである。
この方法は、平坦性の高いフォトマスク基板を用いる場合、特に、フォトマスク基板の裏面(第2主面)の平坦度が高い場合に用いることができる。
また、上記の方法は、フォトマスク基板の裏面の平坦度が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内であることが、予め明らかである場合に適用することが好ましい。
フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1は、上記第2実施形態と同様に規定(定義)される係数であって、好ましくは、−100nm≦k1≦100nmであり、より好ましくは、−50nm≦k1≦50nmである。
また、検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5は、検査装置固有データM2がZ軸方向の高さ分布データを示すものであるとすると、その検査装置固有データM2を、X軸方向及びY軸方向の座標のずれ量に変換することで得られる。あとは、上記第7実施形態における座標ずれ合成量D4に代えて、座標ずれ量D5を、パターン検査データX1、又は設計描画データW1に反映させて、転写用パターンの良否を判断すればよい。これにより、検査装置固有データM2に起因する座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行うことができる。
<第9実施形態>
本発明の第9実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
前記検査装置のステージの平坦度係数k3が、
−100nm≦k3≦100nm
を満たすとき、
前記判定工程では、
前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法に係るものである。
この方法は、ステージの平坦度が高い検査装置を用いる場合に適用できる。
また、上記の方法は、検査装置固有データM2に表れる、フォトマスク基板の変形要因が十分に小さく、検査装置固有データM2が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内であることが、予め明らかである場合に適用することが好ましい。
検査装置のステージの平坦度係数k3は、上記第3実施形態における描画装置のステージの平坦度係数k2と同様に規定(定義)される係数である。すなわち、検査装置のステージの平坦度係数k3は、検査装置において、フォトマスク基板を載置するステージの平坦度マップを取得する際に適用する測定ピッチ(各測定点の離間距離)をp3とし、X軸方向またはY軸方向で隣り合う2つの測定点のZ軸方向の高さの差をh3とするとき、下記の式で定義される。
k3=(t3/2)×(h3/p3)
ここで、t3は、取り扱うフォトマスク基板の最大の厚みを考慮して、例えば16mmとする。
ステージの平坦度係数k3は、好ましくは、−100nm≦k3≦100nmであり、より好ましくは、−50nm≦k3≦50nmである。
また、裏面データS2に起因する座標ずれ量D6は、その裏面データS2を、X軸方向及びY軸方向の座標のずれ量に変換することで得られる。あとは、上記第7実施形態における座標ずれ合成量D4に代えて、座標ずれ量D6を、パターン検査データX1、又は設計描画データW1に反映させて、転写用パターンの良否を判断すればよい。これにより、裏面データS2に起因する座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行うことができる。
<第10実施形態>
本発明の第10実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1、及び前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、を含み、
前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D4と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1を用いて、前記判定を行う
ことを特徴とする、フォトマスク基板の検査装置に係るものである。
ここで、検査装置固有データM2は、検査装置のステージの表面形状を示す、ステージ平坦度データを含むことが好ましい。
フォトマスク基板の検査装置は、図10に示すように、ステージ30と、測定手段31と、判定手段32と、を備えている。
ステージ30は、検査の対象となるフォトマスク基板を水平に載置した状態で支持(固定)するものである。実際にフォトマスク基板をステージ30に載せる場合は、膜面を上側にしてフォトマスク基板をステージ30に載せる。これにより、フォトマスク基板に形成されている転写用パターンは、Z軸方向で測定手段31と対向する状態となる。また、フォトマスク基板の裏面は、ステージ30の表面(上面)に対向する状態となる。
測定手段31は、ステージ30に載置されたフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定することにより、パターン検査データX1を取得するものである。測定手段31が転写用パターンの形状を測定する場合は、測定手段31及びステージ30のうちの少なくとも一方が、XY平面と平行に移動する。
判定手段32は、フォトマスク基板がもつ転写用パターンの良否を判定するものである。この判定手段32は、検査に必要な各種のデータを記憶して保有する記憶手段32aと、検査に必要な情報を入力するための入力手段32bと、を含む。記憶手段32aが保有するデータには、検査装置固有データM2が含まれる。また、入力手段32bを介して入力される情報には、設計描画データW1、及びフォトマスク基板の裏面データS2が含まれる。
判定手段32は、記憶手段32aが保有するデータや、入力手段32bから入力される情報を用いて、転写用パターンの良否を判定する。すなわち、判定手段32は、上記第7実施形態と同様に、検査装置固有データM2及び裏面データS2の合計による、Z軸方向の高さ変動データH2を求め、この高さ変動データH2を、XY平面の座標のずれ量に変換することで、座標ずれ合成量D4を取得する。更に、判定手段32は、座標ずれ合成量D4を、パターン検査データX1、又は設計描画データW1に反映させて、上記判定を行う。具体的には、座標ずれ合成量D4をパターン検査データX1に反映させて、比較用検査データX2とし、この比較用検査データX2を設計描画データW1と比較することにより、転写用パターンの良否を判定する。あるいは、座標ずれ合成量D4を設計描画データW1に反映させて、比較用描画データW3とし、この比較用描画データW3をパターン検査データX1と比較することにより、転写用パターンの良否を判定する。これにより、検査装置固有データM2及び裏面データS2に起因する座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行うことができる。
なお、検査装置の記憶手段32aには、上記第4実施形態における描画装置の場合と同様に、検査装置固有データM2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換した、座標ずれ補正量として、保有しておいてもよい。また、記憶手段32aには、検査装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換して、検査装置のもつ座標系を補正した、補正座標系として保有しておいてもよい。
<第11実施形態>
本発明の第11実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
前記判定手段は、
前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を保有する記憶手段と、
前記設計描画データW1を入力する入力手段と、を含み、
前記検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行う、フォトマスク基板の検査装置に係るものである。
上記の検査装置は、平坦性の高いフォトマスク基板を用いる場合、特に、フォトマスク基板の裏面(第2主面)の平坦度が高い場合に用いることができる。具体的には、検査対象となるフォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、下記の条件を満たすときに採用することができる。
−100nm≦k1≦100nm
更に好ましくは、−50nm≦k1≦50nmの条件を満たすときに、上記構成の検査装置を好適に用いることができる。
上記の平坦度係数k1は、上記第2実施形態と同様に、下記の式で定義される。
k1=(t1/2)×(h1/p1)
このように、フォトマスク基板の裏面の平坦度が高く、その平坦度が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内である場合は、検査装置固有データW2に由来する座標ずれ量D5と、パターン検査データX1と、設計描画データW1と、を用いて、転写用パターンの良否を判定する。これにより、検査装置固有データW2に起因する座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行うことができる。
<第12実施形態>
本発明の第12実施形態は、
透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
前記フォトマスク基板を載置するステージと、
前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定する測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
前記検査装置のステージの平坦度係数k3が、
−100nm≦k3≦100nm
を満たし、
前記判定手段は、
前記設計描画データW1と、前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段を含み、
前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行う、フォトマスク基板の検査装置に係るものである。
上記の検査装置は、検査装置固有データM2に表れる、フォトマスク基板の変形要因が十分に小さく、検査装置固有データM2が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内であることが、予め明らかである場合に適用することが好ましい。
検査装置のステージの平坦度係数k3は、上記第3実施形態における描画装置のステージの平坦度係数k2と同様に規定(定義)される係数であって、好ましくは、−100nm≦k3≦100nmであり、より好ましくは、−50nm≦k3≦50nmである。
このように、検査装置のステージの平坦度が高く、その平坦度を反映した検査装置固有データM2が、座標ずれに実質的に影響しない範囲内である場合は、裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、パターン検査データX1と、設計描画データW1と、を用いて、転写用パターンの良否を判定する。これにより、裏面データS2に起因する座標ずれ要素を反映させて、正しい検査判定を行うことができる。
1…フォトマスク基板
2…透明基板
3…遮光膜
4…レジスト膜
10…ステージ
11…描画手段
12…高さ測定手段
15…描画制御系
15a…記憶手段
15b…入力手段
15c…データ制御手段
30…ステージ
31…測定手段
32…判定手段
32a…記憶手段
32b…入力手段

Claims (25)

  1. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
    前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
    前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
    前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記描画工程では、
    前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1と、
    前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
    前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法。
  2. 前記描画装置の前記ステージに載置されたフォトマスク基板の主面に平行な面をXY平面とし、該XY平面に垂直な軸をZ軸とするとき、
    前記座標ずれ合成量D1は、前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2の合計による、Z軸方向の高さ変動データH1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換したものであることを特徴とする、請求項1に記載のフォトマスクの製造方法。
  3. 前記描画工程では、前記座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させるために、前記座標ずれ合成量D1に基づき、前記座標ずれを相殺すべく前記設計描画データW1を補正して補正描画データW2を求め、前記補正描画データW2を用いて描画することを特徴とする、請求項1又は2に記載のフォトマスクの製造方法。
  4. 前記描画工程では、前記座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させるために、前記座標ずれ合成量D1に基づき、前記座標ずれを相殺すべく描画装置のもつ座標系を補正して補正座標系を求め、前記補正座標系を、前記設計描画データW1とともに用いて描画することを特徴とする、請求項1又は2に記載のフォトマスクの製造方法。
  5. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
    前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
    前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
    前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、
    −100nm≦k1≦100nm
    を満たすとき、
    前記描画工程では、
    前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を用意し、
    前記描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法。
  6. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づく転写用パターンをもつフォトマスクの製造方法であって、
    前記第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板を、描画装置のステージに載置する工程と、
    前記フォトマスク基板に対して、描画を行う描画工程と、
    前記レジスト膜を現像して形成したレジストパターンを用いて、前記薄膜をパターニングする工程と、を含み、
    前記描画装置のステージの平坦度係数k2が、
    −100nm≦k2≦100nm
    を満たすとき、
    前記描画工程では、
    前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
    前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D3を、前記設計描画データW1に反映させて、前記フォトマスク基板に転写用パターンを描画することを特徴とする、フォトマスクの製造方法。
  7. 透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
    前記フォトマスク基板を載置するステージと、
    前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
    描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
    前記描画制御系は、
    前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を保有する記憶手段と、
    前記設計描画データW1、及び前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、
    前記描画装置固有データM1及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D1を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする、描画装置。
  8. 前記記憶手段は、前記描画装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換した、座標ずれ補正量として保有することを特徴とする、請求項7に記載の描画装置。
  9. 前記記憶手段は、前記描画装置固有データM1を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換して座標系を補正した、補正座標系として保有することを特徴とする、請求項7に記載の描画装置。
  10. 前記描画装置固有データM1は、前記ステージの表面形状を示す、ステージ平坦度データを含むことを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の描画装置。
  11. 透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
    前記フォトマスク基板を載置するステージと、
    前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
    描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
    前記描画制御系は、
    前記描画装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす描画装置固有データM1を保有する記憶手段と、
    前記設計描画データW1を入力する入力手段と、
    前記描画装置固有データM1に起因する座標ずれ量D2を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする、描画装置。
  12. 透明基板の第1主面に、薄膜と、レジスト膜を積層したフォトマスク基板に対し、設計描画データW1に基づく転写用パターンを描画するための描画装置であって、
    前記フォトマスク基板を載置するステージと、
    前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板に対し、描画用のエネルビービームを照射して描画する描画手段と、
    描画に用いるパターンデータを演算し、制御する描画制御系と、を備え、
    前記描画装置のステージの平坦度係数k2が、
    −100nm≦k2≦100nm
    を満たし、
    前記描画制御系は、
    前記設計描画データW1と、前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、
    前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D3を、前記設計描画データW1に反映させる演算を行い、前記描画手段による描画を制御するデータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする、描画装置。
  13. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフォトマスクの製造方法によって製造されたフォトマスクを用意する工程と、
    露光装置を用いて前記フォトマスクを露光する工程と、を含む、表示装置の製造方法。
  14. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
    前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
    前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
    前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
    前記判定工程では、
    前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2と、
    前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
    前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D4と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法。
  15. 前記判定工程では、前記座標ずれ合成量D4を、前記パターン検査データX1、又は前記設計描画データW1に反映させて、前記判定を行うことを特徴とする、請求項14に記載のフォトマスク基板の検査方法。
  16. 前記検査装置のステージに載置されたフォトマスク基板の主面に平行な面をXY平面とし、該XY平面に垂直な軸をZ軸とするとき、
    前記座標ずれ合成量D4は、前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2の合計による、Z軸方向の高さ変動データH2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換したものであることを特徴とする、請求項14に記載のフォトマスク基板の検査方法。
  17. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
    前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
    前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
    前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
    前記フォトマスク基板の裏面の平坦度係数k1が、
    −100nm≦k1≦100nm
    を満たすとき、
    前記判定工程では、
    前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を用意し、
    前記検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法。
  18. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査方法であって、
    前記フォトマスク基板を、検査装置のステージに載置する工程と、
    前記転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を得る検査データ取得工程と、
    前記転写用パターンの良否を判定する判定工程と、を含み、
    前記検査装置のステージの平坦度係数k3が、
    −100nm≦k3≦100nm
    を満たすとき、
    前記判定工程では、
    前記フォトマスク基板の第2主面形状を表わす裏面データS2を用意し、
    前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行うことを特徴とする、フォトマスク基板の検査方法。
  19. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
    前記フォトマスク基板を載置するステージと、
    前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
    前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
    前記判定手段は、
    前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を保有する記憶手段と、
    前記設計描画データW1、及び前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段と、を含み、
    前記検査装置固有データM2及び前記裏面データS2に起因する座標ずれ合成量D4と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1を用いて、前記判定を行う
    ことを特徴とする、フォトマスク基板の検査装置。
  20. 前記判定手段は、前記座標ずれ合成量D4を、前記パターン検査データX1、又は前記設計描画データW1に反映させて、前記判定を行うことを特徴とする、請求項19に記載のフォトマスク基板の検査装置。
  21. 前記記憶手段は、前記検査装置固有データM2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換した、座標ずれ補正量として保有することを特徴とする、請求項19に記載のフォトマスク基板の検査装置。
  22. 前記記憶手段は、前記検査装置固有データM2を、X軸方向及びY軸方向の座標ずれ量に変換して座標系を補正した、補正座標系として保有することを特徴とする、請求項19に記載のフォトマスク基板の検査装置。
  23. 前記検査装置固有データM2は、前記ステージの表面形状を示す、ステージ平坦度データを含むことを特徴とする、請求項19〜22のいずれかに記載のフォトマスク基板の検査装置。
  24. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
    前記フォトマスク基板を載置するステージと、
    前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
    前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
    前記判定手段は、
    前記検査装置が前記フォトマスク基板の形状に及ぼす変形量を表わす検査装置固有データM2を保有する記憶手段と、
    前記設計描画データW1を入力する入力手段と、を含み、
    前記検査装置固有データM2に起因する座標ずれ量D5と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行う、フォトマスク基板の検査装置。
  25. 透明基板の第1主面に、設計描画データW1に基づいて形成された転写用パターンをもつフォトマスク基板の検査装置であって、
    前記フォトマスク基板を載置するステージと、
    前記ステージに載置された状態のフォトマスク基板がもつ転写用パターンの形状を測定する測定して、パターン検査データX1を取得する測定手段と、
    前記転写用パターンの良否を判定する判定手段と、を備え、
    前記検査装置のステージの平坦度係数k3が、
    −100nm≦k3≦100nm
    を満たし、
    前記判定手段は、
    前記設計描画データW1と、前記フォトマスク基板の裏面形状を表わす裏面データS2を入力する入力手段を含み、
    前記裏面データS2に起因する座標ずれ量D6と、前記パターン検査データX1と、前記設計描画データW1と、を用いて、前記判定を行う、フォトマスク基板の検査装置。
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