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JP2018009109A - フッ素ゴム架橋物及びフッ素ゴム組成物 - Google Patents

フッ素ゴム架橋物及びフッ素ゴム組成物 Download PDF

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JP2018009109A JP2016139435A JP2016139435A JP2018009109A JP 2018009109 A JP2018009109 A JP 2018009109A JP 2016139435 A JP2016139435 A JP 2016139435A JP 2016139435 A JP2016139435 A JP 2016139435A JP 2018009109 A JP2018009109 A JP 2018009109A
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fluororubber
vdf
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crosslinking
copolymer
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JP2016139435A
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田中 宏幸
Hiroyuki Tanaka
宏幸 田中
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

【課題】帯電をある程度防止できる程度の導電性を有し、かつ、適度な柔軟性を有するフッ素ゴム架橋物を提供する。【解決手段】フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含むフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物であって、体積固有抵抗が104〜109Ω・cmであり、硬さがA60〜A90であることを特徴とするフッ素ゴム架橋物。【選択図】 なし

Description

本発明は、フッ素ゴム架橋物及びフッ素ゴム組成物に関する。
フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含む組成物に、種々の目的で、カーボンブラックを添加する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、カーボンブラックを、フルオロポリマー組成物の性能、例えば引張応力、引張強さ、伸び、硬度、耐摩耗性、導電率、および加工性等のバランスをとるために使用できることが記載されている。また、カーボンブラックの好適な例として、N−991、N−990、N−908、およびN−907の品番のMTブラック類(ミディアムサーマルブラック);FEF N−550;および大粒径のファーネスブラック等が挙げられることが記載されている。
また、特許文献2には、耐化石燃料性および低抽出性の双方の特性に優れ、しかも、押出し加工性にも優れた燃料改質システム用ゴム組成物として、下記の(A)〜(C)を必須成分とすることを特徴とする燃料改質システム用ゴム組成物が記載されている。
(A)フッ素ゴム。
(B)BET法による比表面積が28m/g未満のカーボンブラック。
(C)非硫黄系架橋剤。
特開2013−231116号公報 特開2005−272786号公報
紙や樹脂フィルムの製造には、ゴムロールが使用されている。フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性及び柔軟性を有することから、ゴムロールをフッ素ゴムにより形成することが検討された。しかし、フッ素ゴムロールは、摩擦や剥離により帯電してしまい、紙やフィルムが吸着してロールに巻き付き生産性が低下する不利益が予想される。さらにほこりの付着等があり導電性のフッ素ゴムロールを製造することも検討されたが、電流の漏洩等の別の不利益が予想される。
そこで、本発明は、帯電をある程度防止できる程度の導電性を有し、かつ、適度な柔軟性を有するフッ素ゴム架橋物を提供することを目的とする。
本発明は、また、帯電をある程度防止できる程度の導電性を有し、かつ、適度な柔軟性を有するフッ素ゴム架橋物を製造することのできるフッ素ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含むフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物であって、体積固有抵抗が10〜10Ω・cmであり、硬さがA60〜A90であることを特徴とするフッ素ゴム架橋物である。
上記フッ素ゴム組成物は、更に、窒素吸着比表面積が60m/g以上のカーボンブラック、並びに、ワックス、加工助剤、可塑剤及び軟化剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことが好ましい。
本発明は、また、フッ素ゴム、ポリオール架橋剤、窒素吸着比表面積が60m/g以上のカーボンブラック、並びに、加工助剤、可塑剤及び軟化剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とするフッ素ゴム組成物でもある。
本発明は、また、上述のフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物でもある。
本発明のフッ素ゴム架橋物は、帯電をある程度防止できる程度の導電性を有し、かつ、適度な柔軟性を有する。
本発明は、また、帯電をある程度防止できる程度の導電性を有し、かつ、適度な柔軟性を有するフッ素ゴム架橋物を製造することのできるフッ素ゴム組成物を提供することを目的とする。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明のフッ素ゴム架橋物は、体積固有抵抗が10〜10Ω・cmであることが特徴の一つである。上記体積固有抵抗は、10Ω・cm以上が好ましく、10Ω・cm以下が好ましい。
上記体積固有抵抗は、JIS K6271、二重リング電極法を用いて室温で2mm厚みのシートにより測定する。
本発明のフッ素ゴム架橋物は、硬さがA60〜A90であることも特徴の一つである。上記硬さは、A65以上が好ましく、A80以下が好ましい。
絶縁性であるフッ素ゴム架橋物に少しでも導電性を付与しようとする場合、導電性物質の添加が避けられないが、導電性物質を添加すると柔軟性が損なわれる。本発明のフッ素ゴム架橋物は、上述した範囲内の体積固有抵抗を有するにも関わらず、適度な柔軟性を有している。
上記硬さは、JIS K6253に準じてタイプAヂュロメータにより測定する。
本発明のフッ素ゴム架橋物は、フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含むフッ素ゴム組成物から得られる。本発明のフッ素ゴム架橋物は、ポリオール架橋により架橋されたフッ素ゴムを含むものであるにも関わらず、帯電をある程度防止できる程度の導電性を有し、かつ、適度な柔軟性を有する。
上記フッ素ゴム架橋物は、フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含むフッ素ゴム組成物を架橋することにより得られるものであることが好ましく、フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含むフッ素ゴム組成物を一次架橋及び二次架橋することにより得られるものであることがより好ましい。二次架橋は、フッ素ゴム架橋物の用途等によって省略されることもあるが、架橋の完結、余剰架橋剤の分解、架橋時に発生したガスの拡散、残留歪みの除去等の作用が期待でき、これにより、一次架橋後の架橋物と比べて諸特性が向上する。他方、二次架橋を実施すると、一次架橋後の架橋物と比べて、体積固有抵抗が上昇することが通常であるが、特定の条件を満たす場合に体積固有抵抗の上昇を抑えられることが、本発明者らによって見出された。
上記架橋は、130〜300℃で1〜30時間行うことができる。
一次架橋は、130〜200℃で1〜60分間、二次架橋は150〜300℃で30分間〜30時間行うのが望ましい。
上記フッ素ゴム架橋物は、二次架橋することにより得られたものであっても、上述した体積固有抵抗を有する。
上記フッ素ゴムは、ポリオール架橋可能なフッ素ゴムである。上記フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)単位を含むフッ素ゴムが好ましい。なお、フッ素ゴムは、通常、主鎖を構成する炭素原子に結合しているフッ素原子を有し且つゴム弾性を有する非晶質の重合体からなる。
上記フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性、柔軟性等の観点から、フッ素含有率64質量%以上のフッ素ゴムであることが好ましく、フッ素含有率66質量%以上のフッ素ゴムであることがより好ましい。フッ素含有率の上限値は特に限定されないが、74質量%以下であることが好ましい。フッ素含有率は、ポリマー組成から計算によって求めることができる。
上記フッ素ゴムは、VdF単位及びその他の共単量体に由来する共重合単位を含む共重合体であることが好ましい。
上記フッ素ゴムは、VdF単位の含有量が、VdF単位とその他の共単量体に由来する重合単位との合計モル数に対し20モル%以上が好ましく、45モル%以上がより好ましく、55モル%以上が更に好ましい。VdF単位の含有量はまた、VdF単位とその他の共単量体に由来する重合単位との合計モル数に対し85モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましい。
また、上記フッ素ゴムは、上記その他の共単量体に由来する重合単位の含有量が、VdF単位とその他の共単量体に由来する重合単位との合計モル数に対し15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましい。その他の共単量体に由来する重合単位の含有量はまた、VdF単位とその他の共単量体に由来する重合単位との合計モル数に対し80モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、45モル%以下が更に好ましい。
上記その他の共単量体としては、VdFと共重合可能であれば特に限定されず、例えば、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、一般式(1):
CH=CFRf (1)
(式中、Rfは、炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基である。)で示される含フッ素エチレン性単量体(1)等の含フッ素単量体;エチレン〔Et〕、プロピレン〔Pr〕、アルキルビニルエーテル等のフッ素非含有単量体等が挙げられ、これらの単量体や化合物のなかから1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕等が挙げられる。
上記含フッ素エチレン性単量体(1)は、下記一般式:
CH=CF(CF
(式中、mは1〜7の整数である。)で示される単量体であることが好ましい。上記mは、1〜5の整数であることがより好ましく、1〜3の整数であることが更に好ましい。
上記含フッ素エチレン性単量体(1)としては、CH=CFCF、CH=CFCFCF、CH=CFCFCFCF、CH=CFCFCFCFCF等があげられ、なかでも、CH=CFCFで示される2,3,3,3−テトラフルオロプロペンであることが好ましい。
上記フッ素ゴムは、VdF単位及び含フッ素単量体(但し、VdFは除く。)由来の共重合単位を含む共重合体であることが好ましい。上記フッ素ゴムは、更に、VdF及び上記含フッ素単量体と共重合可能な単量体由来の共重合単位を含むことも好ましい。
上記フッ素ゴムとしては、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/Pr共重合体、VdF/Et/HFP共重合体、VdF/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、VdF/HFP/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、VdF/TFE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、VdF/HFP/TFE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、VdF/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、VdF/TFE/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、VdF/HFP/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体、及び、VdF/HFP/TFE/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体等が挙げられる。
このなかでも、耐熱性、耐薬品性、柔軟性等の観点から、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、及び、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
上記VdF/HFP共重合体は、VdF/HFPの組成が、(45〜85)/(55〜15)(モル%)であることが好ましく、より好ましくは(50〜80)/(50〜20)(モル%)であり、更に好ましくは(60〜80)/(40〜20)(モル%)である。
上記VdF/TFE/HFP共重合体は、VdF/TFE/HFPの組成が、(30〜80)/(4〜35)/(10〜35)(モル%)であることが好ましく、(45〜80)/(5〜20)/(15〜35)(モル%)であることがより好ましい。
上記VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEの組成が、(65〜90)/(35〜10)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEの組成が、(40〜80)/(3〜40)/(15〜35)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEの組成が、(65〜90)/(3〜25)/(3〜25)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/TFE/PAVEの組成が、(40〜90)/(0〜25)/(0〜40)/(3〜35)(モル%)であることが好ましく、(40〜80)/(3〜25)/(3〜40)/(3〜25)(モル%)であることがより好ましい。
上記VdF/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(45〜85)/(55〜15)(モル%)であることが好ましく、(50〜80)/(50〜20)(モル%)であることがより好ましい。
上記VdF/HFP/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/HFP/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(40〜80)/(5〜35)/(10〜35)(モル%)であることが好ましく、(40〜80)/(10〜35)/(10〜35)(モル%)であることがより好ましい。
上記VdF/TFE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/TFE/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(40〜80)/(3〜30)/(10〜40)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/HFP/TFE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/HFP/TFE/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(40〜80)/(5〜40)/(3〜30)/(5〜40)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(65〜90)/(5〜35)/(5〜35)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/TFE/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/TFE/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(40〜80)/(3〜30)/(5〜40)/(5〜40)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/HFP/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/HFP/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(65〜90)/(3〜25)/(3〜25)/(3〜25)(モル%)であることが好ましい。
上記VdF/HFP/TFE/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)共重合体は、VdF/HFP/TFE/PAVE/含フッ素エチレン性単量体(1)が、(40〜90)/(0〜25)/(0〜40)/(0〜40)/(3〜35)(モル%)であることが好ましく、(40〜80)/(3〜25)/(3〜40)/(3〜25)/(3〜25)(モル%)であることがより好ましい。
耐熱性、耐薬品性、柔軟性等の観点から、上記フッ素ゴムは、VdF/HFP共重合体、及び、VdF/TFE/HFP共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
上記フッ素ゴムとしては、以上説明したものを1種に限らず2種以上用いてもよい。
上記ポリオール架橋剤としては、架橋後のフッ素ゴムの圧縮永久歪みが小さく、耐熱性及び成形性に優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、特に、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適である。上記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては特に限定されず、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン〔ビスフェノールAF〕、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールA等を挙げることができる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等であってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。
上記ポリオール架橋剤は、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン〔ビスフェノールAF〕であることが特に好ましい。
上記フッ素ゴム組成物において、上記ポリオール架橋剤の含有量は、上記フッ素ゴム100質量部に対して、0.2〜10質量部であることが好ましく、0.5〜6質量部であることがより好ましく、0.7〜3質量部であることが更に好ましい。上記含有量が小さすぎると、架橋密度が低くなり圧縮永久歪みが大きくなる傾向がある。上記含有量が大きすぎると、架橋密度が高くなりすぎるため、圧縮時に割れやすくなる傾向がある。
上記フッ素ゴム組成物は、適度な導電性及び適度な柔軟性の観点から、更に、カーボンブラックを含むことが好ましく、窒素吸着比表面積(NSA)が60m/g以上のカーボンブラックを含むことがより好ましい。上記窒素吸着比表面積(NSA)は、70m/g以上がより好ましく、80m/g以上が更に好ましく、90m/g以上が特に好ましく、100m/g以上が最も好ましく、上限は特に限定されないが、160m/gであってよい。上記窒素吸着比表面積(NSA)は、JIS K6217−2:2001に記載の方法で測定できる。
上記カーボンブラックは、ジブチルフタレート(DBP)吸油量が40〜180ml/100gであってよく、60〜160ml/100gであってよい。上記ジブチルフタレート(DBP)吸油量は、JIS K6217−4:2008に記載の方法により測定できる。
上記カーボンブラックとしては、製造方法の違いから、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどが挙げられ、用途の違いから、ゴム用カーボンブラック、カラー用カーボンブラック、導電性カーボンブラックとして市販されている全てのカーボンブラックが挙げられる。上記カーボンブラックとしては、なかでも、ファーネスブラックが好ましい。
上記カーボンブラックとしては、SAF−HS(NSA:142m/g、DBP:130ml/100g)、SAF(NSA:142m/g、DBP:115ml/100g)、N234(NSA:126m/g、DBP:125ml/100g)、ISAF(NSA:119m/g、DBP:114ml/100g)、ISAF−LS(NSA:106m/g、DBP:75ml/100g)、IISAF−HS(NSA:99m/g、DBP:129ml/100g)、N339(NSA:93m/g、DBP:119ml/100g)、N339(NSA:93m/g、DBP:119ml/100g)、HAF−HS(NSA:82m/g、DBP:126ml/100g)、N351(NSA:74m/g、DBP:127ml/100g)、HAF(NSA:79m/g、DBP:101ml/100g)、LI−HAF(NSA:74m/g、DBP:101ml/100g)、HAF−LS(NSA:84m/g、DBP:75ml/100g)等が挙げられる。これらのカーボンブラックは単独で使用してもよいし、また2種以上を併用してもよい。
上記フッ素ゴム組成物において、カーボンブラックの配合量は、フッ素ゴム100質量部に対して5〜30質量部が好ましく、7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が更に好ましく、25質量部以下がより好ましく、20質量部以下が更に好ましい。カーボンブラックが多くなりすぎるとフッ素ゴム架橋物の硬度が上昇する傾向にあり、また、少なくなりすぎるとフッ素ゴム架橋物の体積固有抵抗が上昇する傾向にある。
上記フッ素ゴム組成物は、適度な導電性及び適度な柔軟性の観点から、更に、ワックス、加工助剤、可塑剤及び軟化剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことが好ましい。
上記ワックスとしては、天然ワックス、合成ワックス、加工・変性ワックス等が挙げられる。
上記天然ワックスとしては、セラックワックスなどの動物由来のワックス;カルナバワックス、セレシンワックス、キャンデリラワックス、ライスワックスなどの植物由来のワックス;ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス;モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物由来のワックスなどが挙げられる。
上記合成ワックスとしては、ポリプロピレンワックス、フィッシャートロプッシュワックスのほか、オレイン酸エチル、ステアリン酸ステアリルなどの高級脂肪酸エステル、オレイン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ケトン・アミン類、水素硬化油等も挙げられる。
上記加工・変性ワックスとしては、原料のワックスを薬品や空気中の酸素で酸化した酸化ワックスなど、上記ワックスを原料として化学的・物理的手段で加工もしくは変性したものが挙げられる。
上記加工助剤としては、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ラウリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛などの高級脂肪酸塩;脂肪族アルコール;エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールなどのポリグリコール;ステアリルアミンなどの脂肪族アミン、シリコーン系オイル、シリコーン系ポリマー、低分子量ポリエチレン、リン酸エステル類、ロジン、(ハロゲン化)ジアルキルアミン、界面活性剤、スルホン化合物、フッ素系助剤、有機アミン化合物などが例示できる。
上記可塑剤としては、フタル酸誘導体、リン酸誘導体、セバシン酸誘導体、ペンタエリスリトール、低分子量フッ素ゴム等が挙げられ、より具体的には、ジアルキルフタレート、ジアルキルセバケート、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記軟化剤としては、潤滑油、プロセスオイル、コールタール、ヒマシ油、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
上記添加剤としては、なかでも、適度な導電性及び適度な柔軟性の観点から、ワックス、脂肪族アミン、フタル酸誘導体、セバシン酸誘導体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、植物由来のワックス、高級脂肪酸エステル、ジアルキルセバケートからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
上記フッ素ゴム、上記ポリオール架橋剤、上記カーボンブラック及び上記添加剤を含むフッ素ゴム組成物も、本発明の一つである。すなわち、本発明は、フッ素ゴム、ポリオール架橋剤、窒素吸着比表面積が60m/g以上のカーボンブラック、並びに、加工助剤、可塑剤及び軟化剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とするフッ素ゴム組成物でもある。
本発明は、本発明のフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物でもある。本発明のフッ素ゴム組成物を架橋することによりフッ素ゴム架橋物を得ることができる。本発明のフッ素ゴム組成物を、一次架橋及び二次架橋することによりフッ素ゴム架橋物を得ることが好ましい。二次架橋は、フッ素ゴム架橋物の用途等によって省略されることもあるが、架橋の完結、余剰架橋剤の分解、架橋時に発生したガスの拡散、残留歪みの除去等の作用が期待でき、これにより、一次架橋後の架橋物と比べて諸特性が向上する。他方、二次架橋を実施すると、一次架橋後の架橋物と比べて、体積固有抵抗が上昇することが通常であるが、フッ素ゴム組成物が上記カーボンブラック及び上記添加剤を含む場合、体積固有抵抗が適度に低下することが、本発明者らによって見出された。
上記架橋は、130〜300℃で1〜30時間行うことができる。
一次架橋は、130〜200℃で1〜60分間行うことができ、二次架橋は150〜300℃で30分間〜30時間行うことができる。一次架橋は、2〜15MPaで行ってよい。
上記フッ素ゴム架橋物は、二次架橋することにより得られたものであっても、上述した体積固有抵抗を有する。
上記架橋の方法は特に限定されないが、スチーム加硫缶を用いたスチーム架橋、ヒートプレス機を用いた通常の加熱圧縮成型、が採用でき、なかでも、加熱圧縮成型による架橋反応が好ましい。
上記スチーム架橋の前に、上記フッ素ゴム組成物を成形してもよい。成形方法としては、例えば金型などによる加圧成形法、押出し機による押出し成形法などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
次に、本発明のフッ素ゴム架橋物を形成するための上記フッ素ゴム組成物、及び、本発明のフッ素ゴム組成物が含むことのできる任意の成分について説明する。
上記フッ素ゴム組成物は、更に、架橋促進剤を含むことが好ましい。上記架橋促進剤は、ポリマー主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の生成と、生成した二重結合へのポリヒドロキシ化合物の付加を促進する。
上記架橋促進剤としては、オニウム化合物があげられ、オニウム化合物のなかでも、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミン、及び、1官能性アミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、第4級アンモニウム塩及び第4級ホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド(以下、DBU−Bとする)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性、機械物性、及び、柔軟性の点から、DBU−Bが好ましい。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロライド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどをあげることができ、これらの中でも、架橋性、機械物性、及び、柔軟性の点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)が好ましい。
また、架橋促進剤として、第4級アンモニウム塩とビスフェノールAFとの固溶体、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFとの固溶体、特開平11−147891号公報に開示されている塩素フリー架橋促進剤を用いることもできる。
上記架橋促進剤の配合量は、フッ素ゴム100質量部に対して、0.01〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜5質量部である。架橋促進剤が、少なすぎると、フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる架橋物の耐熱性等が低下するおそれがある。上記架橋促進剤が多すぎると、上記フッ素ゴム組成物の成形加工性が低下するおそれや、機械物性における伸びが低下し、柔軟性も低下する傾向がある。
上記フッ素ゴム組成物は、更に、受酸剤を含むことも好ましい。上記受酸剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉛、ハイドロタルサイト等が挙げられる。上記受酸剤は、上記架橋促進剤と組み合わせて使用することも好ましい。
上記フッ素ゴム組成物は、更に、水酸化カルシウム等の架橋助剤を含むことも好ましい。上記架橋助剤は、上記架橋促進剤と組み合わせて使用することも好ましい。
上記フッ素ゴム組成物は、更に、充填剤、離型剤、顔料、滑剤、酸化防止剤、発泡剤、香料、オイル、柔軟化剤などを、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で含んでもよい。
上記フッ素ゴム組成物は、各成分を混練することにより得ることができる。上記混練には、オープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用できるが、均一に分散できる点で、オープンロール又は加圧ニーダーを用いることが好ましい。
本発明のフッ素ゴム架橋物及び本発明のフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物は、次の用途に好適に利用可能である。
(1)ゴムロール
紙やフィルムを製造するために使用するゴムロールに静電気が発生すると、上記紙や上記フィルムが上記ゴムロールに巻き付いたり、埃やゴミが付着して製品を汚染したりすることがあった。また、塗装や印刷の工程では、塗装又は印刷のムラが発生することがあった。また、静電気によるスパークは、火災を引き起こす可能性があるので、避けなければならない。上記フッ素ゴム架橋物は、適度な導電性及び適度な柔軟性を有することから、これらの課題を解決することができる。従って、上記フッ素ゴム架橋物は、ゴムロールとして好適に利用可能であり、特に紙やフィルムを製造するために使用するゴムロールとして好適に利用可能である。
(2)ゴムシート
電子機器等の組み立てラインでは、静電気が製品に悪影響を与えるので、作業台、棚、床等の静電気対策が求められる。上記フッ素ゴム架橋物は、適度な導電性及び適度な柔軟性を有することから、除電用のゴムシートとして好適に利用可能である。
(3)ゴムチューブ、ゴムホース
ポリマーの粉体やペレットを圧力により輸送するためのチューブ又はホースは、内面が帯電すると、粉体やペレットが付着したり、付着した粉体やペレットにより閉塞したりすることがある。また、静電気によるスパークは、火災や爆発を引き起こす可能性があるので、避けなければならない。上記フッ素ゴム架橋物は、適度な導電性及び適度な柔軟性を有することから、ゴムチューブ又はゴムホースとして好適に利用可能であり、特に圧送用又はバキューム輸送用のゴムチューブ又はゴムホースとして好適に利用可能である。
また、可燃性液体の輸送においても静電気によるスパークは、火災や爆発を引き起こす可能性があるので、避けなければならない。上記フッ素ゴム架橋物は、適度な導電性及び適度な柔軟性を有することから、可燃性液体の輸送用チューブ又はホースとしても好適に利用可能である。
(4)シール材
半導体製造装置において静電気が発生すると、デバイスが損傷したり、異物がデバイスに吸着したりする。上記フッ素ゴム架橋物は、適度な導電性及び適度な柔軟性を有することから、シール材として好適に利用可能であり、特に半導体製造装置に使用するシール材として好適に利用可能である。
(5)その他
上記フッ素ゴム架橋物は、適度な導電性及び適度な柔軟性を有することから、電磁波シールドとしても、好適に利用可能である。
上記フッ素ゴム架橋物の好適に利用可能な用途について説明したが、上記フッ素ゴム架橋物を次の用途に使用することも当然に可能である。上記フッ素ゴム架橋物を他の材料と積層して、積層体を得てもよい。
シール材:
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)−リング、パッキン、ガスケット、ダイアフラム、その他の各種シール材等が挙げられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのO−リング、クォーツウィンドウのO−リング、チャンバーのO−リング、ゲートのO−リング、ベルジャーのO−リング、カップリングのO−リング、ポンプのO−リング、ダイアフラム、半導体用ガス制御装置のO−リング、レジスト現像液、剥離液用のO−リング、その他の各種シール材として用いることができる。
自動車分野では、エンジンならびに周辺装置に用いるガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、各種シール材や、AT装置の各種シール材に用いることができる。燃料系統ならびに周辺装置に用いるシール材としては、O(角)−リング、パッキン、ダイアフラムなどが挙げられる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、酸素センサー用シール、インジェクターO−リング、インジェクターパッキン、燃料ポンプO−リング、ダイアフラム、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、キャブレターのセンサー用ダイアフラム等として用いることができる。
航空機分野、ロケット分野及び船舶分野では、ダイアフラム、O(角)−リング、バルブ、パッキン、各種シール材等が挙げられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステムシール、ガスケット及びO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。
化学プラント分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)−リング、各種シール材等が挙げられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、分析機器、理化学機器のシール、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野及び塗装設備等の塗装分野では、乾式複写機のシール、弁部品等として用いることができる。
また、上記分野の各種ロールに用いることができる。
食品プラント機器分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)−リング、各種シール材等が挙げられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
原子力プラント機器分野では、パッキン、O−リング、ダイアフラム、バルブ、各種シール材等が挙げられる。
一般工業分野では、パッキング、O−リング、ダイアフラム、バルブ、各種シール材等が挙げられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)等に用いられる。
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、コンピュータのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、例えばエンジンのオイルパンのガスケット、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤等が挙げられる。
摺動部材:
自動車関連分野では、ピストンリング、シャフトシール、バルブステムシール、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、オイルシールなどが挙げられる。
一般に、他材と接触して摺動を行う部位に用いられるフッ素ゴム製品が挙げられる。
非粘着性部材:
コンピュータ分野での、ハードディスククラッシュストッパーなどが挙げられる。
撥水撥油性を利用する分野:
自動車のワイパーブレード、屋外テントの引き布などが挙げられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
体積固有抵抗
2mm厚みのシートを用い、JIS K6271の二重リング電極法を用いて室温で測定した。
硬さ
2mm厚みのシート3枚を重ね合わせ、JIS K6253に準じてタイプAヂュロメータを用いて測定した。
実施例1〜8、比較例1
表1の処方に従ってそれぞれの成分を配合し、オープンロール上で混練りしてフッ素ゴム組成物を調製した。次に、160℃で30分間の一次架橋(プレス架橋)、及び、230℃で22時間の二次架橋(オーブン架橋)により、上記フッ素ゴム組成物を架橋させ、フッ素ゴム架橋物(約120mm×150mm×厚み2mmのシート)を得た。
表1に記載の各成分の詳細を以下に示す。
フッ素ゴム:ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(フッ素含有率66質量%)
ビスフェノールAF
架橋促進剤:DBU−B
カーボンブラック1:SRFカーボン、窒素吸着比表面積27m/g、DBP吸油量68ml/100g
カーボンブラック2:HAFカーボン、窒素吸着比表面積79m/g、DBP吸油量101ml/100g
カーボンブラック3:ISAFカーボン、窒素吸着比表面積119m/g、DBP吸油量114ml/100g
酸化マグネシウム:協和化学工業社製キョーワマグ150
水酸化カルシウム:近江化学工業社製カルディック2000
カルナバワックス:カルナバワックス1号
ステアリン酸ステアリル:試薬
ステアリルアミン:花王社製ファーミン86V
得られたフッ素ゴム架橋物の体積固有抵抗及び硬さを表1に示す。
Figure 2018009109

Claims (4)

  1. フッ素ゴム及びポリオール架橋剤を含むフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物であって、体積固有抵抗が10〜10Ω・cmであり、硬さがA60〜A90であることを特徴とするフッ素ゴム架橋物。
  2. 前記フッ素ゴム組成物は、更に、窒素吸着比表面積が60m/g以上のカーボンブラック、並びに、ワックス、加工助剤、可塑剤及び軟化剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含む請求項1記載のフッ素ゴム架橋物。
  3. フッ素ゴム、ポリオール架橋剤、窒素吸着比表面積が60m/g以上のカーボンブラック、並びに、ワックス、加工助剤、可塑剤及び軟化剤からなる群より選択される少なくとも1種の添加剤を含むことを特徴とするフッ素ゴム組成物。
  4. 請求項3記載のフッ素ゴム組成物から得られるフッ素ゴム架橋物。
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