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JP5120251B2 - 熱可塑性重合体組成物および該組成物からなる成形体 - Google Patents

熱可塑性重合体組成物および該組成物からなる成形体 Download PDF

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JP5120251B2 JP2008509844A JP2008509844A JP5120251B2 JP 5120251 B2 JP5120251 B2 JP 5120251B2 JP 2008509844 A JP2008509844 A JP 2008509844A JP 2008509844 A JP2008509844 A JP 2008509844A JP 5120251 B2 JP5120251 B2 JP 5120251B2
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Description

本発明は、特定のフッ素樹脂および特定の架橋フッ素ゴムからなる熱可塑性重合体組成物に関する。また、該熱可塑性重合体組成物からなる成形品、燃料チューブおよび燃料ホースに関する。
昨今の環境意識の高まりから、燃料揮発を防止するための法整備が進み、特に自動車業界では米国を中心に燃料揮発抑制の傾向が著しく、燃料バリア性に優れた材料へのニーズが大きくなりつつある。燃料バリア性に優れた材料として、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂が使用されているが、それに対して柔軟なゴム系材料、例えば架橋ゴムは一般的に燃料バリア性が劣っており、燃料ホース等の自動車部品に使用した場合には燃料の揮発・蒸散が大きく、この改善が求められている。架橋ゴムの中でも、架橋フッ素ゴムの燃料バリア性は良好なものではあるが、上記に掲げた熱可塑性樹脂と比較すると著しく燃料バリア性に劣っており、柔軟でかつ燃料バリア性に優れた材料開発が急務となっている。
上記の状況下、柔軟で燃料バリア性を有し、かつ溶融成形性やリサイクル性を有する樹脂として、『ダイネオンTHV』が開発されている(例えば、Modern Fluoropolymers: high performance polymers for diverse applications, John Wiley & Sons, Chichster,(1997) Chapter 13、特開2000−274562号公報および特開2002−276862号公報参照)。しかしながら、これらの文献に記載された樹脂の特性として、燃料バリア性を高めようとすると硬度や弾性率が大きくなり、また硬度や弾性率を低下させようとすると燃料バリア性が著しく悪化するという問題点があり、柔軟性と燃料バリア性との両立が不充分である。
本発明の目的は、優れた耐熱性・耐薬品性・耐油性を兼ね備え、柔軟であり、燃料バリア性が高く、かつ溶融成形可能な熱可塑性重合体組成物を提供することである。また、本発明の目的は、該熱可塑性重合体組成物からなる成形品、燃料チューブおよび燃料ホースを提供することである。
すなわち、本発明は、クロロトリフルオロエチレン単位およびテトラフルオロエチレン単位を含むフッ素樹脂(A)と少なくとも一部が架橋されてなる架橋フッ素ゴム(B)からなる熱可塑性重合体組成物に関する。
架橋フッ素ゴム(B)が、フッ素樹脂(A)の存在下、フッ素樹脂(A)の溶融条件下にて、フッ素ゴム組成物(b)を動的に架橋処理したものであることが好ましい
フッ素樹脂(A)が、さらにクロロトリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体(a)単位を含むフッ素樹脂であることが好ましい。
単量体(a)が、エチレン、ビニリデンフルオライド、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)および一般式(1):
CX12=CX3(CF2n4 (1)
(式中、X1〜X3は同一または異なるものであり、それぞれ水素原子、フッ素原子または−CF3であり、X4は水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、nは1〜10の整数である)
で示されるビニル単量体からなる群から選ばれる1つ以上の単量体であることが好ましい。
また、本発明は、前記熱可塑性重合体組成物から形成される成形品、燃料チューブおよび燃料ホースに関する。
本発明は、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEという)単位およびテトラフルオロエチレン(以下、TFEという)単位を含むフッ素樹脂(A)と少なくとも一部が架橋されている架橋フッ素ゴム(B)からなる熱可塑性重合体組成物に関する。
フッ素樹脂(A)としては、特に限定されるものではなく、CTFE単位およびTFE単位を含むものであればよい。
フッ素樹脂(A)中にCTFE単位を2〜98モル%含有することが好ましく、10〜90モル%含有することがより好ましい。2モル%未満であると薬液透過性が悪化し、また溶融加工が困難になる傾向があり、98モル%をこえると成形時の耐熱性、耐薬品性が悪化する場合がある。
フッ素樹脂(A)中にTFE単位を2〜98モル%含有することが好ましく、10〜90モル%含有することがより好ましい。2モル%未満であると成形時の耐熱性、耐薬品性が悪化する場合があり、98モル%をこえると薬液透過性が悪化し、また溶融加工が困難になる傾向がある。
また、耐ストレスクラック性、耐薬品性および耐熱性の点から、さらにCTFEおよびTFEと共重合可能な単量体(a)単位を含むフッ素樹脂であることが好ましい。
単量体(a)としては、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体であればよく特に限定されないが、エチレン、ビニリデンフルオライド(以下、VdFという)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEという)、一般式(1):
CX12=CX3(CF2n4 (1)
(式中、X1〜X3は同一または異なるものであり、それぞれ水素原子、フッ素原子または−CF3であり、X4は水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、nは1〜10の整数である)
で示されるビニル単量体、一般式(2):
CF2=CF−OCH2−Rf 1 (2)
(式中、Rf 1は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基である)
で示されるアルキルパーフルオロビニルエーテルなどをあげることができるが、これらの中でも、エチレン、VdF、PAVEおよび一般式(1)で示されるビニル単量体からなる群から選ばれる1つ以上の単量体であることが好ましく、PAVEであることがより好ましい。
この場合のPAVEとしては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、PMVEという)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)などがあげられ、これらの中でも、PMVE、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましい。
一般式(1)で示されるビニル単量体としては、特に限定されないが、例えば、ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという)、パーフルオロ(1,1,2−トリハイドロ−1−ヘキセン)、パーフルオロ(1,1,5−トリハイドロ−1−ペンテン)、一般式(3):
CH2=CX3f 2 (3)
(式中、X3は前記同様であり、Rf 2は炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基である)
で示されるパーフルオロアルキルエチレン等があげられる。
一般式(3)で示されるパーフルオロアルキルエチレンとしては、パーフルオロブチルエチレンが好ましい。
一般式(2)で示されるアルキルパーフルオロビニルエーテルとしては、Rf 1が炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF2=CF−OCH2−CF2CF3がより好ましい。
これらの中でも、フッ素樹脂(A)としては、得られる熱可塑性重合体組成物の耐燃料透過性と柔軟性が優れ、かつ成形加工性が容易になる点から、CTFE単位およびTFE単位を含む二元フッ素樹脂、または、CTFE単位、TFE単位およびPAVE単位を含む三元フッ素樹脂であることが好ましく、CTFE単位、TFE単位およびパーフルオロ(メチルビニルエーテル)単位を含む三元フッ素樹脂またはCTFE単位、TFE単位およびパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)単位を含む三元フッ素樹脂であることがより好ましい。
二元フッ素樹脂である場合、その組成比(モル比)としては、CTFE/TFE=2/98〜98/2であることが好ましく、5/95〜90/10であることがより好ましく、10/90〜80/20であることがさらに好ましい。CTFE単位が2モル%未満であると薬液透過性が悪化しまた溶融加工が困難になる傾向があり、98モル%をこえると成形時の耐熱性、耐薬品性が悪化する場合がある。
三元フッ素樹脂である場合、上記単量体(a)単位は0.1〜10モル%であり、CTFE単位およびTFE単位は合計で90〜99.9モル%である。上記単量体(a)が0.1モル%未満であると成形性、耐環境応力割れ性および耐ストレスクラック性に劣りやすく、10モル%をこえると薬液低透過性、耐熱性、機械特性、生産性などに劣る傾向にある。さらに、そのCTFE単位は、上記CTFE単位と上記TFE単位の合計の10〜90モル%であることが好ましい。上記CTFE単位と上記TFE単位の合計に占めるCTFE単位が10モル%未満であると薬液低透過性が不充分となる場合があり、90モル%をこえると重合速度が急激に低下し生産性が低下するだけでなく、耐薬品性が低下したり、耐熱性が不充分となる場合がある。より好ましい下限は15モル%、さらに好ましい下限は20モル%、より好ましい上限は80モル%、さらに好ましい上限は70モル%である。
フッ素樹脂(A)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、特開2005−298702号公報、国際公開第2005/100420号パンフレットなどに記載の方法をあげることができる。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、前記フッ素樹脂(A)以外の樹脂を含んでいてもよい。
また、フッ素樹脂(A)の融点は、130〜330℃であることが好ましく、140〜320℃であることがより好ましく、150〜310℃であることがさらに好ましい。フッ素樹脂(A)の融点が、130℃未満であると、得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性が低下する傾向があり、330℃を超えると、フッ素樹脂(A)の存在下、フッ素樹脂(A)の溶融条件下にて、フッ素ゴムを動的に架橋する場合、フッ素樹脂(A)の融点以上に溶融温度を設定する必要があるが、その際にフッ素ゴムが熱劣化する傾向がある。
本発明で用いる架橋フッ素ゴム(B)としては、少なくとも1種のフッ素ゴム組成物(b)の少なくとも一部を架橋したものであればとくに制限されるものではない。
フッ素ゴムとしては、たとえば、パーフルオロフッ素ゴム(b1)、非パーフルオロフッ素ゴム(b2)、含フッ素熱可塑性エラストマー(b3)などがあげられる。
パーフルオロフッ素ゴム(b1)としては、TFE/PAVE系共重合体、TFE/ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという)/PAVE系共重合体などがあげられる。
非パーフルオロフッ素ゴム(b2)としては、たとえば、VdF系重合体、TFE/プロピレン系共重合体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組合わせて用いることができる。
また、前記パーフルオロフッ素ゴムや非パーフルオロフッ素ゴムとして例示したものは主モノマーの構成であり、架橋用モノマーや変性モノマー等を共重合したものも好適に用いることができる。架橋用モノマーや変性モノマーとしては、ヨウ素原子、臭素原子、二重結合を含むものなどの公知の架橋用モノマー、移動剤、公知のエチレン性不飽和化合物などの変性モノマーなどを使用することができる。
前記VdF系重合体としては、具体的には、VdF/HFP系共重合体、VdF/TFE/HFP系共重合体、VdF/TFE/プロピレン系共重合体、VdF/エチレン/HFP系共重合体、VdF/TFE/PAVE系共重合体、VdF/PAVE系共重合体、VdF/CTFE系共重合体などをあげることができる。さらに具体的には、VdF25〜85モル%と、VdFと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体75〜15モル%とからなる含フッ素共重合体であることが好ましく、より好ましくは、VdF50〜80モル%と、VdFと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体50〜20モル%とからなる含フッ素共重合体である。
ここで、VdFと共重合可能な少なくとも1種の他の単量体としては、たとえば、TFE、CTFE、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、PAVE、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体、エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素単量体があげられる。これらをそれぞれ単独で、または、任意に組み合わせて用いることができる。
前記フッ素ゴムの中でも、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF単位を含むフッ素ゴムであることが好ましく、VdF単位とHFP単位とを有するフッ素ゴムであることがより好ましい。
また、圧縮永久ひずみが良好な点から、VdF/HFP系フッ素ゴム、VdF/TFE/HFP系フッ素ゴム、TFE/プロピレン系フッ素ゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種のゴムであることが好ましく、低燃料透過性の観点からVdF/TFE/HFP系フッ素ゴムであることがより好ましい。
本発明に使用されるフッ素ゴムは、通常の乳化重合法により製造することができる。重合時の温度、時間などの重合条件としては、モノマーの種類や目的とするエラストマーにより適宜決定すればよい。
含フッ素熱可塑性エラストマー(b3)としては、特に限定されるものではないが、フッ素樹脂との相溶性が優れる点から、少なくとも1種のエラストマー性ポリマーセグメント(p−1)と、少なくとも1種の非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)とからなり、かつエラストマー性ポリマーセグメント(p−1)と非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)のうち、少なくとも一方が含フッ素ポリマーセグメントであることが好ましい。
エラストマー性ポリマーセグメント(p−1)は、重合体に柔軟性を付与し、ガラス転移点が25℃以下が好ましく、より好ましくは0℃以下である。その構成単位としては、たとえば、TFE、CTFE、HFP、一般式(4):
CF2=CFO(CF2CFX1O)p−(CF2CF2CF2O)q−Rf 4 (4)
(式中、X1は、フッ素原子または−CF3;Rf 4は、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基;pは、0〜5の整数;qは、0〜5の整数である)
で表されるパーフルオロビニルエーテルなどのパーハロオレフィン;VdF、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体;エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどの非フッ素単量体;架橋部位を与える任意の単量体などがあげられる。
架橋部位を与える単量体としては、たとえば、一般式(5):
CX5 2=CX5−Rf 5CHR16 (5)
(式中、X5は同じかまたは異なり、水素原子、フッ素原子または−CH3;Rf 5は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基;R1は、水素原子または−CH3;X6は、ヨウ素原子または臭素原子である)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(6):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X7 (6)
(式中、mは、0〜5の整数;nは、1〜3の整数;X7は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子である)で表される単量体で表されるような単量体などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
つぎに、非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)の構成単位としては、TFE、CTFE、PAVE、HFP、一般式(7):
CF2=CF(CF2r8 (7)
(式中、rは、1〜10の整数;X8は、フッ素原子または塩素原子である)で表される化合物、パーフルオロ−2−ブテンなどのパーハロオレフィン;VdF、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、一般式(8):
CH2=CX9−(CF2s−X9 (8)
(式中、X9は、水素原子またはフッ素原子;sは、1〜10の整数)で表される化合物、CH2=C(CF32などの部分フッ素化オレフィン;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、ビニルエーテル、カルボン酸ビニルエステル、アクリル酸などの非フッ素単量体などをあげることができる。
また、これらの中でも、エラストマー性ポリマーセグメント(p−1)が、TFE/VdF/HFPの共重合体であり、かつ非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)が、TFE/エチレンの共重合体である含フッ素熱可塑性エラストマーが好ましく、エラストマー性ポリマーセグメント(p−1)が、TFE/VdF/HFP=0〜35/40〜90/5〜50モル%であり、かつ非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)が、TFE/エチレン=20〜80/80〜20モル%である含フッ素熱可塑性エラストマーがより好ましい。
含フッ素熱可塑性エラストマーは、1分子中にエラストマー性ポリマーセグメント(p−1)と非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)がブロックやグラフトの形態で結合した含フッ素多元セグメント化ポリマーであることが好ましく、含フッ素熱可塑性エラストマーが、1個のエラストマー性ポリマーセグメント(p−1)と、2個の非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)からなり、かつそのうちの少なくとも一方は含フッ素ポリマーセグメントであるトリブロックポリマーからなることが好ましい。
含フッ素熱可塑性エラストマーの製法としては、エラストマー性ポリマーセグメント(p−1)と非エラストマー性ポリマーセグメント(p−2)とをブロックやグラフトなどの形態でつなぎ、含フッ素多元セグメント化ポリマーとするべく、公知の種々の方法が採用できるが、なかでも特公昭58−4728号公報などに示されたブロック型の含フッ素多元セグメント化ポリマーの製法や、特開昭62−34324号公報に示されたグラフト型の含フッ素多元セグメント化ポリマーの製法などが好ましく採用できる。
とりわけ、セグメント化率(ブロック化率)も高く、均質で規則的なセグメント化ポリマーが得られることから、特公昭58−4728号公報、高分子論文集(Vol.49、No.10、1992)記載のいわゆるヨウ素移動重合法で合成されたブロック型の含フッ素多元セグメント化ポリマーが好ましい。
含フッ素熱可塑性エラストマーの好ましい製造方法としては、フッ素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法をあげることができる。たとえば、実質的に無酸素下で、水媒体中で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記パーハロオレフィンと、要すれば硬化部位を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下、乳化重合を行う方法があげられる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、フッ素樹脂(A)の存在下にて、フッ素樹脂(A)の溶融条件下にて、フッ素ゴム組成物(b)を動的に架橋処理して得ることが好ましい。ここで、動的に架橋処理するとは、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用して、フッ素ゴムを溶融混練と同時に動的に架橋させることをいう。これらの中でも、高剪断力を加えることができる点で、二軸押出機等の押出機を用いることが好ましい。動的に架橋処理することで、フッ素樹脂(A)と架橋フッ素ゴム(B)の相構造および架橋フッ素ゴム(B)の分散を制御することができる。
本発明の熱可塑性重合体組成物に、少なくとも1種のフッ素ゴム組成物(b)を架橋するため、架橋剤(C)をさらに添加することが好ましい。
架橋剤(C)としては、架橋するフッ素ゴム組成物(b)の種類や溶融混練条件に応じて、適宜選択することができる。
本発明で用いられる架橋系は、フッ素ゴムに架橋性基(キュアサイト)が含まれる場合は、キュアサイトの種類によって、または得られる成形品などの用途により適宜選択すればよい。架橋系としては、ポリオール架橋系、有機過酸化物架橋系およびポリアミン架橋系のいずれも採用できる。
ここで、ポリオール架橋系により架橋する場合は、架橋点に炭素−酸素結合を有しており、圧縮永久歪みが小さく、成形性も良く、シール特性に優れているという特徴がある点で好適である。
有機過酸化物架橋系により架橋する場合は、架橋点に炭素−炭素結合を有しているので、架橋点に炭素−酸素結合を有するポリオール架橋系および炭素−窒素二重結合を有するポリアミン架橋系に比べて、耐薬品性および耐スチーム性に優れているという特徴がある。
ポリアミン架橋により架橋する場合は、架橋点に炭素−窒素二重結合を有しているものであり、動的機械特性に優れているという特徴がある。しかし、ポリオール架橋系または有機過酸化物架橋系架橋剤を用いて架橋する場合に比べて、圧縮永久歪みが大きくなる傾向がある。
したがって、本発明では、ポリオール架橋系または有機過酸化物架橋系の架橋剤を用いることが好ましく、前述のようにシール性に優れる点から、ポリオール架橋系の架橋剤を用いることがより好ましい。
本発明における架橋剤(C)は、ポリアミン系、ポリオール系、有機過酸化物系の架橋剤を使用することができる。
ポリアミン架橋剤としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどのポリアミン化合物があげられる。これらの中でも、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
ポリオール架橋剤としては、従来、フッ素ゴムの架橋剤として知られている化合物を用いることができ、たとえば、ポリヒドロキシ化合物、特に、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。
上記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、たとえば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールAなどがあげられる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。
有機過酸化物架橋系の架橋剤としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、具体的には、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどをあげることができる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
これらの中でも、得られる成形品などの圧縮永久歪みが小さく、成形性に優れているという点から、ポリヒドロキシ化合物が好ましく、耐熱性が優れることからポリヒドロキシ芳香族化合物がより好ましく、ビスフェノールAFがさらに好ましい。
また、ポリオール架橋系においては、ポリオール系架橋剤と併用して、通常、架橋促進剤(D)を用いる。架橋促進剤(D)を用いると、フッ素ゴム主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の形成を促進することにより架橋反応を促進することができる。
ポリオール架橋系の架橋促進剤(D)としては、一般にオニウム化合物が用いられる。オニウム化合物としては特に限定されず、たとえば、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミン、1官能性アミン化合物などがあげられ、これらの中でも第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩が好ましい。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、たとえば、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド(以下、DBU−Bという)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロリドなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、DBU−Bが好ましい。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、たとえば、テトラブチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(以下、BTPPCという)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロリド、トリブチルアリルホスホニウムクロリド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロリド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロリドなどをあげることができ、これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(BTPPC)が好ましい。
また、架橋促進剤(D)として、第4級アンモニウム塩、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFの固溶体、特開平11−147891号公報に開示されている塩素フリー架橋促進剤を用いることもできる。
有機過酸化物の架橋促進剤(D)としては、たとえば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルフタルアミド、N,N,N’,N’−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋剤(C)および架橋促進剤(D)の添加量としては、動的に架橋処理するときの温度における加硫90%完了時間T90が2〜6分になるように調整された量であることが好ましく、加硫90%完了時間T90が3〜5分になるように調整された量であることがより好ましい。最適加硫時間T90が2分未満となる量であると架橋ゴムの分散が不均一かつ粗大化する傾向があり、6分をこえる量となるとゴムが架橋するのに長時間を要し、かつ完全には架橋しなくなる傾向がある。
ここで、加硫90%完了時間T90とは、フッ素ゴム組成物(b)を1次プレス加硫時にJSR型キュラストメータII型、およびV型を用いて、動的加硫時の温度における加硫曲線を求め、最大トルク値の90%の値に達する時間を加硫90%完了時間(T90)とする。
架橋剤(C)と架橋促進剤(D)の添加量を決定する具体的な方法としては、170℃における加硫90%完了時間T90が2〜6分、好ましくは3〜5分となる、フッ素ゴム100重量部に対する架橋剤(C)の配合量 X重量部、架橋促進剤(D)の配合量 Y重量部をまず求める。
次に、このXおよびYの量をもとに、
(i)架橋剤(C)の量:X重量、架橋促進剤(D)の量:0.2Y〜0.5Y重量部、好ましくは0.3Y〜0.4Y重量部、または
(ii)架橋剤(C)の量:2X〜5X重量部、架橋促進剤(D)の量:0.4Y〜2.5Y重量部
が、本発明における好ましい架橋剤(C)と架橋促進剤(D)の添加量となる。
架橋促進剤(D)が0.2Y重量部未満であると、フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる熱可塑性重合体組成物の耐熱性および耐油性が低下する傾向があり、2.5Y重量部をこえると、得られる熱可塑性重合体組成物の機械強度が低下する傾向がある。
溶融条件下とは、フッ素樹脂(A)およびフッ素ゴム組成物(b)が溶融する温度下を意味する。溶融する温度は、それぞれフッ素樹脂(A)およびフッ素ゴム組成物(b)のガラス転移温度および/または融点により異なるが、120〜330℃であることが好ましく、130〜320℃であることがより好ましい。温度が、120℃未満であると、フッ素樹脂(A)とフッ素ゴムの間の分散が粗大化する傾向があり、330℃をこえると、フッ素ゴムが熱劣化する傾向がある。
得られた熱可塑性重合体組成物は、フッ素樹脂(A)が連続相を形成しかつ架橋ゴム(B)が分散相を形成する構造、またはフッ素樹脂(A)と架橋フッ素ゴム(B)が共連続を形成する構造を有することができるが、その中でも、フッ素樹脂(A)が連続相を形成しかつ架橋ゴム(B)が分散相を形成する構造を有することが好ましい。
フッ素ゴムが、分散当初マトリックスを形成していた場合でも、架橋反応の進行に伴い、フッ素ゴムが架橋フッ素ゴム(B)となることで溶融粘度が上昇し、架橋フッ素ゴム(B)が分散相になる、またはフッ素樹脂(A)との共連続相を形成するものである。
このような構造を形成すると、本発明の熱可塑性重合体組成物は、優れた耐熱性、耐薬品性および耐油性を示すと共に、低い燃料透過性と柔軟性を両立することができ、さらに良好な成形加工性を有することとなる。その際、架橋フッ素ゴム(B)の平均分散粒子径は、0.01〜30μmであることが好ましい。平均分散粒子径が、0.01μm未満であると、流動性が低下する傾向があり、30μmをこえると、得られる熱可塑性重合体組成物の強度が低下する傾向がある。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、その好ましい形態であるフッ素樹脂(A)が連続相を形成し、かつ架橋フッ素ゴム(B)が分散相を形成する構造の一部に、フッ素樹脂(A)と架橋フッ素ゴム(B)との共連続構造を含んでいても良い。
フッ素樹脂(A)と架橋フッ素ゴム(B)の重量比は、98/2〜10/90であり、95/5〜20/80であることが好ましい。フッ素樹脂(A)が10重量%未満であると、得られる熱可塑性重合体組成物の流動性が悪化し、成形加工性が低下する傾向があり、98重量%をこえると、得られる熱可塑性重合体組成物の柔軟性と燃料透過性のバランスが悪くなる傾向がある。
本発明の熱可塑性組成物からなる成形品の燃料透過係数は、40g・mm/m2・day以下であることが好ましく、20g・mm/m2・day以下であることがより好ましく、10g・mm/m2・day以下であることがさらに好ましく、5g・mm/m2・day以下であることが特に好ましい。燃料透過係数の下限値は特に限定されるものではなく、低ければ低いほど好ましい。燃料透過係数が、40g・mm/day・m2をこえると、耐燃料透過性が低いため、燃料透過量を抑えるためには成形品の肉厚を厚くする必要があり、経済的に好ましくない。なお、燃料透過係数は、低いほど燃料透過防止能力が向上するものであり、逆に燃料透過係数が大きいと燃料が透過しやすいため、燃料チューブ等の成形品としては適さないものである。
燃料透過係数の測定は、防湿包装材料の透湿度試験方法におけるカップ法に準ずる方法にて実施した。ここで、カップ法とは、JIS Z 0208に規定された透湿度試験方法であり、一定時間に単位面積の膜状物質を通過する水蒸気量を測定する方法である。本発明においては、このカップ法に準じて、燃料透過係数を測定するものである。具体的方法としては、20mLの容積を有するSUS製容器(開放部面積1.26×10-32)に模擬燃料であるCE10(トルエン/イソオクタン/エタノール=45/45/10容量%)を18mL入れて、シート状試験片を容器開放部にセットして密閉することで、試験体とする。該試験体を恒温装置(60℃)に入れ、試験体の重量を測定し、単位時間あたりの重量減少が一定となったところで下記の式により燃料透過係数を求める。
Figure 0005120251
本発明の熱可塑性組成物からなる成形品の引張弾性率は、1000MPa以下であることが好ましく、800MPa以下であることがより好ましく、700MPa以下であることがさらに好ましく、600MPa以下であることが特に好ましい。引張弾性率の下限値としては特に限定されるものではないが、5MPa以上であることが好ましく、10MPa以上であることがより好ましい。引張弾性率が、1000MPaをこえると、柔軟性を必要とする成形品には適さない傾向がある。
また、本発明の熱可塑性重合体組成物は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどの他の重合体、炭酸カルシウム、タルク、セライト、クレー、酸化チタン、カーボンブラック、硫酸バリウムなどの無機充填材、顔料、難燃剤、滑剤、光安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、発泡剤、香料、オイル、柔軟化剤などを、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で添加することができる。
本発明の熱可塑性重合体組成物は、一般の成形加工方法や成形加工装置などを用いて成形加工することができる。成形加工方法としては、例えば、射出成形、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形などの任意の方法を採用することができ、本発明の熱可塑性重合体組成物は、使用目的に応じて任意の形状の成形体に成形される。
さらに、本発明は、本発明の熱可塑性重合体組成物を使用して得られた成形品に関するものであるが、該成形品としては、シートまたはフィルムの成形体を包含し、また本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層および他の材料からなる層を有する積層構造体を包含するものである。
本発明の熱可塑性重合体組成物からなる少なくとも1つの層と他の材料からなる少なくとも1つの層との積層構造体において、該他の材料は、要求される特性、予定される用途などに応じて適切なものを選択すればよい。該他の材料としては、例えば、ポリオレフィン(例:高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン等)、ナイロン、ポリエステル、塩化ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)などの熱可塑性重合体、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムなどの架橋ゴム、ポリプロピレン/EPDM複合体などの熱可塑性エラストマー、金属、ガラス、木材、セラミックなどをあげることができる。
該積層構造を有する成形品においては、本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層と他の材料からなる基材層との間に接着剤層を介在させてもよい。接着剤層を介在させることによって、本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層と他の材料からなる基材層とを強固に接合一体化させることができる。接着剤層において使用される接着剤としては、ジエン系重合体の酸無水物変性物;ポリオレフィンの酸無水物変性物;高分子ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール化合物とアジピン酸等の二塩基酸とを重縮合して得られるポリエステルポリオール;酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体の部分ケン化物など)とポリイソシアネート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアネートなど)との混合物(例えば、1,6−ヘキサメチレングリコール等のグリコール化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とのモル比1対2の反応生成物;トリメチロールプロパン等のトリオール化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とのモル比1対3の反応生成物など);等を使用することができる。なお、積層構造形成のためには、共押出、共射出、押出コーティング等の公知の方法を使用することもできる。
本発明には、本発明の熱可塑性重合体組成物単独の層からなる燃料ホースまたは燃料容器が包含される。燃料ホースの用途は特に限定されないが、例えば、自動車用のフィラーホース、エバポホース、ブリーザーホース等があげられる。また、燃料容器の用途は特に限定されないが、例えば、自動車用の燃料容器、自動2輪車用の燃料容器、小型発電機の燃料容器、芝刈機の燃料容器等があげられる。
また、本発明には、本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層を含む多層燃料ホースまたは多層燃料容器が包含される。該多層燃料ホースまたは多層燃料容器としては、本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層と、他の材料からなる少なくとも1つの層からなり、これらの層が接着剤層を介在させないで、あるいは介在させて、互いに接着しているものである。
そして、他の材料からなる層としては、本発明の熱可塑性重合体組成物以外のゴムからなる層や熱可塑性樹脂からなる層があげられる。
該ゴムとしては、耐薬品性や柔軟性の観点から、アクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはその水素添加ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム、フッ素ゴム、エピクロロヒドリンゴム、EPDMおよびアクリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種からなるゴムが好ましく、アクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはその水素添加ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴム、フッ素ゴム、エピクロロヒドリンゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種ゴムからなることがより好ましい。
また、該熱可塑性樹脂としては、燃料バリア性の観点から、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂が好ましく、フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種からなる熱可塑性樹脂がより好ましい。
上記に示した本発明により得られた熱可塑性重合体組成物からなる層、および他のゴムもしくは他の熱可塑性樹脂からなる層からなる燃料ホースまたは燃料容器としては、特に限定されず、例えば、自動車用のフィラーホース、エバポホース、ブリーザーホース等の燃料ホース;自動車用の燃料容器、自動2輪車用の燃料容器、小型発電機の燃料容器、芝刈機の燃料容器等の燃料容器があげられる。
この内、本発明の熱可塑性重合体組成物からなる層、および他のゴムからなる層からなる燃料ホースとしては、アクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはその水素添加ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムあるいはエピクロロヒドリンゴムからなる外層、本発明の熱可塑性重合体組成物からなる中間層、およびフッ素ゴムからなる内層の3層から構成される燃料ホース、あるいはアクリロニトリル−ブタジエンゴムまたはその水素添加ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴムとポリ塩化ビニルとのブレンドゴムあるいはエピクロロヒドリンゴムからなる外層、および本発明の熱可塑性重合体組成物からなる内層の2層から構成される燃料ホースが、優れた燃料バリア性・柔軟性・耐薬品性を示す点で好ましい。
また、本発明の燃料バリア性材料からなる層と他の材料からなる層を有する積層構造体を作製する場合、必要に応じて本発明の燃料バリア性材料に表面処理を行ってもよい。この表面処理としては、接着を可能とする処理方法であれば、その種類は特に制限されるものではなく、例えばプラズマ放電処理やコロナ放電処理等の放電処理、湿式法の金属ナトリウム/ナフタレン液処理などが挙げられる。また、表面処理としてプライマー処理も好適である。プライマー処理は常法に準じて行うことができる。プライマー処理を施す場合、表面処理を行っていないフッ素樹脂の表面を処理することもできるが、プラズマ放電処理、コロナ放電処理、金属ナトリウム/ナフタレン液処理などを予め施した燃料バリア性材料の表面を更にプライマー処理すると、より効果的である。
本発明の熱可塑性重合体組成物、および該組成物からなる成形品は、以下に示す分野で好適に用いることができる。
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、チューブ、ロール、コーティング、ライニング、ガスケット、ダイアフラム、ホース等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置、薬液配管、ガス配管に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング、シール材として、クォーツウィンドウのOリング、シール材として、チャンバーのOリング、シール材として、ゲートのOリング、シール材として、ベルジャーのOリング、シール材として、カップリングのOリング、シール材として、ポンプのOリング、シール材、ダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用のOリング、シール材として、ウェハー洗浄液用のホース、チューブとして、ウェハー搬送用のロールとして、レジスト現像液槽、剥離液槽のライニング、コーティングとして、ウェハー洗浄液槽のライニング、コーティングとしてまたはウェットエッチング槽のライニング、コーティングとして用いることができる。さらに、封止材・シーリング剤、光ファイバーの石英の被覆材、絶縁、防振、防水、防湿を目的とした電子部品、回路基盤のポッティング、コーティング、接着シール、磁気記憶装置用ガスケット、エポキシ等の封止材料の変性材、クリーンルーム・クリーン設備用シーラント等として用いられる。
自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材およびホースはエンジンならびに周辺装置に用いることができ、ホースおよびシール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、チューブ、パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、オイルホース、酸素センサー用シール、ATFホース、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、燃料ホース、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、EGRチューブ、ツインキャブチューブ、キャブレターのセンサー用ダイアフラム、防振ゴム(エンジンマウント、排気部等)、再燃焼装置用ホース、酸素センサーブッシュ等として用いることができる。
航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)リング、バルブ、チューブ、パッキン、ホース、シール材等があげられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステムシール、燃料供給用ホース、ガスケットおよびO−リング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。
プラント等の化学品分野では、ライニング、バルブ、パッキン、ロール、ホース、ダイアフラム、O(角)リング、チューブ、シール材、耐薬品用コーティング等があげられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキング、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、耐トリクレン用ロール(繊維染色用)、耐酸ホース(濃硫酸用)、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、塩素ガス移送ホース、ベンゼン、トルエン貯槽の雨水ドレンホース、分析機器、理化学機器のシール、チューブ、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
医薬品等の薬品分野では、薬栓等として用いることができる。
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、ロール等があげられ、それぞれフィルム現像機・X線フィルム現像機、印刷ロールおよび塗装ロールに用いることができる。具体的には、フィルム現像機・X線フィルム現像機の現像ロールとして、印刷ロールのグラビアロール、ガイドロールとして、塗装ロールの磁気テープ製造塗工ラインのグラビアロール、磁気テープ製造塗工ラインのガイドロール、各種コーティングロール等として用いることができる。さらに、乾式複写機のシール、印刷設備の印刷ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、塗布、塗装設備の塗布ロール、スクレーパー、チューブ、弁部品、プリンターのインキチューブ、ロール、ベルト、乾式複写機のベルト、ロール、印刷機のロール、ベルト等として用いることができる。
またチューブを分析・理化学機分野に用いることができる。
食品プラント機器分野では、ライニング、バルブ、パッキン、ロール、ホース、ダイアフラム、O(角)リング、チューブ、シール材、ベルト等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
原子力プラント機器分野では、パッキン、Oリング、ホース、シール材、ダイアフラム、バルブ、ロール、チューブ等があげられる。
鉄板加工設備等の鉄鋼分野では、ロール等があげられ、鉄板加工ロール等に用いることができる。
一般工業分野では、パッキング、Oリング、ホース、シール材、ダイアフラム、バルブ、ロール、チューブ、ライニング、マンドレル、電線、フレキシブルジョイント、ベルト、ゴム板、ウェザーストリップ、PPC複写機のロール、ロールブレード、ベルト等があげられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)、印刷機のロール、ベルト、酸洗い用絞りロール等に用いられる。
電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール、油井ケーブルのジャケット等として用いられる。
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、エポキシ等のプリント配線板プリプレグ樹脂の変性材、電球等の飛散防止材、コンピューターのハードディスクドライブのガスケット等に用いられる。
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、たとえば、自動車エンジン用メタルガスケットのコーティング剤、エンジンのオイルパンのガスケット、複写機・プリンター用のロール、建築用シーリング剤、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤、プリント基盤のコーティング剤、電気・電子部品の固定剤、電気機器リード線端子の絶縁防湿処理、電気炉等のオーブンのシール、シーズヒーターの末端処理、電子レンジの窓枠シール、CRTウェッジおよびネックの接着、自動車電装部品の接着、厨房、浴室、洗面所等の目地シール等があげられる。
本発明の成形品は上述の各種用途に好適に用いることができ、特に燃料周辺部品として好適である。また、本発明の成形品は、特に、シール材、パッキン、ローラー、チューブまたはホースとして有用である。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<加硫特性>
JSR型キュラストメータII型を用いて170℃、220℃および250℃における加硫曲線を求め、トルクの変化より、最低粘度(ML)、加硫度(MH)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を求めた。加熱状態で30分以上経過してもトルクの変化が見られない場合、加硫反応は進行していないとみなす。
<ラボプラストミルによる混練>
フッ素樹脂(A)とフッ素ゴム組成物(b)の混練は、ラボプラストミル((株)東洋精機製作所製)を用いて行う。混練するフッ素樹脂(A)とフッ素ゴム組成物(b)は、それらの合計体積が、ラボプラストミルの混練部全容積の77体積%となるように全量を調整する。ラボプラストミルの温度は、組成物に用いたフッ素樹脂(A)の融点より30〜70℃高い温度に設定する。ラボプラストミルの温度が安定した後、フッ素樹脂を添加し、5〜10分間10rpmで攪拌を行い、フッ素樹脂を溶融させる。溶融状態のフッ素樹脂に、フッ素ゴム組成物を添加し、添加後即、攪拌数を100rpmに上昇させる。トルクが最大の値を示した時点(キュラストII型で測定したT90に対応する)から、10分後まで攪拌し、熱可塑性重合体組成物を得た。
<硬度>
実施例および比較例で製造した熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、熱プレス機により270℃、5MPaの条件下で圧縮成形し、厚さ2mmのシート状試験片を作製し、これらを用いてJIS−K6301に準じてA硬度を測定した。
<引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率>
実施例および比較例で製造した熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、該ペレットを熱プレス機により270℃、5MPaの条件下で圧縮成形し、厚さ2mmのシート状試験片を作製し、ASTM V型ダンベルを用いて幅3.18mmのダンベル状試験片を打ち抜く。得られたダンベル状試験片を用いて、オートグラフ((株)島津製作所製 AGS―J 5kN)を使用して、ASTM D638に準じて、50mm/分の条件下で、25℃で引張破断伸び、引張破断強度および引張弾性率を測定する。
<燃料透過性>
実施例および比較例で製造した熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、該ペレットを熱プレス機により270℃、5MPaの条件下で圧縮成形し、厚さ0.5mmのシート状試験片を作製した。20mLの容積を有するSUS製容器(開放部面積1.26×10-32)に模擬燃料であるCE10(トルエン/イソオクタン/エタノール=45/45/10容量%)を18mL入れて、前記シート状試験片を容器開放部にセットして密閉することで、試験体とする。該試験体を恒温装置(60℃)に入れ、試験体の重量を測定し、単位時間あたりの重量減少が一定となったところで下記の式により燃料透過係数を求めた。
Figure 0005120251
<流動性>
実施例および比較例で製造した熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、メルトフローレート測定装置((株)東洋精機製作所製)を使用して、297℃、5kgまたは10kgの荷重の条件下でメルトフローレート(MFR)を測定した。
<接着性評価試験>
実施例で製造した燃料バリア性材料のペレットを用いて、上記方法で厚さ0.5mmのシート状試験片を作製した。このシート試験片、あるいはこのシート試験片の表面を処理したシートとゴム組成物を重ね金型にセットし、ヒートプレス機により、170℃にて3MPaの負荷を15〜30分与え、加硫ゴム−燃料バリア性材料積層体を成型した。加硫ゴム−燃料バリア性材料積層体をそれぞれ1.0cm幅×10cmの短冊状に切断して接着試験用試験片を作製し、この試験片について、JIS−K−6256(加硫ゴムの接着試験方法)に記載の方法に準拠し、25℃において50mm/minの引張速度で剥離試験を行った。
<大気圧プラズマ処理>
燃料バリア性材料のシートの表面を大気圧プラズマ処理機により、高圧電極と低圧電極の極間を3mmに設定し、周波数5kHzの交流電源を用い、2.2kVの電圧を印加し、Ar/He(vol)比=50/50、水素濃度を2((vol)%)、プラズマエネルギー密度を2(J/cm2)という条件でプラズマ処理を行った。
<コロナ放電処理>
コロナ処理装置の放電電極(30cm幅)をアクリル樹脂製の容器で覆い、大気圧下、空気を10L/分で流した。タンテック社製HV05−2型電源を用い、コロナ出力250Wでシートの移動速度1mm/分で燃料バリア性材料のシートの表面を処理した。
<金属ナトリウム/ナフタレン液処理>
燃料バリア性材料のシートを金属ナトリウム/ナフタレン液(テトラエッチ、(株)潤工社製)に5秒間浸漬処理した。処理されたフィルムをエチルアルコール、水で十分に洗浄した後、80℃のオーブンで乾燥した。
<フッ素ゴム>
VdF、TFEおよびHFPからなる3元系ゴム(VdF:TFE:HFP=50:20:30モル%、100℃におけるムーニー粘度=88)
<架橋剤(C1)>
ポリオール系架橋剤:2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(ダイキン工業(株)製「ビスフェノールAF」)
<架橋剤(C2)>
ポリアミン系架橋剤:N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン(ダイキン工業(株)製「V-3」)
<架橋促進剤(D)>
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド(BTPPC、北興化学工業(株)製)
<熱可塑性樹脂(非フッ素系)>
(株)クラレ製エチレンビニルアルコール樹脂「エバールF101」(融点:183℃)上記の方法で物性を評価した結果、引っ張り弾性率は2000MPa以上、燃料透過係数は0.3(g・mm)/(m2・day)であった。
<熱可塑性エラストマー(フッ素系)>
ダイネオン製「THV 200G」(比較例1)、ダイネオン製「THV 500G」(比較例2)またはダイネオン製「THV 815G」(比較例3)
製造例1(熱可塑性樹脂(フッ素系)の製造)
水1316Lを収容できるジャケット付攪拌式重合槽に、脱ミネラルした純水392kgを仕込み、内部空間を純窒素ガスで充分置換した後、窒素ガスを真空で排除した。次いでオクタフルオロシクロブタン307kg、CTFE20.41kg、TFE35.3kg、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)22.42kgを圧入し、温度を35℃に調節し、攪拌を開始した。ここへ重合開始剤としてジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)の50質量%メタノール溶液を4.49kg添加して重合を開始した。重合中には、所望の共重合体組成と同組成に調製した混合モノマーを、槽内圧力が0.69MPaを維持するように追加仕込みしながら重合した後、槽内の残存ガスを排気して生成したポリマーを取り出し、脱ミネラルした純水で洗浄し、乾燥させて183.7kgの粒状粉末のCTFE共重合体を得た。次いでφ50mm短軸押出し機を用いてシリンダー温度280℃で溶融混練を行い、ペレットを得た。次いで得られたペレット状のCTFE共重合体を180℃で24時間加熱した。
熱可塑性樹脂(フッ素系)の組成は、CTFE/TFE/PPVE=44.5/53.4/2.1(モル%)であり、融点は221℃であった。また、上記の方法で物性を評価した結果、引っ張り弾性率は520MPa、燃料透過係数は0.3(g・mm)/(m2・day)であった。
製造例2(フッ素ゴム組成物(b−2−1)の調製)
上記のフッ素ゴム100.0重量部に、架橋剤(C1)2.0重量部(X)、架橋促進剤(D)1.0重量部(Y)、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業(株))3.0重量部を添加し、8インチオープンロールを用いて混練し、フッ素ゴム組成物(b−2−1)を作製した。
フッ素ゴム組成物(b−2−1)の配合とこれらの加硫特性を表1に示す。フッ素ゴム組成物(b−2−1)は、170℃では加硫反応が進行せず、250℃における加硫時間T90は4.0分であった。
製造例3(フッ素ゴム組成物(b−2−2)の調製)
上記のフッ素ゴム100.0重量部に、架橋剤(C1)2.0重量部(X)、架橋促進剤(D)0.77重量部(Y)、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業(株))3.0重量部および水酸化カルシウム(カルディック2000、近江化学工業(株)製)6.0重量部を添加し、8インチオープンロールを用いて混練し、フッ素ゴム組成物(b−2−2)を作製した。
フッ素ゴム組成物(b−2−2)の配合とこれらの加硫特性を表1に示す。フッ素ゴム組成物(b−2−2)は、170℃では加硫反応が進行せず、220℃における加硫時間T90は4.2分であった。
Figure 0005120251
実施例1
上記した熱可塑性樹脂(フッ素系)90重量部とフッ素ゴム組成物(b−2−1)10重量部を温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件下でラボプラストミルにて溶融混練し、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、上記した方法で硬度、引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率、燃料透過性およびメルトフローレートの評価を行った結果を表2に示す。
実施例2
上記した熱可塑性樹脂(フッ素系)70重量部とフッ素ゴム組成物(b−2−1)30重量部を温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件下でラボプラストミルにて溶融混練し、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、上記した方法で硬度、引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率、燃料透過性およびメルトフローレートの評価を行った結果を表2に示す。
実施例3
上記した熱可塑性樹脂(フッ素系)50重量部とフッ素ゴム組成物(b−2−1)50重量部を温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件下でラボプラストミルにて溶融混練し、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、上記した方法で硬度、引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率、燃料透過性およびメルトフローレートの評価を行った結果を表2に示す。
実施例4
上記した熱可塑性樹脂(フッ素系)30重量部とフッ素ゴム組成物(b−2−1)70重量部を温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件下でラボプラストミルにて溶融混練し、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、上記した方法で硬度、引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率、燃料透過性およびメルトフローレートの評価を行った結果を表2に示す。
比較例1〜3
ダイネオン製「THV 200G」(比較例1)、ダイネオン製「THV 500G」(比較例2)またはダイネオン製「THV 815G」(比較例3)のペレットを用いて、上記した方法で硬度、引張破断強度、引張破断伸び、引張弾性率、燃料透過性およびメルトフローレートの測定を行った結果を表2に示す。
比較例4
上記した熱可塑性樹脂(非フッ素系)70重量部とフッ素ゴム組成物(b−2−1)30重量部を温度250℃、スクリュー回転数100rpmの条件下でラボプラストミルにて溶融混練し、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、上記した方法でシートを作製しようと試みたが、良好な膜質のシートを得ることはできなかった。このシートの引っ張り試験を行ったところ、引張破断強度は3MPa以下、引張破断伸びは50%以下であった。また、同様に、膜質の問題から、燃料透過試験を行うことはできなかった。評価の結果を表2に示す。
比較例5
上記した熱可塑性樹脂(非フッ素系)70重量部とフッ素ゴム組成物(b−2−2)30重量部を温度220℃、スクリュー回転数100rpmの条件下でラボプラストミルにて溶融混練し、熱可塑性重合体組成物を得た。得られた熱可塑性重合体組成物のペレットを用いて、上記した方法でシートを作製しようと試みたが、良好な膜質のシートを得ることはできなかった。このシートの引っ張り試験を行ったところ、引張破断強度は3MPa以下、引張破断伸びは50%以下であった。また、同様に、膜質の問題から、燃料透過試験を行うことはできなかった。評価の結果を表2に示す。
Figure 0005120251
実施例1〜4により得られた熱可塑性樹脂組成物は、比較例1〜3で使用した熱可塑性エラストマー(フッ素系)と比較して、燃料透過性に優れており、かつ燃料透過性と柔軟性のバランスに優れていることがわかった。
また、実施例1〜4により得られた熱可塑性樹脂組成物は、走査型電子顕微鏡(日本電子(株)製)によるモルフォロジー観察により、熱可塑性樹脂(A)が連続相を形成しかつ架橋フッ素ゴム(B)が分散相を形成する構造を有することがわかった。架橋フッ素ゴム(B)の分散粒子径は、実施例1〜4において、全て20μm以下であった。
製造例4(フッ素ゴム組成物(b−2−3)の調製)
フッ素ゴム100.0重量部に、架橋剤(C1)2.0重量部、架橋促進剤(D)0.5重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業(株))3.0重量部、水酸化カルシウム(カルディック2000、近江化学工業(株))6.0重量部、カーボンブラック(Thermax N−990、Cancarb Ltd.)20.0重量部を添加し8インチオープンロールを用いて混練し、フッ素ゴム組成物(b−2−3)を作製した。
製造例5(フッ素ゴム組成物(b−2−4)の調製)
フッ素ゴム100.0重量部に、架橋剤(C2)3.0重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ30、協和化学工業(株))15.0重量部、カーボンブラック(Thermax N−990、Cancarb Ltd.)20.0重量部を添加し8インチオープンロールを用いて混練し、フッ素ゴム組成物(b−2−4)を作製した。
製造例6(エピクロロヒドリンゴム組成物の調製)
エピクロロヒドリンゴム(エピクロマーCG、ダイソー株式会社)100.0重量部に、カーボンブラック(N−550、Cancarb Ltd.)80重量部、Plasticizer(ADK cizer RS―107、旭電化工業株式会社)5.0重量部、Lubricant(Splender R−300)2.0重量部、老化防止剤(ノクラックNBC、大内新興化学工業(株))2.0重量部、合成ハイドロタルサイト(DHT−4A、協和化学工業(株))3.0重量部、酸化マグネシウム(キョーワマグ150、協和化学工業(株))3.0重量部、DBUフェノール樹脂塩(P−152)1.5重量部、6−メチルキノキサリン−2,3−ジチオカーボネート(ダイソネット XL−21S、ダイソー株式会社)1.5重量部を添加し8インチオープンロールを用いて混練し、エピクロロヒドリンゴム組成物を作製した。
実施例2で得られた燃料バリア性材料のシートと、製造例4で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−3)、製造例5で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−4)、および製造例6で示す製造方法により得られたエピクロロヒドリンゴム組成物との接着性評価試験を上記の方法により行った。その剥離強度は、フッ素ゴム組成物(b−2−3)を用いた場合が9N/cm、フッ素ゴム組成物(b−2−4)を用いた場合が22N/cm、エピクロロヒドリンゴム組成物を用いた場合が8N/cmであり、用いたゴム組成物の種類にかかわらず、燃料バリア性材料と加硫ゴムシートの界面が剥離していた。
実施例2で得られた燃料バリア性材料のシートの表面を大気圧プラズマ処理し表面処理を行ったシートと、製造例4で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−3)、製造例5で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−4)、および製造例6で示す製造方法により得られたエピクロロヒドリンゴム組成物との接着性評価試験を上記の方法により行った。用いたゴム組成物の種類にかかわらず、加硫ゴムシート部位が材料破壊し、その剥離強度は30N/cm以上であることがわかった。
実施例2で得られた燃料バリア性材料のシートの表面をコロナ放電処理し表面処理を行ったシートと、製造例4で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−3)、製造例5で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−4)、および製造例6で示す製造方法により得られたエピクロロヒドリンゴム組成物との接着性評価試験を上記の方法により行った。用いたゴム組成物の種類にかかわらず、加硫ゴムシート部位が材料破壊し、その剥離強度は30N/cm以上であることがわかった。
実施例2で得られた燃料バリア性材料のシートの表面を金属ナトリウム/ナフタレン液処理し表面処理を行ったシートと、製造例4で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−3)、製造例5で示す製造方法により得られたフッ素ゴム組成物(b−2−4)、および製造例6で示す製造方法により得られたエピクロロヒドリンゴム組成物との接着性評価試験を上記の方法により行った。用いたゴム組成物の種類にかかわらず、加硫ゴムシート部位が材料破壊し、その剥離強度は30N/cm以上であることがわかった。
本発明の熱可塑性重合体組成物から得られる成形品は、特定のフッ素樹脂を用いることで、優れた耐燃料透過性と柔軟性を兼ね備え、かつ成形加工性に優れているものである。

Claims (7)

  1. クロロトリフルオロエチレン単位およびテトラフルオロエチレン単位を合計で90〜99.9モル%と、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)0.1〜10モル%とを含むフッ素樹脂(A)と少なくとも一部が架橋されている架橋フッ素ゴム(B)からなる熱可塑性重合体組成物。
  2. 架橋フッ素ゴム(B)が、フッ素樹脂(A)の存在下、フッ素樹脂(A)の溶融条件下にて、フッ素ゴム組成物(b)を動的に架橋処理したものである請求の範囲第1項記載の熱可塑性重合体組成物。
  3. フッ素樹脂(A)が、さらにクロロトリフルオロエチレンおよびテトラフルオロエチレンと共重合可能な単量体(a)単位を含むフッ素樹脂である請求の範囲第1項または第2項記載の熱可塑性重合体組成物。
  4. 単量体(a)が、エチレン、ビニリデンフルオライド、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)および一般式(1):
    CX12=CX3(CF2n4 (1)
    (式中、X1〜X3は同一または異なるものであり、それぞれ水素原子、フッ素原子または−CF3であり、X4は水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、nは1〜10の整数である)
    で示されるビニル単量体からなる群から選ばれる1つ以上の単量体である請求の範囲第3項記載の熱可塑性重合体組成物。
  5. 請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物から形成される成形品。
  6. 請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物から形成される燃料チューブ。
  7. 請求の範囲第1項〜第4項のいずれかに記載の熱可塑性重合体組成物から形成される燃料ホース。
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