JP2018005064A - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 - Google Patents
感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018005064A JP2018005064A JP2016133773A JP2016133773A JP2018005064A JP 2018005064 A JP2018005064 A JP 2018005064A JP 2016133773 A JP2016133773 A JP 2016133773A JP 2016133773 A JP2016133773 A JP 2016133773A JP 2018005064 A JP2018005064 A JP 2018005064A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- structural unit
- preferable
- polymer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- WLOQLWBIJZDHET-UHFFFAOYSA-N c(cc1)ccc1[S+](c1ccccc1)c1ccccc1 Chemical compound c(cc1)ccc1[S+](c1ccccc1)c1ccccc1 WLOQLWBIJZDHET-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 0 [*-]C(C(F)(F)F)OC(C1(CC(C2)C3)CC3CC2C1)=O Chemical compound [*-]C(C(F)(F)F)OC(C1(CC(C2)C3)CC3CC2C1)=O 0.000 description 2
- KPPWZXGQQBCVGZ-UHFFFAOYSA-N OS(CC(OC(C1CC2C3C1)C3OS2(=O)=O)=O)(=O)=O Chemical compound OS(CC(OC(C1CC2C3C1)C3OS2(=O)=O)=O)(=O)=O KPPWZXGQQBCVGZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
Description
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体と[B]酸発生体と[C]溶媒とを含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[D]酸拡散制御体及び/又は[E][A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)を含有してもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)を有することで、LWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、MEEF性能及び膜収縮抑制性(以下、「LWR性能等」ともいう)に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]重合体の構造単位(I)は、酸の作用により分解してヒドロキシ基を生じるアセタール構造を2つ有している。この構造単位(I)は、酸の作用により分解し易く、かつヒドロキシ基を2つ生じるため、露光部と未露光部との間のコントラストをより大きくすることができる。また、構造単位(I)は、多くの酸素原子を含み、高い極性を有しているため、[B]酸発生体から発生した酸の拡散長を適度に短くすることができる。これらの結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能、CDU性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及びMEEF性能を向上させることができる。また、露光部の構造単位(I)において、酸の作用により2つのヒドロキシ基を生じるため、[A]重合体の重合体鎖のヒドロキシ基間の水素結合等により、PEBの際のレジスト膜の収縮を抑えることができると考えられ、当該感放射線性樹脂組成物は膜収縮抑制性に優れる。
構造単位(I)は、基(I)を含む構造単位である。基(I)は、下記式(1)で表される基である。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環の脂環式飽和炭化水素基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環の脂環式不飽和炭化水素基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環の脂環式不飽和炭化水素基などが挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環の飽和脂環構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環の飽和脂環構造;
インデン構造等の単環の芳香族炭素環構造;
フルオレン構造等の多環の芳香族炭素環構造;
オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造等の単環の脂肪族複素環構造;
オキサノルボルナン構造、オキサアダマンタン構造等の多環の脂肪族複素環構造などが挙げられる。
上記式(A−2)中、RAは、炭素数1〜19の1価の有機基である。
上記式(A−3)中、RBは、炭素数1〜10の1価の有機基である。pは、0〜4の整数である。pが2以上の場合、複数のRBは同一でも異なっていてもよい。
構造単位(II)は、構造単位(I)以外の構造単位であって、酸解離性基を含む構造単位である。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(I)に加え構造単位(II)を有することで、感度がより高まり、その結果、LWR性能等をより向上させることができる。
構造単位(II−1)は、下記式(2)で表される構造単位である。上記式(2)における−CR15R16R17で表される基が酸解離性基である。
構造単位(II−2)は、アセタール構造を含む構造単位である。アセタール構造を含む基としては、例えば下記式(X)で表される基(以下、「基(X)」ともいう)等が挙げられる。基(X)は、酸の作用により分解して、*−OH、RXRY=O及びRZOHを生じる。基(X)において−C(RX)(RY)(ORZ)が酸解離性基である。
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性をより調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(III)以外のその他の構造単位を有していてもよい。その他の構造単位としては、例えばヒドロキシ基を含む構造単位等が挙げられる。ヒドロキシ基としては、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基等が挙げられる。[A]重合体がフェノール性水酸基を含む構造単位を有すると、KrF露光、EUV露光、電子線露光等の場合の感度をより高めることができる。
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基、ヒドロキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロノナン構造、シクロデカン構造、シクロドデカン構造等の単環の飽和脂環構造;
シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造等の単環の不飽和脂環構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環の飽和脂環構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の多環の不飽和脂環構造などが挙げられる。
ヘキサノラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
ヘキサノスルトン構造、ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造;
オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造;
アザシクロヘキサン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造;
チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造のイオウ原子含有複素環構造などが挙げられる。
ベンゼン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造等が挙げられる。
フラン構造、ピラン構造、ベンゾピラン構造等の酸素原子含有複素環構造;
ピリジン構造、ピリミジン構造、インドール構造等の窒素原子含有複素環構造などが挙げられる。
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基;
i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基などが挙げられる。
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
[C]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体及び所望により含有される[D]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
酢酸プロピレングリコール等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[D]酸拡散制御体を含有してもよい。[D]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性が向上すると共に、レジストとしての解像度がより向上する。さらに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[D]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[D]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[E]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体である。当該感放射線性樹脂組成物が、[E]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、膜中の含フッ素重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[E]重合体の撥水性的特徴により、レジスト被膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト被膜を形成することができる。
構造単位(Ea)は、下記式(6a)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(Ea)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル等の直鎖部分フッ素化アルキル(メタ)アクリル酸エステル;
1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル等の分岐鎖部分フッ素化アルキル(メタ)アクリル酸エステル;
パーフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステル等の直鎖パーフルオロアルキル(メタ)アクリル酸エステル;
パーフルオロi−プロピル(メタ)アクリル酸エステル等の分岐鎖パーフルオロアルキル(メタ)アクリル酸エステルなどのフッ素化鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、
パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリル酸エステル、モノフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリル酸エステル等の単環のフッ素化脂環式飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;
フルオロノルボルニル(メタ)アクリル酸エステル等の多環のフッ素化脂環式飽和炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどのフッ素化脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの中で、フッ素化鎖状炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルが好ましく、直鎖部分フッ素化アルキル(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリル酸エステルがさらに好ましい。
構造単位(Eb)は、下記式(6b)で表される構造単位である。[E]重合体は、構造単位(Eb)を有することで疎水性が上がるため、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面の動的接触角をさらに向上させることができる。
[E]重合体は、構造単位(Ea)及び(Eb)以外にも、酸解離性基を含む構造単位(以下、「構造単位(Ec)」ともいう。)を有してもよい(但し、構造単位(Eb)に該当するものを除く)。[E]重合体が構造単位(Ec)を有することで、得られるレジストパターンの形状がより良好になる。構造単位(Ec)としては、上述の[A]重合体における構造単位(II)等が挙げられる。
また、[E]重合体は、上記構造単位以外にも、例えばアルカリ可溶性基を含む構造単位、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位、脂環式基を含む構造単位等の他の構造単位を有していてもよい。上記アルカリ可溶性基としては、例えばカルボキシ基、スルホンアミド基、スルホ基等が挙げられる。ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位としては、上述の[A]重合体における構造単位(III)等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有する場合等に、[E]重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、[E]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、解像性、LWR性能等を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制することや、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
界面活性剤は、塗工性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。界面活性剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましい。
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、5質量部が好ましい。
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]溶媒並びに必要に応じて含有される[D]酸拡散制御剤等を所定の割合で混合し、好ましくは得られた混合物を、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することにより調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。
当該レジストパターン形成方法は、基板の一方の面に、当該感放射線性樹脂組成物を塗工する工程(以下、「塗工工程」ともいう)と、上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)とを備える。
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、レジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗工方法としては、例えば回転塗工(スピンコーティング)、流延塗工、ロール塗工等が挙げられる。塗工した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PBの温度の下限としては、60℃が好ましく、80℃がより好ましい。上記温度の上限としては、140℃が好ましく、120℃がより好ましい。PBの時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。上記時間の下限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。形成されるレジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、500nmがより好ましい。
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介して(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV及び電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV及び電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV及び電子線がさらに好ましい。
本工程では、露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像工程における現像方法は、アルカリ現像であっても、有機溶媒現像であってもよい。有機溶媒現像の場合、露光部がレジストパターンを形成するため、当該感放射線性樹脂組成物が膜収縮抑制性に優れることによる利益が大きい。
当該重合体は、上記基(I)を含む構造単位を有する重合体である。当該重合体は、上述の性質を有するので、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができ、これを含有する感放射線性樹脂組成物は、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及び膜収縮抑制性に優れる。
当該化合物は、上記式(i)で表される化合物である。当該化合物は、上述の性質を有するので、当該重合体の原料単量体として好適に用いることができる。
東ソー製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本、G4000HXL:1本)を用い、流量:1.0mL/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、試料濃度:1.0質量%、試料注入量:100μL、カラム温度:40℃、検出器:示差屈折計の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。また、分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果より算出した。
核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して、各重合体における各構造単位の含有割合(モル%)を求める分析を行った。
[実施例1](化合物(M−1)の合成)
300mLの丸底フラスコに(m−1)13.8g(78.5mmol)、ジアセチル13.5g(157mmol)、オルトギ酸トリメチル25.0g(236mmol)、メタノール100mL、p-トルエンスルホン酸一水和物1.49g(7.85mmol)を加え、70℃にて6時間加熱撹拌した。室温まで冷却した後、過剰のジアセチルおよび
オルトギ酸トリメチルを減圧留去した。酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で3回洗浄した。水で1回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を留去した後、カラムクロマトグラフィで精製することにより、(M−1)を10.2g(収率45%)得た。
前駆体を適宜選択し、実施例1と同様の操作を行うことによって、下記式(M−2)〜(M−12)で表される化合物を合成した。
[A]重合体及び[E]重合体の合成で用いた単量体を以下に示す。
[実施例13](重合体(A−1)の合成)
化合物(M−1)4.79g(20モル%)、化合物(M’−10)5.51g(30モル%)及び化合物(M’−1)9.70g(50モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.72g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(16.8g、収率84%)。重合体(A−1)のMwは7,400であり、Mw/Mnは1.54であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M’−10)及び(M’−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ19.9モル%、30.2モル%及び49.9モル%であった。
下記表1〜3に示す種類及び使用量の単量体を用い、実施例13と同様の操作を行うことによって、重合体(A−2)〜(A−21)及び(A−23)〜(A−29)並びに(CA−1)〜(CA−11)を合成した。
化合物(M’−3)47.0g(60モル%)、化合物(M−1)53.0g(40モル%)、ラジカル重合開始剤としてのAIBN3.97g(全単量体に対して5モル%)、並びにt−ドデシルメルカプタン1、14gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合させた。重合反応終了後、重合反応液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで得られた重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらに、メタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶剤及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−22)を得た(66.2g、収率75%)。重合体(A−22)のMwは7400であり、Mw/Mnは1.89であった。13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレン及び(M−1)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ60.1モル%及び39.9モル%であった。
[合成例12](重合体(E−1)の合成)
化合物(M’−12)79.9g(70モル%)及び化合物(M’−17)20.91g(30モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート4.77gを溶解させて単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。重合反応液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンで上記重合反応液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(E−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率60%)。重合体(E−1)のMwは7,200であり、Mw/Mnは2.00であった。13C−NMR分析の結果、(M’−12)及び(M’−17)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ71.1モル%及び28.9モル%であった。
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]溶媒、[D]酸拡散制御剤及び[F]偏在化促進剤について以下に示す。
各構造式を以下に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
B−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
C−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
C−2:シクロヘキサノン
各構造式を以下に示す。
D−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート
D−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
D−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
D−4:2,6−ジi−プロピルアニリン
D−5:トリス[2−(2−メトキシメトキシ)エチル]アミン
F−1:γ−ブチロラクトン
[実施例42]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]溶媒としての(C−1)2,240質量部及び(C−2)960質量部、[D]酸拡散制御剤としての(D−1)2.3質量部、[E]重合体としての(E−1)3質量部、並びに[F]偏在化促進剤としての(F−1)30質量部を混合し、得られた混合物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
下記表4及び表5に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例42と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J−2)〜(J−32)及び(CJ−1)〜(CJ−11)を調製した。
[実施例74〜105及び比較例13〜24]
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(日産化学工業社の「ARC66」)を塗工した後、205℃で60秒間加熱することにより、平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して、上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、乾燥してネガ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量とした。
上記形成したレジストパターンについて下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物を下記項目について評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。評価結果を下記表6に示す。
レジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、この値をLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど良いことを示す。LWR性能は、4.00nm以下の場合は「良好」と、4.00nmを超える場合は「不良」と評価できる。
上記最適露光量以下の露光量にてターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースとなるマスクパターンを介して露光した際、露光量の減少と共に得られるラインパターンの最小線幅を解像性(nm)とした。解像性は、35nm以下の場合は「良好」と、35nmを超える場合は「不良」と評価できる。
上記最適露光量において解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの中間での線幅Lb及び膜の上部での線幅Laを測定して、La/Lbを算出し、これを断面形状の矩形性の指標とした。断面形状の矩形性は、0.90≦La/Lb≦1.10である場合は「良好」と、La/Lb<0.90又は1.10<La/Lbである場合は「不良」と評価できる。
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定結果を焦点深度(nm)とした。焦点深度は、値が大きいほど良いことを示す。焦点深度は、40nm以上の場合は「良好」と、40nm未満の場合は「不良」と評価できる。
上記「レジストパターンの形成(1)」に記載の方法により、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、70mJで全面露光を行った後に膜厚測定を実施し、膜厚Aを求めた。次いで、90℃で60秒間のPEBを実施した後に、再度膜厚測定を実施し膜厚Bを求めた。膜厚A及び膜厚Bの値から、100×(A−B)/A(%)を算出し、このPEBによる膜収縮率の値を、膜収縮抑制性の指標とした。膜収縮抑制性は、値が小さいほど良いことを示す。膜収縮抑制性は、20%以下の場合は「良好」と、20%を超える場合は「不良」と評価できる。
[実施例106〜137及び比較例25〜36]
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(日産化学工業社の「ARC66」)を塗工した後、205℃で60秒間加熱することにより、平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して、上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、クロスポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、45nmホール/90nmピッチのパターン形成用のマスクを介して露光した。露光後、90℃60秒間PEBを行った。その後、酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、乾燥してネガ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が45nmホールに形成される露光量を最適露光量とした。
上記形成したレジストパターン(ホールパターン)について下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物を下記項目について評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。評価結果を下記表7に示す。
上記最適露光量にて、46nm、45.5nm、44.5nm、44nmホールパターン形成用マスクをそれぞれ用い、90nmピッチのホールパターンを形成した際のホールサイズを測長した。ホールパターン形成用マスクサイズ(nm)を横軸に、露光後にレジスト膜に形成されたホールパターンサイズ(nm)を縦軸にプロットした時の直線の傾きを求め、これをMEEF性能とした。MEEF性能は、4.0以下の場合は「良好」と、4.0を超える場合は「不良」と評価できる。
上記最適露光量にて形成した45nmホールパターンの寸法を任意のポイントで計1,800個測長し、ホール径のバラつき(3σ)を求め、これをCDU性能(nm)とした。CDU性能は、3σの値が小さいほど良好であると評価できる。CDU性能は、5.5nm以下の場合は「良好」と、5.5nmを超える場合は「不良」と評価できる。
上記最適露光量以上の露光量にてターゲット寸法が45nmホール90nmピッチとなるマスクパターンを介して露光した際、露光量の増加に伴い得られるホールパターンの最小寸法を解像性(nm)とした。解像性は、35nm以下の場合は「良好」と、35nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[実施例138]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]溶媒としての(C−1)4,280質量部及び(C−2)1,830質量部並びに[D]酸拡散制御剤としての(D−1)3.6質量部を混合し、得られた混合物を、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することにより感放射線性樹脂組成物(J−33)を調製した。
下記表8に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例138と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J−34)〜(J−36)及び(CJ−13)を調製した。
[実施例142〜145及び比較例38]
8インチのシリコンウエハー表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗工し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm2)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、酢酸n−ブチルを用いて現像し、乾燥してネガ型のレジストパターンを形成した。
上記形成したレジストパターンについて、上記「レジストパターンの形成(1)」と同様にして、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性及び焦点深度について評価した。電子線露光の場合、LWR性能は、5.00nm以下の場合は「良好」と、5.00を超える場合は「不良」と評価できる。評価結果を下記表9に示す。
Claims (9)
- 上記式(1)におけるR4及びR5が有機基であり、この有機基が置換又は非置換の炭素数1〜16の1価の炭化水素基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるR1、R2及びR3の有機基が、置換又は非置換の炭素数1〜16の1価の炭化水素基である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 上記式(1)におけるLとR3とが互いに合わせられこれらが結合する原子鎖と共に構成される環員数5〜20の環構造を表す請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 基板の一方の面に、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を塗工する工程と、
上記塗工工程により得られるレジスト膜を露光する工程と、
上記露光されたレジスト膜を現像する工程と
を備えるレジストパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016133773A JP6825249B2 (ja) | 2016-07-05 | 2016-07-05 | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016133773A JP6825249B2 (ja) | 2016-07-05 | 2016-07-05 | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018005064A true JP2018005064A (ja) | 2018-01-11 |
JP6825249B2 JP6825249B2 (ja) | 2021-02-03 |
Family
ID=60944960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016133773A Active JP6825249B2 (ja) | 2016-07-05 | 2016-07-05 | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6825249B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6375063A (ja) * | 1986-09-12 | 1988-04-05 | ワツカー‐ケミー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 架橋してオルガノポリシロキサンエラストマーを生成する組成物 |
JP2010209250A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Fujifilm Corp | 光硬化性組成物、これを用いた硬化物およびその製造方法、ならびに液晶表示装置用部材 |
JP2013037351A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-02-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | パターン形成方法及びレジスト組成物 |
JP2014224984A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-12-04 | Jsr株式会社 | フォトレジスト組成物、レジストパターン形成方法、化合物及び重合体 |
-
2016
- 2016-07-05 JP JP2016133773A patent/JP6825249B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6375063A (ja) * | 1986-09-12 | 1988-04-05 | ワツカー‐ケミー・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 架橋してオルガノポリシロキサンエラストマーを生成する組成物 |
JP2010209250A (ja) * | 2009-03-11 | 2010-09-24 | Fujifilm Corp | 光硬化性組成物、これを用いた硬化物およびその製造方法、ならびに液晶表示装置用部材 |
JP2013037351A (ja) * | 2011-07-14 | 2013-02-21 | Shin Etsu Chem Co Ltd | パターン形成方法及びレジスト組成物 |
JP2014224984A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-12-04 | Jsr株式会社 | フォトレジスト組成物、レジストパターン形成方法、化合物及び重合体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6825249B2 (ja) | 2021-02-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6237763B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JPWO2018070327A1 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP6561731B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物 | |
JP6331359B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP2016057415A (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP6959527B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び酸拡散制御剤 | |
JP2017181697A (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP2015114341A (ja) | 樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP6606926B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び化合物 | |
JP6485240B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP6519672B2 (ja) | 樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP6743618B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、感放射線性酸発生剤、化合物及び化合物の製造方法 | |
JP6183268B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP6241226B2 (ja) | フォトレジスト組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
WO2017122697A1 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物 | |
JP6794728B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP2016071207A (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP2016167050A (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP6417830B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び重合体 | |
JP6825249B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP6926406B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法及び化合物 | |
JP6318937B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
WO2015129832A1 (ja) | 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物 | |
JP6183276B2 (ja) | 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP2018059118A (ja) | 重合体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20191023 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20191112 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20191224 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200512 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200708 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20201215 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20201228 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6825249 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |