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JP2017181697A - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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JP2017181697A
JP2017181697A JP2016066924A JP2016066924A JP2017181697A JP 2017181697 A JP2017181697 A JP 2017181697A JP 2016066924 A JP2016066924 A JP 2016066924A JP 2016066924 A JP2016066924 A JP 2016066924A JP 2017181697 A JP2017181697 A JP 2017181697A
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準人 生井
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準人 生井
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Abstract

【課題】LWR性能、CDU性能、EL性能及び欠陥抑制性に優れる感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。
【解決手段】酸解離性基を有する構造単位を含む重合体、感放射線性酸発生体、酸拡散制御剤、及び溶媒を含有し、上記酸拡散制御剤が、下記式(1−1)又は下記式(1−2)で表される化合物である感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2017181697

【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
化学増幅型感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等の露光光の照射により、露光部において酸発生剤から酸を生成させ、この酸を触媒とする反応により、露光部と未露光部との現像液に対する溶解速度を変化させ、基板上にレジストパターンを形成する。
かかる感放射線性樹脂組成物には、加工技術の微細化に伴い、解像性等の諸性能を向上させることが要求される。この要求に対し、感放射線性樹脂組成物には、上記酸発生剤から生成した酸の拡散を適度に制御する目的で酸拡散制御剤を含有させることが行われている。このような酸拡散制御剤として、極性基及び環構造を有する窒素原子含有化合物が検討されている(特開2002−363148号公報及び特開2002−226470号公報参照)。
このような中、レジストパターンの微細化がますます進行する現在にあっては、上記感放射線性樹脂組成物には、線幅のバラつきを示すLWR(Line Width Roughness)性能及びCDU(Critical Dimension Uniformity)性能に優れ、かつ欠陥の発生の少ない高精度のパターンを得ることが要求される。また、感放射線性樹脂組成物には、EL性能(露光余裕度)に優れ、歩留りよく高い生産性でレジストパターンを得ることも求められている。
特開2002−363148号公報 特開2002−226470号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、LWR性能、CDU性能、EL性能及び欠陥抑制性(以下、「LWR性能等」ともいう)に優れる感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。
上記課題を解決するためになされた発明は、酸解離性基を有する構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を含む重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)、酸拡散制御剤(以下、「[C]酸拡散制御剤」ともいう)、及び溶媒(以下、「[D]溶媒」ともいう)を含有し、上記[C]酸拡散制御剤が、下記式(1−1)又は下記式(1−2)で表される化合物である感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2017181697
(式(1−1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。Lは、炭素数1〜20の(n+1)価の有機基である。Xは、−OR又は−NRである。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表す。L及び1又は複数のXは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表してもよい。nは、1〜3の整数である。nが2以上の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。Aは、上記感放射線性酸発生体が発生する酸よりも弱い酸から1個のプロトンを除いてなる1価のアニオンである。)
Figure 2017181697
(式(1−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。L’は、炭素数1〜20の2価の有機基である。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
ここで、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
また、「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
また、「環員数」とは、芳香環構造、芳香族複素環構造、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れたEL性能を発揮し、LWR及びCDUが小さく、かつ欠陥が少ないレジストパターンを形成することができる。従って、当該感放射線性樹脂組成物及び当該レジストパターン形成方法は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、及び[D]溶媒を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体(以下、「[E]重合体」ともいう)を含有してもよい。さらに当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物によれば、放射線の照射により[B]酸発生体等から生じる酸により露光部の[A]重合体の酸解離性基が解離して、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差異が生じ、その結果、レジストパターンを形成することができる。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。[A]重合体は、通常、当該感放射線性樹脂組成物におけるベース重合体となる。「ベース重合体」とは、レジストパターンを構成する重合体のうちの主成分となる重合体であって、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を占める重合体をいう。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)、フェノール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)、アルコール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(IV)」ともいう)を有することが好ましく、これらの構造単位以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体は、これらの構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を有する構造単位である。
上記構造単位(I)としては、例えば下記式(2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(2−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017181697
上記式(2−1)中、R20は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R21は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R22及びR23は、それぞれ独立して炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造を表す。
上記式(2−2)中、R24は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合、−CCOO−又は−CONH−である。R25、R26及びR27は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。
上記R20としては、構造単位(I−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R21で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記R21、R22及びR23で表される鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記R21、R22及びR23で表される脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記R21で表される芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
22及びR23が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。
上記R25、R26及びR27で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記R25、R26及びR27で表される鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記R25、R26及びR27で表される脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記R25、R26及びR27で表される芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記R25、R26及びR27で表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば上記R25、R26及びR27の炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示したものの結合手側の末端に酸素原子を含むもの等が挙げられる。
25、R26及びR27としては、鎖状炭化水素基、シクロアルキルオキシ基が好ましい。
上記構造単位(I−1)としては下記式(2−1−1)〜(2−1−5)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1−1)〜(I−1−5)」ともいう)が好ましい。
上記構造単位(I−2)としては下記式(2−2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2−1)」ともいう)が好ましい。
Figure 2017181697
上記式(2−1−1)〜(2−1−5)中、R20〜R23は、上記式(2−1)と同義である。R21’、R22’及びR23’は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。nは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(2−2−1)中、R24〜R27は、上記式(2−2)と同義である。
上記構造単位(I−1)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017181697
Figure 2017181697
上記式中、R20は、上記式(2−1)と同義である。
これらの中で、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−アルキル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−(1−アダマンチル)−2−プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−アルキル−2−テトラシクロドデカン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−(1−シクロヘキシル)−2−プロピル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、t−デカン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−アルキル−1−シクロオクチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位が好ましい。
上記構造単位(I−2)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017181697
上記式中、R24は、上記式(2−2)と同義である。
上記構造単位(I−2)としては、p−(1−(シクロヘキシルエトキシ)エトキシ)スチレンに由来する構造単位が好ましい。
上記構造単位(I)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜90モル%が好ましく、20モル%〜80モル%がより好ましく、30モル%〜75モル%がさらに好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度をより高めることができ、結果として、リソグラフィー性能をより向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(II)をさらに有することで、現像液への溶解性を適度に調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のリソグラフィー性能をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
上記構造単位(II)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017181697
Figure 2017181697
Figure 2017181697
Figure 2017181697
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記構造単位(II)としては、ブチロラクトン構造を有する構造単位、ノルボルナンラクトン構造を有する構造単位、エチレンカーボネート構造を有する構造単位、ノルボルナンスルトン構造を有する構造単位が好ましく、ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、1−(ブチロラクトン−イル)シクロヘキサン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンラクトン−イルオキシカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンラクトン−イルオキシカルボニルカルボニルメチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、シアノノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、オキサノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、プロピレンカーボネート−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、ノルボルナンスルトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
上記構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体における全構造単位に対して0モル%〜80モル%が好ましく、10モル%〜70モル%がより好ましく、20モル%〜60モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。また、得られるレジストパターンと基板との密着性をさらに向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である。照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、電子線等を用いる場合には、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が構造単位(III)を有することで、感度を高めることができる。
上記構造単位(III)としては、例えば下記式(3)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2017181697
上記式(3)中、R28は、水素原子又はメチル基である。Zは、単結合、−CO−O−、−O−又は−CO−NH−である。R29は、炭素数1〜20の1価の有機基である。rは、0〜3の整数である。rが2又は3の場合、複数のR29は同一でも異なっていてもよい。sは、1〜3の整数である。但し、r+sは、5以下である。
上記R28としては、構造単位(III)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
Zとしては、単結合、−CO−O−が好ましい。
上記R29で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(a)、上記炭化水素基及び基(a)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記R29で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記R29で表される炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記R29で表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記R29で表される炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−CO−、−CO−O−、−S−、−CS−、−SO−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。
これらの中で、1価の鎖状炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記rとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記sとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
上記構造単位(III)としては、下記式(3−1)〜(3−5)で表される構造単位(以下、「構造単位(III−1)〜(III−5)ともいう」)等が好ましい。
Figure 2017181697
上記式(3−1)〜(3−5)中、R28は、上記式(3)と同義である。
これらの中で、構造単位(III−1)、構造単位(III−2)がより好ましく、構造単位(III−1)がさらに好ましい。
上記構造単位(III)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜90モル%が好ましく、30モル%〜80モル%がより好ましく、50モル%〜75モル%がさらに好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、感度をより向上させることができる。
なお、構造単位(III)は、ヒドロキシスチレンの−OH基の水素原子をアセチル基等で置換した単量体を重合した後、得られた重合体を、アミン存在下で加水分解反応を行うこと等により形成することができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、アルコール性水酸基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)を有することで、溶解性をより適度に調整することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性を高めることがでる。
上記構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017181697
上記式中、Rは水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
これらの中で、ヒドロキシアダマンチル基を有する構造単位が好ましく、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
上記構造単位(IV)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜35モル%が好ましく、0モル%〜30モル%が好ましく、3モル%〜25モル%がさらに好ましい。上記含有割合が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物のパターン形成性が低下する場合がある。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えば、ケトン性カルボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基及びアミノ基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位、非解離性の1価の脂環式炭化水素基を含む(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位等が挙げられる。その他の構造単位の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%以下が好ましく、10モル%以下がより好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。
これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、2,500以上20,000以下がさらに好ましく、3,000以上15,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。[A]重合体のMwが上記下限未満であると、十分な耐熱性を有するレジスト膜が得られない場合がある。[A]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、これらの重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物から、レジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[B]酸発生体としては、下記式(4)で表される化合物が好ましい。[B]酸発生剤を下記式(4)で表される化合物とすることで、[A]重合体が有する極性構造との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
Figure 2017181697
上記式(4)中、Ra1は、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Ra2は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Mは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
上記Ra1で表される環員数6以上の脂環構造を含む1価の基としては、例えば
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記Ra1で表される環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基としては、例えば
ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等の硫黄原子含有複素環基などが挙げられる。
上記Ra1で表される基の環員数としては、上述の酸の拡散長がさらに適度になる観点から、8以上が好ましく、9〜15がより好ましく、10〜13がさらに好ましい。
上記Ra1としては、これらの中で、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基、環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がより好ましく、アダマンチル基がさらに好ましい。
上記Ra2で表される炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基としては、例えばメタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基が有する水素原子の1個以上をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中で、SO 基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO 基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記Mで表される1価の感放射線性オニウムカチオンは、放射線の照射により分解するカチオンである。露光部では、この感放射線性オニウムカチオンの分解により生成するプロトンと、スルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。上記Mで表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えばS、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む感放射線性オニウムカチオンが挙げられる。元素としてS(硫黄)を含むカチオンとしては、例えばスルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられ、元素としてI(ヨウ素)を含むカチオンとしては、例えばヨードニウムカチオン等が挙げられる。これらの中で、下記式(X−1)で表されるカチオン、下記式(X−2)で表されるカチオン、下記式(X−3)で表されるカチオンが好ましい。
Figure 2017181697
上記式(X−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。tは、0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”、−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記式(X−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記Mとしては、上記式(X−1)で表されるカチオンが好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。
上記式(4)で表される酸発生体としては、例えば、下記式(4−1)〜(4−15)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)〜(4−15)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017181697
上記式(4−1)〜(4−15)中、Mは、上記式(4)と同義である。
[B]酸発生剤としては、これらの中でも、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩がより好ましく、化合物(4−1)、化合物(4−2)、化合物(4−12)〜(4−15)がさらに好ましい。
[B]酸発生体の含有量としては、[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上20質量部以下がより好ましく、1質量部以上15質量部以下がさらに好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度が向上する。当該感放射線性樹脂組成物は、[B]酸発生体を1種又は2種以上を含有していてもよい。
<[C]酸拡散制御剤>
[C]酸拡散制御剤は、下記式(1−1)又は下記式(1−2)で表される化合物である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体及び[D]溶媒に加えて、[C]酸拡散制御剤を含有することで、LWR性能等に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が[C]酸拡散制御剤を含有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、以下のように推察することができる。
[C]酸拡散制御剤は、アンモニウム構造と共に、−CO−X又は−CO−Oを有している。このように、極性の高いアンモニウム構造と−CO−X又は−CO−Oとを共に有することで、従来の酸拡散制御剤と比べて、[C]酸拡散制御剤は、レジスト膜を構成する重合体等との親和性が高くなると共に、昇華性が低下する。これにより、[C]酸拡散制御剤のレジスト膜中での拡散及び偏在が適度に抑制される。その結果、[C]酸拡散制御剤を含有する感放射線性樹脂組成物のLWR性能等が向上する。
Figure 2017181697
上記式(1−1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。Lは、炭素数1〜20の(n+1)価の有機基である。Xは、−OR又は−NRである。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表す。L及び1又は複数のXは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表してもよい。nは、1〜3の整数である。nが2以上の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。Aは、上記感放射線性酸発生体が発生する酸よりも弱い酸から1個のプロトンを除いてなる1価のアニオンである。
Figure 2017181697
上記式(1−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。L’は、炭素数1〜20の2価の有機基である。
上記R、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(a)、上記炭化水素基及び基(a)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−CO−、−CO−O−、−S−、−CS−、−SO−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−CO−O−が好ましい。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子が好ましい。
上記R、R及びRとしては、炭素数1〜20の1価の有機基が好ましく、アルキル基、フッ素化アルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、単環のシクロアルキル基、アラルキル基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のフッ素化アルキル基、炭素数3〜8のアルコキシカルボニルアルキル基、炭素数4〜8の単環のシクロアルキル基、炭素数7〜8のアラルキル基がさらに好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘプタフルオロブチル基、メトキシカルボニルエチル基、シクロペンチルメチル基、メチルベンジル基が特に好ましい。
上記R、R及びRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば環員数3〜20の含窒素脂肪族複素環構造、環員数3〜20の含窒素芳香族複素環構造等が挙げられる。
上記環員数3〜20の含窒素脂肪族複素環構造としては、例えば、
アザシクロプロパン構造、アザシクロブタン構造、アザシクロペンタン構造(ピロリジン構造)、アザシクロヘキサン構造(ピペリジン構造)、アザシクロヘプタン構造、アザシクロオクタン構造、アザシクロデカン構造等の単環のアザシクロアルカン構造;
アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン構造、アザビシクロ[2.2.2]オクタン構造、アザビシクロ[4.4.0]デカン構造、アザトリシクロ[3.3.1.13,7]デカン構造等の多環のアザシクロアルカン構造;
アザオキサシクロプロパン構造、アザオキサシクロヘキサン構造(モルホリン構造を含む)、アザオキサシクロオクタン構造等のアザオキサシクロアルカン構造;
アザシクロプロペン構造、アザシクロブテン構造、アザシクロペンテン構造、アザシクロヘキセン構造、アザシクロヘプテン構造、アザシクロオクテン構造、アザシクロデセン構造等の単環のアザシクロアルケン構造;
アザビシクロ[2.2.1]ヘプテン構造、アザビシクロ[2.2.2]オクテン構造、アザビシクロ[4.4.0]デセン構造等の多環のアザシクロアルケン構造が挙げられる。
上記環員数3〜20の含窒素芳香族複素環構造としては、例えばピロール構造、ピリジン構造、インドール構造、キノリン構造、イミダゾール構造等が挙げられる。
上記R、R及びRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、単環のアザシクロアルカン構造、多環のアザシクロアルカン構造、アザオキサシクロアルカン構造、ピロール構造、キノリン構造が好ましく、アザシクロペンタン構造、アザシクロヘキサン構造、アザビシクロ[4.4.0]デカン構造、モルホリン構造、ピロール構造、キノリン構造がより好ましい。
上記Lで表される炭素数1〜20の(n+1)価の有機基としては、例えば、上記R、R及びRとして例示した1価の有機基からn個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記式(1−1)におけるnが1である場合におけるLとしては、下記式(a)で表される基が好ましい。このようなLを有する化合物は、後述するように、下記式(a)で表される基の両末端にハロゲン原子とCOXとをそれぞれ有する化合物と、RNで表されるアミン化合物とを用いて、簡便に合成することができる。
Figure 2017181697
上記式(a)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。kは、1〜20の整数である。kが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
上記R及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記式(1−1)のR、R及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R及びRとしては、水素原子、フッ素原子、鎖状炭化水素基、フッ素化炭化水素基が好ましく、水素原子、フッ素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基がより好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、ブチル基、トリフルオロメチル基がさらに好ましい。
上記R及びRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
シクロプロペン構造、シクロブテン構造、シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造等の多環のシクロアルケン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の多環のシクロアルケン構造等が挙げられる。
これらの中で、単環のシクロアルカン構造が好ましく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造がより好ましい。
上記kとしては、1〜10の整数が好ましく、1〜8の整数がより好ましく、1〜6の整数がさらに好ましく、1〜4の整数が特に好ましい。
上記式(1−1)におけるnが2である場合におけるLとしては、下記式(b)で表される基が好ましい。このようなLを有する化合物は、後述するように、下記式(b)で表される基の末端にハロゲン原子と2個のCOXとをそれぞれ有する化合物と、RNで表されるアミン化合物とを用いて、簡便に合成することができる。
Figure 2017181697
上記式(b)中、R、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。mは、0〜18の整数である。mが2以上の場合、複数のR11は同一でも異なっていてもよく、複数のR12は同一でも異なっていてもよい。
上記R、R10、R11、R12及びR13で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記式(1−1)のR、R及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R、R10、R11、R12及びR13としては、水素原子が好ましい。
上記式R、R10、R11、R12及びR13のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造としては、例えば、上記式(a)においてR及びRが構成してもよい脂環構造として例示した脂環構造と同様の環構造等が挙げられる。
上記mとしては、0〜9の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
上記式(1−1)におけるnが1である場合におけるLとしては、下記式(c)で表される基も好ましい。このようなLを有する化合物は、例えば、R1617C=C(R18)COXで表される化合物の末端に、R基とYH基とを共に有する化合物を付加反応させることにより、簡便に合成することができる。
Figure 2017181697
上記式(c)中、R14及びR15は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。pは、1〜18の整数である。pが2以上の場合、複数のR14は同一でも異なっていてもよく、複数のR15は同一でも異なっていてもよい。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−COO−*である。*は、R16が結合する炭素原子に結合する部位を示す。R16、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの少なくとも2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。*は、Nに結合する部位を示す。
上記R14及びR15で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記式(1−1)のR、R及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R14及びR15としては、水素原子が好ましい。
上記R14及びR15のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造としては、例えば、上記式(a)においてR及びRが構成してもよい脂環構造として例示した脂環構造と同様の環構造等が挙げられる。
上記pとしては、1〜8の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましい。
上記Yとしては、酸素原子、硫黄原子が好ましい。
上記R16、R17、R18及びR19で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記式(1−1)のR、R及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記R16、R17及びR18としては、水素原子、炭素数1〜20の1価の有機基が好ましく、水素原子、鎖状炭化水素基がより好ましく、水素原子、アルキル基がさらに好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
上記R19としては、水素原子が好ましい。
上記R16、R17、R18及びR19の基のうちの少なくとも2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造としては、例えば上記式(1−1)のR、R及びRが構成してもよい脂環構造として例示した脂環構造と同様の環構造等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(a)、上記炭化水素基及び基(a)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−CO−、−CO−O−、−S−、−CS−、−SO−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−O−、−CO−O−、−O−CO−O−、−CO−O−CO、−O−SO−が好ましい。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。これらの中で、ヒドロキシ基が好ましい。
上記Rとしては、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基が好ましく、アルキル基の水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基、単環のシクロアルキル基、単環のシクロアルキル基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を含む基、多環のシクロアルキル基、多環のシクロアルキル基の炭素−炭素間に2価のヘテロ原子含有基を含む基、アリール基、アラルキル基がより好ましく、フッ素化アルキル基、単環のシクロアルキル基、単環のラクトン構造を有する基、単環の環状カーボネート構造を有する基、多環のシクロアルキル基、多環のシクロアルキル基の炭素−炭素間に−O−及び−CO−O−を含む基、多環のスルトン構造を有する基、アリール基、アラルキル基がさらに好ましく、ヘキサフルオロプロピル基、シクロヘキシル基、i−プロピルシクロペンチル基、2−シクロヘキシル−2−プロピル基、ブチロラクトン−イル基、エチレンカーボネート−イルメチル基、アダマンチル基、2−エチルアダマンチル基、7−オキサ−ノルボルナンラクトン−イル基、ノルボルナンスルトン−イル基、フェニル基、ナフチル基、1−フェニル−1−シクロヘキシル基が特に好ましい。
上記式(1−1)におけるXが−ORであり、かつ上記L及び1又は複数のXが上記脂肪族複素環構造を形成する場合におけるこの脂肪族複素環構造としては、例えば
ノルボルナンラクトン構造、ブチロラクトン構造等のラクトン構造;
エチレンカーボネート構造、プロピレンカーボネート構造等の環状カーボネート構造;
ノルボルナンスルトン構造、プロパンスルトン構造等のスルトン構造;
ブチロラクタム構造、バレロラクタム構造等のラクタム構造;
オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造を含む構造が挙げられる。
これらの中で、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造が好ましく、ラクトン構造、環状カーボネート構造がより好ましい。
上記R及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記式(1−1)のR、R及びRとして例示した1価の有機基と同様の基等が挙げられる。
上記Rとしては、水素原子が好ましい。
上記Rとしては、炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基がより好ましく、アルキル基、単環のシクロアルキル基がさらに好ましく、ブチル基、シクロヘキシル基が特に好ましい。
上記R及びRが互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂肪族複素環構造としては、例えば、上記式(1−1)においてR、R及びRが構成してもよい含窒素脂肪族複素環構造として例示した含窒素脂肪族複素環構造と同様の環構造等が挙げられる。
これらの中で、アザオキサシクロアルカン構造が好ましく、モルホリン構造がより好ましい。
上記式(1−1)におけるXが−NRであり、かつ上記L及び1又は複数のXが上記脂肪族複素環構造を形成する場合におけるこの脂肪族複素環構造としては、例えば
ブチロラクタム構造、バレロラクタム構造等のラクタム構造;
コハク酸イミド構造、グルタル酸イミド構造等の環状イミド構造;
アザシクロヘプタン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造を含む構造が挙げられる。
これらの中で、ラクタム構造、環状イミド構造を含む構造が好ましい。
上記式(1)におけるnとしては、1又は2が好ましい。
上記Aで表される1価のアニオンとしては、上記[B]酸発生体が発生する酸よりも弱い酸から1個のプロトンを除いてなる1価のアニオンであれば特に限定されない。
上記Aで表される1価のアニオンとしては、例えばカルボキシレートアニオン、スルホネートアニオン、アミドアニオン、イミドアニオン、カルボアニオン、硫酸アニオン、リン酸アニオン等が挙げられる。
上記アミドアニオンとしては、例えばスルホン酸アミドアニオン、カルボン酸アミドアニオン等が挙げられる。
上記イミドアニオンとしては、例えばスルホン酸イミドアニオン、スルホン酸カルボン酸イミドアニオン、カルボン酸イミドアニオン等が挙げられる。
上記カルボアニオンとしては、例えば、活性メチレン型アニオン、活性メチン型アニオン等が挙げられ、そのようなアニオンの具体例としては、例えばマロン酸エステルアニオン等が挙げられる。
上記カルボキシレートアニオンとしては、例えば下記式(d−1)、(d−2)で表されるカルボキシレートアニオンが挙げられる。
上記スルホネートアニオンとしては、例えば下記式(e−1)〜(e−6)で表されるスルホネートアニオンが挙げられる。
上記イミドアニオンとしては、例えば下記式(f−1)〜(f−3)で表されるイミドアニオンが挙げられる。
上記マロン酸エステルアニオンとしては、例えば下記式(g−1)で表されるイミドアニオンが挙げられる。
Figure 2017181697
上記L’で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、上記式(1−1)のLとして例示した(n+1)価の有機基のうち、2価の有機基が挙げられる。
上記式(1−2)におけるL’としては、上記式(a)で表される基が好ましい。
また、上記L’が上記式(a)で表される基である場合におけるR及びRとしては、水素原子が好ましい。
また、上記L’が上記式(a)で表される基である場合におけるkとしては、1〜10の整数が好ましく、1〜8の整数がより好ましく、1〜6の整数がさらに好ましく、1〜4の整数が特に好ましい。
上記式(1−2)におけるL’としては、上記式(c)で表される基も好ましい。
また、上記L’が上記式(c)で表される基である場合におけるR14及びR15としては、水素原子が好ましい。
また、L’が上記式(c)で表される基である場合におけるpとしては、1〜8の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましい。
また、上記L’が上記式(c)で表される基である場合におけるYとしては、−COO−*が好ましい。
また、L’が上記式(c)で表される基である場合におけるR16、R17、R18及びR19としては、水素原子が好ましい。
上記式(1−1)で表される[C]酸拡散制御剤としては、例えば、下記式(C−1−1−1)〜(C−1−1−32)で表される化合物等が挙げられる。
これらの中で下記式(C−1−1−1)〜(C−1−1−20)、(C−1−1−28)、(C−1−1−29)で表される化合物が好ましく、下記式(C−1−1−1)、(C−1−1−2)、(C−1−1−6)、(C−1−1−8)、(C−1−1−10)、(C−1−1−12)、(C−1−1−15)、(C−1−1−17)、(C−1−1−19)、(C−1−1−20)、(C−1−1−29)で表される化合物より好ましい。
Figure 2017181697
Figure 2017181697
上記式(1−2)で表される[C]酸拡散制御剤としては、例えば、下記式(C−1−2−1)〜(C−1−2−13)で表される化合物等が挙げられる。
これらの中で、下記式(C−1−2−1)、(C−1−2−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017181697
[C]酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、2質量部がさらに好ましく、4質量部が特に好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、40質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、LWR性能等をさらに向上させることができる。当該感放射線性樹脂組成物は[C]酸拡散制御剤を1種又は2種以上含有してもよい。
<[C]酸拡散制御剤の合成方法>
[C]酸拡散制御剤は、例えば、下記式(1−1)で表され、かつRが炭素数1〜20の1価の有機基である化合物(1−1’)の場合、下記スキームに従い、簡便かつ収率よく合成することができる。
Figure 2017181697
上記スキーム中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。Lは、炭素数1〜20の(n+1)価の有機基である。Xは、−OR又は−NRである。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表す。L及び1又は複数のXは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表してもよい。nは、1〜3の整数である。nが2以上の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。Jは、ハロゲン原子である。Eは、1価のカチオンである。Aは、上記感放射線性酸発生体が発生する酸よりも弱い酸から1個のプロトンを除いてなる1価のアニオンである。
上記Jで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、収率の向上の観点から、ヨウ素原子、臭素原子、塩素原子が好ましく、ヨウ素原子、臭素原子がより好ましく、ヨウ素原子がさらに好ましい。
上記式(1−a)で表されるアミノ化合物と、上記R−Jで表される有機ハロゲン化物とを、アセトニトリル等の溶媒中で反応させることにより、上記式(1−b)で表されるアンモニウム塩化合物が生成する。次にこの化合物(1−b)と上記Eで表される塩化合物とを、ジクロロメタン等の溶媒中で反応させることにより上記式(1−1’)で表される化合物を得ることができる。得られた生成物を、カラムクロマトグラフィー、再結晶等により適切に精製することにより化合物(1−1’)を単離することができる。
上記化合物(1−1’)以外の[C]酸拡散制御剤についても、上記同様の方法により合成することができる。
<[D]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、[D]溶媒を含有する。[D]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有される[E]重合体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[D]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系有機溶媒、アミド系溶媒、エステル系有機溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、[D]溶媒としては、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、環状ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分アルキルエーテルアセテート、シクロアルカノンがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノンが特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[D]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[E]重合体>
[E]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体である。当該感放射線性組成物が、[E]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、膜中の[E]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[E]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[E]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
[E]重合体のフッ素原子含有率としては、1質量%以上が好ましく、2質量%〜60質量%がより好ましく、4質量%〜40質量%がさらに好ましく、7質量%〜30質量%が特に好ましい。[E]重合体のフッ素原子含有率が上記下限未満だと、レジスト膜表面の疎水性が低下する場合がある。なお重合体のフッ素原子含有率(質量%)は、13C−NMRスペクトル測定により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[E]重合体におけるフッ素原子の含有形態は特に限定されず、主鎖、側鎖及び末端のいずれに結合するものでもよいが、フッ素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(V)」ともいう)を有することが好ましい。[E]重合体は、構造単位(V)以外にも、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性向上の観点から、酸解離性基を含む構造単位を有することが好ましい。酸解離性基を含む構造単位としては、例えば、[A]重合体における構造単位(I)等が挙げられる。
[E]重合体は、アルカリ解離性基を有することが好ましい。[E]重合体がアルカリ解離性基を有すると、レジスト膜表面をアルカリ現像時に疎水性から親水性に効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性が向上する。「アルカリ解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等が有する水素原子を置換する基であって、アルカリ水溶液(例えば、23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)中で解離する基をいう。
上記構造単位(V)としては、下記式(5a)で表される構造単位(以下、「構造単位(V−a)」ともいう)及び下記式(5b)で表される構造単位(以下、「構造単位(V−b)」ともいう)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。構造単位(V)は、構造単位(Va)及び構造単位(Vb)をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(Va)]
構造単位(Va)は、下記式(5a)で表される構造単位である。[E]重合体は構造単位(Va)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 2017181697
上記式(5a)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−である。Rは、炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
上記Rとしては、構造単位(Va)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Gとしては、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−が好ましく、−CO−O−がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
上記Rとしては、これらの中で、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がより好ましく、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がさらに好ましい。
上記構造単位(Va)の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜90モル%が好ましく、3モル%〜70モル%がより好ましく、5モル%〜50モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって、[E]重合体のフッ素原子含有率をより適度に調整することができる。
[構造単位(Vb)]
構造単位(Vb)は、下記式(5b)で表される構造単位である。[E]重合体は構造単位(Vb)を有することで、フッ素原子含有率を調整すると共に、アルカリ現像前後における撥水性及び親水性を変化させることができる。
Figure 2017181697
上記式(5b)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R30は、炭素数1〜20の(u+1)価の炭化水素基、又はこの炭化水素基のR31側の末端に酸素原子、硫黄原子、−NR’−、カルボニル基、−CO−O−若しくは−CO−NH−が結合された構造のものである。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R31は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Wは、単結合又は炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基である。Aは、酸素原子、−NR”−、−CO−O−*又は−SO−O−*である。R”は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。*は、R32に結合する部位を示す。R32は、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。uは、1〜3の整数である。但し、uが1の場合、R30は単結合であってもよい。uが2又は3の場合、複数のR31、W、A及びR32はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Wが単結合の場合、R32は、フッ素原子を含む基である。
上記Rとしては、構造単位(Vb)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子、メチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R30で表される炭素数1〜20の(u+1)価の炭化水素基としては、例えば、上記式(1−1)におけるRとして例示した1価の炭化水素基からu個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記uとしては、1又は2が好ましく、1がより好ましい。
上記R30としては、uが1の場合、単結合、2価の炭化水素基が好ましく、単結合、アルカンジイル基がより好ましく、単結合、炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、単結合、メタンジイル基、プロパンジイル基が特に好ましい。
上記R31で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記式(1−1)におけるR、R及びRとして例示した炭素数1〜20の1価の有機基から、1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記R31としては、単結合、ラクトン構造を有する基が好ましく、単結合、多環のラクトン構造を有する基がより好ましく、単結合、ノルボルナンラクトン構造を有する基がより好ましい。
上記Wで表される炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば
フルオロメタンジイル基、ジフルオロメタンジイル基、フルオロエタンジイル基、ジフルオロエタンジイル基、テトラフルオロエタンジイル基、ヘキサフルオロプロパンジイル基、オクタフルオロブタンジイル基等のフッ素化アルカンジイル基;
フルオロエテンジイル基、ジフルオロエテンジイル基等のフッ素化アルケンジイル基などが挙げられる。
これらの中で、フッ素化アルカンジイル基が好ましく、ジフルオロメタンジイル基がより好ましい。
上記Aとしては、酸素原子、−CO−O−*、−SO−O−*が好ましく、−CO−O−*がより好ましい。
上記R32で表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えばアルカリ解離性基、酸解離性基、炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。上記R32としては、これらの中で、アルカリ解離性基が好ましい。上記R32をアルカリ解離性基とすることで、アルカリ現像時に、レジスト膜表面を疎水性から親水性により効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性がよりに向上する。
上記R32がアルカリ解離性基である場合、上記R32としては、下記式(iii)〜(v)で表される基(以下、「基(iii)〜(v)」ともいう)が好ましい。
Figure 2017181697
上記式(iii)中、R3a及びR3bは、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
Figure 2017181697
上記式(iv)中、R3c及びR3dは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の複素環構造を表す。
Figure 2017181697
上記式(v)中、R3eは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。
上記炭素数1〜20の1価の有機基及び上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記式(1−1)のR、R及びRとして例示した1価の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示した基が有する水素原子の一部又は全部が、フッ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記基(iii)としては下記式(iii−1)〜(iii−4)で表される基が、上記基(iv)としては下記式(iv−1)で表される基が、上記基(v)としては下記式(v−1)〜(v−5)で表される基が好ましい。
Figure 2017181697
これらの中で、上記式(v−3)で表される基、上記式(v−5)で表される基が好ましい。
また、R32が水素原子であると、[E]有重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が向上するため好ましい。この場合、Aが酸素原子かつWが1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−メタンジイル基であると、上記溶解性がさらに向上する。
上記構造単位(Vb)の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜90モル%が好ましく、20モル%〜85モル%がより好ましく、40モル%〜80モル%がさらに好ましい。このような含有割合にすることによって、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面のアルカリ現像前後の撥水性及び親水性等をより適度に調整することができる。
上記構造単位(V)の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%〜90モル%が好ましく、30モル%〜85モル%がより好ましく、40モル%〜80モル%がさらに好ましい。
[E]重合体における酸解離性基を含む構造単位の含有割合としては、[E]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜60モル%が好ましく、15モル%〜50モル%がより好ましく、20モル%〜40モル%がさらに好ましい。[E]重合体における酸解離性基を含む構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性をさらに向上させることができる。
[E]重合体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましく、1質量部が特に好ましい。[E]重合体の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。
[E]重合体は、上述した[A]重合体と同様の方法で合成することができる。
[E]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1,000以上50,000以下が好ましく、2,000以上30,000以下がより好ましく、2,500以上20,000以下がさらに好ましく、3,000以上15,000が特に好ましい。[E]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。[E]重合体のMwが上記下限未満であると、十分な耐熱性を有するレジスト膜が得られない場合がある。[E]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[E]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
(脂環式骨格含有化合物)
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部以下である。
(増感剤)
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部以下である。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有される任意成分及び[D]溶媒を所定の割合で混合することにより調製できる。この場合、上記各成分の混合後に、例えば、孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、0.1質量%〜50質量%が好ましく、0.5質量%〜30質量%がより好ましく、1質量%〜20質量%がさらに好ましく、1.5質量%〜10質量%が特に好ましい。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、レジスト膜を形成する工程(以下「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備える。上記レジスト膜を上述した当該感放射線性樹脂組成物により形成する。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述の当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、優れたEL性能を発揮し、LWR及びCDUが小さく、かつ欠陥の少ないレジストパターンを形成することができる。以下、レジストパターン形成方法の各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウエハー、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
[露光工程]
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)放射線を照射し、露光する。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等が挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV、電子線がさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[B]酸発生体から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性により差が生じる。PEB温度としては、通常50℃〜180℃であり、80℃〜130℃が好ましい。PEB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像工程における現像方法としては、アルカリ現像でも有機溶媒現像よい。
上記現像に用いる現像液としては、
アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
また、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば上述の樹脂組成物の[B]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分散度(Mw/Mn)の測定]
東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
H−NMR分析及び13C−NMR分析]
日本電子社の「JNM−Delta400」を用いて測定した。
<[A]化合物の合成>
[合成例1](化合物(C−1)の合成)
200mLのナス型フラスコに、下記式(c−1)で表される化合物2.0g(7.11mmol)、ヨードメタン1.51g(10.7mmol)及びアセトニトリル15gを加え、55℃で4時間加熱撹拌した。次に、溶媒を留去することで、下記式(c−2)で表される化合物の粗体を淡黄色油状物として得た。なお、化合物(c−2)はこれ以上の精製を行わずに次の反応に用いた。
200mLのナス型フラスコに、上記得られた化合物(c−2)の全量、ジシクロヘキシルコハク酸スルホン酸ナトリウム2.46g(6.40mmol)、ジクロロメタン70g及び水30gを加え室温で4時間撹拌した。次に有機層を回収し、水洗を3回繰り返した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。次いで、カラムクロマトグラフィで精製することで、下記式(C−1)で表される化合物4.12g(収率98%)を得た。
Figure 2017181697
[合成例2〜24](化合物(C−2)〜(C−24)の合成)
前駆体を適宜選択し、合成例1と同様の操作を行うことによって、下記式(C−2)〜(C−24)で表される化合物を合成した。
Figure 2017181697
Figure 2017181697
<重合体の合成>
[A]重合体及び[E]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。なお、化合物(M−21)により、[A]重合体中に[B]酸発生剤の構造が組み込まれる。
Figure 2017181697
[[A]重合体の合成]
[合成例25](重合体(A−1)の合成)
化合物(M−1)7.97g(35モル%)、化合物(M−2)7.44g(45モル%)、及び化合物(M−3)4.49g(20モル%)を2−ブタノン40gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.80g(全単量体に対して5モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。400gのメタノール中に上記冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を80gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(15.2g、収率76%)。重合体(A−1)のMwは7,300、Mw/Mnは1.53であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)、(M−2)及び(M−3)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ34.3モル%、45.1モル%及び20.6モル%であった。
[合成例26〜35、37及び38](重合体(A−2)〜(A−11)、(A−13)及び(A−14)の合成)
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例25と同様の操作を行うことによって、重合体(A−2)〜(A−11)、(A−13)及び(A−14)を合成した。
[合成例36](重合体(A−12)の合成)
化合物(M−19)55.0g(65モル%)及び化合物(M−18)45.0g(35モル%)、ラジカル重合開始剤としてのAIBN4g、並びに連鎖移動剤としてのt−ドデシルメルカプタン1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解した後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間共重合させた。重合反応終了後、重合反応液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して、重合体を凝固精製した。次いで、得られた重合体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加えた後、さらに、メタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた重合体をアセトン150gに溶解した後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した白色粉末をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−12)を得た(65.7g、収率77%)。重合体(A−12)のMwは7,500、Mw/Mnは1.90であった。13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレン及び(M−18)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ65.4モル%及び34.6モル%であった。
下記表1に、上記得られた重合体の収率(%)、Mw及びMw/Mnについて合わせて示す。
Figure 2017181697
[[E]重合体の合成]
[合成例39](重合体(E−1)の合成)
化合物(M−22)82.2g(70モル%)及び化合物(M−10)17.8g(30モル%)を2−ブタノン200gに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのAIBN0.46g(全単量体に対して1モル%)を添加して単量体溶液を調製した。次いで100gの2−ブタノンを入れた500mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。次にアセトニトリル400gで溶媒を置換した後ヘキサン100gを加えて撹拌しアセトニトリル層を回収する作業を3回繰り返した。溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、重合体(E−1)60.1gを含む溶液を得た(収率60%)。重合体(E−1)のMwは15,000、Mw/Mnは1.90であった。13C−NMR分析の結果、(M−22)及び(M−10)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ70.3モル%及び29.7モル%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物を構成する[A]重合体及び[E]重合体以外の成分について以下に示す。
[[B]酸発生剤]
構造式を下記に示す。
Figure 2017181697
[[C]成分]
実施例:上記合成した化合物(C−1)〜(C−24)
比較例:下記化合物(Q−1)〜(Q−9)
構造式を下記に示す。
Q−1:トリフェニルスルホニウムアセテート
Q−2:トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート
Q−3:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
Q−4:トリフェニルスルホニウムサリチレート
Q−5:トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリi−プロピルベンゼンスルホネート
Q−6:N−(n−ウンデシルカルボニルオキシエチル)モルホリン
Q−7:N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン
Q−8:トリn−ペンチルアミン
Q−9:N−(2−シクロヘキシルオキシカルボニルプロピル)ピペリジン
Figure 2017181697
[[D]溶媒]
D−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
D−2:シクロヘキサン
D−3:γ−ブチロラクトン
[ArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)10質量部、[C]成分としての(C−1)7質量部、[E]重合体としての(E−1)3質量部並びに[D]溶媒としての(D−1)2,427質量部、(D−2)1,040質量部及び(D−3)200質量部を混合し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例2〜24及び比較例1〜24]
下記表2及び表3に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様にして感放射線性樹脂組成物(J−2)〜(J−24)及び(CJ−1)〜(CJ−24)を調製した。
Figure 2017181697
Figure 2017181697
<レジストパターンの形成(1)>
12インチのシリコンウエハー表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(日産化学社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して各感放射線性樹脂組成物を塗布し、100℃で50秒間PBを行った。その後23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(ASML社の「TWINSCAN XT−1900i」)を用い、NA=1.35、Dipole35X(σ=0.97/0.77)の光学条件にて、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターン形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で50秒間PEBを行った。その後、2.38質量%TMAH水溶液を用い、23℃で30秒間パドル現像を行い、次いで、超純水を用いて7秒間リンスし、その後、2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成した。
<レジストパターンの形成(2)>
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(1)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、各感放射線性樹脂組成物の評価を行った。評価結果を下記表4及び表5に示す。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。
[感度]
上記レジストパターンの形成において、38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターンを形成する露光量を最適露光量(Eop)として求め、これを感度(μC)とした。
[LWR性能]
上記求めたEopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅のばらつきを計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど、ラインのがたつきが小さく良好である。LWR性能は、2.5nm以下の場合は「良好」と、2.5を超える場合は「不良」と評価できる。
[CDU性能]
上記求めたEopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。400nmの範囲で線幅を20点測定してその平均値を求め、その平均値を任意のポイントで計500点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをCDU性能(nm)とした。CDU性能は、その値が小さいほど、長周期での線幅のばらつきが小さく良好である。CDU性能は、1.5nm以下の場合は「良好」と、2.0を超える場合は「不良」と評価できる。
[EL性能]
感放射線性樹脂組成物のEL性能は、下記方法で測定される10%EL、Bridge限界及びCollapse限界の各値により評価した。
(10%EL)
38nmラインアンドスペース(1L/1S)のレジストパターン形成用のマスクパターンを用いた場合に解像されるレジストパターンの寸法が、マスクの設計寸法の±10%以内となる場合の露光量の範囲の上記Eopに対する割合を求め、これを10%EL(%)とした。10%ELは、その値が大きいほど、露光量変化に対するパターニング性能の変化量が小さく良好である。10%ELは、20%以上の場合は「良好」と、20%未満の場合は「不良」と評価できる。
(Bridge限界)
上記レジストパターンの形成において、上記Eopからアルカリ現像の場合は露光量を小さくしていく場合に、有機溶媒現像の場合は露光量を大きくしていく場合に、ブリッジが発生する最小のパターン幅(Bridge限界)(nm)を求め、この値をBridge限界の指標とした。Bridge限界の値が大きいほど、ブリッジ欠陥が発生し難く良好である。Bridge限界は、50nm以上の場合は「良好」と、50nm未満の場合は「不良」と評価できる。
(Collapse限界)
上記レジストパターンの形成において、上記Eopからアルカリ現像の場合は露光量を大きくしていく場合に、有機溶媒現像の場合は露光量を小さくしていく場合にパターン倒れが発生する最小のパターン幅(Collapse限界)(nm)を求め、この値をCollapse限界の指標とした。Collapse限界の値が小さいほど、レジストパターンの倒れが発生し難く良好である。Collapse限界は、28nm以下の場合は「良好」と、28nmを超える場合は「不良」と評価できる。
[欠陥抑制性]
下層反射防止膜形成用組成物(日産化学社の「ARC66」)により下層反射防止膜を形成した12インチシリコンウエハー上に、感放射線性樹脂組成物により塗膜を形成し、120℃で50秒間PBを行い、膜厚110nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜についてArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ratio=0.800、Dipoleの条件により、ターゲットサイズが幅38nmのラインアンドスペース(1L/1S)形成用のマスクパターンを介して露光した。露光後、95℃で50秒間PEBを行った。その後、現像装置(東京エレクトロン社の「クリーントラック ACT8」)のGPノズルによって2.38質量%TMAH水溶液(アルカリ現像)又は酢酸ブチル(有機溶媒現像)により10秒間現像した。なお、TMAH水溶液を用いる現像の場合には、引き続き15秒間純水によりリンスをし、2,000rpmで液振り切り乾燥させた。このとき、幅38nmの1L/1Sを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に線幅38nmの1L/1Sを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CC−4000」)を用いた。この欠陥検査用ウェハ上の欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。そして、上記測定された欠陥をレジスト膜由来と判断されるものと外部由来の異物とに分類し、レジスト膜由来の欠陥の数を算出し、これを欠陥抑制性の指標とした。欠陥抑制性は、このレジスト膜由来の欠陥の数が少ないほど良好である。欠陥抑制性は、このレジスト膜由来の欠陥の数が0.1個/cm以下の場合は「良好」と、0.1個/cmを超える場合は「不良」と評価できる。
Figure 2017181697
Figure 2017181697
[電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例25]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)20質量部、[C]成分としての(C−1)3.6質量部並びに[D]溶媒としての(D−1)4280質量部及び(D−2)1830質量部を混合し、0.2μmのメンブランフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J−25)を調製した。
[実施例26〜29及び比較例25〜29]
下記表6に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例25と同様にして、感放射線性樹脂組成物(J−26)〜(J−29)及び(CJ−25)〜(CJ−29)を調製した。
Figure 2017181697
<レジストパターンの形成(3)>
8インチのシリコンウエハー表面にスピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。次いで、アルカリ現像液としての2.38質量%のTMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
<レジストパターンの形成(4)>
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(3)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記調製した感放射線性樹脂組成物を用いて形成したレジストパターンについて、上記同様の評価を行った。評価結果を下記表7に示す。
Figure 2017181697
上記表4、5及び7の結果からわかるように、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、アルカリ現像及び有機溶媒現像のいずれにおいても、またArF露光及び電子線露光のいずれにおいても、優れたEL性能を発揮して、LWR及びCDUが小さく、かつ欠陥が少ないレジストパターンを形成することができる。なお、電子線露光とEUV(極端紫外線)露光とは同様の傾向の結果が得られることが知られており、従って、本発明の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光を用いる場合にも、優れたLWR性能、CDU性能、EL性能及び欠陥抑制性を発揮できるものと考えられる。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れたEL性能を発揮し、LWR及びCDUが小さく、かつ欠陥が少ないレジストパターンを形成することができる。従って、当該感放射線性樹脂組成物及び当該レジストパターン形成方法は、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造に好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 酸解離性基を有する構造単位を含む重合体、
    感放射線性酸発生体、
    酸拡散制御剤、及び
    溶媒
    を含有し、
    上記酸拡散制御剤が、下記式(1−1)又は下記式(1−2)で表される化合物である感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017181697
    (式(1−1)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を表す。Lは、炭素数1〜20の(n+1)価の有機基である。Xは、−OR又は−NRである。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表す。L及び1又は複数のXは、互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表してもよい。nは、1〜3の整数である。nが2以上の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。Aは、上記感放射線性酸発生体が発生する酸よりも弱い酸から1個のプロトンを除いてなる1価のアニオンである。)
    Figure 2017181697
    (式(1−2)中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の脂肪族複素環構造を表す。L’は、炭素数1〜20の2価の有機基である。)
  2. 上記Aが、カルボキシレートアニオン、スルホネートアニオン、アミドアニオン、イミドアニオン又はカルボアニオンである請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記式(1−1)におけるnが1、かつL又は上記式(1−2)におけるL’が下記式(a)で表される基である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017181697
    (式(a)中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。kは、1〜20の整数である。kが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
  4. 上記式(1−1)におけるnが2かつLが下記式(b)で表される基である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017181697
    (式(b)中、R、R10、R11、R12及びR13は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。mは、0〜18の整数である。mが2以上の場合、複数のR11は同一でも異なっていてもよく、複数のR12は同一でも異なっていてもよい。)
  5. 上記式(1−1)におけるnが1、かつL又は上記式(1‐2)におけるL’が下記式(c)で表される基である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017181697
    (式(c)中、R14及びR15は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。pは、1〜18の整数である。pが2以上の場合、複数のR14は同一でも異なっていてもよく、複数のR15は同一でも異なっていてもよい。Yは、酸素原子、硫黄原子又は−COO−*である。*は、R16が結合する炭素原子に結合する部位を示す。R16、R17、R18及びR19は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基のうちの少なくとも2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。*は、Nに結合する部位を示す。)
  6. 上記式(1−1)におけるXが−OR、かつRが置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の環員数3〜20の1価の脂肪族複素環基である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 上記脂肪族複素環基がラクトン構造を有する基、環状カーボネート構造を有する基又はスルトン構造を有する基である請求項6に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 上記式(1−1)におけるXが−OR、かつL及び1又は複数のXが上記脂肪族複素環構造を形成しており、この環構造がラクトン構造、環状カーボネート構造又はスルトン構造である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. 上記式(1−1)におけるXが−NR、Rが水素原子、かつRが炭素数1〜20のアルキル基である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  10. 上記式(1−1)におけるXが−NR、かつR及びRが上記脂肪族複素環構造を形成しており、この環構造がモルホリン構造である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  11. 上記式(1−1)におけるXが−NR、かつL及び1又は複数のXが上記脂肪族複素環構造を形成しており、この環構造がラクタム構造又は環状イミド構造である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  12. 上記酸解離性基を有する構造単位が、下記式(2−1)で表される請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017181697
    (式(2−1)中、R20は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R21は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R22及びR23は、それぞれ独立して炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基若しくは炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造を表す。)
  13. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
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