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JP2017507639A - 磁気歯車装置およびトルク脈動の伝達を低減する方法 - Google Patents

磁気歯車装置およびトルク脈動の伝達を低減する方法 Download PDF

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JP2017507639A
JP2017507639A JP2016549566A JP2016549566A JP2017507639A JP 2017507639 A JP2017507639 A JP 2017507639A JP 2016549566 A JP2016549566 A JP 2016549566A JP 2016549566 A JP2016549566 A JP 2016549566A JP 2017507639 A JP2017507639 A JP 2017507639A
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Abstract

このシステムは、入力部材と、出力部材と、前記入力部材を前記出力部材に接続する磁気歯車と、前記入力部材から前記出力部材への動力のフローを制御するように構成された制御手段と、を備える。前記磁気歯車が、磁極の第1のセットと、磁極の第2のセットと、前記磁極の第1のセットと前記磁極の第2のセットとの間の磁界を変調するように構成された磁極片のセットとを備える。前記制御手段が、前記入力部材から前記出力部材へのトルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段を備える。【選択図】図16

Description

この開示は、磁気歯車が、例えば、内燃エンジンから車両の他の構成要素へのトルク脈動の伝達を低減するように構成されおよび/または制御されるシステムおよび方法に関する。
速度およびトルク等の変化する道路負荷要求を、エンジンの出力に適合させることは、すべての車両における必須要件である。エンジン作動プロファイルは、より大きなおよびより低い効率から成る領域を有し、(トルクと速度の積である)所定の出力レベルを、より大きなまたはより低い効率、すなわち、より多くのまたはより少ない燃料消費および排出を生じる可能性がある、エンジントルクと速度の多数の異なる組合せで供給することができる。このことは、歴史的には、2つの方法、すなわち、ドライバーにより手動で、または制御機構により自動的に係合された個別の多数の歯車によって、または、コーン駆動システム等の機械要素を採用している無段変速機(continuously variable transmission:CVT)システムによって既に実現されている。後者では、歯車機構に一定のステップがない。
ハイブリッド車が、燃料効率を高め、および低排出を目指す方法のうちの一つは、主エンジンが、最も適切なトルク/速度の組合せで確実に作動するように、エネルギ源の組合せ(すなわち、バッテリおよび燃料タンク)と、電気的駆動と機械的駆動の組合せとを利用することである。その場合、出力の余剰分/不足分は、電気パワートレーン(エネルギストレージ、インバータおよびモータ)で処理される。このことを実現する洗練された方法の一つは、図1に示すような「混合(blended)」電気ハイブリッドとして知られるようになってきたものにおける「動力分割」を用いることである。動力分割要素11は、モータ/発電機13と結合されたプラネタリギヤ12である。モータ/発電機は、プラネタリギヤのギヤ比を変えるための内側サンギヤの回転を制御するのに用いられ、一方、エンジン14の出力および最終駆動部への出力は、リングおよびプラネタリキャリアに接続されている。
プラネタリギヤは、3つの要素を有していることを良く理解すべきである。それらの要素のうちのいずれか一つが静止保持されている場合、他の2つの要素間には一定のギヤ比が存在し、3つの異なる比を、どの歯車でも実現することができる。第3の要素が回転できるようにすることにより、他の2つのロータ間の比が変えられることになる。
サンギヤに関する回転トルクおよび反作用トルクにより、モータ/発電機は、機械的パワートレーンからの電気的動力を取り込むか、または外へ伝える。例えば、所要の道路負荷以上のエンジン出力の余剰がある場合、動力が電気的に取り出されて、インバータ17を介してエネルギ蓄積システム15に蓄積される。そして、このエネルギは、その後、インバータ17および動力分割システムを介して、または、第2のインバータ18および車輪を駆動する二次トラクションモータ16を介して、動力分割モータ帰還動力によって利用することができる。そのため、異なる経路を介してエンジン出力が車輪に届くことを可能にする「バリエータ」経路が設けられており、エンジン出力要件は、ある程度、所要の道路出力から分離される。
これらの動力分割システムは、ギヤ比の無現可変制御を有効にもたらすことができ、およびエンジンが有限速度を有し、かつ車輪がゼロ速度を有するポイントまでクラッチを切ってエンジンとの伝動連結を断つことができる。この機能は、従来、往復機関からのトルク脈動を除去するのにも用いられる(ICEクランク上の)慣性フライホイールにそれ自体が結合されている分離クラッチの利用によって実現されている。しかし、フライホイールは、付加された慣性により車両の動的性能を低下させる。このクラッチおよびフライホイールは、現在ではシステムから取り除いてもよく、従って、エンジンクランクは、動力分割装置を介してパワートレーンに直接結合されることになる。
しかし、クラッチの除去と、エンジンとドライブトレーンとの間の直接結合の採用は、一般的に、(滑り/微小運動を介した)クラッチおよび慣性フライホイールによって大幅に低減されるであろうエンジントルク脈動のより直接的な伝達をもたらす。このことは、NVH(騒音、振動およびハーシュネス)や「ドライバーの感覚」およびドライブラインコンポーネントの摩耗に影響を与える。この問題は、デュアルマスフライホイール(Dual Mass Flywheel:DMF)によって既に対処されている。
デュアルマスフライホイール(DMF)は、過剰なトランスミッションノイズを除去するために、通常、ディーゼルエンジン車に適合され、ギヤボックスを損傷から保護し、ギヤチェンジ/シフト作用力を低減する。DMFにおいて、従来のフライホイールの質量は、2つに分割される。一方の部分は、エンジンの慣性モーメントに付加され、他方の部分は、トランスミッションの慣性モーメントを増加させる。2つの分離された質量は、ばね/減衰システムによって連係され、DMFは、クランク軸と、ギヤボックス上の入力軸との間のダンパーとして機能する。また、DMFは、2つの回転質量間に挿入されたばねのセットも有し、スリップは、エンジンからの不規則なトルク脈動を取り除くトーションばねのセットによって緩和される。それらのばねは、負荷状態下でのエンジンからの共鳴振動を吸収するような寸法で形成される。
この装置は、追加コストと、ドライブトレーンに関する複雑性とを導入し、および多数の摩耗部品を有している。交換は、エンジンとトランスミッションとの間のその位置により、複雑であり、コストがかかる。
さらに、上記の機械的システムは、機械的歯車の根本的な制約に悩まされている。プラネタリギヤは、大ホイール/小ホイール原理に従わなければならず、および最少トルクで最高速度の要素は、常に、最も内側のサンギヤである(一方、リングギヤおよびプラネタリキャリアは、高トルクで低速の要素である)。(電気機械サイズを低減し、およびその効率を増加させるために)機械的動力フローが最高トルクの外側要素に伝わることを可能にすること、および最少トルクで最高速度の要素を、モータ発電機で駆動することが有利である。
しかし、このことは、最も内側のギヤへのアクセスを要するため、2つの同軸駆動軸の範囲内での複雑な軸構成をもたらす。
これらの問題に関する解決策が所望される。
したがって、この開示は、例えば、自動車用パワートレーンに用いる、3ロータ磁気動力分割および2ロータ磁気動力分割コンセプトに関する。具体的には、本開示は、所要のNVH(騒音、振動およびハーシュネス)仕様を満たしながら、(簡略化および費用便益を伴って)デュアルマスフライホイールを車両パワートレーンから取り除くために、磁気歯車要素の特性をどのように利用できるかということを対象にする。そのシステムは、エンジントルク脈動の能動的消去および/または除去を可能にするように拡大適用することができる。
概括的に言えば、この開示の実施形態は、「仮想」ロータと見なしてもよい、または、代替的に、例えば、永久磁石を担持する物理的ロータであってもよい回転磁極のセットが、巻線の電流に応答して回転するように、または、回転して、それらの巻線に電流を誘導するように、該巻線で結合されている磁気歯車を備えるシステムを提供する。そのうちの一方が磁極を担持し、他方が磁極片を担持する、その歯車の他の2つのロータは、入力部材および出力部材に結合されている(一方がそれぞれに結合される)。システムは、例えば、ステータにおいて本質的に一定の反作用トルクを維持することにより、脈動トルクが、(反作用によって)入力部材から出力部材へ伝達されることを可能にしない方法で、巻線を機能させるように構成される。トルク脈動は、例えば、入力部材が結合される内燃エンジン内での個々の燃焼イベントに起因する可能性がある。このように、実施形態は、代替的な構成と比較した場合、車両のドライブトレーンを介したエンジンからのトルク脈動の伝達を低減することができる。したがって、デュアルマスフライホイール(DMF)等の高価で複雑な部品を要することなく、車両を改良することができる。あるいは、本発明の実施形態を用いて、DMFを保持して、さらに改良してもよい。
この発明の一つの態様によれば、入力部材と、出力部材と、入力部材を出力部材に接続する磁気歯車と、入力部材から出力部材への動力のフローを制御するように構成された制御手段とを備えるシステムが提供され、磁気歯車は、磁極の第1のセットと、磁極の第2のセットと、磁極の第1のセットと磁極の第2のセットとの間の磁界を変調するように構成された磁極片のセットとを備え、また、そのシステムは、入力部材から出力部材へのトルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段をさらに備えている。
必要に応じて、磁極の第1のセットは、永久磁石の第1のセットを備える。
必要に応じて、磁極の第1のセットは、第1の可動要素に結合される。
必要に応じて、磁極片のセットは、第2の可動要素に結合される。
必要に応じて、第1の可動要素は、入力部材に接続される。
必要に応じて、第1の可動要素は、出力部材に接続される。
必要に応じて、第2の可動要素が入力部材に接続される。
必要に応じて、第2の可動要素が出力部材に接続される。
必要に応じて、磁極の第2のセットは、磁極の第1のセットと磁極片との相互作用の結果によって生じる磁極のセットである。結果として生じる磁界と相互に作用する巻線によって生成される磁界が存在する可能性がある。
必要に応じて、巻線は、ステータに取り付けられる。
必要に応じて、巻線は、制御手段によって制御される。
必要に応じて、磁極の第2のセットは、永久磁石の第2のセットを備える。
必要に応じて、永久磁石の第2のセットは、磁気歯車の第3の可動要素に取り付けられる。
必要に応じて、制御手段は、第3の可動要素の動きを制御するように構成される。これは、巻線と第3の可動要素を、それぞれモータ・発電機のステータおよびロータとして作動させることによって行うことができる。
必要に応じて、システムは、エネルギ蓄積システムをさらに備え、この場合、制御手段は、出力部材における所要の動力が、入力部材における動力とは異なる場合に、入力部材からエネルギ蓄積システムへの、または、エネルギ蓄積システムから出力部材への動力の流れを制御するように構成される。
入力部材は、内燃エンジンのクランク軸に結合することができる。トルク脈動および/または振動は、エンジンの個々の燃焼イベントに依存する可能性がある。トルク脈動および/または振動は、入力部材の一回転当たり1サイクル以上の周波数を有する可能性がある。トルク脈動および/または振動は、10Hz〜300Hzの周波数を有する可能性がある。
この発明の第2の態様によれば、入力部材と、出力部材と、エネルギ供給手段と、エネルギシンク手段と、入力部材を出力部材に接続する磁気歯車とを備えるシステムが提供され、この場合、磁気歯車は、永久磁石のセットと、巻線のセットと、永久磁石のセットと巻線のセットとの間の磁界を変調するように構成された磁極片のセットとを備え、そのシステムは、巻線の電流を制御し、それによって、出力部材における所要の動力が、入力部材における動力と異なる場合に、入力部材からエネルギシンク手段への、または、エネルギ供給手段から出力部材への動力のフローを制御するように構成された制御手段をさらに備え、そのシステムは、入力部材から出力部材へのトルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段をさらに備える。
第2の態様において、永久磁石のセットは、必要に応じて、入力部材および出力部材の一方に関連するロータに取り付けられ、磁極片のセットは、入力部材および出力部材の他方に関連するロータに取り付けられる。
第2の態様において、制御手段は、必要に応じて、巻線によって生じた磁界が、永久磁石のセットによって生成された磁界の磁極片のセットによる変調によって結果として生成された磁界と相互に作用するように、巻線の電流を制御するように構成される。
第2の態様において、制御手段は、必要に応じて、巻線によって生成された磁界が回転するように、巻線の電流を制御するように構成される。
第2の態様において、制御手段は、必要に応じて、巻線の電流の振幅を変化させて、所要のトルクを生成するように構成される。
必要に応じて、第2の態様のシステムでは、エネルギ供給手段およびエネルギシンク手段は、エネルギ蓄積システムを備える。
第2の態様において、エネルギシンク手段は、必要に応じて、電力の消費部を備える。
第2の態様において、エネルギシンク手段は、必要に応じて、けん引モータを備える。
第2の態様において、エネルギシンク手段は、必要に応じて、車両のホテル負荷を備える。
以下の任意の特徴は、第1の態様のシステムおよび第2の態様のシステムの両方に関連し、およびそれぞれの任意の特徴である。
必要に応じて、トルク脈動および/または振動を低減する手段は、ダンピング手段を備える。
必要に応じて、ダンピング手段は、ダンパーバーを備える。
必要に応じて、ダンピング手段は、ダンパー巻線を備える。
必要に応じて、制御手段は、トルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段を備え、その制御手段は、キャンセルトルクを印加するように構成される。
必要に応じて、キャンセルトルクは、入力部材の位置、速度または加速度の測定値に応じて印加される。
必要に応じて、キャンセルトルクは、入力部材のトルク脈動の予測を用いて判断される。
必要に応じて、入力部材のトルク脈動の予測は、入力部材に接続されたエンジンの形状寸法および燃焼パラメータを用いて計算される。
必要に応じて、トルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段は、磁極片のセットがその上に取り付けられる片持ち梁状に突出したオープンカップロータを備える。
必要に応じて、片持ち梁状に突出したオープンカップロータは、無負荷時には逆に曲げられる。
必要に応じて、片持ち梁状に突出したオープンカップロータは、負荷トルク時には捩じられない。
必要に応じて、トルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段は、可撓性材料から形成された磁極片支持構造を備える。
必要に応じて、可撓性材料は、複合またはエンジニアリングプラスチックである。
必要に応じて、入力部材はエンジンに接続される。
必要に応じて、システムは、車両ドライブトレーンの部分を構成する。
必要に応じて、エネルギ蓄積システムは、バッテリである。
この発明の第3の態様によれば、入力部材と、出力部材と、入力部材を出力部材に接続する磁気歯車と、入力部材から出力部材への動力のフローを制御するように構成された制御手段とを備えるシステムが提供され、この場合、磁気歯車は、磁極の第1のセットと、磁極の第2のセットと、磁極の第1のセットと磁極の第2のセットとの間の磁界を変調するように構成された磁極片のセットとを備え、磁極の第1および第2のセットにおける磁極の数、磁極片のセットにおける磁極片の数、および磁気歯車における可動要素の慣性は、ある周波数帯域幅においてトルク脈動および/または振動を減衰するように選択される。
この発明の第4の態様によれば、第1の態様または第2の態様によるシステムを制御する方法が提供され、この場合、その制御手段は、トルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段を備え、その方法は、キャンセルトルクを印加するように作動する制御手段のステップを含む。
キャンセルトルクは、入力部材から出力部材へのトルク脈動および/または振動の伝達を少なくとも一部相殺するように印加することができる。
(例えば、2ロータバージョンに関する方法クレーム)
この発明の第5の態様によれば、第1の態様において定義されているようなシステムを作動させる方法が提供され、この場合、磁極の第2のセットは、磁気歯車のステータに取り付けられた巻線のセットによって生成され、巻線の電流は制御手段によって制御可能であり、その方法は、
(a)入力部材の速度を示す第1の信号を受取り、
(b)出力部材の所望の速度を示す第2の信号を受取り、
(c)第1の信号および第2の信号に基づいて、出力部材の所望の速度を与えるための巻線の電流の値を識別し、および
(d)入力部材の速度およびトルクの周期的変動にかかわらず、巻線の電流がその値において実質的に一定になるように制御する、
制御手段を備える。
電流の値は、その電流の大きさおよび/または周波数とすることができる。同様に、ステップ(d)は、巻線の電流を、大きさおよび周波数が実質的に一定になるように制御することを含んでもよい。
その電流は、入力部材が結合される内燃エンジンにおける個別の燃焼イベントにより、入力部材の速度およびトルクの周期的変動に関係なく、実質的に一定になるように制御することができる。周期的変動は、入力部材の回転に関する入力部材の速度およびトルクの変動とすることができる。
入力部材の速度は、回転速度とすることができる。また、第1の信号は、入力部材の回転位置を示してもよい。第1の信号は、例えば、一つまたは少なくとも一つの回転に関する、入力部材の平均回転速度を示してもよい。ステップ(d)は、第1の信号および第2の信号が実質的に一定である間、電流を実質的に一定に保つことを含んでもよい。ステップ(c)は、少なくとも(i)入力部材の速度と、(ii)出力部材の所望の速度と、(iii)(i)および(ii)に対応する巻線の電流の間の関係を示すレコードを調べることを含んでもよい。巻線の電流は、トルクを推測するのに用いることができる。また、その方法は、入力部材のトルクを示す信号を受け取ることを含んでもよい。このトルクは、電流を識別するための基準として、ステップ(c)で用いてもよい。このトルクは、レコードに記録された関係の一部を構成してもよい。レコードは、ルックアップテーブル、例えば、マップとすることができる。
(例えば、3ロータバージョンに関する方法クレーム)
この発明の第6の態様によれば、第1の態様において定義されたシステムを作動させる方法が提供され、この場合、磁極の第2のセットは、磁気歯車の第3の可動要素に取り付けられた永久磁石の第2のセットを備え、第3の可動要素は、その電流が制御手段によって制御可能である巻線のセットを有するモータ・発電機のロータであり、その方法は、
(a)入力部材の速度および位置を示す第1の信号を受取り、
(b)出力部材の所望の速度を示す第2の信号を受取り、
(c)第1の信号および第2の信号に基づいて、巻線に設定されるターゲット電流を識別し、ターゲット電流は、入力部材から出力部材への速度およびトルクの周期的変動の伝達を少なくとも低減するように、第3の可動要素を加速および減速させる周期変動補正電流を含み、
(d)巻線の電流が、実質的にターゲット電流となるように制御する、
制御手段を備える。
方法は、例えば、スロットル位置を示す形態のエンジントルクの表示を受け取る制御手段を含んでもよい。これは、後のトルク脈動のサイズに関する表示であることは正しく認識されるであろう。方法は、ステップ(c)においてエンジントルクの表示を用いて、ターゲット電流を識別することを含んでもよい。
周期的変動は、入力部材の回転に関する入力部材の速度およびトルクの変動とすることができる。
入力部材の速度およびトルクの周期的変動は、その入力部材が結合される内燃エンジンにおける個別の燃焼イベントによる可能性がある。周期的変動は、入力部材の回転に関する入力部材の速度およびトルクの変動とすることができる。
入力部材の速度は、回転速度とすることができる。第1の信号は、入力部材の回転位置も示すことができる。第1の信号は、例えば、一つまたは少なくとも一つの回転に関する入力部材の平均回転速度を示すことができる。ステップ(d)は、入力部材の平均回転速度の間、少なくとも一つまたは少なくとも一つの回転に対して、ターゲット電流を維持することを含んでもよく、また、第2の信号は、実質的に一定である。ステップ(c)は、少なくとも(i)入力部材の速度と、(ii)出力部材の所望の速度と、(iii)(i)(ii)に対応する巻線の電流との関係を示すレコードを調べることを含んでもよい。ステップ(c)は、入力部材の回転位置を示す情報および/または補正電流の周波数を与えるその回転速度を示す情報を用いることを含んでもよい。また、その方法は、入力部材のトルクを示す信号を受け取ることを含んでもよい。このトルクは、ステップ(c)において、その電流を識別するための基準としても用いることができる。また、このトルクは、レコードに記録された関係の一部を構成することもできる。レコードは、ルックアップテーブル、例えば、マップとすることができる。
この発明のいずれかのシステム態様の任意の特徴は、この発明のいずれかの方法態様の任意の特徴であってもよく、逆もまた同様であることが想定されている。
この発明の第7の態様によれば、自動車用ドライブトレーンが提供され、そのドライブトレーンは、第1から第6の態様のいずれかによる内燃エンジンおよびシステムと、そのシステムの入力部材に結合された内燃エンジンのクランク軸と、ドライブトレーンの駆動輪に結合されたシステムの出力部材とを備えている。
この発明の第8の態様によれば、第7の態様のドライブトレーンを備える自動車が提供される。
この発明の第9の態様によれば、コンピュータに、上述したいずれかの方法のステップを実行させるコンピュータが実行可能な命令を備えるコンピュータプログラムプロダクトが提供される。
この発明の第10の態様によれば、自動車ドライブトレーン用電子制御ユニットが提供され、その電子制御ユニットは、上述したいずれかの方法のステップを実行するように構成されている。
(動力見積補助構成要素)
以下は、本願明細書において、いずれかの態様において定義されているシステムの任意の特徴である。それらの特徴は、自動車のデバイスの補助構成要素、例えば、暖房、換気およびエアコンディショニングコンプレッサに電力を供給するシステムの利用に関する。
必要に応じて、入力部材は、プーリーを備える。
必要に応じて、入力部材は、磁気歯車の外側ロータを備え、プーリーは、外側ロータに同軸に配置される。
必要に応じて、入力部材は、ベルトによって駆動される。必要に応じて、そのベルトは、エンジンによって駆動される。
必要に応じて、出力部材は、自動車の補助構成要素またはデバイスに接続される。必要に応じて、出力部材は、暖房、換気およびエアコンディショニングコンプレッサに接続される。必要に応じて、出力部材は、冷媒圧縮機、オイルポンプ、ウォーターポンプまたはエアコンプレッサに接続される。
必要に応じて、出力部材は、プーリーを備える。
必要に応じて、出力部材は、磁気歯車の外側ロータを備え、プーリーは、外側ロータに同軸に配置される。
必要に応じて、入力部材は、エンジンに接続される。
必要に応じて、出力部材は、ベルトを駆動する。必要に応じて、ベルトは、自動車の少なくとも一つの補助構成要素またはデバイスを駆動する。必要に応じて、ベルトは、暖房、排気およびエアコンディショニングコンプレッサを駆動する。必要に応じて、ベルトは、冷媒圧縮機、オイルポンプ、ウォーターポンプまたはエアコンプレッサのうちの一つ以上を駆動する。
必要に応じて、巻線は、外部ステータに取り付けられる。必要に応じて、巻線は、内部ステータに取り付けられる。
必要に応じて、システムは、制動トルクを出力部材に印加する制動手段を備える。必要に応じて、制動手段は、出力部材が回転するのを防ぐ。必要に応じて、制動手段は、出力部材が加速するのを防ぐ。
必要に応じて、制御手段はさらに、エネルギ蓄積システムから入力部材への動力のフローを制御するように構成される。
以下、具体的な実施形態を、添付図面を参照して、単なる実施例として説明する。
動力分割装置を備えた混合電気ハイブリッドパワートレーンを示す図である。 機械的プラネタリギヤおよび等価的磁気歯車を示す図である。 磁極片のアレイによる永久磁石の内側アレイからの磁束の変調の結果として生成された磁界を示す図である。 一定比の磁気歯車において結果として生じる磁界と相互に作用する外部磁界の準備を示す図である。 入力速度ωppが1300rpmである実施例で与えられるパラメータを用いた一定の入力速度の場合の出力ロータ速度と制御要素速度との関係を示す図である。 異なる入力速度の場合の特性の範囲を示す図である。 包括的な外側モータによって制御される磁気歯車を示す図である。 (ロータの外側面にPMの第3のアレイを備えた)外側永久磁石機械によって駆動される外側制御ロータを示す図である。 磁気歯車外側ロータおよび外側制御ステータに対するPMロータの両方として用いられるPMの単一のアレイを備えた低慣性制御ロータを備える3ロータ磁気動力分割を示す図である。 3ロータシステムの場合の低慣性制御ロータを示す図である。 3ロータシステムの場合の低慣性制御ロータを示す図である。 3ロータシステムの場合の低慣性制御ロータを示す図である。 入力軸と出力軸の2つの可能性のある組合せにおいて示す、PM制御ロータおよび外側ステータを備えたハイブリッド動力分割を示す図である。 正しい磁極ペア数を生じるステータが、どのようにして、PMアレイによって結果として生成された磁界と結合し、および磁極片ロータを変調させるかを示す説明を含む図である(例えば、4つの磁極ペアパターンの回転を生じさせる12スロット、三相集中巻線)。 結果として生じる磁界と相互に作用して、2ロータ動力分割磁極ペアパターンを生成する、組合された歯車構成要素およびステータを示す図である。 配置された巻線を備える2ロータの変形例を示す図である。 周方向に位置合わせされた磁石および強磁性磁極が磁束を径方向でエアギャップに集中させる状態で、内部永久磁石アレイを有するPMロータを備えた2ロータシステムを示す図である。 2ロータシステムを備えた動力分割ハイブリッドシステムを示す図である。 DMFを用いた従来のエンジンNVH低減を示す図である。 追加的なアクティブねじり振動キャンセル/ダンピング装置を備えたDMFを示す図である。 単純化されたアーキテクチャを用いたDMF機能を組み込んだ磁気動力分割を示す図である。 磁極片ロータが完全に支持されている状態のフルベアリングシステムを示す図である。 片持ち梁状に突出したオープンカップロータ構造を示す図である。 (予め成形された、または、オーバーモールド材料を示す)磁極片ロータケージを示す図である。 予め捩じられた磁極片ロータケージを示す図である。 外側ロータへのベルト入力を備えた可変速ギヤを示す図である。 制御された速度出力を補助ベルトに供給するエンジン入力を備えた可変速ギヤを示す図であり、インラインプーリーホイールを示す図である。 制御された速度出力を補助ベルトに供給するエンジン入力を備えた可変速ギヤを示す図であり、同軸プーリーホイールを示す図である。 制御された速度出力を内部ステータによって補助ベルトに供給するエンジン入力を備えた可変速ギヤの実施例を示す図である。
(磁気歯車装置を用いた動力分割システムの説明)
背景として、以下の説明を記載する。
概して同等の機械的遊星歯車セットと一緒に図2の右側に図示されているように、図1に示すシステムにおける機械的なプラネタリギヤを非接触磁気歯車と置換えることにより、多くの利点を得ることができる。磁気歯車は、遊星歯車のサンギヤに相当する高速磁石ロータ21と、プラネタリキャリアに相当するスチール磁極片ロータ22と、リングギヤに相当する低速磁石ロータ23とを有する。
磁気歯車の利点は、
・(摩耗部品がなく、軸受潤滑のみを要するため)潤滑が必要ないこと、
・(摩擦損がないため)高効率であること、
・摩耗部品がないことが、信頼性を高めていること(補修時間が少なく、MTBFがより小さい)、
後述するように、磁気歯車は、(高い柔軟度を可能にする機械的等価物の大ホイール/小ホイール原理に追従する必要がないため)逆にしてもよいこと、
を含む。
さらに、磁気歯車は、この開示において利用されるであろう、(磁界結合を介した)入力および出力ロータ/慣性間の固有の捩じれ撓み性を有する。
機械的等価物と同様に、第3のロータを静止状態で保持することにより、2つのロータ間で一定のギヤ比が実現される。第3のロータを回転させることを可能にすることにより、ロータ間の速度関係を、以下で議論するように変更することができる。
例えば、(ICEクランク軸によって駆動される)入力ロータは、典型的には、PMアレイである(ホイールへの最終ドライブに接続された)第2の出力ロータからの磁界を変調する複数の強磁性磁極片を備えた中間ロータである。これは、磁極片の数から出力ロータ上の磁極ペア数を引いたものに等しい磁極ペア数を有する図3に示すような、結果として生じる変調磁界を生じさせる。図に示す実施例においては、内側PMアレイ上の23の磁極ペアと、磁極片から外側径方向に4極の結果として生じる磁界を生じさせる27の磁極片とがある。磁気歯車動作と一致するように、この「結果として生じる」磁界と同じ磁極ペア数の外部に生成された磁界は、この結果として生じる磁界と相互に作用し/磁気的に結合することになる。例えば、4極の永久磁石アレイが、図4に示すように、変調ロータの外側に配置される。外部に生成される磁界と、結果として生じる磁界を相互に作用させることにより、入力/磁極片ロータおよび出力ロータの両方にトルクを伝えることができる。
外部に生成された磁界が、静止状態に保持される場合(すなわち、それは、時間および空間が固定されている一連の空間的に配置された磁極を有する)、入力軸の何らかの回転は、第3の磁界(またはロータ)が静止状態に保持される何らかの磁気歯車システムと一致するように、出力軸の歯車結合回転を引き起こすことになる。このことは、内側サンギヤが回転する機械的なプラネタリギヤと似ており、外側のリングギヤは静止状態に保持され、そのことは、遊星歯車を介してプラネタリキャリアを回転させる。トルクの比、および速度の反比は一定であり、以下の方程式(1)および(2)で示されるように、入力および出力ロータに対する磁極数/磁極片の比によって決まる。
ただし、Nppは、入力ロータ上の磁極片の数であり、Nopは、出力ロータ上の磁極ペアの数であり、Tppおよびωppは、それぞれ、入力ロータのトルクおよび速度であり、Topおよびωopは、それぞれ、出力ロータのトルクおよび速度であり、Grは、ギヤ比である。
上記の実施例において、(結果として生じる磁界と相互に作用する)外部磁界は、入力ロータと出力ロータとの間で一定のギヤ比を実現するために、静止状態に保持される。しかし、外側の外部磁界も回転できるようになっている場合には、2つの主入力および出力ロータ間の速度比は、方程式(3)で与えられる関係に従い、ただし、Ncrは、磁界の外部ソース上の磁極ペアの数であり、ωcrは、その回転速度である。この磁界は、制御磁界と呼ばれる。制御磁界磁極は、上記のように互いに対して空間的に配置され、それは回転する磁極のアレイ全体であることに留意する。
crωcr=Nppωpp−Nopωop・・・(3)
そして、出力ロータの速度は、
によって与えられる制御ロータの関数である。
例えば、Ncr=8、Npp=19、Nop=11、およびωpp=1300rpmである場合、
出力ロータは、
によって与えられる。
このことは、一定の入力速度によって可変速度出力を実現できることを実証している。例えば、図5は、方程式(5)で与えられたパラメータを用いて実現できる速度の範囲を示し、一定の入力速度1300rpmで、制御磁界を−200rpmから4000rpmまで変化させることによって、2245rpmという静止点以上に速度を増加させ、およびゼロを超えて逆にまで速度を低下させる能力を実証している。(ωcr=0の場合の静止点は、Npp/Nop=19/11=1.727、および1.727×1300rpm=2245rpmであるため、上記の方程式(2)によって支配される。)また、入力速度は、(例えば、エンジン作動点が、作動マップ全域で、より高効率の作動点にシフトするため)変化させることができ、および図6に図示されているように、入力および制御要素速度の連続範囲に関して、所定の出力速度を得ることができる。
上記のことは、速度ならびに速度ギヤ比がどのように制御されるかを実証している。しかし、トルク比は、以下で照明するように、一定のままである。しかし、無損失システムにおいて、すべての軸に関する動力およびトルクの合計は、足してゼロにならなければならない。すなわち、
cr+Ppp+Pop=0・・・(6)
cr+Tpp+Top=0・・・(7)
したがって、
−Pcr=Ppp+Pop・・・(8)
動力=速度×トルクであるため、方程式(8)から、
−Tcrωcr=Tppωpp+Topωop・・・(9)
方程式(3)および(9)の検査により、
cr ∝ −Tcr・・・(10a)
pp ∝ Tpp・・・(10b)
op ∝ −Top・・・(10c)
したがって、
これは、トルクの比が一定であり、その形状寸法によってのみ決まることを実証している。制御磁界速度の変化に応答して変化するのは速度比だけである。
方程式(3)から、ωcr=0の場合、
ppωpp=Nopωop・・・(12)
であることに留意する。
これは、システムの固有または静止ギヤ比である。
また、方程式(8)から、制御磁界が静止状態に保持される場合、制御ロータに関連する動力はゼロであり、したがって、
pp=−Pop・・・(14)
上記のことは、(制御磁界の速度を制御することにより)その速度比を変えることができるが、そのトルク比は常に、磁極ペアの数と磁極片の数の比によって定義され、およびロータ形状寸法/磁極の組合せによって固定され、および設計段階で選択されることを実証している。しかし、トルク比は、ロータの直径とは無関係であることに留意することが重要である。このことは、歯車の歯は、噛み合うために同一のピッチを有していなければならないため、ギヤを実現できる唯一の方法は、異なる数の歯を適合させるために、より大きなおよびより小さな歯/歯車を有することである「大ホイール/小ホイール」原理に従わなければならない、機械的歯車に優る大きな利点である。磁気歯車のギヤ径からギヤ比を切り離すことは、設計時の高い自由度を可能にし、および適切な慣性を確実に利用できる能力を可能にする。
典型的な設計上の選択は、有利なレベルの伝動装置/機械的利点を可能にする、高いトルク(すなわち、出力)を有する一つのロータと、低トルク(一般に、入力)を有する一つのロータとをもたらすであろう。第3のロータは、方程式(7)により、最大トルクから最低トルクを引いたものに等しいトルクを有し、そのため、やはり高トルクである。
上記の方程式は、Nppがシステムにおいて最大数であるため(Npp=Nop+Ncr)、このロータが、システムにおける最大トルクを生じることを証明するのにも用いることができ、すなわち、中間ロータは常に、エンジンまたは出力トルクを好ましくは有する高トルク要素になる。その場合、この磁極片ロータに対する内側または外側の位置に、最低トルクのロータを有することが可能である。PPRおよび第2の最大トルクロータ、すなわち、最大数の磁極ペアを備えたものを用いるスルーパワー(機械的ドライブライン)を有することが有利である。このことは、(制御を実行するのに用いられることになる)外側要素を、最低トルク要素のままにする。このことは、この要素が電流に対してアクティブであり、および高トルクが、効率の低下につながる高電流および損失を要するため有利である。
これは、上記の実施例と一致し、結果として生じる磁界は、最少の磁極数を有し、(そのため、システムにおける最低のトルク要素と関連し)および上記の数式およびグラフに追従する2つの主ロータの速度制御を実行するのに用いられる。
導入部に記載されている機械的動力分割システムと同様に、制御要素が制御磁界を生成し、トルクに反応し、および回転するため、それは動力を発生する。電気機械が、トルクおよび速度制御を施すのに用いられる場合、それは、発電機またはモータとして作動することになり、および(モータ/発電機の電気機械エネルギ変換によって)機械的パワートレーンから動力を電気エネルギとして出力または入力する。そして、このエネルギは、エネルギ蓄積部(すなわち、バッテリ)に一時的に蓄積され、および/または電気エネルギの消費部、例えば、動力を車輪に供給するトラクションモータに供給される。
しかし、結果として生じる磁界と相互に作用する外部制御磁界を設けること、およびその回転を制御する方法を提供することは、以下で説明する2つの実施形態において議論するように、機械的な従来技術よりもより統合された方法で実現することができる。
次に、磁気歯車を備えるシステムが提供されるいくつかの実施形態について説明する。磁気歯車は、上述した「磁気歯車装置を用いる動力分割システムの説明」に記載されている原理に従って構成され、この背景情報は、当業者が本開示を理解するのを補助するために記載されている。
本発明を具体化することができる代替的なシステムの以下の説明の後に、それらのシステムを作動させる方法の説明が続いている。それらの実施例の方法も実施形態に相当する。
(実施形態1:3ロータデバイス)
図7および図8を参照すると、この実施形態において、結果として生じる磁界が相互に作用する外側制御磁界は、ロータに取り付けられた永久磁石(PM)のアレイによって生成される。このロータは、外部手段、好ましくは、図7に示すように、ステータに巻き付けられた巻線を坦持し、およびパッケージングの便益のためにギヤロータと同軸になっているステータによって回転される。図7は、制御ロータとして作動する巻線と、モータ/発電機ロータ72と、磁気歯車外側PMロータ73と、磁極片ロータ(入力または出力)74と、磁気歯車PMロータ75(入力または出力)とを備えたモータ/発電機ステータ71を示す。
この外側制御モータには多くの選択肢がある。例えば、
A.PMの内側および外側:各アレイは、バックアイアンに対して異なる磁極数を有する。このことは、図8に示すように、ギヤおよびモータ/発電機の独立した最適化を可能にする。
B.PMの内側および外側は、バックアイアンと同じ磁極を有し、バックアイアンは、必ずしも磁気的に必要ではないが、支持を実行できる。
C.上記Bと同様であるが、ここでは、バックアイアンが取り除かれている。その場合、磁石は、内側面がギヤ磁極片に対向し、および外側面がステータに対向している単一のアレイとすることができる。磁石は、それ自体が構造的完全性を何ら有しておらず、好ましくは、非磁気性スリーブ(すなわち、CFチューブ/スリーブから成る複合材料)上に保持される。それは、鉄損および渦電流のソースを取り除くため、このことには、高いダイナミクスおよび低損失を実現するための非常に低い慣性を実現することに関して著しい利点がある。
D.埋め込み/内部永久磁石(IPM)ロータを備えた上記B。磁石は、好適な積層構造内に保持される。磁束集中を用いてもよい。
典型的には、モータまたは発電機用のPMロータは、(負荷トルクを有するため)機械的強度を与えるために、および磁束のためのリターンパスを設けるために、積層構造または頑丈なスチール構造の上に磁石を取り付けることによって形成される。内側面および外側面の磁極数が同じである(すなわち、磁気歯車外側ロータおよび外側制御機械ロータが同じ磁極数を有している)場合、この「バックアイアン」はもはや必要ではなく、磁気的に省くことができる。制御ロータが、非磁気性構造(例えば、複合材またはCFチューブ)上に支持された永久磁石の単一のアレイである上記の変形例Cには、その制御ロータは、ここでは、低慣性要素であり、システムを迅速に応答させることができるという点で、著しい動作上の利点がある。この実施例を図9に示す。
しかし、永久磁石自体は脆く、低構造強度を有するため、やはり支持構造を必要とする。図10は、可能性のある低慣性制御ロータの構成を示す。支持複合チューブは、ガラス繊維または炭素繊維のチューブから製造することができるであろう。図10(a)および図10(b)の実施例は、それに対して磁石102が内側または外側面に付着される予め巻き付けられた/予備形成されたCFチューブ101とすることができる。図10(c)の実施例は、例えば、予備形成されたチューブ上に磁石を付着し、その後、樹脂および硬化によって、CF/GFの層を重ねる(ウェットワインディング)ことによって製造することができる。別法として、予め巻き付けられたチューブを、内側チューブおよび磁石アセンブリに押し込んでもよい。このような構造を実現するためのさらなる方法は、樹脂トランスファー成形プロセス(RTM)を用いてロータを形成することである、この場合、磁石と、CF/GFの層の接合がクランプされて、成形キャビティ内に保持され、熱による硬化の前に、加圧下で、低粘性樹脂が注入されて、高度に一体化された部材を形成する。別法として、支持チューブは、RTM法を用いて予備形成し、その後、取付け/挿入してもよい。また、図9は、磁極が、磁束を磁極片に集中させる、周方向に整列された磁石によって形成される内側PMアレイから成るさらなる変形例を示す。
別法として、制御ロータは、
E.誘導機ケージアウター(制御ロータは、一方の側面にPMアレイを有する)および誘導機ケージ(巻線界磁または固体バー)ロータ
F.スイッチドリラクタンス
G.巻線界磁同期
等の異なる機械技術によって駆動してもよい。
上記のことは、所要の永久磁石材料を低減するということに関しては恩恵があるが、それ程高いトルク密度/効率を有していない。
図11は、ハイブリッド自動車パワートレーンにおける磁気動力分割に関するこの実施形態の2つの可能性のある構成を示す。ICエンジン111は、内側PMロータ112または磁極片ロータ113のいずれかに接続され、他方は最終ドライブ114に接続されている。いずれの場合にも、電気的動力の入力/出力116を有するステータ巻線115と相互に作用するPM制御ロータ117は、どの軸にも接続されていない(が、それが自由に回転できるように、ベアリングに機械的に支持されている)。
(実施形態2:2ロータデバイス)
この実施形態において、制御要素は物理的ロータではなく、結果として生じる磁界と、制御ステータの磁界との結合によって実現されている。ここでは、動力分割要素は、一つの永久磁石アレイ(典型的には、出力ロータ)と、磁極片から成る変調アレイ、通常、入力ロータとで構成される。PMが生成した磁界と磁極片との相互作用によって結果として生成された磁界は、巻線のセットによって生成された空間場と結合して、図12に示すように、トルクおよび歯車動作を生じさせる。巻線の電流が一定の場合、ギヤは、一定のギヤ比で作動することになる。空間的に分散され、典型的には、三相120度ずれている巻線に、時間的にずれた電流(典型的には、三相の120度ずれた電流)を供給することにより、外部磁界が回転する。その場合、ギヤ比は、上述したように変更される。
このことを説明する可能性のある方法は、上記の制御ロータ上の内側および外側のアレイが、同じ磁極数を有して整列されていることを想像することである。その場合、それらは、バックアイアンを坦持する必要はなく、これを取り除くことができる。そして、本発明者等は、それらのアレイの径方向の厚さを徐々に小さくする。それらは、ゼロになり、最終的になくなるが、結果として生じる磁界は、制御ステータによって生成される磁界と同じ磁極数および配置を有するため結合することになる。そのため、中間制御ロータは必要ない。
結果として得られる2ロータデバイスを図13に示す。ステータおよびPMロータのその他の変形例も可能である。例えば、図14は、図13に示す集中型巻線とは対照的に、分散型巻線を備える異なるステータを用いた変形例を示す。図14は、内側PMロータが、磁束をエアギャップに向けて径方向にそらす強磁性磁極に磁束を集中させる、周方向に整列された磁石を備えた埋め込み磁石/内部磁石デザインである変形例を示す。
この実施形態は、前の事例を超える複数の明確な利点を有している。例えば、
・物理的な制御ロータをなくすことにより、制御システムは、ゼロ慣性を有し、およびその応答は、かなり速い電気的および磁気的時定数によって決まる。このことは、かなり高い制御帯域幅を与え、およびドライブトレーンダイナミクスを著しく向上させることができる。
・ギヤのトルク能力は、(2つの永久磁石アレイを備えた上記の事例と同様に)もはや一定ではなく、ここでは、トルクは電流に比例する。高度に過渡的なシステムにおいて、このことは、より低い平均トルク要件に対応するように熱的に評価されたデバイスを用いて、ピーク要求に対応するために、電流を短期間、増加させることができるため、そのデバイスサイズを低減することが可能である。
・典型的には、高速ロータである物理的制御ロータの除去は、その関連するベアリング、損失をなくし、(大きな物理的回転要素の除去によって)ノイズを低減する。
・永久磁石材料の体積/質量ならびにコストが大幅に低減される。
図16は、ハイブリッド車パワートレーンにおける2ロータシステムの2つの可能性のある構成を示す。第1の構成において、ICE161は、磁極片ロータ162に結合され、最終ドライブ163は、内側PMロータ164に結合され、巻線が、電気的動力の入力/出力166に接続されている制御ステータ165上に設けられている。第2の構成においては、ICE161が内側PMロータ164に結合され、最終ドライブ163が磁極片ロータ162に結合され、制御ステータ165および巻線は変わらない。
(フライホイールレストランスミッションを可能にする磁気歯車特性)
上述した実施形態の2つの主要グループの各々において、その磁気歯車は、ある程度の柔軟性をドライブトレーンに導入する。この点に関して、磁気的動力分割は、動力分割ハイブリッドアーキテクチャおよびDMFの両方の機能性を置換えるのに用いることができ、そのため、DMFをシステムから削除することができる。このことは、2つの方法で、すなわち、ギヤの捩りコンプライアンスを単独で受動的に用いること、または、以下での述べるように、追加的にギヤを能動的に制御することで実現することができる。
(磁気歯車コンプライアンスによる受動的キャンセル)
磁気歯車システム内のロータの結合は、磁界によって実現される。このことは、ある程度の捩りコンプライアンスをシステムに導入し、そのことは、機械ばねとダンパーによって慣性がまとめて結合されるデュアルマスフライホイール(DMF)の結合に似ている。トランスミッション内に磁気歯車を導入することは、DMFを有するための要件を置換えることができ、およびドライブトレーントルクから広範な周波数を除去する一自由度の調整システムを可能にし、トルク脈動の低減を可能にする。前述したように、慣性は、ある程度、所要のギヤ比から分離され、そして、慣性は、所要の周波数帯域の減衰を実現するように調節することができる。これは、受動的システムと見なすことができる。システムの剛性は、磁気歯車内の磁極数によって決まるのに対して、直径は、所定の質量を実現するように選択することができる。固有のダンピングが、システムにおける電磁損失(磁石における渦電流損失、巻線の損失等)によって含まれているが、このことは、(過渡的ロータ振動の間に生じる何らかの非同期磁界からの変化磁束により短絡する場合がある、それらの中に誘導された電流を有する導電性要素である)ダンパー巻線またはダンパーバーを含むことによって、必要に応じて強化することができる。
磁気歯車によってDMF機能を導入することにより、いかなる追加的なフライホイール慣性も低減することができ、それによって、円滑なエンジン出力およびNVHの低減を依然として維持しながら、高速の車両過渡性を可能にする。
上記の特徴は、(コストおよび単純化の恩恵を伴って)DMFをなくすのに利用することができるが、システムが、(例えば、ラグジュアリークラスの自動車に採用される可能性のある)より広い周波数帯域を減衰させることができる2自由度の(two−degree of freedom:2−DOF)システムを実現するために、DMFとともに用いられることも可能である。
磁気歯車を採用することに関するさらなる利点は、それがトルク制限を導入するということである。何らかの負荷が、磁界によって生じたエアギャップせん断応力の能力を有するトルクを超えて印加された場合、ロータは、非係合状態になって、害を及ぼさない形でポールスリップ(pole−slip)を生じる。ギヤは、一旦、過負荷トルクが過ぎると、自動的に再係合することになる。この「トルクヒューズ(torque fuse)」動作は、エンジンおよびドライブトレーン機械システムを、縁石衝突等の極端な衝撃負荷時のドライブトレーンにおける急激/急速な破壊的過渡電流から保護することができる。
(磁気的動力分割の電流およびトルクの制御による能動的キャンセル)
図17および図18を参照すると、本発明者等は、減衰能力、およびDMF181を用いる従来のパワートレーンのNVHを、図18に示すように、トルク脈動184を低減または除去するように(トルク脈動に対して逆位相の)電流を能動的に制御することによってキャンセルトルク183を能動的に印加することができる、適切な磁気的動力分割182の形態の電気制御要素をトランスミッション185に導入することにより、大幅に向上させることができることを実現している。
2ロータおよび3ロータシステムの両方における主トルク伝達は、反作用トルクを制御要素上に発生させることによって実現される。いずれかのシステムにおける電流を制御することにより、アクティブ捩れ振動/捩り振動キャンセルシステムの機能を、図19に示すような磁気的動力分割191を用いて得ることができる。
3ロータシステムの場合、その制御要素は、回転要素上の永久磁石の磁極により、磁気歯車システムに回転磁界を生成する制御ロータである。そのトルクは、ロータと、それらの対応する回転磁界との間の相対的電気位置によって実現される磁極間に「負荷角」を設けることによって発生される。このことは、磁気歯車における負荷と、3ロータシステムを介して伝達されるトルクを、制御ロータを瞬間的に加速または減速させることによって実現できる、システムにおける負荷角を変えることによって全体的に制御することができることを必然的に含む。このようにして、過渡エネルギは、蓄積されて、エネルギ蓄積システムから戻され、および単純に散逸して損失を引き起こすことがない。しかし、インバータのVA定格は、ピーク出力に適応しなければならず、付随する変換損失が存在する。
2ロータシステムは、制御要素が、ステータにおける位相ずれした巻線の連続電流によって生成された回転磁界であるため、わずかに異なっている。この場合、負荷角は、ステータにおいてアンペア当たり最大トルクを与えるために常に90度に維持されて、最高効率が実現される(この制御方法は、ステータ磁界が、結果として生じる磁界に同期される同期機械の制御に似ている)。この場合、磁気歯車を介して伝達される主トルクは、ステータ巻線の電流の振幅を変調させることによって制御される(ここでもまた、同期機械の制御に似ている)。このことは、トルクおよび速度振動/脈動をエンジン(または、他の主要ソース)から分離する能力をさらに与える。例えば、入力ロータが、高レベルの振動およびトルク振動を有する場合、制御部は、一定で不変の電流の大きさを維持する必要がある可能性がある。このことは、出力ロータ(すなわち、自動車ドライブトレーン)に伝達されるトルクも一定になり、また、振動は、それ自体が、入力ロータ(クランク軸およびフライホイール)の速度振動として生じる。速度変動の振幅は、慣性の関数になるが、振動は、出力軸に伝わらない。
このことには、その制御作用に応答して損失を生成する逆位相で作用するモータ/発電機システムを介して反作用トルクを生成する他の能動的電磁振動制御システムと違って、2ロータシステムは、電気的損失を含まず、または、振動減衰をもたらす駆動VAの定格の増加を必要としないという二次的な利点がある。
したがって、2ロータシステムには、
1.システムは、その応答が、機械的システムよりも1桁小さい時定数を有することができる、電気的および磁気的システムのみによって調速されるため、非常に高い帯域幅を有し、および機械的慣性を加速/減速する必要がないこと、
2.システムは、ステータが、特定の周波数で、脈動に対する反作用トルクを生成せず、そのため、脈動は、それ自体が(振動キャンセルシステムとは対照的に)その後、これまたは二次的なシステムによって減衰されなければならない、第1の実例におけるパワートレーンにおいて生じない可能性があること、
を含む著しい利点がある。
(能動的キャンセルのための制御システム)
次に、「能動的な」キャンセルをもたらすための上述したシステムの動作について説明する。
好ましくないエンジントルク脈動は、クランク軸を順方向に加速させ、そのことは、それらの軸が堅固にまたは従順に結合されている場合(通過される量はコンプライアンスに依存する)ドライブトレーンシステム全体を介したトルクを反映することになる。しかし、提案した能動的キャンセルシステムは、も散られる磁気的動力分割に依存する2つの方法のうちの一つでこれに対処する。
3ロータシステムにおいて、ドライブトレーンに直接、接続されていない制御ロータは、制御ロータとステータ巻線電流との相互作用による駆動軸の潜在的な加速に応答して、順方向に加速される。このことは、負荷を磁気歯車に発生させることはなく、したがって、クランク軸の加速は、駆動軸には伝わらない。第3の制御ロータは、結果としてドライブトレーンよりも加速され、そのため、これが(エンジン脈動に応答して急速に加速することができるような)低い慣性を有することが有利である。制御部は、軸速度が、予測した定常状態トルクを超えて増加したときに生成されるエラー信号に応答して、制御ロータを潜在的に加速するための電流およびトルクを要求する。
2ロータシステム用の制御システムは、上記とは異なる。通常の速度制御モータドライブシステムにおいて、(クランク軸入力の加速によって引き起こされる)速度エラーは、速度誤差をもたらし、そのため、速度誤差を制限するための速度制御部応答およびトルク応答をもたらす。このことは、軸をまとめて結合すること、および軸間の異なる速度を制限することに似ている。また、このことは、損失および効率の低下を引き起こす。2ロータシステムにおいて、提案した制御は、トルク脈動を能動的に無視して、結果として生じる磁界の加速を可能にし、それを制御せず、すなわち、該システムは、速度誤差に応答してトルクの大きさを増加させない。ゼロ慣性があるため、トルクは、システムの他のどこにも反映されない。
いずれのシステムの場合も、入力制御部は、駆動軸上で検出されるわずかな位置/速度/加速度に応答することにより、振動を制御するように作用する。このことは、既知の到来する振動を利用することによって改善することができるであろう(例えば、脈動するピストントルクによって引き起こされるクランク軸振動は、エンジンの形状寸法および燃焼パラメータの知識を用いて大部分を判断することができる)。その場合、制御部は、モデル予測制御を用いて、エラー信号に応答するのではなく、先制的な方法で、所要の動作を適用する。クランク軸振動は、ピストンに作用するシリンダ圧力の関数であり、ピストンは、クランク軸にトルクを伝え、およびエンジン負荷および速度に依存する予測可能なサイクルであり、およびルックアップテーブルとしてマッピングまたは格納することができる。そのため、任意の制御部は、ドライバー入力および/または車両パフォーマンスに基づく、到来する負荷に関する事前知識を有することができる。3ロータシステムにおいて、この知識は、制御部が、速度誤差が発生するのを待たないように、またその代わりに、システム応答/時定数、すなわち、電流の増加に関するインダクタンス制限レート等による要求された増加に応答してトルクが発生する時間に勝るように、ロータを予め加速させるために利用することができる。2ロータシステムにおいては、上述したように、制御部は、システムの乱れを有効に無視して、一定のトルクを維持するという点が異なっている。しかし、そのシステムは、所要の/要求された加速に応答しなければならず、およびそれらを、好ましくないトルク脈動と区別しなければならない。
例えば、3ロータシステムの場合、ドライブトレーンの電子制御ユニットの形態の制御手段は、以下のステップを実行できることが想定されている。
(a)クランク軸の回転速度、回転位置およびトルクを示す第1の信号を受け取るステップ。そのトルクは、スロットル位置から推定して、平均トルクを知らせてもよい。その場合、脈動トルクは、これから得ることができ、およびルックアップテーブル調べることによって導き出すことができる。
(b)磁気歯車から、例えば、車両の差動装置までの出力の所望の速度を示す第2の信号を受け取るステップ。
(c)ステップ(a)における入力に基づいて、巻線に設定すべきターゲット電流を識別するステップ。ターゲット電流は、クランク軸の速度およびトルクの周期的変動の伝達を少なくとも低減するように、制御ロータを加速および減速するための周期的可変補正電流を含む。このステップは、ステップ(a)で検知された入力と、出力部材の所望の速度と、それらの量に対応する巻線の電流との関係に関するルックアップテーブルを調べることを含んでもよい。
(d)巻線の電流を、実質的にターゲット電流になるように制御するステップ。このターゲット電流は、状態が定常状態である限り維持される。
2ロータシステムにおいて、およびここでもまた例えば、ドライブトレーンの電子制御ユニットの形態の制御手段が、以下のステップを実行できることが想定されている。
(a)クランク軸の回転速度を示す第1の信号を受け取るステップ。
(b)磁気歯車から、例えば、車両の差動装置までの出力の所望の速度を示す第2の信号を受け取るステップ。
(c)第1の信号および第2の信号に基づいて、巻線の電流の値を識別して、出力部材の所望の速度を知らせるステップ。この実施形態では、その値は、(速度制御のための)電流の周波数と、(トルク制御のための)電流の大きさとを含む。
(d)クランク軸の速度およびトルクの周期的変動に関係なく、その値において、巻線の電流が実質的に一定になるように制御するステップ。その電流は、クランク軸がその一部である内燃エンジンにおける個別の燃焼イベントにより、クランク軸の速度およびトルクの周期的変動にかかわらず、実質的に一定になるように制御される。その電流は、第1の信号および第2の信号が実質的に一定である間は、実質的に一定に保たれる。電流がACであるため、それに応じて電流を「一定に」保つと解釈すべきである。
また、上記の方法は、入力部材のトルクを示す信号を受け取ることを含んでもよい。このトルクは、ステップ(c)において、電流を識別するための基準として用いてもよい。ステップ(c)は、ここでもまた、関連する関係のルックアップテーブルを調べることを含んでもよい。
(片持ち梁状に突出したオープンカップ構造)
振動の制御および減衰が、システムの回転慣性に高度に関連していること、およびこの慣性を上下に調整する能力が、設計上の広範な恩恵を提供できることは明白である。例えば、
・エンジン過渡応答の向上
・フライホイール要件の低減
・高い帯域のアクティブキャンセル
・低い振動エネルギ
磁気歯車システムにおいて、構成要素の直径は、ギヤ比に関係していないため、慣性は、ギヤ比によって決まらない。この利点は、低慣性回転構成要素の利用によって強化することができる。これを実現する一つの方法は、片持ち梁状に突出したオープンカップ構造211を用いることであり、この場合、その回転要素は、図20に示すような従来のアプローチとは対照的に、それぞれ、図21に示すように、一方の側でのみ支持されている。図21において、磁極片ロータは、ICEクランク出力またはフライホイール212に直接固定され、および支持のためのエンジンベアリングを用いている。また、内側PMロータも、ベアリング213によってそこから支持されている軸に対して片持ち梁状に突出されている。図20において、磁極片ロータは、両側において、入力軸203および出力軸204の周りで、それぞれのベアリング202によって支持されたクローズドカップ構造201である。また、これも、低減部材数のおかげでサブアセンブリコストを低減し、ベアリングと、非同期の漏れ磁界により磁気損失が生じる可能性のある要素を取り除くことによって、アセンブリを単純化し、およびシステム効率を向上させるという追加的な恩恵も有している。
このオープンカップ技術は、振動減衰およびパフォーマンスを広範な負荷にわたって強化するために、ギヤの捩り特性を、さらなる設計自由度に調整するのにも用いることができる。図22は、積層磁極片を保持するための可能性のある磁極片ロータフレーム構造を示す。この構造は、磁極片による正しい変調を可能にするために非磁性でなければならず、および好ましくは、損失および効率の低下をもたらすであろう渦電流または「ケージ」電流を防ぐために非金属性である。それは、典型的には、エンジニアリングプラスチックまたは複合材料から製造される。好ましくは、それは、複合材料によって、例えば、上述したような樹脂トランスファー成形によって機械加工または成形することができる。その支持構造は、予備成形し、その後に磁極片を挿入して保持することができ、または、磁極片は、その構造にオーバーモールドしてもよい。特定の弾性係数を有する適当な材料から、磁極片ロータ支持構造を製造することにより、磁極片ロータは、それに負荷がかかった際に、ある程度の捩れを可能にする(印加された負荷トルクが、固定端から離れる長さに沿って漸進的である捩れ変形を引き起こす)。このことは、追加的なコンプライアンスをシステムに付加して、ドライブトレーンに生じることによる捩り振動の減衰を可能にするさらなる度合いを与える。また、材料は、ここでもまた、トルク振動を低減するためのそれらのダンピング特性のために選択することができる。また、図23に示すように(負荷がかかっていないときに)ある程度のリバーススキューを含むことも可能であり、また、磁気変調を最大化するために、磁極片が正しい位置に追い込まれる際に、負荷トルクが、(減少ではなく)増加するトルク能力を戻すことを可能にする。
(動力供給補助ドライブ)
旅客車両、商用車およびオフハイウェイ車両に使用される内燃エンジン(例えば、レシプロディーゼル/ガソリンエンジン)は、牽引動力を供給するのと同様に、多くの場合、アクセサリベルトを介した複数の補助ドライブも供給する。それらの補助部の多くは、潤滑オイルポンプ、注水冷却ポンプおよび電気オルタネータ、および他の車両機能、例えば、パワーステアリングシステム等のエンジンのための本質的な支援機能を与える。そのエンジンもまた、旅客快適性のためのシステムを供給する。それらに関するカギは、冷媒圧縮機を要する暖房、換気および空調ユニット(HVAC)である。
これらすべてのアクセサリは、典型的には、エンジンによって駆動されるアクセサリ/補助ベルトによって駆動される。各補助ドライブは、同じベルトを介して接続され、すべての補助部速度は、エンジンクランクrpm間の一定の関係を有している(一定の速度比は、プーリーホイール径の比によって決まる)。
この一定の関係は、補助部の負荷要求が、瞬間エンジン動作点に一致しない場合に問題となる可能性がある。
例えば、場合によっては、エンジン出力と負荷要求との間に不足が生じる可能性がある。これは、エンジンがアイドリング中でありながら、快適な負荷要求が、(例えば、交通渋滞で静止している場合の乗客の快適性のために)非常に高い可能性がある場合、特に、HVACシステムにとって厄介である。
出力が要求を超えて、エネルギの浪費をもたらす場合には、潜在的な問題もある。例えば、コンプレッサまたはポンプからの油圧または流体圧が必要ない場合、作動流体は、循環させることができる。その場合、エンジン出力は消失し、システム効率を不必要に低下させ、燃料消費および放出を増加させる。
この要件のミスマッチは、特定の走行条件下で燃料を節約するために、エンジンが頻繁に停止/始動する可能性のある現代のハイブリッド車用途においてはさらに悪化する。エンジンが停止している場合でも、その車両が使用している(少なくともいくつかの)補助機能を維持することが望ましく、その補助機能の実例は、暖房、換気および空調、およびエンジンが停止した場合に、依然としてアクティブかつホットである可能性があるアイテムに対するコンポーネント冷却ポンプを含む。これは、特に、エンジンおよび冷媒が停止された際に、一つのコンポーネントから他のコンポーネントへの極度の加熱につながるいわゆる温態停止の期間中には有利であり、この加熱は、コンポーネント温度が使用中の値を超える可能性がある。さらに、オイルポンプを介した油圧およびフローのメンテナンスは、ターボチャージャーが、エンジン停止時に依然とし高速である可能性があり、およびオイル供給の損失が、ベアリングのタッチダウン、および表面の早期の摩耗につながる可能性がある、オイル充填ハイドロダイナミックベアリングを用いるターボチャージャーシステムに有利である可能性がある。典型的には、ターボチャージャーベアリング軸支部は、これらの条件下での損傷を限定するために、コバルト等の高い耐摩耗性材料を有している。
本開示で開示されている一つの解決策は、上述したシステムのうちの一つを用いて、これらの補助構成要素のうちの一つ以上を駆動することである。エンジンが、機械的入力として、システム、およびそれら初期の実施例における最終ドライブの代わりに機械的出力として結合された、HVAC用コンプレッサ等の補助コンポーネントに結合されている、上述した動力分割システムおよびデバイスのうちのいずれかを用いることが想定されている。本願明細書において開示し、および上述した方法によるこのようなシステムを作動させることにより、補助コンポーネントの速度をエンジン/ベルトから切り離すことが可能である。このことが、上述した問題に対応している。
図24に示す一つの構成において、プーリー241は、ICEによって駆動されるベルト(図示せず)によって駆動されるように構成されている。プーリー241は、外側PMロータ243の周りに同軸に取り付けられ、そのため、駆動ベルト244は、回転軸に沿って磁気歯車と位置合わせされている。HVACコンプレッサ242は、磁極片ロータ245に結合されている。内側PMロータ246は、制御ロータとして作用し、および既に理解されているであろう方法で、電気的動力の入力/出力248に接続された電気機械247に結合されている。
この実施形態には、スルーシャフトを何ら必要としないという利点があり、そのことは、アセンブリの処理および保守性の著しい改善につながる可能性がある。
この場合、(機械的類似物と同様に)高速ロータが、磁気歯車の中心に依然としてあるため、直接機械的等価システムが存在する。しかし、それらの機械的対等物に優る、磁気歯車の実現可能なギヤ比におけるより著しく大きな柔軟性があることに留意すべきである。ここでもまた、これは、それらが特定の歯ピッチに依存しないためであり(機械的歯車では、すべての歯が噛み合わなければならず、および歯の数およびギヤサイズによって決まる)、個々の歯は、それらが噛み合う際にぶつかり合うことを防がなければならず、そのことが、実現可能なギヤ比を制限する。例えば、内側PMロータと外側PMロータとの間のギヤ比は、1.01:1〜15:1で実現することができる。同様に、反転ギヤの場合、高トルクPMロータと磁極片との比は、0.7以上にすることができ、それに対して、等価な機械的歯車における限界は、0.25〜0.67であるが、実際の限界は、これを0.3〜0.5に、または約0.4に制限する。静止ギヤ比の選択におけるこの自由度の増加は、どの機械的等価物よりも優る改良物を可能にし、例えば、より高いギヤ比を選択することにより、そのギヤを介した直接的経路によって伝達されるエネルギを、所定のデューティサイクルにわたって最大化することができ、また、このことは、変換損失を受ける電気システムを介して伝達されるエネルギの量を最小限にする。
かなり幅広い範囲からギヤ比を選択することができるという利点は明白であるが、結果として生じる磁界と相互に作用するように外部制御磁界を設けること、およびその回転を制御する方法を提供することは、上述したように、より多くの総合的な方法で実現することができるため、ギヤを反転させる能力は、さらなる恩恵をもたらす。
代替的な構成において、上述した磁気的動力分割は、エンジンとベルトドライブとの間に配置することができる。すなわち、磁気的動力分割の入力は、内燃エンジン可変速原動機に接続することができ、また、出力は、ベルトを駆動するためのプーリーに接続することができる。そして、磁気的動力分割の出力によって駆動されるベルトは、補助部を従来の方法で駆動するのに利用することができる。
図25は、その場合に、それ自体がプーリーおよびベルトに接続されている出力ロータの速度を制御するのに用いられる(この場合、磁気ロータ軸上の)可変比ギヤへのエンジン入力を示す。これは、あらゆる速度変動をなくし、およびベルトシステムに取り付けられているいくつかの補助部に供給するのに用いることができる。図25aは、磁極片ロータ252に同軸に結合されたインラインプーリーホイール251を備えたこのような構成を示す。プーリーホイール251は、補助ベルトを駆動する。ICEは、内側PMロータ254を駆動するように結合されている。制御ステータ253には、既に理解されているように、巻線が設けられている。図25bにおいて、プーリーホイール251は、他の構成要素と同軸であり、および制御ステータ253の外側径方向に配置されている。
図26に示すような、内部ステータを、システムの機械的構造を単純化するのに利用できるさらなる構成が存在する。この構成において、ICE261は、磁極片ロータ262を駆動するように結合され、制御ステータ263が、磁極片ロータの内側径方向に設けられ、および巻線を坦持している。外側PMロータ264は、補助コンポーネントのための駆動ベルトを駆動するプーリーホイール265の内側面に結合されている。
これらの構成の各々は、記載した3ロータシステムと等価な構成を有している。
動作に関する代替的な様態において、可変速磁気歯車が、補助コンポーネントを駆動するのに利用されるいずれかの構成のそれらの歯車は、エンジンの始動/エンジンのためにトルクを補助すること実行するのに用いることができる。モータ/発電機は、(始動のために)エンジンを静止状態から回転させるための原動力を生成するために、または、追加的なトルク出力をドライブトレーンに供給するために用いられる。この場合、(補助部に接続されている)可変ギヤの出力は、制動トルクを印加することにより、(始動のために)回転するのを、または、(トルク補助のために)加速するのを防がなければならない。このことは、補助コンポーネントの回転(または、加速)を引き起こすことなく、制御モータから(可変ギヤの入力軸に接続されている)エンジンクランクまでトルクを伝達することを可能にする。
適切な制動手段は、パーティクルブレーキ、ヒステリシスパワーブレーキまたはマルチディスクブレーキ等の電気機械ブレーキ、渦電流ブレーキ、または、摩擦ブレーキを含む。
上述した補助コンポーネントに動力供給するためのシステムの各々の場合、ICEからのプーリードライブは、これが、それ自体は、ピストンに由来する捩り脈動と、エンジンの燃焼サイクルの影響を受けるエンジンクランク軸によって駆動されるという事実により、システムにおける著しい量の捩り振動を発生させるであろう。無検査のままの場合、この捩り振動は、ベルト駆動補助部に対して著しい損害を引き起こす可能性があり、および寿命の短縮につながる可能性がある。このことは、多くの場合、いわゆるベルトテンショナー、または、(クランク軸プーリー内に取り付けられた捩り振動ダンパーを含んでもよい)他の減衰装置を用いることによって対処することができる。回転磁気歯車ベースのシステムに固有である固有のトーションばねは、この振動を減衰させて、捩り振動ダンパーを取り除き、または、テンショナー装置の要件を少なくし、および補助部を保護するのに用いることができる。

Claims (15)

  1. 入力部材と、出力部材と、前記入力部材を前記出力部材に接続する磁気歯車と、前記入力部材から前記出力部材への動力のフローを制御するように構成された制御手段とを備えるシステムであって、
    前記磁気歯車が、磁極の第1のセットと、磁極の第2のセットと、前記磁極の第1のセットと前記磁極の第2のセットとの間の磁界を変調するように構成された磁極片のセットとを備え、前記制御手段が、前記入力部材から前記出力部材へのトルク脈動および/または振動の伝達を低減する手段を備えるシステム。
  2. 前記磁極の第2のセットは、巻線のセットによって生成される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記巻線はステータに取り付けられる、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記巻線は、前記制御手段によって制御される、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記磁極の第2のセットは、永久磁石の第2のセットによって生成される、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記永久磁石の第2のセットは、前記磁気歯車の第3の可動要素に取り付けられる、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記制御手段は、前記巻線および第3の可動要素をそれぞれ、モータ・発電機のステータおよびロータとして作動させることによって、前記第3の可動要素の動きを制御するように構成される、請求項6に記載のシステム。
  8. 前記システムは、エネルギ蓄積システムをさらに備え、
    前記制御手段は、前記出力部材における所要の動力が、前記入力部材における動力と異なる場合に、前記入力部材から出力部材への、または、前記エネルギ蓄積システムから前記出力部材への動力のフローを制御するように構成される、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のシステム。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のシステムを作動させる方法であって、前記磁極の第2のセットは、前記磁気歯車のステータに取り付けられた巻線のセットによって生成され、前記巻線の電流は前記制御手段によって制御可能であり、
    前記方法は、
    (a)少なくとも前記入力部材の速度を示す第1の信号を受取り、
    (b)少なくとも前記出力部材の所望の速度を示す第2の信号を受取り、
    (c)前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記出力部材の前記所望の速度を与えるための巻線の電流の値を識別し、および
    (d)前記入力部材の前記速度およびトルクの周期的変動にかかわらず、前記巻線の電流がその値において実質的に一定になるように制御する、
    前記制御手段を備える方法。
  10. 前記電流は、前記入力部材が結合されている内燃エンジンにおける個別の燃焼イベントによる前記速度および前記入力部材のトルクの周期的変動に関わらず、実質的に一定になるように制御される、請求項9に記載の方法。
  11. ステップ(d)は、前記第1の信号および第2の信号が実質的に一定である間、前記電流を実質的に一定に保つことを含む、請求項9または請求項10に記載の方法。
  12. 前記方法は、前記入力部材のトルクを示す信号を受け取ることも含み、また、必要に応じて、このトルクは、ステップ(c)において、前記電流を識別するための基準としても用いられ、前記トルクは、前記レコードに記録された前記関係の一部も構成する、請求項9〜請求項11のいずれかに記載の方法。
  13. 請求項1〜請求項8のいずれかにおいて定義されているシステムを作動させる方法であって、
    前記磁極の第2のセットが、前記磁気歯車の第3の可動要素に取り付けられた永久磁石の第2のセットを備え、前記第3の可動要素は、その電流が前記制御手段によって制御可能である巻線のセットを有するモータ・発電機のロータであり、
    前記方法は、
    (a)前記入力部材の前記速度および位置を示す第1の信号を受取り、
    (b)前記出力部材の所望の速度を示す第2の信号を受取り、
    (c)前記第1の信号および前記第2の信号に基づいて、前記巻線に設定されるターゲット電流を識別し、前記ターゲット電流が、前記入力部材から前記出力部材への前記速度およびトルクの周期的変動の伝達を少なくとも低減するように、前記第3の可動要素を加速および減速させる周期変動補正電流を含み、
    (d)前記巻線の電流が、実質的にターゲット電流となるように制御する、
    制御手段を備える方法。
  14. ステップ(d)は、一回転、または少なくとも一回転にわたって、前記入力部材の平均回転速度である限り、前記ターゲット電流を維持することを含み、および前記第2の信号は実質的に一定である、請求項13に記載の方法。
  15. ステップ(d)は、前記入力部材の位置を示す情報および/または前記速度を示す情報を利用して、前記巻線の電流と、前記入力部材の位置との間の位相角を生成することを含む、請求項13または請求項14に記載の方法。
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