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JP2017206438A - テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物(TETRAHYDROIMIDAZO[1,5−d][1,4]OXAZEPINECOMPOUND) - Google Patents

テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物(TETRAHYDROIMIDAZO[1,5−d][1,4]OXAZEPINECOMPOUND) Download PDF

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JP2017206438A JP2014169189A JP2014169189A JP2017206438A JP 2017206438 A JP2017206438 A JP 2017206438A JP 2014169189 A JP2014169189 A JP 2014169189A JP 2014169189 A JP2014169189 A JP 2014169189A JP 2017206438 A JP2017206438 A JP 2017206438A
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Mamoru Takaishi
守 高石
信裕 佐藤
Nobuhiro Sato
信裕 佐藤
貴史 元木
Takashi Motoki
貴史 元木
朋之 澁口
Tomoyuki SHIBUGUCHI
朋之 澁口
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Eisai R&D Management Co Ltd
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Abstract

【課題】グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用を有する、テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩を提供すること。【解決手段】式(I):[式中、Rは、メチル基又はフルオロメチル基であり、R1は、フッ素原子、メトキシ基又はフルオロメチルオキシ基等であり、R2は、水素原子であり、R3は、水素原子であり、R4は、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロブチル基又はシクロプロピル基等である。]で示される化合物又はその薬剤学的に許容される塩。【選択図】なし

Description

本発明は、グループII代謝型グルタミン酸受容体の拮抗作用を有する、テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩に関する。本発明はまた、上記化合物を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
グルタミン酸は哺乳類の中枢神経系において記憶・学習などの高次機能を調節する主要な興奮性神経伝達物質の一つとして知られている。グルタミン酸受容体は、イオンチャネル共役型受容体(ionotropic glutamate receptor;iGlu受容体)とGタンパクと共役した代謝型受容体(metabotropic glutamate receptor;mGlu受容体)の二つに大別される。(非特許文献1参照)。
iGlu受容体はそのアゴニストの種別からN−メチル−Dアスパラギン酸(N−methyl−D−aspartate;NMDA)受容体、α―アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン酸(α−amino−3−hydroxy−5−methyl−4−isoxazolepropionic acid;AMPA)受容体及びカイニン酸受容体の三つに分類される。一方、mGlu受容体は8つのサブタイプ(mGluR1〜8)が存在し、共役する情報伝達系及び薬理学的特性によりグループI(mGluR1,mGluR5)、グループII(mGluR2,mGluR3)及びグループIII(mGluR4,mGluR6,mGluR7,mGluR8)に分類される。グループIIおよびグループIII mGluRは主に神経終末で自己受容体或いはヘテロ受容体として発現し、Giタンパク質を介してアデニル酸シクラーゼを抑制し、特定のKあるいはCa2+チャネル活性を調節している(非特許文献2参照)。
グルタミン酸受容体の中でも、グループII mGluRの拮抗剤は、動物モデルに於いて認知機能改善作用を示し、また抗うつ作用・抗不安作用を示すことから、グループII mGluR拮抗剤は新規認知機能改善薬や抗うつ薬としての効能が示唆されている(非特許文献3、4、5参照)。
Science,258,597−603,1992 Trends Pharmacol. Sci.,14,13(1993) Neuropharmacol.,46(7),907−917(2004) Pharmacol.Therapeutics,104(3),233−244(2004) Neuropharmacol.,66,40−52(2013)
本発明の課題は、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用を有する、テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩を提供することにある。
本発明は、以下の[1]から[17]に関する。
[1]式(I):
Figure 2017206438

[式中、
Rは、メチル基又はフルオロメチル基であり、
は、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基、フルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基又はオキセタン−3−イルオキシ基であり、
は、水素原子であり、
は、水素原子であり、
は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基又は1−メチルシクロブチル基である]
で示される化合物、又はその薬剤学的に許容される塩。
[2]以下の化合物から選ばれる化合物又はその薬剤学的に許容される塩:
(R)−N−イソプロピル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドライミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミド、
(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
[3]下記の化学式で示される、(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2017206438

又はその薬剤学的に許容される塩。
[4]下記の化学式で示される、(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミド
Figure 2017206438

又はその薬剤学的に許容される塩。
[5]下記の化学式で示される、(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2017206438

又はその薬剤学的に許容される塩。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩、及び薬剤学的に許容される1つ以上の賦形剤を含む医薬組成物。
[7]グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状の治療のための、上記[6]に記載の医薬組成物。
[8]上記疾患又は症状がアルツハイマー病である、上記[7]に記載の医薬組成物。
[9]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩を、それを必要とする対象に投与することを含む、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状の治療方法。
[10]上記疾患又は症状がアルツハイマー病である、上記[9]に記載の治療方法。
[11]グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状の治療に使用される、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[12]上記疾患又は症状がアルツハイマー病である、上記[11]に記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[13]グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状の治療のための医薬組成物の製造のための、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩の使用。
[14]上記疾患又は症状がアルツハイマー病である、上記[13]に記載の使用。
[15]医薬組成物の活性成分としての使用のための、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[16]医薬組成物が、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状の治療のための医薬組成物である、上記[15]に記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
[17]上記疾患又は症状がアルツハイマー病である、上記[16]に記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩。
本発明に係る式(I)で示される化合物(以下、テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物ともいう。)又はその薬剤学的に許容される塩は、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用を有している。したがって、本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩は、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状、例えばアルツハイマー病の治療薬剤としての利用可能性を有している。
以下に、本願明細書において使用する記号、用語等の意義を説明し、本発明を詳細に説明する。
本願明細書中においては、化合物の化学式が便宜上一定の異性体を表すことがあるが、本発明には化合物の構造上生ずる総ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体及び異性体混合物を含み、便宜上の式の記載に限定されるものではなく、いずれか一方の異性体でも混合物でもよい。したがって、分子内に不斉炭素原子を有し光学活性体及びラセミ体が存在することがあり得るが、本発明においてはそれらに限定されず、いずれもが含まれる。なお、いずれかの異性体、ラセミ化合物、又はその他異性体の混合物が他の異性体に比べて強い活性を示すこともある。さらに結晶多形が存在することもあるが同様に限定されず、いずれかの単一結晶形又はそれらの混合物であってもよく、無水物以外に水和物又は溶媒和物であってもよく、いずれも本願明細書の特許請求の範囲に含まれる。
本発明には、式(I)の化合物の同位体標識された化合物も含まれる、これは1つ又はそれ以上の原子が自然界に通常見出される原子質量か質量数と異なった原子質量か質量数を有する原子で置き換えられていること以外、式(I)の化合物と同一である。本発明の化合物に組み入れることができる同位元素は、例えば、水素、炭素、窒素、酸素、フッ素、塩素、リン、硫黄およびヨウ素の同位元素であり、H、H、11C、14C、13N、15O、18F、32P、35S、123I、および125I等が含まれる。
前述の同位元素および/又は他の同位元素を含む本発明の化合物とその薬剤学的に許容できる誘導体(例えば、塩)は本願明細書の特許請求の範囲内にある。本発明の同位体標識化合物、例えば、Hおよび/又は14Cなどの放射性同位元素が組み入れられた化合物、は医薬および/又は基質の組織分布アッセイに有用であろう。Hと14Cはそれらの調製と検出の容易さのため有用と考えられている。同位元素11Cおよび18FはPET(陽電子放射断層撮影)で有用と考えられており、同位元素125IはSPECT(単光子放出コンピュータ断層撮影)で有用と考えられており、これらの同位元素は脳イメージングですべて有用である。Hなどのより重い同位元素による置換は、より高い代謝的安定性による生体内半減期を増加又は必要用量の減少等のある種の治療上の利点を生じさせ、それ故に、ある状況下では有用と考えられている。本発明の式(I)の同位体標識化合物は容易に利用可能な同位体ラベルされた試薬を非同位体ラベルされた試薬の代わりに用いて、以下の図式および/又は実施例に開示された手順を行うことによって、一様に調製することができる。
本発明の式(I)のテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物は、薬剤学的に許容される酸付加塩の形態でもよい。薬剤学的に許容される塩としては、具体的には、例えば無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、有機カルボン酸塩(例えば酢酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩など)、有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩など)、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩など)などの酸付加塩が挙げられる。また、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩などの無機塩基塩が挙げられる。
本発明の実施態様は、式(I):
Figure 2017206438

[式中、R,R,R,R及びRは、上記[1]の定義と同義である。]
で示される化合物又はその薬剤学的に許容される塩である。
具体的には、本発明のテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩としては、以下の化合物から選ばれる、テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩が好ましい。
(R)−N−イソプロピル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドライミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミド、
(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
更に好ましいテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩としては、
下記の化学式で示される、(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2017206438

又はその薬剤学的に許容される塩;
下記の化学式で示される、(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミド
Figure 2017206438

又はその薬剤学的に許容される塩;
下記の化学式で示される、(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2017206438

又はその薬剤学的に許容される塩が挙げられる。
次に、本発明の式(I)の化合物[以下、化合物(I)という、他式で表される化合物についても同様に表記する]又はその薬剤学的に許容される塩の製造法について説明する。
スキーム1
Figure 2017206438
式(I)(式中、R,R,R,R及びRは、上記と同義である)の化合物をスキーム1により、例えば、式(II)の化合物と式(III)の化合物を鈴木−宮浦反応によって調製することができる。鈴木−宮浦反応は、式(II)の化合物と式(III)の化合物を、例えば、パラジウム触媒と塩基の存在下、必要ならば、リン配位子を添加し、溶媒中で加熱処理することにより行うことができる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、PdDBAあるいは(A−taPhos)PdCl等を使用することができる。また、塩基として、例えば、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウムあるいは炭酸セシウム等を使用することができる。また、リン配位子として、例えば、トリフェニルホスフィン、ブチルジ(1−アダマンチル)ホスフィンあるいは2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを使用することができる。反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、THF、DME、DMF、1,4−ジオキサン、水あるいはそれらの混合溶媒等を使用することができる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行い、必要に応じてマイクロ波による加熱も使用できる。
が例えば、アルコキシ基の場合は、MOM、ベンジルまたはメチルなどで保護された対応するアルコール化合物を脱保護して得られる化合物から、DMFまたはTHF等の溶媒中、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム等の塩基存在下、アルキルブロミド、アルキルヨージドまたはアルキルトリフラート等でアルキル化することでも製造することができる。反応は、通常、室温から溶液の還流温度で行う。
スキーム2
Figure 2017206438
式(II)(式中、R,R及びRは、上記と同義である)の化合物をスキーム2により、例えば、式(IV)の化合物をエステル加水分解、及びここで得られる式(V)の化合物を脱炭酸的ブロム化することにより調製することができる。式(IV)の化合物のエステル加水分解に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、メタノール、エタノール、THFあるいはその含水溶媒を使用することができる。また、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を使用することができる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行う。式(V)の化合物の脱炭酸的ブロム化反応に使用する溶媒は、特に制限されず、例えば、DMF、エタノールあるいはDMFとエタノールの混合溶媒を使用することができる。また、ブロム源としては、例えば、NBS等を用いることができる。また、塩基として炭酸カリウム等を用いることで反応は加速され、通常、室温から溶液の還流温度で行う。
が例えば、アルコキシ基の場合は、MOM、ベンジルまたはメチルなどで保護された対応するアルコール化合物を脱保護して得られる化合物から、DMFまたはTHF等の溶媒中、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム等の塩基存在下、アルキルブロミド、アルキルヨージドまたはアルキルトリフラート等でアルキル化することでも製造することができる。反応は、通常、室温から溶液の還流温度で行う。
スキーム3
Figure 2017206438
式(IV)(式中、R,R及びRは、上記と同義である)の化合物をスキーム3により、例えば、式(VI)の化合物を、式(VII)の化合物と縮合、及びここで得られる式(VIII)の化合物を塩基で処理することにより調製することができる。式(VI)の化合物と式(VII)の化合物の縮合反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエン、THF、DMEあるいはそれらの混合溶媒等が使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行い、必要に応じてマイクロ波による加熱も使用できる。式(VIII)の化合物の塩基処理に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、メタノールが使用できる。塩基には、例えば、ナトリウムメトキシドが使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行い、必要に応じてマイクロ波による加熱も使用できる。
が例えば、アルコキシ基の場合は、MOM、ベンジルまたはメチルなどで保護された対応するアルコール化合物を脱保護して得られる化合物から、DMFまたはTHF等の溶媒中、炭酸カリウムまたは炭酸セシウム等の塩基存在下、アルキルブロミド、アルキルヨージドまたはアルキルトリフラート等でアルキル化することでも製造することができる。反応は、通常、室温から溶液の還流温度で行う。
スキーム4
Figure 2017206438
式(VI)(式中、R及びRは、上記と同義である)の化合物をスキーム4により、例えば、式(IX)の化合物を酸クロリド化、及びここで得られる式(X)の化合物と式(XI)の化合物との塩基性条件下でのアミド化、及びここで得られる式(XII)の化合物の環化反応により調製することができる。式(IX)の化合物の酸クロリド化反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエン、あるいはDCM等が使用できる。また、反応には、例えば、オキサリルクロリドあるいはチオニルクロリド等が使用でき、DMFの添加で反応は促進される。反応は加熱することで促進されるが、通常、氷冷から溶液の還流温度で行う。式(X)の化合物と式(XI)の化合物のアミド化反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエン、THF、DCM、水あるいはそれらの混合溶媒等が使用できる。また、塩基には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用できる。反応は通常、氷冷から溶液の還流温度で行う。式(XII)の化合物の環化反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエンあるいはTHF等が使用できる。また、環化反応には、クロロギ酸メチル、クロロギ酸イソプロピルあるいはDCC等が使用できる。反応は通常、−78℃から溶液の還流温度で行う。
スキーム5
Figure 2017206438
式(IV)(式中、R,R及びRは、上記と同義である)の化合物をスキーム5により、例えば、式(XIII)(式中、Xはハロゲンを意味する)の化合物と式(XIV)の化合物との鈴木−宮浦反応によって調製することもできる。鈴木−宮浦反応は、式(XIII)の化合物と式(XIV)の化合物を、例えば、パラジウム触媒と塩基の存在下、必要ならば、リン配位子を添加し、溶媒中で加熱処理することにより行うことができる。パラジウム触媒としては、例えば、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、PdDBAあるいは(A−taPhos)PdCl等を使用することができる。また、塩基として、例えば、リン酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウムあるいは炭酸セシウム等を使用することができる。また、リン配位子として、例えば、トリフェニルホスフィン、ブチルジ(1−アダマンチル)ホスフィンあるいは2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニルを使用することができる。反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、THF、DME、DMF、1,4−ジオキサンあるいはベンゼン等を使用することができる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行い、必要に応じてマイクロ波による加熱も使用できる。
スキーム6
Figure 2017206438
式(XIII)(式中、Rは、上記と同義であり、Xはハロゲンを意味する)の化合物をスキーム6により、例えば、式(VII)の化合物を、式(XV)の化合物と縮合、及びここで得られる式(XVI)の化合物を、ホフマン転位型反応を行い、ここで得られる式(XVII)の化合物を、ハロゲン化することにより調製することができる。式(VII)の化合物と式(XV)の化合物の縮合反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエン、THF、DMF、DMEあるいはそれらの混合溶媒等が使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行い、必要に応じてマイクロ波による加熱も使用できる。式(XVI)の化合物の転位反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエン、THF、DMEあるいはそれらの混合溶媒等が使用できる。また、反応には、ヨードベンゼンジアセタート等が使用できる。反応は、通常、室温から溶液の還流温度で行う。式(XVII)の化合物のハロゲン化に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、トルエン等が使用できる。また、反応には、オキシ塩化リンあるいはオキシ臭化リンが使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行う。
スキーム7
Figure 2017206438
式(VII)(式中、Rは、上記と同義である)の化合物をスキーム7により、例えば、式(XVIII)の化合物と式(XIX)の化合物の1,4−付加反応、及びここで得られる式(XX)の化合物の酸性条件下の加アルコール分解反応、及びここで得られる式(XXI)の化合物の塩基性条件下の環化反応、及びここで得られる式(XXII)の化合物のO−アルキル化の4工程で調製することができる。式(XVIII)の化合物の1,4−付加反応には、式(XIX)の化合物を溶媒に用いる事ができる。また、塩基にはDBU、TEAあるいはDIPEA等が使用できる。通常、氷冷から溶液の還流温度で行う。式(XX)の化合物の加アルコール分解反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば1,4−ジオキサン等が使用できる。また、酸には塩化水素等が使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行う。式(XXI)の化合物の環化反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、メタノール等が使用できる。また、塩基にはDBU、TEA,炭酸カリウムあるいは炭酸セシウムが使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行う。式(XXII)の化合物のO−アルキル化反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、DCM、トルエン等が使用できる。アルキル化剤にはトリメチルオキソニウムテトラフルオロボラートあるいはジメチル硫酸等が使用できる。通常、氷冷から溶液の還流温度で行う。
スキーム8
Figure 2017206438
式(XXII)(式中、Rは、上記と同義である)の化合物はスキーム8により、例えば、式(XXIII)の化合物と式(XXIV)の化合物の脱水縮合反応、及びここで得られる式(XXV)の化合物の酸性条件下の環化反応、及びここで得られる式(XXVI)の化合物の水素添加反応、及びここで得られる式(XXVII)の化合物の脱保護反応の4工程でも調製することができる。式(XXIII)の化合物と式(XXIV)の化合物の脱水縮合反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、THF、DMFあるいはDCM等が使用できる。また、縮合剤には、DCC、EDC、HOBT、HATU、HBTUあるいはそれらを組み合わせて使用することができる。また、反応の際に、DIPEAあるいはTEA等を添加剤に用いることができる。反応は、通常、氷冷から溶液の還流温度で行う。式(XXV)の化合物の環化反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、THF、アセトニトリル、トルエンあるいはキシレン等が使用できる。また、酸には、例えば、PTSあるいはPPTS等が使用できる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行う。式(XXVI)の化合物の水素添加反応に使用する溶媒としては不活性な溶媒であれば、特に制限されず、例えば、メタノール、エタノールあるいはTHF等が使用できる。触媒には、パラジウム/炭素、水酸化パラジウム/炭素あるいは酸化白金等が使用できる。反応は、通常、室温から溶液の還流温度で行う。式(XXVII)の化合物の脱保護反応は、例えば、TFA等の溶媒中で行うことができる。また、添加剤として、例えば、トリエチルシラン等のスカベンジャーを使用することができる。反応は加熱することで促進されるが、通常、室温から溶液の還流温度で行う。
かくして得られる本発明の式(I)の化合物は、必要に応じて、常法により、薬剤学的に許容される塩とすることができる。その製造法は、有機合成化学分野で通常用いられる方法などを適宜組み合わせて行うことができる。具体的には、本発明化合物の遊離型の溶液を酸溶液で中和滴定することなどが挙げられる。また、必要に応じて、それ自体周知の溶媒和物形成反応に付すことにより、本発明の式(I)の化合物を溶媒和物に変換することができる。
以上が化合物(I)の製造方法の代表例であるが、化合物(I)の製造方法における原料化合物・各種試薬は、塩や水和物を形成していてもよく、いずれも出発原料、使用する溶媒等により異なり、また反応を阻害しない限りにおいて特に限定されない。用いる溶媒についても、出発原料、試薬等により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないことは言うまでもない。化合物(I)がフリー体として得られる場合、上記の化合物(I)が形成していてもよい塩の状態に常法に従って変換することができる。同様に、化合物(I)が化合物(I)の塩として得られる場合、化合物(I)のフリー体に、常法に従って変換することができる。また、化合物(I)について得られる種々の異性体(例えば幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、回転異性体、立体異性体等)は、通常の分離手段、例えば再結晶、ジアステレオマー塩法、酵素分割法、種々のクロマトグラフィー(例えば薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等)を用いることにより精製し、単離することができる。
本明細書で使用されるとき、用語「組成物」は、特定の量で特定の成分を含む生成物、並びに特定の量で特定の成分の組み合わせにより直接的又は間接的にもたらされる任意の生成物を含む。医薬組成物に関するそのような用語は、活性成分及び担体を構成する不活性成分を含む生成物を含み、並びに任意の2つ以上の成分の組み合わせ、錯化若しくは凝集、又は1つ以上の成分の解離、又は1つ以上の成分の他の種類の反応、若しくは1つ以上の成分の相互作用により、直接的又は間接的にもたらされるあらゆる生成物を含むことを意図する。したがって、本発明の医薬組成物は、本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物を薬剤学的に許容される担体と混合して作製されるあらゆる組成物を含む。「薬剤学的に許容される」とは、担体、稀釈剤又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合性がなければならず、摂取者に有害であってはならないことを意味する。
本発明の化合物はグループII代謝型グルタミン酸受容体への結合能として100nM以下のIC50値を示しているものが殆どであり、好ましくは30nM以下のIC50値を示す。
本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩は、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用を有している。したがって、グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患の治療剤としての利用可能性を有している。グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患とは、例えばアルツハイマー病が挙げられる。
本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩は、通常の方法により製剤化が可能であり、剤形としては、例えば、経口剤(錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤等)、注射剤(静脈内投与用、筋肉内投与用、皮下投与用、腹腔内投与用等)、外用剤(経皮吸収製剤(軟膏剤、貼付剤等)、点眼剤、点鼻剤、坐剤等)とすることができる。
経口用固形製剤を製造する場合には、本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩に、必要に応じて、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤等を添加し、常法により錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤を製造することができる。また、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等は、必要に応じて、皮膜コーティングを施してもよい。
賦形剤としては、例えば、乳糖、コーンスターチ、結晶セルロース等を、結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等を、崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム等を、滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム等を、着色剤としては、例えば、酸化チタン等を、コーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤は、通常、医薬品として利用できる薬効を示す限り、任意の量の本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩あるいはそれらの溶媒和物を含むことができる。
注射剤(静脈内投与用、筋肉内投与用、皮下投与用、腹腔内投与用等)を製造する場合には、本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩に、必要に応じて、pH調整剤、緩衝剤、懸濁化剤、溶解補助剤、抗酸化剤、保存剤(防腐剤)、等張化剤等を添加し、常法により注射剤を製造することができる。また、凍結乾燥して、用時溶解型の凍結乾燥製剤としてもよい。
pH調整剤や緩衝剤としては、例えば、有機酸または無機酸および/またはその薬剤学的に許容される塩等を、懸濁化剤としては、例えば、メチルセルロース等を、溶解補助剤としては、例えば、ポリソルベート80等を、抗酸化剤としては、例えば、α−トコフェロール等を、保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル等を、等張化剤としては、例えば、ブドウ糖等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらの注射剤は、通常、医薬品として利用できる薬効を示す限り、任意の量の本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩あるいはそれらの溶媒和物を含むことができる。
外用剤を製造する場合には、本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩に、基剤原料を添加し、必要に応じて、例えば、上記の保存剤、安定剤、pH調整剤、抗酸化剤、着色剤等を加えて、常法により、例えば、経皮吸収製剤(軟膏剤、貼付剤等)、点眼剤、点鼻剤、坐剤等を製造することができる。
使用する基剤原料としては、例えば、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能である。具体的には例えば、動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、乳化剤、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水等の原料を挙げることができる。
これらの外用剤は、通常、医薬品として利用できる薬効を示す限り、任意の量の本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩あるいはそれらの溶媒和物を含むことができる。
本発明に係るテトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン化合物又はその薬剤学的に許容される塩の投与量は、症状の程度、年齢、性別、体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応じて異なるが、通常、成人の場合は1日あたり経口投与で約30μg〜10g、好ましくは100μg〜5g、さらに好ましくは100μg〜1gを、注射投与で約30μg〜1g、好ましくは100μg〜500mg、さらに好ましくは100μg〜300mgをそれぞれ1回又は数回に分けて投与する。
本発明の化合物は生理活性低分子化合物の標的タンパクを捕捉するためのケミカルプローブとすることができる。すなわち、本発明の化合物は、当該化合物の活性発現に必須な構造部分とは異なる部分に、J.Mass Spectrum.Soc.Jpn.Vol.51,No.5,2003,p492−498または WO2007/139149等に記載の手法で標識基、リンカー等を導入することでアフィニティークロマトグラフィープローブ、フォトアフィニティープローブ等に変換することができる。
ケミカルプローブに用いる標識基、リンカー等は、例えば以下の(1)ないし(5)からなる群に示される基が挙げられる。
(1)光親和性標識基(例えば、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基およびニトロ基等)および化学親和性基(例えば、アルファー炭素原子がハロゲン原子で置換されたケトン基、カルバモイル基、エステル基、アルキルチオ基、α、β−不飽和ケトン、エステル等のマイケル受容体、およびオキシラン基等)等のタンパク質標識基、
(2)−S−S−、−O−Si−O−、単糖(グルコース基、ガラクトース基等)または二糖(ラクトース等)等の開裂可能なリンカー、および酵素反応で開裂可能なオリゴペプチドリンカー、
(3)ビオチン、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等のフィッシングタグ基、
(4)125I、32P、H、14Cなどの放射性標識基;フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、7−ニトロフラザニル、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等の蛍光標識基;ルミフェリン、ルミノール等の化学発光基;ランタノイド金属イオン、ラジウムイオン等の重金属イオン等の検出可能なマーカー、または
(5)ガラスビーズ、ガラスベット、マイクロタイタープレート、アガロースビーズ、アガロースベッド、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンベッド、ナイロンビーズ、ナイロンベッド等の固相担体と結合させる基等。
上記の(1)ないし(5)からなる群より選択される標識基等を上記文献に記載の方法等に準じて本発明の化合物に導入して調製されるプローブは、新たな創薬ターゲットの探索等に有用な標識タンパクの同定のためのケミカルプローブとして用いることができる。
以下、本発明を実施例、製造例及び試験例により詳細に説明する。しかし、本発明はこれらに限定されることはない。また、実施例において使用される略語は当業者に周知の慣用的な略語である、いくつかの略語は以下に示す。
(A−taPhos)PdCl:ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン
DME:1,2−ジメトキシエタン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EDC:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
HFIP:ヘキサフルオロイソプロパノール
HOBT:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
NMM:N−メチルモルフォリン
Pd(dppf)Cl・CHCl:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−ジクロロパラジウム・ジクロロメタン錯体
PTS:パラトルエンスルホン酸
PPTS:ピリジニウム パラトルエンスルホン酸
TEA:トリエチルアミン
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
H−NMR:プロトン核磁気共鳴スペクトルメトリー
プロトン核磁気共鳴スペクトルの化学シフトは、テトラメチルシランに対するδ単位(ppm)で記録、カップリング定数はヘルツ(Hz)で記録されている。分裂パターンは、s:シングレット、d:ダブレット、t:トリプレット、q:カルテット、quin:クインテット、br:ブロード。
以下の実施例及び製造例中の「室温」は通常約10℃から約35℃を示す。%は特記しない限り重量パーセントを示す。
製造例及び実施例化合物の化学名は「E−ノートブック」バージョン12(パーキンエルマー社)を用いて、化学構造から発生させた。
製造例1
(R)−5−メトキシ−2−メチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピンの合成
Figure 2017206438
(1)(R)−1−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)プロパン−2−オールの合成
(R)−(−)−1−アミノ−2−プロパノール(CAS No.2799−16−8;24.0g,320mmol)と酢酸(40.2mL,703mmol)のTHF(440mL)溶液に、室温で2,4−ジメトキシベンズアルデヒド(CAS No.613−45−65;55.8g,336mmol)を加え、室温にて1時間撹拌した。室温で反応液にナトリウム トリアセトキシボロヒドリド(102g,479mmol)を加え、18時間撹拌した。反応後溶媒を減圧下濃縮した。得られた残渣に5N水酸化ナトリウム水溶液(100mL)と酢酸エチル(500mL)を加え、有機層を分離した。得られた水層にクロロホルム(300mL)を加え、有機層を分離した。得られた有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNHシリカゲルを用いてろ過精製(酢酸エチル)し、粗製の標記化合物(72g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.13(d,J=6.3Hz,3H),2.34(dd,J=9.4,12.1Hz,1H),2.68(dd,J=3.1,12.1Hz,1H),3.72(d,J=2.0Hz,2H),3.75−3.79(m,1H),3.80(s,3H),3.82(s,3H),6.39−6.48(m,2H),7.10(d,J=8.2Hz,1H).
(2)(R)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−N−(2−ヒドロキシプロピル)−3,3−ジメトキシプロパンアミドの合成
製造例1−(1)で得られた化合物(74.7g,332mmol)と3,3−ジメトキシプロピオン酸(CAS No.6191−98−6:38.5g,287mmol)とEDC(95g,497mmol)とHOBT(67.2g,497mmol)のDMF(500mL)溶液に室温でDIPEA(173mL,995mmol)を加え14時間撹拌した。反応液に水(1L)と酢酸エチル(1L)を加え、有機層を分離した。得られた有機層を水(1L)、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n―ヘプタン/酢酸エチル)で精製し、標記化合物(61g,179mmol)を得た。
ESI−MS m/z 342[M+H]
(3)(R)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチル−3,4−ジヒドロ−1,4−オキサゼピン−5(2H)−オンの合成
製造例1−(2)で得られた化合物(53.5g,157mmol)のトルエン(900mL)溶液に、室温でPPTS(19.7g,78.4mmol)を加え、7時間加熱還流した。反応液を室温に冷却した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と酢酸エチルを加え、有機層を分離した。得られた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)で精製し、標記化合物(30.5g,110mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.19(d,J=6.6Hz,3H),3.39−3.44(m,2H),3.80(s,3H),3.82(s,3H),4.03−4.11(m,1H),4.44(d,J=14.5Hz,1H),4.73(d,J=14.5Hz,1H),5.08(d,J=8.2Hz,1H),6.43−6.48(m,3H),7.24(d,J=9.0Hz,1H).
(4)(R)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−メチル−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例1−(3)で得られた化合物(30.5g,110mmol)のメタノール(500mL)溶液に、室温で20%水酸化パラジウム/炭素(3g,50%含水)を加え、水素雰囲気下、40℃で18時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、反応液をセライト(登録商標)でろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、標記化合物(29.1g,104mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.05(d,J=6.6Hz,3H),2.60(dd,J=5.1,15.6Hz,1H),2.92(ddd,J=2.2,11.0,15.4Hz,1H),3.20(d,J=15.2Hz,1H),3.29−3.38(m,1H),3.40−3.50(m,1H),3.56−3.66(m,1H),3.81(s,3H),3.82(s,3H),3.96(ddd,J=2.3,5.5,12.5Hz,1H),4.37(d,J=14.5Hz,1H),4.70(d,J=14.5Hz,1H),6.43−6.48(m,2H),7.21(d,J=8.6Hz,1H).
(5)(R)−2−メチル−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例1−(4)で得られた化合物(30.5g,110mmol)のTFA(150mL)溶液に、室温でトリエチルシラン(26.2mL,164mmol)を加え、60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)で精製し、標記化合物(12.3g,95mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.19(d,J=6.3Hz,3H),2.48−2.58(m,1H),2.89(ddd,J=2.5,10.9,15.4Hz,1H),3.03(ddd,J=0.9,7.6,15.3Hz,1H),3.35(ddd,J=3.9,8.4,15.4Hz,1H),3.57−3.76(m,2H),4.01(ddd,J=2.5,5.3,12.7Hz,1H),5.85−6.07(m,1H).
(6)(R)−5−メトキシ−2−メチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピンの合成
製造例1−(5)で得られた化合物(13.4g,103mmol)のDCM(500mL)溶液に、室温でトリメチルオキソニウム テトラフルオロボラート(16.8g,114mmol)を加え、18時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。得られた水層にDCMを加え、有機層を分離した。得られた有機層を混合し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤を濾去後、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(13.7g,96mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.19(d,J=6.4Hz,3H),2.42(ddd,J=1.2,4.5,15.6Hz,1H),2.81−2.92(m,1H),3.33−3.42(m,1H),3.47−3.59(m,3H),3.61(s,3H),3.85−3.93(m,1H).
製造例2
(R)−2−メチル−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
Figure 2017206438
(1)(R)−tert−ブチル(2−(2−シアノエトキシ)プロピル)カルバマートの合成
(R)−tert−ブチル(2−ヒドロキシプロピル)カルバマート(CAS No.119768−44−4;71.0g,405mmol)のアクリロニトリル(400mL)溶液に、室温でDBU(27.3mL,182mmol)を加え、同温にて5時間撹拌した。反応液に酢酸(10.4mL,182mmol)を加え、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(63.1g,276mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.10−1.20(m,3H),1.45(s,9H),2.59(dd,J=6.3,6.3Hz,2H),2.96−3.11(m,1H),3.23−3.41(m,1H),3.52−3.66(m,1H),3.61(td,J=6.3,9.2Hz,1H),3.75(td,J=6.3,9.2Hz,1H),4.88(brs,1H).
(2)(R)−メチル 3−((1−アミノプロパン−2−イル)オキシ)プロパノアート 塩酸塩の合成
製造例2−(1)で得られた化合物(63.1g,276mmol)を4M塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(691mL)と5−10%塩化水素/メタノール溶液(140mL)に溶解し、50℃で3時間撹拌した。反応液に、4M塩化水素/1,4−ジオキサン溶液(311mL)を更に加え、50℃で3時間撹拌した後、減圧下濃縮した。残渣にジエチルエーテルを加え、減圧下濃縮し、粗製の標記化合物(76.9g)を得た。
ESI−MS m/z 162[M+H]
(3)(R)−2−メチル−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例2−(2)で得られた化合物(76.9g)のメタノール(693mL)溶液に、室温でDBU(132mL,884mmol)を加え、16時間加熱還流した。反応液を室温に冷却した後、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)にて2回精製し、標記化合物(21.5g,166mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.19(d,J=6.3Hz,3H),2.48−2.58(m,1H),2.89(ddd,J=2.5,10.9,15.4Hz,1H),3.03(ddd,J=0.9,7.6,15.3Hz,1H),3.35(ddd,J=3.9,8.4,15.4Hz,1H),3.57−3.76(m,2H),4.01(ddd,J=2.5,5.3,12.7Hz,1H),5.85−6.07(m,1H).
ESI−MS m/z 130[M+H]
製造例3
(S)−2−(フルオロメチル)−5−メトキシ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピンの合成
Figure 2017206438
(1)(S)−1−(ベンジルオキシ)−3−((2,4−ジメトキシベンジル)アミノ)プロパン−2−オールの合成
2,4−ジメトキシベンジルアミン(CAS No.20781−20−8;46.7mL,310.6mmol)と(S)−(+)−ベンジルグリシジルエーテル(CAS No.16495−13−9;50.0g,304.5mmol)のDCM(1.0L)溶液に、水冷下、リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(87g,304.5mmol)を加えた。反応混合物を室温にて20時間撹拌した。反応液に水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。減圧下、溶媒を留去して、粗製の標記化合物(119.4g)を得た。
ESI−MS m/z 332[M+H]
(2)(S)−N−(3−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシプロピル)−N−(2,4−ジメトキシベンジル)−3,3−ジメトキシプロパンアミドの合成
製造例3−(1)で得られた化合物(119.4g)と3,3−ジメトキシプロピオン酸(47.0g,350.1mmol)とDIPEA(159mL)のDMF(800mL)溶液に、室温にて、EDC(88g,456.7mmol)とHOBT(456.7mmol)を加えた。反応混合物を16時間撹拌した後、酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液を加えた。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。有機層をシリカゲルパッド(NHシリカゲル+シリカゲル,酢酸エチル)に通した。得られた濾液を、減圧下濃縮して、粗製の標記化合物(125.5g)を得た。
ESI−MS m/z 470[M+Na]
(3)(S)−2−((ベンジルオキシ)メチル)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−3,4−ジヒドロ−1,4−オキサゼピン−5(2H)−オンの合成
製造例3−(2)で得られた化合物(125.5g)とPPTS(35.2g,140.2mmol)のキシレン(1L)溶液を6時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を反応混合物に加え、有機層を分離した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(57.7g,150mmol)を得た。
ESI−MS m/z 384[M+H],406[M+Na]
(4)(S)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−(ヒドロキシメチル)−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例3−(3)で得られた化合物(57.7g,150.5mmol)と20%水酸化パラジウム/炭素(6g,50%含水)と酢酸(20mL)とエタノール(600mL)の混合物を、水素雰囲気下、4〜5MPa、70℃で50時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した。不溶物をセライト(登録商標)上で除去し、酢酸エチルで洗浄した。減圧下、濾液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル →酢酸エチル/メタノール)にて精製し、標記化合物(33.7g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.83(dd,J=5.1,7.0Hz,1H),2.63(dd,J=5.1,15.2Hz,1H),2.95(ddd,J=2.7,11.3,15.6Hz,1H),3.22−3.30(m,2H),3.40−3.45(m,2H),3.51(dd,J=8.2,16.0Hz,1H),3.62−3.67(m,1H),3.80(s,3H),3.81(s,3H),4.04(ddd,J=2.3,5.1,12.5Hz,1H),4.36(d,J=14.5Hz,1H),4.73(d,J=14.5Hz,1H),6.43−6.47(m,2H),7.22(d,J=8.6Hz,1H).
ESI−MS m/z 296[M+H],318[M+Na]
(5)(S)−4−(2,4−ジメトキシベンジル)−2−(フルオロメチル)−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例3−(4)で得られた化合物(33.7g,114.1mmol)とDIPEA(49.2mL,285.3mmol)とテトラブチルアンモニウム ジフルオロトリフェニルシリカート(73.9g,136.9mmol)のTHF(600mL)溶液にペルフルオロブタンスルホニルフルオリド(45.1mL,251.0mmol)を室温にて加えた。反応混合物を室温で64時間撹拌した。減圧下、反応混合物を濃縮した。得られた残渣に、トルエン/酢酸エチル(5/1)混合溶媒と飽和塩化ナトリウム水溶液を加え、有機層を分離した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で更に2回洗浄した。減圧下、有機層を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)とNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて順次精製し、粗製の標記化合物(41g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.62(dd,J=5.5,15.2Hz,1H),2.96(ddd,J=2.3,11.3,15.2Hz,1H),3.35−3.68(m,4H),3.80(s,3H),3.81(s,3H),4.00(ddd,J=2.3,5.1,12.5Hz,1H),4.09−4.36(m,2H),4.40(d,J=14.5Hz,1H),4.74(d,J=14.5Hz,1H),6.44−6.47(m,2H),7.24(d,J=8.2Hz,1H).
ESI−MS m/z 298[M+H]
(6)(S)−2−(フルオロメチル)−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例3−(5)で得られた化合物(41g)のTFA(300mL)溶液にトリエチルシラン(27.4mL,171.7mmol)を室温で加えた。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。減圧下、反応液を濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)にて精製し、標記化合物(15g,101.94mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.54(ddd,J=2.0,5.1,15.6Hz,1H),2.93(ddd,J=2.7,11.3,15.6Hz,1H),3.23−3.31(m,1H),3.46(ddd,J=3.5,8.6,15.2Hz,1H),3.66−3.78(m,2H),4.07(ddd,J=2.7,5.1,12.5Hz,1H),4.24−4.53(m,2H),6.50(brs,1H).
(7)(S)−2−(フルオロメチル)−5−メトキシ−2,3,6,7−テトラヒドロ−1,4−オキサゼピンの合成
製造例3−(6)で得られた化合物(15g,101.94mmol)のDCM(400mL)溶液に、トリメチルオキソニウム テトラフルオロボラート(17.34g,117.2mmol)を室温で加えた。反応溶液を室温で14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、混合物を室温で30分撹拌した。混合物にクロロホルムを加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。減圧下、有機層を濃縮し、標記化合物(14.9g,93mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.47(ddd,J=1.2,4.3,15.6Hz,1H),2.87−2.96(m,1H),3.45−3.70(m,4H),3.63(s,3H),3.98(ddd,J=3.1,4.3,12.1Hz,1H),4.30−4.50(m,2H).
製造例4
(S)−2−(フルオロメチル)−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
Figure 2017206438
(1)(S)−3−フルオロ−2−ヒドロキシプロピル−4−メチルベンゼンスルフォナートの合成
(R,R)−(−)−N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリシリデン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルト(II)(9.26g,15.3mmol)、HFIP(64.4mL,613mmol)と、DBN(1.51mL,12.3mmol)の混合物に、ジエチルエーテル(1L)、(2R)−(−)−グリシジルトシラート(CAS No.113826−06−5;50.0g,219mmol)とベンゾイルフルオリド(33.4mL,307mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩攪拌した後、7Mアンモニア/メタノール溶液(150mL)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌し、減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣に酢酸エチル(300mL)を加え、水と飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(45.5g,183mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.28−2.42(m,1H),2.46(s,3H),4.03−4.18(m,3H),4.34−4.54(m,2H),7.37(d,J=8.2Hz,2H),7.81(d,J=8.2Hz,2H).
ESI−MS m/z 271[M+Na]
(2)(S,E)−メチル 3−((1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロパン−2−イル)オキシ)アクリラートの合成
製造例4−(1)で得られた化合物(45.5g,183mmol)、NMM(12.1mL,110mmol)、とプロピオン酸メチル(CAS No.922−67−8;19.8mL,238mmol)のTHF(315mL)溶液を、氷冷下、3時間攪拌した。反応混合物に酢酸(6.29mL,110mmol)を加え、続いて水と酢酸エチルを加えた。有機層を分離し、水と飽和塩化ナトリウム水溶液にて順次洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(49.2g,148mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.46(s,3H),3.70(s,3H),4.11−4.37(m,3H),4.42−4.66(m,2H),5.26(d,J=12.5Hz,1H),7.33−7.42(m, 3H),7.76−7.83(m,2H).
ESI−MS m/z 355[M+Na]
(3)(S)−メチル 3−((1−フルオロ−3−(トシルオキシ)プロパン−2−イル)オキシ)プロパノアートの合成
製造例4−(2)で得られた化合物(48.8g,147mmol)と5%パラジウム/炭素(6.25g,50%含水)のエタノール(279mL)懸濁液を、水素雰囲気下、室温で2時間攪拌した。不溶物を除去した後、減圧下、濾液を濃縮し、粗製の標記化合物(45.8g)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.46(s,3H),2.53(t,J=6.3Hz,2H),3.68(s,3H),3.27−3.87(m,3H),4.08(dt,J=1.6,5.5Hz,2H),4.29−4.53(m,2H),7.36(d,J=8.2Hz,2H),7.80(d,J=8.2Hz,2H).
ESI−MS m/z 357[M+Na]
(4)(S)−2−(フルオロメチル)−1,4−オキサゼパン−5−オンの合成
製造例4−(3)で得られた化合物(45.8g,137mmol)と7Mアンモニア/メタノール溶液(391mL,2.74mol)の混合物をオートクレーブ内、130℃で2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却した後、減圧下、混合物を濃縮した。残渣にメタノール(300mL)とDBU(41.0mL,274mmol)を室温で加えた。反応混合物を100℃にて、3時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、減圧下、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)にて精製し、標記化合物(10.4g,70.7mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.54(ddd,J=2.0,5.1,15.6Hz,1H),2.93(ddd,J=2.7,11.3,15.6Hz,1H),3.23−3.31(m,1H),3.46(ddd,J=3.5,8.6,15.2Hz,1H),3.66−3.78(m,2H),4.07(ddd,J=2.7,5.1,12.5Hz,1H),4.24−4.53(m,2H),6.50(brs,1H).
製造例5
(R)−メチル 3−クロロ−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
Figure 2017206438
(1)(R)−メチル 3−アミノ−2−(2−メチル−1,4−オキサゼパン−5−イリデン)−3−オキソプロパノアートの合成
製造例1−(6)で得た化合物(16.0g,156mmol)とメチル カルバモイルアセタート(CAS No.51513−29−2;18.3g,156mmol)のTHF(40mL)/DMF(10mL)溶液を90℃で15時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)にて精製し、標記化合物(14.2g,62.2mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.20(d,J=6.3Hz,3H),2.73−2.81(m,1H),3.33−3.66(m,5H),3.77(s,3H),4.04−4.10(m,1H).
(2)(R)−メチル 6−メチル−3−オキソ−2,3,5,6,8,9−ヘキサヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
製造例5−(1)で得た化合物(14.2g,62.2mmol)のTHF(100mL)/トルエン(100mL)溶液に、ヨードベンゼンジアセタート(24.1g,74.7mmol)を加え、室温で60時間撹拌した。反応混合物に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(60mL)と飽和亜硫酸ナトリウム水溶液(60mL)を加え、室温で1時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで3度抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)にて精製し、標記化合物(9.97g,44.1mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.27(d,J=6.3Hz,3H),2.86(ddd,J=2.4,11.0,16.3Hz,1H),3.45(dd,J=9.0,14.7Hz,1H),3.53−3.70(m,3H),3.83(s,3H),4.13−4.19(m,1H),4.29(d,J=14.7Hz,1H),8.03(brs,1H).
ESI−MS m/z 227[M+H]
(3)(R)−メチル 3−クロロ−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
製造例5−(2)で得られた化合物(9.97g,44.1mmol)とオキシ塩化リン(60mL)の混合物を、110℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下、濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(nーヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(5.94g,24.3mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.30(d,J=6.5Hz,3H),3.02(ddd,J=2.7,10.8,16.4Hz,1H),3.55−3.62(m,1H),3.66−3.74(m,1H),3.87(s,3H),3.88−3.98(m,2H),4.13−4.19(m,1H),4.26−4.31(m,1H).
ESI−MS m/z 245[M+H]
製造例6
(S)−メチル 3−クロロ−6−(フルオロメチル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
Figure 2017206438
製造例3−(7)で得た化合物(9.39g,58.3mmol)から、製造例5−(1)、(2)、(3)に準じて、標記化合物(1.77g,6.74mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):3.02(ddd,J=2.7,11.4,16.4Hz,1H),3.58−3.65(m,1H),3.71−3.80(m,1H),3.88(s,3H),3.98−4.09(m,2H),4.23−4.28(m,1H),4.33−4.65(m,3H).
ESI−MS m/z 263[M+H]
製造例7
N−シクロブチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの合成
Figure 2017206438
(1)4−ブロモ−N−シクロブチルベンゼンスルホンアミドの合成
シクロブチルアミン(CAS No.2516−34−9;306mg,4.31mmol)とTEA(0.818mL,5.87mmol)のDCM(10mL)溶液に、氷冷下、4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(CAS No.98−58−8;1g,3.91mmol)を加えた。反応液を室温に戻し、20時間撹拌した。反応液に水を加え、有機層を分離した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(742mg,2.56mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.56−1.69(m,2H),1.70−1.88(m,2H),2.09−2.28(m,2H),3.69−3.91(m,1H),4.60(d,J=9.0Hz,1H),7.60−7.67(m,2H),7.69−7.80(m,2H).
(2)N−シクロブチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンスルホンアミドの合成
製造例7−(1)で得られた化合物(740mg,2.55mmol)と酢酸カリウム(1.00g,10.2mmol)とビス(ピナコラート)ジボロン(1.94g,7.65mmol)のDMF(20mL)溶液に、室温にて、Pd(dppf)Cl・CHCl(93mg,128μmol)を加えた。反応混合物を90℃にて3時間撹拌した後、室温に冷却し、不溶物を濾別した。濾液を酢酸エチルで希釈した後、水で1回洗浄し、続いて飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(850mg,2.52mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.36(s,12H),1.46−1.65(m,2H),1.66−1.82(m,2H),2.07−2.17(m,2H),3.76−3.86(m,1H),4.58(d,J=9.0Hz,1H),7.73−7.87(m,2H),7.89−7.98(m,2H).
実施例1
(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミドの合成
Figure 2017206438
(1)(R)−メチル 3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
製造例1−(6)で得られた化合物(1.0g,6.98mmol)と2−(4−フルオロフェニル)オキサゾール−5(4H)−オン(CAS No.105669−21−4;1.38g,7.68mmol)のトルエン(50mL)溶液を3時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、減圧下、溶媒を留去した。得られた残渣をメタノール(50mL)に溶解し、ナトリウムメトキシド(490mg,9.08mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、氷冷下、酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液に分配させた。有機層を飽和塩化ナトリウム水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下、溶媒を留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物を含む粗精製物(875mg)を得た。
ESI−MS m/z 305[M+H]
(2)(R)−1−ブロモ−3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピンの合成
実施例1−(1)で得られた化合物(875mg)と5N水酸化ナトリウム(1.15mL,5.75mmol)のエタノール(15mL)溶液を60℃で1時間撹拌した。反応液を5N塩酸で酸性にし、減圧下、溶媒を留去した。残渣にエタノールを加え、不溶物を濾別し、濾液を減圧下で濃縮した。得られた残渣をDMF(15mL)とエタノール(5mL)に溶解させ、炭酸カリウム(993mg,7.19mmol)とNBS(768mg,4.31mmol)を加え、室温で15時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液で希釈した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。減圧下、溶媒を留去し、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(310mg,0.953mmol)を得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):1.22(d,J=6.3Hz,3H),2.95−3.14(m,2H),3.61(td,J=11.5,1.5Hz,1H),3.67−3.75(m,1H),3.93(dd,J=14.9,8.5Hz,1H),4.18(d,J=14.6Hz,2H),7.09−7.19(m,2H),7.41−7.51(m,2H).
ESI−MS m/z 325[M+H],327[M+H]
(3)(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミドの合成
実施例1−(2)で得られた化合物(165mg,0.507mmol)と4−(N−イソプロピルスルファモイル)フェニルボロン酸(173mg,0.710mmol)と(A−taPhos)PdCl(35.9mg,0.051mmol)と1N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を含むDME(7mL)溶液を、マイクロ波照射下、140℃で60分撹拌した。反応混合物をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル→酢酸エチル/メタノール)にて精製し、標記化合物(160mg,0.361mmol)を得た。
H−NMR(500MHz,CDCl)δ(ppm):1.09(d,J=6.3Hz,6H),1.26(d,J=6.3Hz,3H),3.15−3.24(m,1H),3.29−3.35(m,1H),3.48(dq,J=13.7,6.6Hz,1H),3.68(t,J=11.2Hz,1H),3.75−3.83(m,1H),3.99(dd,J=14.6,8.3Hz,1H),4.18−4.28(m,3H),7.18(t,J=8.8Hz,2H),7.51(dd,J=8.5,5.1Hz,2H),7.74(d,J=8.8Hz,2H),7.89(d,J=8.8Hz,2H).
ESI−MS m/z 444[M+H]
実施例2
(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミドの合成
Figure 2017206438
(1)ベンジル 2−(4−(メトキシメトキシ)ベンズアミド)アセタートの合成
グリシン ベンジルエステル p−トルエンスルホナート(CAS No.1738−76−7;18.3g,54.3mmol)、4−メトキシメトキシ安息香酸(CAS No.25458−44−0;9.0g,49.4mmol)、DIPEA(25.8ml,148mmol)のDCM(200mL)溶液に、EDC(14.2g,74.1mmol)とHOBT(10.0g,74.1mmol)を加えた。反応液を室温で18時間撹拌した後、クロロホルムと飽和塩化ナトリウム水溶液に分配させた。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させた。有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(14.1g,42.8mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):3.48(s,3H),4.28(d,J=5.1Hz,2H),5.22(s,2H),5.23(s,2H),6.55(brs,1H),7.00−7.15(m,2H),7.28−7.51(m,5H),7.71−7.87(m,2H).
(2)2−(4−(メトキシメトキシ)ベンズアミド)酢酸の合成
実施例2−(1)で得られた化合物(14.1g,42.8mmol)と10%パラジウム−炭素(50wt%含水品;1.5g)のエタノール(300mL)懸濁液を、水素雰囲気下、室温で4時間撹拌した。不溶物を濾別し、濾液を減圧濃縮する事で、標記化合物(10.2g,42.8mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDOD)δ(ppm):3.45(s,3H),4.07(s,2H),5.24(s,2H),6.98−7.25(m,2H),7.61−8.01(m,2H).
(3)(S)−メチル 6−(フルオロメチル)−3−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
実施例2−(2)で得られた化合物(3.00g,12.5mmol)とNMM(1.45mL,13.2mmol)のTHF(40mL)溶液に、−10℃でクロロギ酸メチル(1.02mL,13.2mmol)を滴下した。反応液を同温で1時間撹拌し、その後、反応液をゆっくりと室温に戻しながら2時間撹拌した。生じたアミン塩酸塩をセライト上で濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣と製造例3−(7)で得られた化合物(2.02g,12.5mmol)をトルエン(50mL)に溶解させ、6時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、減圧下、溶媒を留去した。残渣をメタノール(40mL)に溶解させ、ナトリウムメトキシド(677mg,12.5mmol)を加えた。反応液を2.5時間加熱還流した後、室温に戻し、酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液に分配し、有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物を含む粗精製物(2.15g)を得た。
ESI−MS m/z 365[M+H]
(4)(S)−1−ブロモ−6−(フルオロメチル)−3−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピンの合成
実施例2−(3)で得た化合物(2.15g)から、実施例1−(2)の方法に準じて、標記化合物(1.15g,2.99mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):2.91−3.16(m,2H),3.49(s,3H),3.59−3.86(m,2H),3.99(dd,J=14.6,8.8Hz,1H),4.19−4.72(m,4H),5.21(s,2H),7.10(d,J=9.0Hz,2H),7.40(d,J=9.0Hz,2H).
ESI−MS m/z 385[M+H],387[M+H]
(5)(S)−4−(1−ブロモ−6−(フルオロメチル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−3−イル)フェノール 塩酸塩の合成
実施例2−(4)で得た化合物(1.15g,2.99mmol)と濃塩酸(1mL,12mmol)のメタノール(15mL)溶液を60℃で3時間撹拌した。反応液を室温に戻し、減圧下溶媒を留去し、標記化合物(1.09g,2.89mmol)を得た。
ESI−MS m/z 341[M+H],343[M+H]
(6)(S)−1−ブロモ−6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピンの合成
実施例2−(5)で得た化合物(100mg,0.265mmol)と炭酸セシウム(259mg,0.794mmol)とメチル p−トルエンスルホナート(74mg,0.397mmol)とDMF(4mL)の混合物を80℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで戻し、酢酸エチルと水を加えた。有機層を分離し、飽和塩化ナトリウム水溶液にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(82mg,0.231mmol)を得た。
ESI−MS m/z 355[M+H],357[M+H]
(7)(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミドの合成
実施例2−(6)で得られた化合物(27mg,0.076mmol)と4−(tert−ブチルアミノスルフォニル)ベンゼンボロン酸(29.3mg,0.114mmol)から、実施例1−(3)の方法に準じて、標記化合物(22mg,0.045mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.23(s,9H),3.21(ddd,J=16.3,11.0,2.3Hz,1H),3.30−3.41(m,1H),3.70(t,J=11.3Hz,1H),3.81−3.92(m,1H),3.86(s,3H),4.04(dd,J=14.6,8.8Hz,1H),4.23−4.63(m,5H),6.96−7.04(m,2H),7.42−7.50(m,2H),7.70−7.77(m,2H),7.86−7.93(m,2H).
ESI−MS m/z 488[M+H]
実施例3
(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミドの合成
Figure 2017206438
(1)(R)−メチル 3−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−カルボキシラートの合成
製造例5−(3)で得られた化合物(1g,4.09mmol)と2−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(CAS No.936250−15−6;2.70g,10.2mmol)とテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(472mg,0.409mmol)と1M炭酸ナトリウム水溶液(7.36mL)とDME(16mL)の混合物を、マイクロ波照射下、130℃で30分撹拌した。反応が進行していなかったので、反応混合物を酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液に分配させ、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、原料を回収した。回収した原料と2−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(2.70g,10.2mmol)と(A−taPhos)PdCl(232mg,0.327mmol)と1M炭酸ナトリウム水溶液(7.36mL)とDME(16mL)の混合物を、マイクロ波照射下、130℃で30分撹拌した。反応混合物を酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液に分配させ、有機層を分離した。水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル)にて精製し、標記化合物(1.07g,3.09mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.22(d,J=6.6Hz,3H),3.10(ddd,J=16.4,10.9,2.3Hz,1H),3.50(s,3H),3.59−3.75(m,2H),3.86−3.99(m,4H),4.01−4.11(m,1H),4.16−4.26(m,2H),5.22(s,2H),7.11(d,J=8.2Hz,2H),7.41(d,J=8.6Hz,2H).
ESI−MS m/z 347[M+H]
(2)(R)−1−ブロモ−3−(4−(メトキシメトキシ)フェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピンの合成
実施例2−(4)の方法に準じて、実施例3−(1)で得られた化合物(1.07g,3.089mmol)から、標記化合物(833mg,2.268mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.22(d,J=6.3Hz,3H),2.91−3.01(m,1H),3.02−3.10(m,1H),3.50(s,3H),3.56−3.64(m,1H),3.69(quin,J=7.1Hz,1H),3.90(dd,J=14.8,8.6Hz,1H),4.13−4.28(m,2H),5.21(s,2H),7.10(d,J=9.0Hz,2H),7.34−7.42(m,2H).
ESI−MS m/z 367[M+H]
(3)(R)−1−ブロモ−3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピンの合成
実施例2−(5)の方法に準じて、実施例3−(2)で得られた化合物(833mg,2.268mmol)から、対応するフェノール体(659mg)を得た。得られた化合物(163mg)を、実施例2−(6)の方法に準じてメチル化し、標記化合物(130mg,0.386mmol)を得た。
ESI−MS m/z 337[M+H]
(4)(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミドの合成
実施例1−(3)の方法に準じて、実施例3−(3)で得られた化合物(21mg,0.062mmol)と製造例7−(2)で得られた化合物(42mg,0.125mmol)から、標記化合物(14.1mg,0.030mmol)を得た。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ(ppm):1.25(d,J=6.6Hz,3H),1.43−1.65(m,2H),1.68−1.82(m,2H),2.01−2.19(m,2H),3.07−3.23(m,1H),3.24−3.37(m,1H),3.67(dd,J=11.9,10.4Hz,1H),3.73−3.90(m,2H),3.87(s,3H),3.96(dd,J=14.8,8.2Hz,1H),4.12−4.32(m,2H),4.89(d,J=9.0Hz,1H),7.01(d,J=9.0Hz,2H),7.46(d,J=8.6Hz,2H)、7.68−7.78(m,2H),7.79−7.91(m,2H).
ESI−MS m/z 468[M+H]
表1及び表2に記載の化合物は上記実施例の何れかの方法に準じて合成した。
Figure 2017206438
Figure 2017206438
試験例1 mGluR2への親和性
(ヒト代謝型グルタミン酸受容体2(mGluR2)安定発現HEK293細胞の細胞膜画分調製)
ヒトmGluR2およびヒトグルタミン酸トランスポーターSLC1A3安定発現HEK293細胞を、10%牛胎仔血清含有ダルベッコ改変イーグル培地(50units/mL ペニシリン、50μg/mL ストレプトマイシン、60μg/mL ゲネチシン、400μg/mL ハイグロマイシンB、2mM グルタミン)を用いて、37℃、5% CO下で培養した。コンフルエント状態の細胞培養をPBS(−)で2回洗浄した後、セルスクレーパーで剥離し、4℃、1500rpm、5分間遠心分離を行って細胞を回収した。得られた沈渣を10mM EDTA含有20mM HEPES緩衝液(pH7.4)中で、ソニケーターを用いて細胞を破砕した後、4℃、1,500xg、30分間遠心分離した。得られた上清を4℃、40,000xgにて遠心分離し、沈渣を得た。さらに得られた沈渣を10mM EDTA含有20mM HEPES緩衝液(pH7.4)に再懸濁させ、1回遠心洗浄した。次に沈渣を0.1mM EDTA含有20mM HEPES緩衝液に懸濁し、4℃、40,000xgにて遠心洗浄することで、細胞膜画分を得た。得られた細胞膜画分は、タンパク質濃度が3mg/mLになるように0.1mM EDTA含有20mM HEPES緩衝液に懸濁し、−80℃で保存した。
([35S]GTPγS結合試験)
上記で調製した凍結細胞膜画分を用時融解して、結合試験用緩衝液(終濃度;20mM HEPES、100mM NaCl、1mM MgCl、3μM GDP、300μg/mL サポニン、0.1% BSA)にて希釈した。プレート上で膜タンパク質 1.8〜3μg/assayの細胞膜画分に実施例化合物を添加して、室温30分間インキュベーションを行った。その後、グルタミン酸(終濃度10μM)を添加して室温15分間インキュベーションを行った後、0.8kBq[35S]GTPγSと588μg WGA−SPAビーズを添加して、室温で1時間インキュベーションを行った。プレートを2,500rpm、室温で遠心分離した後、トップカウントを用いて細胞膜画分に結合した[35S]GTPγS量を測定した。
グルタミン酸非存在下で上記反応を行った場合における[35S]GTPγS結合量を非特異的結合とし、グルタミン酸存在下で得られた[35S]GTPγS結合量との差を特異的結合とした。各実施例化合物の様々な濃度における特異的結合阻害率より、阻害曲線を得た。特異的[35S]GTPγS結合量が50%抑制される各実施例化合物の濃度(IC50値)を阻害曲線より算出し、表3に示した。
Figure 2017206438
試験例2 ラット新奇物体認識試験 (Novel ObjectRecognition;NOR試験)
6週齢の雄性Long−Evansラットを試験に用いた。試験開始前2日間、ラットを投与などの実験操作および試験装置(幅40cmx奥行30cmx高さ45cmの黒または灰色のプラスチック製ケージ)に対して馴化させた。試験化合物は0.1N塩酸に溶解し、経口投与した。その30分後、スコポラミン臭化水素酸塩を0.3mg/kgにて腹腔内投与し、認知機能障害を誘発させた。さらにその30分後、試験装置内に3分間馴化させた後、獲得試行として試験装置に同じ形をしたブロックを二つ置き、5分間それぞれのブロックに対する探索時間を計測した。獲得試行の2時間後、3分間ラットを試験装置内に馴化させた後、ケージ内に獲得試行時と同じブロックと異なる形の新しいブロック1つずつ置き保持試行を実施した。それぞれのブロックに対する探索時間を3分間計測し、各ブロックに対する探索時間の合計に対して、新しく変えたブロックに対する探索時間の割合を弁別指標(Discrimination Index)として算出した。媒体のみを投与した群(媒体群)、スコポラミンのみを投与した群(スコポラミン単独群)、および試験化合物とスコポラミンを投与した群における弁別指標を比較することで、ラット新奇物体認識機能(認知機能)に対する試験化合物の作用を評価した。
弁別指標(Discrimination Index)は、平均値及び標準誤差で示した。媒体群とスコポラミン単独投与群間の統計学的有意性は、対応のないt検定により解析した。スコポラミン単独投与群と各検体群間の統計学的有意性については、一元配置分散分析後、Dunnett型多重比較検定により解析した。有意水準はいずれも両側5%とする。媒体群と比較して、スコポラミン単独投与群で有意な弁別指標の低下が起きている場合に認知機能障害が十分に誘発できていると判断し、試験化合物の評価を行った。解析はPrism 5 for Windows(登録商標)日本語版ver.5.03を用いて行った。表4にスコポラミン誘発障害群と化合物処置群とを比較して統計学的に有意差を認めた最小有効用量を示した。
Figure 2017206438

Claims (8)

  1. 式(I):
    Figure 2017206438

    [式中、
    Rは、メチル基又はフルオロメチル基であり、
    は、フッ素原子、メトキシ基、エトキシ基、フルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基又はオキセタン−3−イルオキシ基であり、
    は、水素原子であり、
    は、水素原子であり、
    は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基又は1−メチルシクロブチル基である]
    で示される化合物、又はその薬剤学的に許容される塩。
  2. 以下の化合物から選ばれる化合物又はその薬剤学的に許容される塩:
    (R)−N−イソプロピル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドライミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、
    (R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、
    (R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミド、
    (S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド。
  3. 下記の化学式で示される、(R)−N−シクロブチル−4−(3−(4−メトキシフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
    Figure 2017206438

    又はその薬剤学的に許容される塩。
  4. 下記の化学式で示される、(R)−4−(3−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)−N−イソプロピルベンゼンスルホンアミド
    Figure 2017206438

    又はその薬剤学的に許容される塩。
  5. 下記の化学式で示される、(S)−N−(tert−ブチル)−4−(6−(フルオロメチル)−3−(4−メトキシフェニル)−5,6,8,9−テトラヒドロイミダゾ[1,5−d][1,4]オキサゼピン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
    Figure 2017206438

    又はその薬剤学的に許容される塩。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物又はその薬剤学的に許容される塩、及び薬剤学的に許容される1つ以上の賦形剤を含む医薬組成物。
  7. グループII代謝型グルタミン酸受容体拮抗作用が有効な疾患又は症状の治療のための、請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 前記疾患又は症状がアルツハイマー病である、請求項7に記載の医薬組成物。
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