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JP2017201048A - 銅精錬スラグの処理方法 - Google Patents

銅精錬スラグの処理方法 Download PDF

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JP2017201048A JP2016092945A JP2016092945A JP2017201048A JP 2017201048 A JP2017201048 A JP 2017201048A JP 2016092945 A JP2016092945 A JP 2016092945A JP 2016092945 A JP2016092945 A JP 2016092945A JP 2017201048 A JP2017201048 A JP 2017201048A
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Abstract

【課題】銅製錬スラグから高効率で有価金属を回収するのに好適な銅製錬スラグの処理方法及び銅製錬スラグから、有害物質を除去するのに好適な銅精錬スラグの処理方法の提供。
【解決手段】銅精錬スラグから有価金属を回収する方法であって、下記の工程1〜工程3を含む方法。1.銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程、2.工程1で得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金浴とを接触させる工程、および、3.工程2で得られる接触後のCu−Fe合金浴を精錬工程に供し、有価金属を回収する工程前記有価金属が、Fe化合物、Cu化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Mo化合物、およびSn化合物より選択される少なくとも1つの化合物であり、前記有害化合物が、As化合物、Sb化合物、Zn化合物、およびPb化合物より選択される少なくとも1つである、有価金属を回収と、有害化合物を除去する方法
【選択図】なし

Description

本発明は、銅精錬スラグに含まれる有害元素の除去方法および銅精錬スラグに含まれる有価金属の回収方法に関する。
近年、銅製錬において原料鉱石中の銅品位の低下が進んでおり、スラグ中へ金属銅が溶解してこれに混入することによって生じる銅ロス(スラグロス)を低減することの重要性が高まっている。また、スラグ中に含まれるAs、Pb、Zn、およびSbなどの有害元素の濃化も問題視されている。このような背景から、これまでに銅製錬を扱う各社からスラグの浄化技術および金属銅のスラグロス低減に関する各種発明が特許出願されている。
特許文献1(特開平11−140554号公報)では、銅製錬プロセスの溶錬炉中にフラックスを添加してスラグの粘性を下げると同時に、スラグ中の銅の活量を上げることでマット中の金属銅の濃度を60wt%以上に保ちつつ、これとは逆にスラグ中の金属銅の濃度を0.2wt%〜0.5wt%に低減する方法が、開示されている。
この出願ではフラックス添加によって溶融スラグ中のCuOの活量係数が上がり、金属銅がスラグ層からマット層へ移行することが、開示されている。さらに、スラグ中に浮遊する金属銅が、スラグの粘度の低下と共にスラグ下部に沈降し、これがスラグ層からマット層に移行することが、開示されている。
特許文献2(特開2008−95127号公報)には、銅製錬スラグ中の有害元素であるAs、Pb、Zn、およびSbなどを、スラグと共存させる溶融金属銅に吸収除去させることによる銅製錬スラグの浄化技術が、開示されている。
この出願では、銅製錬スラグに浄化炉のような容器が設けられ、その炉内に溶融スラグを装入した後に金属銅が添加されている。この炉底部にて形成される溶融金属銅層にランスを浸漬し、ランス先端から重油、天然ガス、微粉炭などの加熱用燃料と酸素含有ガスとを噴出して銅製錬スラグを撹拝する工程が開示されており、これと同時に溶融スラグ中の有害金属の酸化物および銅酸化物を還元して金属化し、炉底に滞留する溶融金属銅層に吸収させることで、スラグ中から有害元素を除去する方法が開示されている。
As、Pb、Zn、およびSbなどの酸化物が金属化されると、一部は揮発して排ガスとともに炉外へ出てダストとして回収されるが、最も有害なAsは他の有害元素よりも多く溶融金属銅に吸収されることが開示されている。このスラグの粘性制御は、スラグ温度を1150℃〜1450℃に規定することで実施すると記載されている。
さらにスラグ雰囲気の還元性は、スラグ中の酸素分圧を1400℃換算で10−8・5atm>PO>10−11・0atmとすることを規定している。
特許文献3(特開平9−87762号公報)では、主として銅転炉スラグを対象に、銅製錬スラグ中に還元剤を吹き込んで、銅製錬スラグの粘性増加成分である溶融スラグ中の固相析出マグネタイト含有量を1%以下になるまで還元することでスラグの粘性を低下させ、銅製錬スラグ中の銅分を回収する方法が開示されている。
この出願では、銅転炉スラグ中の銅含有量が銅転炉スラグ中のマグネタイト含有量と正相関があるという周知の事実を述べ、銅回収にはスラグ中のマグネタイトを還元することの必要性を述べ、特公昭45−36105号が銅転炉スラグ中に硫黄を含む物質を高速で吹き込みスラグ中の銅微粒子を硫化物層に吸収し回収する方法においてパイライトなどの硫化剤でマグネタイトを還元していることを述べている。
さらに、チリのCodelco社、caletones製錬所において、溶融状態の銅転炉スラグ中へ微粉炭を吹き込んでスラグ中のマグネタイトを還元してスラグ中の銅分回収を実施していることを述べている。
これらの過去の知見に対して、スラグ中のマグネタイト含有量の中で、特に溶融スラグ中の固相析出マグネタイト含有量の重要性を新たに認識したことを述べ、溶融スラグ中の固相析出マグネタイト含有量を1%以下に還元すること、さらに1%に達したことを磁性体量測定器で測定して判定する技術を出願している。この技術により、銅製錬スラグ中の銅含有量を約4%から0.8%まで低減できた、と述べている。この出願の実施例において、プロパンガス吹き込みで還元した場合に、処理途中で磁性体量測定を行って終点予測をした場合と、処理途中で磁性体量測定を行わなかった場合とを比較して、銅メタル中の鉄分が2.3%から20.0%まで大きく変化したことを述べ、固相析出マグネタイト含有量を制御することの有効性を述べている。
特許文献4(特開2002−146448号公報)では、銅製錬工程での銅のスラグロス低減方法について開示されており、これにより銅のスラグロスを低減すると述べている。その特徴として、T.Fe/SiO(モル比)を1.0〜1.5に規定し、Al含有量を4〜8wt%とし、粘度を300mPa・s以下にすること、その好ましい領域としてT.Fe/SiO(モル比)を1.1〜1.4に規定し、Al含有量を5〜7wt%と規定している。
更に、スラグサンプリングを行い、スラグ成分分析を行い、1250℃の粘度測定を行い、スラグ成分と粘度測定値から別途作成した回帰式によって溶剤を適量添加する方法を述べている。
特開平11−140554号公報 特開2008−95127号公報 特開平9−87762号公報 特開2002−146448号公報
このように、銅製錬におけるスラグロス低減、スラグからの銅回収、更にはスラグ浄化に関する技術は多数検討されている。しかしながら、これらの先行技術文献においては銅製錬スラグを有効利用するという観点からは検討が不十分であり、未だ大きな改善の余地が残されている。
銅製錬スラグにはAs、Pb、SbおよびZnなどの有害金属が不純物として含まれる一方で、Mo、Cu、FeおよびSnなどの有価金属が多く含まれる。よって、銅製錬スラグを適切に処理することで、有価金属の回収率を向上させたりスラグの付加価値を高めたりすることができるはずである。特に、銅製錬スラグから鉄、モリブデン、錫などの有価金属を回収するという思想は上記文献の何れにも提示されていない。
具体的には、特許文献1に記載の技術は、溶錬炉中に蛍石(CaF)や氷晶石(3NaF/AlF)及びそれらの混合物等のフッ化物をスラグに対して0.5〜10wt%添加して、スラグの粘性を下げることを特徴とするものである。
そのため、その使用条件は、マットとスラグが共存状態である溶錬炉中であることを規定している。その理由として、フッ化物がスラグ中の酸化銅の活量係数を増大させるためにスラグ層からマット層へ酸化銅が移行するため、併せて、スラグ中の金属銅の沈降速度が上がるためにスラグ層からマット層へ金属銅が移行するため、としている。
そのため、溶錬炉から排出されたスラグを処理する方法ではないし、スラグ中の有価金属の回収を図る技術でもない。
特許文献2に記載の技術は、スラグの浄化を目的として、スラグ中の有害金属酸化物を還元処理によって金属化し、溶融金属銅を共存させて溶融金属銅に吸収させる技術である。
上記の技術が意味するところは、炉底部にかなり大量の(対スラグ重量比5〜40wt%)の溶融銅を存在させ、該溶銅層へ還元剤を吹き込むことによって溶銅層近傍でスラグ中の酸化物の還元反応を起こさせ、炉底からのガスバブリングによって該溶融銅と該還元反応で生じた金属とを接触させて、還元反応で金属化した有害元素を溶融銅中へ吸収させる、という技術である。
従って、添加する金属銅の形状・種類にはこだわりは無く、銅スクラップや銅製錬途中で得られる粗銅でもよい、と記載されている。すなわち、特許文献2に記載の技術は、炉底部の溶銅層の近傍で還元反応を起こさせることに重要な意味がある。
というのも、上記の還元反応が、炉底部の溶鋼層から離れた場所で起こった場合は、還元反応で生じた金属が溶鋼層と接触する機会が大きく減じられるからである。また、当該文献に記載の技術においては、スラグ中の鉄モリブデン、錫などの成分の回収は全く考慮されていない。
特許文献3に記載の技術は、銅転炉スラグを対象に、銅製錬スラグ中に還元剤を吹き込んで、銅製錬スラグの粘性増加成分である溶融スラグ中の固相析出マグネタイト含有量を1%以下になるまで還元することで銅製錬スラグ中の銅分の回収方法を提示している。
しかし、この方法で銅製錬スラグ中の銅含有量を約4%から0.8%まで低減できたと述べているが、なおスラグ中に0.8%の銅が存在している。また、当該文献にはスラグ中の鉄、モリブデン、錫などの成分の回収は示唆されていない。
特許文献4に記載の技術はスラグ自体を処理する方法ではなく、スラグから有価金属(鉄、モリブデン、錫などの成分)を回収する方法でもない。そして、溶錬炉中のスラグの粘度制御に使用するフラックスとしてAlに限定し、Alの配合量を決定するための詳細条件を述べているに過ぎない。
このような従来技術に鑑みて、本発明は銅製錬スラグから、有害物質を除去する方法を提供することを課題とする。また、本発明では銅製錬スラグから高効率で有価金属を回収するのに好適な銅製錬スラグの処理方法を提供することも課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、フラックスの存在下にて、特定の酸化還元工程を組み合わせることによって、銅精錬スラグに含まれる有害元素を除去できる方法を見いだした。また、これと同様にすることで、銅精錬スラグに含まれる有価金属元素を回収する方法も見出した。本発明は、下記に示す態様の発明を広く包含するものである。
項1 銅精錬スラグから有価金属を回収する方法であって、下記の工程1〜工程3を含む方法;
1 銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程、
2 工程1で得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金浴とを接触させる工程、および
3 工程2で得られる接触後のCu−Fe合金浴を精錬工程に供し、有価金属を回収する工程。
項2 前記工程2で得られる接触後の銅精錬スラグと、Fe−C合金浴とを接触させる工程4をさらに含む、上記項1に記載の方法。
項3 前記銅精錬スラグが、Cu化合物、Si化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Fe化合物、Mo化合物、Zn化合物、As化合物、Sb化合物、Pb化合物、およびSn化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む、上記項1または項2に記載の方法。
項4 前記有価金属が、Fe化合物、Cu化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Mo化合物、およびSn化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、上記項1〜項3の何れかに記載の方法。
項5 前記工程1を、1200℃以上の条件下で実施する、上記項1〜項4の何れかに記載の方法。
項6 前記フラックスが、フッ素含有化合物である、上記項1〜項5の何れかに記載の方法。
項7 前記工程2を、1460℃以下の条件下で実施する、上記項1〜6の何れかに記載の方法。
項8 前記工程4を、1150℃〜1550℃の条件下で実施する、上記項2〜項7の何れかに記載の方法。
項9 銅精錬スラグから有害化合物を除去する方法であって、下記の工程Aおよび工程Bを含む方法;
A 銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程、および
B 工程Aで得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金浴とを接触させる工程。
項10 前記工程Bにて得られるCu−Fe合金浴を精錬工程に供する工程Cを更に含む、上記項9に記載の方法。
項11 前記有害化合物が、As化合物、Sb化合物、Zn化合物およびPb化合物からなる群より選択される少なくとも1つである、上記項9または項10に記載の方法。
項12 前記工程Aを、1200℃以上の条件下で実施する、上記項9〜項11の何れかに記載の方法。
項13 前記工程Bを、1460℃以下の条件下で実施する、上記項10〜項13の何れかに記載の方法。
本発明の方法によると、銅精錬スラグから効率よく有害化合物を除去することができる。また、本発明の方法によると、銅精錬スラグから効率よく有価金属化合物を回収することができる。これらの除去および回収方法は、経済的に有利な方法を提供することができる。
銅精錬スラグから有価金属を回収する方法
本発明の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法は、下記の工程1〜工程3を含むものである。
1 銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程、
2 工程1で得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金浴とを接触させる工程、および
3 工程2で得られる接触後のCu−Fe合金浴を精錬工程に供し、有価金属を回収する工程。
また、本発明の有価金属を回収する方法には、銅精錬スラグに含まれるFe成分をより効率的に回収するために、工程2で得られる接触後の反応物である銅精錬スラグとFeーC合金とを接触させる工程4(本明細書にて、この工程を「ハード還元」と呼ぶことがある。)をさらに含む態様の方法を包含することもできる。
銅精錬スラグとは、溶鉱炉、電気炉、反射炉、および自溶炉などの銅熔錬炉で発生したスラグである限り特に限定はされない。銅精錬スラグとは、例えば、Cu化合物、Si化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Fe化合物、Mo化合物、Zn化合物、As化合物、Sb化合物、Pb化合物、またはSn化合物などを含むものである。このような化合物は、銅精錬スラグ中に2種以上含まれていることが好ましい。
例えば、Cu化合物は、銅精錬スラグに対し、Cu成分として、通常は0・5重量%〜5重量%程度、より典型的には0.6重量%〜1.2重量%程度の濃度で含む。
例えば、Fe化合物は、銅精錬スラグに対し、Fe成分として、通常は20重量%〜60重量%程度、より典型的には35重量%〜45重量%程度の濃度で含む。
例えば、Si化合物は、銅精錬スラグに対し、Si成分として、通常は20重量%〜60重量%程度、より典型的には30重量%〜40重量%程度の濃度で含む。
例えば、As化合物は、銅精錬スラグに対し、As成分として、通常は0.1重量%〜5重量%程度、より典型的には0.1重量%〜0.5重量%程度の濃度で含む。
例えば、Pb化合物は、銅精錬スラグに対し、Pb成分として、通常は5重量%以下程度、より典型的には1重量%以下程度の濃度で含む。
例えば、Sb化合物は、銅精錬スラグに対し、Sb成分として、通常は0.01重量%〜0.2重量%程度、より典型的には0.02重量%〜0.06重量%程度の濃度で含む。
例えば、Zn化合物は、銅精錬スラグに対し、Zn成分として、通常は1重量%以下、より典型的には5重量%以下の濃度で含む。
例えば、Mo化合物は、銅精錬スラグに対し、Mo成分として、通常は0.5重量%〜3.0重量%程度、より典型的には1.0重量%〜2.0重量%程度の濃度で含む。
例えば、Sn化合物は、銅精錬スラグに対して、Sn成分として、通常は0.1重量%〜0.4重量%の濃度で含む。
上記の各種化合物は、硫化物、酸化物などの形態で含まれる。例えば、銅精錬スラグ中に含まれる硫化物の総量は、銅精錬スラグに対し、S成分として、通常は0.5重量%〜1.5重量%程度とすることができる。
その他、Mg成分、Al成分、P成分、Cl成分、Ca成分、Ti成分、Cr成分、Mn成分、Ni成分、Sr成分、Zr成分などの成分が銅精錬スラグに含まれていてもよい。
上記のような、「(金属元素名)成分」との記載は、金属元素名によって構成される化合物の総称であり、「(金属元素名)化合物」とほぼ同義である。この様な記載関係は本明細書の記載に適用される。
本発明の方法によって回収される有価金属は、Fe化合物、Cu化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Mo化合物、Sn化合物などである。これらの有価金属の1種のみ、または2種以上を組み合わせて回収することができる。
このような銅精錬スラグ中に含まれる各種の元素成分は、蛍光X線を用いた技術を採用して分析することができる。
工程1
本発明の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法における工程1は、銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程である。
工程1では、銅精錬スラグに含有される上記の化合物の中でも、CuS、FeS、AsSなどの硫化物を酸化することを目的とする。工程1に続く工程2では、液相のFe−Cuの合金(Fe−Cu浴)を用いて銅精錬スラグに含まれる化合物を還元(本明細書にて、この工程を「ソフト還元」と呼ぶことがある。)工程に供するので、銅精錬スラグ中に硫化物が残存すると、有価金属の回収および/または有害化合物の効果的な除去が達成できない。
よって、工程1では銅精錬スラグ中に硫化物がなるべく存在しないようにするために、これらを酸化することを目的とした工程である。また、熱力学的な観点からも、銅精錬スラグ中に含まれる硫化物を酸化物に変換しておくことが、目的の元素の回収および/または除去の側面から好ましい。
工程1にて用いる酸素含有ガスは、特に限定はされない。例えば、酸素ガス、空気などを挙げることができる。中でも、反応性の高さ、熱のロスが少ないとの側面に鑑みて、酸素ガスを用いることが好ましい。
工程1は、不純物の除去や、必要な成分の最終調整を可能とするために、銅精錬スラグが発生する銅熔錬炉から独立したスラグ処理炉を設けて行うことが好ましい。
このようなスラグ処理炉は、特に限定はされないが、例えば、LF炉を用いることが好ましい。LF炉とは、電極加熱装置を有し取鍋中のスラグをアーク放電にて加熱できる取鍋加熱炉である。このようなスラグ処理炉は、開閉可能な孔が設けられていることが好ましい。
具体的な酸化反応の実施方法は特に限定はされない。例えば、銅精錬スラグを投入したスラグ処理炉に、酸素含有ガスと、天然ガス、プロパンガスなどの燃料ガスとを混合させたジェットガスを、ランスを介して銅精錬スラグに吹き込むことによって実施することが好ましい。
このようなジェットガスは、酸素が過剰となるように混合させることが好ましい。酸素含有ガスと天然ガスの混合ガスの完全燃焼比率の場合の温度は、2400℃程度となるため、上記のように酸素が過剰となるようにジェットガスを作製すると、2000℃近辺の高温度の酸素を含有するガスを得ることが可能となる。
また、スラグ処理炉を電気加熱して所定の温度に到達した後に、その温度を低下させないように酸素含有ガスを銅精錬スラグに吹き込んでもよい。よって、上記のような温度調節を行うことで、銅精錬スラグに含有される硫化物の酸化を効率的に実施することが可能となる。
工程1では、工程1の原料物質である銅精錬スラグに含まれるFe化合物であるFeOが酸化される。FeOが酸化されると、Fe、Feなどの酸化物が発生する。FeOの融点は1377℃と比較的低いが、Feの融点は1597℃、Feの融点は1566℃と融点が高いので、酸化工程後の銅精錬スラグは、その融点が上昇し、スラグの粘性の上昇を引き起こす。
一方で、Fe、Feなどの酸化物はFeOに比べて酸化還元反応的に非常に安定である。FeOと上記の銅精錬スラグ中に含まれる各成分の酸化物とが存在するとFeOによる還元反応が生じてしまい、各成分が金属化してしまうおそれがある。これに対して、Fe、Feなどの酸化物と、上記の銅精錬スラグ中に含まれる各成分とが存在しても、各成分の還元反応は生じにくくなる。
よって、Fe、Feなどが生成するように工程1にて酸化反応を行うことが好ましい。しかしながら、上記の様にFe、Feなどによる融点の上昇、スラグ粘度の上昇などに対処する必要がある。
これらの銅精錬スラグの融点の上昇、スラグの粘性の上昇などに対処することを目的に、工程1の酸化工程をフラックスの存在下で、実施する必要がある。このようなフラックスは、金属精錬などの分野で用いられる、所謂、融剤であれば、特に限定はされない。例えば、KO、NaO、Al、MgO、CaO、NaF、KF、CaF、氷晶石などを挙げることができる。
工程1の酸化反応の温度は、特に限定はされない。通常は、1200℃程度以上の温度で実施することができる。但し、上記のフラックスの中でも、カリウムやナトリウムを含有するKO、KF、NaO、NaF、氷晶石などを、硫化物が存在する状態の1400℃以下の温度域の銅精錬スラグに添加すると、硫化物が酸化反応を起こすより先に硫化物とフラックスとが反応して、金属Cu、金属As、金属Sbなどの微粒子を形成する傾向となってしまう。このような金属微粒子は回収および/または除去が困難であるため、本発明の方法にとっては好ましくない。
よって、上記の金属微粒子が発生しないようにするために、酸化反応の温度を1400℃程度以上として実施することが好ましく、1450℃程度以上がさらに好ましい。工程1の酸化反応の上限値は、炉体保護、または経済面の観点から、通常は1600℃以下の条件下で実施することが好ましく、より好ましくは1550℃程度以下、最も好ましくは1500℃程度以下である。
酸化工程におけるフラックスの添加量は、例えば、スラグ中のFeOが全体の1重量%以下となっても、スラグハンドリングが可能となるようにスラグ粘性を低下させることができる範囲の量であれば特に限定はされない。また、使用するフラックスの状態図から、最も融点が低くなる配合比を基に、具体的な添加量を算出することもできる。
これらに鑑みて、通常は、〔酸化処理後の銅精錬スラグに存在し得るSiO2の量〕:〔フラックスの量〕=95〜60:40〜5程度の重量比とすることができる。銅精錬スラグ中の硫化物の酸化物への変換効率に鑑みて、〔酸化処理後の銅精錬スラグに存在し得るSiO2の量〕:〔フラックスの量〕=70〜60:40〜30程度の重量比とすること好ましい。
これらのフラックスの銅精錬スラグへの添加時期は、特に限定はされない。例えば、上記の金属微粒子の発生に鑑みて、通常は加温中の銅精錬スラグが1400℃程度に到達したときに添加することができる。
工程1は、主たる目的である銅精錬スラグに含まれる硫化物の酸化反応が完了すればよい工程であるが、工程1に続く工程2が還元する工程であるため、還元工程による吸熱反応に備えて、ある程度の熱量を維持した状態にて工程2を行うことが好ましい。
具体的に維持する熱量は、特に限定はされない。例えば、酸化処理後の銅精錬スラグが、通常は1200℃〜1550℃程度の温度の状態を維持する熱量を有することが好ましい。具体的な銅精錬スラグの熱量を維持する方法として、上記の電気加熱やジェットガスによる処理温度、または時間などを調節することによって、上記の熱量に維持することができる。
工程1により、銅精錬スラグ中に含有される化合物は、酸化銅、酸化ケイ素、酸化銀、酸化金、酸化白金、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ヒ素、酸化アンチモン、酸化モリブデン、酸化鉛、および酸化錫などの酸化物に変換される。工程1の後の銅精錬スラグ中の硫化物の総量は、銅精錬スラグに対し、S成分として、通常は0.01重量%〜0.02重量%程度とすることができる。
工程2
本発明の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法における工程2は、工程1で得られる酸化後の反応物とCu−Fe合金浴とを接触させる工程(ソフト還元)である。
具体的なCu−Fe合金浴におけるFeの含有量は、特に限定はされない。例えば、Cu−Fe合金浴に対するFeの量が、通常は5重量%程度以上、更に好ましくは10重量%程度以上であり、20重量%程度以上が最も好ましい。
上記のCu−Fe合金浴に対するFeの含有量はなるべく高くすることが好ましいが、経済的な観点から総合的に判断されることが好ましい。
ソフト還元を実施する雰囲気は、特に限定はされないが、所定の酸素分圧の雰囲気下にて実施すればよく特に限定はされない。例えば、Fe+1/2O=FeOの上記処理温度でのエリンガム図が示す平衡酸素分圧以下とすることができる。具体的に1700Kの温度条件では、通常は1×10−10atm程度以下の酸素分圧の雰囲気下で実施すればよく、1400Kの温度条件では、通常は1×10−13atm程度以下の酸素分圧の雰囲気下で実施すればよい。
さらに好ましくは、C+1/2O=COの平衡酸素分圧以下でとすることができる。具体的に1700Kの温度条件では、通常は1×10−15atm程度以下の酸素分圧の雰囲気下で実施すればよく、1400Kの温度条件では、通常は1×10−18atm程度以下の酸素分圧の雰囲気下で実施すればよい。
このような酸素分圧に調整する手段として、例えば反応槽の上部に黒鉛(典型的には黒鉛製の蓋)などを用いて被覆し、空気の浸入を防ぐ手段が挙げられる。このような手段では、もし仮に空気が反応槽内に浸入しても、黒鉛と反応してCOガスとなるよう調整することができる。同様に、反応槽内にCOガスを吹き込むといった手段も採用することができる。
ソフト還元は、工程1にて得られる酸化処理後の銅精錬スラグとCu−Fe合金浴とを接触させた後、これに窒素を吹き込む方法、撹拌する方法(典型的にはアルミナパイプを用いた撹拌、セラミックス製の撹拌羽根を用いた撹拌など)、静置する方法などによって、還元反応を促進させることができる。なお、静置する方法であっても、熱対流によって十分な還元反応を促進させることができる。
工程2により、工程1の後の銅精錬スラグ中に含まれる酸化銅、酸化モリブデン、酸化銀、酸化金、酸化白金、酸化ヒ素、酸化アンチモン、酸化鉛、および酸化錫などの酸化物は、液相のCu−Fe合金中の金属Feによって還元されて、Cu−Fe合金浴に移行する。
そして、酸化ヒ素、酸化アンチモン、および酸化鉛などの有害化合物を銅精錬スラグから除去することができるので、上記工程1および工程2を含む方法は、後述する本発明の有害化合物の除去方法とすることもできる。
なお、Cu−Fe合金浴中の金属Feは、上記還元反応によってFeOに変換され、銅精錬スラグ中に移行する。
工程2を実施する温度条件は、特に限定はされない。具体的には、工程1によって酸化された化合物の中でも、特に酸化モリブデンを還元し、効率的にCu−Fe合金浴に移行させるために、1460℃程度以下の条件下で実施することが好ましい。工程2の下限値は、特に限定はされない。例えば、Cu−Fe合金が液体状態を保つ温度とすればよく、通常は1200℃程度とすればよい。
工程2の後、Cu−Fe合金浴と銅精錬スラグは容易に分離することができる。続く工程3のために、Cu−Fe合金浴または銅精錬スラグの何れかを、他の反応槽に移動させてもよい。
工程2にてCu−Fe合金浴に代えて金属Feを用いる手段も考えられるが、液相にて還元反応を行うには1535℃と極めて高温にする必要があり、実用的な手段ではない。本発明の様にCu−Fe合金浴であれば、1450℃付近でも液体を維持する。この時のFe含有量はCu−Fe合金浴に対して30重量部程度とすることができる。よって、酸化工程(工程1)に続く工程2にて、Cu−Fe合金浴を用いることは経済的に有利であると言える。
更に、液相の金属Feを用いると、有価金属の回収および/または有害化合物の除去に必要となる工程3の精錬工程(典型的には、電気分解法)に供する際に、金属Feに溶解した成分を精錬する必要がある。この時、精錬工程の典型例である電気分解法を採用するときには、非常に大きなエネルギーが必要となる。
一方で、本発明の様にCu−Fe合金浴を用いることで、工程1によって酸化された各種成分が合金中のFeによって還元されて合金中に移行する。これを工程3の精錬工程、特に電気分解法に供すると、大きなエネルギーを必要とするFeの精錬ではなく、それよりエネルギーが少なく、一般的に多用されているCuの精錬を行えばよいことになる。よって、酸化工程(工程1)に続く工程2にて、Cu−Fe合金浴を用いることは経済的に有利であると言える。
Feと組み合わせる合金として、Cu以外にもSiなどといった成分を利用する可能性はあるが、上記の観点から、Cu−Fe合金浴を用いることが最も経済的に有利であると言える。
工程3
本発明の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法における工程3は、工程2で得られる接触後のCu−Fe合金浴を精錬工程に供し、有価金属を回収する工程である。
工程3で回収される有価金属は、Cu化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Mo化合物、Sn化合物などを挙げることができる。また、これらの化合物は、それぞれ金属元素として回収することもできる。
工程3の精錬工程は、特に限定はされず、公知の手段を採用することができる。具体的な精錬手段として、例えば、湿式精錬、乾式精錬などを挙げることができる。湿式精錬として、例えば、電気分解法、沈殿分離法などを挙げることができる。また、乾式精錬として、溶融精錬法、溶融塩精錬法、気ー固反応精錬法、揮発精錬法などを挙げることができる。
ここで、上記の電気分解法とは、イオン化傾向の差によって所望の金属を精錬する方法である。例えば、この手段を用いてCu化合物を精錬する場合、工程2によって得られるCu−Fe合金浴を凝固させて、いわゆる粗銅を作成した後に、これを硫酸などに溶解させ、これを純銅からなる陰極と不純物を含む粗銅からなる陽極とを設けた反応槽に投入し、陽極と陰極の間に電流を印加する方法を採用することによって、陰極に金属Cuが蓄積する。このような方法により金属Cuの回収を実施することができる。
また、Cuの回収に関して、工程3の精錬工程時に工程2にて得られるCu−Fe合金浴を1200℃以下程度にすると、Cu−Fe合金浴に含まれるFe成分の溶解度が下がる傾向となる。Fe成分の比重は、Cu−Fe合金浴と比べて軽いため、Cu−Fe合金浴を上記温度近辺にすると、Fe成分がその上部に浮上し、逆にCu成分がその下部に濃縮される。
このように濃縮されたCu成分を回収して、例えば、上述の電気分解法などの精錬工程に供すると、比較的容易に金属Cuが得られる。
また、電気分解槽の下部にはCu成分以外の有価金属化合物、および有害化合物を含む残渣(陽極泥)が堆積する。この残渣を更に上記の精錬工程に供することで、所望の有価金属の回収又は系内からの有害化合物の除去を実施することも可能である。
なお、工程3の精錬手段は、回収を所望する化合物の種類、純度;有害化合物の除去の程度などに鑑みて、上記の精錬手段を繰り返して、または複数の精錬手段を組み合わせて実施することもできる。
工程3にて回収される有価金属は、上記のとおり工程2で得られる接触後のCu−Fe合金浴に含まれる有価金属である。この中には、若干量のFe成分は含まれているものの、工程2の後に得られる銅精錬スラグ中に酸化鉄(FeO)の形態でより著量に含まれる。
よって、有価金属であるFe成分を製鉄原料として回収するために、工程2にて得られる銅精錬スラグとFe−C合金浴とを接触させる工程4を含む態様の方法を、本発明の有価金属の回収方法に包含することもできる。
工程4について
本発明の有価金属を回収する方法における工程4は、工程2にて得られる銅精錬スラグとFe−C合金浴とを接触させる工程(ハード還元)である。この工程4によって、銅精錬スラグ中に著量存在する酸化鉄中のFe成分をFe−C合金浴に移行させ、主に製鉄原料として用いることができる銑鉄浴として接触前のFe−C合金浴と共に回収することができる。
この工程4において、Fe−C合金中に含まれるC成分はCOとなって系外に放出される。よって、必要に応じて、接触後のFe−C合金浴中にC成分を積極的に補充してもよい。具体的なC成分の補充方法、補充の時、補充量などについては、公知の方法を参照することができる。
接触前のFe−C合金浴に含まれるCの含有量は特に限定はされない。具体的には、Fe−C合金浴に対して、通常は4.0重量%〜5.0重量%程度とすればよい。処理温度に鑑みて、Fe−C合金浴に対して4.5重量%程度とすることが好ましい。
上記の工程2の後にCu−Fe合金浴と銅精錬スラグを分離して、工程3を工程2で用いた反応槽を変更せずに実施することが好ましいので、工程4は、上記の分離した銅精錬スラグを新たな反応槽に移して実施することもできる。工程4では、上記のようにC成分を追加しながら実施することもあるので、少なくとも下記の範囲の温度をコントロールし得る加熱装置と共に、反応槽に対して投入孔が設けられていることが好ましい。
工程4は、通常であれば、Fe−C合金浴が液体を保つ温度である1150℃程度以上で実施することができ、上限値は通常は1550℃程度で実施することができる。
また、銅精錬スラグに含まれるZn化合物は、上記の工程1にてZnOに酸化される。このZnOは工程4を実施した後にZnに還元され、Fe−C合金浴(銑鉄浴)内に溶解した状態で存在する。このようなZnが溶解した銑鉄をそのまま製鉄原料として精錬工程に用いても、Znは精錬工程中にて気体となって蒸発する。工程4を実施した後の銑鉄にZnが溶解して存在して問題は無い。 工程4にて得られるFe−C合金浴(銑鉄浴)内のFe成分(主として金属Fe)の含有量は、銑鉄浴に対して通常は95重量%以上である。なお、工程2にて銅精錬スラグ中に含まれるAs、Pb、Sbなどの有害化合物は、Cu−Fe合金浴と共に銅精錬スラグから除去されているので、工程4にて得られる銑鉄浴は、そのまま製鉄材料として好適に用いることができる。
また、工程4にて得られる銅精錬スラグは、上記のように有害化合物が除去されており、工程1にて追加したフラックス成分を除くと、銅精錬スラグ中の主成分は、酸化ケイ素(SiO)である。このような工程4にて得られる銅精錬スラグは、路盤材などに用いることができる。
銅精錬スラグから有害化合物を除去する方法
本発明の銅精錬スラグから有害化合物を除去する方法は、下記の工程Aおよび工程Bを含むものである;
A 銅精錬スラグを、酸素含有ガスを用いて酸化する工程、および
B 工程Aで得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金とを接触させる工程。
銅精錬スラグとは、上記の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法と、同様とすることができる。
上記方法にて除去される有害化合物は、特に限定はされない。例えば、As化合物、Sb化合物、Zn化合物、またはPb化合物などを挙げることができる。除去される有価金属は、上記の各種化合物の単独でも、2種以上であってもよい。
工程A
本発明の銅精錬スラグから有害化合物を除去する方法における工程Aは、銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程である。
工程Aは、上記の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法の工程1と同様にすればよい。
工程B
本発明の銅精錬スラグから有害化合物を除去する方法における工程Bは、工程1で得られる酸化後の反応物とCu−Fe合金浴とを接触させる工程である。
工程Bは、上記の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法の工程2と同様にすればよい。
なお、工程Bにより、上記工程Aにて酸化された有害化合物は、銅精錬スラグからCu−Fe合金浴へと移行するので、銅精錬スラグから除去されることになるが、Cu−Fe合金浴を含めた系内から完全に有害化合物を除去するには、上記の銅精錬スラグから有価金属を回収する方法の工程3を参考にすることで実施することが可能である。
よって、有害化合物を系内から完全に除去することを目的に、工程Bにて得られるCu−Fe合金浴を精錬工程に供する工程Cを含む態様の方法を、本発明の有害化合物の除去方法に包含することもできる。
以下に、本発明をより詳細に説明するための実施例を示す。なお、本発明が以下に示す実施例に限定されないのは言うまでもない。
<実施例1>
(銅精錬スラグ)
本実施例にて用いた銅精錬スラグの各元素の分析値を、下記の表1に示す。なお、下記の分析はIPC分析法を用いたものであり、表中の単位は銅精錬スラグに対する重量部である。
Figure 2017201048
(各種処理温度について)
酸化処理温度は、常温の銅精錬スラグを高純度アルミナ製の坩堝に入れて電気炉で加熱して1450℃に上げた。処理温度を1450℃とした理由は、1400℃以下では硫化物とNaOが反応して単体元素化(金属化)する危険性があるためである。常温でスラグとNaOフラックスを混合して昇温すると、昇温過程でNaOと硫化物の反応が起こって金属銅を生成し、金属銅が生成した後に酸素ガスを吹き込んで酸化処理しても十分に酸化物化しないで最後までスラグ中に残留し、ハード還元で初めて銑鉄中に移行する、と言うような現象が起こる可能性があった。それ故に、フラックスは全て目標とする処理温度である1450℃に到達してから所定量を添加した。酸素ガスは高純度アルミナ製管を用いてスラグ中に吹き込んだ。
下記のソフト還元処理温度は、Mo回収の観点から1453℃以上に上げることは好ましくない。従って、1450℃とした。
下記のハード還元処理温度は、CuFeの存在を確認するために1200℃とした。つまり、1200℃でハード還元処理を行って、ハード還元処理後のスラグ中CuO濃度がソフト還元後のCuO濃度から十分に下がればCuFeが存在しなかったことの証明になる。
(フラックス量の決定)
・Na 2 O量の決定
添加するフラックス量の決定を試みた。下記表2はSiO2とNa2Oの比率による酸化処理後の元素含有量を示す。また、酸化反応後の分析値も示す。元素分析はIPC分析法によって測定した。また、表中の単位は重量%を表す。
Figure 2017201048
酸化処理工程では、Fe23の生成と共にスラグの流動性が悪化し酸化処理が円滑に行われなくなるためにSの減少が止まってしまう。表2に示すとおり、SiO2:Na2O=70:30(モル比)以上のNa2Oを使用することで、スラグ中の硫化物は十分に酸化物化する。
ただ、ここでNa2O使用量の増加と共にFe、Cuなどの濃度が低下するが、これは今回の実験の特殊性に起因する、と推察している。今回の実験では、下記に示すように、電気炉一基を使用し、坩堝として高純度アルミナのタンマン管を使用している。
そのために、一工程の処理を行うたびに電気炉内で放冷して翌日に冷えたスラグを回収して分析試料や次工程の原料として使用する。この放冷時に比重差による偏在が起こること、確認できていない凝固中の析出現象が起こること、またはアルミナ坩堝壁に浸透してした、などの原因でこのような濃度変化が起こるのではないか、と推察された。これらの元素は、坩堝外のどこへも行き場がない。
・NaF量の決定
上記と同様に、本発明のハード還元(手順は下記参照)の観点から、NaFの使用量を確認する実験を行った。NaF使用量とその分析結果を合わせて下記の表3に示す。元素分析はIPC分析法によって測定した。また、表中の単位は重量%を表す。
Figure 2017201048
ハード還元処理では、FeOが還元されてスラグから抜けるので反応の進行と共にSiO2が主成分となる。そのためにスラグの融点が上昇すること、およびSiO2による三次元網目状のネットワークが形成されることによりスラグの粘性が上がり、処理が不能になる。
ハード還元の場合はNaOによるSiO2の融点低下だけでは不十分で、SiO2による三次元網目状のネットワークを破壊するフッ化物系フラックスが必要となる。そこでNaFを選択してその必要量を調査した。表3に示すとおり、NaFをSiO2に対する重量比で8wt%以上添加することが必要であった。
・ソフト還元工程の撹拌方法による差の確認
ソフト還元による有害元素の除去を主体的に調査した。ソフト還元処理温度は1350℃である。撹拌方法として、Nガスバブリング、撹拌なしの静置、SUS製羽根による撹拌を試みた。
結果を下記の表4に示す。元素分析はIPC分析法によって測定した。また、表内の単位は重量%である。
Figure 2017201048
フラックスはSiO:NaO=70:30の比率でNaOが添加されている。上記の三種類方法のうち、いずれの方法でも目標とする有害元素As、Pbの除去は満足すべきレベルまで除去できることを確認した。ここで使用したNガスは、アルミナ管の中で600℃に加熱した金属アルミニウム粉の中を通して完全に脱酸素した高純度Nガスである。
しかし、課題としてソフト還元でのCuの回収が不十分であった。いずれの撹拌方法でも、ソフト還元後のスラグ中Cuが0.25%程度以下には下がらなかった。その後、SUS製羽根撹拌を中心にソフト還元を繰り返したが、処理後のCuは0.25%前後で止まっていた。そこで、SUS製羽根中のFeによる還元反応が起こり、それによって生成する微細な金属Cu粒がスラグ中に懸濁するためにCu濃度が下がらない、という仮説に基づいて、撹拌は高純度アルミナ管を用いて手動で間歇撹拌することに変更した。
<実施例2>
(銅精錬スラグ)
原料のリガク社製の蛍光X線分析機器による銅精錬スラグの分析値を下記の表1に示す。
Figure 2017201048
(酸化工程)
銅精錬スラグを外径φ50×内径φ40×長さ150mmの高純度アルミナ製タンマン管(ニッカトー製 T7)に189g入れ、電気炉で処理温度まで加熱し溶解する。以後この坩堝をタンマン管と称す。スラグを入れたタンマン管は、破損時に溶融スラグが電気炉内に流出することを防止するためにマグネシア坩堝(外径φ125×内径φ110×長さ150mm)に入れ、タンマン管とマグネシア坩堝の隙間を耐火物で埋めた。タンマン管を支持したマグネシア坩堝を電気炉(広築製 HLF2030)に設置し、8℃/minで1450℃まで昇温した。1450℃においてスラグに52gのNaCO(30gのNaOに相当)と、10gのNaFを少量ずつ投入した。
NaOの添加量は、NaO:SiO=1:2(モル比)の量を目標としている。その後、高純度アルミナ管(外径φ6×内径φ4×長さ1000mm)を溶融スラグの底部まで挿入し、酸素ガスを500ml/minで1時間通気した。スラグフォーミングが起こるので、アルミナ管を抜き差しし、あふれ出ないように制御した。その後は酸素を吹き続け、計60分間の酸化工程を行った。
その後、電気炉を一晩かけて放冷後、後日、スラグを回収する。また氷晶石を使用する場合は、上記のNaFを氷晶石に変えて同じ比率で添加した。
但し、酸化処理後のFe、CuO、MoOなどの比重の大きい元素の濃度低下が懸念されたので、酸化工程の終了後に電気炉からタンマン管を抜き出して、直ちに水に入れて急冷し、比重差でスラグ中に濃度勾配が生じることを阻止することを試みた。
・酸化処理工程におけるフラックス添加によるスラグ組成変化
酸化処理中に(SiO:NaO:NaF=62:29:9)の比率でフラックスを添加し場合を例として、フラックス添加によるスラグ重量の増加に起因した各成分濃度が変化の影響度を下記に示す。
・NaO添加によるスラグ重量増分
W1=0.313W(SiO量)÷62×29=0.146W
・NaF添加によるスラグ重量増分
W2=0.313W(SiO量)÷62×9=0.0454W
・FeOがFeになる酸素重量増分
W3=W×0.535÷55.8(FeOのモル数)×1/2×16=0.076W=0.076W
・タンマン管溶解によるAl2O3の増加によるスラグ重量増分
W4≒0.10W
以上から、酸化処理後のスラグ総重量W4は
W4=W+W1+W2+W3+W4
=W(1+0.146+0.0454+0.076+0.1)
=1.367W
と算出できる。
よって、酸化処理工程でフラックスを添加することで、各成分濃度は約37%低下する。
また、本実施例では高純度アルミナ製のタンマン管を使用したが、フラックスの使用によりかなりの量がスラグ中へ溶解しているので、実機の場合は反応容器の耐火物が重要なポイントとなる。実機ではスラグ層に相当する領域は、水冷パネルによるスラグセルフコーテイング技術を使用することになると思われる。
(ソフト還元処理工程)
タンマン管にCuを300g入れる。そのタンマン管をマグネシア坩堝(外径φ125×内径φ110×長さ150mm)に入れ、タンマン管とマグネシア坩堝の隙間にコークス粉を詰めた。それを電気炉に入れて1450℃まで昇温し電解鉄を100g添加して30分間静置し、金属Feが溶解したことを確認してCu−Fe合金浴を作った。その後、このCu−Fe合金浴上に酸化処理後のスラグを100g添加し、黒鉛製蓋をして坩堝内雰囲気をCO雰囲気とし、5分ごとに1分間アルミナ管にて手動撹拌した。この作業を60分実施しさらに60分静置した後に電気炉を一晩かけて冷却し、後日スラグを回収した。
ここで、黒鉛製蓋を使用したりタンマン管をコークス粉で囲う理由は、ソフト還元処理系全体の酸素分圧を下げるためである。
(ハード還元処理工程)
黒鉛坩堝に電解鉄粉673gと黒鉛粉27gを混合して投入し、黒鉛坩堝ごとマグネシア坩堝に入れて電気炉内に設置し1450℃に昇温して炭素飽和溶融鉄を製造した。その後温度を1180℃に下げて、黒鉛製のインペラーを坩堝内に挿入し30分予熱した後に、炉温度を1200℃に設定して昇温した。
炉温度が1200℃に到達した後に30分間保持し、予熱済みの撹拌羽根を熔鉄内に挿入して60rpmで回転させながら、ソフト還元後のスラグを10g/回を10分間隔で6回投入した。60分撹拌後に60分静置し、電気炉を一晩かけて放冷した後に後日スラグを回収した。
ここで温度を1450℃まで上げるのは電解鉄の溶解を早めるためである。その後、1180℃まで下げるのは、処理温度が絶対に1210℃を超えないことの保証のためである。
(実験結果)
下記の表6〜表8は、実施例2の結果である。それぞれ、各工程の終了後の銅精錬スラグを、蛍光X線分析機器によって分析した結果を示している。なお、数値は、銅精錬スラグに対する重量%である。
Figure 2017201048
Figure 2017201048
Figure 2017201048
(酸化工程に関して)
フッ化物系フラックスの種類に関わらず、目的とする硫化物の酸化物化は行われた
(ソフト還元工程に関して)
酸化処理後のスラグ中に硫化物が殆ど存在していないことを確認して、酸化処理後のスラグをソフト還元処理した結果以下のことが明らかとなった。
ソフト還元処理後のスラグ中に存在するAsやPbなどの有害元素は、ソフト還元処理で十分に除去されることが確認された。それはフッ化物系フラックスであれば、その種類によらないことも明らかとなった。
ソフト還元処理における雰囲気中の酸素分圧は、低いほうがCuOの還元を促進することが明らかとなった。また、黒鉛製蓋を使用する方が、空気中や高純度窒素ガス雰囲気で行うよりもソフト還元後のCu2O濃度が低いことから明らかである。
また、ソフト還元処理によってスラグ中のMoが回収されることが判明した。ソフト還元後のスラグ中のMoO濃度は、氷晶石使用=0.12wt%、NaF使用=0.12wt%、0.0wt%となり、最初の濃度1.30wt%から約90%が回収されてCu−Fe合金浴へ吸収されている。
(ハード還元に関して)
ハード還元処理後のP25の濃度を見ると、初期濃度から余り変化していない。銅精錬スラグから回収される銑鉄は低P銑鉄である可能性が高い。これは製鉄原料としては有利である。
一方、NaOの濃度を見ると、ハード還元後の処理後の濃度になるにつれて、初期の銅精錬スラグに含有される主成分の鉄成分が減っていくことに起因して、NaOの濃度が高くなるはずである。スラグ中にフラックスとして添加したNaOは、他の成分に変化することも、系外に漏れ出ることもないからである。
ここで、表8に示す結果はNaOの濃度が徐々に高くなる挙動を示しているものの、表6および表7についてはNaOの濃度は表8のような挙動を示さない。
本実施例の目的は、ソフト還元後に有価金属であるCu成分などの回収(表中の数値の減少が指標)と有害化合物であるAs成分、Pb成分などの除去(これも、表中の数値の減少が指標)と、ハード還元後のFe成分の回収(これも、表中の数値の減少が指標)である。
表8では、酸化処理からソフト還元処理後のCuOの分析値が0.48重量%から0.14重量%と減少し、同じくAsOやPbOの分析値も、それぞれ0.33重量%から0.00重量%、0.18重量%から0.00重量%と減少していることが見て取れる。
そして、ソフト還元処理後からハード還元処理後のFeOの分析値が31.80重量%から3.41%に減少している。
よって、表8は非常に本発明の目的を高効率に達成するものではあるが、表6および表7の結果は、NaOの濃度を見ると、ハード還元後の処理後の濃度になるにつれて、高くなっているとは言えず、特に表7に示す結果ではソフト還元処理後のNaOの濃度は8.77重量%と非常に少ない数値を示している。
そして、有害化合物の除去に関しては目的を達成できたと言えそうであるが、表6に示すハード還元後のFeOの濃度は3.41、表7に示すハード還元後のFeOの濃度は6.45重量%と、表7の1.30重量%と比較してもハード還元後のFe成分の回収の程度としては劣っている。
更に、表8に示す酸化処理後、ソフト還元処理後、およびハード還元後のCuOの濃度は、それぞれ0.83重量%、0.13重量%、および0.00重量%と、順調に減少し、表6に示す実験ではそれぞれ順に0.48重量%、0.14重量%、および0.01重量%とある程度の効果を奏している。しかし、表7に示す結果では、0.76重量%、0.29重量%、および0.05重量%とハード還元処理後のスラグにもCu成分が残ってしまっている。
これは、上記の様にNaOの濃度が各段階で想定外の挙動を示していることが原因の一つであると考えられる。より詳細には、スラグ中のNaOが均一に分散していないことによると考えられる。

Claims (13)

  1. 銅精錬スラグから有価金属を回収する方法であって、下記の工程1〜工程3を含む方法;
    1 銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程、
    2 工程1で得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金浴とを接触させる工程、および
    3 工程2で得られる接触後のCu−Fe合金浴を精錬工程に供し、有価金属を回収する工程。
  2. 前記工程2で得られる接触後の銅精錬スラグと、FeーC合金浴とを接触させる工程4をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記銅精錬スラグが、Cu化合物、Si化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Fe化合物、Mo化合物、Zn化合物、As化合物、Sb化合物、Pb化合物およびSn化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記有価金属が、Fe化合物、Cu化合物、Ag化合物、Au化合物、Pt化合物、Mo化合物、およびSn化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である、請求項1〜3の何れかに記載の方法。
  5. 前記工程1を、1200℃以上の条件下で実施する、請求項1〜4の何れかに記載の方法。
  6. 前記フラックスが、フッ素含有化合物である、請求項1〜5の何れかに記載の方法。
  7. 前記工程2を、1460℃以下の条件下で実施する、請求項1〜6の何れかに記載の方法。
  8. 前記工程4を、1150℃〜1550℃の条件下で実施する、請求項2〜7の何れかに記載の方法。
  9. 銅精錬スラグから有害化合物を除去する方法であって、下記の工程Aおよび工程Bを含む方法;
    A 銅精錬スラグを、フラックスの存在下で酸素含有ガスを用いて酸化する工程、および
    B 工程Aで得られる酸化後の反応物と、Cu−Fe合金浴とを接触させる工程。
  10. 前記工程Bにて得られるCu−Fe合金浴を精錬工程に供する工程Cを更に含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記有害化合物が、As化合物、Sb化合物、Zn化合物、およびPb化合物からなる群より選択される少なくとも1つである、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記工程Aを、1200℃以上の条件下で実施する、請求項9〜11の何れかに記載の方法。
  13. 前記工程Bを、1460℃以下の条件下で実施する、請求項9〜12の何れかに記載の方法。
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