JP2017195358A - グラフェントランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グラフェントランジスタ10は、SiCで構成され、Si面に対するオフ角が20°以下の第1主面を有する支持基板11と、支持基板の第1主面の一部分上に配置され、支持基板を構成するSiCの原子配列に対して配向する原子配列を有するグラフェン膜13と、グラフェン膜13の一部分上に配置される絶縁膜16と、ソース電極14およびドレイン電極15と、ゲート電極17と、を備え、グラフェン膜13の支持基板11側とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下であり、ゲート幅が100μm以上である。
【選択図】図1
Description
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
<実施形態1:グラフェントランジスタ>
図1および図2を参照して、本実施形態のグラフェントランジスタ10は、炭化ケイ素(SiC)で構成され、ケイ素(Si)面に対するオフ角が20°以下である第1主面を有する支持基板11と、支持基板11の第1主面の一部分上に配置され、支持基板11を構成するSiCの原子配列に対して配向する原子配列を有するグラフェン膜13と、グラフェン膜13の一部分上および支持基板11の一部分上に亘って配置されるソース電極14およびドレイン電極15と、グラフェン膜13の他の一部分上に配置される絶縁膜16と、絶縁膜16の少なくとも一部分上に配置されるゲート電極17と、を備える。ここで、グラフェン膜13の支持基板側とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下であり、ゲート電極17のゲート幅WGが100μm以上である。本実施形態のグラフェントランジスタ10は、グラフェン膜13の膜厚が小さく均一でゲート幅が大きい。なお、図1は、図2のI−Iにおける概略断面図である。
支持基板11は、SiCで構成される。支持基板11を構成するSiCは、六方晶SiCであって、たとえば6H構造を有する。支持基板11は、Si面(すなわち(0001)面)に対するオフ角が20°以下である第1主面を有する。オフ角は、第1主面の平坦性が高い観点から、20°以下であり、10°以下が好ましく、5°以下がより好ましく、1°以下(すなわち、支持基板11の第1主面は、実質的にSi面と一致または平行)であることがさらに好ましい。
グラフェン膜13は、炭素(C)原子がsp2混成軌道を形成して平面的に結合している膜であり、支持基板11の上記第1主面の一部分上に配置される。グラフェン膜13は、支持基板11を構成するSiCの原子配列(Si原子およびC原子の配列)に対して配向する原子配列(C原子の配列)を有する。ここで、グラフェン膜13の原子配列が支持基板11を構成するSiCの原子配列に対して配向する状態とは、グラフェン膜13の原子配列がSiCの原子配列に対して一定の関係を有していることを意味する。グラフェン膜13の原子配列がSiCの原子配列に対して配向しているかどうかは、たとえば低速電子線回折(LEED)法により確認する。
ソース電極14およびドレイン電極15は、グラフェン膜13の一部分上および支持基板11の一部分上に亘って配置される。ソース電極14およびドレイン電極15は、グラフェン膜13との接触抵抗を低減する観点から、グラフェン膜13とオーミック接触する電極が好ましく、具体的には、ニッケル(Ni)電極、白金(Pt)電極、ニッケル/金(Ni/Au)電極、白金/金(Pt/Au)電極などが好ましい。
絶縁膜16は、グラフェン膜13の他の一部分上に配置される。絶縁膜16は、絶縁性を有するものであれば特に制限はないが、誘電率および絶縁破壊電界が高い観点から、酸化ケイ素(SiO2)膜、窒化ケイ素(SiN)膜、炭窒化ケイ素(SiCN)膜などが好ましい。また、絶縁膜16の膜厚は、ゲート容量を低減するとともにゲートリーク電流を低減する観点から、1nm以上50nm以下が好ましく、10nm以上30nm以下がより好ましい。
ゲート電極17は、絶縁膜16の少なくとも一部分上に配置される。ゲート電極17は、特に制限はないが、絶縁膜16との密着性が高い観点から、ニッケル(Ni)電極、チタン(Ti)電極、ニッケル/金(Ni/Au)電極、チタン/金(Ti/Au)電極などが好ましい。
本実施形態のグラフェントランジスタ10は、グラフェン膜13の支持基板11とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下である。グラフェン膜13のラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅は、グラフェン膜13の膜厚が小さくかつ均一である観点から、40cm-1以下であり、好ましくは30cm-1以下であり、より好ましくは20cm-1以下である。ここで、G’バンドのピークは、ラマン分光スペクトルにおいて、C原子のsp2混成軌道に共通して観測されるピークの1種である。なお、C原子のsp2混成軌道に共通して観測されるピークとしては、励起エネルギーが2.41eVのときに、1580cm-1に観測されるGバンドのピークと、2700cm-1に観測されるG’バンドのピークとがある。グラフェン膜13の露出面におけるラマン分光スペクトルの測定およびG’バンドのピークの半値幅の算出は、グラフェン膜13の膜厚が小さく均一であることを確認する観点から、可能な限り中央部から端部までの広範囲において複数の点で測定することが好ましい。
本実施形態のグラフェントランジスタ10においては、グラフェン膜13の膜厚が均一であるため、また、大電流での使用を可能とする観点から、ゲート電極17のゲート幅WGは、100μm以上であり、200μm以上が好ましく、500μm以上がより好ましい。ここで、ゲート幅WGは、たとえばSEM(走査型電子顕微鏡)(たとえば、日立製作所製S−8000など)により測定する。
本実施形態のグラフェントランジスタ10においては、グラフェン膜13の膜厚が均一であるため、また、リソグラフィのパターン精度の下限以上とするとともに電流利得の遮断周波数の低下を抑制する観点から、ゲート電極17のゲート長LGは、0.05μm以上5μm以下が好ましく、0.1μm以上1μm以下がより好ましい。ここで、ゲート長LGは、たとえばSEM(たとえば、日立製作所製S−8000など)により測定する。
本実施形態のグラフェントランジスタ10においては、電流利得の遮断周波数の低下を抑制する観点から、ソース電極14とグラフェン膜13とのコンタクト抵抗RC(s)およびドレイン電極15とグラフェン膜13とのコンタクト抵抗RC(d)は、いずれも、1Ωmm以下が好ましく、0.8Ωmm以下がより好ましく、0.5Ωmm以下がさらに好ましい。ここで、コンタクト抵抗RC(s)およびコンタクト抵抗RC(d)は、たとえば半導体パラメータ・アナライザ(たとえば、アジレント・テクノロジー社製Agilent 4155Cなど)により測定する。
本実施形態のグラフェントランジスタ10においては、電流利得の遮断周波数を増大させる観点から、絶縁膜16のゲート電極17に接する部分のシート抵抗RSは、1000Ω/sq以下が好ましく、500Ω/sq以下がより好ましく、300Ω/sq以下がさらに好ましい。ここで、シート抵抗RSは、たとえば半導体パラメータ・アナライザ(たとえば、アジレント・テクノロジー社製Agilent 4155Cなど)により測定する。
本実施形態のグラフェントランジスタ10においては、電流利得の遮断周波数を増大させる観点から、相互コンダクタンスgmは、100mS以上が好ましく、1000mS以上がより好ましく、5000mS以上がさらに好ましい。ここで、相互コンダクタンスgmは、たとえば半導体パラメータ・アナライザ(たとえば、アジレント・テクノロジー社製Agilent 4155Cなど)により測定する。
本実施形態のグラフェントランジスタ10においては、大容量無線通信を可能とする観点から、その電流利得の遮断周波数fTは、100GHz以上が好ましく、500GHz以上がより好ましく、1000GHz以上がさらに好ましい。ここで、電流利得の遮断周波数fTは、たとえばネットワーク・アナライザ(KEYSIGHT社製PNAネットワーク・アナライザ)により測定する。
図3を参照して、本実施形態にかかるグラフェントランジスタ10の製造方法は、SiCで構成され、Si面に対するオフ角が20°以下である第1主面を有する支持基板11の第1主面上に、スパッタ法により、炭化ケイ素膜12(SiC膜)を形成する第1工程(図3(A))と、炭化ケイ素膜12中のケイ素を昇華させることにより、グラフェン膜13を形成する第2工程(図3(B))と、グラフェン膜13の一部分を除去する第3工程(図3(C))と、グラフェン膜13の一部分上および支持基板11の一部分上に亘ってソース電極14およびドレイン電極15を形成する第4工程(図3(D))と、グラフェン膜13の他の一部分上に絶縁膜16を形成する第5工程(図3(E))と、絶縁膜16の少なくとも一部分上にゲート電極17を形成する第6工程(図3(F))と、を備える。本実施形態のグラフェントランジスタ10の製造方法は、支持基板11上にスパッタ法により形成した炭化ケイ素膜12中の炭素を昇華させることによりグラフェン膜13を形成することにより、グラフェン膜13の膜厚が小さく均一でゲート幅が大きいグラフェントランジスタを製造することができる。
図3(A)を参照して、第1工程において、支持基板11の第1主面上に、スパッタ法により、炭化ケイ素膜12(SiC膜)を形成する。炭化ケイ素膜12は、非結晶、多結晶、および/または単結晶の炭化ケイ素(SiC)で構成される。炭化ケイ素膜12は、スパッタ法により形成されるため、支持基板11を構成する炭化ケイ素の欠陥に関わらず、高品質で膜厚が均一で平坦である。炭化ケイ素膜12の膜厚は、特に制限はないが、膜厚が小さくて均一なグラフェン膜13を形成する観点から、0.5nm以上5nm以下が好ましく、1nm以上3nm以下がより好ましい。
図3(B)を参照して、第2工程において、炭化ケイ素膜12中のケイ素を昇華させることにより、グラフェン膜13を形成する。炭化ケイ素膜12中のケイ素を昇華させる方法は、特に制限はなく、たとえば炭化ケイ素膜12を熱処理することが挙げられる。熱処理雰囲気は、特に制限はないが、不純物混入を抑制する観点から、アルゴン(Ar)雰囲気中、窒素(N2)雰囲気中などが好ましい。熱処理圧力は、特に制限はないが、ケイ素(Si)の昇華を制御する観点から、100kPa以上1000kPaが好ましく、大気圧(101.3kPa)がより好ましい。熱処理温度は、Siの昇華温度以上であれば特に制限はないが、Siの昇華を制御する観点から、1000℃以上2000℃以下が好ましく、1200℃以下1800℃以下がより好ましい。これにより、膜厚が小さく均一なグラフェン膜13が得られる。たとえば、膜厚が1nm以上3nm以下の炭化ケイ素膜12から、約1層以上3層以下のグラフェン層からなる膜厚が0.5nm以上2nm以下のグラフェン膜13が得られる。
図3(C)を参照して、第3工程において、グラフェン膜13の一部分を除去する。グラフェン膜13の一部分を除去する工程は、特に制限なく、たとえば、レジストのリソグラフィによりグラフェン膜13の一部分上にマスクを形成するサブ工程、エッチングによりグラフェン膜のマスクが形成されていない部分を除去するサブ工程、および有機溶剤での洗浄によりマスクを除去するサブ工程を含む。ここで、エッチングとしては、酸素(O2)ガス、オゾン(O3)ガスなどによるドライエッチングなどが挙げられる。
図3(D)を参照して、第4工程において、グラフェン膜13の一部分上および支持基板11の一部分上に亘ってソース電極14およびドレイン電極15を形成する。グラフェン膜13の一部分上および支持基板11の一部分上に亘ってソース電極14およびドレイン電極15を形成する工程は、特に制限はなく、たとえば、レジストのフォトリソグラフィによりグラフェン膜13の一部分および支持基板11の一部分に亘る部分上に開口部を複数有するマスクを形成するサブ工程、マスクの開口部にソース電極14およびドレイン電極15を形成するサブ工程、および有機溶剤での洗浄によりマスクを除去するサブ工程を含む。ここで、ソース電極14およびドレイン電極15を形成する方法は、特に制限はなく、電子線蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法などが挙げられる。
図3(E)を参照して、第5工程において、グラフェン膜13の他の一部分上に絶縁膜16を形成する。グラフェン膜13の他の一部分上に絶縁膜16を形成する工程は、特に制限ない。ここで、絶縁膜16を形成する方法は、特に制限はなく、CVD(化学気相堆積)法、ALD(原子層堆積)法などが挙げられる。
図3(F)を参照して、第6工程において、絶縁膜16の少なくとも一部分上にゲート電極17を形成する。絶縁膜16の少なくとも一部分上にゲート電極17を形成する工程は、特に制限はなく、たとえば、レジストのフォトリソグラフィにより絶縁膜16の少なくとも一部上に開口部を有するマスクを形成するサブ工程と、マスクの開口部にゲート電極17を形成するサブ工程、および有機溶剤での洗浄によりマスクを除去するサブ工程を含む。ここで、ゲート電極17を形成する方法は、特に制限はなく、電子線蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタ法などが挙げられる。
本実施形態のグラフェントランジスタ10の製造方法において、グラフェン膜の膜厚が小さく均一でゲート幅が大きいグラフェントランジスタを製造することができる観点から、グラフェン膜13の支持基板11とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下であることが好ましい。グラフェン膜13の露出面におけるラマン分光スペクトルの測定およびG’バンドのピークの半値幅の算出は、グラフェン膜13の膜厚が小さく均一であることを確認する観点から、可能な限り中央部から端部までの広範囲において複数の点で測定することが好ましい。たとえば、第2工程において支持基板11の第1主面上にグラフェン膜13を形成後、支持基板11の第1主面側の全領域の中央部から端部までに亘って任意に特定される複数の点においてそのラマン分光スペクトルを測定し、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下である領域内に、グラフェントランジスタ10のグラフェン膜13が配置されるように、第3工程においてグラフェン膜13の一部分を除去するのが好適である。
本実施形態のグラフェントランジスタ10の製造方法において、グラフェン膜の膜厚が小さく均一でゲート幅が大きいグラフェントランジスタを製造することができる観点から、たとえば、ゲート電極17のゲート幅WGが、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、さらに好ましくは500μm以上になるように、第3工程においてグラフェン膜13の一部を除去し、第6工程においてゲート電極17を形成することが好ましい。
1.第1工程
図3(A)を参照して、支持基板11である直径が50.8mm(2インチ)で厚さが500μmでSi面に対するオフ角が1°である第1主面を有するSiC基板上に、スパッタ法により、Arガス雰囲気中で、厚さ2nmの炭化ケイ素膜12(SiC膜)を形成した。
図3(B)を参照して、支持基板11の第1主面上に形成された炭化ケイ素膜12を、101.3kPaのArガス雰囲気中で、1600℃で3時間熱処理することにより、炭化ケイ素膜12中のケイ素を昇華させて、支持基板11の第1主面上にグラフェン膜13を形成した。
図3(C)を参照して、グラフェン膜13のうち、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下の領域に含まれるグラフェン膜13の一部分上にフォトレジストからなるマスクを形成し、ICP−RIE(誘導結合型プラズマ−反応性イオンエッチング)を用いたエッチングによりグラフェン膜13の一部分を除去した後、アセトンを用いた洗浄によりマスクを除去した。一部分除去後のグラフェン膜13は、その領域内の上記90点のうち10点についてのラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が35cm-1以下の領域に含まれており、その領域の大きさが幅500μm×長さ500μmであった。
図3(D)を参照して、グラフェン膜13の幅方向の二辺の近くの一部分上と支持基板11の一部分上に亘って、幅100μm×長さ100μmの2つの開口部(このうちグラフェン膜13と開口部との重なり部分は幅10μm×長さ100μm)を有するフォトレジストからなるマスクを形成し、2つの開口部にソース電極14およびドレイン電極15として、電子線蒸着法によりNi(厚さ100nm)/Au(厚さ200nm)電極を形成し、アセトンを用いた洗浄によりマスクを除去した。ソース電極14とドレイン電極15との両端間の距離は2μmであった。
図3(E)を参照して、グラフェン膜13の中央部の一部分上に、絶縁膜16として、CVD法により厚さ30nmのSiN膜を形成した。
図3(F)を参照して、絶縁膜16の中央部の一部分上に、幅100μm×長さ0.1μmの開口部を有するフォトレジストからなるマスクを形成し、その開口部にゲート電極17として、電子線蒸着法によりNi(厚さ100nm)/Au(厚さ600nm)電極を形成し、アセトンを用いた洗浄によりマスクを除去した。こうして、ゲート幅が100μmでゲート長が0.1μmであるグラフェントランジスタ10が得られた。
得られたグラフェントランジスタ10の特性に関して、ソース電極14と絶縁膜16との間およびドレイン電極15と絶縁膜16との間で露出しているグラフェン膜13の主面の中央点および幅方向の両端から3μmの2点の合計6点についてのラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅は、いずれも35cm-1以下であった。そのソース電極14とグラフェン膜13とのコンタクト抵抗RC(s)およびドレイン電極15とグラフェン膜13とのコンタクト抵抗RC(d)は、半導体パラメータ・アナライザであるアジレント・テクノロジー社製Agilent 4155Cより測定したところ、コンタクト抵抗RC(s)が0.3Ωmmでコンタクト抵抗RC(d)が0.3Ωmmであり、いずれも1Ωmm以下であった。その絶縁膜16のゲート電極17に接する部分のシート抵抗RSは、アジレント・テクノロジー社製Agilent 4155Cより測定したところ、500Ω/sqであり、1000Ω/sq以下であった。その相互コンダクタンスgmは、アジレント・テクノロジー社製Agilent 4155Cより測定したところ、5000mSであり、100mS以上であった。その電流利得の遮断周波数fTは、EYSIGHT社製PNAネットワーク・アナライザより測定したところ、1000GHzであり、100GHz以上であった。また、最大使用可能電流は、別の半導体パラメータ・アナライザであるアジレント・テクノロジー社製Agilent 1505Aより測定したところ、5Aと、1A以上の大電流であった。
グラフェントランジスタのグラフェン膜13の領域内の上記100点についてのがラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅について、40cm-1以下のものが10点、40cm-1より大きいものが90点であったこと以外は、実施例1と同様にして、グラフェントランジスタを作製した。
グラフェントランジスタのゲート幅を10μmとしたこと以外は、実施例1と同様にして、グラフェントランジスタを作製した。
11 支持基板
12 炭化ケイ素膜
13 グラフェン膜
14 ソース電極
15 ドレイン電極
16 絶縁膜
17 ゲート電極
Claims (9)
- 炭化ケイ素で構成され、ケイ素面に対するオフ角が20°以下である第1主面を有する支持基板と、
前記支持基板の前記第1主面の一部分上に配置され、前記支持基板を構成する炭化ケイ素の原子配列に対して配向する原子配列を有するグラフェン膜と、
前記グラフェン膜の一部分上および前記支持基板の一部分上に亘って配置されるソース電極およびドレイン電極と、
前記グラフェン膜の他の一部分上に配置される絶縁膜と、
前記絶縁膜の少なくとも一部分上に配置されるゲート電極と、を備え、
前記グラフェン膜の前記支持基板側とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下であり、
前記ゲート電極のゲート幅が100μm以上である、グラフェントランジスタ。 - 前記ソース電極と前記グラフェン膜とのコンタクト抵抗および前記ドレイン電極と前記グラフェン膜とのコンタクト抵抗がいずれも1Ωmm以下である、請求項1に記載のグラフェントランジスタ。
- 前記絶縁膜の前記ゲート電極に接する部分のシート抵抗が1000Ω/sq以下である、請求項1または請求項2に記載のグラフェントランジスタ。
- 前記グラフェントランジスタの相互コンダクタンスが100mS以上である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のグラフェントランジスタ。
- 前記グラフェントランジスタの電流利得の遮断周波数が100GHz以上である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のグラフェントランジスタ。
- 炭化ケイ素で構成され、ケイ素面に対するオフ角が20°以下である第1主面を有する支持基板と、
前記支持基板の前記第1主面の一部分上に配置され、前記支持基板を構成する炭化ケイ素の原子配列に対して配向する原子配列を有するグラフェン膜と、
前記グラフェン膜の一部分上および前記支持基板の一部分上に亘って配置されるソース電極およびドレイン電極と、
前記グラフェン膜の他の一部分上に配置される絶縁膜と、
前記絶縁膜の少なくとも一部分上に配置されるゲート電極と、を備え、
前記グラフェン膜の前記支持基板側とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下であり、
前記ゲート電極のゲート幅が100μm以上であり、
前記ソース電極と前記グラフェン膜とのコンタクト抵抗および前記ドレイン電極と前記グラフェン膜とのコンタクト抵抗がいずれも1Ωmm以下であり、
前記絶縁膜の前記ゲート電極に接する部分のシート抵抗が1000Ω/sq以下である、グラフェントランジスタであって、
前記グラフェントランジスタの相互コンダクタンスが100mS以上であり、
前記グラフェントランジスタの電流利得の遮断周波数が100GHz以上である、グラフェントランジスタ。 - 炭化ケイ素で構成され、ケイ素面に対するオフ角が20°以下である第1主面を有する支持基板の前記第1主面上に、スパッタ法により、炭化ケイ素膜を形成する第1工程と、
前記炭化ケイ素膜中のケイ素を昇華させることにより、グラフェン膜を形成する第2工程と、
前記グラフェン膜の一部分を除去する第3工程と、
前記グラフェン膜の一部分上および前記支持基板の一部分上に亘ってソース電極およびドレイン電極を形成する第4工程と、
前記グラフェン膜の他の一部分上に絶縁膜を形成する第5工程と、
前記絶縁膜の少なくとも一部分上にゲート電極を形成する第6工程と、を備える、グラフェントランジスタの製造方法。 - 前記グラフェン膜の前記支持基板側とは反対側の主面である露出面において、ラマン分光スペクトルにおけるG’バンドのピークの半値幅が40cm-1以下である、請求項7に記載のグラフェントランジスタの製造方法。
- 前記ゲート電極のゲート幅が100μm以上である、請求項7または請求項8に記載のグラフェントランジスタの製造方法。
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