JP2017179874A - 遮音構造、施工方法および集合住宅建築物 - Google Patents
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Abstract
【課題】床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することのできる遮音構造、施工方法および集合住宅建築物を提供する。【解決手段】天井裏空間Sをその上方に区画形成する天井材24の下面に上端が固定された間仕切り壁14によって仕切られる室間の遮音性能を向上するための遮音構造10であって、天井材22、24と、天井材22、24をその上方で支持する野縁材34との間に制振材40が設けられており、天井材22、24または野縁材34の音による加振と振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを低減することで、結果的に間仕切り壁14を挟んだ両室間の天井材22、24または野縁材34を経由した音の伝搬を軽減する。【選択図】図1
Description
本発明は、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上するための遮音構造、施工方法およびこの構造を有する集合住宅建築物に関するものである。
昨今の超高層集合住宅建築物の建設工事においては、労務削減が可能なモジュール化を推進することにより、不具合発生の防止、工程の順守、コストの削減を図ることが重要視されてきている。特に内装工事の合理化により、手戻りや工数を削減することが求められている。
これを可能とする工法として、床と天井を間仕切り壁に先行して施工する床・天井先行工法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。この工法は、施工の簡略化や将来的なリニューアルのしやすさなどの大きなメリットを有している。しかし、その一方で、乾式二重床の床下空間や天井上部の空間を区画形成する床材や天井材が、隣り合う部屋と部屋を跨ぐ形で施工されるため、室間の遮音性能上は不利である。
そこで本発明者は、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上するために、特願2015−217493号において幾つかの遮音構造を既に提案している。図3は、そのうちの一つを示したものである。
この図に示すように、この構造は、隣り合う部屋Aと部屋Bを跨ぐ態様で天井面に天井ボード材1を先行施工した後、部屋A、B間に間仕切り壁2を施工して構築される。間仕切り壁2は、LGS下地材2Aの両面に断熱性遮音材としてのプラスターボード3A、3Bを貼り付けた乾式壁からなる。LGS下地材2Aの上端には溝型断面の壁支持材2Bが固定される。プラスターボード3Aの上端にはシーリング材4が設けられ、音漏れの原因となり易い間仕切り壁2と天井ボード材1の接合部の遮音性を高めている。
天井ボード材1は、積層した2枚のプラスターボード1A、1Bからなり、上階の床スラブ5から吊りボルト等で吊り下げ支持された野縁材6に固定される。野縁材6とその上方の上階の床スラブ5との間には天井裏空間Sが形成されることになる。ここで天井ボード材1を、間仕切り壁2の位置で切断することにより切り欠き7を設け、天井ボード材1を経由する音の伝搬(固体伝搬音)を遮断する。こうすることで、両部屋間の遮音性能を向上することができる。この構造自体は、電動の石膏ボード用カッター等の切断工具を用いることで容易に施工でき、遮音性能の向上も図りやすいという利点がある。
ところで、室間の遮音性能を向上するための構造は、上述した図3の構造以外にも多くの選択肢があった方が、建築物の計画・設計・施工の自由度が広がるため望ましい。このため、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することのできる、上記とは異なる形式の構造が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することのできる遮音構造、施工方法および集合住宅建築物を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る遮音構造は、天井裏空間をその上方に区画形成する天井材の下面に上端が固定された間仕切り壁によって仕切られる室間の遮音性能を向上するための遮音構造であって、天井材と、天井材をその上方で支持する野縁材との間に制振材が設けられており、天井材または野縁材の音による加振と振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを低減することで、結果的に間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材または野縁材を経由した音の伝搬を軽減することを特徴とする。
また、本発明に係る他の遮音構造は、上述した発明において、制振材は、野縁材の表面に塗装される制振塗料であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の遮音構造は、上述した発明において、間仕切り壁の直上の天井材の部分に、間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材を経由した音の伝搬を軽減するための縁切り用の切り欠きが設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の遮音構造は、上述した発明において、間仕切り壁は断熱性吸音材の両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、天井材は複数層の断熱性遮音材からなることを特徴とする。
また、本発明に係る他の遮音構造は、上述した発明において、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井材との間に、シーリング材が設けられることを特徴とする。
また、本発明に係る遮音構造の施工方法は、上述した遮音構造を施工する方法であって、天井に天井材および制振材を先行施工した後、間仕切り壁を施工することを特徴とする。
また、本発明に係る集合住宅建築物は、上述した遮音構造を有する住戸を備えることを特徴とする。
本発明に係る遮音構造によれば、天井裏空間をその上方に区画形成する天井材の下面に上端が固定された間仕切り壁によって仕切られる室間の遮音性能を向上するための遮音構造であって、天井材と、天井材をその上方で支持する野縁材との間に制振材が設けられており、天井材または野縁材の音による加振と振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを低減することで、結果的に間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材または野縁材を経由した音の伝搬を軽減するので、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、制振材は、野縁材の表面に塗装される制振塗料であるので、この制振塗料により、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、間仕切り壁の直上の天井材の部分に、間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材を経由した音の伝搬を軽減するための縁切り用の切り欠きが設けられているので、天井材を経由した伝搬音はこの切り欠きで遮断される。このため、室間の遮音性能をより一層向上することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、間仕切り壁は断熱性吸音材の両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、天井材は複数層の断熱性遮音材からなるので、間仕切り壁および天井材自体の遮音性能が高まる結果、室間の遮音性能をより一層向上することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井材との間に、シーリング材が設けられるので、このシーリング材によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁と天井面の接合部の遮音性能を向上することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る遮音構造の施工方法によれば、上述した遮音構造を施工する方法であって、天井に天井材および制振材を先行施工した後、間仕切り壁を施工するので、床・天井先行工法により容易に施工することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る集合住宅建築物によれば、上述した遮音構造を有する住戸を備えるので、住戸間または住戸内の部屋間の遮音性能が向上した集合住宅建築物を提供することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る遮音構造、施工方法および集合住宅建築物の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[遮音構造]
まず、本発明に係る遮音構造について説明する。
まず、本発明に係る遮音構造について説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、床・天井先行工法を採用した建築物の室内を示したものである。この図に示すように、天井面20と床面30との間に間仕切り壁14が設けられ、部屋が仕切られている。間仕切り壁14は、LGS下地材12(軽量鉄骨)の両面に断熱性遮音材としてのプラスターボードを2枚(複数層)ずつ貼り付けた乾式壁からなる。ここで、内側に位置するものをプラスターボード16、外側に位置するものをプラスターボード18とする。なお、LGS下地材12の部分は木軸材などの材料で構成してもよい。
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1は、床・天井先行工法を採用した建築物の室内を示したものである。この図に示すように、天井面20と床面30との間に間仕切り壁14が設けられ、部屋が仕切られている。間仕切り壁14は、LGS下地材12(軽量鉄骨)の両面に断熱性遮音材としてのプラスターボードを2枚(複数層)ずつ貼り付けた乾式壁からなる。ここで、内側に位置するものをプラスターボード16、外側に位置するものをプラスターボード18とする。なお、LGS下地材12の部分は木軸材などの材料で構成してもよい。
間仕切り壁14の上端は、天井面20を構成する天井材24、22に固定されている。ここで、LGS下地材12の上端には溝型断面の壁支持材36が固定される。内側のプラスターボード16の上端にはシーリング材38が設けられ、音漏れの原因となり易い間仕切り壁14と天井面20の接合部の遮音性能を高めている。なお、シーリング材38がなくても全体として所期の遮音性能が確保可能な仕様の場合には、シーリング材38は省略してもよい。
天井材24、22は、断熱性遮音材としてのプラスターボードからなり、下側の天井材24と上側の天井材22とは積層状態に貼り付けられ、一体的な天井材として機能する。上側の天井材22は、上階の床スラブ26から吊りボルト等(不図示)で吊り下げ支持された天井LGS下地材である野縁材34に固定される。野縁材34とその上方の上階の床スラブ26との間には天井裏空間Sが形成される。
一方、間仕切り壁14の下端は床スラブ26上に形成された二重床28の下地材29に固定されている。なお、二重床28内の間仕切り壁14の直下およびその左右には複数の置き床支持脚32が設けられている。
本実施の形態1に係る遮音構造10は、間仕切り壁14によって仕切られる室間の遮音性能を向上するための遮音構造であって、上側の天井材22と野縁材34との間に制振材40を設けたものである。天井材22、24または野縁材34の音による加振と、振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを制振材40が低減することで、結果的に間仕切り壁14を挟んだ両室間の天井材22、24または野縁材34を経由した音の伝搬を軽減することができる。
この制振材40は、上側の天井材22と野縁材34との間に挟み込む態様で設けてもよいし、あるいは、間仕切り壁14の直上の天井材22の上面において、野縁材34と干渉しない場所に貼り付ける態様で設けてもよい。
制振材40の構成材料としては、天井材22、24または野縁材34の音による加振と、振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを低減することで、結果として、これらを経由した音の伝搬を軽減する制振効果を有する材料により構成することができる。ここで、制振とは、固体の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して振動を低減することをいう。制振材40の構成材料としては、例えば制振合金、制振樹脂、木質系制振板、アスファルト、ゴム、樹脂などの高分子材料のような制振効果の大きい制振材料を用いることができる。音による加振や、固体音として放射される際に天井材22が曲げ振動を起こした時、天井材22に貼り付けた制振材40が変形することによって制振効果を発揮する。この制振材40により、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することができる。
上記の実施の形態において、LGS下地材12の上端部の壁支持材36の直上の天井面20の天井材22、24に、縁切り用の切り欠き(例えば図2の符号44を参照)を設け、室間の遮音性能をより一層向上させてもよい。
また、上記の実施の形態において、間仕切り壁14の内部のLGS下地材12の間隔(ピッチ)としては、例えば303〜455mm程度を採用することができる。この場合、LGS下地材12の両面、天井面20に設けるプラスターボード16、18、天井材22、24の厚さとしては、例えば9〜12mm程度のものが望ましく、各場所において2枚重ねて使用することがより望ましい。このようにすれば、間仕切り壁14および天井面20における遮音性能の品質が高められる。なお、LGS下地材12の両面や天井面20に対して、プラスターボードを3枚以上貼り付けたり、異なる厚さのものを2枚以上貼り付けるようにしても構わない。
また、上記の実施の形態において、間仕切り壁14の内部に、すなわちプラスターボード16とLGS下地材12とで囲まれる空間に断熱性吸音材を充填してもよい。この断熱性吸音材としては、例えばグラスウールやロックウール等の断熱性吸音材を用いることができる。このようにすることで、間仕切り壁14の遮音性能をより一層高めることができる。
なお、上記の実施の形態においては、間仕切り壁14の表面および天井材22、24に使用する断熱性遮音材としてプラスターボードを使用した場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、断熱性および遮音性を有する建築材料であれば、いかなる材料を用いてもよい。
また、上記の間仕切り壁14を、複数の部屋を有する住戸内の間仕切りとして採用する場合には、壁位置の天井の高さは統一することが好ましい。この場合、例えば、床面30から天井面20までの高さ(つまり間仕切り壁の高さ)を例えば2.2〜2.7m程度に統一してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図2に示すように、本実施の形態2の遮音構造10は、野縁材34の表面に制振効果を有する制振塗料42(制振材)をあらかじめ塗装しておき、その下側に天井材22、24を設けたものである。制振塗料42の構成材料としては、例えばアスファルト系、エポキシ等の樹脂系、エマルジョン系などの制振材料を用いることができる。
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図2に示すように、本実施の形態2の遮音構造10は、野縁材34の表面に制振効果を有する制振塗料42(制振材)をあらかじめ塗装しておき、その下側に天井材22、24を設けたものである。制振塗料42の構成材料としては、例えばアスファルト系、エポキシ等の樹脂系、エマルジョン系などの制振材料を用いることができる。
ここで、本実施の形態では、上記の実施の形態1と異なり、LGS下地材12の上端部の壁支持材36の直上の天井面20の天井材22、24に、縁切り用の切り欠き44を設けて遮音性能を向上させる場合を例示している。このように天井材22、24の一部を切断して遮音性能を向上させる場合であっても、天井を構成するためにやむを得ず、部屋と部屋の間を野縁材34が跨いでいるが、この野縁材34の表面に制振効果を有する制振塗料42を塗装することで、音による野縁材34の加振と、振動として伝搬し最終的に天井材22、24から固体音として放射される音エネルギーを低減し、結果的に間仕切り壁14を挟んだ両室間の野縁材34を経由した音の伝搬が軽減され、室間の遮音性能が向上する。
このように、本実施の形態によれば、野縁材34の表面に制振塗料42を設けることで、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することができる。また、シーリング材46によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁14と天井面20の接合部の遮音性能を高めることができる。さらに、室内空間で発生した音に起因する固体伝搬音は切り欠き44で遮断されるので、天井面20を通じて隣の室内空間に音漏れしにくくなる。このため、間仕切り壁14の遮音性能をより一層高めることができる。
なお、上記の実施の形態において、所期の遮音性能が確保可能な仕様である場合には、切り欠き44やシーリング材38は省略することもできる。
[遮音構造の施工方法]
次に、本発明に係る遮音構造の施工方法について図1を参照しながら説明する。この施工方法は、上述した遮音構造10を施工する方法である。図1に示すように、まず、床スラブ26上に二重床28を形成するとともに、天井側の野縁材34に2枚の天井材22、24を固定して天井面20を形成する。ここで、間仕切り壁14の直上に位置する上側の天井材22の上面にはあらかじめ制振材40を貼り付けておく。この後、天井面20と床面30との間に上記の間仕切り壁14を施工する。このような施工方法により、遮音構造10を構築することができる。同様の手順により、図2に示すような遮音構造10を構築することも可能である。
次に、本発明に係る遮音構造の施工方法について図1を参照しながら説明する。この施工方法は、上述した遮音構造10を施工する方法である。図1に示すように、まず、床スラブ26上に二重床28を形成するとともに、天井側の野縁材34に2枚の天井材22、24を固定して天井面20を形成する。ここで、間仕切り壁14の直上に位置する上側の天井材22の上面にはあらかじめ制振材40を貼り付けておく。この後、天井面20と床面30との間に上記の間仕切り壁14を施工する。このような施工方法により、遮音構造10を構築することができる。同様の手順により、図2に示すような遮音構造10を構築することも可能である。
[集合住宅建築物]
次に、本発明に係る集合住宅建築物について説明する。この集合住宅建築物は、上述した遮音構造10を有する住戸を備えるものである。この集合住宅建築物によれば、先行壁をなくし床および天井を先行して施工することで内装工事の作業効率化が図れるとともに、室間の遮音性能に優れた建築物を提供することができる。
次に、本発明に係る集合住宅建築物について説明する。この集合住宅建築物は、上述した遮音構造10を有する住戸を備えるものである。この集合住宅建築物によれば、先行壁をなくし床および天井を先行して施工することで内装工事の作業効率化が図れるとともに、室間の遮音性能に優れた建築物を提供することができる。
また、住戸内の台所、浴室、トイレ、PSなどの水廻りのような音が発生する空間の壁や、寝室など外部からの音の侵入を遮りたい空間の壁だけを、上記の間仕切り壁14で構成するとともに、上記の遮音構造10のように、天井材22と野縁材34の間に制振材40を設けたり、あるいは野縁材34の表面に制振塗料42を設けてもよい。このようにすれば、住戸内の内装工事の作業効率化が図れるのはもちろんのこと、遮音性能に優れた住戸を低コストで実現することができる。
以上説明したように、本発明に係る遮音構造によれば、天井裏空間をその上方に区画形成する天井材の下面に上端が固定された間仕切り壁によって仕切られる室間の遮音性能を向上するための遮音構造であって、天井材と、天井材をその上方で支持する野縁材との間に制振材が設けられており、天井材または野縁材の音による加振と振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを低減することで、結果的に間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材または野縁材を経由した音の伝搬を軽減するので、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することができる。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、制振材は、野縁材の表面に塗装される制振塗料であるので、この制振塗料により、床・天井先行工法を採用した建築物における室間の遮音性能を向上することができる。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、間仕切り壁の直上の天井材の部分に、間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材を経由した音の伝搬を軽減するための縁切り用の切り欠きが設けられているので、天井材を経由した伝搬音はこの切り欠きで遮断される。このため、室間の遮音性能をより一層向上することができる。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、間仕切り壁は断熱性吸音材の両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、天井材は複数層の断熱性遮音材からなるので、間仕切り壁および天井材自体の遮音性能が高まる結果、室間の遮音性能をより一層向上することができる。
また、本発明に係る他の遮音構造によれば、乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井材との間に、シーリング材が設けられるので、このシーリング材によって、音漏れの原因となり易い間仕切り壁と天井面の接合部の遮音性能を向上することができる。
また、本発明に係る遮音構造の施工方法によれば、上述した遮音構造を施工する方法であって、天井に天井材および制振材を先行施工した後、間仕切り壁を施工するので、床・天井先行工法により容易に施工することができる。
また、本発明に係る集合住宅建築物によれば、上述した遮音構造を有する住戸を備えるので、住戸間または住戸内の部屋間の遮音性能が向上した集合住宅建築物を提供することができる。
以上のように、本発明に係る遮音構造、施工方法および集合住宅建築物は、床・天井先行工法を採用した超高層集合住宅建築物などに備わる住戸内の部屋を仕切る間仕切り壁の天井部の構造として有用であり、特に、間仕切り壁によって仕切られる室間の遮音性能を向上するのに適している。
10 遮音構造
12 LGS下地材
14 間仕切り壁
16,18 プラスターボード(断熱性遮音材)
20 天井面
22,24 天井材
26 床スラブ
28 二重床
29 下地材
30 床面
32 置き床支持脚
34 野縁材
36 壁支持材
38 シーリング材
40 制振材
42 制振塗料(制振材)
44 切り欠き
S 天井裏空間
12 LGS下地材
14 間仕切り壁
16,18 プラスターボード(断熱性遮音材)
20 天井面
22,24 天井材
26 床スラブ
28 二重床
29 下地材
30 床面
32 置き床支持脚
34 野縁材
36 壁支持材
38 シーリング材
40 制振材
42 制振塗料(制振材)
44 切り欠き
S 天井裏空間
Claims (7)
- 天井裏空間をその上方に区画形成する天井材の下面に上端が固定された間仕切り壁によって仕切られる室間の遮音性能を向上するための遮音構造であって、
天井材と、天井材をその上方で支持する野縁材との間に制振材が設けられており、天井材または野縁材の音による加振と振動として伝搬し固体音として放射される音エネルギーを低減することで、結果的に間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材または野縁材を経由した音の伝搬を軽減することを特徴とする遮音構造。 - 制振材は、野縁材の表面に塗装される制振塗料であることを特徴とする請求項1に記載の遮音構造。
- 間仕切り壁の直上の天井材の部分に、間仕切り壁を挟んだ両室間の天井材を経由した音の伝搬を軽減するための縁切り用の切り欠きが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の遮音構造。
- 間仕切り壁は断熱性吸音材の両面に断熱性遮音材を複数層ずつ設けた乾式壁からなり、天井材は複数層の断熱性遮音材からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の遮音構造。
- 乾式壁の内層側の断熱性遮音材の上端と天井材との間に、シーリング材が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の遮音構造。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載の遮音構造を施工する方法であって、
天井に天井材および制振材を先行施工した後、間仕切り壁を施工することを特徴とする遮音構造の施工方法。 - 請求項1〜5のいずれか一つに記載の遮音構造を有する住戸を備えることを特徴とする集合住宅建築物。
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- 2016-03-30 JP JP2016068645A patent/JP2017179874A/ja active Pending
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