JP2017155127A - 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 - Google Patents
硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017155127A JP2017155127A JP2016039301A JP2016039301A JP2017155127A JP 2017155127 A JP2017155127 A JP 2017155127A JP 2016039301 A JP2016039301 A JP 2016039301A JP 2016039301 A JP2016039301 A JP 2016039301A JP 2017155127 A JP2017155127 A JP 2017155127A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- epoxy resin
- resin composition
- reaction
- cured product
- biphenyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polyethers (AREA)
Abstract
Description
これに加えて、電子デバイスの生産性向上を目的として、封止材の結晶化速度の向上が求められていることとともに、エポキシ樹脂組成物、硬化物において、より厳しい高温高湿環境下でも電子デバイスが使用できるように絶縁信頼性、耐熱性、吸湿性等の改良要求がある。
このような硬化性エポキシ樹脂組成物及びその硬化物は電気・電子部品に好適に用いられる。
即ち本発明の要旨は、次の[1]〜[7]に存する。
[1] 下記式(1)で表されるエポキシ化合物由来の構成単位を含有し、エポキシ当量が223〜241g/eqのエポキシ樹脂(以下「ビフェニル系エポキシ樹脂」と記す)と、多官能酸無水物硬化剤とを含有することを特徴とする硬化性エポキシ樹脂組成物。
[3] ビフェニル系エポキシ樹脂の融点が73〜76℃である上記[1]又は[2]の硬化性エポキシ樹脂組成物。
[4] 多官能酸無水物硬化剤の含有量がエポキシ樹脂100重量部あたり0.01〜100重量部である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
[6] 上記[5]に記載の硬化物からなる電気・電子部品。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、上記の特性を有していて、半導体封止材、積層板等の電気・電子部品に特に有効に適用することができる。
なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
以下、本発明の構成要件を、その主成分であるエポキシ樹脂、該エポキシ樹脂の製造方法、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物、硬化反応と硬化物、及び硬化物の用途の順に詳細に説明する。
(1)特徴
本発明に用いるエポキシ樹脂は、下記式(1)で表されるエポキシ化合物由来の構成単位を含有するエポキシ樹脂(以下「ビフェニル系エポキシ樹脂」と記すことがある)であり、加水分解性塩素量が低く絶縁信頼性に優れ、結晶化速度が速く生産性に優れたものである。
(2)エポキシ当量
本発明では、ビフェニル系エポキシ樹脂に含まれるエポキシ基数の尺度として「エポキ
シ当量」を用いる。「エポキシ当量」とは、「1当量のエポキシ基を含むエポキシ樹脂の質量」と定義され、JIS K7236に従って測定することができる。
エポキシ当量を230〜241g/eqとすることで、より結晶化速度が速くなるため、エポキシ樹脂の粉砕による製品化の際の生産性を更に向上できるので、より好ましい。
エポキシ当量を241g/eq以下とするためには、上記とは反対に、脱塩素化反応時のアルカリ濃度を低くしたり、反応時の樹脂含量を低くしたり、反応温度を低く及び/又は反応時間を短くする等の操作をすればよい。
なお、オリゴマー化反応の進捗状況は、上記反応中に適時サンプリングを行い、エポキシ当量を測定することで確認できる。
ビフェニル系エポキシ樹脂は、加水分解性塩素の含有量(以下、「加水分解性塩素量」と称する場合がある。)が1000ppm以下であることが好ましい。
加水分解性塩素量が少ないほど、得られる製品の電気的な信頼性等の面で好ましく、490ppm以下であることがより好ましい。なお、加水分解性塩素量の下限は0ppm、即ち、下記の加水分解性塩素量の測定において「検出限界以下」となることであるが、加水分解性塩素量を過度に低くすると、エポキシ当量等の特性を上記範囲とすることが困難になることがあるので、加水分解性塩素量の下限は通常10ppm、より好ましくは1ppmである。
加水分解性塩素量の測定方法としては、例えば約0.5gの精秤したエポキシ樹脂を20mlのジオキサンに溶解し、1NのKOH/エタノール溶液5mlで30分間還流した後、0.01N硝酸銀溶液で滴定することにより定量する方法が挙げられる。
本発明のビフェニル系エポキシ樹脂の融点は、結晶化速度の観点から、73〜76℃であることが好ましく、73〜75℃であることが、エポキシ樹脂製造時の反応時間が短縮できるのでより好ましい。
なお、本発明において「融点」とは、示差走査熱量計(DSC:セイコーインスツルメント社製 EXSTAR7020)を用いて、30℃〜150℃まで1℃/分で昇温して
測定した融点である。
本発明のエポキシ樹脂は、結晶化速度が高く、生産性に優れている。なお、本発明において「結晶化速度」の優劣は、以下の手順で評価した。
<結晶化速度の評価方法>
50ccのバイアル瓶にエポキシ樹脂を20g秤取し、これを150℃に加温してエポキシ樹脂を完全に溶融させた後、23℃にて1時間保管した。1時間後に、バイアル瓶中で結晶化していたものを「○」、結晶化しなかったものを「×」とした。
エポキシ当量、加水分解性塩素量、及び融点が前述の条件を満たす、本発明のビフェニ
ル系エポキシ樹脂の製造方法を以下に説明するが、本発明に用いるビフェニル系エポキシ樹脂の製造方法は、得られるエポキシ樹脂が上記各項目の条件を満たす限り、下記の製造方法に限定されるものではない。
ビフェニル系エポキシ樹脂の製造方法としては、下記式(2)で示される4−フェニルフェノール(以下「4PP」と記す場合がある)を原料とする一段法による製造方法や、4PPのアリル化物を経由する方法が例示できる。
エポキシ当量、加水分解性塩素量、融点が前述の好適範囲を満たす本発明のビフェニル系エポキシ樹脂の製造方法については、前述の通り特に制限はされないが、例えば、以下に説明する一段法による製造方法、アリル化反応を経由する製造方法等が挙げられる。これらの方法について以下に詳述する。
一段法による製造方法では、式(2)のフェノール化合物(4PP)と、エピハロヒドリンとを反応させることにより、本発明のビフェニル系エポキシ樹脂が製造できる。
但し、上記の場合でも、本発明の趣旨に従って、原料ヒドロキシ化合物中の4PPの比率は、30モル%以上とすることが好ましく、より好ましくは50モル%以上、更に好ましくは80モル%以上である。特に好ましいのは100モル%である。
上記その他の多価ヒドロキシ化合物としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ビスフェノールAF、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類(ただし、上記式(2)の4PPを除く。)や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂等の各種のフェノール樹脂類、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の鎖状脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロデカンジオール等の環状脂肪族ジオール類;ポリエチレンエーテルグリコール、ポリオキシトリメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール等のポリアルキレンエーテルグリコール類等が例示できる。
次いで、上記の溶液を撹拌しながら、これに原料のヒドロキシ化合物の水酸基1当量当たり通常0.5〜2.0当量、好ましくは0.7〜1.8当量、より好ましくは0.9〜1.6当量に相当する量のアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液で加えて反応させる。アルカリ金属水酸化物の量を0.5当量以上とすることで、未反応の水酸基と生成したエポキシ樹脂が反応しにくくなり、高分子量化反応を制御しやすいために好ましい。また、アルカリ金属水酸化物の量を上記2.0当量以下とすることで、副反応による不純物生成が抑制できるので好ましい。ここで用いられるアルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが用いられる。
なお、この反応においては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩;ベンジルジメチルアミン、2,4 ,6−ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第三級アミン;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール類;エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイド等のホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン等のホスフィン類等の触媒を用いてもよい。
ビフェニル系エポキシ樹脂はアリル化反応を経由する方法で製造することもできる。この場合、フェノール化合物である4PPにアリル化反応を行ってアリル基を導入した後、このアリル基を酸化することにより、上記粗エポキシ樹脂を得ることができる。
アリル化反応を経由する製造方法としては、4PPを原料として用いること以外は、特開2011−225711号公報、特開2012−092247号公報、特開2012−111858号公報等に記載された方法を用いることができる。
上記で得られた粗エポキシ樹脂中には、未反応の原料化合物やエピハロヒドリンの反応により生成した塩素や塩素含有化合物などの塩素系不純物が含まれている。このような塩素系不純物を強アルカリと反応させて、含まれる塩素を無機塩素系の水溶性化合物に変換し、水洗除去することによって、精製されたエポキシ樹脂を得ることができる。
有機溶媒の使用量は、粗エポキシ樹脂の濃度が通常3〜70重量%となる量であり、好ましくは5〜50重量%となる量であり、より好ましくは10〜40重量%となる量である。
ここで用いる強アルカリ成分としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物を固体又は溶液として使用することができる。これらのアルカリ金属水酸化物は水や有機溶媒に溶解して使用してもよい。使用するアルカリ金属水酸化物の量としては、粗エポキシ樹脂100重量部に対して、アルカリ金属水酸化物の固形分換算で0.01重量部以上、2.0重量部以下が好ましい。
また、反応時間は通常0.1〜15時間、好ましくは0.3〜12時間である。反応時間を上記範囲とすることで、反応の過度な進行を予防しつつ、反応を進めることができる。
上記のような精製工程を経ることによって、本願のエポキシ当量が223〜241g/eqで、好ましくは加水分解性塩素が1000ppm以下、融点が73〜76℃のエポキシ樹脂を得ることができる。
(1)硬化性エポキシ樹脂組成物の特徴
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、前述した特定のビフェニル系エポキシ樹脂と多官能酸無水物硬化剤とを含有するものである。
このような一分子中に2以上の酸無水物基を有する多官能酸無水物硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂として多官能のエポキシ樹脂を含有していなくても良好な硬化性を示し、得られた硬化物に、優れた耐熱性、耐応力性、吸湿性、難燃性等を得ることができる。
以下、ビフェニル系エポキシ樹脂以外の、本発明の組成物を構成する必須成分及び任意成分について個別に説明する。
本発明において必須の成分である多官能酸無水物硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖延長反応に寄与する酸無水物基を一分子中に複数個有する化合物である。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物において、多官能酸無水物硬化剤の含有量は、全エポキシ樹脂成分100重量部(固形分)に対して、0.01〜1000重量部とすることが好ましい。
また多官能酸無水物硬化剤の含有量の下限は0.5重量部が好ましく、1重量部がより好ましい。このような量とすることで、より迅速に所望の硬度を得ることができる。
物の粘度が高くなり過ぎず、作業性が良好となる傾向にあり、また、エポキシ樹脂との硬化反応の速度も良好となる傾向にある。
以上で挙げた多官能型酸無水物系硬化剤は1種のみでも2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、多官能酸無水物硬化剤に加えて、それ以外の硬化剤を併用してもよい。また、通常「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖延長反応に寄与する化合物であって、上記条件に適合するものも使用できる。
他の硬化剤としては、前記の条件を満たす限り、一般にエポキシ樹脂用硬化剤として知られているものは特に制限なく使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、単官能型の酸無水物硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール類等が挙げられる。
以下、上記で例示した硬化剤について更に詳細に説明する。
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールAD、ハイドロキノン、レゾルシン、メチルレゾルシン、ビフェノール、テトラメチルビフェノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシジフェニルエーテル、チオジフェノール類、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ビフェニルアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリスフェノールメタン型樹脂、ナフトールノボラック樹脂、臭素化ビスフェノールA、臭素化フェノールノボラック樹脂等の種々の多価フェノール類や、種々のフェノール類とベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、キシレン樹脂とフェノール類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂類、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物等の各種のフェノール樹脂類等が挙げられる。
これらの中でも組成物の硬化性や硬化後の耐熱性等の観点から、上記フェノール性硬化
剤の中でも、フェノールノボラック樹脂(例えば下記式(3)で表される化合物)、フェノールアラルキル樹脂(例えば下記式(4)で表される化合物)、ビフェニルアラルキル樹脂(例えば下記式(5)で表される化合物)、ナフトールノボラック樹脂(例えば下記式(6)で表される化合物)、ナフトールアラルキル樹脂(例えば下記式(7)で表される化合物)、トリスフェノールメタン型樹脂(例えば下記式(8)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物(例えば下記式(9)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物(例えば下記式(9)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物(例えば下記式(10)で表される化合物)、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物(例えば下記式(10)で表される化合物)等が好ましく、特にフェノールノボラック樹脂(例えば下記式(3))、フェノールアラルキル樹脂(例えば下記式(4))、ビフェニルアラルキル樹脂(例えば下記式(5))、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジメトキサイド重縮合物(例えば下記式(9))、フェノール・ベンズアルデヒド・キシリレンジハライド重縮合物(例えば下記式(9))、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジメトキサイドビフェニル重縮合物(例えば下記式(10))、フェノール・ベンズアルデヒド・4,4’−ジハライドビフェニル重縮合物(例えば下記式(10))が好ましい。
アミン系硬化剤としては、第3級アミン以外の硬化剤、例えば脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、及び芳香族アミン類等があげられる。
第3級アミン以外の硬化剤を以下に列挙する。
脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。
脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。
アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
以上で挙げた(第3級アミン以外の)アミン系硬化剤は1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、必須成分である多官能酸無水物硬化剤に相当しない、単官能酸無水物硬化剤を併用することができる。このような単官能酸無水物硬化剤としては、単官能の酸無水物や、その変性物等が例示できる。
以上で挙げた単官能酸無水物硬化剤も、1種のみでも2種以上を任意の組み合わせ及び配合量で組み合わせて用いることができる。
アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。このようなアミド系硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
イミダゾール類としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。
以上に挙げたイミダゾール類は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、本発明の目的・効果を阻害しない限り、前記ビフェニル系エポキシ樹脂以外に、他の単官能又は多官能のエポキシ樹脂を併せて用いることができる。他のエポキシ樹脂を含むことにより、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物
の耐熱性、対応力性、耐吸湿性、難燃性等を向上することができる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノール変性キシレン樹脂型エポキシ樹脂、ビスフェノールシクロドデシル型エポキシ樹脂、ビスフェノールジイソプロピリデンレゾルシン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、メチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、ジブチルハイドロキノン型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ジヒドロキシジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、チオジフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシジヒドロアントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシスチルベン類から誘導されるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テルペンフェノール型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、フェノール・ヒドロキシベンズアルデヒドの縮合物から誘導されるエポキシ樹脂、フェノール・クロトンアルデヒドの縮合物から誘導されるエポキシ樹脂、フェノール・グリオキザールの縮合物から誘導されるエポキシ樹脂、重質油又はピッチ類とフェノール類とホルムアルデヒド類との共縮合樹脂から誘導されるエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されるエポキシ樹脂、アミノフェノールから誘導されるエポキシ樹脂、キシレンジアミンから誘導されるエポキシ樹脂、メチルヘキサヒドロフタル酸から誘導されるエポキシ樹脂、ダイマー酸から誘導されるエポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂の中でも組成物の流動性、及び硬化物の耐熱性・耐吸湿性・難燃性等を改良できる点で、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型のエポキシ樹脂、ジヒドロキシアントラセン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、及びトリスフェノールメタン型エポキシ樹脂が好ましい。
<硬化促進剤>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は硬化促進剤を含むことが好ましい。硬化促進剤を含むことにより、硬化時間の短縮、硬化温度の低温化が可能となり、より容易に所望の硬化物を得ることができる。
トラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。
硬化促進剤として使用できるリン系化合物として以下のようなものが例示できる。
2)有機ホスフィン類の誘導体:上記の有機ホスフィン類と有機ボロン類との錯体、有機ホスフィン類と他の化合物との付加化合物
ここで用いることができる他の化合物としては、無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン等が例示できる。
上記例示した硬化促進剤の中でも有機ホスフィン類及びホスホニウム塩が好ましく、有機ホスフィン類が最も好ましい。また、硬化促進剤は、単独で用いても、また2種以上の化合物を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
硬化促進剤の含有量を上記下限値以上とすることで、良好な硬化促進効果を得ることができ、上記上限値以下とすることで、所望の硬化物性を得やすくなる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には無機充填材を配合することができる。無機充填材としては例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、ガラス粉、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、チッ化ホウ素等が挙げられる。これらは、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
ましくは2〜30μmである。平均粒子径が上記下限値以上であると溶融粘度があまり高
くならないので、流動性が低下しにくい。また平均粒子径が上記上限値以下であると成形時に金型の狭い隙間に充填材が目詰まりしにくく、材料の充填性が向上して成形不良が少なくなるので好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に無機充填材を用いる場合、無機充填材の配合量は硬化性エポキシ樹脂組成物全体の30〜95重量%の範囲とすることが好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には離型剤を配合することができる。離型剤としては例えば、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリエチレンワックス等の合成ワックス、ステアリン酸やステアリン酸亜鉛等の高級脂肪酸類及びその金属塩類、パラフィン等の炭化水素系離型剤を用いることができる。これらは、1種のみで用いても2種以上を任意の組み合わせ及び配合比率で組み合わせて用いてもよい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、カップリング剤を配合することが好ましい。カップリング剤を無機充填材と併用すると、マトリックスであるエポキシ樹脂と無機充填材との接着性を向上させることができる。カップリング剤としてはシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等が挙げられる。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物にカップリング剤を用いる場合、その配合量は、全エポキシ樹脂成分100重量部に対し、好ましくは0.1〜3重量部とすることが好ましい。カップリング剤の配合量を上記範囲内とすることで、カップリング剤によるエポキシ
樹脂と無機充填材との密着性が向上するとともに、得られる硬化物からのカップリング剤のブリードアウトを抑制できるので好ましい。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物には、前記以外の成分(「その他の成分」と記すことがある)を配合することができる。このような「その他の成分」としては例えば、難燃剤、可塑剤、反応性希釈剤、顔料等が挙げられ、必要に応じて本発明の趣旨・硬化を阻害しない範囲で適宜配合することができる。ただし、本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物に上記で挙げた成分以外のものを配合することを何ら妨げるものではない。
<硬化反応>
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は優れた硬化性を有しており、また得られた硬化物は、絶縁信頼性、吸湿性、耐熱性が優れている。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を硬化させる方法は特に限定されないが、通常、加熱による熱硬化反応により硬化させることができる。このときの加熱温度は用いる硬化剤の種類によって適宜選択すればよい。例えば、本発明の多官能酸無水物硬化剤を用いた場合、硬化温度は通常130〜300℃である。
硬化反応の反応時間は、通常1〜20時間程度で、好ましくは2〜18時間、より好ましくは3〜15時間である。反応時間を上記範囲内とすることで、硬化反応が十分に進行しかつ加熱による樹脂成分の劣化や加熱時の放熱ロスを少なくできる。
[絶縁信頼性]
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は絶縁信頼性が優れている。特に、エポキシ樹脂硬化物の抽出水の塩素量が1000ppm以下のように低いことは、高温高湿環境下における電気電子部品が絶縁悪化防止に有効である。より好ましい抽出水の塩素量の上限は390ppm以下である。
硬化物の抽出水の塩素量が少ない程、塩素イオンのマイグレーションによる半導体などの絶縁不良や短絡(ショート)を防ぐことができるので好ましい。
なお、抽出水の塩素量の測定方法は実施例の項に記載する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は吸湿性に優れている。例えば3cm×3cmの厚さ5mmの試験片を温度85℃、湿度85%の環境下で168hr静置した場合の吸水率を1.4%以下とすることができる。
硬化物の吸湿率が低いほど、高温環境下でも吸水した水の膨張による熱応力が小さくなりクラックが入りにくくなるので、より厳しい環境下で電気電子部品を使用することができる。
吸湿性の測定・評価方法は、実施例の項に記載する。
本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物から得られる硬化物は耐熱応力性に優れており、200℃の弾性率を84MPa以下、250℃の弾性率を12MPa以下のようにすることができる。
硬化物の高温での弾性率が低いと熱応力が小さくなり、高温環境下でのクラックが入りにくくなり、電気電子部品の使用可能環境が広くなる。
なお、高温時の弾性率の測定方法は、実施例の項に記載する。
本発明のビフェニル系エポキシ樹脂は加水分解性塩素量が少なく電気信頼性に優れ、かつ結晶化速度が速く生産性も良好である。
このビフェニル系エポキシ樹脂を含む本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物は、硬化性、絶縁信頼性、吸湿性、耐熱性等に優れている。
このような特徴を活かすことができる用途としては、例えば、自動車用電着塗料、船舶・橋梁用重防食塗料、飲料用缶の内面塗装用塗料等の塗料分野;積層板、半導体封止材、絶縁粉体塗料、コイル含浸絶縁塗料、及びコイル含浸絶縁被覆材等の電気電子分野;橋梁の耐震補強、コンクリート補強、建築物の床材、水道施設のライニング、排水・透水舗装、車両・航空機用接着剤等の土木・建築・接着剤分野等を例示できる。
なお、上記用途に本発明の硬化性エポキシ樹脂組成物を適用する際は、組成物を硬化させた後の硬化物として使用しても、また当該製品の製造工程の途中で硬化させてもよい。
なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味を持つものでもあり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
(1)薬品類
本実施例で使用した薬品類は以下の通りである。
4−フェニルフェノール:東京化成工業(株)製、試薬1級
エピクロルヒドリン:鹿島ケミカル(株)製
2−プロパノール:和光純薬工業(株)製、試薬特級
メタノール:和光純薬工業(株)製、試薬特級
水酸化ナトリウム:和光純薬工業(株)製、試薬特級
メチルイソブチルケトン:和光純薬工業(株)製、試薬特級
樹脂組成物の硬化試験に用いた硬化剤、硬化促進剤は以下の通り。
))
多官能硬化剤1(フェノール系):フェノ−ルノボラック樹脂(群栄化学(株)製、商品名 PSM4261(水酸基当量:103g/当量))
硬化促進剤1:トリフェニルホスフィン(東京化成工業(株)製、商品名 トリフェニルホスフィン)
多官能硬化剤2(酸無水物系):グリセリンビスアンヒドロトリメリテート モノアセ
テート(新日本理化(株)製、商品名 TMTA−C(酸無水物当量:182g/当量))
硬化促進剤2:2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(三菱化学(株)製、商品名 EMI−24)
本実施例における、エポキシ当量、加水分解性塩素量、融点、及び結晶化速度の測定・評価方法は、本明細書の[発明を実施するための形態]の、[発明の詳細な説明]、「1.ビフェニル系エポキシ樹脂」の、(2)〜(5)に記載した通りである。
(1)実施例、比較例用エポキシ樹脂の合成
[合成例1](本発明のビフェニル系エポキシ樹脂:エポキシ樹脂1)
温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコに4−フェニルフェノール90g、エピクロルヒドリン319g、2−プロパノール124g、水44gを仕込み、40℃に昇温して均一に溶解させた。
水96gを追加した後、3Lの分液ロートに反応液を移し、温度を65℃に保って1時間静置して油層と水層に分離した。ここから水層を抜き出して、副生塩及び過剰の水酸化ナトリウムを除去した。
この粗製エポキシ樹脂を、上記と同様の四口フラスコに移してメチルイソブチルケトン(以下「MIBK」と略記することがある)180gに溶解し、48.5重量%水酸化ナトリウム水溶液2.5gを加え、65℃の温度で1時間再び反応させた。
上記で得られた粗エポキシ樹脂を60g秤取して、200mlの四口フラスコに仕込み、MIBK40gを加え、窒素雰囲気下でオイルバスを用いて70℃に加熱・溶解した。エポキシ樹脂が十分溶解した後、25℃に冷却して得られた結晶を濾過した後、少量のMIBKで洗浄した。
得られた結晶40gを用いて、上記の「70℃昇温−溶解−25℃冷却・結晶化−濾過−洗浄」の手順を再度繰り返して、精製されたエポキシ樹脂(「エポキシ樹脂1」)を得た。
公知文献(WO2010/137501号公報)に記載された合成例2に準じてエポキシ樹脂を合成した。
具体的には、温度計、撹拌装置、冷却管を備えた内容量2Lの四口フラスコに4−フェニルフェノール(東京化成工業(株)製)181g、エピクロルヒドリン394g、メタノール80gを仕込み、70℃に昇温して均一に溶解させた後、フレーク状の水酸化ナトリウム44gを90分掛けて分割添加した。
次いで、生成物から減圧下で過剰のエピクロルヒドリンとメタノールを留去して、粗エポキシ樹脂を得た。
水500gを用いて水洗水が中性になるまで水洗を行い、次いで150℃の減圧下でMIBKを完全に除去してエポキシ樹脂(「エポキシ樹脂2」)を得た。
上記で得られたエポキシ樹脂1,2のエポキシ当量、加水分解性塩素量、融点、結晶化速度を前述の方法で測定した。結果を表1に示す。
[実施例1及び比較例1、2]
(1)硬化性エポキシ樹脂組成物の製造
表2に示す割合で所定のエポキシ樹脂と硬化剤とを配合し、100℃まで加温して均一になるまで撹拌した。その後、80℃まで冷却し、硬化促進剤を表2に示す割合で添加し、均一になるまで撹拌して硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。
なお、表2において、表中の空欄は当該樹脂等を使用しなかったこと(即ち添加量がゼロであること)を、「−」はデータがないことをそれぞれ示す。
上記で得られた硬化性エポキシ樹脂組成物について、その硬化性及び物性を以下の通り評価した。結果を表2にまとめて示す。
一方の面に離型フィルム(PET製)を積層したガラス板を2枚用いて、離型フィルム
側を内側にし、ガラス板間隔を5mmに調整して注型板を作成した。
この注型板に、硬化性エポキシ樹脂組成物50gを80℃で注型し、120℃×2時間+175℃×6時間の条件でオーブン内に保持した。上記の所定時間が経過した後、加熱を停止し、室温となるまでオーブン内に保持・放冷した後、注型板から成形体を取り出した。
得られた成形体を175℃に加熱して、溶融しなかったものを硬化性「○」、溶融したものを硬化性「×」と評価した。
硬化物が得られたものについて、更に以下の評価を実施した。結果を表2、3に示す。
上記で得られた硬化物をワンダーブレンダー(大阪ケミカル(株)製)で粉砕し、20メッシュの金網を通して、粉砕された硬化物を作成した。
この硬化物20gをポリエチレン製の瓶に8g秤取し、超純水を80mL加えた後、密閉して、95℃の乾燥機中で加熱した。20時間加熱した後、室温まで冷却し、内容物をろ紙5Aでろ過して抽出水を得た。
得られた抽出水1gをビーカーに入れ、アセトン100mL、酢酸25mLを追加し、0.002モル/L濃度の硝酸銀溶液を用いて、電位差滴定法により塩素量を測定した。得られた結果を表3に示す。
得られた硬化物を「縦3cm×横3cm×厚さ5mm」のサイズに切削して試験片を作成し、これを85℃、85%RHに調整した恒温恒湿漕中に設置した。168時間経過後の重量変化率を吸湿率とした。
硬化物を「縦5cm×横1cm×厚さ5mm」のサイズに切削して試験片を作成し、熱機械分析装置(DMS:セイコーインスツルメント社製 EXSTAR6100)により
、3点曲げモードで分析を行い、1Hzの200℃(E')を高温時の弾性率(熱時弾性
率)とした。なお、昇温パターンは初期温度30℃、到達温度280℃として、昇温速度は5℃/分として測定した。
表1より、エポキシ当量、加水分解性塩素、融点が本発明の規定範囲内である合成例1のエポキシ樹脂1は、合成例2のエポキシ樹脂3に比べて結晶化速度が速く生産性に優れ、加水分解性塩素量が少ないため絶縁信頼性に優れる。
表2よりエポキシ当量、加水分解性塩素、融点が本発明の規定範囲内である本発明のエポキシ樹脂(合成例1のエポキシ樹脂1)を用いた実施例1のエポキシ樹脂硬化物は、比較例1、2のエポキシ樹脂硬化物に対し、抽出水の塩素量、吸湿性、200℃弾性率に優れることが判る。
Claims (6)
- ビフェニル系エポキシ樹脂の加水分解性塩素が1000ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- ビフェニル系エポキシ樹脂の融点が73〜76℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 多官能酸無水物硬化剤の含有量がエポキシ樹脂100重量部あたり0.01〜100重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物。
- 請求項5に記載の硬化物からなる電気・電子部品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016039301A JP2017155127A (ja) | 2016-03-01 | 2016-03-01 | 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016039301A JP2017155127A (ja) | 2016-03-01 | 2016-03-01 | 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017155127A true JP2017155127A (ja) | 2017-09-07 |
Family
ID=59808093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016039301A Pending JP2017155127A (ja) | 2016-03-01 | 2016-03-01 | 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017155127A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021199450A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | ナミックス株式会社 | 硬化触媒、樹脂組成物、封止材、接着剤、及び硬化物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008050879A1 (fr) * | 2006-10-24 | 2008-05-02 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Composition de resine epoxy et produit durci |
-
2016
- 2016-03-01 JP JP2016039301A patent/JP2017155127A/ja active Pending
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008050879A1 (fr) * | 2006-10-24 | 2008-05-02 | Nippon Steel Chemical Co., Ltd. | Composition de resine epoxy et produit durci |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021199450A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | ナミックス株式会社 | 硬化触媒、樹脂組成物、封止材、接着剤、及び硬化物 |
JPWO2021199450A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | ||
KR20220155260A (ko) * | 2020-03-31 | 2022-11-22 | 나믹스 가부시끼가이샤 | 경화 촉매, 수지 조성물, 봉지재, 접착제, 및 경화물 |
JP7316009B2 (ja) | 2020-03-31 | 2023-07-27 | ナミックス株式会社 | 硬化触媒、樹脂組成物、封止材、接着剤、及び硬化物 |
KR102734311B1 (ko) | 2020-03-31 | 2024-11-25 | 나믹스 가부시끼가이샤 | 경화 촉매, 수지 조성물, 봉지재, 접착제, 및 경화물 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6607009B2 (ja) | テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び半導体封止材 | |
JP2015000952A (ja) | エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 | |
WO2017038954A1 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6379500B2 (ja) | エポキシ化合物、エポキシ化合物含有組成物、硬化物及び半導体封止材 | |
JP2017149801A (ja) | エポキシ樹脂、該樹脂に基づく硬化性エポキシ樹脂組成物、硬化物、及び電気・電子部品 | |
JP6772680B2 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP5716512B2 (ja) | エポキシ樹脂及びその製造方法 | |
CN111527120B (zh) | 环氧树脂组合物、固化物及电气电子部件 | |
JP6740619B2 (ja) | エポキシ樹脂とその製造法、及び該樹脂に基づくエポキシ樹脂組成物 | |
JP2017155127A (ja) | 硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6972943B2 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP7711398B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP7711397B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
CN115244101B (zh) | 环氧树脂组合物、固化物及电气电子部件 | |
JP2017048388A (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6439612B2 (ja) | エポキシ樹脂、組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP6520582B2 (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2016125007A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物、電気部品及び電子部品 | |
JP2021147613A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP5716511B2 (ja) | エポキシ樹脂組成物 | |
JP2021147614A (ja) | エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2023092965A (ja) | ビスフェノールf型エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 | |
JP2018095608A (ja) | エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物及び電気・電子部品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20170421 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180911 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190716 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200204 |