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JP2017098338A - 電子装置 - Google Patents

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JP2017098338A
JP2017098338A JP2015226949A JP2015226949A JP2017098338A JP 2017098338 A JP2017098338 A JP 2017098338A JP 2015226949 A JP2015226949 A JP 2015226949A JP 2015226949 A JP2015226949 A JP 2015226949A JP 2017098338 A JP2017098338 A JP 2017098338A
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electronic device
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layer wiring
resin
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JP2015226949A
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俊浩 中村
Toshihiro Nakamura
俊浩 中村
英二 藪田
Eiji Yabuta
英二 藪田
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

【課題】表層樹脂部にクラックが入ることを抑制できる電子装置を提供すること。
【解決手段】電子装置100は、車両のエンジンルーム内に搭載されてなるものである。電子装置100は、第1ビルドアップ層11〜第6ビルドアップ層16及び第1コア層17a〜第3コア層17cを介して積層された第1層配線L1〜第10層配線L10を備えている。電子装置100は、第1層配線L1と第2層配線L2との間の第1ビルドアップ層11にフィルドビア31、32を備えている。そして、Z方向における第1ビルドアップ層11の線膨張係数は、フィルドビア31、32の線膨張係数と同じである。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気絶縁性の樹脂基材を介して積層された複数の配線が形成された電子装置に関する。
従来、電気絶縁性の樹脂基材を介して積層された複数の配線が形成された電子装置の一例として、特許文献1に開示された電子装置がある。
この電子装置は、樹脂内に、熱膨張係数を制御する球状のフィラーに加えて、棒状、扁平状、燐片状の添加剤の少なくともいずれか1つが混入されたビルドアップ層(以下、表層樹脂部)を備えている。
特開2014−220310号公報
ところで、電子装置は、表層樹脂部にフィルドビアが形成されている。この表層樹脂部とフィルドビアとは、配線の積層方向における線膨張係数が異なる。このため、電子装置は、使用環境の温度が変化することで、表層樹脂部に応力が印加されてクラックが発生する可能性がある。電子装置は、クラックが発生すると、クラックを起点としてフィルドビアと内層配線とが断線したり、クラックに水滴などが入りランドと内層配線とがショートしたりするという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、表層樹脂部にクラックが入ることを抑制できる電子装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、
電気絶縁性の樹脂基材(11〜16、17a〜17c)を介して積層された複数の配線(L1〜L10)と、
複数の配線のうち樹脂基材の表層に設けられた表層配線(L1、L10)の一部であり、回路素子(70、200)が実装可能な被実装部(L1a、L10a)と、
樹脂基材における表層配線と表層配線の次の層に設けられた第2層配線(L2、L9)との間の表層樹脂部(11、12)に設けられた穴を満たしており、被実装部と第2層配線とを電気的及び機械的に接続しているフィルドビア(31〜34)と、を備え、
配線の積層方向における表層樹脂部の線膨張係数は、フィルドビアの線膨張係数と同じであることを特徴とする。
このように、本発明は、被実装部と第2層配線とがフィルドビアで電気的及び機械的に接続されている。このフィルドビアは、表層配線と第2層配線の間の表層樹脂部に設けられた穴を満たしている。表層樹脂部やフィルドビアは、環境温度の変化に応じて膨張したり収縮したりする。
また、本発明は、表層樹脂部の線膨張係数が、フィルドビアの線膨張係数と同じにしている。このため、本発明は、自身が配置された環境温度が変化したとしても、表層樹脂部とフィルドビアが同じように膨張や収縮することになり、表層樹脂部に応力が印加されることを抑えることができる。従って、本発明は、表層樹脂部にクラックが入ることを抑制できる。
なお、特許請求の範囲、及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
第1実施形態における電子装置の概略構成を示す平面図である。 図1のII‐II線に沿う断面図である。 第1実施形態における電子装置の搭載環境を示すイメージ図である。 クラック発生率と線膨張係数の関係を示すグラフである。 第2実施形態における電子装置の概略構成を示す断面図である。 第3実施形態における電子装置の概略構成を示す断面図である。 第4実施形態における電子装置の概略構成を示す断面図である。 第5実施形態における電子装置の概略構成を示す断面図である。
以下において、図面を参照しながら、発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において、先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において、構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を参照し適用することができる。
なお、以下においては、第1層配線L1〜第7層配線L7などの積層方向をZ方向と称する。また、Z方向は、厚み方向と言い換えることもできる。さらに、図面におけるX方向とY方向は、互いに直交する方向であり、且つZ方向に直交する方向である。
(第1実施形態)
第1実施形態における電子装置100に関して、図1〜図3を用いて説明する。電子装置100は、例えば車両用の制御装置としての機能を有している。電子装置100は、図3に示すように、例えば車両のエンジンルーム200に搭載されている。エンジンルーム200には、例えば、エンジンやオートマチックトランスミッション(以下、トランスミッション)210などが搭載されている。そして、本実施形態では、一例として、電子装置100がトランスミッション210内に配置されている例を採用する。詳述すると、電子装置100は、トランスミッション210のハウジング内に配置されている。また、トランスミッション210は、ハウジング内にオイル220が充填されている。よって、電子装置100は、トランスミッション210内に、オイル220に晒された状態で配置されている。なお、トランスミッション210内は、−40℃〜150℃程度の範囲で温度が変化する。つまり、電子装置100は、自身の周辺温度が−40℃〜150℃程度の範囲で変化することなる。
しかしながら、本発明はこれに限定されない。電子装置100は、エンジンルーム200内において、エンジンやトランスミッション210の周辺に配置されていてもよい。つまり、電子装置100は、エンジンやトランスミッション210と同じ空間に配置されていてもよい。例えば、電子装置100は、ボルトなどの固定具によって、直接エンジンの金属ケースやトランスミッション210のハウジングに実装される。なお、エンジンルーム200に関しても、温度は、−40℃〜150℃程度の範囲で変化する。また、エンジンルーム200は、湿度も比較的高くなることがある。さらに、電子装置100は、周辺の温度が−40℃〜150℃程度で変化する車両とは異なる装置に搭載されるものであってもよい。
電子装置100は、図1、図2に示すように、第1ビルドアップ層11〜第6ビルドアップ層16及び第1コア層17a〜第3コア層17cと、これらを介して積層された第1層配線L1〜第10層配線L10とを備えている。第1ビルドアップ層11〜第6ビルドアップ層16及び第1コア層17a〜第3コア層17cは、特許請求の範囲における樹脂基材に相当する。第1層配線L1〜第10層配線L10は、特許請求の範囲における配線に相当する。以下においては、第1ビルドアップ層11〜第6ビルドアップ層16を省略して、ビルドアップ層11〜16と記載し、第1コア層17a〜第3コア層17cを省略して、コア層17a〜17cと記載することもある。
さらに、電子装置100は、異なる層の配線を電気的及び機械的に接続しているフィルドビア31〜34、及びコンフォーマルビア21〜24を備えている。このビルドアップ層11〜16及びコア層17a〜17cと、第1層配線L1〜第10層配線L10と、フィルドビア31〜34と、コンフォーマルビア21〜24とで構成された構造体は、多層基板と称することができる。多層基板は、一面S1と、一面S1の反対側の面である反対面S2とを含んでいる。多層基板は、例えば、平板形状をなしている。なお、多層基板は、貫通ビア40を備えている。しかしながら、電子装置100は、貫通ビア40を備えていなくてもよい。
さらに、電子装置100は、一面S1に実装された回路素子70、及び一面S1と第1層配線L1と回路素子70とを一体的に覆っている封止樹脂50を備えている。また、封止樹脂50は、これらに加えて、回路素子70と多層基板とを接続しているはんだ80を一体的に覆っている。このように、電子装置100は、一面S1に封止樹脂50が設けられているため、第1層配線L1の保護や電気的絶縁のためのソルダーレジストを設ける必要がない。封止樹脂50は、周知のエポキシ樹脂等を含んで構成されており、トランスファーモールド法やコンプレッションモールド法等により形成されている。なお、封止樹脂50は、一面S1側のみに形成されており、反対面S2側には形成されていない。よって、電子装置100は、ハーフモールド構造をなしていると言える。
回路素子70は、第1層配線L1などとともに回路を構成する部品であり、IC、MOSFET、IGBT、ダイオード、抵抗、コンデンサなどを採用できる。また、回路素子70は、封止樹脂50で覆われているため、ベアチップでも採用できる。回路素子70は、電極71を備えている。そして、回路素子70は、一面S1に形成された第1層配線L1の一部であるランドL1aと電極71とがはんだ80によって電気的及び機械的に接続されている。電極71とランドL1aとを接続している部材は、はんだ80に限定されず、導電性の接続部材であれば採用できる。よって、電子装置100は、導電性の接続部材を備えているとも言える。
なお、電子装置100は、反対面S2に封止樹脂50が設けられていない。このため、電子装置100は、反対面S2に形成されている第10層配線L10を覆うソルダーレジスト60を備えている。詳述すると、ソルダーレジスト60は、第10層配線L10の一部を露出するための開口部61が形成されている。第10層配線L10は、開口部61から露出している部位がランドL10aとなっている。電子装置100は、開口部61などに放熱グリスなどが設けられ、且つ、ソルダーレジスト60とトランスミッション210とが対向した状態で、トランスミッション210に取り付けられている。また、電子装置100は、開口部61などに放熱グリスなどが設けられ、且つ、ソルダーレジスト60とヒートシンクとが対向した状態で、ヒートシンクが取り付けられていてもよい。これによって、電子装置100は、ランドL10aを通る放熱経路が形成される。
また、ランドL10aには、反対面S2側に実装される実装部品の電極が、導電性の接続部材を介して電気的及び機械的に接続されていてもよい。この実装部品は、回路素子70と同様に回路の一部を構成する部品であるが、封止樹脂50を成型する際の成型圧に耐えることができないなど封止樹脂50で覆うことが難しい部品である。
ここで、多層基板に関して詳しく説明する。まず、コア層17a〜17cに関して説明する。コア層17a〜17cは、電気絶縁性の樹脂を主成分として構成されており、例えばアルミナやシリカ等の電気絶縁性の無機フィラーが含有されたエポキシ樹脂である。また、コア層17a〜17cは、無機フィラー入りのエポキシ樹脂とガラスクロスとを含んで構成されていてもよい。しかしながら、コア層17a〜17cは、これに限定されず、無機フィラーを含んでいないものや、ガラスクロスを含んでいないものであってもよい。さらに、コア層17a〜17cとしては、無機フィラー及びガラスクロスを含有しない樹脂のみよりなるものであってもよい。
コア層17a〜17cは、第2コア層17bを第1コア層17aと第3コア層17cとで挟み込んだ構成をなしている。第2コア層17bは、一面S1側にパターニングされた第5層配線L5が形成されており、反対面S2側にパターニングされた第6層配線L6が形成されている。また、第2コア層17bは、第5層配線L5を覆って第1コア層17aが形成されており、第6層配線L6を覆って第3コア層17cが形成されている。さらに、第1コア層17aは、一面S1側にパターニングされた第4層配線L4が形成されている。第3コア層17cは、反対面S2側にパターニングされた第7層配線L7が形成されている。貫通ビア40は、第4層配線L4と第7層配線L7との間で、コア層17a〜17cをZ方向に貫通して設けられている。貫通ビア40に関しては、特許文献1などを参照されたい。
多層基板は、第1コア層17aの一面S1側に、第5ビルドアップ層15、第3ビルドアップ層13、第1ビルドアップ層11がこの順番で積層されている。また、多層基板は、第3コア層17cの反対面S2側に、第6ビルドアップ層16、第4ビルドアップ層14、第2ビルドアップ層12がこの順番で積層されている。第1ビルドアップ層11と第2ビルドアップ層12は、特許請求の範囲における表層樹脂部に相当する。一方、第3ビルドアップ層13〜第6ビルドアップ層16の夫々は、特許請求の範囲における内層樹脂部に相当する。
第1ビルドアップ層11、第3ビルドアップ層13、第5ビルドアップ層15の夫々は、第1コア層17aと同様に、一面S1側にパターニングされた第1層配線L1、第2層配線L2、第3層配線L3が形成されている。また、第2ビルドアップ層12、第4ビルドアップ層14、第6ビルドアップ層16の夫々は、第3コア層17cと同様に、反対面S2側にパターニングされた第10層配線L10、第9層配線L9、第8層配線L8が形成されている。多層基板は、第1ビルドアップ層11の表面が一面S1に相当し、第2ビルドアップ層12の表面が反対面S2に相当する。よって、第1層配線L1は、一面S1に形成されている。そして、第10層配線L10は、反対面S2に形成されている。
次に、第1層配線L1〜第10層配線L10に関して説明する。各層配線L1〜L10は、XY平面に形成されており、銅やアルミニウムなどの金属を含んで構成された導体パターンである。言い換えると、各層配線L1〜L10は、銅やアルミニウムなどの金属を主成分として構成されている。本実施形態では、銅を主成分として構成されている例を採用する。よって、各層配線L1〜L10は、Z方向の線膨張係数が17×10−6/℃である。なお、以下においては、Z方向の線膨張係数を単に線膨張係数とも称する。
なお、本実施形態では、一例として、図2に示すように、第1層配線L1〜第4層配線L4及び第7層配線L7〜第10層配線L10の厚みが第5層配線L5及び第6層配線L6の厚みよりも厚い電子装置100を採用している。さらに、第1層配線L1〜第4層配線L4及び第7層配線L7〜第10層配線L10の厚みは、パソコンや携帯端末などに用いられる多層基板の配線の厚みよりも十分に厚い。なお、ここでの厚みは、第1層配線L1や第5層配線L5などを構成している導体パターンの膜厚である。このため、電子装置100の多層基板は、パソコンや携帯端末などに用いられる多層基板よりも大電流を流すことができ、且つ、放熱性がよい。よって、回路素子70としてのMOSFETやIGBTは、動作時の発熱量が比較的大きい所謂パワー素子を採用できる。なお、電子装置100は、第5層配線L5及び第6層配線L6の厚みが、第1層配線L1などと同程度の厚みであってもよい。
次に、第1ビルドアップ層11〜第6ビルドアップ層16に関して説明する。第1ビルドアップ層11と第2ビルドアップ層12の夫々は、フィルドビア31〜34が形成されている。詳述すると、第1ビルドアップ層11は、フィルドビア31、32が形成されている。一方、第2ビルドアップ層12は、フィルドビア33、34が形成されている。フィルドビア31、32は、第1ビルドアップ層11に設けられた穴を満たしており、ランドL1aと第2層配線L2とを電気的及び機械的に接続している。第1ビルドアップ層11に設けられた穴は、第1ビルドアップ層11をZ方向に貫通している。ランドL1aは、特許請求項の範囲における被実装部に相当する。ランドL1aは、第1層配線L1の一部であり、回路素子70が実装可能な部位である。ランドL1aには、はんだ80を介して電極71が電気的及び機械的に接続されている。また、フィルドビア31、32は、ランドL1aの直下(言い換えると真下)に設けられている。
各フィルドビア31〜34は、銅や銀ペーストなどの金属を主成分として構成されている。本実施形態では、銅を主成分として構成されている例を採用する。よって、各フィルドビア31〜34は、線膨張係数が17×10−6/℃である。
なお、フィルドビア33、34は、ランドL10aの直上(言い換えると真上)に設けられており、ランドL10aと第9層配線L9とを電気的及び機械的に接続している。フィルドビア33、34は、接続している配線層がフィルドビア31、32と異なるが、その他はフィルドビア31、32と同様であるため詳しい説明は省略する。
一方、第3ビルドアップ層13〜第6ビルドアップ層16の夫々は、コンフォーマルビア21〜24が形成されている。詳述すると、第3ビルドアップ層13は、コンフォーマルビア21が形成されている。第4ビルドアップ層14は、コンフォーマルビア24が形成されている。第5ビルドアップ層15は、コンフォーマルビア22が形成されている。第6ビルドアップ層16は、コンフォーマルビア23が形成されている。
コンフォーマルビア21は、第3ビルドアップ層13に設けられた穴を満たすことなく穴の壁面に形成されており、第3ビルドアップ層13を挟む二つの配線(L2、L3)間を電気的及び機械的に接続している。第3ビルドアップ層13に設けられた穴は、第3ビルドアップ層13をZ方向に貫通している。コンフォーマルビア21は、この穴の表面にのみ形成されている。
なお、コンフォーマルビア22〜24は、接続している配線がコンフォーマルビア21と異なるが、その他はコンフォーマルビア21と同様であるため詳しい説明は省略する。コンフォーマルビア22は、第3層配線L3と第4層配線L4とを接続している。コンフォーマルビア23は、第7層配線L7と第8層配線L8とを接続している。コンフォーマルビア24は、第8層配線L8と第9層配線L9とを接続している。
このように、電子装置100は、フィルドビア31、32と、コンフォーマルビア21〜24の両方のビアが形成されている。フィルドビアは、コンフォーマルビアなどよりも、回路素子70などが実装可能、高放熱、大電流、多層基板を小型化できるなどのメリットがある。一方、コンフォーマルビアは、フィルドビアよりも、信頼性がよく、低コストであるなどのメリットがある。電子装置100は、表層樹脂部にだけフィルドビア31、32を設けられており、内層樹脂部にはコンフォーマルビア21〜24が設けられている。このため、電子装置100は、フィルドビアのメリットと、コンフォーマルビアのメリットの両方を兼ね備えていると言える。つまり、電子装置100は、一面S1に回路素子70を実装可能としつつ、信頼性を確保できる。
第1ビルドアップ層11と第2ビルドアップ層12の夫々は、例えばアルミナやシリカ等の電気絶縁性の無機フィラーが含有されたエポキシ樹脂や、例えばアルミナやシリカ等の電気絶縁性の無機フィラーが含有されたBTレジンなどを採用できる。なお、BTレジンは、登録商標であり、ビスマレイミドトリアジン樹脂の略称である。
特に、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12は、線膨張係数が、各フィルドビア31〜34の線膨張係数と同じとなっている。つまり、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12は、線膨張係数が17×10−6/℃である。線膨張係数は、エポキシ樹脂などに含有されている無機フィラーの量を多くするほど小さくすることができる。よって、電子装置100では、無機フィラーの量を調整して、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12の線膨張係数を17×10−6/℃としている。これに対して、第3ビルドアップ層13〜第6ビルドアップ層16や、第1コア層17a〜第3コア層17cは、線膨張係数が40×10−6/℃である。
このように、電子装置100は、ランドL1aと第2層配線L2とがフィルドビア31、32で電気的及び機械的に接続されている。このフィルドビア31、32は、第1層配線L1と第2層配線L2の間の第1ビルドアップ層11に設けられた穴を満たしている。第1ビルドアップ層11やフィルドビア31、32は、環境温度の変化に応じて膨張したり収縮したりする。
また、電子装置100は、トランスミッション210内に搭載されてなるものである。よって、電子装置100が搭載された環境の環境温度は、−40℃〜150℃程度の範囲で変化することが考えられる。電子装置100は、このような環境に搭載されるため、環境温度の変化によって、第1ビルドアップ層11やフィルドビア31、32の膨張や収縮が顕著に現れると考えられる。
そこで、電子装置100は、第1ビルドアップ層11の線膨張係数が、フィルドビア31、32の線膨張係数と同じにしている。このため、電子装置100は、上記のように環境温度が変化したとしても、第1ビルドアップ層11とフィルドビア31、32が同じように膨張や収縮することになり、第1ビルドアップ層11に応力が印加されることを抑えることができる。従って、電子装置100は、第1ビルドアップ層11にクラックが入ることを抑制できる。
例えば、第1ビルドアップ層11は、フィルドビア31、32との線膨張係数の差が大きい場合、環境温度が変化することで、図2における点線で示すようにクラックCが発生する可能性がある。クラックCは、ランドL1aの角部から発生して、フィルドビア31と第2層配線L2との界面に達する。しかしながら、電子装置100は、上記のように、クラックCの発生を抑制できる。
なお、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12の線膨張係数は、各フィルドビア31〜34の線膨張係数と完全に一致していなくてもよい。第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12の線膨張係数は、17±5×10−6/℃、すなわち12〜22×10−6/℃であってもよい。電子装置100は、線膨張係数が12〜22×10−6/℃であれば、上記の環境温度で使用された場合にクラックCを抑制できることが実験によって確認できた。図4は、この実験結果を示すグラフである。
この実験は、電子装置100を恒温槽内に配置し、恒温槽内の温度を−40℃から150℃、及び−40℃から150℃の温度範囲で変化させて、電子装置100におけるクラック発生率を観測したものである。詳述すると、この実験では、電子装置100を−40℃の恒温槽内に30分間放置し、その後、恒温槽内に電子装置100を配置した状態で恒温槽内の温度を10分間で150℃まで上昇させて、電子装置100を150℃の恒温槽内に30分間放置する。本実験では、これを500回繰り返して、クラックCが発生しているか否かを観測した。なお、恒温槽内の温度は、電子装置100の周辺温度と言い替えることができる。
図4に示す結果からも明らかなように、クラック発生率は、線膨張係数が10.5×10−6/℃から22×10−6/℃の範囲では0であるが、線膨張係数が10.5×10−6/℃よりも小さい場合、及び、22×10−6/℃より大きい場合に高くなっている。よって、電子装置100は、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12の線膨張係数が17±5×10−6/℃であれば、上記の環境温度で使用された場合にクラックCを抑制できる。
また、電子装置100は、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12を含む全ての樹脂基材の線膨張係数が17×10−6/℃であってもよい。つまり、電子装置100は、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12だけでなく、第3ビルドアップ層13〜第6ビルドアップ層16や、第1コア層17a〜第3コア層17cに関しても、線膨張係数を17×10−6/℃としてもよい。これによって、電子装置100は、第3ビルドアップ層13〜第6ビルドアップ層16や、第1コア層17a〜第3コア層17cに関しても、各層配線や各コンフォーマルビアとの線膨張係数差をなくす、又は小さくできる。よって、電子装置100は、例えば第3ビルドアップ層13などにクラックが発生することを抑制できる。
なお、電子装置100は、自身が配置された環境温度が変化した場合、第1ビルドアップ層11とフィルドビア31、32が同じように膨張や収縮する。このため、電子装置100は、トランスミッション210内に配置されていなくても、上記と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明した。しかしながら、本発明は、上記実施形態に何ら制限されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形が可能である。以下に、本発明のその他の形態として、第2実施形態〜第5実施形態に関して説明する。上記実施形態及び第2実施形態〜第5実施形態は、夫々単独で実施することも可能であるが、適宜組み合わせて実施することも可能である。本発明は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。
(第2実施形態)
電子装置110は、図5に示すように、コンフォーマルビア21〜24のかわりに、フィルドビア35〜28が形成されている点が電子装置100と異なる。つまり、電子装置110は、コンフォーマルビア21〜24が設けられておらず、層間接続部材としてフィルドビア31〜28のみが形成されている。また、電子装置110は、第1ビルドアップ層11及び第2ビルドアップ層12だけでなく、第3ビルドアップ層13〜第6ビルドアップ層16や、第1コア層17a〜第3コア層17cに関しても、線膨張係数が17×10−6/℃である。
電子装置110は、電子装置100と同様の効果を奏することができる。さらに、電子装置110は、層間接続部材としてフィルドビア31〜28のみが形成されているため、電子装置100よりも体格を小さくできる。
(第3実施形態)
電子装置120は、図6に示すように、封止樹脂50、回路素子70、及びはんだ80が設けられていない点が電子装置100と異なる。つまり、電子装置120は、第1実施形態で説明した多層基板に相当する。電子装置120は、電子装置100と同様の効果を奏することができる。
(第4実施形態)
電子装置130は、図7に示すように、多層基板が片面実装である点が電子装置100と異なる。また、電子装置130は、第6ビルドアップ層16及び第10層配線L10が形成されていない点も電子装置100と異なる。電子装置130は、電子装置100と同様の効果を奏することができる。
(第5実施形態)
電子装置140は、図8に示すように、第1コア層17a〜第3コア層17cが形成されていない点が電子装置100と異なる。つまり、電子装置140は、樹脂基材として、第1ビルドアップ層11〜第6ビルドアップ層16のみが形成されている。電子装置140は、電子装置100と同様の効果を奏することができる。なお、電子装置140は、第1層配線L1と第7層配線L7が表層配線に相当する。よって、電子装置140は、符号L7aがランドである。
11〜16 第1ビルドアップ層〜第6ビルドアップ層、17a〜17c 第1コア層〜第3コア層、21〜24 コンフォーマルビア、31〜34 フィルドビア、L1〜L10 第1層配線〜第10層配線、L1a、L7a、L10a ランド、40 貫通ビア、50 封止樹脂、60 ソルダーレジスト、61 開口部、70 回路素子、71 電極、80 はんだ、100〜140 電子装置、200 エンジンルーム、210 オートマチックトランスミッション、220 トルクコンバータ、S1 一面、S2 反対面

Claims (5)

  1. 電気絶縁性の樹脂基材(11〜16、17a〜17c)を介して積層された複数の配線(L1〜L10)と、
    複数の前記配線のうち前記樹脂基材の表層に設けられた表層配線(L1、L10)の一部であり、回路素子(70)が実装可能な被実装部(L1a、L10a)と、
    前記樹脂基材における前記表層配線と前記表層配線の次の層に設けられた第2層配線(L2、L9)との間の表層樹脂部(11、12)に設けられた穴を満たしており、前記被実装部と前記第2層配線とを電気的及び機械的に接続しているフィルドビア(31〜34)と、を備え、
    前記配線の積層方向における前記表層樹脂部の線膨張係数は、前記フィルドビアの前記線膨張係数と同じである電子装置。
  2. 前記樹脂基材は、前記表層樹脂部を含む全体の前記線膨張係数が、前記フィルドビアの前記線膨張係数と同じである請求項1に記載の電子装置。
  3. 前記樹脂基材における前記表層樹脂部とは異なる内層樹脂部(13〜16)に設けられた穴を満たすことなく前記穴の壁面に形成されており、前記内層樹脂部を挟む二つの前記配線間を電気的及び機械的に接続しているコンフォーマルビア(21〜24)を備えている請求項1又は2に記載の電子装置。
  4. 前記被実装部に実装された前記回路素子(70)と、
    前記表層と前記表層配線と前記回路素子とを一体的に封止している封止樹脂部(50)と、を備えている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子装置。
  5. 前記樹脂基材は、コア層(17a〜17c)と、前記表層樹脂部を含むビルドアップ層と、を備えている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電子装置。
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