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JP2017071133A - ガスバリアー性フィルム積層体及び電子デバイス - Google Patents

ガスバリアー性フィルム積層体及び電子デバイス Download PDF

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JP2017071133A JP2015199854A JP2015199854A JP2017071133A JP 2017071133 A JP2017071133 A JP 2017071133A JP 2015199854 A JP2015199854 A JP 2015199854A JP 2015199854 A JP2015199854 A JP 2015199854A JP 2017071133 A JP2017071133 A JP 2017071133A
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後藤 良孝
Yoshitaka Goto
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Abstract

【課題】折り曲げ等に外圧に対するガスバリー層の安定性に優れ、かつガスバリアー性が高いガスバリアー性フィルム積層体と、それを適用した耐久性に優れた電子デバイスを提供する。
【解決手段】ガスバリアー性フィルム積層体GFは、支持体1A、1Bとガスバリアー層2A、2Bにより構成されるガスバリアー性フィルムユニットUA、UBを2ユニット有し、2つのガスバリアー性フィルムユニットUA、UBを、粘着剤層3を介して積層し、粘着剤層3が、ガスバリアー性フィルムユニットUA、UBの少なくとも1つに対するJISZ0237:2009に準拠し、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガスバリアー性フィルム積層体及び電子デバイスに関し、特に、折り曲げ等に対する安定性に優れ、ガスバリアー性が高いガスバリアー性フィルム積層体と、それを適用した電子デバイスに関する。
従来、食品、包装材料、医薬品などの分野で、水蒸気や酸素等のガスの透過を防ぐため、樹脂支持体の表面に金属や金属酸化物の蒸着膜等の無機膜を設けた比較的簡易な構造を有するガスバリアー性フィルムが用いられてきた。
近年、このような水蒸気や酸素等の透過を防ぐガスバリアー性フィルムが、液晶表示素子(LCD)、太陽電池(PV)、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)などの電子デバイスの分野にも利用されつつある。このような電子デバイスに、フレキシブル性と軽くて割れにくいという性質を付与するためには、硬くて割れ易いガラス基板ではなく、高いガスバリアー性を有するガスバリアー性フィルムが必要となってくる。
電子デバイスに適用可能なガスバリアー性フィルムを得るための方法としては、プラズマCVD法(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長法、化学蒸着法)を用いて、フィルムなどの樹脂支持体上にガスバリアー層を形成する方法や、ポリシラザンを主成分とする塗布液を支持体上に塗布した後、表面処理(改質処理)を施してガスバリアー層を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、ガスバリアー性を向上させる方法として、2つの透明ガスバリアーフィルムを、アクリル系感圧接着剤層を用いて貼り合わせた透明ガスバリアー積層フィルムが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3には、適用する感圧接着剤層の粘着力に関する規定や開示はなく、折り曲げた際にガスバリアー層に係る応力とガスバリアー性との関連性に関しては一切記載はなされていない。特に、ガスバリアーフィルムの製造時あるいは取扱時に受ける折り曲げ等によるガスバリアー層のクラック等の発生を防止し、高いガスバリアー性を達成する方法に関しては述べられていない。
一方、機能層として帯電防止層を形成したガスバリアー性フィルムが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、特許文献4で開示されている方法では、真空環境下で、ガスバリアー層を形成する際、フィルム帯電により微細な異物粒子等がガスバリアー層に付着するのを防止することを目的とするものであり、粘着剤層を介して、2つのガスバリアー性フィルムを貼合して、ガスバリアー性フィルム積層体を形成することにより、特に、ガスバリアーフィルムの製造時あるいは取扱時に受ける折り曲げ等によるガスバリアー層のクラック等の発生を防止し、高いガスバリアー性を達成する方法に関しては述べられていない。
特開2009−255040号公報 特開2012−148416号公報 特許第4654911号公報 特開2006−88538号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、粘着剤層を介して2つのガスバリアー性フィルムを貼り合わせた構成で、接着剤層の粘着力を規定することで、折り曲げ等の外圧に対するガスバリー層の安定性に優れ、かつガスバリアー性が高いガスバリアー性フィルム積層体と、それを適用した耐久性に優れた電子デバイスを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、ガスバリー層にストレスを集中させない観点から、2組の、ガスバリアー層を有する支持体の間に粘着層を設け、該粘着層の粘着力を特定の範囲に制御することにより、折り曲げ等の外圧に対するガスバリー層の安定性に優れ、かつガスバリアー性が高いガスバリアー性フィルム積層体を提供することができることを見いだした。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.少なくとも支持体とガスバリアー層により構成される、2つのガスバリアー性フィルムユニットを、それぞれ、粘着剤層を介して積層したガスバリアー性フィルム積層体であって、
前記ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも1つに対する前記粘着剤層の下記で規定する粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内であることを特徴とするガスバリアー性フィルム積層体。
粘着力:JIS Z 0237:2009に準拠し、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力
2.前記粘着剤層の粘着力が、5〜18N/25mmの範囲内であることを特徴とする第1項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
3.前記粘着剤層の一方の面側が、一方のガスバリアー性フィルムユニットを構成する支持体と接し、前記粘着剤層の他方の面側が、他方のガスバリアー性フィルムユニットを構成するガスバリアー層と接する構成であることを特徴とする第1項又は第2項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
4.前記粘着剤層が感圧粘着剤層であり、かつ層厚が15〜30μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
5.前記ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも一つが、帯電防止層を有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
6.前記ガスバリアー性フィルムユニットを構成する少なくとも一つの支持体の厚さが、20〜50μmの範囲内であることを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
7.第1項から第6項までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体を具備していることを特徴とする電子デバイス。
本発明の上記手段により、接着剤層の粘着力を規定することで、折り曲げ(屈曲ともいう。)等に外圧に対するガスバリー層の安定性に優れ、かつガスバリアー性が高いガスバリアー性フィルム積層体と、それを適用した耐久性に優れた電子デバイスを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
通常、ガスバリアー性フィルムにおいて高いガスバリアー性を発現させるためには、支持体の両面にガスバリアー層を設けた構成が有効であることが知られている。しかしながら、単に支持体上にガスバリアー層を設けた構成では、外部より折り曲げ等の応力を受けたさい、単一の支持体では応力を分散することができず、そのひずみ(ストレス)がガスバリアー層に及ぶため、ガスバリアー層の膜面破断等によるクラックが生じ、ガスバリアー性低下の要因となる。
上記問題に対し、支持体上にガスバリアー層を形成した2つのバリアー性フィルムを、粘着剤層を介して貼り合わせることを特徴とする本発明のガスバリアー性フィルム積層体においては、2つのガスバリアー性フィルムに挟持させている粘着剤層の特性、具体的には粘着性が、受ける応力を緩和し、高い安定性を有するガスバリアー性を発現させることに対し重要となる。
すなわち、2組のガスバリアー層を有する支持体を、粘着剤層を介して両面に貼り合わせる構成は、離間して配置されている支持体を、粘着剤層を介して1つに連結させることであり、貼り合わせた2つの支持体上に形成しているガスバリアー層に応力が集中しないようにするため、その間に形成する粘着剤層の役割が非常に重要である。
従来の支持体上にガスバリアー層を設けた構成においては、ロール・to・ロール方式で支持体上にガスバリアー層を成膜する際や、成膜後、ガスバリアー性フィルムを搬送や巻き取り、あるいはその後の作業時に、形成したガスバリアー層に大きなストレスがかかりやすく、更には支持体自身が薄膜であると、ガスバリアー層に対するストレスは大きくなり、その結果、ガスバリアー層にクラックが発生したり、ガスバリアー層の支持体に対する密着力が劣化したりすることにより、所望のガスバリアー性が得られなくなる。
特に、高品位のガスバリアー性の要求に対応する観点より、複数のガスバリアー層を有する構成のガスバリアー性フィルムにおいては、ガスバリアー層が複数層であるが故に、ガスバリアー層の層内あるいは層界面でストレスを受けることで、複数層にストレスが伝播し、クラックが発生し、複数層を積層した効果が著しく損なわれ、結果的にガスバリアー性の低下を招くという大きな問題を抱えており改善が望まれていた。
本発明のガスバリアー性フィルム積層体においては、離間している2つのガスバリアー層を有する支持体の間に粘着剤層を設けることで、その粘着剤層が応力緩和の機能を発揮し、その応力緩和能は粘着剤層の支持体に対する粘着力を規定することでガスバリアー層に過度なストレスを付与することなく、安定なガスバリアー性を得られることを見いだしたものである。
粘着剤層に付与する粘着力は、本発明で規定する条件より低すぎると、ロール・to・ロールにおける成膜時に、搬送ロール上での屈曲や取扱いでの屈曲を受けた際に、ガスバリアー性フィルムと粘着剤層間で、微細な空隙が発生しやすくなり、そのことでガスバリアー層に不均一に負荷がかかることで、局所的にストレスがかかり、薄膜のガスバリアー層はクラックが発生しやすくなる。
また、逆に粘着力が高すぎると、ガスバリアー性フィルムと粘着剤層は強固に粘着するが、ロール・to・ロール成膜時の搬送ロール上での屈曲や取扱いでの屈曲の際にかかるストレスを緩和する能力を粘着剤層で発現させることが難しくなり、薄膜で最も耐性の低いガスバリアー層に応力が集中し、その結果、ガスバリアー層にクラックが発生、ガスバリアー性が大きく劣化することが判明した。
すなわち、ガスバリアー層にストレスを集中させない観点から、2つのガスバリアー層を有する支持体の間に設ける粘着剤層の粘着力としては、応力を緩和できる特定の範囲内に設定することが、折り曲げ等の外圧に対する塗膜安定性に優れ、かつガスバリアー性が高いガスバリアー性フィルム積層体を実現するためには重要であることを見いだしたものである。
本発明のガスバリアー性フィルム積層体の全体構成の一例を示す概略断面図 本発明のガスバリアー性フィルム積層体を具備した電子デバイスの全体構成の一例を示す概略断面図 本発明のガスバリアー性フィルム積層体の全体構成の他の一例を示す概略断面図 本発明に係るガスバリアー層の形成に適用可能なプラズマCVD装置の一例を示す概略断面図 本発明に係るガスバリアー層の形成に適用可能な真空紫外光照射装置の一例を示す概略断面図
本発明のガスバリアー性フィルム積層体は、少なくとも支持体とガスバリアー層により構成される、2つのガスバリアー性フィルムユニットを、それぞれ、粘着剤層を介して積層したガスバリアー性フィルム積層体であって、前記ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも1つに対する前記粘着剤層のJIS Z 0237:2009に準拠し、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内であることを特徴とする。この特徴は、請求項1から請求項7までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、更に、粘着剤層の粘着力を、5〜18N/25mmの範囲内に設定することが、より優れた折り曲げ等に外圧に対するガスバリー層の安定性を得ることができる点で好ましい。
また、粘着剤層の一方の面側が、一方のガスバリアー性フィルムユニットを構成する支持体と接し、前記粘着剤層の他方の面側が、他方のガスバリアー性フィルムユニットを構成するガスバリアー層と接する構成とすることが、これを適用する電子デバイスにおいて、構成する有機機能層等に対する優れたガスバリアー性を発現し、かつ、擦り傷等に対する耐性を向上させることができる観点から好ましい。
また、粘着剤層を感圧粘着剤層とし、かつ層厚を15〜30μmの範囲内とすることが、本発明で規定する90度引きはがし粘着力の範囲を安定して実現することができ、かつ効果的な応力緩和能を発現させることができる観点から好ましい。
また、ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも一つが、帯電防止層を有する構成とすることが、ガスバリアー層を形成する際に、成膜装置の環境内、あるいは搬送工程の搬送ローラー表面等に存在する微粒子が、ガスバリアー層を形成する際、フィルム帯電により付着するのを防止することができ、異物によるガスバリアー層の欠損の発生を防止することができる点で、好ましい。
また、ガスバリアー性フィルムユニットを構成する少なくとも一つの支持体の厚さを、20〜50μmの範囲内とすることが、薄膜のガスバリアー性フィルム積層体を形成でき、薄型の電子デバイスに好適に用いることができる点で好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。また、各図の説明で、構成要素の後の括弧内に記載の数字等は、各図に記載している符号を示してある。
《ガスバリアー性フィルム積層体》
[ガスバリアー性フィルム積層体及び電子デバイスの基本構成]
本発明のガスバリアー性フィルム積層体は、支持体とガスバリアー層により構成されるガスバリアー性フィルムユニットを2ユニット有し、当該2つのガスバリアー性フィルムユニットにより、粘着剤層を挟持した構成で積層したガスバリアー性フィルム積層体であって、前記粘着剤層が、前記ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも1つに対するJIS Z 0237:2009に準拠し、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内であることを特徴とする。
本発明のガスバリアー性フィルム積層体の具体的な構成について、図を参照して説明する。
図1は、本発明のガスバリアー性フィルム積層体の全体構成の体表的な一例を示す概略断面図である。
図1に示すガスバリアー性フィルム積層体(GF)は、粘着剤層(3)の一方の面側に、界面Aを介して、支持体A(1A)上に第1のガスバリアー層A(2A)を有するガスバリアー性フィルムユニットA(UA)を有し、粘着剤層(3)の他方の面側には、界面Bを介して、支持体B(1B)上に第2のガスバリアー層B(2B)を有するガスバリアー性フィルムユニットB(UB)を配置している構成である。
本発明においては、界面A及び界面Bの少なくとも一方において、当該90度引きはがし粘着力が3〜20N/25mmの範囲内にある。
粘着剤層(3)の両面に配置するガスバリアー性フィルムユニットの構成としては、本発明で規定する粘着力を満たすものであれば、特に制限はないが、図1に示すように、一方の界面Aでは、粘着剤層(3)と、ガスバリアー性フィルムユニットA(UA)を構成する支持体A(1A)が配置され、最表面に第1のガスバリアー層A(2A)を有する構成で、かつ、他方の界面Bでは、粘着剤層(3)と、ガスバリアー性フィルムユニットB(UB)を構成する第2のガスバリアー層B(2B)を有し、最外面に支持体B(1B)を配置した構成であることが好ましい形態である。
図1に示す構成からなるガスバリアー性フィルム積層体(GF)を、電子デバイス、例えば、後述の図2で示すような有機EL素子に適用する場合、酸素や水分等により影響を受けやすい有機EL素子を構成している発光層を含めた有機機能性層を効率的に保護する観点から、これら有機EL素子との界面に、第1のガスバリアー層A(2A)を配置することが効果的である。
後述の図3の(a)で示すように、支持体A(1A)を最外面側に配置させることも可能であるが、このような構成を有機EL素子等に適用した場合には、支持体A(1A)自身が水分等を含んでいるケースが有り、その水分による有機機能性層への影響を考慮した場合には、図1で示す構成とすることが好ましい。
一方、図1に示すように、他方の面側のガスバリアー性フィルムユニットB(UB)の構成としては、最外面に支持体B(1B)を配置することが、取扱時の擦り傷防止等の観点から好ましい。
図2は、図1で例示した構成のガスバリアー性フィルム積層体を具備した電子デバイスの全体構成の一例を示す概略断面図である。
図2において、図1で示した構成のガスバリアー性フィルム積層体(GF)上に、主には、陽極(4)、電子又は正孔の輸送を制御する第1のキャリア輸送機能層(5)、発光層(6)、電子又は正孔の輸送を制御する第2のキャリア輸送機能層(7)、陰極(8)、封止用接着層(9)及び封止基板(10)より構成されている有機EL素子(EL)を積層して電子デバイス(D)が形成されている。
このような構成の電子デバイス(D)においては、ガスバリアー性フィルム積層体(GF)と、有機EL素子(EL)と接する界面には、ガスバリアー性フィルムユニットA(UA)を構成する第1のガスバリアー層A(2A)が配置されている構成が、その上部の有機材料により構成されている第1のキャリア輸送機能層(5)、発光層(6)、電子又は正孔の輸送を制御する第2のキャリア輸送機能層(7)に対する効果的なガスバリアー性を発現させることができる点で好ましい構成である。また、前述のように、電子デバイス(D)の背面側には、擦り傷耐性等の観点から、ガスバリアー性フィルムユニットB(UB)の支持体B(1B)を配置する構成とすることが好ましい。
また、本発明のガスバリアー性フィルム積層体においては、図1で示した構成の他に、必要に応じて、様々な層構成を取ることができる。
図3は、本発明のガスバリアー性フィルム積層体の全体構成の他の一例を示す概略断面図である。
図3の(a)で示すガスバリアー性フィルム積層体(GF)は、ガスバリアー性フィルムユニットA(UA)及びガスバリアー性フィルムユニットB(UB)を構成しているガスバリアー層(2A、2B)が、粘着剤層(3)に接している構成例を示している。このような構成のガスバリアー性フィルム積層体(GF)は、ガスバリアー性フィルム単体として使用するケースにおいて、有効な構成である。
図3の(b)で示すガスバリアー性フィルム積層体(GF)は、ガスバリアー性フィルムユニットA(UA)及びガスバリアー性フィルムユニットB(UB)を構成している支持体(1A、2A)が、粘着剤層(3)に接している構成例を示している。このような構成のガスバリアー性フィルム積層体(GF)は、当該積層体の両面に、有機EL素子等を配置する構成においては有効である。
[粘着力の測定方法]
本発明においては、本発明に係る粘着剤層が、ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも1つに対し、粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内であることを特徴とし、さらに好ましくは、5〜18N/25mmの範囲内である。
本発明で規定する粘着力とは、JIS Z 0237:2009に準拠し、試料幅を25mmとし、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力をいう。
測定に用いる試験装置としては、引張試験装置が使用され、JIS B 7721に規定する引張試験機又はこれと同等の引張試験機を用いる。測定装置の容量は、測定値がその容量の15〜85%の範囲内に入るものを用いる。引張速度は5±0.2mm/sで、読み取り公差は、2%以下とする。測定値の表示方法としては、アナログ式、デジタル式等を用いることができる。
本発明においては、JIS Z 0237:2009の粘着テープ・粘着シート試験方法に記載されている引きはがし粘着力の測定の中で、90度粘着力の試験法に準拠し、下記の条件にて測定を行った。
・測定装置:株式会社イマダ製の下記装置を組み合せた引張り試験機を使用した。
ゲージ;ZP−50N
スラドテーブル;P90−200N
スタンド;MX2−500N
測定環境:23±1℃、相対湿度50±5%
《ガスバリアー性フィルム積層体の構成要素》
本発明のガスバリアー性フィルム積層体は、少なくとも、支持体とガスバリアー層により構成されるガスバリアー性フィルムユニットを2ユニット有し、当該2つのガスバリアー性フィルムユニットにより、粘着剤層を挟持した構成である。
[粘着剤層]
本発明に係る粘着剤層は、ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも1つに対し、JIS Z 0237:2009に準拠し、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内であることを特徴とし、さらに好ましくは、5〜18N/25mmの範囲内である。
本発明で規定する粘着剤層の粘着力が、3N/25mm未満であると、例えば、ガスバリアー性フィルム積層体のロール・ツー・ロール方式での製造工程において、搬送ロール上での屈曲や取扱い時の折り曲げを受けた際に、ガスバリアー性フィルムと粘着剤層間で、微細な空隙が発生しやすくなり、そのことでガスバリアー層に不均一に負荷がかかることで、局所的にストレスがかかり、薄膜のガスバリアー層はクラックが発生しやすくなる。
また、本発明で規定する粘着剤層の粘着力が、20N/25mmを超えると、逆に粘着力が高くなりすぎ、ガスバリアー性フィルムと粘着剤層は強固に粘着するが、ロール・ツー・ロール方式での製造工程で、搬送ロール上での屈曲や取扱い時の折り曲げを受けた際にかかるストレスを緩和する能力を粘着剤層で発現させることが難しくなり、薄膜で最もストレス耐性が低いガスバリアー層に応力が集中し、その結果、ガスバリアー層にクラックが発生、ガスバリアー性が大きく劣化する要因となる。
本発明に係る粘着剤層としては、その構成材料については、本発明で規定する粘着力を得ることができれば特に制限はないが、粘着剤層が感圧粘着剤層であることが好ましい形態である。
本発明に係る2つのガスバリアー性フィルムユニット同士を貼合させる粘着剤層を構成する材料としては、熱硬化性樹脂やUV照射により硬化して接着力が得られる硬化タイプの接着剤ではなく、感圧粘着剤を適用することが好ましい。
この感圧粘着剤は、凝集力と弾性を有し、また、長時間にわたり安定した粘着性を維持でき、粘着剤層形成時に、熱や有機溶媒等の要件を必要とせず、わずかな圧力だけで投錨効果も活用し、2つのガスバリアー性フィルムユニットを安定して接着できる。
ここでいう凝集力とは、粘着剤が内部破壊に耐えうる力に相当し、弾性とは、外部から力を加えられて、形や体積に変化を生じた物体が力を取り去ると再びもとの状態に回復する性質に相当する。
本発明において好適な感圧粘着剤の凝集力と弾性により、ガスバリアー性フィルム積層体自身に外部から応力(ストレス)がかかった際に、著しい応力緩和機能を発揮し、ガスバリアー性フィルム積層体に過度なストレスがかかることを防止し、ガスバリアー層の破壊等を防止することができる。
本発明に係る粘着剤層を構成する材料としては、透明性に優れる材料が使用される。粘着剤層を構成する粘着剤の構成成分としては、例えば、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、シリコン系樹脂などを挙げることができ、形態としては、溶剤型、エマルション型、ホットメルト型などがある。
また、粘着剤を構成する上記樹脂類の他に、粘着剤層の物性向上の観点から、各種添加剤、例えば、ロジン等の天然樹脂、変性ロジン、ロジンおよび変性ロジンの誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、芳香族系石油樹脂、フェノール系樹脂、アルキル−フェノール−アセチレン系樹脂、クマロン−インデン系樹脂、ビニルトルエン−α−メチルスチレン共重合体をはじめとする粘着付与剤、老化防止剤、安定剤、及び軟化剤等を必要に応じて添加できる。これらは必要に応じて2種以上併用することもできる。また、耐光性を上げるために、粘着剤にベンゾフェノン系あるいはベンゾトリアゾール系などの有機系紫外線吸収剤を添加することができる。
粘着剤層を形成する方法として、積層するいずれかのガスバリアー性フィルムユニットを構成する支持体面へ粘着剤を塗布し、必要により乾燥して粘着剤層を形成することができる。
この粘着剤の支持体上への塗布装置としては、リバースロールコーター、ナイフコーター、バーコーター、スロットダイコーター、エアナイフコーター、リバースグラビアコーター、バリオグラビアコーター等が使用される。粘着剤の塗布量は、厚すぎると粘着剤自身の高湿環境下での水分保持量が多くなりガスバリアー層へのガスバリアー性に悪影響を与えること、薄すぎると応力緩和能力が低くなることから、粘着剤層の層厚としては、10〜50μmの範囲内が好ましく、より好ましくは10〜40μmの範囲内であり、特に好ましくは、15〜30μmの範囲内である。
また、上下2つのセパレーターフィルムで粘着剤層を挟んで粘着剤フィルムを用いても良い。この場合、張力、圧力をパラメーターとしてガスバリアー性フィルムユニットに貼り合わせることができる。
加圧圧力としては、目的の粘着力が得られれば特に制約はないが、好ましくは、5〜600kPaの範囲内であり、より好ましくは面圧10〜500kPaで行うことが好ましい。加熱は特に制限なく必要に応じて行っても良いが、室温からガスバリアー性フィルムユニットを構成する支持体のTg以下の範囲内とすることが好ましい。
[ガスバリアー性フィルムユニット]
本発明のガスバリアー性フィルム積層体においては、粘着剤層を挟んで、両面に、少なくとも支持体とガスバリアー層より構成されるガスバリアー性フィルムユニットを2つ配置していることを特徴とする。
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットとしては、支持体上に、少なくとも1層のガスバリアー層を有している構成であればよいが、ガスバリアー層を2層以上の複数層を積層した構成であってもよい。本発明においては、ガスバリアー層を複数のガスバリアー層で構成し、複数のガスバリアー層が、ポリシラザン化合物を含有する組成物に真空紫外光(以下、VUV光ともいう。)を照射して形成されたガスバリアー層と、蒸着により形成されたガスバリアー層を、それぞれ少なくとも1層を有する構成であることが好ましい形態である。
〔支持体〕
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットを構成する支持体(以下、支持体ともいう。)としては、ガスバリアー性を有するガスバリアー層(2A、2B)を保持することができるものであれば、特に限定されるものではない。
本発明に適用可能な支持体としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN)、ポリカーボネート(略称:PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(略称:PVC)、ポリエチレン(略称:PE)、ポリプロピレン(略称:PP)、ポリスチレン(略称:PS)、ナイロン(略称:Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の各樹脂より構成されるフィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(製品名Sila−DEC、チッソ株式会社製)、さらには前記樹脂を2層以上積層して構成されるハイブリッド樹脂フィルム等を挙げることができる。
コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)等が好ましく用いられ、低リタデーションの観点からはシクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー及びポリカーボネート(PC)が好適に用いられる。また、光学的光透過性、耐熱性、ガスバリアー層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムを好ましく用いることができる。その他にも、耐熱支持体としてポリイミド等を用いることも好ましい。これは、耐熱性を有する支持体(例えば、Tg>200℃)を用いることにより、電子デバイスの製造工程において、200℃以上の温度での加熱処理が可能となり、電子デバイスの大面積化や電子デバイスの駆動効率向上のために必要な透明導電層、又は金属ナノ粒子によるパターン層の低抵抗化が可能となり、その結果、電子デバイスの初期特性を大幅に向上させることができる。また、支持体の厚さは、5〜500μm程度が好ましく、より好ましくは15〜250μmであり、特に好ましくは、薄膜のガスバリアー性フィルム積層体を得ることができる観点から、ガスバリアー性フィルムユニットを構成する少なくとも一つの支持体の厚さが、20〜50μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る支持体は、透明、すなわち、光透過性を有していることが好ましい。支持体が光透過性であり、支持体上に形成する構成層も光透過性を有していることにより、光透過性を有するガスバリアー性フィルム積層体とすることが可能となるため、有機EL素子等の透明基板として適用することも可能となるからである。
本発明でいう光透過性あるいは透明とは、波長550nmにおける光透過率が50%以上であることをいい、好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。
また、上記に挙げた樹脂材料等を用いた支持体は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
本発明に用いられる支持体は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を押し出し機により溶融し、環状ダイやTダイにより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の支持体を製造する溶融流延法や、材料となる樹脂を有機溶媒等に溶解したドープを調製した後、当該ドープを無端の金属ベルト状に流延、乾燥して未延伸の支持体を製造する溶液流延法等を適用することができる。
また、未延伸の支持体を、一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、支持体の搬送方向(縦軸、MD方向ともいう。)、または支持体の搬送方向と直角(横軸)の方向(幅手方向、TD方向)に延伸することにより延伸支持体を製造することができる。この場合の延伸倍率は、支持体の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ1.05〜10倍の範囲内が好ましい。
また、本発明に係る支持体においては、本発明に係るガスバリアー層を設ける側に、密着性向上のための公知の種々の処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、またはプラズマ処理や、後述する平滑層の積層等を行ってもよく、あるいは上記各処理を組み合わせて行うこともできる。
〔ガスバリアー層の形成〕
本発明に係るガスバリアー層の形成方法としては、反応性蒸着法、スパッタ法、化学気相体積法(CVD法)に代表される蒸着法と、ポリシラザンに真空紫外光を照射し、酸化ケイ素又は酸化窒化ケイ素に改質してガスバリアー層を形成する湿式の真空紫外光改質法が挙げられる。
(蒸着法によるガスバリアー層の形成)
〈反応性蒸着法〉
反応性蒸着法は、真空容器内に反応性ガスを導入し、蒸発源から蒸発した原子・分子を反応させて堆積させる方法であり、反応を促進させるためにプラズマ等の励起源を導入することもできる。代表的な原料として、蒸着源としては、珪素、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素など、反応性ガスとしては、窒素、水素、アンモニア、酸素などが用いられる。
〈スパッタ法〉
スパッタ法は、電界加速した高エネルギーイオンをターゲットに入射させ、ターゲットの構成原子をたたきだすスパッタリング現象を利用し、スパッタされたターゲットの構成原子を支持体に堆積させる方法である。反応性スパッタ法は、真空容器内に反応性ガスを導入し、スパッタされたターゲットの構成原子と反応させて、支持体に堆積させる方法である。代表的な原料として、ターゲット材には、珪素、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素など、反応性ガスとしては、窒素、水素、アンモニア、酸素などが用いられる。
〈化学気相堆積法〉
化学気相堆積法は、真空容器内に膜の構成元素を含む材料ガスを導入し、特定の励起源により材料ガスを励起することで、化学反応により励起種を形成し、支持体に堆積させる方法である。代表的な原料として、モノシラン、ヘキサメチルジシラザン、テトラエトキシシラン、アンモニア、窒素、水素、酸素などが用いられる。
化学気相堆積法は、高速製膜が可能であり、スパッタ法等に比べ支持体に対する被覆性が良好であることから、有効なガスバリアー層形成方法である。特に、非常に高温の触媒体を励起源とした触媒化学気相堆積(Cat−CVD)法や、プラズマを励起源としたプラズマ化学気相堆積(プラズマCVD)法が好ましい方法である。以下、これらの方法について詳しく説明する。
〈Cat−CVD法〉
Cat−CVD法とは、タングステン等より構成されるワイヤーを内部に配した真空容器に材料ガスを流入させ、電源により通電加熱されたワイヤーで材料ガス接触分解反応させ、生成された反応種を支持体に堆積させる方法である。
例えば、窒化シリコンを堆積させる場合、材料ガスとしては、モノシラン、アンモニア、水素が使われる。酸窒化シリコンを堆積させる場合は、上記の材料ガスに加え、酸素を添加する。条件例としては、触媒体であるタングステンワイヤー(例:φ0.5、長さ2.8m)を1800℃に通電加熱させ、材料ガスとして、モノシラン、アンモニア、水素(4/200/200sccm)を流通させ、圧力を10Paに維持して、100℃に温調した支持体上に膜を堆積させる。触媒体上での分解反応で生成される反応種のうち、主な堆積種はSiH とNH であり、Hは膜表面での反応補助種である。特に水素を添加することで、多量のHを生成でき、堆積速度は減少するものの、膜中のSi−H結合やN−H結合に由来するHを除去する反応を促進すると考えられている。
〈プラズマCVD法〉
プラズマCVD法は、プラズマ源を搭載した真空容器に材料ガスを流入させ、電源からプラズマ源に電力供給することで、真空容器内に放電プラズマを発生させ、プラズマで材料ガスを分解反応させ、生成された反応種を支持体上に堆積させる方法である。プラズマ源の方式としては、平行平板電極を用いた容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ、表面波を利用したマイクロ波励起プラズマ、ロール電源を用いたプラズマCVD装置等が使われる。
図4は、本発明のガスバリアーフィルム積層体の製造において好適に利用することができる磁場を印加した一対のローラーを有する放電プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。
図4に示す磁場を印加したローラー間放電プラズマCVD装置(31、以下、プラズマCVD装置ともいう。)は、主には、送り出しローラー(32)と、搬送ローラー(33、34、35及び36)と、成膜ローラー(39及び40)と、成膜ガス供給管(41)と、プラズマ発生用電源(42)と、成膜ローラー(39及び40)の内部に設置された磁場発生装置(43及び44)と、巻取りローラー(45)とを備えている。また、このようなプラズマCVD装置(31)においては、少なくとも成膜ローラー(39及び40)と、成膜ガス供給管(41)と、プラズマ発生用電源(42)と、磁場発生装置(43及び44)とが、真空のチャンバー(C)内に配置されている。更に、このようなプラズマCVD装置(31)において、チャンバー(C)は、真空ポンプ(17)に接続されており、この真空ポンプ(17)によりチャンバー(C)内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
このようなプラズマCVD装置においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、各成膜ローラーがそれぞれプラズマ発生用電源(42)に接続されている。一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)に、プラズマ発生用電源(42)より電力を供給することにより、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)との間の空間に放電することが可能となり、これにより成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)との間の空間(放電空間ともいう。)にプラズマを発生させることができる。なお、このように、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)を電極として利用することになるため、電極として利用可能な材質や設計を適宜変更すればよい。また、このようなプラズマCVD装置(31)においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39及び40)は、その中心軸が同一平面上において略平行となるようにして配置することが好ましい。このようにして、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39及び40)を配置することにより、成膜レートを倍にできる。
また、成膜ローラー(39)及び成膜ローラー(40)の内部には、成膜ローラーが回転しても回転しないようにして固定された磁場発生装置(43及び44)がそれぞれ設けられている。
〈1〉原料ガス
プラズマCVD法による本発明に係るガスバリアー層の形成において、成膜に用いるガスを構成する原料ガスとしては、少なくともケイ素を含有する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
本発明に適用可能な有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、成膜での取り扱い及び得られるガスバリアー層のガスバリアー性等の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記成膜ガスは、原料ガスの他に反応ガスとして、酸素ガスを含有することを特徴とする。酸素ガスは、前記原料ガスと反応して酸化物等の無機化合物となるガスである。
前記成膜ガスとしては、前記原料ガスをチャンバー内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いてもよい。さらに、前記成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや水素ガスを用いることができる。
〈2〉真空度
チャンバー(C)内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5Pa〜100Paの範囲とすることが好ましい。
〔ポリシラザンの改質処理によるガスバリアー層の形成〕
本発明に係るガスバリアー層として、ポリシラザンを含有するポリシラザン層形成用塗布液を塗布、乾燥して前駆体層を形成した後、当該ポリシラザン含有層に真空紫外光による改質処理を施してガスバリアー層を形成する方法(以下、真空紫外光改質処理法ともいう。)も好ましく用いることができる。
本発明におけるポリシラザンの改質処理とは、ポリシラザン化合物の一部または全部が、酸化珪素または酸化窒化珪素への転化する反応をいう。
この改質処理は、ポリシラザンの転化反応に基づく公知の方法を選ぶことができる。ポリシラザン化合物の置換反応による酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜の形成には450℃以上の高温が必要であり、樹脂フィルムを支持体1に用いたフレキシブル基板においては、適応が難しい。従って、本発明のガスバリアーフィルムを作製するに際しては、プラスチック基板への適応という観点から、より低温で、転化反応が可能な紫外光を使う転化反応が好ましい。
本発明におけるガスバリアーフィルムの製造方法において、水分が取り除かれたポリシラザン塗膜は紫外光照射による処理で改質される。紫外線(紫外光と同義)によって生成されるオゾンや活性酸素原子は高い酸化能力を有しており、低温で高い緻密性と絶縁性を有する酸化珪素膜または酸化窒化珪素膜を形成することが可能である。
この紫外光照射により、セラミックス化に寄与するOとHOや、紫外線吸収剤、ポリシラザン自身が励起、活性化される。そして、励起したポリシラザンのセラミックス化が促進され、得られるセラミックス膜が緻密になる。紫外光照射は、塗膜形成後であればいずれの時点で実施しても有効である。
本発明での真空紫外光照射処理には、常用されているいずれの紫外線発生装置を使用することが可能である。なお、本発明でいう紫外光とは、一般には、真空紫外光とよばれる10〜200nmの波長を有する電磁波を含む紫外光をいう。
真空紫外光の照射は、照射される改質前のポリシラザン層を担持している支持体1がダメージを受けない範囲で、照射強度や照射時間を設定することが好ましい。
支持体としてプラスチックフィルムを用いた場合を例にとると、例えば、2kW(80W/cm×25cm)のランプを用い、支持体表面の強度が20〜300mW/cm、好ましくは50〜200mW/cmになるように支持体−紫外線照射ランプ間の距離を設定し、0.1秒〜10分間の照射を行うことができる。
一般に、紫外線照射処理時の支持体温度が150℃以上になると、プラスチックフィルム等の場合には、支持体が変形したりその強度が劣化したりするなど、支持体の特性が損なわれることになる。しかしながら、ポリイミド等の耐熱性の高いフィルムなどの場合には、より高温での改質処理が可能である。従って、この紫外線照射時の支持体温度としては、一般的な上限はなく、支持体の種類によって当業者が適宜設定することができる。また、紫外線照射雰囲気に特に制限はなく、空気中で実施すればよい。
このような紫外線の発生手段としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、エキシマランプ、UV光レーザー等が挙げられるが、特に限定されない。また、発生させた紫外線を改質前のポリシラザン層に照射する際には、効率向上と均一な照射を達成する観点から、発生源からの紫外線を反射板で反射させてから改質前のポリシラザン層に当てることが望ましい。
紫外線照射は、バッチ処理にも連続処理にも適合可能であり、使用する支持体の形状によって適宜選定することができる。ポリシラザン改質層を有する支持体1が長尺フィルム状である場合には、これを搬送させながら上記のような紫外線発生源を具備した乾燥ゾーンで連続的に紫外線を照射することによりセラミックス化することができる。紫外線照射に要する時間は、使用する支持体やポリシラザン改質層の組成、濃度にもよるが、一般に0.1秒〜10分であり、好ましくは0.5秒〜3分である。
また、真空紫外光(VUV)を照射する際の、酸素濃度は300〜10000ppm(1%)とすることが好ましく、更に好ましくは、500〜5000ppmである。このような酸素濃度の範囲に調整することにより、酸素過多のガスバリアー層の生成を防止してバリア性の劣化を防止することができる。
真空紫外光(VUV)照射時にこれら酸素以外のガスとしては乾燥不活性ガスを用いることが好ましく、特にコストの観点から乾燥窒素ガスにすることが好ましい。
酸素濃度の調整は照射庫内へ導入する酸素ガス、不活性ガスの流量を計測し、流量比を変えることで調整可能である。
具体的に、本発明における改質前のポリシラザン層の改質処理方法は、真空紫外光照射による処理である。真空紫外光照射による処理は、ポリシラザン化合物内の原子間結合力より大きい100〜200nmの光エネルギーを用い、好ましくは100〜180nmの波長の光のエネルギーを用い、原子の結合を光量子プロセスと呼ばれる光子のみの作用により、直接切断しながら活性酸素やオゾンによる酸化反応を進行させることで、比較的低温で酸化珪素膜の形成を行う方法である。これに必要な真空紫外光源としては、希ガスエキシマランプが好ましく用いられる。
本発明における真空紫外光照射工程において、ポリシラザン層塗膜が受ける塗膜面での該真空紫外光の照度は、30〜200mW/cmであることがより好ましく、50〜160mW/cmであるとさらに好ましい。30mW/cm以上であれば、改質効率を十分に発現させることができ、200mW/cm以下であれば、塗膜にアブレーションを生じたり、支持体にダメージを与えたりする問題を防止することができる。
ポリシラザン層塗膜面における真空紫外光の照射エネルギー量は、10〜30000mJ/cmが好ましく、100〜15000mJ/cmであるとより好ましく、200〜12000mJ/cmであるとさらに好ましい。10mJ/cm以上であれば、改質効果として十分であり、30000mJ/cm以下であれば、クラック発生や支持体の熱変形等の発生を抑制することができる。
エキシマ発光を得るには、誘電体バリアー放電を用いる方法が知られている。誘電体バリアー放電とは、両電極間に誘電体(エキシマランプの場合は透明石英)を介してガス空間を配し、電極に数10kHzの高周波高電圧を印加することによりガス空間に生じる雷に似た非常に細いマイクロ・ディスチャージと呼ばれる放電である。
また、効率よくエキシマ発光を得る方法としては、誘電体バリアー放電以外には無電極電界放電も知られている。無電極電界放電とは、容量性結合による放電であり、別名RF放電とも呼ばれる。ランプと電極及びその配置は、基本的には誘電体バリアー放電と同じでよいが、両極間に印加される高周波は数MHzで点灯される。無電極電界放電はこのように空間的にまた時間的に一様な放電が得られる。
そして、Xeエキシマランプは、波長の短い172nmの紫外線を単一波長で放射することから発光効率に優れている。この光は、酸素の吸収係数が大きいため、微量な酸素でラジカルな酸素原子種やオゾンを高濃度で発生することができる。また、有機物の結合を解離させる波長の短い172nmの光のエネルギーは能力が高いことが知られている。この活性酸素やオゾンと紫外線放射が持つ高いエネルギーによって、短時間でポリシラザン膜の改質を実現できる。従って、波長185nm、254nmの発する低圧水銀ランプやプラズマ洗浄と比べて高スループットに伴うプロセス時間の短縮や設備面積の縮小、熱によるダメージを受けやすい有機材料やプラスチック基板、樹脂フィルム等への照射を可能としている。
また、エキシマランプは光の発生効率が高いため、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、光による温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域で単一波長のエネルギーを照射するため、照射対象物の表面温度の上昇が抑えられる特徴を有する。このため、熱の影響を受けやすいとされるポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを支持体とするガスバリアーフィルムへの照射に適している。
本発明において、ガスバリアー層は、ポリシラザン化合物を含有するガスバリアー層形成用塗布液を塗布することにより形成される。
塗布方法としては、任意の適切な湿式塗布方法を適用することができ、例えば、ローラーコート法、フローコート法、インクジェット法、スプレーコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等が挙げられる。
塗膜の厚さは、ガスバリアーフィルムの使用目的に応じて設定することができ、特に制限はないが、例えば、塗膜の厚さは、乾燥後の厚さとして好ましくは0.01〜1μmの範囲内であり、更に好ましくは20〜600nmの範囲内であり、最も好ましくは40〜400nmの範囲内である。
本発明で好ましく用いられる「ポリシラザン化合物」とは、構造内にケイ素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。
フィルム支持体を損なわないように塗布するためには、特開平8−112879号公報に記載されているように、比較的低温でSiOに変性するポリシラザン化合物が好ましい。
このようなポリシラザン化合物としては、下記の構造を有するものが好ましく用いられる。
−Si(R)(R)−N(R)−
式中、R、R、Rは、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アルコキシ基を表す。
本発明では、得られるガスバリアー層の、膜としての緻密性の観点からは、R、R及びRのすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(略称:PHPS)が特に好ましい。
一方、そのSiと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンは、メチル基等のアルキル基を有することにより、下地支持体との接着性が改善され、かつ硬くてもろいポリシラザンによるセラミク膜に靭性を持たせることができ、より膜厚を厚くした場合でもクラックの発生が抑えられる利点がある。
用途に応じて適宜、これらパーヒドロポリシラザンとオルガノポリシラザンを選択してよく、混合して使用することもできる。
パーヒドロポリシラザンは、直鎖構造と6員環又は8員環を中心とする環構造とが共存した構造を有していると推定されている。
ポリシラザンの分子量は数平均分子量(Mn)で約600〜2000程度(ポリスチレン換算)であり、液体又は固体の物質であり、分子量により異なる。
これらのポリシラザンは有機溶媒に溶解した溶液状態で市販されており、市販品をそのままポリシラザン含有塗布液として使用することができる。
低温でセラミック化するポリシラザン化合物の他の例としては、上記ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(特開平7−196986号公報)等が挙げられる。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液を調製する有機溶媒としては、ポリシラザンと容易に反応してしまうようなアルコール系や水分を含有するものを用いることは避けることが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。
具体的には、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ、ターベン等の炭化水素、塩化メチレン、トリクロロエタン等のハロゲン炭化水素、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度等、目的にあわせて選択し、複数の有機溶剤を混合しても良い。
ポリシラザン化合物含有塗布液におけるポリシラザン化合物の濃度は、目的とする第2のガスバリアー層の膜厚や塗布液のポットライフによっても異なるが、0.2〜35質量%程度である。
当該塗布液には、酸化ケイ素化合物への変性を促進するために、アミンや金属の触媒を添加することもできる。具体的には、AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製のアクアミカNAX120−20、NN110、NN310、NN320、NL110A、NL120A、NL150A、NP110、NP140、SP140などが挙げられる。
これらの触媒の添加量は、触媒による過剰なシラノール形成、及び膜密度の低下、膜欠陥の増大のなどを避けるため、ポリシラザン化合物に対して、2質量%以下に調整することが好ましい。
ポリシラザン化合物を含有する塗布液には、ポリシラザン化合物以外にも無機前駆体化合物を含有させることができる。ポリシラザン化合物以外の無機前駆体化合物としては、塗布液の調製が可能であれば特に限定はされないが、例えば、国際公開第2012/090644号の段落番号(0140)〜(0142)、国際公開第2013/002026号の段落番号(0112)〜(0114)、特開2015−33764号公報の段落番号(0072)〜(0074)等に記載のケイ素を含有する化合物やポリシルセスキオキサン等を挙げることができる。
(真空紫外光照射工程)
本発明に係るガスバリアー層は、ポリシラザン化合物を含む塗膜に真空紫外光を照射する工程において、ポリシラザンの少なくとも一部が改質されることで、層全体としてSiOの組成で示される酸化窒化ケイ素を含むガスバリアー層が形成される。
真空紫外光照射工程の詳細については、例えば、国際公開第2012/090644号の段落番号(0144)〜(0155)、国際公開第2013/002026号の段落番号(0117)〜(0134)、特開2015−33764号公報の段落番号(0102)〜(0136)等に記載されている条件を適宜選択して採用することができる。
(真空紫外光による改質処理装置)
次いで、真空紫外光による改質処理装置を用いたガスバリアー層の形成方法について、図を交えて説明する。
図5は、本発明に係るガスバリアー層の形成に適用可能な真空紫外光照射装置の一例を示す概略断面図である。
図5に示す真空紫外光照射装置(100)において、101は装置チャンバーであり、図示しないガス供給口から内部に窒素と酸素とを適量供給し、図示しないガス排出口から排気することで、チャンバー内部から実質的に水蒸気を除去し、酸素濃度を所定の濃度に維持することができる。102は172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプ、103は外部電極を兼ねるエキシマランプのホルダーである。104は試料ステージである。試料ステージ(104)は、図示しない移動手段により装置チャンバー(101)内を水平に所定の速度で往復移動することができる。また、試料ステージ(104)は図示しない加熱手段により、所定の温度に維持することができる。105はポリシラザン塗布層が形成された試料である。試料ステージが水平移動する際、試料の塗布層表面と、エキシマランプ管面との最短距離が3mmとなるように試料ステージの高さが調整されている。106は遮光板であり、Xeエキシマランプ(102)のエージング中に試料の塗布層に真空紫外光が照射されないようにしている。
真空紫外線照射工程で、試料塗布層表面に照射されるエネルギーは、浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025UVPOWERMETERを用い、172nmのセンサヘッドを用いて測定することができる。測定に際しては、Xeエキシマランプ管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるようにセンサヘッドを試料ステージ104中央に設置し、かつ、装置チャンバー(101)内の雰囲気が、真空紫外線照射工程と同一の酸素濃度となるように窒素と酸素とを供給し、試料ステージ(104)を0.5m/minの速度で移動させて測定を行う。測定に先立ち、Xeエキシマランプ(102)の照度を安定させるため、Xeエキシマランプ点灯後に10分間のエージング時間を設け、その後試料ステージを移動させて測定を開始することが好ましい。
上記の方法より形成される本発明に係るガスバリアー層のガスバリアー性としては、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(略称:WVTR、温度:38℃、相対湿度(RH):100%)が、1.0g/(m・24h)以下であることが好ましく、0.1g/(m・24h)以下であることがより好ましく、0.01g/(m・24h)以下であることがさらに好ましい。
[ガスバリアー性フィルムユニットのその他の構成層]
本発明係るガスバリアー性フィルムユニットには、上記説明した支持体及びガスバリアー層の他に、必要に応じて各種機能層を設けることができる。
〔帯電防止層〕
帯電防止剤を含む帯電防止層は、ガスバリアー性フィルム積層体の取扱時に、支持体が帯電するのを防ぐ機能を付与することができる。
具体的には、イオン導電性物質等を含有する層を設けることによって帯電防止を図ることができる。ここでいうイオン導電性物質とは、電気伝導性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質のことであるが、例えば、イオン性高分子化合物を挙げることができる。
イオン性高分子化合物としては、特公昭49−23828号公報、特公昭49−23827号公報、特公昭47−28937号公報等に開示されているようなアニオン性高分子化合物;特公昭55−734号公報、特開昭50−54672号公報、特公昭59−14735号公報、特公昭57−18175号公報、特公昭57−18176号公報、特公昭57−56059号公報等に開示されている、主鎖中に解離基を持つアイオネン型ポリマー;特公昭53−13223公報号、特公昭57−15376号公報、特公昭53−45231号公報、特公昭55−145783号公報、特公昭55−65950号公報、特公昭55−67746号公報、特公昭57−11342号公報、特公昭57−19735号公報、特公昭58−56858号公報、特開昭61−27853号公報、特公昭62−9346号公報等に開示されているような、側鎖中にカチオン性解離基を持つカチオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることができる。
導電性物質としは、特開平9−203810号公報に記載されているようなアイオネン導電性ポリマー、又は分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導電性ポリマー粒子などを挙げることができる。
また、分散性粒状ポリマーとしての架橋型カチオン性導電性ポリマーは、粒子内にカチオン成分を高濃度、高密度に持たせることができるため、優れた導電性を有しているばかりでなく、低相対湿度下においても導電性の劣化は見られない。
また、帯電防止剤として、導電性微粒子である金属酸化物を挙げることができ、例えば、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、V等、又はこれらの複合酸化物が好ましく、特に、ZnO、TiO及びSnOが好ましい。異種原子を含む例としては、例えば、ZnOに対してはAl、In等の添加、TiOに対してはNb、Ta等の添加、又はSnOに対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効果的である。これら異種原子の添加量は、帯電防止層全質量に対し、0.01〜25mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の範囲が特に好ましい。
また、これらの導電性を有する金属酸化物粉体の体積抵抗率は1×10Ωcm以下、特に1×10Ωcm以下であって、一次粒子サイズが100Å〜0.2μmで、高次構造の長径が30nm〜6μmである特定の構造を有する粉体を帯電防止層中に体積分率で0.01〜20%含んでいることが好ましい。
ここで帯電防止剤を保持するために使用される樹脂は、例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートフタレート、またはセルロースナイトレート等のセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、またはコポリブチレン/テレ/イソフタレート等のポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、またはポリビニルベンザール等のポリビニルアルコール誘導体、ノルボルネン化合物を含有するノルボルネン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリプロピルチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂もしくはアクリル樹脂とその他樹脂との共重合体を用いることができるが特にこれらに限定されるものではない。この中ではセルロース誘導体或いはアクリル樹脂が好ましく、さらにアクリル樹脂が最も好ましく用いられる。
帯電防止層の形成に用いられる樹脂としては、重量平均分子量が40万を超え、ガラス転移点が80〜110℃である前述の熱可塑性樹脂が光学特性および塗布層の面品質の点で好ましい。
ガラス転移点は、JIS K 7121に記載の方法にて求めることができる。ここで使用する上記樹脂は、帯電防止層で使用している樹脂全体の60質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上であり、必要に応じて活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂を添加することもでき10る。
これらの樹脂は、帯電防止層を形成するバインダーとして、適当な溶媒に溶解した状態で塗設される。
帯電防止層を塗設するための塗布組成物には、溶媒として、炭化水素、アルコール類、ケトン類、エステル類、グリコールエーテル類などを適宜混合して使用することができるが、溶剤は特にこれらに限定されるものではない。
上記炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられ、アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール等が挙げられ、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等が挙げられ、エステル類としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル、乳酸エチル、乳酸メチル等が挙げられ、グリコールエーテル(C1〜C4)類としては、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、またはプロピレングリコールモノ(C1〜C4)アルキルエーテルエステル類としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、その他の溶媒として、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。特にこれらに限定されるものではないが、これらを適宜混合した溶媒も好ましく用いられる。
本発明において、帯電防止層形成用塗布液を塗布する方法として、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、ロールコート、グラビアコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、カーテンコート、押し出しコート、又は米国特許第2681294号明細書に記載のホッパーを使用するエクストルージョンコート方法等が挙げられる。これらの方法を適宜用いることにより、乾燥膜厚が好ましくは0.1〜20μm、より好ましくは0.2〜5μmとなるように塗布して、帯電防止層を形成することができる。
〔クリアハードコート層〕
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットにおいては、支持体とガスバリアー層との間、あるいは支持体と、上記記載の帯電防止層の間にクリアハードコート層を設けることができる。
クリアハードコート層としては、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化型樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。中でも、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
熱硬化型樹脂としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、平均して1分子あたり2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これらエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物又は水素添加物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、紫外線、電子線等の活性線の照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等が代表的なものとして挙げられ、中でも紫外線硬化型樹脂が好ましい。
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
なお、クリアハードコート層のその他の詳細については、例えば、特開2015−33764号公報の段落番号(0230)〜(0246)等に記載されている条件を適宜選択して採用することができる。
〔ブリードアウト防止層〕
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットにおいては、ガスバリアー層を設ける面とは反対側の支持体面にブリードアウト防止層を設けてもよい。
ブリードアウト防止層は、フィルムを加熱した際に、フィルム中から未反応のオリゴマー等が表面へ移行して、接触する面を汚染してしまう現象を抑制する目的で、設けられる。
ブリードアウト防止層に、ハードコート剤として含ませることが可能な重合性不飽和基を有する不飽和有機化合物としては、分子中に2個以上の重合性不飽和基を有する多価不飽和有機化合物又は分子中に一個の重合性不飽和基を有する単価不飽和有機化合物等を挙げることができる。
その他の添加剤として、マット剤を含有してもよい。マット剤としては平均粒子径が0.1〜5μm程度の無機粒子が好ましい。このような無機粒子としては、シリカ、アルミナ、タルク、クレイ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化ジルコニウム等の一種又は二種以上を併せて使用することができる。
ここで無機粒子からなるマット剤は、ハードコート剤の固形分100質量部に対して2質量部以上、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上、20質量部以下、好ましくは18質量部以下、より好ましくは16質量部以下の割合で混合されていることが望ましい。
また、ブリードアウト防止層は、ハードコート剤及びマット剤の他の成分として熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂、光重合開始剤等を含有させてもよい。
以上のようなブリードアウト防止層は、ハードコート剤、マット剤、及び必要に応じて他の成分を配合して、適宜必要に応じて用いる希釈溶剤によって塗布液として調製し、当該塗布液を支持体フィルム表面に従来公知の塗布方法によって塗布した後、電離放射線を照射して硬化させることにより形成することができる。
なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する、又は走査型やカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm以下の波長領域の電子線を照射することにより行うことができる。
ブリードアウト防止層の厚さとしては、フィルムの耐熱性を向上させ、フィルムの光学特性のバランス調整を容易にし、かつ、ガスバリアー性フィルムのカールを調整する観点から、1.0〜10μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは、2μm〜7μmの範囲にすることが好ましい。
ブリードアウト防止層の詳細な構成については、例えば、特開2015−33764号公報の段落番号(0247)〜(0261)等に記載されている内容を参照することができる。
《ガスバリアー性フィルムユニットの特性値の測定方法》
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットの特性値は、下記の方法に従って測定することができる。
〔水蒸気透過率の測定〕
ガスバリアー性フィルムの水蒸気透過率は、JIS K 7129(1992年)に記載のB法に従って測定することができる。その具体的な方法としては、例えば、カップ法、乾湿センサー法(Lassy法)、赤外線センサー法(mocon法)が代表として挙げられるが、ガスバリアー性が向上するに伴って、これらの方法では測定限界に達する場合があり、以下に示す方法も提案されている。
〈上記以外の水蒸気透過率測定方法〉
1.Ca法
ガスバリアー性フィルムに金属Caを蒸着し、該フィルムを透過した水分で金属Caが腐食される現象を利用する方法。腐食面積とそこに到達する時間から水蒸気透過率を算出する。
2.(株)MORESCOの提案する方法(平成21年12月8日NewsRelease)大気圧下の試料空間と超高真空中の質量分析計の間で水蒸気の冷却トラップを介して受け渡す方法。
3.HTO法(米GeneralAtomics社)三重水素を用いて水蒸気透過率を算出する方法。
4.A−Star(シンガポール)の提案する方法(国際公開第2005/95924号)水蒸気または酸素により電気抵抗が変化する材料(例えば、Ca、Mg)をセンサーに用いて、電気抵抗変化とそれに内在する1/f揺らぎ成分から水蒸気透過率を算出する方法。
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットにおいては、水蒸気透過率の測定方法としては、特に限定するところではないが、本発明においては水蒸気透過率測定方法として、下記Ca法による測定することが好ましい。
〈Ca法による水蒸気透過率の測定〉
蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:YamatoHumidicChamberIG47M
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
水蒸気バリアー性評価用セルの作製
ガスバリアー性フィルム試料のガスバリアー層面に、真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、透明導電膜を付ける前のバリアー性フィルム試料の蒸着させたい部分(12mm×12mmを9箇所)以外をマスクし、金属カルシウムを蒸着させる。その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムをもう一つの金属蒸着源から蒸着させた。アルミニウム封止後、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下で、厚さ0.2mmの石英ガラスに封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス製)を介してアルミニウム封止側と対面させ、紫外線を照射することで、評価用セルを作製する。また、屈曲前後のガスバリアー性の変化を確認するために、上記屈曲の処理を行わなかったバリアー性フィルムについても同様に、水蒸気バリアー性評価用セルを作製する。
得られた両面を封止した試料を85℃、85%RHの高温高湿下で保存し、特開2005−283561号公報に記載の方法に基づき、金属カルシウムの腐食量からセル内に透過した水分量を計算する。
なお、ガスバリアー性フィルム面以外からの水蒸気の透過がないことを確認するために、比較試料としてガスバリアー性フィルム試料の代わりに、厚さ0.2mmの石英ガラス板を用いて金属カルシウムを蒸着した試料を、同様な85℃、85%RHの高温高湿下保存を行い、3000時間経過後でも金属カルシウム腐食が発生しないことを確認する。
本発明に係るガスバリアー性フィルムユニットの水蒸気透過率は、低いほど好ましいが、例えば、0.001〜0.00001g/m・24hであることが好ましく、0.0001〜0.000001g/m・24hであることがより好ましい。
《電子デバイス》
本発明の電子デバイスは、上記本発明のガスバリアー性フィルム積層体を具備することを特徴とする。
本発明に係るガスバリアー性フィルム積層体は、空気中の化学成分(酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等)によって性能が劣化する電子デバイスに好ましく用いることができる。
電子デバイスの例としては、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスタ、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等の電子デバイスを挙げることができる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、有機EL素子又は太陽電池に好ましく用いられ、有機EL素子に特に好ましく用いられる。
本発明のガスバリアー性フィルム積層体は、また、デバイスの膜封止に用いることができる。すなわち、デバイス自体を支持体として、その表面に本発明のガスバリアー性フィルムを設ける方法である。ガスバリアー性フィルムを設ける前にデバイスを保護層で覆ってもよい。
本発明のガスバリアー性フィルムは、デバイスの基板や固体封止法による封止のためのフィルムとしても用いることができる。固体封止法とは、デバイスの上に保護層を形成した後、接着剤層、ガスバリアー性フィルムを重ねて硬化する方法である。接着剤は特に制限はないが、熱硬化性エポキシ樹脂、光硬化性アクリレート樹脂等が例示される。
〔有機EL素子〕
本発明のガスバリアー性フィルム積層体は、有機EL素子に適用することができ、本発明に適用可能な有機EL素子の概要については、例えば、特開2013−157634号公報、特開2013−168552号公報、特開2013−177361号公報、特開2013−187211号公報、特開2013−191644号公報、特開2013−191804号公報、特開2013−225678号公報、特開2013−235994号公報、特開2013−243234号公報、特開2013−243236号公報、特開2013−242366号公報、特開2013−243371号公報、特開2013−245179号公報、特開2014−003249号公報、特開2014−003299号公報、特開2014−013910号公報、特開2014−017493号公報、特開2014−017494号公報等に記載されている構成を挙げることができる。
(液晶表示素子)
反射型液晶表示装置は、下から順に、下基板、反射電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、透明電極、上基板、λ/4板、そして偏光膜からなる構成を有する。本発明のガスバリアーフィルムは、前記透明電極基板および上基板として使用することができる。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を反射電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。透過型液晶表示装置は、下から順に、バックライト、偏光板、λ/4板、下透明電極、下配向膜、液晶層、上配向膜、上透明電極、上基板、λ/4板および偏光膜からなる構成を有する。カラー表示の場合には、さらにカラーフィルター層を下透明電極と下配向膜との間、または上配向膜と透明電極との間に設けることが好ましい。液晶セルの種類は特に限定されないが、より好ましくはTN型(Twisted Nematic)、STN型(Super Twisted Nematic)またはHAN型(Hybrid Aligned Nematic)、VA型(Vertically Alignment)、ECB型(Electrically Controlled Birefringence)、OCB型(Optically Compensated Bend)、IPS型(In−Plane Switching)、CPA型(Continuous Pinwheel Alignment)であることが好ましい。
(太陽電池)
本発明のガスバリアーフィルムは、太陽電池素子の封止フィルムとしても用いることができる。ここで、本発明のガスバリアーフィルムは、ガスバリアー層が太陽電池素子に近い側となるように封止することが好ましい。本発明のガスバリアーフィルムが好ましく用いられる太陽電池素子としては、特に制限はないが、例えば、単結晶シリコン系太陽電池素子、多結晶シリコン系太陽電池素子、シングル接合型、またはタンデム構造型等で構成されるアモルファスシリコン系太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等のIII−V族化合物半導体太陽電池素子、カドミウムテルル(CdTe)等のII−VI族化合物半導体太陽電池素子、銅/インジウム/セレン系(CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子、色素増感型太陽電池素子、有機太陽電池素子等が挙げられる。中でも、本発明においては、上記太陽電池素子が、銅/インジウム/セレン系(CIS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン系(CIGS系)、銅/インジウム/ガリウム/セレン/硫黄系(CIGSS系)等のI−III−VI族化合物半導体太陽電池素子であることが好ましい。
(その他)
その他の適用例としては、特表平10−512104号公報に記載の薄膜トランジスタ、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
《ガスバリアー性フィルム積層体の作製》
[ガスバリアー性フィルム積層体1の作製]
〔ガスバリアー性フィルムユニットUA1の作製〕
両面ハードコート層(中間層)付き透明樹脂支持体(1A、きもと社製 クリアハードコート層(CHC)付ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ハードコート層はアクリル樹脂を主成分としたUV硬化樹脂より構成、PETの厚さ125μm)上に、下記の方法に従って、ガスバリアー層1〜5を積層して、ガスバリアー性フィルムユニットUA1を作製した。
(ガスバリアー層1の形成:真空紫外光改質処理法)
下記の方法に従って、真空紫外光改質処理法によりガスバリアー層1を形成した。
〈ポリシラザン含有塗布液1の調製〉
無触媒のパーヒドロポリシラザンを20質量%含むジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、NN120−20)と、アミン触媒を含むパーヒドロポリシラザン20質量%のジブチルエーテル溶液(AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製、NAX120−20)とを、4:1の割合で混合し、更にジブチルエーテル溶媒で、塗布液の固形分が5質量%になるように希釈調整して、ポリシラザン含有塗布液1を調製した。
〈ガスバリアー層の形成〉
スロットダイコーターにて、上記支持体上に、上記調製したポリシラザン含有塗布液1を、乾燥後の層厚が110nmになるように塗布し、80度加熱処理を行い、ポリシラザン塗膜を形成した。
次いで、ポリシラザン塗膜を形成した後、下記の方法に従って、真空紫外光(エム・ディ・コム製エキシマ照射装置MODEL:MECL−M−1−200、波長172nm、ステージ温度100℃、積算光量3000mJ/cm、酸素濃度0.1%)を照射してガスバリアー層1を形成した。
〈真空紫外線照射条件〉
真空紫外線照射は、図5に断面模式図で示した装置を用いて行った。
図5に示す真空紫外光照射装置(100)において、101は装置チャンバーであり、図示しないガス供給口から内部に窒素と酸素とを適量供給し、図示しないガス排出口から排気することで、チャンバー内部から実質的に水蒸気を除去し、酸素濃度を所定の濃度に維持した。102は172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプ、103は外部電極を兼ねるエキシマランプのホルダーである。104は試料ステージである。試料ステージ104は、図示しない移動手段により装置チャンバー101内を水平に所定の速度で往復移動した。また、試料ステージ104は図示しない加熱手段により、100℃に維持した。105はポリシラザン塗布が形成された試料である。試料ステージが水平移動する際、試料の塗布層表面と、エキシマランプ管面との最短距離が3mmとなるように試料ステージの高さを調整した。
真空紫外線照射工程で、試料塗布層表面に照射されるエネルギーは、浜松ホトニクス社製の紫外線積算光量計:C8026/H8025UVPOWERMETERを用い、172nmのセンサヘッドを用いて測定した。測定に際しては、Xeエキシマランプ管面とセンサヘッドの測定面との最短距離が、3mmとなるようにセンサヘッドを試料ステージ104中央に設置し、かつ、装置チャンバー101内の雰囲気が、真空紫外線照射工程と同一の酸素濃度となるように窒素と酸素とを供給し、試料ステージ104を0.5m/minの速度で移動させて測定を行った。
この測定で得られた照射エネルギーを元に、試料ステージの移動速度を調整することで
3000mJ/cm2の照射エネルギーとなるように調整した。尚、真空紫外線照射に際しては、照射エネルギー測定時と同様に、10分間のエージング後に行った。
(ガスバリアー層2の形成:プラズマCVD法)
次いで、上記形成したガスバリアー層1上に、下記のプラズマCVD法によりガスバリアー層2を形成した。
〈プラズマCVD法によるガスバリアー層の形成〉
図4に記載の放電プラズマ化学気相成長装置を用い、プラズマCVD成膜装置(31)にセットし、ロールtoロールで連続搬送させた。次いで、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)との間に磁場を印加するとともに、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)にそれぞれ電力を供給して、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)との間に放電してプラズマを発生させ、放電領域を形成した。次いで、形成した放電領域に、成膜ガスとして、原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と反応ガスである酸素ガス(放電ガスとしても機能する)の混合ガスを、ガス供給管(41)より供給し、ガスバリアー層1を有する支持体(1)上に、下記条件にて、層厚270nmのガスバリアー層2を成膜した。
(成膜条件)
原料ガス(ヘキサメチルジシロキサン、HMDSO)の供給量:50sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute)
反応ガス(O)の供給量:500sccm
真空チャンバー内の真空度:3Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:0.8kW
プラズマ発生用電源の周波数:70kHz
フィルムの搬送速度:0.8m/min
(ガスバリアー層3の形成:真空紫外光改質処理法)
次いで、上記形成したガスバリアー層2上に、前記ガスバリアー層1の作製と同様にし、ポリシラザン含有塗布液における塗布液の固形分を10質量%に変更して、乾燥後の層厚が250nmとなるようにしてガスバリアー層を形成し、改質時の真空紫外光の積算光量を6500mJ/cmに変更した以外は同様にして、真空紫外光改質処理法により、ガスバリアー層3を形成した。
(ガスバリアー層4の形成:真空紫外光改質処理法)
次いで、上記形成したガスバリアー層3上に、前記ガスバリアー層3の作製と同様にし、層厚が250nmのガスバリアー層4を形成した。
(ガスバリアー層5の形成:真空紫外光改質処理法)
次いで、上記形成したガスバリアー層4上に、前記ガスバリアー層3の作製と同様にし、層厚が250nmのガスバリアー層5を形成した。
〔ガスバリアー性フィルムユニットUB1の作製〕
両面ハードコート層(中間層)付き透明樹脂支持体(1B、きもと社製 クリアハードコート層(CHC)付ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ハードコート層はアクリル樹脂を主成分としたUV硬化樹脂より構成、PETの厚さ50μm)上に、プラズマCVD法によりガスバリアー層6を成膜して、ガスバリアー性フィルムユニットUB1を作製した。
(ガスバリアー層6の形成:プラズマCVD法)
上記支持体(1B)上に、前記ガスバリアー層2の形成で用いたのと同様のプラズマCV法により、層厚270nmのガスバリアー層6を成膜した。
〔接着剤層によるガスバリアー性フィルムユニットUA1(以下、フィルムユニットUA1と略記する。)とガスバリアー性フィルムユニットUB1(以下、フィルムユニットUB1と略記する。)との貼合〕
上記作製したフィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1を、下記の方法に従って、感圧粘着剤を介して貼合した。
上記作製したフィルムユニットUA1を構成する支持体(1A)のガスバリアー層(2A)を有する面とは反対側の面に、総研化学株式会社製の感圧粘着剤SK2147を1kgと、硬化剤TD−75を0.4gの比率で配合した粘着剤層形成材料を、乾燥後の膜厚が15μmとなる条件で塗布し、粘着剤層(3)を形成した。
次いで、フィルムユニットUB1のガスバリアー層(2B)面と、上記形成した粘着剤層(3)とを、搬送速度が3m/min、フィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1の張力を110N/m、ニップ圧25kPaの条件で貼合して、図1に記載の構成からなるガスバリアー性フィルム積層体1を作製した。
〔ガスバリアー性フィルム積層体1における粘着力の測定〕
上記作製したガスバリアー性フィルム積層体1を巾25mmに断裁し、粘着剤層(図1に記載の3)と、フィルムユニットUA1の支持体(図1に記載の1A)との接着面(図1に記載の界面A)における綿着力を、JIS Z 0237の90度引きはがし粘着力に準拠した方法により測定した。
1)測定装置
株式会社イマダ製の下記装置を組み合わせて測定した。
ゲージ;ZP−50N
スラドテーブル;P90−200N
スタンド;MX2−500N
2)試料サイズ:巾25mm
3)測定環境:23±1℃、相対湿度50±5%
上記方法により測定したガスバリアー性フィルム積層体1における粘着力は、2.3N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体2の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体1の作製において、下記の方法に従って、フィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1とを、粘着剤層を介して貼合した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体2を作製した。
上記作製したフィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1を、株式会社サンエー化研製の感圧粘着剤「DK」(層厚:25μm)を用いて貼り合わせた。
(第1ステップ:フィルムユニットUB1への粘着剤層の付与)
感圧粘着剤DKの一方の面側に貼付されているセパレーターフィルムを剥離し、粘着剤の剥離面と、フィルムユニットUB1のガスバリアー層(2B)形成面とを対向させた位置に配置し、搬送速度が3m/min、フィルムユニットUB1の張力を110N/m、ニップ圧25kPaの条件で貼合した。
(第2ステップ:フィルムユニットUA1への粘着剤層の付与)
感圧粘着剤DKの他方の面側に貼付されているセパレーターフィルムを剥離し、粘着剤の剥離面と、フィルムユニットUA1の支持体(1A)とを対向させた位置に配置し、搬送速度が3m/min、フィルムユニットUA1の張力を110N/m、ニップ圧25kPaの条件で貼合して、図1に記載の構成からなるガスバリアー性フィルム積層体2を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体2の界面Aにおける粘着力は、25N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体3の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体2の作製において、粘着剤層の層厚を50μmに変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体3を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体3の界面Aにおける粘着力は、32N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体4の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体1を構成するフィルムユニットUA1の作製において、透明樹脂支持体(1A、PET、厚さ125μm)を、フィルムユニットUB1の作製に用いた透明樹脂支持体(1B、PET、厚さ50μm)に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体4を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体4の界面Aにおける粘着力は、2.3N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体5の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体2の作製において、感圧粘着剤の種類を、株式会社サンエー化研製の「DK」から、パナック株式会社製の「PDS1」に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体5を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体5の界面Aにおける粘着力は、5.4N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体6の作製]
上記作製したフィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1を、下記の方法に従って、感圧粘着剤を介して貼合した。
上記作製したフィルムユニットUA1を構成する支持体(1A)のガスバリアー層(2A)を有する面とは反対側の面に、東洋モートン株式会社製の感圧粘着剤LIS−825を10kgと、CAT−RT85を1kg、溶媒として酢酸エチル8kgの比率で配合した粘着剤層形成材料を、乾燥後の膜厚が5μmとなる条件で、粘着剤層(3)を形成した。
次いで、粘着剤層を形成したフィルムユニットUA1を23℃、55%RHの環境下で3ヶ月保管した後、フィルムユニットUB1のガスバリアー層(2B)面と、上記形成した粘着剤層(3)とを、搬送速度が3m/min、フィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1の張力を110N/m、ニップ圧25kPaの条件で貼合して、ガスバリアー性フィルム積層体6を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体6の界面Aにおける粘着力は、3.2N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体7の作製]
上記作製したフィルムユニットUA1を構成する支持体(1A)のガスバリアー層(2A)を有する面とは反対側の面に、パナソニック社製のLED方式ライン型UV照射器「Aicure UD40」を用いて、4200mW/cmの条件で、UV処理を施した。
次いで、UV処理を施した面に、東洋モートン株式会社製の感圧粘着剤LIS−825を10kgと、CAT−RT85を1kg、溶媒として酢酸エチル8kgの比率で配合した粘着剤層形成材料を、乾燥後の膜厚が11μmとなる条件で、粘着剤層(3)を形成した。
次いで、粘着剤層を形成したフィルムユニットUA1を23℃、55%RHの環境下で3ヶ月保管した後、フィルムユニットUB1のガスバリアー層(2B)面と、上記形成した粘着剤層(3)とを、搬送速度が3m/min、フィルムユニットUA1とフィルムユニットUB1の張力を110N/m、ニップ圧25kPaの条件で貼合して、ガスバリアー性フィルム積層体7を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体7の界面Aにおける粘着力は、10N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体8の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体5の作製において、粘着剤層形成材料としてパナック株式会社製のPDS1−15HU75を用い、層厚を15μmに変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体8を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体8の界面Aにおける粘着力は、15N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体9の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体6の作製において、粘着剤層の層厚を19μmに変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体9を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体9の界面Aにおける粘着力は、18N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体10の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体6の作製において、粘着剤層の層厚を22μmに変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体10を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体10の界面Aにおける粘着力は、20N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体11の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体8の作製において、フィルムユニットUB1の支持体(1B)面側に、下記の真空成膜法であるスパッタリング法により、帯電防止層を形成した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体11を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体11の界面Aにおける粘着力は、15N/25mmであった。
(帯電防止層の形成)
フィルムユニットUB1を作製した後、支持体(1B)表面を、150℃に加熱したドラムの上を通しながら、ZnOをターゲットとし、真空度1.33Pa、成膜速度5m/minの条件で、成膜ガスの酸素分率1.0体積%のガスを導入し、Rfマグネトロンスパッタリング法により、5kWで140nm厚みのZnO膜より形成される帯電防止層を設けた。
[ガスバリアー性フィルム積層体12の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体8の作製において、フィルムユニットUA1を構成する支持体(1A)を、両面ハードコート層(中間層)付き透明樹脂支持体(きもと社製 PETフィルム、厚さ:50μm)に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体12を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体12の界面Aにおける粘着力は、15N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体13の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体12を構成するフィルムユニットUA1の作製において、透明樹脂支持体(PET、厚さ50μm)を、東洋紡株式会社製のコスモシャインA4300(PET、厚さ38μm)に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体13を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体13の界面Aにおける粘着力は、15N/25mmであった。
[ガスバリアー性フィルム積層体14の作製]
上記ガスバリアー性フィルム積層体11の作製において、フィルムユニットUB1を構成するガスバリアー層(2B)の成膜方法を、下記に示すスパッタ法に変更した以外は同様にして、ガスバリアー性フィルム積層体14を作製した。このガスバリアー性フィルム積層体14の界面Aにおける粘着力は、15N/25mmであった。
(フィルムユニットUB1のガスバリアー層(2B)の形成)
真空成膜法スパッタリングにて、支持体(1B)を150℃に加熱したドラムの上を通しながら、スパッタターゲット(三菱マテリアル(株)製ターゲット、ST−IVシリーズ)を用いて、アルゴンガスプラズマによるスパッタリングを実施し、膜厚が120nmとなるSiO膜からなるガスバリアー層を形成した。
Figure 2017071133
《電子デバイスの作製:有機EL素子の作製》
上記で作製した各ガスバリアー性フィルム積層体のフィルムユニットUA1のガスバリアー層(2A)上に、下記の方法に従って、有機EL素子の各構成層を積層して、図2に記載の構成からなる有機EL素子1〜14を作製した。
〔有機EL素子1の作製〕
(第1電極層の形成)
ガスバリアー性フィルム積層体1のフィルムユニットUA1のガスバリアー層(2A)上に、厚さ150nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタ法により成膜し、フォトリソグラフィー法によりパターニングを行い、第1電極層を形成した。なお、パターンは発光面積が50mm平方になるようなパターンとした。
(正孔輸送層の形成)
第1電極層が形成されたガスバリアー性フィルム積層体1の第1電極層の上に、以下に示す正孔輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し、正孔輸送層を形成した。正孔輸送層形成用塗布液は、乾燥後の厚みが50nmになるように塗布した。
正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に、ガスバリアー性フィルム積層体1の洗浄・表面改質処理として、波長184.9nmの低圧水銀ランプを使用し、照射強度15mW/cm、距離10mmで実施した。帯電除去処理は、微弱X線による除電器を使用した。
〈塗布条件〉
塗布工程は大気中、25℃、相対湿度50%RHの環境で行った。
〈正孔輸送層形成用塗布液の準備〉
ポリエチレンジオキシチオフェン・ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS、Bayer社製BaytronPAI4083)を純水で65%、メタノール5%で希釈した溶液を正孔輸送層形成用塗布液として準備した。
〈乾燥および加熱処理条件〉
正孔輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度100℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置を用い温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
引き続き、正孔輸送層まで形成したガスバリアー性フィルム積層体1の正孔輸送層上に、以下に示す白色発光層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し発光層を形成した。白色発光層形成用塗布液は乾燥後の厚みが40nmになるように塗布した。
〈白色発光層形成用塗布液〉
ホスト材料として下記H−Aを1.0gと、ドーパント材料である下記D−Aを100mgと、ドーパント材料である下記D−Bを0.2mgと、ドーパント材料である下記D−Cを0.2mgとを100gのトルエンに溶解し、白色発光層形成用塗布液として準備した。
Figure 2017071133
〈塗布条件〉
塗布工程を窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
〈乾燥および加熱処理条件〉
白色発光層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、温度130℃で加熱処理を行い、発光層を形成した。
(電子輸送層の形成)
次に、以下に示す電子輸送層形成用塗布液を押出し塗布機で塗布した後、乾燥し電子輸送層を形成した。電子輸送層形成用塗布液は乾燥後の厚みが30nmになるように塗布した。
〈塗布条件〉
塗布工程は、窒素ガス濃度99%以上の雰囲気で、電子輸送層形成用塗布液の塗布温度を25℃とし、塗布速度1m/minで行った。
〈電子輸送層形成用塗布液〉
電子輸送層は、下記E−Aを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール中に溶解し0.5質量%溶液とし電子輸送層形成用塗布液とした。
Figure 2017071133
〈乾燥および加熱処理条件〉
電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、成膜面に向け高さ100mm、吐出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度60℃で溶媒を除去した。次いで、加熱処理部で、温度200℃で加熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(電子注入層の形成)
次に、形成された電子輸送層上に電子注入層を形成した。まず、電子輸送層まで形成した試料を減圧チャンバーに投入し、5×10−4Paまで減圧した。あらかじめ、真空チャンバーにタンタル製蒸着ボートに用意しておいたフッ化セシウムを加熱し、厚さ3nmの電子注入層を形成した。
(第2電極の形成)
第1電極の上に取り出し電極になる部分を除き、形成された電子注入層の上に5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、取り出し電極を有するように蒸着法で、発光面積が50mm平方になるようにマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極を積層した。
(裁断)
第2電極まで形成したガスバリアー性フィルム積層体1を、再び窒素雰囲気に移動し、規定の大きさに、紫外線レーザーを用いて裁断した。
(電極リード接続)
作製した有機EL素子に、ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社製の異方性導電フィルムDP3232S9を用いて、フレキシブルプリント基板(ベースフィルム:ポリイミド12.5μm、圧延銅箔18μm、カバーレイ:ポリイミド12.5μm、表面処理NiAuメッキ)を接続した。
圧着条件:温度170℃(別途熱電対を用いて測定したACF温度140℃)、圧力2MPa、10秒で圧着を行った。
(封止)
電極リード(フレキシブルプリント基板)を接続した有機EL素子を、市販のロールラミネート装置を用いて封止部材を接着し、有機EL素子1を製作した。
なお、封止部材としては、ドライラミネーション用の接着剤(2液反応型のウレタン系接着剤)を用いて、30μm厚のアルミニウム箔(東洋アルミニウム株式会社製)に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(12μm厚)をラミネートしたもの(接着剤層の厚み1.5μm)を用いた。
ディスペンサーを使用して、アルミニウム面に熱硬化性接着剤をアルミ箔の接着面(つや面)に沿って厚み20μmで均一に塗布した。
熱硬化接着剤としては以下のエポキシ系接着剤を用いた。
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(DGEBA)
ジシアンジアミド(DICY)
エポキシアダクト系硬化促進剤。
しかる後、封止基板を、取り出し電極および電極リードの接合部を覆うようにして密着・配置して、圧着ロールを用いて圧着条件:圧着ロール温度120度、圧力0.5MPa、装置速度0.3m/minで密着封止した。
〔有機EL素子2〜14の作製〕
上記有機EL素子1の作製において、ガスバリアー性フィルム積層体1を、それぞれガスバリアー性フィルム積層体2〜14に変更した以外は同様にして、有機EL素子2〜14を作製した。
《ガスバリアー性フィルム積層体の評価》
〔クラック耐性の評価〕
上記作製した各ガスバリアー性フィルム積層体を、SUSのロール上に、フィルムユニットUA1面を内側にし、半径が3mmの曲率になるように、180°の角度で1000回の屈曲操作を行った。次いで、フィルムユニットUA1面を外側にし、半径が3mmの曲率になるように、180°の角度で1000回屈曲し、計2000回の屈曲を繰り返した後、顕微鏡200倍で、ガスバリアー性フィルムユニットUAのガスバリアー層(2A)及びガスバリアー性フィルムユニットUBのガスバリアー層(2B)の面質状況を、光学顕微鏡を用い200倍で観察し、下記の基準に従って、クラック耐性を評価した。
5:ガスバリアー層2A(表面)及び2B(裏面)共にクラックの発生は、全く認められない
4:ガスバリアー層の一方で微小なクラックがわずかに発生しているが、実用上は全く問題の無い品質である
3:ガスバリアー層2A及び2Bで微小なクラックが発生しているが、実用上は許容される品質である
2:ガスバリアー層2A及び2Bにおいて、小サイズのクラックが発生、実用上懸念される品質である
1:ガスバリアー層2A及び2Bの全面に多数のクラックが発生し、実用に耐えない品質である
〔水蒸気バリアー性の評価〕
上記クラック耐性の評価で、2000回の屈曲処理を施した各ガスバリアー性フィルム積層体を、90度で30分間熱水に浸漬した後、80度の恒温槽中で1時間放置した。
水蒸気バリアー性の評価は、フィルムユニットUA1のガスバリアー層(2A)を代表して行った。80nm厚の金属カルシウムを、フィルムユニットUA1のガスバリアー層(2A)上に蒸着製膜し、製膜したカルシウムが50%の面積になる時間を、50%面積時間として、下記の方法で評価した。
(金属カルシウム製膜装置)
蒸着装置:日本電子株式会社製、真空蒸着装置JEE−400
恒温恒湿度オーブン:YamatoHumidicChamberIG47M
(原材料)
水分と反応して腐食する金属:カルシウム(粒状)
水蒸気不透過性の金属:アルミニウム(φ3〜5mm、粒状)
(水蒸気バリアー性評価試料の作製)
真空蒸着装置(日本電子製真空蒸着装置JEE−400)を用い、作製したガスバリアー性フィルム積層体の最外層のガスバリアー層(2A)表面に、マスクを通して12mm×12mmのサイズで金属カルシウムを蒸着させた。この際、蒸着膜厚は80nmとなるようにした。
その後、真空状態のままマスクを取り去り、シート片側全面にアルミニウムを蒸着させて仮封止をした。次いで、真空状態を解除し、速やかに乾燥窒素ガス雰囲気下に移して、アルミニウム蒸着面に封止用紫外線硬化樹脂(ナガセケムテックス株式会社製)を介して厚さ0.2mmの石英ガラスを張り合わせ、紫外線を照射して樹脂を硬化接着させて本封止することで、水蒸気バリアー性評価試料を作製した。
得られた試料を、85℃・85%RHの高温高湿下で保存し、保存時間に対して金属カルシウムが腐食して行く様子を観察した。観察は、12mm×12mmの金属カルシウム蒸着面積に対する金属カルシウムが腐食した面積が50%になる時間を観察結果から直線で内挿して求めた。
腐食率が50%の面積になる時間を劣化時間として評価することで行った。時間が長いほど、ガスバリアー性が良好であることを表す。
《有機EL素子の評価》
上記作製した各有機EL素子について、下記の方法に従って、耐久性の評価を行った。
〔耐久性の評価〕
(加速劣化処理)
上記作製した各有機EL素子を、85℃、85%RHの環境下で100時間の加速劣化処理を施した後、加速劣化処理を施していない有機EL素子と共に、下記の黒点に関する評価を行った。
(黒点の評価)
加速劣化処理を施した有機EL素子および加速劣化処理を施していない有機EL素子に対し、それぞれ1mA/cmの電流を印加し、24時間連続発光させた後、100倍のマイクロスコープ(株式会社モリテックス製MS−804、レンズMP−ZE25−200)でパネルの一部分を拡大し、撮影を行った。撮影画像を2mm四方に切り抜き、黒点の発生面積比率を求め、下式に従って素子劣化耐性率を算出し、下記の基準に従って耐久性を評価した。評価ランクが、○以上であれば、実用上好ましい特性であると判定した。
素子劣化耐性率=(加速劣化処理を施していない素子で発生した黒点の面積/加速劣化処理を施した素子で発生した黒点の面積)×100(%)
◎:素子劣化耐性率が、98%以上である
○:素子劣化耐性率が、90%以上である
○△:素子劣化耐性率が、60%以上90%未満である
△:素子劣化耐性率が、20%以上60%未満である
×:素子劣化耐性率が、20%未満である
以上により得られた結果を、表2に示す。
Figure 2017071133
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する粘着力が3〜20N/25mmの範囲内である粘着剤層により、2つのガスバリアー性フィルムユニットを貼合して作製した本発明のガスバリアー性フィルム積層体は、比較例に対し、屈曲等の操作により、ガスバリアー層がストレスを受けても、ガスバリアー層へのストレスが分散され、ガスバリアー層でのクラックの発生が抑制され、それにより高いガスバリアー性を維持することができる。更に、本発明のガスバリアー性フィルム積層体を電子デバイス(有機EL素子)に適用することにより、過酷な環境下で長期間保存された後でも、有機EL素子への影響を防止し、優れた耐久性を得ることができる。
1、1A、1B 支持体
2A、2B ガスバリアー層
3 粘着剤層
4 陽極
5、7 キャリア輸送機能層
6 発光層
8 陰極
9 封止用接着層
10 封止基板
17 真空ポンプ
31 ローラー間放電プラズマCVD装置
32 送り出しローラー
33、34、35、36 搬送ローラー
39、40 成膜ローラー
41 成膜ガス供給管
42 プラズマ発生用電源
43、44 磁場発生装置
45 巻取りローラー
100 真空紫外光照射装置
101 装置チャンバー
102 Xeエキシマランプ
103 エキシマランプのホルダー
104 試料ステージ
105 ポリシラザン塗布層形成試料
106 遮光板
C チャンバー
D 電子デバイス
EL 有機EL素子
GF ガスバリアー性フィルム積層体
UA、UB ガスバリアー性フィルムユニット

Claims (7)

  1. 少なくとも支持体とガスバリアー層により構成される、2つのガスバリアー性フィルムユニットを、それぞれ、粘着剤層を介して積層したガスバリアー性フィルム積層体であって、
    前記ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも1つに対する前記粘着剤層の下記で規定する粘着力が、3〜20N/25mmの範囲内であることを特徴とするガスバリアー性フィルム積層体。
    粘着力:JIS Z 0237:2009に準拠し、23±1℃、相対湿度50±5%の条件で測定した90度引きはがし粘着力
  2. 前記粘着剤層の粘着力が、5〜18N/25mmの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
  3. 前記粘着剤層の一方の面側が、一方のガスバリアー性フィルムユニットを構成する支持体と接し、前記粘着剤層の他方の面側が、他方のガスバリアー性フィルムユニットを構成するガスバリアー層と接する構成であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
  4. 前記粘着剤層が感圧粘着剤層であり、かつ層厚が15〜30μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
  5. 前記ガスバリアー性フィルムユニットの少なくとも一つが、帯電防止層を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
  6. 前記ガスバリアー性フィルムユニットを構成する少なくとも一つの支持体の厚さが、20〜50μmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のガスバリアー性フィルム積層体を具備していることを特徴とする電子デバイス。
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