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JP2017068219A - 電極構造 - Google Patents

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博行 奥野
Hiroyuki Okuno
博行 奥野
慎太郎 吉田
Shintaro Yoshida
慎太郎 吉田
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Abstract

【課題】外部からの入射光の反射が抑えられると共に、干渉縞の発生を防止でき、かつ光の散乱が抑えられた電極構造を提供できる。
【解決手段】透明基板上に、側面がテーパ形状であるAlまたはAl合金からなるAl系金属層と、反射防止層とをこの順に含む電極が形成され、前記Al系金属層のテーパ長が−0.10μm以上0.35μm以下であり、かつ可視光領域における反射率が50%以下であり、更に[(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]が1.0%以下であることを特徴とする電極構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極構造に関する。特には、外部から入射した光の反射が抑制されると共に、光の散乱や干渉縞の抑制された電極構造に関する。
以下では、本発明の電極構造を、入力装置、特にはタッチパネルセンサーに適用した場合を例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されない。
タッチパネルセンサーに用いられる電極として、低電気抵抗を示す例えばAl系の金属電極の使用が検討されている。しかし、金属電極は外部からの入射光の反射率が高く、使用者の肉眼で見えるため、金属電極を構成する金属膜に反射防止層を積層したり、金属膜に対して黒色化処理を施す等の方法が採用されている。しかしながら、この様に入射光の反射を抑制しても、別の問題として干渉縞や光の散乱が局所的に生じる場合があった。
上記光の散乱は、一般に、ヘイズ率(へーズともいう)で評価され、このヘイズ率が低いほど、光の散乱は抑制されることを意味する。このヘイズ率の上昇を抑制した技術として下記の技術が挙げられる。
例えば特許文献1には、アルミニウムパターン層からなる電極の表面に形成される、アルミニウムの酸化物被膜の厚みを一定以下とすることで、アルミニウムパターン層のエッチング品質が改善され、該アルミニウムパターン層のライン輪郭部のギザや断線となる不良が解消し、その結果、導電性のバラツキやヘーズ(曇価)の上昇を抑制できることが示されている。しかしながら、具体的な配線形状は示されていない。
特許文献2や特許文献3には、銀ナノワイヤーが、屈曲性を有しかつ光透過性が高くほとんど視認できない金属電極材料であって、タッチパネル、太陽電池、フレキシブル液晶ディスプレイ等に適用可能であることが示されている。この銀ナノワイヤーを配線に用いることによって、該配線の不可視化は可能であるが、特許文献2に示された銀ナノワイヤーのヘイズ率は3.7%、特許文献3に示された銀ナノワイヤーのヘイズ率は1.0%を超えており、この程度のヘイズ率では光が散乱し白く曇って見える場合がある。よって、光の散乱をより確実に抑えることが求められている。
また上記特許文献1〜3のいずれにおいても、干渉縞の防止策については検討されていない。
特開2011−070536号公報 特開2013−144822号公報 特開2013−199691号公報
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、外部からの入射光の反射が抑えられると共に、干渉縞の発生が防止され、かつ光の散乱も抑えられた電極構造を確立することにある。
上記課題を解決し得た本発明の電極構造は、透明基板上に、側面がテーパ形状であるAlまたはAl合金からなるAl系金属層と、反射防止層とをこの順に含む電極が形成され、前記Al系金属層のテーパ長が−0.10μm以上0.35μm以下であり、かつ可視光領域における反射率が50%以下であり、更に[(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]が1.0%以下であるところに特徴を有する。以下、この[(電極のヘイズ率)−(透明基板のヘイズ率)]を「ヘイズ率の差分」ということがある。
好ましい実施形態において、前記Al系金属層のテーパ角は20〜100度である。
好ましい実施形態において、前記反射防止層は、AlまたはAl合金の窒化膜、および高融点金属元素の窒化膜のうちの少なくとも1以上を含む。前記反射防止層は、更に透明導電膜を含んでいてもよい。
本発明には、前記電極構造を有する入力装置や、前記電極構造を有するタッチパネルセンサーも含まれる。
本発明によれば、導電層であるAl系金属層のテーパ長を一定範囲とし、かつ電極と透明基板のヘイズ率の差分を一定以下とすることによって、外部から入射した光の反射が抑えられると共に、干渉縞の発生が防止され、かつ光の散乱が抑えられた電極構造を提供できる。
図1は、本発明の電極構造の一例を示す概略断面図である。 図2は、本発明の要件を満たさない電極構造の一例を示す概略断面図である。
本発明者らは、透明基板上に金属膜を電極として含む電極構造であって、外部光の反射が抑えられると共に、干渉縞の発生を防止でき、かつ光の散乱が抑えられた電極構造を得るべく検討を重ねてきた。その結果、透明基板上に、側面がテーパ形状であるAlまたはAl合金からなるAl系金属層と、反射防止層とをこの順に含む電極が形成されたものであって、前記Al系金属層のテーパ長が−0.10μm以上0.35μm以下であり、かつ可視光領域における反射率が50%以下であり、更に[(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]が1.0%以下を満たすようにすれば、上記特性を達成できることを見出し、本発明を完成した。
以下、図1を参照しながら、本発明の電極構造について詳しく説明する。但し、本発明の電極構造はこの図1に限定されない。
[側面がテーパ形状であるAlまたはAl合金からなるAl系金属層]
図1は、本発明の電極構造の一例を示す概略断面図である。図1では、透明基板1上に、テーパ形状のAl系金属層2が形成され、更にその上に反射防止層3が形成されている。テーパ形状のAl系金属層2は図1において左右対称であり、Al系金属層2の形状はテーパ角θにより異なる。このAl系金属層2は、低電気抵抗層、導電層としての役割を担う。尚、図1および後記の図2では、透明基板1のAl系金属層2等が積層している側を、透明基板の表側1aといい、その反対側を、透明基板の裏側1bという。
本発明の特徴の一つは、このAl系金属層2のテーパ長Dを−0.10μm以上0.35μm以下の範囲内とした点にある。上記テーパ長が0.35μmを超えて長くなると、干渉縞が生じて視認性に劣ることを見出した。上記テーパ長は、好ましくは0.25μm以下、より好ましくは0.20μm以下である。一方、上記テーパ長が−0.10μmを下回る、即ち図2に示す通り、Al系金属層2と透明基板1の接触端領域が反射防止層3の端部よりも十分内側に位置する場合も、干渉縞の発生やヘイズ率の上昇がみられた。これは、図2において、透明基板の裏側1bから入射した光がAl系金属層2と反射防止層3の接触端領域B1、B2で散乱したり、透明基板の表側1aから入射した光がAl系金属層2の側面と透明基板1で形成される鋭角空間X1、X2で乱反射することによると考えられる。よって本発明では、テーパ長を−0.10μm以上とする。テーパ長は、好ましくは0μm以上である。
また、前記図1に示すAl系金属層2のテーパ角θは、20〜100度の範囲内であることが好ましい。このテーパ角の単位は「°」、またはdegreeを意味する「deg」でも表される。上記テーパ角を20度以上とすることによって、図1のAl系金属層と透明基板の接触端領域A1、A2において、光の散乱が低減されてヘイズ率上昇を抑制することができ、その結果、後記する[(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]を規定範囲内に抑えやすくなる。上記テーパ角は、より好ましくは40度以上、更に好ましくは50度以上である。一方、上記テーパ角を100度以下とすることによって、透明基板の裏側1bから入射した光が前記図2のB1、B2で散乱したり、透明基板の表側1aから入射した光が前記図2のX1、X2で乱反射することを抑制して、ヘイズ率上昇を抑制することができ、その結果、この場合も[(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]を規定範囲内に抑えやすいため好ましい。上記テーパ角は、より好ましくは90度以下である。
Al系金属層は、Al、即ち、純Alと残部の不可避不純物からなるか、Al合金、即ちAl、合金元素および残部の不可避不純物からなる。前記合金元素は特に限定されず、種類や含有量を適切に制御して用いることができる。前記合金元素として、例えば希土類元素、高融点金属元素、Ni、Cu、Si、Ge、Zr等の1以上が挙げられる。前記希土類元素は、ランタノイド元素、即ちLaからLuまでの15元素およびスカンジウムとイットリウムを含む意味である。前記高融点金属元素は、Mo、Ti、Ta、W、Cr、Mnなどの融点が1200℃以上の金属を意味する。Al合金として、例えばAl−2原子%Nd等のAl−Nd、Al−2原子%Ni−0.35原子%La等のAl−Ni−La、Al−0.2原子%Ni−0.5原子%Ge−0.2%Nd等のAl−Ni−Ge−Nd、Al−1原子%Si等のAl−Si、Al−0.5原子%Cu等のAl−Cuなどを用いることができる。
Al系金属層の厚さは、低電気抵抗率を達成するため、100nm以上であることが好ましく、より好ましくは150nm以上である。しかし、Al系金属層の膜厚が500nmを超えると、加工性の低下や基板の反りなどのおそれがあるため、Al系金属層の厚さを500nm以下とすることが好ましい。
[反射防止層]
本発明に係る電極は、反射防止層を含んでおり、この反射防止層を含んでいるため低反射の電極構造を実現できる。反射防止層の種類は、可視光領域における電極構造の反射率50%以下を達成できるものであれば特に問わない。
上記反射率を容易に達成するには、反射防止層が、AlまたはAl合金の窒化膜、および高融点金属元素の窒化膜のうちの少なくとも1以上を含むことが好ましい。以下、これらの窒化膜を「金属窒化膜」ということがある。
上記高融点金属元素は、Mo、Ti、Ta、W、Cr、Mnなどの融点が1200℃以上の金属を意味する。これらの金属の単体、あるいはこれらの金属を基とする合金等が挙げられる。本明細書において「窒化膜」とは、Al、Al合金、高融点金属元素中に少なくとも窒素が含まれていればよく、必ずしも、化学量論組成を満足する窒化物である必要はない。例えばMoの窒化物をMoNxで表した場合、xは約0.1〜0.95であってもよい。
上記反射率を容易に達成しつつ、電気抵抗率も抑えるには、上記高融点金属元素としてMoやTiを用いることが好ましい。即ち、MoまたはMo合金の窒化膜、TiまたはTi合金の窒化膜のうちの少なくとも一つが好ましく、より好ましくはMoまたはMo合金の窒化膜である。上記Mo合金は、Nb、W、Ti、V、Crの少なくとも一種を含むことが好ましく、例えば、Mo−Nb合金、Mo−W合金、Mo−Ti合金、Mo−V合金、Mo-Cr合金などが挙げられる。ウェットエッチング加工性などを考慮すると、より好ましくはMo−Nb合金である。
金属窒化膜の厚さは、低反射率を確保する観点から、5nm以上であることが好ましい。より好ましくは10nm以上である。しかし、金属窒化膜の厚さが80nmを超えると、反射率がかえって上昇するほか、生産性の低下を招くおそれがあるため、金属窒化膜の厚さを80nm以下とすることが好ましい。より好ましくは50nm以下である。
[必要に応じて透明導電膜]
反射率をより低減させるため、上記金属窒化膜の上、即ち上記金属窒化膜の透明基板側とは反対側の面に、透明導電膜を必要に応じて形成してもよい。上記透明導電膜としては、本発明の技術分野において通常用いられるものであれば特に限定されないが、InまたはZnの少なくとも一種を含むことが好ましい。例えば、加工性なども考慮すると、IZOで表されるIn−Zn−O、Zn−Al−O、Zn−O、In−Oなどがより好ましい。
上記透明導電膜の厚さは、低反射率効果を有効に発揮させるため、25nm以上とすることが好ましい。より好ましくは35nm以上である。しかし、上記透明導電膜の厚さが100nmを超えると、反射率がかえって上昇し、またエッチング残渣を招くおそれがあるため、100nm以下とすることが好ましい。より好ましくは80nm以下である。
[透明基板]
本発明の電極構造を構成する透明基板は、本発明の技術分野に通常用いられ、透明性を有するものであれば特に限定されず、例えば、カラーフィルタ基板やカバーガラスを構成する、ガラス基板、フィルム基板、石英基板などが挙げられる。
上記反射防止層を含む本発明の電極構造は、可視光領域における反射率が50%以下を満たす。該反射率は好ましくは30%以下であり、より好ましくは10%以下である。尚、上記電極構造の反射率に及ぼす透明基板の影響は無視できるため、上記反射率は、電極、即ち、Al系金属層と反射防止層を含む積層の反射率に等しい。
また本発明の電極構造は、[(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]により求められるヘイズ率の差分が1.0%以下に抑えられたものである。このヘイズ率の差分は、0.7%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下であり、最も好ましくは差分なし、即ち0%である。
本発明の電極構造は、透明基板上に、上記Al系金属層と反射防止層をこの順に積層させた構造を基本構造とするが、電気抵抗率や反射率の更なる低減を目的として、更に他の層を積層させてもよい。
本発明の電極構造は入力装置に好ましく適用される。この入力装置には、タッチパネルなどのように表示装置に入力手段を備えた入力装置;タッチパッドのような表示装置を有さない入力装置;の両方が含まれる。具体的には、上記各種表示装置と位置入力手段を組み合わせ、画面上の表示を押すことで機器を操作する入力装置や、位置入力手段上の入力位置に対応して別途設置されている表示装置を操作する、入力装置の電極構造にも、本発明の電極構造を適用することができる。
本発明の電極構造を得るための方法は特に限定されない。本発明の電極構造は、例えば以下の方法で得ることができる。
透明基板上への、Al系金属層の形成は、細線化や膜内の合金成分の均一化、更には添加元素量の制御のし易さなどの観点から、スパッタリングターゲットを用いスパッタリング法で成膜することが好ましい。
使用するスパッタリングターゲットは、成膜したいAl系金属層に対応するAlまたはAl合金のスパッタリングターゲットを用いればよい。なお、スパッタリングターゲットの形状は特に限定されず、スパッタリング装置の形状や構造に応じて任意の形状、例えば、角型プレート状、円形プレート状(円盤型ともいう)、ドーナツプレート状、円筒状などに加工したものを用いることができる。
上記Al系金属層のスパッタリング法の条件は特に限定されず、例えば、ターゲットが直径4インチの円形プレート状の場合、以下の範囲とすることが挙げられる。
・成膜時の(Ar)ガス圧:1〜4mTorr
・Arガス流量:5〜50sccm
・スパッタパワー:100〜2000W
・基板温度:室温〜200℃
・成膜温度:室温〜200℃
・到達真空度:1×10-5Torr以下
上記Al系金属層を形成した後、該Al系金属層上に反射防止層を形成する。反射防止層として金属窒化膜を形成する場合、生産性および膜質制御などの観点から、窒素ガスを含む反応性スパッタリング法を採用することが好ましい。反応性スパッタリング法の条件は、例えば、ターゲットが直径4インチの円形プレート状の場合、以下の範囲とすることが挙げられる。
・雰囲気ガス:窒素ガス、Arガス
・基板温度:室温〜200℃
・成膜温度:室温〜200℃
・成膜時の窒素ガス流量:Arガスの5〜50%
・スパッタパワー:100〜2000W
・到達真空度:1×10-5Torr以下
反射防止層として、更に透明導電膜を形成する場合は、本発明の技術分野において通常用いられる条件で透明導電膜を形成すればよい。
透明基板上に、上記Al系金属層と反射防止層の積層膜を形成した後、この積層膜のフォトリソグラフィー、ウェットエッチングによるパターニングを行って電極パターンを形成する。Al系金属層のテーパ形状を容易に本発明で規定の形状にするには、例えば上記フォトリソグラフィーの条件を制御、具体的に例えば、レジスト塗布前に表面処理してレジストとの密着性を高めたり、レジスト塗布後に行うレジスト焼成の温度を調整したりする等して、反射防止層とAl系金属層の積層膜のエッチング形状を調整することが挙げられる。
上記以外の電極構造の製造条件として、本発明の技術分野において通常用いられる条件を適宜採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例によって制限されず、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本実施例では、透明基板上に、Al系金属層としてAl−Nd膜、反射防止層として、Al−Cuの窒化膜と透明導電膜であるIZO膜との積層膜を、この順に成膜した後、Al系金属層のテーパ角およびテーパ長が種々の電極を形成し、試料として電極構造を得た。この試料を用いて、可視光領域における反射率、干渉縞の有無およびヘイズ率の差分を評価した。以下に、試料の作製と特性の評価の詳細を示す。
(1)試料の作製
(1−1)Al系金属層の成膜
まず、透明基板としてガラス基板、詳細には、直径が4インチかつ板厚が0.7mmの無アルカリ硝子板を用いた。このガラス基板の表面に、DCマグネトロンスパッタリング法により、表1に示す各膜厚のAl−2原子%(at%)Nd膜をAl系金属層として形成した。詳細には、成膜前にチャンバー内の雰囲気を一旦、到達真空度:3×10-6Torrに調整してから、上記Al−2at%Nd膜と同一の成分組成を有する直径4インチの円盤型スパッタリングターゲットを用い、下記条件でスパッタリングを行った。
(スパッタリング条件)
・Arガス圧:2mTorr
・Arガス流量:10sccm
・スパッタパワー:500W
・基板温度:室温
・成膜温度:室温
・膜厚:100〜500nm
(1−2)反射防止層(Al−7at%Cuの窒化膜)の成膜
上記Al−2at%Nd膜上に、Al−7at%Cu合金ターゲットを用いて、下記の反応性スパッタリング条件で、N2との反応性スパッタリング法による成膜を行い、膜厚が50nmであるAl−7at%Cuの窒化膜を形成した。
(反応性スパッタリング条件)
・(Ar+N2)ガス圧:2mTorr
・Arガス流量:10sccm
・N2ガス流量:5sccm
・スパッタパワー:500W
・基板温度:室温
・成膜温度:室温
(1−3)反射防止層(IZO膜)の成膜
上記の通りAl−7at%Cuの窒化膜を形成した後、引き続き、その表面に、DCマグネトロンスパッタリング法により、下記のスパッタリング条件で、透明導電膜として膜厚が50nmのIZO膜を成膜した。透明導電膜の成膜は、成膜前にチャンバー内の雰囲気を一旦、到達真空度:3×10-6Torrに調整してから、透明導電膜と同一組成であって直径4インチの円盤型であるIZOスパッタリングターゲットを用いて行った。
(スパッタリング条件)
・ガス圧:2mTorr
・Arガス流量:18sccm
・O2ガス流量:1sccm
・スパッタパワー:250W
・基板温度:室温
・成膜温度:室温
(1−4)電極パターンの形成
このようにして得られたAl系金属層と反射防止層の積層膜に対し、フォトリソグラフィー、ウェットエッチングによるパターニングを行って、表1に示すテーパ角とテーパ長の配線であって、配線幅4μm、配線間隔300μmであり、かつ縦横に直行する格子状のパターンの電極を作製した。表1に示すテーパ角とテーパ長は、上記フォトリソグラフィーの条件を制御、具体的には、レジスト塗布前に表面処理してレジストとの密着性を高めたり、レジスト塗布後に行うレジスト焼成の温度を変えることによって変化させた。尚、表1のNo.11は、IZO膜なしでエッチング処理しているため、No.1〜10とはテーパ形状がわずかに異なった。
Al系金属層のテーパ角とテーパ長の測定
上記テーパ角とテーパ長は、配線断面をSEM(Scanning Electron Microscope)観察して求めた。尚、上記テーパ長は、図1の通り、積層断面におけるAl系金属層2の形状が台形であるとき、即ちAl系金属層2と透明基板1の接触端領域が反射防止層3の端部よりも外側に位置する場合を、正の値とし、積層断面におけるAl系金属層2の形状が逆台形であるとき、即ちAl系金属層2と透明基板1の接触端領域が反射防止層3の端部よりも内側に位置する場合を、負の値として求めた。
(2)特性の評価
(2−1)電極構造の反射率
電極構造の可視光領域における反射率は、JIS R 3106に基づき、D65光源での波長380〜780nmの光によって可視光反射率を分光光度計(日本分光株式会社製:可視・紫外分光光度計「V−570」)を用いて測定した。具体的には、基準ミラーの反射光強度に対する、上記試料の反射光強度(測定値)を「反射率」(=[試料の反射光強度/基準ミラーの反射光強度]×100%)として算出した。本実施例では、λ=450nm、550nm、650nmの各波長における上記試料の反射率を測定したとき、全ての波長域において反射率が50%以下30%超の場合を、外部からの入射光の反射が抑えられているため「良」であるとして合格、特に上記反射率が30%以下の場合を、外部からの入射光の反射が十分に抑えられており「優良」であるとして合格、前記反射率が50%超の場合を、外部からの入射光の反射が抑えられておらず「不良」であるとして不合格と判断した。
(2−2)干渉縞の有無
上記試料の反射防止層側から蛍光灯の光を当てた状態で、該試料の反射防止層側の表面を目視で観察し、干渉縞の有無を評価した。干渉縞が無いものを「良好」、干渉縞が見られたものを「不良」と評価した。
(2−3)ヘイズ率の差分
上記の方法で得られた電極およびガラス基板のそれぞれについて、下記の条件でヘイズ率を測定した。そして、[(電極のヘイズ率)−(ガラス基板のヘイズ率)]、即ちヘイズ率の差分を求めた。このヘイズ率の差分が1%以下の場合を、光の散乱が抑えられており「良好」、ヘイズ率の差分が1%超の場合を、光の散乱が生じており「不良」と評価した。
(ヘイズ率の測定条件)
・測定装置:ヘーズメーター NDH2000(日本電色工業株式会社製)
・測定方法:JIS K 7136に準拠(補償開口有り)
・光学条件:光源・ハロゲン電球 (D65光)
これらの結果を表1に示す。
表1から次のことがわかる。表1のNo.1〜3、5〜7および11は、外部からの入射光の反射が抑えられると共に、干渉縞がみられず、またヘイズ率の差分も小さく光の散乱が抑制された。これに対し、No.4、8および9は、外部からの入射光の反射が抑えられているが、テーパ長が規定範囲を超えたため干渉縞が生じた。またNo.10は、外部からの入射光の反射が抑えられているが、テーパ長が規定範囲を下回ったため、この場合も干渉縞が生じた。
更にNo.9とNo.10は、ヘイズ率の差分が1%超であり、光の散乱が生じやすくなった。このNo.9および10と、No.1〜3および5〜7との対比から、ヘイズ率の差分を1%以下に抑えるには、テーパ角を推奨される範囲内に制御することが好ましいことがわかる。
1 透明基板
1a 透明基板の表側
1b 透明基板の裏側
2 Al系金属層
3 反射防止層
D Al系金属層のテーパ長
θ Al系金属層のテーパ角
A1、A2 Al系金属層と透明基板の接触端領域
B1、B2 Al系金属層と反射防止層の接触端領域
X1、X2 Al系金属層の側面と透明基板で形成される鋭角空間

Claims (6)

  1. 透明基板上に、側面がテーパ形状であるAlまたはAl合金からなるAl系金属層と、反射防止層とをこの順に含む電極が形成され、
    前記Al系金属層のテーパ長が−0.10μm以上0.35μm以下であり、かつ
    可視光領域における反射率が50%以下であり、更に
    [(前記電極のヘイズ率)−(前記透明基板のヘイズ率)]が1.0%以下であることを特徴とする電極構造。
  2. 前記Al系金属層のテーパ角が20〜100度である請求項1に記載の電極構造。
  3. 前記反射防止層は、AlまたはAl合金の窒化膜、および高融点金属元素の窒化膜のうちの少なくとも1以上を含む請求項1または2に記載の電極構造。
  4. 前記反射防止層は、更に透明導電膜を含む請求項3に記載の電極構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の電極構造を有する入力装置。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の電極構造を有するタッチパネルセンサー。
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