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JP2017068098A - 噴霧装置、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

噴霧装置、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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JP2017068098A
JP2017068098A JP2015194631A JP2015194631A JP2017068098A JP 2017068098 A JP2017068098 A JP 2017068098A JP 2015194631 A JP2015194631 A JP 2015194631A JP 2015194631 A JP2015194631 A JP 2015194631A JP 2017068098 A JP2017068098 A JP 2017068098A
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豊 垣ヶ原
Yutaka Kakigahara
豊 垣ヶ原
賢悟 武田
Kengo Takeda
賢悟 武田
淳 三原
Atsushi Mihara
淳 三原
諭是 村田
Satoshi Murata
諭是 村田
山本 晋也
Shinya Yamamoto
晋也 山本
服部 智章
Tomoaki Hattori
智章 服部
久美子 鈴木
Kumiko Suzuki
久美子 鈴木
樋口 隆行
Takayuki Higuchi
隆行 樋口
竜也 江坂
Tatsuya Ezaka
竜也 江坂
絵美 清水
Emi Shimizu
絵美 清水
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Abstract

【課題】定着液を利用した定着を行った後のトナー像の乱れを抑えることを目的とする。【解決手段】定着装置7は、帯電された定着液Lを静電噴霧により記録シート(用紙P)上の現像剤像に向けて噴霧することで、記録シート上に現像剤像を定着させる装置である。定着装置7は、定着液Lを内部に収容する収容部73と、収容部73に連通し、現像剤像に向けて定着液Lを噴霧するノズルNと、ノズルN内の定着液Lと、ノズルNから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部(第1電極74および第2電極72)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、対象物に液体を噴霧するための噴霧装置と、用紙上にトナー像を定着させる定着装置と、当該定着装置を備える画像形成装置に関する。
従来、トナー像に定着液を塗布することでトナー像を用紙に定着する技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の定着装置では、定着ローラに泡状の定着液を保持させ、その泡状の定着液をトナー像に塗布することで、定着液によってトナーを溶かしてトナー像の定着を行っている。
特開2008−185704号公報
しかしながら、従来技術では、定着ローラで定着液をトナー像に塗布する際に、定着液によって溶けたトナーが定着ローラに付着することがあり、定着後のトナー像が乱れるおそれがあった。
そこで、本発明は、定着液を利用した定着を行った後のトナー像の乱れを抑えることを目的とする。
前記課題を解決する本発明は、帯電された定着液を静電噴霧により記録シート上の現像剤像に向けて噴霧することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置であって、前記定着液を内部に収容する収容部と、前記収容部に連通し、前記現像剤像に向けて前記定着液を噴霧する複数のノズルと、前記ノズル内の前記定着液と、前記ノズルから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、を備える。
この構成によれば、搬送される記録シートから離れて配置されるノズルから定着液を噴霧することで、定着液によって溶かされた現像剤がノズルに付着するのを抑えることができるので、定着後の現像剤像の乱れを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記ノズルは、前記記録シートの搬送方向に直交する直交方向に複数配列することができる。
また、前記した構成において、前記ノズルは、前記記録シートの搬送方向に複数配列することができる。
これによれば、搬送される記録シート上の現像剤像に対して、搬送方向に並ぶ複数本のノズルから定着液を噴霧することができるので、1本当たりのノズルの噴霧量を小さくすることができる。
また、前記した構成において、前記複数のノズルは、第1ノズルと、当該第1ノズルと隣り合う第2ノズルとを有し、前記第1ノズルと前記第2ノズルは、前記第1ノズルから噴霧される定着液と前記第2ノズルから噴霧される定着液とが電気的に反発する間隔以下の第1間隔で配置することができる。
これによれば、複数のノズルを密集させることができるので、収容部の大きさを小さくすることができる。
また、前記した構成において、ノズルを1本だけ配置したときの当該ノズルの噴霧量をA[g/s]、2つのノズルのノズルピッチが15mmであるときのノズル1本当たりの噴霧量の実測値をy15[g/s]、記録シート上に現像剤像を定着するのに最低限必要な最小噴霧量をα[g/s]、前記第1間隔で並んだ2つのノズルのピッチをx[mm]とし、
Bを、y15=(1−1/exp(15/B))×A
を満たす値としたときに、
前記ノズルの総本数Stは、
St≧α/{(1−1/exp(x/B))×A}
を満たす自然数に設定することができる。
これによれば、記録シート上に現像剤像を良好に定着することができる。
また、前記した構成において、前記第1間隔は、1mm以上とすることができる。
これによれば、第1ノズルと第2ノズルが近すぎることで静電噴霧を良好に行えなくなるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記直交方向に一定の第2間隔を空けて配列される複数の第1ノズルと、前記直交方向に一定の第3間隔を空けて配列される複数の第2ノズルとからなり、前記直交方向の一方側から他方側に向けて、前記第1ノズルと前記第2ノズルとが前記搬送方向の一方側と他方側に交互に配置される千鳥配列群を、前記搬送方向において複数備えていてもよい。
また、前記した構成において、前記直交方向に隣り合う2つの第1ノズルと、前記直交方向において前記2つの第1ノズルの間に配置される1つの第2ノズルとを結んだ線が2等辺三角形となっていてもよい。
また、前記した構成において、前記複数の千鳥配列群は、前記直交方向において同じ位置に配置され、前記第2間隔と前記第3間隔は、同じ値であり、隣り合う前記第1ノズルと前記第2ノズルとを結ぶ仮想線と、前記搬送方向とのなす角が、30°〜60°の範囲内で設定されていてもよい。
これによれば、直交方向に隣り合う2つの第2ノズルの間隔、または、搬送方向に隣り合う2つの第1ノズルの間隔が、第1間隔より小さくなるのを抑えることができるので、2つの第2ノズルの間隔等が小さすぎることで静電噴霧を良好に行えなくなるのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記直交方向に隣り合う2つの第1ノズルと、前記直交方向において前記2つの第1ノズルの間に配置される1つの第2ノズルとを結んだ線が正三角形となっていてもよい。
これによれば、各ノズルを最密に配置することができる。
また、前記した構成において、複数の千鳥配列群のうち、所定の第1千鳥配列群の前記搬送方向下流側に配置される第2千鳥配列群は、前記第1千鳥配列群に対して前記第2間隔の半分より小さな距離だけ前記直交方向にずれていてもよい。
これによれば、各ノズルから記録シート上に噴霧された定着液の噴霧領域の直交方向におけるピッチを小さくすることができるので、良好に定着を行うことができる。
また、前記した構成において、前記直交方向に一定の第4間隔を空けて配列される複数の第1ノズルからなる第1ノズル列と、前記第1ノズル列の前記搬送方向下流側に配置され、前記直交方向に一定の第5間隔を空けて配列される複数の第2ノズルからなる第2ノズル列と、を備え、前記第2ノズル列は、前記第1ノズル列に対して前記第4間隔の半分より小さな距離だけ前記直交方向にずれていてもよい。
これによれば、各ノズルから記録シート上に噴霧された定着液の噴霧領域の直交方向におけるピッチを小さくすることができるので、良好に定着を行うことができる。
また、前記した構成において、前記電位差形成部は、前記ノズル内の定着液に電圧を印加する第1電極と、前記記録シートに接触して、前記ノズル内の定着液と前記記録シートとの間に電位差を形成する第2電極とを備えていてもよい。
また、前記した構成において、1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρ[g/s]は、記録シート上に現像剤像を定着するのに最低限必要な最小噴霧量をα[g/s]、記録シート上の現像剤像が前記複数の千鳥配列群の下流側の部材に接触する前に現像剤像を乾燥させることが可能な最大噴霧量をβ[g/s]としたときに、
ρ≦β−α
が満たされるように設定され、
前記千鳥配列群の数kは、nを、n≧α/ρを満たす最小の自然数としたときに、
k≧n+1
が満たされるように設定することができる。
これによれば、複数のうち1つの千鳥配列群において噴霧不良が発生しても、定着するのに最低限必要な数(n)よりも余分に設けられた千鳥配列群によって噴霧することができるので、定着を良好に行うことができる。
また、前記した構成において、前記千鳥配列群の数kは、mを、m≦β/ρを満たす最大の自然数としたときに、
k≦m
が満たされるように設定することができる。
これによれば、千鳥配列群の数を増やし過ぎることによって、定着液によって溶かされた現像剤像が乾燥する前に下流側の部材に付着してしまうのを抑えることができる。
また、前記した構成において、1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρは、当該千鳥配列群の最大能力に対応した最大噴霧量ρmaxよりも小さくすることができる。
また、本発明に係る画像形成装置は、前述した定着装置と、現像剤像を担持する感光体と、前記定着装置および前記感光体を収容する筐体と、を備え、前記定着装置および前記感光体が、前記筐体の上下方向に直交する方向における一端側に片寄って配置された構成とすることができる。
また、本発明に係る噴霧装置は、対象物に液体を噴霧するための噴霧装置である。噴霧装置は、第1ノズルおよび第2ノズルを含む複数のノズルを有するヘッドであって、内部に液体を収容する収容部と、前記収容部と連通する前記複数のノズルと、前記液体に電圧を印加可能な第1電極と、を有するヘッドと、前記対象物と前記ノズルとの間に電界を形成するための第2電極であって、前記ヘッドと向かい合う位置に設けられる第2電極と、を備える。
前記第1ノズルと前記第2ノズルとは、前記第1ノズルと前記第2ノズルとから噴霧される液体が電気的に互いに干渉する第1間隔で配置されている。
この構成によれば、例えば記録シート上の現像剤像に対してノズルから液体を噴霧して定着を行う場合において、液体によって溶かされた現像剤がノズルに付着するのを抑えることができるので、定着後の現像剤像の乱れを抑えることができる。
本発明によれば、定着液を利用した定着を行った後のトナー像の乱れを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る定着装置を備えたレーザプリンタを示す図である。 定着ヘッドを、斜め上方から見た斜視図(a)と、斜め下方から見た斜視図(b)である。 定着ヘッドを、前方から見た正面図(a)と、下方から見た下面図(b)である。 ノズル1本当たりの噴霧量とノズルピッチの関係を示すグラフである。 ノズル1本当たりの噴霧量とノズルピッチとノズルの総本数の関係を示すグラフである。 ノズル1本当たりの噴霧量とノズルピッチと定着ヘッドの搬送方向の長さの関係を示すグラフである。 1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρ、最小噴霧量α、最大噴霧量βおよび千鳥配列群の数の関係を示すグラフである。 ρmax>β−αのときの噴霧量ρの調整方法を示す図である。 千鳥配列群と噴霧の着弾範囲の関係を示す図である。 一部のノズルが目詰まりしたときの千鳥配列群と噴霧の着弾範囲の関係を示す図である。 ノズルの目詰まりに対応して千鳥配列群の数を増やした状態を示す図である。 定着に最低限必要な千鳥配列群の数と印字速度との関係を示すグラフである。 追加可能な千鳥配列群の数と印字速度との関係を示すグラフである。 第1ノズルと第2ノズルを結ぶ仮想線と搬送方向のなす角が30°である形態を示す図である。 第1ノズルと第2ノズルを結ぶ仮想線と搬送方向のなす角が60°である形態を示す図である。 第1ノズルと第2ノズルを結ぶ仮想線と搬送方向のなす角が30°未満である形態を示す図である。 搬送方向に並ぶ複数のノズル列を幅方向に少しずつずらした形態を示す図である。 画像形成装置の変形例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、画像形成装置の一例としてのレーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
以下の説明において、方向は、レーザプリンタ使用時のユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、レーザプリンタ1は、筐体2と、記録シートおよび対象物の一例としての用紙Pを給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
フィーダ部3は、筐体2の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内の用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを備えている。
画像形成部4は、筐体2内に収容されており、主に、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、転写ローラTRと、噴霧装置の一例としての定着装置7とを備えている。
スキャナユニット5は、筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射する。
プロセスカートリッジ6は、筐体2に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ6は、静電潜像が形成される感光ドラム61と、図示しない帯電器と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部62と、トナー収容部62内のトナーを感光ドラム61に供給する供給ローラ63および現像ローラ64を備えている。
このプロセスカートリッジ6では、図示せぬ帯電器が、回転する感光ドラム61の表面を一様に帯電する。スキャナユニット5は、感光ドラム61の表面にレーザビームを出射して、感光ドラム61の表面を露光することで、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。
次いで、回転駆動される現像ローラ64が、感光ドラム61の静電潜像にトナーを供給して、感光ドラム61の表面上にトナー像を形成する。その後、感光ドラム61の表面上に担持されたトナー像は、用紙Pが感光ドラム61と転写ローラTRの間で搬送される際に、転写ローラTRに引き寄せられて用紙P上に転写する。
定着装置7は、帯電された定着液Lを静電噴霧により用紙P上のトナー像に向けて噴霧することで、用紙P上にトナー像を定着させる装置である。なお、定着装置7の構成については、後で詳述する。
定着装置7の下流側には、定着装置7から排出された用紙Pを下流側に搬送するための下流側搬送ローラ81が設けられている。下流側搬送ローラ81によって搬送された用紙Pは、排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ21上に排出される。
次に、定着装置7の構成について詳細に説明する。
定着装置7は、液体の一例としての定着液Lを噴霧するための定着ヘッド71と、定着ヘッド71の下で用紙Pと面するように配置される第2電極72とを備えている。言い換えると、第2電極72は、定着ヘッド71と向かい合う位置に設けられている。なお、定着装置7の上下流にあるローラ(感光ドラム61、転写ローラTR、下流側搬送ローラ81等)は、定着ヘッド71の前方から後方に向かう方向において、後述するノズルNと第2電極72との間に用紙Pを搬送する搬送機構を構成している。
定着液としては、良好に静電噴霧を行い、かつ、定着を行うために、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたものを使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。つまり、本実施形態では、トナーを溶解させる溶質を水に分散するタイプ、いわゆる、水中油滴型のエマルジョンでトナーの溶解を行っている。つまり、溶媒としての水に対して不溶または難溶な溶質を水に分散した定着液を用いている。溶質としては、脂肪族モノカルボン酸エステル系として、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、脂肪族ジカルボン酸エステル系として、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、脂肪族トリカルボン酸エステル系として、oアセチルクエン酸トリエチル、oアセチルクエン酸トリブチル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル系として、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、炭酸エステル系として、炭酸エチレン、炭酸プロピレンを使用することができる。これらの溶質はトナーを軟化させる機能を有する。
また、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤を加えても良く、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類を使用することができる。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を使用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル類を使用することができる。
定着ヘッド71は、定着液Lを内部に収容する収容部73と、収容部73に連通し、トナー像に向けて定着液Lを噴霧する複数のノズルNと、収容部73内および各ノズルN内の定着液Lに電圧を印加する第1電極74とを備えている。第1電極74は、収容部73の上壁73Aを上から下に貫通するように設けられ、下端部が収容部73内の定着液L内に配置され、上端部が、図示せぬ電圧印加部を有する制御装置に接続されている。
第2電極72は、用紙Pに接触して、ノズルN内の定着液Lと用紙Pとの間に電位差(電界)を形成するための電極であり、各ノズルNの先端から所定距離離れるように、各ノズルNの下に配置されている。ここで、所定距離は、用紙Pの厚さよりも大きな距離であり、実験やシミュレーション等によって静電噴霧を好適に行うことが可能な距離に設定されている。なお、第2電極72は、接地されていてもよいし、第1電極74に印加される電圧よりも小さな電圧が印加されていてもよい。また、第2電極72に印加される電圧が、第1電極74に印加される電圧と逆極性の電圧であってもよい。第2電極72が設置される場合、第1電極74に印加される電圧は、1kv〜10kvであることが好ましい。
第1電極74に電圧が印加されるとノズルNの先端付近の空間に電界が形成される。すると、ノズルNの先端では、定着液Lが電界に引っ張られていわゆるテイラーコーンが形成される。このテイラーコーンの先端から定着液Lが引きちぎられることによって微細な液滴が生成する。
ノズルNから噴霧された液滴状の定着液Lは、正に帯電している。これに対し、用紙Pは実質的にゼロ電位状態になっている。このため、液滴状の定着液Lは、クーロン力によって用紙Pに向かって飛んでゆき、用紙Pやトナー像に付着する。
このように構成された第1電極74および第2電極72は、ノズルN内の定着液Lと、ノズルNから離れた位置で搬送される用紙Pとの間に電位差を形成するための電位差形成部となっている。
図2(a)に示すように、収容部73は、左右方向、つまり用紙Pの幅方向(搬送方向に直交する直交方向)に長尺となる矩形の容器であり、上壁73A、前壁73B、後壁73C、左壁73D、右壁73Eおよび下壁73Fを有している。
図2(b)に示すように、複数のノズルNは、収容部73の下壁73Fから下方に向けて突出しており、下方に向かう程、徐々に縮径している。複数のノズルNは、用紙Pの幅方向、つまり左右方向に複数配列されるとともに、用紙Pの搬送方向、つまり前後方向に複数配列されている。
詳しくは、複数のノズルNは、搬送方向に並ぶ3つの千鳥配列群U1,U2,U3を構成している。以下の説明では、最前方に位置する千鳥配列群U1を、第1千鳥配列群U1とも称し、第1千鳥配列群U1の搬送方向下流側に位置する千鳥配列群U2を、第2千鳥配列群U2とも称し、最後方に位置する千鳥配列群U3を、第3千鳥配列群U3とも称する。
図3(a),(b)に示すように、第1千鳥配列群U1は、幅方向に一定の第2間隔D2を空けて配列される複数の第1ノズルN1からなる第1ノズル列と、幅方向に一定の第3間隔D3を空けて配列される複数の第2ノズルN2からなる第2ノズル列とからなり、幅方向の一方側から他方側に向けて、第1ノズルN1と第2ノズルN2とが搬送方向の一方側と他方側に交互に配置されている。本実施形態では、第2間隔D2と第3間隔D3は同じ間隔である。第2ノズルN2は、搬送方向から見たときに、幅方向に隣り合う2つの第1ノズルN1の間に配置されている。第1ノズル列の複数の第1ノズルN1は、左右方向に延びる同一直線上に配置されている。第2ノズル列の複数の第2ノズルN2は、左右方向に延びる同一直線上に配置されている。第1ノズル列は、搬送方向において第2ノズル列の上流に配置されている。
詳細に説明すると、第1ノズル列は、1つのノズルを第1ノズルN1A、第1ノズルN1Aと幅方向で隣接する第1ノズルN1を第1ノズルN1Bとを有する。第2ノズル列は、搬送方向において第1ノズルN1Aおよび第1ノズルN1Bと隣接する第2ノズルN2Aを有する。第2ノズルN2Aは、搬送方向から見て第1ノズルN1Aおよび第1ノズルN1Bの間に配置されている。第1ノズルN1Aおよび第1ノズルN1Bと第2ノズルN2Aとの間隔は、第1間隔D1となっている。言い換えると、幅方向に隣り合う2つの第1ノズルN1と、幅方向において前記2つの第1ノズルN1の間に配置される1つの第2ノズルN2とを結んだ線が、2等辺三角形となっている。
第2千鳥配列群U2および第3千鳥配列群U3は、第1千鳥配列群U1と同じ構造となっている。つまり、第2千鳥配列群U2および第3千鳥配列群U3は、幅方向に一定の第2間隔D2を空けて配列される複数の第1ノズルN1からなる第1ノズル列と、幅方向に一定の第3間隔D3を空けて配列される複数の第2ノズルN2からなる第2ノズル列とからなる。第1ノズル列は、第2ノズル列に対して搬送方向上流側に配置されている。複数の第1ノズルN1と複数の第2ノズルN2とは、幅方向の一方側から他方側に向けて、搬送方向の一方側と他方側に交互に配置されている。また、第2千鳥配列群U2および第3千鳥配列群U3においても、幅方向に隣り合う2つの第1ノズルN1と、幅方向において前記2つの第1ノズルN1の間に配置される1つの第2ノズルN2とを結んだ線が、2等辺三角形となっている。
第2千鳥配列群U2は、第1千鳥配列群U1の搬送方向下流側に配置され、第1千鳥配列群U1に対して第2間隔D2の半分より小さな距離だけ幅方向の一方側(右側)にずれている。詳しくは、第2千鳥配列群U2は、第1千鳥配列群U1に対して、ノズルNの略直径分だけ右側にずれて配置されている。また、第2千鳥配列群U2を構成する第1ノズルN1と、第1千鳥配列群U1を構成する第2ノズルN2との間隔のうち小さい方の間隔Dsは、第1間隔D1以上となっている。
第3千鳥配列群U3は、第2千鳥配列群U2の搬送方向下流側に配置され、第2千鳥配列群U2に対して、ノズルNの略直径分だけ右側にずれて配置されている。また、第3千鳥配列群U3を構成する第1ノズルN1と、第2千鳥配列群U2を構成する第2ノズルN2との間隔のうち小さい方の間隔Dsは、第1間隔D1以上となっている。
つまり、3つの千鳥配列群U1,U2,U3を構成する複数のノズルNのそれぞれの間隔のうち最も小さな間隔は、第1間隔D1となっている。そして、第1間隔D1は、隣り合う2つのノズルNのうち、一方のノズルNから噴霧される定着液と他方のノズルNから噴霧される定着液とが電気的に反発する間隔以下に設定されている。
なお、第1間隔D1は、図4に示す実験結果から求まる近似式などに基づいて適宜設定することができる。
ここで、図4に示すグラフは、ノズル1本当たりの噴霧量y[g/s]とノズルピッチx[mm]との関係を調べた実験結果と、その近似式を示すものである。この実験によると、ノズルピッチxを小さくすればするほど、1本当たりの噴霧量yが小さくなることが確認された。そして、この実験による実測値に基づく近似式は、以下の式(1)のように設定される。
y=(1−1/exp(x/B))×A ・・・ (1)
y:ノズルピッチxで配置された複数のノズルのうちノズル1本当たりの噴霧量[g/s]
x:ノズルピッチ[mm]
A:ノズルを1本だけ配置したときの当該ノズルの噴霧量[g/s]
B:y15=(1−1/exp(15/B))×Aを満たす値
y15:ノズルピッチ15mmで配置された複数のノズルのうちノズル1本当たりの噴霧量の実測値[g/s]
ここで、ノズルピッチ15mmは、yの値がAの値より2%減少した時のノズルピッチである。
図4に示すグラフより、ノズルピッチxが20mm以上のときの噴霧量yは、Aでほぼ一定であることが確認された。これは、ノズルピッチxが十分確保されているため、各ノズルNから噴霧される定着液Lが電気的に干渉していないためだと考えられる。
しかしノズルピッチxを小さくしていくと、噴霧量は減少し、ノズルピッチ15mmを境に噴霧量が減少しはじめることが確認された。これは、ノズルピッチxが小さくなり各ノズルNから噴霧される定着液Lが電気的に干渉することや、各ノズルNと第2電極72との間で形成される電界が互いに干渉することが原因と考えられる。
ここで、ノズルピッチxが15mmよりも小さい領域では、式(1)は、ノズルピッチxの減少に伴って噴霧量がゆるやかに上に凸の曲線を描いて減少していく。具体的には、ノズルピッチxの減少割合に対して噴霧量の減少割り合の方が少ない。詳しくは、(15、y15)と原点を通る直線L1に対して、x≦15の領域では、噴霧量は常に直線L1よりも多くなっている。なお、直線L1は、以下の式(1−2)で表される。
y=(y15/15)・x ・・・ (1−2)
なお、図4に示す実験データでは、定着液Lに対して5.5kVの電圧を印可した場合の例であるが、定着液Lに対して5.0kv、6.0kvの電圧を印可した場合であっても同様の傾向が得られた。また、上記したエマルジョンを形成する各定着液Lについて電圧を印可した場合も図4と同様の傾向が得られた。
また、ノズルピッチxが2mmより小さい場合には、噴霧量yが小さくなりすぎることが確認された。
なお、上記の式(1)におけるノズルピッチxは、第1間隔D1で並んだ第1ノズルN1および第2ノズルN2間のピッチであり、以下の式(2)の関係を満たす。
x=D1+2r ・・・ (2)
D1:第1間隔
r:ノズルNの半径
なお、図4の実験結果が得られた実験においては、半径rが0.5mmのノズルNを用いた。そのため、定着液の電気的な反発が生じるとともに、適度な量の噴霧量yが得られる第1間隔D1は、1mm以上、14mm以下の範囲内で設定すればよいことが確認された。
一方、用紙P上にトナー像を定着するのに最低限必要な最小噴霧量α[g/s]は、以下の式(3)により算出される。
α=At/T1 ・・・ (3)
At:所定サイズの用紙Pの画像形成範囲をすべて印字したとき、つまり黒ベタ印字したときにおいて定着に必要なトータルの噴霧量[g]
T1:1枚の用紙Pの搬送時間[s]
なお、搬送時間T1は、以下の式(4)により算出される。
T1=(60/V)・{Lf/(Lf+C)} ・・・ (4)
V:用紙Pの搬送速度[ppm]
Lf:用紙Pの搬送方向の長さ[mm]
C:連続印字時における紙間距離[mm]
ここで、用紙Pの搬送速度Vは、レーザプリンタ1のスペックにより決まっている。また、用紙Pの搬送方向の長さLfは、例えばA4サイズの用紙Pであれば、297mmとなり、連続印字時における紙間距離Cは、搬送速度Vと用紙Pの搬送方向の長さLfとによって決定される。
そして、定着ヘッド71に設けるノズルNの総本数Stは、
St≧α/{(1−1/exp(x/B))×A}
を満たす自然数に設定される。
詳しくは、図5に示すように、ノズルNの総本数Stは、ノズルピッチxが小さくなるほど、大きな数に設定される。
また、1つの千鳥配列群(例えば第1千鳥配列群U1)を構成するノズルNの本数S1は、用紙Pの幅Lb(左右方向の長さ)との関係を考慮して、以下の式(5)により算出される。
S1=Lb/(x・cosθ1)+1 ・・・ (5)
θ1:幅方向に並ぶ2つの第1ノズルN1を結んだ線と、所定の千鳥配列群において隣り合う第1ノズルN1と第2ノズルN2とを結んだ線とのなす角(図3(b)参照)
ここで、用紙Pの幅Lbは、例えばA4サイズの用紙Pであれば、210mmとなる。
そして、上記の本数S1で構成される千鳥配列群の数n(定着に最低限必要な数)は、以下の式(6)を満たす最小の自然数に設定される。
n≧α/ρ ・・・ (6)
α:式(3)で示した最小噴霧量[g/s]
ρ:1つの千鳥配列群の1秒間当たりの噴霧量[g/s]であり、以下の式(6−1)より算出される。
ρ=y・S1 ・・・ (6−1)
y:前述したノズル1本当たりの噴霧量[g/s]
S1:前述した千鳥配列群を構成するノズルNの本数
そして、定着に最低限必要な千鳥配列群の数nが決まると、定着ヘッド71の搬送方向の長さLh(最低限必要な長さ)が、以下の式(7)により算出される。
Lh=(2n−1)・x・sinθ1 ・・・ (7)
x:前述したノズルピッチ[mm]
θ1:式(5)で示した角度
詳しくは、図6に示すように、定着ヘッド71の搬送方向の長さLhは、ノズルピッチxが小さくなるほど、小さな値に設定することが可能となっている。
ここで、定着ヘッド71を小型化するためには、ノズルピッチxを小さくする必要がある。ノズルピッチxを小さくすると噴霧量yは減少するので、定着ヘッド71から噴霧される定着液Lの量を所定量確保するためには、ノズル数を増加させる必要がある。すると定着ヘッド71の大型化につながる場合がある。特に、噴霧量yが、x≦15の領域で式(1−2)を満たすように減少していく場合は、ノズルピッチxの減少幅に対して噴霧量の減少幅が大きくなることから、定着ヘッド71から噴霧される定着液Lの量を所定量確保するためには、ノズル本数を大幅に増加させる必要がある。
しかし、本実形態においては、各ノズルNを電界が干渉する距離、即ち、ノズルピッチxが15mmよりも小さくなるように配置した。この場合、ノズルNからの噴霧量yは、式(1)を満たすように減少していく。言い換えると、x≦15の領域では、常に式(1−2)よりも高い値となる式(1)を満たすように噴霧量yが減少していく。つまり、ノズルピッチxの減少量に対して噴霧量yの減少量を小さくできることから、定着ヘッド71から所定の噴霧量yを確保しつつ、ノズル本数を増やしても定着ヘッド71を用紙Pの搬送方向に小型化することができる。
図4に示す噴霧特性を有するノズルNにおいて、図6に示すグラフは、ノズル1本あたりの噴霧量yおよびノズルピッチxの関係と、定着ヘッド71の搬送方向における長さLhとノズルピッチxの関係が記載されたグラフである。図5は、ノズル1本あたりの噴霧量yおよびノズルピッチxの関係と、定着ヘッド71のノズル総本数Stとノズルピッチxの関係を示すグラフである。
図5は、定着ヘッド71から噴霧される定着液Lの総量が所定値At(定着に必要な最低限の定着液量)以上となるように設定した場合の、ノズルピッチxと定着ヘッド71の総ノズル本数Stとの関係を示している。ノズルピッチxを減少していくとノズル1本あたりの噴霧量yは減少することから、定着ヘッド71から噴霧される定着液Lの量を一定にするためには、ノズル本数を増やす必要がある。図5からノズルピッチxを小さくするにつれて、ノズル本数が増加していくことが分かる。
図6は、図5に示すように定着ヘッド71から噴霧される定着液Lの総量が所定値At以上となるようにノズル本数を増加させた場合の、ノズルピッチxと定着ヘッド71の搬送方向における長さLhの関係を示している。図6に示すようにノズル本数を増加させつつも(ノズルピッチxを減少させつつも)定着ヘッド71の搬送方向の長さは減少していることが分かる。
次に、定着ヘッド71において、用紙Pの搬送方向における千鳥配列群の配列数の設定方法について説明する。
静電噴霧方式によって定着液Lを塗布する場合、ノズルNから噴霧される液滴は、液滴径が10μm以下の微粒子である。そのため、ノズル1本あたりから噴霧される定着液量は、少ない。そこで、用紙P上の所定の領域に対して噴霧される定着液量を十分確保するために、千鳥配列群Uを用紙Pの搬送方向に複数配列することが望ましい。具体的には、図9に示すように、用紙P上において定着ヘッド71の噴霧領域を左右方向に分割した場合、領域Aは、2つの千鳥配列群によって定着液Lを噴霧されることになる。ここで、図9に示す破線で示す範囲は、ノズルNによる噴霧の着弾範囲(用紙P上での噴霧範囲)を示し、破線内のドットのハッチングは、正常に噴霧されたことを示している。これにより、用紙P上へ噴霧される定着液Lの量を十分に確保することができる。
しかしながら、用紙Pに噴霧される定着液Lの量が多すぎると、定着液Lによって軟化したトナーが固まるまでに時間がかかる場合がある。トナーが固まりきらない状態で用紙Pが搬送されると、定着装置7の下流側に配置された下流側搬送ローラ81やセンサに用紙P上のトナーが付着し、印字不良につながる場合がある。そのため、搬送方向における千鳥配列群の列数を適切に設定する必要がある。
そこで、前述した1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρ[g/s]は、以下の式(8)を満たすように設定されている。
ρ≦β−α ・・・ (8)
α:式(3)で示した最小噴霧量[g/s]
β:用紙P上のトナー像が複数の千鳥配列群U1〜U3の下流側の部材(図1に示す下流側搬送ローラ81)に接触する前にトナー像を乾燥させることが可能な最大噴霧量[g/s]
βは、定着液Lの軟化剤の種類によって適宜設定することができる。
つまり、1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρは、式(8)と前述した式(6−1)を両方満たす必要がある。式(8)を満たさない場合には、ノズルN内の定着液Lと用紙Pとの間の電位差の変更や、ノズルNの先端の液圧の変更などを行うことで、1本当たりの噴霧量yを小さくして、噴霧量ρの値を小さくすればよい。具体的には、第1電極74に印加する電圧の値を小さくすること、ノズルNと第2電極72との間隔を小さくすること、ノズルNの先端の液圧を小さくすること等が挙げられる。
そして、定着ヘッド71に実際に設ける千鳥配列群の数kは、以下の式(9)が満たされるように設定される。
n+1≦k≦m ・・・ (9)
n:前述した定着に最低限必要な千鳥配列群の数
m:m≦β/ρを満たす最大の自然数
ここで、定着ヘッド71のノズルNは、ノズルNの先端にトナーが付着することで目詰まりを起こす場合がある。このような場合、図10に示すように、領域Aの範囲において、用紙P上に噴霧される定着液Lの量が不足することになる。ここで、図10では、目詰まりを起こしたノズルNを、破線で示す噴霧の着弾範囲にハッチングを施さないことで表現している。このように定着液Lの量が不足すると、トナー像が未定着のまま排紙され印字不良となる。
そこで、定着ヘッド71の信頼性を確保するために、式(9)に示すように、定着に最低限必要な千鳥配列群の数よりも1つ多くの千鳥配列群を設けるように設定している。これにより、図11に示すように、領域A内においてノズルNの目詰まりが発生した場合であっても、千鳥配列群を多く配置しているため定着不良を防ぐことができる。また、ノズルNの目詰まりが発生していない領域については、千鳥配列群の数がm以下に設定されているため、定着後の画像が下流側搬送ローラ81に付着する等の印字不良を低減することができる。
ここで、具体的には、図7に示すように、定着ヘッド71全体での噴霧量を最小噴霧量α以上とするには、千鳥配列群が2つ必要であり、かつ、千鳥配列群を5つ以上設けると、定着ヘッド71全体での噴霧量が最大噴霧量β以上になってしまう場合には、千鳥配列群の数kを、3,4のいずれかに設定すればよい。なお、本実施形態では、k=3として説明を行う。
しかし、図8に示すように、仮に、前述した1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρが、1つの千鳥配列群の最大能力に対応した最大噴霧量ρmaxであり、かつ、ρmax>β−αである場合には、ノズル目詰まり等に対応するために千鳥配列群をnより多く配置することができない。これは、ρmax>β−αを満たす状態であると、千鳥配列群を増やすことで、用紙に噴霧される定着液量がβの値を超えてしまうためである。
ここで、ρmax>β−αとなる場合の一例を説明する。用紙P上のトナーに定着液Lが噴霧されてからトナーが硬化するまでの時間は、用紙P上に噴霧される定着液Lの量に比例することが実験で分かっている。
また、用紙Pの所定の領域に対して所定のノズル本数によって噴霧される定着液Lの量は、用紙Pの搬送速度に依存することが実験により分かっている。すなわち、用紙Pの搬送速度が遅い場合は、用紙Pに噴霧される定着液Lの量は、増加する。これは、用紙Pの搬送速度が遅い場合は、用紙Pが定着ヘッド71と対向する時間が長くなるためである。
一方、用紙Pの搬送速度が速い場合は、用紙Pに噴霧される定着液Lの量は、減少する。これは、用紙Pの搬送速度が速い場合は、用紙Pが定着ヘッド71と対向する時間が短くなるためである。このことから、定着ヘッド71の用紙Pの搬送方向におけるノズル本数は、用紙Pに噴霧される定着液量をα以上とするために、用紙Pの搬送速度を増加させるほど多く設けられる必要がある。そして、用紙Pの搬送速度と千鳥配列群との関係を図12に示す。
図12は、実験により求めた用紙Pの搬送速度(印字速度)と、定着に最低限必要な千鳥配列群の数との関係を示すグラフである。図12に示すように、定着に必要な千鳥配列群の最小数nは、用紙Pの搬送速度が増加するほど、増加している。
また、図12は、実験によりもとめた、定着液Lが噴霧されたトナー像が下流側搬送ローラ81の表面に付着しない最大の千鳥配列群数mと用紙Pの搬送速度との関係を示す。図12に示すように、用紙Pの搬送速度が増加しても最大の千鳥配列群数mは、一定である。これは、定着液Lが噴霧されたトナー像の硬化時間が噴霧する定着液量に比例しているためである。具体的には、用紙Pの搬送速度が上がるとトナー像が下流側搬送ローラ81に到達する時間が短くなる一方で、用紙Pの所定の領域へのノズル1本あたりの噴霧量(実際に用紙Pに塗布される定着液量)も減少するためと考えられる。
ここで、図12に示すように、用紙Pの搬送速度が増加すると、千鳥配列群数の最大数mと最小数nとが逆転する。これは、最大数mと最小数nとが同じ値となるときの搬送速度より早い用紙Pの搬送速度で搬送すると、定着に十分な定着液量をトナー像に塗布するために千鳥配列群を増加すると、用紙Pに塗布された定着液量が過剰となり、トナーが軟化した状態で下流側搬送ローラ81と接触し、印字不良が発生してしまうことを示している。
図13は、図12に示すグラフにおいて、千鳥配列群数の最大数mと最小数nとの差を示すグラフであり、噴霧量ρの条件は、ρ=β−αである。つまり、図13は追加可能な千鳥配列群の数を示している。図13からわかるように、用紙Pの搬送速度が増加すると追加できる千鳥配列群の数が少なくなっていく。そして、図13において、追加可能な千鳥配列群が1つ未満の領域では、千鳥配列群を追加すると、上限値を超えてしまうことになるので、千鳥配列群を追加することができない。
そこで、本実施形態のように、噴霧量ρを、最大噴霧量ρmaxよりも小さな値、詳しくは式(8)を満たす小さな値ρsに設定することで、用紙Pの搬送速度を増加させても、信頼性の高い定着ヘッド71を提供することができる。
次に、定着ヘッド71による作用効果について説明する。
図1に示すように、用紙Pが第2電極72の上に到達すると、用紙Pから離れて配置された定着ヘッド71の各ノズルNから定着液Lが噴霧される。詳しくは、図3(b)に示すように、まず、第1千鳥配列群U1の各ノズルNから定着液Lが用紙Pに向けて噴霧される。この際、複数のノズルNが千鳥配列されていることにより、用紙Pの幅方向全体に略均等に定着液Lが噴霧される。
その後、用紙Pのうち第1千鳥配列群U1にて噴霧された部分は、第2千鳥配列群U2の下方に移動し、この第2千鳥配列群U2の各ノズルNによって定着液Lが噴霧される。これにより、用紙Pのうち第1千鳥配列群U1および第2千鳥配列群U2で定着液Lが噴霧された部分には、最小噴霧量α以上の定着液Lが噴霧されるので、当該部分上のトナー像を定着液Lで良好に溶かすことができる。
その後、用紙Pのうち2つの千鳥配列群U1,U2にて噴霧された部分は、第3千鳥配列群U3の下方に移動し、この第3千鳥配列群U3の各ノズルNによって定着液Lが噴霧される。このように第3千鳥配列群U3により、必要以上の定着液Lが用紙P上に噴霧されるが、噴霧された部分の定着液Lの量は、最大噴霧量β以下であるため、当該部分が定着ヘッド71を抜けて、その下流側の下流側搬送ローラ81に到達した際には、十分乾いている。これにより、定着液Lで溶かされたトナーが下流側搬送ローラ81に付着して、画像不良となるのを抑えることができる。
また、仮に第1千鳥配列群U1の少なくとも一部のノズルNが詰まって当該部分からの噴霧を良好に行えなくなった場合には、第1千鳥配列群U1の不具合が生じた部分に対応した用紙Pの部分には定着液Lが供給されなくなる。しかしながら、この場合であっても、当該部分に対して、残りの2つの千鳥配列群U2,U3から最小噴霧量α以上の定着液Lが噴霧されるので、第1千鳥配列群U1の不具合によって定着不良が生じるのを抑えることができる。
以上、本実施形態によれば、前述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
搬送される用紙Pから離れて配置される各ノズルNから定着液Lを噴霧することで、定着液Lによって溶かされたトナーが各ノズルNに付着するのを抑えることができるので、定着後のトナー像の乱れを抑えることができる。
搬送される用紙P上のトナー像に対して、搬送方向に並ぶ複数本のノズルNから定着液Lを噴霧するので、1本当たりのノズルNの噴霧量を小さくすることができる。
隣り合う第1ノズルN1と第2ノズルN2が、第1ノズルN1から噴霧される定着液Lと第2ノズルN2から噴霧される定着液Lとが電気的に反発する間隔以下の第1間隔D1で配置されるので、複数のノズルNを密集させることができ、定着ヘッド71の大きさ、詳しくは搬送方向の長さLhを小さくすることができる。
ノズルNの総本数Stを、St≧α/{(1−1/exp(x/B))×A}を満たす自然数としたので、用紙P上にトナー像を良好に定着することができる。
第1間隔D1を、1mm以上としたので、第1ノズルN1と第2ノズルN2が近すぎることで静電噴霧を良好に行えなくなるのを抑えることができる。
搬送方向下流側の2つの千鳥配列群U2,U3を、それぞれ搬送方向上流側の千鳥配列群に対して第2間隔D2の半分より小さな距離だけ幅方向にずらすことで、すべてのノズルNから用紙P上に噴霧された定着液Lの噴霧領域の幅方向におけるピッチを小さくすることができるので、良好に定着を行うことができる。
複数のうち1つの千鳥配列群において噴霧不良が発生しても、定着するのに最低限必要な数nよりも余分に設けられた千鳥配列群によって噴霧することができるので、定着を良好に行うことができる。
千鳥配列群の数kを、k≦m、かつ、m≦β/ρが満たされるように設定したので、千鳥配列群の数を増やし過ぎることによって、定着液Lによって溶かされたトナー像が乾燥する前に下流側搬送ローラ81に付着してしまうのを抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、複数の千鳥配列群U1〜U3を幅方向に少しずつずらして配置したが、本発明はこれに限定されず、図14および図15に示すように、複数の千鳥配列群U1,U2を幅方向において同じ位置に配置してもよい。また、図14および図15に示すように、第2間隔D2と第3間隔D3を同じ値とし、隣り合う第1ノズルN1と第2ノズルN2とを結ぶ仮想線Lvと、搬送方向とのなす角θ2を、30°〜60°の範囲内で設定してもよい。
これによれば、幅方向に隣り合う2つの第2ノズルN2の間隔(第3間隔D3)、または、搬送方向に隣り合う2つの第1ノズルN1の間隔D0が、第1間隔D1より小さくなるのを抑えることができるので、2つのノズルNの間隔が小さすぎることで静電噴霧を良好に行えなくなるのを抑えることができる。
なお、好ましくは、図14に示すように、幅方向に隣り合う2つの第1ノズルN1と、幅方向において2つの第1ノズルN1の間に配置される1つの第2ノズルN2とを結んだ線が正三角形となるように各ノズルNを配置するのが望ましい。これによれば、各ノズルNを最密に配置することができる。
なお、図16に示すように、隣り合う第1ノズルN1と第2ノズルN2とを結ぶ仮想線Lvと、搬送方向とのなす角θ2を、30°未満としてもよい。また、図示は省略するが、角θ2を、60°よりも大きくしてもよい。
また、図17に示すように、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数のノズルNからなる複数のノズル列C1〜C4を、搬送方向下流側に向かうにつれて徐々に幅方向にずらして配置してもよい。詳しくは、第1ノズル列C1は、幅方向に一定の第4間隔D4を空けて配列される複数の第1ノズルN1からなり、第2ノズル列C2は、第1ノズル列C1の搬送方向下流側に配置され、幅方向に一定の第5間隔D5を空けて配列される複数の第2ノズルN2からなる。
第3ノズル列C3は、第2ノズル列C2の搬送方向下流側に配置され、幅方向に一定の第6間隔D6を空けて配列される複数の第3ノズルN3からなり、第4ノズル列C4は、第3ノズル列C3の搬送方向下流側に配置され、幅方向に一定の第7間隔D7を空けて配列される複数の第4ノズルN4からなる。各間隔D4〜D7は、それぞれ同じ値となっている。
第2ノズル列C2は、第1ノズル列C1に対して第4間隔D4の半分より小さな距離だけ幅方向の一方にずれ、第3ノズル列C3は、第2ノズル列C2に対して第5間隔D5の半分より小さな距離だけ幅方向の一方にずれ、第4ノズル列C4は、第3ノズル列C3に対して第6間隔D6の半分よりも小さな距離だけ幅方向の一方にずれている。本実施例では、間隔D4を3で割った距離ずつずれるように配置されている。
これによれば、各ノズルN1〜N4から用紙P上に噴霧された定着液Lの噴霧領域の幅方向におけるピッチを小さくすることができるので、良好に定着を行うことができる。
前記実施形態では、感光ドラム61と定着装置7が前後方向に並び、筐体2内において用紙Pが略S字状に搬送されるレーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図18に示すように、定着装置7および感光ドラム61が、筐体2の上下方向に直交する方向における一端側に片寄って配置され、筐体2内において用紙Pが略C字状に搬送されるレーザプリンタ1Aに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、第2電極72を、定着ヘッド71の各ノズルNの先端に対向するように配置したが、本発明はこれに限定されず、ノズルが突出する方向から見て、ノズルと第2電極が重ならないように第2電極を配置してもよい。この場合であっても、第2電極に接触した用紙がノズルの先端に対向したときに、ノズル内の定着液と用紙との間に電位差が形成されて、静電噴霧を行うことができる。
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、記録シートの一例として、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、感光体として感光ドラム61を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばベルト状の感光体であってもよい。
前記実施形態では、第1電極74を収容部73の内部に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えばノズルおよび収容部を金属等の導電性部材で形成して、ノズルまたは収容部に対して電圧を印加してもよい。なお、この場合には、電圧が印加されるノズルまたは収容部が、第1電極として機能する。また、収容部を樹脂等の非導電性の部材で形成し、ノズルを金属等の導電性の部材で形成し、ノズルに電圧を印加するようにしてもよい。なお、この場合には、ノズルが第1電極として機能する。
また、第2電極72は、必ずしもノズルNと対向する必要は無く、用紙の搬送方向上流側や下流側にずれて配置されていても良い。
7 定着装置
72 第2電極
73 収容部
74 第1電極
L 定着液
N ノズル
P 用紙

Claims (28)

  1. 帯電された定着液を静電噴霧により記録シート上の現像剤像に向けて噴霧することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置であって、
    前記定着液を内部に収容する収容部と、
    前記収容部に連通し、前記現像剤像に向けて前記定着液を噴霧する複数のノズルと、
    前記ノズル内の前記定着液と、前記ノズルから離れた位置で搬送される記録シートとの間に電位差を形成するための電位差形成部と、を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 前記ノズルは、前記記録シートの搬送方向と直交する直交方向に複数配列されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ノズルは、前記記録シートの搬送方向に複数配列されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記複数のノズルのうち隣り合う2つのノズルは、一方のノズルから噴霧される定着液と他方のノズルから噴霧される定着液とが電気的に反発する間隔以下の第1間隔で配置されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. ノズルを1本だけ配置したときの当該ノズルの噴霧量をA[g/s]、2つのノズルのノズルピッチが15mmであるときのノズル1本当たりの噴霧量の実測値をy15[g/s]、記録シート上に現像剤像を定着するのに最低限必要な最小噴霧量をα[g/s]、前記第1間隔で並んだ2つのノズルのピッチをx[mm]とし、
    Bを、y15=(1−1/exp(15/B))×A
    を満たす値としたときに、
    前記ノズルの総本数Stは、
    St≧α/{(1−1/exp(x/B))×A}
    を満たす自然数に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記第1間隔は、1mm以上であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記直交方向に一定の第2間隔を空けて配列される複数の第1ノズルと、前記直交方向に一定の第3間隔を空けて配列される複数の第2ノズルとからなり、前記直交方向の一方側から他方側に向けて、前記第1ノズルと前記第2ノズルとが前記搬送方向の一方側と他方側に交互に配置される千鳥配列群を、前記搬送方向において複数備えていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記直交方向に隣り合う2つの第1ノズルと、前記直交方向において前記2つの第1ノズルの間に配置される1つの第2ノズルとを結んだ線が2等辺三角形となることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記複数の千鳥配列群は、前記直交方向において同じ位置に配置され、
    前記第2間隔と前記第3間隔は、同じ値であり、
    隣り合う前記第1ノズルと前記第2ノズルとを結ぶ仮想線と、前記搬送方向とのなす角が、30°〜60°の範囲内で設定されていることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記直交方向に隣り合う2つの第1ノズルと、前記直交方向において前記2つの第1ノズルの間に配置される1つの第2ノズルとを結んだ線が正三角形となることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 複数の千鳥配列群のうち、所定の第1千鳥配列群の前記搬送方向下流側に配置される第2千鳥配列群は、前記第1千鳥配列群に対して前記第2間隔の半分より小さな距離だけ前記直交方向にずれていることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  12. 前記直交方向に一定の第4間隔を空けて配列される複数の第1ノズルからなる第1ノズル列と、
    前記第1ノズル列の前記搬送方向下流側に配置され、前記直交方向に一定の第5間隔を空けて配列される複数の第2ノズルからなる第2ノズル列と、を備え、
    前記第2ノズル列は、前記第1ノズル列に対して前記第4間隔の半分より小さな距離だけ前記直交方向にずれていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 前記電位差形成部は、前記ノズル内の定着液に電圧を印加する第1電極と、前記ノズル内の定着液と前記記録シートとの間に電位差を形成する第2電極とを備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρ[g/s]は、
    記録シート上に現像剤像を定着するのに最低限必要な最小噴霧量をα[g/s]、記録シート上の現像剤像が前記複数の千鳥配列群の下流側の部材に接触する前に現像剤像を乾燥させることが可能な最大噴霧量をβ[g/s]としたときに、
    ρ≦β−α
    が満たされるように設定され、
    前記千鳥配列群の数kは、
    nを、n≧α/ρを満たす最小の自然数としたときに、
    k≧n+1
    が満たされるように設定されていることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  15. 前記千鳥配列群の数kは、
    mを、m≦β/ρを満たす最大の自然数としたときに、
    k≦m
    が満たされるように設定されていることを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
  16. 1つの千鳥配列群当たりの噴霧量ρは、当該千鳥配列群の最大能力に対応した最大噴霧量ρmaxよりも小さいことを特徴とする請求項14または請求項15に記載の定着装置。
  17. 請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の定着装置と、
    現像剤像を担持する感光体と、
    前記定着装置および前記感光体を収容する筐体と、を備えた画像形成装置であって、
    前記定着装置および前記感光体が、前記筐体の上下方向に直交する方向における一端側に片寄って配置されていることを特徴とする画像形成装置。
  18. 対象物に液体を噴霧するための噴霧装置であって、
    第1ノズルおよび第2ノズルを含む複数のノズルを有するヘッドであって、
    内部に液体を収容する収容部と、
    前記収容部と連通する前記複数のノズルと、
    前記液体に電圧を印加可能な第1電極と、を有するヘッドと、
    前記対象物と前記ノズルとの間に電界を形成するための第2電極であって、前記ヘッドと向かい合う位置に設けられる第2電極と、
    を備え、
    前記第1ノズルと前記第2ノズルとは、前記第1ノズルと前記第2ノズルとから噴霧される液体が電気的に互いに干渉する第1間隔で配置されていることを特徴とする噴霧装置。
  19. ノズルを1本だけ配置したときの当該ノズルの噴霧量をA[g/s]、2つのノズルのノズルピッチが15mmであるときのノズル1本当たりの噴霧量の実測値をy15[g/s]、記録シート上に現像剤像を定着するのに最低限必要な最小噴霧量をα[g/s]、2つのノズルのノズルピッチのピッチをx[mm]とし、
    Bを、y15=(1−1/exp(15/B))×A
    を満たす値としたときに、
    前記ノズルの総本数Stは、
    St≧α/{(1−1/exp(x/B))×A}
    を満たす自然数に設定されていることを特徴とする請求項18に記載の噴霧装置。
  20. 前記第1間隔は、1mm以上であることを特徴とする請求項19に記載の定着装置。
  21. 前記ヘッドの一方から一方とは反対の他方に向かう方向において、前記ノズルと前記第2電極との間に前記対象物を搬送する搬送機構を有することを特徴とする請求項18から請求項20のいずれか1項に記載の噴霧装置。
  22. 前記対象物の搬送方向と直交する直交方向に一定の第2間隔を空けて配列される複数の第1ノズルと、前記直交方向に一定の第3間隔を空けて配列される複数の第2ノズルとからなり、前記直交方向の一方側から他方側に向けて、前記第1ノズルと前記第2ノズルとが前記搬送方向の一方側と他方側に交互に配置される千鳥配列群を、前記搬送方向において複数備えていることを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の噴霧装置。
  23. 前記直交方向に隣り合う2つの第1ノズルと、前記直交方向において前記2つの第1ノズルの間に配置される1つの第2ノズルとを結んだ線が2等辺三角形となることを特徴とする請求項22に記載の噴霧装置。
  24. 前記複数の千鳥配列群は、前記直交方向において同じ位置に配置され、
    前記第2間隔と前記第3間隔は、同じ値であり、
    隣り合う前記第1ノズルと前記第2ノズルとを結ぶ仮想線と、前記搬送方向とのなす角が、30°〜60°の範囲内で設定されていることを特徴とする請求項22に記載の噴霧装置。
  25. 前記直交方向に隣り合う2つの第1ノズルと、前記直交方向において前記2つの第1ノズルの間に配置される1つの第2ノズルとを結んだ線が正三角形となることを特徴とする請求項22に記載の噴霧装置。
  26. 複数の千鳥配列群のうち、所定の第1千鳥配列群の前記搬送方向下流側に配置される第2千鳥配列群は、前記第1千鳥配列群に対して前記第2間隔の半分より小さな距離だけ前記直交方向にずれていることを特徴とする請求項22に記載の噴霧装置。
  27. 搬送方向と直交する直交方向に一定の第4間隔を空けて配列される複数の第1ノズルからなる第1ノズル列と、
    前記第1ノズル列の前記搬送方向下流側に配置され、前記直交方向に一定の第5間隔を空けて配列される複数の第2ノズルからなる第2ノズル列と、を備え、
    前記第2ノズル列は、前記第1ノズル列に対して前記第4間隔の半分より小さな距離だけ前記直交方向にずれていることを特徴とする請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の噴霧装置。
  28. 前記電位差形成部は、前記ノズル内の液体に電圧を印加する第1電極と、前記ノズル内の液体と前記対象物との間に電位差を形成する第2電極とを備えることを特徴とする請求項18から請求項27のいずれか1項に記載の噴霧装置。
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