[go: up one dir, main page]

JP2017167245A - 定着装置 - Google Patents

定着装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017167245A
JP2017167245A JP2016050505A JP2016050505A JP2017167245A JP 2017167245 A JP2017167245 A JP 2017167245A JP 2016050505 A JP2016050505 A JP 2016050505A JP 2016050505 A JP2016050505 A JP 2016050505A JP 2017167245 A JP2017167245 A JP 2017167245A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
voltage
image
fixing device
control unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016050505A
Other languages
English (en)
Inventor
淳 三原
Atsushi Mihara
淳 三原
山本 晋也
Shinya Yamamoto
晋也 山本
豊 垣ヶ原
Yutaka Kakigahara
豊 垣ヶ原
諭是 村田
Satoshi Murata
諭是 村田
賢悟 武田
Kengo Takeda
賢悟 武田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2016050505A priority Critical patent/JP2017167245A/ja
Priority to EP20157737.6A priority patent/EP3674811B1/en
Priority to PCT/JP2016/079034 priority patent/WO2017057684A1/ja
Priority to CN201680056865.7A priority patent/CN108139707B/zh
Priority to EP16851853.8A priority patent/EP3358424B1/en
Publication of JP2017167245A publication Critical patent/JP2017167245A/ja
Priority to US15/940,106 priority patent/US10509351B2/en
Priority to US16/556,320 priority patent/US11009820B2/en
Priority to US17/319,852 priority patent/US11698596B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fixing For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着液を無駄に消費するのを抑えることを目的とする。
【解決手段】定着装置7は、定着液Lを内部に収容する複数の収容部73と、各収容部73に連通して設けられ、記録シート上の現像剤像に向けて定着液Lを噴霧する複数のノズルNと、各収容部73に設けられ、各収容部73内の定着液Lに電圧を印加してノズルNの先端に電界を発生させる第1電極74と、電圧を制御する制御部100と、を備える。制御部100は、記録シートの種類または画像データに応じて、各収容部73内の定着液Lに印加する各電圧をそれぞれ制御する。
【選択図】図2

Description

本発明は、定着液を記録シート上の現像剤像に噴霧することで、記録シート上に現像剤像を定着させる定着装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、転写されたトナー像を加熱によりトナーを溶融させ用紙にトナーを定着させる定着装置を備えたものが知られている。定着装置は、トナーを溶融するためにハロゲンヒータやセラミックヒータ等の発熱体を有する。溶融されたトナーは、用紙に対して加圧され用紙上に定着される。このような定着装置は、定着速度が速く、画像品質が良いことから広く普及している。しかしながら、このような熱定着方式の定着装置を用いる画像形成装置は、トナーを加熱することから多量の電力を消費するため画像形成装置の省電力には向かなかった。
上記のような課題に対し、トナーを溶解または膨潤させる定着液を用紙上のトナーに付与して、トナー像を用紙上に定着する定着装置を備えた画像形成装置がある。この定着装置は、熱定着方式のようなトナーを溶融させるための加熱処理が不要であり、消費電力が低く、省電力化に優れている。定着液をトナー像に塗布する定着装置としては、定着液を現像剤像に噴霧する定着装置が知られている(特許文献1参照)。具体的に、この定着装置は、記録シートの幅方向に移動可能なシャッタを備えている。シャッタは、記録シートと噴霧ヘッドとの間において、定着液の噴霧を遮るように配置されている。
そして、シャッタは、記録シートの種類に応じて幅方向の位置を変えるように制御されている。これにより、噴霧した定着液が記録シート以外のものに付着することが抑えられている。
特開2010−61076号公報
しかしながら、従来技術では、噴霧ヘッドがシャッタに対して噴霧しているので、定着液を無駄に消費してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、定着液を無駄に消費するのを抑えることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る定着装置は、定着液を内部に収容する複数の収容部と、各収容部に連通して設けられ、記録シート上の現像剤像に向けて前記定着液を噴霧する複数のノズルと、前記各収容部に設けられ、各収容部内の定着液に電圧を印加して前記ノズルの先端に電界を発生させる第1電極と、前記第1電極と間隔を空けて配置される第2電極と、前記電圧を制御する制御部と、を備える。
前記制御部は、記録シートの種類または画像データに応じて、前記各収容部内の定着液に印加する各電圧をそれぞれ制御する。
この構成によれば、記録シートの種類または画像データに応じて収容部ごとに電圧をそれぞれ制御するので、例えば幅狭の記録シートを定着する際において、当該記録シートの幅方向の外側に配置される収容部のノズルからの定着液の噴霧を停止させておくことができ、定着液を無駄に消費するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記複数の収容部は、前記記録シートの幅方向に並んでいてもよい。
また、前記した構成において、容器部と、当該容器部内を複数の部屋に仕切る仕切壁とを備え、前記各収容部は、前記容器部の一部と前記仕切壁とで構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記仕切壁は、前記容器部と一体に形成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記容器部は、前記ノズルの先端を保護するためのリブを有し、前記リブは、前記仕切壁を前記ノズルの長手方向に投影した位置に配置されていてもよい。
また、前記した構成において、前記リブは、前記容器部と一体に形成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記複数の収容部は、それぞれ別体に構成されていてもよい。
また、前記した構成において、前記複数の収容部は、第1記録シートの幅に対応して配置される第1収容部と、前記第1記録シートよりも幅広の第2記録シートの幅に対応して配置される第2収容部と、前記第2記録シートよりも幅広の第3記録シートの幅に対応して配置される第3収容部と、を有していてもよい。
これによれば、例えば第1記録シートに対して噴霧を行う場合には、第2収容部内および第3収容部内の定着液への電圧の印加を停止させておくことができるので、定着液を無駄に消費するのを抑えることができる。
また、前記した構成において、前記収容部は、記録シートの搬送方向に複数設けられていてもよい。
また、前記した構成において、各収容部に対して設けられ、各収容部内の定着液を接地するためのアース部材を備えていてもよい。
また、前記した構成において、各アース部材に対して設けられ、収容部内の定着液を接地させる第1状態と、定着液を接地させない第2状態とに切り替えられるスイッチをさらに備え、前記制御部は、所定の収容部内の定着液を噴霧する場合には、当該所定の収容部に対応したスイッチを前記第2状態とし、所定の収容部内の定着液を噴霧しない場合には、当該所定の収容部に対応したスイッチを前記第1状態とするように構成されていてもよい。
例えば各収容部内の定着液が配管を介して電気的に繋がっている場合には、噴霧を行う側の収容部内の定着液から、噴霧を行わない側の収容部内の定着液に電流が漏れるおそれがあり、この場合、噴霧を行わない側の収容部内の定着液がノズルから誤って噴霧されるおそれがある。これに対し、噴霧を行わない側の収容部に対応したスイッチを第2状態とすることで、流れてきた電流をアースに逃がすことができるので、誤った噴霧を抑えることができる。
また、前記した構成において、内部に定着液を収容する定着液カートリッジと、前記定着液カートリッジから定着液が供給され、前記複数の収容部に定着液を供給するタンクと、を有し、前記タンクには、当該タンク内の定着液を接地するためのアース部材が設けられていてもよい。
これによれば、噴霧を行う側の収容部内の定着液の電荷が配管内の定着液を介して、噴霧を行わない側の収容部へ流れるのを、その途中にあるタンクのアース部材によってアースに逃がすことができる。
また、前記した構成において、内部に定着液を収容する定着液カートリッジと、前記定着液カートリッジから定着液が供給され、前記複数の収容部に定着液を供給するタンクと、前記タンクと前記複数の収容部との間を繋ぐ複数の配管と、前記複数の配管のそれぞれに設けられる絶縁性のバルブと、を有し、前記制御部は、所定の収容部内の定着液を噴霧しない場合には、当該所定の収容部に対応したバルブを閉じるように構成されていてもよい。
これによれば、噴霧を行う側の収容部内の定着液から、噴霧を行わない側の収容部内の定着液に電流が漏れるのを絶縁性のバルブによって抑えることができる。
また、前記した構成において、前記各収容部に設けられるノズルの数は等しくてもよい。
また、前記した構成において、前記各収容部は同一形状であってもよい。
また、前記した構成において、前記複数のノズルピッチは、1mm以上14mm以下であってもよい。
本発明によれば、定着液を無駄に消費するのを抑えることができる。
本発明の一実施形態に係る定着装置を備えたレーザプリンタを示す図である。 定着装置を詳細に示す図である。 定着ヘッドを、斜め上方から見た斜視図(a)と、第1定着ヘッドを斜め下方から見た斜視図(b)である。 定着ヘッドを下方から見た下面図である。 第1電極に流れる電流と第1電極に印加する電圧の関係式を示す図である。 準備状態において各時刻を設定する処理を示すフローチャートである。 待機状態における電圧制御を示すフローチャートである。 印刷制御における電圧制御を示すフローチャートである。 第1定着ヘッド、第3定着ヘッドおよび第5定着ヘッドへ印加する電圧の変更タイミングを、用紙の先端または画像の各位置に対応して示すタイミングチャートである。 各定着ヘッドに印加される電圧が切り替わる様子を示す図であり、最初の用紙が各定着ヘッドに到達する前の状態から最初の用紙上の第2画像が第2定着ヘッドを通り過ぎるまでの様子を示す図(a)〜(h)である。 各定着ヘッドに印加される電圧が切り替わる様子を示す図であり、第2画像が第1定着ヘッドを通り過ぎてから第4画像が第5定着ヘッドを通り過ぎるまでの様子を示す図(a)〜(f)である。 変形例1に係る定着ヘッドを示す図である。 変形例2に係る定着ヘッドを示す図である。 変形例3に係る定着ヘッドを斜め上から見た斜視図である。 変形例3に係る定着ヘッドを斜め下から見た斜視図である。 各収容部にアース部材を設けた形態を示す図である。 タンクにアース部材を設けた形態を示す図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明においては、まず、レーザプリンタの全体構成を説明した後、本発明の特徴部分を詳細に説明することとする。
以下の説明において、方向は、図1に示す方向で説明する。すなわち、図1において、紙面に向かって右側を「前側」、紙面に向かって左側を「後側」とし、紙面に向かって奥側を「右側」、紙面に向かって手前側を「左側」とする。また、紙面に向かって上下方向を「上下方向」とする。
図1に示すように、レーザプリンタ1は、本体筐体2と、記録シートの一例としての用紙Pを給紙するためのフィーダ部3と、用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
フィーダ部3は、本体筐体2の下部に着脱可能に装着される給紙トレイ31と、給紙トレイ31内の用紙Pを画像形成部4に向けて給紙する給紙機構32とを備えている。給紙機構32は、給紙ローラ32Aと、分離ローラ32Bと、分離パッド32Cと、紙粉取りローラ32Dと、レジストローラ32Eとを備えている。レジストローラ32Eは、用紙Pの先端位置を揃えるローラであり、後述する制御部100によって適宜停止・回転が切り替えられるようになっている。
画像形成部4は、本体筐体2内に収容されており、主に、スキャナユニット5と、プロセスカートリッジ6と、転写ローラTRと、定着装置7とを備えている。
スキャナユニット5は、本体筐体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光ドラム61の表面上に高速走査にて照射する。
プロセスカートリッジ6は、本体筐体2に着脱可能となっている。プロセスカートリッジ6は、静電潜像が形成される感光ドラム61と、図示しない帯電器と、現像剤の一例としてのトナーを収容するトナー収容部62と、トナー収容部62内のトナーを感光ドラム61に供給する供給ローラ63および現像ローラ64を備えている。
このプロセスカートリッジ6では、図示せぬ帯電器が、回転する感光ドラム61の表面を一様に帯電する。スキャナユニット5は、感光ドラム61の表面にレーザビームを出射して、感光ドラム61の表面を露光することで、感光ドラム61の表面に画像データに基づく静電潜像を形成する。
次いで、回転駆動される現像ローラ64が、感光ドラム61の静電潜像にトナーを供給して、感光ドラム61の表面上にトナー像を形成する。その後、感光ドラム61の表面上に担持されたトナー像は、用紙Pが感光ドラム61と転写ローラTRの間で搬送される際に、転写ローラTRに引き寄せられて用紙P上に転写する。
定着装置7は、帯電された定着液Lを静電噴霧により用紙P上のトナー像に供給することで、用紙P上にトナー像を定着させる装置である。なお、定着装置7の構成については、後で詳述する。
定着装置7の下流側には、定着装置7から排出された用紙Pを挟持して下流側に搬送するための一対の下流側搬送ローラRdが設けられている。下流側搬送ローラRdによって搬送された用紙Pは、排紙ローラRに搬送され、この排紙ローラRから排紙トレイ21上に排出される。
次に、定着装置7の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、定着装置7は、用紙P上のトナー像に向けて定着液Lを噴霧するための定着ヘッド71と、定着ヘッド71の下で用紙Pを支持する第2電極72と、加圧装置75と、定着液カートリッジ76と、タンク77と、制御部100とを備えている。
定着液Lは、良好に静電噴霧を行い、かつ、定着を行うために、トナーを溶解させる溶質を誘電率の高い溶媒に分散させたもの使用することが出来る。誘電率の高い溶媒として、安全な水を用いることができる。つまり、本実施形態では、トナーを溶解させる溶質を水に分散するタイプ、いわゆる、水中油滴型のエマルジョンでトナーの溶解を行っている。つまり、溶媒としての水に対して不溶または難溶な溶質を水に分散した定着液を用いている。溶質としては、脂肪族モノカルボン酸エステル系として、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、脂肪族ジカルボン酸エステル系として、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、脂肪族トリカルボン酸エステル系として、oアセチルクエン酸トリエチル、oアセチルクエン酸トリブチル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキル系としてコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、炭酸エステル系として炭酸エチレン、炭酸プロピレンを使用することができる。これらの溶質はトナーを軟化させる機能を有する。
また、エマルジョンを良好に形成するために界面活性剤を加えても良く、界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができる。アニオン系界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類、ドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類、ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類を使用することができる。カチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩を使用することができる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンモノラウレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類、ショ糖ラウリン酸エステルなどのショ糖脂肪酸エステル類を使用することができる。
定着ヘッド71は、図3(a)に示すように、幅方向に千鳥状に並ぶ、第1定着ヘッド71A、第2定着ヘッド71B、第3定着ヘッド71C、第4定着ヘッド71Dおよび第5定着ヘッド71Eを有している。第1定着ヘッド71A、第3定着ヘッド71Cおよび第5定着ヘッド71Eは、前後方向、つまり用紙Pの搬送方向において略同じ位置に配置され、左右方向、つまり用紙Pの幅方向において間隔を空けて配置されている。第2定着ヘッド71Bは、搬送方向において第1定着ヘッド71Aおよび第3定着ヘッド71Cの上流側に配置され、幅方向における中央部が幅方向において第1定着ヘッド71Aと第3定着ヘッド71Cとの間に配置されている。第4定着ヘッド71Dは、搬送方向において第3定着ヘッド71Cおよび第5定着ヘッド71Eの上流側に配置され、幅方向における中央部が幅方向において第3定着ヘッド71Cと第5定着ヘッド71Eとの間に配置されている。
第1定着ヘッド71Aは、定着液Lを内部に収容する収容部73と、収容部73に連通し、トナー像に向けて定着液Lを噴霧する複数のノズルNと、収容部73内および各ノズルN内の定着液Lに電圧を印加する第1電極74と、を備えている。なお、その他の定着ヘッド71B〜71Eは、第1定着ヘッド71Aと略同様の構成となっているため、その他の定着ヘッド71B〜71Eを構成する部材には第1定着ヘッド71Aを構成する部材と同一の符号を付し、説明を適宜省略する。つまり、各定着ヘッド71A〜71E(各収容部73)は、同一形状であり、それぞれ別体に構成されている。また、各収容部73には、それぞれ同じ数のノズルNが同じ配置で設けられている。
収容部73は、幅方向に長尺となる矩形の絶縁性の容器であり、上壁73A、前壁73B、後壁73C、左壁73D、右壁73Eおよび下壁73Fを有している。図3(b)に示すように、各定着ヘッド71A〜71Eにおける複数のノズルNは、それぞれ収容部73の下壁73Fから下方に向けて突出しており、下方に向かう程、徐々に縮径している。複数のノズルNは、幅方向に複数配列されるとともに、搬送方向に複数配列されている。
詳しくは、複数のノズルNは、搬送方向に並ぶ第1千鳥配列群U1および第2千鳥配列群U2を構成している。図4に示すように、第1千鳥配列群U1は、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数の第1ノズルN1と、幅方向に一定の間隔を空けて配列される複数の第2ノズルN2とからなる。第1千鳥配列群U1は、幅方向の一方側から他方側に向けて、第1ノズルN1と第2ノズルN2とが搬送方向の一方側と他方側に交互に配置されている。
また、各第2ノズルN2は、幅方向において2つの第1ノズルN1の間に配置されている。そして、幅方向で隣り合う2つの第1ノズルN1と、これら2つの第1ノズルN1の間に配置される第2ノズルN2とを結んだ形状は、正三角形または二等辺三角形となっている。また、幅方向で隣り合う2つの第2ノズルN2と、これら2つの第2ノズルN2の間に配置される第1ノズルN1とを結んだ形状も、正三角形または二等辺三角形となっている。
第2千鳥配列群U2は、第1千鳥配列群U1と同じ構造となっている。本実施形態においてノズルピッチ(隣接するノズルの外径間の最短距離)は、1mm以上、14mm以下の範囲で設定すればよい。
また、幅方向で隣接する2つの定着ヘッド(例えば第1定着ヘッド71Aと第2定着ヘッド71B)は、搬送方向から見て各収容部73が重なるように配置されている。具体的には、所定の定着ヘッド(例えば第1定着ヘッド71A)における複数のノズルNの幅方向における最小ピッチ(例えば、第1ノズルN1と第2ノズルN2間のピッチ)は、Daとなっている。これに対し、所定の定着ヘッドの幅方向の最も一方側のノズルN(例えば第1定着ヘッド71Aの最も図示左側の第1ノズルN1)から当該所定の定着ヘッドの一方側に隣接する定着ヘッド(例えば第2定着ヘッド71B)の幅方向の最も他方側のノズルN(例えば第2定着ヘッド71Bの最も図示右側の第1ノズルN1)までの距離Dbが、最小ピッチDaよりも小さくなっている。
つまり、定着ヘッド71A〜71Eごとに設定される各定着領域A1〜A5(各定着ヘッド71A〜71Eの各ノズルNによって用紙Pに対して定着液Lが噴霧される領域)が、搬送方向から見て重なるように、各定着ヘッド71A〜71Eが配置されている。なお、本実施形態では、各定着ヘッド71A〜71Eの各定着領域A1〜A5を、便宜上、各収容部73の下面と同じ形状・大きさ・位置として説明する。
より詳しくは、第1定着ヘッド71Aから定着液Lが噴霧される領域である第1定着領域A1は、第2定着ヘッド71Bから定着液Lが噴霧される領域である第2定着領域A2に搬送方向から見て重なっている。第5定着ヘッド71Eから定着液Lが噴霧される領域である第5定着領域A5は、第4定着ヘッド71Dから定着液Lが噴霧される領域である第4定着領域A4に搬送方向から見て重なっている。
第3定着ヘッド71Cから定着液Lが噴霧される領域である第3定着領域A3は、第2定着領域A2および第4定着領域A4に搬送方向から見て重なっている。このように各定着ヘッド71A〜71Eが配置されることで、各定着ヘッド71A〜71Eの間に、定着液Lが噴霧されない領域が生じるのを抑えることが可能となっている。
第1定着ヘッド71Aは、レーザプリンタ1で印刷を行うことが可能な複数種類の用紙Pのうち最も幅狭の第1用紙P1に対して定着液Lを噴霧するためのヘッドであり、第1用紙P1の幅よりも小さな幅で形成されている。第1定着ヘッド71Aは、第1用紙P1の左右両端よりも左右方向内側に配置されている。詳しくは、第1定着ヘッド71Aの第1定着領域A1が、第1用紙P1の画像が形成される領域である画像形成領域の幅以上の幅となるような大きさに形成され、第1定着領域A1の幅内に画像形成領域の全幅が入るように配置されている。なお、第1定着ヘッド71Aの収容部73は、第1用紙P1の幅に対応して配置される第1収容部に相当する。
なお、本実施形態では、図4に示すように、用紙幅の異なる用紙P1〜P5は、左側の端部を基準として搬送されるようになっている。詳しくは、本体筐体2内には、各用紙P1〜P5の左側の端部に接触して当該左端部をガイドする図示せぬガイド部材が設けられている。
第2定着ヘッド71Bは、第1定着ヘッド71Aに対して右側(幅方向の一方側)に隣接しており、第1用紙P1よりも幅広の第2用紙P2の右側の端部よりも左側(他方側)に配置されている。詳しくは、第2定着ヘッド71Bの第2定着領域A2の右側端部が、第2用紙P2の画像形成領域の右側端部と同じ位置もしくは右側端部よりも右側の位置に配置されている。なお、第2用紙P2の画像形成領域の左側端部は、第1用紙P1の画像形成領域の左側端部と略同じ位置となっている。以上のように、第1定着ヘッド71Aおよび第2定着ヘッド71Bが配置されることで、第1定着ヘッド71Aおよび第2定着ヘッド71Bは、第2用紙P2の画像形成領域に対して定着液Lを噴霧可能となっている。なお、第2定着ヘッド71Bの収容部73は、第1用紙P1よりも幅広の第2用紙P2の幅に対応して配置される第2収容部に相当する。
第3定着ヘッド71Cは、第2定着ヘッド71Bに対して右側に隣接しており、第2用紙P2よりも幅広の第3用紙P3の右側の端部よりも左側に配置されている。詳しくは、第3定着ヘッド71Cの第3定着領域A3の右側端部が、第3用紙P3の画像形成領域の右側端部と同じ位置もしくは右側端部よりも右側の位置に配置されている。なお、第3用紙P3の画像形成領域の左側端部は、第1用紙P1の画像形成領域の左側端部と略同じ位置となっている。以上のように、第1定着ヘッド71A、第2定着ヘッド71Bおよび第3定着ヘッド71Cが配置されることで、第1定着ヘッド71A、第2定着ヘッド71Bおよび第3定着ヘッド71Cは、第3用紙P3の画像形成領域に対して定着液Lを噴霧可能となっている。なお、第3定着ヘッド71Cの収容部73は、第2用紙P2よりも幅広の第3用紙P3の幅に対応して配置される第3収容部に相当する。
第4定着ヘッド71Dは、第3定着ヘッド71Cに対して右側に隣接しており、第3用紙P3よりも幅広の第4用紙P4の右側の端部よりも左側に配置されている。詳しくは、第4定着ヘッド71Dの第4定着領域A4の右側端部が、第4用紙P4の画像形成領域の右側端部と同じ位置もしくは右側端部よりも右側の位置に配置されている。なお、第4用紙P4の画像形成領域の左側端部は、第1用紙P1の画像形成領域の左側端部と略同じ位置となっている。以上のように、各定着ヘッド71A〜71Dが配置されることで、各定着ヘッド71A〜71Dは、第4用紙P4の画像形成領域に対して定着液Lを噴霧可能となっている。
第5定着ヘッド71Eは、第4定着ヘッド71Dに対して右側に隣接しており、第4用紙P4よりも幅広の第5用紙P5の右側の端部よりも左側に配置されている。詳しくは、第5定着ヘッド71Eの第5定着領域A5の右側端部が、第5用紙P5の画像形成領域の右側端部と同じ位置もしくは右側端部よりも右側の位置に配置されている。なお、第5用紙P5の画像形成領域の左側端部は、第1用紙P1の画像形成領域の左側端部と略同じ位置となっている。以上のように、各定着ヘッド71A〜71Eが配置されることで、各定着ヘッド71A〜71Eは、第5用紙P5の画像形成領域に対して定着液Lを噴霧可能となっている。
図2に戻って、第1電極74は、収容部73内の定着液Lに電圧を印加して各ノズルNの先端に電界を発生させるための電極である。第1電極74は、収容部73の上壁73Aを上から下に貫通している。第1電極74の下端部は、収容部73内の定着液L内に配置されて定着液Lに接触している。第1電極74の上端部は、電圧印加部120を有する制御部100に接続されている。第1電極74に印加される電圧は、1kV〜10kVであることが好ましい。
各定着ヘッド71A〜71Eには、加圧装置75が接続されている。加圧装置75は、各定着ヘッド71A〜71E内の定着液Lに圧力をかける装置であり、各定着ヘッド71A〜71E内の空気を加圧するポンプ75Aと、各定着ヘッド71A〜71E内から空気を逃がすことで減圧する減圧弁75Bとを有している。また、各定着ヘッド71A〜71Eには、各定着ヘッド71A〜71E内の定着液Lの圧力を検出する圧力センサSP(1つのみを代表して図示)がそれぞれ設けられている。
第2電極72は、用紙Pに接触して、ノズルN内の定着液Lと用紙Pとの間に電位差を形成するための電極であり、各定着ヘッド71A〜71Eの各ノズルNの先端から所定距離離れるように、各定着ヘッド71A〜71Eの下に配置されている。ここで、所定距離は、用紙Pの厚さよりも大きな距離であり、実験やシミュレーション等によって静電噴霧を好適に行うことが可能な距離に設定されている。
第2電極72は、接地されている。なお、第2電極72は、必ずしも接地させる必要はなく、例えば第1電極74に印加される電圧よりも小さな電圧を第2電極72に印加してもよい。第2電極72は、ノズルNの先端との間で電界を形成している。
第1電極74に電圧が印加されるとノズルNの先端付近の空間に電界が形成される。第2電極72は、定着液Lが加圧装置75によってノズルNの先端に向けて供給されているので、ノズルNの先端の定着液Lとの間に電界を形成する。すると、ノズルNの先端では、定着液Lが電界に引っ張られていわゆるテイラーコーンが形成される。このテイラーコーンの先端から定着液Lが引きちぎられることによって微細な液滴が生成される。
ノズルNから噴霧された液滴状の定着液Lは、正に帯電している。これに対し、用紙Pは実質的にゼロ電位状態になっている。このため、液滴状の定着液Lは、クーロン力によって用紙Pに向かって飛んでゆき、用紙P上やトナー像上に付着する。
電流センサSAは、第1電極74に流れる電流を検出することで、定着液Lに流れる電流を間接的に検出するセンサであり、各第1電極74に対応して設けられている。電流センサSAは、ノズルNから用紙Pに定着液Lが噴霧された際に第1電極74に流れる電流を検出し、その検出値を制御部100に出力している。ここで、第1電極74に電圧が印加されても、ノズルNから定着液Lが噴霧されていないときには、第1電極74には電流が流れず、ノズルNから定着液Lが噴霧されること、つまり帯電された定着液LがノズルNから用紙Pに移動することによって、第1電極74に電流が流れるようになっている。
このように構成された第1電極74および第2電極72は、ノズルN内の定着液Lと、ノズルNから離れた位置で搬送される用紙Pとの間に電位差を形成するための電位差形成部となっている。
定着液カートリッジ76は、内部に定着液Lが充填されたカートリッジであり、本体筐体2に着脱可能に構成されている。定着液カートリッジ76は、配管76Aを介してタンク77に接続されている。なお、配管76Aに、定着液カートリッジ76からタンク77に定着液Lを供給するための液圧ポンプや、定着液Lの供給・停止を切り替えるための切替弁などを設けてもよい。
タンク77は、本体筐体2に設けられており、複数の配管77Aを介して各定着ヘッド71A〜71Eの収容部73に接続されている。各配管77Aには、タンク77から各定着ヘッド71A〜71Eに定着液Lを供給するための液圧ポンプや、定着液Lの供給・停止を切り替えるためのバルブ77Bがそれぞれ設けられている。バルブ77Bは、絶縁性の部材で構成されている。
制御部100は、RAMやROMなどからなる記憶部110、第1電極74に電圧を印加する電圧印加部120、CPU、入出力回路などを備えている。制御部100は、外部から入力されてくる画像データや、各センサSP,SAからの信号に基づいて、加圧装置75の制御や第1電極74に印加する電圧の制御やバルブ77Bの制御を実行する機能を有している。
具体的に、制御部100は、印刷制御中において、圧力センサSPからの情報に基づいて、各定着ヘッド71A〜71E内の定着液Lに加える圧力を一定に維持するように構成されている。なお、定着液Lに加える圧力は、例えば、第1電極74に電圧を印加していない状態において、ノズルNの先端の定着液Lの空気との界面が定着液L側に凹んだ状態となるような所定圧力値に設定することができる。ここで、ノズルNの先端の定着液Lの界面は、圧力が小さい場合には、定着液L側に凹んだ略半球面形状となり、この状態から圧力を徐々に高くしていくと、界面が外側に移動していって徐々に平面に近い形状となり、さらに圧力を高くしていくと、界面がさらに外側に移動していって徐々に外側に凸となる略半球面形状となるようになっている。そして、界面は、平面に近い形状となったときに、その表面積が最小になっている。なお、界面の表面積が大きいほど、ノズルNの先端の定着液Lが乾きやすくなり、ノズルNの先端が詰まるおそれがあるため、表面積は小さい方が望ましい。
制御部100は、各定着ヘッド71A〜71E内の定着液Lに印加する電圧を個別に制御するように構成されている。詳しくは、制御部100は、待機状態において、各定着ヘッド71A〜71Eの各第1電極74にかける電圧Vを、それぞれノズルNから定着液Lが噴霧されない大きさの第1電圧V1とし、印刷制御において、用紙Pの先端が各定着領域A1〜A5に到達する前の所定のタイミングで、電圧Vを、定着ヘッド71A〜71Eごとに、第1電圧V1よりも大きな第2電圧V2にする機能を有している。言い換えると、制御部100は、各定着領域A1〜A5から上流側に所定の第1距離D1(図10(b),(c)参照)だけ離れた第1位置に用紙Pの先端が到達したとき、つまり用紙Pの先端から各定着領域A1〜A5までの距離が第1距離D1になったときに、電圧Vを、定着ヘッド71A〜71Eごとに、第1電圧V1よりも大きな第2電圧V2にする機能を有している。
なお、第1電圧V1は、0よりも大きな電圧値に設定することができ、例えば圧力を前述したような所定圧力値に設定した場合には、電圧の印加によりノズルNの先端の定着液Lの空気との界面の表面積が最大値よりも小さな値(例えば最小値)となるような電圧値に設定することができる。また、第2電圧V2は、所望の噴霧量には満たないが、噴霧は行われている電圧値に設定することができる。
つまり、第1電圧V1は、定着液Lの噴霧を行わない場合に第1電極74に印加する電圧であり、第2電圧V2は、定着液Lの噴霧を行う場合において、その準備段階として第1電極74に印加する電圧である。制御部100は、第1電圧V1を所定の定着ヘッド(例えば第1定着ヘッド71A)に対応した第1電極74に印加している場合には、所定の定着ヘッドに対応したバルブ77Bを閉じるように構成されている。つまり、制御部100は、所定の定着ヘッドから定着液Lの噴霧を行わない場合には、所定の定着ヘッドに対応したバルブ77Bを閉じるように構成されている。
なお、制御部100は、第2電圧V2以上の電圧を所定の定着ヘッドに対応した第1電極74に印加している場合には、所定の定着ヘッドに対応したバルブ77Bを、所定の定着ヘッド内の定着液Lの量に応じて適宜開閉する制御を行っている。
詳しくは、制御部100は、待機状態において、第1電極74に流れる電流と第1電極74に印加する電圧の関係式を算出し、関係式に基づいて第2電圧V2を決定するように構成されている。より詳しくは、制御部100は、図5に示すように、待機状態において、まず、各電流センサSAで検出した電流の値が第1電流値Iaとなるように各第1電極74に印加する電圧Vを制御する。そして、電流の検出値が第1電流値Iaとなったときの第1測定電圧VaをIaとともに記憶する。
次いで、制御部100は、電流の検出値が第1電流値Iaとは異なる第2電流値Ibとなるように各第1電極74に印加する電圧Vを制御する。そして、制御部100は、電流の検出値が第2電流値Ibとなったときの第2測定電圧VbをIbとともに記憶する。
その後、制御部100は、各測定電圧Va,Vbおよび各電流値Ia,Ibに基づいて、図5に示すような電流と電圧の関係を示す関係式を算出する。そして、制御部100は、関係式から、電流が0になるときの電圧(切片)を求め、この電圧を第2電圧V2として設定し、第2電圧V2よりも小さな値を第1電圧V1として設定する。
制御部100は、前述した関係式の算出を、待機状態において所定条件が満たされた場合に実行している。ここで、所定条件は、温度などの環境が変わった可能性があることを示す条件であれば、どのような条件であってもよい。例えば、所定条件として、前回の印刷制御を終了してから所定の規定時間が経過したことや、図示せぬ温度センサで検出した温度と、前回の関係式の算出時における温度との温度差が所定量以上になったことや、定着液カートリッジ76が交換されたこと、などを設定することができる。
電圧Vを第1電圧V1から第2電圧V2に切り替える所定のタイミングは、用紙Pの先端が感光ドラム61と転写ローラTRとの間を通過した後のタイミングに設定されている。なお、この所定のタイミングは、所定の起点となる時刻から所定の第1時間(各用紙Pに対応した時間)が経過したときの時刻である。所定の起点となる時刻は、例えば給紙ローラ32Aによって給紙を開始した時刻であってもよいし、レジストローラ32Eによって一旦停止させた用紙Pの搬送を再開するときの時刻であってもよいし、定着装置7よりも上流側で、かつ、レジストローラ32Eよりも下流側に設けられる、図示せぬ通紙センサによって用紙Pの先端の通過を検知した時刻であってもよい。
また、所定のタイミングは、所定の起点となる初期位置(例えば通紙センサの位置)から前述した第1位置までの距離と、用紙Pの搬送速度に依存しているため、例えば搬送速度が変更された場合には、搬送速度に応じて適宜変更すればよい。詳しくは、前述した第1時間を、距離/搬送速度で算出すればよい。なお、以下の説明では、電圧Vを第1電圧V1から第2電圧V2に切り替えるための複数の所定のタイミングを、複数の第1時刻t1として説明する。
また、制御部100は、用紙P上のトナー像(以下、「画像」ともいう。)が各定着領域A1〜A5に到達する以前に、電圧Vを、トナーの定着が可能となる電圧であり、かつ、第2電圧V2よりも大きな第3電圧V3にするように構成されている。言い換えると、制御部100は、各定着領域A1〜A5から上流側に所定の第2距離D2(第1距離D1より短い距離:図10(d),(e)等参照)だけ離れた第2位置に画像が到達したとき、つまり画像と各定着領域A1〜A5までの距離が第2距離D2になったときに、電圧を、定着ヘッド71A〜71Eごとに、第2電圧V2よりも大きな第3電圧V3にする機能を有している。
ここで、第3電圧V3は、画像の定着に必要な量の定着液Lを噴霧するために必要な大きさの電圧値に設定される。そのため、制御部100は、まず、例えば画像濃度に応じて定着液Lの目標供給量を設定し、目標供給量に応じて、図5に示すような目標電流値Ixを設定する。そして、制御部100は、目標電流値Ixと図5の関係式とに基づいて、第3電圧V3を設定する。
なお、各画像が各定着領域A1〜A5に到達する以前のタイミングは、前述したような所定の起点となる時刻から所定の第2時間(各画像や各定着領域A1〜A5に対応した時間)が経過したときの時刻である。なお、以下の説明では、電圧Vを第2電圧V2から第3電圧V3に切り替える複数のタイミングを、複数の第2時刻t2として説明する。
また、制御部100は、各定着領域A1〜A5に対応する画像(各定着領域A1〜A5の幅内に入る画像)が、所定の用紙P上において搬送方向に離れて複数配置され、複数のうち2つの画像間の距離が、ある程度短い第3距離D3(図9参照)よりも大きい場合には、2つのうち下流側の画像が定着領域を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替える機能を有している。つまり、制御部100は、例えば図9に示すように、第1定着領域A1に対応する2つの画像G2,G3間の距離が第3距離D3よりも大きいと判断すると、下流側の第2画像G2が第1定着領域A1を通り抜けたときに、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替える。言い換えると、制御部100は、第2画像G2が第1定着領域A1を抜けた後、次の画像G3が第1定着領域A1に到達するまでの時間が第1閾値以上である場合に、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替える。
第1閾値は、例えば、制御部100が第1電極74に印加する電圧を第3電圧V3から第2電圧V2に変更するときに、電圧を変更する制御を開始してから第2電圧V2に安定するまでの時間とし、実験的に求めることができる。距離D3は、用紙の搬送速度と第1閾値から求めることができる。
また、制御部100は、各定着領域A1〜A5に対応する画像が、所定の用紙P上において搬送方向に離れて複数配置され、複数のうち2つの画像間の距離がある程度短い第3距離D3(図9参照)以下である場合には、2つの画像を1つの画像として認識する機能を有している。つまり、制御部100は、例えば図9に示すように、第1定着領域A1に対応する2つの画像G1,G2間の距離が第3距離D3以下であると判断すると、2つの画像G1,G2を1つの画像として認識するので、2つの画像G1,G2間で電圧Vを落とすことなく、第3電圧V3のままに維持する。言い換えると、制御部100は、画像G1が第1定着領域A1を抜けた後、次の第2画像G2が第1定着領域A1に到達するまでの時間が第1閾値未満である場合に、電圧Vを、第3電圧V3に維持する。
また、制御部100は、所定の用紙P上における搬送方向の最も上流側の画像(例えばG3)が定着領域(例えばA1)を抜けた場合に、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1または第2電圧V2に変更する機能を有している。詳しくは、制御部100は、例えば、所定の用紙Pにおける最上流側の画像G3の後端から次の用紙Pの先端までの距離が、第4距離D4より大きい場合には、最上流側の画像G3が第1定着領域A1を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替える。言い換えると、制御部100は、例えば、所定の用紙Pにおける最上流側の画像G3が第1定着領域A1を抜けてから次の用紙Pの先端が第1定着領域A1に到達するまでの時間が第2閾値より大きい場合には、最上流側の画像G3が第1定着領域A1を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替える。
第2閾値は、例えば、制御部100が第1電極74に印加する電圧を第3電圧V3から第1電圧V1に変更するときに、電圧を変更する制御を開始してから第1電圧V1に安定するまでの時間とし、実験的に求めることができる。距離D4は、用紙の搬送速度と第2閾値から求めることができる。
また、制御部100は、所定の定着領域に対応した最上流側の画像に対して次の用紙Pが存在しない場合、または、次の用紙Pに所定の定着領域に対応した画像が存在しない場合にも、最上流側の画像が定着領域を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替えるように構成されている。具体的には、例えば、第1定着領域A1に対応した最上流側の画像G3が形成される所定の用紙Pに続いて搬送される次の用紙P上に、第1定着領域A1に対応した画像が存在しない場合には、制御部100は、画像G3が第1定着領域A1を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替える。
なお、次の用紙Pの先端との距離が第4距離D4よりも大きくなる最上流側の各画像が各定着領域A1〜A5を抜けるタイミングや、次の用紙Pが存在しない、または、次の用紙Pに画像が存在しない最上流側の各画像が各定着領域A1〜A5を抜けるタイミングは、前述したような所定の起点となる時刻から所定の第4時間(各画像や各定着領域A1〜A5に対応した時間)が経過したときの時刻である。なお、以下の説明では、電圧Vを第3電圧V3から第1電圧V1に切り替える複数のタイミングを、複数の第4時刻t4として説明する。
また、制御部100は、例えば、所定の用紙Pにおける最上流側の第4画像G4の後端から次の用紙Pの先端までの距離が、第4距離D4以下である場合には、最上流側の第4画像G4が第5定着領域A5を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替える。言い換えると、制御部100は、例えば、所定の用紙Pにおける最上流側の画像G4が第5定着領域A5を抜けてから次の用紙Pの先端が第5定着領域A5に到達するまでの時間が第2閾値以下である場合には、最上流側の画像G4が第5定着領域A5を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替える。
なお、次の用紙Pの先端との距離が第4距離D4以下となる最上流側の各画像が各定着領域A1〜A5を抜けるタイミングは、前述したような所定の起点となる時刻から所定の第3時間(各画像や各定着領域A1〜A5に対応した時間)が経過したときの時刻である。なお、以下の説明では、電圧Vを第3電圧V3から第2電圧V2に切り替える複数のタイミングを、複数の第3時刻t3として説明する。
また、制御部100は、所定の用紙Pの画像形成領域のうち所定の定着領域(例えば、A3)に対応した所定領域中に画像が存在しないと判断した場合には、所定領域に対応した所定の定着ヘッド(例えば、71C)内の定着液Lに印加する電圧Vを、第1時刻t1以降で、かつ、所定の用紙Pが所定の定着ヘッドに対応した定着領域を通過する間、第1電圧V1に維持するように構成されている。つまり、図9に示す図示左側の用紙Pの画像形成領域のうち第3定着領域A3の幅内には、画像が存在しないので、この場合、制御部100は、第3定着ヘッド71Cに対して第1時刻t1(すなわち、第1電圧V1から第2電圧V2に切り替えるタイミング)を設定しないように構成されている。これにより、図示左側の用紙Pが第3定着領域A3を通過する間、第3定着ヘッド71Cに印加する電圧Vが、第1電圧V1に維持される。
なお、前述した各距離D1〜D4、各時刻t1〜t4、各電圧V1〜V3等は、実験やシミュレーション等によって適宜設定される。
次に、制御部100の動作を詳細に説明する。なお、制御部100は、図6〜図8に示すフローチャートを各定着ヘッド71A〜71Eに対してそれぞれ実行している。以下の説明では、第1定着ヘッド71Aについての制御を代表して説明する。図6に示すフローチャートは、定着制御を行う直前の準備状態において各時刻t1〜t4を設定する処理を示している。また、図7に示すフローチャートは、待機状態における電圧制御を示し、図8に示すフローチャートは、印刷制御における電圧制御を示している。なお、図7に示すフローチャートは、待機状態において繰り返し実行され、図8に示すフローチャートは、印刷制御において繰り返し実行される。
ここで、定着制御とは、印刷指令における最初の用紙Pの画像に対して定着液Lの噴霧を開始してから最後の用紙Pの画像に対する噴霧が終了するまでの制御をいう。また、準備状態とは、印刷指令を受けてから最初の用紙Pの画像に対する噴霧が開始されるまでの状態をいう。また、待機状態とは、レーザプリンタ1の電源がONの状態で、かつ、印刷指令を受けていない状態をいう。
図6に示すように、制御部100は、待機状態において印刷指令を受けると(START)、まず、印刷データに基づいて、第1定着ヘッド71Aに対応した画像(以下、「対象画像」ともいう。)が存在するか否かを判断する(S1)。ステップS1において対象画像が存在しないと判断した場合には(No)、制御部100は、本制御を終了する。
ステップS1において対象画像が存在すると判断した場合には(Yes)、制御部100は、画像間隔が第3距離D3以下となる、つまり画像間隔が短い2つの対象画像を1つの対象画像として設定する(S2)。なお、以下の説明では、ステップS2で設定した複数の対象画像の個数をk個とし、1〜k番目の対象画像のうち任意の対象画像を「対象画像m」として説明する。
ステップS2の後、制御部100は、対象画像mごとに電圧Vを第2電圧V2から第3電圧V3に切り替えるタイミングである第2時刻t2を複数設定する(S3)。ステップS3の後、制御部100は、対象画像mが用紙Pの最後の画像であるか、つまり最上流側の画像であるか否かを判断する(S4)。
ステップS4において対象画像mが最上流側の画像でないと判断した場合には(No)、制御部100は、最上流側の画像でない対象画像mごとに電圧Vを第3電圧V3から第2電圧V2に切り替えるタイミングである第3時刻t3を複数設定する(S5)。つまり、ステップS4:No→S5の処理を経ることで、同一の用紙P上における最上流側以外の対象画像mが第1定着領域A1から抜けた後は、電圧Vが第3電圧V3から第2電圧V2に下げられるようになっている。
ステップS4において対象画像mが最上流側の画像であると判断した場合には(Yes)、制御部100は、対応する最上流側の対象画像mに対して次の用紙Pが存在しないか否かを判断する(S9)。ステップS9において対象画像mに対して次の用紙Pが存在しないと判断した場合には(Yes)、制御部100は、ステップS7に移行して、対応する最上流側の対象画像m、すなわち最後の対象画像kに対して、電圧Vを第3電圧V3から第1電圧V1に切り替えるタイミングである第4時刻t4を設定する。つまり、ステップS9:Yes→S7の処理を経ることで、対象画像mが最後の対象画像kである場合、すなわち最後の対象画像kへの噴霧が完了する場合には、電圧Vが待機状態の第1電圧V1に戻されるようになっている。
ステップS9において対象画像mに対して次の用紙Pが存在すると判断した場合には(No)、制御部100は、最上流側の対象画像mの後端から次の用紙Pの先端までの距離が第4距離D4より長いか否かを判断する(S6)。ステップS6において距離が第4距離D4よりも長いと判断した場合には(Yes)、制御部100は、対応する最上流側の対象画像mごとに電圧Vを第3電圧V3から第1電圧V1に切り替えるタイミングである第4時刻t4を複数設定する(S7)。つまり、ステップS6:Yes→S7の処理を経ることで、最上流側の対象画像mが第1定着領域A1を抜けてから、次の用紙Pの先端が第1位置に到達するまでの時間が比較的長い時間となる場合には、電圧Vを第3電圧V3から第1電圧V1に下げて、電力消費を抑えることが可能となっている。
ステップS6において距離が第4距離D4以下であると判断した場合には(No)、制御部100は、対応する最上流側の対象画像mの次の用紙P上に対象画像m+1が存在しないか否かを判断する(S8)。ステップS8において次の用紙P上に対象画像m+1が存在しないと判断した場合には(Yes)、制御部100は、ステップS7に移行して、対応する最上流側の対象画像mごとに第4時刻t4を設定する。つまり、ステップS8:Yes→S7の処理を経ることで、次の用紙P上に対象画像m+1が存在しない場合、すなわち第1定着ヘッド71Aで次の用紙P上に定着液Lを噴霧する必要がない場合には、最上流側の対象画像mが第1定着領域A1を抜けてから、少なくとも次の用紙Pが第1定着領域A1を抜けるまでの間、電圧Vを第1電圧V1に維持して、電力消費を抑えることが可能となっている。
ステップS8において次の用紙P上に対象画像m+1が存在すると判断した場合には(No)、ステップS5に移行して、対応する対象画像mごとに第3時刻t3を設定する。つまり、ステップS6:No→S8:No→S5の処理を経ることで、最上流側の対象画像mの後端から次の用紙Pの先端までの距離が第4距離D4以下と短い場合には、電圧Vを第3電圧V3から第2電圧V2に変更することで、紙間(対象画像mが形成された所定の用紙と次の用紙との間)において電圧Vを第1電圧V1から第2電圧V2に切り替える必要がなくなっている。
ここで、電圧Vを第1電圧V1から第2電圧V2に切り替えるときには、ノズルNから定着液Lが液滴となって落ちる現象が生じる場合がある。また、最上流側の対象画像mの後端から次の用紙Pの先端までの距離が第4距離D4以下と短い場合において、例えば搬送速度を大きくすると、最上流側の対象画像mが第1定着領域A1を抜けてから次の用紙Pの先端が第1定着領域A1に到達するまでの時間が非常に短くなることがある。この場合に、対象画像mが第1定着領域A1を抜けた後に電圧Vを第1電圧V1にし、紙間で第1電圧V1から第2電圧V2に切り替えようとすると、ノズルNから落ちた定着液Lが次の用紙Pに付着するおそれがある。これに対し、距離が第4距離D4以下と短い場合に、紙間において電圧Vを第2電圧V2に維持することで、第1電圧V1から第2電圧V2への切り替え時に生じる液だれを抑えることができるので、滴状の定着液Lが用紙Pに付着するのを抑えることが可能となっている。
ステップS7の後、または、ステップS5の後、制御部100は、対象画像mを含む各用紙Pについて、電圧Vを第1電圧V1から第2電圧V2に切り替えるタイミングである第1時刻t1を複数設定して(S10)、本制御を終了する。
図7に示すように、制御部100は、レーザプリンタ1の電源がONになると(START)、所定条件を満たしたか否かを判断することで、環境が変わった可能性があるか否かを判断する(S21)。ステップS21において所定条件を満たした、つまり環境が変わった可能性があると判断した場合には(Yes)、制御部100は、図5に示すように、電圧Vを各電流値Ia,Ibとなるように制御して、関係式を算出する(S22)。
ステップS22の後、制御部100は、関係式から第1電圧V1および第2電圧V2を設定する(S23)。ステップS23の後、または、ステップS21でNoと判断した場合、制御部100は、電圧Vを第1電圧V1に設定して(S24)、本制御を終了する。これにより、待機状態においては、基本的に、電圧Vが第1電圧V1に設定される。
図8に示すように、制御部100は、印刷指令を受けると(START)、まず、所定の起点となる時刻を基準とする時刻t、つまり所定の起点となる時刻からカウントアップされていく時刻tが、第1時刻t1になったか否かを判断する(S31)。ステップS31においてt=t1である場合には(Yes)、制御部100は、電圧Vを第2電圧V2に設定する(S32)。詳しくは、ステップS32において、制御部100は、電圧Vを、第1電圧V1から第2電圧V2に上げる。
ステップS31においてt=t1ではない場合には(No)、制御部100は、時刻tが第2時刻t2になったか否かを判断する(S33)。ステップS33においてt=t2である場合には(Yes)、制御部100は、電圧Vを第3電圧V3に設定する(S34)。詳しくは、ステップS34において、制御部100は、電圧Vを、第2電圧V2から第3電圧V3に上げる。
ステップS33においてt=t2ではない場合には(No)、制御部100は、時刻tが第3時刻t3になったか否かを判断する(S35)。ステップS35においてt=t3である場合には(Yes)、制御部100は、電圧Vを第2電圧V2に設定する(S36)。詳しくは、ステップS36において、制御部100は、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に下げる。
ステップS35においてt=t3ではない場合には(No)、制御部100は、時刻tが第4時刻t4になったか否かを判断する(S37)。ステップS37においてt=t4である場合には(Yes)、制御部100は、電圧Vを第1電圧V1に設定する(S38)。詳しくは、ステップS38において、制御部100は、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に下げる。
ステップS37においてt=t4ではない場合(No)、または、ステップS32,S34,S36,S38の後、制御部100は、印刷制御が終了したか否かを判断する(S39)。ステップS39において印刷制御が終了していない場合には(No)、制御部100は、ステップS31の処理に戻る。ステップS39において印刷制御が終了した場合には(Yes)、制御部100は、本制御を終了する。
次に、図9〜図11を参照して、制御の一例を説明する。
図9は、タイミングチャートの時間軸を位置に対応させて図示したものであり、第1定着ヘッド71A、第3定着ヘッド71Cおよび第5定着ヘッド71Eの制御を代表して図示している。なお、第2定着ヘッド71Bについては、対象画像が、第1定着ヘッド71Aについての対象画像G1〜G3と同じ大きさ・配置となっているため、第1定着ヘッド71Aと略同様な制御が行われる。また、第4定着ヘッド71Dについては、対象画像が、第5定着ヘッド71Eについての対象画像G4〜G7と同じ大きさ・配置となっているため、第5定着ヘッド71Eと略同様な制御が行われる。なお、以下の説明においては、便宜上、対象画像G1〜G7を、順に第1画像G1、第2画像G2、第3画像G3、第4画像G4、第5画像G5、第6画像G6、第7画像G7とも称する。
最初に、図9を参照して、第1定着ヘッド71Aの制御について説明する。
図9に示すように、印刷制御における最初の用紙Pの先端から第1定着領域A1までの距離が第1距離D1となる第1時刻t1になると、制御部100は、待機状態において第1電圧V1に設定していた電圧Vを、第2電圧V2に上げる。最初の用紙Pの第1画像G1の先端から第1定着領域A1までの距離が第2距離D2となる第2時刻t2になると、制御部100は、電圧Vを、第2電圧V2から第3電圧V3に上げる。
2つの画像G1,G2の間隔は、第3距離D3以下であるため、制御部100は、第1画像G1の先端が第1定着領域A1に到達してから、第2画像G2が第1定着領域A1を抜けるまでの間、電圧Vを、第3電圧V3に維持する。第2画像G2が第1定着領域A1を抜ける第3時刻t3になると、制御部100は、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に下げる。詳しくは、第2画像G2が最上流側の画像に相当しないため、制御部100は、第2画像G2の後端が第1定着領域A1を抜けた後に、電圧Vを、第3電圧V3から第2電圧V2に下げる。
その後は、同様に、制御部100は、最上流側の第3画像G3に対して設定した第2時刻t2になると、電圧Vを、第2電圧V2から第3電圧V3に上げる。最上流側の第3画像G3が第1定着領域A1を抜ける第4時刻t4になると、制御部100は、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に下げる。詳しくは、最上流側の第3画像G3が形成される最初の用紙Pの次の用紙P上に、第1定着領域A1に対応した画像がないため、制御部100は、電圧Vを、第3電圧V3から第1電圧V1に下げる。
次に、第3定着ヘッド71Cの制御について説明する。
最初の用紙P上には、第3定着ヘッド71Cに対応する画像がないため、制御部100は、最初の用紙Pに対して第1時刻t1を設定しない。これにより、制御部100は、最初の用紙Pの先端から第3定着領域A3までの距離が第1距離D1となっても、電圧Vを、待機状態のときの第1電圧V1のままに維持する。
次の用紙P上には、第3定着ヘッド71Cに対応する画像G5,G6があるため、制御部100は、次の用紙Pに対して第1時刻t1を設定する。これにより、制御部100は、次の用紙Pの先端から第3定着領域A3までの距離が第1距離D1となる第1時刻t1になると、電圧Vを、第1電圧V1から第2電圧V2に上げる。
その後は、第1定着ヘッド71Aの制御と同様に、第2時刻t2において電圧Vを第2電圧V2から第3電圧V3に上げ、第4時刻t4において電圧Vを第3電圧V3から第1電圧V1に下げる。なお、画像G5,G6についても間隔が第3距離D3以下であるため、各画像G5,G6間において、制御部100は、電圧Vを第3電圧V3に維持する。
最後に、第5定着ヘッド71Eの制御について説明する。
最初の用紙Pの先端から第5定着領域A5までの距離が第1距離D1となる第1時刻t1になると、制御部100は、待機状態において第1電圧V1に設定していた電圧Vを、第2電圧V2に上げる。最初の用紙Pの第4画像G4の先端から第5定着領域A5までの距離が第2距離D2となる第2時刻t2になると、制御部100は、電圧Vを、第2電圧V2から第3電圧V3に上げる。
ここで、最初の用紙P上における第5定着領域A5に対応した画像は、第4画像G4の1つのみなので、第4画像G4は最上流側の画像に相当する。第4画像G4の後端から次の用紙Pの先端までの距離は、第4距離D4以下となっているため、制御部100は、第4画像G4が第5定着領域A5を抜ける第3時刻t3になると、電圧Vを、第3電圧V3から、第1電圧V1まで下げずに、第2電圧V2に下げる。
これにより、最初の用紙P上の第4画像G4が第5定着領域A5を抜けてから次の用紙Pの第5画像G5が第5定着領域A5の直前の位置まで到達するまでの間、電圧Vが第2電圧V2に維持される。その後は、その後は、第1定着ヘッド71Aの制御と同様に、第2時刻t2において電圧Vを第2電圧V2から第3電圧V3に上げ、第4時刻t4において電圧Vを第3電圧V3から第1電圧V1に下げる。なお、画像G5,G6,G7についてもそれぞれ間隔が第3距離D3以下であるため、各画像G5,G6,G7間において、制御部100は、電圧Vを第3電圧V3に維持する。
次に、図10および図11を参照して各定着ヘッド71A〜71Eにかかる電圧Vが切り替わる様子を説明する。
図10(a),(b)に示すように、最初の用紙Pの先端が、第2定着領域A2および第4定着領域A4から上流側に第1距離D1だけ離れた位置に到達すると、第2定着ヘッド71Bおよび第4定着ヘッド71Dに印加される各電圧Vが、第1電圧V1から第2電圧V2に切り替わる。
図10(c)に示すように、最初の用紙Pの先端が、第1定着領域A1、第3定着領域A3および第5定着領域A5から上流側に第1距離D1だけ離れた位置に到達すると、第1定着ヘッド71Aおよび第5定着ヘッド71Eに印加される各電圧Vが、第1電圧V1から第2電圧V2に切り替わる。なお、最初の用紙Pには、第3定着ヘッド71Cに対応する画像がないため、第3定着ヘッド71Cに印加される電圧Vは、第1電圧V1のまま維持される。
図10(d)に示すように、第2定着ヘッド71Bに対応する第1画像G1が、第2定着領域A2から上流側に第2距離D2だけ離れた位置に到達すると、第2定着ヘッド71Bに印加される電圧Vが、第2電圧V2から第3電圧V3に切り替わる。図10(e)に示すように、第1定着ヘッド71Aに対応する第1画像G1が、第1定着領域A1から上流側に第2距離D2だけ離れた位置に到達すると、第1定着ヘッド71Aに印加される電圧Vが、第2電圧V2から第3電圧V3に切り替わる。
図10(f)に示すように、第4定着ヘッド71Dに対応する第4画像G4が、第4定着領域A4から上流側に第2距離D2だけ離れた位置に到達すると、第4定着ヘッド71Dに印加される電圧Vが、第2電圧V2から第3電圧V3に切り替わる。図10(g)に示すように、第5定着ヘッド71Eに対応する第4画像G4が、第5定着領域A5から上流側に第2距離D2だけ離れた位置に到達すると、第5定着ヘッド71Eに印加される電圧Vが、第2電圧V2から第3電圧V3に切り替わる。
図10(h)に示すように、第2画像G2が第2定着領域A2から抜けると、第2定着ヘッド71Bに印加される電圧Vが、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替わる。図11(a)に示すように、第2画像G2が第1定着領域A1から抜けると、第1定着ヘッド71Aに印加される電圧Vが、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替わる。
その後は、各定着ヘッド71A,71Bに対応する第3画像G3と各定着領域A1,A2との距離がそれぞれ前述した第2距離D2になったタイミングで、図11(b),(c)に示すように、各定着ヘッド71A,71Bに印加される各電圧Vが、それぞれ第2電圧V2から第3電圧V3に切り替わる。図11(d)に示すように、第3画像G3が第2定着領域A2を抜けると、第2定着ヘッド71Bに印加される電圧Vが、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替わる。つまり、次の用紙Pに第2定着領域A2に対応する画像がないため、第2定着ヘッド71Bに印加される電圧Vが、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替わる。同様にして、第1定着ヘッド71Aに印加される電圧Vも、図11(e)に示すように、第3画像G3が第1定着領域A1を抜けると、第3電圧V3から第1電圧V1に切り替わる。
図11(e)に示すように、第4定着ヘッド71Dに対応する第4画像G4が第4定着領域A4を抜けると、第4定着ヘッド71Dに印加される電圧Vが第3電圧V3から第2電圧V2に切り替わる。つまり、第4画像G4と次の用紙Pの先端との距離が第4距離D4以下であるため、第4定着ヘッド71Dに印加される電圧Vが第3電圧V3から第2電圧V2に切り替わる。同様にして、第5定着ヘッド71Eに印加される電圧Vも、図11(f)に示すように、第4画像G4が第5定着領域A5を抜けると、第3電圧V3から第2電圧V2に切り替わる。
なお、図9〜図11においては、最も幅広の第5用紙P5に対する各定着ヘッド71A〜71Eの制御を説明したが、前述した制御は、他の幅の用紙P1〜P4についても同様に行われる。ただし、他の幅の用紙P1〜P4について制御を行う場合には、その用紙の画像形成領域の幅から外れた定着ヘッド(例えば第4用紙P4に対する第5定着ヘッド71E)については、当該定着ヘッドに印加する電圧は、印刷制御中、第1電圧V1に維持される。
詳しくは、例えば第4用紙P4について印刷制御を行う場合には、第4用紙P4の画像形成領域の幅から外れた第5定着ヘッド71Eに対応する対象画像が存在しないので、第5定着ヘッド71Eについての図6に示す処理では、ステップS1においてNoと判定される。これにより、第5定着ヘッド71Eについては、電圧Vを変更するための各時刻t1〜t4が設定されないので、第5定着ヘッド71Eに印加する電圧は、印刷制御中、第1電圧V1に維持される。
以上によれば、本実施形態において以下のような効果を得ることができる。
用紙Pの種類(紙幅)または画像データに応じて定着ヘッド71A〜71Eごとに電圧をそれぞれ制御するので、印刷制御において適宜定着ヘッド71A〜71Eからの噴霧を個別に停止させることができ、定着液Lを無駄に消費するのを抑えることができる。
各定着ヘッド71A〜71Eを用紙Pの紙幅に応じて配置することで、例えば第1用紙P1に対して噴霧を行う場合には、第1用紙P1の紙幅に対応しない4つの定着ヘッド71B〜71Eへの電圧の印加を停止させておくことができるので、定着液Lを無駄に消費するのを抑えることができる。
所定の定着ヘッドから定着液Lの噴霧を行わない場合には、所定の定着ヘッドに対応したバルブ77Bを閉じるので、噴霧を行う側の定着ヘッドから噴霧を行わない側の定着ヘッドに電流が漏れるのを絶縁性のバルブ77Bによって抑えることができる。その結果、噴霧を行わない側の定着ヘッドから誤って定着液Lが噴霧されるのを抑えることができる。
用紙Pの先端が定着領域A1〜A5に到達する前に、電圧を第1電圧V1から第2電圧V2に上げるので、第1電圧V1から第2電圧V2の切り替え時にノズルNから落ちる滴状の定着液Lが用紙Pに付着するのを抑えることができる。
第3電圧V3の印加前に第3電圧V3よりも小さな第2電圧V2とするので、例えば用紙Pの先端が定着領域A1〜A5に到達する前に第1電圧から一気に第3電圧に変更する形態に比べ、消費電力を抑えることができる。
画像間隔が長い各画像G2,G3間において、電圧を第3電圧V3から第2電圧V2に下げるので、例えば各画像G2,G3間で電圧を第3電圧V3に維持する形態に比べ、消費電力を抑えることができる。
画像間隔が短い各画像G1,G2間において、電圧を第3電圧V3に維持するので、第1画像G1の次の第2画像G2を定着する際の噴霧状態を安定させることができる。
最上流側の第3画像G3が第1定着領域A1を抜けた後に、電圧を第1電圧V1に下げるので、最初の用紙Pと次の用紙Pとの間で無駄な電力を消費するのを抑えることができる。
最上流側の第4画像G4が第5定着領域A5を抜けた後に、電圧を、第1電圧V1まで下げずに、第2電圧V2にするので、紙間において第5定着ヘッド71Eから液だれが生じるのを抑えることができる。
待機状態において算出した関係式に基づいて第2電圧V2を決定するので、第2電圧V2を環境に応じた適正な値に設定することができる。
第1定着ヘッド71Aの幅を、第1用紙P1の幅よりも小さくし、他の定着ヘッド71B〜71Eを、対応する各用紙P2〜P5の幅外にはみ出さないような小さな幅で構成したので、各定着ヘッド71A〜71Eを小型化することができ、ひいては定着装置7を小型化することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。以下の説明においては、前記実施形態と略同様の構造となる部材には同一の符号を付し、その説明は省略する。
前記実施形態では、別体の収容部73を幅方向に複数並べたが、本発明はこれに限定されず、例えば図12に示すように、収容部73を搬送方向に複数並べてもよい。言い換えると、図12に示す形態では、幅方向に一列に並ぶ複数の収容部73の列が、搬送方向に複数設けられている。
なお、この形態では、用紙幅の異なる用紙P1〜P3が、各用紙の幅方向の中心の位置が同じ位置となるように、幅方向の位置を調整可能な図示せぬガイドによって各用紙P1〜P3の幅方向の端部がガイドされている。
幅方向に一列に並ぶ複数の収容部73のうち真ん中の3つの第1収容部731は、第1用紙P1の幅に対応して配置されている。なお、その他の列においても同様に、幅方向の真ん中の3つの第1収容部731は、第1用紙P1の幅に対応して配置されている。
言い換えると、合計9つの第1収容部731の定着領域は、互いに離れることなく重なっており、この定着領域の幅方向の両端は、第1用紙P1の画像形成領域の両端に対して同じ位置もしくは幅方向外側の位置に配置されている。
幅方向に一列に並ぶ複数の収容部73のうち、3つの第1収容部731の幅方向外側に隣接する2つの第2収容部732は、第1用紙P1よりも幅広の第2用紙P2の幅に対応して配置されている。なお、その他の列においても同様に、各第2収容部732は、第2用紙P2の幅に対応して配置されている。
言い換えると、合計9つの第1収容部731に対して図示左側に配置される3つの第2収容部732の定着領域は、互いに離れることなく重なっており、この定着領域の幅方向外側の端部は、第2用紙P2の画像形成領域の幅方向外側の端部に対して同じ位置もしくは幅方向外側の位置に配置されている。各第1収容部731に対して図示右側に配置される3つの第2収容部732の定着領域も同様に配置されている。
幅方向に一列に並ぶ複数の収容部73のうち幅方向の最も外側に配置される2つの第3収容部733は、第2用紙P2よりも幅広の第3用紙P3の幅に対応して配置されている。なお、その他の列においても同様に、各第3収容部733は、第3用紙P3の幅に対応して配置されている。
言い換えると、最も図示左側に配置される3つの第3収容部733の定着領域は、互いに離れることなく重なっており、この定着領域の幅方向外側の端部は、第3用紙P3の画像形成領域の幅方向外側の端部に対して同じ位置もしくは幅方向外側の位置に配置されている。最も図示右側に配置される3つの第3収容部733の定着領域も同様に配置されている。
また、図13に示すように、レーザプリンタ1で印刷可能な用紙Pのうち最大幅の用紙Pに対応する大きさの収容部73を、搬送方向に複数並べてもよい。
なお、前記各実施形態では、複数の収容部73をそれぞれ別体で構成したが、前記各実施形態における各収容部73を一体に形成してもよい。複数の収容部73を一体に形成した形態の一例を、以下に図14を参照して説明する。
図14に示す定着ヘッド80は、容器部81と、複数の仕切壁82と、複数の第1電極74とを備えている。容器部81は、上方に開口した矩形の容器本体83と、容器本体83の開口部を塞ぐ蓋84とを有している。
容器本体83は、底壁部83Aと、前壁部83Bと、後壁部83Cと、左壁部83Dと、右壁部83Eとを一体に有している。底壁部83Aは、幅方向に長い矩形の板状に形成されており、その適所には、複数のノズル83Fが形成されている。なお、複数のノズル83Fの配置は、例えば、前記実施形態に係る複数のノズルNの配置と同様の配置にすることができる。
前壁部83Bは、底壁部83Aの搬送方向上流側の端部から上方に向けて延びている。後壁部83Cは、底壁部83Aの搬送方向下流側の端部から上方に向けて延びている。
左壁部83Dは、底壁部83Aの幅方向の一端部(図示左側の端部)から上方に向けて延びており、底壁部83A、前壁部83Bおよび後壁部83Cの幅方向の一端部に連結されている。右壁部83Eは、底壁部83Aの幅方向の他端部(図示右側の端部)から上方に向けて延びており、底壁部83A、前壁部83Bおよび後壁部83Cの幅方向の他端部に連結されている。
仕切壁82は、容器部81内を複数の部屋R1〜R5に仕切るための壁であり、底壁部83Aの適所から上方に向けて延びるとともに、前壁部83Bから後壁部83Cまで延びるように容器本体83に一体に形成されている。なお、仕切壁82は、容器本体83とは別体に構成されていてもよい。
複数の仕切壁82は、用紙Pの搬送中心CLに対して幅方向に対称に形成されている。ここで、用紙Pの搬送中心CLとは、図12の形態で説明したような、用紙幅の異なる用紙が、各用紙の幅方向の中心の位置が同じ位置となるように搬送される形態における各用紙の幅方向の中心のことを意味する。
また、複数の仕切壁82は、搬送方向下流側の端部が搬送方向上流側の端部よりも搬送中心CLに近くなるように、搬送方向に対して傾斜している。また、搬送中心CLよりも幅方向の一方側にある2つの仕切壁82は、互いに平行となり、他方側にある2つの仕切壁82は、互いに平行となっている。
蓋84は、幅方向に長い矩形の板状に形成されており、その下面が、前壁部83B、後壁部83C、左壁部83D、右壁部83Eおよび各仕切壁82の上面に接触して固定されている。容器本体83に蓋84を取り付けた状態においては、容器部81内が各仕切壁82によって仕切られることで、定着液Lを収容するための複数の部屋R1〜R5が形成されている。言い換えると、本実施形態において、定着液Lを収容する収容部は、容器部81の一部と仕切壁82とで構成されている。つまり、本実施形態では、5つの収容部が一体に形成されている。
各第1電極74は、蓋84の適所に上下に貫通するように設けられ、その下端部が、各部屋R1〜R5内の定着液Lに接触する位置に配置されている。
図15(a),(b)に示すように、底壁部83Aの下面には、複数のノズル83Fの先端を用紙Pから保護するための複数のリブRB1〜RB5が、底壁部83Aの下面から下方に突出するように一体に形成されている。各リブRB1〜RB5は、各ノズル83Fよりも下方に突出している。なお、各リブRB1〜RB5は、底壁部83Aとは別体に構成されていてもよい。
複数のリブRB1〜RB5は、底壁部83Aの四辺に沿って設けられる前リブRB1、後リブRB2、左リブRB3および右リブRB4と、前リブRB1から後リブRB2まで延びる4つの傾斜リブRB5とで構成されている。
各傾斜リブRB5は、それぞれ前述した各仕切壁82をノズル83Fの長手方向(突出方向)に投影した位置に配置されている。これにより、各傾斜リブRB5が搬送中心CLに対して幅方向に対称となるので、各傾斜リブRB5でガイドされる用紙Pが搬送方向に対して斜めに移動するのを抑えることができる。また、各傾斜リブRB5が、搬送方向下流側に向かうにつれて搬送中心CLに向けて徐々に狭まるように配置されているので、例えば搬送方向に直交する断面において用紙Pの中央部がノズル83F側に向けて凸となるように用紙Pがカールしている場合には、用紙Pの膨出した中央部を、徐々に狭まっていく各傾斜リブRB5によって第2電極72側に押し込んでいくことができ、用紙Pのカールを矯正することができる。
前記実施形態では、絶縁性のバルブ77Bを設けることで、噴霧を行う側の定着ヘッドから噴霧を行わない側の定着ヘッドに電流が漏れるのを抑えたが、本発明はこれに限定されず、定着ヘッドやタンクにアース部材を設けることで電流の漏れを抑えてもよい。具体的には、例えば、図16に示すように、タンク77と各定着ヘッド71A〜71E間に設ける各配管77A上のバルブ77Cを導電性のバルブとする代わりに、各定着ヘッド71A〜71Eにアース部材91を設けてもよい。
アース部材91は、収容部73内の定着液Lを接地するための導電性の部材であり、収容部73を貫通するように設けられ、収容部73内の定着液Lに接触している。アース部材91は、スイッチ92を介して接地されている。
スイッチ92は、収容部73内の定着液Lを接地させるON状態(第1状態)と、定着液Lを接地させないOFF状態(第2状態)とに切り替え可能となっている。制御部100は、所定の収容部73内の定着液Lを噴霧する場合には、当該所定の収容部73に対応したスイッチ92をOFF状態とし、所定の収容部73内の定着液Lを噴霧しない場合には、当該所定の収容部73に対応したスイッチ92をON状態とするように構成されている。
具体的には、例えば第1定着ヘッド71Aでは噴霧を実行し、第2定着ヘッド71Bでは噴霧を実行しない場合には、制御部100は、噴霧を行う側の第1定着ヘッド71Aに対応したスイッチ92をOFF状態とし、噴霧を行わない側の第2定着ヘッド71Bに対応したスイッチ92をON状態とする。これにより、第1定着ヘッド71A内の定着液Lの電荷が各配管77A内やタンク77内の定着液Lを介して第2定着ヘッド71B内の定着液Lに漏れた場合であっても、第2定着ヘッド71B内の定着液Lに流れてきた電荷をアース部材91によってアースに逃がすことができる。その結果、噴霧を行わない側の第2定着ヘッド71B内の定着液Lが誤って噴霧されるのを抑えることができる。
また、図17に示すように、タンク77にアース部材91を設けてもよい。具体的に、アース部材91は、タンク77を貫通するように設けられ、タンク77内の定着液Lに接触している。アース部材91は、直接接地されている。
これによれば、例えば第1定着ヘッド71Aでは噴霧を実行し、第2定着ヘッド71Bでは噴霧を実行しない場合において、第1定着ヘッド71A内の定着液Lの電荷が各配管77A内やタンク77内の定着液Lを介して第2定着ヘッド71B内の定着液Lに流れるのを、その途中にあるタンク77のアース部材91によってアースに逃がすことができる。
なお、図16または図17に示す形態において、バルブ77Cを設けたが、本発明はこれに限定されず、バルブ77Cは設けなくてもよい。
前記実施形態では、用紙Pの種類と画像データの両方に応じて、各収容部73内の定着液Lに印加する各電圧をそれぞれ制御したが、本発明はこれに限定されず、用紙Pの種類のみに応じて各電圧をそれぞれ制御してもよいし、画像データのみに対応して各電圧をそれぞれ制御してもよい。
前記実施形態では、2つの画像間の距離が第3距離D3よりも大きい場合に、電圧Vを第2電圧V2(テイラーコーンが発生し始める電圧値)に変更したが、本発明はこれに限定されず、第3電圧V3よりも小さく、かつ、第1電圧V1よりも大きな値であれば、どのような電圧値であってもよい。
前記実施形態では、最上流側の第4画像G4の後端から次の用紙Pの先端までの距離が第4距離D4以下である場合には、最上流側の第4画像G4が第5定着領域A5を抜けた後に、電圧Vを、第2電圧V2に設定したが、本発明はこれに限定されず、第1電圧V1よりも大きな値であれば、どのような電圧値であってもよい。
前記実施形態では、印刷制御において、電圧Vを、待機状態の第1電圧V1から一旦第2電圧V2に上げた後、定着用の第3電圧V3に上げるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、用紙Pの先端が定着領域に到達する前において、電圧Vを、第1電圧V1から一気に第3電圧V3まで上げてもよい。
前記実施形態では、第1電極74を収容部73の内部に配置したが、本発明はこれに限定されず、例えばノズルおよび収容部を金属等の導電性部材で形成して、ノズルまたは収容部に対して電圧を印加してもよい。なお、この場合には、電圧が印加されるノズルまたは収容部が、第1電極として機能する。また、この場合には、複数の導電性の収容部を互いに離間させたり、各収容部の間に絶縁性の部材を設けたりすることで、各収容部間での電荷の移動を遮断させるとよい。また、収容部を樹脂等の非導電性の部材で形成し、ノズルを金属等の導電性の部材で形成し、ノズルに電圧を印加するようにしてもよい。なお、この場合には、ノズルが第1電極として機能する。
前記実施形態では、レーザプリンタ1に本発明を適用したが、本発明はこれに限定されず、その他の画像形成装置、例えば複写機や複合機などに本発明を適用してもよい。
前記実施形態では、記録シートとして、厚紙、はがき、薄紙などの用紙Pを例示したが、本発明はこれに限定されず、例えばOHPシートであってもよい。
前記実施形態では、収容部内の定着液に圧力を付与する圧力付与手段として、ポンプや減圧弁を有する加圧装置75を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、水頭差を利用して各ヘッド内の液体を加圧または減圧する装置などであってもよい。
前記実施形態では、ステップS2,S6の処理を、距離によって判断したが、本発明はこれに限定されず、時間によって判断してもよい。
前記実施形態では、待機状態において電圧を印加したが、本発明はこれに限定されず、待機状態において電圧を印加しなくてもよい。
前記実施形態では、説明の便宜上、定着領域A1〜A5を収容部73の下面と同じ形状・大きさ・位置としたが、本発明はこれに限定されず、定着領域は、収容部の下面よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。つまり、定着領域は、用紙上における噴霧される定着液の前後方向および左右方向に幅によって定義すればよい。
7 定着装置
73 収容部
74 第1電極
100 制御部
L 定着液
N ノズル
P 用紙

Claims (16)

  1. 定着液を内部に収容する複数の収容部と、
    各収容部に連通して設けられ、記録シート上の現像剤像に向けて前記定着液を噴霧する複数のノズルと、
    前記各収容部に設けられ、各収容部内の定着液に電圧を印加して前記ノズルの先端に電界を発生させる第1電極と、
    前記第1電極と間隔を空けて配置される第2電極と、
    前記電圧を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、記録シートの種類または画像データに応じて、前記各収容部内の定着液に印加する各電圧をそれぞれ制御することを特徴とする定着装置。
  2. 前記複数の収容部は、前記記録シートの幅方向に並んでいることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 容器部と、当該容器部内を複数の部屋に仕切る仕切壁とを備え、
    前記各収容部は、前記容器部の一部と前記仕切壁とで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記仕切壁は、前記容器部と一体に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記容器部は、前記ノズルの先端を保護するためのリブを有し、
    前記リブは、前記仕切壁を前記ノズルの長手方向に投影した位置に配置されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記リブは、前記容器部と一体に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記複数の収容部は、それぞれ別体に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  8. 前記複数の収容部は、
    第1記録シートの幅に対応して配置される第1収容部と、
    前記第1記録シートよりも幅広の第2記録シートの幅に対応して配置される第2収容部と、
    前記第2記録シートよりも幅広の第3記録シートの幅に対応して配置される第3収容部と、を有することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 前記収容部が、記録シートの搬送方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。
  10. 各収容部に対して設けられ、各収容部内の定着液を接地するためのアース部材を備えたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置。
  11. 各アース部材に対して設けられ、収容部内の定着液を接地させる第1状態と、定着液を接地させない第2状態とに切り替えられるスイッチをさらに備え、
    前記制御部は、所定の収容部内の定着液を噴霧する場合には、当該所定の収容部に対応したスイッチを前記第2状態とし、所定の収容部内の定着液を噴霧しない場合には、当該所定の収容部に対応したスイッチを前記第1状態とすることを特徴とすることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 内部に定着液を収容する定着液カートリッジと、
    前記定着液カートリッジから定着液が供給され、前記複数の収容部に定着液を供給するタンクと、を有し、
    前記タンクには、当該タンク内の定着液を接地するためのアース部材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置。
  13. 内部に定着液を収容する定着液カートリッジと、
    前記定着液カートリッジから定着液が供給され、前記複数の収容部に定着液を供給するタンクと、
    前記タンクと前記複数の収容部との間を繋ぐ複数の配管と、
    前記複数の配管のそれぞれに設けられる絶縁性のバルブと、を有し、
    前記制御部は、所定の収容部内の定着液を噴霧しない場合には、当該所定の収容部に対応したバルブを閉じることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の定着装置。
  14. 前記各収容部に設けられるノズルの数が等しいことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 前記各収容部は同一形状であることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の定着装置。
  16. 前記複数のノズルピッチは、1mm以上14mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の定着装置。
JP2016050505A 2015-09-30 2016-03-15 定着装置 Pending JP2017167245A (ja)

Priority Applications (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016050505A JP2017167245A (ja) 2016-03-15 2016-03-15 定着装置
EP20157737.6A EP3674811B1 (en) 2015-09-30 2016-09-30 Fixing device
PCT/JP2016/079034 WO2017057684A1 (ja) 2015-09-30 2016-09-30 定着装置
CN201680056865.7A CN108139707B (zh) 2015-09-30 2016-09-30 定影装置
EP16851853.8A EP3358424B1 (en) 2015-09-30 2016-09-30 Fixing device
US15/940,106 US10509351B2 (en) 2015-09-30 2018-03-29 Fixing device fixing developing agent image to sheet by electrostatically spraying charged fixing solution
US16/556,320 US11009820B2 (en) 2015-09-30 2019-08-30 Fixing device fixing developing agent image to sheet by electrostatically spraying charged fixing solution
US17/319,852 US11698596B2 (en) 2015-09-30 2021-05-13 Fixing device fixing developing agent image to sheet by electrostatically spraying charged fixing solution

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016050505A JP2017167245A (ja) 2016-03-15 2016-03-15 定着装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017167245A true JP2017167245A (ja) 2017-09-21

Family

ID=59913067

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016050505A Pending JP2017167245A (ja) 2015-09-30 2016-03-15 定着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017167245A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019179147A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 ブラザー工業株式会社 定着器および画像形成装置
WO2021200943A1 (ja) * 2020-04-01 2021-10-07 ブラザー工業株式会社 画像形成装置
US20220011700A1 (en) * 2019-03-28 2022-01-13 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Fixing device
US11914317B2 (en) 2020-03-31 2024-02-27 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus including fixing liquid spraying device and collecting device

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019179147A (ja) * 2018-03-30 2019-10-17 ブラザー工業株式会社 定着器および画像形成装置
JP7102865B2 (ja) 2018-03-30 2022-07-20 ブラザー工業株式会社 定着器および画像形成装置
US20220011700A1 (en) * 2019-03-28 2022-01-13 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Fixing device
US11635719B2 (en) * 2019-03-28 2023-04-25 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Fixing device
US11914317B2 (en) 2020-03-31 2024-02-27 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus including fixing liquid spraying device and collecting device
WO2021200943A1 (ja) * 2020-04-01 2021-10-07 ブラザー工業株式会社 画像形成装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11698596B2 (en) Fixing device fixing developing agent image to sheet by electrostatically spraying charged fixing solution
US7813689B2 (en) Fixing device and image forming apparatus
JP2017167245A (ja) 定着装置
JP6668846B2 (ja) 定着装置
JP6710968B2 (ja) 定着装置および静電噴霧装置
JP2017068103A (ja) 噴霧装置、定着装置および画像形成装置
JP6610358B2 (ja) 定着装置
JP2017167244A (ja) 定着装置
JP6627589B2 (ja) 定着装置
US7813658B2 (en) Image forming apparatus
JP6547561B2 (ja) 定着装置
JP2010276669A (ja) 画像形成装置
JP2017167243A (ja) 画像形成装置
JP6627494B2 (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2020172387A (ja) シート排出装置、画像形成装置
JP4689554B2 (ja) 帯電装置およびそれを用いた画像形成装置
JP2022082065A (ja) 画像形成装置
JP5321897B2 (ja) 泡供給装置及び画像形成装置
JP2007206493A (ja) 湿式定着装置および画像形成装置
JP2019124891A (ja) 画像形成装置
US7639979B2 (en) Preconditioning media sheets to reduce transfer voltage
JP2023059324A (ja) 画像形成装置
JP2022038982A (ja) 定着装置
JP2023025320A (ja) 画像形成装置
JP2013238654A (ja) 画像形成装置およびプログラム