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JP2017048301A - ウレタン(メタ)アクリレート、活性エネルギー線硬化性組成物、及びその硬化物 - Google Patents

ウレタン(メタ)アクリレート、活性エネルギー線硬化性組成物、及びその硬化物 Download PDF

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JP2017048301A
JP2017048301A JP2015172172A JP2015172172A JP2017048301A JP 2017048301 A JP2017048301 A JP 2017048301A JP 2015172172 A JP2015172172 A JP 2015172172A JP 2015172172 A JP2015172172 A JP 2015172172A JP 2017048301 A JP2017048301 A JP 2017048301A
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康次 藤原
Koji FUJIHARA
康次 藤原
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Daicel Allnex Ltd
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Daicel Allnex Ltd
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Abstract

【課題】エレクトロニクス分野に使用される光学部材、ディスプレイ基材等の光学用基材、部品固定用、部材貼付用等の粘着シート用基材に用いる、ウレタン(メタ)アクリレート特有の耐摩耗性、耐傷付性、耐薬品性、柔軟性などの特徴を有しつつ、高伸度及び高弾性率をも有するウレタン(メタ)アクリレート、これを硬化成分として含有する組成物、及びその硬化物。【解決手段】(I)のウレタン(メタ)アクリレートであって、分子量が300以下の低分子量ジオールと分子量が300を超える高分子量ジオールを含み、分子量が300以下の低分子量ジオールがウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して、1.0〜5.0重量%であるウレタン(メタ)アクリレート。【選択図】なし

Description

本発明は、硬化物としたときに高伸度及び高弾性率を有する活性エネルギー線硬化性組成物を得るために有用なウレタン(メタ)アクリレート、これを硬化成分として含有する組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)、及びその硬化物に関する。
従来、紫外線や電子線の照射によって硬化するエネルギー線硬化性樹脂や、熱により硬化する熱硬化性樹脂が多数開発され、塗料、インキ、接着剤、粘着剤、成型材料等に広く利用されている。なかでも、ウレタン(メタ)アクリレートは、構成原料の多様性による設計自由度の高さから、目的に応じ強靭性、耐薬品性、柔軟性などの特徴を持つ様々なタイプのウレタン(メタ)アクリレートが製造されている。
特許文献1では、柔軟性と耐候性の両方に優れた強靭な硬化膜を形成でき、主に塗料、被覆剤、接着剤として使用される光硬化型樹脂組成物が開示されており、その構成成分であるウレタン(メタ)アクリレートとして、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等を含むポリオールと、活性水素及び(メタ)アクリロイル基を有するモノマーとを反応させたウレタン(メタ)アクリレートが用いられている。
特開平5−59138号公報
特にエレクトロニクス分野に使用される光学部材、ディスプレイ基材等の光学用基材、部品固定用、部材貼付用等の粘着シート用基材では、ウレタン(メタ)アクリレート特有の耐摩耗性、耐傷付性、耐薬品性、柔軟性などの特徴を有しつつ、高伸度と高弾性率を両立できる硬化塗膜(シート)が求められている。しかし、一般に高伸度と高弾性率は相反する物性であるため、両立は困難である。つまり、伸度が高くなるような樹脂の設計では弾性率は低くなり、弾性率が高くなるような樹脂の設計では伸度が低くなる傾向がある。
特許文献1のウレタン(メタ)アクリレートを含む組成物の硬化物は、高伸度を有するものの弾性率が低く、高伸度と高弾性率を両立できていない。
従って、本発明の目的は、硬化物としたときに、特に高伸度と高弾性率を両立しうる活性エネルギー線硬化性組成物の硬化成分として有用なウレタン(メタ)アクリレート、これを硬化成分として含有する組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)、及びその硬化物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の2種のジオール等を原料とするウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化性組成物によると、高伸度と高弾性率をバランス良く備えた硬化物(硬化塗膜)を形成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記式(I)で表される構成単位
Figure 2017048301
[式(I)中、Rはポリオール(X)の構造式 R(OH)nからn個の水酸基(−OH)を除いた残基を表す。nは2以上の整数を表す]
を有するウレタン(メタ)アクリレートであって、下記式(1)で表される構成単位
Figure 2017048301
[式(1)中、R1は分子量が300以下の低分子量ジオール(a)の構造式 HO−R1−OH から2つの水酸基(−OH)を除いた残基を表す]
、及び下記式(2)で表される構成単位
Figure 2017048301
[式(2)中、R2は分子量が300を超える高分子量ジオール(b)の構造式 HO−R2−OH から2つの水酸基(−OH)を除いた残基を表す]
を有し、前記式(1)中の(−O−R1−O−)の構成単位と2つの水素原子(−H)の総和の含有割合が、ウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して、1.0〜5.0重量%であるウレタン(メタ)アクリレートを提供する。
また、本発明は、ウレタン(メタ)アクリレートを構成するポリオール(X)由来の構造部全体に対する、前記低分子量ジオール(a)及び前記高分子量ジオール(b)由来の構造部の総量が、80重量%以上であることが好ましい。
また、本発明は、分子量が300以下の低分子量ジオール(a)及び分子量が300を超える高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(Y)とを反応させて得られるウレタンプレポリマー部を有するウレタン(メタ)アクリレートであって、前記の分子量が300以下の低分子量ジオール(a)の割合が、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、1.0〜5.0重量%であることが好ましい。
また、本発明は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成するポリオール(X)全体に対する、前記低分子量ジオール(a)及び前記高分子量ジオール(b)の総量が、80重量%以上である。
また、本発明は、前記低分子量ジオール(a)が、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐鎖状のアルカンジオール、又は炭素数4〜12のジ、トリ若しくはテトラアルキレングリコールであることが好ましい。
また、本発明は、前記低分子量ジオール(a)が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及び2−メチル−1,8−オクタンジオールからなる群より選択される少なくとも1つのジオールであることが好ましい。
また、本発明は、前記高分子量ジオール(b)が、ポリエステルジオールであることが好ましい。
さらに、本発明は、前記ウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
本発明は、前記活性エネルギー線硬化性組成物が、さらに、(メタ)アクリロイル基含有モノマーを含むことが好ましい。
本発明は、前記活性エネルギー線硬化性組成物が、さらに、光重合開始剤を含むことが好ましい。
また、本発明は、前記活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物を提供する。
また、本発明は、前記硬化物が、シートであることが好ましい。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、上記構成を有するため、当該ウレタン(メタ)アクリレートを必須成分として含む活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させた硬化物は、ウレタン(メタ)アクリレート特有の耐摩耗性、耐傷付性、耐薬品性、柔軟性などの特徴を有しつつ、特に高伸度と高弾性率の両性能をバランス良く備える。
実施例及び比較例における引張試験の評価結果のグラフである。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、下記式(I)で表される構成単位
Figure 2017048301
[式(I)中、Rはポリオール(X)の構造式 R(OH)nからn個の水酸基(−OH)を除いた残基を表す。nは2以上の整数を表す]
を有するウレタン(メタ)アクリレートであって、下記式(1)で表される構成単位
Figure 2017048301
[式(1)中、R1は分子量が300以下の低分子量ジオール(a)の構造式 HO−R1−OH から2つの水酸基(−OH)を除いた残基を表す]
、及び下記式(2)で表される構成単位
Figure 2017048301
[式(2)中、R2は分子量が300を超える高分子量ジオール(b)の構造式 HO−R2−OH から2つの水酸基(−OH)を除いた残基を表す]
を有し、前記式(1)中の(−O−R1−O−)の構成単位と2つの水素原子(−H)の総和の含有割合が、ウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して、1.0〜5.0重量%である。なお、上記含有割合は、全ウレタン(メタ)アクリレートポリマー分子の平均値である。
上記式(I)で表される構成単位は、n価のポリオール R−(−OH−)n 由来のウレタン構造を示している。この構成単位は、ウレタン結合(−O−CO−NH−)を1以上含んでおり、ウレタン構造の末端のN原子又はO原子に(メタ)アクリロイル基を有する基が結合している。上記式(1)で表される構成単位及び式(2)で表される構成単位においても、ウレタン構造の末端のN原子又はO原子に(メタ)アクリロイル基を有する基が結合している。また、上記式(I)で表される構成単位及びポリオール(X)の構造式におけるnは、2以上の整数であるが、好ましくは2〜10であり、より好ましくは2〜6の整数である(以下のnも同様である)。
なお、上記R、R1及びR2は、それぞれ同一又は異なって、有機基(例えば、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、及びこれらが複数個、エステル結合、エーテル結合、カーボネート結合等の連結基を介して、又は介することなく結合した基)を表す。上記R1としては、例えば、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐鎖状のアルキレン基、炭素数4〜12のジ、トリ若しくはテトラアルキレンオキシ基等が挙げられる。上記R2としては、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリオレフィンジオール(二重結合を有していてもよく、該二重結合の一部又は全部がエポキシ化されていてもよい)、又はポリアクリルジオールの構造式から2個の水酸基(−OH)を除いた基等が挙げられる。また、上記Rとしては、例えば、エーテル結合を含んでいてもよい脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、芳香族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリオール、又はポリアクリルジオールの構造式から2個以上の水酸基(−OH)を除いた基等が挙げられる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及び/又はメタクリレート(アクリレート及びメタクリレートのいずれか一方又は両方)を意味し、「(メタ)アクリロイル」等についても同様である。以下、「分子量が300以下の低分子量ジオール(a)」を単に「低分子量ジオール(a)」、「分子量が300を超える高分子量ジオール(b)」を単に「高分子量ジオール(b)」と称する場合がある。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの平均官能基数は、例えば2〜5であり、好ましくは2〜4であり、より好ましくは2〜3である。なお、本発明のウレタン(メタ)アクリレートの平均官能基数とは、本発明のウレタン(メタ)アクリレート1分子が有する平均(メタ)アクリロイル基数のことである。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、例えば2000〜30000であり、好ましくは4000〜28000であり、より好ましくは6000〜25000であり、さらに好ましくは7000〜22000であり、特に好ましくは8000〜20000である。なお、上記ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、GPCにて測定される標準ポリスチレン換算の分子量より算出されたものである。
式(1)中の(−O−R1−O−)の構成単位と2つの水素原子(−H)の総和の含有割合は、ウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して、1.0〜5.0重量%であり、好ましくは1.5〜4.8重量%であり、より好ましくは1.8〜4.6重量%であり、さらに好ましくは2.0〜4.0重量%であり、特に好ましくは2.4〜3.5重量%である。上記割合を上記範囲とすることにより、高伸度と高弾性率の両性能をバランス良く兼ね備えた硬化物を得ることができる。なお、上記含有割合は、全ウレタン(メタ)アクリレートポリマー分子の平均値である。
式(2)中の(−O−R2−O−)の構成単位と2つの水素原子(−H)の総和の含有割合は、ウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して、例えば、30〜90重量%であり、好ましくは40〜80重量%であり、より好ましくは45〜75重量%であり、さらに好ましくは50〜70重量%であり、特に好ましくは55〜65重量%である。式(2)で表される構成単位の割合が上記範囲であると、高伸度と高弾性率の両性能を一層バランス良く兼ね備えた硬化物を得ることができる。
上記低分子量ジオール(a)及び上記高分子量ジオール(b)由来の構造部の合計(−O−R1−O− +2H+ −O−R2−O−+2H)の割合は、ウレタン(メタ)アクリレートを構成するポリオール(X)由来の構造部全体(R−(−O−)n+nH)に対して、例えば80重量%以上であり、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは100重量%である。なお、上記含有割合は、全ウレタン(メタ)アクリレートポリマー分子の平均値である。
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの他の態様では、分子量が300以下の低分子量ジオール(a)及び分子量が300を超える高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(Y)とを反応させて得られるウレタンプレポリマー部を有するウレタン(メタ)アクリレートであって、前記の分子量が300以下の低分子量ジオール(a)の割合が、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、1.0〜5.0重量%である。なかでも本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、低分子量ジオール(a)及び高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(Y)とを反応させて得られるウレタンプレポリマーとヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)とを反応させることにより得られ、前記低分子量ジオール(a)の割合が、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、1.0〜5.0重量%であることが好ましい。上記ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物には、ポリオール(X)、イソシアネート化合物(Y)、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)(後述するイソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)を含む)及びその他のウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物等が含まれる(以下も同じである)。
上記ポリオール(X)を単に「(X)」又は「X」、上記イソシアネート化合物(Y)を単に「(Y)」又は「Y」、上記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)を単に「(Z)」又は「Z」と称する場合がある。イソシアネート化合物(Y)の官能基数とは1分子中のイソシアネート基の数を意味する。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、模式的には、
Z−(Y−(X−Y)m)−Z で表される(なお、式中の「−」は、それぞれ結ばれた成分が反応していることを意味する)。
上記式においてmは、例えば1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、さらに好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
上記[Z−(Y−(X−Y)m)−Z]で表されるウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、低分子量ジオール(a)及び高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、イソシアネート化合物(Y)とを反応させて両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを形成した後、該ウレタンプレポリマーと、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート(Z)とを反応させることにより製造できる。
また、本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、低分子量ジオール(a)及び高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(Y)を反応させて得られるウレタンプレポリマーとイソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)とを反応させることにより得られ、前記低分子量ジオール(a)の割合が、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、1.0〜5.0重量%であるウレタン(メタ)アクリレートであってもよい。この場合のイソシアネート化合物(Y)には、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)は含まれない。なお、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)を単に「(Z’)」又は「Z’」)と称する場合がある。
このウレタン(メタ)アクリレートは、模式的には、
Z’−(X−(Y−X)m')−Z’ で表される(なお、式中の「−」は、それぞれ結ばれた成分が反応していることを意味する)。
上記式においてm’は、例えば1〜30の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、より好ましくは1〜5の整数であり、さらに好ましくは1〜3の整数であり、特に好ましくは1である。
上記[Z’−(X−(Y−X)m')−Z’]で表されるウレタン(メタ)アクリレートは、低分子量ジオール(a)及び高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、イソシアネート化合物(Y)とを反応させて両末端にヒドロキシル基を有するウレタンプレポリマーを形成した後、該ウレタンプレポリマーと、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)とを反応させることにより製造できる。
(ポリオール(X))
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの原料であるポリオール(X)は、1分子あたり2個以上の水酸基を有する化合物 R−(−OH−)n であり、低分子量ジオール(a)(HO−R1−OH)と、高分子量ジオール(b)(HO−R2−OH)の少なくとも2種を含む。上記低分子量ジオール(a)及び上記高分子量ジオール(b)は、それぞれ1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。なお、上記R、R1、R2及びnは、上記と同じである。
ポリオール(X)としては、ジオール(上記低分子量ジオール(a)及び上記高分子量ジオール(b))のみを用いてもよく、ジオール以外のトリオール、テトラオール等も含んだポリオールを用いてもよい。ジオール(上記低分子量ジオール(a)及び上記高分子量ジオール(b)の合計)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成するポリオール(X)全量に対して、例えば80重量%以上であり、好ましくは85重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは100重量%である。
ポリオール(X)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、例えば40〜90重量%であり、好ましくは45〜85重量%であり、より好ましくは50〜80重量%であり、さらに好ましくは55〜75重量%であり、特に好ましくは60〜70重量%である。
上記低分子量ジオール(a)としては、例えば、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐鎖状のアルカンジオール、又は炭素数4〜12のジ、トリ若しくはテトラアルキレングリコール等が挙げられる。
上記の炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐鎖状のアルカンジオールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等が挙げられる。炭素数4〜12のジ、トリ若しくはテトラアルキレングリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
なかでも低分子量ジオール(a)としては、高伸度と高弾性率のバランスをとりやすい点で、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオールが好ましい。
低分子量ジオール(a)の分子量は、300以下(例えば、50〜300)であるが、好ましくは280以下であり、より好ましくは250以下であり、さらに好ましくは200以下であり、特に好ましくは150以下である。ウレタン(メタ)アクリレートが分子量300以下の低分子量ジオール(a)に由来する構成単位を特定量含むことにより、高伸度と高弾性率の両性能をバランス良く兼ね備えた硬化物とすることができる。
低分子量ジオール(a)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、1.0〜5.0重量%であり、好ましくは1.5〜4.8重量%であり、より好ましくは1.8〜4.6重量%であり、さらに好ましくは2.0〜4.0重量%であり、特に好ましくは2.4〜3.5重量%である。低分子量ジオール(a)の割合が上記範囲とすることにより、高伸度と高弾性率の両性能を一層バランス良く兼ね備えた硬化物を得ることができる。
低分子量ジオール(a)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成するポリオール(X)全量に対して、例えば2〜20重量%であり、好ましくは3〜10重量%であり、より好ましくは3〜8重量%であり、さらに好ましくは3〜6重量%である。
高分子量ジオール(b)としては、例えば、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、アクリルジオール、エポキシジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体、ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加体、水素化ビスフェノールFのアルキレンオキサイド付加体、天然油ジオール、シリコン系ジオール、フッ素基含有ジオール、ポリオレフィンジオール等が挙げられる。なかでも高分子量ジオール(b)としては、高伸度と高弾性率に優れる点で、ポリエステルジオールが好ましい。
また、上記高分子量ジオール(b)として、例えば、ポリエステルジオールを含んだポリエステルポリオール、ポリエーテルジオールを含んだポリエーテルポリオール、ポリカーボネートジオールを含んだポリカーボネートポリオール等を用いてもよい。なお、ポリエステルポリオール等を用いた場合、ジオール成分以外は、その他のウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物となる。
高分子量ジオール(b)の分子量は、300を超える(例えば、300超〜20000)が、好ましくは500〜15000であり、より好ましくは700〜10000であり、さらに好ましくは800〜8000であり、特に好ましくは900〜5000である。ウレタン(メタ)アクリレートが分子量300を超える高分子量ジオール(b)に由来する構成単位を特定量含むこととなるため、高伸度と高弾性率の両性能を一層バランス良く兼ね備えた硬化物とすることができる。高分子量ジオール(b)は、ポリマー(オリゴマーを含む)であってもよく、その場合は、上記分子量は、数平均分子量(GPCにて測定される標準ポリスチレン換算の分子量より算出)であってもよい。
高分子量ジオール(b)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、例えば30〜90重量%であり、好ましくは40〜80重量%であり、より好ましくは45〜75重量%であり、さらに好ましくは50〜70重量%であり、特に好ましくは55〜65重量%である。ジオール(b)の割合が上記範囲であると、高伸度と高弾性率の両性能を一層バランス良く兼ね備えた硬化物を得ることができる。
高分子量ジオール(b)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成するポリオール(X)全量に対して、例えば80〜98重量%であり、好ましくは90〜97重量%であり、より好ましくは92〜97重量%であり、さらに好ましくは94〜97重量%である。
ポリオール(X)として、上記低分子量ジオール(a)及び上記高分子量ジオール(b)以外の成分を含んでもよい。このような成分としては、1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパン、D−ソルビトール、キシリトール、D−マンニトール、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。なお、ジオール成分以外は、その他のウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物となる。
(イソシアネート化合物(Y))
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの原料であるイソシアネート化合物(Y)は、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有する化合物である。なお、本発明のウレタン(メタ)アクリレートの原料であるイソシアネート化合物(Y)は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
イソシアネート化合物(Y)が1分子中に有するイソシアネート基の数は、例えば2〜10個であり、好ましくは2〜6個であり、より好ましくは2〜4個であり、さらに好ましくは2〜3個であり、特に好ましくは2個である。
イソシアネート化合物(Y)としては、例えば、芳香族系イソシアネート化合物、脂肪族系イソシアネート化合物、環式脂肪族系イソシアネート化合物、脂環式イソシアネート化合物、これらイソシアネート化合物の混合物、上記イソシアネート化合物の付加物、上記イソシアネート化合物の変性物、上記イソシアネート化合物の重合物等の公知のイソシアネート化合物類等が挙げられる。より具体的には、イソシアネート化合物(Y)としては、例えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート(H12MDI)、ポリフェニルメタンイソシアネート化合物(クルードMDI)、変性ジフェニルメタンジイソシアネート(変性MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添化キシリレンジイソシアネート(H−XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ノルボルネンジイソシアネート(NDI)等のイソシアネート化合物が挙げられる。なかでもイソシアネート化合物(Y)としては、高伸度と高弾性率を有する硬化物を得やすい点で、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)が好ましい。
イソシアネート化合物(Y)は、公知乃至慣用の方法により製造することができ、また市販品を入手することもできる。市販品としては、例えば、商品名「VESTANAT IPDI」(イソホロンジイソシアネート、エボニック社製)、商品名「デスモジュール I」(イソホロンジイソシアネート、住化バイエルウレタン社製)等が挙げられる。
イソシアネート化合物(Y)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、10〜70重量%であり、好ましくは15〜60重量%であり、より好ましくは20〜50重量%であり、さらに好ましくは25〜40重量%である。
(ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z))
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、これらのラクトン付加物(カプロラクトン付加物等)などのヒドロキシル基を有する単官能の(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、これらのラクトン付加物(カプロラクトン付加物等)などのヒドロキシル基を有する多官能の(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。なかでも2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、例えば5〜50重量%であり、好ましくは5〜40重量%であり、より好ましくは5〜30重量%であり、さらに好ましくは5〜20重量%である。
(イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’))
イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)としては、(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基の両方の基を持つ化合物が挙げられ、例えば、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート(AOI)、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)等が挙げられる。(Z’)の市販品としては、商品名「2−アクリロイルオキシエチルイソシアネート」(昭和電工(株)製)等を用いることができる。
イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)の割合(使用量)は、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、例えば5〜50重量%であり、好ましくは7〜40重量%であり、より好ましくは9〜30重量%であり、さらに好ましくは10〜20重量%である。
[ウレタン(メタ)アクリレートの製造方法]
本発明のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法(反応方法)としては、例えば、ポリオール(X)と、イソシアネート化合物(Y)と、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート(Z)を反応させる、下記の[方法A]〜[方法C]の方法が挙げられる。
なお、これらの方法において、ポリオール(X)における低分子量ジオール(a)と高分子量ジオール(b)は、両方を同時に加えてもよく、順次加えてもよく、その加える順序は特に限定されない。
[方法A](X)、(Y)及び(Z)を一括混合してこれらを反応させる方法
[方法B](X)及び(Y)を反応させて、イソシアネート基を有するウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーと(Z)とを反応させる方法
[方法C](Y)及び(Z)を反応させて、イソシアネート基を有するウレタンイソシアネートプレポリマー(ウレタンプレポリマー)を形成した後、該ウレタンイソシアネートプレポリマーと(X)とを反応させる方法
上記[方法A]〜[方法C]の中では、[方法B]が好ましい。
また、[方法A]または[方法C]で製造した場合、(Y)のイソシアネート基全てが(Z)と反応した化合物の副生量が多くなり、これが硬化物の伸度の低下を引き起こす場合がある。また、複雑な各種の化合物が不規則に生成するため、得られた生成物を活性エネルギー線硬化性組成物又はその構成成分として使用する際、品質の管理が難しくなる場合がある。
さらに、上記[方法B]の(X)及び(Y)の反応においては、例えば、以下の[方法B−1]〜[方法B−3]の方法が挙げられる。
[方法B−1](X)及び(Y)を一括混合して反応させる方法
[方法B−2](X)の中に(Y)を逐次添加して反応させる方法
[方法B−3](Y)の中に(X)を逐次添加して反応させる方法
[方法B−2]の場合、大量の(X)の中に(Y)を逐次添加するので、(X)の水酸基と(Y)のイソシアネート基が等量となる場合があり、ゲル化のおそれがある。従って、[方法B−1]、[方法B−3]が好ましく用いられる。
[方法B−1]においては、反応器に、(X)と(Y)及び必要により希釈溶媒を仕込み、均一になるまで攪拌をしながら必要に応じて昇温後、ウレタン化触媒を投入してウレタン化を開始する方法が好ましい。ウレタン化触媒を投入後に必要に応じて昇温してもよい。
ウレタン化触媒を初めから投入すると、(Y)の仕込み段階で、(X)と(Y)とが不均一な状態でウレタン化反応が進行することになり、得られるウレタンイソシアネートプレポリマーの分子量や粘度が変化し、未反応の(Y)が系中に残存した状態で反応が終結する場合がある。このような場合には、後で使用する場合がある(Z)と残存した(Y)だけの反応による副生物が生じるため、硬化物の伸度の低下を招くおそれがある。このような副生物の含有量は、ウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して15重量%未満であることが好ましい。15重量%以上であると、樹脂フィルムの伸度が低下するおそれがある。
[方法B−3]においては、例えば、反応器に、(Y)、ウレタン化触媒、及び必要により希釈溶媒を仕込み均一になるまで攪拌する。攪拌をしながら、必要に応じて昇温し、(X)を滴下する。なお、(X)において、低分子量ジオール(a)と高分子量ジオール(b)の滴下する順は特に制限されず、低分子量ジオール(a)と高分子量ジオール(b)の混合物を滴下してもよい。[方法B−3]は、[方法B−2]で述べたゲル化のおそれのない点で好ましい。
なお、いずれの方法でも、(X)と(Y)との反応により末端にイソシアネート基を有するウレタンイソシアネートプレポリマーを合成する際、(X)と(Y)とを、反応液中のイソシアネート基濃度が終点イソシアネート基濃度以下になるまで反応させることが好ましい。なお、反応液中のイソシアネート基濃度を「NCO基濃度」ということもある。終点イソシアネート基濃度については、後述する。
なお、上記逐次添加とは、連続的添加(一定時間かけて添加する態様)又は断続的添加(複数回に分けて分割添加する態様)を意味する。逐次添加の態様としては、例えば、滴下の態様等が挙げられる。
上述の(X)と(Y)の反応は、重合を防止する目的で、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、4−メトキシフェノール等の重合禁止剤の存在下で進行させることが好ましい。重合禁止剤の添加量(使用量)は、生成するウレタン(メタ)アクリレートに対して重量基準で、例えば1〜10000ppmであり、好ましくは100〜1000ppmである。
また、同様に重合を防止する目的で、上述の(X)と(Y)の反応は、分子状酸素を含有するガス雰囲気下で行うことが好ましい。なお、酸素濃度は、安全面を考慮して適宜選択される。
上述の(X)と(Y)の反応においては、十分な反応速度を得るために、触媒を用いることが好ましい。触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、塩化スズ等が挙げられる。なかでも、反応速度の点から、ジブチルスズジラウレートが好ましい。上記触媒の添加量(使用量)は、重量基準で、例えば1〜3000ppmであり、好ましくは50〜1000ppmである。触媒の添加量が1ppm未満であると、十分な反応速度が得られないことがある。一方、3000ppmを超えると、本発明のウレタン(メタ)アクリレートの諸物性に悪影響が及ぶおそれがある。
上述の(X)と(Y)の反応は、公知の揮発性有機溶剤の存在下で進行させることができる。揮発性有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート、キシレン、トルエン等が挙げられる。中でも、沸点と経済性の観点から、酢酸エチル、酢酸ブチル等が好ましい。上記反応においては、揮発性有機溶剤を用いなくてもよい。
上述の(X)と(Y)の反応においては、揮発性有機溶剤の代わりに、反応性希釈剤を使用することもできる。上記反応性希釈剤としては、特に後述の(メタ)アクリロイル基含有モノマーを使用することが好ましい。反応性希釈剤を使用した場合、本発明のウレタン(メタ)アクリレートと反応性希釈剤とを含む組成物が生成物として得られる。なお、上記反応性希釈剤は、後述の活性エネルギー線硬化性組成物の粘度調整や硬化塗膜の耐摩耗性、耐傷付性の調整等を目的として、必要に応じて、本発明のウレタン(メタ)アクリレートを生成させた後に配合することもできる。
上記反応性希釈剤としては市販品を用いることもでき、例えば、イソボルニルアクリレート(例えば、ダイセル・オルネクス社製、製品名「IBOA」)、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(例えば、同社製、製品名「HDDA」)、トリメチロールプロパントリアクリレート(例えば、同社製、製品名「TMPTA」)、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(例えば、同社製、製品名「IRR214−K」)等が入手可能である。
上述の(X)と(Y)の反応は、130℃以下の温度(反応温度)で進行させることが好ましく、50〜130℃で進行させることがより好ましい。反応温度が130℃を超えると、熱によるラジカル重合が進行して二重結合部が架橋し、ゲル化物が生じることがある。一方、反応温度が50℃未満であると、実用上十分な反応速度が得られないことがある。
上述の(X)と(Y)の反応は、通常、イソシアネート基濃度(残存イソシアネート基濃度)が終点イソシアネート基濃度になるまで行う。(終点)イソシアネート基濃度は、例えば、IR(赤外分光法)、GC(ガスクロマトグラフィー法)、下記の滴定法等で分析できる。
<イソシアネート基濃度の測定>
滴定法によるイソシアネート基濃度の測定は、例えば、以下のように実施する。なお、測定は100mLのガラスフラスコでスターラーによる撹拌の下で行う。
まず、以下のように、ブランク値を測定する。
15mLのTHFに、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)15mLを加える。さらにブロモフェノールブルー(1重量%メタノール希釈液)を3滴加えて加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定する。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVb(mL)とする。
次に、実測イソシアネート基濃度を測定する。まず、サンプルをWs(g)秤量し、15mLのTHFに溶解させ、ジブチルアミンのTHF溶液(0.1N)を15mL加える。溶液化したことを確認した後、ブロモフェノールブルー(1重量%メタノール希釈液)を3滴加えて青色に着色させた後、規定度が0.1NであるHCl水溶液で滴定する。変色がみられた時点のHCl水溶液の滴定量をVs(mL)とする。
そして、以下の計算式により、サンプル中のイソシアネート基濃度を算出する。
イソシアネート基濃度(重量%)=(Vb−Vs)×1.005×0.42÷Ws
上記終点イソシアネート基濃度とは、系内に仕込んだ水酸基の全てがウレタン化したと仮定した場合の理論上のイソシアネート基濃度と、反応液中のイソシアネート基濃度がもはや変化しなくなった時のイソシアネート基濃度との、いずれか高いほうのイソシアネート基濃度を意味する。
また、本発明のウレタン(メタ)アクリレートの製造方法(反応方法)は、上述の通り、ポリオール(X)と、イソシアネート化合物(Y)とを反応させて両末端にヒドロキシル基を有するウレタンプレポリマーを形成した後、該ウレタンプレポリマーと、イソシアネート基含有(メタ)アクリレート(Z’)とを反応させる方法でもよい。この場合の(X)と(Y)を反応させる方法としては、例えば、上記[方法B−1]〜[方法B−3]の方法が挙げられる。この(X)と(Y)の反応後の該ウレタンプレポリマーのヒドロキシル基と(Z’)のイソシアネート基を反応させることにより、ウレタン(メタ)アクリレートが得られる。
[活性エネルギー線硬化性組成物]
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明のウレタン(メタ)アクリレートを必須の硬化成分(硬化性成分)として含有する組成物である。本発明の活性エネルギー線硬化性組成物としては、上記ウレタン(メタ)アクリレート、及び(メタ)アクリロイル基含有モノマーを含む態様が好ましい。その他、必要に応じて、光重合開始剤、有機溶剤、添加剤等を加えることもできる。なお、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物において本発明のウレタン(メタ)アクリレートは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物における本発明のウレタン(メタ)アクリレートの含有量(配合量)は、活性エネルギー線硬化性組成物全量に対して、例えば30重量%以上(例えば、30〜99重量%)であり、好ましくは40〜98重量%であり、より好ましくは50〜90重量%である。本発明のウレタン(メタ)アクリレートの含有量を30重量%以上とすることにより、高伸度と高弾性率をバランス良く備えた硬化塗膜(硬化物)を得ることができる。
(光重合開始剤)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、光重合開始剤(光開始剤)を含んでいてもよい。例えば、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を電子線照射により硬化させる際には、必ずしも光重合開始剤を用いる必要はないが、紫外線照射により硬化させる際には光重合開始剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、公知乃至慣用の光ラジカル重合開始剤を使用することができる。光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、カンファーキノン等が挙げられる。なお、上記光重合開始剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
光重合開始剤の含有量(使用量)は、活性エネルギー線硬化性組成物全量に対して、例えば0.1〜10重量%であり、好ましくは0.2〜5重量%であり、より好ましくは0.3〜4重量%である。光重合開始剤の含有量を0.1重量%以上とすることにより、硬化速度がより速くなる傾向がある。一方、光重合開始剤の含有量を10重量%以下とすることにより、硬化速度が速く、なおかつ物性に優れた硬化物が得られる傾向がある。例えば、光重合開始剤の含有量が10重量%を超える場合には、それ以上の硬化速度の向上は見られず、硬化物の物性が損なわれる傾向があるため、好ましくない。
((メタ)アクリロイル基含有モノマー)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明のウレタン(メタ)アクリレートに加え、これ以外の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(「(メタ)アクリロイル基含有モノマー」と称する)を含むことが好ましい。上記(メタ)アクリロイル基含有モノマーは、アクリロイル基及びメタクリロイル基からなる群より選択される基を1分子あたり1個以上有する化合物である。上記(メタ)アクリロイル基含有モノマーを使用することにより、活性エネルギー線硬化性組成物の粘度調整や硬化塗膜の耐摩耗性、耐傷付性等の調整が可能となる。
上記(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、公知乃至慣用の(メタ)アクリロイル基を有する化合物(モノマー)を使用することができる。(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、例えば、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレートのラクトン変性物(例えば、カプロラクトン変性物、以下同様)等の単官能モノマー;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの3モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンの6モルプロピレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのカプロラクトン変性物のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートのラクトン変性物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートのラクトン変性物等の多官能モノマー等が挙げられる。また、上記(メタ)アクリロイル基含有モノマーとしては、その他、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステル等のオリゴマー等も挙げられる。なお、上記(メタ)アクリロイル基含有モノマーは、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(メタ)アクリロイル基含有モノマーの含有量(使用量)は、本発明のウレタン(メタ)アクリレート100重量部に対して、例えば1〜1000重量部であり、好ましくは1〜500重量部であり、より好ましくは1〜100重量部である。含有量が1重量部未満であると、添加する意味がなく、1000重量部を超えると、本発明のウレタン(メタ)アクリレートを用いることによる特徴が出なくなる傾向がある。
(有機溶剤)
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて粘度調整等のために、有機溶剤等を添加することもできる。有機溶剤としては、公知乃至慣用の有機溶剤を使用することができる。有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メトキシエチル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶剤;トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;ペンタン、ヘキサン等の脂肪族系溶剤;塩化メチレン、クロロベンゼン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤;イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。なお、上記有機溶剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。有機溶剤の含有量(使用量)は、活性エネルギー線硬化性組成物全量に対して、例えば0〜30重量%程度である。
(添加剤)
また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物には、必要に応じて公知乃至慣用の添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、フィラー、染顔料、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、分散剤、チクソトロピー性付与剤等が挙げられる。なお、上記添加剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。添加剤の含有量(使用量)は、活性エネルギー線硬化性組成物全量に対して、例えば0〜10重量%であり、好ましくは0.05〜5重量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、本発明のウレタン(メタ)アクリレートと、必要に応じて光重合開始剤や有機溶剤等のその他の成分を混合することによって得ることができる。混合の手段としては、公知乃至慣用の手段を利用でき、特に限定されないが、例えば、ディゾルバー、ホモジナイザー等の各種ミキサー、ニーダー、ロール、ビーズミル、自公転式撹拌装置等の手段を使用できる。なお、混合の際の温度や回転数等の条件は、特に限定されず、適宜設定可能である。
[硬化物]
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を、活性エネルギー線照射によって硬化させることにより、硬化物(「本発明の硬化物」と称する場合がある)が得られる。本発明の硬化物は、シート(フィルム状又はシート状の形状、硬化塗膜)であることが好ましい。
本発明の硬化物は、例えば、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を基材等の対象物に塗布して塗膜を形成した後、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射することにより硬化することにより得られる。塗布の方法としては、公知慣用の方法を用いることができ、例えばコーティング法、キャスティング法等が挙げられる。紫外線照射を行う際の光源としては、例えば、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯等が用いられる。紫外線の照射時間は、光源の種類、光源と塗布面との距離、その他の条件等により異なるが、長くとも数十秒であり、通常は数秒である。紫外線照射後は、さらに、必要に応じて加熱を行って硬化の完全を図ることもできる。一方、電子線照射の場合は、例えば、50〜1000KeVの範囲のエネルギーを持つ電子線を用い、2〜5Mradの照射量とすることが好ましい。通常、ランプ出力80〜300W/cm程度の照射源が用いられる。また、硬化塗膜の厚さは、通常、10〜1000μm程度であり、好ましくは30〜500μm程度である。
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物を塗布する対象物(被塗布物)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、塩化ビニル樹脂等のプラスチック製の物品、上記物品のプラスチック表面に金属蒸着を行ったもの、ガラス、木材、金属板、紙等の各種物品が挙げられる。塗布面に離型処理が施されていてもよい。また、対象物(被塗布物)の形状も特に限定されないが、シート状(平面)であることが好ましい。
本発明の硬化物は、ウレタン(メタ)アクリレート特有の耐摩耗性、耐傷付性、耐薬品性、柔軟性を有しつつ、特に高伸度と高弾性率の両性能をバランス良く備えるため、エレクトロニクス分野で用いられる基材、光学部材、ディスプレイ基材等の光学用基材、粘着シート用基材等として特に好適に用いられる。また、本発明の活性エネルギー線硬化性組成物は、例えば、物品の表面に硬化塗膜を形成する用途、具体的には、コーティング剤(コーティング用途)、塗料(塗料用途)、接着剤(接着剤用途)等としても使用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。表1における低分子量ジオール(a)のモル数とは、ウレタン(メタ)アクリレート1モル当たりのモル数のことであり、低分子量ジオール(a)の重量比とは、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全体に対する重量比(割合)のことである。
実施例1
[ウレタンアクリレート(UA1)の合成]
撹拌機、温度計、混気ガス導入管、並びにコンデンサーのついた反応容器に、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(住化バイエルウレタン社製)165g(0.74モル)、ジブチルスズジラウレート0.06gを加え70℃まで加温した。これに、内温を50℃に保持しつつ、1,4−ブタンジオール(1,4−BG)(分子量90.1、三菱化学社製)17g(0.19モル)、ポリエステルポリオール(分子量1000、商品名「U2710」、三井化学社製)374g(0.37モル)を順に滴下した。滴下終了後、70℃で2時間攪拌を継続し、ウレタンイソシアネートプレポリマーの反応を完結させた。これに2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)44g(0.37モル)を加え、80℃とした。これにジブチルスズジラウレート0.06gを加え、さらに5時間、残存イソシアネート基濃度が0.1重量%を切るまで反応させ、ウレタンアクリレート(UA1)を得た。それぞれの原料の配合割合は、IPDI/1,4−BG/U2710/2HEA=4/1/2/2(モル)であった。なお、残存イソシアネート基濃度は、上述の滴定法により測定した。
実施例2
[ウレタンアクリレート(UA2)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)の代わりにブチルエチルプロパンジオール(BEPD)(分子量160.3、KHネオケム社製)を30g(0.19モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA2)を得た。それぞれの原料の配合割合は、IPDI/BEPD/U2710/2HEA=4/1/2/2(モル)であった。
実施例3
[ウレタンアクリレート(UA3)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)の代わりにプロピレングリコール(PG)(分子量76.09)を14g(0.19モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA3)を得た。上記それぞれの原料の配合割合は、IPDI/PG/U2710/2HEA=4/1/2/2(モル)であった。
実施例4
[ウレタンアクリレート(UA4)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)の代わりにエチレングリコール(EG)(分子量62.07、三菱化学社製)を12g(0.19モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA4)を得た。上記それぞれの原料の配合割合は、IPDI/EG/U2710/2HEA=4/1/2/2(モル)であった。
実施例5
[ウレタンアクリレート(UA5)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)の代わりにジエチレングリコール(DEG)(分子量118.18、三菱化学社製)を20g(0.19モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA5)を得た。上記それぞれの原料の配合割合は、IPDI/DEG/U2710/2HEA=4/1/2/2(モル)であった。
実施例6
[ウレタンアクリレート(UA6)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)の代わりに1,3−ブタンジオール(1,3−BG)(分子量90.12g、ダイセル社製)を17g(0.19モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA6)を得た。上記それぞれの原料の配合割合は、IPDI/1,3−BG/U2710/2HEA=4/1/2/2(モル)であった。
比較例1
[ウレタンアクリレート(UA7)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)を用いなかったことと、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(住化バイエルウレタン社製)124g(0.56モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA7)を得た。上記それぞれの原料の配合割合は、IPDI/U2710/2HEA=3/2/2(モル)であった。
比較例2
[ウレタンアクリレート(UA8)の合成]
1,4−ブタンジオール(1,4−BG)(分子量90.12g、ダイセル社製)を33g(0.37モル)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(住化バイエルウレタン社製)206g(0.93モル)用いたこと以外は、実施例1と同様にしてウレタンアクリレート(UA8)を得た。上記それぞれの原料の配合割合は、IPDI/1,4−BG/U2710/2HEA=5/2/2/2(モル)であった。
[活性エネルギー線硬化性組成物の調製]
実施例1〜6、比較例1及び2で得られた各ウレタンアクリレート(UA1〜8)について、ステンレス製ビーカーに、撹拌モーターを用いて撹拌混合しながら、(メタ)アクリロイル基含有モノマーとして、イソボニルアクリレート(IBOA、ダイセル・オルネクス社製)を組成物全体に対して40重量%の割合となるように加え、さらに光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンをウレタン(メタ)アクリレート100重量部に対して、3重量部の割合となるように加え、各組成物(活性エネルギー線硬化性組成物)とした。
[硬化塗膜(硬化物)の作製]
上記で得られた各組成物をガラス板上に0.1mmの厚さに流延塗布し、照射量800mJ/cm2で硬化させ、各硬化塗膜(硬化物)を得た。
[引張試験]
上記で得られた各硬化塗膜(硬化物)(長さ7cm、幅1cm、厚み100μm)について、引張試験による評価を行った。引張試験は、オリエンテック社製引張試験機を用い、下記の引張試験条件で行った。この評価結果を表1に示し、実施例1、及び比較例1,2の評価結果を図1に示す。なお、表1における弾性率は、縦弾性率(ヤング率)のことであり、線形領域の傾きより求めた。この線形領域とは、図1の実施例1における、引っ張り開始直後の直線状の領域のことである。また、破断応力は、引張試験により破断したときの応力であり、破断伸度は、引張試験により破断したときの初期を100%としたときの伸び率である。
<引張試験条件>
チャック間距離:2cm
引張速度:200mm/s
温度:常温(23℃)
湿度:50%RH
Figure 2017048301
表1より、実施例1〜6と比較例1を比較すると、破断伸度(伸び)は同程度であるが、実施例1〜6の方が比較例1より弾性率が高いことが分かる。また、実施例1〜6と比較例2を比較すると、弾性率は実施例1〜6よりも比較例2の方が高いが、実施例1〜6の方が比較例2より破断伸度(伸び)が高いことが分かる。よって、特定量の低分子量ジオール(a)を含むウレタン(メタ)アクリレートを用いることで、高伸度と高弾性率の両性能をバランス良く備えた硬化物(硬化塗膜)を得ることができる。

Claims (12)

  1. 下記式(I)で表される構成単位
    Figure 2017048301
    [式(I)中、Rはポリオール(X)の構造式 R(OH)nからn個の水酸基(−OH)を除いた残基を表す。nは2以上の整数を表す]
    を有するウレタン(メタ)アクリレートであって、下記式(1)で表される構成単位
    Figure 2017048301
    [式(1)中、R1は分子量が300以下の低分子量ジオール(a)の構造式 HO−R1−OH から2つの水酸基(−OH)を除いた残基を表す]
    、及び下記式(2)で表される構成単位
    Figure 2017048301
    [式(2)中、R2は分子量が300を超える高分子量ジオール(b)の構造式 HO−R2−OH から2つの水酸基(−OH)を除いた残基を表す]
    を有し、前記式(1)中の(−O−R1−O−)の構成単位と2つの水素原子(−H)の総和の含有割合が、ウレタン(メタ)アクリレートの構成単位全体に対して、1.0〜5.0重量%であるウレタン(メタ)アクリレート。
  2. ウレタン(メタ)アクリレートを構成するポリオール(X)由来の構造部全体に対する、前記低分子量ジオール(a)及び前記高分子量ジオール(b)由来の構造部の総量が、80重量%以上である請求項1に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
  3. 分子量が300以下の低分子量ジオール(a)及び分子量が300を超える高分子量ジオール(b)を含むポリオール(X)と、1分子あたり2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(Y)とを反応させて得られるウレタンプレポリマー部を有するウレタン(メタ)アクリレートであって、前記の分子量が300以下の低分子量ジオール(a)の割合が、ウレタン(メタ)アクリレートを形成する化合物全量に対して、1.0〜5.0重量%であるウレタン(メタ)アクリレート。
  4. ウレタン(メタ)アクリレートを形成するポリオール(X)全体に対する、前記低分子量ジオール(a)及び前記高分子量ジオール(b)の総量が、80重量%以上である請求項3に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
  5. 前記低分子量ジオール(a)が、炭素数2〜12の直鎖若しくは分岐鎖状のアルカンジオール、又は炭素数4〜12のジ、トリ若しくはテトラアルキレングリコールである請求項1〜4の何れか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
  6. 前記低分子量ジオール(a)が、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、及び2−メチル−1,8−オクタンジオールからなる群より選択される少なくとも1つのジオールである請求項1〜5の何れか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
  7. 前記高分子量ジオール(b)が、ポリエステルジオールである請求項1〜5の何れか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレート。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のウレタン(メタ)アクリレートを含む活性エネルギー線硬化性組成物。
  9. さらに、(メタ)アクリロイル基含有モノマーを含む請求項8に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  10. さらに、光重合開始剤を含む請求項8又は9に記載の活性エネルギー線硬化性組成物。
  11. 請求項8〜10の何れか1項に記載の活性エネルギー線硬化性組成物の硬化物。
  12. 前記硬化物が、シートである請求項11に記載の硬化物。
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