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JP2017048102A - ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置 Download PDF

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JP2017048102A JP2016158807A JP2016158807A JP2017048102A JP 2017048102 A JP2017048102 A JP 2017048102A JP 2016158807 A JP2016158807 A JP 2016158807A JP 2016158807 A JP2016158807 A JP 2016158807A JP 2017048102 A JP2017048102 A JP 2017048102A
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公彦 中嶋
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Abstract

【課題】成形体のクリープ変形によるガラスリボン(ガラス基板)の変形を抑制できるガラス基板の製造方法等の提供。【解決手段】成形体62の上面に形成された供給溝に熔融ガラス2を供給し、供給溝の両側から溢れ出した熔融ガラス2を成形体62の両側面に沿って流下させ、両側面を流下した熔融ガラス2を成形体62の下端62aで合流させてガラスリボン3を成形する成形工程と、前記成形工程後のガラスリボン3の幅方向の両側部3bを冷却することによりガラスリボン3の幅方向にかかる張力を、成形体62の使用に伴って生じる成形62の形状変化に応じて制御する制御工程と、を備えるガラス基板の製造方法。【選択図】図8

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置に関する。
液晶ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス基板は、表面に高い平坦度が要求される。通常、このようなガラス基板は、オーバーフローダウンドロー法によって製造される。オーバーフローダウンドロー法では、特許文献1に記載されているように、成形体の上面の溝に流し込まれて溝から溢れ出た熔融ガラスが、成形体の両側面を伝って流れ落ち、成形体の下端で合流してガラスリボンが成形される。成形されたガラスリボンは、下方に引っ張られながら徐冷される。冷却されたガラスリボンは、所定の寸法に切断されて、ガラス基板が得られる。
米国特許第3,338,696号
オーバーフローダウンドロー法において、成形体は、成形炉内の高温の雰囲気下に設置されている。また、成形体には、自重および熔融ガラスの重量が荷重としてかかっている。そのため、ガラス基板製造装置の長年の稼動により、成形体は、成形体の材質の熱クリープ特性により徐々にクリープ変形する。特に、成形体の長手方向の中央部は、クリープ変形によって下方に垂れ下がって撓み易い。その結果、成形体の中央部から溢れ出る熔融ガラスの量が、成形体の両端部から溢れ出る熔融ガラスの量よりも多くなり、成形されるガラスリボンの幅方向中央部の厚みが増加し、最終製品であるガラス基板の板厚偏差が増加してしまう問題があった。
成形体のクリープ変形は、液相温度の高いガラス、および、歪点の高いガラスを用いるガラス基板の製造工程において、成形体の温度が高くなりやすいため、特に問題となる。また、近年、ガラス基板の大型化が進み、成形体の長手方向の寸法が長くなってきているので、クリープ変形による成形体の撓みがより顕著となる傾向にある。
そこで、本発明は、成形体のクリープ変形によるガラスリボン(ガラス基板)の板厚偏差等を含む変形を抑制できるガラス基板の製造方法、及び、ガラス基板の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
(1)
成形体の上面に形成された供給溝に熔融ガラスを供給し、前記供給溝の両側から溢れ出した前記熔融ガラスを前記成形体の両側面に沿って流下させ、前記両側面を流下した前記熔融ガラスを前記成形体の下端で合流させてガラスリボンを成形する成形工程と、
前記成形工程後の前記ガラスリボンの幅方向の両側部を冷却することにより前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記成形体の使用に伴って生じる前記成形体の形状変化に応じて制御する制御工程と、を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
(2)
前記制御工程は、
前記形状変化が予め設定された基準範囲内である場合、前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記形状変化がない場合の基準張力に維持すること、及び
前記形状変化が前記基準範囲を超える場合、前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記形状変化の程度に応じて前記基準張力より大きな張力に制御すること、を含む、(1)に記載のガラス基板の製造方法。
(3)
前記形状変化は、前記成形体の前記供給溝の延びる方向に沿って前記成形体の前記上面が平面から湾曲面に変化する変化である、(1)または(2)に記載のガラス基板の製造方法。
(4)
前記制御工程では、前記ガラスリボンの幅方向に前記成形体が前記形状変化していないときに前記ガラスリボンの幅方向にかける基準張力に加え、前記成形体の前記形状変化に応じた張力を前記ガラスリボンにかけること、を含む(1)に記載のガラス基板の製造方法。
(5)
前記成形体の上面の鉛直方向の変位量を前記形状変化の情報として取得する取得工程と、
前記取得工程で取得された前記変位量が基準量以下か否か判定する判定工程と、をさらに備え、
前記判定工程で前記変位量が前記基準量を超えると判定された場合、前記制御工程では、予め定められた前記成形体の変位量と前記ガラスリボンの幅方向にかける張力との関係式に基づいて、取得された前記変位量に対応した張力を決定する、(1)〜(4)のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(6)
前記制御工程では、前記変位量が大きいほど、前記張力を増大する、(5)に記載のガラス基板の製造方法。
(7)
前記取得工程では、コンピュータシミュレーションによって前記成形体の形状の時間変化を求めることで、前記変位量を取得する、(5)または(6)に記載のガラス基板の製造方法。
(8)
前記制御工程では、前記ガラスリボンの厚さ方向の板厚偏差が基準値以下になるよう前記張力を制御する、(1)〜(7)のいずれか1つに記載のガラス基板の製造方法。
(9)
成形体の上面に形成された供給溝に熔融ガラスを供給し、前記供給溝の両側から溢れ出した前記熔融ガラスを前記成形体の両側面に沿って流下させ、前記両側面を流下した前記熔融ガラスを前記成形体の下端で合流させてガラスリボンを成形する成形装置と、
前記成形工程後の前記ガラスリボンの幅方向の両側部を冷却することにより前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記成形体の使用に伴って生じる前記成形体の形状変化に応じて制御する制御装置と、
を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
(10)
前記制御装置では、前記ガラスリボンの幅方向に前記成形体が前記形状変化していないときに前記ガラスリボンの幅方向にかける基準張力に加え、前記成形体の前記形状変化に応じた張力を前記ガラスリボンにかけるように、前記ガラスリボンの幅方向の両側部の冷却を制御する、(9)に記載のガラス基板の製造装置。
上述のガラス基板の製造方法及びガラス基板の製造装置は、成形体のクリープ変形によるガラスリボン(ガラス基板)の板厚偏差等を含む変形を抑制できる。
本実施形態に係るガラス基板の製造方法の一例のフローチャートである。 本実施形態のガラス基板の製造方法で用いるガラス基板の製造装置の一例の模式図である。 図2に示すガラス基板の製造装置で用いる成形装置の一例の正面図である。 図2に示すガラス基板の製造装置で用いる成形装置の一例の側面図である。 図2に示すガラス基板の製造装置で用いる成形装置の上部成形空間の近傍の正面図である。 本実施形態で用いる制御装置の一例のブロック図である。 本実施形態で用いる取得部によって取得された成形体の形状データの一例を説明する図である。 本実施形態で用いる成形体で成形されるガラスリボンの一例を示す図である。 クリープ変形した成形体により成形されたガラスリボンの断面の一例を示す図である。 成形体の変位量とガラスリボンにかける張力Tとの関係の一例を示す図である。 (a)は、図8のA−A線に沿った断面を拡大した図であり、(b)は、図8のB−B線に沿った断面を拡大した図である。
(1)ガラス基板の製造装置の構成
本発明に係るガラス基板の製造方法及び製造装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るガラス基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図1に示されるように、本実施形態に係るガラス基板の製造方法は、主として、熔解工程S1と、清澄工程S2と、攪拌工程S3と、成形工程S4と、冷却工程S5と、切断工程S6とを含む。
熔解工程S1では、ガラス原料が加熱されて熔融ガラスが得られる。熔融ガラスは、熔解槽に貯留され、所望の温度を有するように通電加熱される。ガラス原料には、清澄剤が添加される。環境負荷低減の観点から、清澄剤として、SnOが用いられる。
清澄工程S2では、熔解工程S1で得られた熔融ガラスが清澄管の内部を流れて熔融ガラスに含まれているガスが除去されることで、熔融ガラスが清澄される。最初に、清澄工程S2では、熔融ガラスの温度を上昇させる。熔融ガラスに添加されている清澄剤は、昇温により還元反応を起こして酸素を放出する。熔融ガラスに含まれるCO、N、SO等のガス成分を含む泡は、清澄剤の還元反応によって生じた酸素を吸収する。酸素を吸収して成長した泡は、熔融ガラスの液面に浮上し、破泡して消滅する。消滅した泡に含まれていたガスは、清澄管の内部の気相空間に放出されて、外気に排出される。次に、清澄工程S2では、熔融ガラスの温度を低下させる。これにより、還元された清澄剤は、酸化反応を起こして、熔融ガラスに残存している酸素等のガス成分を吸収する。
攪拌工程S3では、清澄工程S2でガスが除去された熔融ガラスが攪拌されて、熔融ガラスの成分が均質化される。これにより、ガラス基板の脈理等の原因である熔融ガラスの組成のムラが低減される。
成形工程S4では、オーバーフローダウンドロー法を用いて、攪拌工程S3で均質化された熔融ガラスからガラスリボンが連続的に成形される。
冷却工程S5では、成形工程S4で成形されたガラスリボンが下方に搬送されながら冷却される。冷却工程S5では、ガラスリボンに歪みおよび反りが生じないように、ガラスリボンの温度を調節しながらガラスリボンが徐々に冷却される。
切断工程S6では、冷却工程S5で冷却されたガラスリボンが所定の寸法に切断されてガラス基板が得られる。その後、ガラス基板の端面の研削および研磨、並びに、ガラス基板の洗浄が行われる。その後、ガラス基板のキズ等の欠陥の有無が検査され、検査に合格したガラス基板が梱包されて製品として出荷される。
図2は、本実施形態に係るガラス基板製造装置1の一例を示す模式図である。ガラス基板製造装置1は、熔解槽10と、清澄管20と、攪拌装置30と、成形装置40と、移送管50a,50b,50cとを備える。移送管50aは、熔解槽10と清澄管20とを接続する。移送管50bは、清澄管20と攪拌装置30とを接続する。移送管50cは、攪拌装置30と成形装置40とを接続する。
熔解工程S1において熔解槽10で得られた熔融ガラス2は、移送管50aを通過して清澄管20に流入する。清澄工程S2において清澄管20で清澄された熔融ガラス2は、移送管50bを通過して攪拌装置30に流入する。攪拌工程S3において攪拌装置30で攪拌された熔融ガラス2は、移送管50cを通過して成形装置40に流入する。成形工程S4では、成形装置40によって熔融ガラス2からガラスリボン3が連続的に成形される。冷却工程S5では、ガラスリボン3が下方に搬送されながら冷却される。切断工程S6では、冷却されたガラスリボン3が所定の大きさに切断されてガラス基板が得られる。ガラス基板の幅は、例えば、500mm〜3500mmであり、長さは、例えば、500mm〜3500mmである。ガラス基板の厚みは、例えば、0.2mm〜0.8mmである。
ガラス基板製造装置1によって製造されるガラス基板は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用のガラス基板として特に適している。FPD用のガラス基板としては、無アルカリガラス、アルカリ微量含有ガラス、低温ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)用のガラス、または、酸化物半導体用のガラスが用いられる。高精細ディスプレイ用のガラス基板としては、高温時に高い粘性および高い歪点を有するガラスが用いられる。例えば、高精細ディスプレイ用のガラス基板の原料となるガラスは、1500℃において、102.5poiseの粘性を有する。高温粘性が高いガラスは、成形時の温度を高くする必要があるので、後述する熱クリープ特性による変形がより顕著になる。
熔解槽10では、ガラス原料が熔解されて、熔融ガラス2が得られる。ガラス原料は、所望の組成を有するガラス基板を得ることができるように調製されている。ガラス基板の組成の一例として、FPD用のガラス基板として好適な無アルカリガラスは、SiO:50質量%〜70質量%、Al:10質量%〜25質量%、B:1質量%〜18質量%、MgO:0質量%〜10質量%、CaO:0質量%〜20質量%、SrO:0質量%〜20質量%、BaO:0質量%〜10質量%を含有する。ここで、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合計は、5質量%〜30質量%である。
また、FPD用のガラス基板として、アルカリ金属を微量含むアルカリ微量含有ガラスが用いられてもよい。アルカリ微量含有ガラスは、0.1質量%〜0.5質量%のR’Oを含み、好ましくは、0.2質量%〜0.5質量%のR’Oを含む。ここで、R’は、Li、NaおよびKから選択される少なくとも1種である。R’Oの含有量の合計は、0.1質量%未満であってもよい。
また、ガラス基板製造装置1によって製造されるガラス基板は、SnO:0.01質量%〜1質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.5質量%)、Fe:0質量%〜0.2質量%(好ましくは、0.01質量%〜0.08質量%)をさらに含有してもよい。なお、ガラス基板製造装置1によって製造されるガラス基板は、環境負荷低減の観点から、As、SbおよびPbOを実質的に含有しない。
上記の組成を有するように調製されたガラス原料は、原料投入機(図示せず)を用いて熔解槽10に投入される。原料投入機は、スクリューフィーダを用いてガラス原料の投入を行ってもよく、バケットを用いてガラス原料の投入を行ってもよい。熔解槽10では、ガラス原料は、その組成等に応じた温度に加熱されて熔解される。熔解槽10では、例えば、1500℃〜1600℃の高温の熔融ガラス2が得られる。熔解槽10では、モリブデン、白金または酸化錫等で成形された少なくとも1対の電極間に電流を流すことで、電極間の熔融ガラス2が通電加熱されてもよく、また、通電加熱に加えてバーナーの火焔によってガラス原料が補助的に加熱されてもよい。
熔解槽10で得られた熔融ガラス2は、熔解槽10から移送管50aを通過して清澄管20に流入する。清澄管20および移送管50a,50b,50cは、白金製あるいは白金合金製の管である。清澄管20には、熔解槽10と同様に加熱手段が設けられている。清澄管20では、熔融ガラス2がさらに昇温させられて清澄される。例えば、清澄管20において、熔融ガラス2の温度は、1500℃〜1700℃に上昇させられる。
清澄管20において清澄された熔融ガラス2は、清澄管20から移送管50bを通過して攪拌装置30に流入する。熔融ガラス2は、移送管50bを通過する際に冷却される。攪拌装置30では、清澄管20を通過する熔融ガラス2の温度よりも低い温度で、熔融ガラス2が攪拌される。例えば、攪拌装置30において、熔融ガラス2の温度は、1250℃〜1450℃であり、熔融ガラス2の粘度は、500poise〜1300poiseである。熔融ガラス2は、攪拌装置30において攪拌されて均質化される。
攪拌装置30で均質化された熔融ガラス2は、攪拌装置30から移送管50cを通過して成形装置40に流入する。熔融ガラス2は、移送管50cを通過する際に、熔融ガラス2の成形に適した粘度を有するように冷却される。例えば、熔融ガラス2は、1200℃付近まで冷却される。
成形装置40では、オーバーフローダウンドロー法によって熔融ガラス2からガラスリボン3が成形される。次に、成形装置40の詳細な構成および動作について説明する。
(2)成形装置の構成
図3は、成形装置40の正面図である。図3は、成形装置40で成形されるガラスリボン3の表面に対して垂直な方向から見た成形装置40を示す。図4は、成形装置40の側面図である。図4は、成形装置40で成形されるガラスリボン3の表面に平行な方向から見た成形装置40を示す。
成形装置40は、耐火レンガ等の耐火物からなる炉壁に囲まれた空間を有する。この空間は、熔融ガラス2からガラスリボン3が成形され、ガラスリボン3が冷却される空間である。この空間は、上部成形空間60、下部成形空間70および徐冷空間80の3つの空間から構成される。図5は、成形装置40の上部成形空間60の近傍の正面図である。ガラスリボン3は、幅方向の端部に位置する側部3b(端部、耳部)と側部3bに挟まれた幅方向の中央領域3aとを有する。中央領域3aは、厚みがほぼ一定である製品領域となる領域であり、側部3bは、中央領域3aより厚みがあり、球根状の形状からなる領域である。
成形工程S4は、上部成形空間60で行われる。冷却工程S5は、下部成形空間70および徐冷空間80で行われる。上部成形空間60は、攪拌装置30から移送管50cを介して成形装置40に供給された熔融ガラス2が、ガラスリボン3に成形される空間である。下部成形空間70は、上部成形空間60の下方の空間であり、ガラスリボン3が、ガラスの徐冷点の近傍まで急冷される空間である。徐冷空間80は、下部成形空間70の下方の空間であり、ガラスリボン3が徐々に冷却される空間である。
成形装置40は、主として、成形体62と、複数の発熱体と、上部仕切り部材64と、冷却ロール72と、温度調節ユニット74と、下部仕切り部材76と、引下げロール82a〜82gと、ヒータ84a〜84gと、断熱部材86と、切断装置98と、制御装置91(図6参照)とから構成される。次に、成形装置40の各構成要素について説明する。
(2−1)成形体
成形体62は、上部成形空間60に設置される。成形体62は、熔融ガラス2をオーバーフローさせてガラスリボン3を成形するために用いられる。図4に示されるように、成形体62は、楔形に類似した五角形の断面形状を有する。成形体62の断面形状の尖端は、成形体62の下端62aに相当する。成形体62は、耐火レンガ製である。
成形体62の上面62cには、成形体62の長手方向(図4中の紙面垂直方向、図5中の紙面水平方向)に沿って、供給溝62bが形成されている。成形体62の長手方向の端部には、供給溝62bと連通している移送管50cが取り付けられている。供給溝62bの溝深さは、移送管50cと連通している一方の端部から他方の端部に向かうに従って、徐々に浅くなるように形成されている。以下、図3に示されるように、成形体62の長手方向の一対の端部のうち、移送管50cと連通している側の端部を第1端部62d1と呼び、その反対側の端部を第2端部62d2と呼ぶ。なお、成形体62の第2端部62d2には、供給溝62bにおける熔融ガラス2の流れを遮るための白金製ガイド(図示せず)が設けられている。
攪拌装置30から成形装置40に送られてきた熔融ガラス2は、移送管50cを介して、成形体62の供給溝62bに流し込まれる。熔融ガラス2は、供給溝62bにおいて、第1端部62d1から第2端部62d2に向かって流れる。成形体62の供給溝62bからオーバーフローした熔融ガラス2は、成形体62の両側面を伝いながら流下し、成形体62の下端62aの近傍において合流する。合流した熔融ガラス2は、重力により鉛直方向に落下して板状に成形される。これにより、成形体62の下端62aの近傍において、ガラスリボン3が連続的に成形される。成形されたガラスリボン3は、上部成形空間60を流下した後、下部成形空間70および徐冷空間80において冷却されながら下方に搬送される。上部成形空間60で成形された直後のガラスリボン3の温度は1100℃以上であり、粘度は25000poise〜350000poiseである。例えば、高精細ディスプレイ用のガラス基板を製造する場合、成形体62によって成形されるガラスリボン3の歪点は、655℃〜750℃であり、好ましくは680℃〜730℃であり、成形体62の下端62aの近傍で合流する熔融ガラス2の粘度は、25000poise〜100000poiseであり、好ましくは32000poise〜80000poiseである。
制御装置(制御部)91は、後述する冷却ロール72の冷却量を制御することにより、ガラスリボン3の両側部3bの粘度を制御する。ガラスリボン3は、厚みがほぼ一定である中央領域3aと中央領域3aの両端に位置する中央領域より厚みを有する側部3bとからなる。冷却ロール72がガラスリボン3の両側部3bを冷却すると、ガラスリボン3には中央領域3aから両側部3bに向かう方向に張力が発生するため、制御装置91が、この張力を制御することによりガラスリボン3の板厚を制御することができる。
(2−2)上部仕切り部材
上部仕切り部材64は、成形体62の下端62aの近傍に設置される一対の板状の断熱部材である。図4に示されるように、上部仕切り部材64は、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置される。上部仕切り部材64は、上部成形空間60と下部成形空間70とを仕切り、上部成形空間60から下部成形空間70への熱の移動を抑制する。
(2−3)冷却ロール
冷却ロール72は、下部成形空間70に設置される片持ちのロールである。冷却ロール72は、上部仕切り部材64の直下に設置される。図3に示されるように、冷却ロール72は、ガラスリボン3の幅方向の両側部に配置される。図4に示されるように、冷却ロール72は、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置される。ガラスリボン3は、その幅方向の両側部において、冷却ロール72によって挟持されている。冷却ロール72は、上部成形空間60から送られてきたガラスリボン3を冷却する。
下部成形空間70において、ガラスリボン3の幅方向の両側部は、それぞれ、2対の冷却ロール72によって挟まれている。ガラスリボン3の両側部の表面に向かって冷却ロール72が押し付けられることで、冷却ロール72とガラスリボン3との接触面積が大きくなり、冷却ロール72によるガラスリボン3の冷却が効率的に行われる。冷却ロール72は、後述する引下げロール82a〜82gがガラスリボン3を下方に引っ張る力に対抗する力を、ガラスリボン3に与える。なお、冷却ロール72の回転速度と、最も上方に配置される引下げロール82aの回転速度との差によって、ガラスリボン3の厚みが決定される。
冷却ロール72は、内部に空冷管または水冷管を有している。冷却ロール72は、空冷管または水冷管によって冷却されている。冷却ロール72は、ガラスリボン3の幅方向の両側部を挟むことでガラスリボン3と接触する。これにより、ガラスリボン3から冷却ロール72に熱が伝わるので、ガラスリボン3の幅方向の両側部が冷却される。冷却ロール72と接触して冷却されたガラスリボン3の幅方向の両側部の粘度は、例えば、109.0poise以上である。
冷却ロール72とガラスリボン3との間の接触荷重は、制御装置91によって制御可能である。接触荷重は、例えば、エアシリンダーの空気圧、バネの物理的加重負荷を用いて冷却ロール72の位置を調整することで制御される。接触荷重が大きいほど、冷却ロール72がガラスリボン3を押し付ける力が強くなる。冷却ロール72によってガラスリボン3が挟持された後においても、制御装置91が、エアシリンダーの空気圧、バネにかかる荷重を制御することで、冷却ロール72の鉛直方向及び水平方向の位置を調節することができるため、ガラスリボン3を適切な力で保持することができ、ガラスリボン3の破損を抑制することができる。
(2−4)温度調節ユニット
温度調節ユニット74は、下部成形空間70に設置される。温度調節ユニット74は、上部仕切り部材64の下方であって、下部仕切り部材76の上方に設置される。
下部成形空間70では、ガラスリボン3の幅方向の中心部の温度が徐冷点近傍に低下するまでガラスリボン3が冷却される。温度調節ユニット74は、下部成形空間70で冷却されるガラスリボン3の温度を調節する。温度調節ユニット74は、ガラスリボン3を加熱または冷却するユニットである。図3に示されるように、温度調節ユニット74は、中心部冷却ユニット74aおよび側部冷却ユニット74bから構成される。中心部冷却ユニット74aは、ガラスリボン3の幅方向の中央領域3aの温度を調節する。側部冷却ユニット74bは、ガラスリボン3の幅方向の両側部の温度を調節する。ここで、ガラスリボン3の幅方向の中央領域3aは、ガラスリボン3の幅方向の両側の側部3bに挟まれた領域を意味する。両側の側部3bは、ガラスリボン3の両側の端からガラスリボン3の幅方向の内側に向かって例えば200mm進んだ位置までの幅方向の範囲内の領域をいう。中央領域3aは、ガラスリボン3の幅方向の幅のうちガラスリボン3の幅方向の中心から幅の半分の例えば85%以内の範囲にある。中央領域3aの範囲は、ガラスリボン3の幅方向の長さよって変化し得る。
下部成形空間70では、図3に示されるように、複数の中心部冷却ユニット74aおよび複数の側部冷却ユニット74bが、それぞれ、ガラスリボン3が流下する方向である鉛直方向に沿って配置されている。中心部冷却ユニット74aは、ガラスリボン3の幅方向の中心部の表面に対向するように配置されている。側部冷却ユニット74bは、ガラスリボン3の幅方向の両側部の表面に対向するように配置されている。
温度調節ユニット74は、制御装置91によって制御される。各中心部冷却ユニット74aおよび各側部冷却ユニット74bは、制御装置91によって独立して制御可能である。
(2−5)下部仕切り部材
下部仕切り部材76は、温度調節ユニット74の下方に設置される一対の板状の断熱部材である。図4に示されるように、下部仕切り部材76は、ガラスリボン3の厚み方向の両側に設置される。下部仕切り部材76は、下部成形空間70と徐冷空間80とを鉛直方向に仕切り、下部成形空間70から徐冷空間80への熱の移動を抑制する。
(2−6)引下げロール
引下げロール82a〜82gは、徐冷空間80に設置される片持ちのロールである。徐冷空間80では、引下げロール82a、引下げロール82b、・・・、引下げロール82fおよび引下げロール82gが、上方から下方に向かって間隔を空けて配置されている。引下げロール82aは、最も上方に配置され、引下げロール82gは、最も下方に配置される。
図3に示されるように、引下げロール82a〜82gは、それぞれ、ガラスリボン3の幅方向の両側部に配置される。図4に示されるように、引下げロール82a〜82gは、それぞれ、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置される。すなわち、ガラスリボン3の幅方向の両側部は、上方から下方に向かって、2対の引下げロール82a、2対の引下げロール82b、・・・、2対の引下げロール82fおよび2対の引下げロール82gによって挟まれている。
引下げロール82a〜82gは、下部成形空間70を通過したガラスリボン3の幅方向の両端部を挟みつつ回転することにより、ガラスリボン3を鉛直方向下方に引き下げる。すなわち、引下げロール82a〜82gは、ガラスリボン3を下方に搬送するためのロールである。
各引下げロール82a〜82gの角速度は、制御装置91によって独立して制御可能である。引下げロール82a〜82gの角速度が大きいほど、ガラスリボン3が下方に搬送される速度が大きくなる。
(2−7)ヒータ
ヒータ84a〜84gは、徐冷空間80に設置される。図4に示されるように、徐冷空間80では、ヒータ84a、ヒータ84b、・・・、ヒータ84fおよびヒータ84gが、上方から下方に向かって間隔を空けて配置されている。ヒータ84a〜84gは、それぞれ、ガラスリボン3の厚み方向の両側に配置されている。引下げロール82a〜82gは、それぞれ、ヒータ84a〜84gとガラスリボン3との間に配置されている。
ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の表面に向かって熱を輻射してガラスリボン3を加熱する。ヒータ84a〜84gを用いることで、徐冷空間80において下方に搬送されるガラスリボン3の温度を調節することができる。これにより、ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の搬送方向において、所定の温度分布をガラスリボン3に形成することができる。
各ヒータ84a〜84gの出力は、制御装置91によって独立して制御可能である。また、ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の幅方向に沿って複数のヒータサブユニット(図示せず)に分割され、各ヒータサブユニットの出力が制御装置91によって独立して制御可能であってもよい。この場合、各ヒータ84a〜84gは、ガラスリボン3の幅方向の位置に応じて発熱量を変化させることで、ガラスリボン3の幅方向に所定の温度分布を形成することができる。
なお、各ヒータ84a〜84gの近傍には、徐冷空間80の雰囲気の温度を測定する熱電対(図示せず)が設置されている。熱電対は、例えば、ガラスリボン3の幅方向の中心部近傍の雰囲気温度と、両側部近傍の雰囲気温度とを測定する。ヒータ84a〜84gは、熱電対によって測定される徐冷空間80の雰囲気の温度に基づいて制御されてもよい。
(2−8)断熱部材
断熱部材86は、徐冷空間80に設置される。断熱部材86は、ガラスリボン3の搬送方向に沿って隣り合う2つの引下げロール82a〜82gの間の高さ位置に設置される。図4に示されるように、断熱部材86は、ガラスリボン3の厚み方向の両側において、水平に配置される一対の断熱板である。断熱部材86は、徐冷空間80を鉛直方向に仕切り、徐冷空間80における鉛直方向の熱の移動を抑制する。
断熱部材86は、下方に搬送されるガラスリボン3と接触しないように設置されている。また、断熱部材86は、ガラスリボン3の表面までの距離が調整可能であるように設置されている。これにより、断熱部材86は、断熱部材86の上方の空間と断熱部材86の下方の空間との間の熱の移動を抑制する。
(2−9)切断装置
切断装置98は、徐冷空間80の下方の空間に設置されている。切断装置98は、徐冷空間80を通過したガラスリボン3を、所定の寸法ごとに、ガラスリボン3の幅方向に沿って切断する。徐冷空間80を通過したガラスリボン3は、室温近傍まで冷却されている平坦なガラスリボン3である。
切断装置98は、所定の時間間隔でガラスリボン3を切断する。これにより、ガラスリボン3の搬送速度が一定である場合、最終製品に近い寸法を有するガラス基板が量産される。
(2−10)制御装置
制御装置91は、主として、CPU、RAM、ROMおよびハードディスク等から構成されるコンピュータである。図6は、制御装置91のブロック図である。図6に示されるように、制御装置91は、冷却ロール駆動モータ172、温度調節ユニット74、引下げロール駆動モータ182、ヒータ84a〜84g、および切断装置駆動モータ198と接続されている。冷却ロール駆動モータ172は、冷却ロール72の位置および回転速度等を制御するためのモータである。引下げロール駆動モータ182は、各引下げロール82a〜82gの位置および回転速度等を独立して制御するためのモータである。切断装置駆動モータ198は、切断装置98がガラスリボン3を切断する時間間隔等を制御するためのモータである。制御装置91は、各構成要素の状態を取得し、かつ、各構成要素を制御するためのプログラムを記憶している。
制御装置91は、冷却ロール駆動モータ172を制御して、ガラスリボン3の幅方向の側部を挟む一対の冷却ロール72とガラスリボン3との間の接触荷重を取得および調節することができる。制御装置91は、各冷却ロールの冷却量を個別に制御する。制御装置91は、引下げロール駆動モータ182を制御して、回転している各引下げロール82a〜82gのトルクを取得し、各引下げロール82a〜82gの角速度を調節することができる。例えば、制御装置91は、冷却ロール72、各引下げロール82a〜82gに装着された図示しないトルクセンサから、接触荷重、トルクを取得する。制御装置91は、トルクセンサに替えて、冷却ロール駆動モータ172、引下げロール駆動モータ182に通電される電流を検出する電流センサからの検出値に基づいて、実出力トルクを演算し、演算された実出力トルクを取得することもできる。制御装置91は、取得しトルクに基づいて、冷却ロール72、各引下げロール82a〜82gの回転量を制御しつつ、各ロールの冷却量を個別に制御する。制御装置91は、温度調節ユニット74の出力、および、各ヒータ84a〜84gの出力を調節することができる。制御装置91は、切断装置駆動モータ198を制御して、切断装置98がガラスリボン3を切断する時間間隔等を調節することができる。
(3)成形装置の動作
上部成形空間60において、攪拌装置30から移送管50cを介して成形装置40に送られてきた熔融ガラス2は、成形体62の上面62cに形成される供給溝62bに供給される。成形体62の供給溝62bからオーバーフローした熔融ガラス2は、成形体62の両側面を伝って流下して、成形体62の下端62aの近傍で合流する。成形体62の下端62aの近傍において、合流した熔融ガラス2からガラスリボン3が連続的に成形される。成形されたガラスリボン3は、下部成形空間70に送られる。
下部成形空間70において、ガラスリボン3の幅方向の両側部は、冷却ロール72と接触して急冷される。また、温度調節ユニット74によって、ガラスリボン3の幅方向中心部の温度が徐冷点に低下するまで、ガラスリボン3の温度が調節される。冷却ロール72によって下方に搬送されながら冷却されたガラスリボン3は、徐冷空間80に送られる。
徐冷空間80において、ガラスリボン3は、引下げロール82a〜82gによって引き下げられながら徐々に冷却される。ガラスリボン3の温度は、ガラスリボン3の幅方向に沿って所定の温度分布が形成されるように、ヒータ84a〜84gによって制御される。徐冷空間80において、ガラスリボン3の温度は、徐冷点近傍から、歪点より200℃低い温度よりも低い温度まで徐々に低下する。
徐冷空間80を通過したガラスリボン3は、さらに室温近傍まで冷却され、切断装置98によって所定の寸法に切断されてガラス基板が得られる。その後、ガラス基板の端面の研磨および洗浄等が行われる。その後、所定の検査に合格したガラス基板が梱包されて製品として出荷される。
(4)制御装置の動作
制御装置91は、搬送部91a、取得部91b、判定部91cおよび制御部91dを含み、これらの部分は、4つのプログラムを少なくとも記憶して実行することにより形成されるモジュールである。
制御装置91は、成形工程S4で得られたガラスリボン3の幅方向の両側部を冷却することによりガラスリボン3の幅方向にかかる張力を、後述するように、成形体62の使用に伴って生じる成形体62の形状変化に応じて制御する。
搬送部91aは、成形体62の下方に設置されている引下げロール82a〜82gを用いて、成形体62によって成形されたガラスリボン3を、徐冷空間80において所定の搬送速度で下方に搬送する動作を調節する。搬送部91aは、引下げロール駆動モータ182を制御して、各引下げロール82a〜82gの回転速度を調節することで、ガラスリボン3の搬送速度を調節する。
取得部91bは、コンピュータシミュレーションによって成形体62の形状の時間変化(形状変化)を求めることで、成形体62の現在の形状に関する形状データを取得する。具体的には、取得部91bは、クリープ特性パラメータに基づいて成形体62の現在の形状データを取得する。クリープ特性パラメータは、成形体62に加えられる応力、成形体62の温度と、クリープ変形による成形体62の歪み速度との間の関係を再現するためのパラメータである。クリープ特性パラメータは、例えば、成形体62の材質、使用時間、サイズ、重量、温度、成形体62に加えられる応力、熔融ガラス2の温度によって決定されるパラメータである。クリープ特性パラメータは、成形体62の温度が高くなるほど、また、成形体62に加えられる応力が大きくなるほど、大きくなり、成形体62の形状の変形量は大きくなる。ここで、成形体62に加えられる応力は、成形体62の長手方向に沿って成形体62を圧縮する力である。また、成形体62の歪み速度は、時間に依らず一定であると仮定する。最初に、取得部91bは、成形体62に加えられる応力が一定である条件下における、成形体62の歪み速度の、成形体62の温度依存変化の情報を測定によって取得する。次に、取得部91bは、成形体62の温度が一定である条件下における、成形体62の歪み速度の、成形体62に加えられる応力依存変化の情報を測定によって取得する。次に、取得部91bは、成形体62の歪み速度の温度依存変化および応力依存変化の測定値を再現できるクリープ特性パラメータを決定する。そして、取得部91bは、コンピュータシミュレーションにより、決定されたクリープ特性パラメータを用いて所定の温度および応力の条件下の成形体62の歪み速度を算出する。さらに、取得部91bは、算出した歪み速度を用いて成形体62の形状の時間変化を求めることで、成形体62の現在の形状データを取得する。図7は、取得部91bによって取得された成形体62の形状データの一例である。図7は、成形体62によって成形されたガラスリボン3の表面に対して垂直な方向から見た成形体62を示す。図7では、成形体62のクリープ変形が実際よりも強調して示されている。図7では、未使用の成形体62の形状、すなわち、クリープ変形する前の成形体62の形状が点線で示され、かつ、成形体62の使用に伴ってクリープ変形した後の成形体62の現在の形状が実線で示されている。
取得部91bは、成形体62のクリープ変形に基づく形状データから、成形体62の上面62cの鉛直方向の変位量Lである上面変位量を成形体62の形状変化の情報として少なくとも取得する。図7において、上面変位量は、クリープ変形前の上面62cとクリープ変形後の上面62cとの間の鉛直方向の寸法差である。なお、図7には、上面変位量として、成形体62の長手方向における上面変位量の最大値である最大上面変位量が示されている。また、取得部91bは、ガラス基板形状測定装置(図示せず)によって測定されたガラス基板の厚みデータを取得する。厚みデータは、例えば、ガラス基板製造装置1によって製造されたガラス基板の厚みの幅方向のプロファイルである。
判定部91cは、取得部91bにより取得された変位量Lが基準量以下か否か判定する。ここで、基準量とは、ガラスリボン3に対して一定の張力(初期の張力)をかけて、ガラスリボン3(ガラス基板)を成形予定の厚み(例えば0.2mm〜0.8mm)に成形した際に、板厚公差が例えば±0.05mmを満たすことができる量である。ガラスリボン3にかける張力を初期値から変化させない場合、変位量Lが基準量を超えると、ガラスリボン3の板厚公差が例えば±0.05mmを超える。このため、ガラスリボン3にかける張力を初期の張力より増大させることにより、ガラスリボン3の板厚公差が例えば±0.05mm以内になるように制御する。基準量は、初期の張力、ガラスリボン3の成形予定の板厚、板厚公差などによって任意に変更でき、例えば、3mm〜30mmである。
制御部91dは、成形体62が変位していないとき、すなわち変位量Lが0であるときに、成形されたガラスリボン3の幅方向にかける張力を基準張力(初期値の張力)とし、冷却ロール72の冷却量を制御することによりガラスリボン3の幅方向の両側部3bを冷却することにより、ガラスリボン3にかける張力が基準張力になるよう制御する。成形体62が変位していない状態において、ガラスリボン3の幅方向に基準張力をかけることにより、ガラスリボン3が成形予定の板厚になり、板厚公差が±0.05mmを満たす。また、上位変位量Lが0でなくても基準量以下である場合、この基準張力をガラスリボン3にかけることにより、すなわち、冷却ロール72の冷却量を変更することなくガラスリボン3の板厚公差を例えば±0.05mm以下にすることができる。
成形体62がクリープ変形して変位量Lが基準量を超える場合、冷却ロール72の冷却量が制御されず維持されると、すなわち、ガラスリボン3にかける張力が基準張力のままであると、成形予定の厚みのガラスリボン3が成形されず、また、板厚公差が±0.05mmを満たさなくなる。このため、制御部91dは、基準張力に加え、成形体62の変位に応じた張力をガラスリボン3にかける。ここで、成形体62の変位は、例えば、成形体62の長手方向における上面変位である。制御部91dは、取得部91bによって取得された成形体62の形状データに基づいて、ガラスリボン3の厚さが成形予定の厚みになるように、また、ガラスリボン3の幅方向の板厚偏差が小さくなるように、冷却ロール72の冷却量を制御することにより、ガラスリボン3にかける張力を制御する。成形体62の形状データは、例えば、成形体62の長手方向における上面変位量のプロファイルである形状プロファイルである。制御部91dは、形状プロファイルから求められる変位量Lが大きいほど、ガラスリボン3の幅方向への張力が大きくなるように冷却ロール72の冷却量を制御する。形状プロファイルから求められる変位量Lとしては、例えば、最大上面変位量が用いられる。このように、成形体62の形状変化は、成形体62の供給溝62bの延びる方向に沿って成形体62の上面が平面から湾曲面に変化する変化であり、この形状変化の情報として、変位量Lを本実施形態では用いる。
図8は、成形体62で成形されるガラスリボン3の一例を示す図である。成形体62の下端62aで成形されるガラスリボン3は下端62aから離れると、自身の表面張力により中央領域3aが幅方向の中央に向かって収縮し始める。このため、冷却ロール72がガラスリボン3の両側部3bを冷却して両側部3bの粘度を上昇させて、中央領域3aから両側部3bに向かって張力がかかるようにしてガラスリボン3が幅方向に収縮するのを抑制し、ガラスリボン3の中央領域3aの厚さが均一になるようにしている。しかし、成形体62がクリープ変形すると、ガラスリボン3の中央領域3a付近の熔融ガラス量が増えて、中央領域3aの厚みが変化する。図9は、成形体62のクリープ変形により、中央領域3a付近の厚みが増したガラスリボン3の一例を示す図である。成形体62がクリープ変形すると、第1端部62d1と第2端部62d2との間から溢れ出る熔融ガラス2の量が増えるため、ガラスリボン3の中央領域3a付近の厚みが増す。図9では、中央領域3a付近の厚みが、成形予定の厚みより最大でD1厚くなり、中央領域3aの厚さが不均一になっている。そこで、制御部91dは、成形体62の形状データに応じて、冷却ロール72の冷却量を変化させて、ガラスリボン3の中央領域3aから両側部3bに向かって張力がかるようにしてガラスリボン3が幅方向に収縮するのを抑制し、ガラスリボン3の中央領域3aの厚さが均一になるようにしている。
図10は、成形体62の変位量Lとガラスリボン3にかける張力Tとの関係を示す図である。制御部91dは、判定部91cにより成形体62の変位量LがL1を超えていないと判定された場合、成形体62のクリープ変形によるガラスリボン3の中央領域3aの厚さの変化は無視できる、すなわち、板厚公差が例えば±0.05mmを満たすものとして、ガラスリボン3にかける張力Tを、初期値T1(変位量Lの範囲:0以上L1以下)から変化させない。成形体62の変位量LがL1以下であれば、制御部91dが、冷却ロール72の冷却量を変化させずに、張力Tを初期値T1で維持することにより、成形されるガラスリボン3の板厚公差が±0.05mmを満たす。制御部91dは、判定部91cにより成形体62の変位量LがL1を超えていると判定された場合、図10に示すように、変位量Lに対応する張力Tがガラスリボン3にかかるように制御する。変位量LがL1を超えると、図9に示すように、ガラスリボン3の中央領域3aの厚さが増し、厚さが均一でなくなってくる。このため、制御部91dは、変位量Lに対応するように、ガラスリボン3の中央領域3aから両側部3bに向かって、初期値T1より大きい張力T=T1+A×変位量L(変位量Lの範囲:L1以上Lm未満、A:係数)がガラスリボン3にかかるように制御する。具体的には、制御部は、冷却ロール72の冷却量を増加させて、両側部3bの粘度を上昇させる。両側部3bの粘度が高くなると、中央領域3aから両側部3bに向かう張力Tが大きくなり、ガラスリボン3の中央領域3aにある熔融ガラスが両側部3bに引っ張られて、中央領域3aの厚みが成形予定の厚みに近づいて、厚さが均一になる。制御部91dは、両側部3bの粘度を、例えば、109.0poiseから1014.5poiseまで増加させることにより、張力Tが大きくなるように制御する。このように、制御部91dで行う制御工程は、成形体62の形状変化、具体的には、成形体62の変位量Lが予め設定された基準範囲内(変位量LがL1以下)である場合、ガラスリボン3の幅方向にかかる張力を、形状変化がない場合の基準張力(初期値T1)に維持すること、及び成形体62の形状変化、具体的には、成形体62の変位量Lが基準範囲を超える(変位量LがL1を超える)場合、ガラスリボン3の幅方向にかかる張力を、成形体62の形状変化の程度に応じて基準張力(初期値T1)より大きな張力に制御すること、を含む。
なお、変位量Lの範囲が、L1以上Lm未満である場合、張力TをT1からTmに制御することにより、中央領域3aの厚みが成形予定の厚みに近づいて、厚さが均一になるが、変位量LがLmを超えて変位した場合、張力Tを制御するだけでは、中央領域3aの厚みを成形予定の厚みに近づけつつ、厚さを均一にすることが困難なため、判定部91cにより成形体62の定期的な交換時期に到達したと判定される。
また、成形体62のクリープ変形により、ガラスリボン3の表面凹凸差(板厚偏差)も変化する。成形体62の下端62aの通過直後のガラスリボン3の体積収縮量は、ガラスリボン3の側部3bから中央領域3aに向かうにつれて大きくなるので、ガラスリボン3の中央領域3aにおいて引張り応力が働く。中央領域3a付近の厚みが厚くなり、両側部3bから中央領域3aに向かう張力が大きくなることによって、ガラスリボン3の表面凹凸差が大きくなる。図11(a)は、図8のA−A線の断面を拡大した図であり、図11(b)は、図8のB−B線の断面を拡大した図である。冷却ロール72によりガラスリボン3に張力Tをかける前では、ガラスリボン3は、中央領域3aに向かって収縮するため、ガラスリボン3の表面凹凸差はD2となり、冷却ロール72によりガラスリボン3に張力Tをかけた後では、ガラスリボン3の表面凹凸差は、D2より小さいD3となる。成形体62がクリープ変形すると、ガラスリボン3の表面凹凸差D2、D3も大きくなる。このため、変位量Lに対応するように、中央領域3aから両側部3bに向かう張力Tをかけることにより、ガラスリボン3が両側部3bに引っ張られるため、ガラスリボン3の表面凹凸差D3は小さくなる。中央領域3aの厚みを成形予定の厚みに近づけるために、変位量Lに対応するように張力Tをかけることによって、ガラスリボン3の表面凹凸差D3が小さくなり、ガラスリボン3の中央領域3aの厚さが均一になる。
また、制御部91dは、ガラスリボン3に張力Tをかけることにより、ガラスリボン3の搬送方向に発生するおそれのある脈理を抑制することもできる。脈理は、所定の幅においてガラスリボン3の厚み(高さ)が変動した歪みの一種であり、ガラスリボン3の搬送方向に筋状に連続的に発生する。また、脈理の要因にはガラスの粘性差も含まれる。制御部91dが冷却ロール72の冷却量を制御することによりガラスリボン3の幅方向に張力がかけられると、ガラスリボン3の表面凹凸の一種である局所的に発生する脈理は、ガラスリボン3の両端側3bに引き伸ばされて、表面凹凸差が小さくなり、板厚公差が±0.05mmを満たすガラスリボンが成形される。
以上説明したように、成形体62の下端62aにおいて、ガラスリボン3にかける張力Tを、成形体62の変位量Lに対応させて変化させることにより、中央領域3aの厚みを成形予定の厚みに近づけつつ、厚さを均一にすることができる。成形体62のクリープ変形により、成形体62の長手方向の中央部が下方に垂れ下がって撓んだ場合、冷却ロール72の冷却量を増大して、ガラスリボン3にかかる張力Tを大きくすることで、ガラスリボン3の幅方向の板厚偏差を低減することができる。その結果、ガラス基板製造装置1は、最終製品であるガラス基板の板厚偏差を低減することができる。
また、液相温度の高いガラス、および、歪点の高いガラスを用いるガラス基板の製造工程において、成形体62のクリープ変形は、成形体62の温度が高くなりやすいために特に問題となりやすい。また、近年、ガラス基板の大型化が進み、成形体の長手方向の寸法が長くなってきているので、クリープ変形による成形体62の撓みがより顕著となる傾向にある。本実施形態では、冷却ロール72の冷却量を調節して、ガラスリボン3にかかる張力Tを変化させることで、成形体62のクリープ変形に起因するガラスリボン3の幅方向の板厚偏差を効果的に低減することができる。
(5−1)変形例A
実施形態では、ガラス基板製造装置1の制御装置91の取得部91bは、コンピュータシミュレーションによって成形体62の形状の時間変化を求めることで、成形体62の現在の形状に関する形状データを取得する。しかし、取得部91bは、他の方法によって、成形体62の現在の形状に関する形状データを取得してもよい。
例えば、取得部91bは、成形体62の形状の実測値に基づいて、形状データを取得してもよい。この場合、成形体62の形状の実測値に関するデータ、および、成形体62の使用条件に関するデータを予め収集して分析する必要がある。成形体62の使用条件は、ガラス基板製造装置1の稼働時間、熔融ガラス2の温度、熔融ガラス2の粘度、および、上部成形空間60の温度等の、成形体62に関連する種種のパラメータである。取得部91bは、成形体62の形状の実測値に関するデータと、成形体62の使用条件に関するデータとの相関関係に基づいて、現在使用している成形体62の形状データを予測して取得する。
また、取得部91bは、成形体62によって成形されたガラスリボン3の板厚の実測値に基づいて、形状データを取得してもよい。この場合、取得部91bは、ガラスリボン3の幅方向の板厚の実測値に関するデータに基づいて、現在使用している成形体62の形状データを予測して取得する。
(5−2)変形例B
実施形態では、ガラスリボン3にかける張力Tを変化させるために、冷却ロール72の冷却量を制御する。しかし、冷却ロール72の代わりに、または、冷却ロール72に加えて、冷却装置を用いて、ガラスリボン3の両側部3bの粘性を変化させて、張力Tを調節することともできる。
冷却装置は、例えば、成形体62の下端62aと冷却ロール72との間に位置し、ガラスリボン3の側部3bに対向する位置に設けられ、ガラスリボン3の両側部3bを冷却する。制御部91dは、冷却装置を制御することにより、ガラスリボン3の両側部3bの冷却量を制御できるため、張力Tを任意に調節することができる。冷却装置とガラスリボン3とは直接接触していないため、ガラスリボン3を接触により変形させることなく、冷却装置による冷却量の制御により、張力Tを調節することができる。
(5−3)変形例C
実施形態では、ガラス基板製造装置1の制御装置91の取得部91bは、コンピュータシミュレーションによって成形体62の形状の時間変化を求めることで、成形体62の現在の形状に関する形状データを取得する。しかし、取得部91bは、成形装置40(成形体62)が成形したガラスリボン3の総量(全長)を取得することにより、現在使用している成形体62の形状データを予測して取得することもできる。例えば、取得部91bは、成形装置40に流れ込む溶融ガラス2の量、成形装置40により成形されたガラスリボン3の厚さ、幅、重量等を測定することにより、成形装置40が成形したガラスリボン3の総量(全長)を取得する。ガラスリボン3の総量(全長)と成形装置40の使用時間とは、正の相関関係があるため、ガラスリボン3の総量(全長)を取得することにより、成形装置40(成形体62)のクリープ変形による変位量Lを予測することができる。制御部91dは、ガラスリボン3の幅方向の張力が予め定められた基準張力になるよう制御する。予め定められた基準張力は、ガラスリボン3(ガラス基板)を成形予定の厚みのガラスリボン3に成形した際に、板厚公差が±0.05mmを満たすことができる張力の初期値である。制御部91dは、変位量Lが基準量以下である場合、ガラスリボン3の幅方向の張力が基準張力になるよう制御し、変位量Lが基準量を超える場合、ガラスリボン3の総量(全長)から予測される成形装置40(成形体62)のクリープ変形による変位量Lに対応する張力Tがガラスリボン3にかかるように制御する。これにより、ガラスリボン3の中央領域3aの厚みを成形予定の厚みに近づけつつ、厚さを均一にすることができる。
2 熔融ガラス
3 ガラスリボン
3a 中央領域
3b 側部
62 成形体
62a 下端
72 冷却ロール

Claims (10)

  1. 成形体の上面に形成された供給溝に熔融ガラスを供給し、前記供給溝の両側から溢れ出した前記熔融ガラスを前記成形体の両側面に沿って流下させ、前記両側面を流下した前記熔融ガラスを前記成形体の下端で合流させてガラスリボンを成形する成形工程と、
    前記成形工程後の前記ガラスリボンの幅方向の両側部を冷却することにより前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記成形体の使用に伴って生じる前記成形体の形状変化に応じて制御する制御工程と、を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記制御工程は、
    前記形状変化が予め設定された基準範囲内である場合、前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記形状変化がない場合の基準張力に維持すること、及び
    前記形状変化が前記基準範囲を超える場合、前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記形状変化の程度に応じて前記基準張力より大きな張力に制御すること、を含む、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記形状変化は、前記成形体の前記供給溝の延びる方向に沿って前記成形体の前記上面が平面から湾曲面に変化する変化である、請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記制御工程は、前記ガラスリボンの幅方向に前記成形体が前記形状変化していないときに前記ガラスリボンの幅方向にかける基準張力に加え、前記成形体の前記形状変化に応じた張力を前記ガラスリボンにかけること、を含む請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記成形体の上面の鉛直方向の変位量を前記形状変化の情報として取得する取得工程と、
    前記取得工程で取得された前記変位量が基準量以下か否か判定する判定工程と、をさらに備え、
    前記判定工程で前記変位量が前記基準量を超えると判定された場合、前記制御工程では、予め定められた前記成形体の変位量と前記ガラスリボンの幅方向にかける張力との関係式に基づいて、取得された前記変位量に対応した張力を決定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  6. 前記制御工程では、前記変位量が大きいほど、前記張力を増大する、請求項5に記載のガラス基板の製造方法。
  7. 前記取得工程では、コンピュータシミュレーションによって前記成形体の形状の時間変化を求めることで、前記変位量を取得する、請求項5または6に記載のガラス基板の製造方法。
  8. 前記制御工程では、前記ガラスリボンの厚さ方向の板厚偏差が基準値以下になるよう前記張力を制御する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  9. 成形体の上面に形成された供給溝に熔融ガラスを供給し、前記供給溝の両側から溢れ出した前記熔融ガラスを前記成形体の両側面に沿って流下させ、前記両側面を流下した前記熔融ガラスを前記成形体の下端で合流させてガラスリボンを成形する成形装置と、
    前記成形工程後の前記ガラスリボンの幅方向の両側部を冷却することにより前記ガラスリボンの幅方向にかかる張力を、前記成形体の使用に伴って生じる前記成形体の形状変化に応じて制御する制御装置と、
    を備える、ことを特徴とするガラス基板の製造装置。
  10. 前記制御装置では、前記ガラスリボンの幅方向に前記成形体が前記形状変化していないときに前記ガラスリボンの幅方向にかける基準張力に加え、前記成形体の前記形状変化に応じた張力を前記ガラスリボンにかけるように、前記ガラスリボンの幅方向の両側部の冷却を制御する、請求項9に記載のガラス基板の製造装置。
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