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JP2016190225A - 酸廃液の処理装置及び処理方法 - Google Patents

酸廃液の処理装置及び処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸廃液中の金属イオンをカチオン交換膜を用いた電気透析によりカチオン交換膜を透過させて除去するに当たり、酸廃液中の酸基アニオンがカチオン交換膜を透過することを抑制し、酸廃液の酸濃度を低下させることなく、また、電着不良等を引き起こすことなく、効率的に処理する。
【解決手段】カチオン交換膜として膜厚が0.25〜1mmのものを用いる。所定値以上の膜厚を有するカチオン交換膜を使用することにより、酸基アニオンがカチオン交換膜を透過することを阻止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属イオンを含有する酸廃液の処理装置及び処理方法に係り、詳しくは、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)といった金属イオンを含有する酸廃液から、カチオン交換膜を用いた電気透析により、当該金属イオンを効率的に除去する装置及び方法に関する。本発明は、特に、原子力発電所において金属配管や機器の酸による除染で発生する除染廃液や、原子力発電所で使用されたイオン交換樹脂から金属イオンを溶離させた溶離液等の原子力発電所等から生じる金属イオンを含有する酸廃液の処理に好適に用いられる。
原子力発電所では、放射性物質に汚染された一次冷却系の機器や配管、これらを含む系統の金属部材表面から放射性物質を化学的に除去した際に、多量の除染廃液が発生する。これらの除染廃液は、金属イオン、特に、Fe、Co又はNiといった鉄族金属イオンを含んでおり、Co−60(コバルト60)、Ni−63(ニッケル63)といった放射性物質も多く含んでいる。通常、除染廃液は、イオン交換樹脂により溶解しているイオン成分が除去され、除染液として再利用される。このため、放射性物質を多く含むイオン交換樹脂の廃棄物が発生するという問題がある。
また、原子力発電所等において、原子炉水浄化系(CUW)、燃料貯蔵プール水浄化系(FPC)といった直接燃料棒に触れ、放射性物質を含む冷却水系の浄化に使用されたイオン交換樹脂は、放射性物質を多く吸着しているため、高線量率の廃棄物として、発電所に設置された樹脂タンクに貯留されている。
これらの放射性物質を含む廃棄物は、最終的にセメント等の固化助材と混練して安定化した後に、埋設処分される。埋設処分する際の費用は、内包する放射性物質の量で異なり、放射性物質濃度が高いほど高額となる。このため、高線量率の廃棄物はできるだけ減容した後に、固化体の埋設廃棄物とすることが経済的である。具体的には、イオン交換樹脂から放射性物質を固形物として分離し、その固形物を遮蔽容器内に封じ込めることができれば、減容化の面で望ましい。放射性物質が除去された廃イオン交換樹脂は、処分費用が安価な低線量率の廃棄物であり、さらに、廃イオン交換樹脂を焼却可能なレベルまで放射性物質を除去できれば、焼却処理により、大幅な減容が達成できる。
このような高線量の廃樹脂の処理方法として、特許文献1や特許文献2に提案されるように、フェントン法や超臨界水酸化等の湿式酸化により廃樹脂を分解する方法があるが、これらの方法を適用した場合、いずれの場合も高線量率の廃液が多量に発生する。その高線量率の廃液を最終的に処分する際には、さらに蒸発濃縮し、その濃縮液をセメントと混練する等の方法により固化体として安定化することが必要となる。この場合、セメント等の固化助材を新たに添加するため、その分最終処分される高線量率の廃棄物量が増加し、廃棄物量の低減に至らないという問題がある。
特許文献3には、廃樹脂に硫酸を通液し、イオン状の放射性物質を溶離し、溶離液から拡散透析により放射性物質を分離し、硫酸を循環再利用する技術が開示されている。また、特許文献4には、廃樹脂をシュウ酸水溶液に浸漬して表面の金属クラッドを溶解するとともに、樹脂に吸着している金属イオンをシュウ酸水溶液に溶離する廃樹脂処理方法が開示されている。これらの場合も、放射性物質を含む廃液が生成するが、その固化処理までは網羅されていない。
一方で、イオン状の放射性物質を含む廃液から放射性物質を除去する方法として、特許文献5には、放射性陽イオンが溶解した汚染除去溶液を、電着セルを通過させながら通電し、放射性陽イオンを放射性金属粒子として陰極に堆積させて、汚染除去溶液を再生・再利用する技術が開示されている。その際に、放射性金属粒子を堆積させた陰極は、陰極液を陰極全体に注いで放射性金属粒子を脱離させるとの記載がある。
しかし、この方法では、陰極液性状は汚染除去廃液の性状に依存して変化するため、陰極液を電着に適した液性状に調整することができない。汚染除去溶液が酸性の廃液の場合には、陰極表面で析出した放射性金属成分が酸性の廃液に再び溶解するため、析出が起こらないか、もしくは析出速度が著しく低下する。また、廃液が中性又はアルカリ性の場合には、陰極表面近傍で水酸化物の沈殿物が形成され、陰極表面に放射性金属を電着させて回収することが困難となる。このため、廃液から放射性物質を電着法により効率的に回収するためには、陰極室に直接廃液を導入するのは好ましくなく、陰極液を電着に適した液性とすることが重要となる。
そこで、本発明者らは、特願2013−221322にて、鉄族金属イオン含有液の電着処理において、鉄族金属イオン含有廃液の液性状に影響を受けることなく、鉄族金属イオンを効率的に液中から析出させて除去する鉄族金属イオン含有廃液の処理方法及び処理装置を提案した。具体的には、陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室とをカチオン交換膜で隔離した電着槽の陽極室に鉄族金属イオン含有廃液を導入し、陰極室に陰極液を導入して、陽極と陰極間に通電することにより、陽極室内の液中の鉄族金属イオンを陰極室内の陰極液中に移動させて陰極上に鉄族金属を析出させるようにすることにより、鉄族金属イオン含有廃液の液性状に左右されることなく、適切な電着条件にて鉄族金属を電着除去することができるものである。
特公昭61−9599号公報 特許第3657747号公報 特開2004−28697号公報 特開2013−44588号公報 特許第4438988号公報 特願2013−221322
特願2013−221322の技術により、鉄族金属イオン含有廃液の液性状に左右されることなく、適切な電着条件にて鉄族金属を電着除去することができるが、本発明者らの検討により、特願2013−221322に従って酸廃液中の金属イオンを電着除去しようとすると、酸廃液中の金属イオンをカチオン交換膜を透過させて電着液に移行させる際に、酸廃液中の酸基アニオンがカチオン交換膜を透過して電着液側に移行してしまうことが確認された。
ここで、酸基とは、酸根とも呼ばれ、無機・有機の各種の酸の分子から、水素イオンとして電離し得る水素原子を一個以上除いた残りの原子又は原子団を指す。例えば、塩酸におけるCl、硫酸におけるSO、HSOを指す。また、酸基アニオンとは、無機・有機の各種の酸の分子から、水素イオンとして電離し得る水素原子を一個以上除いた残りの原子又は原子団からなる陰イオンを指し、例えば塩酸におけるCl、硫酸におけるSO 2−やHSO を指す。
酸廃液中の酸基アニオンが電着液側に移行してしまうと、酸廃液の酸濃度が低下してしまうために、金属イオンを除去した後の酸廃液を酸液として有効に再利用できなくなるだけでなく、電着液のpHが低下し、電着液から金属イオンを電着除去する際に電着不良を引き起こす恐れがある。
本発明は、酸廃液中の金属イオンをカチオン交換膜を用いた電気透析によりカチオン交換膜を透過させて除去するに当たり、酸廃液中の酸基アニオンがカチオン交換膜を透過することを抑制し、酸廃液の酸濃度を低下させることなく、また、電着不良等を引き起こすことなく、効率的に処理する酸廃液の処理装置及び処理方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、所定値以上の膜厚を有するカチオン交換膜を使用することにより、カチオン交換膜を酸基アニオンが透過するのを阻止することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 酸廃液中の金属イオンを、電気透析によりカチオン交換膜を透過させて除去する酸廃液処理装置において、該カチオン交換膜の膜厚が0.25〜1mmであることを特徴とする酸廃液の処理装置。
[2] [1]において、前記酸廃液は、放射性金属汚染物質を酸性除染液により酸洗浄又は酸溶離した際に発生する放射性金属イオンを含む放射性酸廃液であり、前記酸廃液の処理装置により放射性金属イオンが除去された該放射性酸廃液は、前記酸性除染液として再利用されることを特徴とする酸廃液の処理装置。
[3] [1]又は[2]において、前記酸廃液中の金属イオンは、前記カチオン交換膜を透過して、該金属イオンと錯体を形成する配位子を含有する配位子含有液に移行されることを特徴とする酸廃液の処理装置。
[4] 酸廃液中の金属イオンを、電気透析により膜厚0.25〜1mmのカチオン交換膜を透過させて除去することを特徴とする酸廃液の処理方法。
[5] [4]において、前記酸廃液は、放射性金属汚染物質を酸性除染液により酸洗浄又は酸溶離した際に発生する放射性酸廃液であり、前記酸廃液の処理方法により該放射性酸廃液中の放射性金属イオンを除去した後、前記酸性除染液として再利用することを特徴とする酸廃液の処理方法。
[6] [4]又は[5]において、前記酸廃液中の金属イオンを、前記カチオン交換膜を透過させて、該金属イオンと錯体を形成する配位子を含有する配位子含有液に移行させることを特徴とする酸廃液の処理方法。
本発明の酸廃液の処理装置および処理方法によれば、酸廃液中の酸基アニオンがカチオン交換膜を透過して失われることにより、酸廃液の酸濃度が低下してしまうことを防止することができる。このため、金属イオン除去処理後の酸廃液を酸液として有効に再利用することができる。また、金属イオンをカチオン交換膜を透過させて電着液に移行させる場合、カチオン交換膜を透過した酸基アニオンによる電着液のpH低下に伴う電着阻害も防止される。
酸廃液からカチオン交換膜を透過した金属イオンは、その金属イオンと溶解性の錯体を形成する配位子を含む配位子含有液に移行させるようにすることにより、カチオン交換膜を透過した金属イオンが水酸化物として析出したり、カチオン交換膜を閉塞させたりすることを防止することができるが、本発明によれば、配位子含有液として有機酸又は有機酸塩を用いる場合、その有機酸の酸基がカチオン交換膜を透過して酸廃液側に移行することも防止できるため、安定した電着処理を継続的に行うことができる。
本発明の実施の形態の一例を示す処理装置の系統図である。 本発明の実施の形態の他の例を示す処理装置の系統図である。 本発明の実施の形態の別の例を示す処理装置の系統図である。 実施例で用いた試験装置の系統図である。 実施例1及び比較例1における模擬酸廃液中のTOC濃度の経時変化を示すグラフである。 実施例1及び比較例1における模擬酸廃液中のFe濃度の経時変化を示すグラフである。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明により処理する酸廃液としては、鉄やコバルト、ニッケルといった鉄族金属イオン等の金属イオンを含む酸廃液であればよく、特に制限はないが、本発明は、下記(1),(2)の酸廃液の処理に好適である。
(1) 原子力発電所における放射性物質に汚染された一次冷却系の機器や配管、これらを含む系統の金属部材表面から放射性物質を酸溶解した酸廃液
(2) 原子力発電所での使用済イオン交換樹脂(原子炉水浄化系(CUW)、燃料貯蔵プール水浄化系(FPC)といった直接燃料棒に触れ、放射性物質を含む冷却水系の浄化に使用されたイオン交換樹脂や、上記(1)の酸廃液から放射性金属イオンを除去するために使用されたイオン交換樹脂)から放射性金属イオンを除去するために酸溶離した溶離酸廃液
通常、これらの酸廃液はpH5以下、好ましくはpH2以下の強酸廃液である。
上記除染酸廃液や溶離酸廃液は鉄族イオンの一つである放射性コバルトを含むため、本発明によれば、これらの酸廃液中の放射性コバルトを、電着槽の陰極上に、嵩が小さい金属態として安定に固定化することができ、また、放射性コバルト除去後の酸廃液を上記の除染や酸溶離のための酸液として有効に再利用することができるというメリットがある。
本発明においては、このような金属イオンを含む酸廃液から、金属イオンを、カチオン交換膜を用いた電気透析によりカチオン交換膜を透過させて除去するに当たり、カチオン交換膜として、膜厚が0.25〜1mmのものを用いる。カチオン交換膜として、膜厚0.25mm以上の比較的厚いカチオン交換膜を用いることにより、酸廃液中の酸基アニオンがカチオン交換膜を透過して酸廃液の酸濃度が低下したり、電着液のpHが低下したり、更には、電着液中に後述の有機酸や有機酸塩を含む場合、これらの酸基アニオンが電着液側からカチオン交換膜を透過して酸廃液側に移行したりすることを防止することができる。酸基アニオンの透過を防止する観点からは、カチオン交換膜の膜厚は厚い方が好ましいが、カチオン交換膜の膜厚を過度に厚くすると、膜抵抗が大きくなり、消費電力が大きくなるため、好ましくない。
カチオン交換膜の膜厚は好ましくは0.30〜0.80mmであり、より好ましくは0.35〜0.50mmである。
なお、通常、電気透析においては、できるだけイオン交換膜の膜厚を薄くして膜抵抗を下げ、消費電力を低減するために、膜厚0.20mm以下の薄膜のものが用いられているが、本発明においては、酸基アニオンの透過を防止するために、上記のような膜厚のカチオン交換膜を用いる。
本発明で用いるカチオン交換膜の交換基密度は小さいほど、酸廃液中の酸基アニオンがカチオン交換膜を透過することを抑制する効果が高い。また、電着液中に後述の有機酸や有機酸塩を含む場合、カチオン交換膜の交換基密度が小さいほど、これらの酸基アニオンが電着液側からカチオン交換膜を透過して酸廃液側に移行することを抑制する効果が高い。ただし、カチオン交換膜の交換基密度を過度に小さくすると、金属イオンのカチオン交換膜透過速度が小さくなるとともに、膜抵抗が上昇し、消費電力が大きくなるため、好ましくない。これらの理由から、本発明で用いるカチオン交換膜は、交換基密度が、1.0〜2meq/g−dry膜であることが好ましく、1.5〜1.8meq/g−dry膜であることがより好ましい。
以下、図面を参照して本発明をより詳細に説明するが、本発明の一態様にあっては、
陽極を備えた陽極室と陰極を備えた陰極室とをカチオン交換膜で隔離し、該陽極室に金属イオンを含む酸廃液を導入し、該陰極室に陰極液(電着液)を導入し、該陽極と該陰極間に通電することにより、該陽極室内の酸廃液中の金属イオンを該カチオン交換膜を透過させて該陰極室内の液中に移動させ、該陰極上に該金属を析出させる酸廃液の処理方法、
及び
陽極を備えた陽極室と、陰極を備えた陰極室と、該陽極室と陰極室とを隔離するカチオン交換膜とを有する電着槽と、該陽極及び陰極間に通電する通電手段と、該陽極室に金属イオンを含む酸廃液を通液する通液手段と、該陰極室に陰極液(電着液)を通液する通液手段とを有し、該陽極と該陰極間に通電することにより、該陽極室内の酸廃液中の金属イオンを該カチオン交換膜を透過させて該陰極室内の液中に移動させ、該陰極上に該金属を析出させる酸廃液の処理装置、
により酸廃液中の金属イオンの除去処理が行われる。
また、本発明の別の態様にあっては、
金属イオンを含む酸廃液と、該金属イオンと錯体を形成する配位子を含む電着液とを、カチオン交換膜を複数枚配した電気透析槽に導入し、該酸廃液中の該金属イオンを、該カチオン交換膜を透過させて該電着液に移行させることにより、該酸廃液中の金属イオンを除去する電気透析工程と、該電気透析槽から流出した金属イオンを含む電着液を、陽極と陰極を配した電着槽に導入し、該電着液中の該金属を陰極上に電着させて、該電着液から該金属イオンを除去する電着工程と、該電着工程で金属イオンが除去された電着液を前記電気透析工程に送給する電着液循環工程とを有する酸廃液の処理方法、
及び
陽極を備えた陽極室と、陰極を備えた陰極室と、該陽極と陰極室との間に設けられた複数枚のカチオン交換膜とを有する電気透析槽と、該電気透析槽の陽極及び陰極間に通電する通電手段と、該電気透析槽に金属イオンを含む酸廃液と、該金属イオンと錯体を形成する配位子を含む電着液とを通液する手段とを有し、該酸廃液中の該金属イオンを、該カチオン交換膜を透過させて該電着液に移行させることにより、該酸廃液中の金属イオンを除去する電気透析装置と、陽極を備えた陽極室と、陰極を備えた陰極室と、該陽極室と陰極室とを仕切るカチオン交換膜とを有する電着槽と、該陽極及び陰極間に通電する通電手段と、該電着槽の陰極室に前記電気透析槽から流出した前記金属イオンを含む電着液を通液する手段とを有し、該金属イオンを含む電着液中の該金属を該陰極上に電着させて該電着液から該金属イオンを除去する電着装置と、該電着槽から流出した該金属イオンが除去された電着液を前記電気透析槽に送給する手段とを備える酸廃液の処理装置、
により酸廃液中の金属イオンの除去処理が行われる。
上記別態様において、前記電気透析槽として、より具体的には、以下の(I)又は(II)を用いることができる。
(I) 陽極及び陰極と、該陽極に対峙して配置された第1のバイポーラ膜と、該陰極に対峙して配置された第2のバイポーラ膜と、該第1のバイポーラ膜と第2のバイポーラ膜との間に配置された複数枚のカチオン交換膜と、該カチオン交換膜同士の間に配置された第3のバイポーラ膜とを備え、該陽極と該第1のバイポーラ膜との間が陽極室、該陰極と該第2のバイポーラ膜との間が陰極室となっており、該カチオン交換膜と該カチオン交換膜の該陽極側に設けられた該バイポーラ膜との間が脱イオン室、該カチオン交換膜と該カチオン交換膜の該陰極側に設けられた該バイポーラ膜との間が濃縮室となっており、該脱イオン室に前記酸廃液を通液すると共に、該濃縮室に前記電着液を通液するように構成されたもの。
(II) 陽極及び陰極と、該陽極に対峙して配置された第1の水素選択透過型カチオン交換膜と、該陰極に対峙して配置された第2の水素選択透過型カチオン交換膜と、該第1の水素選択透過型カチオン交換膜と第2の水素選択透過型カチオン交換膜との間に配置された複数枚のカチオン交換膜と、該カチオン交換膜同士の間に配置された第3の水素選択透過型カチオン交換膜とを備え、該陽極と該第1の水素選択透過型カチオン交換膜との間が陽極室、該陰極と該第2の水素選択透過型カチオン交換膜との間が陰極室となっており、該カチオン交換膜と該カチオン交換膜の該陽極側に設けられた該水素選択透過型カチオン交換膜との間が脱イオン室、該カチオン交換膜と該カチオン交換膜の該陰極側に設けられた該水素選択透過型カチオン交換膜との間が濃縮室となっており、該脱イオン室に前記酸廃液を通液すると共に、該濃縮室に前記電着液を通液するように構成されたもの。
図1は、本発明の酸廃液の処理装置の実施の形態の一例を示す系統図であり、本発明を、原子力発電所で使用された廃イオン交換樹脂の除染工程に適用した例を示す。
図1の装置は、廃イオン交換樹脂から金属イオンを溶離させた溶離液を貯留する溶離液貯槽30と、廃イオン交換樹脂40が充填された充填塔である溶離槽8と、溶離槽8から排出される金属イオンを含む酸廃液を貯留する酸廃液貯槽10と、酸廃液貯槽10からの酸廃液が導入される電着槽1と、電着槽1に供給される陰極液を貯留する陰極液貯槽20とを備える。電着槽1は、陽極2を有する陽極室2Aと陰極3を有する陰極室3Aとがカチオン交換膜5で隔離された構成とされており、酸廃液貯槽10からの酸廃液は陽極室2Aに通液され、陰極液は陰極室3Aに通液される。9A,9Bは熱交換器である。
溶離液貯槽30内の溶離液は、ポンプPにより配管31を経て溶離槽8に送給される過程で熱交換器9Aで60℃以上、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜100℃に加温された後、溶離槽8に上向流で通液され、流出液(酸廃液)は配管32を経て、熱交換器9Bで電着槽4内のカチオン交換膜8の劣化が小さい60℃未満の温度、例えば10℃以上60℃未満に冷却された後酸廃液貯槽10に送給される。酸廃液貯槽10内の酸廃液は、ポンプPにより配管11を経て電着槽1の陽極室2Aに導入され、電着処理液は配管34より溶離液貯槽30に循環され、溶離液として再利用される。
一方、電着槽1の陰極室3Aには、陰極液貯槽20内の陰極液がポンプPにより配管21を経て導入され、配管22を経て陰極液貯槽20に戻される。
溶離液貯槽30には適宜酸が配管33より補給され、陰極液貯槽20には配管23より陰極液が補給される。
この装置では、加熱された溶離液を廃イオン交換樹脂40が充填された溶離槽8に通液することにより、廃イオン交換樹脂40に吸着しているイオン状の放射性核種が溶離除去されるとともに、廃イオン交換樹脂40に混入又は樹脂粒子内に入り込んでいるクラッドが溶解除去される。廃イオン交換樹脂40と接触して、イオン状の放射性核種やクラッド溶解物を含む溶離液(酸廃液)は、酸廃液貯槽10を経て電着槽1の陽極室2Aに導入される。この電着槽1の陽極2と陰極3に通電することにより、酸廃液中の放射性金属イオンやクラッド由来の鉄イオン等の金属イオンがカチオン交換膜5を透過して陰極室3Aに移動して、陰極3上に電着される。電着槽1で金属イオンが除去された酸廃液の処理液は、溶離液貯槽30に戻され、循環再利用される。
陰極室3A内の陰極液は、ポンプPにより陰極液貯槽20との間を循環させ、陰極液の減少分を陰極液貯槽20に添加しつつ循環再利用する。
本発明で用いる陰極液のpHは、1〜9とすることが好ましく、2〜8とすることがより好ましい。陰極液のpHが低すぎると、陰極上に電着した金属の再溶解が起こり、電着速度が低下する恐れがある。また、陰極液のpHが高すぎると、金属の水酸化物が液中に懸濁物質として発生しやすくなる。このため陰極液のpHが上記範囲外となる場合には、アルカリや酸により、適宜pH調整を行うのが好ましいが、本発明では、前述の膜厚のカチオン交換膜を用いることにより、酸廃液からの酸基アニオンのカチオン交換膜透過に起因する陰極液のpH低下は防止される。
陰極液には、カチオン交換膜を透過した金属イオンと錯体を形成し得る配位子を存在させることが好ましく、このような配位子を存在させるために、金属イオンと錯体を形成する錯化剤(以下、「本発明の錯化剤」と称す場合がある。)を添加することが好ましい。
本発明の錯化剤としては、分子内に2つのカルボキシル基を有するジカルボン酸及びその塩(以下、「ジカルボン酸(塩)」と称す場合がある。)、並びに分子内に3つのカルボキシル基を有するトリカルボン酸及びその塩(以下、「トリカルボン酸(塩)」と称す場合がある。)から選択されるものが好ましい。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。ジカルボン酸(塩)、トリカルボン酸(塩)は、そのキレート効果で電着中の懸濁物質の発生を抑制し、電着効果の向上に優れた効果を奏する。
これに対して、分子内に1つのカルボキシル基を持つモノカルボン酸では、金属イオンとの結合力が弱く、液中で金属の水酸化物からなる懸濁物質が発生する、陰極に均一に電着しないといった問題が生じる。また、分子内に4つ以上のカルボキシル基を有するカルボン酸を用いると、金属イオンとの結合力が強すぎて、液中に金属が保持され、電着の速度が著しく低下するという問題が生じる。
ジカルボン酸(塩)、トリカルボン酸(塩)としては、下記式(1)で表されるものが、特に、懸濁物質が生じにくく、かつ電着が速やかに進むようになる点で好ましい。下記式(1)で表されるジカルボン酸(塩)やトリカルボン酸(塩)は、分子内のカルボキシル基同士の間に1〜3個の炭素原子が存在するものであり、その形状に由来して、金属イオンとの間に適度な結合力が得られると推測される。
OOC−(CHX−(NH)−(CX−CX−COOM
…(1)
(式(1)中、X,X,Xは各々独立にH又はOHを表し、X,Xは各々独立にH、OH又はCOOMを表し、M,M,Mは各々独立にH、1価のアルカリ金属又はアンモニウムイオンを表し、a,b,cは各々独立に0又は1の整数を表す。ただし、式(1)において、XとXは同時にCOOMとなることはない。)
本発明に好適なジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸(エタン二酸、HOOC−COOH)、マロン酸(プロパン二酸、HOOC−CH−COOH)、コハク酸(ブタン二酸、HOOC−CH−CH−COOH)、グルタル酸(ペンタン二酸、HOOC−CH−CH−CH−COOH)、リンゴ酸(2−ヒドロキシブタン二酸、HOOC−CH−CH(OH)−COOH)、酒石酸(2,3−ジヒドロキシブタン二酸、HOOC−CH(OH)−CH(OH)−COOH)、イミノ二酢酸(HOOC−CH−NH−CH−COOH)などが挙げられるが、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、イミノ二酢酸が特に好ましい。トリカルボン酸としては、クエン酸(HOOC−CH−COH(COOH)−CH−COOH)、1,2,3−プロパントリカルボン酸などが挙げられるが、クエン酸が特に好ましい。また、これらのジカルボン酸、トリカルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩やアンモニウム塩が挙げられる。
本発明においては、酸廃液が金属イオンを複数種含む場合、ジカルボン酸(塩)及び/又はトリカルボン酸(塩)と共にアンモニウム塩を共存させることが好ましい。例えば、CoとFeを含む酸廃液を本発明により処理する場合、アンモニウム塩を添加しない場合には、通常FeよりもCoの方が電着速度が速く、Coの電着層の上にFeの電着層が生成する形となるが、アンモニウム塩を添加することにより、CoとFeの電着速度がほぼ同等となり、CoとFeが合金状に電着するようになる。CoとFeの電着速度が異なり、Co層とFe層に分かれて電着すると、CoとFeの物性の違いにより、電着物の浮きや剥がれが起きやすくなって、継続的な電着処理ができなくなる恐れがある。
アンモニウム塩としては、液中でアンモニウムイオンを生じるものであればよく、例えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム及びクエン酸アンモニウムが好適である。これらのアンモニウム塩は、1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して使用してもよい。特に、シュウ酸アンモニウム等のジカルボン酸アンモニウムやクエン酸アンモニウム等のトリカルボン酸アンモニウムを用いると、アンモニウム塩と本発明の錯化剤とを兼ねることができ、ジカルボン酸やトリカルボン酸のキレート効果による懸濁物質の発生抑制効果とCoとFeの電着速度を調整できる効果を1剤で得ることが可能である。
本発明で用いる陰極液中の上記の本発明の錯化剤の濃度については特に制限はないが、陽極室に導入される酸廃液中の金属イオンの合計モル濃度に対して、陰極室に導入される陰極液中の本発明の錯化剤のモル濃度が0.1〜50倍、特に0.5〜10倍であることが好ましく、陰極液としては、例えば、本発明の錯化剤を0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%含むpH1〜9、好ましくはpH2〜8の水溶液が用いられる。本発明の錯化剤の量が少な過ぎると、本発明の錯化剤を用いたことによる懸濁物質抑制の効果を十分に得ることができず、多過ぎるとキレート効果が大きくなり過ぎて電着速度が低下する。
本発明の錯化剤は、電着槽の陽極に接触してしまうと酸化分解してしまうが、本発明のでは、カチオン交換膜により陽極室と陰極室が隔てるため、錯化剤が含まれる電着液は陽極と直接接触することはないため、錯化剤が酸化されて無駄に消費されることはなく、しかも、前述の膜厚のカチオン交換膜を用いることにより、陰極液中に含まれる錯化剤がカチオン交換膜を透過して酸廃液側に移行して失われることも防止される。そのため、本発明では、陰極液に補充する錯化剤は非常に少ない量でよく、薬品使用量を少なくできる。
また、アンモニウム塩を用いる場合、アンモニウム塩は、陰極液中の濃度が0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%となる量で用いることが好ましい。アンモニウム塩の濃度が低過ぎるとアンモニウム塩を用いたことによる上記効果を十分に得ることができず、高過ぎると効果の向上がなく、薬品使用量が多くなる。
電着条件(電流値、電流密度、温度等)には特に制限はないが、電流密度については陰極面積に対して5〜600mA/cm2とするのが電着効率の面で好ましい。
図1の装置で、廃イオン交換樹脂の除染に用いる溶離液としては60℃以上に加温した酸溶離液を用いることが好ましく、このように加温した酸溶離液を用いることにより、廃イオン交換樹脂のカチオン交換樹脂に吸着している放射性金属イオンをHイオンとイオン交換して溶離除去できるとともに、廃イオン交換樹脂中に混入しているクラッドをも効率良く溶解除去することが可能となる。
酸溶離液としては、硫酸、塩酸、硝酸といった無機酸や、ギ酸、酢酸、シュウ酸といった有機酸の水溶液を用いることができる。これらの酸は1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよいが、加温して用いる際に揮発しにくく、危険物に該当しない硫酸及び/又はシュウ酸を用いることが好ましい。
溶離液中の酸濃度は、用いる酸に応じて好適な濃度が存在し、例えば、硫酸濃度は、5〜40重量%が好ましく、10〜30重量%がより好ましい。また、シュウ酸濃度は、0.1〜40重量%が好ましく、1〜20重量%がより好ましい。上記範囲よりも酸濃度が低いと、クラッドの主成分であるヘマタイト(α−Fe)の溶解効率が低下する。即ち、クラッドは、廃イオン交換樹脂に混入又は樹脂内に入り込んだ形で存在しており、その主成分が難溶性のヘマタイトであり、低濃度の酸では溶解することは困難である。溶離液中の酸濃度が高いと後段の電着槽における、水素発生量が過多となり、電着効率が低下する。
図1の装置では、放射性廃イオン交換樹脂に含まれているコバルト−60やニッケル−63のように、溶解することにより金属カチオンとなるものを陰極に電着させることにより、放射性物質を高濃縮することができる。一方で、放射線量が極低レベルに低減された廃イオン交換樹脂を得ることができ、処理後の廃イオン交換樹脂は焼却処理が可能となる。そして、廃イオン交換樹脂を焼却して焼却灰とすることにより1/100〜1/200の容量に廃棄物量を低減することができる。
図1の装置では、電着槽1は閉鎖系となっているが、陰極から水素ガスが発生するため、上部を開放した開放系とするのが好ましい。また、金属が電着した陰極を交換する際にも、電着槽の上部が開放されていた方が交換が容易となる。また、溶離液は、溶離槽8に上向流で通液されているが、下向流であってもよい。ただし、廃イオン交換樹脂が粉末状である場合には、通液の際に差圧上昇しやすいため、上向流とすることが好ましい。また、電着槽1において、酸廃液と陰極液とはカチオン交換膜5を介して逆方向に通液されてもよい。更に、溶離槽8に導入される溶離液と排出される酸廃液とを熱交換することも可能である。
図2,3は、本発明の酸廃液の処理装置の別の実施の形態の一例を示す系統図である。
図1の処理装置は、金属イオンのカチオン交換膜の透過と、金属イオンの電着を電着槽1の1槽で行うものであるが、図2,3は、電気透析槽と電着槽とを別々に設け、金属イオンのカチオン交換膜の透過を電気透析槽で行い、金属イオンの電着を電着槽で行い、更に、複数枚のカチオン交換膜を電気透析槽に設けて、処理効率を向上させたものである。
図2の酸廃液の処理装置は、電気透析槽50と、電着槽60を有する。
まず、電気透析槽50について説明する。電気透析槽50は、陽極51Aと陰極52Aとの間にバイポーラ膜BPとカチオン交換膜CMとが交互に配置されている。
陽極51Aに対峙してバイポーラ膜(第1のバイポーラ膜)BPが配置され、陽極51Aと第1のバイポーラ膜BPとの間が陽極室51とされている。
陰極52Aに対峙してバイポーラ膜BP(第2のバイポーラ膜)BPが配置され、陰極52Aと第2のバイポーラ膜BPとの間が陰極室52とされている。
陽極室51を区画形成する第1のバイポーラ膜BPと陰極室52を区画形成する第2のバイポーラ膜BPとの間には、所定の間隔をおいて複数枚(図2では3枚)のカチオン交換膜CMが配置され、カチオン交換膜CM同士の間に更に間隔をおいてバイポーラ膜(第3のバイポーラ膜)BPが配置されることにより、各々通液室が形成されている。
カチオン交換膜CMの陽極51A側の室は、酸廃液が通液される脱イオン室53であり、カチオン交換膜CMの陰極52A側の室は、電着液が通液される濃縮室54である。
バイポーラ膜BPとは、カチオン交換膜層とアニオン交換膜層が張り合わされた構造を持つイオン交換膜であり、陽極51A側にアニオン交換膜層を、陰極52A側にカチオン交換膜層を向けて配置される。バイポーラ膜BPは、電圧を印加しても、カチオンやアニオンを透過せず、バイポーラ膜BP内で水が水素イオンと水酸化物イオンに解離することにより通電される。
このため、図2の電気透析槽50では、陽極51Aと陰極52Aの間に電圧を印加することにより、脱イオン室53を流通する酸廃液中の金属イオンが、カチオン交換膜CMを透過して、濃縮室54を流通する電着液中に移動する。これにより、酸廃液中の金属イオンが除去される。酸廃液中の酸基アニオン(ここでは硫酸イオンおよび硫酸水素イオン)は陽極51A側に電気的に引かれるが、バイポーラ膜BPは酸基アニオンを透過させないことから、酸廃液中に留まるため、電気透析処理後の液は酸液として再利用可能となる。
図2では、ラインL,L1A,L1BとラインL1Cを経て電気透析槽50の脱イオン室53に導入された酸廃液が、電気透析槽50における電気透析で金属イオンが除去された後、ラインL2A,L2B,L2CとラインLを経て除染工程へ返送され、再利用される。
一方、電着液は、電着液貯槽80から、ポンプPにより、ラインLとラインL3A,L3B,L3Cを経て電気透析槽50の濃縮室54に導入される。電気透析槽50における電気透析で、脱イオン室53からカチオン交換膜CMを透過して濃縮室54に移動した金属イオンを含む電着液はラインL4A,L4B,L4CとラインLを経て電着液貯槽80に戻される。この電着液貯槽80内の電着液は、後述の通り、電着槽60で金属イオンが除去されるため、電気透析槽50には、この金属イオンが除去された電着液が送給される。 電着液としては、前述の図1における陰極液と同様のものが用いられる。
電気透析槽50の陽極室51及び陰極室52には、電解質を含む電極液が循環流通される。電解質としては、陽極51Aでの酸化や陰極52Aでの還元、陰極52Aでの析出が起こらないものを選定する必要があり、硫酸もしくは硫酸のアルカリ金属塩が好適である。
図2では、電着槽60の陽極液と共通の電着液貯槽70を設け、電着液貯槽70内の電極液をポンプPによりラインLを経て電気透析槽50の陽極室51に導入した後、ラインLを経て陰極室52に導入し、ラインLを経て電着液貯槽70に戻す循環系路と、電着液貯槽70内の電極液をポンプPによりラインLを経て電着槽60の陽極室61に導入し、ラインLを経て電着液貯槽70に戻す循環系路とを形成しているが、何らこの態様に限定されるものではなく、各電極室毎に電極液貯槽を設けてもよい。
図2の電気透析槽50では、カチオン交換膜CMを3枚設け、脱イオン室53を3室形成しているが、カチオン交換膜CMの枚数は、何ら3枚に限定されず、2枚でも4枚以上でもよい。電気透析槽のカチオン交換膜の枚数を増やすほど、電極面積に対してカチオン交換膜面積を大きくとることができ、電流値を大きくすることなく金属イオンの透過速度を速めることができるが、過度に枚数を増やすと、電気透析槽全体の抵抗が大きくなり、消費電力が上昇するとともに、電気透析槽内の温度上昇が起こる。電気透析槽の温度が40℃以上となるとカチオン交換膜やバイポーラ膜が劣化する恐れがあるため、電気透析槽の温度が上昇傾向にある場合は、電気透析槽内の温度が40℃以上にならないように、必要に応じて酸廃液、電着液又は電極液を冷却することが好ましい。
また、図2では、脱イオン室53の酸廃液と濃縮室54の電着液を同方向に通液させているが、これらは互いに反対方向に通液させてもよい。また、陽極室51及び陰極室52の電極液の通液方向についても特に制限はない。
なお、電気透析槽50のカチオン交換膜CMとバイポーラ膜BPとの間には、膜のたわみ等で膜同士が密着して流路が塞がらないように、適当なスペーサを設けるのが好ましい。スペーサの形状は、流路が確保されるものであれば特に限定されず、網状、ハニカム状、ボール状等どのようなものでも採用可能である。スペーサの材質は、通液する液の性状に応じて選定することが好ましく、前述の酸廃液を処理する場合は、耐酸性のあるものを選定する。
次に、電着槽60について説明する。
電着槽としては、図2に示すように、陽極61Aが配置された陽極室61と陰極62Aが配置された陰極室62とがカチオン交換膜CMで区画された2室型の電着槽60を使用するのが好適である。電気透析槽50から電着液貯槽80に送られた金属イオンを含んだ電着液は、ポンプPによりラインL10を経て電着槽60の陰極室62に導入される。電着槽60の陽極61Aと陰極62A間に電圧を印加することにより、電着液内の金属イオンは陰極62A上に金属として析出し、電着固定化される。
電着槽60の陽極液は電気透析槽50と同様に、陽極61Aでの酸化が起こらない電解質溶液を用いる。図2では、電着槽60の陽極液と、電気透析槽50の電極液を共通化しているが、これらは別々としてもよい。
電気透析槽50と同様、陽極室61の陽極液の通液方向と、陰極室62の電着液の通液方向とは、図2のように同方向であってもよく、反対方向であってもよい。
電気透析槽50において、カチオン交換膜同士の間に配置するイオン交換膜については、金属イオンを透過させず(金属イオンが透過する膜を使用すると、カチオン交換膜を透過して電着液に移行した金属イオンが、その膜を透過して酸廃液中に戻ってしまう)、かつ酸基アニオンも透過させない(酸基アニオンが透過する膜を使用すると、酸基アニオンがその膜を透過して、電着液又は陽極室の電極液に移行してしまい、酸廃液を酸液として再利用できなくなってしまう)ことが条件である。このような点から、バイポーラ膜に限らず、水素選択型カチオン交換膜を用いることもできる。水素選択透過型カチオン交換膜は、水素イオンの輸率(水素イオンの移動が電流に寄与する割合)が高いカチオン交換膜であり、上記の要求特性を満たすものである。水素選択透過型カチオン交換膜としては、市販品としてAGCエンジニアリング社のセレミオンCMFなどを採用することができる。
図3は、電気透析槽50において、バイポーラ膜BPの代りに水素選択透過型カチオン交換膜HCMを用いた点が異なり、その他の構成は図2と同一の構成とされている。図2において、図2におけると同一の機能を奏する部材には同一符号を付してある。
図2,3に示すように、電気透析槽と電着槽とを分けて設けることにより、電気透析槽における金属イオンの透析速度と、電着槽における金属イオンの電着速度のそれぞれが最適となるように電流密度等の条件を設定することができる。
金属イオンの透析を行う電気透析槽の電流密度は、バイポーラ膜を用いた場合であっても水素選択透過型カチオン交換膜を用いた場合であっても、陰極面積に対して、10〜400mA/cmであることが好ましく、20〜200mA/cmであることがより好ましい。
また、電着槽の電流密度は、陰極面積に対して、5〜200mA/cmであることが好ましく、10〜150mA/cmであることがより好ましい。
また、図2,3のように、電気透析槽と電着槽とを分けて設けることにより、電着槽の構成が簡易なものとなり、電着により金属が析出して付着した陰極を交換する際に、複雑な構成部材に作業が阻害されることなく、容易に交換作業を行うことができる。
このように電気透析槽と電着槽とを有する処理装置についても、原子力発電所で使用された廃イオン交換樹脂の除染工程に適用する場合には、図1におけると同様に、廃イオン交換樹脂から放射性金属イオンを溶離させた溶離液を貯留する溶離液貯槽と、廃イオン交換樹脂が充填された充填塔である溶離槽と、溶離槽から排出される酸廃液を貯留する酸廃液貯槽を設け、酸廃液貯槽からの酸廃液を、電気透析槽50の脱イオン室53に通液して金属イオンを除去した後、溶離液貯槽に循環させて溶離液として再利用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1、比較例1,2]
図4に示す試験装置を用いて、カチオン交換膜の金属イオン透過及び電着実験を行った。図4において、図1に示す装置と同一機能を奏する部分には同一符号を付してある。
この試験装置は、電着槽1内の陽極2を備えた陽極室2Aと、陰極3を備えた陰極室3Aとをカチオン交換膜5で隔離し、陽極室2Aに酸廃液を通液し、陰極室3Aに陰極液を通液し、陽極2と陰極3間を通電することにより、陽極室2A内の液中の金属イオンをカチオン交換膜5を透過させて陰極室3A内の液中に移動させ、陰極3上に金属を析出させるものである。
CoSO・7HO及びFe(SO・nHOと10重量%硫酸を水に溶解させて表1に示す性状の模擬酸廃液を調製(SO濃度が合計で、HSO換算で5重量%となるように調製)し、また、クエン酸三アンモニウムを水に溶解させて表1に示す性状の模擬電着液(陰極液)を調製して、図1の装置を用いて、Co、Feの電着試験を行った。電着条件は表1の通りである。陽極はPtメッキTi板、陰極はCu板を使用した。
また、カチオン交換膜としては、表2に示すものを用いた。カチオン交換膜A〜Cは全て原料モノマー液を補強体に含浸させた後に重合させた均質膜であり、炭化水素系のNa型カチオン交換膜である。
16時間通電後の電着液中の硫酸イオン濃度とpHを調べ、結果を表2に示した。
また、実施例1及び比較例1における模擬酸廃液のTOC濃度の経時変化を図5に、Fe濃度の経時変化を図6に示す。
Figure 2016190225
Figure 2016190225
表2より、膜厚の厚いカチオン交換膜Aを用いた実施例1では、模擬酸廃液中の硫酸がカチオン交換膜を透過して電着液に移行するのを抑制することができていることがわかる。
また、図5より、比較例1では、電着液に鉄およびコバルトの錯形成配位子として添加したクエン酸がカチオン交換膜を透過し、模擬酸廃液に移行したために、模擬酸廃液中のTOC濃度が経時的に上昇したが、実施例1では、クエン酸のカチオン交換膜透過も抑制できていることがわかる。
また、図6より、実施例1においては、カチオン交換膜の膜厚が厚いにもかかわらず、模擬酸廃液中のFe濃度を速やかに除去できていることがわかる。
実施例1が比較例1よりもFeのカチオン交換膜の透過速度が大きい理由は不明であるが、この結果から、膜厚が大きいカチオン交換膜であっても十分な透過速度が得られることがわかった。
なお、16時間通電後に、陰極表面を確認したところ、実施例1では、銀白色の金属態のFeとCoが密着性よく電着していたが、比較例1、2では、陰極表面全体が剥離性の黒色の析出物で覆われていた。これは、比較例1、2では、電着液中の硫酸濃度が上昇し、pHが低下したために、電着阻害が起こったことによるものと考えられる。黒色の析出物は磁石につくため、Feがマグネタイトとして析出したものと考えられる。
以上の結果からも明らかなように、本発明では、放射性コバルト等の放射性金属イオンを密着性良く、安定な金属の状態で陰極に電着することが可能であるため、放射性酸廃液に適用する場合に特に効果が高い。
1 電着槽
2 陽極
2A 陽極室
3 陰極
3A 陰極室
4 電源
5 カチオン交換膜
8 溶離槽
9A,9B 熱交換器
10 酸廃液貯槽
20 陰極液貯槽
30 溶離液貯槽
40 廃イオン交換樹脂
50 電気透析槽
51 陽極室
51A 陽極
52 陰極室
52A 陰極
53 脱イオン室
54 濃縮室
60 電着槽
61 陽極室
61A 陽極
62 陰極室
62A 陰極
70 電極液貯槽
80 電着液貯槽
CM カチオン交換膜
BP バイポーラ膜
CHM 水素選択透過型カチオン交換膜

Claims (6)

  1. 酸廃液中の金属イオンを、電気透析によりカチオン交換膜を透過させて除去する酸廃液処理装置において、該カチオン交換膜の膜厚が0.25〜1mmであることを特徴とする酸廃液の処理装置。
  2. 請求項1において、前記酸廃液は、放射性金属汚染物質を酸性除染液により酸洗浄又は酸溶離した際に発生する放射性金属イオンを含む放射性酸廃液であり、前記酸廃液の処理装置により放射性金属イオンが除去された該放射性酸廃液は、前記酸性除染液として再利用されることを特徴とする酸廃液の処理装置。
  3. 請求項1又は2において、前記酸廃液中の金属イオンは、前記カチオン交換膜を透過して、該金属イオンと錯体を形成する配位子を含有する配位子含有液に移行されることを特徴とする酸廃液の処理装置。
  4. 酸廃液中の金属イオンを、電気透析により膜厚0.25〜1mmのカチオン交換膜を透過させて除去することを特徴とする酸廃液の処理方法。
  5. 請求項4において、前記酸廃液は、放射性金属汚染物質を酸性除染液により酸洗浄又は酸溶離した際に発生する放射性酸廃液であり、前記酸廃液の処理方法により該放射性酸廃液中の放射性金属イオンを除去した後、前記酸性除染液として再利用することを特徴とする酸廃液の処理方法。
  6. 請求項4又は5において、前記酸廃液中の金属イオンを、前記カチオン交換膜を透過させて、該金属イオンと錯体を形成する配位子を含有する配位子含有液に移行させることを特徴とする酸廃液の処理方法。
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