JP2016138236A - 組成物、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶配向剤として印刷性が良好な組成物の提供。【解決手段】ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルから選ばれる少なくとも一種の重合体(A)と、溶剤と、を含有する組成物であって、該溶剤が、式(b−1A)で表される化合物、式(b−1B)で表される化合物、式(b1)で表される化合物、下記式(b2)で表される化合物から選ばれる少なくとも一種である特定溶剤(B)を含む組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、組成物、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子に関する。
従来、表示素子が有する液晶配向膜や、表示素子や照明装置用の表面保護膜、層間絶縁膜等は、重合体組成物を基板上に塗布することにより作製される。例えば、液晶表示素子としては、電極構造や、使用する液晶分子の物性等が異なる種々の駆動方式のものが開発されており、TN型やSTN型、垂直配向型(VA型)、面内スイッチング型(IPS型)、FFS型、光学補償ベント型(OCB型)等の各種液晶表示素子が知られている。これら液晶表示素子は、液晶分子を配向させるための液晶配向膜を有する。液晶配向膜の材料としては、耐熱性、機械的強度、液晶との親和性等の各種特性が良好である点から、ポリアミック酸やポリイミドが一般に使用されている。
液晶配向剤などの重合体組成物において重合体成分は溶剤に溶解されており、当該液晶配向剤を基板に塗布し加熱することにより液晶配向膜が形成される。ここで、液晶配向剤の溶剤としては、重合体を均一に溶解させることを目的として、例えばN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどの非プロトン性極性溶媒が一般に使用される。また、液晶配向剤の溶剤としては通常、これらポリアミック酸等の良溶媒と共に、液晶配向剤を基板に塗布する際の液晶配向剤の塗布性(印刷性)を良好にするために、例えばブチルセロソルブなどといった、表面張力が比較的低い貧溶媒が併用される(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。
近年、液晶表示素子は、従来のようにパーソナルコンピュータ等の表示端末に使用されるだけでなく、例えば液晶テレビやカーナビゲーションシステム、携帯電話、スマートフォン、インフォメーションディスプレイなど多種の用途で使用されている。このような多用途化に伴い、液晶表示素子には、表示品位の更なる高品質化や、製品の歩留まりの向上などが求められており、駆動方式や素子構造の改良とともに、液晶表示素子の構成部材の一つである液晶配向膜や、当該液晶配向膜の形成材料である液晶配向剤の改良が進められている。例えば液晶配向剤としては、表示品位や歩留まりなどの観点において、基板上に塗布する際の塗布性(印刷性)が良好であることが求められており、印刷性を改善するための材料が種々提案されている(例えば、特許文献3や特許文献4参照)。
液晶表示素子の高性能化や歩留まり向上に対する要求は更に高まっており、液晶配向剤の印刷性についても更なる改善が求められている。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、印刷性が良好な組成物及び液晶配向剤、並びに当該液晶配向剤を用いて作製された液晶配向膜及び液晶表示素子を提供することを主たる目的とする。
本発明者らは、上記のような従来技術の課題を達成するべく鋭意検討した結果、重合体成分としてポリイミド又はその前駆体を含む組成物において、溶剤成分の少なくとも一部として特定の溶剤を用いることにより上記課題を解決可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明により以下の組成物、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子が提供される。
本発明は第1の側面において、ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)と、溶剤と、を含有する組成物であって、前記溶剤が、下記式(b−1A)で表される化合物、下記式(b−1B)で表される化合物、下記式(b1)で表される化合物、及び下記式(b2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定溶剤(B)を含む組成物を提供する。また、本発明は第2の側面において、上記重合体(A)と、溶剤と、を含有する液晶配向剤であって、前記溶剤が上記特定溶剤(B)を含む液晶配向剤を提供する。
上記組成物及び液晶配向剤は、特定溶剤(B)を溶剤成分として含むことにより、基板に対する塗布性(印刷性)が良好である。また、本発明の組成物は、液晶配向膜用途のほか、表示素子や照明装置用の絶縁膜、保護膜用途としても好適に用いることができる。
本発明の組成物及び液晶配向剤の一態様は、前記溶剤が、上記式(b−1A)で表される化合物を含むものである。また、本発明の組成物及び液晶配向剤の他の一態様は、前記溶剤が、上記式(b−1B)で表される化合物を含むものである。これらの場合、長期間、低温環境下で保管した場合にも組成物中又は配向剤中に析出物が発生しにくく、保存安定性が良好である。また、組成物又は液晶配向剤の基板に対する塗布性も良好である。さらに、液晶表示素子を狭額縁化しても良好な表示品位を示す液晶表示素子が得られる。
本発明の組成物及び液晶配向剤の他の一態様は、前記溶剤が、上記式(b1)または(b2)で表される化合物を含むものである。この場合、溶剤に対する重合体の溶解性が良好である。また、上記式(b1)または(b2)で表される化合物は、沸点が適度に高く、これにより、組成物又は液晶配向剤の基板への印刷時において、印刷機上から溶剤が揮発するのを抑制することができる。したがって、印刷機上に重合体成分が析出しにくく、その結果、印刷性(特に、長期に亘って印刷を継続して実施した場合の印刷性、以下「長期印刷性」ともいう。)を良好にすることができる。
本発明の液晶配向剤において、前記重合体(A)は、下記式(d−1)〜式(d−5)のそれぞれで表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のジアミンに由来する部分構造を有する重合体を含むことが好ましい。
(式(d−1)中、X1及びX2は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−OCO−又は−COO−であり、Y1は、酸素原子又は硫黄原子であり、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子又は保護基である。n1は0又は1であり、n2及びn3は、n1=0の場合、n2+n3=2を満たす整数であり、n1=1の場合、n2=n3=1である。式(d−2)中、X3は、単結合、−O−又は−S−であり、m1は0〜3の整数である。m2は、m1=0の場合に1〜12の整数であり、m1が1〜3の整数の場合にm2=2である。式(d−3)中、R3は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、R4は、水素原子、又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基であり、R5及びR6は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基である。式(d−4)中、X4及びX5は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−COO−又は−OCO−であり、R7は、炭素数1〜3のアルカンジイル基であり、A4は、単結合又は炭素数1〜3のアルカンジイル基である。aは0又は1であり、bは0〜2の整数であり、cは1〜20の整数であり、kは0又は1である。但し、a及びbが同時に0になることはない。式(d−5)中、A5は単結合、炭素数1〜12のアルカンジイル基又は炭素数1〜6のフルオロアルカンジイル基を示し、A6は−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−又は−CO−を示し、A7はステロイド骨格を有する1価の有機基を示す。)
液晶配向剤の重合体成分の少なくとも一部が、上記の特定のジアミンを用いて得られる重合体(A)である場合、上記効果が高く好適である。
本発明の液晶配向剤において、分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基に結合しているアミン化合物(C)が更に含有されていてもよい。
重合体成分の少なくとも一部として上記の重合体(A)を含む液晶配向剤において、添加剤として上記アミン化合物(C)を含むものとした場合、液晶配向剤を長期間、低温環境下で保管した際に上記アミン化合物(C)が配向剤中に析出するといった問題が生じることがある。この点、本構成の液晶配向剤によれば、溶剤成分として上記の特定溶剤(B)を含むものとすることにより、長期間、低温環境下で保管した場合にも配向剤中に析出物が発生しにくく、保存安定性が良好である。また、液晶配向剤の基板に対する塗布性も良好である。
本発明は第3の側面において、本発明の液晶配向剤により形成された液晶配向膜を提供する。また、本発明は第4の側面において、当該液晶配向膜を具備する液晶表示素子を提供する。当該液晶配向膜は、印刷性が良好な液晶配向剤を用いて形成されていることから、液晶表示素子の歩留まりを高めることができる。
≪組成物及び液晶配向剤≫
本発明に係る組成物及び液晶配向剤は、重合体成分として、ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)を含んでおり、当該重合体(A)が溶剤に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。本発明に係る組成物は、好ましくは液晶配向剤である。
本発明に係る組成物及び液晶配向剤は、重合体成分として、ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)を含んでおり、当該重合体(A)が溶剤に分散又は溶解してなる液状の組成物として調製される。本発明に係る組成物は、好ましくは液晶配向剤である。
≪重合体(A)≫
<ポリアミック酸>
本発明におけるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。
<ポリアミック酸>
本発明におけるポリアミック酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより得ることができる。
[テトラカルボン酸二無水物]
ポリアミック酸の合成に用いるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、
脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、下記式(t−1)
(式(t−1)中、X7、X8、X9及びX10は、それぞれ独立に、単結合又はメチレン基であり、jは1〜3の整数である。)
で表される化合物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、テトラカルボン酸二無水物は、上記のものを1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ポリアミック酸の合成に用いるテトラカルボン酸二無水物としては、例えば脂肪族テトラカルボン酸二無水物、脂環式テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。これらの具体例としては、
脂肪族テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物などを;
脂環式テトラカルボン酸二無水物として、例えば1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]フラン−1,3−ジオン、3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,5,6−トリカルボキシ−2−カルボキシメチルノルボルナン−2:3,5:6−二無水物、4,9−ジオキサトリシクロ[5.3.1.02,6]ウンデカン−3,5,8,10−テトラオン、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、下記式(t−1)
で表される化合物などを;
芳香族テトラカルボン酸二無水物として、例えばピロメリット酸二無水物などを;それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。なお、テトラカルボン酸二無水物は、上記のものを1種単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ここで、上記式(t−1)で表される化合物としては、例えばビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4.3.0]ノナン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4.4.0]デカン−2,4,7,9−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[4.4.0]デカン−2,4,8,10−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[6.3.0.0<2,6>]ウンデカン−3,5,9,11−テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。上記式(t−1)で表される化合物としては、中でも、液晶配向膜用途において液晶配向の安定性を高くする観点から、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物としては、上記の中でも、上記式(t−1)で表される化合物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物及びピロメリット酸二無水物よりなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物(以下、特定テトラカルボン酸二無水物ともいう。)を少なくとも使用することが好ましい。上記特定テトラカルボン酸二無水物を使用する場合、特定テトラカルボン酸二無水物の合計の使用量は、ポリアミック酸の合成に使用するテトラカルボン酸二無水物の全量に対して、10モル%以上であることが好ましく、20〜100モル%であることがより好ましい。なお、特定テトラカルボン酸二無水物をモノマー組成に含む重合により、特定テトラカルボン酸二無水物に由来する部分構造を有する重合体が得られる。
[ジアミン]
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、上記式(d−1)で表される化合物、上記式(d−2)で表される化合物、上記式(d−3)で表される化合物、上記式(d−4)で表される化合物、及び上記式(d−5)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のジアミン(以下、「特定ジアミン」ともいう。)を含むことが好ましい。
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、上記式(d−1)で表される化合物、上記式(d−2)で表される化合物、上記式(d−3)で表される化合物、上記式(d−4)で表される化合物、及び上記式(d−5)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のジアミン(以下、「特定ジアミン」ともいう。)を含むことが好ましい。
(式(d−1)で表される化合物)
上記式(d−1)において、R11及びR12の炭素数1〜3のアルカンジイル基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,3−ジイル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、メチレン基、エチレン基又はプロパン−1,3−ジイル基である。
X1及びX2は、単結合、−O−、−S−、−OCO−又は−COO−である。なお、X1とX2は、同一でも異なっていてもよい。これらの中でも、単結合、−O−又は−S−であることが好ましい。
Y1は、酸素原子又は硫黄原子である。好ましくは、酸素原子である。
R8及びR9の保護基は、熱により脱離する基であることが好ましく、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基等が挙げられる。R8及びR9の保護基としては、中でもカルバメート系保護基が好ましく、具体例としては、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−ハロエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−シアノエチルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基などが挙げられる。これらのうち、熱による脱離性が高い点や、脱保護された部分の膜中での残存量を少なくできる点でtert−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
上記式(d−1)において、R11及びR12の炭素数1〜3のアルカンジイル基としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,3−ジイル基等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、メチレン基、エチレン基又はプロパン−1,3−ジイル基である。
X1及びX2は、単結合、−O−、−S−、−OCO−又は−COO−である。なお、X1とX2は、同一でも異なっていてもよい。これらの中でも、単結合、−O−又は−S−であることが好ましい。
Y1は、酸素原子又は硫黄原子である。好ましくは、酸素原子である。
R8及びR9の保護基は、熱により脱離する基であることが好ましく、例えばカルバメート系保護基、アミド系保護基、イミド系保護基、スルホンアミド系保護基等が挙げられる。R8及びR9の保護基としては、中でもカルバメート系保護基が好ましく、具体例としては、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−ハロエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−シアノエチルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基などが挙げられる。これらのうち、熱による脱離性が高い点や、脱保護された部分の膜中での残存量を少なくできる点でtert−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
式(d−1)で表される化合物が有する2つの一級アミノ基は、n1=0の場合、同一のベンゼン環に結合されていてもよいし、2つの異なるベンゼン環に1つずつ結合されていてもよい。一方、n1=1の場合、2つの一級アミノ基は、異なるベンゼン環にそれぞれ1つずつ結合されている。
ベンゼン環上の1級アミノ基の結合位置は特に限定しない。例えば、ベンゼン環上の一級アミノ基が1つの場合、その結合位置は、他の基に対して、2−位、3−位、4−位のいずれでもよく、3−位又は4−位であることが好ましく、4−位であることがより好ましい。また、ベンゼン環上の1級アミノ基が2つの場合、その結合位置は、他の基に対して、例えば2,4−位、2,5−位等が挙げられ、中でも2,4−位が好ましい。
1級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。この場合の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基(フェニル基、トリル基など)、炭素数5〜10のアラルキル基(ベンジル基など)等が挙げられる。
ベンゼン環上の1級アミノ基の結合位置は特に限定しない。例えば、ベンゼン環上の一級アミノ基が1つの場合、その結合位置は、他の基に対して、2−位、3−位、4−位のいずれでもよく、3−位又は4−位であることが好ましく、4−位であることがより好ましい。また、ベンゼン環上の1級アミノ基が2つの場合、その結合位置は、他の基に対して、例えば2,4−位、2,5−位等が挙げられ、中でも2,4−位が好ましい。
1級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。この場合の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルケニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数5〜10のアリール基(フェニル基、トリル基など)、炭素数5〜10のアラルキル基(ベンジル基など)等が挙げられる。
なお、本明細書における「炭化水素基」は、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。また、「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基を意味する。なお、鎖状構造は飽和でも不飽和でもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
上記式(d−1)で表される化合物の好ましい具体例としては、n1=0である化合物として、例えば4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,4−ジアミノジフェニルアミン等を;n1=1である化合物として、例えば1,3−ビス(4−アミノベンジル)ウレア、1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア、1,3−ビス(3−アミノベンジル)ウレア、1−(4−アミノベンジル)−3−(4−アミノフェネチル)ウレア、1,3−ビス(2−(4−アミノフェノキシ)エチル)ウレア、1,3−ビス(3−(4−アミノフェノキシ)プロピル)ウレア、1,3−ビス(4−アミノベンジル)チオウレア、1,3−ビス(2−アミノベンジル)ウレア、1,3−ビス(2−アミノフェネチル)ウレア、1,3−ビス(2−(2−アミノベンゾイルオキシ)エチル)ウレア、1,3−ビス(3−(2−アミノベンゾイルオキシ)プロピル)ウレア等を;それぞれ挙げることができる。なお、上記式(d−1)で表される化合物としては、これらの化合物を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(式(d−2)で表される化合物)
上記式(d−2)において、X3は、単結合、−O−又は−S−であり、好ましくは単結合又は−O−である。
m1=0の場合、m2は1〜12の整数である。この場合、得られる重合体の耐熱性を良好にする観点からすると、好ましくはm2が1〜10であり、より好ましくは1〜8である。また、液晶配向膜の用途において、良好な液晶配向性を保持しつつラビング耐性を良好にする観点では、m1=0であることが好ましく、液晶分子のプレチルト角を小さくする観点では、m1は1〜3の整数であることが好ましい。
ベンゼン環上の1級アミノ基の結合位置は特に限定しないが、各々の1級アミノ基が、他の基に対して3−位又は4−位であることが好ましく、4−位がより好ましい。なお、1級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。
上記式(d−2)において、X3は、単結合、−O−又は−S−であり、好ましくは単結合又は−O−である。
m1=0の場合、m2は1〜12の整数である。この場合、得られる重合体の耐熱性を良好にする観点からすると、好ましくはm2が1〜10であり、より好ましくは1〜8である。また、液晶配向膜の用途において、良好な液晶配向性を保持しつつラビング耐性を良好にする観点では、m1=0であることが好ましく、液晶分子のプレチルト角を小さくする観点では、m1は1〜3の整数であることが好ましい。
ベンゼン環上の1級アミノ基の結合位置は特に限定しないが、各々の1級アミノ基が、他の基に対して3−位又は4−位であることが好ましく、4−位がより好ましい。なお、1級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。
上記式(d−2)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えばビス(4−アミノフェノキシ)メタン、ビス(4−アミノフェノキシ)エタン、ビス(4−アミノフェノキシ)プロパン、ビス(4−アミノフェノキシ)ブタン、ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン、ビス(4−アミノフェノキシ)ヘキサン、ビス(4−アミノフェノキシ)ヘプタン、ビス(4−アミノフェノキシ)オクタン、ビス(4−アミノフェノキシ)ノナン、ビス(4−アミノフェノキシ)デカン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)エタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、ビス(4−アミノフェニル)ブタン、ビス(4−アミノフェニル)ペンタン、ビス(4−アミノフェニル)ヘキサン、ビス(4−アミノフェニル)ヘプタン、ビス(4−アミノフェニル)オクタン、ビス(4−アミノフェニル)ノナン、ビス(4−アミノフェニル)デカン、1,3−ビス(4−アミノフェニルスルファニル)プロパン、1,4−ビス(4−アミノフェニルスルファニル)ブタン等を挙げることができる。なお、上記式(d−2)で表される化合物としては、これら例示の化合物を1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(式(d−3)で表される化合物)
上記式(d−3)において、R3は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。R3の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。R3の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。R3は、鎖状炭化水素基であることが好ましく、炭素−炭素二重結合を含む鎖状炭化水素基であることがより好ましく、アルケニル基であることが更に好ましい。
上記式(d−3)において、R3は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。R3の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基などが挙げられる。R3の炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることがより好ましい。R3は、鎖状炭化水素基であることが好ましく、炭素−炭素二重結合を含む鎖状炭化水素基であることがより好ましく、アルケニル基であることが更に好ましい。
R4は、水素原子又は炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。当該炭化水素基としては、炭素数1〜12の鎖状炭化水素基、炭素数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素数5〜12の芳香族炭化水素基を挙げることができ、その具体例としては、上記R3の説明で例示した基を挙げることができる。R4としては、水素原子又は炭素数1〜12の鎖状炭化水素基であることが好ましい。また、R4における炭化水素基は、炭素数1〜6であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましい。
R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、共に水素原子であることが好ましい。
R5及びR6は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であり、共に水素原子であることが好ましい。
上記式(d−3)のジアミノフェニル基において、2つの一級アミノ基の結合位置は特に限定しないが、ベンゼン環に結合するN−アリル構造を有する基に対して、2,4−位又は2,5−位であることが好ましく、2,4−位であることがより好ましい。なお、一級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。
上記式(d−3)で表される化合物の好ましい具体例としては、例えば2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、2,5−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン、下記式(d−3−1)〜(d−3−3)のそれぞれで表される化合物等を挙げることができる。なお、上記式(d−3)で表される化合物は1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(式(d−4)で表される化合物)
式(d−4)において、「−X4−(R7−X5)k−」で表される二価の基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−又は*−O−C2H4−O−(但し、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。
基「−CcH2c+1」は、直鎖状であることが好ましく、その具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などを挙げることができる。
ジアミノフェニル基における2つの一級アミノ基は、基「X4」に対して2,4−位又は3,5−位であることが好ましく、2,4−位であることがより好ましい。なお、一級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。
式(d−4)において、「−X4−(R7−X5)k−」で表される二価の基としては、炭素数1〜3のアルカンジイル基、*−O−、*−COO−又は*−O−C2H4−O−(但し、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。
基「−CcH2c+1」は、直鎖状であることが好ましく、その具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などを挙げることができる。
ジアミノフェニル基における2つの一級アミノ基は、基「X4」に対して2,4−位又は3,5−位であることが好ましく、2,4−位であることがより好ましい。なお、一級アミノ基が結合するベンゼン環上の水素原子は、炭素数1〜10の1価の炭化水素基、若しくは該炭化水素基上の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された1価の基、又はフッ素原子で置換されていてもよい。
(式(d−5)で表される化合物)
式(d−5)において、A5は単結合、炭素数1〜12のアルカンジイル基又は炭素数1〜6のフルオロアルカンジイル基を示し、A6は−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−又は−CO−を示し、A7はステロイド骨格を有する1価の有機基を示す。
上記式(d−5)のA5における炭素数1〜12のアルカンジイル基としては、炭素数1〜4のアルカンジイル基が好ましく、メチレン基、エチレン基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基がより好ましい。炭素数1〜6のフルオロアルカンジイル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンジイル基が好ましく、−CF2−、パーフルオロエチレン基、1,3−パーフルオロプロパンジイル基、1,4−パーフルオロブタンジイル基がより好ましい。
A6としては、−O−が好ましい。
A7におけるステロイド骨格とは、シクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核からなる構造又はその炭素−炭素結合の一つもしくは二つ以上が二重結合となった構造をいう。かかるステロイド骨格を有する1価の有機基としては、炭素数17〜40のものが好ましい。
式(d−5)において、A5は単結合、炭素数1〜12のアルカンジイル基又は炭素数1〜6のフルオロアルカンジイル基を示し、A6は−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−又は−CO−を示し、A7はステロイド骨格を有する1価の有機基を示す。
上記式(d−5)のA5における炭素数1〜12のアルカンジイル基としては、炭素数1〜4のアルカンジイル基が好ましく、メチレン基、エチレン基、1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基がより好ましい。炭素数1〜6のフルオロアルカンジイル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンジイル基が好ましく、−CF2−、パーフルオロエチレン基、1,3−パーフルオロプロパンジイル基、1,4−パーフルオロブタンジイル基がより好ましい。
A6としては、−O−が好ましい。
A7におけるステロイド骨格とは、シクロペンタノ−ペルヒドロフェナントレン核からなる構造又はその炭素−炭素結合の一つもしくは二つ以上が二重結合となった構造をいう。かかるステロイド骨格を有する1価の有機基としては、炭素数17〜40のものが好ましい。
上記式(d−5)で表される化合物の好ましい具体例としては、液晶配向膜の用途において塗膜に高いプレチルト角を与える点から、1−コレステリロキシメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−コレステリロキシメチル−3,5−ジアミノベンゼン、1−(1−コレステリロキシ−1,1−ジフルオロメチル)−2,4−ジアミノベンゼン、1−(1−コレステリロキシ−1,1−ジフルオロメチル)−3,5−ジアミノベンゼン、1−(1−コレスタニロキシ−1,1−ジフルオロメチル)−2,4−ジアミノベンゼン、1−(1−コレスタニロキシ−1,1−ジフルオロメチル)−3,5−ジアミノベンゼン、3−(2,4−ジアミノフェニルメトキシ)−4,4−ジメチルコレスタン、3−(1−(2,4−ジアミノフェニル)−1,1−ジフルオロメトキシ)−4,4−ジメチルコレスタン、3−(3,5−ジアミノフェニルメトキシ)−4,4−ジメチルコレスタン、3−(1−(3,5−ジアミノフェニル)−1,1−ジフルオロメトキシ)−4,4−ジメチルコレスタン、3−((2,4−ジアミノフェニル)メトキシ)コラン−24−酸 ヘキサデシル、3−(1−(2,4−ジアミノフェニル)−1,1−ジフルオロメトキシ)コラン−24−酸 ヘキサデシル、3−((3,5−ジアミノフェニル)メトキシ)コラン−24−酸 ヘキサデシル、3−(1−(3,5−ジアミノフェニル)−1,1−ジフルオロメトキシ)コラン−24−酸 ヘキサデシル、3−(2,4−ジアミノフェニルメトキシ)コラン−24−酸 ステアリル、3−(1−(2,4−ジアミノフェニル)−1,1−ジフルオロメトキシ)コラン−24−酸 ステアリル、3−(3,5−ジアミノフェニルメトキシ)コラン−24−酸 ステアリル、3−(1−(3,5−ジアミノフェニル)−1,1−ジフルオロメトキシ)コラン−24−酸 ステアリル、1−コレステリロキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレステリル、1−コレスタニロキシ−2,4−ジアミノベンゼン及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニルよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましく、さらにこれらのうち、少ない使用割合で高いプレチルト角を与える点から、1−コレステリロキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレステリル、1−コレスタニロキシ−2,4−ジアミノベンゼン及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニルよりなる群から選択される1種以上を使用することが特に好ましい。
ポリアミック酸の合成に際し、特定ジアミンとしては、製造する液晶表示素子の駆動モードに応じて上記化合物の中から適宜選択して使用することができる。具体的には、上記特定ジアミンとして上記式(d−1)で表される化合物を用いることにより、FFS(Fringe Field Switching)型の液晶表示素子用に好適な液晶配向剤を製造することができる。また、上記式(d−2)で表される化合物及び上記式(d−3)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することにより、TN(Twisted Nematic)型の液晶表示素子用に好適な液晶配向剤を製造することができ、上記式(d−4)で表される基及び上記式(d−5)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を使用することにより、垂直配向型の液晶表示素子用に好適な液晶配向剤を製造することができる。
(他のジアミン)
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、上記の特定ジアミン以外の化合物(他のジアミン)を使用してもよい。当該他のジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これら他のジアミンの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
ポリアミック酸の合成に使用するジアミンとしては、上記の特定ジアミン以外の化合物(他のジアミン)を使用してもよい。当該他のジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。これら他のジアミンの具体例としては、脂肪族ジアミンとして、例えばメタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;脂環式ジアミンとして、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)などを;
芳香族ジアミンとして、例えばp−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−5−アミン、1−(4−アミノフェニル)−2,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−1H−インデン−6−アミン、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパンなどを;
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。なお、これらの他のジアミンは、1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ジアミノオルガノシロキサンとして、例えば、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特開2010−97188号公報に記載のジアミンを用いることができる。なお、これらの他のジアミンは、1種を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
重合体(A)が、特定ジアミンに由来する部分構造を有する重合体(以下、「特定重合体」ともいう。)を含む場合において、特定重合体の含有割合は、印刷性の観点から、組成物又は液晶配向剤に含有される重合体成分の全量100重量部に対して、50重量部以上とすることが好ましく、70重量部以上とすることがより好ましく、80重量部以上とすることがさらに好ましく、90重量部以上とすることが特に好ましい。
本発明に係る液晶配向剤中に、添加剤として下記に詳述する特定のアミン化合物(C)を含む場合、重合体(A)は、カルボキシル基を有するジアミン(以下、「カルボキシル基含有ジアミン」ともいう。)に由来する部分構造を有する重合体を含むことが好ましい。かかる重合体は、例えばポリアミック酸の場合には、ポリアミック酸の合成に使用する上記他のジアミンの少なくとも一部として、カルボキシル基含有ジアミンを用いることにより得ることができる。当該カルボキシル基含有ジアミンは芳香族ジアミンであることが好ましく、具体的には、例えば下記式(e1−1)及び式(e1−2)のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
(式(e1−1)及び式(e1−2)中、R20は、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基であり、Z1は、単結合、酸素原子又は炭素数1〜3のアルカンジイル基である。r2、r5及びr6は、それぞれ独立に1又は2の整数であり、r1、r3及びr4は、それぞれ独立に0〜2の整数であり、r7及びr8は、それぞれ独立に、r7+r8=2を満たす0〜2の整数である。但し、r3+r5+r7≦5であり、r4+r6+r8≦5である。式中、複数のR20が存在する場合、それらR20は独立して上記定義を有する。)
式(e1−1)及び式(e1−2)について、R20における炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基などが挙げられる。
Z1における炭素数1〜3のアルカンジイル基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基などを挙げることができる。
r1、r3及びr4は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
Z1における炭素数1〜3のアルカンジイル基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基などを挙げることができる。
r1、r3及びr4は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
カルボキシル基含有ジアミンの具体例としては、下記式(e1−1)で表される化合物として、例えば3,5−ジアミノ安息香酸、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸などを;下記式(e1−2)で表される化合物として、例えば4,4’−ジアミノビフェニル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−2,2’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、3,3’−ジアミノビフェニル−2,4’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノビフェニル−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルメタン−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエタン−3−カルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル−3−カルボン酸などを;挙げることができる。
ポリアミック酸を合成する際の特定ジアミンの使用量は、使用する化合物に応じて任意に設定することができる。例えば、上記式(d−1)で表される化合物を使用する場合、その使用量は、全ジアミンに対して、10モル%以上とすることが好ましく、30モル%以上とすることがより好ましい。また、上記式(d−2)で表される化合物を使用する場合、液晶分子に対して低い傾斜配向角を付与する観点から、その使用量は、全ジアミンに対して、10モル%以上とすることが好ましく、30モル%以上とすることがより好ましく、50モル%以上とすることが更に好ましい。
上記式(d−3)で表される化合物を使用する場合、電圧保持率の安定性を良好にする観点から、その使用量は、全ジアミンに対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましい。
上記式(d−3)で表される化合物を使用する場合、電圧保持率の安定性を良好にする観点から、その使用量は、全ジアミンに対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましい。
上記式(d−4)で表される化合物及び上記式(d−5)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種を使用する場合、良好な配向性を付与する観点から、その使用量(2種以上の化合物を使用する場合にはその合計量)は、全ジアミンに対して、5モル%以上とすることが好ましく、10モル%以上とすることがより好ましい。なお、特定ジアミンとしては、上記で例示した化合物のうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記他のジアミンとしてカルボキシル基含有ジアミンを使用する場合、その使用割合は、全ジアミンに対して、カルボキシル基含有ジアミンを5モル%以上とすることが好ましく、10〜90モル%がより好ましく、10〜70モル%が更に好ましい。
上記他のジアミンとしてカルボキシル基含有ジアミンを使用する場合、その使用割合は、全ジアミンに対して、カルボキシル基含有ジアミンを5モル%以上とすることが好ましく、10〜90モル%がより好ましく、10〜70モル%が更に好ましい。
TN型の液晶表示素子用の液晶配向剤につき、ポリアミック酸の合成に際しては、液晶分子に対し適度な傾斜配向角を付与することを目的として、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンと共に、下記式(m−1)で表されるモノアミンを使用してもよい。
(式(m−1)中、R23は、炭素数6〜20のアルキル基又はアルコキシ基であり、R24は2価の有機基であり、hは0又は1である。)
上記式(m−1)において、R23の炭素数6〜20のアルキル基としては、例えばヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられ、これらは直鎖状でも分岐状でもよい。炭素数6〜20のアルコキシ基としては、例えば、上記例示の炭素数6〜20のアルキル基が酸素原子に結合した基(−OR23)等が挙げられる。
R24における2価の有機基としては、例えば2価の鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基などの2価の炭化水素基、炭化水素基における炭素−炭素結合間に、−O−、−CO−、−COO−、−S−などの官能基を有する基、複素環含有基などが挙げられる。ここで、2価の炭化水素基の具体例としては、鎖状炭化水素基として、例えばメチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基、ウンデカンジイル基、ドデカンジイル基、トリデカンジイル基、テトラデカンジイル基、ペンタデカンジイル基、オクタデカンジイル基、イコシレン基、ビニレン基、プロペンジイル基、ブテンジイル基、ペンテンジイル基、エチニレン基、プロピニレン基などを;脂環式炭化水素基として、例えばシクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基、シクロヘキセニレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロノニレン基、シクロデシレン基、シクロウンデシレン基、シクロドデシレン基、シクロトリデシレン基、シクロテトラデシレン基、シクロペンタデシレン基、シクロオクタデシレン基、シクロイコシレン基、ビシクロへキシレン基、ノルボルニレン基、アダマンチレン基などを;芳香族炭化水素基として、例えばフェニレン基、ビフェニレン基等を;それぞれ挙げることができる。R24は、中でも、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基又は芳香族炭化水素基であることが好ましい。
上記式(m−1)で表されるモノアミンの好ましい具体例としては、例えばn−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、1,3−ジメチルブチルアミン、1,5−ジメチルヘキシルアミン、2−エチルへキシルアミン等の脂肪族モノアミン;p−アミノフェニルヘキサン、p−アミノフェニルオクタン、p−アミノフェニルドデカン、p−アミノフェニルヘキサデカン、p−アミノフェノキシオクタン、p−アミノフェノキシドデカン、p−アミノフェノキシヘキサデカン等の芳香族モノアミン;などが挙げられる。
上記モノアミンの使用割合は、製造した液晶セル内で遊離したモノアミンが表示特性に影響を及ぼすことを抑制する観点から、使用するテトラカルボン酸二無水物をaモル、ジアミンをbモル、モノアミンをcモルとした場合に「2(a−b)≧c>0」を満たすことが好ましい。
なお、上記式(m−1)で表されるモノアミンは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応後、その反応生成物に対して反応、重合させてもよいし、あるいはテトラカルボン酸二無水物とジアミンとモノアミンとの三成分を同時に反応、重合させてもよい。
なお、上記式(m−1)で表されるモノアミンは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応後、その反応生成物に対して反応、重合させてもよいし、あるいはテトラカルボン酸二無水物とジアミンとモノアミンとの三成分を同時に反応、重合させてもよい。
[分子量調節剤]
ポリアミック酸を合成するに際して、上記の如きテトラカルボン酸二無水物及びジアミンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく液晶配向剤の塗布性(印刷性)をさらに改善することができる。
ポリアミック酸を合成するに際して、上記の如きテトラカルボン酸二無水物及びジアミンとともに、適当な分子量調節剤を用いて末端修飾型の重合体を合成することとしてもよい。かかる末端修飾型の重合体とすることにより、本発明の効果を損なうことなく液晶配向剤の塗布性(印刷性)をさらに改善することができる。
分子量調節剤としては、例えば酸一無水物、モノアミン化合物、モノイソシアネート化合物などを挙げることができる。これらの具体例としては、酸一無水物として、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルサクシニック酸無水物、n−ドデシルサクシニック酸無水物、n−テトラデシルサクシニック酸無水物、n−ヘキサデシルサクシニック酸無水物などを;モノアミン化合物として、例えばアニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、上記式(m−1)で表される化合物などを;モノイソシアネート化合物として、例えばフェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネートなどを、それぞれ挙げることができる。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
分子量調節剤の使用割合は、使用するテトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、10重量部以下とすることがより好ましい。
<ポリアミック酸の合成>
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの使用割合は、ジアミンのアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、0.3〜1.2当量となる割合がより好ましい。
ポリアミック酸の合成反応は、好ましくは有機溶媒中において行われる。このときの反応温度は−20℃〜150℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。また、反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.5〜12時間がより好ましい。
ここで、有機溶媒としては、例えば非プロトン性極性溶媒、フェノール系溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素、炭化水素等が挙げられる。
これら有機溶媒の具体例としては、上記非プロトン性極性溶媒として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどを;上記フェノール系溶媒として、例えば、フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノールなどを;
これら有機溶媒の具体例としては、上記非プロトン性極性溶媒として、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミドなどを;上記フェノール系溶媒として、例えば、フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノールなどを;
上記アルコールとして、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどを;上記ケトンとして、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどを;上記エステルとして、例えば、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、シュウ酸ジエチル、マロン酸ジエチル、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレートなどを;
上記エーテルとして、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジイソペンチルエーテルなどを;
上記ハロゲン化炭化水素として、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなどを;上記炭化水素として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを;それぞれ挙げることができる。その他、特定溶剤(B)を使用することもできる。
上記エーテルとして、例えば、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、ジイソペンチルエーテルなどを;
上記ハロゲン化炭化水素として、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼンなどを;上記炭化水素として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどを;それぞれ挙げることができる。その他、特定溶剤(B)を使用することもできる。
これらの有機溶媒のうち、非プロトン性極性溶媒及びフェノール系溶媒よりなる群(有機溶媒A)から選択される一種以上、又は、有機溶媒Aから選択される一種以上と、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、ハロゲン化炭化水素及び炭化水素よりなる群(有機溶媒B)から選択される一種以上との混合物を使用することが好ましい。後者の場合、有機溶媒Bの使用割合は、有機溶媒A及び有機溶媒Bの合計量に対して、好ましくは50重量%以下であり、より好ましくは40重量%以下であり、更に好ましくは30重量%以下である。有機溶媒の使用量(a)は、テトラカルボン酸二無水物及びジアミンの合計量(b)が、反応溶液の全量(a+b)に対して0.1〜50重量%になるような量とすることが好ましい。
以上のようにして、ポリアミック酸を溶解してなる反応溶液が得られる。この反応溶液はそのまま液晶配向剤等の組成物の調製に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで液晶配向剤等の調製に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえで液晶配向剤等の調製に供してもよい。ポリアミック酸を脱水閉環してポリイミドとする場合には、上記反応溶液をそのまま脱水閉環反応に供してもよく、反応溶液中に含まれるポリアミック酸を単離したうえで脱水閉環反応に供してもよく、又は単離したポリアミック酸を精製したうえで脱水閉環反応に供してもよい。ポリアミック酸の単離及び精製は公知の方法に従って行うことができる。
<ポリイミド>
本発明に係るポリイミドは、上記の如くして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
本発明に係るポリイミドは、上記の如くして合成されたポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得ることができる。
上記ポリイミドは、その前駆体であるポリアミック酸が有していたアミック酸構造のすべてを脱水閉環した完全イミド化物であってもよく、アミック酸構造の一部のみを脱水閉環し、アミック酸構造とイミド環構造が併存する部分イミド化物であってもよい。本発明におけるポリイミドは、そのイミド化率が30%以上であることが好ましく、40〜99%であることがより好ましく、50〜99%であることが更に好ましい。このイミド化率は、ポリイミドのアミック酸構造の数とイミド環構造の数との合計に対するイミド環構造の数の占める割合を百分率で表したものである。ここで、イミド環の一部がイソイミド環であってもよい。
ポリアミック酸の脱水閉環は、好ましくはポリアミック酸を加熱する方法により、又はポリアミック酸を有機溶媒に溶解し、この溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加し必要に応じて加熱する方法により行われる。このうち、後者の方法によることが好ましい。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
上記ポリアミック酸の溶液中に脱水剤及び脱水閉環触媒を添加する方法において、脱水剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸などの酸無水物を用いることができる。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸のアミック酸構造の1モルに対して0.01〜20モルとすることが好ましい。脱水閉環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の3級アミンを用いることができる。脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して0.01〜10モルとすることが好ましい。脱水閉環反応に用いられる有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられるものとして例示した有機溶媒を挙げることができる。脱水閉環反応の反応温度は、好ましくは0〜180℃であり、より好ましくは10〜150℃である。反応時間は、好ましくは1.0〜120時間であり、より好ましくは2.0〜30時間である。
このようにしてポリイミドを含有する反応溶液が得られる。この反応溶液は、そのまま液晶配向剤等の組成物の調製に供してもよく、反応溶液から脱水剤及び脱水閉環触媒を除いたうえで液晶配向剤等の調製に供してもよく、ポリイミドを単離したうえで液晶配向剤等の調製に供してもよく、又は単離したポリイミドを精製したうえで液晶配向剤等の調製に供してもよい。これらの精製操作は公知の方法に従って行うことができる。
<ポリアミック酸エステル>
本発明の液晶配向剤等の組成物に含有されるポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸と、水酸基含有化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させることにより合成する方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法、によって得ることができる。
本発明の液晶配向剤等の組成物に含有されるポリアミック酸エステルは、例えば、[I]上記合成反応により得られたポリアミック酸と、水酸基含有化合物、ハロゲン化物、エポキシ基含有化合物等とを反応させることにより合成する方法、[II]テトラカルボン酸ジエステルとジアミンとを反応させる方法、[III]テトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物とジアミンとを反応させる方法、によって得ることができる。
ここで、方法[I]で使用する水酸基含有化合物としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;フェノール、クレゾール等のフェノール類などが挙げられる。また、ハロゲン化物としては、例えば臭化メチル、臭化エチル、臭化ステアリル、塩化メチル、塩化ステアリル、1,1,1−トリフルオロ−2−ヨードエタン等が挙げられ、エポキシ基含有化合物としては、例えばプロピレンオキシド等が挙げられる。方法[II]で使用するテトラカルボン酸ジエステルは、例えば上記ポリアミック酸の合成で例示したテトラカルボン酸二無水物を上記のアルコール類を用いて開環することにより得ることができる。また、方法[III]で使用するテトラカルボン酸ジエステルジハロゲン化物は、上記の如くして得たテトラカルボン酸ジエステルを、塩化チオニル等の適当な塩素化剤と反応させることにより得ることができる。方法[II]及び[III]で使用するジアミンとしては、上記ポリアミック酸の合成で例示した特定ジアミン及びその他のジアミンを用いることができ、特定ジアミンを含むことが好ましい。なお、ポリアミック酸エステルは、アミック酸エステル構造のみを有していてもよく、アミック酸構造とアミック酸エステル構造とが併存する部分エステル化物であってもよい。
<溶液粘度及び重量平均分子量>
以上のようにして得られるポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルは、これを濃度10重量%の溶液としたときに、10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
還元粘度は、均一な塗膜を形成することができる範囲であれば特に限定されないが、0.05〜3.0dl/gであることが好ましく、0.1〜2.5dl/gであることがより好ましく、0.3〜1.5dl/gであることが更に好ましい。
本発明に係る液晶配向剤等の組成物に含有させるポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、500〜100,000であることが好ましく、1,000〜50,000であることがより好ましい。
以上のようにして得られるポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルは、これを濃度10重量%の溶液としたときに、10〜800mPa・sの溶液粘度を持つものであることが好ましく、15〜500mPa・sの溶液粘度を持つものであることがより好ましい。なお、上記重合体の溶液粘度(mPa・s)は、当該重合体の良溶媒(例えばγ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなど)を用いて調製した濃度10重量%の重合体溶液につき、E型回転粘度計を用いて25℃において測定した値である。
還元粘度は、均一な塗膜を形成することができる範囲であれば特に限定されないが、0.05〜3.0dl/gであることが好ましく、0.1〜2.5dl/gであることがより好ましく、0.3〜1.5dl/gであることが更に好ましい。
本発明に係る液晶配向剤等の組成物に含有させるポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルについて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、500〜100,000であることが好ましく、1,000〜50,000であることがより好ましい。
≪溶剤≫
本発明に係る組成物及び液晶配向剤は、溶剤成分として、上記式(b−1A)で表される化合物、上記式(b−1B)で表される化合物、上記式(b1)で表される化合物、及び上記式(b2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定溶剤(B)を含有する。このような特定溶剤(B)を液晶配向剤等の組成物中に含有させることにより、液晶配向剤等の基板に対する塗布性を良好にすることができる。
本発明に係る組成物及び液晶配向剤は、溶剤成分として、上記式(b−1A)で表される化合物、上記式(b−1B)で表される化合物、上記式(b1)で表される化合物、及び上記式(b2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定溶剤(B)を含有する。このような特定溶剤(B)を液晶配向剤等の組成物中に含有させることにより、液晶配向剤等の基板に対する塗布性を良好にすることができる。
<1>上記式(b−1A)で表される化合物
上記式(b−1A)で表される化合物を液晶配向剤等の組成物中に含有させることにより、液晶配向剤等の基板に対する塗布性及び液晶配向剤等の保存安定性を良好にすることができる。また、液晶表示素子を狭額縁化した際にも良好な表示品位を保つことができる。
上記式(b−1A)で表される化合物を液晶配向剤等の組成物中に含有させることにより、液晶配向剤等の基板に対する塗布性及び液晶配向剤等の保存安定性を良好にすることができる。また、液晶表示素子を狭額縁化した際にも良好な表示品位を保つことができる。
上記式(b−1A)で表される化合物について、X、Yはそれぞれ独立に−COO−または−OCO−である。A,C1は、それぞれ独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜4の直鎖状または分岐状のアルキル基である。Bは炭素数1〜12の2価の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜6のアルキレン基である。
ここで、例えば液晶配向剤は、製造してから出荷するまでの間、通常、ポリアミック酸やポリイミドの劣化を防ぐために極低温環境下で(例えば−15℃で)保管される。ところが、長期間低温で保管した液晶配向剤中には、溶液中に析出物が発生することがある。また、一度析出した析出物は再溶解されにくく、液晶表示素子の製造プロセスにおいて印刷不良などの不具合を引き起こすおそれがある。このような析出物の発生の原因は定かではないが、液晶配向剤の溶剤成分として一般に使用されているブチルセロソルブが一因であると推測される。そのため、基板に対する塗布性を良好にするための溶剤として、ブチルセロソルブに替わる新たな有機溶媒を見出すことが求められている。
液晶ディスプレイは、液晶配向膜を形成した一対の基板を対向配置し、その対向配置した一対の基板間に液晶を配置することにより製造される。その際、一対の基板はエポキシ樹脂などのシール剤を用いて貼り合わされる。スマートフォンやタブレットPCに代表されるタッチパネル式の表示パネルにおいて、そのタッチパネルの可動面積をより広く、かつ液晶パネル(素子)の小型化を両立させるため、狭額縁化を図ることが試みられている。この液晶パネルの狭額縁化に伴い、シール剤周辺で表示ムラが視認される場合があり、表示品位の点で十分に満足できるものではなかった。液晶ディスプレイの高精細化、高寿命化を図るためには、こうしたシール剤周辺での表示ムラが視認されにくい(ベゼルムラ耐性が高い)液晶表示素子が求められる。
この点、上記式(b−1A)で表される化合物は、ブチルセロソルブに替わる新たな有機溶媒として有用である。具体的には、上記式(b−1A)で表される化合物を溶剤成分として含む液晶配向剤は、長期間の低温保管に対する保存安定性及び基板に対する塗布性が良好であり、かつ狭額縁化に対応している。
<2>上記式(b−1B)で表される化合物
上記式(b−1B)で表される化合物を液晶配向剤等の組成物中に含有させることにより、液晶配向剤等の基板に対する塗布性及び液晶配向剤等の保存安定性を良好にすることができる。また、液晶表示素子を狭額縁化した際にも良好な表示品位を保つことができる。
上記式(b−1B)で表される化合物を液晶配向剤等の組成物中に含有させることにより、液晶配向剤等の基板に対する塗布性及び液晶配向剤等の保存安定性を良好にすることができる。また、液晶表示素子を狭額縁化した際にも良好な表示品位を保つことができる。
上記式(b−1B)で表される化合物について、R1〜R2は、それぞれ独立に炭素数3〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素数4〜6のアルキル基である。R3はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基である。n4は2または3である。
n4が2の場合、2つのR3は共に水素原子であるか、一方が水素原子で他方がメチル基であることが好ましく、共に水素原子であることが特に好ましい。
n4が3の場合、3つのR3は全て水素原子であるか、2つが水素原子で1つがメチル基であることが好ましく、全て水素原子であることが特に好ましい。
n4が2の場合、2つのR3は共に水素原子であるか、一方が水素原子で他方がメチル基であることが好ましく、共に水素原子であることが特に好ましい。
n4が3の場合、3つのR3は全て水素原子であるか、2つが水素原子で1つがメチル基であることが好ましく、全て水素原子であることが特に好ましい。
上記式(b−1B)で表される化合物は、上記(b−1A)と同じく、ブチルセロソルブに替わる新たな有機溶媒として有用である。具体的には、上記式(b−1B)で表される化合物を溶剤成分として含む液晶配向剤は、長期間の低温保管に対する保存安定性及び基板に対する塗布性が良好であり、かつ狭額縁化に対応している。
<3>上記式(b1)または式(b2)で表される化合物
上記式(b1)または式(b2)で表される化合物は、ポリアミック酸やポリイミドに対する溶解性が良好であるとともに、沸点が適度に高い。したがって、このような化合物を溶剤の少なくとも一部として用いることにより、液晶配向剤等の組成物の基板への印刷時において、印刷機上からの溶剤の揮発を抑えることができ、印刷機上に重合体成分が析出しにくくなる。その結果、印刷性(特に長期印刷性)を良好にすることができる。また、溶剤の沸点が高すぎないことから、印刷後に予備加熱(プレベーク)を行った場合において、予備加熱後に塗膜中に残存する溶剤量を少なくすることができる。したがって、予備加熱後に塗膜表面にダストが付着するのを抑制することができ、これにより製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
上記式(b1)または式(b2)で表される化合物は、ポリアミック酸やポリイミドに対する溶解性が良好であるとともに、沸点が適度に高い。したがって、このような化合物を溶剤の少なくとも一部として用いることにより、液晶配向剤等の組成物の基板への印刷時において、印刷機上からの溶剤の揮発を抑えることができ、印刷機上に重合体成分が析出しにくくなる。その結果、印刷性(特に長期印刷性)を良好にすることができる。また、溶剤の沸点が高すぎないことから、印刷後に予備加熱(プレベーク)を行った場合において、予備加熱後に塗膜中に残存する溶剤量を少なくすることができる。したがって、予備加熱後に塗膜表面にダストが付着するのを抑制することができ、これにより製品の歩留まりの低下を抑制することができる。
(上記式(b1)で表される化合物)
上記式(b1)で表される化合物について、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、炭素数1または2のアルキル基であることが好ましい。nは0〜2の整数であり、1または2であることが好ましい。
上記式(b1)で表される化合物としては、例えば以下に示すものを挙げることができる。なお、上記式(b1)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(b1)で表される化合物について、Rは炭素数1〜3のアルキル基であり、炭素数1または2のアルキル基であることが好ましい。nは0〜2の整数であり、1または2であることが好ましい。
上記式(b1)で表される化合物としては、例えば以下に示すものを挙げることができる。なお、上記式(b1)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(上記式(b2)で表される化合物)
上記式(b2)で表される化合物について、mは0〜2の整数であり、1または2であることが好ましい。
上記式(b2)で表される化合物としては、例えば以下に示すものを挙げることができる。なお、上記式(b2)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記式(b2)で表される化合物について、mは0〜2の整数であり、1または2であることが好ましい。
上記式(b2)で表される化合物としては、例えば以下に示すものを挙げることができる。なお、上記式(b2)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、本発明の組成物又は液晶配向剤に含有される特定溶剤(B)は、上記式(b−1A)で表される化合物、上記式(b−1B)で表される化合物、および、上記式(b1)または式(b2)で表される化合物のうちの1種のみであってもよい。また、これらの2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。
(その他の溶剤)
本発明の液晶配向剤等の組成物は、溶剤成分として、上記特定溶剤(B)以外のその他の溶剤をさらに含有していることが好ましい。当該その他の溶剤としては、重合体(A)を溶解可能な溶媒(以下、「第1溶剤」ともいう。)、当該重合体(A)の貧溶媒であって上記特定溶剤(B)以外の有機溶媒などを挙げることができる。
本発明の液晶配向剤等の組成物は、溶剤成分として、上記特定溶剤(B)以外のその他の溶剤をさらに含有していることが好ましい。当該その他の溶剤としては、重合体(A)を溶解可能な溶媒(以下、「第1溶剤」ともいう。)、当該重合体(A)の貧溶媒であって上記特定溶剤(B)以外の有機溶媒などを挙げることができる。
上記第1溶剤としては、上記重合体(A)の良溶媒であればよく、その好ましい具体例としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ペンチル−2−ピロリドン、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N,2−トリメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、m−クレゾール等が挙げられる。なお、第1溶剤は、上記のものを1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、上記重合体(A)の貧溶媒であって上記特定溶剤(B)以外の有機溶媒(以下、「その他の貧溶媒」ともいう。)としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(DPM)、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ダイアセトンアルコール、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート等を挙げることができる。当該有機溶媒は、上記のものを1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。なお、以下では、上記その他の貧溶媒及び特定溶剤(B)よりなる群を「第2溶剤」ともいう。
液晶配向剤中における特定溶剤(B)の含有割合は、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して1〜70重量%であることが好ましい。特定溶剤(B)の含有量が1重量%未満であると、基板に対する塗布性の改良効果が得られにくく、70重量%を超えると、重合体成分が析出しやすくなる。特定溶剤(B)の含有割合は、より好ましくは5〜70重量%であり、さらに好ましくは10〜65重量%である。
また、上記第1溶剤の含有割合は、重合体(A)の析出を抑制する観点から、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは15重量%以上である。また、上記第1溶剤の含有割合の上限値については、上記特定溶剤(B)の添加による効果を好適に得る観点から、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、好ましくは99重量%以下であり、より好ましくは95重量%以下であり、更に好ましくは85重量%以下である。
また、上記第1溶剤の含有割合は、重合体(A)の析出を抑制する観点から、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、好ましくは5重量%以上であり、より好ましくは10重量%以上であり、更に好ましくは15重量%以上である。また、上記第1溶剤の含有割合の上限値については、上記特定溶剤(B)の添加による効果を好適に得る観点から、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、好ましくは99重量%以下であり、より好ましくは95重量%以下であり、更に好ましくは85重量%以下である。
上記その他の貧溶媒の含有割合は、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、好ましくは70重量%以下であり、より好ましくは60重量%以下であり、更に好ましくは50重量%以下であり、特に好ましくは30重量%以下である。
第1溶剤と第2溶剤との比率は、基板への塗布性を良好にする観点から、第1溶剤の使用量に対する第2溶剤の使用量を、0.03倍(重量)以上とすることが好ましく、0.05倍(重量)以上とすることがより好ましい。また、重合体の析出を抑制する観点から、2.5倍(重量)以下とすることが好ましく、2.0倍(重量)以下とすることがより好ましい。
第1溶剤と第2溶剤との比率は、基板への塗布性を良好にする観点から、第1溶剤の使用量に対する第2溶剤の使用量を、0.03倍(重量)以上とすることが好ましく、0.05倍(重量)以上とすることがより好ましい。また、重合体の析出を抑制する観点から、2.5倍(重量)以下とすることが好ましく、2.0倍(重量)以下とすることがより好ましい。
本発明に係る液晶配向剤は、溶剤としてブチルセロソルブを実質的に含んでいないことが好ましい。なお、本明細書において「ブチルセロソルブを実質的に含んでいない」とは、ブチルセロソルブの含有割合が、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下であることを意味する。
《その他の成分》
本発明に係る液晶配向剤等の組成物は、上記の如き重合体(A)及び溶剤を含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。かかるその他の成分としては、例えば、上記重合体(A)以外のその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」という)、官能性シラン化合物、上記アミン化合物(C)等を挙げることができる。
本発明に係る液晶配向剤等の組成物は、上記の如き重合体(A)及び溶剤を含有するが、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。かかるその他の成分としては、例えば、上記重合体(A)以外のその他の重合体、分子内に少なくとも一つのエポキシ基を有する化合物(以下、「エポキシ基含有化合物」という)、官能性シラン化合物、上記アミン化合物(C)等を挙げることができる。
[その他の重合体]
上記その他の重合体は、溶液特性や電気的特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。当該その他の重合体を液晶配向剤に添加する場合、その配合比率は、液晶配向剤中の重合体成分の合計量に対して、50重量%以下が好ましく、0.1〜40重量%がより好ましく、0.1〜30重量%が更に好ましい。
上記その他の重合体は、溶液特性や電気的特性の改善のために使用することができる。かかるその他の重合体としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体、ポリ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。当該その他の重合体を液晶配向剤に添加する場合、その配合比率は、液晶配向剤中の重合体成分の合計量に対して、50重量%以下が好ましく、0.1〜40重量%がより好ましく、0.1〜30重量%が更に好ましい。
[エポキシ基含有化合物]
エポキシ基含有化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性を向上させるために使用することができる。ここで、エポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン等を挙げることができる。
これらエポキシ基含有化合物を液晶配向剤に添加する場合、その配合比率は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、40重量部以下が好ましく、0.1〜30重量部がより好ましい。
エポキシ基含有化合物は、液晶配向膜における基板表面との接着性を向上させるために使用することができる。ここで、エポキシ基含有化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N−ジグリシジル−ベンジルアミン、N,N−ジグリシジル−アミノメチルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−シクロヘキシルアミン等を挙げることができる。
これらエポキシ基含有化合物を液晶配向剤に添加する場合、その配合比率は、液晶配向剤中に含まれる重合体の合計100重量部に対して、40重量部以下が好ましく、0.1〜30重量部がより好ましい。
[官能性シラン化合物]
上記官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性の向上を目的として使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これら官能性シラン化合物を液晶配向剤に添加する場合、その配合比率は、重合体の合計100重量部に対して2重量部以下が好ましく、0.02〜0.2重量部がより好ましい。
上記官能性シラン化合物は、液晶配向剤の印刷性の向上を目的として使用することができる。このような官能性シラン化合物としては、例えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノナン酸メチル、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
これら官能性シラン化合物を液晶配向剤に添加する場合、その配合比率は、重合体の合計100重量部に対して2重量部以下が好ましく、0.02〜0.2重量部がより好ましい。
[アミン化合物(C)]
上記アミン化合物(C)は、1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ当該1級アミノ基が、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基に結合した構造を有する化合物である。当該アミン化合物(C)は、液晶配向膜用途において、液晶表示素子の電気特性(例えば、電圧保持率や残留電荷の緩和速度など)を改善すること等を目的として使用することができる。
上記アミン化合物(C)は、1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ当該1級アミノ基が、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基に結合した構造を有する化合物である。当該アミン化合物(C)は、液晶配向膜用途において、液晶表示素子の電気特性(例えば、電圧保持率や残留電荷の緩和速度など)を改善すること等を目的として使用することができる。
上記アミン化合物(C)における窒素含有芳香族複素環は、環骨格中に窒素原子を1つ以上含む芳香環であればよい。したがって、環骨格中には、ヘテロ原子として窒素原子のみを含んでいてもよいし、窒素原子と、窒素原子以外のヘテロ原子(酸素原子、硫黄原子など)とを含んでいてもよい。当該窒素含有芳香族複素環の具体例としては、例えばピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、フタラジン環、トリアジン環、アゼピン環、ジアゼピン環、アクリジン環、フェナジン環、フェナントロリン環、オキサゾール環、チアゾール環、カルバゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環等が挙げられる。また、当該窒素含有芳香族複素環は、上記例示した環を構成する炭素原子に置換基が導入されたものであってもよい。当該置換基としては、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等が挙げられる。
上記アミン化合物(C)において鎖状炭化水素基は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10であることが更に好ましい。なお、当該鎖状炭化水素基は、直鎖状でも分岐状でもよく、飽和でも不飽和でもよい。脂環式炭化水素基は、炭素数3〜20であることが好ましく、炭素数3〜15であることがより好ましく、炭素数3〜10であることが更に好ましい。
上記アミン化合物(C)としては、下記式(c−1)で表される化合物を好ましく使用することができる。
(式(c−1)中、A1は、鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基を有する2価の有機基であり、A2は、窒素含有芳香族複素環である。ただし、式中の1級アミノ基は、A1が有する鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基に結合している。)
上記式(c−1)について、A1における2価の有機基としては、例えば、2価の鎖状炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、−O−R21−、−CO−R21−(但し、R21は、2価の鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基である。)等が挙げられる。また、当該2価の有機基は、2価の鎖状炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基における炭素−炭素結合間に、−O−、−NH−、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−、−S−、−S(O)2−、−Si(CH3)2−、−O−Si(CH3)2−、−O−Si(CH3)2−O−、フェニレン基等の芳香族炭化水素基、ピリジニレン基等の複素環基などを有する2価の基;2価の鎖状炭化水素基又は2価の脂環式炭化水素基における少なくとも1つの水素原子が、フッ素原子や塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、フェニル基等の芳香族炭化水素基、水酸基、ハロゲン化アルキル基等で置換されてなる2価の基;などであってもよい。A1における2価の鎖状炭化水素基及び脂環式炭化水素基の具体例については、上記式(m−1)のR24の説明が適用される。
A1としては、上記の中でも、鎖状炭化水素基を有する2価の有機基であることが好ましく、2価の鎖状炭化水素基であることがより好ましい。A1は、炭素数1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10であることが更に好ましい。A2の窒素含有芳香族複素環については上記の説明が適用される。
上記アミン化合物(C)の具体例としては、例えば下記式(c−1−1)〜式(c−1−32)のそれぞれで表される化合物などが挙げられる。なお、アミン化合物(C)としては、これらのうちの一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
上記アミン化合物(C)を液晶配向剤中に添加する場合、その配合比率は、アミン化合物(C)の添加による効果を好適に得る観点から、重合体の合計100重量部に対して、1重量部以上とすることが好ましく、2重量部以上とすることがより好ましい。また、液晶配向剤の安定性を損なわないという観点において、重合体の合計100重量部に対して、20重量部以下とすることが好ましく、15重量部以下とすることがより好ましい。
なお、液晶配向剤に含有させるその他の添加剤としては、上記のほか、分子内に少なくとも一つのオキセタニル基を有する化合物や、酸化防止剤などが挙げられる。これらの使用割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、使用する添加剤に応じて適宜選択することができる。
本発明に係る液晶配向剤中に、添加剤として上記アミン化合物(C)を含有させる場合、液晶表示素子の電気的特性の改善を好適に行うことができる点において、上記重合体(A)の少なくとも一部がカルボキシル基を有していることが好ましい。また、当該重合体(A)が有するカルボキシル基の数は、重合体(A)の繰り返し単位あたり、平均値で0.1〜3個とすることが好ましく、0.3〜2個とすることがより好ましく、0.5〜1.8個とすることが更に好ましい。
重合体(A)が有するカルボキシル基の数を調整する方法は特に限定されず、例えば、(i)ポリイミドのイミド化率を調整することにより行う方法、(ii)重合体(A)の合成に用いるジアミンのカルボキシル基含有量を調整することにより行う方法、等が挙げられる。また、上記(i)と(ii)とを併用することにより行ってもよい。重合体(A)のイミド化率の自由度を高める点からすると、上記(ii)の方法を用いることが好ましい。
重合体(A)が有するカルボキシル基の数を調整する方法は特に限定されず、例えば、(i)ポリイミドのイミド化率を調整することにより行う方法、(ii)重合体(A)の合成に用いるジアミンのカルボキシル基含有量を調整することにより行う方法、等が挙げられる。また、上記(i)と(ii)とを併用することにより行ってもよい。重合体(A)のイミド化率の自由度を高める点からすると、上記(ii)の方法を用いることが好ましい。
カルボキシル基を有する重合体(A)及び上記アミン化合物(C)を液晶配向剤中に含有させる場合、アミン化合物(C)の配合割合は、重合体(A)が有するカルボキシル基1モルに対して、0,01〜2モルとすることが好ましく、0.05〜1モルとすることがより好ましく、0.08〜0.8モルとすることが更に好ましい。
本発明に係る液晶配向剤の固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計重量が液晶配向剤の全重量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1〜10重量%の範囲である。すなわち、本発明に係る液晶配向剤は、後述するように基板表面に塗布され、好ましくは加熱されることにより、液晶配向膜である塗膜又は液晶配向膜となる塗膜が形成されるが、このとき、固形分濃度が1重量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜を得にくい。一方、固形分濃度が10重量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜を得にくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布特性が劣るものとなる。
特に好ましい固形分濃度の範囲は、基板に液晶配向剤を塗布する際に用いる方法によって異なる。例えばスピンコート法による場合には固形分濃度1.5〜4.5重量%の範囲が特に好ましい。オフセット印刷法による場合には、固形分濃度を3〜9重量%の範囲とし、それにより溶液粘度を12〜50mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。インクジェット法による場合には、固形分濃度を1〜8重量%の範囲とし、それにより、溶液粘度を3〜20mPa・sの範囲とすることが特に好ましい。本発明の液晶配向剤を調製する際の温度は、好ましくは10〜50℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
≪液晶配向膜及び液晶表示素子≫
本発明に係る液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本発明に係る液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶表示素子を適用する駆動モードは特に限定されず、TN型、STN型、IPS型、FFS型、VA型、MVA型などの種々の駆動モードに適用することができる。以下に、本発明に係る液晶表示素子の製造方法を説明するとともに、その説明の中で液晶配向膜の製造方法について説明する。
本発明に係る液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本発明に係る液晶表示素子は、上記液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶表示素子を適用する駆動モードは特に限定されず、TN型、STN型、IPS型、FFS型、VA型、MVA型などの種々の駆動モードに適用することができる。以下に、本発明に係る液晶表示素子の製造方法を説明するとともに、その説明の中で液晶配向膜の製造方法について説明する。
本発明に係る液晶表示素子は、例えば以下の(1)〜(3)の工程により製造することができる。工程(1)は、所望の駆動モードによって使用基板が異なる。工程(2)及び工程(3)は各駆動モードに共通である。
[工程(1):塗膜の形成]
先ず基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1)TN型、STN型又はVA型液晶表示素子を製造する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明に係る液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。ここで、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後にフォト・エッチングによりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成するべき面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
先ず基板上に本発明の液晶配向剤を塗布し、次いで塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。
(1−1)TN型、STN型又はVA型液晶表示素子を製造する場合、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を一対として、その各透明性導電膜形成面上に、本発明に係る液晶配向剤を、好ましくはオフセット印刷法、スピンコート法、ロールコーター法又はインクジェット印刷法によりそれぞれ塗布する。ここで、基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム−酸化スズ(In2O3−SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。パターニングされた透明導電膜を得るには、例えばパターンなし透明導電膜を形成した後にフォト・エッチングによりパターンを形成する方法、透明導電膜を形成する際に所望のパターンを有するマスクを用いる方法などによることができる。液晶配向剤の塗布に際しては、基板表面及び透明導電膜と塗膜との接着性をさらに良好にするために、基板表面のうち塗膜を形成するべき面に、官能性シラン化合物、官能性チタン化合物などを予め塗布する前処理を施しておいてもよい。
液晶配向剤の塗布後、塗布した配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30〜200℃であり、より好ましくは40〜150℃であり、特に好ましくは40〜100℃である。プレベーク時間は好ましくは0.25〜10分であり、より好ましくは0.5〜5分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。この焼成(ポストベーク)温度は、好ましくは80〜300℃であり、より好ましくは120〜250℃である。ポストベーク時間は好ましくは5〜200分であり、より好ましくは10〜100分である。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
(1−2)IPS型又はFFS型液晶表示素子を製造する場合、櫛歯型にパターニングされた透明導電膜又は金属膜からなる電極が設けられている基板の電極形成面と、電極が設けられていない対向基板の一面とに、本発明に係る液晶配向剤をそれぞれ塗布し、次いで各塗布面を加熱することにより塗膜を形成する。このとき使用される基板及び透明導電膜の材質、塗布方法、塗布後の加熱条件、透明導電膜又は金属膜のパターニング方法、基板の前処理、ならびに形成される塗膜の好ましい膜厚については上記(1−1)と同様である。金属膜としては、例えばクロムなどの金属からなる膜を使用することができる。
上記(1−1)及び(1−2)のいずれの場合も、基板上に液晶配向剤を塗布した後、有機溶媒を除去することによって配向膜となる塗膜が形成される。このとき、液晶配向剤に含有される重合体が、ポリアミック酸であるか、又はイミド環構造とアミック酸構造とを有するイミド化重合体である場合には、塗膜形成後に更に加熱することによって脱水閉環反応を進行させ、よりイミド化された塗膜としてもよい。
[工程(2):配向能付与処理]
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理を施す。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。当該処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理、塗膜に対して偏光又は非偏光の放射線を照射する光配向処理などが挙げられる。一方、VA型液晶表示素子を製造する場合には、上記工程(1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向能付与処理を施してもよい。
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶表示素子を製造する場合、上記工程(1)で形成した塗膜に液晶配向能を付与する処理を施す。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。当該処理としては、塗膜を例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦るラビング処理、塗膜に対して偏光又は非偏光の放射線を照射する光配向処理などが挙げられる。一方、VA型液晶表示素子を製造する場合には、上記工程(1)で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、該塗膜に対し配向能付与処理を施してもよい。
光配向処理において、塗膜に照射する放射線としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。また、用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線を照射する場合には、照射の方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは100〜50,000J/m2であり、より好ましくは300〜20,000J/m2である。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。好ましい波長領域の紫外線は、光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。放射線の照射量は、好ましくは100〜50,000J/m2であり、より好ましくは300〜20,000J/m2である。また、塗膜に対する光照射は、反応性を高めるために塗膜を加温しながら行ってもよい。加温の際の温度は、通常30〜250℃であり、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは50〜150℃である。
なお、ラビング処理後の液晶配向膜に対して更に、液晶配向膜の一部に紫外線を照射することによって液晶配向膜の一部の領域のプレチルト角を変化させる処理や、液晶配向膜表面の一部にレジスト膜を形成した上で先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、液晶配向膜が領域ごとに異なる液晶配向能を持つようにしてもよい。この場合、得られる液晶表示素子の視界特性を改善することが可能である。VA型の液晶表示素子に好適な液晶配向膜は、PSA(Polymer sustained alignment)型の液晶表示素子にも好適に用いることができる。
[工程(3):液晶セルの構築]
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。また、第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法が挙げられる。
第一の方法は、従来から知られている方法である。先ず、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面及びシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより液晶セルを製造する。また、第二の方法は、ODF(One Drop Fill)方式と呼ばれる手法である。液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に、例えば紫外光硬化性のシール材を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより液晶セルを製造する。いずれの方法による場合でも、上記のようにして製造した液晶セルにつき、さらに、用いた液晶が等方相をとる温度まで加熱した後、室温まで徐冷することにより、液晶充填時の流動配向を除去することが望ましい。
シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサーとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂などを用いることができる。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましく、例えばシッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶、エステル系液晶、ターフェニル系液晶、ビフェニルシクロヘキサン系液晶、ピリミジン系液晶、ジオキサン系液晶、ビシクロオクタン系液晶、キュバン系液晶などを用いることができる。また、これらの液晶に、例えばコレスチルクロライド、コレステリルノナエート、コレステリルカーボネートなどのコレステリック液晶;商品名「C−15」、「CB−15」(メルク社製)として販売されているようなカイラル剤;p−デシロキシベンジリデン−p−アミノ−2−メチルブチルシンナメートなどの強誘電性液晶などを、添加して使用してもよい。
そして、液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより液晶表示素子を得ることができる。液晶セルの外表面に貼り合わされる偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板を挙げることができる。なお、塗膜に対してラビング処理を行った場合には、2枚の基板は、各塗膜におけるラビング方向が互いに所定の角度、例えば直交又は逆平行となるように対向配置される。
本発明に係る液晶表示素子は、種々の装置に有効に適用することができ、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビなどの表示装置に用いることができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
以下の例において、重合体溶液中のポリイミドのイミド化率及び重合体溶液の溶液粘度は以下の方法により測定した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温で1H−NMRを測定した。得られた1H−NMRスペクトルから、下記数式(x)によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A1/A2×α)×100 …(x)
(数式(x)中、A1は化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、A2はその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)は、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[ポリイミドのイミド化率]
ポリイミドの溶液を純水に投入し、得られた沈殿を室温で十分に減圧乾燥した後、重水素化ジメチルスルホキシドに溶解し、テトラメチルシランを基準物質として室温で1H−NMRを測定した。得られた1H−NMRスペクトルから、下記数式(x)によりイミド化率[%]を求めた。
イミド化率[%]=(1−A1/A2×α)×100 …(x)
(数式(x)中、A1は化学シフト10ppm付近に現れるNH基のプロトン由来のピーク面積であり、A2はその他のプロトン由来のピーク面積であり、αは重合体の前駆体(ポリアミック酸)におけるNH基のプロトン1個に対するその他のプロトンの個数割合である。)
[重合体溶液の溶液粘度]
重合体溶液の溶液粘度(mPa・s)は、E型回転粘度計を用いて25℃で測定した。
[実施例1A]
撹拌装置及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、ジアミンとして1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア(BAPU) 0.60g(2.0mmol)、及びp−フェニレンジアミン(p−PDA) 1.95g(18.0mmol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA) 3.70g(18.9mmol)を添加し、更に固形分濃度が12重量%になるようにNMPを加え、窒素雰囲気下、室温で4時間撹拌してポリアミック酸(PA−1)の溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−a)で表される化合物(以下、「化合物(b−a)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−a)=60:40(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S1A)を調製した。
撹拌装置及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、ジアミンとして1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア(BAPU) 0.60g(2.0mmol)、及びp−フェニレンジアミン(p−PDA) 1.95g(18.0mmol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA) 3.70g(18.9mmol)を添加し、更に固形分濃度が12重量%になるようにNMPを加え、窒素雰囲気下、室温で4時間撹拌してポリアミック酸(PA−1)の溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−a)で表される化合物(以下、「化合物(b−a)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−a)=60:40(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S1A)を調製した。
[実施例2A]
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.2g(0.098mol)、ジアミンとして1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン24.2g(0.1mol)をNMP343.5gに溶解し、室温で10時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−2)を得た。このポリアミック酸(PA−2)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−b)で表される化合物(以下、「化合物(b−b)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−b)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S2A)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.2g(0.098mol)、ジアミンとして1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン24.2g(0.1mol)をNMP343.5gに溶解し、室温で10時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−2)を得た。このポリアミック酸(PA−2)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−b)で表される化合物(以下、「化合物(b−b)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−b)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S2A)を調製した。
[実施例3A]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 22.42g(0.1mol)、及びジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルアミン(4,4’DADPA)18.73g(0.094mol)をNMP345.1g中で混合し、室温で5時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−3)を得た。このポリアミック酸(PA−3)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−c)で表される化合物(以下、「化合物(b−c)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−c)=80:20(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S3A)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 22.42g(0.1mol)、及びジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルアミン(4,4’DADPA)18.73g(0.094mol)をNMP345.1g中で混合し、室温で5時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−3)を得た。このポリアミック酸(PA−3)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−c)で表される化合物(以下、「化合物(b−c)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−c)=80:20(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S3A)を調製した。
[実施例4A]
ジアミンとしてp−PDA 6.5g(0.06mol)及び4−(4−トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン(PCH7DAB、上記式(d−4−3)で表される化合物)15.22g(0.04mol)をNMP165gに溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.41g(0.099mol)を添加し、室温で24時間反応させ、ポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を得た。得られたポリアミック酸(PA−4)の重量平均分子量(Mw)は40,000であった。この溶液30gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−d)で表される化合物(以下、「化合物(b−d)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−d)=80:20(重量比))、濃度4.5重量%の液晶配向剤(S4A)を調製した。
ジアミンとしてp−PDA 6.5g(0.06mol)及び4−(4−トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン(PCH7DAB、上記式(d−4−3)で表される化合物)15.22g(0.04mol)をNMP165gに溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.41g(0.099mol)を添加し、室温で24時間反応させ、ポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を得た。得られたポリアミック酸(PA−4)の重量平均分子量(Mw)は40,000であった。この溶液30gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−d)で表される化合物(以下、「化合物(b−d)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−d)=80:20(重量比))、濃度4.5重量%の液晶配向剤(S4A)を調製した。
[実施例5A]
ジアミンとしてp−PDA 1.46g(13.5mmol)、及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル 0.78g(1.50mmol)をNMP20.0g中で混合し、テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.85g(14.5mmol)を加えるとともに、NMP24.7gを加え、25℃で5時間反応させてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液40.0gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−e)で表される化合物(以下、「化合物(b−e)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−e)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度が4.0重量%となるように液晶配向剤(S5A)を調製した。
ジアミンとしてp−PDA 1.46g(13.5mmol)、及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル 0.78g(1.50mmol)をNMP20.0g中で混合し、テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.85g(14.5mmol)を加えるとともに、NMP24.7gを加え、25℃で5時間反応させてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液40.0gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−e)で表される化合物(以下、「化合物(b−e)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−e)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度が4.0重量%となるように液晶配向剤(S5A)を調製した。
[実施例6A]
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.58g(13.1mmol)、ジアミンとしてPCH7DAB 5.0g(13.1mmol)をNMP43gに溶解し、20℃で4時間撹拌し反応させてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸(PA−6)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−f)で表される化合物(以下、化合物(b−f)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−f)=35:65(重量比)、固形分濃度が3.0重量%となるように液晶配向剤(S6A)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.58g(13.1mmol)、ジアミンとしてPCH7DAB 5.0g(13.1mmol)をNMP43gに溶解し、20℃で4時間撹拌し反応させてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸(PA−6)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−f)で表される化合物(以下、化合物(b−f)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−f)=35:65(重量比)、固形分濃度が3.0重量%となるように液晶配向剤(S6A)を調製した。
[実施例7A]
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物(PMDA)8.724g(0.04mol)、ジアミンとしてp−PDA 2.877g(0.0266mol)及びPCH7DAB 4.567g(0.012mol)をNMP91.6g中、室温で3時間反応させ、ポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸溶液25gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−g)で表される化合物(以下、化合物(b−g)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−g)=60:40(重量比)、固形分濃度5.0重量%となるように液晶配向剤(S7A)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物(PMDA)8.724g(0.04mol)、ジアミンとしてp−PDA 2.877g(0.0266mol)及びPCH7DAB 4.567g(0.012mol)をNMP91.6g中、室温で3時間反応させ、ポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸溶液25gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−g)で表される化合物(以下、化合物(b−g)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−g)=60:40(重量比)、固形分濃度5.0重量%となるように液晶配向剤(S7A)を調製した。
[実施例8A]
ジアミンとして2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン14.64g(0.072mol)、モノアミンとしてn−ドデシルアミン2.96g(0.016mol)、及びテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 15.69g(0.08mol)をNMP300g中、室温で4時間反応させ、ポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸中間体のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−h)で表される化合物(以下、化合物(b−h)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−h)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S8A)を調製した。
ジアミンとして2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン14.64g(0.072mol)、モノアミンとしてn−ドデシルアミン2.96g(0.016mol)、及びテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 15.69g(0.08mol)をNMP300g中、室温で4時間反応させ、ポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸中間体のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(b−h)で表される化合物(以下、化合物(b−h)という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(b−h)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S8A)を調製した。
[実施例9A]
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとしてPCH7DAB 0.68g(0.0018mol)及びp−PDA 1.75g(0.0162mol)をNMP39.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液42gにNMPを加えて1重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸4.18g、ピリジン6.48gを加え、室温で30分、120℃で2時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−1))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末にNMP、及び特定溶剤(B)として化合物(b−a)を加え溶解させ、溶剤組成がNMP:化合物(b−a)=50:50(重量比)、固形分濃度4.5重量%となるように液晶配向剤(S9A)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとしてPCH7DAB 0.68g(0.0018mol)及びp−PDA 1.75g(0.0162mol)をNMP39.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液42gにNMPを加えて1重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸4.18g、ピリジン6.48gを加え、室温で30分、120℃で2時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−1))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末にNMP、及び特定溶剤(B)として化合物(b−a)を加え溶解させ、溶剤組成がNMP:化合物(b−a)=50:50(重量比)、固形分濃度4.5重量%となるように液晶配向剤(S9A)を調製した。
[比較例1A〜9A]
液晶配向剤の溶剤組成につき、第2溶剤として特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブ(BC)を使用した点以外は、上記実施例1A〜9Aと同様に重合体を合成するとともに液晶配向剤を調製し、液晶配向剤(R1A)〜(R9A)をそれぞれ得た。なお、比較例XA(Xは1〜9の整数)は実施例XAに対応する例となっている。つまり、比較例XAでは、実施例XAと同じ重合体を合成するとともに、特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブを使用した以外は実施例XAと同様に液晶配向剤を調製した。
液晶配向剤の溶剤組成につき、第2溶剤として特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブ(BC)を使用した点以外は、上記実施例1A〜9Aと同様に重合体を合成するとともに液晶配向剤を調製し、液晶配向剤(R1A)〜(R9A)をそれぞれ得た。なお、比較例XA(Xは1〜9の整数)は実施例XAに対応する例となっている。つまり、比較例XAでは、実施例XAと同じ重合体を合成するとともに、特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブを使用した以外は実施例XAと同様に液晶配向剤を調製した。
[実施例10A]
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとして上記式(d−4−2)で表される化合物(PBCH5DAB) 2.34g(0.0054mol)及び3,5−ジアミノ安息香酸(35DAB)1.92g(0.0126mol)をNMP26.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液30gにNMPを加えて6重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸2.4g、ピリジン1.8gを加え、室温で30分、110℃で4時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−2))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−a)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.4g(3−AMPとして0.03gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S10A)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D1:化合物(b−a)=30:20:50(重量比)となるように調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとして上記式(d−4−2)で表される化合物(PBCH5DAB) 2.34g(0.0054mol)及び3,5−ジアミノ安息香酸(35DAB)1.92g(0.0126mol)をNMP26.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液30gにNMPを加えて6重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸2.4g、ピリジン1.8gを加え、室温で30分、110℃で4時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−2))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−a)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.4g(3−AMPとして0.03gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S10A)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D1:化合物(b−a)=30:20:50(重量比)となるように調製した。
[実施例11A]
ポリアミック酸の合成に使用するPBCH5DABの量を3.90g(0.0090mol)、3,5−ジアミノ安息香酸の量を1.37g(0.0090mol)に変更した点以外は実施例10Aと同様の操作を行い、ポリアミック酸溶液を得た。また、得られたポリアミック酸溶液を用いて実施例10Aと同様の操作を行い、ポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−3))のイミド化率を測定したところ、74%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−b)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.8g(3−AMPとして0.06gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S11A)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D2:化合物(b−b)=30:30:40(重量比)となるように調製した。
ポリアミック酸の合成に使用するPBCH5DABの量を3.90g(0.0090mol)、3,5−ジアミノ安息香酸の量を1.37g(0.0090mol)に変更した点以外は実施例10Aと同様の操作を行い、ポリアミック酸溶液を得た。また、得られたポリアミック酸溶液を用いて実施例10Aと同様の操作を行い、ポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−3))のイミド化率を測定したところ、74%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−b)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.8g(3−AMPとして0.06gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S11A)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D2:化合物(b−b)=30:30:40(重量比)となるように調製した。
[実施例12A]
上記実施例1Aと同様にしてポリアミック酸(PA−1)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(b−c)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(b−c)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S12A)を得た。
[実施例13A]
上記実施例2Aと同様にしてポリアミック酸(PA−2)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(b−d)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(b−d)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S13A)を得た。
上記実施例1Aと同様にしてポリアミック酸(PA−1)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(b−c)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(b−c)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S12A)を得た。
[実施例13A]
上記実施例2Aと同様にしてポリアミック酸(PA−2)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(b−d)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(b−d)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S13A)を得た。
[実施例14A]
上記実施例3Aと同様にしてポリアミック酸(PA−3)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−e)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D1:化合物(b−e)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S14A)を得た。
[実施例15A]
上記実施例4Aと同様にしてポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末及び、添加剤として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(E1)を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−f)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(b−f)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S15A)を得た。なお、用いた添加剤(E1)の量は、ポリアミック酸粉末に対して5重量部とした。
上記実施例3Aと同様にしてポリアミック酸(PA−3)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−e)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D1:化合物(b−e)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S14A)を得た。
[実施例15A]
上記実施例4Aと同様にしてポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末及び、添加剤として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(E1)を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−f)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(b−f)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S15A)を得た。なお、用いた添加剤(E1)の量は、ポリアミック酸粉末に対して5重量部とした。
[実施例16A]
上記実施例5Aと同様にしてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(b−g)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(b−g)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S16A)を得た。
[実施例17A]
上記実施例6Aと同様にしてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(b−h)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(b−h)=35:65(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S17A)を得た。
上記実施例5Aと同様にしてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(b−g)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(b−g)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S16A)を得た。
[実施例17A]
上記実施例6Aと同様にしてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(b−h)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(b−h)=35:65(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S17A)を得た。
[実施例18A]
上記実施例7Aと同様にしてポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及びγ−ブチルラクトン(D3)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D3:化合物(b−a)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S18A)を得た。
[実施例19A]
上記実施例8Aと同様にしてポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−b)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(b−b)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S19A)を得た。
[実施例20A]
上記実施例9Aと同様にしてポリイミド(PI−1)の粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(b−c)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(b−c)=50:50(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S20A)を得た。
上記実施例7Aと同様にしてポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及びγ−ブチルラクトン(D3)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D3:化合物(b−a)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S18A)を得た。
[実施例19A]
上記実施例8Aと同様にしてポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(b−b)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(b−b)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S19A)を得た。
[実施例20A]
上記実施例9Aと同様にしてポリイミド(PI−1)の粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(b−c)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(b−c)=50:50(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S20A)を得た。
<保存安定性の評価>
上記で得られた各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−30℃で1か月間保管した後、室温(25℃)に戻し、液晶配向剤中の析出物の有無を観察した。その結果を下記表1及び表2に示す。なお、表1及び表2では、液晶配向剤中に析出物が観察されなかった場合を「○」、析出物が観察された場合を「×」と示した。
上記で得られた各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−30℃で1か月間保管した後、室温(25℃)に戻し、液晶配向剤中の析出物の有無を観察した。その結果を下記表1及び表2に示す。なお、表1及び表2では、液晶配向剤中に析出物が観察されなかった場合を「○」、析出物が観察された場合を「×」と示した。
<印刷性の評価>
上記で調製した各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−15℃で6か月間保管した後、室温(25℃)に戻した。次いで、液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率20倍の顕微鏡で観察して印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、印刷ムラ及びピンホールが殆ど観察されなかった場合を印刷性良好(○)、印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが観察された場合を印刷性不良(×)として行った。その結果を下記表1及び表2に示す。
上記で調製した各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−15℃で6か月間保管した後、室温(25℃)に戻した。次いで、液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率20倍の顕微鏡で観察して印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、印刷ムラ及びピンホールが殆ど観察されなかった場合を印刷性良好(○)、印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが観察された場合を印刷性不良(×)として行った。その結果を下記表1及び表2に示す。
なお、表1及び表2中の略称は以下の通りである。
(酸二無水物)
AN−1;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
AN−2;2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
AN−3;ピロメリット酸二無水物
AN−4;ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物
(ジアミン)
DA−1:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
DA−2:2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン
DA−3:3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル
35DAB:3,5−ジアミノ安息香酸
(モノアミン)
MA−1:n−ドデシルアミン
(第1溶剤)
D1:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D2:3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D3:γ−ブチルラクトン
(第2溶剤)
BC:ブチルセロソルブ
(添加剤)
3−AMP:3−アミノメチルピリジン(上記式(c−1−16)で表される化合物)
E1:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
(酸二無水物)
AN−1;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
AN−2;2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
AN−3;ピロメリット酸二無水物
AN−4;ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物
(ジアミン)
DA−1:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
DA−2:2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン
DA−3:3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル
35DAB:3,5−ジアミノ安息香酸
(モノアミン)
MA−1:n−ドデシルアミン
(第1溶剤)
D1:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D2:3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D3:γ−ブチルラクトン
(第2溶剤)
BC:ブチルセロソルブ
(添加剤)
3−AMP:3−アミノメチルピリジン(上記式(c−1−16)で表される化合物)
E1:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
<光配向FFS型液晶表示素子の製造および評価>
(1)光配向法を用いたFFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、上記で得た液晶配向剤(S1A)を用いてインクジェット塗布法により塗膜を形成した。なお、液晶配向剤(S1A)につき、基板上に塗布する前に、溶剤組成を「NMP:化合物(b−a)=60:40(重量比)」としたままで粘度が18cPとなるように調製し、粘度調整した液晶配向剤を基板上に塗布した。
次いで、この塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、この液晶表示素子の駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
(1)光配向法を用いたFFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、上記で得た液晶配向剤(S1A)を用いてインクジェット塗布法により塗膜を形成した。なお、液晶配向剤(S1A)につき、基板上に塗布する前に、溶剤組成を「NMP:化合物(b−a)=60:40(重量比)」としたままで粘度が18cPとなるように調製し、粘度調整した液晶配向剤を基板上に塗布した。
次いで、この塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、この液晶表示素子の駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
次いで、これら塗膜の各表面に、それぞれ、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線300J/m2を基板法線方向から照射して、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。このとき、偏光紫外線の照射方向は基板法線方向からとし、偏光紫外線の偏光面を基板に投影した線分の方向が図2中の両頭矢印の方向となるように偏光面方向を設定したうえで光照射処理を行った。
次いで、上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、1対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の偏光面を基板へ投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口から基板間隙にメルク社製液晶「MLC−6221」を充填した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。その後、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃まで加熱してから室温まで徐冷した。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
上記の方法を繰り返し、合計5個のFFS型液晶表示素子を製造し、下記の液晶配向性の評価、電圧保持率の評価、耐熱性の評価、ベゼルムラ耐性、および残像特性の評価に1個ずつを供した。ただし、いずれの場合も電圧印加下の紫外線照射は行わなかった。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
上記の方法を繰り返し、合計5個のFFS型液晶表示素子を製造し、下記の液晶配向性の評価、電圧保持率の評価、耐熱性の評価、ベゼルムラ耐性、および残像特性の評価に1個ずつを供した。ただし、いずれの場合も電圧印加下の紫外線照射は行わなかった。
(2)液晶配向性の評価
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として行った。この液晶表示素子では液晶配向性「良好」であった。
(3)電圧保持率の評価
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定したところ、電圧保持率は99.4%であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(4)耐熱性の評価
上記の(3)電圧保持率の評価と同様に電圧保持率を測定し、その値を初期VHR(VHRBF)とした。次いで、初期VHR測定後の液晶表示素子につき、100℃のオーブン中に500時間静置した。その後、この液晶表示素子を室温下に静置して室温まで放冷した後、上記同様に電圧保持率を測定し、その値をVHRAFとした。また、下記数式(EX−2)により、熱ストレスの付与前後の電圧保持率の変化率(△VHR(%))を求めた。
△VHR(%)=((VHRBF−VHRAF)÷VHRBF)×100 …(EX−2)
耐熱性の評価は、変化率ΔVHRが4%未満であった場合を耐熱性「良好」、4%以上5%未満であった場合を耐熱性「可」、5%以上であった場合を耐熱性「不良」として行った。その結果、ΔVHRは2.9%であり、この液晶表示素子の耐熱性は「良好」であった。
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として行った。この液晶表示素子では液晶配向性「良好」であった。
(3)電圧保持率の評価
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定したところ、電圧保持率は99.4%であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(4)耐熱性の評価
上記の(3)電圧保持率の評価と同様に電圧保持率を測定し、その値を初期VHR(VHRBF)とした。次いで、初期VHR測定後の液晶表示素子につき、100℃のオーブン中に500時間静置した。その後、この液晶表示素子を室温下に静置して室温まで放冷した後、上記同様に電圧保持率を測定し、その値をVHRAFとした。また、下記数式(EX−2)により、熱ストレスの付与前後の電圧保持率の変化率(△VHR(%))を求めた。
△VHR(%)=((VHRBF−VHRAF)÷VHRBF)×100 …(EX−2)
耐熱性の評価は、変化率ΔVHRが4%未満であった場合を耐熱性「良好」、4%以上5%未満であった場合を耐熱性「可」、5%以上であった場合を耐熱性「不良」として行った。その結果、ΔVHRは2.9%であり、この液晶表示素子の耐熱性は「良好」であった。
(5)シール剤周辺のムラ耐性(ベゼルムラ耐性)
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、25℃、50%RHの条件下に30日保管し、その後、交流電圧5Vで駆動して点灯状態を観察した。評価は、シール剤周辺にて、輝度差(モアブラック又はモアホワイト)が視認されなければ「優良」、視認されるが、点灯後5分以内に輝度差が消失すれば「良好」、5分超20分以内に輝度差が消失すれば「可」、20分経過しても輝度差が視認される場合を「不良」とした。その結果、この液晶表示素子では、シール剤周辺にて輝度差が視認されず、ベゼルムラ耐性「優良」と判断された。
(6)残像特性の評価(DC残像評価)
上記で製造した光配向FFS型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下においた。ボトム電極を4系統の駆動電極すべての共通電極として、ボトム電極の電位を0V電位(グランド電位)に設定した。電極B及び電極Dを共通電極と短絡して0V印加状態としつつ、電極A及び電極Cに交流電圧3.5V及び直流電圧1Vからなる合成電圧を2時間印加した。2時間経過後、直ちに電極A〜電極Dのすべてに交流1.5Vの電圧を印加した。そして、全駆動電極に交流1.5Vの電圧を印加し始めた時点から、駆動ストレス印加領域(電極A及び電極Cの画素領域)と駆動ストレス非印加領域(電極B及び電極Dの画素領域)との輝度差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、これを残像消去時間とした。なお、この時間が短いほど、残像が生じ難いことを示す。残像消去時間が30秒未満であった場合を「良好」、30秒以上120秒未満であった場合を「可」、120秒以上であった場合を「不良」として評価したところ、本実施例の液晶表示素子の残像消去時間は1秒であり、残像特性「良好」と評価された。
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、25℃、50%RHの条件下に30日保管し、その後、交流電圧5Vで駆動して点灯状態を観察した。評価は、シール剤周辺にて、輝度差(モアブラック又はモアホワイト)が視認されなければ「優良」、視認されるが、点灯後5分以内に輝度差が消失すれば「良好」、5分超20分以内に輝度差が消失すれば「可」、20分経過しても輝度差が視認される場合を「不良」とした。その結果、この液晶表示素子では、シール剤周辺にて輝度差が視認されず、ベゼルムラ耐性「優良」と判断された。
(6)残像特性の評価(DC残像評価)
上記で製造した光配向FFS型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下においた。ボトム電極を4系統の駆動電極すべての共通電極として、ボトム電極の電位を0V電位(グランド電位)に設定した。電極B及び電極Dを共通電極と短絡して0V印加状態としつつ、電極A及び電極Cに交流電圧3.5V及び直流電圧1Vからなる合成電圧を2時間印加した。2時間経過後、直ちに電極A〜電極Dのすべてに交流1.5Vの電圧を印加した。そして、全駆動電極に交流1.5Vの電圧を印加し始めた時点から、駆動ストレス印加領域(電極A及び電極Cの画素領域)と駆動ストレス非印加領域(電極B及び電極Dの画素領域)との輝度差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、これを残像消去時間とした。なお、この時間が短いほど、残像が生じ難いことを示す。残像消去時間が30秒未満であった場合を「良好」、30秒以上120秒未満であった場合を「可」、120秒以上であった場合を「不良」として評価したところ、本実施例の液晶表示素子の残像消去時間は1秒であり、残像特性「良好」と評価された。
以上の結果から、特定溶剤(B)を用いた実施例の液晶配向剤はいずれも、低温保管した場合の保存安定性が良好であるとともに、低温保管後の印刷性についても良好であった。これに対し、比較例の液晶配向剤は、保存安定性、及び低温保管後の印刷性が不良であった。このことから、特定溶剤(B)を使用することにより、基板に対する塗布性を確保しつつ保存安定性を改善できることが分かった。
[実施例1B]
撹拌装置及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、ジアミンとして1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア(BAPU) 0.60g(2.0mmol)、及びp−フェニレンジアミン(p−PDA) 1.95g(18.0mmol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA) 3.70g(18.9mmol)を添加し、更に固形分濃度が12重量%になるようにNMPを加え、窒素雰囲気下、室温で4時間撹拌してポリアミック酸(PA−1)の溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(2b−a)で表される化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=60:40(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S1B)を調製した。
撹拌装置及び窒素導入管付きの50ml四つ口フラスコに、ジアミンとして1,3−ビス(4−アミノフェネチル)ウレア(BAPU) 0.60g(2.0mmol)、及びp−フェニレンジアミン(p−PDA) 1.95g(18.0mmol)を入れ、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)30gを加え、窒素を送りながら撹拌して溶解させた。このジアミン溶液を撹拌しながら、テトラカルボン酸二無水物として1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物(CBDA) 3.70g(18.9mmol)を添加し、更に固形分濃度が12重量%になるようにNMPを加え、窒素雰囲気下、室温で4時間撹拌してポリアミック酸(PA−1)の溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(2b−a)で表される化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=60:40(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S1B)を調製した。
[実施例2B]
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.2g(0.098mol)、ジアミンとして1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン24.2g(0.1mol)をNMP343.5gに溶解し、室温で10時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−2)を得た。このポリアミック酸(PA−2)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S2B)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.2g(0.098mol)、ジアミンとして1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン24.2g(0.1mol)をNMP343.5gに溶解し、室温で10時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−2)を得た。このポリアミック酸(PA−2)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S2B)を調製した。
[実施例3B]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 22.42g(0.1mol)、及びジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルアミン(4,4’DADPA)18.73g(0.094mol)をNMP345.1g中で混合し、室温で5時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−3)を得た。このポリアミック酸(PA−3)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=80:20(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S3B)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物 22.42g(0.1mol)、及びジアミンとして4,4’−ジアミノジフェニルアミン(4,4’DADPA)18.73g(0.094mol)をNMP345.1g中で混合し、室温で5時間反応させた。重合反応は容易かつ均一に進行し、ポリアミック酸(PA−3)を得た。このポリアミック酸(PA−3)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=80:20(重量比)、ポリアミック酸濃度が6.0重量%となるように液晶配向剤(S3B)を調製した。
[実施例4B]
ジアミンとしてp−PDA 6.5g(0.06mol)及び4−(4−トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン(PCH7DAB、上記式(d−4−3)で表される化合物)15.22g(0.04mol)をNMP165gに溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.41g(0.099mol)を添加し、室温で24時間反応させ、ポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を得た。得られたポリアミック酸(PA−4)の重量平均分子量(Mw)は40,000であった。この溶液30gに、NMP、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:DEDG:化合物(2b−a)=80:10:10(重量比)、濃度4.5重量%の液晶配向剤(S4B)を調製した。
ジアミンとしてp−PDA 6.5g(0.06mol)及び4−(4−トランス−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ)−1,3−ジアミノベンゼン(PCH7DAB、上記式(d−4−3)で表される化合物)15.22g(0.04mol)をNMP165gに溶解し、これにテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 19.41g(0.099mol)を添加し、室温で24時間反応させ、ポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を得た。得られたポリアミック酸(PA−4)の重量平均分子量(Mw)は40,000であった。この溶液30gに、NMP、ジエチレングリコールジエチルエーテル(DEDG)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:DEDG:化合物(2b−a)=80:10:10(重量比)、濃度4.5重量%の液晶配向剤(S4B)を調製した。
[実施例5B]
ジアミンとしてp−PDA 1.46g(13.5mmol)、及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル(DA−3)0.78g(1.50mmol)をNMP20.0g中で混合し、テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.85g(14.5mmol)を加えるとともに、NMP24.7gを加え、25℃で5時間反応させてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液40.0gに、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度が4.0重量%となるように液晶配向剤(S5B)を調製した。
ジアミンとしてp−PDA 1.46g(13.5mmol)、及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル(DA−3)0.78g(1.50mmol)をNMP20.0g中で混合し、テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.85g(14.5mmol)を加えるとともに、NMP24.7gを加え、25℃で5時間反応させてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸溶液40.0gに、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度が4.0重量%となるように液晶配向剤(S5B)を調製した。
[実施例6B]
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.58g(13.1mmol)、ジアミンとしてPCH7DAB 5.0g(13.1mmol)をNMP43gに溶解し、20℃で4時間撹拌し反応させてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸(PA−6)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=35:65(重量比)、固形分濃度が3.0重量%となるように液晶配向剤(S6B)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてCBDA 2.58g(13.1mmol)、ジアミンとしてPCH7DAB 5.0g(13.1mmol)をNMP43gに溶解し、20℃で4時間撹拌し反応させてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を得た。次いで、得られたポリアミック酸(PA−6)のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=35:65(重量比)、固形分濃度が3.0重量%となるように液晶配向剤(S6B)を調製した。
[実施例7B]
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物(PMDA)8.724g(0.04mol)、ジアミンとしてp−PDA 2.877g(0.0266mol)及びPCH7DAB 4.567g(0.012mol)をNMP91.6g中、室温で3時間反応させ、ポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸溶液25gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(2b−b)で表される化合物(以下、「化合物(2b−b)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−b)=60:40(重量比)、固形分濃度5.0重量%となるように液晶配向剤(S7B)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物(PMDA)8.724g(0.04mol)、ジアミンとしてp−PDA 2.877g(0.0266mol)及びPCH7DAB 4.567g(0.012mol)をNMP91.6g中、室温で3時間反応させ、ポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸溶液25gに、NMP、及び特定溶剤(B)として下記式(2b−b)で表される化合物(以下、「化合物(2b−b)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−b)=60:40(重量比)、固形分濃度5.0重量%となるように液晶配向剤(S7B)を調製した。
[実施例8B]
ジアミンとして2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン14.64g(0.072mol)、モノアミンとしてn−ドデシルアミン2.96g(0.016mol)、及びテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 15.69g(0.08mol)をNMP300g中、室温で4時間反応させ、ポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸中間体のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S8B)を調製した。
ジアミンとして2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン14.64g(0.072mol)、モノアミンとしてn−ドデシルアミン2.96g(0.016mol)、及びテトラカルボン酸二無水物としてCBDA 15.69g(0.08mol)をNMP300g中、室温で4時間反応させ、ポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。このポリアミック酸中間体のNMP溶液に、NMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S8B)を調製した。
[実施例9B]
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとしてPCH7DAB 0.68g(0.0018mol)及びp−PDA 1.75g(0.0162mol)をNMP39.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液42gにNMPを加えて1重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸4.18g、ピリジン6.48gを加え、室温で30分、120℃で2時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−1))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末にNMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え溶解させ、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、固形分濃度4.5重量%となるように液晶配向剤(S9B)を調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとしてPCH7DAB 0.68g(0.0018mol)及びp−PDA 1.75g(0.0162mol)をNMP39.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液42gにNMPを加えて1重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸4.18g、ピリジン6.48gを加え、室温で30分、120℃で2時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−1))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末にNMP、及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)を加え溶解させ、溶剤組成がNMP:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、固形分濃度4.5重量%となるように液晶配向剤(S9B)を調製した。
[比較例1B、3B〜9B]
液晶配向剤の溶剤組成につき、第2溶剤として特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブ(BC)を使用した点以外は、上記実施例1B、3B〜9Bと同様に重合体を合成するとともに液晶配向剤を調製し、液晶配向剤(R1B)、(R3B)〜(R9B)をそれぞれ得た。
[比較例2B]
液晶配向剤の溶剤組成につき、第2溶剤として特定溶剤(B)に代えてエチレングリコールジメチルエーテルを使用した点以外は、上記実施例2Bと同様に重合体を合成するとともに液晶配向剤を調製し、液晶配向剤(R2B)を得た。
なお、比較例XB(Xは1〜9の整数)は実施例XBに対応する例となっている。つまり、比較例XBでは、実施例XBと同じ重合体を合成するとともに、特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブまたはエチレングリコールジメチルエーテルを使用した以外は実施例XBと同様に液晶配向剤を調製した。
液晶配向剤の溶剤組成につき、第2溶剤として特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブ(BC)を使用した点以外は、上記実施例1B、3B〜9Bと同様に重合体を合成するとともに液晶配向剤を調製し、液晶配向剤(R1B)、(R3B)〜(R9B)をそれぞれ得た。
[比較例2B]
液晶配向剤の溶剤組成につき、第2溶剤として特定溶剤(B)に代えてエチレングリコールジメチルエーテルを使用した点以外は、上記実施例2Bと同様に重合体を合成するとともに液晶配向剤を調製し、液晶配向剤(R2B)を得た。
なお、比較例XB(Xは1〜9の整数)は実施例XBに対応する例となっている。つまり、比較例XBでは、実施例XBと同じ重合体を合成するとともに、特定溶剤(B)に代えてブチルセロソルブまたはエチレングリコールジメチルエーテルを使用した以外は実施例XBと同様に液晶配向剤を調製した。
[実施例10B]
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとして上記式(d−4−2)で表される化合物(PBCH5DAB) 2.34g(0.0054mol)及び3,5−ジアミノ安息香酸(35DAB)1.92g(0.0126mol)をNMP26.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液30gにNMPを加えて6重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸2.4g、ピリジン1.8gを加え、室温で30分、110℃で4時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−2))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.4g(3−AMPとして0.03gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S10B)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D1:化合物(2b−a)=30:20:50(重量比)となるように調製した。
テトラカルボン酸二無水物としてビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物(BODA)4.50g(0.018mol)、ジアミンとして上記式(d−4−2)で表される化合物(PBCH5DAB) 2.34g(0.0054mol)及び3,5−ジアミノ安息香酸(35DAB)1.92g(0.0126mol)をNMP26.3g中、室温で反応させた後、さらに40℃で43時間反応させた。このポリアミック酸溶液30gにNMPを加えて6重量%の溶液を調製し、これにイミド化触媒として、無水酢酸2.4g、ピリジン1.8gを加え、室温で30分、110℃で4時間反応させた。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、白色のポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−2))のイミド化率を測定したところ、72%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.4g(3−AMPとして0.03gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S10B)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D1:化合物(2b−a)=30:20:50(重量比)となるように調製した。
[実施例11B]
ポリアミック酸の合成に使用するPBCH5DABの量を3.90g(0.0090mol)、3,5−ジアミノ安息香酸の量を1.37g(0.0090mol)に変更した点以外は実施例10Bと同様の操作を行い、ポリアミック酸溶液を得た。また、得られたポリアミック酸溶液を用いて実施例10Bと同様の操作を行い、ポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−3))のイミド化率を測定したところ、74%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−b)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.8g(3−AMPとして0.06gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S11B)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D2:化合物(2b−b)=30:30:40(重量比)となるように調製した。
ポリアミック酸の合成に使用するPBCH5DABの量を3.90g(0.0090mol)、3,5−ジアミノ安息香酸の量を1.37g(0.0090mol)に変更した点以外は実施例10Bと同様の操作を行い、ポリアミック酸溶液を得た。また、得られたポリアミック酸溶液を用いて実施例10Bと同様の操作を行い、ポリイミド粉末を得た。得られたポリイミド粉末(ポリイミド(PI−3))のイミド化率を測定したところ、74%であった。この粉末0.6gを、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−b)の混合溶媒に溶解させ、ポリイミド濃度6.0重量%の溶液とした。この溶液に、3−アミノメチルピリジン(3−AMP)の7.5重量%NMP溶液0.8g(3−AMPとして0.06gに相当)を添加し、50℃で15時間撹拌することにより液晶配向剤(S11B)を得た。なお、液晶配向剤は、溶剤組成がNMP:D2:化合物(2b−b)=30:30:40(重量比)となるように調製した。
[実施例12B]
上記実施例1Aと同様にしてポリアミック酸(PA−1)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−b)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(2b−b)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S12B)を得た。
[実施例13B]
上記実施例2Bと同様にしてポリアミック酸(PA−2)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S13B)を得た。
上記実施例1Aと同様にしてポリアミック酸(PA−1)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−b)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(2b−b)=60:40(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S12B)を得た。
[実施例13B]
上記実施例2Bと同様にしてポリアミック酸(PA−2)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S13B)を得た。
[実施例14B]
上記実施例3Bと同様にしてポリアミック酸(PA−3)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D1:化合物(2b−a)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S14B)を得た。
[実施例15B]
上記実施例4Bと同様にしてポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末及び、添加剤として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(E1)を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(2b−a)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S15B)を得た。なお、用いた添加剤(E1)の量は、ポリアミック酸粉末に対して5重量部とした。
上記実施例3Bと同様にしてポリアミック酸(PA−3)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D1:化合物(2b−a)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S14B)を得た。
[実施例15B]
上記実施例4Bと同様にしてポリアミック酸(PA−4)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末及び、添加剤として、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(E1)を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(2b−a)=40:40:20(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S15B)を得た。なお、用いた添加剤(E1)の量は、ポリアミック酸粉末に対して5重量部とした。
[実施例16B]
上記実施例5Bと同様にしてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(2b−a)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S16B)を得た。
[実施例17B]
上記実施例6Bと同様にしてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(2b−a)=35:65(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S17B)を得た。
上記実施例5Bと同様にしてポリアミック酸(PA−5)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(2b−a)=75:25(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S16B)を得た。
[実施例17B]
上記実施例6Bと同様にしてポリアミック酸(PA−6)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD2:化合物(2b−a)=35:65(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S17B)を得た。
[実施例18B]
上記実施例7Bと同様にしてポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及びγ−ブチルラクトン(D3)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D3:化合物(2b−a)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S18B)を得た。
[実施例19B]
上記実施例8Bと同様にしてポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−b)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(2b−b)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S19B)を得た。
[実施例20B]
上記実施例9Bと同様にしてポリイミド(PI−1)の粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S20B)を得た。
上記実施例7Bと同様にしてポリアミック酸(PA−7)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及びγ−ブチルラクトン(D3)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D3:化合物(2b−a)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S18B)を得た。
[実施例19B]
上記実施例8Bと同様にしてポリアミック酸中間体(PA−8)を含む溶液を調製した。この溶液を大量のメタノール中に投入し、得られた白色沈殿を濾別、乾燥し、ポリアミック酸粉末を得た。この粉末を、第1溶剤としてNMP及び3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D2)、並びに特定溶剤(B)として化合物(2b−b)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がNMP:D2:化合物(2b−b)=30:30:40(重量比)、ポリアミック酸濃度6.0重量%の液晶配向剤(S19B)を得た。
[実施例20B]
上記実施例9Bと同様にしてポリイミド(PI−1)の粉末を得た。この粉末を、第1溶剤として3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(D1)及び特定溶剤(B)として化合物(2b−a)の混合溶媒に溶解させ、溶剤組成がD1:化合物(2b−a)=50:50(重量比)、固形分濃度6.0重量%の液晶配向剤(S20B)を得た。
<保存安定性の評価>
上記で得られた各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−30℃で1か月間保管した後、室温(25℃)に戻し、液晶配向剤中の析出物の有無を観察した。その結果を下記表3及び表4に示す。なお、表3及び表4では、液晶配向剤中に析出物が観察されなかった場合を「○」、析出物が観察された場合を「×」と示した。
上記で得られた各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−30℃で1か月間保管した後、室温(25℃)に戻し、液晶配向剤中の析出物の有無を観察した。その結果を下記表3及び表4に示す。なお、表3及び表4では、液晶配向剤中に析出物が観察されなかった場合を「○」、析出物が観察された場合を「×」と示した。
<印刷性の評価>
上記で調製した各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−15℃で6か月間保管した後、室温(25℃)に戻した。次いで、液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率20倍の顕微鏡で観察して印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、印刷ムラ及びピンホールが殆ど観察されなかった場合を印刷性良好(○)、印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが観察された場合を印刷性不良(×)として行った。その結果を下記表3及び表4に示す。
上記で調製した各々の液晶配向剤について、1.0μmのフィルターで濾過した後に−15℃で6か月間保管した後、室温(25℃)に戻した。次いで、液晶配向剤を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。その後、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜を倍率20倍の顕微鏡で観察して印刷ムラ及びピンホールの有無を調べた。評価は、印刷ムラ及びピンホールが殆ど観察されなかった場合を印刷性良好(○)、印刷ムラ及びピンホールの少なくともいずれかが観察された場合を印刷性不良(×)として行った。その結果を下記表3及び表4に示す。
なお、表3及び表4中の略称は以下の通りである。
(酸二無水物)
AN−1;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
AN−2;2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
AN−3;ピロメリット酸二無水物
AN−4;ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物
(ジアミン)
DA−1:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
DA−2:2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン
DA−3:3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル
35DAB:3,5−ジアミノ安息香酸
(モノアミン)
MA−1:n−ドデシルアミン
(第1溶剤)
D1:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D2:3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D3:γ−ブチルラクトン
(第2溶剤)
D4:エチレングリコールジメチルエーテル
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
BC:ブチルセロソルブ
(添加剤)
3−AMP:3−アミノメチルピリジン(上記式(c−1−16)で表される化合物)
E1:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
(酸二無水物)
AN−1;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
AN−2;2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物
AN−3;ピロメリット酸二無水物
AN−4;ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸2:4,6:8−二無水物
(ジアミン)
DA−1:1,5−ビス(4−アミノフェノキシ)ペンタン
DA−2:2,4−ジアミノ−N,N−ジアリルアニリン
DA−3:3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル
35DAB:3,5−ジアミノ安息香酸
(モノアミン)
MA−1:n−ドデシルアミン
(第1溶剤)
D1:3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D2:3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド
D3:γ−ブチルラクトン
(第2溶剤)
D4:エチレングリコールジメチルエーテル
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
BC:ブチルセロソルブ
(添加剤)
3−AMP:3−アミノメチルピリジン(上記式(c−1−16)で表される化合物)
E1:N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン
<光配向FFS型液晶表示素子の製造および評価>
(1)光配向法を用いたFFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、上記で得た液晶配向剤(S1B)を用いてインクジェット塗布法により塗膜を形成した。なお、液晶配向剤(S1B)につき、基板上に塗布する前に、溶剤組成を「NMP:(2b−a)=60:40(重量比)」としたままで粘度が18cPとなるように調製し、粘度調整した液晶配向剤を基板上に塗布した。
次いで、この塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚1,000Åの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。また、トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、この液晶表示素子の駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
(1)光配向法を用いたFFS型液晶表示素子の製造
図1に示すFFS型液晶表示素子10を作製した。先ず、パターンを有さないボトム電極15、絶縁層14としての窒化ケイ素膜、及び櫛歯状にパターニングされたトップ電極13がこの順で形成された電極対を片面に有するガラス基板11aと、電極が設けられていない対向ガラス基板11bとを一対とし、ガラス基板11aの透明電極を有する面と対向ガラス基板11bの一面とに、上記で得た液晶配向剤(S1B)を用いてインクジェット塗布法により塗膜を形成した。なお、液晶配向剤(S1B)につき、基板上に塗布する前に、溶剤組成を「NMP:(2b−a)=60:40(重量比)」としたままで粘度が18cPとなるように調製し、粘度調整した液晶配向剤を基板上に塗布した。
次いで、この塗膜を80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換したオーブン中で230℃にて15分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚1,000Åの塗膜を形成した。ここで使用したトップ電極13の平面模式図を図2に示した。なお、図2(a)は、トップ電極13の上面図であり、図2(b)は、図2(a)の破線で囲った部分C1の拡大図である。本実施例では、電極の線幅d1が4μm、電極間の距離d2が6μmのトップ電極を有する基板を使用した。また、トップ電極13としては、電極A、電極B、電極C及び電極Dの4系統の駆動電極を用いた。図3に、この液晶表示素子の駆動電極の構成を示した。この場合、ボトム電極15は、4系統の駆動電極のすべてに作用する共通電極として働き、4系統の駆動電極の領域のそれぞれが画素領域となる。
次いで、これら塗膜の各表面に、それぞれ、Hg−Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線300J/m2を基板法線方向から照射して、液晶配向膜を有する一対の基板を得た。このとき、偏光紫外線の照射方向は基板法線方向からとし、偏光紫外線の偏光面を基板に投影した線分の方向が図2中の両頭矢印の方向となるように偏光面方向を設定したうえで光照射処理を行った。
次いで、上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、1対の基板の液晶配向膜面を対向させ、偏光紫外線の偏光面を基板へ投影した方向が平行となるように重ね合わせて圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化した。次いで、液晶注入口から基板間隙にメルク社製液晶「MLC−6221」を充填した後、エポキシ樹脂接着剤で液晶注入口を封止した。その後、液晶注入時の流動配向を除くために、これを150℃まで加熱してから室温まで徐冷した。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
上記の方法を繰り返し、合計5個のFFS型液晶表示素子を製造し、下記の液晶配向性の評価、電圧保持率の評価、耐熱性の評価、ベゼルムラ耐性、および残像特性の評価に1個ずつを供した。ただし、いずれの場合も電圧印加下の紫外線照射は行わなかった。
次に、基板の外側両面に偏光板を貼り合わせることにより、FFS型液晶表示素子を製造した。このとき、偏光板のうちの1枚は、その偏光方向が液晶配向膜の偏光紫外線の偏光面の基板面への射影方向と平行となるように貼付し、もう1枚はその偏光方向が先の偏光板の偏光方向と直交するように貼付した。
上記の方法を繰り返し、合計5個のFFS型液晶表示素子を製造し、下記の液晶配向性の評価、電圧保持率の評価、耐熱性の評価、ベゼルムラ耐性、および残像特性の評価に1個ずつを供した。ただし、いずれの場合も電圧印加下の紫外線照射は行わなかった。
(2)液晶配向性の評価
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として行った。この液晶表示素子では液晶配向性「良好」であった。
(3)電圧保持率の評価
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定したところ、電圧保持率は99.4%であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(4)耐熱性の評価
上記の(3)電圧保持率の評価と同様に電圧保持率を測定し、その値を初期VHR(VHRBF)とした。次いで、初期VHR測定後の液晶表示素子につき、100℃のオーブン中に500時間静置した。その後、この液晶表示素子を室温下に静置して室温まで放冷した後、上記同様に電圧保持率を測定し、その値をVHRAFとした。また、下記数式(EX−2)により、熱ストレスの付与前後の電圧保持率の変化率(△VHR(%))を求めた。
△VHR(%)=((VHRBF−VHRAF)÷VHRBF)×100 …(EX−2)
耐熱性の評価は、変化率ΔVHRが4%未満であった場合を耐熱性「良好」、4%以上5%未満であった場合を耐熱性「可」、5%以上であった場合を耐熱性「不良」として行った。その結果、ΔVHRは2.9%であり、この液晶表示素子の耐熱性は「良好」であった。
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、5Vの電圧をON・OFF(印加・解除)したときの明暗の変化における異常ドメインの有無を顕微鏡によって倍率50倍で観察した。評価は、異常ドメインが観察されなかった場合を液晶配向性「良好」とし、異常ドメインが観察された場合を液晶配向性「不良」として行った。この液晶表示素子では液晶配向性「良好」であった。
(3)電圧保持率の評価
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率(VHR)を測定したところ、電圧保持率は99.4%であった。なお、測定装置としては、(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
(4)耐熱性の評価
上記の(3)電圧保持率の評価と同様に電圧保持率を測定し、その値を初期VHR(VHRBF)とした。次いで、初期VHR測定後の液晶表示素子につき、100℃のオーブン中に500時間静置した。その後、この液晶表示素子を室温下に静置して室温まで放冷した後、上記同様に電圧保持率を測定し、その値をVHRAFとした。また、下記数式(EX−2)により、熱ストレスの付与前後の電圧保持率の変化率(△VHR(%))を求めた。
△VHR(%)=((VHRBF−VHRAF)÷VHRBF)×100 …(EX−2)
耐熱性の評価は、変化率ΔVHRが4%未満であった場合を耐熱性「良好」、4%以上5%未満であった場合を耐熱性「可」、5%以上であった場合を耐熱性「不良」として行った。その結果、ΔVHRは2.9%であり、この液晶表示素子の耐熱性は「良好」であった。
(5)シール剤周辺のムラ耐性(ベゼルムラ耐性)
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、25℃、50%RHの条件下に30日保管し、その後、交流電圧5Vで駆動して点灯状態を観察した。評価は、シール剤周辺にて、輝度差(モアブラック又はモアホワイト)が視認されなければ「優良」、視認されるが、点灯後5分以内に輝度差が消失すれば「良好」、5分超20分以内に輝度差が消失すれば「可」、20分経過しても輝度差が視認される場合を「不良」とした。その結果、この液晶表示素子では、シール剤周辺にて輝度差が視認されず、「優良」と判断された。
(6)残像特性の評価(DC残像評価)
上記で製造した光配向型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下においた。ボトム電極を4系統の駆動電極すべての共通電極として、ボトム電極の電位を0V電位(グランド電位)に設定した。電極B及び電極Dを共通電極と短絡して0V印加状態としつつ、電極A及び電極Cに交流電圧3.5V及び直流電圧1Vからなる合成電圧を2時間印加した。2時間経過後、直ちに電極A〜電極Dのすべてに交流1.5Vの電圧を印加した。そして、全駆動電極に交流1.5Vの電圧を印加し始めた時点から、駆動ストレス印加領域(電極A及び電極Cの画素領域)と駆動ストレス非印加領域(電極B及び電極Dの画素領域)との輝度差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、これを残像消去時間とした。なお、この時間が短いほど、残像が生じ難いことを示す。残像消去時間が30秒未満であった場合を「良好」、30秒以上120秒未満であった場合を「可」、120秒以上であった場合を「不良」として評価したところ、本実施例の液晶表示素子の残像消去時間は1秒であり、残像特性「良好」と評価された。
上記で製造したFFS型液晶表示素子につき、25℃、50%RHの条件下に30日保管し、その後、交流電圧5Vで駆動して点灯状態を観察した。評価は、シール剤周辺にて、輝度差(モアブラック又はモアホワイト)が視認されなければ「優良」、視認されるが、点灯後5分以内に輝度差が消失すれば「良好」、5分超20分以内に輝度差が消失すれば「可」、20分経過しても輝度差が視認される場合を「不良」とした。その結果、この液晶表示素子では、シール剤周辺にて輝度差が視認されず、「優良」と判断された。
(6)残像特性の評価(DC残像評価)
上記で製造した光配向型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下においた。ボトム電極を4系統の駆動電極すべての共通電極として、ボトム電極の電位を0V電位(グランド電位)に設定した。電極B及び電極Dを共通電極と短絡して0V印加状態としつつ、電極A及び電極Cに交流電圧3.5V及び直流電圧1Vからなる合成電圧を2時間印加した。2時間経過後、直ちに電極A〜電極Dのすべてに交流1.5Vの電圧を印加した。そして、全駆動電極に交流1.5Vの電圧を印加し始めた時点から、駆動ストレス印加領域(電極A及び電極Cの画素領域)と駆動ストレス非印加領域(電極B及び電極Dの画素領域)との輝度差が目視で確認できなくなるまでの時間を測定し、これを残像消去時間とした。なお、この時間が短いほど、残像が生じ難いことを示す。残像消去時間が30秒未満であった場合を「良好」、30秒以上120秒未満であった場合を「可」、120秒以上であった場合を「不良」として評価したところ、本実施例の液晶表示素子の残像消去時間は1秒であり、残像特性「良好」と評価された。
表3及び表4に示すように、特定溶剤(B)を用いた実施例の液晶配向剤はいずれも、低温保管した場合の保存安定性が良好であるとともに、低温保管後の印刷性についても良好であった。これに対し、比較例の液晶配向剤は、保存安定性、及び低温保管後の印刷性が不良であった。このことから、特定溶剤(B)を使用することにより、基板に対する塗布性を確保しつつ保存安定性を改善できることが分かった。
<ポリイミドの合成>
[合成例1:ポリイミド(PI−1C)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(TCA)22.4g(0.1モル)、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン(PDA)8.6g(0.08モル)及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル(HCDA)10.5g(0.02モル)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)166gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は90mPa・sであった。
[合成例1:ポリイミド(PI−1C)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物(TCA)22.4g(0.1モル)、ジアミンとしてp−フェニレンジアミン(PDA)8.6g(0.08モル)及び3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル(HCDA)10.5g(0.02モル)を、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)166gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、N−メチル−2−ピロリドンを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は90mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液に、NMPを追加してポリアミック酸濃度7重量%の溶液とし、ピリジン11.9g及び無水酢酸15.3gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなNMPで溶媒置換(本操作によって脱水閉環反応に使用したピリジン及び無水酢酸を系外に除去した。以下同じ。)することにより、イミド化率約68%のポリイミド(PI−1C)を26重量%含有する溶液を得た。得られたポリイミド溶液を少量分取し、NMPを加えてポリイミド濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は45mPa・sであった。
[合成例2:ポリイミド(PI−2C)の合成]
テトラカルボン酸二無水物としてTCA22.5g(0.1モル)、ジアミンとしてPDA7.6g(0.07モル)、HCDA5.2g(0.01モル)及び4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)4.0g(0.02モル)、をNMP157gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、NMPを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は110mPa・sであった。
テトラカルボン酸二無水物としてTCA22.5g(0.1モル)、ジアミンとしてPDA7.6g(0.07モル)、HCDA5.2g(0.01モル)及び4,4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)4.0g(0.02モル)、をNMP157gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、NMPを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は110mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液に、NMPを追加してポリアミック酸濃度7重量%の溶液とし、ピリジン16.6g及び無水酢酸21.4gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなNMPで溶媒置換することにより、イミド化率約82%のポリイミド(PI−2C)を26重量%含有する溶液を得た。得られたポリイミド溶液を少量分取し、NMPを加えてポリイミド濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は62mPa・sであった。
[合成例3:ポリイミド(PI−3C)の合成]
テトラカルボン酸二無水物として2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物(BODA)24.9g(0.10モル)、ジアミンとしてPDA8.6g(0.08モル)及びHCDA10.4g(0.02モル)を、NMP176gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、NMPを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は103mPa・sであった。
テトラカルボン酸二無水物として2,4,6,8−テトラカルボキシビシクロ[3.3.0]オクタン−2:4,6:8−二無水物(BODA)24.9g(0.10モル)、ジアミンとしてPDA8.6g(0.08モル)及びHCDA10.4g(0.02モル)を、NMP176gに溶解し、60℃で6時間反応を行い、ポリアミック酸を20重量%含有する溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液を少量分取し、NMPを加えてポリアミック酸濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は103mPa・sであった。
次いで、得られたポリアミック酸溶液に、NMPを追加してポリアミック酸濃度7重量%の溶液とし、ピリジン11.9g及び無水酢酸15.3gを添加して110℃で4時間脱水閉環反応を行った。脱水閉環反応後、系内の溶媒を新たなNMPで溶媒置換することにより、イミド化率約71%のポリイミド(PI−3C)を26重量%含有する溶液を得た。得られたポリイミド溶液を少量分取し、NMPを加えてポリイミド濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は57mPa・sであった。
<液晶配向剤の調製>
[実施例1C]
合成したポリイミド(PI−1C)100重量部を含有する溶液に、溶剤としてNMP、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ、BC)及び下記式(b1−1)で表される化合物(以下、「化合物(b1−1)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:BC:化合物(b1−1)=30:50:20(重量比)、固形分濃度6.5重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過することにより液晶配向剤(S−1)を調製した。
[実施例1C]
合成したポリイミド(PI−1C)100重量部を含有する溶液に、溶剤としてNMP、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ、BC)及び下記式(b1−1)で表される化合物(以下、「化合物(b1−1)」という。)を加え、溶剤組成がNMP:BC:化合物(b1−1)=30:50:20(重量比)、固形分濃度6.5重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いて濾過することにより液晶配向剤(S−1)を調製した。
[実施例2C〜18C、比較例1C〜4C]
使用するポリイミド及び溶剤組成をそれぞれ下記表5に記載のとおり変更した以外は、上記実施例1Cと同様の方法により液晶配向剤(S−2)〜(S−18)、(SR−1)〜(SR−4)をそれぞれ調製した。
使用するポリイミド及び溶剤組成をそれぞれ下記表5に記載のとおり変更した以外は、上記実施例1Cと同様の方法により液晶配向剤(S−2)〜(S−18)、(SR−1)〜(SR−4)をそれぞれ調製した。
<印刷性の評価>
上記で調製したそれぞれの液晶配向剤につき印刷性について評価した。評価は以下のようにして行った。まず、調製した液晶配向剤の各々につき、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製、オングストローマー形式「S40L−532」)を用いて、アニロックスロールへの液晶配向剤の滴下量を往復20滴(約0.2g)の条件にて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。基板への塗布は、1分間隔で新しい基板を用いながら20回実施した。
続いて、液晶配向剤を1分間隔でアニロックスロール上にディスペンス(片道)し、その都度、アニロックスロールと印刷版とを接触させる作業(以下、空運転という)を合計10回行った(この間、ガラス基板への印刷は行わない)。なお、この空運転は、液晶表示素子の通常の製造プロセスにおいて行われるものではなく、液晶配向剤の基板への印刷を意図的に過酷な状況下で実施させるために行った操作である。
上記で調製したそれぞれの液晶配向剤につき印刷性について評価した。評価は以下のようにして行った。まず、調製した液晶配向剤の各々につき、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷機(株)製、オングストローマー形式「S40L−532」)を用いて、アニロックスロールへの液晶配向剤の滴下量を往復20滴(約0.2g)の条件にて、ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面に塗布した。基板への塗布は、1分間隔で新しい基板を用いながら20回実施した。
続いて、液晶配向剤を1分間隔でアニロックスロール上にディスペンス(片道)し、その都度、アニロックスロールと印刷版とを接触させる作業(以下、空運転という)を合計10回行った(この間、ガラス基板への印刷は行わない)。なお、この空運転は、液晶表示素子の通常の製造プロセスにおいて行われるものではなく、液晶配向剤の基板への印刷を意図的に過酷な状況下で実施させるために行った操作である。
10回の空運転の後、ガラス基板を用いて本印刷を行った。本印刷では、空運転後、基板を30秒間隔で5枚投入し、液晶配向剤が塗布されたそれぞれの基板を80℃で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、200℃で10分間加熱(ポストベーク)して、膜厚約80nmの塗膜を形成した。この塗膜のパターンエッジ部分(印刷パターンの外周部分)を倍率20倍の顕微鏡で観察することにより印刷性を評価した。評価は、空運転後の本印刷1回目から析出物(ポリイミドと思われる)が観察されなかった場合を優良(○)、空運転後の本印刷1回目では析出物が観察されたが、本印刷を5回実施する間に析出物が消失した場合を良好(△)、本印刷を5回繰り返した後においても析出物が観察された場合を不良(×)として行った。その評価結果を下記表5に示す。なお、印刷性が良好な液晶配向剤では、連続で基板を投入している間に析出物が良化(消失)することが実験により分かっている。
また、空運転の回数をそれぞれ15回、20回、25回に変更した以外は上記と同様の操作を行うことにより液晶配向剤の印刷性を評価した。その評価結果について、下記表5に併せて示す。
また、空運転の回数をそれぞれ15回、20回、25回に変更した以外は上記と同様の操作を行うことにより液晶配向剤の印刷性を評価した。その評価結果について、下記表5に併せて示す。
<膜表面の乾燥レベルの評価>
上記「印刷性の評価」においてプレベークを実施した後の塗膜について、膜表面の乾燥レベルを評価した。評価は、膜表面に手で触れた際にべとつき感が残っていなかった場合を良好(○)、べとつき感が残っていた場合を不良(×)として行った。その評価結果を下記表5に示す。なお、ここでは、10回の空運転後に実施した本印刷の基板を用いて評価した。
上記「印刷性の評価」においてプレベークを実施した後の塗膜について、膜表面の乾燥レベルを評価した。評価は、膜表面に手で触れた際にべとつき感が残っていなかった場合を良好(○)、べとつき感が残っていた場合を不良(×)として行った。その評価結果を下記表5に示す。なお、ここでは、10回の空運転後に実施した本印刷の基板を用いて評価した。
なお、表5における溶剤組成の記号は、それぞれ以下の意味である。
a:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
b:エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(BC)
d:化合物(b1−1)
e:下記式(b2−1)で表される化合物
f:下記式(b2−2)で表される化合物
g:N−ビニル−2−ピロリドン
h:N−シクロへキシル−2−ピロリドン
i:N−オクチル−2−ピロリドン
a:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
b:エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル(BC)
d:化合物(b1−1)
e:下記式(b2−1)で表される化合物
f:下記式(b2−2)で表される化合物
g:N−ビニル−2−ピロリドン
h:N−シクロへキシル−2−ピロリドン
i:N−オクチル−2−ピロリドン
印刷性について、実施例の液晶配向剤ではいずれも、10回の空回転後の本印刷1回目から析出物が観察されなかった。これは、15回の空運転後でも同様であった。また、空運転の回数を20回、25回に増やした場合には、本印刷1回目では析出物が観察されるものもあったが、5回の本印刷が終わるまでの間に析出物が消失した。これらのことから、実施例の液晶配向剤は、印刷中に析出物が発生しにくく、印刷性が良好であることが分かった。
10…液晶表示素子、11a,11b…ガラス基板、12…液晶配向膜、13…トップ電極、14…絶縁層、15…ボトム電極、16…液晶層
Claims (9)
- ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)と、溶剤と、を含有する組成物であって、
前記溶剤が、下記式(b−1A)で表される化合物、下記式(b−1B)で表される化合物、下記式(b1)で表される化合物、及び下記式(b2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定溶剤(B)を含む、組成物。
- ポリアミック酸、ポリイミド及びポリアミック酸エステルよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体(A)と、溶剤と、を含有する液晶配向剤であって、
前記溶剤が、下記式(b−1A)で表される化合物、下記式(b−1B)で表される化合物、下記式(b1)で表される化合物、及び下記式(b2)で表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である特定溶剤(B)を含む、液晶配向剤。
- 前記重合体(A)は、下記式(d−1)〜式(d−5)のそれぞれで表される化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種のジアミンに由来する部分構造を有する重合体を含む、請求項2に記載の液晶配向剤。
- 前記特定溶剤(B)の含有量が、前記溶剤の全体量の1〜70重量%である、請求項2又は3に記載の液晶配向剤。
- 分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基に結合しているアミン化合物(C)を更に含有する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 請求項2〜7のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
- 請求項8に記載の液晶配向膜を具備する液晶表示素子。
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