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JP2016132658A - 悪性中皮腫の診断補助方法及び診断補助剤 - Google Patents

悪性中皮腫の診断補助方法及び診断補助剤 Download PDF

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JP2016132658A JP2015010674A JP2015010674A JP2016132658A JP 2016132658 A JP2016132658 A JP 2016132658A JP 2015010674 A JP2015010674 A JP 2015010674A JP 2015010674 A JP2015010674 A JP 2015010674A JP 2016132658 A JP2016132658 A JP 2016132658A
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Toru Tanaka
徹 田中
元夫 中島
Motoo Nakajima
元夫 中島
能伸 大崎
Takanobu Osaki
能伸 大崎
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SBI Pharmaceuticals Co Ltd
Asahikawa Medical University NUC
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Abstract

【課題】悪性中皮腫の細胞診断・組織診断のための胸腔鏡によるバイオプシの成功効率をあげるための薬剤と手法を提供する。
【解決手段】式(I)で示される化合物又はその塩(5−ALA類)が投与された対象の胸膜に励起光を照射し、5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンの励起により発する蛍光をカラー撮像し、波長636±2nmに相当するエネルギー(ER)と波長500±2nmに相当するエネルギー(EG)を算出し、かつ、EG値及び/又はER値を利用することで赤色蛍光部の特定を補助する画像処理を蛍光像において実施し、赤色蛍光部をバイオプシする部位として特定し、特定した部位をバイオプシにより細胞診断を行ない悪性中皮腫を診断する。

【選択図】なし

Description

本発明は、悪性中皮腫の診断を補助する方法や、かかる方法に用いるための診断補助剤に関し、より詳しくは、5−アミノレブリン酸(5−ALA)若しくはその誘導体又はそれらの塩を用いる悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法や、かかる方法に用いるための5−ALA類を含む細胞診断・組織診断補助剤に関する。
悪性中皮腫はアスベストの曝露を原因とする腫瘍で、アスベストの曝露から時間をおいて発症するのが特徴である。予後は悪く、早期の発見も困難である。
悪性中皮腫はアスベストの曝露によって起こるため、労災認定や石綿救済などのために正確な診断が求められている。現在の確定診断は細胞診断・組織診断であり、救済措置を受けるには中央病理診断での確定が必要である。また、悪性中皮腫の治療は大きく胸膜を剥ぐ必要があり、場合によっては肺の摘出も伴う侵襲性の高いものであり、この観点からも正確な細胞診断・組織診断が重要である。
現在の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断は胸腔鏡下でバイオプシを行うものであるが、CT検査などで悪性中皮腫を疑われる患者の場合はすでに胸膜が肥厚しているときが多く、どの部位をバイオプシすればよいか見当のつかないことが多い。肥厚した場所を何カ所もバイオプシして細胞診断・組織診断を行うことになるが、悪性中皮腫細胞をうまくとれずに、治療が後手になったり、患者が救済措置を受けられない例も多い。
これを解決する方法として、胸腔鏡によるバイオプシ前に患者に5−ALA塩酸塩を投与し、悪性中皮腫細胞に蓄積するプロトポルフィリンIXの蛍光をガイドに正確なバイオプシを行おうという試みがある。プロトポルフィリンIXの蛍光をガイドにするこの手法は脳腫瘍で実用化されており、膀胱がんなどでも有効であることが報告されており、一般的な肺がんでも有用であることが知られているが、残念なことに悪性中皮腫では他のがんほどの蛍光が観察されないためその試みは低調である。
また、狭い波長域の青色光を照射し、一般にがん細胞に多い血管の分布を観察するナローバンド解析や自家蛍光の低い箇所を探す解析も悪性中皮腫は肥厚した胸膜中に散在するため有効なガイドと成り得ていない。
他方、5−ALAは、動物や植物や菌類に広く存在するテトラピロール生合成経路の中間体として知られており、通常5−アミノレブリン酸合成酵素により、スクシニルCoAとグリシンとから生合成される。5−ALAを用いた光線力学的診断又は光線力学的治療も開発され、侵襲性が低くQOLが保たれる診断法・治療法として注目されており、5−ALA等を用いた腫瘍診断・治療剤等が報告されている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、ALAは、成人病、がん、男性不妊の予防改善剤や治療剤として有用であることも知られている。
国際公開WO2011/161933 特開2011−016753号公報 国際公開WO2009/130893
本発明の課題は、悪性中皮腫の細胞診断・組織診断のための胸腔鏡によるバイオプシの成功効率をあげるための薬剤と手法を提供することにある。
本発明者らは、他のがんの光動力学的診断に用いられる5−ALAの投与とこれに伴うプロトポルフィリンの蛍光観察に他の工学的要素を加味し、さらに、その条件を洗練することにより課題を解決できると考え、種々の画像処理条件を検討することで、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
(1)(a)下記式(I)で示される化合物又はその塩(5−ALA類)が投与された対象の胸膜に胸腔鏡を通じて励起光を照射するステップ;(b)5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンIX(PpIX)が励起された場合に発する蛍光をカラー撮像するステップ;(c)カラー撮影蛍光像を解析処理することにより波長636±2nmに相当する蛍光エネルギー(ER)と波長500±2nmに相当する蛍光エネルギー(EG)を算出し、かつ、EG値及び/又はER値を適切に利用することで赤色蛍光部の特定を補助する画像処理をカラー撮影蛍光像において実施するステップ;(d)画像処理したカラー撮影蛍光像中の赤色蛍光部をバイオプシする部位として特定するステップ;の各ステップを備えた悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法。
(式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
(2)R及びRが、水素原子であることを特徴とする上記(1)の方法。
(3)上記(1)又は(2)の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法に用いるための、前記式(I)で示される化合物又はその塩を含有する悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助剤。
(4)R及びRが、水素原子であることを特徴とする上記(3)の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助剤。
(5)上記(1)又は(2)の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法に用いるための補助剤を調製するための、前記式(I)で示される化合物又はその塩の使用。
(6)R及びRが、水素原子であることを特徴とする上記(5)の使用。
(7)(a)前記式(I)で示される化合物又はその塩(5−ALA類)が投与された対象の胸膜に胸腔鏡を通じて励起光を照射するステップ;(b)5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンIX(PpIX)が励起された場合に発する蛍光をカラー撮像するステップ;(c)カラー撮影蛍光像を解析処理することにより波長636±2nmに相当する蛍光エネルギー(ER)と波長500±2nmに相当する蛍光エネルギー(EG)を算出し、かつ、EG値及び/又はER値を適切に利用することで赤色蛍光部の特定を補助する画像処理をカラー撮影蛍光像において実施するステップ;(d)画像処理したカラー撮影蛍光像中の赤色蛍光部をバイオプシする部位として特定するステップ;(e)ステップ(d)で特定した部位をバイオプシにより細胞診断・組織診断をするステップ;の各ステップを備えた悪性中皮腫の診断方法。
本発明によると、悪性中皮腫の腫瘍部位の存在や範囲を診断できる上に、可視困難な小結節をも診断できる。
5−ALAを用いた播種病変の光学的診断結果を示す蛍光画面である。 5−ALAを用いた悪性胸膜中皮腫(進行例)生検の結果を示す蛍光画面である。
本発明の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法としては、前記式(I)で示される化合物又はその塩(以下、これらを総称して「5−ALA類」ということがある。)が投与された対象の胸膜に胸腔鏡を通じて励起光を照射するステップ;(b)5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンIX(PpIX)が励起された場合に発する蛍光をカラー撮像するステップ;(c)カラー撮影蛍光像を解析処理することにより波長636±2nmに相当する蛍光エネルギー(ER)と波長500±2nmに相当する蛍光エネルギー(EG)を算出し、かつ、EG値及び/又はER値を適切に利用することで赤色蛍光部の特定を補助する画像処理をカラー撮影蛍光像において実施するステップ;(d)画像処理したカラー撮影蛍光像中の赤色蛍光部をバイオプシする部位として特定するステップ;を備える方法であれば特に制限されず、胸膜(胸郭の内側と肺の表面を覆う薄い組織層)にがん細胞が認められる病気である悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法である。
本発明の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助剤としては、上記本発明の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法に用いるための5−ALA類を挙げることができ、この発明は5−ALA類の“悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法に用いるための”という用途が限定された用途発明である。この発明の他の態様としては、悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助剤を調製するための5−ALA類の使用、悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助に用いるための5−ALA類を挙げることができる。
本発明の悪性中皮腫の診断方法としては、上記本発明の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法のステップ(a)〜(d)に、該ステップ(d)で特定した部位をバイオプシにより細胞診断・組織診断をするステップ(e)が付加された方法であれば特に制限されず、かかる細胞診断・組織診断としては、細い針を用いて胸膜から細胞又は組織を採取し、病理医が顕微鏡下でがんの徴候を調べるバイオプシ(生検)を例示することができる。
上記5−ALA類の中でも式(I)のR及びRが共に水素原子の場合である5−ALA又はその塩を好適に例示することができる。5−ALAは、δ−アミノレブリン酸とも呼ばれるアミノ酸の1種である。また、5−ALA誘導体としては、式(I)のRが水素原子又はアシル基であり、式(I)のRが水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である、5−ALA以外の化合物を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、ベンジルカルボニル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルカノイル基や、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル基等の炭素数7〜14のアロイル基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等の直鎖又は分岐状の炭素数1〜8のアルキル基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、1−シクロヘキセニル基等の飽和、又は一部不飽和結合が存在してもよい、炭素数3〜8のシクロアルキル基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアリール基としては、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル基等の炭素数6〜14のアリール基を挙げることができる。
式(I)のRにおけるアラルキル基としては、アリール部分は上記アリール基と同じ例示ができ、アルキル部分は上記アルキル基と同じ例示ができ、具体的には、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、ベンズヒドリル、トリチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル基等の炭素数7〜15のアラルキル基を挙げることができる。
上記ALA誘導体としては、Rが、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル基等である化合物や、上記Rが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等である化合物が好ましく、上記RとRの組合せが、ホルミルとメチル、アセチルとメチル、プロピオニルとメチル、ブチリルとメチル、ホルミルとエチル、アセチルとエチル、プロピオニルとエチル、ブチリルとエチルの組合せや、Rが水素でRがメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル基等などの5−ALAエステルを好適に例示することができる。
ALA類は、生体内で式(I)の5−ALA又はその誘導体の状態で有効成分として作用すればよく、投与する形態に応じて、溶解性を上げるための各種の塩、エステル、または生体内の酵素で分解されるプロドラッグ(前駆体)として投与することができる。例えば、5−ALA及びその誘導体の塩としては、薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩等を挙げることができる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の各無機酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、トルエンスルホン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、メタンスルホン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩等の各有機酸付加塩を例示することができる。金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の各アルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム塩等の各アルカリ土類金属塩、アルミニウム、亜鉛等の各金属塩を例示することができる。アンモニウム塩としては、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩等を例示することができる。有機アミン塩としては、トリエチルアミン塩、ピペリジン塩、モルホリン塩、トルイジン塩等の各塩を例示することができる。なお、これらの塩は使用時において溶液としても用いることができる。
以上の5−ALA類のうち、望ましいものは、5−ALA、及び5−ALAメチルエステル、5−ALAエチルエステル、5−ALAプロピルエステル、5−ALAブチルエステル、5−ALAペンチルエステル等の各種5−ALAエステル類、並びに、これらの塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩であり、5−ALA塩酸塩や5−ALAリン酸塩を特に好適に例示することができる。
上記5−ALA類は、化学合成、微生物による生産、酵素による生産のいずれの公知の方法によって製造することができる。また、上記5−ALA類は、水和物又は溶媒和物を形成していてもよく、またいずれかを単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
本発明において5−ALA類の投与経路としては、舌下投与も含む経口投与、あるいは、点鼻投与、吸入投与、点滴を含む静脈内投与、パップ剤等による経皮投与、座薬、又は経鼻胃管、経鼻腸管、胃漏チューブ若しくは腸漏チューブを用いる強制的経腸栄養法による投与等の非経口投与などを挙げることができる。
本発明において投与される5−ALA類の剤型としては、上記投与経路に応じて適宜決定することができるが、注射剤、点鼻剤、点滴剤、錠剤、カプセル剤、細粒剤、散在、液剤、シロップ等に溶解した水剤、パップ剤、座剤等を挙げることができる。また、嚥下することが困難な高齢者や乳幼児等には、口中において速やかな崩壊性を示す崩壊錠の形態や、経鼻胃管投与に適した液剤の形態が好ましい。
本発明において投与される5−ALA類の種々の剤型を調製するために、必要に応じて、薬理学的に許容し得る担体、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤、溶剤、ゲル化剤、栄養剤等を添加することができ、具体的には、水、生理食塩水、動物性脂肪及び油、植物油、乳糖、デンプン、ゼラチン、結晶性セルロース、ガム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、グリセリンを例示することができる。なお、これら5−ALA類を水溶液の剤型として調製する場合には、ALA類の分解を防ぐため、水溶液がアルカリ性とならないように留意する必要があり、アルカリ性となってしまう場合は、酸素を除去することによって分解を防ぐこともできる。
5−ALA類の投与量は患者の年齢、体重等により適宜変更することができるが、5−ALA換算でヒト体重1kgあたり、10mg〜40mg、望ましくは15mg〜25mg、さらに望ましくは20mgである。また、5−ALA類投与からPpIXを励起させるために励起光を照射するまでの時間としては、腫瘍組織に十分なPpIXが蓄積している時間帯が望ましく、具体的には4時間から8時間が好ましい。
本発明の悪性中皮腫の診断方法には、例えば以下のような胸腔鏡とカラー蛍光撮像機と蛍光解析手段と画像処理手段とバイオプシ手段とを備えたカラー蛍光診断システムを用いることができる。前記胸腔鏡は、腫瘍部に蓄積されたPpIXを励起させるために励起光を導光照射し;前記カラー蛍光撮像機は、5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンIX(PpIX)が励起された場合に発する蛍光をカラー撮像し;前記蛍光解析手段は、カラー撮影蛍光像を解析処理することにより波長636±2nmに相当する蛍光エネルギー(ER)と波長500±2nmに相当する蛍光エネルギー(EG)を算出し、前記画像処理手段は、EG値及び/又はER値を適切に利用することで、カラー撮影蛍光像において赤色蛍光部の特定を補助し;前記バイオプシ手段は、カラー撮影蛍光像において特定された赤色蛍光部の細胞・組織の採取機能を有する。
腫瘍部に蓄積されたPpIXを励起させるための励起光の光源としては、被検体の生体組織の微小に点在する腫瘍についてもPpIXの検出を行うことを可能とするために放射照度が強く、精確な自動識別を可能とするために照射面積が狭い半導体レーザー光源が好ましい。励起光を導光して一端から外部へ出射する励起光導光部として、具体的には細径光ファイバー(光源用細径光ファイバー)を挙げることができる。光源用細径光ファイバーから照射される励起光として発振される波長としては、上記PpIXを励起させることで、PpIX特有の636nm付近のピークを示す赤色光が観察できる波長を選択することが好ましく、いわゆるソーレー帯に属するPpIXの吸収ピークに属する紫外光に近い紫色の波長であって、具体的には405±5nmが好ましく、励起光をカットして蛍光を鮮明に観察するためのフィルターをほぼ無色とするためには405±2nmがさらに好ましい。光源に用いられる素子としては、InGaN等の半導体混晶を用いることができ、InGaNの配合比を変えることで、紫色光を発振することができる。具体的には直径5.6mm程度のコンパクトなレーザーダイオードを好適に例示することができる。前記励起光によって励起されたPpIXが発する蛍光を受光するには計測用細径光ファイバーを用いることができ、該計測用細径光ファイバーは前記光源用細径光ファイバーと一体化され、受光した蛍光をカラー蛍光撮像機に導光する。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
生検手術4時間前に5−ALA15〜20mg/kgを経口投与した悪性中皮腫の疑いのある患者の胸腔内に胸腔鏡を挿入して波長405nmの励起光を胸膜に照射してPpIX蓄積部位の赤色蛍光をカラー蛍光カメラで観察した。その結果、腫瘍部位の存在や範囲が診断でき、通常は可視困難な小結節をも発見できた。
診断が可能であった症例は以下の通り。
・原発性肺がん15例の内7例
P1〜P2因子:5例
胸膜播種例 :2例(図1参照)
非描出5例はすべてP0例(胸膜浸潤なし)
・転移性肺腫瘍6例(腎癌1例、大腸癌2例、乳癌2例、子宮癌1例)の内5例
非描出の1例は、胸膜からの距離があった。
・胸膜中皮腫2例の内2例
生検例であるが、2例共に明確な画像が得られた。(図2参照)
本発明の悪性中皮腫の生細胞診断補助剤および補助方法は、医療分野等において有用である。

Claims (7)

  1. 以下の(a)〜(d)のステップを備えたことを特徴とする悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法。
    (a)下記式(I)で示される化合物又はその塩(5−ALA類)が投与された対象の胸膜に胸腔鏡を通じて励起光を照射するステップ;
    (b)5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンIX(PpIX)が励起された場合に発する蛍光をカラー撮像するステップ;
    (c)カラー撮影蛍光像を解析処理することにより波長636±2nmに相当する蛍光エネルギー(ER)と波長500±2nmに相当する蛍光エネルギー(EG)を算出し、かつ、EG値及び/又はER値を適切に利用することで赤色蛍光部の特定を補助する画像処理をカラー撮影蛍光像において実施するステップ;
    (d)画像処理したカラー撮影蛍光像中の赤色蛍光部をバイオプシする部位として特定するステップ;
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
  2. 及びRが、水素原子であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 請求項1又は2記載の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法に用いるための、下記式(I)で示される化合物又はその塩を含有する悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助剤。
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
  4. 及びRが、水素原子であることを特徴とする請求項3記載の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断の補助剤。
  5. 請求項1又は2記載の悪性中皮腫の細胞診断・組織診断を補助する方法に用いるための補助剤を調製するための、下記式(I)で示される化合物又はその塩の使用。
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
  6. 及びRが、水素原子であることを特徴とする請求項5記載の使用。
  7. 以下の(a)〜(e)のステップを備えたことを特徴とする悪性中皮腫の診断方法。
    (a)下記式(I)で示される化合物又はその塩(5−ALA類)が投与された対象の胸膜に胸腔鏡を通じて励起光を照射するステップ;
    (b)5−ALA類から誘導され腫瘍部に蓄積されたプロトポルフィリンIX(PpIX)が励起された場合に発する蛍光をカラー撮像するステップ;
    (c)カラー撮影蛍光像を解析処理することにより波長636±2nmに相当する蛍光エネルギー(ER)と波長500±2nmに相当するエネルギー(EG)を算出し、かつ、EG値及び/又はER値を適切に利用することで赤色蛍光部の特定を補助する画像処理をカラー撮影蛍光像において実施するステップ;
    (d)画像処理したカラー撮影蛍光像中の赤色蛍光部をバイオプシする部位として特定するステップ;
    (e)ステップ(d)で特定した部位をバイオプシにより細胞診断・組織診断をするステップ;
    (式中、Rは、水素原子又はアシル基を表し、Rは、水素原子、直鎖若しくは分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す)
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