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JP2005139126A - 蛍光造影剤及び体外蛍光造影方法 - Google Patents

蛍光造影剤及び体外蛍光造影方法 Download PDF

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Takeshi Haniyu
武 羽生
Yasushi Usagawa
泰 宇佐川
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Abstract

【課題】 毒性が低く優れた水溶性を有し、さらに、生体組織中を透過できる領域の蛍光を放射し、腫瘍及び/又は血管の特定の造影を可能にする蛍光造影剤と該蛍光造影剤を用いた蛍光造影法の提供。
【解決手段】 分子中に少なくとも2個の酸基を有するチエノ〔2,3−b〕ピロール、チエノ〔3,4−b〕ピロール、フラノ〔2,3−b〕ピロール及びフラノ〔3,4−b〕ピロールを母核とするポリメチンシアニン染料を含む腫瘍又は癌のための蛍光造影剤及び該蛍光造影剤を用いた蛍光造影法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、蛍光造影剤及び当該造影剤を用いた蛍光造影方法に関する。
病気を治療する際に、病気の初期の段階においてその病気により生体内に引き起こされる形態変化を精密且つ迅速に簡便な方法で検出することが要求される。特に癌を治療する場合、初期の小さい病変の場所と大きさの確定が早期治療する上で必要不可欠である。この目的のために既に知られている方法として、内視鏡による生体検査、X線撮影、MRI及び超音波撮影等のような映像診断を挙げることができる。生体検査は直接病変部を観察できるので診断確定に有効ではあるが、同時に被験者に痛みや苦痛を強いる。X線撮影及びMRIは過度にすると有害となる放射線及び磁場を被験者にさらすものであり、時間的経過を追跡しようとするとその被爆時間は追跡時間に比例して増大してしまう。設備や装置も大掛かりになり、その設置と維持に多大の労力と費用が要求される。しかし、小型化が可能で運転の労力が軽減され、使用も簡便化される診断として近赤外蛍光撮影が最近注目されている。近赤外光は、70%以上が水分から成り立つ生体組織を容易に透過し、厚さ10cm〜20cmまでを検査診断できると言われている。そのため、臨床医学の分野で注目を集めつつ、近赤外CTとする診断技術として開発されるようになった。この方法は造影剤として生体の吸収の少ない700nmから1000nmの近赤外の波長を有する励起光の照射により蛍光を放射する化合物を生体中に投与し、身体の外側から近赤外の波長である励起光を照射し、体内の投与された化合物、所謂、蛍光造影剤から放射される蛍光を検出して、病変部を確定する。このような蛍光造影剤として、例えば、腫瘍中に蓄積するポルフィリン化合物やヘマトポルフィルンのような化合物が知られている。これらの化合物は、近赤外の光照射により励起され酸素分子が病変部の生体を酸化することが可能な3重項酸素を生成させ、癌のような病変部の細胞を死滅させて治療を可能にするが、病変部以外の組織を破壊してしまう危険性を孕んでいる。一方、フルオレセインやフルオレサミンのような既知の蛍光色素を用いた造影法が知られている(例えば、特許文献1参照。)が、これらの蛍光色素は生体の光透過が非常に低い青〜緑の光を発するもので、身体の奥の部分の病変の検出が充分にできない。
近赤外領域で蛍光を発するシアニン色素は、蛍光造影剤として期待され、各種のシアニン色素化合物が検討された。シアニン化合物の蛍光造影剤が報告されて以来、親水性、モル吸光係数、量子収率の高い化合物に改変すべく、各種周辺シアニン化合物を造影剤とする技術が開示され(例えば、特許文献2〜4参照。)た。しかしながら、正常な組織を病変組織と識別する能力(造影力)とともに、生体から造影後に生体内で完全に分解され無害となるか、又は完全に排出されることが必要で(非蓄積性)、両者を兼ねた安全な造影剤は見つかっていない。
米国特許第4,945,239号明細書 (第1〜11頁) 特開2000−95758号公報 (第1〜20頁) 特表2002−526458号公報 (第1〜33頁) 特開2003−160558号公報 (第1〜6頁)
本発明の目的は、蛍光造影剤を提供することにある。本発明の造影剤は毒性が低く優れた水溶性を有する。さらに、それは生体組織中を透過できる領域の蛍光を放射し、腫瘍及び/又は血管の特定の造影を可能にする。本発明の別の目的は当該蛍光造影剤を用いた蛍光造影法を提供することことにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
分子中に少なくとも2個の酸基を有するチエノ〔2,3−b〕ピロール、チエノ〔3,4−b〕ピロール、フラノ〔2,3−b〕ピロール及びフラノ〔3,4−b〕ピロールを母核とするポリメチンシアニン染料を含む腫瘍又は癌のための蛍光造影剤。
(請求項2)
上記ポリメチンシアニン染料が下記一般式(I)、(II)及び(III)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光造影剤。
Figure 2005139126
(式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は各々アルキル基を表し、R1及びR4で表されるアルキル基は置換されてもよい。Z1及びZ2は各々チエノピロール環及びフラノピロール環から選ばれる少なくとも1種を形成するに必要な非金属原子群を表す。Y1はピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Lはメチン基を表し、X-はアニオンを表す。mは3又は4の整数を表し、nは1又は2の整数を表す。ただし、mが3の場合、R1及びR4は置換アルキル基が好ましく、又、染料が分子内塩を形成する時はnは1である。尚、R1〜R6、Z1、Z2、Y1のいずれかに酸基を有し、分子中の酸基の合計は少なくとも2個である。)
(請求項3)
一般式(I)、(II)及び(III)の酸基がスルホン酸基、カルボン酸基及び燐酸基から選択される基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光造影剤。
(請求項4)
分子中の酸基がスルホン酸基又はカルボン酸基から選択される基を含み、酸基の合計が2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
(請求項5)
分子中の酸基の少なくとも2つがスルホン酸基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
(請求項6)
酸基の塩がナトリウム塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
(請求項7)
前記腫瘍又は癌が、脳、乳房部、胸部、前立腺、結腸、肺、肝臓、すい臓、胃、リンパ腫、子宮、子宮頸部、上下肢、肉腫及び黒腫でなるグループから選択されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
(請求項8)
請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光造影剤を生体内に導入し、前記生体に励起光を照射し、該蛍光造影剤からの蛍光を検出することによる体外蛍光造影方法。
本発明により、毒性が低く優れた水溶性を有し、さらに、生体組織中を透過できる領域の蛍光を放射し、腫瘍及び/又は血管の特定の造影を可能にする蛍光造影剤と該蛍光造影剤を用いた蛍光造影法が得られた。
本発明を更に詳しく説明する。本発明の染料化合物は上記一般式(I)、(II)及び(III)によって表される。式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は各々アルキル基を表し、R1及びR4で表されるアルキル基は置換されてもよい。Z1及びZ2は各々ピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表す。Y1はピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表す。Lはメチン基を表し、X-はアニオンを表す。mは3又は4の整数を表し、nは1又は2の整数を表す。ただし、mが3の場合、R1及びR4は置換アルキル基が好ましく、又、染料が分子内塩を形成する時はnは1である。前記一般式(I),(II)及び(III)で表される化合物は酸基を含んでもよく、酸基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等が挙げられ、これらの酸基は各々、その塩を包含する。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム、トリエチルアンモニウム、ピリジニウム等の有機アンモニウム塩を挙げることができる。又、前記一般式(I),(II)及び(III)で表される化合物は−CH2CH2OR基を含んでもよい。Rは水素原子又はアルキル基を表す。Rで表されるアルキル基は炭素数4以下の低級アルキル基が好ましい。−CH2CH2OR基を含む置換基としては、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシエトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基、ヒドロキシエチルカルバモイルメチル基、ヒドロキシエトキシエチルカルバモイルメチル基、N,N−ジヒドロキシエチルカルバモイルメチル基、ヒドロキシエチルスルファモイルエチル基、メトキシエトキシエトキシカルボニルメチル基等を挙げることができる。Z1,Z2,Y1は前述した酸基及び−CH2CH2OR基の他に種々の置換基を有してもよいが、その他の置換基としては、ヒドロキシル基、シアノ基、アルキル基(例えば、メチル、エチル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等)、アリール基(例えばフェニル基等)、ハロゲン原子(例えば、弗素、塩素、臭素原子等)等が挙げられる。R1,R2,R3,R4,R5及びR6で表されるアルキル基は、好ましくは炭素数1〜8の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル基等)を表し、前記の酸置換基又は−CH2CH2OR基以外の置換基を有してもよい。Lで表されるメチン基も置換基を有してもよく、置換基としては炭素数1〜5の置換又は無置換の低級アルキル基(例えば、メチル、エチル、3−ヒドロキシプロピル、2−スルホエチル基等)、ハロゲン原子(例えば、弗素、塩素、臭素原子等)、アリール基(例えばフェニル基)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ基等)などが挙げられる。また、メチン基の置換基同士が結合して3つのメチン基を含む6員環(例えば4,4−ジメチルシクロヘキサン環)を形成してもよい。X-で表されるアニオンは、特に制約されないが、具体的としてハロゲンイオン、p−トルエンスルホン酸イオン、エチル硫酸イオン等が挙げられる。本発明に係る一般式(I)〜(III)で表されるシアニン染料は、m=3のペンタメチンシアニン染料及びm=4のヘプタメチンシアニン染料であるが、好ましくはm=4のヘプタメチンシアニン染料である。
本発明に用いられる前記一般式(I)、(II)及び(III)で表される染料(以下、本発明の染料と称す)の具体例を以下に示すが、本発明はこれ等に限定されるものではない。発明の染料は、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイェティ(J.Chem.Soc.)189頁(1933年)、米国特許2,895,955号、特開昭62−123454号及び特許2557252等を参考にして合成することができる。本発明の染料の母核としては例えば次の様な化合物が挙げられる。
Figure 2005139126
化合物(A)、(B)、(C)、(C’)、(D)、(E),(F)及び(G)はケミカルアブストラクツ(CA)62,10438c及び71,22045mに記載の方法で合成することができる。これらの母核を用いて四級化、スルホン化等を必要に応じて行うことができる。又は、J.Chem.Soc.,3202(1959)及びJ.Chem.Soc.,584(1961)に記載の合成法に準じてもできる。これらの四級化され、又、必要に応じてスルホン化された母核化合物を用いて、適当なメチン鎖供給体を反応させれば容易に本発明の化合物を得ることができる。メチン鎖供給体としてグルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩(ジアニル化合物)を用いればポリメチン染料が得られる。好ましい具体例を下記に示す。
Figure 2005139126
Figure 2005139126
Figure 2005139126
生体内で使用されることになる蛍光造影剤は、体内に蓄積されず、速やかに体外に排出されることが重要で、基本的に水溶性であることが必要条件である。水溶性を向上させる手段としては、アニオン系のカルボン酸やスルホン酸の塩類であることが好ましい。本発明の近赤外蛍光造影剤は上記化合物中に3個以上のスルホン酸基を導入することにより水溶性が顕著に改善されている。優れた水溶性を得るには、スルホン酸基の数は4個以上であることが好ましい。合成を容易にするには、スルホン酸基の数は10個以下、好ましくは8個以下である。水溶性の尺度は各化合物の分配係数の測定、例えば分配係数を脂肪族アルコール、例えば、ブタノールと水の二相系で測定することにより調べることができる。例えば、3個以上のスルホン酸基の導入によりn−ブタノール/水の分配係数logPo/wは−1.00以下となる。生体における水溶性の判断の方法としては、生理的食塩水に溶解し、36℃において時間経過後も沈殿や析出のないことである。生体内に投与されて許容される塩は本発明の化合物と非毒性の塩を形成するものであればよい。それらの例としては、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;マグネシウム塩、カルシウム塩等のようなアルカリ土類金属塩、トリプトファン、メチオニン、リジン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン、アルギニン等の塩のようなアミノ酸塩が挙げられる。特に好ましいのは生体内での毒性が低いナトリウム塩である。
本発明の造影剤は、血管(静脈、動脈)内、経口内、腹腔内、皮下、皮内、膀胱内、気管(支)内等へ注入、噴霧もしくは塗布等の手段により生体内に投与することができる。本発明の蛍光造影剤の投与量は、最終的に診断する部位を検出できる量であれば特に限定されず、使用する近赤外蛍光を発する化合物の種類、投与される対象の年齢や身体の大きさおよび標的とする臓器等によって適宜増減できるが、通常、0.1〜100mg/kg・体重、好ましくは0.5〜20mg/kg・体重の範囲の投与である。
本発明の造影剤は動物用の造影剤としても好適に用いることができ、その投与形態、投与経路、投与量等は対象となる動物の体重や状態によって適宜選択する。
本発明においては、上記一般式(I)(II)及び(III)で表され、その分子内に2個以上、好ましくは4個以上のスルホン酸基を有する一連の化合物は、ある濃度において腫瘍組織に集積し、ある濃度以下になると体外に排出されやすくなる性質を有し、その特性を利用して腫瘍組織を、選択的且つ、特異的に造影することが可能な蛍光造影剤として使用できる。また、本発明の化合物は、血管内に一旦注入されると血管壁外に拡散しにくく、血管内に留まる性質が高く、血管造影剤としても使用できる。
本発明の蛍光造影方法は、本発明の蛍光造影剤を用いることを特徴とする。その測定方法は当業者には公知の方法を用いて行われ、励起波長、検出のための蛍光波長等の各条件は、最適で最高の検出能状態を得るために、投与する蛍光造影剤の種類、投与する対象等に応じて適宜決定される。本発明の蛍光造影剤を測定対象物に投与してから、本発明の蛍光造影方法を用いて測定を開始するのに要する時間も、投与する蛍光造影剤の種類、投与する対象等によって異なるが、例えば腫瘍や癌造影を目的として投与する場合には投与後10分〜6時間程度の経過時間を選択することが好ましい。経過時間が短すぎると全体に蛍光が偏在して目的とする部位とそれ以外の部位との識別が困難であり、長すぎると当該造影剤が体外に排泄されてしまう。血管造影を目的とする場合には投与直後〜1時間の経過時間で測定することが好ましい。
本発明に使用する蛍光造影剤を測定対象物に投与した後、励起光源により励起光を測定対象物へ照射し、該励起光により生じる蛍光造影剤からの蛍光を蛍光検出器で検出する。励起するための波長は、使用する蛍光造影剤によって異なり、本発明の化合物が効率よく蛍光を発すればとくに限定されないが、好ましくは生体透過性に優れた近赤外光が用いられる。通常600〜1000nm、好ましくは700〜850nmの波長の励起光で励起し、蛍光を高感度に検出する。この場合、蛍光励起光源としては、各種レーザー光源、例えば、イオンレーザー、色素レーザー、半導体レーザー等、或いはハロゲン光源、キセノン光源等の通常の励起光源を使用してもよく、更に最適な励起波長を得るために各種光学フィルターを使用することができる。同様に、蛍光の検出に際しても、蛍光造影剤からの蛍光のみを選択する各種光学フィルターを使用して、蛍光の検出感度を高めることができる。
実施例1
(化合物例1の合成)
前述の文献に従って合成した化合物(E)を常法に従いブタンサルトンで4級化した後、この4級化物5.0gを酢酸40mlに加温溶解し、グルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩1.0g、無水酢酸9ml、ピリジン13mlを加えて浴温80〜85℃で30分間加熱・撹拌した。放冷後、イソプロピルエーテルを加えデカンデーションした。更に、メタノール、アセトン及びイソプロピルエーテルを加えてデカンテーションして精製し、更に飽和食塩水で3回塩析精製して化合物(1)を得た。得られた化合物の炎色反応は黄色であった。λmax(メタノール中)=733nm
(化合物例3の合成)
前述の文献に従って合成した化合物(G)を常法に従いブタンサルトンで4級化した後、化合物(1)と同様の反応条件で反応させた後、メタノール、アセトン及びイソプロピルエーテルを加えてデカンテーションして精製し、飽和食塩水で3回塩析精製して化合物(3)を得た。得られた化合物の炎色反応は黄色であった。λmax(メタノール中)=731nm
(化合物例5の合成)
前述の化合物(E)を濃硫酸と発煙硫酸でスルホン化を行い、そのスルホン化物2.6gをブタンサルトンで4級化した後、化合物1と同様な反応をさせた後、飽和食塩水で3回塩析精製して化合物(5)を得た。得られた化合物の炎色反応は黄色であった。λmax(メタノール中)=733nm
(化合物例7の合成)
前述の化合物Gを濃硫酸と発煙硫酸で酸でスルホン化を行い、スルホン化物3.3g40mlを常法に従い、ブタンサルトンで4級化した後、飽和食塩水で3回塩析精製して化合物(7)0.36gを得た。得られた化合物の炎色反応は黄色であった。λmax(メタノール中)=747nm
(化合物例9の合成)
前述の文献に準じて化合物(B)をブタンサルトンで4級化した後、化合物Eのブタンサルトンで4級化した化合物を用い常法に従い、縮合して化合物(9)を得た。メタノール、アセトン及びイソプロピルエーテルを加えてデカンテーションして精製し、飽和食塩水で3回塩析精製して化合物(9)を得た。得られた化合物の炎色反応は黄色であった。λmax(メタノール中)=767nm
実施例2
乳癌発癌モデルマウスの作製
乳癌発癌モデルマウスの作出老化促進マウス、所謂SAM系の1系統であるSAMP6/Ta系マウスに乳癌を発症させるために発癌物質7,12−ジメチルベンズ[a]アントラセン(DMBA)を投与して乳癌発癌モデルマウスを作出した。マウスの発癌方法は、特開2003−33125号に準じて行った。SAMP6/Ta系マウスを各20匹に、DMBAを0.5mg/マウス/週で計6回投与した。飼料としては高タンパク質高カロリーのCA−1固形(日本クレア社製)を与えた。発癌物質の第6回目の投与の後、第1回目投与から起算して第20週迄までを休薬期間とした。乳癌および乳癌の肺転移を病理組織学的に検索した。DMBAを1週間隔で6回投与し、その後の投与開始より第20週目まで休薬し、乳癌発生したマウス(乳癌発生率75%)を使用した。
蛍光造影試験
乳癌マウスの腫瘍組織断片(2mm×2mm角辺)をBALB/cヌードマウス(5週齢、クレアジャパン社)の左胸部の乳房部皮下に移植した。10日後、腫瘍が直径約5mmに成長した時点で上記マウスを試験に供した。蛍光励起光源としてチタンサファイアレーザーを使用した。照射の分散が2%以内になるようにリングタイプの光ガイド(住田光学グラス社)を用いて試験用マウスにレーザー光を均一に照射した。照射出力はマウスの皮膚表面付近で約36μW/cm2になるように調整した。蛍光は各化合物の最大励起波長で励起させ、マウスからの蛍光放射をCCDカメラ(C4880,浜松フォトニクス社)を用いて短波長カットフィルターを通して検出及び造影した。カットフィルターは化合物の励起波長(800nm〜900nm)に適合するように選択した。照射時間は各化合物の蛍光強度によって調整した。
各試験化合物を蒸留水に溶解し(0.5mg/ml)、マウスに乳管及び線葉から投与した。用量は各1mg/kgであった。化合物投与の12分後にマウスをジエチルエーテルで麻酔し、マウス全身の蛍光イメージを造影した。センサーは蛍光光度計(日本分光FP−6600)のフォトダイオード(波長範囲220〜1010nm)を使用した。条件を下記に、蛍光感度は比較を100とする相対感度で表した。造影剤の体外排出量は、造影剤投与後の化合物の体内量を100とし、13週間後の尿道からのカテーテルによる蓄積排出量を合算し、液体クロマトグラフ2010A(島津製作所社製)から体外排出量を算出し、初期濃度に対する排出率を求めた。結果を表1に示す。尚、比較用造影剤として特開2000−95758号で示される化合物を使用した。化合物の水溶性試験は、0.9%の生理的食塩水1mlに0.5mgを溶解し、36℃2週間静置放置し、析出、沈殿物を確認した。全くないレベルを◎、わずかヘイズがかかって見られるが、攪拌により消失してしますレベルを○、ヘイズがかかっているが、攪拌では消失しないレベルを△、析出してしまうレベルを×として評価した。
Figure 2005139126
Figure 2005139126
表1から、本発明の近赤外蛍光造影剤は励起光によって励起され蛍光を放射し、この赤外蛍光は生物組織の透過に優れている。従って、生体の病変の検出が可能となった。さらに、本発明の造影剤は水溶性及排出性が高い点で優れているため、安全に使用することができる。

Claims (8)

  1. 分子中に少なくとも2個の酸基を有するチエノ〔2,3−b〕ピロール、チエノ〔3,4−b〕ピロール、フラノ〔2,3−b〕ピロール及びフラノ〔3,4−b〕ピロールを母核とするポリメチンシアニン染料を含む腫瘍又は癌のための蛍光造影剤。
  2. 上記ポリメチンシアニン染料が下記一般式(I)、(II)及び(III)から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光造影剤。
    Figure 2005139126
    (式中、R1,R2,R3,R4,R5及びR6は各々アルキル基を表し、R1及びR4で表されるアルキル基は置換されてもよい。Z1及びZ2は各々チエノピロール環及びフラノピロール環から選ばれる少なくとも1種を形成するに必要な非金属原子群を表す。Y1はピリジン環を形成するに必要な非金属原子群を表し、Lはメチン基を表し、X-はアニオンを表す。mは3又は4の整数を表し、nは1又は2の整数を表す。ただし、mが3の場合、R1及びR4は置換アルキル基が好ましく、又、染料が分子内塩を形成する時はnは1である。尚、R1〜R6、Z1、Z2、Y1のいずれかに酸基を有し、分子中の酸基の合計は少なくとも2個である。)
  3. 一般式(I)、(II)及び(III)の酸基がスルホン酸基、カルボン酸基及び燐酸基から選択される基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蛍光造影剤。
  4. 分子中の酸基がスルホン酸基又はカルボン酸基から選択される基を含み、酸基の合計が2以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
  5. 分子中の酸基の少なくとも2つがスルホン酸基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
  6. 酸基の塩がナトリウム塩であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
  7. 前記腫瘍又は癌が、脳、乳房部、胸部、前立腺、結腸、肺、肝臓、すい臓、胃、リンパ腫、子宮、子宮頸部、上下肢、肉腫及び黒腫でなるグループから選択されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光造影剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光造影剤を生体内に導入し、前記生体に励起光を照射し、該蛍光造影剤からの蛍光を検出することによる体外蛍光造影方法。
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