JP2016082664A - ロータ極数切換可能な永久磁石同期機 - Google Patents
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Abstract
【課題】損失及び製造コストを抑止しつつ、優れたトルク/重量比と広い速度範囲を両方もつロータ、極数切換可能な永久磁石同期機を提供する。
【解決手段】磁気突極が形成するコア極51、53、54、56は、永久磁石が形成するマグネット極52、55から、電気角180度離れたd軸位置に配置する。ロータのd軸位置は、マグネット極とコア極とのどちらかにより占有され、コア極はマグネット極の半分又は2倍とされる。ステータ磁極数はマグネット極及びコア極の合計に常に等しい。マグネット極とコア極とにより構成されるロータ磁極の数は、コア極の極性変更により変更される。界磁電流又はd軸増磁電流は、マグネット極に対して電磁的に並列配置されたコア極を磁化する。
【選択図】図5
【解決手段】磁気突極が形成するコア極51、53、54、56は、永久磁石が形成するマグネット極52、55から、電気角180度離れたd軸位置に配置する。ロータのd軸位置は、マグネット極とコア極とのどちらかにより占有され、コア極はマグネット極の半分又は2倍とされる。ステータ磁極数はマグネット極及びコア極の合計に常に等しい。マグネット極とコア極とにより構成されるロータ磁極の数は、コア極の極性変更により変更される。界磁電流又はd軸増磁電流は、マグネット極に対して電磁的に並列配置されたコア極を磁化する。
【選択図】図5
Description
本発明は可変速用途に好適な永久磁石同期機に関し、特にロータ極数切換可能な永久磁石同期機に関する。
車両用回転電機は重量の軽減を要求する。出力/重量比が速度の増加により向上するため、エンジン始動発電機(ISG)、オルタネータ及びトラクションモータなどの車両用回転電機は極めて広い速度範囲をもつのが一般的である。
低速におけるトルク/重量比(低速トルク/重量と呼ばれる)及び効率が他の回転電機よりも優れるので、永久磁石同期機(PMSM)は多くの用途で使用されている。しかし、このPMSMは、広い速度範囲が要求される車両用途などに本質的に適していない。これは、ステータ巻線の逆起電力(バックEMF)が高速時にインバータ電圧を超える問題(バックEMF問題)をもつためである。
d軸電流により磁石磁束の一部をキャンセルする弱め磁束法により、PMSMのバックEMFは低減される。しかし、d軸電流は、真空と見なされる永久磁石を貫通するd軸磁路に弱め磁界を形成する必要があるため、効率が低下するという問題をもつ。さらに、永久磁石を永久減磁を回避するために、d軸電流は制限されねばならない。このため、一般に、オルタネータ又はISGは永久磁石の代わりに界磁コイルを採用し、トラクションモータは誘導モータをしばしば採用している。
オルタネータ又はISGの改良が車両の燃費改善のために要求されている。たとえば、車両の制動時に発電を停止することにより、オルタネータは燃費を改善することができる。しかし、従来のオルタネータの界磁コイルは非常に大きいインダクタンスをもつので、車両制動時に発電を素早く停止できないという問題をもつ。
同様に、アイドリングストップ動作を実現することにより、ISGは燃費改善を実現することができる。しかし、界磁コイルをもつISGはエンジン始動時に界磁磁束を急速に増加できないので、エンジンを素早く始動できないという問題をもつ。結局、車両用回転電機としての永久磁石同期機(PMSM)はバックEMF問題をもち、車両用回転電機としての界磁コイル同期機(FCSM)は界磁コイルのインダクタンス問題をもつことが理解される。
PMSMのバックEMFを改善するために、巻数切換PMSM及び極数切換PMSMが提案されている。特許文献1及び2は、ロータの一部の永久磁石極の極性を反転させる極数変換PMSMを提案している。しかし、極数変換PMSMは、永久磁石の極性反転のために非常に大きなd軸パルス電流を発生するインバータを必要とする。さらに、永久磁石の極性反転と同時にステータ磁極数を変更するステータ極数変換回路を必要とする。これらのインバータ及びステータ極数変換回路は、製造コスト及び回路損失を増加させる。
本出願人により出願された特許文献3は、極性が異なる2つのマグネット極の間に2つのコア極をもつ極数切換PMSMを提案している。マグネット極は永久磁石極と意味し、コア極は磁気突極を意味する。2つのコア極はq軸位置に配置され、マグネット極はd軸位置に配置される。ステータ極数を切り換えるために、2倍比のステータ極数変換回路が採用される。けれども、この極数切換PMSMも製造コスト及び回路損失を増加させる。
本発明の1つの目的は、損失及び製造コストの増加を抑止しつつ優れたトルク/重量比と広い速度範囲を実現するロータ極数切換型永久磁石同期機を提供することである。本発明の永久磁石同期機は自動車などの移動用途の他、洗濯機、工業機械及びロボットなどの用途に採用されることができる。本発明のもう1つの目的は、バックEMFの悪影響を抑制可能なエンジン始動発電電動機を提供することである。本発明のもう1つの目的は、界磁コイルのインダクタンスが発生する悪影響を抑制可能な車両用交流発電機を提供することである。
ロータは、軟磁性の磁気突極により形成されるコア極と、永久磁石により形成されるマグネット極とをもつ。d軸磁束又は界磁磁束を発生するコア極は、磁石磁束を発生するマグネット極に対して特定の配列をもつ。コア極はマグネット極が配置されるd軸位置から電気角180度離れた次のd軸位置に配置される。言い換えれば、ロータのd軸位置はマグネット極とコア極とのどちらかにより占有される。コア極はマグネット極の半分又は2倍とされる。ステータ巻線が形成するステータ磁極数はマグネット極及びコア極の合計に常に等しい。マグネット極とコア極とにより構成されるロータ磁極の数はコア極の極性変更により実質的に変更される。
本発明の永久磁石同期機は6極モード及び2極モードをもつ。2極モードは実質的に6極モードの1/3のロータ磁極数をもつ。ステータ磁極数がロータ磁極数と一致する6極モードによればステータ巻線のバックEMFが増大する。したがって、トルク又は発電能力が増加する。ステータ磁極数はロータ磁極数と一致しない2極モードによればステータ巻線のバックEMFは減少する。したがって、広い速度範囲での運転が可能となる。
ステータ巻線のd軸電流又は界磁コイルの界磁電流の通電方向を逆転することにより、コア極の極性が変更される。コア極を流れるロータ磁束は、d軸電流により形成されるd軸磁束又は界磁電流により形成される界磁磁束により主として構成される。
マグネット極を構成する永久磁石は電磁的に真空と見なせる。したがって、マグネット極は、界磁コイルのインダクタンスを低減する。これは、界磁電流の急速な増加を可能とする。
弱め磁束法は、電磁的に真空と見なせる永久磁石を貫通するd軸磁界を弱めねばならないため、d軸電流を増加する必要がある。これに対して、本発明によれば、永久磁石をもつマグネット極と磁気的に並列に配置されるコア極の極性を反転させるため、必要なd軸電流は相対的に低減することができる。さらに、コア極の極性変更のためのd軸電流により永久磁石が永久減磁されることも防止される。
本発明の他の利点が以下に説明される。車両用となどの可変速用途において、最大のロータ磁束が要求されることは稀である。したがって、たとえばエンジン始動などの稀な運転条件(高トルク条件)のために多くの永久磁石をロータに装備することは不経済である。本発明によれば、高価な永久磁石の数を低減できるため、製造コストが低減される。
1つの好適態様によれば、2つのコア極が、互いに極性が異なる2つのマグネット極の間に配置される。好適なもう1つの態様によれば、互いに極性が異なる2つのマグネット極が2つのコア極の間に配置される。
もう1つの好適態様によれば、ランデル型ロータが採用される。このランデル型ロータによれば、界磁コイルがランデル型ロータコアに巻かれる。したがって、この同期機は従来の界磁コイル同期機(FCSM)と従来の永久磁石同期機(PMSM)との両方の特徴をもつ。この態様によれば、マグネット極が界磁巻線のインダクタンスを減らすため、界磁電流の急速な増加が可能となる。
もう1つの好適態様によれば、マグネット極はランデル型ロータコアの爪状コアに固定される。好適には、爪状コアは従来の約3倍の周方向幅(電気角540度)をもつ。これにより、爪状コアの剛性が改善される。
もう1つの好適態様によれば、爪状コアは2つのコア極の間に固定された1つのマグネット極をもつ。N極の永久磁石が奇数番目の爪状コアの周方向中央部に固定され、S極の永久磁石が偶数番目の爪状コアの周方向中央部に固定される。これにより、複雑なロータ構造を回避可能なロータ極数切換FCSMを実現することができる。
もう1つの好適態様によれば、爪状コアは2つのマグネット極の間に配置された1つのコア極をもつ。2つのN極永久磁石が奇数番目の爪状コアの周方向両端部に固定され、2つのS極永久磁石が偶数番目の爪状コアの周方向両端部に固定される。これにより、複雑なロータ構造を回避可能なロータ極数切換FCSMを実現することができる。
もう1つの好適態様によれば、このロータ極数切換FCSMはオルタネータとして採用される。もう1つの好適態様によれば、このロータ極数切換FCSMはISGとして採用される。界磁コイルのインダクタンスがマグネット極により低減されるので、界磁電流の急変が可能となる。
もう1つの好適態様によれば、ランデル型ロータの界磁コイルは第1コイル及び第2コイルをもつ。直列モードによれば、第1方向の界磁電流が、直列ダイオードを通じて直列接続された2つのコイルに通電される。界磁電流を反転する並列モードによれば、直列ダイオードは遮断され、並列ダイオードが導通され、2つのコイルは並列接続される。
ロータ極数切換FCSMは界磁電流の方向反転回路を元々もつため、さらに3つのダイオードを追加するだけで2つのコイルの直並列切換が実現される。好適には、3つのダイオードをロータコアに固定される。2つのコイルの並列接続により界磁コイルのインダクタンスは1/4となる。オルタネータの発電制動やISGのエンジン始動に要する時間を短縮することが可能となる。
もう1つの好適態様によれば、マグネット極の永久磁石は、マルチフラックスバリア構造をもつ円筒状ロータコアに固定される。マルチフラックスバリア構造はシンクロナスリラクタンスモータ(SynRM)において周知となっている。各フラックスバリアは、ロータコアのd軸インダクタンスLdとq軸インダクタンスとの比率(Ld/Lq)を増加する方向に延長される。一般に、各フラックスバリアは円弧状の溝により形成される。言い換えれば、各フラックスバリアは、互いに隣接する2つのコア極を連絡する向きに延長され、かつ、互いに隣接する2つのマグネット極を連絡する向きに延長される。これにより、有害なq+軸インダクタンスLqを低減することができる。ロータコアの耐遠心力を強化するために、フラックスバリアに樹脂を注入することは可能である。
もう1つの好適態様によれば、発電機の発電停止が要求される時、2極モードにおいてコア磁束総量はマグネット磁束総量に略等しくされる。このモードは発電停止モードと呼ばれる。この発電停止モードによれば、コア磁束総量とマグネット磁束総量との差によって誘起されるステータ巻線の発電電圧はバッテリ電圧未満とされる。これにより、バッテリの過充電は、ロータが永久磁石をもつにもかかわらず良好に防止することができる。
もう1つの好適態様によれば、2つの3相巻線と2つのインバータと1つの双方向スイッチとが設けられる。第1のインバータは第1の3相ステータ巻線に接続され、第2のインバータは第2の3相ステータ巻線に接続される。第1の3相巻線の1つの相巻線と第2の3相巻線の1つの相巻線とが1つの双方向スイッチを通じて接続される。これら2つの相巻線のバックEMFは略反対の位相をもつことが好適である。
この双方向スイッチがオフされる時、2つのインバータは直流電源に対して並列に接続されるので、6相動作と呼ばれる。この6相動作によれば、ステータ巻線の巻数を実質的に低減できるので、広い速度範囲を実現することができる。さらに、ステータ電流が2つのステータ巻線に並列に流れるため、銅損が低減される。
この双方向スイッチがオンされる時、2つのインバータはそれぞれ逆方向に2相運転を行う。2つのインバータの4つのレグが運転されるので、4相動作と呼ばれる。この4相動作によれば、第1の3相巻線及び第2の3相巻線が実質的に直列接続されるので、モータトルク(バックEMF)が増加する。この4相/6相切換型インバータ回路は、本出願人により出願された特願2014-123242に記載されている。この4相/6相切換型インバータ回路を装備することにより、本発明のロータ極数切換型永久磁石同期機の低速トルク及び速度範囲を更に改善することができる。
第1実施例
第1実施例が以下に説明される。図1はランデル型ISGを示す模式図である。ステータ1は円筒状のステータコア7に巻かれたステータ巻線2をもつ。ステータ巻線2はコイルエンド2A及び2Bをもつ。ランデル型ロータコア8は界磁コイル9とともにランデル型ロータを構成している。界磁コイル9はロータコア8の左コア及び右コアに囲まれている。
第1実施例が以下に説明される。図1はランデル型ISGを示す模式図である。ステータ1は円筒状のステータコア7に巻かれたステータ巻線2をもつ。ステータ巻線2はコイルエンド2A及び2Bをもつ。ランデル型ロータコア8は界磁コイル9とともにランデル型ロータを構成している。界磁コイル9はロータコア8の左コア及び右コアに囲まれている。
軟磁性の左コアはボス部80、ポール部81及び爪状コア82からなる。ボス部80は回転軸6に嵌められている。複数のポール部81がボス部80から径方向外側へ突出している。ポール部81の先端から軸方向へ個別に延在する爪状コア82は小さいエアギャップを挟んでステータコア7の内周面に対面している。
同様に、軟磁性の右コアはボス部83、ポール部84及び爪状コア85からなる。ボス部83は回転軸6に嵌められている。複数のポール部84はボス部83から径方向外側へ突出している。ポール部84の先端から軸方向へ個別に延在している爪状コア85は小さいエアギャップを挟んでステータコア7の内周面に対面している。
3相インバータ3はステータ巻線2にステータ電流を供給する。界磁電流制御回路11は図略のブラシ及びスリップリングを通じて界磁電流を界磁コイル9へ通電する。コントローラ4はインバータ3及び界磁電流制御回路11を制御する。
図2はインバータ3及び界磁電流制御回路11を示す配線図である。ステータ巻線2は星形接続されたU相巻線2U、V相巻線2V及びW相巻線2Wからなる。インバータ3はU相レグ3U、V相レグ3V及びW相レグ3Wからなる。U相レグ3UはU相巻線2Uに接続され、V相レグ3VはV相巻線2Vに接続され、W相レグ3WはW相巻線2Wに接続されている。Hブリッジからなる界磁電流制御回路11は界磁コイル9に流される界磁電流の量と方向とを制御する。
コントローラ4は6極モードと2極モードとをもつ。6N個(Nは整数)のロータ磁極が形成される6極モードは少なくともエンジン始動動作において採用される。2N個のロータ磁極が実質的に形成される2極モードは少なくとも高速発電動作において採用される。ステータ巻線2は6N個のステータ磁極を常に形成する。言い換えれば、ステータ1はN×180度に等しい電気角をもつ。
図3は6極モードを示す模式配線図であり、図4は2極モードを示す模式配線図である。U相巻線2Uは、直列に接続された6つのU相導体部21U-26Uをもつ。U相導体部21U-26Uは互いにほぼ電気角180度離れて配置されている。V相巻線2Vは、直列に接続された6つのV相導体部21V-26Vをもつ。各V相導体部21V-26Vは互いにほぼ電気角180度離れて配置されている。W相巻線2Wは、直列に接続された6つのW相導体部21W-26Wをもつ。各W相導体部21W-26Wは互いにほぼ電気角180度離れて配置されている。
図3は6極モードにおけるU相導体部21U-26Uの逆起電力(バックEMF)の一例を示す。この6極モードによれば、6つのU相導体部21U-26Uは同一方向の逆起電力U1、U2、U3、U4、U5及びU6を発生するので、U相巻線2Uは高い逆起電力を発生する。同様に、V相巻線2V及びW相巻線2Wも高い逆起電力を発生する。
図4は2極モードにおけるU相導体部21U-26Uの逆起電力(バックEMF)の一例を示す。この2極モードによれば、U相導体部21U、23U、24U及び26Uの逆起電力U1、U3、U4及びU6は、U相導体部22U及び25Uの逆起電力U2及びU5と反対向きとなる。U相巻線2Uの逆起電力は、4つの導体電圧U1、U3、U4及びU6の合計と2つの導体電圧U2及びU5の合計との差となる。したがって、U相巻線2Uの逆起電力は大幅に低減される。同様に、V相巻線2V及びW相巻線2Wの逆起電力も大幅に低減される。
図5はランデル型ロータコア8の側面図である。ロータコア8は12極のロータ磁極をもつ。左コアは互いに空間角180度離れた2つのポール部81をもつ。右コアも互いに空間角180度離れた2つのポール部84をもつ。爪状コア82はポール部81から軸方向へ延在している。爪状コア85はポール部82から軸方向かつ爪状コア85と反対向きに延在している。爪状コア82及び85はそれぞれ略90度の周方向幅(空間角)をもち、周方向へ交互に配置されている。
爪状コア82は、周方向両側に形成された2つのコア極54及び56と、2つのコア極54及び56の間に形成された1つのマグネット極55をもつ。マグネット極55は、爪状コア82の周方向中央部820に形成された溝部に固定されている。ネオジム磁石からなるマグネット極55の外周表面はN極に磁化されている。
同様に、爪状コア85は、周方向両側に形成された2つのコア極51及び53と、2つのコア極51及び53の間に形成された1つのマグネット極52をもつ。マグネット極52は、爪状コア85の周方向中央部850に形成された溝部に固定されている。ネオジム磁石からなるマグネット極52の外周表面はS極に磁化されている。
図6はロータ磁極51-56の周方向展開図である。コア極54及び56とマグネット極52とがロータのd-軸に配置されている。コア極51及び53とマグネット極55とがロータのd+軸に配置されている。d-軸とd+軸との間の電気角は180度である。ステータコア7の軸方向幅は磁極51-56の軸方向幅Wfに略等しい。
図7は各モードを説明する模式図である。各モードは界磁電流の制御により実施される。マグネット極52及び55はそれぞれ磁石磁束Fmを発生する。コア極51、53-54及び56はそれぞれ界磁磁束Ffを発生する。
磁束配列パターン101は2極モードを示す。界磁電流を第1方向へ流すことにより、コア極51及び53はS極となり、コア極54及び56はN極となる。その結果、磁極51-53は実質的に1つのS極を形成し、磁極54-56は実質的に1つのN極を形成する。結局、6つの磁極51-56は実質的に2つのロータ磁極を構成する。この2極モードによれば、ロータ磁界の空間周波数が低減されるので、ステータコア7の鉄損が低減される。
磁束配列パターン102は、2極モードの一例である発電停止モードを示す。界磁電流の低減により、界磁磁束Ffは磁石磁束Fmの約半分とされる。これにより、各相巻線3U、3V及び3Wの逆起電力(発電電圧)はそれぞれほぼゼロとなる。言い換えれば、この発電停止モードによれば、コア極の磁束総量とマグネット極の磁束総量との差が各相巻線2U、2V及び2Wに誘起する発電電圧がバッテリ電圧未満となるように、界磁電流が制御される。これにより、永久磁石同期機を用いるにももかかわらず、バッテリの過充電を防止することができる。この発電停止モードによれば、磁束配列パターン102がほぼ正弦波形状となるので、ステータコア7の高調波鉄損が低減される。
界磁電流制御回路11の故障などにより界磁電流の制御が不可能となる時、マグネット磁束をコア磁束によりキャンセルできないので、ステータ巻線2は発生する逆起電力(発電電圧)が増加する。しかし、バッテリの消費電流を増加することにより、バッテリの過充電を防止することができる。
磁束配列パターン103は6極モードを示す。界磁電流を逆方向に流すことにより、コア極51及び53はN極となり、コア極54及び56はS極となる。これにより、磁極51-56は6つの磁極を交互に形成する。ステータ巻線2の各導体部は、ステータ巻線は、6極モードにおけるロータ磁極ピッチと等しいステータ磁極ピッチをもつので、トルクは大幅に増加される。
この実施例のISGによれば、6極モードでエンジンを始動することにより、エンジン始動トルクを増加することができる。2極モードにより高速発電を実施することにより、永久磁石が用いるにもかかわらず、発電の停止及び鉄損の低減を実現することができる。
永久磁石を用いることにより、エンジン始動に必要なロータ磁束の一部を界磁電流の通電無しに発生することができる。さらに、マグネット極が占有する磁路面積だけ、界磁コイルのインダクタンスを減らすことができるので、エンジン始動に必要なロータ磁束の残りを速やかに確保することができる。
さらに、エンジン始動後に実行される2極モードによれば、トルクアシスト動作や発電制動動作のための界磁磁束の増加を加速することができる。すなわち、界磁コイルのインダクタンスが永久磁石により低減されるので、トルクアシスト動作や発電制動動作のための界磁磁束の急速な増加が可能となる。
互いに隣接する2つの爪状コア82及び85の間のギャップに補助永久磁石を固定することができる。一例によれば、この補助永久磁石は、爪状コア82をS極に磁化し、爪状コア85をN極に磁化する向きに磁化する。これにより、エンジン始動時に、コア極51及び53をN極に磁化し、コア極54及び56をS極に磁化するために必要な界磁電流値を得るための時間を短縮することができる。その結果、エンジン始動時間を短縮することができる。
エンジン始動時間をさらに短縮するために、界磁コイル9の巻数は従来のオルタネータよりも低減されることが好適である。アイドルストップ中に界磁電流の一部を通電することにより、ロータの6極モードを維持することが好適である。たとえば、定格最大電流値の40%の界磁電流がアイドルストップ期間中に界磁コイル9に通電される。アイドルストップ期間中の界磁コイル9の銅損は約16%となる。モードの変更時にインバータ3のd軸電流を制御することができる。d軸電流は、モード変更によるコア極の極性逆転をアシストする方向へ通電される。
第1実施例の変形態様が以下に説明される。この変形態様は、第1実施例のISGをオルタネータとして用いる点にその特徴がある。図1及び図2に示されるインバータ3は3相ダイオード整流器に変更される。6極モードの採用により、このオルタネータの低速発電性能が向上される。これにより、オルタネータの小型軽量化が実現する。2極モードの採用により、永久磁石を用いるにもかかわらず発電停止及び鉄損低減が可能となる。
さらに、この変形態様によれば、車両制動時に2極モードから6極モードへ変更することにより、発電電流を大幅に増大することができる。同様に、車両加速時に発電停止モードを採用することにより、車両加速を促進することができる。界磁コイルのインダクタンス低減により、発電停止のための界磁電流の制御は従来のオルタネータよりも速やかに完了することができる。
第2実施例
第2実施例が以下に説明される。この第2実施例は第1実施例のISGのコア極及びマグネット極の位置を逆転した点をその特徴とする。図8は6極モードを模式的に示す配線図であり、図9は2極モードを模式的に示す配線図である。
第2実施例が以下に説明される。この第2実施例は第1実施例のISGのコア極及びマグネット極の位置を逆転した点をその特徴とする。図8は6極モードを模式的に示す配線図であり、図9は2極モードを模式的に示す配線図である。
図8は6極モードにおけるU相導体部21U-26Uの逆起電力の一例を示す。この6極モードは図3に示される第1実施例の6極モードと本質的に同じである。各相巻線2U、2V及び2Wは同様の逆起電力を発生する。
図9は2極モードにおけるU相導体部21U-26Uの逆起電力の一例を示す。U相導体部21U、23U、24U及び26Uの逆起電力U1、U3、U4及びU6は6極モードと同じ向きとなる。U相導体部22U及び25Uの逆起電力U2及びU5は6極モードと反対向きとなる。結局、U相巻線2Uの発電電圧は大幅に低減される。V相巻線2V及びW相巻線2Wの発電電圧も同様に低減される。
図10はロータ磁極51-56を示す周方向展開図である。永久磁石の個数を低減するために、マグネット極53及び54は1つの永久磁石202により構成されている。同様に、マグネット極51及び56も1つの永久磁石201により構成されている。永久磁石201及び202が爪状コア82及び85に楔状に保持されるため、高速回転にもかかわらず永久磁石201及び202の脱落を良好に防止することができる(図11参照)。
図11は各モードを説明する模式図である。マグネット極51、53、54及び56は磁石磁束Fmを発生する。コア極52及び55は界磁磁束Ffを発生する。磁束配列パターン101は2極モードを示す。コア極52がS極となり、コア極55がN極となるので、磁極51-53は実質的に1つのS極を形成し、磁極54-56は実質的に1つのN極を形成する。結局、6つの磁極51-56は実質的に2つのロータ磁極を構成する。ロータ磁界の空間周波数が低減されるので、ステータコア7の鉄損が低減される。
磁束配列パターン103は6極モードを示す。コア極52がN極となり、コア極55がS極となるので、6つの磁極51-56は6つのロータ磁極を形成する。ステータ巻線2は、この6極モードのロータ磁極ピッチと等しいステータ磁極ピッチをもつ。この第2実施例のISGは第1実施例のISGと同様の効果を奏する。
第3実施例
第3実施例が図12を参照して説明される。この実施例は既述された第1実施例又は第2実施例の界磁コイル9に追加される。界磁コイル9は、図1に示されるボス部80及び83に同一向きに巻かれた第1コイル91及び第2コイル92からなる。直列ダイオード12及び並列ダイオード13-14がロータコア8に固定されている。Hブリッジからなる界磁電流制御回路11が2つのスリップリング・ブラシペア15及び16を通じて界磁コイル9に接続されている。
第3実施例が図12を参照して説明される。この実施例は既述された第1実施例又は第2実施例の界磁コイル9に追加される。界磁コイル9は、図1に示されるボス部80及び83に同一向きに巻かれた第1コイル91及び第2コイル92からなる。直列ダイオード12及び並列ダイオード13-14がロータコア8に固定されている。Hブリッジからなる界磁電流制御回路11が2つのスリップリング・ブラシペア15及び16を通じて界磁コイル9に接続されている。
直列ダイオード12のアノードは第1コイル91の一端に接続され、第1コイル91の他端はHブリッジ11のレグ11Aに接続されている。直列ダイオード12のカソードは第2コイル92の一端に接続され、第2コイル92の他端はHブリッジ11のレグ11Bに接続されている。並列ダイオード13のアノードはレグ11Bに接続され、並列ダイオード13のカソードは直列ダイオードのアノードに接続されている。並列ダイオード14のアノードは直列ダイオードのカソードに接続され、並列ダイオード14のカソードはレグ11Aに接続されている。
レグ11Aは、直列接続された上アームスイッチ111及び下アームスイッチ114をもつ。レグ11Bは、直列接続された上アームスイッチ113及び下アームスイッチ112をもつ。4つのスイッチ111-114は、逆並列ダイオードをもつMOSトランジスタにより構成されている。
エンジン始動のために実行される6極モードによれば、スイッチ113及び114がオンされ、スイッチ111及び112がオフされる。界磁電流は並列ダイオード13及び14を通じて第1コイル91及び第2コイル92に並列に流れる。界磁コイル9のインダクタンスが1/4となるので、界磁電流は急速に増加する。
スイッチ113及びスイッチ114がオフされる時、6極モードのための界磁電流が停止される。第1コイル91及び第2コイル92の残留磁気エネルギーはそれぞれ、スイッチ111及び112の逆並列ダイオードを通じてバッテリに電流を流す。これにより、6極モードの終了時に、界磁電流は急速に減衰する。
発電動作のために実行される2極モードによれば、スイッチ111及び112がオンされ、スイッチ113及び114がオフされる。これにより、界磁電流は直列ダイオード12を通じて直列に接続された第1コイル91及び第2コイル92を通じて流れる。界磁コイル9の巻数が2倍となるので、界磁電流を低減することができる。
スイッチ111及び112のどちらかをPWMスイッチングすることにより、2極モードの界磁電流が制御され、発電電流が調整される。スイッチ111がオフされる時、第1コイル91及び第2コイル92の残留磁気エネルギーは、直列ダイオード12及びスイッチ112及びスイッチ114を通じて循環するフリーホィーリング電流を発生する。スイッチ112がオフされる時、第1コイル91及び第2コイル92の残留磁気エネルギーは、直列ダイオード12及びスイッチ111及びスイッチ113を通じて循環するフリーホィーリング電流を発生する。
この実施例の界磁電流制御回路は、界磁電流の方向を逆転するためのHブリッジ11を元々装備する第1実施例及び第2実施例のランデル型ISGとともに使用されることが最適である。しかし、ロータ極数を変更しない従来のISGやオルタネータがこの界磁電流制御回路を採用することも可能である。
第4実施例
第4実施例が以下に説明される。この実施例は通常の永久磁石同期機(PMSM)に適用される。図13は、ロータ極数変換型トラクションモータのロータを示す模式軸方向断面図である。ステータは図1に示されるステータ1と同じである。
第4実施例が以下に説明される。この実施例は通常の永久磁石同期機(PMSM)に適用される。図13は、ロータ極数変換型トラクションモータのロータを示す模式軸方向断面図である。ステータは図1に示されるステータ1と同じである。
ロータ8Aは、回転軸6に嵌められた積層鋼板製のロータコア800と、円筒状のロータコア800の外周部に固定された永久磁石とからなる。ロータコア8Aの外周面は小ギャップを隔ててステータコア7の内周面に対面している。したがって、この同期機は、インナーロータ構造をもつ通常の永久磁石型同期モータと同じ構造を有している。ステータ巻線2に給電する3相のインバータ3はコントローラ4により制御される。
図14はロータ8Aの模式径方向断面図である。それぞれ6極のロータ磁極51-56からなる2組のロータ磁極がロータコア800の外周面のd+軸位置及びd-軸位置に順番に形成されている。互いに空間角180度離れた2つのマグネット極52はS極をもつ。互いに空間角180度離れた2つのマグネット極55はN極をもつ。マグネット極52とマグネット極55との間の空間角は90度である。マグネット極52及び55は、ロータコア800の外周面を凹設した磁石溝に固定された永久磁石からなる。マグネット極52及び55はロータコア800に埋め込まれてもよい。
コア極56及び51がマグネット極55及び52の間に配置されている。コア極53及び54がマグネット極52及び55の間に配置されている。結局、合計12個のロータ磁極がロータ8Aのd+軸位置及びd-軸位置に形成される。ロータコア800はマルチフラックスバリア801及び802をもつ。マルチフラックスバリア801及び802はそれぞれ、フラックスバリアと呼ばれる複数の円弧状の溝からなる。言い換えれば、ロータコア800は従来の同期シンクロナスリラクタンスモータと実質的に同じマルチフラックスバリア構造をもつ。
マルチフラックスバリア801は、互いに隣接するコア極53及び54の間のd軸磁気抵抗と、互いに隣接するマグネット極52及び55間のd軸磁気抵抗とを減らす向きに形成されている。マルチフラックスバリア802は、互いに隣接するコア極56及び51の間のd軸磁気抵抗と、互いに隣接するマグネット極55及び52間のd軸磁気抵抗とを減らす向きに形成されている。
互いに隣接するマルチフラックスバリア801及び802の間の空間角は90度である。マルチフラックスバリア801及び802はそれぞれ、互いに隣接するq+軸とq-軸との間のq軸磁気抵抗を増加する向きに形成されている。q軸インダクタンスによる悪影響を低減するために、d+軸及びd-軸に配置される永久磁石を隣接のq軸方向へ延長してもよい。結局、ロータ8Aは、ステータ巻線2に大きなd軸インダクタンスLdと小さいq軸インダクタンスLqとを与える。
ステータ巻線2は第1実施例と同様に12極のステータ磁極を形成する。インバータ3からステータ巻線2に供給されるステータ電流に含まれるd軸電流Idの方向を逆転することにより、コア極51、53-54及び56の極性が変更される。
6極モードによれば、互いに隣接する1つのコア極と1つのマグネット極とが反対の極性をもつ。2極モードによれば、互いに隣接する1つのコア極と1つのマグネット極とは同じ極性をもつ。6極モードはたとえばエンジン始動時に採用される。2極モードはたとえば高速時に採用される。6極モード及び2極モードの詳細は第1実施例と本質的に同じである。
図15は各モードを説明する模式図である。S極のマグネット極52及びN極のマグネット極55は磁石磁束Fmを発生する。d軸電流により磁化されてN極又はS極となるコア極51、53-54及び56はd軸磁束Fdを発生する。図15の磁束パターンは図7の磁束パターンと本質的に同じである。ただし、図15に示されるコア極51、53-54及び56は界磁磁束Ff(図7参照)の代わりにd軸磁束Fdを発生する。図15に示される各モードにおける詳細は図7に示される各モードの詳細と本質的に同じであるため、その説明は省略される。ただし、d軸電流は、真空と見なされる永久磁石を通過することなく、コア極51、53、54及び56を磁化するため、極性変更のためのd軸電流を低減することができる。
第5実施例
第5実施例が以下に説明される。この実施例は通常の永久磁石同期機(PMSM)に適用される。図16は、ロータ極数変換型トラクションモータのロータを示す模式径方向断面図である。ステータは、図13に示されるステータ1と本質的に同じである。ただし、図16に示されるコア極とマグネット極は、図14に示されるコア極とマグネット極と逆の位置に配置されている。
第5実施例が以下に説明される。この実施例は通常の永久磁石同期機(PMSM)に適用される。図16は、ロータ極数変換型トラクションモータのロータを示す模式径方向断面図である。ステータは、図13に示されるステータ1と本質的に同じである。ただし、図16に示されるコア極とマグネット極は、図14に示されるコア極とマグネット極と逆の位置に配置されている。
N極のマグネット極51及び53はコア極52を挟んで配置されている。S極のマグネット極54及び56はコア極55を挟んで配置されている。コア極52はコア極55から空間角90度離れて配置されている。マグネット極52及び55はロータコア800の外周面を凹設した溝に固定されている。結局、2組のロータ磁極51-56がロータ8Aのd+軸位置及びd-軸位置に配置されている。ロータコア800はマルチフラックスバリア801及び802をもつ。
マルチフラックスバリア801は、互いに隣接するマグネット極51及び56の間のd軸磁気抵抗と、互いに隣接するコア極55及び52間のd軸磁気抵抗とを減らす向きに形成されている。マルチフラックスバリア802は、互いに隣接するマグネット極53及び54の間のd軸磁気抵抗と、互いに隣接するマグネット極52及び55間のd軸磁気抵抗とを減らす向きに形成されている。
マルチフラックスバリア801及び802は、互いに隣接するq+軸とq-軸との間のq軸磁気抵抗を増加する。結局、磁気突極型のロータ8Aは、大きなd軸インダクタンスLdと、小さいq軸インダクタンスLqとをステータ巻線2に与える。マグネット極52及び54を構成する永久磁石は、ロータコア8A内部に埋め込
まれてもよい。
まれてもよい。
ステータ巻線は12極のステータ磁極を形成する。ステータ電流に含まれるd軸電流Idの方向を反転することにより、4つのコア極52及び55の極性が反転される。6極モードによれば、コア極は隣接するマグネット極と反対の極性をもつ。2極モードによれば、コア極は隣接するマグネット極と同じ極性をもつ。6極モードはたとえばエンジン始動時に採用される。2極モードはたとえば高速時に採用される。
図17は各モードを説明する模式図である。ただし、各永久磁石はロータコア800内に形成された磁石収容孔に収容されている。言い換えれば、ロータ8Aは公知の埋め込み磁石構造をもつ。永久磁石が収容されない各磁石収容孔の両端部はフラックスバリア59を構成している。
S極のマグネット極54及び56並びにN極のマグネット極51及び53は磁石磁束Fmを発生する。コア極52及び54はd軸磁束Fdを発生する。図17に示される磁束パターンは図11に示される磁束パターンと本質的に同じである。ただし、図17に示されるコア極52及び55は、図11に示される界磁磁束Ffの代わりにd軸磁束Fdを発生する。図17に示される各モードは、図11に示される各モードと本質的に同じである。
第6実施例
第6実施例が図18を参照して説明される。この実施例は、ISGが強力なエンジン始動トルクを発生しなければならないという深刻な問題を解決するためになされたものである。既述したロータ極数切換だけでは、ISGが要求するトルク特性及び発電特性の両方を実現することがなお容易でない点に鑑みてなされたものである。
第6実施例が図18を参照して説明される。この実施例は、ISGが強力なエンジン始動トルクを発生しなければならないという深刻な問題を解決するためになされたものである。既述したロータ極数切換だけでは、ISGが要求するトルク特性及び発電特性の両方を実現することがなお容易でない点に鑑みてなされたものである。
図18はステータ巻線2及びインバータ3を示す配線図である。ステータ巻線2は第1の3相巻線2Aと第2の3相巻線2Bとからなる。3相巻線2Aは、星形接続されたU相巻線2U1、V相巻線2V1及びW相巻線2W1からなる。3相巻線2Bは、星形接続された-U相巻線2U2、-V相巻線2V2及び-W相巻線2W2からなる。
U相巻線2U1及び-U相巻線2U2は反対位相のU相電圧を発生する。V相巻線2V1及び-V相巻線2V2は反対位相のV相電圧を発生する。W相巻線2W1及び-W相巻線2W2は反対位相のW相電圧を発生する。言い換えれば、ステータ巻線2は位相が電気角60度ずつずれた6相の相巻線により構成されている。
交流スイッチであるトライアック15がW相巻線2W1の出力端と-W相巻線2W2とを接続している。インバータ3は、第1の3相巻線2Aに接続される第1インバータ3Aと、第2の3相巻線2Bに接続される第2インバータ3Bとからなる。
第1インバータ3Aは、MOSトランジスタにより構成されるU相スイッチングレグ3U1及びV相スイッチングレグ3V1と、ダイオードにより構成されるW相ダイオードレグ3W1からなる。第2インバータ3Aは、MOSトランジスタにより構成される-U相スイッチングレグ3U2及び-V相スイッチングレグ3V2と、ダイオードにより構成される-W相ダイオードレグ3W2からなる。
U相レグ3U1はU相巻線2U1に接続され、V相レグ3V1はV相巻線2V1に接続され、W相レグ3W1はW相レグ2W1に接続されている。-U相レグ3U2は-U相巻線2U2に接続され、-V相レグ3V2は-V相巻線2V2に接続され、-W相レグ3W2は-W相レグ2W2に接続されている。結局、インバータ3は、4相のスイッチングレグ3U1、3V1、3U2及び3V2と、2相のダイオードレグ3W1及び3W2からなる。
インバータ3及びトライアック15の動作が以下に説明される。
大トルクを発生する必要があるエンジン始動時に、トライアック15がオンされる。次に、4相のスイッチングレグ3U1、3V1、3U2及び3V2がステータ巻線2に略正弦波波形の4相電流を供給する。このモードは4相モードと呼ばれる。これにより、U相電流IUがU相巻線2U1及び2U2に流れ、V相電流IVがV相巻線2V1及び2V2に流れる。その結果、W相巻線2W1及び-W相巻線2W2にW相電流IWが流れる。結局、2つの3相巻線2A及び2Bが直列接続されるので、4相インバータにより大きなトルクを発生することができる。
大トルクを発生する必要があるエンジン始動時に、トライアック15がオンされる。次に、4相のスイッチングレグ3U1、3V1、3U2及び3V2がステータ巻線2に略正弦波波形の4相電流を供給する。このモードは4相モードと呼ばれる。これにより、U相電流IUがU相巻線2U1及び2U2に流れ、V相電流IVがV相巻線2V1及び2V2に流れる。その結果、W相巻線2W1及び-W相巻線2W2にW相電流IWが流れる。結局、2つの3相巻線2A及び2Bが直列接続されるので、4相インバータにより大きなトルクを発生することができる。
高速時にトライアック15がオフされる。その結果、3相巻線2A及び2Bは互いに独立に発電電流又はトルクを発生する。このモードは6相モードと呼ばれる。ステータ巻線2A及び2Bの銅損が低減される。
この実施例によれば、1つの双方向スイッチによりステータ巻線2の巻数を切り換えることができるので、永久磁石により高速回転時にバックEMFが過度に上昇する問題が改善される。その結果、既述された発電電圧低減のための界磁電流又はd軸電流の通電による損失を減らすことができる。さらに、エンジン始動時にステータ巻線の巻数を増加できるので、低速トルクを向上することができる。トライアックの代わりに他の双方向スイッチを用いることも可能である。
4相/6相切換法と呼ばれる上記ステータ巻線切換法は、ISG以外のオルタネータなどの可変速同期発電機やトラクションモータのような可変速同期モータに使用されることができ、さらに誘導モータ又は誘導発電機にも採用されることができる。発電機として用いられる時、インバータ3は6相のダイオードレグで構成されることができる。モータとして用いられる時、インバータ3は6相のスイッチングレグで構成されることができる。
上記各実施例はラジアルギャップ型回転電機の代わりにアキシャルギャップ型の回転電機やリニアモータに採用されることもできる。
Claims (12)
- ロータコアに形成されるマグネット極及びコア極を有し、マグネット極は永久磁石により形成され、コア極はロータコアに形成された磁気突極により形成されるロータ極数切換型永久磁石同期機において、
ロータコアに対面するステータコアにマグネット極とコア極との合計数に等しい数のステータ磁極を形成するステータ巻線と、コア極の極性を変更することによりロータ磁極の数を切り換える電流制御手段とを有し、
電流制御手段は、ロータ磁極数がステータ磁極数に等しい6極モードと、ロータ磁極数が実質的にステータ磁極数の1/3となる2極モードとの間のモードの切換をコア極の極性変更により実施することを特徴とするロータ極数切換型永久磁石同期機。 - 互いに異なる極性を有する2つのマグネット極の間に配置される2つのコア極が異なる極性をもつ請求項1記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 互いに異なる極性を有する2つのコア極の間に配置される2つのマグネット極が異なる極性をもつ請求項1記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 電流制御手段は、ランデル型ロータコアに巻かれた界磁コイルに供給する界磁電流の方向を切り換えることによりコア極の極性を変更し、
コア極を形成するための永久磁石は、ランデル型ロータコアの爪状コアに固定されている請求項3記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。 - 爪状コアは、2つのコア極の間に固定された1つのマグネット極をもつ請求項4記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 爪状コアは、2つのマグネット極の間に形成された1つのコア極をもつ請求項4記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 界磁コイルは、ランデル型ロータコアに巻かれた第1コイル及び第2コイルと、第1方向へ流れる界磁電流に対して第1界磁コイル及び第2界磁コイルを直列接続する直列ダイオードと、第1方向と反対方向へ流れる界磁電流に対して第1界磁コイル及び第2界磁コイルを並列接続する2つの並列ダイオードを有する請求項4記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 電流制御手段は、ステータ巻線に通電されるd軸電流の通電方向を切り換えることによりコア極の極性を変更する請求項1記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 円筒状のロータコアは、互いに反対極性を有して近接する2つのコア極間d軸磁気抵抗と、互いに反対極性を有して近接する2つのマグネット極間のd軸磁気抵抗との両方を低減する向きに形成されたマルチフラックスバリアを有する請求項8記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 電流制御手段は、2極モードにおいてマグネット磁の磁束総量に略等しい略等しいコア磁束の総量を発生することにより、ステータ巻線から外部への発電電流の供給を不能とする発電停止モードを有する請求項1記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 電流制御手段は、ステータ巻線を構成する2つの3相巻線に個別に接続される第1インバータ及び第2インバータと、第1インバータの1つのレグと第2インバータの1つのレグとを接続する双方向スイッチと、双方向スイッチの断続により4相モードと6相モードとを切り換えるコントローラとを有する請求項1記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
- 双方向スイッチにより接続される2つのレグは、ダイオードレグにより構成され、
コントローラは、回転始動時に4相モードを選択することによりトルク発生動作を実行し、かつ、高速回転時に6相モードを選択することにより発電動作を実行する請求項11記載のロータ極数切換型永久磁石同期機。
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Cited By (1)
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JP2019103203A (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-24 | 三菱電機株式会社 | 電力変換装置および電力変換装置付回転電機 |
-
2014
- 2014-10-15 JP JP2014210500A patent/JP2016082664A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019103203A (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-24 | 三菱電機株式会社 | 電力変換装置および電力変換装置付回転電機 |
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