JP2016069394A - 粒状洗剤及びその製造方法並びに洗剤製品 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる粒状洗剤の変色の問題に対し、例えば、特許文献1には、粒状洗剤を包装する際に、窒素ガス置換をすることで、粒状洗剤の黄変が抑制できることが開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、粒状洗剤の黄変を充分に抑制できない場合がある。また、窒素ガス置換をするための新たな設備導入が必要となる。
そのため、粒状洗剤に生じる変色を、その組成により抑制することが求められる。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1]界面活性剤を含む粒子群(A)と、水溶性無機塩の単結晶粒子の粒子群(B)と、を粉体混合してなり、下記式(1)を満たすことを特徴とする粒状洗剤。
0.45<r/R<1.00 …(1)
ただし、式(1)中のRは前記粒子群(A)の平均粒子径(μm)であり、式(1)中のrは、前記粒子群(B)の平均粒子径(μm)を意味する。
[2][1]の粒状洗剤が、容器に充填されてなることを特徴とする洗剤製品。
[3]前記容器が、不定形容器であることを特徴とする[2]に記載の洗剤製品。
[4][1]に記載の粒状洗剤の製造方法であって、前記粒子群(A)と、前記粒子群(B)と、を粉体混合する工程を含むことを特徴とする、粒状洗剤の製造方法。
0.45<r/R<1.00 …(1)
ただし、式(1)中のRは、前記粒子群(A)の平均粒子径(μm)であり、式(1)中のrは、前記粒子群(B)の平均粒子径(μm)を意味する。
式(1)は、0.45<r/R<1.00であり、0.55<r/R<0.90が好ましい。r/Rを0.45超とすると、粒状洗剤におけるA粒子同士の凝集を抑制しやすくなる。
図1を用いて模式的に説明すると、粒子群(A)が平面上に4個のA粒子が縦方向に2個、横方向に2個ずつ互いに接するように配列した場合、4個のA粒子間には隙間が形成される。この隙間には、直径rが[対向する2個のA粒子の中心間の距離−R/2×2]以下であるB粒子が入り込み得る。このときr/Rは約0.41となる。
r/Rが0.45超であると、図1(b)に示すように、B粒子がスペーサーになり、A粒子同士の接点が減少する。
r/Rが0.41以下であると、図1(a)に示すように、B粒子はA粒子同士の隙間に入り込むため、複数のA粒子同士の接点は、B粒子が無い場合と同じである。また、r/Rが0.41超0.45以下の場合、B粒子が入り込んでもA粒子同士の接点はほとんど減少しない。
r/Rが1.00以上になると、B粒子はスペーサーとして機能するものの、1個のB粒子あたりの質量が増えることで相対的にB粒子の数が少なくなり、A粒子同士の接触点を充分に減少させることができないおそれがある。
{(a×R3)/(b×r3)×0.3}<{X/Y}<{(a×R3)/(b×r3)×3.0} …(2)
70≦X+Y≦100 …(3)
0.40<n/m<1.10 …(4)
ただし、式(2)〜(4)中の符号は以下の意味を有する。
a:前記粒子群(A)の嵩密度(g/cm3)。
b:前記粒子群(B)の嵩密度(g/cm3)。
X:前記粒子群(A)の含有量(質量%)。
Y:前記粒子群(B)の含有量(質量%)。
m:前記粒子群(A)の粒度分布の半値幅(μm)。
n:前記粒子群(B)の粒度分布の半値幅(μm)。
上記粒度分布の半値幅は、上述のようにして測定される粒度分布(横軸:粒子径(μm)、縦軸:頻度(%))のピークトップの高さの半分の位置でのピーク幅を示す。
X/Yが(a×R3)/(b×r3)の0.3倍超3.0倍未満であると、粒状洗剤中のA粒子の数とB粒子の数のバランスが良く、粒状洗剤中で、B粒子がスペーサーとしてより作用しやすくなる。
式(2)は粒状洗剤中のA粒子の数とB粒子の数との関係を示すものといえる。
つまり、A粒子1つあたりの質量は、a×4/3π×(R/2×10−4)3で求められる。そのため、粒状洗剤中のA粒子の数をpとしたとき、Xは、{a×4/3π×(R/2×10−4)3}×pとして表すこともできる。同様に、B粒子1つあたりの質量は、b×4/3π×(r/2×10−4)3で求められ、そのため、粒状洗剤中のB粒子の数をqとしたとき、Yは、{b×4/3π×(R/2×10−4)3}×qとして表すこともできる。
したがって、X/Yは、[{a×4/3π×(R/2×10−4)3}×p]/{{b×4/3π×(R/2×10−4)3}×q}であり、この式をまとめると(a×R3)/(b×r3)×(p/q)となる。これを式(2)中のX/Yに置き換えて変形させると、0.3<p/q<3.0となり、pとqとの関係を示す式となる。
B粒子は、上記のように、粒子群(A)の粒子間に入り込んでスペーサーとして機能すると考えられ、B粒子が、0.3<p/q<3.0となる粒子数で含まれることで、スペーサーとしてより作用しやすくなる。
X+Y(粒状洗剤の総質量に対する粒子群(A)と粒子群(B)との合計の含有量)が70質量%以上であると、粒状洗剤の水への良好な溶解性が得られやすく、粒状洗剤としての洗浄力もより高められやすい。
式(4)は、粒子群(A)の粒度分布の広さと、粒子群(B)の粒度分布の広さとの関係を示す。
図2〜3に具体例を示して説明する。図2は、1種の粒子群(A)の粒度分布と、平均粒子径が同じでnが異なる2種の粒子群(B)(半値幅がn1の粒子群(B1)と、半値幅がn2の粒子群(B2))の粒度分布を重ねたグラフの一例である。
図3は、図2における粒子群(A)の粒度分布の代わりに、平均粒子径が同じでmがそれよりも狭い粒子群(A)の粒度分布を示したグラフである。
これらの図に示すように、半値幅m、nが広くなると、粒子径が平均粒子径からずれた粒子の割合が増え、ずれも大きくなる。そのため平均粒子径が式(1)を満たしていても、n/mが1.10以上である(粒子群(B)の粒度分布が粒子群(A)の粒度分布に比して広い、または粒子群(A)の粒度分布が粒子群(B)の粒度分布に比して狭い)と、個々の粒子レベルで、式(1)を満たさずスペーサーとならないB粒子の割合が増える。
一方、n/mが0.40以下である(粒子群(B)の粒度分布が粒子群(A)の粒度分布に比して狭い、または粒子群(A)の粒度分布が粒子群(B)の粒度分布に比して広い)場合、B粒子がスペーサーとならないA粒子の割合が増える。
式(4)を満たすことで、スペーサーとなるB粒子がA粒子に対して充分な数で存在し、A粒子同士の接点をより減らすことができ、A粒子同士の凝集をより抑制しやすくなる。
次に、本発明の粒状洗剤に含まれる成分について詳述する。
粒子群(A)は、界面活性剤を含む粒子群である。
界面活性剤としては、特に限定されず、粒状洗剤等に配合されている界面活性剤を使用でき、例えばアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
(1−1)α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩の種類は特に制限されず、一般の粒状洗剤に使用されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩のいずれも好適に使用することができ、下記式(11)で表されるものが好ましい。
R11−CH(SO3M)−COOR12 ・・・(11)
R12は炭素数1〜6のアルキル基であり、炭素数1〜3であることが好ましい。具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられ、洗浄力がより向上することからメチル基、エチル基、プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Mは、対イオンを表し、たとえばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。なかでもアルカリ金属塩が好ましい。
α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩として、例えばα−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(MES)が好ましい。
(1−3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(1−4)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(1−5)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(1−6)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(1−7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(1−8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(1−9)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸等のアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(1−10)炭素数10〜20のアルキル基を有するモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(1−11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(1−12)炭素数10〜20の高級脂肪酸塩(石鹸)。
これらのアニオン界面活性剤は、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、アミン塩、アンモニウム塩等として用いることができる。
これらのアニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(2−1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。
(2−2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(2−3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(2−4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(2−5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(2−6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(2−7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(2−8)グリセリン脂肪酸エステル。
R9CO(OA)qR10 ・・・(31)
[式(31)中、R9COは、炭素数6〜22、好ましくは8〜18の脂肪酸残基を示す。OAは、炭素数2〜4、好ましくは2〜3のアルキレンオキシドの付加単位(オキシアルキレン基)を示し、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が好ましい。qはアルキレンオキシドの平均付加モル数を示し、一般に3〜30、好ましくは5〜20である。R10は置換基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基を示す。]
R10はメチル基が好ましい。
上記のノニオン界面活性剤の中でも、上記(2−1)のノニオン界面活性剤が好ましく、特に、炭素数12〜16の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキサイドを平均5〜30モル付加したポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルの中でも、エチレンオキシドを、平均5〜30モル、好ましくは平均9〜25モル、より好ましくは平均12〜23モル、特に好ましくは平均14〜20モル付加したポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好ましい。
また、融点が50℃以下でHLBが9〜16の、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシレート、脂肪酸メチルエステルにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドが付加した脂肪酸メチルエステルエトキシプロポキシレート等が好適に用いられる。
なお、本明細書におけるノニオン界面活性剤のHLBとは、Griffinの方法により求められた値である(吉田、進藤、大垣、山中共編、「新版界面活性剤ハンドブック」、工業図書株式会社、1991年、第234頁参照)。
本明細書における融点とは、JISK0064−1992「化学製品の融点及び溶融範囲測定方法」に記載されている融点測定法によって測定された値である。
(3−1)ジ長鎖アルキルジ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3−2)モノ長鎖アルキルトリ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
(3−3)トリ長鎖アルキルモノ短鎖アルキル型4級アンモニウム塩。
ただし、上記の「長鎖アルキル」は炭素数12〜26、好ましくは14〜18のアルキル基を示す。
「短鎖アルキル」は、フェニル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基等の置換基を包含し、炭素間にエーテル結合を有していてもよい。なかでも、炭素数1〜4、好ましくは1〜2のアルキル基;ベンジル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のヒドロキシアルキル基;炭素数2〜4、好ましくは2〜3のポリオキシアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
粒子群(A)は、界面活性剤として、上記の中でも、アニオン界面活性剤を含むことが好ましく、なかでも洗浄力の点から、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、LAS塩から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、アニオン界面活性剤中のα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、LAS塩から選ばれる少なくとも1種の含有量は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましい。
アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤を併用する場合には、粒子群(A)中におけるこれらの質量比(アニオン界面活性剤/ノニオン界面活性剤)は、洗浄力・再汚染防止性の点から、1〜10が好ましく、2〜6がより好ましく、3〜5がさらに好ましい。
炭素数10〜20の高級脂肪酸塩の含有量が、上記下限値以上であると、洗浄性能及び粒状洗剤の保型性をより高められる。また、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩の含有量が、上記上限値以下であると、粒状洗剤の黄変をより抑制しやすくなる。
粒子群(A)は、粒子の流動性や製造性の点で、界面活性剤に加えて、水溶性無機塩を含むことが好ましい。
水溶性無機塩としては、洗浄性ビルダー等として粒状洗剤等に通常使用される水溶性無機塩を使用でき、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等のアルカリ金属亜硫酸塩;結晶性層状ケイ酸ナトリウム(例えば、クラリアントジャパン社製の商品名「Na−SKS−6」(δ−Na2O・2SiO2)等の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩)、非晶質アルカリ金属ケイ酸塩;硫酸ナトリウム、硫酸カリウム等の硫酸塩;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩化物;ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等のリン酸塩;炭酸ナトリウムと非晶質アルカリ金属ケイ酸塩の複合体(例えば、ロディア社製のNABION15(商品名))等が挙げられる。
これらの水溶性無機塩は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記の中でも、炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用することが好ましい。炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用することで粒子群(A)の強度、流動性が高まる傾向にある。
炭酸ナトリウムと硫酸ナトリウムとを併用する場合、粒子群(A)中の炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウムで表される質量比は、1〜10が好ましく、1.5〜10がより好ましい。炭酸ナトリウム/硫酸ナトリウムの質量比が1以上であると、粒子群(A)の洗浄力がより向上する傾向にあり、10以下であると、粒子群(A)の強度、流動性がより優れる。
なお、炭酸ナトリウムおよび硫酸ナトリウムとしては、無水物が好適に使用される。本明細書における「炭酸ナトリウム」、「硫酸ナトリウム」との記載は、無水物を指す。
粒子群(A)は、必要に応じて、界面活性剤および水溶性無機塩以外の他の成分をさらに含有してもよい。該他の成分としては、粒状洗剤に配合される公知の成分を用いることができ、例えば有機ビルダー、水不溶性無機塩、蛍光増白剤、ポリマー類、酵素安定剤、ケーキング防止剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、pH調整剤等が挙げられる。
これらの中でもゼオライトが、洗浄力の向上に寄与するビルダーとして好適に用いられる。ゼオライトとはアルミノケイ酸塩の総称であり、アルミノケイ酸塩としては、結晶性、非晶質(無定形)のいずれも用いることができる。カチオン交換能の点から結晶性アルミノケイ酸塩が好ましい。結晶性アルミノケイ酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が好適である。
粒子群(A)中のゼオライトの含有量は、特に限定されないが、粒子群(A)の総質量に対し、1〜15質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、ゼオライトを用いたことによる洗浄力向上効果が得られやすく、上限値以下であると、ゼオライトを用いたことによるすすぎ性悪化などが生じにくい。
粒子群(A)の平均粒子径Rは、式(1)を満たす範囲内で適宜設定でき、特に限定されないが、例えば、100〜500μmが好ましく、100〜300μmがより好ましく、100〜250μmがさらに好ましく、100〜200μmが特に好ましい。
粒子群(A)の平均粒子径が上記上限値以下であれば、A粒子の溶解に要する時間が短く、溶解性が良好である。また、平均粒子径Rが小さくなると、相対的に粒子群(B)の平均粒子径も小さくなり、粒状洗剤全体の平均粒子径が小さくなる。そのため、粒状洗剤全体の溶解時間が短くなるほか、使用者に溶解しやすいというイメージを与えることができる。
粒子群(A)の平均粒子径が100μm未満になると、式(1)を満たすためには粒子群(B)の平均粒子径が非常に小さくなり、取り扱い性が低下する。
粒子群(A)の粒度分布の半値幅mは、特に限定されないが、式(4)を満たす範囲内で適宜設定することが好ましい。
粒子群(A)の嵩密度aは、特に限定されないが、0.6〜1.2g/cm3が好ましく、0.8〜1.0g/cm3がより好ましい。
粒子群(A)の水分量は、特に限定されないが、4〜10質量%が好ましく、5〜9質量%がより好ましく、5.5〜8.5質量%がさらに好ましい。水分量が4質量%以上であると水への溶解性が良好で、10質量%以下であると保存後の流動性が良好である。
水分量は、赤外線水分計(たとえば株式会社ケツト科学研究所製Kett水分計)により20分間130℃加熱後の蒸発揮発分として測定される値である。
粒状洗剤における粒子群(A)の配合量Xは、特に限定されないが、式(2)や式(3)を満たす範囲内で適宜設定することが好ましい。前記配合量Xは、粒状洗剤の総質量に対し、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上がより好ましい。50質量%以上であると良好な洗浄力が得られる。配合量Xの上限は他の成分とのバランスを考慮すると、90質量%以下が好ましく、85質量%以下がより好ましい。
粒子群(B)は、水溶性無機塩の単結晶粒子の粒子群である。
ここで、水溶性無機塩の単結晶粒子とは、B粒子が一つの結晶で、独立して存在するものをいい、多結晶の合一粒子(多結晶粒子)とは区別されるものである。
水溶性無機塩の単結晶粒子は、多結晶粒子に比べ、粒子強度が高く、破壊されにくい。
特に、粒状洗剤が、パウチ等の不定形容器に充填された場合には、上述のような粒状洗剤の自重に加え、運搬中や店頭において、容器が積み重ねられて保管されたり、人に把持されることで、粒状洗剤により大きな圧力がかかり、水溶性無機塩の粒子がより微細化しやすい。
したがって、本発明の粒状洗剤は、その保存中においても、上記式(1)を満たすことができ、黄変等の変色を抑制できる。
図4、5に示すように、両者の外観は明らかに相違するので、両者をマイクロスコープ等による外観観察から容易に判別できる。
また、単結晶粒子は、X線回折測定において強い反射強度を示すことから、X線回折測定により両者を判別することもできる。本発明の単結晶粒子の粒子群(B)は、広角X線回折測定において、例えば、硫酸ナトリウムの単結晶粒子の粒子群は、最も強い反射強度が2000を超えるものであり、一方、多結晶粒子の粒子群は、最も強い反射強度が1500程度である。炭酸水素ナトリウムの単結晶粒子の粒子群は、最も強い反射強度が5000を超えるものであり、一方、多結晶粒子の粒子群は、最も強い反射強度が1500程度である。炭酸ナトリウムの単結晶粒子の粒子群は、最も強い反射強度が4000を超えるものであり、一方、多結晶粒子の粒子群は、最も強い反射強度が1500程度である。
なお、上記反射強度は、測定サンプルとして、粒子群(B)及び粒子群(B’)から150μm以下の微粒子を篩で除去したものを用い、X線回折装置(PANalytical社製の型番「X’Pert−Pro MPD」)で、使用X線:CuKα(1.54060Å)、X線出力:40mA、45kV、測定角2θ:30.4°の測定条件で測定した時に得られる値である。
上記の中でも、溶解性、洗浄力の点で、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム等の炭酸水素アルカリ金属塩が好ましく、炭酸水素ナトリウムが特に好ましい。
粒子群(B)を構成するB粒子は1種でも2種以上でもよい。2種以上のB粒子を併用する場合、各B粒子として、同じ粒度分布のものを用いることが好ましい。
また、B粒子は、粒子強度が高いものを用いることが好ましい。
一般に、香料は、酸化されやすい成分を含んでおり、黄変の要因になり得るものであるが、香料を水溶性無機塩の単結晶粒子の粒子群に付着させて粒状洗剤に配合すると、粒状洗剤の黄変を抑制しやすくなる。
また、香料を上記粒子群に付着させる際には、その付着性を高めるために、香料とともにノニオン界面活性剤等のコーティング剤を同時に付着させてもよい。
粒子群(B)における水溶性無機塩の単結晶粒子の含有量は、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましい。
また、上記ノニオン界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば本発明の粒子群(A)に用いられるノニオン界面活性剤が挙げられる。
粒子群(B)中の水溶性無機塩に対するノニオン界面活性剤の質量比[ノニオン界面活性剤/水溶性無機塩]は、1/80〜1/6が好ましく、1/50〜1/10がより好ましく、1/30〜1/20がさらに好ましい。
粒子群(B)の平均粒子径rは、式(1)を満たす範囲内で、粒子群(A)の平均粒子径Rを考慮して適宜設定でき特に限定されないが、45〜400μmが好ましく、55〜300μmがより好ましく、100〜200μmが特に好ましい。
粒子群(B)の粒度分布の半値幅nは、特に限定されないが、式(4)を満たす範囲内で設定することが好ましい。
粒子群(B)の嵩密度bは、特に限定されないが、0.6〜1.7g/cm3が好ましく、0.8〜1.5g/cm3がより好ましい。
粒状洗剤における粒子群(B)の配合量Yは、特に限定されないが、式(2)、式(3)を満たす範囲内で設定することが好ましい。
粒子群(B)の配合量は、粒状洗剤の総質量に対し、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。10質量%以上であると粒状洗剤の水への溶解性が良好である。配合量Yの上限は他の成分とのバランスを考慮すると、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
本発明の粒状洗剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、漂白剤、漂白活性化剤、漂白活性化触媒、酵素、再汚染防止剤(カルボキシメチルセルロース等)、消泡剤、表面コート剤(ゼオライト等)、香料、色素等の成分を含有することができる。
これらの任意成分は、粒子群として粒子群(A)及び粒子群(B)と粉体混合してもよく、噴霧等により粒子群(A)又は粒子群(B)のいずれか1種以上に付着させてもよい。
粒状洗剤中の漂白剤の含有量は、特に限定されないが、粒状洗剤の総質量に対し、5〜20質量%であることが好ましい。
漂白剤の含有量が、上記下限値以上であると、より良好な洗浄力が得られやすい。漂白剤の含有量が、上記上限値以下であると、粒状洗剤の黄変をより抑制しやすい。
また、上記漂白剤は、これを含む粒子群として粉末洗剤に配合されることが好ましい。
漂白剤を含む粒子群の平均粒子径は、特に限定されないが、粒状洗剤の黄変抑制の点から、粒子群(B)の平均粒子径以上であることが好ましい。
また、上記香料は、香料を含む粒子群として、粒子群(A)及び粒子群(B)と粉体混合してもよく、噴霧等により粒子群(A)又は粒子群(B)のいずれか1種以上に付着させてもよい。粒状洗剤の黄変をより抑制できる点からは、噴霧により粒子群(B)に付着させることが好ましい。
粒状洗剤中の水分量は、2〜9質量%が好ましく、2.5〜8質量%がより好ましく、3〜7質量%がさらに好ましい。水分量が2質量%以上であると水への溶解性が良好になりやすく、9質量%以下であると保存後の流動性が良好になりやすい。
本発明の粒状洗剤を充填する容器としては、通常、粒状洗剤等の収納に用いられるカートン、ボトル等の定形容器、ピロー、ガゼット、パウチ等の不定形容器が挙げられる。
上記容器の素材としては、特に限定されないが、紙、プラスチックフィルム等が挙げられる。プラスチックフィルムとしては、例えば、金属複合プラスチックフィルム、各種プラスチックの単層又は多層フィルム等が挙げられる。
近年においては、省資源等の観点から、粒状洗剤がパウチ等の詰替用容器に充填されるようになってきた。パウチ等の不定形容器に充填された粒状洗剤は、運搬中や店頭で積み重ねられて保管されたり、人に把持されることで、圧力がかかり黄変しやすい。
本発明の粒状洗剤は、上述のとおり黄変の抑制効果に優れており、パウチ等の不定形容器に充填された場合であっても、優れた黄変抑制効果が得られる。
例えば、不定形容器に充填された粒状洗剤は、不定形容器のシワや凹みの部分に存在する洗剤粒子群がまだらな変色を生じるが、本発明の粒状洗剤は、このようなまだらな変色も抑制しやすい。
容器内のヘッドスペースを上記上限値以下とすることで、粒状洗剤の黄変をより抑制しやすくできる。
なお、本発明におけるヘッドスペースは、容器の最大容量から、容器に充填された粒状洗剤の容量を差引いたものである。前記粒状洗剤の容量は、粒状洗剤の充填質量と、該粒状洗剤の嵩密度の逆数との積で求められる。
粒子群(B)/ヘッドスペースが、上記好ましい範囲であると、粒状洗剤の黄変をより抑制しやすくできる。
なお、粒状洗剤中の粒子群(B)の占める体積は、粒子群(B)の充填質量と、粒子群(B)の嵩密度の逆数との積で求められる。
本発明の粒状洗剤は、粒子群(A)と、粒子群(B)とを、前記式(1)を満たすように粉体混合することにより容易に製造できる。
これらの粒子群を粉体混合して得られる粒状洗剤においては、各粒子群の粒子(A粒子及びB粒子)がそれぞれ独立した粒子として存在している。
粉体混合装置への粒子群(A)及び粒子群(B)の投入順序は、特に限定されず、粒子群(A)及び粒子群(B)を全て混合装置に予め仕込み、これを混合してもよいし、粒子群(A)及び粒子群(B)を順次、任意の順序で混合装置に投入して混合してもよい。
粒子群(A)及び粒子群(B)に加えて、任意の他の粒子群を配合する場合には、該他の粒子群を粒子群(A)及び粒子群(B)のいずれかと予め混合しておいてもよいし、粒子群(A)及び粒子群(B)と共に他の粒子群を混合装置に予め仕込み、これを混合してもよい。また、粒子群(A)及び粒子群(B)を混合した後に、香料等の液状成分を噴霧するなどして添加し、混合してもよい。
ただし、粒状洗剤の溶解性等の観点から、水不溶成分(ゼオライト等)の使用量は、粒状洗剤中の水不溶成分の含有量が粒状洗剤の総質量に対して10質量%未満になる範囲内とすることが好ましい。
界面活性剤、および必要に応じて水溶性無機塩等の任意成分を含む粒子群(A)は、従来公知の方法により製造できる。
例えば、粒子群(A)を構成する原料(界面活性剤、任意成分)の一部を水に分散・溶解して噴霧乾燥用スラリーを調製し(スラリー調製工程)、噴霧乾燥用スラリーを噴霧乾燥機により乾燥して噴霧乾燥粒子を得る(噴霧乾燥工程)。ついで、得られた噴霧乾燥粒子を残りの原料と共に造粒する(造粒工程)。これにより、粒子群(A)が得られる。その後、必要に応じて粒子群(A)を篩い分けて、所望する平均粒子径に調整してもよい(篩分工程)。
水溶性無機塩の単結晶粒子の粒子群(B)は、従来公知の方法により製造できる。
例えば、水溶性無機塩は、様々なグレートのものが市場から入手できるので、この中から、単結晶粒子の粒子群であるものを選択し、必要であれば、所望の平均粒子径となるように篩分すればよい。
篩分方法としては、例えば、複数種の目開きの篩を用意し、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ねて篩ユニットとし、該篩ユニットの上部に粒子群(B)を投入し、篩ユニットを振動して篩い分ける方法が挙げられる。各篩上に残存した粒子群(B)を篩毎に回収し、回収した粒子群(B)を混合することにより、所望する平均粒子径の粒子群(B)を得ることができる。
粒子群(B)に対する香料の付着は、従来公知の方法で行うことができ、例えば、容器回転式円筒型混合機等の混合機に、粒子群(B)を投入し、粒子群(B)を撹拌、流動させながら、これに香料を噴霧する方法が挙げられる。この際、香料を固定化するために、ノニオン界面活性剤等のコーティング成分を、香料と同時に又は香料の噴霧後に、噴霧してもよい。
本発明の粒状洗剤は、被洗物の洗濯に用いることができる。
粒状洗剤を用いた被洗物の洗濯方法としては、例えば、粒状洗剤の濃度が0.02〜2質量%である洗浄液を用い、洗濯機で被洗物を洗浄したり、洗浄液に被洗物を浸け置く等の方法等、従来公知の洗浄方法が挙げられる。
被洗物としては、例えば、衣料、布帛、カーテン、シーツ等の繊維製品が挙げられる。
原料は以下のものを使用した。
・MES:脂肪酸残基の炭素数16/脂肪酸残基の炭素数18=80/20(質量比)の脂肪酸メチルエステルスルホネートのナトリウム塩(ライオン株式会社製、AI=70%、残部は未反応脂肪酸メチルエステル、硫酸ナトリウム、メチルサルフェート、過酸化水素、水等)。
・LAS−Na:直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライポンLH−200(LAS−H純分96質量%、ライオン株式会社製)を界面活性剤調製時に48質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和する)。
・石鹸:炭素数12〜18の脂肪酸ナトリウム(ライオン株式会社製、純分;67質量%、タイター;40〜45℃、脂肪酸組成;C12=11.7質量%、C14=0.4質量%、C16=29.2質量%、C18F0(ステアリン酸)=0.7質量%、C18F1(オレイン酸)=56.8質量%、C18F2(リノール酸)=1.2質量%、分子量;289)。
・ノニオン界面活性剤:LMAO−90(商品名、ライオンケミカル製)[ポリオキシエチレン(EO15*)アルキル(C12−14*)エーテル]。*「EO15」はエチレンオキシドの平均付加モル数が15であることを示し、(C12−14)はアルキル基の炭素数が12〜14であることを示す。
・炭酸ナトリウム:粒灰、平均粒子径320μm、嵩密度1.07g/cm3、旭硝子株式会社製。
・炭酸カリウム:炭酸カリウム(粉末)、平均粒子径490μm、嵩密度1.30g/cm3、旭硝子株式会社製。
・硫酸ナトリウム:中性無水芒硝A0、四国化成工業株式会社製。
・MA剤:アクリル酸−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、商品名;アクアリックTL−400、純分40質量%水溶液、株式会社日本触媒製。
・ゼオライト:A型ゼオライト、商品名;シルトンB、純分80質量%、水澤化学株式会社製。
・蛍光剤:チノパールCBS−X(商品名、BASF社製、ジスチリルビフェニル誘導体、水溶性蛍光剤)/チノパールAMS−GX(商品名、BASF社製、ビス(トリアジニルアミノスチルベン)ジスルホン酸誘導体、準分散性蛍光剤)=1/1。
・b−1:炭酸水素ナトリウムの単結晶粒子の粒子群、重炭酸ナトリウム、BICARTEC27/50(商品名、SOLVAY CHIMICA ITALIA SPA社製)、平均粒子径300μm、嵩密度0.96g/cm3。X線回折測定における最大反射強度10000。
・b−2:炭酸水素ナトリウムの単結晶粒子の粒子群、平均粒子径170μm、嵩密度1.00g/cm3。b−1を篩分して調製したもの。X線回折測定における最大反射強度10000。
・b−3:炭酸水素ナトリウムの単結晶粒子の粒子群、平均粒子径190μm、嵩密度0.98g/cm3。b−1を篩分して調製したもの。X線回折測定における最大反射強度10000。
・香料:特開2012−140555号公報の実施例に記載の香料組成物C−1。
・ノニオン界面活性剤:LMAO−90。
粒子群(B’)は粒子群(B)の比較成分である。
・b’−1:炭酸水素ナトリウムの多結晶粒子の粒子群(Zhejiang Jinke Chemicals社製)、平均粒子径300μm、嵩密度0.96g/cm3。X線回折測定における最大反射強度1500。
・香料:特開2012−140555号公報の実施例に記載の香料組成物C−1。
・ノニオン界面活性剤:LMAO−90。
・粒子群(C−1):過炭酸ナトリウム、Zhejiang Jinke Chemicals社製、商品名「SPCC」。過炭酸ナトリウム89質量%、炭酸ナトリウム4.5質量%、塩化ナトリウム4.5質量%、水分1質量%からなる粒子を、コーティング剤1質量%を用いて被覆したもの。平均粒子径900μm、嵩密度0.95g/cm3。
・粒子群(C−2):過炭酸ナトリウム、平均粒子径200μm、嵩密度1.00g/cm3。粒子群(C−1)を篩分して調製したもの。
・CMC:カルボキシメチルセルロース粒子、株式会社ダイセル製、商品名「CMCダイセル1170」。
・酵素:サビナーゼ12T、ノボザイムズ社製。
[粒子群(A−1)の製造]
表1に示す組成、製造条件に従い、以下の工程(1)〜(3)により、粒子群(A−1)を製造した。
MESの水性スラリー(水分濃度25質量%に調製した)に、ノニオン界面活性剤の一部(MESに対して25質量%の量)を投入し、水分濃度が11質量%になるまで薄膜式乾燥機で減圧濃縮して、MESとノニオン界面活性剤との混合濃縮物を得た。
撹拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水を入れ、温度を80℃に調整した。これにMESとノニオン界面活性剤とを除く界面活性剤を添加し、10分間撹拌した。続いてMA剤を添加した。さらに10分間撹拌した後、A型ゼオライトの一部(下記表1中に記載の配合量から、下記工程(3)で投入する捏和時添加用1.0質量%、粉砕助剤用5.0質量%を除いた量)、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び硫酸ナトリウムを添加した。
さらに20分間撹拌して水分38質量%の噴霧乾燥用スラリーを調製した(スラリー調製操作)後、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度280℃の条件で噴霧乾燥し、平均粒子径320μm、嵩密度0.30g/cm3、水分6質量%の噴霧乾燥粒子を得た(噴霧操作)。
得られた噴霧乾燥粒子、工程(1)で得られた混合濃縮物、1.0質量%のA型ゼオライト、ノニオン界面活性剤(上記混合濃縮物中のノニオン界面活性剤を除く残部)、蛍光剤、及び水を連続ニーダー(KRC−S12型、株式会社栗本鐵工所製)に投入し、ニーダーの回転数110rpm、ジャケット温度60℃の条件で捏和し、界面活性剤を含有する水分7質量%の捏和物を得た(捏和処理)。該捏和物を、穴径10mmのダイスを具備したペレッターダブル(不二パウダル株式会社製、EXDFJS−100型)で押し出しつつ、カッターで切断(カッター周速は5m/s)し、長さ5〜30mm程度のペレット状成形物を得た。
次いで、得られたペレット状成形物に、粉砕助剤としてのA型ゼオライト5.0質量%相当量を添加し、冷風(10℃、15m/s)共存下で、直列3段に配置したフィッツミル(ホソカワミクロン株式会社製、DKA−3)を用いて粉砕し(スクリーン穴径:1段目8mm/2段目5mm/3段目3mm、回転数:1段目4700rpm/2段目4700rpm/3段目4700rpm)、粒子群(A−1)を製造した(造粒操作)。
ニーダーの回転数、フィッツミルの穴径及び回転数を、表1に示すものに変更した以外は、粒子群(A−1)と同様にして、粒子群(A−2)を得た。
また、粒子群の組成を、表1に示すものに変更した以外は、粒子群(A−1)と同様にして、粒子群(A−3)、(A−4)を製造した。
<粒子群(B−1)の製造>
表2に示す組成に従い、容器回転式円筒型混合機に(b−1)成分を投入し、容器を回転させながら、香料を噴霧して付着させた。その際、香料を固定化するためにノニオン界面活性剤も同時噴霧した。香料及びノニオン界面活性剤の噴霧終了後、5分間、容器を回転させながら混合し、粒子群(B−1)を製造した。
表2に示す組成に従い、粒子群(B−1)と同様にして、粒子群(B−2)〜(B−3)を製造した。また、(b−1)成分に代えて(b’−1)成分を用いたこと以外は粒子群(B−1)と同様にして、粒子群(B’−1)を製造した。
表3〜5に示す組成に従い、粒子群(A)と、粒子群(B)又は粒子群(B’)と、粒子群(C−1)又は粒子群(C−2)と、CMCとを、容器回転式円筒型混合機に15kg/minの速度で同時に投入し、混合した。その後、上記混合機に酵素を投入し、5分間混合して各例の粒状洗剤を調製した。
表3〜5に、得られた粒状洗剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、比較例5の「r/R」、「X/Y」、「(a×R3)/(b×r3)×0.3」、「(a×R3)/(b×r3)×3.0」、「n/m」については、粒子群(B)に代えて用いた粒子群(B’)に基づく値である。
各例の粒状洗剤について、まだらな変色の抑制性及び色調変化の抑制性を、以下のように評価した。なお、上述のとおり、まだらな変色は、カートンの底部や隅、パウチのシワや凹部等、粒状洗剤に圧力がかかった個所に生じる変色である。これに対し、色調変化は、下記に示すように粒状洗剤を縮分して、保存前後の粒状洗剤の色調がどれくらい変化したかを評価するもので、粒状洗剤全体としての色調変化を評価するものである。
評価結果を、表3〜5に示す。
各例の粒状洗剤を、表3〜5に示す容器(パウチ又はカートン)に、それぞれ表3〜5に示すヘッドスペースとなるように充填した。
パウチとしては、容積1200mL、外側からポリエチレン/ポリプロピレン/ナイロン=130μm/25μm/15μmの3層構造(直径0.3mmのピンホールあり)のものを用いた。
カートンとしては、底面155mm×95mm、高さ135mm、外側からコートボール紙/ポリエチレン/コートボール紙の加工紙で形成されたものを用いた。
上記粒状洗剤が充填された容器に、貨物自動車による輸送を想定した振動(JIS Z0232)を与えた後、恒温恒湿室で4週間保存した。その間、恒温恒湿室は、45℃、湿度90%RH、24時間と、25℃、湿度65%RH、12時間との繰り返し運転を行った。
その後、容器から粒状洗剤を取り出し、まだらな変色が生じた度合いを目視により観察し、下記評価基準に基づいて評価した。かかる評価において、1〜3点を合格とした。
≪まだらな変色の抑制性の評価基準≫
5:まだらな変色が著しく生じる。
4:まだらな変色が明らかに生じる。
3:まだらな変色がやや生じるが問題ないレベル。
2:まだらな変色がほとんど生じない。
1:まだらな変色が確認できない。
上記[まだらな変色の抑制性の評価]における4週間保存後の粒状洗剤770gを、6gになるまで縮分し、色差計(商品名:SE200型、日本電色(株)製)を用いて、b値を測定し、下記式で、保存前後のb値の差(Δb値)を求めた。Δb値が2.0以下を合格とした。なお、縮分とは、JIS K3362に記載される粒子群の分割方法であり、粒子群を均一に小分けする操作である。
Δb=(保存後の粒状洗剤のb値)−(保存前の粒状洗剤のb値)
一方、r/R比が本発明の範囲を満たさない粒状洗剤(比較例1,2)、粒子群(B)に代えて、粒子群(B’)を用いた粒状洗剤(比較例5)は、粒状洗剤にまだらな黄変が生じた。またΔb値が大きく保存前後の色調変化が大きかった。
カートンに充填された粒状洗剤(比較例3,4)は、比較例1,2,5と比較すると、まだらな変色が少なく、また、色調変化も小さかったが、同じカートンに充填された粒状洗剤(実施例11、12)と比較すると、まだらな変色の抑制性に劣り、色調変化も大きかった。
以上の結果から、本発明を適用した粒状洗剤は、黄変等の変色の抑制効果に優れることが確認できた。
Claims (4)
- 界面活性剤を含む粒子群(A)と、水溶性無機塩の単結晶粒子の粒子群(B)と、を粉体混合してなり、下記式(1)を満たすことを特徴とする粒状洗剤。
0.45<r/R<1.00 …(1)
ただし、式(1)中のRは前記粒子群(A)の平均粒子径(μm)であり、式(1)中のrは、前記粒子群(B)の平均粒子径(μm)を意味する。 - 請求項1に記載の粒状洗剤が、容器に充填されてなることを特徴とする洗剤製品。
- 前記容器が、不定形容器であることを特徴とする請求項2に記載の洗剤製品。
- 請求項1に記載の粒状洗剤の製造方法であって、
前記粒子群(A)と、前記粒子群(B)と、を粉体混合する工程を含むことを特徴とする、粒状洗剤の製造方法。
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