[go: up one dir, main page]

JP2016054447A - 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム - Google Patents

撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2016054447A
JP2016054447A JP2014180195A JP2014180195A JP2016054447A JP 2016054447 A JP2016054447 A JP 2016054447A JP 2014180195 A JP2014180195 A JP 2014180195A JP 2014180195 A JP2014180195 A JP 2014180195A JP 2016054447 A JP2016054447 A JP 2016054447A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image data
image
unit
bit length
synthesized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014180195A
Other languages
English (en)
Inventor
宏明 岩崎
Hiroaki Iwasaki
宏明 岩崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Corp filed Critical Olympus Corp
Priority to JP2014180195A priority Critical patent/JP2016054447A/ja
Publication of JP2016054447A publication Critical patent/JP2016054447A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Image Processing (AREA)
  • Studio Devices (AREA)

Abstract

【課題】天体撮影像について飽和クリップさせずに撮影し、光学フィルタと同等のフィルタ効果の画像処理を施すことが可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】標準露光時間(Ssec)よりも短い露光時間(Tsec)で被写体を撮影し((a)のグラフ)、この撮影によって得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成し((b)のグラフ)、合成画像データに対してフィルタ処理を行い((c)のグラフ)、このフィルタ処理が施された画像データのビット長を、合成画像データのビット長よりも短くなるように調整する((d)のグラフ)。
【選択図】 図8

Description

本発明は、デジタルスチルカメラ等の撮像装置において、天体撮影に頻繁に使用される光学フィルタと同等かつより高性能なフィルタ処理を画像処理によって施すことが可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムに関する。
近年、デジタルカメラ等の撮像装置の高性能化、多機能化によって以前よりも気軽に天体撮影を行うことができ、より多くの撮影者が天体撮影を楽しむようになってきた。星にはおおよそ人間が肉眼で視認できる明るさの範囲で−1.5〜6等星のものがあり、明るさには約1000倍の差がある。デジタルカメラの適正露出から飽和までのダイナミックレンジ(概ね3〜4段=8〜16倍)よりも大きな明暗差があり、暗い星も写るように撮影すると、星像のほとんどはデジタル飽和出力でクリップされてしまう。
デジタルカメラの光学系では星の像は非常にシャープな点像に写るため、デジタル出力が飽和した星はみな同じような点像に写り、星の明るさは写真ではよく分からない。星の色や明るさを飽和させずに写すことができると印象的で美しい写真となる。また星や星座の情報が写真から判別し易くなり、芸術用、研究用などの用途で好まれる写真となる。
そこで、明るい星ほど大きく写したり、明るい星の光芒の形状を変えたり、または色情報が残るように(星を写した像の出力が飽和して色情報が失われないように)、光拡散フィルタ(例えば、ソフトフィルタなど)や、クロスフィルタなどの光学フィルタが使用される。また、特許文献1に開示されているようなHDR(広ダイナミックレンジ)処理を施すことによって、従来の撮影では飽和してしまう画素出力を飽和させずに画像を合成することもできる。
特許第4973115号公報
しかし、前述の光学フィルタを使用するのでは、コストがかかり、また撮像装置が大きくなり、取り付けが煩瑣になってしまう。そこで、光学フィルタを装着せずに、光学フィルタと同じ効果を生じさせることを狙って、光芒の形状を変化させる画像処理によって、星の像を大きくぼかすことできる。しかし、上述したように、デジタル出力が飽和し、星の明るさ情報が飽和以上でクリップしてしまった画素出力に対して画像処理を施しても、星の像がデジタル値に変換される前に拡散する光学フィルタに比べると、フィルタ処理される画素の出力が小さくなり、同等のフィルタ効果が得られない。また、飽和によって色情報が失われているため、星の像から色が失われる。
また特許文献1のようなHDR処理では、画素出力は飽和させずに記録することはできる。しかし、HDR処理だけでは上述の光学フィルタをカメラに装着して撮影した写真と同じ効果を有する画像を撮影することはできない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、通常の撮影ではデジタル出力のフルビットに達してデータがフルビットでクリップ(以下「飽和クリップ」という)してしまう天体撮影像についても飽和クリップさせずに撮影し、光学フィルタと同等のフィルタ効果の画像処理を施すことができ、さらに光学フィルタを装着した撮影では実現できないより印象的な天体写真を撮影することが可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明に係る撮像装置は、標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を複数コマ撮影する撮像部と、上記撮像部により撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成部と、上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理部と、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整部と、を備える。
第2の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記撮像部は、画素データの最大値が飽和しないような露光時間を設定して撮影する。
第3の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記撮像部は、画像を複数の領域に分割し、該分割したすべての画像に対応した領域の画像データの平均値が飽和しないような露光時間を設定して撮影する。
第4の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記ビット長調整部は、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように、上記フィルタ処理が施された画像データをクリップする。
第5の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記ビット長調整部は、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように、上記フィルタ処理が施された画像データの諧調を圧縮する。
第6の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成部により合成された画像データのレベルを判定する画像出力判定部をさらに備え、上記合成画像データを生成する前の画像データに対して上記フィルタ処理を行う場合は該合成画像データを生成する前の画像データのレベルに応じて、また上記合成画像データに対してフィルタ処理を行う場合は該合成画像データのレベルに応じて上記フィルタ処理を変更する。
第7の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記画像合成部は、加算合成、平均合成、比較明合成、比較暗合成、動画合成のうちの少なくとも1種類の画像合成を行う。
第8の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記画像合成部に合成された画像を表示する画像表示部をさらに備え、上記画像表示部は、上記撮像部により画像データが撮影されるごとに順次合成を行うことによって得られた合成画像を順次表示する。
第9の発明に係る撮像装置は、上記第1の発明において、上記フィルタ処理はソフトフィルタ処理又はクロスフィルタ処理である。
第10の発明に係る画像処理装置は、標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成部と、上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理部と、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整部と、を備える。
第11の発明に係る画像処理方法は、標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成ステップと、上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理ステップと、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整ステップと、を備える。
第12の発明に係る画像処理プログラムは、標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成ステップと、上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理ステップと、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整ステップと、をコンピュータに実行させる。
本発明によれば、通常の撮影では飽和クリップしてしまう天体撮影像についても飽和クリップさせずに撮影し、光学フィルタと同等のフィルタ効果の画像処理を施すことができ、さらに光学フィルタを装着した撮影では実現できないより印象的な天体写真を撮影することが可能な撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るカメラの撮影動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラの撮影動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラの撮影動作を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るカメラのソフトフィルタのフィルタ係数の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラのクロスフィルタのフィルタ係数の一例を示す図である。 画像処理で拡散フィルタの効果を付与する従来の例を示す。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、画像処理で拡散フィルタの効果を付与した場合の出力の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るカメラにおいて、画像処理で拡散フィルタの効果を付与した場合の出力の他の一例を示す図である。
以下、本発明を適用したカメラを用いた好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係るカメラは、デジタルカメラであり、概略、イメージセンサから読み出される画像データに基づく画像データを表示部にライブビュー表示すると共にレリーズ釦の操作に応じて記録用に画像処理した画像データを外部メモリに記録する。
また、本実施形態に係るカメラは、デジタルフィルタ処理が設定されている場合には、分割露光を行い(例えば、図3のS15、S17、図8(a)参照)、分割露光時間が経過する毎に画像データを読み出し、読み出された複数の画像データを合成した合成画像データを生成し(例えば、図3のS21、S27、図8(b)参照)、この合成画像データに対してフィルタ処理を施す(例えば、図4のS33、図8(c)参照)。そして、フィルタ処理が施された画像データのビット長を合成画像データのビット長よりも短くなるように調整する(例えば、図4のS37、図8(d)参照)。
図1は、本発明の一実施形態に係るカメラの主として電気的構成を示すブロック図である。本実施形態におけるカメラは、撮像部1、画像処理部10、画像出力検知部19、システム制御部20、およびバス31とこれに接続された各部を有する。なお、本実施形態においては、レンズ2は、カメラ本体と一体に構成されているが、交換レンズとしても勿論かまわない。
撮像部1内には、レンズ2、メカシャッタ3、イメージセンサ4が設けられている。撮像部1は、標準露光時間(例えば、図2のS7参照)よりも短い分割露光時間(例えば、図2のS9参照)で被写体を複数コマ撮影する撮像部として機能する。また、詳しくは後述するように、撮像部は、画素データの最大値が飽和しないような分割露光時間を設定して撮影する(例えば、図2のS9参照)。
レンズ2は、イメージセンサ4に被写体の光学像を結像する。このレンズ2内には、開口径が変化し、露出量を調節するための絞り値を決定する絞りを備える。レンズ2は、現在設定されている焦点距離等の情報を検出し、システム制御部20に出力する。また、メカシャッタ3は、開閉動作によりイメージセンサ4への露出や遮光を行い、露光時間を制御する。
イメージセンサ4は、CMOSイメージセンサやCCDイメージセンサ等の撮像素子を含み、レンズ2により結像された被写体の光学像を画素毎に電気信号に変換し、画像データを、画像出力検知部19およびバス31に出力する。後述する画像処理部10は、バス31を経由して画像データを入力し、種々の画像処理を施し、バス31に出力する。バス31は、各ブロック間で信号の送受信を行うための信号線である。イメージセンサ4は、電子シャッタを有しており、後述する分割露光時間(Tsec)毎に画像データを読み出し、同時に次のコマの撮影を行うことができる。
画像出力検知部19は、イメージセンサ4から出力された画像データの出力が、飽和しているか否かを検知する。また、画像出力検知部19は、AE制御を行うために、イメージセンサ4からの画像データに基づいて被写体輝度値を検出する。この検知された被写体輝度値は、システム制御部20に出力され、AE(自動露出:Auto Exposure)制御において、レンズ2の絞りや、メカシャッタ3のシャッタ速度、イメージセンサ4の電子シャッタ速度、ISO感度等の露出条件の制御に使用される。
画像処理部10は、イメージセンサから出力された画像データに画像処理を施す。この画像処理部10は、画像合成部11、フィルタ処理部13、クリップ処理部15、および現像処理部17を有し、画像合成部11は、加算合成部11a、比較合成部11b、加算平均合成部11c、動画生成部11dを有する。
画像合成部11は、イメージセンサ4により撮影して得られた複数のコマの画像データを合成して合成画像データを生成する。後述するように、1枚分の撮影を行うにあたって、撮影時間(図2のS7の標準露光時間(Ssec)参照)が所定時間よりも長い場合には、分割露光時間(図2のS9の分割露光時間(Tsec)参照)ごとに、イメージセンサ4から画像データを読み出す(図3のS13〜S17参照)。画像合成部11は、この読み出された画像データの画像合成を行う(図3のS21参照)。画像合成部11は、標準露光時間よりも短い分割露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成部として機能する。
画像合成部11中の加算合成部11aは、イメージセンサ4から読み出された複数の画像データの内、それぞれ対応する画素毎に出力を加算して合成画像データを生成する。比較合成部11bはイメージセンサ4から読み出された複数の画像データの内、それぞれ対応する画素毎に出力を比較し出力が大きい方の画素出力を合成画像の画素データとする比較明合成、または出力が小さい方の画素出力を合成画像の画素データとする比較暗合成によって合成画像データを生成する。
加算平均合成部11cは、イメージセンサ4から読み出された複数の画像データの内、それぞれ対応する画素毎の出力を加算平均して合成画像データを生成する。動画生成部11dは連続的に読み出された複数フレームの画像データを時系列に繋ぎ合わせて動画像データを生成する。このように、画像合成部11は、加算合成、平均合成、比較明合成、比較暗合成、動画合成のうちの少なくとも1種類の画像合成を行う。本実施形態においては、これら4つの合成を行うことが可能であるが、いずれか1つ又は複数でもよく、また他の画像合成方法を実行可能としてもよい。
フィルタ処理部13は、画像処理部10によって通常の画像処理が施された画像データや、画像合成部11によって画像処理された画像データに対して、ソフトフィルタ処理やクロスフィルタ処理などのフィルタ処理を施す(図4のS33参照)。フィルタ処理の際のフィルタ係数の例については図5および図6を用いて説明する。フィルタ処理部13は、画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理部として機能する。
クリップ処理部15は、フィルタ処理部13によってフィルタ処理が施された画像データを所定ビットでクリップを行う(例えば、図4のS35参照)。このクリップ処理については、図8および図9を用いて後述する。クリップ処理部15は、フィルタ処理が施された画像データのビット長を、合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整部として機能する。
現像処理部17は、画像合成部11で生成されたRAW画像データやクリップ処理部15でクリップ処理されたRAW画像データ等に対して、デモザイキング、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、画像圧縮などの現像処理を行う。
バス31には、前述の撮像部1、画像処理部10、および画像出力検知部19の他に、内部メモリ33、外部メモリ36、表示部37、入力IF38、システム制御部20が接続されている。
内部メモリ33は、カメラ動作に必要な各種設定情報や、画像処理時に途中経過の画像データを一時的に記憶する。内部メモリ33は、フラッシュメモリ、SDRAM等の書き換え可能な不揮発性のメモリによって構成される。
外部メモリ36は、カメラ本体に装填自在、または内部に固定された不揮発性の記憶媒体であり、例えば、SDカードやCFカード等である。この外部メモリ36は、現像処理部13で現像処理された画像データを記録し、また再生時には、記録された画像データが読み出され、カメラの外部に出力可能である。
表示部37は、TFT(Thin Film Transistor)液晶や有機ELなどの背面表示部やEVF(電子ビューファインダ)を有し、現像処理部17によって現像された画像を表示する。表示部37には、ライブビュー表示、記録済み画像の再生表示、メニュー画面表示等の画像が表示される。
入力IF38は、レリーズ釦等の操作部材や、背面表示部等におけるタッチ操作を入力するためのタッチパネル等を有し、ユーザ操作に基づいて各種のモード設定やレリーズ等撮影動作の指示を行う。
システム制御部20は、CPU(Central Processing Unit)等を有し、内部メモリ33内に記憶されたプログラムに従ってカメラの各部を制御することにより全体制御を行う。また、システム制御部20は、前述の撮像部1、画像処理部10、画像出力検知部19等の全体制御を行う。
次に、図2ないし図4に示すフローチャートを用いて、本実施形態におけるカメラの主としてデジタルフィルタ処理が選択されている場合の動作について説明する。このフローチャートは、内部メモリ33に記憶されたプログラムに従って、システム制御部20が各部を制御することにより実行する。
なお、このフローチャートでは明示してないが、撮影者が入力IF38を介してカメラの露出制御モードが設定されているものとする。露出制御モードとしては、例えば、露出プログラムオートモード、シャッタ速優先モード、絞り優先モード、露出マニュアルモード、バルブ撮影モード等が設定可能である。また、本実施形態においては、画像処理部10でフィルタ処理を行うデジタルフィルタ設定が選択されている場合について説明する。
図2に示すフローチャートに入ると、まず、ライブビュー表示を行う(S1)。このステップでは、イメージセンサ4から所定のフレームレートで連続的に読み出された画像データに対して、画像処理部10がライブビュー表示用の画像処理を施し、表示部37に画像処理された画像データを用いてライブビュー画像が表示される。
ライブビュー表示がなされると、撮影者はリアルタイム表示されるライブビュー画像を確認しながら本撮影用に構図・ピント位置、露出条件(露光時間、絞り値、ISO感度やEV値など)などの撮影条件を設定する。露出条件は例えば露出プログラムオートモードが選択されていた場合は、画像出力検知部19が被写体の明るさを検知し、システム制御部20が適正露出になるように、いわゆるAPEX(Additive System of Photographic Exposure)演算に基づいて露出条件を設定する。
また、シャッタ速優先モードであれば撮影者が指定したシャッタに固定して、それ以外の絞りやISO感度を調節して適正露出になるように露出条件を自動で設定する。ここで撮影者が露出補正を設定している場合は、適正露出量に対して、撮影者が設定した分の露出補正がなされるように露出条件を自動で設定する。露出マニュアルモードでは、撮影者が表示部37に表示されているライブビュー画像の明るさを確認しながら、絞りとシャッタ速度の両方をマニュアルで調節する。以下、各種露出制御モードにおいて、上述のように設定された露出条件のうち、露出時間を標準露光時間(Ssec)と呼ぶことにする。
また、バルブ撮影モードでは絞りは撮影者が設定した値で、レリーズ釦が押されている間は撮影を続け、レリーズが離されたら撮影を終了する。なお、これに限らず、1度目のレリーズ押下で撮影を開始し、2度目のレリーズ押下で撮影を終了するようにしてもよい。
ステップS1においてライブビュー表示を行うと、次に、画像出力の検知を行う(S3)。ここでは、画像出力検知部19が、イメージセンサ4から読み出される画像データに基づいて被写体の輝度レベルを検出する。
ステップS3において画像出力の検知を行うと、次に、バルブ撮影モードが設定されているか否かを判定する(S5)。このステップでは、入力IF38によってバルブ撮影モードが設定されたか否かを判定する。
ステップS5における判定の結果、バルブ撮影モードが設定されていない場合には、標準露光時間(Ssec)を決定する(S7)。露出制御モードとして露出プログラムオートや絞り優先モードが設定されている場合には、APEX演算で算出され、露出マニュアルモードやシャッタ速優先モードが設定されている場合には、ユーザの設定によって標準露光時間(Ssec)が決定される。
ステップS7において、標準露光時間(Ssec)を決定すると、またはステップS5における判定の結果、設定されている露出制御モードがバルブ撮影モードの場合には、次に、分割露光時間(Tsec)を決定する(S9)。ここでは、本撮影用の絞りとISO感度で撮影した場合に、被写体内の高輝度出力であっても飽和しない分割露光時間(Tsec)を決定する。
ここで分割露光時間Tsecは、画像の全画素を飽和させない(言い換えると、デジタル出力に変換した際にフルビット以上に達しない)露出時間を指す。具体的には本撮影用の絞り設定とISO設定で現状のライブビュー画像の全画素のうち1画素でも飽和する画素があれば、ライブビュー画像取得用の電子シャッタ速度(フレームレート)を短くしていき、画像内の高輝度の画素が飽和しない露出時間を、分割露光時間Tsecとすることにより求める。
ステップS9において、分割露光時間(Tsec)を決定すると、レリーズ釦が押し下げられたか否かを判定する(S11)。撮影者はライブビュー表示を観察し、構図を決め、シャッタタイミングが良ければ、撮影を開始するためにレリーズ釦を押し下げる。このステップでは、入力IF38の一つであるレリーズ釦の押し下げに応じてオンするスイッチの状態に基づいて判定する。この判定の結果、レリーズ釦が押し下げられていなければ、ステップS1に戻り、前述のライブビュー表示を行い、標準露光時間(Ssec)や分割露光時間(Tsec)の決定等を繰り返す。
ステップS11における判定の結果、レリーズ釦が押し下げられると、次に、バルブ撮影モードが設定されているか、または標準露光時間(Ssec)>分割露光時間(Tsec)か否かを判定する(S13)。標準露光時間(Ssec)よりも分割露光時間(Tsec)の方が長いと、被写体内の高輝度画素が飽和してしまう。そこで、このような場合には、ステップS15〜S27において分割露光を行い、合成画像を生成するようにしている。またバルブ撮影モードには露光時間が撮影者のバルブ撮影の終了タイミングによって決定され、本撮影用シャッタ速度が不明であるため、分割露光時間Tsecが経過する毎に画像を読み出し、合成画像を生成するようにしている。
なお、レリーズ釦が押し下げられると、撮影を開始するが、撮影にあたっては、一旦、メカシャッタ3を閉じてから開き、この開き動作に応じて露光を開始する。分割露光時間Tsecごとに画像データの読み出しの際には、メカシャッタ3は開放したままであり、標準露光時間(Ssec)が経過すると、メカシャッタ3は一旦閉じ、その後、ライブビュー表示を行うためにメカシャッタ3を開く。
ステップS13における判定の結果、バルブ撮影モードでなく、またはSsec>Tsecでない場合には、標準露光時間(Ssec)後、画像読み出しを行う(S29)。ここでは、標準露光時間(Ssec)が分割露光時間(Tsec)よりも短く、高輝度画素が飽和することがないので、決定された標準露光時間で露光を行い、露光が終了すると、イメージセンサ4から画像データを読み出す。
一方、ステップS13における判定の結果、バルブ撮影モードが設定されていた場合、またはSsec>Tsecの場合には、分割露光時間(Tsec)が経過したか否かを判定する(S15)。システム制御部20は、イメージセンサ4が露光を開始してからの時間を計測するタイマを有し、このタイマの計時動作に基づいて判定する。この判定の結果、分割露光時間(Tsec)が経過していない場合には、この時間が経過するのを待つ。
ステップS15における判定の結果、分割露光時間Tsecが経過すると、画像読み出しを行うと共に、次のコマの撮影を開始する(S17)。イメージセンサ4は電子シャッタを有しており、画像データの読み出しを完了すると、次のコマの撮影(画素で発生する電荷の蓄積を開始する)を行うことができる。読み出された画像データは内部メモリ33に一時記憶する。また次のコマの撮影を開始する際に、Tsec検出用のタイマをリセットし計時動作を再開する。
ステップS17において、画像読み出しと次のコマの撮影を開始すると、撮影開始後1枚目の撮影画像か否かを判定する(S19)。ステップS17において読み出した画像が1枚目の場合には、画像合成の対象とならないことから、このステップで判定している。
ステップS19における判定の結果、撮影開始後1枚目の撮影画像でない場合には、画像合成を行う(S21)。2枚目の撮影画像の場合には、画像合成部11が1枚目と2枚目の画像データを用いて画像合成し、合成画像の画像データを内部メモリ33に記憶する。そして、3枚目の撮影画像の画像データを取得すると、内部メモリ33に記憶された合成画像データと3枚目の撮影画像の画像データを用いて画像合成し、この画像データを内部メモリ33に記憶する。従って、N(2以上の整数)枚目の撮影画像の画像データを読み出した場合には、画像合成部11は、1〜N−1枚目までの合成画像データと、N枚目の撮影画像の画像データを用いて合成画像を生成する。画像合成としては、加算合成、比較明合成または比較暗合成、加算平均合成等があり、これらの画像合成の中から撮影者が設定してもよく、またカメラが自動設定してもよい。
ステップS21において画像合成を行うと、またはステップS19における判定の結果、撮影開始後1枚目の撮影画像の場合には、画像記録を行う(S23)。ここでは、画像合成部11によって合成された合成画像データ、または1枚目の撮影画像の画像データを、内部メモリ33に記憶する。この記憶の際には、1枚の読み出し画像のデジタル値のビット精度が例えば8bitであった場合は、8bit同士の画像2枚を合成した画像の画素出力のデジタル値がフルビットでクリップされないように、ビット長に余裕を持って記録する。
具体的には、加算合成の場合、加算合成枚数がM(整数)であった場合には、1画素のデータを格納するデータ容量を8+log2(M)bit以上にすることでフルビット以上となってクリップすることがないようにする(後述する図8(b)参照)。なお、バルブ撮影モード以外の場合には、撮影開始時点で加算合成枚数Mについて既知であるので、データ容量(合成画像のビット数)を予め決めることができる。一方、バルブ撮影モードの場合には、撮影開始時点では加算合成枚数Mがバルブ撮影時間と共に増加するので、撮影時間と共にデータ容量(合成画像のビット数)を増加させていけばよい。
ステップS23において画像記録を行うと、次に、撮影終了か否かの判定を行う(S25)。バルブ撮影の場合には撮影者がレリーズ釦の押し下げを解除し(または、1度目のレリーズ押下で撮影開始、2度目のレリーズ押下で撮影終了する撮影モードの場合は2度目のレリーズ押下された時点)でバルブ撮影が終了となる。また、バルブ撮影以外のモードでは、撮影者が設定した露光時間または自動的に設定された露光時間に対応した標準露光時間(Ssec)が経過した時点で撮影が終了する。この判定の結果、撮影が終了していない場合には、ステップS15に戻り、分割露光時間(Tsec)が経過するたびに上述したように画像データを読み出し、画像合成を行い、合成画像データの記録を行う。
ステップS25における判定の結果、撮影が終了すると、画像読み出しと画像合成を行う(S27)。ここでは、イメージセンサ4から最後の画像読み出しを行い、それまでの合成画像データと合成する。ここで、バルブ撮影の場合に、撮影者がTsec経過前にレリーズ釦の押し下げを解除した場合は、ステップS19〜S23の処理を行わずに画像の読出しのみを行う(1枚目の読出しとなるため画像合成も行わない)。
ステップS27において画像読み出しと画像合成を行うと、またはステップS29において画像読み出しを行うと、次に、画像記録を行う(S31)。ここでは、ステップS27において画像合成された合成画像データまたはステップS29において読み出された画像データを、内部メモリ33に記録する。
ステップS31において、画像記録を行うと、次に、フィルタ処理を行う(S33)。ここでは、内部メモリ33に保存した画像に対してフィルタ処理を行う。フィルタ効果は例えばソフトフィルタ効果やクロスフィルタ効果、色温度変換フィルタなどさまざまなフィルタ効果を画像処理によって実現できるので、撮影者が選択できるようにしても良い。
例えば、ソフトフィルタ効果が選択されている場合について説明する。画像処理でソフトフィルタ効果を実現するには各画素の出力に対して、例えば図5に示すように(x、y)の2次元の座標系で該当画素の座標(0,0)をフィルタ係数の最大値とし、周囲に行くほどフィルタ係数が小さくなるようなフィルタで画像データに、コンボリューション演算を施すことで、画素の出力が周囲に拡散するようにフィルタ処理がなされる。これにより光学ソフトフィルタで撮影したものとほぼ同等の画像が生成される。なお、図5では、フィルタ係数が、11×11画素、10bitのガウシアンフィルタ係数で表されており、各画素にフィルタ係数を乗算し、210で除算することによりフィルタ処理が行われる。
光学フィルタにはぼかし効果の異なるさまざまなフィルタが市販されているが、それぞれのフィルタと同等の効果を得るために、図5に示したフィルタパターンだけでなく係数を変えたり、11×11の画素範囲を広げたり、狭めたり、フィルタを印加する回数を増やしたりすることでフィルタの強さ(ぼかす効果)を変えることができる。
また、ソフトフィルタだけでなく、例えばクロスフィルタについては、図6に示すような十字方向に出力が拡散するようなフィルタを印加することも可能である。フィルタパターンを変えることで十字方向以外にもさまざまな方向に強さの異なるクロスフィルタ効果を実現することができる。なお、図6においても、フィルタ係数が、11×11画素、10bitのガウシアンフィルタ係数で表されており、各画素にフィルタ係数を乗算し、210で除算することによりフィルタ処理が行われる。
ステップS33において、フィルタ処理を行うと、次に、飽和レベルクリップ処理を行う(S35)。ステップS23において説明したように、本実施形態においては、内部メモリ33に保存する合成画像データのビット数を読み出し画像の画像データのビット数よりも大きくしている。従って、このステップでは、クリップ処理部15が、読み出し画像のビット数よりも大きい合成画像データのビット数を、読み出し画像の画像データのビット数となるように飽和レベルのクリップ処理を行う。
合成画像データを内部メモリ33に保存する際にフルビットでクリップしないようにすることのメリットについて説明する。デジタルカメラで撮影した星の像の画像出力はイメージセンサ4の飽和レベルに達し、飽和出力でクリップしている。星の像は、非常に急峻な出力分布をしており、星の光は撮像素子の飽和出力の何倍もの出力に達しているものと考えられる。ここで簡単化のためにX軸方向のみについて星の撮像画像の出力を示して考える。
図7(a)に示すような出力分布の星の像を撮影するとする。従来のカメラではイメージセンサから読み出された星の中心部分は飽和出力に達し、例えばビット精度8bitのシステムでは、フルビットまで達し、クリップする(図7(b)参照)。この出力に対して、例えば、図7(c)に示すようなフィルタ係数を有するソフトフィルタを用いてフィルタ処理を行うと、出力を周囲に拡散させてぼかすことができる(図7(d)参照)。しかし、図7(b)に示される飽和以上の出力成分にはフィルタ係数が印加されないため、イメージセンサで出力が飽和クリップする前に光を拡散させる光学フィルタに比べると大きく拡散しない。さらに、飽和クリップすると被写体の色の情報が失われるため、図7(d)のようにフィルタ印加後に飽和以下の出力になるが、星の色は再現できない。
そこで、本実施形態においては、前述したように、読み出し画像の画像データのビット数よりも大きなビット数で保存し、フィルタ処理後に飽和レベルのクリップ処理を行うようにしている。
図8を用いて、星の撮影像が飽和クリップしないように撮影した場合の処理について説明する。図8(a)は、例えば分割露光時間Tsecで撮影した画像の星の出力を示す。図3のS15、S17において説明したように、星の像はフルビットに達しないように分割露光時間Tsecで読みだされる。図8(b)は、標準露光時間(Ssec)分だけ分割露光し、この分割露光によって取得した複数の画像データを合成した星の出力を示す。この図8(b)に示す例では、従来のビット長が8bit処理では飽和クリップするものを、例えばビット長を12bitに拡張することで、クリップさせないようにして記録している。
この図8(b)に示す合成画像データに対して、図7(c)と同様のフィルタを印加する(図8(c)参照)。このフィルタ処理後にクリップ処理部15において本来の8bitで飽和レベルをクリップさせる(図8(d))。このように処理することで、光学フィルタと同様に、従来は飽和クリップしてしまう星の像の出力に対しても、飽和することなくフィルタ処理することができる。従来のフィルタ印加画像(図7(d))に対してより大きく、星の像がぼけ、合成画像の画像データが飽和に達することがないので(図8(b)参照)、星の色も光学フィルタ使用時と同様に正確に再現することができる。なお、クリップ処理部15は、フィルタ処理が施された画像データのビット長を、合成画像データのビット長よりも小さくなるようにビット長を調整するビット長調整部ということもできる。
ステップS35において、飽和レベルクリップ処理を行うと、次に現像処理を行う(S37)。ここでは、現像処理部17が、ステップS35において飽和レベルクリップ処理が施された画像データに対して、デモザイキング、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、画像圧縮などの現像処理を行う。
ステップS37において、現像処理を行うと、外部メモリへ記録を行う(S39)。ここでは、ステップS37において現像処理された画像データを、外部メモリ36に記録する。外部メモリ36に画像データを記録すると、このフローを終了する。
このように、本実施形態におけるデジタルフィルタ処理が選択されている場合のフローでは、標準露光時間(Ssec)よりも短い分割露光時間(Tsec)で被写体を撮影し(図2のS15、S17、図8(a)参照)、この撮影によって得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成し(図3のS21、図8(b)参照)、合成画像データに対してフィルタ処理を行い(図4のS33、図8(c)参照)、このフィルタ処理が施された画像データのビット長を、合成画像データのビット長よりも短くなるように調整している(図4のS35、図8(d)参照)。このため、通常の撮影では飽和クリップしてしまう撮影画像についても飽和クリップさせずに撮影画像を得ることができ、光学フィルタと同等のフィルタ効果の画像処理を施すことができる。
なお、本発明の一実施形態においては、図8(d)を用いて説明したように、本来の1枚の読み出し画像のビット数(この例では8ビット)で飽和レベルをクリップさせていた。しかし、例えば、フィルタ処理後の画像の一番輝度の高い画素をフルビットになるように、諧調を圧縮するようにしても構わない。この場合、諧調圧縮処理は現像処理部17で行う。この処理を行うことにより、図8(d)に示すようなフィルタ処理を施した後も最高輝度部が8ビット以上となる明るい天体像も飽和させずに画像処理することができ、すべての星の色情報を記録することができるようになる。この場合、諧調を圧縮する処理部(現像処理部17)は、フィルタ処理が施された画像データのビット長を、合成画像データのビット長よりも小さくなるようにビット長を調整するビット長調整部として機能する。
また、図8(d)では本来の1枚の読み出し画像のビット長(この例では8ビット)で飽和レベルにクリップさせる方法について説明した。しかし、例えば、撮影者が好みの出力レベルをフルビットにするように諧調を圧縮して、現像しても構わない。撮影者によって、どの程度の諧調の写真を撮影したいかは好みがあるため、この方法では様々な撮影者の嗜好にあう写真を撮影することができる。この場合、RAW画像データは、すべての画素出力が飽和クリップしないように、ビット精度を拡張して保存することが好ましい。撮影後のRAW画像データに対して、フィルタ処理を施して現像することで、光学フィルタと同等のフィルタ処理や、フィルタの効果を強めたり、弱めたり調整して現像することができるようになり、撮影者の好みに応じた画像を現像することができるようになる。この場合、現像処理部17が、フィルタ処理が施された画像データのビット長を、合成画像データのビット長よりも短くなるように、フィルタ処理が施された画像データの諧調を圧縮するビット長調整部として機能する。
また、図2〜図4に示すフローチャートには示していないが、分割露光時間が経過する毎に読み出された画像データを合成し、この画像データを現像処理し、この現像処理された画像データに基づいて表示部37に画像を表示しても良い。すなわち、表示部37に撮像部1より画像データが撮影されるごとに順次合成を行うことによって得られた合成画像を順次表示するようにしてもよい。これにより撮影者は合成画像を撮影経過画像として確認することができ、バルブ撮影モードなどの場合は撮影を終了するタイミングを判断することができる。
また、ステップS39における外部メモリへの保存は、ステップS37における現像処理でJPEG化など圧縮処理を行わず、この生の画像データ(RAW画像データ)も保存するようにしてもかまわない。撮影者によっては撮影後にRAW画像データの現像処理の設定を変えて再現像することがあり、この要望に応えることができる。
また、本発明の一実施形態においては、画像出力検知部19で画像データが飽和しない分割露光時間Tsecを設定して撮影する方法について説明した。しかし、これに限らず、分割露光時間Tsecは撮影者が設定するようにしても良い。この場合、設定された分割露光時間Tsecで天体の画像が飽和クリップしてしまうことも有りうるが、分割露光をせずに読み出した一枚の画像データにフィルタ処理を施す場合よりは、分割露光した画像データを合成して、合成によってフルビット以上となる画素データを飽和クリップしないように記録し、フィルタ処理を施すことで、光学フィルタに近いフィルタ処理を施すことができるため好ましい。
また、本発明の一実施形態においては、画像合成を施した合成画像データに対してフィルタ処理を施すシーケンスについて説明した。しかしこれに限らずフィルタ処理を施した複数の画像データに画像合成を施す処理行っても構わない。すなわち、図4のステップS33の処理を図3のステップS19の前後のいずれかで行うようにしても構わない。このようにすると、合成画像データに対して1度降りた処理を施す場合と比較して処理回数が増えるが、同等のフィルタ効果を施すことができる。
また、フィルタ処理についてはソフトフィルタ、クロスフィルタについて説明したが、本発明の一実施形態においては、これに限らず、その他の画像処理で実現可能なすべてのフィルタ処理について適用可能である。
また、本発明の一実施形態においては、画像合成として加算合成を用いて場合について説明した。しかし、その他の合成でもフルビット以上でクリップしないようにすることで同様の効果を得ることができる。例えば、加算平均合成や比較明合成であっても、合成するどちらか一方または両方の画像データに対してゲインを乗算して合成する場合があり、フルビット以上の出力に達する場合が考えられるからである。
また、合成画像データの出力に対して、所定のスレッシュレベルを設けて判定し、スレッシュレベル以上と以下で処理を変えるようにしても良い。すなわち、画像合成部11により合成された合成画像データのレベルを判定する画像出力判定部をさらに備え、合成画像データのレベルに応じてフィルタ処理を変更するようにしてもよい。例えば、フィルタ処理を行う前に合成画像の各画素出力に対して、画像出力判定部にて、その画素の出力がスレッシュレベル(TH)以上か否かを判定して、スレッシュレベル以上であれば、ソフトフィルタを印加し、スレッシュレベル未満である場合にはソフトフィルタを印加しない処理を施す。図9に、スレッシュレベルTHを255LSB(8bitフルビット)にした場合の星の像のフィルタ処理による像の変化を示す。なお、合成画像データを生成する前の画像データに対してフィルタ処理を行う場合は、合成画像データを生成する前の画像データのレベルに応じてフィルタ処理を変更する。
暗い星も明るい星も従来のフィルタであれば同様にぼかし効果がかかる(図9(b)(e))。しかし、スレッシュレベル以上か未満かに応じてフィルタ処理を異ならせると、星の明るさに応じてぼかし効果を異ならせることができる。例えば、暗い星はフィルタ処理を行わず(図9(c))、一方、明るい星だけフィルタ処理を行うようにすると(図9(e))、暗い星がフィルタ処理により拡散して暗くなり、はっきりと写らなくなってしまうことを防ぐことができる。暗い星も解像感良くはっきりと、また明るい星は大きく映り、色情報も残る。これにより、従来の光学フィルタでは撮影できない印象的な写真を撮影することができる。
図9に、スレッシュレベルが1つでフィルタ処理を行うか行わないかを変える処理を示したが、例えば、スレッシュレベルを複数設けて、画素のレベルが大きくなるほどフィルタの拡散効果を強めるようなフィルタ処理を行うことで、より自然に明るい星ほど大きく写すようなフィルタ処理を行うことができる。逆に暗い星ほど拡散効果を強く、明るいほど弱く拡散効果を弱めるように処理することで、暗い星は見えにくくなり、明るい星は明るく残すことで、より明るい星が目立つような写真が撮れる。このように、様々な印象の写真を撮影することができる。
また、クロスフィルタについても、出力が大きな画素ほどフィルタ効果を強めると、目立たせたい明るい星にだけクロスフィルタによる光芒が強く発生させることができ、メリハリのある印象的な画像を生成することができる。
また、天体撮影の被写体として星だけでなく地上の景色も一緒に撮影する場合も考えられる。その場合、被写体の明るさや形状、撮影者の入力IF部38での指示等で、画像中のどの部分が地上の景色でどの部分が空なのかを識別し、空の部分のみに対して画像出力検知をして、飽和しないように分割露光、合成しても良い。地上の景色に天体よりも明るいものが写っていると、分割露光時間Tsecが短くなりすぎて、画像合成枚数が多くなる。加算合成は合成するほど画像データに含まれるノイズも加算され画質が劣化するので合成枚数が少ないほうが好ましい。この場合、撮像部1は、画像を複数の領域に分割し、この分割した分割画像に対応した領域の画像データの平均値が飽和しないような分割露光時間を設定して撮影する撮像部として機能する。
また、空の部分にだけフィルタ処理を行っても良い。地上の景色に天体よりも明るいものが写っていると、フィルタ処理で天体よりもおおきくぼけてしまうため、主要被写体が天体で天体のみを大きくぼかしたい場合にはこのような処理が好ましい。
また、本発明の一実施形態においては、デジタルカメラで、イメージセンサ4から読み出された画像データについて順次合成し、フィルタ処理を行う構成について説明を行った。しかし、これに限らず、例えば、カメラで撮影済みの画像やそれ以外でも例えばCG(Computer Graphics)で描画した複数のデジタル画像データを合成するようにしてもよい。デジタルカメラ内部やパソコンなどで画像合成処理を行う際の処理機能についてそれぞれの画像の画素データのビット精度に対して、合成後にフルビットでクリップすることがないように合成、記録して、その合成画像にフィルタ処理を施すことで本実施形態と同等の効果を得ることができる。この場合には、撮影した後に撮影した複数の画像のうち、撮影者が合成させたい画像のみを選択して合成ができて便利であり。またカメラで撮影した画像以外にも同様の効果が得られる。
また、本発明の一実施形態ではフィルタ処理を印加した画像1枚を記録するシーケンスを示した。しかし、これに限らず、例えば、本実施形態の加算合成・フィルタ処理により撮影した合成画像を複数枚生成し、これら複数の合成画像に対して更に比較合成や加算平均合成、動画生成などを行っても良い。本実施形態の方法で光学フィルタと同等または光学フィルタでは実現できないフィルタ処理を施した画像データ同士を合成することでさらに印象的で美しい写真、動画が撮影できる。
また、本発明の一実施形態においては、画像処理部10、画像出力検知部19等を、システム制御部20とは別体の構成としたが、各部の全部または一部をソフトウエアで構成し、システム制御部20内またはシステム制御部20と別体のマイクロコンピュータによって実行するようにしても勿論かまわない。
また、本実施形態においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型コンピュータ、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、分割露光が可能な撮影機器、またはこれらの撮影機器で撮影された画像データを処理できる画像処理のための機器等であれば、本発明を適用することができる。
また、本明細書において説明した技術のうち、主にフローチャートで説明した制御に関しては、プログラムで設定可能であることが多く、記録媒体や記録部に収められる場合もある。この記録媒体、記録部への記録の仕方は、製品出荷時に記録してもよく、配布された記録媒体を利用してもよく、インターネットを介してダウンロードしたものでもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、特に説明していない箇所では、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1・・・撮像部、2・・・レンズ(絞り)、3・・・メカシャッタ、4・・・イメージセンサ、10・・・画像処理部、11・・・画像合成部、11a・・・加算合成部、11b・・・比較合成部、11c・・・加算平均合成部、11d・・・動画生成部、13・・・フィルタ処理部、15・・・クリップ処理部、17・・・現像処理部、20・・・システム制御部、31・・・バス、33・・・内部メモリ、36・・・外部メモリ、37・・・表示部、38・・・入力IF

Claims (12)

  1. 標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を複数コマ撮影する撮像部と、
    上記撮像部により撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成部と、
    上記複数コマの画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理部と、
    上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整部と、
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 上記撮像部は、画素データの最大値が飽和しないような露光時間を設定して撮影することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 上記撮像部は、画像を複数の領域に分割し、該分割したすべての画像に対応した領域の画像データの平均値が飽和しないような露光時間を設定して撮影することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 上記ビット長調整部は、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように、上記フィルタ処理が施された画像データをクリップすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 上記ビット長調整部は、上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように、上記フィルタ処理が施された画像データの諧調を圧縮することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  6. 上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データのレベルを判定する画像出力判定部をさらに備え、
    上記合成画像データを生成する前の画像データに対して上記フィルタ処理を行う場合は該合成画像データを生成する前の画像データのレベルに応じて、または上記合成画像データに対してフィルタ処理を行う場合は該合成画像データのレベルに応じて上記フィルタ処理を変更する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 上記画像合成部は、加算合成、平均合成、比較明合成、比較暗合成、動画合成のうちの少なくとも1種類の画像合成を行うことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  8. 上記画像合成部に合成された画像を表示する画像表示部をさらに備え、
    上記画像表示部は、上記撮像部により画像データが撮影されるごとに順次合成を行うことによって得られた合成画像を順次表示する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  9. 上記フィルタ処理はソフトフィルタ処理又はクロスフィルタ処理であることを特徴とする請求項1に記載の撮像措置。
  10. 標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成部と、
    上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理部と、
    上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成部により合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整部と、
    を備えたことを特徴とする画像処理装置。
  11. 標準露光時間よりも短い露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成ステップと、
    上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理ステップと、
    上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整ステップと、
    を備えたことを特徴とする画像処理方法。
  12. 標準露光時間よりも分割露光時間で被写体を撮影して得られた複数コマの画像データを合成して合成画像データを生成する画像合成ステップと、
    上記合成画像データを生成する前の画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理を行うフィルタ処理ステップと、
    上記フィルタ処理が行われた上記複数コマの画像データを合成した合成画像データまたは上記画像合成ステップにおいて合成された合成画像データに対してフィルタ処理が行われた画像データのビット長を、上記合成画像データのビット長よりも短くなるように調整するビット長調整ステップと、
    をコンピュータに実行させるための画像処理プログラム。
JP2014180195A 2014-09-04 2014-09-04 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム Pending JP2016054447A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180195A JP2016054447A (ja) 2014-09-04 2014-09-04 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014180195A JP2016054447A (ja) 2014-09-04 2014-09-04 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016054447A true JP2016054447A (ja) 2016-04-14

Family

ID=55744309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014180195A Pending JP2016054447A (ja) 2014-09-04 2014-09-04 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016054447A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021077935A (ja) * 2019-11-05 2021-05-20 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッドSz Dji Technology Co.,Ltd 制御装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021077935A (ja) * 2019-11-05 2021-05-20 エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッドSz Dji Technology Co.,Ltd 制御装置、撮像装置、制御方法、及びプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9912875B2 (en) Imaging device and imaging method capable of generating a bulb exposure image derived from relatively bright image combination#data and relatively dark image combination data
CN104796621B (zh) 摄像装置以及摄像方法
KR101427660B1 (ko) 디지털 영상 처리 장치에서 영상의 배경흐림 효과 처리장치 및 방법
JP2017220892A (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
JP6570918B2 (ja) 撮像装置、撮像方法
JP6370207B2 (ja) 撮像装置、画像処理装置、撮像方法、およびプログラム
CN104883480B (zh) 摄像装置和摄像方法
CN106878624A (zh) 摄像装置和摄像方法
JP6250098B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP5984975B2 (ja) 撮像装置、撮像方法、およびプログラム
CN106161975A (zh) 摄像装置和摄像方法
JP6351452B2 (ja) 撮像装置、撮像方法およびプログラム
JP6096041B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP6909669B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP7148428B2 (ja) 撮像装置および撮像方法
JP6075829B2 (ja) 撮像装置、カメラシステム、撮像装置の制御方法、プログラム、記憶媒体
WO2015129479A1 (ja) 撮像装置および方法、並びにプログラム
JP2016054447A (ja) 撮像装置、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
JP2016225757A (ja) 撮像装置、撮像方法
JP6418715B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP6284604B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、およびプログラム
JP2009225252A (ja) 撮像装置および撮像方法