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JP2016053227A - 芳香性水性組成物 - Google Patents

芳香性水性組成物 Download PDF

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JP2016053227A
JP2016053227A JP2014180365A JP2014180365A JP2016053227A JP 2016053227 A JP2016053227 A JP 2016053227A JP 2014180365 A JP2014180365 A JP 2014180365A JP 2014180365 A JP2014180365 A JP 2014180365A JP 2016053227 A JP2016053227 A JP 2016053227A
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博卓 大谷
Hirotaka Otani
博卓 大谷
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Kao Corp
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Abstract

【課題】衣類に対して優れた残香性を付与することができる芳香性水性組成物、特に液体柔軟剤組成物に適用するのに好適な芳香性水性組成物を提供する。
【解決手段】下記(a)成分及び(b)成分を、(b)成分に対する(a)成分の質量比[(a)/(b)]が0.1以上、10以下になるように配合してなる、繊維製品を処理するための芳香性水性組成物。
(a)成分:ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分
(b)成分:−R1−NHR2−NH2(式中、R1及びR2は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示し、R1はSiと直接結合している。)で表される置換基で変性され、アミノ当量が100g/mol以上、8,000g/mol以下であるアミノ変性シリコーン化合物
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香性水性組成物に関する。
柔軟剤組成物等のトイレタリー製品に香料を用いることは一般に行われており(例えば特許文献1〜3)、処理後の衣類に香りを残す残香性を付与する技術も知られている(例えば特許文献4〜6)。また、アミノ変性シリコーン等のシリコーン化合物を含有する柔軟剤組成物も知られている(例えば特許文献7〜14)。
特許文献1〜3に記載のとおり、一般にトイレタリー製品は附香されており、更に近年香りに対する関心が高まっていることから、洗浄や柔軟処理後の衣料に香りを残す、いわゆる残香性を付与する技術が開発されている。
特許文献4には、シッフベース香料を含み衣料への吸着性を向上させる技術が開示されている。また、特許文献5、特許文献6には、蒸気圧の低い香料成分を用いる技術が開示されている。
なお、柔軟剤組成物等のトイレタリー製品にはシリコーン化合物を用いることは公知である。特に特許文献7〜14には、繊維製品に好ましい風合いを付与する目的として、柔軟剤組成物にシリコーン化合物を配合する技術が記載されている。
特開2004−211215号公報 特開2004−211230号公報 特開平8−13335号公報 特開2004−131680号公報 特開2004−143638号公報 特開2004−210959号公報 特開2000−64179号公報 特開2000−64180号公報 特開2002−327375号公報 特開2002−339259号公報 特開2002−371474号公報 特開2003−96674号公報 特開2003−155667号公報 特開2004−263347号公報
特許文献4〜6に記載の技術によれば、特定の香料成分について残香性を衣類に付与することができるが、残香性をより向上させる技術の開発が求められている。
本発明は、衣類に対して優れた残香性を付与することができる芳香性水性組成物、特に液体柔軟剤組成物に適用するのに好適な芳香性水性組成物を提供する。
本発明者らは、ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分と、特定のアミノ変性シリコーンとを特定の比率で併用することにより、衣類に対して優れた残香性を付与することができる芳香性水性組成物が得られることを見出し本発明を完成させた。
すなわち本発明の芳香性水性組成物は、下記(a)成分及び(b)成分を、(b)成分に対する(a)成分の質量比[(a)/(b)]が0.1以上、10以下になるように配合してなる、繊維製品を処理するための芳香性水性組成物に関する。
(a)成分:ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分
(b)成分:−R1−NHR2−NH2(式中、R1及びR2は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示し、R1はSiと直接結合している。)で表される置換基で変性され、アミノ当量が100g/mol以上、8,000g/mol以下であるアミノ変性シリコーン化合物
本発明によれば、衣類に対して優れた残香性を付与することができる芳香性水性組成物、特に液体柔軟剤組成物に適用するのに好適な芳香性水性組成物を提供することができる。
[香料含有水性組成物]
本発明の芳香性水性組成物は、下記(a)成分及び(b)成分を、(b)成分に対する(a)成分の質量比[(a)/(b)]が0.1以上、10以下になるように配合してなる芳香性水性組成物である。
(a)成分:ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分
(b)成分:−R1−NHR2−NH2(式中、R1及びR2は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示し、R1はSiと直接結合している。)で表される置換基で変性され、アミノ当量が100g/mol以上、8,000g/mol以下であるアミノ変性シリコーン化合物
前記−R1−NHR2−NH2で表される置換基を特定量有するアミノ変性シリコーン化合物は、当該置換基の効果により繊維への吸着性に優れており、また、ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分と親和性が高いため、これらを併用することにより、衣類上においてケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分が徐々に放出される。したがって、本発明の芳香性水性組成物により処理された衣類は、長時間に亘って前記香料成分に由来する優れた残香性を有することになる。
<(a)成分>
本発明における(a)成分は、ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分である。ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分であれば、後述する(b)成分と親和性が高いため、衣類に対して付与する残香性を向上させることができる。
〔ケトン基を有する香料成分〕
ケトン基を有する香料成分としては、衣類に対して付与する残香性を向上させる観点から、脂肪族ケトン、テルペン系ケトン、セスキテルペン系ケトン、環状ケトン、及び芳香族ケトンから選ばれる1種以上が好ましい。
脂肪族ケトンとしては、アセトイン、ジアセチル、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチルヘプテノン、及びメチレンテトラメチルヘプタノン(コアボン)から選ばれる1種以上が好ましい。
テルペン系ケトン及びセスキテルペン系ケトンとしては、カンファー、カルボン、メントン、d−プレゴン、ピペリトン、フェンチョン、ゲラニルアセトン、セドリルメチルケトン、ヌートカトン、イオノン(ヨノン)、メチルイオノン、アリルイオノン、イロン、ダマスコン、ダマセノン、及びダイナスコンから選ばれる1種以上が好ましい。
環状ケトンとしては、マルトール、エチルマルトール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフラノン、シュガーラクトン、p−t−ブチルシクロヘキサノン、アミルシクロペンタノン、ヘプチルシクロペンタノン、ジヒドロジャスモン、シス−ジャスモン、6−エチリデンオクタヒドロ−5,8−メタノ−2H−1−ベンゾピラン−2−オン(フロレックス)、4−メチルトリシクロ[6.2.1.02.7]ウンデカン−5−オン(プリカトン)、4−シクロヘキシル−4−メチル−2−ペンタノン、2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペンタノン、エトキシビニルテトラメチルシクロヘキサノン、1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−l−2−ナフタレニル)エタノン(イソ・イー・スーパー)、及び1,5,9−トリメチル−2−アセチル−ドデカ−5,9,12−トリエン(トリモフィクス)から選ばれる1種以上が好ましい。
ケトン基を有する香料成分としては、衣類に対して付与する残香性を向上させる観点から、ダマスコン及びイオノン(ヨノン)から選ばれる1種以上が好ましい。
〔アルデヒド基を有する香料成分〕
アルデヒド基を有する香料成分としては、衣類に対して付与する残香性を向上させる観点から、脂肪族アルデヒド、テルペン系アルデヒド、及び芳香族アルデヒドから選ばれる1種以上が好ましい。
脂肪族アルデヒドとしては、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、ドデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、トリメチルヘキシルアルデヒド、メチルオクチルアセトアルデヒド、メチルノニルアセトアルデヒド、トランス−2−ヘキセナール、シス−4−ヘプテナール、2,6−ノナジエナール、シス−4−デセナール、ウンデシレンアルデヒド、トランス−2−ドデセナール、トリメチルウンデセナール、及び2,6,10−トリメチル−5,9−ウンデカジエナールから選ばれる1種以上が好ましい。
テルペン系アルデヒドとしては、シトラール、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、及びペリラアルデヒドから選ばれる1種以上が好ましい。
芳香族アルデヒドとしては、ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルプロピルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヒドラトロピックアルデヒド、アニスアルデヒド、p−メチルフェニルアセトアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、3−(p−t−ブチルフェニル)−プロピルアルデヒド、p−エチル−2,2−ジメチルヒドロシンナムアルデヒド、2−メチル−3−(p−メトキシフェニル)−プロピルアルデヒド、p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド(リリアール)、サリチルアルデヒド、ヘリオトロピン、ヘリオナール、バニリン、エチルバニリン、及びメチルバニリンから選ばれる1種以上が好ましい。
アルデヒド基を有する香料成分としては、衣類に対して付与する残香性を向上させる観点から、シトラール、シトロネラール、及びリリアールから選ばれる1種以上が好ましい。
その他のアルデヒド基含有化合物としては、メトキシジヒドロシトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセニルカルボキシアルデヒド、イソシクロシトラール、センテナール、マイラックアルデヒド、ヒドロキシマイラックアルデヒド(リラール)、ベルンアルデヒド、デュピカール、マセアール、ボロナール、及びセトナールから選ばれる1種以上が好ましい。
本発明における香料成分のLogP(1−オクタノール/水分配係数)は、衣類上に香料成分を多量に残す観点から、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.3以上、更に好ましくは3.4以上であり、そして、好ましくは8.5以下、より好ましくは7.0以下、更に好ましくは6.0以下である。
ここで、LogPとは、有機化合物の水と1−オクタノールに対する親和性を示す係数である。1−オクタノール/水分配係数Pは、1−オクタノールと水の2液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、常用対数logPの形で示すのが一般的である。
なお、本明細書におけるClogPの値は、米国環境保護庁(US EPA)が提供するEPI Suiteを用いて計算した値である。
(a)成分の20℃における蒸気圧は、香料の持続性の点から、好ましくは0.001mmHg以上、より好ましくは0.005mmHg以上、より更に好ましくは0.01mmHg以上であり、そして、好ましくは0.3mmHg以下、より好ましくは、0.27mmHg以下、より更に好ましくは0.2mmHg以下、より更に好ましくは0.1mmHg以下、より更に好ましくは0.05mmHg以下、より更に好ましくは0.03mmHg以下である。
なお、本明細書における香料の蒸気圧は、米国環境保護庁(US EPA)が提供するEPI Suiteを用いて計算した値である。
本発明では、(a)成分の一部ないし全部として、δ−ダマスコン、シトラール、β−イオノン(β−ヨノン)、リリアール及びシトロネラールから選ばれる1種以上を用いることがより好ましい。
芳香性水性組成物における(a)成分の配合量は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.4質量%以上であり、そして、好ましくは5.0質量%以下、より好ましくは4.0質量%以下、更に好ましくは2.0質量%以下、より更に好ましくは1.0質量%以下、より更に好ましくは0.5質量%以下である。
<(b)成分>
本発明における(b)成分は、−R1−NHR2−NH2(式中、R1及びR2は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示し、R1はSiと直接結合している。)で表される置換基で変性され、アミノ当量が100g/mol以上、8,000g/mol以下であるアミノ変性シリコーン化合物である。
前記置換基を特定量有するアミノ変性シリコーンは、当該置換基の効果により繊維への吸着性に優れており、また、ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分と親和性が高いため、衣類上においてケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分が徐々に放出されることになる。したがって、前記置換基を有するアミノ変性シリコーンを用いることにより衣類に対して付与する残香性を向上させることができる。また、前記アミノ変性シリコーンによれば、水に対する溶解度が低い前記香料成分を水性化することができる。
本発明においては、前記置換基を有するアミノ変性シリコーンであれば、特に制限はないが、下記一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーンが好ましい。
Figure 2016053227
(式中、R1及びR2は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示す。R3は、炭素数1以上、3以下のアルキル基、ヒドロキシ基、炭素数1以上、3以下のアルコキシ基から選ばれる基を示し、好ましくはメチル基である。a及びbは平均重合度を示し、aは10以上、10,000以下の数であり、bは、1以上、1,000以下の数である。a及びbは、それらが複数ある場合にはそれぞれブロックでもランダムでもよい。)
一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーンの25℃における動粘度は、好ましくは100mm2/s以上、より好ましくは200mm2/s以上、更に好ましくは500mm2/s以上、より更に好ましくは800mm2/s以上であり、そして、好ましくは20,000mm2/s以下、より好ましくは10,000mm2/s以下、更に好ましくは5,000mm2/s以下、より更に好ましくは2,000mm2/s以下である。
一般式(1)で表されるアミノ変性シリコーンのアミノ当量は、100g/mol以上、好ましくは200g/mol以上、より好ましくは400g/mol以上、更に好ましくは600g/mol以上であり、そして、8,000g/mol以下、好ましくは5,000g/mol以下、より好ましくは3,000g/mol以下である。アミノ当量が前記範囲内であると、繊維への吸着性が向上し、衣類上においてケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分を長期に亘って放出することができる。
なお、本明細書において、アミノ変性シリコーンのアミノ当量とは、窒素原子1個当りのアミノ変性シリコーンの分子量であり、アミノ当量=分子量/窒素の原子数で求めることができる。アミノ変性シリコーンの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準として求めることができ、窒素原子数は元素分析法により求めることができる。
一般式(1)におけるaは、衣類に残香性を付与する観点から、10以上、好ましくは50以上であり、そして、10,000以下、好ましくは5,000以下の数である。
また、一般式(1)におけるbは、衣類に残香性を付与する観点から、1以上であり、そして、1,000以下、好ましくは50以下である。
一般式(1)で表される化合物の市販品としては、東レ・ダウコーニング株式会社製「SF 8417」(25℃における動粘度1,200mm2/s、アミノ当量1,800g/mol)、「BY 16−849」(25℃における動粘度1,200mm2/s、アミノ当量600g/mol」等を挙げることができる。
芳香性水性組成物における(b)成分の配合量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.02質量%以上、更に好ましくは0.05質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
本発明の芳香性水性組成物は、(b)成分に対する(a)成分の質量比[(a)/(b)]が0.1以上、10以下となるように配合したものである。質量比[(a)/(b)]が前記範囲内であると、衣類に対する残香性がより一層向上する。
衣類に対する残香性を向上させる観点から、質量比[(a)/(b)]は、0.1以上、好ましくは0.3以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.9以上であり、そして、10以下、好ましくは7以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは2以下である。なお、本発明の芳香性水性組成物は水を含有するものであり、通常、組成物の残部は水である。
本発明の芳香性水性組成物は、前記(a)成分及び(b)成分を水に溶解又は分散させた水溶液の形態であり、例えば、各成分をそれぞれ所定量の水に溶解あるいは分散させて調製することができる。
また、本発明の芳香性水性組成物は、(a)成分及び(b)成分を予め溶融して混合した混合液とし、この混合液と水とを混合することにより調製することもできる。
本発明においては、衣類に対して付与する残香性を向上させる観点から、(a)成分及び(b)成分を予め溶融して混合する方法が好ましい。
なお、本発明の芳香性水性組成物は、前記(a)成分、(b)成分、水、及び必要に応じて後述する各成分を混合することにより容易に製造することができる。
<(c)成分>
本発明における芳香性水性組成物は、窒素原子に結合する基のうち1個以上、3個以下が、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上、好ましくは14以上、26以下、好ましくは24以下、の有機基であって、該有機基が炭素数12以上、好ましくは14以上の鎖式炭化水素基を有するものであり、残りが炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である3級アミン化合物又は4級アンモニウム塩化合物を(c)成分として含有してもよい。本発明の芳香性水性組成物は、繊維製品処理用の液体柔軟剤組成物として好適であり、この場合に(c)成分を含有していると、柔軟処理した衣料に対する残香性がより一層向上する。
なお、(c)成分としての3級アミン化合物は、アミンの形態で本発明の芳香性水性組成物に配合し、後述のpH調整剤によりpHを調整することにより、芳香性水性組成物中で酸塩として存在することが好ましい。
(c)成分は、前記構成を満たすものであれば特に制限はないが、衣料に対する残香性をより一層向上させる観点から、下記一般式(2)で表される3級アミン化合物又は4級アンモニウム塩化合物が好ましい。
Figure 2016053227
(式中、
21は、炭素数12以上、26以下のアルキル基又は炭素数12以上、26以下のアルケニル基を有する、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい、炭素数14以上、26以下の有機基であり、
22は、炭素数12以上、26以下のアルキル基又は炭素数12以上、26以下のアルケニル基を有する、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい、炭素数14以上、26以下の有機基であるか、あるいは炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であり、
23は、炭素数12以上、26以下のアルキル基又は炭素数12以上、26以下のアルケニル基を有する、エステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい、炭素数14以上、26以下のアルキル基又は炭素数14以上、26以下の有機基であるか、あるいは、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であり、
qは0又は1の数であり、qが1の時、R24は、水素原子、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であり、
qが1の時、X-は陰イオンである。)
一般式(2)で表される化合物の具体例としては、下記一般式(3)で表される3級アミン化合物又は4級アンモニウム塩化合物を挙げることができる。
Figure 2016053227
(式中、
31は、炭素数14以上、24以下、好ましくは16以上、20以下のアルキル基又は炭素数14以上、24以下、好ましくは16以上、20以下のアルケニル基であり、R35は、炭素数1以上、6以下のアルキレン基であり、
32は、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であるか、R36−[B−R37d−で表される置換基であり(ここで、R36は、炭素数14以上、24以下のアルキル基、又は炭素数14以上、24以下のアルケニル基であり、R37は炭素数1以上、6以下のアルキレン基である。)、
33は、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であるか、R38−[C−R39e−で表される置換基であり(ここで、R38は、炭素数14以上、24以下のアルキル基、又は炭素数14以上、24以下のアルケニル基であり、R39は炭素数1以上、6以下のアルキレン基である。)
qは0又は1の数であり、qが1の時、R34は、水素原子、炭素数1以上、3以下のアルキル基又は炭素数1以上、3以下のヒドロキシアルキル基であり、
A、B及びCは、−COO−、−OCO−、−CONH−及び−NHCO−から選ばれる基であり、
c、d及びeは0又は1の数であり、
qが1の時、X-は陰イオンである。)
更には、一般式(3)で表される化合物において、
31は、好ましくは炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R35は、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、Aは好ましくは−COO−又は−CONH−であり、cは好ましくは1であり、
32は、好ましくはヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、又はR36−[B−R37d−で表される置換基(ここで、R36は、好ましくは炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は好ましくは炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R37は、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、Bは好ましくは−COO−又は−CONH−であり、dは1である。)であり、
33は、好ましくは、メチル基、ヒドロキシエチル基又はR38−[C−R39e−で表される置換基(ここで、R38は、好ましくは炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R39は、好ましくはエチレン基又はプロピレン基であり、Cは、好ましくは−COO−であり、eは好ましくは1である。)であり、
qは0又は1の数であり、qが1の時、R34は好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基又はヒドロキシエチル基であり、X-は好ましくはハロゲンイオン、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸エステルイオン、又は炭素数1以上、18以下の脂肪酸イオンである。
更に詳しくは、本発明の芳香性水性組成物では、一般式(3)で表される化合物において、
31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、好ましくは−COO−C24−又は−CONH−C36−であり、
32は、好ましくはヒドロキシエチル基又はR36−COO―C24−で表される置換基であり、R36が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、
33は、好ましくはメチル基、ヒドロキシエチル基又はR38−COO―C24−で表される置換基であり、R38が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、
qは0又は1の数であり、qが1の時、R34は、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、X-はハロゲンイオン、炭素数1以上、3以下のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1以上、18以下の脂肪酸イオンが好適であって、
(c)成分を構成する一般式(3)の化合物群において、R31、R36及びR38の少なくとも1つ以上にアルケニル基を有する構造の3級アミン化合物又は4級アンモニウム塩化合物を含有することがより好ましい。
より具体的には(c)成分の好ましい態様として、以下の(c1)成分又は(c2)成分が挙げられる。
〔(c1)成分〕
一般式(3)において、R31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、−COO−C24−であり、R32及びR33がヒドロキシエチル基であり、qが1であり、R34が、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であって、X-はクロロイオン、メチル硫酸エステルイオン又はエチル硫酸エステルイオンである4級アンモニウム塩化合物(c11)と、
一般式(3)において、R31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、−COO−C24−であり、R32は、R36−COO―C24−で表される置換基であり、R36が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R33がヒドロキシエチル基であり、qが1であり、R34が、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であって、X-はクロロイオン、メチル硫酸エステルイオン又はエチル硫酸エステルイオンである4級アンモニウム塩化合物(c12)と、
一般式(3)において、R31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、−COO−C24−であり、R32は、R36−COO―C24−で表される置換基であり、R36が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R33は、R38−COO―C24−で表される置換基であり、R38が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、qが1であり、R34が、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基であって、X-はクロロイオン、メチル硫酸エステルイオン又はエチル硫酸エステルイオンである4級アンモニウム塩化合物(c13)とを含有し、
(c1)成分中の、
(c11)成分の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下、更に好ましくは32質量%以下であり、
(c12)成分の含有量は、好ましくは25質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、そして、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは57質量%以下であり、
(c13)成分の含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上、更に好ましくは10質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である、
4級アンモニウム塩混合物。
(c1)中の(c11)、(c12)及び(c13)の割合は、例えば後述するLC−CAD法によって求めることができる。
〔(c2成分)〕
本発明の芳香性水性組成物では、一般式(3)の化合物において、
31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、−CONH−C36−であり、R32は、R36−COO―C24−で表される置換基であり、R36が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R33は、メチル基であり、qが0又は1であり、qが1の時はR34は、水素原子であり、X-はハロゲンイオンである3級アミン化合物(c21)と、
31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、−CONH−C36−であり、R32は、ヒドロキシエチル基であり、R33は、メチル基であり、qが0又は1であり、qが1の時はR34は、水素原子であり、X-はハロゲンイオンである化合物(c22)との混合物であり、
(c2)成分中の、
(c21)成分の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは65質量%以上であり、そして、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下であり、
(c22)成分の含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下である混合物。
(c2)中の(c21)及び(c22)の割合は、例えば後述するESI−MS法によって求めることができる。
(c2)成分は、qが0及び1の化合物が共存し、qが1の場合は3級アミンの酸塩である。
更には、前記(c1)及び(c2)の条件において(c)成分を構成する一般式(3)の化合物群において、R31、R36及びR38の少なくとも1つ以上にアルケニル基を有する構造の化合物を含有することがより好ましい。
なお(c1)成分合成の際に、(c)成分として4級化されなかった3級アミン(c1’)成分を含有してもよい。
〔(c1’)成分〕
具体的には、
一般式(3)において、R31が、炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−が、−COO−C24−であり、R32が、ヒドロキシエチル基であり、R33が、ヒドロキシエチル基であり、qが0又は1であり、qが1の時はR34が、水素原子である化合物(c11’)と、
一般式(3)において、R31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−が、−COO−C24−であり、R32は、R36−COO―C24−で表される置換基であり、R36が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R33がヒドロキシエチル基であり、qが0又は1であり、qが1の時はR34が、水素原子である化合物(c12’)と、
一般式(3)において、R31が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、−[A−R35c−は、−COO−C24−であり、R32は、R36−COO―C24−で表される置換基であり、R36が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、R33は、R37−COO―C24−で表される置換基であり、R37が炭素数16以上、20以下のアルキル基、又は炭素数16以上、20以下のアルケニル基であり、qが0又は1であり、qが1の時はR34が、水素原子である化合物(c13’)との混合物、である。
(c11’)(c12’)及び(c13’)のX-は本組成物に用いられる酸剤の塩を示すがが、ハロゲンイオンが好ましい。
(c1’)成分中の、
(c11’)成分のモノエステル体の含有量は、好ましくは0質量%以上、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは1質量%以下である。
(c12’)成分の含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは12質量%以上、そして、好ましくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下であり、
(c13’)成分の含有量は、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である、3級アミン塩混合物。
また、(c1)/(c1’)の割合は質量比で、好ましくは70/20以上、より好ましくは80/20以上、そして好ましくは95/5以下、より好ましくは90/10以下であることが好ましい。
(c1)中の(c11)、(c12)及び(c13)並びに(c1’)中の(c11’)、(c12’)及び(c13’)の割合は、例えば後述するLC−CAD法によって求めることができる。
(c)成分を構成する一般式(3)の化合物群において、R31、R36及びR38の少なくとも1つ以上にアルケニル基を有する構造の化合物を含有する場合の具体的なアルケニル基としては、オレイル基、リノール基、パルミトレイル基から選ばれる基、もしくはパーム油、牛脂、ナタネ油、ヒマワリ油、綿実油、トウモロコシ油、サフラワー油から選ばれる油脂を加水分解して得られる脂肪酸に由来する基を挙げることができる。
本発明の芳香性水性組成物では、一般式(3)の化合物において、R31、R36及びR38の合計モル数に対して、
アルキル基が好ましくは1モル%以上、15モル%以下、より好ましくは1モル%以上、13モル%以下、更に好ましくは1モル%以上、10モル%以下、より更に好ましくは5モル%以上、10モル%以下含有されており、
アルケニル基が好ましくは85モル%以上、99モル%以下、より好ましくは87モル%以上、99モル%以下、更に好ましくは90モル%以上、99モル%以下、より更に好ましくは90モル%以上、95モル%以下含有されており、
炭素−炭素不飽和結合を2つ以上有するアルケニル基の割合が好ましくは10モル%以下、より好ましくは0.1モル%以上、10モル%以下、更に好ましくは0.5モル%以上、8モル%以下、より更に好ましくは0.5モル%以上、5モル%以下であるものが、衣料の匂い劣化を抑制し、好ましい残香性を付与する目的から好ましい。
芳香性水性組成物中の4級アンモニウム塩化合物(c)の量は、柔軟処理した衣料に対する残香性をより一層向上させる観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上、更に好ましくは8質量%以上であり、そして、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下である。
<(d)成分>
本発明の芳香性水性組成物において前記(c)成分を用いる場合は、低温貯蔵安定性を向上させる観点から、下記一般式(4)で表される非イオン界面活性剤を(d)成分として含有することが好ましい。
41−O−(PO)m−(EO)n−H (4)
(式中、R41は炭素数が6以上、22以下である直鎖アルキル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、EOはエチレンオキシ基を示し、m及びnは平均付加モル数を示し、mは0以上、3.0以下、nは10以上100以下の数を示す。)
41は炭素数が6以上、22以下である直鎖アルキル基である。直鎖アルキル基は直鎖1級アルコール由来のアルキル基であることが好ましい。直鎖アルキル基の炭素数は、好ましくは7以上、より好ましくは8以上であり、そして、好ましくは18以下、より好ましくは16以下、更に好ましくは14以下である。
プロピレンオキシ基の平均付加モル数を表すmは、低温貯蔵安定性を向上させる観点から、0以上であり、そして、好ましくは3.0以下、より好ましくは1.6以下である。
エチレンオキシ基の平均付加モル数を表すnは、低温貯蔵安定性を向上させる観点から、10以上、好ましくは15以上、より好ましくは20以上であり、そして、100以下、好ましくは90以下、より好ましくは80以下である。
芳香性水性組成物中の非イオン性界面活性剤(d)の量は、低温貯蔵安定性を向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
<(e)成分>
本発明の芳香性水性組成物において前記(c)成分を用いる場合は、貯蔵安定性を向上させる観点から、水溶性無機塩を(e)成分として配合することが好ましい。
水溶性無機塩としては、貯蔵安定性の観点から、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、及び塩化マグネシウムから選ばれる1種以上が好ましい。これらの中では塩化カルシウムが好ましい。
芳香性水性組成物中の水溶性無機塩(e)の量は、貯蔵安定性又は粘度調整剤の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下である。
<(f)成分>
本発明においては、貯蔵安定性を向上させる観点から、(f)成分としてpH調整剤を使用することが好ましい。
pH調整剤としては、塩酸や硫酸等の無機酸や、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸等の有機酸等の酸剤や、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ剤から選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中では塩酸や硫酸、クエン酸が好ましい。
<芳香性水性組成物の30℃におけるpH>
本発明の芳香性水性組成物の30℃におけるpHは、好ましくは2.5以上であり、そして、好ましくは4.5以下、より好ましくは4.0以下である。処理後の繊維製品の発香性及び残香性の両方の点からこの範囲が好ましい。なお、このpHの範囲は(c)成分を配合する場合に(c)成分の保存安定性にも寄与する。
本明細書におけるpHは、JIS K 3362;2008の項目8.3に従って30℃において測定した値である。
pHの調整は、前記アルカリ剤と酸剤によって調整することができる。
<繊維製品の残香性を向上させる方法>
本発明の芳香性水性組成物により繊維製品を処理して残香性を向上させる方法は特に制限されるものではないが、洗濯工程においてすすぎ水に対して本発明に芳香性水性組成物を添加することが好ましい。また、(b)成分の添加量は衣料1kgに対して好ましくは0.001g以上、1g以下、より好ましくは0.01g以上、0.5g以下の量である。(b)成分の添加量が前記範囲内であると残香性が付与されやすい。
すすぎ水で処理した後は脱水し、自然乾燥又は加熱回転式乾燥装置により乾燥することができる。また、(c)成分を含有する本発明の芳香性水性組成物は、当該芳香性水性組成物を用いて繊維製品を処理し、処理後の繊維製品の残香性及び柔軟性を向上させる方法に供することができる。
以下に実施例及び比較例で用いた成分を示す。
<(a)成分、及び(a’)成分>
(a−1)δ−ダマスコン、ClogP=4.21、蒸気圧=0.0269mmHg
(a−2)シトラール、ClogP=3.45、蒸気圧=0.091mmHg
(a−3)β−イオノン(β−ヨノン)、ClogP=4.42、蒸気圧=0.0227mmHg
(a−4)リリアール、ClogP=4.36、蒸気圧=0.0035mmHg
(a−5)シトロネラール、ClogP=3.53、蒸気圧=0.251mmHg
(a’−1)シトロネロール、ClogP=3.56、蒸気圧=0.0170mmHg
(a’−2)ゲラニオール、ClogP=3.47、蒸気圧=0.0158mmHg
なお、上記(a)成分の蒸気圧の値は、25℃における蒸気圧の値であり、米国環境保護庁(US EPA)が提供するEPI Suiteを用いて計算した値である。
<(b)成分>
(b−1)アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製BY16−849、アミノ当量:600g/mol
(b−2)アミノ変性シリコーン、東レ・ダウコーニング株式会社製SF8417、アミノ当量:1800g/mol
(b’−1)アミノ変性シリコーン、信越化学工業株式会社KF−8005、アミノ当量:11,000g/mol
(b’−2)高重合ジメチコンエマルジョン、信越化学工業株式会社KHE−55B
<(c)成分>
下記記載にしたがって製造した(c−1)及び(c−2)を用いた。表1及び表2に記載された成分濃度は配合濃度である。
(c−1)の製造
パーム油を原料とした酸価206.9mgKOH/gの脂肪酸と、トリエタノールアミンとを、反応モル比1.65/1(脂肪酸/トリエタノールアミン)で、脱水エステル化反応させることによりN−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジヒドロキシエチルアミン[以下(c11’)成分ともいう]、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチルアミン[以下(c12’)成分ともいう]及びN,N,N−トリアルカノイルオキシエチルアミン[以下(c13’)成分ともいう]を主成分とする縮合物を得た。
次にこの縮合物のアミン価を測定し、該縮合物1当量に対してジメチル硫酸を0.95当量用いて4級化を行ない、N−アルカノイルオキシエチル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート[以下(c11)成分ともいう]、N,N−ジアルカノイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート[以下(c12)成分ともいう]、及びN,N,N−トリアルカノイルオキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート[以下(c13)成分ともいう]の4級アンモニウム塩混合物を主成分とし、エタノールを10質量%含有する混合物(M1)を得た。但しここでいう“アルカノイル”の用語は、アルカノイルがパーム油原料の脂肪酸残基であるため、飽和脂肪酸以外に不飽和脂肪酸由来の残基、例えばアルケノイル等の意味も含むものとする。
なお前記調製手順や反応条件は、特開2010−209493号公報の合成例2に従って行った。
混合物(M1)は、(c11)成分、(c12)成分、(c13)成分、及びエタノール以外に、4級化されなかったジエステルの3級アミン、すなわち前記(c12’)成分及びトリエステルの3級アミン化合物、すなわち前記(c13’)成分も含んでおり、更に微量のトリエタノールアミン及びその4級化物、並びに微量の脂肪酸を含んでいた。4級化後のモノエステルの3級アミン化合物(c11’)は0質量%であった。なお(c11)成分、(c12)成分、(c13)成分、(c12’)成分及び(c13’)の合計量は(M1)中、85質量%であり、(c12’)成分及び(c13’)成分の合計に対する(c11)成分、(c12)成分及び(c13)成分の合計の割合は質量比で88/12であった。また4級アンモニウム塩の(c11)成分、(c12)成分及び(c13)成分の合計における(c11)成分の割合は30質量%、(c12)成分の割合は55質量%、(c13)成分の割合は15質量%であった。更に未反応3級アミン塩の(c11’)成分、(c12’)成分及び(c13’)成分の合計における(c11’)成分の割合は0質量%、(c12’)成分の割合は18質量%、(c13’)成分の割合は82質量%であった。ここで(c11)成分、(c12)成分、(c13)成分、(c11’)成分、(c12’)成分及び(c13’)成分の割合、並びにその他成分の分析はHPLCを用い下記条件により測定した。
<HPLC条件>
カラム:Inertsil NH2 5μm(4.6×250mm) 室温(25℃)
移動相:0.05質量%TFA ヘキサン:MeOH:THF=85:10:5(質量比)
流速:測定開始から10分までは0.8mL/min、測定開始から10分超55分までは1.2mL/min、測定開始から55分超60分までは0.8mL/min
注入:20μL
検出:CAD
(c−2)の製造
パーム油を原料とした酸価206.9mgKOH/gの脂肪酸と、N−ヒドロキシエチル−N−アミノプロピル−N−メチルアミンとを、仕込みモル比が1.8/1(脂肪酸/アミン)で混合した溶液500gを、1L4つ口フラスコに仕込み撹拌下窒素を導入し、生成する水を脱水管で系外に除去しながら3時間かけて180℃まで加熱した。180〜230℃の温度で更に10時間保持した後、反応物の一部を採取してAVを測定し2.0以下であることを確認した。その後、室温まで冷却し、N−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N−メチルアミン(アルカノイル基はパーム油脂肪酸組成)を主成分とする縮合物を得た。
このアミンに対して当量の塩酸を用いて中和し、N−アルカノイルアミノプロピル−N−アルカノイルオキシエチル−N−メチルアミンの塩酸塩(c21)81質量%、N−アルカノイルアミノプロピル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアミンの塩酸塩(c22)14質量%、及び脂肪酸5質量%の混合物(M2)を得た。(c21)及び(c22)の比率は下記条件によって測定した。
<HPLC条件>
カラム:Thermo Hypersil GOLD(長さ50、直径2.1mm、粒径1.9μm)
溶離液A:0.01mol/L 酢酸NH4を含む超純水
溶離液B:0.01mol/L 酢酸NH4を含むメタノール
流通方法:グラジエント、溶離液Bの濃度が測定開始から2分までは60質量%、測定開始から2分超8分までは100質量%、測定開始から8分超、11分までは60質量%
カラム温度:40℃
流量 :0.5mL/min
注入量: 5μL
検出方法:ESI−MS
<(d)成分>
炭素数12の飽和アルコールにEOを平均20モル付加させた非イオン性界面活性剤
<(e)成分>
塩化カルシウム
<芳香性水性組成物を含む液体柔軟剤組成物>
製造方法A
最終の液体柔軟剤組成物が300gになるように上記の各成分を表1,2に記載の配合量にしたがって使用し柔軟剤組成物を製造した。
一枚の長さが2.5cmのタービン型羽根が3枚ついた攪拌羽根をビーカー底面より1cm上部に設置した、500mLのガラスビーカーに必要量の95質量%イオン交換水を入れ、ウォーターバスで62℃まで昇温した。
500rpmで攪拌しながら、ビーカーに対して融解させた(d)成分を添加した後、更に融解させた(c)成分を添加した。
次に35質量%塩酸水溶液、及び/又は48質量%水酸化ナトリウム水溶液を表1,2に記載のpHになるようにビーカーに対して添加した。
その後、溶融した(a)成分と溶融した(b)成分とを予め十分に混合した混合液を添加して5分間攪拌した。これを5℃のウォーターバスで30℃まで冷却し、(e)成分を添加し更に5分間混合した。
最後に再度pHを確認し、必要に応じて35質量%塩酸水溶液、及び/又は48質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整した。表1,2の組成において(c−1)成分は、ほぼすべて塩酸塩の状態で組成物に存在する。なお、表1,2中、(c)成分は(c−1)〜(c−4)そのものの配合量である。
製造方法B
ビーカーに対して溶融した(a)成分を添加して5分間撹拌した後、更に(b)成分を添加して5分間攪拌したこと以外は製造方法Aと同様に芳香性水性組成物の製造を行った。
<繊維製品処理剤による処理方法>
市販の木綿肌着(ブランド名:グンゼYG、木綿100%、新品)を5枚用意し、全自動洗濯機(ナショナルNA−F60E)を用い、市販の弱アルカリ性洗剤(花王株式会社製アタック)を用いて5回洗濯し、前処理した。なお、洗濯機の標準コースを選択し、水温20℃の水道水を40L使用して洗剤濃度を0.0667質量%とした。
再び、同洗濯機によりアタックを用いて標準コースにより洗浄後、最終濯ぎ水が入る段階で、実施例及び比較例で調整した液体柔軟剤組成物を衣料1.5kgに対して10g溶解させ、5枚の肌着を5分間浸漬し、その後、洗濯機で脱水して自然乾燥させた。
<残香性評価>
上記の方法により処理した衣類について、処理から8時間後の残香強度を5名の評価者で以下の基準で評価した。5人の平均値を表1,2に示す。
(残香強度の評価基準)
2点:残香性が強く感じられる
1点:残香性が弱く感じられる
0点:残香性が感じられない
Figure 2016053227
Figure 2016053227
実施例及び比較例の結果から明らかなように、本発明によれば、衣類に対して優れた残香性を付与することができる芳香性水性組成物、特に液体柔軟剤組成物に適用するのに好適な芳香性水性組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 下記(a)成分及び(b)成分を、(b)成分に対する(a)成分の質量比[(a)/(b)]が0.1以上、10以下になるように配合してなる、繊維製品を処理するための芳香性水性組成物。
    (a)成分:ケトン基又はアルデヒド基を有する香料成分
    (b)成分:−R1−NHR2−NH2(式中、R1及びR2は炭素数1以上、5以下のアルキレン基を示し、R1はSiと直接結合している。)で表される置換基で変性され、アミノ当量が100g/mol以上、8,000g/mol以下であるアミノ変性シリコーン化合物
  2. 更に、窒素原子に結合する基のうち1個以上、3個以下がエステル基、アミド基もしくはエーテル基で分断されていてもよい炭素数12以上、26以下の有機基であって、該有機基が炭素数12以上の鎖式炭化水素基を有するものであり、残りが炭素数1以上、3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である4級アンモニウム塩化合物を含有する、請求項1に記載の芳香性水性組成物。
  3. 前記(a)成分及び前記(b)成分を溶融して混合した混合液と水とを混合してなる、請求項1又は2に記載の芳香性水性組成物。
  4. 前記(b)成分の配合量が0.01質量%以上、10質量%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の芳香性水性組成物。
  5. 前記(a)成分として、δ−ダマスコン、シトラール、β−イオノン、リリアール、及びシトロネラールから選ばれる1種以上を用いる、請求項1〜4のいずれかに記載の芳香性水性組成物。
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