JP2016037084A - インパネリインフォースの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両前面衝突の形態が、オフセット衝突であっても、フルラップ衝突であっても、インパネリインフォースメントへの影響を抑制することができるインパネリインフォースの取付構造を得る。【解決手段】相対移動機構42によって、インパネリインフォースメント28からステアリングサポート38に設定値W以上の荷重が入力されることで当該ステアリングサポート38のダッシュトゥブレース40に対する相対移動が許容されている。また、相対移動機構42によって、ダッシュパネル18からダッシュトゥブレース40に設定値W以上の荷重が入力されることによるダッシュトゥブレース40のステアリングサポート38に対する相対移動も許容されている。このため、車両10のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時において、衝突荷重がインパネリインフォースメント28に直接入力されることを抑制することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、インパネリインフォースの取付構造に関する。
下記特許文献1には、インパネリインフォースの取付構造に関する発明が開示されている。このインパネリインフォースの取付構造では、ブレース部材が前側ブラケットと後側ブラケットとを含んで構成されおり、前側ブラケットの前端部がカウルインナパネルに連結され、後側ブラケットの後端部がインパネリインフォースメントに連結されている。また、後側ブラケットの前端部にはスリットが設けられており、このスリットに挿通されたボルトと、このボルトが螺合されたケースナットとによって、後側ブラケットの前端部と前側ブラケットの後端部とが相対移動可能に締結固定されている。
このため、車両のオフセット衝突によってインパネリインフォースメントが押圧されて車両後方側へ移動し、それに伴い後側ブラケットが車両後方側に引っ張られると、後側ブラケットが前側ブラケットに対して車両後方側に相対移動する。そして、前側ブラケットと後側ブラケットとの締結状態が解除されると共に、後側ブラケットが前側ブラケットから離脱する。その結果、オフセット衝突によるインパネリインフォースメントへの影響を抑制することができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載された先行技術では、フルラップ衝突時にカウルインナパネルが押圧されてブレース部材が車両後方側に移動することによるインパネリインフォースメントへの影響については言及されていない。
本発明は上記事実を考慮し、車両前面衝突の形態が、オフセット衝突であっても、フルラップ衝突であっても、インパネリインフォースメントへの影響を抑制することができるインパネリインフォースの取付構造を得ることが目的である。
請求項1記載の本発明に係るインパネリインフォースの取付構造は、車両幅方向に延在すると共に両端部が車体骨格部材に固定されたインパネリインフォースメントに設けられた後側部材と、前記後側部材と前記インパネリインフォースメントの車両前方側でかつパワーユニット室とキャビンとを隔てる位置に配設された隔壁とを連結する前側部材と、前記インパネリインフォースメントから前記後側部材に設定値以上の荷重が入力されることで当該後側部材の前記前側部材に対する相対移動を許容すると共に、前記隔壁から当該前側部材に当該設定値以上の荷重が入力されることで当該前側部材の当該後側部材に対する相対移動を許容する相対移動機構と、を有している。
請求項1記載の本発明によれば、車両幅方向に延在するインパネリインフォースメントの両端部が車体骨格部材に固定されると共に、当該インパネリインフォースメントには、後側部材が設けられている。そして、後側部材とインパネリインフォースメントの車両前方側でかつパワーユニット室とキャビンとを隔てる位置に配設された隔壁とが前側部材によって連結されている。
このため、車両にオフセット衝突による衝突荷重が加えられると、車体骨格部材が変形すると共に、インパネリインフォースメントが押圧されて車両後方側へ移動し、それに伴い後側部材が車両後方側に引っ張られる。また、車両にフルラップ衝突による衝突荷重が加えられると、隔壁が押圧されて車両後方側へ移動し、当該隔壁によって前側部材が車両後方側へ押圧される。
ここで、本発明では、相対移動機構を有しており、インパネリインフォースメントから後側部材に設定値以上の荷重が入力されることで当該後側部材の前側部材に対する相対移動が許容されている。このため、車両のオフセット衝突時において、後側部材が設定値以上の引張荷重でインパネリインフォースメントに引っ張られると、当該後側部材が前側部材に対して車両後方側へ相対移動する。
また、本発明では、相対移動機構を有することによって、隔壁から前側部材に設定値以上の荷重が入力されることによる当該前側部材の後側部材に対する相対移動も許容されている。このため、車両のフルラップ衝突時において、前側部材が設定値以上の押圧荷重で隔壁から押圧されると、当該前側部材が後側部材に対して車両後方側へ相対移動する。従って、本発明では、車両のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時において、衝突荷重がインパネリインフォースメントに直接入力されることを抑制することができる。
請求項2に記載の本発明に係るインパネリインフォースの取付構造は、請求項1に記載の発明において、前記後側部材は、ステアリングコラムを支持するステアリングサポートであり、前記隔壁は、前記パワーユニット室と前記キャビンとを隔てるダッシュパネル又は当該ダッシュパネルの車両上方側の端部に設けられると共に車両幅方向に延設されたカウルパネルであり、前記前側部材は、前記ダッシュパネルと前記ステアリングサポートとを連結するダッシュトゥブレース又は前記カウルパネルと当該ステアリングサポートとを連結するカウルトゥブレースである。
請求項2に記載の本発明によれば、ステアリングコラムを支持するステアリングサポートが、ダッシュトゥブレースによってダッシュパネルと又はカウルトゥブレースによってカウルパネルと連結されている。
このため、ステアリングサポートがダッシュトゥブレースによってダッシュパネルと連結されている場合には、車両のフルラップ衝突時において、ダッシュトゥブレースがダッシュパネルから押圧される。そして、ダッシュパネルからダッシュトゥブレースへの押圧荷重が設定値以上であると、当該ダッシュトゥブレースがステアリングサポートに対して車両後方側へ相対移動する。
一方、ステアリングサポートがカウルトゥブレースによってカウルパネルと連結されている場合には、車両のフルラップ衝突時において、カウルトゥブレースがカウルパネルから押圧される。そして、カウルパネルからカウルトゥブレースへの押圧荷重が設定値以上であると、当該カウルトゥブレースがステアリングサポートに対して車両後方側へ相対移動する。従って、車両のフルラップ衝突時において、ステアリングサポートの乗員側への移動が抑制され、ひいてはステアリングサポートに取り付けられるステアリングホイールの乗員側への移動が抑制される。
ところで、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースを車両のフルラップ衝突による衝突荷重によって変形可能な構成とすることによっても、車両のフルラップ衝突時におけるステアリングサポートの乗員側への移動を抑制することが可能である。しかしながら、この場合、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースの剛性設計の自由度が制限される。
ここで、本発明では、上述したように、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースがステアリングサポートに対して相対移動することによって、車両のフルラップ衝突時におけるステアリングサポートの乗員側への移動が抑制されている。このため、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースの剛性設計の自由度を確保することができる。
請求項3に記載の本発明に係るインパネリインフォースの取付構造は、請求項2に記載の発明において、前記ステアリングサポートには、車両前後方向に延在しかつ車両上方側に凸となるように形成されたレール部が形成されており、前記レール部は、前記ダッシュトゥブレース又は前記カウルトゥブレースに形成された一対の側壁部に挟持されている。
請求項3記載の本発明によれば、ステアリングサポートには、車両前後方向に延在しかつ車両上方側に凸となるように形成されたレール部が形成されており、一方、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースには、一対の側壁部が形成されている。そして、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースに形成された一対の側壁部によってステアリングサポートのレール部が挟持されている。
このため、車両のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時において、ダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースがステアリングサポートに沿って移動する。しかも、ステアリングサポートにダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースが組み付けられた状態では、これらの部材が一体化して高剛性部を構成する。その結果、車両のオフセット衝突及びフルラップ衝突による衝突荷重によってステアリングサポートに発生する曲げ応力の影響を抑制することができる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係るインパネリインフォースの取付構造は、車両前面衝突の形態が、オフセット衝突であっても、フルラップ衝突であっても、インパネリインフォースメントへの影響を抑制することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係るインパネリインフォースの取付構造は、車両のフルラップ衝突時におけるステアリングホイールと乗員との間のスペースの確保及びダッシュトゥブレース又はカウルトゥブレースの剛性の確保を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項3記載の本発明に係るインパネリインフォースの取付構造は、車両のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時おけるブレース及びステアリングサポートの移動方向を車両前後方向に規制することができるという優れた効果を有する。
<第1実施形態>
以下、図1〜図6を用いて本発明に係るインパネリインフォースの取付構造の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
以下、図1〜図6を用いて本発明に係るインパネリインフォースの取付構造の第1実施形態について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印OUTは車両幅方向外側を示している。
まず、図6を用いて本実施形態に係る車両10の前部構造について説明する。図6に示されるように、車体12の車体前部14には、図示しないパワーユニットが収容されるパワーユニット室16が設けられている。このパワーユニット室16の車両後方側には、車両幅方向に延在すると共に車体12の一部を構成する隔壁としての樹脂製のダッシュパネル18が設けられており、当該ダッシュパネル18によってパワーユニット室16とキャビン20とが隔てられている。このダッシュパネル18の上端部には、車両幅方向に延設された隔壁としてのカウルトップパネル22が接合されており、一方、パワーユニット室16側(車両前方側)の面には、図4にも示されるように、ブレーキブースター24が配置されている。
また、車体12の両側部における車両前方側には、車体骨格部材としての一対のフロントピラー26が設けられており、当該フロントピラー26間には、インパネリインフォースメント28が架け渡されている。このインパネリインフォースメント28は、後述するステアリングコラム56や図示しないインストルメントパネル等を支持する支持部材として機能している。詳しくは、インパネリインフォースメント28は、助手席側に配置された小径部30と、運転席側に配置された大径部32と、小径部30と大径部32とを連結する連結部34と、を含んで構成されている。
小径部30は、車両幅方向に延在する筒状に形成されており、一方、大径部32も小径部30と同様に、車両幅方向に延在する筒状、より詳細には、その内径及び外径が小径部30の内径及び外形よりも大きく設定された筒状に形成されている。また、連結部34は、大径部32における小径部30側(助手席側)の端部に大径部32と一体に形成されており、小径部30側にいくにつれて縮径すると共に小径部30の外形に合うように絞られている。そして、連結部34の助手席側の端部と小径部30の運転席側の端部とが溶接等の接合手段によって接合されている。
なお、インパネリインフォースメント28の車両幅方向両端部には、固定ブラケット36が設けられており、当該固定ブラケット36は、一例として、逆三角形状の鋼板で形成されると共に厚さ方向を車両幅方向とされて配置されている。そして、これらの固定ブラケット36が、ボルト等の締結部材や溶接等の接合手段によってフロントピラー26に取り付けられることにより、インパネリインフォースメント28が車体12に対して固定されている。
ここで、本実施形態では、後側部材としてのステアリングサポート38と、前側部材としてのダッシュトゥブレース40と、相対移動機構42と、を含んでインパネリインフォースメント28の取付構造が構成されている。以下、本発明の要部であるインパネリインフォースメント28の取付構造の構成について詳細に説明する。
図1に示されるように、ステアリングサポート38は、レール部46、取付部48及び軸板部50を含んで鋼板等のプレス加工によって形成されている。レール部46は、車両上方側に面する上壁部46A及び車両幅方向に面する一対の側壁部46Bを含んで構成されており、図4にも示されるように、車両前方下方側から車両後方上方側に延在しかつ車両下方側が開放された角筒状に形成されている。換言すれば、レール部46は、車両前後方向に延在しかつ車両上方側に凸となるように形成されている。また、側壁部46Bの車両前後方向中央部には、車両下方側に開放された半円状の切欠部52が形成されている。そして、切欠部52にインパネリインフォースメント28の大径部32が嵌合されると共に、当該大径部32が溶接等の接合手段によって側壁部46Bに接合されている。
取付部48は、底壁部48Aと補強壁部48Bとを含んでレール部46と一体に形成されると共に、側壁部46Bの下端部における車両後方側の部分に沿って設けられている。より詳しくは、底壁部48Aは、側壁部46Bの下端部からレール部46の幅方向外側に向かって延出された矩形平板状とされている。一方、補強壁部48Bは、底壁部48Aにおけるレール部46と反対側の端部から車両上方側に向かって延出された矩形平板状とされている。
また、底壁部48Aの車両後方側の端部には、挿通孔54が形成されており、図示しないボルト及びナットを介して、ステアリングコラム56のブレイクアウエイブラケット58が締結固定されている。一方、取付部48の車両前方側端部には、溶接等の接合手段によってインパネリインフォースメント28の大径部32が接合されている。なお、ステアリングコラム56におけるステアリングメインシャフト60の先端部(車両後方側の端部)には、図示しないステアリングホイールが取り付けられている。
軸板部50は、レール部46の側壁部46Bにおける車両前方側の端部から車両下方側に向かって延出されると共に厚さ方向を車両幅方向とされた矩形平板状とされている。そして、軸板部50の車両下方側の端部には、挿通孔62が形成されており、当該挿通孔62には、図示しないチルトヒンジボルトを介して、ステアリングコラム56の図示しないチルトブラケットが軸支されている。
一方、ダッシュトゥブレース40は、車両幅方向に面する一対の側壁部40A、車両上方側に面する上壁部40B及び車両前後方向に面する取付壁部40Cを含んで構成されている。より詳しくは、側壁部40Aは、図4にも示されるように、車両幅方向から見て底辺を車両上方側とされた二等辺三角形状とされると共に、当該側壁部40Aの車両下方側の端部がレール部46の長手方向に沿うように形成されている。
また、側壁部40Aは、側壁部40A間にレール部46が納まるように間隔をあけて配置されており、これらの側壁部40Aによってレール部46が挟持されている。そして、それぞれの側壁部40Aにおける車両下方側の車両前後方向両端部には、スライド部材44が配置される2つの矩形状の長孔64が、当該側壁部40Aの車両下方側の端部(レール部46の長手方向)に沿って形成されている。
上壁部40Bは、平板状に形成されると共に側壁部40Aの車両上方側の端部間に架け渡されており、側壁部40A間における車両上方側を車両前方側の一部及び車両後方側の一部を除いて覆っている。一方、取付壁部40Cは、側壁部40Aの車両前方側の端部間に架け渡されており、より詳細には、厚さ方向を車両前後方向とされた矩形板状に形成されている。
そして、取付壁部40Cには、図示しない挿通孔が形成されており、ボルト66及びダッシュパネル18の車両前方側の面に設けられた図示しない締結部材を介して取付壁部40Cがダッシュパネル18に固定されている。また、上記のように構成されたダッシュトゥブレース40を全体として見ると、当該ダッシュトゥブレース40は、ステアリングサポート38の車両上方側に配置されている。より具体的には、ダッシュトゥブレース40は、その上壁部40Bの車両後方側の端部とレール部46の上壁部46Aとの間に隙間があけられた状態で配置されている。
一方、相対移動機構42は、スライド部材44を含んで構成されている。このスライド部材44は、図2及び図3に示されるように、平面視で長方形板状の本体部44Aと、当該本体部44Aから突設されて平面視で本体部44Aよりも長手方向の長さが短い矩形状に形成された嵌合部44Bと、を含んで樹脂材等で構成されている。より詳しくは、嵌合部44Bは、スライド部材44が長孔64に配置された状態において、嵌合部44Bとレール部46の側壁部46Bとの間に間隔Dが設定されるように、その厚さが設定されると共に、ダッシュトゥブレース40の長孔64に嵌合されている。
また、スライド部材44の中央部には、挿通孔68が形成されている。一方、レール部46には、側壁部46Bにおけるレール部46の幅方向内側の面の車両上方側でかつ車両前方側の部分及び車両上方側でかつレール部46の長手方向中央部にウエルドナット70が設けられている。そして、ボルト72がスライド部材44の挿通孔68に挿通されると共に、ウエルドナット70に螺合されることにより、ダッシュトゥブレース40がステアリングサポート38に取り付けられている。なお、ダッシュトゥブレース40の初期状態における取付位置は、スライド部材44が長孔64の中央に配置される位置に設定されている。
上記のように構成されたダッシュトゥブレース40及びステアリングサポート38は、これらのうち少なくとも一方に所定の荷重が作用すると長孔64に沿って互いに相対移動(スライド)することが許容されている。より詳しくは、ステアリングサポート38を基準とすると、ダッシュトゥブレース40は、長孔64の長手方向の寸法Lの半分すなわち2/Lだけ、長孔64の長手方向一方側又は他方側に移動するように構成されている。
また、ボルト72の締結トルクを適宜変更することで、ダッシュトゥブレース40及びステアリングサポート38が相対移動され始める荷重の設定値Wを設定することができる。つまり、本実施形態では、スライド部材44、ボルト72、ウエルドナット70及び長孔64を含んで相対移動機構42が構成されている。なお、設定値Wは、スライド部材44とレール部46との間隔Dの変更やスライド部材44の材質をゴム等に変更して摩擦係数を変更することによっても設定することが可能である。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
本実施形態では、図1に示されるように、車両幅方向に延在するインパネリインフォースメント28の両端部が一対のフロントピラー26に固定されると共に、当該インパネリインフォースメント28には、ステアリングサポート38が設けられている。そして、ステアリングサポート38とインパネリインフォースメント28の車両前方側でかつパワーユニット室16とキャビン20とを隔てる位置に配設されたダッシュパネル18とがダッシュトゥブレース40によって連結されている。
このため、車両10にオフセット衝突による衝突荷重が加えられると、フロントピラー26が変形すると共に、図4に示されるように、インパネリインフォースメント28が押圧されて車両後方側へ移動する。そして、インパネリインフォースメント28によってステアリングサポート38が車両後方側に引っ張られる。
また、車両10にフルラップ衝突による衝突荷重が加えられると、図5に示されるように、ブレーキブースター24等によってダッシュパネル18が押圧されて車両後方側へ移動する。そして、ダッシュパネル18によってダッシュトゥブレース40が車両後方側へ押圧される。
ここで、本実施形態では、相対移動機構42を有しており、インパネリインフォースメント28からステアリングサポート38に設定値W以上の荷重が入力されることで当該ステアリングサポート38のダッシュトゥブレース40に対する相対移動が許容されている。このため、車両10のオフセット衝突時において、ステアリングサポート38が設定値W以上の引張荷重Sでインパネリインフォースメント28に引っ張られると、ステアリングサポート38がダッシュトゥブレース40に対して車両後方側へ相対移動する。なお、このとき、スライド部材44は、ステアリングサポート38と一体となって車両後方側に移動する。
また、本実施形態では、相対移動機構42を有することによって、ダッシュパネル18からダッシュトゥブレース40に設定値W以上の荷重が入力されることによるダッシュトゥブレース40のステアリングサポート38に対する相対移動も許容されている。
このため、車両10のフルラップ衝突時において、ダッシュトゥブレース40が設定値W以上の押圧荷重Tでダッシュパネル18から押圧されると、ダッシュトゥブレース40がステアリングサポート38に対して車両後方側へ相対移動する。
従って、本実施形態では、車両10のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時において、衝突荷重がインパネリインフォースメント28に直接入力されることを抑制することができる。その結果、車両前面衝突の形態が、オフセット衝突であっても、フルラップ衝突であっても、インパネリインフォースメントへの影響を抑制することができる。
また、本実施形態では、ステアリングコラム56を支持するステアリングサポート38が、ダッシュトゥブレース40によってダッシュパネル18と連結されている。このため、車両10のフルラップ衝突時において、ダッシュトゥブレース40がダッシュパネル18から押圧される。
そして、ダッシュパネル18からダッシュトゥブレース40への押圧荷重Tが設定値W以上であると、当該ダッシュトゥブレース40がステアリングコラム56を支持するステアリングサポート38に対して車両後方側へ相対移動する。その結果、車両10のフルラップ衝突時において、ステアリングサポート38の乗員側への移動が抑制され、ひいてはステアリングサポート38に取り付けられたステアリングホイールの乗員側への移動が抑制される。
ところで、ダッシュトゥブレース40を車両10のフルラップ衝突による衝突荷重によって変形可能な構成とすることによっても、車両10のフルラップ衝突時におけるステアリングサポート38の乗員側への移動を抑制することが可能である。しかしながら、この場合、ダッシュトゥブレース40の剛性設計の自由度が制限される。
ここで、本実施形態では、上述したように、ダッシュトゥブレース40がステアリングサポート38に対して相対移動することによって、車両10のフルラップ衝突時におけるステアリングサポート38の乗員側への移動が抑制されている。このため、ダッシュトゥブレース40の剛性設計の自由度を確保し、ダッシュトゥブレース40を高剛性部材として構成することができる。その結果、本実施形態では、車両10のフルラップ衝突時におけるステアリングホイールと乗員との間のスペースの確保及びダッシュトゥブレース40の剛性の確保を図ることができる。
さらに、本実施形態では、ステアリングサポート38には、車両前後方向に延在しかつ車両上方側に凸となるように形成されたレール部46が形成されており、一方、ダッシュトゥブレース40には、一対の側壁部46Bが形成されている。そして、ダッシュトゥブレース40に形成された一対の側壁部40Aによってステアリングサポート38のレール部46が挟持されている。このため、車両10のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時において、ダッシュトゥブレース40がステアリングサポート38に沿って移動する。
しかも、レール部46が車両上方側に凸となるように形成されていることでステアリングサポート38の剛性を確保することができる。さらに、ステアリングサポート38にダッシュトゥブレース40が組み付けられた状態では、これらの部材が一体化して高剛性部を構成する。このため、車両10のオフセット衝突及びフルラップ衝突による衝突荷重によってステアリングサポート38に発生する曲げ応力の影響を抑制することができる。従って、本実施形態では、車両10のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時おけるダッシュトゥブレース40及びステアリングサポート38の移動方向を車両前後方向に規制することができる。
加えて、本実施形態では、オフセット衝突時及びフルラップ衝突時おけるダッシュトゥブレース40及びステアリングサポート38の移動方向を規制することで、ステアリングホイールに設けられたエアバッグが乗員に向かって展開する確度の向上に寄与する。また、ダッシュパネル18を強化樹脂で構成したり、ダッシュパネル18に芯材を設けることにより、エアバッグが乗員に向かって展開する確度を一層向上させることが可能である。
<第2実施形態>
次に、図7及び図8を用いて、本発明に係るインパネリインフォースメント28の取付構造の第2実施形態の特に相対移動機構42の構成について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一の番号を付してその説明を省略する。
次に、図7及び図8を用いて、本発明に係るインパネリインフォースメント28の取付構造の第2実施形態の特に相対移動機構42の構成について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一の番号を付してその説明を省略する。
上述した第1実施形態においては、ダッシュトゥブレース40の側壁部40Aのみに長孔64が形成されていたが、本実施形態では、ステアリングサポート38のレール部46にも長孔80が形成されている点に第1の特徴がある。また、上述した第1実施形態においては、ボルト72がウエルドナット70に螺合されていたが、本実施形態では、ナット82に螺合されている点に第2の特徴がある。つまり、本実施形態では、長孔80及びウエルドナット70を含んで、相対移動機構42が構成されている。
詳しく説明すると、長孔80は、レール部46の側壁部46Bにおける車両上方側でかつ車両前方側の部分及び車両上方側でかつ当該レール部46の長手方向中央部に形成されている。また、長孔80は、レール部46の長手方向に沿って形成されると共に、長手方向の寸法(長さ)及びピッチが長孔64と等しい寸法に設定されているものの、短手方向の寸法(幅)が異なっている。具体的には、長孔80の短手方向の寸法は、長孔64の短手方向の寸法よりも短く設定されると共にボルト72の軸部72Aを挿通可能な寸法に設定されている。
そして、ボルト72が、レール部46の幅方向外側からスライド部材44の挿通孔68及び長孔80に挿通されると共に、ボルト72にレール部46の幅方向内側からナット82が螺合されている。これにより、ダッシュトゥブレース40がステアリングサポート38に取り付けられている。なお、本実施形態では、一例として、ダッシュトゥブレース40の初期状態における取付位置が、スライド部材44が長孔64及び長孔80の車両後方側の端部に配置される位置に設定されている。
このように構成されたインパネリインフォースメント28の取付構造では、スライド部材44がステアリングサポート38及びダッシュトゥブレース40に対して相対移動することが可能とされている。このため、ステアリングサポート38とダッシュトゥブレース40との相対移動距離を第1実施形態と比し、延長することができる。
具体的に説明すると、車両10のオフセット衝突時において、スライド部材44が長孔64の車両後方側の端部に配置された状態で、ステアリングサポート38はダッシュトゥブレース40に対して車両後方側へ相対移動することができる。このため、ステアリングサポート38は、ダッシュトゥブレース40に対して、長孔64及び長孔80の長手方向の寸法Lだけ相対移動することが可能となる。
一方、車両10のフルラップ衝突時では、スライド部材44が長孔80の車両後方側の端部に配置された状態で、ダッシュトゥブレース40はステアリングサポート38に対して車両後方側へ相対移動することができる。このため、ダッシュトゥブレース40は、ステアリングサポート38に対して、長孔64及び長孔80の長手方向の寸法Lだけ相対移動することが可能となる。
また、スライド部材44は、設定値W以上の押圧荷重で当該スライド部材44又はボルト72の軸部72Aが押圧されると、ボルト72と一体となって、長孔64及び長孔80に沿って移動するようになっている。従って、上述した車両10のオフセット衝突時及びフルラップ衝突時におけるステアリングサポート38及びダッシュトゥブレース40の挙動は、初期状態のスライド部材44の取付位置が、長孔64及び長孔80の車両前方側の端部であっても同様である。
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、ダッシュトゥブレース40によってダッシュパネル18とステアリングサポート38とを連結する構成としたが、これに限らない。例えば、ダッシュトゥブレース40をカウルトゥブレースとして用いてカウルトップパネル22とステアリングサポート38とを連結する構成としてもよい。
(1) 上述した実施形態では、ダッシュトゥブレース40によってダッシュパネル18とステアリングサポート38とを連結する構成としたが、これに限らない。例えば、ダッシュトゥブレース40をカウルトゥブレースとして用いてカウルトップパネル22とステアリングサポート38とを連結する構成としてもよい。
(2) また、上述した実施形態では、インパネリインフォースメント28の取付構造が運転席側に適用されているが、より単純な構成として助手席側に適用してもよい。具体的には、ダッシュパネル18又はカウルトップパネル22に車両後方側に延出された溝型鋼を配置し、小径部30に車両前方側に延出された溝型鋼を配置すると共に、これらの溝型鋼に相対移動機構42を設ける構成としてもよい。
(3) さらに、上述した実施形態では、ステアリングサポート38やダッシュトゥブレース40に長孔を設ける構成としたが、長孔の代わりにボルト挿通孔とスリットとを組み合わせて用いる構成としてもよい。このような構成によれば、ステアリングサポート38とダッシュトゥブレース40の相対移動時において、スリットの周辺部が変形し、衝突エネルギーを吸収することができる。
(4) 加えて、上述した実施形態では、ダッシュトゥブレース40に切欠部を設ける構成とはしていないが、ステアリングコラム56等の支持に必要な剛性を確保できる範囲で切欠部を設けても良い。また、車両10のフルラップ衝突時において、ダッシュトゥブレース40が所定量変形した後にステアリングサポート38に対して相対移動する構成としてもよい。
(5) さらに加えて、上述した実施形態では、オフセット衝突時及びフルラップ衝突時のインパネリインフォースメント28の取付構造の挙動を例として挙げたが、当該インパネリインフォースメント28の取付構造は、その他の形態の衝突にも有効である。特に、上述した実施形態に係るインパネリインフォースメント28の取付構造は、電柱等のポールから車両幅方向の中央部に局部的に衝撃荷重が入力される所謂ポール前面衝突に対して有効に機能する。
10 車両
16 パワーユニット室
18 ダッシュパネル(隔壁)
20 キャビン
22 カウルトップパネル(隔壁、カウルパネル)
26 フロントピラー(車体骨格部材)
28 インパネリインフォースメント
38 ステアリングサポート(後側部材)
40 ダッシュトゥブレース(前側部材、カウルトゥブレース)
40A 側壁部
42 相対移動機構
46 レール部
W 設定値
16 パワーユニット室
18 ダッシュパネル(隔壁)
20 キャビン
22 カウルトップパネル(隔壁、カウルパネル)
26 フロントピラー(車体骨格部材)
28 インパネリインフォースメント
38 ステアリングサポート(後側部材)
40 ダッシュトゥブレース(前側部材、カウルトゥブレース)
40A 側壁部
42 相対移動機構
46 レール部
W 設定値
Claims (3)
- 車両幅方向に延在すると共に両端部が車体骨格部材に固定されたインパネリインフォースメントに設けられた後側部材と、
前記後側部材と前記インパネリインフォースメントの車両前方側でかつパワーユニット室とキャビンとを隔てる位置に配設された隔壁とを連結する前側部材と、
前記インパネリインフォースメントから前記後側部材に設定値以上の荷重が入力されることで当該後側部材の前記前側部材に対する相対移動を許容すると共に、前記隔壁から当該前側部材に当該設定値以上の荷重が入力されることで当該前側部材の当該後側部材に対する相対移動を許容する相対移動機構と、
を有するインパネリインフォースの取付構造。 - 前記後側部材は、ステアリングコラムを支持するステアリングサポートであり、
前記隔壁は、前記パワーユニット室と前記キャビンとを隔てるダッシュパネル又は当該ダッシュパネルの車両上方側の端部に設けられると共に車両幅方向に延設されたカウルパネルであり、
前記前側部材は、前記ダッシュパネルと前記ステアリングサポートとを連結するダッシュトゥブレース又は前記カウルパネルと当該ステアリングサポートとを連結するカウルトゥブレースである、
請求項1に記載のインパネリインフォースの取付構造。 - 前記ステアリングサポートには、車両前後方向に延在しかつ車両上方側に凸となるように形成されたレール部が形成されており、
前記レール部は、前記ダッシュトゥブレース又は前記カウルトゥブレースに形成された一対の側壁部に挟持されている、
請求項2に記載のインパネリインフォースの取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014159861A JP2016037084A (ja) | 2014-08-05 | 2014-08-05 | インパネリインフォースの取付構造 |
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Publications (1)
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ID=55528591
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014159861A Pending JP2016037084A (ja) | 2014-08-05 | 2014-08-05 | インパネリインフォースの取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016037084A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108146515A (zh) * | 2016-11-29 | 2018-06-12 | 丰田自动车株式会社 | 车辆前部结构 |
KR102024776B1 (ko) * | 2018-12-10 | 2019-09-25 | 덕양산업 주식회사 | 인서트 사출 성형구조를 갖는 카울크로스맴버 |
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KR102414188B1 (ko) * | 2021-11-26 | 2022-06-29 | 덕양산업 주식회사 | 충격저감형 결합구조가 부설된 일체형 카울크로스맴버 |
-
2014
- 2014-08-05 JP JP2014159861A patent/JP2016037084A/ja active Pending
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CN108146515A (zh) * | 2016-11-29 | 2018-06-12 | 丰田自动车株式会社 | 车辆前部结构 |
US10358166B2 (en) | 2016-11-29 | 2019-07-23 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Vehicle front section structure |
KR102024776B1 (ko) * | 2018-12-10 | 2019-09-25 | 덕양산업 주식회사 | 인서트 사출 성형구조를 갖는 카울크로스맴버 |
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