JP2015016718A - 自動車の車室前部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小ラップ衝突時におけるフロントピラーからの荷重によってステアリングコラムが変位することを抑制する。【解決手段】自動車の運転席側が微小ラップ衝突をすることにより、運転席側のフロントピラー18Rが車両後方側へ変形すると、通常時にはインパネリインフォースメント14の車幅方向端部をフロントピラー18Rに固定している固定手段(固定ブラケット24R、ボルト26及びウェルドナット28)が、両者の相対移動を許容する。【選択図】図2
Description
本発明は、自動車の車室前部構造に関する。
下記特許文献1に記載された発明では、車室の前部にインパネリインフォースメントが設けられている。インパネリインフォースメントは、車幅方向に延びて左右の車体パネル(左右のフロントピラー)間に架け渡されている。このインパネリインフォースメントは、強度を必要とする運転席側の部分が太く、強度をあまり必要としない助手席側の部分が細く形成されている。このインパネリインフォースメントの運転席側の部分には、コラムブラケットを介してステアリングコラムが取り付けられている。
ところで、自動車の前部におけるフロントサイドメンバよりも車幅方向外側の部分が対向車等の衝突物に対して前面衝突するような衝突形態(所謂微小ラップ衝突)では、フロントサイドメンバの変形によって衝突エネルギを吸収することができない。そのような場合、衝突側のフロントピラーが、後退してくる前輪からの荷重によって車両後方側へ変形し、左右のフロントピラー間に架け渡されたインパネリインフォースメントが、車幅方向中間部における太さが変化した部分で折れ曲ることが考えられる。
例えば、微小ラップ衝突によって運転席側のフロントピラーが車両後方側へ変形すると、インパネリインフォースメントにおける運転席側の部分が車両後方側へ変位することにより、インパネリインフォースメントが車幅方向中間部で折れ曲がることが考えられる。その場合、コラムブラケットを介してインパネリインフォースメントに取り付けられたステアリングコラムが、上記折れ曲り部を中心として車両後方側かつ車幅方向内側へ向けて斜めに変位することになるため、ステアリングホイールに配設されたエアバッグが正規の展開位置からずれる可能性がある。
本発明は上記事実を考慮し、微小ラップ衝突時におけるフロントピラーからの荷重によってステアリングコラムが変位することを抑制できる自動車の車室前部構造を得ることを目的とする。
請求項1に記載の発明に係る自動車の車室前部構造は、車室の前部に設けられたステアリングコラムと、車室の前部に車幅方向に沿って設けられ、前記ステアリングコラムが取り付けられたインパネリインフォースメントと、前記インパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに固定すると共に、前記フロントピラーが衝突荷重によって車両後方側へ変形する際には前記インパネリインフォースメントと前記フロントピラーとの相対移動を許容する固定手段と、を備えている。
請求項1に記載の発明では、例えば自動車が微小ラップ衝突をすることにより、フロントピラーが車両後方側へ変形すると、通常時にはインパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに固定している固定手段が、両者の相対移動を許容する。これにより、インパネリインフォースメントに取り付けられたステアリングコラムが、フロントピラーからの荷重によって変位することを防止又は抑制できる。
請求項2に記載の発明に係る自動車の車室前部構造は、請求項1において、前記固定手段は、前記インパネリインフォースメントの車幅方向端部に設けられた固定ブラケットと、当該固定ブラケット及び前記フロントピラーを貫通した状態で両者を締結した締結具とによって構成されており、前記固定ブラケット及び前記フロントピラーの少なくとも一方における前記締結具の貫通部が、車両前後方向を長手とする長尺状に形成されている。
請求項2に記載の発明では、フロントピラーが衝突荷重によって車両後方側へ変形する際には、インパネリインフォースメントの固定ブラケットとフロントピラーとの間に荷重が作用する。この荷重が固定ブラケットとフロントピラーとの間に作用する摩擦力を上回ると、固定ブラケット及びフロントピラーの少なくとも一方における締結具の貫通部に対して、締結具が車両前後方向に相対移動することにより、インパネリインフォースメントとフロントピラーとの相対移動が許容される。これにより、固定手段を簡単な構成にすることができる。
請求項3に記載の発明に係る自動車の車室前部構造は、請求項1において、前記固定手段は、前記インパネリインフォースメントの車幅方向端部に設けられた固定ブラケットと、当該固定ブラケット及び前記フロントピラーを貫通した状態で両者を締結した締結具とによって構成されており、前記固定ブラケットには、前記締結具の車両後方側の部分に脆弱部が設けられている。
請求項3に記載の発明では、フロントピラーが衝突荷重によって車両後方側へ変形する際には、インパネリインフォースメントの固定ブラケット及びフロントピラーを貫通した締結具から、固定ブラケットの脆弱部に対して荷重が入力される。この荷重によって脆弱部が変形することにより、インパネリインフォースメントとフロントピラーとの相対移動が許容される。これにより、固定手段を簡単な構成にすることができる。
請求項4に記載の発明に係る自動車の車室前部構造は、請求項1において、前記固定手段は、前記フロントピラーの前記変形によって破断する固定具である。
請求項4に記載の発明では、フロントピラーが衝突荷重によって車両後方側へ変形する際には、インパネリインフォースメントの固定ブラケットとフロントピラーとを固定した固定具が破断することにより、インパネリインフォースメントとフロントピラーとの相対移動が許容される。これにより、固定手段を簡単な構成にすることができる。
請求項5に記載の発明に係る自動車の車室前部構造は、車室の前部に設けられたステアリングコラムと、車室の前部に車幅方向に沿って設けられ、前記ステアリングコラムが取り付けられた本体部を有すると共に、前記ステアリングコラムよりも車幅方向外側に設けられてフロントピラーに固定された固定部を有し、前記本体部と固定部とが分割されると共に車両上下方向に沿った軸線回りに相対回転可能に連結されているインパネリインフォースメントと、を備えている。
請求項5に記載の発明では、例えば自動車が微小ラップ衝突をすることにより、フロントピラーが車両後方側へ変形すると、フロントピラーに固定されたインパネリインフォースメントの固定部が、フロントピラーと共に車両後方側へ変位する。この際には、当該固定部が、インパネリインフォースメントの本体部に対して車両上下方向に沿った軸線回りに相対回転する。これにより、上記本体部に取り付けられたステアリングコラムが、フロントピラーからの荷重によって変位することを防止又は抑制できる。
以上説明したように、本発明に係る自動車の車室前部構造では、微小ラップ衝突時におけるフロントピラーからの荷重によってステアリングコラムが変位することを抑制できる。
<第1の実施形態>
本発明の第1実施形態に係る自動車の車室前部構造10について、図1〜図5に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
本発明の第1実施形態に係る自動車の車室前部構造10について、図1〜図5に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印UP、矢印OUTは、車両の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向の外側をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
(構成)
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る自動車の車室前部構造10では、車室12の前部(前端部)にインパネリインフォースメント14が設けられている。このインパネリインフォースメント14は、車幅方向を長手とする長尺状に形成されており、車室12の前部に設けられたダッシュパネル16の車両後方側に配置されている。このインパネリインフォースメント14は、車体のドア枠の前縁部を構成する左右のフロントピラー18L、18Rの間に架け渡されている。
図1〜図3に示されるように、本実施形態に係る自動車の車室前部構造10では、車室12の前部(前端部)にインパネリインフォースメント14が設けられている。このインパネリインフォースメント14は、車幅方向を長手とする長尺状に形成されており、車室12の前部に設けられたダッシュパネル16の車両後方側に配置されている。このインパネリインフォースメント14は、車体のドア枠の前縁部を構成する左右のフロントピラー18L、18Rの間に架け渡されている。
このインパネリインフォースメント14は、金属製の長尺なパイプ材によって構成されたリインフォースメント本体20を備えている。このリインフォースメント本体20は、強度を必要とする運転席側(ここでは右側)の部分が大径部20Aとされ、強度をあまり必要としない車幅方向中央側及び助手席側の部分が大径部20Aよりも小径な小径部20Bとされている。大径部20Aと小径部20Bとは、車幅方向中央よりも運転席側に位置する接合部20C(縮径部)において、溶接等の手段により互いに接合されている。
リインフォースメント本体20の車幅方向両端部には、インパネリインフォースメント14の取付部を構成する固定ブラケット24L、24Rがそれぞれ固定されている。各固定ブラケット24L、24Rは、例えば金属板によって形成されており、板厚方向が車幅方向に沿う姿勢で配設されている。これらの固定ブラケット24L、24Rは、車幅方向から見て略逆三角形状に形成されており、溶接等の手段によってリインフォースメント本体20の車幅方向両端部にそれぞれ接合されている。
左右の固定ブラケット24L、24Rは、左右のフロントピラー18L、18Rの車幅方向内側面にそれぞれ当接している。各固定ブラケット24L、24Rには、それぞれ複数(ここでは3つ)のボルト26が車幅方向内側から貫通している。これらのボルト26は、フロントピラー18L、18Rの車幅方向内側の側壁に形成された円形の貫通孔27をも貫通しており、フロントピラー18L、18Rの断面内に接合された3つのウェルドナット28にそれぞれ螺合している。これにより、各固定ブラケット24L、24Rが各フロントピラー18L、18Rに締結固定されている。なお、ボルト26及びウェルドナット28の数は、3つに限らず適宜変更可能である。
また、インパネリインフォースメント14の車幅方向中央部と、フロアパネル30の車幅方向中央部に設けられたフロアトンネル部30Aとの間には、左右一対のフロアブレース32L、32Rが架け渡されている。左右のフロアブレース32L、32Rは、例えば板金材料によって形成されており、上端部がボルト及びナットによってインパネリインフォースメント14に締結固定され、下端部がボルト及びナットによってフロアトンネル部30Aに締結固定されている。
インパネリインフォースメント14の大径部20Aには、図示しない運転席の前方において、コラムブラケット34(ステアリングサポートブラケット)が固定されている。コラムブラケット34は、プレス成形品であり、溶接等の手段によって大径部20Aに接合されている。このコラムブラケット34は、プレス成型品である上下一対のカウルブレース36を介してカウル38に連結されている。このカウル38は、ダッシュパネル16の上端部に設けられており、左右のフロントピラー18L、18R間に掛け渡されている。
上記コラムブラケット34の下面側には、ステアリングコラム40が取り付けられている。このステアリングコラム40は、軸心部に配設された図示しないステアリングシャフトを備えており、ステアリングシャフトの後端部には、車両を操舵するためのステアリングホイール42が取り付けられている。このステアリングホイール42の中央部には、運転席用エアバッグ装置の構成部材である図示しないエアバッグモジュールが配設されている。このエアバッグモジュールは、車両の前面衝突が検知された際などに、運転席の乗員の上半身側へ向けてエアバッグ46(図2(B)参照)を膨張展開させる構成になっている。
次に、本実施形態の要部について説明する。
図3(A)に示されるように、前述したインパネリインフォースメント14において、右側(運転席側)の固定ブラケット24Rには、リインフォースメント本体20よりも車両前方側に1つの長孔48(貫通部)が形成されており、リインフォースメント本体20よりも車両後方側に上下一対の切欠50、52(貫通部)が形成されている。これらの長孔48及び切欠50、52には、前述した3つのボルト26が貫通している(挿通されている)。これらのボルト26は、前述した3つのウェルドナット28と共に締結具を構成している。また、これらのボルト26及びウェルドナット28は、固定ブラケット24Rと共に固定手段を構成している。
上記の長孔48及び切欠50、52は、車両前後方向を長手とする長尺状に形成されており、車両上下方向の寸法がボルト26のネジ部の直径よりも僅かに大径に設定される一方、車両前後方向の寸法がボルト26のネジ部の直径よりも十分に大きく設定されている。また、切欠50、52は、固定ブラケット24Rの後端縁部において、車両後方側へ開口している。各ボルト26は、通常時には、図3(A)に示されるように、長孔48及び切欠50、52の前端部側に配置されている。なお、前述したフロントピラー18Rの貫通孔27は、ボルト26のネジ部の直径よりも僅かに大径に設定されている。
図4に示されるように、固定ブラケット24Rにおける長孔48の後端部側には、車幅方向内側へ膨出した膨出部25が設けられている。この膨出部25は、例えば固定ブラケット24Rの一部が切り起こされて形成されており、車両前方側が開口している。この膨出部25は、内側にボルト26の頭部を収容可能な大きさに形成されている。
なお、本実施形態では、左側(助手席側)の固定ブラケット24Lには、上述の如き長孔48、切欠50、52及び膨出部25が設けられておらず、ボルト26のネジ部よりも若干大径に形成された3つの円孔(貫通孔)に3つのボルト26が挿通されている。
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態では、自動車の運転席側が微小ラップ衝突をすることにより、運転席側のフロントピラー18Rが車両後方側へ変形すると、通常時にはインパネリインフォースメント14の車幅方向端部をフロントピラー18Rに固定している固定手段(固定ブラケット24R、ボルト26及びウェルドナット28)が、両者の相対移動を許容する。
具体的には、フロントピラー18Rが衝突荷重F(図2(B)及び図3(B)参照)によって車両後方側へ変形する際には、インパネリインフォースメント14の固定ブラケット24Rとフロントピラー18Rとの間に荷重が作用する。この荷重が固定ブラケット24Rとフロントピラー18Rとの間に作用する摩擦力を上回ると、通常時には長孔48及び切欠50、52の前端部側に位置するボルト26が長孔48及び切欠50、52の後端部側へ移動することにより、固定ブラケット24Rに対するフロントピラー18Rの車両後方側への相対移動が許容される。
その結果、インパネリインフォースメント14に取り付けられたステアリングコラム40が、フロントピラー18Rからの荷重によって変位することを防止又は抑制できる。これにより、例えばステアリングホイール42に配設されたエアバッグ46が正規の展開位置からずれないようにすることができる。つまり、図6に示される比較例100のように、固定ブラケット24Rとフロントピラー18Rとの相対移動が許容されない場合、インパネリインフォースメント14がフロントピラー18Rと共に後退したり、図6に示される如く長手方向中間部で折れ曲がる可能性がある。その場合、ステアリングホイール42から膨張展開したエアバッグ46が車両後方側かつ車幅方向内側へ変位するが、本実施形態ではこれを回避することができる。
しかも、本実施形態では、インパネリインフォースメント14自体を変形させる構成ではないため、インパネリインフォースメント14の通常時の剛性を良好に確保することができる。その結果、コラムブラケット34を介してインパネリインフォースメント14に取り付けられたステアリングコラム40が、走行時に振動することを抑制できるので、ステアリングホイール42の操作フィールを良好にすることができる。
また、本実施形態では、長孔48及び切欠50、52が形成された固定ブラケット24Rと、ボルト26及びウェルドナット28とによって固定手段が構成されているので、固定手段を簡単な構成にすることができる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、前記第1実施形態と基本的に同様の構成・作用については、前記第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
<第2の実施形態>
図6(A)及び図6(B)には、本発明の第2実施形態に係る自動車の車室前部構造の部分的な構成が図4に対応した平断面図にて示されている。この実施形態では、固定ブラケット24Rには、前記第1実施形態に係る長孔48の代わりに円形の貫通孔60が形成されている。また、この固定ブラケット24Rには、貫通孔60を貫通したボルト26の車両後方側の部分に、脆弱部としての薄肉部62が形成されている。この薄肉部62は、固定ブラケット24Rの他の部分よりも薄く形成されている。なお、図示は省略するが、この実施形態の固定ブラケット24Rでは、前記第1実施形態において切欠50、52が形成された部位に、それぞれ上記貫通孔60及び薄肉部62が設けられている。上記以外の構成は、前記第1実施形態と同様である。
図6(A)及び図6(B)には、本発明の第2実施形態に係る自動車の車室前部構造の部分的な構成が図4に対応した平断面図にて示されている。この実施形態では、固定ブラケット24Rには、前記第1実施形態に係る長孔48の代わりに円形の貫通孔60が形成されている。また、この固定ブラケット24Rには、貫通孔60を貫通したボルト26の車両後方側の部分に、脆弱部としての薄肉部62が形成されている。この薄肉部62は、固定ブラケット24Rの他の部分よりも薄く形成されている。なお、図示は省略するが、この実施形態の固定ブラケット24Rでは、前記第1実施形態において切欠50、52が形成された部位に、それぞれ上記貫通孔60及び薄肉部62が設けられている。上記以外の構成は、前記第1実施形態と同様である。
この実施形態では、フロントピラー18Rが衝突荷重Fによって車両後方側へ変形する際には、インパネリインフォースメント14の固定ブラケット24R及びフロントピラー18Rを貫通したボルト26から、固定ブラケット24Rの薄肉部62に荷重が入力される。この荷重によって薄肉部62が変形することにより、インパネリインフォースメント14とフロントピラー18Rとの相対移動を許容することができる。従って、前記第1実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
<第3の実施形態>
図7(A)及び図7(B)には、本発明の第3実施形態に係る自動車の車室前部構造の主要部の構成が平断面図にて示されている。この実施形態では、インパネリインフォースメント14が、コラムブラケット34よりも車幅方向外側の分割ラインにおいて、本体部72と固定部70とに分割されている。この固定部70は、リインフォースメント本体20の車幅方向外側端部と、固定ブラケット24L、24Rとによって構成されており、連結軸74によって回転可能に連結されている。この連結軸74は、軸線方向が車両上下方向に沿っており、固定部70は、本体部72に対して車両上下方向に沿った軸線回りに回転可能とされている。
また、この実施形態では、固定ブラケット24L、24Rが平面視で車幅方向内側へ膨出した断面ハット形状に形成されている。この固定ブラケット24L、24Rは、前記第1実施形態よりも板厚の薄い金属板によって形成されている。固定ブラケット24Rには、前記第1実施形態に係る長孔48及び切欠50、52の代わりに、ボルト26のネジ部よりも若干大径に形成された円形の貫通孔(ボルト挿通孔)が形成されている。
この実施形態では、自動車の運転席側が微小ラップ衝突をすることにより、運転席側のフロントピラー18Rが車両後方側へ変形すると、フロントピラー18Rに固定されたインパネリインフォースメント14の固定部70が、フロントピラー18Rと共に車両後方側へ変位する。この際には、固定ブラケット26Rが変形されることにより、固定部70が、インパネリインフォースメント14の本体部72に対して車両上下方向に沿った軸線回りに車両後方側へ相対回転する。これにより、上記本体部72に取り付けられたステアリングコラム40が、フロントピラー18Rからの荷重によって変位することを防止又は抑制できる。
図7(A)及び図7(B)には、本発明の第3実施形態に係る自動車の車室前部構造の主要部の構成が平断面図にて示されている。この実施形態では、インパネリインフォースメント14が、コラムブラケット34よりも車幅方向外側の分割ラインにおいて、本体部72と固定部70とに分割されている。この固定部70は、リインフォースメント本体20の車幅方向外側端部と、固定ブラケット24L、24Rとによって構成されており、連結軸74によって回転可能に連結されている。この連結軸74は、軸線方向が車両上下方向に沿っており、固定部70は、本体部72に対して車両上下方向に沿った軸線回りに回転可能とされている。
また、この実施形態では、固定ブラケット24L、24Rが平面視で車幅方向内側へ膨出した断面ハット形状に形成されている。この固定ブラケット24L、24Rは、前記第1実施形態よりも板厚の薄い金属板によって形成されている。固定ブラケット24Rには、前記第1実施形態に係る長孔48及び切欠50、52の代わりに、ボルト26のネジ部よりも若干大径に形成された円形の貫通孔(ボルト挿通孔)が形成されている。
この実施形態では、自動車の運転席側が微小ラップ衝突をすることにより、運転席側のフロントピラー18Rが車両後方側へ変形すると、フロントピラー18Rに固定されたインパネリインフォースメント14の固定部70が、フロントピラー18Rと共に車両後方側へ変位する。この際には、固定ブラケット26Rが変形されることにより、固定部70が、インパネリインフォースメント14の本体部72に対して車両上下方向に沿った軸線回りに車両後方側へ相対回転する。これにより、上記本体部72に取り付けられたステアリングコラム40が、フロントピラー18Rからの荷重によって変位することを防止又は抑制できる。
<実施形態の補足説明>
前記第1実施形態では、長孔48及び切欠50、52が形成された固定ブラケット26Rとボルト26及びウェルドナット28(締結具)とによって固定手段が構成され、また、前記第2実施形態では、円形の貫通孔60及び薄肉部62(脆弱部)が形成された固定ブラケット26Rとボルト26及びウェルドナット28(締結具)とによって固定手段が構成された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、インパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに固定すると共に、微小ラップ衝突時のフロントピラーの変形によって破断する固定具によって、固定手段を構成することができる。
つまり、例えば通常用いられるボルトよりも小径なボルト及びナット(締結具:固定具)を用いて、インパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに締結すればよい。その場合、微小ラップ衝突時のフロントピラーの変形によってボルトが破断することにより、インパネリインフォースメントとフロントピラーとの相対移動を許容することができるので、前記第1実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
前記第1実施形態では、長孔48及び切欠50、52が形成された固定ブラケット26Rとボルト26及びウェルドナット28(締結具)とによって固定手段が構成され、また、前記第2実施形態では、円形の貫通孔60及び薄肉部62(脆弱部)が形成された固定ブラケット26Rとボルト26及びウェルドナット28(締結具)とによって固定手段が構成された場合について説明したが、本発明はこれに限らず、インパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに固定すると共に、微小ラップ衝突時のフロントピラーの変形によって破断する固定具によって、固定手段を構成することができる。
つまり、例えば通常用いられるボルトよりも小径なボルト及びナット(締結具:固定具)を用いて、インパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに締結すればよい。その場合、微小ラップ衝突時のフロントピラーの変形によってボルトが破断することにより、インパネリインフォースメントとフロントピラーとの相対移動を許容することができるので、前記第1実施形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
また、上記第1実施形態では、固定ブラケット24Rに形成された長孔48及び切欠50、52(何れも貫通部)が車両前後方向を長手とする長尺状に形成された構成にしたが、本発明はこれに限らず、固定ブラケット24Rにおけるボルト26の貫通部が円形の貫通孔とされ、フロントピラー18Rにおけるボルト26の貫通部が車両前後方向を長手とする長尺状に形成された構成にしてもよい。
また、本発明には含まれないが、上記第3実施形態において、インパネリインフォースメント14の本体部72と固定部70とが、変形容易な材料(例えば樹脂材料)で形成された変形部材によって連結された構成にしてもよい。その場合、フロントピラー18Rが車両後方側へ変形する際には、上記変形部材が衝突荷重によって変形することにより、インパネリインフォースメント14の本体部72とフロントピラー18Rとの相対移動を許容することができる。同様に、本体部72と固定部70とが弱体部(脆弱部)を介して一体に接続された構成にしてもよい。その場合でも、上記弱体部が衝突荷重によって変形することにより、インパネリインフォースメント14の本体部72とフロントピラー18Rとの相対移動を許容する
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
10 自動車の車室前部構造
12 車室
14 インパネリインフォースメント
18L、18R フロントピラー
24L、24R 固定ブラケット
26 ボルト(締結具)
28 ウェルドナット(締結具)
40 ステアリングコラム
48 長孔(貫通部)
50、52 切欠(貫通部)
62 薄肉部(脆弱部)
70 固定部
72 本体部
12 車室
14 インパネリインフォースメント
18L、18R フロントピラー
24L、24R 固定ブラケット
26 ボルト(締結具)
28 ウェルドナット(締結具)
40 ステアリングコラム
48 長孔(貫通部)
50、52 切欠(貫通部)
62 薄肉部(脆弱部)
70 固定部
72 本体部
Claims (5)
- 車室の前部に設けられたステアリングコラムと、
車室の前部に車幅方向に沿って設けられ、前記ステアリングコラムが取り付けられたインパネリインフォースメントと、
前記インパネリインフォースメントの車幅方向端部をフロントピラーに固定すると共に、前記フロントピラーが衝突荷重によって車両後方側へ変形する際には前記インパネリインフォースメントと前記フロントピラーとの相対移動を許容する固定手段と、
を備えた自動車の車室前部構造。 - 前記固定手段は、前記インパネリインフォースメントの車幅方向端部に設けられた固定ブラケットと、当該固定ブラケット及び前記フロントピラーを貫通した状態で両者を締結した締結具とによって構成されており、前記固定ブラケット及び前記フロントピラーの少なくとも一方における前記締結具の貫通部が、車両前後方向を長手とする長尺状に形成されている請求項1に記載の自動車の車室前部構造。
- 前記固定手段は、前記インパネリインフォースメントの車幅方向端部に設けられた固定ブラケットと、当該固定ブラケット及び前記フロントピラーを貫通した状態で両者を締結した締結具とによって構成されており、前記固定ブラケットには、前記締結具の車両後方側の部分に脆弱部が設けられている請求項1に記載の自動車の車室前部構造。
- 前記固定手段は、前記フロントピラーの前記変形によって破断する固定具である請求項1に記載の自動車の車室前部構造。
- 車室の前部に設けられたステアリングコラムと、
車室の前部に車幅方向に沿って設けられ、前記ステアリングコラムが取り付けられた本体部を有すると共に、前記ステアリングコラムよりも車幅方向外側に設けられてフロントピラーに固定された固定部を有し、前記本体部と固定部とが分割されると共に車両上下方向に沿った軸線回りに相対回転可能に連結されているインパネリインフォースメントと、
を備えた自動車の車室前部構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013143545A JP2015016718A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | 自動車の車室前部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013143545A JP2015016718A (ja) | 2013-07-09 | 2013-07-09 | 自動車の車室前部構造 |
Publications (1)
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JP2015016718A true JP2015016718A (ja) | 2015-01-29 |
Family
ID=52438184
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2015016718A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015030277A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-16 | マツダ株式会社 | 車両の前部車体構造 |
-
2013
- 2013-07-09 JP JP2013143545A patent/JP2015016718A/ja active Pending
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JP2015030277A (ja) * | 2013-07-31 | 2015-02-16 | マツダ株式会社 | 車両の前部車体構造 |
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