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JP2016030780A - 共重合体を含むラテックス、紙塗工用組成物、塗工紙、及び製造方法 - Google Patents

共重合体を含むラテックス、紙塗工用組成物、塗工紙、及び製造方法 Download PDF

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JP2016030780A
JP2016030780A JP2014153093A JP2014153093A JP2016030780A JP 2016030780 A JP2016030780 A JP 2016030780A JP 2014153093 A JP2014153093 A JP 2014153093A JP 2014153093 A JP2014153093 A JP 2014153093A JP 2016030780 A JP2016030780 A JP 2016030780A
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Japan
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mass
monomer
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JP2014153093A
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English (en)
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寛明 三井
Hiroaki Mitsui
寛明 三井
昌美 杉野
Masami Sugino
昌美 杉野
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】塗工紙とした際のピック強度、耐湿潤ベタツキ性に優れ、バッキングロール汚れの抑制効果も有するラテックスを提供する。【解決手段】(a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%を含む混合物を乳化重合して得られる共重合体を含むラテックスであり、乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程を含み、第一工程において添加される単量体総量に対する、第一工程において添加される(a)成分の割合が、第二工程において添加される単量体総量に対する、第二工程において添加される(a)成分の割合よりも小さく、第一工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータと、第二工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータが特定の関係を満たし、乳化重合の間に重合温度を降温させることにより得られる共重合体を含むラテックス。【選択図】なし

Description

本発明は、共重合体を含むラテックス、紙塗工用組成物、塗工紙、及びラテックスの製造方法に関する。
共重合体を含むラテックスは、紙塗工における顔料バインダー、カーペットバッキング剤、各種接着剤及び粘着剤、繊維結合剤並びに塗料等といった広範な用途に用いられている。これらの用途に用いられる共重合体を含むラテックスには、基材や配合される顔料等に対する優れた接着力が要求される。
塗工紙は、抄造された紙の表面の平滑性を高め、光沢や印刷適性を向上させる目的で、カオリンクレー、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、酸化チタン等の無機顔料やプラスチック顔料等の有機顔料を原紙に塗布したものが汎用されている。これらの顔料のバインダーとしては、ジエン系共重合体を含むラテックスが一般的に用いられている。顔料バインダーとして用いられる共重合体を含むラテックスの性質は、これを利用した塗工紙の表面強度や印刷品質、塗工紙の生産操業性等に影響を及ぼす。
近年、印刷の高速化や高度化が進み、塗工紙に要求される性能が厳しくなってきている。特に、インクのタックによる紙表面の破壊に対する抵抗性(いわゆるピック強度)の向上が以前にも増して要求されている。さらには、塗工紙の生産コストを抑制する目的で、高コスト原材料であるラテックスの使用割合を減らす観点でも、ラテックスのピック強度の向上が望まれている。
一方、塗工紙の生産においても、生産能力及び生産性の向上のために、塗工速度の高速化が進んでいる。これに伴って塗工操業性の改良、特に主な障害であるバッキングロール汚れに対する諸特性、すなわち塗工層の耐湿潤ベタツキ性の向上も強く要求されている。
上述した様な共重合体を含むラテックスに関する技術として、例えば、特定の単量体組成で二段又は二段以上の多段で重合を行う共重合体を含むラテックスに関する技術が提案されている(特許文献1、2)。また、特定の単量体混合物を比較的低温で重合を開始し、特定の重合転化率になるまで特定の割合で重合温度を昇温する方法で得られる共重合体を含むラテックスに関する技術が提案されている(特許文献3)。さらには、特定の単量体混合物を比較的高温で重合し、特定の重合転化率になるまで特定の割合で重合温度を降温する方法で得られる共重合体を含むラテックスに関する技術が提案されている(特許文献4)。
特開平05−272094号公報 特開平07−247327号公報 特開2003−238635号公報 特開2011−057854号公報
上述したように、塗工紙の品質や生産に関する問題を踏まえて、共重合体を含むラテックスについても種々検討されているが、未だ不十分である。例えば、ピック強度を改良するために共役ジエン系単量体の組成比率を上げて共重合体のガラス転移温度を低くする方法等も検討されているが、この方法では白紙光沢の低下や耐膨潤ベタツキ性の低下が起こるといった問題がある。
また、ラテックスのピック強度と、塗工操業性に関連する特性である耐膨潤ベタツキ性やバッキングロール汚れの抑制効果は、相反する特性であり、一方が向上しても他方が低下するといった関係に陥りやすく、これらを高いレベルで両立させることは困難であるといった問題もある。
そして、特許文献1及び2の技術では、塗工紙の接着強度の向上とバッキングロール汚れ特性の向上を両立させる手段としていずれも不十分なものである。特許文献3及び4の技術では、得られる共重合体を含むラテックスの耐湿潤ベタツキ性は不十分であり、これらの共重合体を含むラテックスを用いた塗工紙のピック強度も、近年の高い要求を満足するものではない。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、塗工紙とした際のピック強度に優れ、かつ耐湿潤ベタツキ性に優れ、バッキングロール汚れの抑制効果も有する、ラテックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、(a)共役ジエン系単量体と(b)その他共重合可能な単量体を特定の割合で乳化重合して得られる共重合体を含むラテックスであり、乳化重合が第一重合工程と第二重合工程とを含み、第一重合工程において添加される単量体総量に対する、第一重合工程において添加される(a)成分の割合が、第二重合工程において添加される単量体総量に対する、第二重合工程において添加される(a)成分の割合よりも小さく、第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータと、第二重合工程で添加される単量体混合物から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータが特定の関係を満たし、かつ、乳化重合の間に重合温度を降温させることを行うことで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
(a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%(但し、(a)+(b)=100質量%)を含む混合物を乳化重合して得られる共重合体を含むラテックスであり、
前記乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程とを含み、
前記第一重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加される前記(a)成分の割合が、前記第二重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第二重合工程において添加される前記(a)成分の割合よりも小さく、
前記第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、前記第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たし、
前記乳化重合の間に、重合温度を降温させる、
共重合体を含むラテックス。

0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

(溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
〔2〕
前記乳化重合は、前記第一重合工程の前に、単量体として前記(b)成分のみを単独重合させる初期工程を、更に含み、
前記初期工程で添加される前記(b)成分の添加量は、前記乳化重合において添加される単量体の総量100質量%に対して5〜50質量%であり、
前記初期工程は、重合転化率が20〜65質量%に達するまで重合させる、
〔1〕に記載のラテックス。
〔3〕
前記乳化重合の各重合工程は、α−メチルスチレンダイマーを少なくとも用いて行われ、
前記第一重合工程において添加される前記単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加されるα−メチルスチレンダイマーの割合が、前記第二重合工程以降の各重合工程で添加される単量体の総量に対する、前記第二重合工程以降の各工程で添加されるα−メチルスチレンダイマーの総量の割合よりも大きい、
〔1〕又は〔2〕記載のラテックス。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のラテックスを含む紙塗工用組成物。
〔5〕
〔4〕に記載の紙塗工用組成物を用いて塗工した塗工紙。
〔6〕
(a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%(但し、(a)+(b)=100質量%)を含む混合物を乳化重合する共重合体を含むラテックスの製造方法であって、
前記乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程とを含み、
前記第一重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加される前記(a)成分の割合が、前記第二重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第二重合工程において添加される前記(a)成分の割合よりも小さく、
前記第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、前記第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たし、
前記乳化重合の間に、重合温度を降温させる、
共重合体を含むラテックスの製造方法。

0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

(溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
〔7〕
前記乳化重合は、前記第一重合工程の前に、単量体として前記(b)成分のみを単独重合させる初期工程を、更に含み、
前記初期工程で添加される前記(b)成分の添加量は、前記乳化重合において添加される単量体の総量100質量%に対して5〜50質量%であり、
前記初期工程は、重合転化率が20〜65質量%に達するまで重合させる、〔6〕に記載のラテックスの製造方法。
〔8〕
前記乳化重合の各重合工程は、α−メチルスチレンダイマーを少なくとも用いて行われ、
前記第一重合工程において添加される前記単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加されるα−メチルスチレンダイマーの割合が、前記第二重合工程以降の各重合工程で添加される単量体の総量に対する、前記第二重合工程以降の各工程で添加されるα−メチルスチレンダイマーの総量の割合よりも大きい、
〔6〕又は〔7〕記載のラテックスの製造方法。
本発明によれば、塗工紙とした際のピック強度に優れ、かつ耐湿潤ベタツキ性に優れ、バッキングロールの汚れの抑制効果も有する、ラテックスを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
本実施形態に係る共重合体を含むラテックスは、
(a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%(但し、(a)+(b)=100質量%)を含む混合物を乳化重合して得られる共重合体を含むラテックスであり、
乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程とを含み、
第一重合工程において添加される単量体総量に対する、第一重合工程において添加される(a)成分の割合が、第二重合工程において添加される単量体総量に対する、第二重合工程において添加される(a)成分の割合よりも小さく、
第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たし、
乳化重合の間に、重合温度を降温させる、
共重合体を含むラテックスである、

0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

(溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
また、上記したラテックスの製造方法の好適例としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%(但し、(a)+(b)=100質量%)を含む混合物を乳化重合する共重合体を含むラテックスの製造方法であって、
乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程とを含み、
第一重合工程において添加される単量体総量に対する、第一重合工程において添加される(a)成分の割合が、第二重合工程において添加される単量体総量に対する、第二重合工程において添加される(a)成分の割合よりも小さく、
第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たし、
乳化重合の間に、重合温度を降温させる、
共重合体を含むラテックスの製造方法。

0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

(溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
以下、これらについて順次説明する。
(a)共役ジエン系単量体を含むことにより、共重合体に柔軟性を与えるとともに、ピック強度、衝撃吸収性を与えることができる。(a)成分の好ましい具体例としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン等が挙げられる。これらを用いることで、ピック強度を一層向上させることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
共重合体を構成する単量体の総量を100質量%とした場合、(a)成分の割合は25〜65質量%であり、好ましくは27〜63質量%であり、より好ましくは30〜60質量%である。(a)成分の割合を上記範囲とすることで、共重合体に適度の柔軟性と弾性を付与し、ピック強度を向上させることができる。さらには、耐湿潤ベタツキ性を向上させることができる。
(a)単量体と共重合可能な他の単量体(b)を用いることで、ラテックスにさまざまな特性を付与できる。(b)成分としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸等のエチレン系不飽和カルボン酸単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル類;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等のヒドロキシアルキルエステル類;アクリル酸アミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノアルキルエステル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のピリジン類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のグリシジルエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、グリシジルメタクリルアミド、N,N−ブトキシメチルアクリルアミド等のアミド類;酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類;p−スチレンスルホン酸及びそのナトリウム塩等が挙げられる。これを用いることで、ピック強度を一層向上させることができる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
共重合体を構成する単量体の総量を100質量%とした場合、(b)成分の総量は35〜75質量%であり、好ましくは37〜73質量%であり、より好ましくは40〜70質量%である。(b)成分の割合を上記範囲とすることで、ピック強度を向上させることができる。
ラテックスの製造法は、従来用いられている乳化重合法の装置を使用して行うことができるが、第一重合工程と第二重合工程を少なくとも行う多段重合法を採用する。第一重合工程と第二重合工程は、少なくとも(a)成分を含む単量体を乳化重合させるものである。多段重合法とは、例えば、特開2002−226524号公報等に開示されている如く、組成の異なる複数の単量体混合物を準備し、重合反応の進行に伴って系内に添加する単量体混合物の組成を、重合反応の途中で変化させる重合法である。
少なくとも(a)成分を含む単量体を、少なくとも二段の多段重合法を用いて乳化重合するにあたり、最初の重合工程を第一重合工程、次の重合工程を第二重合工程、更にこれに続く重合工程を第三重合工程、第四重合工程等という。
乳化重合において、第一重合工程において添加される単量体総量に対する、第一重合工程において添加される(a)成分の割合が、第二重合工程において添加される単量体総量に対する、第二重合工程において添加される(a)成分の割合よりも小さい。このような割合とすることで、良好な耐湿潤ベタツキ性とピック強度が発現する。
また、第一重合工程と第二重合工程に限らず、先の重合工程において添加される単量体に占める(a)成分の割合が、直後の重合工程において添加される単量体中に占める(a)成分の割合よりも小さいことがより好ましい。例えば、第一〜第三重合工程を行う場合、第一重合工程の(a)成分の割合と第二重合工程の(a)成分の割合が上記した関係を満たすとともに、第二重合工程において添加される単量体総量に占める(a)成分の割合が、第三重合工程において添加される単量体総量に占める(a)成分の割合よりも小さい関係にあることが、より好ましい。
さらに、先の重合工程において添加される原料単量体の総量に対する当該重合工程において添加される(a)成分の割合(a−1)と、当該重合工程の直後の重合工程において添加される原料単量体の総量に対する直後の重合工程において添加される(a)成分の割合(a−2)の関係が、(a−1)/(a−2)<1.0となることが好ましい。(a)成分を上記割合で添加することによって、耐湿潤ベタツキ性及びピック強度が一層向上する。
本実施形態では、第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たす。

0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

(溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
溶解性パラメータ(SPA)と(SPB)は、0.3<(SPA)−(SPB)<1.4の関係を満たすことが好ましく、0.5<(SPA)−(SPB)<1.3の関係を満たすことがより好ましい。
溶解性パラメータ(SP値;Solubility Parameter)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。例えば、ポリマーのSP値(σp)は、そのポリマーを構成するモノマーの蒸発エネルギー(Δei)及びモル体積(Δvi)をモノマー毎に求め、モノマーのポリマーにおけるモル比(j)との積をそれぞれ算出し、モノマーの蒸発エネルギーの総和をモル体積の総和で割ることによって求め、下記式から算出する。蒸発エネルギー(Δei(cal/mol))及びモル体積(Δvi(cm3/mol))は、POLYMER ENGINNEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,147−154に記載されている値を用いることができる。

σp={(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}1/2
また、各重合工程において用いられる単量体混合物から得られる共重合体の溶解性パラメータ(SP値)に関して、ある重合工程(但し、初期工程を除く)で用いられる単量体混合物から得られる共重合体のSP値と、その重合工程の直後の重合工程で用いられる単量体混合物から得られる共重合体のSP値との差分(以下、ΔSP値という。)が0.1を超えて1.5未満の範囲に入るように、各重合工程の単量体混合物が調整されることが好ましい。つまり、隣接する重合工程の各SP値がこの差を有していることが好ましい。このΔSP値が0.1を超えて1.5未満の範囲に入ることによって、耐湿潤ベタツキ性とピック強度の双方が一層優れるラテックスが得られる。ΔSP値のより好ましい範囲は、0.1を超えて1.2未満である。各重合工程のSP値は、単量体の種類や含有量を適宜調節することで制御できる。
本実施形態では、乳化重合の間に重合温度を降温させる。降温は、必ずしも乳化重合を行っている全期間にわたって行われる必要はなく、乳化重合を行っている一部期間において行われていればよい。降温は、降温開始時の重合温度と降温終了時の重合温度の差が4℃以上となるよう降温することが好ましい。また、乳化重合が行われる間の任意の20分間において重合温度が0.1℃以上降下することが好ましい。降温速度は、1〜10℃/hrであることが好ましく、2〜5℃/hrであることがより好ましく、2.5〜4℃/hrであることが更に好ましい。重合温度の降下速度を上記範囲とすることにより、ピック強度、耐湿潤ベタツキ性が一層向上するとともに、量産を考慮した大型実機設備等においても温度制御が容易にできる。
重合温度の降温は、間欠的、段階的、又は連続的に重合温度を降温させることができるが、得られるラテックスのピック強度と耐湿潤ベタツキ性、及び量産大型設備での温度コントロールのし易さ等の観点から、連続的に降温させることが好ましく、一定の降温速度で降温させることがより好ましい。
また、本実施形態のラテックスは、降温終了時の重合温度で重合反応を継続した後は、重合温度を上昇させて最終の重合転化率を引き上げる工程(いわゆるクッキング工程)を更に含むことが好ましい。このクッキング工程の重合温度は、80〜100℃であることが好ましい。クッキング工程の重合温度を上記範囲とすることでが、ピック強度及びラテックスの生産性の観点から好ましい。
本実施形態のラテックスは、前述の単量体混合物を乳化重合法により重合することで得られる。乳化重合を行うに当たり、単量体の添加方法は特に限定されない。すなわち、重合の開始時から終了時にかけて単量体を連続的に重合系内に添加する方法、重合開始前に単量体混合物の全量を重合系内に添加しておき、その後反応を開始する方法、重合開始前に単量体混合物の一部を重合系内に添加した後に重合反応を開始し、その後残りの単量体を重合系内に連続又は間欠的に添加する方法等が挙げられる。
単量体混合物の成分組成についても、重合を時系列的に複数の工程に分け、各工程での単量体組成を任意に変えることにより均一組成ではないラテックスとすることも可能である。しかしながら、得られるラテックスのピック強度を一層向上させる観点から、単量体混合物はその70質量%以上は連続又は間欠的に重合の系内に添加されることが好ましい。
乳化重合は、第一重合工程の前に、単量体として(b)成分のみを単独重合させる初期工程を更に含むことが好ましい。初期工程を有することにより、ピック強度や耐湿潤ベタツキ性が一層優れるラテックスが得られる。
初期工程で添加される(b)成分の添加量は、乳化重合において添加される単量体の総量100質量%に対して、5〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、5〜15質量%であることが更に好ましい。初期工程の(b)成分の添加量を上記範囲とすることで、ピック強度や耐湿潤ベタツキ性が一層優れるラテックスが得られる。
初期工程は、単量体の重合転化率が20〜65質量%に達するまで重合させることが好ましく、25〜55質量%であることがより好ましく、30〜50質量%であることが更に好ましい。重合転化率を上記下限値以上とすることで、紙塗工における耐バッキングロール汚れ特性が一層向上する。重合転化率を上記下限値以下とすることで、ピック強度の一層向上する。重合転化率は、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
本実施形態のラテックスを製造するに当たっては、上述した特定の方法以外については特に限定されず、例えば、水性媒体中で界面活性剤の存在下、ラジカル開始剤により重合を行う等の方法を用いることができる。
本実施形態において使用できる乳化剤は、特に限定されず、従来公知のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等を用いることができる。好ましい界面活性剤の具体例としては、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性界面活性剤等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
乳化剤の使用量は、単量体100質量部に対して、0.1〜2.0質量部であることが好ましく、0.2〜0.8質量部であることがより好ましく、0.2〜0.6質量部であることが更に好ましい。乳化剤の使用量を上記範囲とすることで、より優れたピック強度を達成するラテックスが得られる。
ラジカル開始剤は、熱又は還元剤の存在下でラジカル分解して単量体の付加重合を開始させるものであればよく特に限定されない。ラジカル開始剤としては、無機系開始剤、有機系開始剤のいずれも使用することができる。ラジカル開始剤としては、ペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等が好ましく、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル及びクメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその塩、エリソルビン酸やその塩及びロンガリット等の還元剤を重合開始剤と組み合わせて用いる、いわゆるレドックス重合法を用いることもできる。
ラテックスを製造する際には、ラジカル重合で通常用いられる公知の連鎖移動剤を必要に応じて用いることができる。連鎖移動剤の好ましい具体例としては、核置換α−メチルスチレンの二量体であるα−メチルスチレンダイマー;n−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ラウリルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類;テトラメチルチウラジウムジスルフィド、テトラエチルチウラジウムジスルフィド等のジスルフィド類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化誘導体;2−エチルヘキシルチオグリコレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。特に、α−メチルスチレンダイマーとt−ドデシルメルカプタンとを併用することが好ましい。
乳化重合の各重合工程は、α−メチルスチレンダイマーを少なくとも用いて行われ、第一重合工程において添加される単量体総量に対する、第一重合工程において添加されるα−メチルスチレンダイマーの割合が、第二重合工程以降の各重合工程で添加される単量体の総量に対する、第二重合工程以降の各工程で添加されるα−メチルスチレンダイマーの総量の割合よりも大きいことが好ましい。単量体としてα−メチルスチレンダイマーを使用する場合、α−メチルスチレンダイマーを上記割合で使用することによって、ピック強度が一層向上する。
ラテックスを製造する場合の重合温度は、前述の様に重合の途中で温度降下を行う点以外は特に限定されず、通常40〜100℃の範囲であるが、生産効率と、得られるラテックスを使用した塗工紙のピック強度等の品質の観点から、重合開始時の重合温度は、50〜85℃であることが好ましく、55〜80℃であることがより好ましく、60〜80℃であることが更に好ましい。
ラテックスを製造する場合の重合固形分濃度は、生産効率と、乳化重合時の粒子径制御の観点から、好ましくは30〜60質量%であり、より好ましくは35〜50質量%である。ここでいう固形分濃度とは、乾燥前のラテックスの質量に対する、ラテックスを乾燥することにより得られる固形分の質量の割合をいう。
ラテックスの製造に際しては、粒子径の調整のため公知のシード重合法を用いることもでき、シードを作製後同一反応系内で共重合体を含むラテックスの重合を行うインターナルシード法、別途作製したシードを用いるエクスターナルシード法等の方法を適宜選択することができる。
本実施形態のラテックスのトルエン不溶分の含有量は、80〜97質量%であることが好ましく、85〜96質量%であることがより好ましく、89〜95質量%であることが更に好ましい。トルエン不溶分の含有量を上記範囲とすることで、ラテックスの耐湿潤ベタツキ性が一層向上し、バッキングロール汚れ等のロール汚れトラブルを回避することや、優れたピック強度をより顕著に達成すること等が可能となる。ラテックスのトルエン不溶分の調整は、重合反応中に使用する連鎖移動剤の使用量を調整すること等により可能である。連鎖移動剤の重合系内への添加方法としては、一括添加、回分的添加、連続的添加のいずれでもよく、これらを組み合わせてもよい。なお、ここでいうトルエン不溶分の含有量は、後述する実施例に記載の方法に準じて測定することができる。
本実施形態のラテックスの粒子径は、60〜130nmであることが好ましく、70〜120nmであることがより好ましく、80〜110nmであることが更に好ましい。ラテックスの粒子径を上記範囲とすることで、ラテックスの粘度を好適な範囲に調整することができ、作業性の低下を一層効率よく防ぐことができる。さらには、一層優れたピック強度、耐湿潤ベタツキ性を達成することができる。なお、ここでいう粒子径とは、平均粒子径であり、動的光散乱法により測定される体積平均粒径である。
本実施形態のラテックスには、必要に応じて公知の各種重合調整剤を配合することができる。このような各種重合調整剤としては、例えば、pH調整剤、キレート剤等が挙げられる。pH調整剤の好ましい具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。キレート剤の好ましい具体例としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のラテックスには、その効果を損ねない限り、必要に応じて各種添加剤を添加することができる。さらには、他のラテックスを混合して用いることもできる。各種添加剤としては、例えば、分散剤、消泡剤、老化防止剤、耐水化剤、殺菌剤、印刷適性向上剤、滑剤、アルカリ感応型ラテックス、有機顔料等が挙げられる。
次に、本実施形態のラテックスを用いる方法について説明する。
まず、本実施形態のラテックスを塗工紙用のバインダーとして使用する場合の一例を説明する。まず、紙塗工用組成物を調製する。該紙塗工用組成物は、通常行われている方法によって製造することができる。例えば、分散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイト及びタルク等の無機顔料、プラスチックピグメントやバインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉、カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、増粘剤、染料、消泡剤、防腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、pH調整剤、保水剤等の各種添加剤とともに、共重合体を含むラテックスを添加して混合し、均一な分散液(紙塗工用組成物)とする。
本実施形態のラテックスと顔料との使用割合は、紙塗工用組成物の使用目的によって適宜決定することができるが、顔料100質量部に対する本実施形態のラテックスの含有量は、3〜30質量部であることが好ましい。
そして、この紙塗工用組成物は、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアーナイフコーター及びバーコーター等を用いる通常の方法によって原紙に塗工することができるところ、かかる塗工においてはブレードコーターを用いることが好ましい。塗工形態としては、原紙に対し片面に塗工してもよいし、原紙の両面に塗工してもよい。また、片面当たりの塗工回数についても、1回であるシングル塗工でもよいし、2回の塗工工程を行ういわゆるダブル塗工であってもよいし、2回以上塗工してもよい。この場合、本実施形態のラテックスは、その下塗り用紙塗工用組成物、及び上塗り用紙塗工用組成物のいずれにも用いることができる。
前述の紙塗工用組成物を塗工原紙の少なくとも一方の表面に塗工処理して、印刷用塗工紙を得ることができる。この印刷用塗工紙は、オフセット枚葉式印刷用紙、オフセット輪転式印刷用紙、グラビア式印刷用紙、フレキソ印刷用紙及び凸版式印刷用紙等の各種印刷用紙に好適に用いられる。
また、本実施形態のラテックスは、紙のコーティング剤、カーペットバッキング剤の他、接着剤及び各種塗料にも用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[各物性の評価方法]
(1)ピック強度:
RI印刷試験機(明製作所社製)を用いて、印刷インク(東洋インキ製造社製 PRINTING INK;タック15)(商品名)0.4ccを1回刷りし、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を目視で観察した。評価は相対的な10点評価法とし、ピッキング現象の少ないもの(白化した領域の面積が小さいもの)ほど高得点とした。
(2)共重合体を含むラテックスの耐湿潤ベタツキ性:
共重合体を含むラテックスを、No.10のワイヤーバーでPETフィルムに塗布して130℃で30秒乾燥した。そして、フィルムを30℃の水中に5秒間浸漬させた後、黒ラシャ紙と重ね合わせ、温度60℃、線圧19600N/mのスーパーカレンダーを通過させた後、黒ラシャ紙を剥離した。黒ラシャ紙を剥離した後の、フィルム表目上への黒ラシャ紙の繊維の転移状態を目視観察することで、耐湿潤ベタツキ性を評価した。評価は10点評価法で行ない、転移の少ないものほど高得点とした。
(3)共重合体を含むラテックスの粒子径:
共重合体を含むラテックスの粒子径については、マイクロトラック超微粒子粒度分析計(W)UPA−150(日機装社製)を用いて、動的光散乱法によって体積平均粒径を測定することにより求めた。
(4)共重合体を含むラテックスのトルエン不溶分の測定:
水酸ナトリウムと水酸化カリウムを添加することによって、共重合体を含むラテックスのpHを8に調整した後、130℃で30分乾燥させて成膜させてフィルムとした。このフィルム0.5gをトルエン30ccに浸漬し、3時間振とう後、目開き45μmの金属網にてろ過して不溶分を採取した。採取した不溶分を130℃で1時間乾燥させて、質量を測定した。そして、次式に基づきトルエン不溶分(質量%)を求めた。

トルエン不溶分(質量%)=(乾燥後のトルエン不溶分の質量/浸漬前に採取したフィルムの質量)×100
(5)重合転化率の測定:
重合途中でサンプリングしたラテックスを2g精秤後、130℃で30分間乾燥し、乾燥前後の質量を測定して固形分(質量%)を求めた。次に、以下の式に基づき全単量体に対する重合転化率(質量%)を算出した。

重合転化率(質量%)=(固形分(質量%)−不揮発分(質量%))/全仕込み原料中の単量体分(質量%)×100
ここでいう不揮発分とは、サンプリングしたラテックス中に含まれる、乳化剤や開始剤等の不揮発分である。全仕込み原料中の単量体分とは、水、単量体、開始剤、乳化剤等といった全ての仕込み原料の総量に対する、単量体の総量の割合(質量%)である。
(6)各重合段における単量体混合物から得られる共重合体のSP値:
Robert F.Fedorsが規定する方法に基づき、各々の単量体化合物構造と単量体組成から算出した。すなわち、ポリマーのSP値(σp)は、そのポリマーを構成するモノマーの蒸発エネルギー(Δei)及びモル体積(Δvi)をモノマー毎に求め、モノマーのポリマーにおけるモル比(j)との積をそれぞれ算出し、モノマーの蒸発エネルギーの総和をモル体積の総和で割ることによって求め、下記式から算出した。
例えば、モノマーがスチレンである場合、重合によって二重結合が開裂した状態の分子構造を単量体として計算した。蒸発エネルギー(Δei(cal/mol))及びモル体積(Δvi(cm3/mol))は、POLYMER ENGINNEERING AND SCIENCE,1974,Vol.14,No.2,147−154に記載されている値を用いた。

σp={(Σj×ΣΔei)/(Σj×ΣΔvi)}1/2
[実施例1]
(共重合体を含むラテックス(イ)の作製)
攪拌機と内部温度調整用の温水ジャケット、及び各種原材料の定量添加設備を備えた耐圧反応器に、水78質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.1質量部、α−メチルスチレンダイマー0.4質量部、表1に示す第一重合工程用単量体の内のイタコン酸とフマール酸を仕込み、内温を78℃に維持して充分に撹拌した。
次いで、表1に示す第一重合工程用単量体の内のイタコン酸とフマール酸を除く単量体と連鎖移動剤からなる混合物の内の10質量%を、この耐圧反応容器内に一括して仕込み、撹拌混合後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.4質量部を耐圧反応器内に5分間かけて添加して重合反応を開始させた。
ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液の添加終了時点から90分後、残りの第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物をこの耐圧容器内に添加し始め、5時間20分かけて連続的に添加した。この残りの第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物の添加と同時に、水17質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.4質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部からなる水系混合物の添加を始め、3時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。更に同時に、重合温度即ち耐圧反応器の内温を、降温速度3.0℃/hrで降温させ始め、重合温度が70℃になった時点で降温を終了した。その後は降温終了後の温度で反応を継続させた。
第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加が終了した時点で、直ちに表1に示す第二重合工程用単量体と連鎖移動剤からなる混合物を4時間かけて連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物の添加終了後、60分間かけて耐圧容器内の温度を95℃に昇温し、最終的な重合転化率を引き上げ、共重合体を含むラテックスを得た。この共重合体を含むラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8.0に調整し、固形分濃度を50質量%に調整して、共重合体を含むラテックス(イ)を得た。
このようにして得られた共重合体を含むラテックス(イ)について、耐湿潤ベタツキ性の評価を行った。その結果を表2に示す。
(紙塗工用組成物の調製と塗工紙の調製)
次に、得られた共重合体を含むラテックスと以下の材料を均一に混合して、紙塗工用組成物を調製した。なお、以下の配合(質量部)は、特に断りがない限り、水を除いて、全て固形分に換算した値である。
カオリンクレー 35質量部
重質炭酸カルシウム 65質量部
ポリアクリル酸ナトリウム 0.05質量部
水酸化ナトリウム 0.06質量部
酸化でんぷん 3.0質量部
共重合体ラテックス(イ) 8質量部
水(塗工液の全固形分濃度が66質量%となるように添加)
カオリンクレー:「アマゾンプラス」(カダム社製;粒子径2μm以下の割合=97質量%以上)
重質炭酸カルシウム:「カービタル90」(イメリス社製;粒子径2μm以下の割合=90質量%以上)(商品名)
ポリアクリル酸ナトリウム:「アロンT−50」(東亞合成社製)
酸化でんぷん:「王子コーンスターチB」(王子コーンスターチ社製)
次に、得られた紙塗工用塗料組成物を、塗工量が片面8g/m2になるように坪量74g/m2の塗工原紙にブレードコーターで塗工し、乾燥した後、ロール温度50℃、線圧147,000N/mでスーパーカレンダー処理を行い、塗工紙を得た。得られた塗工紙を印刷試験で評価した。この塗工紙のピック強度を測定し、結果を表2に記載した。いずれにおいても優れた結果が得られた。
[実施例2、3]
表1に示した条件に変更した点以外は実施例1と同様にして、共重合体を含むラテックス(ロ)、(ハ)を作製し、物性を評価した。評価結果を表2に示す。
[実施例4]
(共重合体ラテックス(ニ)の作製)
実施例1で用いたものと同様の耐圧反応容器に、水78質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.1質量部、α−メチルスチレンダイマー0.4質量部、表1に示す初期工程用単量体の内のイタコン酸とフマール酸(質量部)を仕込み、内温を78℃に維持して充分に撹拌した。
次いで、表1に示す初期工程用単量体の内のイタコン酸とフマール酸を除く単量体と連鎖移動剤からなる、初期工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物を、この耐圧反応容器内に一括して仕込み、撹拌混合した後、ペルオキソ二硫酸ナトリウム0.4質量部を、耐圧反応器内に5分間かけて添加して重合反応を開始させた。
ペルオキソ二硫酸ナトリウム水溶液の添加終了から90分後、表1に示す第一重合工程用単量体と連鎖移動剤からなる、第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物を5時間20分かけて連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。この第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加と同時に、水17質量部、水酸化ナトリウム0.1質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム0.4質量部、及びペルオキソ二硫酸ナトリウム0.6質量部からなる水系混合物を添加し始め、3時間10分かけて連続的に添加し、重合反応を加速させた。更に同時に、重合温度即ち耐圧反応器の内温を降温速度3.0℃/hrで降温させ始め、重合温度が70℃になった時点で降温を終了した。その後は降温終了後の温度で反応を継続させた。
第一重合工程用の単量体及び連鎖移動剤混合物の添加が終了した時点で、直ちに表1に示す第二重合工程用単量体と連鎖移動剤からなる、第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物を4時間かけて連続的にこの耐圧容器内に添加し、重合反応を継続させた。
第二重合工程用の単量体及び連鎖移動剤の混合物の添加終了後、60分間かけて耐圧容器内の温度を95℃に昇温し、最終的な重合転化率を引き上げ、共重合体を含むラテックスを得た。
この共重合体を含むラテックスには、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムを添加してpHを6.0以上に調整し、スチームストリッピング法で未反応の単量体を除去した後、水酸化ナトリウムを用いてpHを8.0に調整し、固形分濃度を50質量%に調整して、共重合体を含むラテックス(ニ)を得た。
このようにして得られた共重合体を含むラテックス(ニ)について、実施例1と同様に、ピック強度、耐湿潤ベタツキ性を評価した。評価結果を表2に示す。
[比較例1〜4]
表1に示した条件に変更した点以外は実施例1と同様にして、共重合体を含むラテックス(ホ)〜(チ)を作製し、物性を評価した。評価結果を表2に示す。
下記表に、各実施例及び各比較例の製造条件及び評価結果を示す。なお、表中、特に断りが無い限り、各成分の含有量は質量%基準に基づくものである。
Figure 2016030780
Figure 2016030780
上記表から明らかなように、各実施例のラテックス組成物に関して、ピック強度と耐湿潤ベタツキ性のいずれもが優れていることが少なくとも確認された。
本発明によれば、塗工紙のピック強度を向上させ、かつ共重合体を含むラテックスの耐湿潤ベタツキ性に優れてバッキングロール汚れ適性に優れる共重合体を含むラテックスを提供することができ、特に、塗工紙製造業及び関連産業の分野での産業上の利用可能性を少なくとも有する。

Claims (8)

  1. (a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%(但し、(a)+(b)=100質量%)を含む混合物を乳化重合して得られる共重合体を含むラテックスであり、
    前記乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程とを含み、
    前記第一重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加される前記(a)成分の割合が、前記第二重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第二重合工程において添加される前記(a)成分の割合よりも小さく、
    前記第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、前記第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たし、
    前記乳化重合の間に、重合温度を降温させる、
    共重合体を含むラテックス。

    0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

    (溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
  2. 前記乳化重合は、前記第一重合工程の前に、単量体として前記(b)成分のみを単独重合させる初期工程を、更に含み、
    前記初期工程で添加される前記(b)成分の添加量は、前記乳化重合において添加される単量体の総量100質量%に対して5〜50質量%であり、
    前記初期工程は、重合転化率が20〜65質量%に達するまで重合させる、
    請求項1に記載のラテックス。
  3. 前記乳化重合の各重合工程は、α−メチルスチレンダイマーを少なくとも用いて行われ、
    前記第一重合工程において添加される前記単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加されるα−メチルスチレンダイマーの割合が、前記第二重合工程以降の各重合工程で添加される単量体の総量に対する、前記第二重合工程以降の各工程で添加されるα−メチルスチレンダイマーの総量の割合よりも大きい、
    請求項1又は2記載のラテックス。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のラテックスを含む紙塗工用組成物。
  5. 請求項4に記載の紙塗工用組成物を用いて塗工した塗工紙。
  6. (a)共役ジエン系単量体25〜65質量%、及び(b)その他共重合可能な単量体35〜75質量%(但し、(a)+(b)=100質量%)を含む混合物を乳化重合する共重合体を含むラテックスの製造方法であって、
    前記乳化重合が、第一重合工程と第二重合工程とを含み、
    前記第一重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加される前記(a)成分の割合が、前記第二重合工程において添加される単量体総量に対する、前記第二重合工程において添加される前記(a)成分の割合よりも小さく、
    前記第一重合工程で添加される単量体混合物(A)から得られる共重合体(A)の溶解性パラメータ(SPA)と、前記第二重合工程で添加される単量体混合物(B)から得られる共重合体(B)の溶解性パラメータ(SPB)とが、下記式(1)で表される関係を満たし、
    前記乳化重合の間に、重合温度を降温させる、
    共重合体を含むラテックスの製造方法。

    0.1<(SPA)−(SPB)<1.5 (1)

    (溶解性パラメータ(SPA)及び(SPB)は、Robert F.Fedorsが規定する方法に基づく値である。)
  7. 前記乳化重合は、前記第一重合工程の前に、単量体として前記(b)成分のみを単独重合させる初期工程を、更に含み、
    前記初期工程で添加される前記(b)成分の添加量は、前記乳化重合において添加される単量体の総量100質量%に対して5〜50質量%であり、
    前記初期工程は、重合転化率が20〜65質量%に達するまで重合させる、
    請求項6に記載のラテックスの製造方法。
  8. 前記乳化重合の各重合工程は、α−メチルスチレンダイマーを少なくとも用いて行われ、
    前記第一重合工程において添加される前記単量体総量に対する、前記第一重合工程において添加されるα−メチルスチレンダイマーの割合が、前記第二重合工程以降の各重合工程で添加される単量体の総量に対する、前記第二重合工程以降の各工程で添加されるα−メチルスチレンダイマーの総量の割合よりも大きい、
    請求項6又は7記載のラテックスの製造方法。
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