JP2005139309A - 紙塗工用共重合体ラテックス - Google Patents
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Abstract
【課題】塗工操業性に優れ、かつ、白紙光沢、印刷光沢、表面強度などの印刷適性に優れ、さらに広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有するとともに、特にウエットピック強度の高い塗工紙を得ることができる紙塗工用共重合体ラテックスを提供する。
【解決手段】(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、(b)シアン化ビニル単量体0.1〜35重量%、(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体0.01〜10重量%、(d)不飽和ジカルボン酸単量体0.1〜3重量%、(e)不飽和モノカルボン酸単量体0〜1重量%《ここで、[(d)+(e)]≦3重量%、(d)>(e)である》、および(f)上記(a)〜(e)成分と共重合可能な他の単量体0〜79.8重量%[ただし、(a)+(b)+(c)+(d)+(e)=100重量%]からなる単量体成分を乳化重合して得られ、かつ平均粒子径が100nm以下である紙塗工用共重合体ラテックス。
【選択図】なし
【解決手段】(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、(b)シアン化ビニル単量体0.1〜35重量%、(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体0.01〜10重量%、(d)不飽和ジカルボン酸単量体0.1〜3重量%、(e)不飽和モノカルボン酸単量体0〜1重量%《ここで、[(d)+(e)]≦3重量%、(d)>(e)である》、および(f)上記(a)〜(e)成分と共重合可能な他の単量体0〜79.8重量%[ただし、(a)+(b)+(c)+(d)+(e)=100重量%]からなる単量体成分を乳化重合して得られ、かつ平均粒子径が100nm以下である紙塗工用共重合体ラテックス。
【選択図】なし
Description
本発明は、紙塗工用共重合体ラテックスに関し、さらに詳しくは、塗工操業性に優れ、かつ、白紙光沢、印刷光沢、表面平滑性、表面強度などの印刷適性に優れ、さらに広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有するとともに、特にウエットピック強度の高い塗工紙を得ることができる紙塗工用共重合体ラテックスに関する。
従来より、顔料と水性バインダーとを主体とした紙塗工用組成物を紙に塗工し、印刷適性に優れた塗工紙が製造されている。共重合体ラテックスは、その優れた接着強度から、紙塗工用組成物の主バインダーとして使用されている。
近年、印刷の高級化、高速化にともない、塗工紙に要求される性能も厳しくなってきており、白紙光沢、表面強度、耐水性、インキ転移性および印刷光沢などの改良が要求されるようになった。これと同時に、近年はコスト低減の目的からバインダー量を低減する要求が高まっており、このためより少量の添加量でも十分な表面強度を示すバインダーが求められている。
また、印刷速度の高速化技術の進展に伴い、要求される印刷速度の範囲が広がってきている。従来の共重合体ラテックスでは適用可能な印刷速度範囲が狭いので、印刷速度に対応してその速度に適した共重合体ラテックスを個別的に選択する必要があり、製造コストの面と操業性の面で大きな負担となっている。このことから広い印刷速度範囲にわたって適用できる共重合体ラッテクスの登場が望まれている。
さらに、塗工紙の製造そのものも高速化しており、塗工操業性の改良、特に主な障害であるバッキングロール汚れ性の改良、すなわち共重合体ラテックスの粘着性の低減(べとつき防止性)も要求されている。共重合体ラテックスに対しては、上記の性質、特に表面強度の改良が求められ、そのために、例えば共重合体のゲル含量を調製する方法や共重合体組成を調整するなどの改良方法が提案されている。しかし、表面強度と他の特性とは互いに背反することが多く、全ての特性をバランスよく高いレベルにすることは非常に困難である。
例えば、接着強度を改良する目的で共役ジエン系単量体の量を増やして共重合体のガラス転移温度を低くする方法が試みられていたが、この方法では耐水性およびべとつき防止性の特性低下が著しい。逆に、ガラス転移温度を高くすると、耐水性の点は良好であるが、接着強度および印刷光沢の低下が著しい。また、官能基を有する単量体を多量に用いる方法では、接着強度は改良されるが、ラテックスの粘度が異常に高くなるので作業性が著しく低下し、かつ共重合体ラテックスの製造コストが高くなる。このように、これらの何れの方法も、いずれかの特性の改良が達成されたとしても、全ての特性に対する要求を満たすことはできず、ますます厳しくなる印刷における諸要求を満たすことはできないのが現状である。
本発明者らは、さきに、塗工紙の表面強度が大幅に改良され、かつ白紙光沢、印刷光沢、耐水性に優れ、しかもべとつき防止性が改善されて塗工操業性に優れ、さらに、広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有する塗工紙を得ることができる、紙塗工用組成物のバインダーとして有用な共重合体ラテックスを提案した(特許文献1)。
しかしながら、この共重合体ラテックスは、単量体成分として、不飽和ジカルボン酸や不飽和モノカルボン酸が多く、得られるラテックスのpHが2〜4と低い。このため、ラテックス調製時に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属塩を用いてpH調整されているため、得られる紙塗工用組成物中にアルカリ金属が残存することになる。この紙塗工用組成物を塗工した塗工紙を用いて、印刷に供すると、多色刷りの際の湿し水により、親水性の上記アルカリ金属塩のために塗工紙に湿し水が吸水されて、紙自体の表面強度が低下し、いわゆるウエットピックが起こりやすくなる。ウェットピックが発生すると、印刷画像の荒れが生じ、白抜けなどの原因となり支障を生ずる。
特開2001−31727号公報
本発明は、塗工操業性に優れ、かつ、白紙光沢、印刷光沢、表面強度などの印刷適性に優れ、さらに広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有するとともに、特にウエットピック強度の高い塗工紙を得ることができる紙塗工用共重合体ラテックスを提供することを目的とする。
本発明は、(a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、
(b)シアン化ビニル単量体0.1〜35重量%、
(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体0.01〜10重量%、
(d)不飽和ジカルボン酸単量体0.1〜3重量%、
(e)不飽和モノカルボン酸単量体0〜1重量%《ここで、[(d)+(e)]≦3重量%、(d)>(e)である》、および
(f)上記(a)〜(e)成分と共重合可能な他の単量体0〜79.8重量%[ただし、(a)+(b)+(c)+(d)+(e)=100重量%]
からなる単量体成分を乳化重合して得られ、かつ平均粒子径が100nm以下である紙塗工用共重合体ラテックスに関する。
本発明の共重合体ラテックスは、上記共重合体ラテックスをバインダーとして用い、紙塗工用組成物として用いられる。
(b)シアン化ビニル単量体0.1〜35重量%、
(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体0.01〜10重量%、
(d)不飽和ジカルボン酸単量体0.1〜3重量%、
(e)不飽和モノカルボン酸単量体0〜1重量%《ここで、[(d)+(e)]≦3重量%、(d)>(e)である》、および
(f)上記(a)〜(e)成分と共重合可能な他の単量体0〜79.8重量%[ただし、(a)+(b)+(c)+(d)+(e)=100重量%]
からなる単量体成分を乳化重合して得られ、かつ平均粒子径が100nm以下である紙塗工用共重合体ラテックスに関する。
本発明の共重合体ラテックスは、上記共重合体ラテックスをバインダーとして用い、紙塗工用組成物として用いられる。
本発明の紙塗工用共重合体ラテックスは、塗工操業性に優れ、かつ、白紙光沢、印刷光沢、表面強度などの印刷適性に優れ、さらに広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を有するとともに、特にウエットピック強度の高い塗工紙を得ることができる紙塗工用共重合体ラテックスを提供することができる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
本発明の共重合体ラテックスの製造に使用される(a)脂肪族共役ジエン系単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、好ましくは1,3−ブタジエンである。これらの(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
かかる(a)脂肪族共役ジエン系単量体は、得られる重合体に適度な柔軟性と伸びを与え、耐衝撃性を付与するために必須の成分であり、その使用割合は全単量体成分に対して20〜80重量%、好ましくは25〜70重量%、さらに好ましくは30〜65重量%である。この(a)成分が20重量%未満であると、共重合体が硬くなり過ぎ、接着強度が改良されない。一方、(a)成分が80重量%を超えると、べとつき防止性が悪化する。
(a)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
(a)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
(b)上記シアン化ビニル単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどが挙げられ、特にアクリロニトリルが好ましい。
(b)シアン化ビニル単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
上記(b)シアン化ビニル単量体は、得られる重合体に適度なガラス転移温度と耐油性を与えるために必須の成分であり、その使用割合は全単量体成分に対して0.1〜35重量%、好ましくは1〜30重量%である。この(b)成分が0.1重量%未満であると、べとつき防止性が悪化する。一方、35重量%を超えると、共重合体が硬くなりすぎ、接着強度が低下する。
(b)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
(b)シアン化ビニル単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
上記(b)シアン化ビニル単量体は、得られる重合体に適度なガラス転移温度と耐油性を与えるために必須の成分であり、その使用割合は全単量体成分に対して0.1〜35重量%、好ましくは1〜30重量%である。この(b)成分が0.1重量%未満であると、べとつき防止性が悪化する。一方、35重量%を超えると、共重合体が硬くなりすぎ、接着強度が低下する。
(b)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
上記(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミンプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられるが、特にメタクリルアミドが好ましい。これらの単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
かかる(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体の使用量は、全単量体成分に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜8重量%であり、さらに好ましくは0.5〜5重量%である。(c)成分が0.01重量%未満では、得られるラテックスの機械的安定性や化学的安定性に劣り、一方10重量%を超えると、ラテックス粘度が大きく上昇し、作業性が悪化する。
(c)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
(c)成分は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することができる。
上記(d)不飽和ジカルボン酸単量体としては、例えばイタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
これらの(d)不飽和ジカルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(d)エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の使用量は、全単量体成分に対して0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜2.5重量%であり、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。(d)成分が0.1重量%未満では、重合時のラテックスの安定性が低下し、凝固物が生成し易くなり、また得られるラテックスの機械的安定性や化学的安定性に劣り、一方(d)成分が3重量%を超えると、ラテックスのpH調製時に用いる水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属塩量が増加しウェットピック強度が低下する。
これらの(d)不飽和ジカルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(d)エチレン系不飽和ジカルボン酸単量体の使用量は、全単量体成分に対して0.1〜3重量%、好ましくは0.3〜2.5重量%であり、さらに好ましくは0.5〜2重量%である。(d)成分が0.1重量%未満では、重合時のラテックスの安定性が低下し、凝固物が生成し易くなり、また得られるラテックスの機械的安定性や化学的安定性に劣り、一方(d)成分が3重量%を超えると、ラテックスのpH調製時に用いる水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属塩量が増加しウェットピック強度が低下する。
上記(e)不飽和モノカルボン酸単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
これらの(e)不飽和モノカルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(e)不飽和モノカルボン酸単量体の使用量は、全単量体成分に対して0〜1重量%、好ましくは0〜0.7重量%、さらに好ましくは0〜0.5重量%である。
(e)成分が1重量%を超えると、ウェットピック強度が低下する。
これらの(e)不飽和モノカルボン酸単量体は、1種単独で、あるいは2種以上を併用することもできる。
かかる(e)不飽和モノカルボン酸単量体の使用量は、全単量体成分に対して0〜1重量%、好ましくは0〜0.7重量%、さらに好ましくは0〜0.5重量%である。
(e)成分が1重量%を超えると、ウェットピック強度が低下する。
以上の(d),(e)成分は、[(d)+(e)]が3重量%以下、好ましくは0.1〜2.5重量%、また、(d)成分の含有量は、(e)成分の含有量よりも多くする必要がある。
[(d)+(e)]成分が3重量%を超えると、得られる共重合体ラテックス中に存在するカルボキシル基の濃度が上昇するために、pHが低い値となり、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの多量のアルカリ金属塩を用いてpH調整をする必要が生じて、結果的に紙塗工用組成物中にアルカリ金属塩が残存し、ウエットピック強度が低下する。また、(d)成分の含有量が(e)成分の含有量以下の場合には、pH調整時のアルカリ金属塩がより多く必要となるためさらにウェットピックが低下するため好ましくない。
[(d)+(e)]成分が3重量%を超えると、得られる共重合体ラテックス中に存在するカルボキシル基の濃度が上昇するために、pHが低い値となり、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどの多量のアルカリ金属塩を用いてpH調整をする必要が生じて、結果的に紙塗工用組成物中にアルカリ金属塩が残存し、ウエットピック強度が低下する。また、(d)成分の含有量が(e)成分の含有量以下の場合には、pH調整時のアルカリ金属塩がより多く必要となるためさらにウェットピックが低下するため好ましくない。
また、上記(f)上記(a)〜(e)成分と共重合可能な他のビニル系単量体としては芳香族ビニル化合物、アルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルなどが挙げられる。
これらのうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
これらのうち、芳香族ビニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンなどが挙げられ、特にスチレンが好ましい。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、特にメチルメタアクリレートが好ましい。
これら(f)成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。
これら(f)成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもかまわない。
(f)成分は、共重合体に、主として目的に応じた適度なガラス転移温度を与えるために使用するものであり、その使用割合は0〜79.8重量%、好ましくは25〜70重量%、さらに好ましくは30〜65重量%である。79.8重量%を超えると、共重合体が硬くなりすぎ接着強度が低下する。
これらの単量体を用いた共重合体ラテックスは、本発明が目的とする紙塗工用組成物のバインダーに用いたとき、白紙光沢、印刷光沢、表面強度において優れ、その他の特性もバランスして優れたものとなる。
これらの単量体を用いた共重合体ラテックスは、本発明が目的とする紙塗工用組成物のバインダーに用いたとき、白紙光沢、印刷光沢、表面強度において優れ、その他の特性もバランスして優れたものとなる。
本発明の共重合体ラテックスは、前述した単量体成分(a)〜(f)を乳化重合して得られる。
この共重合体ラテックスの共重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−100〜60℃、さらに好ましくは−80〜50℃、特に好ましくは−70〜50℃の範囲に少なくとも1点存在し、かつ、共重合体は、示差熱量曲線の転移領域におけるT1とT2との差ΔTは、30℃以上、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上、特に好ましくは45℃〜120℃である。
この共重合体ラテックスの共重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−100〜60℃、さらに好ましくは−80〜50℃、特に好ましくは−70〜50℃の範囲に少なくとも1点存在し、かつ、共重合体は、示差熱量曲線の転移領域におけるT1とT2との差ΔTは、30℃以上、好ましくは35℃以上、さらに好ましくは40℃以上、特に好ましくは45℃〜120℃である。
上記ガラス転移温度(Tg)が、−100℃〜60℃の範囲にあると、接着強度とべとつき防止性が一段と優れる。
また、上記差ΔTが30℃未満であると、広範な印刷速度範囲において印刷適性を高レベルに維持することができないため、十分な印刷速度範囲を確保できない。それと同時に、塗工紙の表面強度および耐衝撃性が低下し、高速印刷における変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対して耐えられない。
また、上記差ΔTが30℃未満であると、広範な印刷速度範囲において印刷適性を高レベルに維持することができないため、十分な印刷速度範囲を確保できない。それと同時に、塗工紙の表面強度および耐衝撃性が低下し、高速印刷における変形速度の極めて大きい衝撃的な変形に対して耐えられない。
本発明で使用される単量体成分を乳化重合するに際しては、水性媒体中で乳化剤、重合開始剤などを用いて製造することができる。ここで、乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが単独で、あるいは2種以上を併用して使用できる。
ここで、アニオン性界面活性剤としては、例えば高級アルコールの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪族スルホン酸塩、ポリエチレングリコールアルキルエーテルの硫酸エステルなどが挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、通常のポリエチレングリコールのアルキルエステル型、アルキルエーテル型、アルキルフェニルエーテル型などが用いられる。
両性界面活性剤としては、アニオン部分としてカルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸塩、燐酸エステル塩を、カチオン部分としてはアミン塩、第4級アンモニウム塩を持つものが挙げられ、具体的にはラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのベタイン類、ラウリル−β−アラニン、ステアリル−β−アラニン、ラウリルジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチル)グリシン、などのアミノ酸タイプのものなどが用いられる。
重合開始剤(ラジカル触媒)としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの水溶性重合開始剤、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2'−アゾビスイソブチルニトリルなどの油溶性重合開始剤、還元剤との組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが、それぞれ単独であるいは組み合わせで使用できる。連鎖移動剤、キレート化剤、無機電解質なども公知のものが使用できる。
上記還元剤としては、例えば、エルソルビン酸、エルソルビン酸ナトリウム、エルソルビン酸カリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、糖類、ロンガリットソディウムホルムアルデヒドスルホキシレート、亜硫酸水素ナトリウム・亜硫酸水素カリウム・亜硫酸ナトリウム・亜硫酸カリウムなどの亜硫酸塩、ピロ亜硫酸水素ナトリウム・ピロ亜硫酸水素カリウム・ピロ亜硫酸ナトリウム・ピロ亜硫酸カリウムなどのピロ亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム、亜燐酸、亜燐酸ナトリウム・亜燐酸カリウム・亜燐酸水素ナトリウム・亜燐酸水素カリウムなどの亜燐酸塩、ピロ亜燐酸、ピロ亜燐酸ナトリウム・ピロ亜燐酸カリウム・ピロ亜燐酸水素ナトリウム・ピロ亜燐酸水素カリウムなどのピロ亜燐酸塩、メルカプタンが挙げられる。これらの還元剤は、好ましくは、単量体成分100重量%に対して0.01〜10重量%が使用される。
また、重合開始剤および還元剤のより具体的な添加方法として、例えば、両者を別々の供給配管から同時に連続的に重合反応器に添加する方法、重合開始剤が還元剤よりも過剰に存在する重合系内に還元剤を連続的に添加する方法、還元剤が重合開始剤よりも過剰に存在する重合系内に開始剤を連続的に添加する方法が挙げられる。なお、重合開始剤と還元剤との当量比は、100/1から1/100の間とするのが好ましい。
さらに、重合開始剤および還元剤に加えて、酸化還元触媒を重合系内に添加して乳化重合を行うことができる。酸化還元触媒としては、金属触媒、例えば、2価の鉄イオン、3価の鉄イオン、銅イオンなどが挙げられる。前述した還元剤と同様に、酸化還元触媒も、重合系にそれぞれ回分的、連続的あるいはこの両者を組み合わせて添加することができる。重合開始剤、還元剤、および酸化還元触媒の好ましい組み合わせとして、重合開始剤として過硫酸カリウム、還元剤として亜硫酸水素ナトリウム、および酸化還元触媒として硫酸第一鉄を用いたものが挙げられる。
連鎖移動剤としては、具体的には、例えば、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどのチウラムジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタン、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレート、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどを挙げることができる。
これらは単独でも、あるいは2種以上組み合わせて使用することもできる。
これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーなどが好適に使用される。
これらは単独でも、あるいは2種以上組み合わせて使用することもできる。
これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類、チウラムジスルフィド類、四塩化炭素、1,1−ジフェニルエチレン、α−メチルスチレンダイマーなどが好適に使用される。
連鎖移動剤の使用量は、単量体成分100重量部当り、0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜15重量部、さらに好ましくは0.2〜10重量部、特に好ましくは0.3〜8重量部である。この連鎖移動剤の使用量が0.1重量部未満では耐ブリスター性が劣り、一方20重量部を超えると接着強度が低下して好ましくない。
重合方法としては、単量体の一部を重合した後、その残りを連続的にあるいは断続的に添加する方法、あるいは単量体を重合のはじめから連続的に添加する方法(重合タイプ)が挙げられる。また、他の方法として、共重合体のガラス転移温度が異なる複数の共重合体ラテックスを予め製造し、それらを混合して、本発明の共重合体ラテックスを得る方法(混合タイプ)が挙げられる。好ましくは、前者の重合タイプである。
以上の重合温度は、通常、好ましくは20〜85℃、より好ましくは25〜60℃である。
また、重合時間は、通常、10〜30時間である。
本発明の共重合体ラテックスの重合転化率は、95重量%以上、通常、97〜99重量%であるから、重合に用いた単量体の重量%はそのまま共重合体中の単量体成分の重量%とみなすことができる。
また、重合時間は、通常、10〜30時間である。
本発明の共重合体ラテックスの重合転化率は、95重量%以上、通常、97〜99重量%であるから、重合に用いた単量体の重量%はそのまま共重合体中の単量体成分の重量%とみなすことができる。
このようにして得られる本発明の紙塗工用共重合体ラテックスの平均粒子径は、100nm以下、好ましくは65〜95nm、さらに好ましくは70〜90nmである。100nmを超えると、表面強度が著しく低下する。平均粒子径を100nm以下にするには、重合初期の界面活性剤量を増量することでコントロール可能である。
なお、本発明の紙塗工用共重合体ラテックス中のアルカリ金属の含有量は、アルカリ金属原子換算で、通常、7,000ppm以下、好ましくは6,000ppm以下である。
本発明の紙塗工用共重合体ラテックスは、用いられる単量体成分中の不飽和ジカルボン酸単量体および不飽和モノカルボン酸単量体の使用量が少ないため、生成ラテックスのpHが4〜6程度と比較的中性に近く、pH調整のためのアルカリ金属塩の添加量を低減することができる。
本発明の紙塗工用共重合体ラテックスは、用いられる単量体成分中の不飽和ジカルボン酸単量体および不飽和モノカルボン酸単量体の使用量が少ないため、生成ラテックスのpHが4〜6程度と比較的中性に近く、pH調整のためのアルカリ金属塩の添加量を低減することができる。
(紙塗工用組成物)
本発明の共重合体ラテックスが用いられる紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、上記共重合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダー、種々の助剤を配合して使用される。上記共重合体ラテックスの配合量は、通常、顔料100重量部に対して共重合体ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方30重量部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
本発明の共重合体ラテックスが用いられる紙塗工用組成物は、無機あるいは有機顔料に、上記共重合体ラテックス、さらに必要に応じて他のバインダー、種々の助剤を配合して使用される。上記共重合体ラテックスの配合量は、通常、顔料100重量部に対して共重合体ラテックス1〜30重量部(固形分として)、好ましくは3〜25重量部である。共重合体ラテックスが1重量部未満であると、接着強度が著しく低下し、一方30重量部を超えるとインク乾燥性の低下が著しい。
上記無機顔料としては、クレー、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、サチンホワイト、タルク、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛などが、また有機顔料としてはポリスチレンラテックス、尿素ホルマリン樹脂などを挙げることができる。これらは目的に応じて、単独でも、あるいは2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の共重合体ラテックスからなる紙塗工用組成物、特にオフセット印刷用の紙塗工用組成物においては、顔料接着剤として好適に使用される。また、この紙塗工用組成物は、上記共重合体ラテックスに加えて、カゼイン、カゼイン変性物、澱粉、澱粉変性物、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースなどの水溶性物質を必要に応じて組み合わせて使用できる。
また、その紙塗工用組成物においては、一般に使用されている種々の配合剤、例えば、耐水性改良剤、顔料分散剤、粘度調節剤、着色顔料、蛍光染料およびpH調節剤を任意に配合することができる。さらに、その紙塗工用組成物は、シートオフセット印刷用紙およびウエッブオフセット印刷用紙に好適に使用され、その他、凸版印刷、グラビア印刷などの各種印刷用紙および紙のコーティング剤にも使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例において割合を示す「部」および「%」はそれぞれ重量部および重量%を意味する。実施例、比較例における共重合体ラテックスの分析、測定、評価の方法および紙塗工用組成物の調製、塗工紙の製造、紙塗工用組成物や塗工紙の測定、評価の方法などは、次に記載の方法により行った。
[分析、測定、評価などの方法]
[共重合体ラテックスの分析・測定]
(アルカリ金属含有量)
共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを白金るつぼ中で550℃に加熱、灰化したあと塩酸で溶解し試料溶液とした。誘導結合プラズマ発光分光分析装置(SPS7700:セイコーインスツルメンツ社製)を用いてナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属含有量を測定した。
[共重合体ラテックスの分析・測定]
(アルカリ金属含有量)
共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを白金るつぼ中で550℃に加熱、灰化したあと塩酸で溶解し試料溶液とした。誘導結合プラズマ発光分光分析装置(SPS7700:セイコーインスツルメンツ社製)を用いてナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属含有量を測定した。
[ガラス転移温度(Tg)]
共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを示差走査熱量計(DSC6100:セイコーインスツルメンツ社製)を用いてASTM法に準じて測定した。
共重合体ラテックスを100℃で20時間真空乾燥を行い、フィルムを作製した。この乾燥フィルムを示差走査熱量計(DSC6100:セイコーインスツルメンツ社製)を用いてASTM法に準じて測定した。
(ラテックス平均粒子径)
共重合体ラテックスの平均粒子径は、粒子径測定装置(PAR−III:大塚電子社製)を用いて常法により求めた。
共重合体ラテックスの平均粒子径は、粒子径測定装置(PAR−III:大塚電子社製)を用いて常法により求めた。
(トルエン不溶分)
共重合体ラテックスをpH8.0に調製した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬した。その後、120メッシュの金網でろ過し、得られる残存固形分の仕込の全固形分に対する重量%を求めた。
共重合体ラテックスをpH8.0に調製した後、イソプロパノールで凝固し、この凝固物を洗浄、乾燥した後、所定量(約0.03g)の試料を所定量(100ml)のトルエンに20時間浸漬した。その後、120メッシュの金網でろ過し、得られる残存固形分の仕込の全固形分に対する重量%を求めた。
(示差熱量曲線)
示差走査熱量計(DSC6100:セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、ASTM法に準じて測定し、示差熱量曲線を求めた。これにより、各共重合体ラテックスの共重合体の転移領域の最低温度T1と最高温度T2との差ΔT(℃)を求めた。
示差走査熱量計(DSC6100:セイコーインスツルメンツ社製)を用いて、ASTM法に準じて測定し、示差熱量曲線を求めた。これにより、各共重合体ラテックスの共重合体の転移領域の最低温度T1と最高温度T2との差ΔT(℃)を求めた。
[紙塗工用組成物の調製]
配合処方のとおり原料をミキサーを用いて均一に混合して紙塗工用組成物を調製した。
配合(処方1)
カオリンクレー 70.0部
炭酸カルシウム 30.0部
分散剤 0.1部
水酸化ナトリウム 0.1部
澱粉 3.0部
共重合体ラテックス(固形分として)10.0部
水 全固形分が65%となるように適当量添加
配合処方のとおり原料をミキサーを用いて均一に混合して紙塗工用組成物を調製した。
配合(処方1)
カオリンクレー 70.0部
炭酸カルシウム 30.0部
分散剤 0.1部
水酸化ナトリウム 0.1部
澱粉 3.0部
共重合体ラテックス(固形分として)10.0部
水 全固形分が65%となるように適当量添加
[塗工紙の製造]
紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面16.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレードコーター(熊谷理機工業製)で塗工し、180℃の電気式熱風乾燥機にて3秒間乾燥する。得られた塗工紙を温度23℃、湿度60%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を2回行い、塗工紙を製造した。
紙塗工用組成物を塗被原紙上に、塗工量が片面16.0±0.5g/m2となるように、電動式ブレードコーター(熊谷理機工業製)で塗工し、180℃の電気式熱風乾燥機にて3秒間乾燥する。得られた塗工紙を温度23℃、湿度60%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、線圧100kg/cm,ロール温度50℃の条件でスーパーカレンダー処理を2回行い、塗工紙を製造した。
[塗工紙の評価]
(ドライピック強度)
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
(ドライピック強度)
RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
(ウェットピック強度)
RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
RI印刷機を用いて、塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、RI印刷機で印刷したときのピッキングの程度を肉眼で判定し、5段階で評価した。ピッキング現象の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
(白紙光沢)
塗工紙を村上式光沢計を使用して、75度の角度で測定した。
(印刷光沢)
RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
塗工紙を村上式光沢計を使用して、75度の角度で測定した。
(印刷光沢)
RI印刷機を用いてオフセット用インキをベタ塗りし、村上式光沢計を使用して60度の角度で測定した。
(べとつき防止性)
ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上にNo.20 ロッドにより塗布し、140℃で30秒間乾燥し、皮膜を形成させる。得られた皮膜を温度23℃、湿度60%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、この皮膜とNo.50 ろ紙を合わせて、グロスカレンダーにより線圧17kg/m,温度65℃の条件下で圧着させる。両者をひきはがして、ろ紙のラテックスへの転写の程度を目視で5段階で評価した。転写の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
ラテックスをポリエチレンテレフタレートフィルム上にNo.20 ロッドにより塗布し、140℃で30秒間乾燥し、皮膜を形成させる。得られた皮膜を温度23℃、湿度60%の恒温恒湿槽に1昼夜放置し、その後、この皮膜とNo.50 ろ紙を合わせて、グロスカレンダーにより線圧17kg/m,温度65℃の条件下で圧着させる。両者をひきはがして、ろ紙のラテックスへの転写の程度を目視で5段階で評価した。転写の少ないものほど高得点とした。数値は測定回数6回の平均値で示した。
実施例1〜3、比較例1〜5 [共重合体ラテックスの製造]
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、表1に示される1段目成分を仕込み、窒素で重合系内を置換した。その後、重合系内の温度を40℃に昇温し、この温度で1時間重合を行った。次いで、表1に示される2段目成分と、還元剤水溶液の1/5量とを5時間かけて連続的に重合系内に添加し、重合を進めた。さらに、3段目成分と、還元剤水溶液の1/5量とを2時間かけて連続的に重合系内に添加した。その後、4段目成分と、および還元剤水溶液の2/5量を1時間かけて連続的に重合系内に添加した。重合を完結させるために、残り1/5量の還元剤水溶液を2時間かけて連続的に添加した。最終的な重合転化率は98%であった。
得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを用いてpH7.5に調整した後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さらに加熱水蒸気蒸留によって固形分濃度50%の共重合体ラテックスを得た。
攪拌装置および温度調節機を備えた耐圧反応容器に、表1に示される1段目成分を仕込み、窒素で重合系内を置換した。その後、重合系内の温度を40℃に昇温し、この温度で1時間重合を行った。次いで、表1に示される2段目成分と、還元剤水溶液の1/5量とを5時間かけて連続的に重合系内に添加し、重合を進めた。さらに、3段目成分と、還元剤水溶液の1/5量とを2時間かけて連続的に重合系内に添加した。その後、4段目成分と、および還元剤水溶液の2/5量を1時間かけて連続的に重合系内に添加した。重合を完結させるために、残り1/5量の還元剤水溶液を2時間かけて連続的に添加した。最終的な重合転化率は98%であった。
得られた共重合体ラテックスを、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを用いてpH7.5に調整した後、水蒸気を吹き込んで未反応単量体を除去し、さらに加熱水蒸気蒸留によって固形分濃度50%の共重合体ラテックスを得た。
得られた共重合体ラテックスについて、アルカリ金属含有量、ガラス転移温度、ラテックス平均粒子径、トルエン不溶分および示差熱量曲線における転移領域の最低温度T1と最高温度T2との差ΔTを求めた。さらに得られた共重合体ラテックスを用いて、前記の配合処方により紙塗工用組成物を調製し、さらにこれを紙に塗布して塗工紙を製造した。塗工紙について、前記の方法に従って性能評価を行った。これらの結果を表1に示した。
実施例1〜3は、本発明の範囲の共重合体ラテックスの例であり、本発明の目的とする塗工紙の特性を得ている。
一方、比較例1〜2、5は、不飽和ジカルボン酸単量体および不飽和モノカルボン酸単量体の量が本発明の範囲を超えた例であり、アルカリ金属含有量が高く、表面強度の低下特にウェットピック強度が劣る。
比較例3,4は、ラテックスの平均粒子径が本発明の範囲を超えた例であり、べとつき防止性、ドライピック強度、ウェットピック強度が劣る。
一方、比較例1〜2、5は、不飽和ジカルボン酸単量体および不飽和モノカルボン酸単量体の量が本発明の範囲を超えた例であり、アルカリ金属含有量が高く、表面強度の低下特にウェットピック強度が劣る。
比較例3,4は、ラテックスの平均粒子径が本発明の範囲を超えた例であり、べとつき防止性、ドライピック強度、ウェットピック強度が劣る。
本発明の紙塗工用共重合体ラテックスは、特にウエットピック強度に優れ、広い印刷速度範囲にわたって上記の優れた印刷適性を発現させ、紙塗工用、特に、オフセット印刷用さらに好ましくはシートオフセット印刷用およびウエッブオフセット印刷に好適に使用され得る。
Claims (4)
- (a)脂肪族共役ジエン系単量体20〜80重量%、
(b)シアン化ビニル単量体0.1〜35重量%、
(c)アミド基含有エチレン系不飽和単量体0.01〜10重量%、
(d)不飽和ジカルボン酸単量体0.1〜3重量%、
(e)不飽和モノカルボン酸単量体0〜1重量%《ここで、[(d)+(e)]≦3重量%、(d)>(e)である》、および
(f)上記(a)〜(e)成分と共重合可能な他の単量体0〜79.8重量%[ただし、(a)+(b)+(c)+(d)+(e)=100重量%]
からなる単量体成分を乳化重合して得られ、かつ平均粒子径が100nm以下である紙塗工用共重合体ラテックス。 - 乳化重合して得られる共重合体のガラス転移温度が、−100〜60℃の範囲に少なくとも1点存在し、かつ、共重合体は、示差走査熱量計によって得られる示差熱量曲線において、転移領域の最低温度T1と最高温度T2との差ΔTが30℃以上である請求項1記載の紙塗工用共重合体ラテックス。
- ラテックス中のアルカリ金属の含有量が7,000ppm以下である請求項1または2記載の紙塗工用共重合体ラテックス。
- 請求項1〜3いずれかに記載の共重合体ラテックスをバインダーとして用いる紙塗工用組成物。
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JP2003377694A JP2005139309A (ja) | 2003-11-07 | 2003-11-07 | 紙塗工用共重合体ラテックス |
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WO2017104135A1 (ja) * | 2015-12-15 | 2017-06-22 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
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JP2017110070A (ja) * | 2015-12-15 | 2017-06-22 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP2018039867A (ja) * | 2016-09-05 | 2018-03-15 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
JP2018095735A (ja) * | 2016-12-13 | 2018-06-21 | 東洋ゴム工業株式会社 | ゴム組成物及び空気入りタイヤ |
-
2003
- 2003-11-07 JP JP2003377694A patent/JP2005139309A/ja active Pending
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US10723866B2 (en) | 2015-12-15 | 2020-07-28 | Toyo Tire Corporation | Rubber composition and pneumatic tire |
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