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JP2015224404A - 透湿防水性布帛 - Google Patents

透湿防水性布帛 Download PDF

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JP2015224404A
JP2015224404A JP2014110256A JP2014110256A JP2015224404A JP 2015224404 A JP2015224404 A JP 2015224404A JP 2014110256 A JP2014110256 A JP 2014110256A JP 2014110256 A JP2014110256 A JP 2014110256A JP 2015224404 A JP2015224404 A JP 2015224404A
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Kiyoshi Nakagawa
清 中川
大輔 北阪
Daisuke Kitasaka
大輔 北阪
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Abstract

【課題】耐揉性、耐摩耗性に優れる透湿防水性布帛を提供すること。
【解決手段】ポリテトラフルオロエチレン微粒子3〜30質量%と、L−リジンと有機酸との反応生成物である平板状紛体3〜30質量%とを含有するポリウレタン微多孔層を繊維布帛の少なくとも片面に備えている透湿防水性布帛であり、微多孔層中にシリカ微粒子が3〜30質量%含有されていること、微多孔層上にポリウレタン無孔層が積層されていることなどが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、透湿防水性布帛に関するものである。
透湿性と防水性とを併せ持つ透湿防水性布帛は、身体からの発汗による水蒸気を衣服外へ放出する機能と、雨が衣服内に侵入するのを防ぐ機能とを有するものであり、スポーツ衣料や防寒衣料などに好適に用いられている。
このような透湿防水性布帛としては、細繊度糸を高密度に織り込むことで透湿防水性を具現させた高密度織物や、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド又はポリテトラフルオロエチレンなどからなる樹脂層を、繊維布帛の片面に形成した積層布帛などがよく知られている。中でも、ポリウレタン樹脂からなる樹脂層を備えた積層布帛は、汎用性、コスト及び性能の面から特に好ましいとされている。
樹脂層を備える積層布帛は、通常、繊維布帛上に微多孔層又は無孔層として樹脂層を直接形成させるコーティング法や、一旦、離型紙などの離型基材上に樹脂層を形成してから、これを繊維布帛に転写させるラミネート法などにより製造される。
近年、コスト削減の観点から、裏地を装着せずに透湿防水性布帛を単独で使用する所謂一枚ものとして使用されるケースが増えており、これに伴い、樹脂層の耐摩耗性が重視される傾向にある。
そこで、特許文献1〜3において、樹脂層の耐摩耗性を向上させる手段が開示されている。
特開平2−281942号公報 特開平3−213582号公報 特開平4−194082号公報
特許文献1〜3記載の発明では、樹脂層において耐摩耗性の改善効果がある程度認められる。しかしながら、これらの発明では、平板状紛体を使用することで耐摩耗性を向上させているため、樹脂層の表面上を擦るような単方向の摩耗には耐久性を示すが、複数の方向から同時に樹脂層全体を揉むような摩耗については十分な耐久性が得られていない。
また、樹脂層を裏地で覆うことで、透湿防水性布帛全体の耐摩耗性を向上させる手段も提案されている。しかし、布帛全体として耐摩耗性の耐久性を上げるには、多量の接着剤を介して厚手の裏地で完全に樹脂層を覆う必要がある。そうすると、布帛としての可撓性が失われるため、揉むような摩耗については依然として十分な耐久性が得られない。
本発明はこのような現状に鑑みて行われたもので、耐揉性、耐摩耗性に優れる透湿防水性布帛を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、樹脂層中にポリテトラフルオロエチレン微粒子と、L−リジンと有機酸との反応生成物たる平板状紛体とを各々所定量含有させると、両者の相乗効果により、優れた耐揉性、耐摩耗性が発現することを知見し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成よりなるものである。
(1)ポリテトラフルオロエチレン微粒子3〜30質量%と、L−リジンと有機酸との反応生成物である平板状紛体3〜30質量%とを含有するポリウレタン微多孔層を繊維布帛の少なくとも片面に備えていることを特徴とする透湿防水性布帛。
(2)前記微多孔層中に、さらにシリカ微粒子を3〜30質量%含有することを特徴とする(1)記載の透湿防水性布帛。
(3)前記微多孔層上に、ポリウレタン無孔層が積層されていることを特徴とする(1)又は(2)記載の透湿防水性布帛。
(4)前記無孔層中に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子3〜30質量%と、L−リジンと有機酸との反応生成物である平板状紛体3〜30質量%とが含有されていることを特徴とする(3)記載の透湿防水性布帛。
(5)繊維布帛からみて反対側の面に裏地を備えていることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の透湿防水性布帛。
本発明の透湿防水性布帛は、透湿防水性能に優れていることは無論のこと、耐揉性、耐摩耗性にも優れている。このため、裏地を設けない一枚ものとして好ましく使用できる。
本発明では、ポリテトラフルオロエチレン微粒子と特定平板状紛体との相乗効果により優れた耐揉性、耐摩耗性が奏されるが、特にポリテトラフルオロエチレン微粒子が疎水性の粒子であるため、これに由来して樹脂層全体が疎水性の強いものとなり、その結果、布帛に洗濯耐久性のある防水性能(耐水圧)が付与される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の透湿防水性布帛は、繊維布帛の少なくとも片面にポリウレタン微多孔層を備えている。
本発明における繊維布帛は基布として使用するものである。繊維布帛としては、ナイロン6、ナイロン66に代表されるポリアミド系合成繊維、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル系合成繊維、ポリアクリルニトリル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維などの合成繊維、トリアセテートなどの半合成繊維又はナイロン6/綿、ポリエチレンテレフタレート/綿などの混合糸などからなる織物、編物又は不織布などがあげられる。
本発明の透湿防水性布帛を得るには、微多孔層形成に先立って繊維布帛を撥水加工するとよい。これにより、微多孔層形成の際、後述する樹脂溶液が繊維布帛内部へ浸透し難くなる。
撥水加工は、製織編の後であれば任意の段階で行うことが可能であるが、通常は精練、染色後に行う。また、撥水加工は、パディング法、コーティング法、グラビアコーティング法又はスプレー法などに基づいて行えばよい。同加工に使用する撥水剤としては、パラフィン系撥水剤、ポリシロキサン系撥水剤、フッ素系撥水剤などがあげられる。中でも撥水耐久性の点から、フッ素系撥水剤が好ましい。フッ素系撥水剤としては、例えば、旭硝子株式会社製「アサヒガードAG−E081(商品名)」、「アサヒガードAG−E082(商品名)」、「アサヒガードAG−E500D(商品名)」、ダイキン工業株式会社製「ユニダインTG−5521(商品名)」、「ユニダインTG−5541(商品名)」、ユニダインTG−5601(商品名)」クラリアントジャパン株式会社製「NUVAN2114 LIQ(商品名)」、「NUVAN2116 LIQ(商品名)」などがあげられる。
さらに、本発明では、撥水耐久性を向上させる目的で、撥水加工時に、トリアジン化合物、イソシアネート化合物などを併用してもよい。特にイソシアネート化合物が環境保護の点から好適であり、ブロックイソシアネート化合物が特に好適である。ブロックイソシアネート化合物としては、イソシアネート基をアセトオキシム、フェノール又はカプロラクタムなどでブロックした熱解離タイプのブロックイソシアネート化合物があげられ、これを使用することで、撥水剤水分散液の加工安定性を向上することができる。
繊維布帛に対する撥水剤の付与量としては、固形分換算で0.1〜3質量%が好ましく、0.3〜2質量%がより好ましい。付与量が0.1質量%未満になると、繊維布帛に対して十分な撥水性能を付与し難く、一方、3質量%を超えると、繊維布帛の風合いが硬くなり易く、さらには微多孔層との接着性もしくは透湿性能にも悪影響を及ぼすこともあるので好ましくない。
また、繊維布帛内部への樹脂溶液浸透をさらに抑える目的で、繊維布帛を目潰し(カレンダー)加工してもよい。目潰し加工としては、特に限定されるものでないが、一般的に、温度コントロール機能を持つ鏡面ロールと、コットンロールもしくはプラスチックロールとの間に織編物を走行させ、鏡面ロールに接した面を目潰しする。通常、目潰し面上に微多孔層を形成する。目潰し加工は、公知のカレンダー機を用いて行えばよい。
本発明では、ポリウレタン樹脂を使用して微多孔層を形成する。これにより、優れた透湿防水性能が具現する。ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させて得たものが好適である。ポリイソシアネート成分としては、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが単独で又は混合して用いられる。具体的には、トリレン−2,4−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート又は3官能以上のポリイソシアネートなどが単独で又は混合して用いられる。一方、ポリオール成分としては、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールなどが用いられる。ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール又はポリテトラエチレングリコールなどが用いられる。ポリエステルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのジオールと、アジピン酸、セバチン酸といった二塩基酸との反応生成物、又はカプロラクトンなどの開環重合物を用いることができ、また、オキシ酸モノマー又はそのプレポリマーの重合物も用いることができる。
本発明では、このように微多孔層を形成する樹脂としてポリウレタン樹脂を使用するが、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂を併用してもよい。他の樹脂としては、例えばポリアクリル酸、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリアミノ酸、ポリカーボネートなどがあげられ、これらの共重合体又はフッ素やシリコンなどで変成したものも使用できる。他の樹脂の含有量としては、微多孔層100質量%に対して15質量%以下とすることが好ましい。
さらに、微多孔層中には、必要に応じて第三成分を含有させてもよい。第三成分としては、架橋性イソシアネート化合物が好適である。架橋性イソシアネート化合物を使用すると、同化合物を介してポリウレタン樹脂が架橋し、微多孔層の強度が上がると共に、微多孔層と繊維布帛との接着性が向上する。架橋性イソシアネート化合物は、通常、微多孔層100質量%に対して(固形分換算で)2〜8質量%程度含まれていることが好ましい。架橋性イソシアネート化合物の含有量が2質量%未満になると、微多孔層の強度、接着性などの向上が期待し難くなり、一方、8質量%を超えると、架橋が進み過ぎて微多孔層が硬くなることに伴い、透湿防水性布帛としての風合いも硬くなる傾向にある。
架橋性イソシアネート化合物としては、トリレン2,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあげられる。さらに、これらのジイソシアネート類3モルと、活性水素を含有する化合物1モルとを付加反応させることにより得られるトリイソシアネート類も使用できる。ここで、活性水素を含有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリンなどが使用できる。
この他、第三成分として、顔料、フィラー、抗菌剤、消臭剤、難燃剤など任意の添加剤を含有させてもよい。
本発明における微多孔層は、以上のようにポリウレタン樹脂から構成されるものであるが、微多孔層には、さらに耐揉性及び耐摩耗性を向上させる目的で、ポリテトラフルオロエチレン微粒子と特定の平板状紛体とが含有されている。
まず、ポリテトラフルオロエチレン微粒子としては、結果として微多孔層の摩擦係数を軽減させうるものであれば、どのような種類、製法によるものでもよく、形状としても、球状、粒状、繊維状などいずれのものでもよい。本発明では、通常、粒状のものでありかつ乳化重合法により得られるものであって、平均一次粒子径が好ましくは0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜5.0μm、さらに好ましくは0.1〜1.0μmのものが使用される。平均粒子径が0.05μmより小さくなると、機械的物性すなわち微多孔層の耐揉性、耐摩耗性があまり向上しない傾向にあり、一方、平均粒子径が10μmを超えると、防水性能が低下し易くするだけでなく、樹脂溶液中で微粒子が沈降し易くなることにより微多孔層中で微粒子が偏在する傾向にあるため好ましくない。
ポリテトラフルオロエチレンの平均分子量としては、50万〜3000万程度が好ましく、300万〜2500万程度がより好ましい。50万より小さいと、耐揉性、耐摩耗性があまり向上しない傾向にある。一方、3000万より大きいものは、製造するのが困難な傾向にあり、たとえ製造できたとしてもコスト面で不利となる。
なお、平均分子量は、示差走査熱量計を用いて下記式から求める。
Mn=2.1×1010×DHc−5.16
ここで、Mnは数平均分子量、DHcは結晶化熱(cal/g)であり、測定に用いる試料は5mgである。
ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量としては、微多孔層100質量%に対して3〜30質量%である必要があり、5〜20質量%であることが好ましい。ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量が3質量%未満になると、所望の耐揉性、耐摩耗性が発現しなくなり、30質量%を超えると、透湿性能が低下しやすくなり、かつ樹脂溶液の粘性が不安定なものとなり、微多孔層の品位低下ひいては透湿防水性布帛の品位低下を招くことになる。
さらに、ポリテトラフルオロエチレン微粒子は疎水性の粒子であるため、これを使用することで、微多孔層全体に疎水性が付与され、洗濯耐久性に優れる防水性能が具現する。
他方、前記平板状紛体、すなわちL−リジンと有機酸との反応生成物たる平板状紛体としても、微多孔層に滑性を与えうるものであれば、基本的にどのような種類、製法によるものでもよい。ここで、有機酸としては、例えば、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、リノレン酸などがあげられる。中でも本発明では、当該反応生成物として、L−リジンとアルキル酸系有機酸との反応生成物が好適であり、特にN−ラウロイル−L−リジンが好適である。
平板状紛体の大きさ、形状としても、特に限定されないが、一般には、長さ方向と厚み方向との比が3:1以下の白色結晶性の粉体であることが好ましい。特に防水性能の観点からは、長さ方向で好ましくは50μm以下、より好ましくは5〜20μm、厚み方向で好ましくは10μm以下、より好ましくは1〜5μmとするのがよい。そして、前記ポリテトラフルオロエチレン微粒子の粒子径と、平板状紛体の厚みとの関係では、当該微粒子の粒子径が当該紛体の厚みより小さいことが好ましい。ただし、当該紛体の厚みが当該微粒子の粒子径より5μmを超えて大きくなると、平板状紛体が均一に配列し難くなり、耐摩耗性が低下する傾向にあり好ましくない。
また、平板状紛体の含有量としては、微多孔層100質量%に対して3〜30質量%である必要があり、5〜20質量%であることが好ましい。3質量%未満では、耐揉性及び耐摩耗性の向上効果が乏しく、一方、30質量%を超えると、微多孔層を形成する際の樹脂溶液の溶液安定性が低下し、コスト面でも不利となる。
ポリテトラフルオロエチレン微粒子との関係では、両者の質量比として、ポリテトラフルオロエチレン微粒子:平板状紛体=1:3〜3:1の範囲にあることが好ましい。両者の質量比がこの範囲を外れると、所望の相乗効果が得られ難くなる。また、両者の合計含有量としては、微多孔層100質量%に対して40質量%以下であることが好ましい。合計含有量が40質量%を超えると、透湿防水性布帛の風合いが硬くなる傾向にある。
本発明におけるポリウレタン微多孔層には、以上のようにポリテトラフルオロエチレン微粒子と特定平板状紛体とが含有されているが、本発明では、耐揉性、耐摩耗性と共に透湿防水性能を一層向上させる目的で、微多孔層中にシリカ微粒子を併含させてもよい。
シリカ微粒子としては、従来公知のものが使用できる。例えば、二酸化珪素よりなる微粒子が好適であり、具体的には、一次粒子径7〜40nm程度の二酸化珪素よりなる微粒子が好適である。一次粒子径が40nmを超えると、微多孔層中に形成される孔の径が大きくなり、耐水圧が低下する傾向にある。一方、7nm未満になると、微粒子自体の製造が困難となることに加え、取扱いも難しくなるため好ましくない。
本発明では、シリカ微粒子として、アモルファスのガラス状であって、細孔の少ない球状一次粒子からなるがフュームドシリカ微粉末が一層好ましく使用できる。具体的には、親水性フュームドシリカ微粉末又は疎水性フュームドシリカ微粒子が用いられるが、中でも疎水性フュームドシリカ微粒子が好ましい。かかるシリカ微粒子としては、市販品が使用でき、例えば、日本アエロジル工業株式会社製「AEROSIL 90」、「AEROSIL 130」、「AEROSIL 150」、「AEROSIL 200」、「AEROSIL 300」といった親水性フュームドシリカ微粉末、「AEROSIL RX200」、「AEROSIL RX300」、「AEROSIL R972」、「AEROSIL R974」、「AEROSIL R976」、「AEROSIL R7200」、「AEROSIL R8200」といった疎水性フュームドシリカ微粒子があげられる。また、フュームドシリカとフュームド酸化アルミニウムとを混合した微粒子である「AEROSIL COK84」も使用できる。
シリカ微粒子は、微多孔層中に3〜30質量%含有されていることが好ましく、5〜30質量がより好ましい。シリカ微粒子の含有量が3質量%未満では、透湿性能などの物性向上が期待し難く、30質量%を超えると含有量が増え過ぎてしまい、かえって微多孔層の耐揉性、耐摩耗性が低下する場合あり好ましくない。
また、本発明における微多孔層の厚さとしては、一般的に10〜70μm程度が好ましい。微多孔層が薄くなり過ぎると耐水圧が低下する傾向にあり、厚くなり過ぎると風合いが低下する傾向にある。
本発明では、前記微多孔層の上にさらにポリウレタン無孔層を積層してもよい。微多孔層が主としてポリウレタン樹脂から構成されていることから、接着性の観点から無孔層もポリウレタン樹脂から構成されていることが好ましい。無孔層を積層することで、耐水圧(防水性能)を向上させることができる。無孔層としては、透湿性を有するものを採用するとよい。
無孔層の厚さとしては、0.5〜12μm程度が好ましく、1〜8μmがより好ましい。厚さが0.5μm未満であると、耐水圧の向上が期待し難く、12μmを超えると、無孔層自体の透湿性能にもよるが、一般に樹脂層全体として透湿性能が低下する傾向にあり好ましくない。
無孔層を積層する場合、樹脂層全体として優れた耐揉性、耐摩耗性が発揮できるように、無孔層にも、微多孔層の場合と同じく、ポリテトラフルオロエチレン微粒子及び特定平板状紛体を含有させることが好ましく、必要に応じてシリカ微粒子をも含有させることが好ましい。この場合、ポリテトラフルオロエチレン微粒子の含有量は無孔層100質量%に対して3〜30質量%が好ましく、L−リジンと有機酸との反応生成物たる平板状紛体の含有量は3〜30質量%が好ましい。さらに、シリカ微粒子の含有量としては3〜30質量%が好ましい。
本発明の透湿防水性布帛は、耐揉性及び耐摩耗性に優れていることから、裏地を設けない一枚ものとして使用が可能となる。ただし、このことは裏地の使用を排除するものではなく、例えば縫製の簡略化、多汗時のべたつき防止といった観点から適宜裏地を使用してもよい。この場合の裏地とは、既述の繊維布帛を表地としてみたときの裏地である。つまり、繊維布帛からみて反対側の面に設ける。
裏地としては、コスト、風合い、軽量性及びシームテープ接着性などに鑑み、ポリアミド系合成繊維、ポリエステル系合成繊維などの他、ポリアミド系合成繊維/木綿、ポリエステル系合成繊維/木綿などの混合糸からなる織編物、不織布などが使用できる。裏地として前記繊維布帛と同様のものを用いてもよい。裏地を構成する糸のトータル繊度としては、15〜78dtexが好ましく、15〜44dtexがより好ましく、こうすることで縫製部へシームテープを容易に接着でき、シーリング部分の防水性能とその耐久性を共に向上できる。なお、シームテープとは、縫製品の縫い目に防水目的で貼合する接着テープのことである。
裏地は、樹脂層(微多孔層、無孔層)に直接積層してもよいが、一般には接着剤を介して積層するのがよい。接着剤としては、従来公知のものが使用できる。例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリウレタン系樹脂などが単独で又は混合して用いられる。接着剤の種類としては、接着耐久性の観点から、硬化型接着剤が好ましい。硬化型接着剤としては、水酸基、イソシアネート基、アミノ基又はカルボキシル基などの反応基を持つ架橋性のポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などがあげられ、これらが自己架橋するか、例えばイソシアネート系化合物やエポキシ系化合物といった架橋剤と架橋して、硬化する。これらの中でも、柔軟性に富み実用面でも優れるポリウレタン系樹脂が好適である。
次に、本発明の透湿防水性布帛を得るための好ましい方法について説明する。
本発明の方法では、まず繊維布帛を用意する。このとき、繊維布帛を必要に応じて染色加工、撥水加工、目潰し加工してもよい。
その後、ポリテトラフルオロエチレン微粒子及び特定平板状紛体に加え、必要に応じてシリカ微粒子、微多孔層形成のためのポリウレタン樹脂など任意の成分を加えたものを均一に分散し、樹脂組成物を得る。具体的には、各成分を粗練り後、3本ロールミル機、ニーダー機又はサンドミル機などを用いて同時に混練すれば、目的の樹脂組成物に加工できる。
各成分は、前記したように互いに形状や粒子径などが異なっている場合がありうるが、均一に混合分散した樹脂組成物に加工しておくことで、微多孔層を形成の際に使用する樹脂溶液の安定性が増し、溶液中で各成分が沈降し難くなる。その結果、微多孔層中で各成分がバランスよく配置されるので、耐揉性、耐摩耗性の向上が期待できる。
樹脂組成物を得た後は、微多孔層を形成するための樹脂溶液を調製する。樹脂溶液は、上記ポリウレタン樹脂及び上記樹脂組成物の他、必要に応じて他の樹脂、第三成分などを適宜添加することにより調製できる。溶媒には、ポリウレタン樹脂に対する親溶媒であるN,N−ジメチルホルムアミドが好適である。溶媒の含有量としては、限定こそされないものの、概ね60〜85質量%程度が好ましい。また、樹脂溶液の粘度は、塗布の作業性を考慮し、5000〜30000mPa・s(25℃)程度が好ましい。
樹脂溶液を調製した後は、コンマコータやナイフコータなどを使用して、繊維布帛表面に当該樹脂溶液を塗布する。塗布後は、湿式凝固液に浸漬することにより微多孔層を形成することができる。湿式凝固液としては、水又はN,N−ジメチルホルムアミド水溶液が使用できる。N,N−ジメチルホルムアミド水溶液を使用する場合、N,N−ジメチルホルムアミドの含有量は30質量以下とすることが好ましい。また、凝固液の温度としては、10〜40℃程度が好ましく、凝固時間は20秒〜3分間程度が好ましい。
湿式凝固した後は、微多孔層に残ったN,N−ジメチルホルムアミドを除去するため、40〜80℃の温度で1〜10分間湯洗するとよい。そして、湯洗後は50〜150℃ の温度で1〜10分間乾燥する。これにより、微多孔層を備えた透湿防水性布帛が得られる。
本発明では、既述のように、微多孔層の上にさらにポリウレタン無孔層を形成してもよい。無孔層を形成するには、無孔層形成のための樹脂溶液を微多孔層表面に塗布し、乾燥すればよい。また、離型紙などに樹脂溶液を塗布し乾燥して無孔層を一旦形成しておいてから、後にこれを微多孔層表面に転写してもよい。
無孔層形成のための樹脂溶液としては、前記ポリウレタン樹脂を有機溶媒に溶解したものが使用できる。有機溶媒としては特に限定されないが、樹脂溶液を微多孔層表面に直接塗布する場合に限り、N,N−ジメチルホルムアミドの含有率が少ないか、もしくはこれを全く含まないものを用いることが好ましい。N,N−ジメチルホルムアミドは、ポリウレタン樹脂の親溶媒にあたるため、有機溶媒中にこれが多く含まれていると、微多孔層の表層が侵蝕され易くなるからである。
樹脂溶液の粘度としては、塗布の作業性を考慮して500〜10000mPa・s(25℃)程度が好ましい。固形分濃度は10〜30質量%程度が好ましい。
樹脂溶液の塗布には、ナイフコータ、コンマコータ、リバースコータ又は高メッシュかつ低深度のグラビアロールなどが使用できる。乾燥温度としては50〜150℃程度が好ましく、乾燥時間としては30秒〜5分間程度が好ましい。
さらに、本発明では、前述のように裏地を設けてもよい。裏地を積層するために使用する接着剤としては、エマルジョン型、溶剤型もしくはホットメルト型などに相当する接着剤が使用できる。エマルジョン型又は溶剤型の接着剤を使用するときは、粘度を500〜5000mPa・s程度に調整し、グラビアロールやコンマコータなどを使用して、樹脂層表面又は裏地表面に、全面的又は部分的に塗布する。塗布後、樹脂層と裏地とをラミネート機で圧着又は熱圧着する。一方、ホットメルト型接着剤の場合は、まず同接着剤の温度が80〜180℃程度になるまで熱を与え、溶融させる。そして、樹脂層表面又は裏地表面に、全面的又は部分的に接着剤を塗布する。その後、必要により冷却しながら、ラミネート機で樹脂層と裏地とを圧着する。
接着剤は、このように樹脂層表面又は裏地表面に、全面的又は部分的に塗布されるものであるが、透湿性能や風合いを考慮すれば、部分的に塗布することが好ましい。この場合、例えば、点状、線状、市松模様、亀甲模様などの形態で、樹脂層表面全体に渡って均一に塗布されていることが好ましい。接着剤の占有面積は、10〜60%程度が好ましい。接着剤の占有面積が10%未満では、接着剤の膜厚を厚くしても接着力が不十分となり、裏地が剥離し易くなる。一方、60%を超えると、接着力は十分である反面、接着剤の種類により透湿性能が低下することがある。言い換えるなら、接着剤として透湿性に優れるポリウレタン系接着剤を使用する限り、接着剤の占有面積が60%を超えても特段差支えない。さらに、塗布した接着剤の厚さとしては、接着剤の占有面積や裏地の凹凸性、さらにはスパン感などにもよるが、通常5〜100μm程度が好ましい。接着剤の厚さが5μm未満になると、裏地を十分に接着できない場合があり、100μmを超えると、透湿防水性布帛の透湿性能や風合いなどが低下する傾向にある。
本発明の透湿防水性布帛は、透湿防水性能は無論のこと、耐揉性、耐摩耗性及び洗濯耐久性などに優れている。このため、スポーツ衣料や防寒衣料などに好適であり、ヨット、自転車競技などハードな環境下で使用する素材にも適用できるものである。そして、透湿防水性が必要な各種製品の素材としても、無論使用できるものである。
以下、実施例及び比較例をあげてさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。布帛の性能の測定、評価は、次の方法で行った。
(1)耐水圧(防水性能)
JIS L1092(高水圧法)に準じて測定した。
(2)洗濯耐久性
JIS L0217(103法)に準じた洗濯を100回繰り返した後の布帛の耐水圧を測定した。
(3)耐揉性(揉み後の耐水圧)
JIS K6722の記載を参考に測定した。すなわち、15cm四方の試験片を用意した後、樹脂層が重なり合うように経方向に2つ折りしてスコット型耐揉試験機に装着し、9.8N荷重下で200回揉み処理した後の試験片の耐水圧を測定した。
(4)耐揉性の耐久性
JIS L0217(103法)に準じた洗濯を100回繰り返した後の試験片について、上記(3)記載に基づいて耐水圧を測定した。
(実施例1)
経糸、緯糸の双方に、ナイロン6マルチフィラメント78dtex/68fを用いて、経糸密度115本/2.54cm、緯糸密度95本/2.54cmの平組織織物を製織した。得られた織物を精練した後、酸性染料(日本化薬(株)製「Kayanol Blue N2G」)1.0%omfを用いて染色した。その後、下記処方1に示す5%水分散液を調製し、これを織物にパディング法(ウェットピックアップ率40%)により付与した後、乾燥し、170℃で40秒間熱処理した。続いて、鏡面ロールを有するカレンダー加工機を用いて、温度170℃、圧力300kPa、速度30m/分なる条件で織物を目潰し加工した。
<処方1>
アサヒガードAG−E082 50質量部
(旭硝子(株)製、フッ素系撥水剤エマルジョン)
メイカネート WEB 10質量部
(明成化学工業(株)製、架橋剤、ブロックタイプイソシアネート)
イソプロピルアルコール 10質量部
水 930質量部
次に、Fluon L173JE(旭硝子(株)製、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、平均一次粒子径0.1〜1.0μm)2.5質量部と、アミホープ−LL(味の素(株)製、厚み1〜3μmで長さ7〜30μmの平板状紛体であるN−ラウロイル−L−リジン)2.5質量部と、レザミンCU4555(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)50質量部と、N,N−ジメチルホルムアミド15質量部とを粗練り後、3本ロールミル機を用いて均一に練り込み、樹脂組成物Aを得た。
続いて、下記処方2に示す組成のポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度22質量%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を8質量%含有、特定平板状紛体を8質量%含有、粘度10000mPa・s/25℃)を調液した。脱泡後、コンマコータを用いて目潰し面に樹脂溶液を100g/m塗布し、直ちに20℃の水浴に2分間浸漬して固形分を凝固した。次いで50℃で5分間湯洗した後、130℃で2分間乾燥し、微多孔層を形成した。そして、170℃で1分間キュアリングし、透湿防水性布帛とした。
<処方2>
レザミンCU4555 50質量部
(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)
レザミンX 1質量部
(大日精化工業(株)製、架橋剤、イソシアネート化合物)
樹脂組成物A 70質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 30質量部
(実施例2)
Fluon L173JE(旭硝子(株)製、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、平均一次粒子径0.1〜1.0μm)2.5質量部と、アミホープ−LL(味の素(株)製、厚み1〜3μmで長さ7〜30μmの平板状紛体であるN−ラウロイル−L−リジン)2.5質量部と、AEROSIL R974(日本アエロジル工業(株)製、平均粒径12nmのシリカ微粒子)2.5質量部と、レザミンCU4555(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)50質量部と、N,N−ジメチルホルムアミド17.5質量部とを粗練り後、3本ロールミル機を用いて均一に練り込み、樹脂組成物Bを得た。
続いて、下記処方3に示す組成のポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度24質量%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を7質量%含有、特定平板状紛体を7質量%含有、シリカ微粒子7質量%含有、粘度10500mPa・s/25℃)を調液し、脱泡した。その後、実施例1で使用した目潰し加工上がりの織物を用意し、以降は当該樹脂溶液を用いて実施例1と同様に行い、透湿防水性布帛とした。
<処方3>
レザミンCU4555 50質量部
(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)
レザミンX 1質量部
(大日精化工業(株)製、架橋剤、イソシアネート化合物)
樹脂組成物B 75質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 25質量部
(実施例3)
下記処方4に示す組成の無孔層形成用ポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度19質量%、粘度3500mPa・s/25℃)を調液し、脱泡した。その後、実施例1で得た透湿防水性布帛を用意し、ナイフコータを用いて微多孔層表面に樹脂溶液を20g/m塗布し、100℃で2分間乾燥して無孔層を形成することで、透湿防水布帛とした。
<処方4>
ハイムレン Y237NS 100質量部
(大日精化工業(株)製、固形分25質量%、無孔層形成のための乾式ポリウレタン樹脂)
メチルエチルケトン 30質量部
(実施例4)
Fluon L173JE(旭硝子(株)製、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、平均一次粒子径0.1〜1.0μm)1質量部と、アミホープ−LL(味の素(株)製、厚み1〜3μmで長さ7〜30μmの平板状紛体であるN−ラウロイル−L−リジン)1質量部と、ハイムレンY237NS(大日精化工業(株)製、固形分25質量%、無孔層形成のための乾式ポリウレタン樹脂)50質量部と、メチルエチルケトン18質量部とを粗練り後、3本ロールミル機を用いて均一に練り込み、樹脂組成物Cを得た。
続いて、下記処方5に示す組成のポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度19質量%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子が4質量%含有、特定平板状紛体を4質量%含有、粘度4000mPa・s/25℃)を調液し、脱泡した。その後、実施例1で得た透湿防水性布帛を用意し、以降は当該樹脂溶液を用いて実施例3と同様に行い、透湿防水性布帛とした。
<処方5>
ハイムレン Y237NS 50質量部
(大日精化工業(株)製、固形分25質量%、無孔層形成のための乾式ポリウレタン樹脂)
樹脂組成物C 70質量部
メチルエチルケトン 20質量部
(実施例5)
Fluon L173JE(旭硝子(株)製、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、平均一次粒子径0.1〜1.0μm)10質量部と、アミホープ−LL(味の素(株)製、厚み1〜3μmで長さ7〜30μmの平板状紛体であるN−ラウロイル−L−リジン)4質量部と、N,N−ジメチルホルムアミド16質量部とを粗練り後、3本ロールミル機を用いて均一に練り込み、樹脂組成物Dを得た。
続いて、下記処方6に示す組成のポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度26質量%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を24質量%含有、特定平板状紛体を10質量%含有、粘度10000mPa・s/25℃)を調液し、脱泡した。その後、実施例1で使用した目潰し加工上がりの織物を用意し、以降は当該樹脂溶液を用いて実施例1と同様に行い、透湿防水性布帛とした。
<処方6>
レザミンCU4555 50質量部
(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)
レザミンX 1質量部
(大日精化工業(株)製、架橋剤、イソシアネート化合物)
樹脂組成物D 80質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 30質量部
(実施例6)
Fluon L173JE(旭硝子(株)製、ポリテトラフルオロエチレン微粒子、平均一次粒子径0.1〜1.0μm)4質量部と、アミホープ−LL(味の素(株)製、厚み1〜3μmで長さ7〜30μmの平板状紛体であるN−ラウロイル−L−リジン)10質量部と、N,N−ジメチルホルムアミド16質量部とを粗練り後、3本ロールミル機を用いて均一に練り込み、樹脂組成物Eを得た。
続いて、下記処方7に示す組成のポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度26質量%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を10質量%含有、特定平板状紛体を24質量%含有、粘度10000mPa・s/25℃)を調液し、脱泡した。その後、実施例1で使用した目潰し加工上がりの織物を用意し、以降は当該樹脂溶液を用いて実施例1と同様に行い、透湿防水性布帛とした。
<処方7>
レザミンCU4555 50質量部
(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)
レザミンX 1質量部
(大日精化工業(株)製、架橋剤、イソシアネート化合物)
樹脂組成物E 80質量部
N,N−ジメチルホルムアミド 30質量部
(実施例7〜12)
ナイロン6マルチフィラメント22dtex/7fを用いて、28Gのトリコット編物を編成し、通常の方法で精練、染色し、裏地とした。
次に、タイフォースWT−004(DIC(株)製、透湿性ポリウレタンホットメルト接着剤)を100℃に溶融(溶融粘度5000mPa・s)した。そして、当該温度を維持しながら、ドット状グラビアロール(ドット径0.75mm、ドット間0.25mm、深度0.12mm、25メッシュ)を用いて、接着剤の占有面積が約50%となるように、実施例1〜6で得た布帛の樹脂層(微多孔層又は無孔層)上から接着剤を40g/m塗布した。その後、前記裏地を貼合し、常温で4日間熟成することで、透湿防水性布帛(実施例7〜12)を得た。
(比較例1)
処方2から樹脂組成物Aを省くことで下記処方8に示す組成のポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度21質量%、粘度10500mPa・s/25℃)とすると共に、この樹脂溶液を使用する以外は、実施例1と同一の方法により、比較用の透湿防水性布帛を得た。
<処方8>
レザミンCU4555 100質量部
(大日精化工業(株)製、固形分27質量%、微多孔層形成のための湿式ポリウレタン樹脂)
レザミンX 1質量部
(大日精化工業(株)製、架橋剤、イソシアネート化合物)
N,N−ジメチルホルムアミド 35質量部
(比較例2)
処方2に示す樹脂溶液に代えて処方8に示す樹脂溶液を使用すること以外は、実施例9と同様に行い、比較用の透湿防水性布帛を得た。
(比較例3)
アミホープ−LLを省くこと以外は実施例5の場合と同様にして樹脂組成物を調製し、その後、この樹脂組成物を用いて、実施例5の場合と同様にしてポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度26質量%、ポリテトラフルオロエチレン微粒子を24質量%含有、粘度9500mPa・s/25℃)を調製した。以降はこの樹脂溶液を用いて実施例11と同様に行い、比較用の透湿防水性布帛とした。
(比較例4)
Fluon L173JEを省くこと以外は実施例6の場合と同様にして樹脂組成物を調製し、その後、この樹脂組成物を用いて、実施例6の場合と同様にしてポリウレタン樹脂溶液(固形分濃度26質量%、特定平板状紛体を24質量%含有、粘度9500mPa・s/25℃)を調製した。以降はこの樹脂溶液を用いて実施例12と同様に行い、比較用の透湿防水性布帛とした。
上記実施例1〜12及び比較例1〜4で得られた各布帛の性能を下記表1に示す。
表1から明らかなように、本発明の透湿防水性布帛は透湿防水性能に優れるものであり、比較例で得た布帛と比べ、耐揉性や耐摩耗性だけでなく、防水性能の洗濯耐久性にも優れていた。

Claims (5)

  1. ポリテトラフルオロエチレン微粒子3〜30質量%と、L−リジンと有機酸との反応生成物である平板状紛体3〜30質量%とを含有するポリウレタン微多孔層を繊維布帛の少なくとも片面に備えていることを特徴とする透湿防水性布帛。
  2. 前記微多孔層中に、さらにシリカ微粒子を3〜30質量%含有することを特徴とする請求項1記載の透湿防水性布帛。
  3. 前記微多孔層上に、ポリウレタン無孔層が積層されていることを特徴とする請求項1又は2記載の透湿防水性布帛。
  4. 前記無孔層中に、ポリテトラフルオロエチレン微粒子3〜30質量%と、L−リジンと有機酸との反応生成物である平板状紛体3〜30質量%とが含有されていることを特徴とする請求項3記載の透湿防水性布帛。
  5. 繊維布帛からみて反対側の面に裏地を備えていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の透湿防水性布帛。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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