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JP2015212238A - 無水糖アルコール組成物、その製造方法及び樹脂 - Google Patents

無水糖アルコール組成物、その製造方法及び樹脂 Download PDF

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JP2015212238A
JP2015212238A JP2014095322A JP2014095322A JP2015212238A JP 2015212238 A JP2015212238 A JP 2015212238A JP 2014095322 A JP2014095322 A JP 2014095322A JP 2014095322 A JP2014095322 A JP 2014095322A JP 2015212238 A JP2015212238 A JP 2015212238A
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amino
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JP2014095322A
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大西 英明
Hideaki Onishi
英明 大西
倉橋 宏幸
Hiroyuki Kurahashi
宏幸 倉橋
可南子 越智
Kanako Ochi
可南子 越智
航 伊藤
Ko Ito
航 伊藤
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

【課題】 保存安定性に優れるとともに、これを用いて得られる樹脂の着色やガラス転移温度の低下を抑制できる無水糖アルコール組成物等を提供する。【解決手段】 無水糖アルコール(A)と、活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)とを含有し、環状ホスファイトを含有しない無水糖アルコール組成物、及び、(工程1)無水糖アルコール(A)を精製する工程、および、(工程2)精製した無水糖アルコール(A)とアミノアルコール(B)とを、環状ホスファイトを添加せずに混合する工程を含む無水糖アルコール組成物の製造方法、及び、該無水糖アルコール組成物を用いて製造された樹脂が提供される。【選択図】 なし

Description

本発明は、無水糖アルコール組成物、その製造方法及び該無水糖アルコール組成物を用いて製造される樹脂に関する。
近年、石油資源の枯渇や地球温暖化が懸念されており、その対策として、再生可能なバイオマス原料を用いた材料が注目されている。特に、無水糖アルコールは糖やでんぷんから得られるため入手が容易であり、ポリカーボネート樹脂などの原料としての利用が広まっている。
このような無水糖アルコールのうち、イソソルビドはソルビトールの分子内脱水反応によって製造できることが知られている。しかし、イソソルビドは安定性が比較的低いために経時的に分解等が起こりやすいという問題がある。
この問題を解決する方法として、例えば、特許文献1では、精製したイソソルビドに水素化ホウ素ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムを添加することによって組成物の安定性を向上できることが開示されている。
また、例えば、特許文献2では、無水糖アルコールに環状ホスファイトとアミノアルコールとを添加することによって組成物の安定性を向上できることが開示されている。
特表2005−509667号公報 国際公開WO2009/057609号公報
しかしながら、水素化ホウ素ナトリウムやリン酸水素二ナトリウムを添加した無水糖アルコールを用いて樹脂を製造すると、得られる樹脂が着色するため、場合によっては、使用前に蒸留などの精製工程が必要であることが判明した。
また、環状ホスファイトを添加した無水糖アルコールを用いて樹脂を製造すると、得られる樹脂が着色したり、ガラス転移温度が低下したりするおそれがあることも判明した。
そこで、本発明は、保存安定性に優れるとともに、これを用いて得られる樹脂の着色やガラス転移温度の低下をも抑制できる無水糖アルコール組成物、その製造方法及び該無水糖アルコール組成物を用いて製造される樹脂を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る無水糖アルコール組成物は、無水糖アルコール(A)と、活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)とを含有し、環状ホスファイトを含有しない。
また、上記構成の無水糖アルコール組成物においては、前記無水糖アルコール(A)100質量部に対して、前記アミノアルコール(B)を0.00005〜1質量部含有することが好ましい。
また、上記構成の無水糖アルコール組成物においては、前記アミノアルコール(B)が、3級アミノ基を有することが好ましい。
また、上記構成の無水糖アルコール組成物においては、前記アミノアルコール(B)が、水酸基を2つ有することが好ましい。
また、上記構成の無水糖アルコール組成物においては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属リン酸塩を含有しないことが好ましい。
また、本発明に係る樹脂は、上記無水糖アルコール組成物を用いて製造されるものである。
また、本発明に係る無水糖アルコール組成物の製造方法は、(工程1)無水糖アルコール(A)を精製する工程、および、(工程2)精製した無水糖アルコール(A)と活性水素基を2つ有するアミノアルコール化合物(B)とを、環状ホスファイトを添加せずに混合する工程を含む。
本発明によれば、保存安定性に優れるとともに、これを用いて得られる樹脂の着色やガラス転移温度の低下をも抑制できる無水糖アルコール組成物、その製造方法及び該無水糖アルコール組成物を用いて製造される樹脂が提供される。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。
本発明の無水糖アルコール組成物は、無水糖アルコール(A)を含有するものである。
無水糖アルコール(A)としては、例えば、ソルビトール、マンニトール、イジトールなどの糖が分子内で脱水縮合した無水糖アルコールが挙げられ、具体的には、ソルビタンおよびマンニタンなどの分子内で1分子が脱水縮合した無水糖アルコール;イソソルビド、イソマンニドおよびイソイジドなどの分子内で2分子が脱水縮合した無水糖アルコールなどが挙げられる。これらのうち、分子内で2分子が脱水縮合した無水糖アルコールが好ましい。
無水糖アルコール(A)の製造方法は特に限定されない。無水糖アルコール(A)としては、例えば、糖と濃硫酸との混合物を100〜180℃に加熱し、さらに水酸化ナトリウムなどのアルカリ成分で中和することにより製造されたものを用いることができる。また、濃硫酸に代えて塩酸、燐酸、スルホン化ポリスチレン、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などを用いて得られる無水糖アルコールや、水の存在下、及び/または、キシレン、トルエンなどの有機溶媒存在下で製造された無水糖アルコールも用いることができる。無水糖アルコールとしては、減圧蒸留、活性炭、イオン交換、再結晶などによって精製したものを用いることが好ましい。
本実施形態の無水糖アルコール組成物は、活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)を含有するものである。前記活性水素基としては、例えば、水酸基、1級アミノ基および2級アミノ基などが挙げられる。
前記活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)は、少なくとも1つの水酸基と少なくとも1つのアミノ基とを有する化合物であり、且つ、水酸基、1級アミノ基及び2級アミノ基などの活性水素基を合計で2つ有する化合物である。このような化合物としては、例えば、1つの3級アミノ基と2つの水酸基とを有するアミノアルコール、1つの2級アミノ基と1つの水酸基とを有するアミノアルコール、1つの1級アミノ基と1つの水酸基とを有するアミノアルコールなどが挙げられる。
前記1つの3級アミノ基と2つの水酸基とを有するアミノアルコールとしては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、N−プロピルジプロパノールアミン、3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール、2−[(ジメチルアミノ)メチル]−2−エチル−1,3−プロパンジオールなどの窒素原子上にアルキル基を有する化合物などが挙げられる。
前記1つの2級アミノ基と1つの水酸基とを有するアミノアルコールとしては、例えば、2−(メチルアミノ)エタノール、2−(エチルアミノ)エタノール、2−(プロピルアミノ)エタノール、2−(メチルアミノ)プロパノールおよび2−(メチルアミノ)ブタノールなどが挙げられる。
前記1つの1級アミノ基と1つの水酸基とを有するアミノアルコールとしては、例えば、モノエタノールアミン、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−(2−アミノエトキシ)エタノールなどが挙げられる。
保存安定性に優れるとともに、無水糖アルコール組成物を長期間保管した場合であっても得られる樹脂の着色やガラス転移温度の低下をより抑制することができる点から、前記活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)は、3級アミノ基を有するアミノアルコールが好ましい。
また、上記保存安定性、樹脂の着色抑制及びガラス転移温度の低下抑制をさらに図ることができる点から、前記活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)に含まれるアミノ基は、水酸基を2つ有するアミノアルコールが好ましい。
本実施形態の無水糖アルコール組成物は、環状ホスファイトを含有しない。ここで、「環状ホスファイトを含有しない」は、これを実質的に含有しないことを意味し、ここには、無水糖アルコール(A)100質量部に対して0.0005質量部未満、好ましくは0.0003質量部以下、より好ましくは0.0001質量部以下の環状ホスファイトを含有することが含まれる。
本発明の無水糖アルコール組成物によれば、保存安定性に優れるとともに、無水糖アルコール組成物を長期間保管した場合であっても得られる樹脂の着色やガラス転移温度の低下を抑制することができる。
本発明の無水糖アルコール組成物は、無水糖アルコール100質量部に対して、活性水素基を2つ有するアミノアルコールを好ましくは0.00005〜1質量部含有し、より好ましくは0.00005〜0.5質量部含有し、さらに好ましくは、0.0001〜0.2質量部含有する。上記範囲内とすることにより、無水糖アルコール組成物の保存安定性とこれを用いた樹脂の色相がより優れたものとなる。また、これを用いた樹脂のガラス転移温度の低下を抑制することができる。
本実施形態の無水糖アルコール組成物は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属リン酸塩を含有しないことが好ましい。ここで、「アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属リン酸塩を含有しない」は、これらを実質的に含有しないことを意味し、ここには、無水糖アルコール(A)100質量部に対して0.0001質量部未満、好ましくは0.00005質量部以下のアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩またはアルカリ金属リン酸塩を含有することも含まれる。
前記アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
前記アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
前記アルカリ金属ホウ酸塩としては、水素化ホウ素ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム等が挙げられる。
前記アルカリ金属リン酸塩としては、リン酸水素二ナトリウム等が挙げられる。
前記アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属リン酸塩を含有しないことによって、無水糖アルコール組成物の保存安定性とこれを用いた樹脂の色相がさらに優れたものとなる。また、無水糖アルコールを用いた樹脂の製造前において、蒸留などの精製工程を不要とし得る。すなわち、このような精製工程を不要としつつも、得られる樹脂の色相の変化やガラス転移温度の低下を抑制し得る。
本発明の無水糖アルコール組成物の製造方法は、無水糖アルコール(A)を精製する工程(工程1)と、精製した無水糖アルコール(A)と活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)とを、環状ホスファイトを添加せずに混合する工程(工程2)とを含むものである。特に、無水糖アルコール組成物の保存安定性とこれを用いた樹脂の色相がより優れることや、これを用いた樹脂のガラス転移温度の低下をより抑制し得ることから、精製した無水糖アルコール(A)が融解された状態で不活性ガス気流下にてアミノアルコール(B)を加えて0.1〜5時間混合することが好ましい。
また、上記無水糖アルコール組成物の製造方法においては、上記工程2において、さらにアルカリ金属塩を添加せずに無水糖アルコール(A)と活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)とを混合することが好ましい。
また、本発明の樹脂は、上記した無水糖アルコール組成物を用いて製造される。
さらに、本発明の樹脂は、上記した製造方法で得られる無水糖アルコール組成物を用いて製造される。
かかる樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂などが挙げられる。ポリカーボネート樹脂は、例えば、無水糖アルコール組成物と炭酸ジエステルとを0.01〜100kPa、150〜270℃の条件下、アルコールやフェノールなどの副生物を留去しながらエステル交換反応を行うことによって製造される。また、ポリエステル樹脂は、例えば、無水糖アルコール組成物とジカルボン酸ジメチルエステルとを、0.01〜100kPa、130〜270℃の条件下、メタノールなどの副生物を留去しながらエステル交換反応を行うことによって製造される。
本発明について、実施例および比較例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
使用した活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)は以下の通りである。
(B−1)
N−メチルジエタノールアミン
(B−2)
N−エチルジエタノールアミン
(B−3)
N−t−ブチルジエタノールアミン
(B−4)
N−メチルジイソプロパノールアミン
(B−5)
3−(ジメチルアミノ)−1,2−プロパンジオール
(B−6)
2−[(ジメチルアミノ)メチル]−2−エチル−1,3−プロパンジオール
(比較例用原料)
(B’−1)
モルホリン
(B’−2)
ヒドロキシルアミン
(B’−3)
2−アミノピリジン
(B’−4)
イミダゾール
(B’−5)
ジエタノールアミン
(B’−6)
6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、商品名:SUMILIZER GP(住友化学社製)
(B’−7)
リン酸水素二ナトリウム
[実施例1:無水糖アルコール組成物の製造 製法1]
攪拌機を備えた減圧反応器に、ソルビトールの70質量%水溶液1930gを仕込み、5kPa、120℃の条件下で水を留去した。ついで、得られた残留物に98%濃硫酸15gを加え、これらを5kPa、120℃の条件下で5時間反応させた。得られた生成物を、90℃に冷却し、50質量%水酸化ナトリウム水溶液24gを加えることにより中和し、5kPa、120℃の条件下で水を留去し、さらに、1kPa、200℃で10時間蒸留することにより、粗製イソソルビド788gを得た。続いて、得られた粗製イソソルビドに純水760gを加えて均一溶液とし、この溶液に粉末状の活性炭146gを加えて3時間攪拌した後、ろ過することにより活性炭を除去した。さらに、得られたろ液から5kPa、120℃の条件下で水を留去することによりイソソルビド(A−1)733gを得た。続いて、得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)0.02gを混合することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例2:無水糖アルコール組成物の製造 製法2]
攪拌機を備えた減圧反応器に、ソルビトールの70質量%水溶液1930gを仕込み、5kPa、120℃の条件下で水を留去した。ついで、得られた残留物にp−トルエンスルホン酸一水和物57gを加え、これらを5kPa、150℃の条件下で20時間反応させた。得られた生成物を、90℃に冷却し、50質量%水酸化ナトリウム水溶液24gを加えることにより中和し、5kPa、120℃の条件下で水を留去し、さらに、1kPa、200℃で10時間蒸留することにより、粗製イソソルビド780gを得た。続いて、得られた粗製イソソルビドに純水760gを加えて均一溶液とし、この溶液に粉末状の活性炭146gを加えて3時間攪拌した後、ろ過することにより活性炭を除去した。さらに、得られたろ液をカチオン交換樹脂及びアニオン交換樹脂で処理した後に、得られた処理液から5kPa、120℃の条件下で水を留去した後、1kPaの減圧下で190℃の留分を分取することによりイソソルビド(A−1)720gを得た。続いて、得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)0.02gを混合することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例3 無水糖アルコール組成物の製造 製法3]
攪拌機を備えた減圧反応器に、ソルビトールの70質量%水溶液1930gを仕込み、5kPa、120℃の条件下で水を留去した。ついで、得られた残留物にメタンスルホン酸28gを加え、これらを5kPa、150℃の条件下で20時間反応させた。得られた生成物を、90℃に冷却し、50質量%水酸化ナトリウム水溶液24gを加えることにより中和し、5kPa、120℃の条件下で水を留去し、さらに、1kPa、200℃で10時間蒸留することにより、粗製イソソルビド782gを得た。続いて、得られた粗製イソソルビドに純水760gを加えて均一溶液とし、この溶液に粉末状の活性炭146gを加えて3時間攪拌した後、ろ過することにより活性炭を除去した。さらに、得られたろ液から5kPa、120℃の条件下で水を留去した後、1kPaの減圧下で190℃の留分を分取することによりイソソルビド(A−1)727gを得た。続いて、得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)0.02gを混合することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例4 無水糖アルコール組成物の製造 製法4]
攪拌機を備えた減圧反応器に、ソルビトールの70質量%水溶液1930gを仕込み、5kPa、120℃の条件下で水を留去した。ついで、得られた残留物に85質量%燐酸11gを加え、これらを5kPa、180℃の条件下で10時間反応させた。得られた生成物を、90℃に冷却して、50質量%水酸化ナトリウム水溶液24gを加えることにより中和し、5kPa、120℃の条件下で水を留去し、さらに、1kPa、200℃で10時間蒸留することにより、粗製イソソルビド780gを得た。続いて、得られた粗製イソソルビドに純水760gを加えて均一溶液とし、この溶液に粉末状の活性炭146gを加えて3時間攪拌した後、ろ過することにより活性炭を除去した。さらに、得られたろ液から5kPa、120℃の条件下で水を留去した後、エタノールで再結晶することによりイソソルビド(A−1)718gを得た。得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)を0.02g含有するアセトン溶液0.5gを混合し、5kPa、80℃の条件下で脱溶媒することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例5〜16]
活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)として、表1に記載の化合物および配合量を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例17]
攪拌機を備えた減圧反応器に、結晶マンニトール1350gを仕込み、170℃で加熱し溶融させた。ついで、得られた溶融物に98%濃硫酸15gを加え、これらを5kPa、170℃の条件下で20時間反応させた。得られた生成物を、90℃に冷却し、50質量%水酸化ナトリウム水溶液24gを加えることにより中和し、5kPa、120℃の条件下で水を留去し、さらに、1kPa、200℃で10時間蒸留することにより、粗製イソマンニド546gを得た。続いて、得られた粗製イソマンニドに純水760gを加えて均一溶液とし、この溶液に粉末状の活性炭146gを加えて3時間攪拌した後、ろ過することにより活性炭を除去した。得られたろ液のうちイソマンニド(A−2)100gに相当する量の溶液に対して、活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)を0.02g含有するアセトン溶液0.5gを混合し、5kPa、120℃の条件下で水およびアセトンを留去することにより無水糖アルコール組成物524gを得た。
[実施例18]
実施例1と同様の操作を行って、イソソルビド(A−1)733gを得た。続いて、得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)0.02g、及び、環状ホスファイト(B’−6)0.0001gを混合することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例19]
実施例1と同様の操作を行って、イソソルビド(A−1)733gを得た。続いて、得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)0.02g、アルカリ金属リン酸塩(B’−7)0.0001gを混合することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[実施例20]
実施例1と同様の操作を行って、イソソルビド(A−1)733gを得た。続いて、得られたイソソルビド(A−1)100gに対して活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B−1)0.02g、アルカリ金属リン酸塩(B’−7)0.00005gを混合することにより、無水糖アルコール組成物を得た。
[比較例1]
活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)を用いないこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無水糖アルコール組成物(無水糖アルコールのみを含有する)を得た。
[比較例2〜6]
活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)に代えて、表1に記載の化合物および配合量を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無水糖アルコール組成物を得た。
[比較例7]
環状ホスファイト(B’−6)の配合量を0.0005gとした以外は実施例18と同様の操作を行って、無水糖アルコール組成物を得た。
得られた無水糖アルコール組成物を用いて、下記の評価を行った。得られた結果を表1に示す。
(1)無水糖アルコール組成物の安定性
(安定性試験)
100mlの容器に、実施例1〜20および比較例1〜7で得られた無水糖アルコール組成物30gを投入し、窒素雰囲気下で密閉した。これを50℃環境下に1000時間または2000時間静置し、色相(ΔYI値)を下記の方法で測定した。また、製造直後の無水糖アルコール組成物の色相を確認するために、参考例1では、比較例1の方法で製造した直後の無水糖アルコール組成物を用いて、同様に色相を測定した。結果を表1に示す。
(色相(ΔYI値)の測定)
JIS K 2580に準じて、無水糖アルコール組成物の40質量%水溶液のYI値を測定し、あらかじめ測定した水のYI値との差をΔYI値として算出した。なお、ΔYI値は、数値が低いほど無色に近いことを示す。
(2)樹脂の色相
実施例1〜20または比較例1〜7で得られた無水糖アルコール組成物を50℃環境下に1000時間静置したものを原料として、下記の方法により樹脂1〜3を製造し、樹脂の色相を評価した。また、製造直後の無水糖アルコール組成物での着色を確認するために、参考例1では、比較例1の方法で製造した直後の無水糖アルコール組成物を用いて、同様に樹脂1〜3を製造し、樹脂の色相を評価した。結果を表1に示す。
(樹脂1(ポリカーボネート樹脂のホモポリマー)での評価)
攪拌器と流出コンデンサーとを備えた反応器に、無水糖アルコール組成物73g、ジフェニルカーボネート107g、および、重合触媒として水酸化ナトリウム8×10−5gを投入し、窒素雰囲気下で165℃に加熱混合することにより溶融した。続いて、副生するフェノールを除去するために徐々に減圧し、反応器内の圧力が13.3kPaに達してから、さらに15分間反応させた。続いて、190℃に昇温した後、徐々に減圧し、反応器内の圧力が5kPaに達してからさらに15分間反応させた後、230℃で30分間、続いて250℃で30分間さらに反応させた。さらに、0.1kPaに到達するまで減圧し、250℃で更に30分間反応させた。その後、得られた反応物をペレット化することにより、ポリカーボネート樹脂のホモポリマー(樹脂1)を得た。得られた樹脂1を用いて、下記の方法で色相を測定した。
(樹脂2(ポリカーボネート樹脂のコポリマー)での評価)
使用原料を、無水糖アルコール組成物55g、1,4−シクロヘキサンジメタノール26g、ジフェニルカーボネート118g、および、重合触媒として水酸化ナトリウム13×10−5gとしたこと以外は、ポリカーボネート樹脂(ホモポリマー)の製造と同様の操作を行い、ポリカーボネート樹脂のコポリマー(樹脂2)を得た。得られた樹脂2を用いて、下記の方法で色相を測定した。
(樹脂3(ポリエステル樹脂)での評価)
攪拌器と流出コンデンサーとを備えた反応器に、テレフタル酸ジメチル761g、無水糖アルコール組成物48g、エチレングリコール553g、およびチタン(IV)ブトキサイド0.8gを添加し、窒素雰囲気下で135℃まで昇温し、30分間反応させた後、200℃まで昇温し、さらに30分間反応させた。続いて、220℃まで昇温するとともに13.3kPaまで減圧してさらに30分間反応させ、さらに、270℃、6.7kPaの条件下でさらに30分間反応させ、次いで0.02kPaまで減圧して1時間さらに反応させることにより、ポリエステル樹脂(樹脂3)を得た。得られた樹脂3を用いて、下記の方法で色相を測定した。
(色相(ΔYI値)の測定)
JIS K 2580に準じて、石油製品測定装置(商品名:OME−2000、日本電色工業社製)を用いて、樹脂1〜3の10%塩化メチレン溶液のYI値を測定し、あらかじめ測定した塩化メチレンのYI値との差をΔYI値として算出した。
(3)樹脂のガラス転移温度
JIS K7121(1987)に準じて、TG−DTA/DSC(商品名:Thermo plus EVO、Rigaku社製)を用いて、窒素ガス雰囲気下、昇温速度10℃/分で、測定温度を25℃〜200℃でガラス転移温度を測定した。
Figure 2015212238
表1から明らかなように、実施例1〜20の無水糖アルコール組成物は、安定性に優れるとともに、長期間保存した場合であっても樹脂の着色を抑制できることがわかる。一方、比較例1〜7の無水糖アルコール組成物は、長期間保存した場合、樹脂の着色や樹脂のガラス転移温度の低下が見られる。
本発明の無水糖アルコール組成物は、ポリカーボネート樹脂やポリエステル樹脂などの各種樹脂の原料として使用することができる。

Claims (8)

  1. 無水糖アルコール(A)と、活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)とを含有し、環状ホスファイトを含有しない無水糖アルコール組成物。
  2. 前記無水糖アルコール(A)100質量部に対して、前記アミノアルコール(B)を0.00005〜1質量部含有する請求項1に記載の無水糖アルコール組成物。
  3. 前記アミノアルコール(B)が、3級アミノ基を有する請求項1または2に記載の無水糖アルコール組成物。
  4. 前記アミノアルコール(B)が、水酸基を2つ有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の無水糖アルコール組成物。
  5. アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ホウ酸塩及びアルカリ金属リン酸塩を含有しない請求項1〜4のいずれか1項に記載の無水糖アルコール組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の無水糖アルコール組成物を用いて製造される樹脂。
  7. (工程1)無水糖アルコール(A)を精製する工程、および、
    (工程2)精製した無水糖アルコール(A)と活性水素基を2つ有するアミノアルコール(B)とを、環状ホスファイトを含有させないように混合する工程
    を含む無水糖アルコール組成物の製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法で得られる無水糖アルコール組成物を用いて製造される樹脂。
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