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JP2015203744A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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JP2015203744A
JP2015203744A JP2014082548A JP2014082548A JP2015203744A JP 2015203744 A JP2015203744 A JP 2015203744A JP 2014082548 A JP2014082548 A JP 2014082548A JP 2014082548 A JP2014082548 A JP 2014082548A JP 2015203744 A JP2015203744 A JP 2015203744A
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小澤 宣彦
Nobuhiko Ozawa
宣彦 小澤
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Abstract

【課題】光の利用効率を向上させて明るい表示と良好なコントラストとを得ることが可能な電気光学装置および電子機器を提供する。【解決手段】素子基板20と、素子基板20に対向するように配置された対向基板30と、素子基板20と対向基板30との間に配置された液晶層40と、素子基板20および対向基板30に配置された複数の遮光層22,26,32で構成され、複数の画素Pの各々に対応する開口部Tを有する遮光部Sと、素子基板20および対向基板30の少なくとも一方に複数の画素Pの各々に対応して配置された複数のマイクロレンズML1とを備え、複数のマイクロレンズML1の各々は中央部に平坦部12aを有し、平坦部12aの周縁は開口部T内に配置されていることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
素子基板と対向基板との間に電気光学物質(例えば、液晶など)を備えた電気光学装置が知られている。電気光学装置として、例えば、プロジェクターの液晶ライトバルブとして用いられる液晶装置などを挙げることができる。このような液晶装置においては、高い光利用効率を実現することが求められている。そこで、例えば、液晶装置の素子基板および対向基板の少なくとも一方にマイクロレンズアレイを備え、液晶装置に入射する光のうち遮光層で遮光されてしまう光をマイクロレンズで集光して画素の開口部内に入射させることにより、液晶装置における光の利用効率の向上を図る構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液晶装置のマイクロレンズアレイは、石英などからなる基板の表面に設けられた複数の曲面状の凹部が、基板と異なる屈折率を有するレンズ層(樹脂材料)で埋め込まれて形成される。各々のマイクロレンズは、曲面で構成された凸状部を有し、入射する光を各画素の開口部(開口領域)内に向けて集光する。そして、各画素の開口部が一つの線に対して非対称な形状を有している場合に、各マイクロレンズの中心が各画素の開口部の重心と一致するように配置することによって、入射する光のうち、開口部へ向かう光を増大させ、遮光部(非開口領域)へ向かう光を低減させるようにしている。
特開2009−69570号公報
ところで、凸状部が曲面で構成されたマイクロレンズでは、マイクロレンズの全領域に入射する光がマイクロレンズの焦点に向けて集光される。そのため、マイクロレンズに入射する光が平行光であっても、マイクロレンズを通過して液晶層に入射する光の液晶の配向方向に対する角度のばらつきが大きくなり、液晶装置のコントラストが低下してしまうおそれがある。また、集光された光は焦点を通過した後拡散されるため、液晶装置から射出される光が拡散してしまい、結果として光の利用効率の低下を招くおそれがある。これに対して、マイクロレンズの中央部に平坦部を設けると、平坦部に入射する入射光(平行光)はそのまま直進して液晶層に入射するため、液晶層を通過する光の角度のばらつきや、液晶装置から射出される光の拡散が抑えられる。また、マイクロレンズの中央部に平坦部を設けること、すなわち、基板の表面に形成する凹部に平坦部を設けることで、曲面状の凹部を形成する場合と比べて凹部の深さを浅くできるので、凹部の形成や凹部の埋め込みに要する製造負荷を低減することが可能となる。
一方、このような中央部に平坦部を有するマイクロレンズでは、平坦部に入射する光がそのまま直進するため、画素の開口部とマイクロレンズの平坦部との位置関係によっては、直進する光が遮光部で遮られたり開口部内での照度の分布が偏ったりする場合がある。このような場合、液晶装置における光の利用効率の低下や、表示される画像の明るさのばらつきが生じるおそれがある。特に、各画素の開口部が一つの線に対して非対称な形状を有している場合には、上述の課題が生じ易くなるため、画素の開口部に対してマイクロレンズの平坦部を好適な位置に配置することが望ましい。しかしながら、特許文献1には、中央部に平坦部を有するマイクロレンズの構成について、何ら開示も示唆もされていない。本発明は、マイクロレンズの中央部に平坦部を設ける構成において、画素の開口部の形状に関わらずマイクロレンズ(平坦部)を好適な位置に配置することにより、電気光学装置における光の利用効率やコントラストを向上させることを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る電気光学装置は、第1の基板と、前記第1の基板に対向するように配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学層と、前記第1の基板および前記第2の基板に配置された複数の遮光層で構成され、複数の画素の各々に対応する開口部を有する遮光部と、前記第1の基板および前記第2の基板の少なくとも一方に前記複数の画素の各々に対応して配置された複数のマイクロレンズと、を備え、前記複数のマイクロレンズの各々は、中央部に平坦部を有し、前記平坦部の周縁は前記開口部内に配置されていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、複数の画素の各々に対応して配置された複数のマイクロレンズの各々は中央部に平坦部を有し、平坦部の周縁は開口部内に配置されている。すなわち、集光機能を有していない平坦部の全領域が開口部内に配置されている。そのため、マイクロレンズが配置された基板の表面の法線方向に沿ってマイクロレンズに入射する光のうち、平坦部に入射する光は屈折せずにそのままマイクロレンズを通過して画素の開口部に入射するので、電気光学層に入射する光の角度のばらつきが抑えられるとともに、電気光学装置から射出される光の拡散が抑えられる。また、平坦部の全領域が開口部内に配置されているため、平坦部に入射してマイクロレンズを通過した光は、遮光部に遮られることなく電気光学層に入射して電気光学装置から射出される。これにより、電気光学装置における光の利用効率やコントラストの向上を図ることができる。
[適用例2]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記遮光部は、第1の方向に延在する部分と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する部分と、を有し、前記開口部は、前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向に沿った直線に対して非対称な平面形状を有しており、前記複数のマイクロレンズの各々は、前記平坦部の中心が前記開口部の設計上の重心と重なるように配置されていることが好ましい。
本適用例の構成によれば、開口部は、第1の方向および第2の方向の少なくとも一方の方向に沿った直線に対して非対称な平面形状を有している。したがって、平坦部の中心が画素の中心(画素の対角同士を結ぶ対角線の交点)と一致するようにマイクロレンズを配置した場合、開口部内における平坦部の位置が偏ることで、開口部内での照度の分布に偏りが生じるおそれがある。ここで、本適用例の構成によれば、マイクロレンズは、平坦部の中心が開口部の設計上の重心と重なるように配置される。そのため、開口部内における平坦部の位置の偏りを緩和できる。これにより、開口部内における照度の分布の偏りが抑えられるので、電気光学装置により表示される画像の明るさをより均一にできる。
[適用例3]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記複数のマイクロレンズの各々は、前記平坦部を囲むように配置された曲面部を有し、前記第1の方向および前記第2の方向における前記平坦部の径と前記開口部の径との差が6μm±0.5μm以内であることが好ましい。
本適用例の構成によれば、複数のマイクロレンズの各々は、平坦部を囲むように配置された曲面部を有している。したがって、マイクロレンズに入射する光のうち平坦部の周囲で曲面部に入射する光は、開口部内に向けて集光される。ここで、マイクロレンズ全体の面積が同じであるとすれば、平坦部の径(幅)と開口部の径(幅)との差が大きいほど、開口部の面積に対する平坦部の面積が小さくなるので、マイクロレンズにおける曲面部の面積は相対的に大きくなる。そうすると、直進する光の量が少なくなり開口部内に向けて集光される光の量が多くなるため、電気光学層に入射する光の角度のばらつきが大きくなるとともに、拡散される光の量が多くなる。一方、平坦部の径(幅)と開口部の径(幅)との差が小さいほど平坦部の面積が大きくなるので、マイクロレンズにおける曲面部の面積は相対的に小さくなる。曲面部の面積が小さくなると、開口部内に向けて集光される光の量が少なくなるため、遮光部で遮られる光の量が多くなるので、光の利用効率が低下する。ここで、本適用例の構成によれば、平坦部の径(幅)と開口部の径(幅)との差を6μm±0.5μm以内としているので、マイクロレンズにおける平坦部の面積と曲面部の面積とを好適な範囲に設定することができる。また、一方の基板にマイクレンズが設けられ、他方の基板に遮光部が設けられている場合に、平坦部の径(幅)と開口部の径(幅)との差を6μm±0.5μm以内とすることで、一方の基板と他方の基板との相対的な位置ずれが生じた場合でも、平坦部の全領域を開口部内に配置することができる。
[適用例4]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記平坦部は、平面視で略矩形状であることが好ましい。
本適用例の構成によれば、平坦部が略矩形状であるので、画素の形状も略矩形状であれば、マイクレンズにおける平坦部の外側の曲面部を含む部分の幅は、画素の交差する2辺に沿った方向(第1の方向および第2の方向)において略同一となる。一方、平坦部が略円形状など矩形以外の形状である場合、画素の形状が略矩形状であると、画素の交差する2辺に沿った方向において、平坦部の外側の曲面部を含む部分の幅のばらつきが大きくなる。したがって、平坦部を略矩形状とすることで、平坦部が円形状など矩形以外の形状である場合と比べて、画素の略矩形状の外形に沿って平坦部の外側の部分をより均一に配置できるので、電気光学装置における光の利用効率やコントラストのより一層の向上を図ることができる。
[適用例5]上記適用例に係る電気光学装置であって、前記マイクロレンズの外縁が前記遮光部と平面視で重なるように配置されていることが好ましい。
本適用例の構成によれば、マイクロレンズの外縁が遮光部と平面視で重なるように配置されている。そのため、平坦部の中心が開口部の設計上の重心と重なるようにマイクロレンズを配置することで、隣り合うマイクロレンズ同士の境界が、隣り合う画素同士の境界からずれても、マイクロレンズ同士の境界が開口部内に配置されることはない。これにより、一つの画素の開口部内に、隣り合う画素のマイクロレンズが入り込むように配置されることを抑止できる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例の電気光学装置を備えていることを特徴とする。
本適用例の構成によれば、明るい表示と優れたコントラストとを有する電子機器を提供することができる。
本実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図。 本実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 本実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図。 本実施形態に係る液晶装置の遮光部と画素の開口部とを示す概略平面図。 本実施形態に係るマイクロレンズの構成を示す概略平面図。 本実施形態に係るマイクロレンズの構成を示す概略断面図。 本実施形態に係る液晶装置の画素の開口部とマイクロレンズとの位置関係を示す概略平面図。 本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図。 本実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図。 変形例1に係るマイクロレンズの構成を示す概略平面図。 変形例1に係るマイクロレンズの構成を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
<電気光学装置>
ここでは、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投写型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
まず、本実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置について、図1、図2、図3、および図4を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、本実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図3は、本実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図3は、図1のA−A’線に沿った概略断面図である。図4は、本実施形態に係る液晶装置の遮光部と画素の開口部とを示す概略平面図である。
図1および図3に示すように、本実施形態に係る液晶装置1は、第1の基板としての素子基板20と、素子基板20に対向配置された第2の基板としての対向基板30と、シール材42と、電気光学層としての液晶層40とを備えている。図1に示すように、素子基板20は対向基板30よりも大きく、両基板は、対向基板30の縁部に沿って額縁状に配置されたシール材42を介して接合されている。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、正または負の誘電異方性を有する液晶で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、素子基板20に設けられた遮光層22,26と、対向基板30に設けられた遮光層32とが配置されている。遮光層22,26,32は、額縁状の周縁部を有し、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などで形成されている。額縁状の遮光層22,26,32の内側は、複数の画素Pが配列された表示領域Eとなっている。画素Pは、例えば、略矩形状を有し、マトリックス状に配列されている。
表示領域Eは、液晶装置1において、実質的に表示に寄与する領域である。素子基板20に設けられた遮光層22,26は、表示領域Eにおいて、複数の画素Pの開口領域を平面的に区画するように、例えば格子状に設けられている。なお、液晶装置1は、表示領域Eの周囲を囲むように設けられた、実質的に表示に寄与しないダミー領域を備えていてもよい。
素子基板20の第1辺に沿って形成されたシール材42の表示領域Eと反対側には、第1辺に沿ってデータ線駆動回路51および複数の外部接続端子54が設けられている。また、その第1辺に対向する他の第2辺に沿ったシール材42の表示領域E側には、検査回路53が設けられている。さらに、これらの2辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿ったシール材42の内側には、走査線駆動回路52が設けられている。
検査回路53が設けられた第2辺のシール材42の表示領域E側には、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、複数の外部接続端子54に接続されている。また、対向基板30の角部には、素子基板20と対向基板30との間で電気的導通をとるための上下導通部56が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
以下の説明では、データ線駆動回路51が設けられた第1辺に沿った方向を第1の方向としてのX方向とし、この第1辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿った方向を第2の方向としてのY方向とする。X方向は、図1のA−A’線に沿った方向である。遮光層22,26は、X方向とY方向とに沿った格子状に設けられている。画素Pの開口領域は、遮光層22,26によって格子状に区画され、X方向とY方向とに沿ったマトリックス状に配列されている。
また、X方向およびY方向と直交し図1における上方に向かう方向をZ方向とする。なお、本明細書では、液晶装置1の対向基板30側表面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
図2に示すように、表示領域Eには、走査線2とデータ線3とが互いに交差するように形成され、走査線2とデータ線3との交差に対応して画素Pが設けられている。画素Pのそれぞれには、画素電極28と、スイッチング素子としてのTFT24とが設けられている。
TFT24のソース電極(図示しない)は、データ線駆動回路51から延在するデータ線3に電気的に接続されている。データ線3には、データ線駆動回路51(図1参照)から画像信号(データ信号)S1,S2,…,Snが線順次で供給される。TFT24のゲート電極(図示しない)は、走査線駆動回路52から延在する走査線2の一部である。走査線2には、走査線駆動回路52から走査信号G1,G2,…,Gmが線順次で供給される。TFT24のドレイン電極(図示しない)は、画素電極28に電気的に接続されている。
画像信号S1,S2,…,Snは、TFT24を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線3を介して画素電極28に所定のタイミングで書き込まれる。このようにして画素電極28を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画像信号は、対向基板30に設けられた共通電極34(図3参照)との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。
なお、保持された画像信号S1,S2,…,Snがリークするのを防止するため、走査線2に沿って形成された容量線4と画素電極28との間に蓄積容量5が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、各画素Pの液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶層40(図3参照)に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
液晶層40を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
図3に示すように、本実施形態に係る対向基板30は、マイクロレンズアレイ基板10と、光路長調整層31と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。
マイクロレンズアレイ基板10は、基板11と、レンズ層13とを備えている。基板11は、例えば、ガラスや石英などの光透過性を有する無機材料からなる。基板11の液晶層40側の面を上面11aとする。基板11は、上面11aに形成された複数の凹部12を有している。各凹部12は、画素Pに対応して設けられている。凹部12は、その中央部に配置された平坦部12aを有している。凹部12の形状の詳細については後述する。
レンズ層13は、基板11の上面11a側を覆うように設けられている。レンズ層13は、凹部12の深さよりも厚く形成されており、複数の凹部12を埋め込むように形成されている。レンズ層13は、光透過性を有し、基板11とは異なる屈折率を有する材料からなる。本実施形態では、レンズ層13は、基板11よりも光屈折率の高い無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiON、Al23などが挙げられる。
レンズ層13を形成する材料で凹部12を埋め込むことにより、凸形状のマイクロレンズML1が構成される。したがって、各マイクロレンズML1は、画素Pに対応して設けられている。また、複数のマイクロレンズML1によりマイクロレンズアレイMLAが構成される。マイクロレンズアレイ基板10の表面、すなわちレンズ層13の表面は、略平坦な面となっている。
光路長調整層31は、マイクロレンズアレイ基板10を覆うように設けられている。光路長調整層31は、光透過性を有し、例えば、基板11とほぼ同じ屈折率を有する無機材料からなる。光路長調整層31は、マイクロレンズML1から遮光層26までの距離を所望の値に合わせる機能を有する。したがって、光路長調整層31の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズML1の焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。
遮光層32は、光路長調整層31上に設けられている。遮光層32は、マイクロレンズML1が配置された表示領域E(図1参照)の周囲を囲むように設けられるとともに、表示領域E内にも設けられている。遮光層32は、素子基板20の遮光層22および遮光層26に平面視で重なるように、例えば格子状に形成されており、光が透過する開口部32aを有している。開口部32aは、例えば、後述する遮光層22の開口部22aおよび遮光層26の開口部26aよりも大きい。なお、遮光層32は、島状またはストライプ状に形成されていてもよい。また、遮光層32が表示領域E内に設けられていない構成としてもよい。
光路長調整層31と遮光層32とを覆うように、保護層33が設けられている。共通電極34は、保護層33を覆うように設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成されている。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。なお、保護層33は共通電極34の液晶層40側の表面が平坦となるように遮光層32を覆うものであるが、保護層33を設けることなく導電性の遮光層32を直接覆うように共通電極34を形成してもよい。配向膜35は、共通電極34を覆うように設けられている。
素子基板20は、基板21と、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板21は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。
遮光層22は、基板21上に設けられている。遮光層22は、上層の遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層22および遮光層26は、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。遮光層22は、TFT24の少なくともチャネル領域と平面視で重なっている。
遮光層22および遮光層26が設けられていることにより、TFT24への光の入射が抑制されるので、TFT24における光リーク電流の増大や光による誤動作を抑えることができる。遮光層22に囲まれた領域(開口部22a内)、および、遮光層26に囲まれた領域(開口部26a内)は、平面視で互いに重なっており光が透過する領域となる。
絶縁層23は、基板21と遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁層23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
TFT24は、絶縁層23上に設けられており、遮光層22および遮光層26と平面視で重なる領域に配置されている。TFT24は、画素電極28を駆動するスイッチング素子である。TFT24は、図示しない半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極で構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層25の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT24をオン/オフ制御している。
絶縁層25は、絶縁層23とTFT24とを覆うように設けられている。絶縁層25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。絶縁層25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層25により、TFT24によって生じる表面の凹凸が緩和される。絶縁層25上には、遮光層26が設けられている。そして、絶縁層25と遮光層26とを覆うように、無機材料からなる絶縁層27が設けられている。
画素電極28は、絶縁層27上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極28は、遮光層22の開口部22aおよび遮光層26の開口部26aに平面視で重なる領域に配置されている。画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜29は、画素電極28を覆うように設けられている。液晶層40は、素子基板20側の配向膜29と対向基板30側の配向膜35との間に封入されている。
なお、図示を省略するが、平面視で遮光層22および遮光層26に重なる領域には、TFT24に電気信号を供給するための電極、配線、中継電極や、蓄積容量5(図2参照)を構成する容量電極などが設けられている。遮光層22や遮光層26がこれらの電極、配線、中継電極、容量電極などを含む構成であってもよい。
本実施形態に係る液晶装置1では、例えば、光源などから発せられた光は、マイクロレンズML1を備える対向基板30(マイクロレンズアレイ基板10)側から入射する。基板11側から上面11aの法線方向に沿ってマイクロレンズML1に入射する光のうち、平坦部12aに入射した入射光L1は、マイクロレンズML1をそのまま直進し、液晶層40を通過して素子基板20側に射出される。
入射光L1よりも外側の平面視で遮光層26と重なる領域からマイクロレンズML1(凹部12)の平坦部12aの外側(図6(a)に示す曲面部12bおよび周縁部12c)に入射した入射光L2は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、基板11とレンズ層13との間の光屈折率の差により、画素Pの平面的な中心側へ屈折する。液晶装置1では、このように直進した場合に遮光層26で遮光されてしまう入射光L2も、マイクロレンズML1の作用により遮光層26の開口部26a内に入射させて液晶層40を通過させることができる。この結果、素子基板20側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
ここで、特許文献1に記載の液晶装置のように、凸状部が曲面で構成されたマイクロレンズでは、入射する光がマイクロレンズの焦点に向けて集光される。そのため、光が基板の面の法線方向に沿ってマイクロレンズに入射しても、マイクロレンズを通過して液晶層に入射する光の液晶の配向方向に対する角度のばらつきが大きくなり、液晶装置のコントラストが低下してしまうおそれがある。また、集光された光は焦点を通過した後拡散されるため、液晶装置から射出される光が拡散してしまい、結果として光の利用効率の低下を招くおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る液晶装置1は、マイクロレンズML1(凹部12)の中央部に平坦部12aを有しており、平坦部12aに入射する光L1はそのまま直進して液晶層40に入射するため、液晶層40を通過する光の角度のばらつきが抑えられる。これにより、液晶層40の液晶分子の配向方向に対する、光の角度のばらつきが小さく抑えられるので、液晶装置1のコントラストが向上する。また、液晶装置1から射出される光の拡散が抑えられるので、例えば、液晶装置1をプロジェクターの液晶ライトバルブとして用いる場合に、明るい表示と良好なコントラストとを得ることができる。
図4に斜線を付して示すように、液晶装置1の表示領域Eには、遮光部Sが格子状に設けられている。遮光部Sは、遮光層22と遮光層26と遮光層32とで構成される。換言すれば、遮光領域Sには、遮光層22、遮光層26、および遮光層32の少なくとも一つが配置されている。TFT24は、遮光部Sと平面視で重なる領域に配置されている。遮光部Sは、複数の画素Pの各々に対応する開口部Tを有している。開口部Tは、平面視で開口部22aと開口部26aと開口部32aとが重なる領域である。
遮光部Sは、X方向に延在する部分とY方向に延在する部分とを有している。本実施形態では、遮光部Sは、Y方向に延在する部分に開口部T側に張り出した部分(幅が広い部分)を有している。この遮光部Sの張り出した部分には、例えば、図示しない中継電極や容量電極などが配置されている。開口部Tは、Y方向に沿った直線に対して線対称で、X方向に沿った直線に対して非線対称な平面形状を有している。
Y方向に沿って開口部Tを面積が互いに等しい2つの領域に分割する直線をVLとする。直線VLは、開口部TのX方向における中央部を通り、Y方向に平行な直線である。また、X方向に沿って開口部Tを面積が互いに等しい2つの領域(後述する部分Ta,Tb)に分割する直線をHLとする。直線HLは、X方向に平行な直線であるが、開口部TのY方向における中央部は通らない。開口部Tのうち、直線HLによって分割された+Y方向側の部分をTaとし、−Y方向側の部分をTbとする。
画素Pの各々は、略矩形の平面形状を有し、所定の配置ピッチPw(例えば、10μm)でマトリックス状に配列されている。図4には、互いに隣り合う4つの画素Pが図示されている。各画素Pの領域のうち、遮光部Sと平面視で重なる領域は光を透過しない非開口領域であり、開口部Tと平面視で重なる領域は光が透過する開口領域である。換言すれば、画素Pの開口部Tは、遮光部Sを構成する複数の遮光層22,26,32で規定されている。
X方向およびY方向において隣り合う画素P同士は、互いに接するように配列されている。X方向において隣り合う画素P同士の境界は、遮光部SのY方向に延在する部分の幅方向(X方向)における中央部に位置している。Y方向において隣り合う画素P同士の境界は、遮光部SのX方向に延在する部分の幅方向(Y方向)における中央部に位置している。
画素Pの対角同士を結ぶ2つの対角線を、それぞれDLa,DLbとする。対角線DLaと対角線DLbとの交点が、画素Pの中心Pcである。上述した直線VLは、画素Pの中心Pcを通る。なお、対角線DLbに沿った方向をW方向とする。W方向は、X方向およびY方向で構成される平面において、X方向およびY方向と交差する方向である。
複数のマイクロレンズML1(凹部12)の各々は、複数の画素Pの各々に対応して、同じ配置ピッチPwで配列されている。マイクロレンズML1(凹部12)の各々は、略矩形の平面形状を有している。マイクロレンズML1(凹部12)の外形は、画素Pに内接する大きさである。マイクロレンズML1(凹部12)の4隅の角部は、丸く形成されていることが好ましい。すなわち、対角線DLa,DLbに沿った方向(W方向)において隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士が互いに離間されていることが好ましい。
X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士は互いに接続されており、その境界は遮光部SのX方向に延在する部分またはY方向に延在する部分と平面視で重なる領域に配置されている。また、マイクロレンズML1(凹部12)の4隅の角部は、遮光部SのX方向に延在する部分とY方向に延在する部分とが交差する部分に配置されている。すなわち、マイクロレンズML1(凹部12)の外縁は、遮光部Sと平面視で重なるように配置されている。
X方向においては、互いに隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士の境界は、互いに隣り合う画素P同士の境界とほぼ同じ位置に配置されている。一方、Y方向においては、互いに隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士の境界は、互いに隣り合う画素P同士の境界とは異なる位置に配置されている。本実施形態では、Y方向においては、互いに隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士の境界は、互いに隣り合う画素P同士の境界に対して、+Y方向に距離Gだけずれた位置に配置されている。
マイクロレンズML1(凹部12)の各々の中央部には、平坦部12aが配置されている。平坦部12aは、略矩形の平面形状を有している。平坦部12aの周縁は、開口部T内に配置されている。すなわち、平坦部12aの全領域が開口部T内に配置されている。なお、平坦部12aの周縁とは、平坦部12aの周囲に配置された曲面部12b(図5参照)との境界を指す。
平坦部12aの中心Lcは、マイクロレンズML1(凹部12)の中心と同じ位置にある。そして、平坦部12aの中心Lcは、開口部Tの設計上の重心Tcと平面視で重なるように配置されている。開口部Tの設計上の重心Tcは、開口部T上に一様に質量を分布させた場合における質量中心であり、本実施形態では、開口部Tを面積が互いに等しい2つの部分Ta,Tbに分割するX方向に沿った直線HLと、画素Pの中心Pcを通るY方向に沿った直線VLとの交点として定めることができる。より具体的には、本実施形態では、重心Tcは画素Pの中心Pcから距離Gだけ+Y方向に沿ってずれた位置とする。
<マイクロレンズ>
続いて、本実施形態に係るマイクロレンズML1の構成および作用について、図5、図6、および図7を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るマイクロレンズの構成を示す概略平面図である。図6は、本実施形態に係るマイクロレンズの構成を示す概略断面図である。図7は、本実施形態に係る液晶装置の画素の開口部とマイクロレンズとの位置関係を示す概略平面図である。
図5に示すように、本実施形態に係るマイクロレンズML1は、凸形状を構成する凹部12の中央部に配置された平坦部12aと、平坦部12aを囲むように配置された曲面部12bと、曲面部12bを囲むように配置された周縁部12cとを有している。平坦部12aと曲面部12bと周縁部12cとは、連続して形成されている。
上述した通り、平坦部12aは略矩形の平面形状を有している。画素P(図4参照)が正方形である場合、平坦部12aも略正方形である。平坦部12aの4隅の角部は、図5に示すように丸く形成されていてもよい。曲面部12bおよび周縁部12cは、略矩形の平面形状を有し、それぞれの4隅の角部は丸く形成されている。曲面部12bおよび周縁部12cは、それぞれの4隅の角部を除き、X方向およびY方向においてほぼ同じ幅を有している。
図6(a)は図5のB−B’線に沿った概略断面図であり、図6(b)は図5のC−C’線に沿った概略断面図である。なお、図5のB−B’線は平坦部12aの中心Lcを通るW方向に沿った直線であり、図5のC−C’線は平坦部12aの中心Lcを通るX方向に沿った直線である。図6(a),(b)は、図3と上下方向(Z方向)が反転している。したがって、図示はしないが、光は図6(a),(b)の下方側から上方側に向かってマイクロレンズML1に入射する。
図6(a),(b)に示すように、平坦部12aは、凹部12の底部であり、基板11の上面11aに略平行で略平坦な面となっている。平坦部12aは、集光機能を有していない。したがって、上面11aの法線方向に沿って平坦部12aに入射する光は、そのまま直進する。曲面部12bは、平坦部12aに連続して設けられており、円弧状の断面形状を有している。曲面部12bは、集光機能を有している。上面11aの法線方向に沿って曲面部12bに入射する光は、平坦部12aの中心Lc側へ集光される。
周縁部12cは、曲面部12bに連続して設けられている。図6(a)に示すW方向においては、周縁部12cは上面11aに接続されており、隣り合う凹部12同士の周縁部12cは離間されている。図6(b)に示すX方向においては、隣り合う凹部12同士の周縁部12cは互いに接続されている。周縁部12cは、上面11aから曲面部12bに向かって傾斜する傾斜面、いわゆるテーパー状の面となっている。したがって、周縁部12cは集光機能を有していない。上面11aの法線方向に沿って周縁部12cに入射する光は、略同一の角度で平坦部12aの中心Lc側へ屈折される。なお、周縁部12cの傾斜角度は、基板11の屈折率とレンズ層13の屈折率との差に基づいて適宜設定される。
図6(a)に、曲面部12bを上面11a側へ延長した仮想曲面12dを2点鎖線で示す。仮想曲面12dは、一般的な等方性エッチングにより形成される略球面状の曲面である。仮想曲面12dの端部における接線と上面11aとがなす角度は、例えば、90°に近い角度になる。また、従来の凸状部が曲面で構成されたマイクロレンズにおいても、その端部における接線と上面とがなす角度は90°に近い角度となる。マイクロレンズの端部(周縁部)における接線と上面とがなす角度が大きくなると、入射する光が大きく屈折されて、隣り合う画素Pの開口部T内に入射してしまう場合や、入射する光が基板とレンズ層との界面で全反射されてしまう場合がある。
本実施形態では、曲面部12bの周囲にテーパー状の周縁部12cが設けられているので、マイクロレンズの端部が略球面状の曲面(仮想曲面12d)である場合と比べて、マイクロレンズML1の端部(周縁部12c)と上面11aとがなす角度を小さくできる。そのため、周縁部12cに入射する光の過度の屈折が抑えられ、周縁部12cで屈折する光の角度と曲面部12bで屈折する光の角度との差を小さくできる。
図7(a)は、マイクロレンズML1の平坦部12aの中心Lcが開口部Tの設計上の重心Tcと平面視で重なるように配置された本実施形態の概略平面図である。図7(b)は、マイクロレンズML1の平坦部12aの中心Lcが開口部Tの中心Pcと平面視で重なるように配置された場合を比較して示す概略平面図である。
図7(a)に示すように、マイクロレンズML1では、平坦部12aの全領域が開口部T内に配置されている。上述したように、平坦部12aに入射する光はそのまま直進するが、平坦部12aの全領域が開口部T内に配置されているので、平坦部12aに入射する光はそのまま直進しても遮光部Sで遮光されることはない。また、平坦部12aに入射する光はそのまま直進するため、液晶層40(図3参照)に入射する光の角度のばらつきが抑えられ、液晶層40から射出される光の拡散が抑えられる。
曲面部12bは、平坦部12aの外側に、少なくともその内縁が開口部T内に位置するように設けられている。本実施形態では、図7(a)に示すように、曲面部12bの全領域が開口部T内に配置されているが、曲面部12bが開口部Tと遮光部Sとに跨るように配置されていてもよい。曲面部12bが遮光部Sと平面視で重なっていても、曲面部12bに入射する光は平坦部12aの中心Lc側へ集光されるので、そのまま直進すれば遮光部Sで遮光される光を、曲面部12bの集光機能により開口部T内に入射させることができる。
周縁部12cは、曲面部12bの外側に、開口部Tと遮光部Sとに跨るように配置されている。周縁部12cに入射する光は平坦部12aの中心Lc側へ屈折されるので、そのまま直進すれば遮光部Sで遮光される光を、開口部T内に入射させることができる。また、周縁部12cに入射する光は略同一の角度で屈折されるので、液晶層40に入射する光の角度のばらつきが抑えられる。
特許文献1に記載の液晶装置のように、凸状部が曲面で構成されたマイクロレンズでは、マイクロレンズの全領域に入射する光がマイクロレンズの焦点に向けて集光されるため、画素Pの開口部T内における照度の分布がマイクロレンズの中央部に偏ることとなる。また、マイクロレンズに入射する光が基板面の法線方向に沿った平行光であっても、マイクロレンズを通過して液晶層に入射する光の液晶の配向方向に対する角度のばらつきが大きくなり、液晶装置のコントラストが低下してしまうおそれがある。そして、集光された光は焦点を通過した後拡散されるため、液晶装置から射出される光が拡散してしまい、結果として光の利用効率の低下を招くおそれがある。
本実施形態のように平坦部12aとテーパー状の周縁部12cとを有するマイクロレンズML1では、従来の曲面状のマイクロレンズと比べて、画素Pの開口部T内における照度の分布の偏りが緩和されより均一となる。また、マイクロレンズML1を通過して液晶層40に入射する光の液晶の配向方向に対する角度のばらつきが小さく抑えられるので、液晶装置1のコントラストが向上する。そして、液晶層40から射出される光の拡散が抑えられるので、液晶装置1をプロジェクターの液晶ライトバルブとして用いる場合に、投写レンズに入射する光のケラレを抑制でき、プロジェクターにおける光の利用効率やコントラストの向上を図ることができる。
また、本実施形態では、図7(a)に示すように、画素Pの開口部Tの重心Tcは、画素Pの中心Pcから距離Gだけ+Y方向に沿ってずれた位置にある。そして、マイクロレンズML1の平坦部12aの中心Lcは、開口部Tの重心Tcと平面視で重なるように配置されている。換言すれば、マイクロレンズML1(平坦部12a、曲面部12b、周縁部12c)は、画素Pの中心Pcから距離Gだけ+Y方向に沿ってずれるように配置されている。
なお、マイクロレンズML1の外縁は、遮光部Sと平面視で重なるように配置されている(図4参照)。そのため、平坦部12aの中心Lcが開口部Tの設計上の重心Tcと重なるように配置することで、隣り合うマイクロレンズML1同士の境界が、隣り合う画素P同士の境界から距離Gだけずれていても、マイクロレンズML1の境界が開口部T内に配置されることはない。すなわち、一つの画素Pの開口部T内に、隣り合う画素PのマイクロレンズML1が入り込むように配置されることはない。
ところで、図7(b)に示すように、マイクロレンズML1(平坦部12a)の中心Lcが開口部Tの中心Pcと平面視で重なるように配置された場合を想定してみる。この場合、マイクロレンズML1の平坦部12a、曲面部12b、および周縁部12cのそれぞれの全領域のうち、開口部Tが直線HLによって分割された+Y方向側の部分Taと平面視で重なる部分と、−Y方向側の部分Tbと平面視で重なる部分とでは面積が異なる。
したがって、マイクロレンズML1を通過して画素Pの開口部Tに入射する光のうち、平坦部12aから直進して入射する光、曲面部12bで集光されて入射する光、および周縁部12cで屈折されて入射する光のそれぞれの量が、面積が互いに等しい部分Taと部分Tbとで異なることとなる。換言すれば、画素Pの開口部T内における平坦部12a、曲面部12b、および周縁部12cの位置に偏りが生じることで、画素Pの開口部T内における照度の分布に偏りが生じてしまう。
これに対して、図7(a)に示す液晶装置1の構成によれば、マイクロレンズML1の平坦部12aの中心Lcが開口部Tの設計上の重心Tcと重なるように配置される。そのため、平坦部12a、曲面部12b、および周縁部12cのそれぞれにおいて、部分Taと平面視で重なる部分と、部分Tbと平面視で重なる部分との面積が等しくなるので、開口部T内における平坦部12a、曲面部12b、および周縁部12cの位置の偏りが抑えられる。これにより、画素Pの開口部T内における照度の分布の偏りが抑えられるので、電気光学装置により表示される画像の明るさをより均一にできる。
ここで、図7(a)に示すように、開口部TのY方向における径(幅)をF2とする。また、開口部TのX方向における幅が広い部分Ta側の径も同じF2とする。そして、平坦部12aは略正方形であるものとし、そのX方向及びY方向における径(幅)をF1とする。本実施形態では、X方向及びY方向における平坦部12aの径F1と開口部Tの径F2との差は、6μm±0.5μm以内である。
マイクロレンズML1全体の面積が同じである場合、平坦部12aの径F1と開口部Tの径F2との差が大きいほど、開口部Tの面積に対する平坦部12aの面積が小さくなるので、マイクロレンズML1における曲面部12bの面積は相対的に大きくなる。そうすると、開口部T内に直進して入射する光の量が少なくなり開口部T内に向けて集光されて入射する光の量が多くなるため、液晶層40に入射する光の角度のばらつきが大きくなる。
一方、平坦部12aの径F1と開口部Tの径F2との差が小さいほど平坦部12aの面積が大きくなるので、マイクロレンズML1における曲面部12bの面積は相対的に小さくなる。そうすると、開口部T内に直進して入射する光の量は多くなるものの、曲面部12bで開口部T内に向けて集光される光の量が少なくなるため、遮光部Sで遮られてしまう光の量が多くなるので、光の利用効率が低下する。
液晶装置1の構成によれば、平坦部12aの径F1と開口部Tの径F2との差を6μm±0.5μm以内としているので、マイクロレンズML1における平坦部12aの面積と曲面部12bの面積とを好適な範囲に設定することができる。また、平坦部12aの径F1と開口部Tの径F2との差を6μm±0.5μm以内とすることで、万が一対向基板30と素子基板20との相互の組ずれが生じた場合でも、平坦部12aの全領域を開口部T内に配置することができる。
<電気光学装置の製造方法>
次に、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の製造方法を含む液晶装置1の製造方法を説明する。図8および図9は、本実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図8および図9の各図は、図5のB−B’線に沿った概略断面図に相当する。
まず、図8(a)に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板11の上面11aに、例えば、SiO2などの酸化膜からなる制御膜70を形成する。制御膜70は、等方性エッチングにおけるエッチングレートが基板11と異なっており、凹部12を形成する際の深さ方向(Z方向)のエッチングレートに対して幅方向(W方向、X方向、およびY方向)のエッチングレートを調整する機能を有する。
制御膜70を形成した後、所定の温度で制御膜70のアニールを行う。制御膜70のエッチングレートは、アニール時の温度により変化する。したがって、アニール時の温度を適宜設定することにより、制御膜70のエッチングレートを調整することができる。
次に、図8(b)に示すように、制御膜70上にマスク層71を形成する。続いて、図8(c)に示すように、マスク層71をパターニングして、マスク層71に開口部72を形成する。開口部72は、形成される凹部12における平坦部12aと同様に平面視で略矩形であり、その形状および大きさは平坦部12aの形状および大きさと略同一に設定される。換言すれば、マスク層71の開口部72の形状および大きさによって、形成される凹部12における平坦部12aの形状および大きさが決まる。
また、開口部72は、開口部72の平面的な中心が、画素Pの開口部Tの設計上の重心Tcと平面視で重なるように配置される。すなわち、開口部72の平面的な中心が、画素Pの中心Pcに対して距離Gだけ+Y方向にずれた位置に配置される。この開口部72の平面的な中心の位置が、形成される凹部12における平坦部12aの中心Lcとなる。
次に、図8(d)に示すように、マスク層71の開口部72を介して、制御膜70で覆われた基板11に等方性エッチングを施す。等方性エッチングには、制御膜70のエッチングレートの方が基板11のエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液(例えば、フッ酸溶液)を用いる。等方性エッチングにより、開口部72から制御膜70と基板11とがエッチングされ、制御膜70に開口部70aが形成されるとともに、基板11に凹部12が形成される。
次に、図9(a)に示すように、等方性エッチングの進行に伴って凹部12が拡大され、凹部12のうち平面視でマスク層71の開口部72に対応する部分が略平坦な面となる。これにより、凹部12の中央部に平坦部12aが形成される。また、平坦部12aの周囲を囲むように曲面部12bが形成される。
ここで、基板11とマスク層71との間に制御膜70が設けられていない場合は、図9(a)に破線で示すように、曲面部12bが基板11の上面11aに到達するまで形成されることとなる。本実施形態では、基板11とマスク層71との間に制御膜70が設けられており、等方性エッチングにおける制御膜70の単位時間当たりのエッチング量は基板11の単位時間当たりのエッチング量よりも多い。
したがって、制御膜70の開口部70aの拡大量は凹部12の深さ方向の拡大量よりも多くなるので、開口部70aの拡大に伴って、凹部12の幅方向も拡大することとなる。そのため、基板11の幅方向における単位時間当たりのエッチング量は、深さ方向における単位時間当たりのエッチング量よりも多くなる。これにより、曲面部12bの周囲を囲むようにテーパー状の周縁部12cが形成される。
上述したように、凹部12における平坦部12aの形状および大きさは、マスク層71の開口部72の形状および大きさにより制御することができる。また、凹部12における曲面部12bおよび周縁部12cのそれぞれの大きさは、基板11の深さ方向のエッチングレートに対する幅方向のエッチングレートにより制御され、このエッチングレートの差は制御膜70のアニール時の温度設定により調整できる。
本工程では、図9(a)に示すように、隣り合う凹部12同士が互いに離間されている状態で等方性エッチングを終了する。隣り合う凹部12同士が互いに接続されるまで等方性エッチングを行うと、マスク層71が基板11から浮いて剥がれてしまうおそれがある。本実施形態では、隣り合う凹部12同士の間に基板11の上面11aが残っている状態で等方性エッチングを終了するので、等方性エッチングが終了するまでマスク層71を支持することができる。形成された凹部12の外形(平面形状)は、マスク層71の開口部72の平面形状が拡大された形状、すなわち、略矩形となり、4隅の角部は丸く形成される。
次に、図9(b)に示すように、基板11からマスク層71を除去した後、基板11の上面11a側を覆い凹部12を埋め込むように、光透過性を有し、基板11よりも高い屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ層13を形成する。レンズ層13は、例えばCVD法を用いて形成することができる。レンズ層13は凹部12を埋め込むように形成されるため、レンズ層13の表面は基板11の凹部12に起因する凹凸が反映された凹凸形状となる。
続いて、レンズ層13に対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などを用いて、レンズ層13の上層の凹凸が形成された部分(図9(b)に示す2点鎖線より上方の部分)を研磨して除去することにより、レンズ層13の上面が平坦化される。
レンズ層13に平坦化処理を施した結果、図9(c)に示すように、レンズ層13の上面が平坦化されて、マイクロレンズアレイ基板10が完成する。マイクロレンズアレイ基板10において、凹部12にレンズ層13の材料が埋め込まれてマイクロレンズML1が構成される。
なお、図示を省略するが、従来の凸状部が曲面で構成されたマイクロレンズでは、マスク層に本実施形態よりも小さな開口部を形成し、その開口部を介して基板に等方性エッチング処理を施すことにより、基板が略球面状にエッチングされて曲面状の凹部が形成される。このとき、形成される凹部の径が本実施形態の凹部12の最大径(W方向における径)と同じである場合、曲面状の凹部の深さは本実施形態の凹部12の深さよりも大きく(深く)なる。そのため、本実施形態と比べて、基板のエッチング量および凹部を埋めるためのレンズ層の使用量が多くなるので、CMP処理工程における研磨量も多くなり、その結果、これらの工程における工数の増大を招くこととなる。
本実施形態に係るマイクロレンズML1の構成によれば、凹部12の中央部に平坦部12aを設けることで、凹部12の深さが浅くなるので、マイクロレンズアレイ基板10の製造工程における工数や材料の使用量を低減することができる。また、堆積したレンズ層13の膜厚がより均一になり表面の凹凸形状が小さくなるので、レンズ層13の表面の平坦性を向上させることができる。
以降の工程は、詳細な図示を省略し、図3を参照して説明する。次に、公知の技術を用いて、マイクロレンズアレイ基板10上に、光路長調整層31と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを順に形成して対向基板30を得る。また、基板21上に、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを順に形成して素子基板20を得る。
次に、素子基板20と対向基板30との間に熱硬化性または光硬化性の接着剤をシール材42(図1参照)として配置して硬化させ、素子基板20と対向基板30とを接合する。そして、素子基板20と対向基板30とシール材42とで構成される空間に液晶を封入することにより、液晶装置1が完成する。素子基板20と対向基板30とを接合する前にシール材42で囲まれた領域に液晶を配置することとしてもよい。
なお、上述の製造方法では、図8(c)に示す工程において、マスク層71に形成する開口部72の平面的な中心が画素Pの開口部Tの設計上の重心Tcと平面視で重なるように配置することとしたが、開口部72の平面的な中心が画素Pの中心Pcと平面視で重なるように配置することとしてもよい。マスク層71に形成する開口部72の平面的な中心が画素Pの中心Pcと平面視で重なるように配置する場合は、この方法で製造されたマイクロレンズアレイ基板10を含む対向基板30を素子基板20に接合する際に、素子基板20(画素P)に対して対向基板30(マイクロレンズML1)を距離Gだけ+Y方向にずれた位置に配置すればよい。これにより、完成した液晶装置1において、マイクロレンズML1(凹部12)の平坦部12aの中心Lcを画素Pの開口部Tの設計上の重心Tcと平面視で重なる位置に配置することができる。
<電子機器>
次に、本実施形態に係る電子機器について図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
図10に示すように、本実施形態に係る電子機器としてのプロジェクター(投写型表示装置)100は、偏光照明装置110と、2つのダイクロイックミラー104,105と、3つの反射ミラー106,107,108と、5つのリレーレンズ111,112,113,114,115と、3つの液晶ライトバルブ121,122,123と、クロスダイクロイックプリズム116と、投写レンズ117とを備えている。
偏光照明装置110は、例えば超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とを備えている。ランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とは、システム光軸Lxに沿って配置されている。
ダイクロイックミラー104は、偏光照明装置110から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー105は、ダイクロイックミラー104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー106で反射した後にリレーレンズ115を経由して液晶ライトバルブ121に入射する。ダイクロイックミラー105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ114を経由して液晶ライトバルブ122に入射する。ダイクロイックミラー105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ111,112,113と2つの反射ミラー107,108とで構成される導光系を経由して液晶ライトバルブ123に入射する。
光変調素子としての透過型の液晶ライトバルブ121,122,123は、クロスダイクロイックプリズム116の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ121,122,123に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調され、クロスダイクロイックプリズム116に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム116は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成されており、その内面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投写レンズ117によってスクリーン130上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ121は、上述した実施形態のマイクロレンズML1を備える液晶装置1が適用されたものである。液晶ライトバルブ121は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ122,123も同様である。
本実施形態に係るプロジェクター100の構成によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、明るい表示と良好なコントラストとを得ることができる液晶装置1を備えているので、品質が高く明るいプロジェクター100を提供することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上記の実施形態に係るマイクロレンズML1は、凹部12の中央部に略矩形状の平坦部12aを有する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズが凹部の中央部に略円形状の平坦部を有する構成であってもよい。図11は、変形例1に係るマイクロレンズの構成を示す概略平面図である。図12は、変形例1に係るマイクロレンズの構成を示す概略断面図である。上記実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図11に示すように、変形例1に係るマイクロレンズアレイ基板10Aは、凹部14で構成されるマイクロレンズML2を備えている。凹部14は、中央部に配置された平坦部14aと、平坦部14aの周囲に配置された曲面部14bと、曲面部14bの周囲に配置された周縁部14cとを有している。マイクロレンズML2(凹部14)の外形は略矩形であるが、凹部14(周縁部14c)の仮想的な外形14dは、円形状であり、例えば、画素P(図7(a)参照)の内接円よりも大きく外接円よりも小さい。
平坦部14aは略円形であり、平坦部14a、曲面部14b、および周縁部14cの外形となる仮想的な外形14dは、平坦部14aの平面的な中心Lcを中心として同心円状に形成されている。マイクロレンズML2(平坦部14a)の中心Lcは、画素Pの開口部Tの設計上の重心Tcと重なるように配置されている。マイクロレンズML2では、平坦部14aおよび曲面部14bの外形が略円形であるのに対して周縁部14c(凹部14)の外形が略矩形であるため、周縁部14cの幅がX方向およびY方向においてその中央部から離れるにしたがって大きくなる。したがって、マイクロレンズML1の周縁部12cと比べて、周縁部14cの幅のばらつきが大きくなる。
図12(a)は図11のB−B’線に沿った概略断面図であり、図12(b)は図11のC−C’線に沿った概略断面図である。凹部14の仮想的な外形が円形であるため、図12(b)に破線で示す凹部14のX方向における仮想的な断面形状は、図12(a)に示す凹部14のW方向における断面形状と同じとなる。したがって、図6(b)に示すマイクロレンズMLの周縁部12cの幅と比べて、X方向(およびY方向)における周縁部14cの幅が小さくなる。なお、マイクロレンズML2は、図8(c)に示す工程において、マスク層71に開口部72を形成する際に、開口部72の平面形状を略円形とすることで形成できる。
図11に示すように、変形例1に係るマイクロレンズML2においても、平坦部14aの全領域が画素Pの開口部T内に配置され、マイクロレンズML2(平坦部14a)の中心Lcが開口部Tの設計上の重心Tcと重なるように配置されることで、液晶装置における光の利用効率やコントラストの向上を図ることができる。しかしながら、マイクロレンズML2では周縁部14cの幅のばらつきが大きくなるため、略矩形の平坦部12aを有するマイクロレンズML1の方が好ましい。
(変形例2)
上記の実施形態および変形例1に係るマイクロレンズML1,ML2は、凹部12,14の外縁側にテーパー状の周縁部12c,14cを有する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズML1,ML2において、外縁側にテーパー状の周縁部12c,14cを有しておらず、曲面部12b,14bが基板11の上面11aに接続された構成であってもよい。このような構成であっても、平坦部12a,14aの全領域が開口部T内に配置され、平坦部12a,14aの中心Lcが開口部Tの設計上の重心Tcと重なるように配置されることで、液晶装置における光の利用効率やコントラストの向上を図ることができる。しかしながら、マイクロレンズの端部(周縁部)が曲面であると、入射する光が大きく屈折されたり全反射されたりしてしまう場合があるため、周縁部12c,14cを有するマイクロレンズML1,ML2の方が好ましい。
(変形例3)
上記の実施形態および変形例1に係るマイクロレンズアレイ基板10,10Aの製造方法は、マスク層71の開口部72の形状および大きさと、制御膜70を設けることで等方性エッチングを施す工程において幅方向と深さ方向とのエッチングレートの差を制御することとにより凹部12,14を形成する構成であったが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、基板11上にレジスト層を形成し、グレースケールマスクを用いた露光や多段階露光などにより、レジスト層に凹部12,14の元となる形状を形成し、レジスト層と基板11とに略同一のエッチング選択比で異方性エッチングを施すことにより、基板11に凹部12,14の形状を転写して形成することができる。なお、この場合、制御膜70は不要となる。
(変形例4)
上述した液晶装置1では、マイクロレンズアレイ基板10を対向基板30に備えていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズアレイ基板10(または10A)を素子基板20に備えた構成としてもよい。また、マイクロレンズアレイ基板10(または10A)を素子基板20および対向基板30の双方に備えた構成としてもよい。
(変形例5)
上記の実施形態に係る液晶装置1を適用可能な電子機器は、プロジェクター100に限定されない。液晶装置1は、例えば、投写型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
1…液晶装置(電気光学装置)、12,14…凹部、12a,14a…平坦部、12b,14b…曲面部、12c,14c…周縁部、20…素子基板(第1の基板)、22…遮光層(遮光部)、26…遮光層(遮光部)、30…対向基板(第2の基板)、32…遮光層(遮光部)、40…液晶層(電気光学層)、100…プロジェクター(電子機器)、ML1,ML2…マイクロレンズ、P…画素、S…遮光部、T…開口部。

Claims (6)

  1. 第1の基板と、
    前記第1の基板に対向するように配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された電気光学層と、
    前記第1の基板および前記第2の基板に配置された複数の遮光層で構成され、複数の画素の各々に対応する開口部を有する遮光部と、
    前記第1の基板および前記第2の基板の少なくとも一方に前記複数の画素の各々に対応して配置された複数のマイクロレンズと、を備え、
    前記複数のマイクロレンズの各々は、中央部に平坦部を有し、
    前記平坦部の周縁は前記開口部内に配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  2. 請求項1に記載の電気光学装置であって、
    前記遮光部は、第1の方向に延在する部分と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する部分と、を有し、
    前記開口部は、前記第1の方向および前記第2の方向の少なくとも一方の方向に沿った直線に対して非対称な平面形状を有しており、
    前記複数のマイクロレンズの各々は、前記平坦部の中心が前記開口部の設計上の重心と重なるように配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  3. 請求項2に記載の電気光学装置であって、
    前記複数のマイクロレンズの各々は、前記平坦部を囲むように配置された曲面部を有し、
    前記第1の方向および前記第2の方向における前記平坦部の径と前記開口部の径との差が6μm±0.5μm以内であることを特徴とする電気光学装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記平坦部は、平面視で略矩形状であることを特徴とする電気光学装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気光学装置であって、
    前記マイクロレンズの外縁が前記遮光部と平面視で重なるように配置されていることを特徴とする電気光学装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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