[go: up one dir, main page]

JP2015192657A - 膨化粉体の製造方法 - Google Patents

膨化粉体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015192657A
JP2015192657A JP2015043143A JP2015043143A JP2015192657A JP 2015192657 A JP2015192657 A JP 2015192657A JP 2015043143 A JP2015043143 A JP 2015043143A JP 2015043143 A JP2015043143 A JP 2015043143A JP 2015192657 A JP2015192657 A JP 2015192657A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flour
wheat
expanded
raw material
starch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015043143A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6614779B2 (ja
Inventor
恭征 津田
Yasuyuki Tsuda
恭征 津田
孝雄 長井
Takao Nagai
孝雄 長井
彬史 大森
Akifumi Omori
彬史 大森
健二郎 堀米
Kenjiro Horigome
健二郎 堀米
真彦 鎌田
Masahiko Kamata
真彦 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Seifun Group Inc
Original Assignee
Nisshin Seifun Group Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Seifun Group Inc filed Critical Nisshin Seifun Group Inc
Priority to JP2015043143A priority Critical patent/JP6614779B2/ja
Publication of JP2015192657A publication Critical patent/JP2015192657A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6614779B2 publication Critical patent/JP6614779B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Noodles (AREA)
  • Cereal-Derived Products (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Bakery Products And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)

Abstract

【課題】良好な香りを有し、食味に優れる麺類などの穀粉含有食品を提供可能な膨化粉体の製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の膨化粉体の製造方法は、穀類若しくはその粉砕物又は澱粉を原料として用い、該原料を酸性又はアルカリ性に調整し、相対的に高圧の雰囲気下で加熱した後、相対的に低圧の雰囲気下へ押し出して該粉砕物を膨化させ、その膨化物を粉砕する工程を有する。前記膨化物のpHは、好ましくは5.5以下又は8.0以上である。前記穀類の粉砕物として、1)小麦粉、2)小麦全粒粉、並びに3)小麦粉及び/又は小麦全粒粉と小麦ふすま及び/又は小麦胚芽との混合物からなる群から選択される1種以上を用いることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、小麦粒などの穀類、若しくは小麦粉、小麦全粒粉などの穀類の粉砕物、又は澱粉を主原料とする、膨化粉体の製造方法に関する。
特許文献1には、菓子、パンなどの加熱食品に、穀粉を発泡粉末化した発泡穀粉を添加することで、ふっくらと分厚く仕上がり、優れた食感と高い増量効果が得られることが記載されている。この発泡穀粉は、小麦粉などの穀粉を加水し加熱加圧して発泡させた後乾燥し粉砕して得られる。特許文献1には、この発泡穀粉のα化度は80%以上が好ましいことも記載されている。
また、膨化小麦粉などの膨化粉体に関連して、特許文献2には、原料小麦粉を加圧押出して糊化及び膨化を経て得られる加熱造粒小麦粉の粉砕物において、粒度、α化度及び見かけ比重がそれぞれ特定範囲にあるものが提案されている。この加熱造粒小麦粉の粉砕物を用いて製造される即席麺類は、麺線の復元性、ほぐれ、食感などに顕著な効果を有する。
特開2013−90628号公報 特許第4856676号公報
本発明の課題は、良好な香りを有し、食味に優れる穀粉又は澱粉含有食品を提供可能な膨化粉体の製造方法を提供することに関する。
本発明は、穀類若しくはその粉砕物又は澱粉を原料として用い、該原料を酸性又はアルカリ性に調整し、相対的に高圧の雰囲気下で加熱した後、相対的に低圧の雰囲気下へ押し出して該原料を膨化させ、その膨化物を粉砕する工程を有する、膨化粉体の製造方法である。
また本発明は、前記製造方法によって製造された膨化粉体である。また本発明は、前記膨化粉体を用いて得られた穀粉又は澱粉含有食品である。
本発明によれば、良好な香りを有し、食味に優れる麺類などの穀粉又は澱粉含有食品を提供可能な膨化粉体が得られる。
本発明では原料として、穀類若しくはその粉砕物又は澱粉(以下、これらを総称して「主原料」ともいう)を用いる。本発明で用いる穀類としては、例えば、小麦、大麦、ライ麦、米、トウモロコシ、蕎麦、ひえ、あわ、ハト麦、大豆等が挙げられ、また、本発明で用いる穀類の粉砕物としては、これらの粉砕物である小麦粉、大麦粉、ライ麦粉、米粉、トウモロコシ粉、蕎麦粉、ひえ粉、あわ粉、ハト麦粉、大豆粉等が挙げられる。また、本発明で用いる澱粉は、各種穀類や根菜類などから抽出された高純度の澱粉(澱粉以外の成分を実質的に含まない澱粉)であり、例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等が挙げられる。これらの澱粉は、架橋などの処理が施されていても良い。本発明では、これら主原料の1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの主原料の中でも特に小麦が好ましく、とりわけ小麦粒又はその粉砕物が好ましい。本発明で用いる小麦粒は、イネ科植物の頴果である。小麦粒の給源となるイネ科植物の種類は特に制限されない。小麦粒の粉砕物を得るための小麦粒の粉砕は、ロール式粉砕、衝撃式粉砕、気流式粉砕などの公知の粉砕方法を用いて行うことができる。
小麦粒の粉砕物としては、小麦粉、小麦全粒粉を用いることができ、さらには、小麦粉及び/又は小麦全粒粉と小麦ふすま及び/又は小麦胚芽との混合物を用いることもでき、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。小麦粉は、小麦粒の胚乳部分を粉砕したものであり、小麦粉の種類は特に制限されず、強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉、デュラム小麦粉などが挙げられ、本発明ではこれらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。小麦全粒粉は、小麦粒全体を粉砕したものであり、胚乳、胚芽、外皮(果皮、種皮)など、小麦粒の組織全部を含む。小麦ふすまは、小麦粒の外皮を主体とする粉体であり、小麦胚芽は、小麦の胚芽を主体とする粉体である。前記混合物、即ち、小麦粉及び小麦全粒粉からなる群(以下、小麦主原料という)から選択される1種以上と、小麦ふすま及び小麦胚芽からなる群(以下、小麦副原料という)から選択される1種以上との混合物において、小麦副原料は小麦主原料100質量部に対して好ましくは5〜200質量部、さらに好ましくは10〜100質量部含有される。小麦粒の粉砕物として前記のいずれを用いるかは、膨化小麦粉の用途などに応じて適宜選択すれば良い。
本発明の膨化粉体の製造方法は、例えば、膨化小麦粉の製造方法を例にとると、主原料としての小麦粒又はその粉砕物に加水し、これを相対的に高圧の雰囲気下で加熱した後、相対的に低圧の雰囲気下へ押し出して、即ち、所定の圧力の雰囲気下で加熱した後、その所定の圧力よりも低圧の雰囲気下へ押し出して、該主原料を膨化させ、その膨化物を粉砕する工程を有する。この工程は、エクストルーダーと呼ばれる公知の加圧押出機を用いて行うことができる。膨化小麦粉以外の他の膨化粉体の製造方法は、前記の膨化小麦粉の製造方法と基本的に同じである。
本発明の膨化粉体の製造方法の主たる特徴の1つとして、穀類若しくはその粉砕物又は澱粉(主原料)を酸性又はアルカリ性に調整する点が挙げられる。主原料のpHを7未満又は7を超える範囲に調整することにより、主原料中の澱粉や蛋白質などに化学的変化が生じ、その化学的変化が、最終的に得られる膨化粉体、延いてはそれを用いて得られる穀粉又は澱粉含有食品の香り及び食味を良好なものにすると推察される。
主原料を酸性又はアルカリ性に調整する方法として、主原料に酸性又はアルカリ性の水を加える方法が挙げられる。即ち、主原料を加熱する前の加水処理に使用する水として、pHが7未満の酸性水、又はpHが7を超えるアルカリ性水を用いる。主原料に酸性水及びアルカリ性水のいずれを加えるかは、主原料の種類、膨化粉体の用途などに応じて適宜選択すれば良い。
前記効果をより確実に奏させるようにする観点から、主原料に酸性水を加える場合、その酸性水のpHは、主原料にこれを加えたものを高圧下で加熱後に低圧下へ押し出して得られる、膨化物のpHが好ましくは5.5以下、さらに好ましくは4.5以下となるように調整することが好ましい。通常、膨化物のpHが5.5以下であると、これを粉砕して得られる膨化粉体のpHも5.5以下である。ここでいう、「膨化物あるいは膨化粉体のpH」は、測定対象の膨化物あるいは膨化粉体10gを90gの蒸留水で懸濁して得られた、懸濁液のpHである。この懸濁液のpHは、市販のpHメーター(例えば、東亜ディーケーケー社製、商品名「pHメーターHM30G」)を用いて常法に従って測定することができる。
同様の観点から、主原料にアルカリ性水を加える場合、そのアルカリ性水のpHは、主原料にこれを加えたものを高圧下で加熱後に低圧下へ押し出して得られる、膨化物のpHが好ましくは8.0以上、さらに好ましくは9.0以上となるように調整することが好ましい。通常、膨化物のpHが8.0以上であると、これを粉砕して得られる膨化粉体のpHも8.0以上である。
酸性水の調製には酸性剤を用いることができ、アルカリ性水の調製にはアルカリ剤を用いることができる。酸性剤を水に添加することで酸性水が得られ、アルカリ性剤を水に添加することでアルカリ性水が得られる。酸性剤、アルカリ性剤としては、食品に使用可能なものを適宜選択して用いることができ、これらの1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。酸性剤としては、酢酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、アジピン酸、フマル酸、酒石酸、アスコルビン酸などの有機酸、及びこれらの塩類などが挙げられる。アルカリ剤としては、かん水、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、縮合リン酸塩、焼成カルシウム、塩基性アミノ酸などが挙げられる。
酸性水又はアルカリ性水の主原料への添加のタイミングは、主原料の加熱処理前であれば良く、また、その添加量(加水量)は、前記膨化物のpHが前記の好ましい範囲になるように適宜調整すれば良い。尚、主原料として小麦粒を用いる場合は、小麦粒の膨化、粉砕をよりスムーズに行う観点から、小麦粒に適量の水を加えて所定時間放置する、例えば、小麦粒を水に浸漬させる浸漬処理を行っても良い。この小麦粒の浸漬処理時間は、小麦粒の種類等によって適宜選択すれば良く特に制限されないが通常、8〜48時間程度である。酸性水又はアルカリ性水の小麦粒への添加のタイミングは、小麦粒の浸漬処理の前後どちらでも良い。
主原料(穀類若しくはその粉砕物又は澱粉)に酸性水又はアルカリ性水を加えたもの、即ち吸湿状態の主原料は、例えば一軸又は多軸のエクストルーダーを用いて常法に従って処理されることで、糊化(α化)及び膨化され、さらに粉砕される。エクストルーダー内の吸湿状態の主原料は、スクリューによって撹拌混合され、ヒーターによって加熱されることで、該主原料に含まれる澱粉質が糊化(α化)され、エクストルーダーの先端部に設けられている、ダイと呼ばれるノズル部に搬送され、該ノズル部で加圧されて外部(通常は常温常圧の環境)に放出される。このとき、ノズル部内では主原料の水分が瞬間的に蒸発し、その水蒸気の膨張力によって膨らみ、多孔質の膨化物が得られる。また、ダイの外方近傍には切断刃が設けられており、エクストルーダーから連続して吐出される膨化物は、該切断刃で所定の大きさに切断されて、多孔性の粒状物とされる。この粒状物を乾燥後、ピンミル、インパクトミル、ターボミル等の衝撃式粉砕あるいは気流粉砕などの公知の粉砕方法により、所望の粒度まで粉砕し、必要に応じ篩い分けすることで、目的とする膨化粉体、即ち、加熱穀類の粉砕物、加熱造粒穀粉の粉砕物、又は加熱造粒澱粉の粉砕物が得られる。
前述した製造方法によって製造された本発明の膨化粉体のα化度は、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。膨化粉体のα化度が前記範囲内であると、特に、これを用いて得られる穀粉又は澱粉含有食品が麺類の場合において、伸展性や弾力性に優れる麺生地が得られる。α化度は、下記方法(ジアスターゼ法)によって測定することができる。
<α化度分析法(ジアスターゼ法)>
1)試料採取:試験対象物(膨化粉体)を粉砕した後、目開き150μmの篩に通し、これを通過した粉末をα化度分析用試料とした。100ml容の首長三角フラスコを5個用意し、粉末試料(目開き150μmの篩を通過したもの)1.00gを4個採取し、これをA1〜A4とする。1個はB(ブランク)とする。
2)加熱:5個のフラスコに水50mlを加え、試料をよく懸濁させる。A1及びA2を沸騰浴中で15分間加熱し、その後氷水又は冷水中で常温まで急冷する。
3)酵素添加:A1、A3及びBに5%ジアスターゼ緩衝溶液を5ml加える。
4)デンプン糖化:5個のフラスコ全部を恒温水槽中で振とうしながら、37℃±1℃に90分間保ってデンプンを糖化し、終了後、ただちに1mol/L塩酸を各フラスコに2ml加えて、ジアスターゼの反応を停止させ、水を加えて100ml定容とする。
5)検液採取:各々の溶液をろ過し、A1〜A4及びBから得た検液10mlをピペットで100ml容共栓三角フラスコにとり、a1〜a4及びbとする。この他に水10mlを採取したフラスコを用意しWとする。
6)糖の酸化:6個の三角フラスコに、0.05mol/Lヨウ素よう化カリウム溶液10mlを加える。次に等時間間隔で、0.1mo1/L水酸化ナトリウム溶液18mlを順次加え、密栓して振り混ぜ各フラスコとも正確に15分間置く。(この反応により糖は酸化されヨウ素が消費される。)
7)滴定:15分間経過した順に、10%硫酸2mlを手早く加え酸性とし、残存ヨウ素を0.1mo1/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
(指示薬:デンプン溶液)
α化度(%)={(W−a3)−(W−a4)−(W−b)}/{(W−a1)−(W−a2)−(W−b)}×100
前記式中、Wは空試験の滴定値(ml)、a1〜a4はそれぞれの滴定値(ml)、bはジアスターゼのみを糖化したものの滴定値(ml)である。
尚、本試験においては、pHによる酵素の失活を防ぐ目的で、前記3)の酵素添加の前に、試験対象物がpH4.5〜5になるように調整を行った。
本発明の膨化粉体は、種々の穀粉又は澱粉含有食品に用いることができ、パン類や菓子類、麺類など、多くの穀粉又は澱粉加工品に適用できる。ここでいう麺類には、例えば、うどんや中華麺などの生麺や即席麺の他に、春巻や餃子の皮といった麺皮が含まれる。中でも、即席麺は、生麺線を蒸煮等によってα化処理した後、油揚げ、熱風乾燥、凍結乾燥などの方法によって乾燥させて得られるもので、熱湯を注いで数分間放置するなどの簡単な調理で可食状態に復元し、利便性の高い即席食品である。本発明の膨化粉体は、特に麺類に有効であり、例えば該膨化粉体を即席麺に適用した場合には、喫食時に麺線が所定時間内に良好に復元し、また、ほぐれ、外観及びソフトで歯切れのよい食感を有する。また例えば、中華麺には一般に、穀粉由来の食味及び香りと共に、適度なかん水の味と香りを有することが要望されるところ、本発明の膨化粉体を中華麺に用いることで、そのような要望に十分に応えることが可能となる。即ち、本発明の膨化粉体は、かん水を含む穀粉又は澱粉含有食品にも有効であると言える。
穀粉又は澱粉含有食品における本発明の膨化粉体の含有量は、該食品の種類などによって適宜調整すれば良い。例えば穀粉又は澱粉含有食品が麺類の場合、膨化粉体の含有量は、該食品中の小麦粉、澱粉類を含む主要原料に対して、好ましくは1〜20質量%、さらに好ましくは5〜10質量%である。
穀粉又は澱粉含有食品には、必要に応じ、本発明の膨化粉体以外の他の成分を含有させることができる。この他の成分としては、例えば、膨化粉体ではない通常の小麦粉、そば粉、コーンフラワー、米粉、豆粉などの穀粉;膨化粉体ではない通常の澱粉;小麦グルテン、大豆蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳などの蛋白質素材;動植物油脂、粉末油脂などの油脂類;食物繊維、膨張剤、増粘剤、乳化剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリンなどが挙げられ、穀粉又は澱粉含有食品の用途などに応じて、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
〔実施例1〜9〕
主原料として小麦粒の粉砕物を用いた。小麦粒の粉砕物100質量部に、pHを適宜調整した水15質量部を加えて、二軸エクストルーダーを用いて常法に従ってバレル温度60〜120℃の範囲で加圧加熱し、ダイ径4mmのダイノズルから押し出して膨化させ、その膨化物を、回転カッターを用いて切断して、直径10〜20mm、厚み10〜20mm程度の略球状の粒状物を得た。この粒状物を、100℃で約30分間加熱することにより乾燥した後、ピンミルにより粉砕し、膨化粉体の一種である膨化小麦粉を得た。得られた膨化小麦粉のα化度を前記方法(ジアスターゼ法)に従って測定したところ、全ての例において95〜100%の範囲に収まっていた。
各実施例において、小麦粒の粉砕物として、小麦粉(日清製粉社製、商品名「わらべ」)若しくは小麦全粒粉(日清製粉社製、商品名「スーパーファイン・ソフト」)、又は小麦全粒粉と小麦ふすま(フレッシュ・フード・サービス社製、商品名「ウィートブランP」)若しくは小麦胚芽(フレッシュ・フード・サービス社製、商品名「ハイギーSP」)との混合物を用いた。粉砕物への加水に用いた水のpH調整は、酸性に調整する場合は乳酸(武蔵野化学研究所社製、商品名「ムサシノ乳酸50F」)を用い、アルカリ性に調整する場合はかんすい(オリエンタル酵母社製、商品名「粉末かんすい赤」)を用いた。
〔実施例10〕
主原料として、小麦粒を粉砕せずにそのまま用いた。また、この小麦粒100質量部にpHを調整した水15質量部を加える前に、該小麦粒100質量部に水5質量部を加えて一晩寝かした(小麦粒の浸漬処理)。以上の点以外は前記〔実施例1〜9〕と同様にして、膨化粉体の一種である膨化小麦粉を得た。
得られた膨化小麦粉のα化度を前記方法(ジアスターゼ法)に従って測定したところ、95〜100%の範囲に収まっていた。
〔実施例11及び12〕
主原料としてライ麦粒の粉砕物(フレッシュ・フード・サービス社製、商品名「メールダンケル」)又はトウモロコシ粒の粉砕物(フレッシュ・フード・サービス社製、商品名「コーンフラワー」)を用いた以外は前記〔実施例1〜9〕と同様にして、膨化粉体の一種である膨化ライ麦粉又は膨化トウモロコシ粉を得た。
〔実施例13〕
主原料として未処理の小麦澱粉(長田産業社製、商品名「宝船」)を用いた以外は前記〔実施例1〜9〕と同様にして、膨化粉体の一種である膨化小麦澱粉を得た。
〔試験例〕
各実施例の膨化粉体を用い、下記表1に示す組成の即席麺用食品組成物を調製した。小麦粉として、日清製粉社製の商品名「わらべ」を用い、澱粉として、松谷化学工業社製の商品名「MKK100」を用いた。食塩1質量部、粉末かんすい赤(オリエンタル酵母社製)0.4質量部を水36質量部に溶かして水溶液を調製し、この水溶液を即席麺用食品組成物100質量部に加えて常法に従って10分間混捏して麺生地を作製した。この麺生地を、製麺ロールを用いて常法に従って複合、圧延して厚さ1.2mmの麺帯にした後、18番丸の切刃を用いて麺線に切り出した。この麺線を温度100℃の蒸気で2分30秒間蒸熱処理した後、温度90℃の熱風で20分間乾燥して、穀粉又は澱粉含有食品の1種であるノンフライ即席中華麺を製造した。このノンフライ即席中華麺を1個当たり70gずつ密封包装した。また参考例として、膨化粉体を用いずにその分小麦粉を増量した以外は前記と同様にして、ノンフライ即席中華麺を製造し、密封包装した。
<復元性、香り及び食味の評価>
湯戻ししたノンフライ即席中華麺をパネラー10人に喫食してもらい、下記評価基準により復元性、香り及び食味をそれぞれ評価してもらった。その結果(パネラー10人の平均点)を下記表1に示す。
(復元性の評価基準)
5点:十分可食状態であり、極めて良好。
4点:一応可食状態であり、良好。
3点:大部分は可食状態であるが、一部に芯が残る。
2点:麺線表面は可食状態であるが、麺線の中心部には芯が残り、やや不良。
1点:麺線表面及び中心部共に硬く、不良。
(香りの評価基準)
5点:適度なかん水や穀粉の香りがして、極めて良好。
4点:かん水や穀粉の香りがやや強いか又はやや弱いが、良好。
3点:かん水や穀粉の香りがやや強すぎるか又はそれらの香りがあまり感じられない。
2点:やや異様な臭いがして、やや不良。
1点:異様な臭いがして、不良。
(食味の評価基準)
5点:適度なかん水や穀粉の味がして、極めて良好。
4点:かん水や穀粉の味がやや強いか又はやや弱いが、良好。
3点:かん水や穀粉の味がやや強すぎるか又はそれらの味があまり感じられない。
2点:やや異様な味がして、やや不良。
1点:異様な味がして、不良。
Figure 2015192657
表1に示す通り、実施例1〜9、11及び12は、主原料として小麦粒、ライ麦粒又はトウモロコシ粒の粉砕物を用い、この粉砕物に酸性又はアルカリ性の水を加えて糊化及び膨化させることによって膨化粉体を製造した例であり、実施例1〜9、11及び12で製造された膨化粉体を用いて得られた即席中華麺は、膨化粉体を用いずに得られた参考例の即席中華麺に比して、少なくとも復元性に優れ、香り及び食味についても概ね良好な結果となった。特に、膨化粉体のpHが5.7未満の場合(実施例1及び2)及び該pHが7.5を超える場合(実施例5〜9、11及び12)は、参考例に比してより復元性に優れる結果が得られ、とりわけ、実施例5〜9、11及び12は、復元性のみならず香り及び食味についても参考例に比してより優れた結果が得られた。また、主原料として小麦粒を用いた実施例10は、主原料として小麦粉を用いた実施例5と比較して香り及び食味に優れ、また、主原料として小麦全粒粉を用いた実施例6と比較して遜色ない結果が得られた。また、主原料として小麦澱粉を用いた実施例13は、原料をアルカリ性に調整した他の実施例に比して香り及び食味にやや劣るものの、良好な結果が得られた。
以上のことから、復元性、香り及び食味に優れる即席中華麺を得るためには、酸性又はアルカリ性の水を加えて常法に従って製造した膨化粉体の使用が有効であり、特に、アルカリ性の水を使用すると効果が高いことがわかる。

Claims (5)

  1. 穀類若しくはその粉砕物又は澱粉を原料として用い、該原料を酸性又はアルカリ性に調整し、相対的に高圧の雰囲気下で加熱した後、相対的に低圧の雰囲気下へ押し出して該原料を膨化させ、その膨化物を粉砕する工程を有する、膨化粉体の製造方法。
  2. 前記膨化物のpHは5.5以下又は8.0以上である請求項1に記載の膨化粉体の製造方法。
  3. 前記穀類の粉砕物として、1)小麦粉、2)小麦全粒粉、並びに3)小麦粉及び/又は小麦全粒粉と小麦ふすま及び/又は小麦胚芽との混合物からなる群から選択される1種以上を用いる請求項1又は2に記載の膨化粉体の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された膨化粉体。
  5. 請求項4に記載の膨化粉体を用いて得られた穀粉又は澱粉含有食品。
JP2015043143A 2014-03-26 2015-03-05 膨化粉体の製造方法 Active JP6614779B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015043143A JP6614779B2 (ja) 2014-03-26 2015-03-05 膨化粉体の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014063470 2014-03-26
JP2014063470 2014-03-26
JP2015043143A JP6614779B2 (ja) 2014-03-26 2015-03-05 膨化粉体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015192657A true JP2015192657A (ja) 2015-11-05
JP6614779B2 JP6614779B2 (ja) 2019-12-04

Family

ID=54432315

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015043143A Active JP6614779B2 (ja) 2014-03-26 2015-03-05 膨化粉体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6614779B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6718001B1 (ja) * 2019-06-27 2020-07-08 日清製粉株式会社 麺類の製造方法
WO2023149267A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 株式会社日清製粉ウェルナ 熱処理小麦粉の製造方法及び熱処理小麦粉

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51123844A (en) * 1975-04-21 1976-10-28 Ajinomoto Kk Process for preparing nonviscous starch
JPS6131053A (ja) * 1984-07-23 1986-02-13 Aageru Shokuhin Kk 麺類の品質改良法
JPS6344848A (ja) * 1985-11-25 1988-02-25 Ajinomoto Co Inc 高膨化食品の製造法
JPS63198933A (ja) * 1986-11-20 1988-08-17 ネクスス・アー・ペー・エス パン調整組成物
JPH01287101A (ja) * 1988-05-13 1989-11-17 Nippon Shokuhin Kako Co Ltd 澱紛化工品の製造法
JPH0646781A (ja) * 1991-04-03 1994-02-22 Kumamoto Seifun Kk 早茹で麺類の製造方法
JP2001211843A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Matsunaga Shoji Kk 食用粉の製造方法
JP2010004822A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Nisshin Flour Milling Inc 加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS51123844A (en) * 1975-04-21 1976-10-28 Ajinomoto Kk Process for preparing nonviscous starch
JPS6131053A (ja) * 1984-07-23 1986-02-13 Aageru Shokuhin Kk 麺類の品質改良法
JPS6344848A (ja) * 1985-11-25 1988-02-25 Ajinomoto Co Inc 高膨化食品の製造法
JPS63198933A (ja) * 1986-11-20 1988-08-17 ネクスス・アー・ペー・エス パン調整組成物
JPH01287101A (ja) * 1988-05-13 1989-11-17 Nippon Shokuhin Kako Co Ltd 澱紛化工品の製造法
JPH0646781A (ja) * 1991-04-03 1994-02-22 Kumamoto Seifun Kk 早茹で麺類の製造方法
JP2001211843A (ja) * 2000-02-01 2001-08-07 Matsunaga Shoji Kk 食用粉の製造方法
JP2010004822A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Nisshin Flour Milling Inc 加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6718001B1 (ja) * 2019-06-27 2020-07-08 日清製粉株式会社 麺類の製造方法
JP2021003087A (ja) * 2019-06-27 2021-01-14 日清製粉株式会社 麺類の製造方法
WO2023149267A1 (ja) * 2022-02-01 2023-08-10 株式会社日清製粉ウェルナ 熱処理小麦粉の製造方法及び熱処理小麦粉

Also Published As

Publication number Publication date
JP6614779B2 (ja) 2019-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6792308B1 (ja) 加熱調理用固形状ペースト組成物及びその製造方法
JPH01120256A (ja) ワクシィコーン・メーサを主体とする製品および製造方法
CN114554865A (zh) α化谷粉类的制造方法
JP6718001B1 (ja) 麺類の製造方法
JP4856676B2 (ja) 加熱造粒小麦粉の粉砕物を含有する即席麺用穀粉組成物
JP6614779B2 (ja) 膨化粉体の製造方法
JP2015167507A (ja) 非乾燥又は半乾燥スモールパスタ
EP1335651B1 (en) Method of producing snack and breakfast cereal products and a product produced according to this method
JP4762256B2 (ja) パン粉砕物を配合したノンフライ即席麺類
JP2022097951A (ja) 麺類用組成物、及び麺類
JP7084537B1 (ja) 麺類用ミックス
JP6796599B2 (ja) ビーフン様米粉麺類の製造方法
JP6920103B2 (ja) ふすまを含む麺類及びその製造方法
JP7053934B1 (ja) 中華麺の製造方法
JP6521732B2 (ja) 春巻皮の製造方法
JP2023132881A (ja) 麺類用穀粉組成物及び麺類の製造方法
JP2022128765A (ja) 春巻皮用ミックス
JP2021052649A (ja) 麺類用小麦粉
JP7623869B2 (ja) 小麦ふすま含有加圧加熱殺菌液状食品の製造方法
TWI407917B (zh) A cereal composition for instant noodles, and a method for producing the instant noodles
JP7579084B2 (ja) 麺類用改質剤
TWI789499B (zh) 餃子類的皮及其製造方法
JP7461124B2 (ja) 麺類生地の製造方法
JP2025004972A (ja) 麺類用ミックス、及び麺類の製造方法
JP6995610B2 (ja) フライ麺類の製造方法およびフライ麺類の吸油を低減させる方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160122

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170818

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190326

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191015

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6614779

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250