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JP2015182421A - 成型用積層フィルム - Google Patents

成型用積層フィルム Download PDF

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JP2015182421A
JP2015182421A JP2014063386A JP2014063386A JP2015182421A JP 2015182421 A JP2015182421 A JP 2015182421A JP 2014063386 A JP2014063386 A JP 2014063386A JP 2014063386 A JP2014063386 A JP 2014063386A JP 2015182421 A JP2015182421 A JP 2015182421A
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JP2014063386A
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English (en)
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克弘 蓑毛
Katsuhiro Minomo
克弘 蓑毛
保地 基典
Motonori Hochi
基典 保地
洋輔 松井
Yosuke Matsui
洋輔 松井
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】耐久性、成型性、寸法安定性に優れており成型加工を施して、様々な成型部材へ好適に使用することのできるクリア層を備えた成型用積層フィルムの提供。【解決手段】ポリエステルフィルム1の少なくとも片面に保護層2を有し、ポリエステルフィルム1の150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力がいずれも3MPa以上60MPa未満であり、かつ保護層2が少なくとも活性水素成分と有機イソシアネート成分とから形成され、脂環式炭化水素系ポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂を含有し、該ポリウレタン樹脂が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するか、または、保護層2がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物を含有し、ポリウレタン樹脂がアミノ基またはカルボキシル基および/またはその塩を有する成型用積層フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、被加飾体に対してフィルム加飾を施す際に用いる加飾成型用フィルムに関し、深絞りなどの複雑な形状の被加飾体に対しても加飾成型時の型への追従性が良好で、かつ、耐久性をもつ成型用積層フィルムに関するものである。
近年、自動車部品や建材、電化製品等の成型品の加飾方法としては、一般的に、接着層、着色層、保護層といった、異なる機能を有する複数の層を部品表面に順次スプレー塗装することにより、部品の耐久性や意匠性を付与し、被加飾体を加飾する手法が採用されている。しかしながら、環境意識の高まりにより、溶剤レス塗装、メッキ代替などの要望が高まり、フィルムを使用した加飾方法の導入が進んでいる。
フィルム加飾法に用いられるフィルムにおいて、成型品の最表面を覆う層である保護層は、耐久性(耐候性、耐薬品性および耐水性等)を有する必要がある。また、フィルム加飾法を自動車等の部品に適用する場合、成型品のサイズが大型となり、かつ、形状が複雑となるため、加飾成型時の型への追従性が必要となる。すなわち、フィルム加飾法において成型品のサイズが大型になった場合には、一度に成型品の頂部から底部にまで到る全領域を残さずカバーするように加飾できることが必要となる。また、形状が複雑になった場合には、加飾フィルムが凹凸形状に沿って変形し、全面が形状に追従することが必要となる。つまり、フィルム加飾用のフィルムとして耐久性を有し、さらに加飾成型時の型への追従性を有する要求が高まってきている。
そのような中、耐久性と成型性を両立する加飾フィルムとして、保護層にポリウレタン層をもちいたフィルムが提案されている(特許文献1、2、3)。しかしながら、この提案では基材フィルムの成型性が十分ではなかった。また、特定温度での成型応力、貯蔵弾性率を規定した成型用ポリエステルフィルムも提案されている。(特許文献4)。しかしながら、この提案では、フィルムの加工温度である80℃付近での寸法安定性が十分でなく、加工適正に劣るフィルムであった。
特開2009-001596号公報 特開2012-030532号公報 特表2002-529277号公報 特開2005-290354号公報
本発明は、このような従来技術の背景に鑑み、耐久性、成型性、寸法安定性に優れており成型加工を施して、様々な成型部材へ好適に使用することのできるクリア層を備えた成型用積層フィルムを提供することにある。
かかる課題を解決するため本発明は次の構成[1]〜[4]を採用する。
[1]ポリエステルフィルムの少なくとも片面に保護層を有する成型用積層フィルムであって、ポリエステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力(F200値)がいずれも3MPa以上60MPa未満であり、かつ保護層が少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を含有してなり、少なくとも条件(1)および条件(2)のいずれかを満たすことを特徴とする成型用積層フィルム。
条件(1):ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である。
条件(2):前記保護層がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)を含有し、ポリウレタン樹脂(U)がアミノ基またはカルボキシル基および/またはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)である。
[2]ポリエステルフィルムの80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも2,500MPa以上5,000MPa未満である[1]に記載の成型用積層フィルム。
[3]ポリエステルフィルムの25℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも4,000MPa以上10,000MPa未満である[1]または[2]のいずれかに記載の成型用積層フィルム。
[4]ポリエステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも100MPa以上1,500MPa未満である[1]〜[3]のいずれかに記載の成型用積層フィルム。
本発明の成型用積層フィルムは、加飾成型時の型への追従性や耐久性の良好な加飾成型体を得ることができる。
本発明の実施態様に係る成型用積層フィルムの概略断面図である。
[ポリエステルフィルム]
本発明におけるポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂とは、主鎖中の主要な結合をエステル結合とする高分子化合物の総称である。そして、ポリエステル樹脂は、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得るところ、重合後のポリエステルはジカルボン酸残基成分とグリコール残基成分から構成される。本発明において「残基成分」とは、かかる残基成分をいう。また、重合に際しては、ジカルボン酸に代えてジカルボン酸エステルを用いることがあるところ、本発明において「ジカルボン酸」とはジカルボン酸エステルをも含む概念で用いられるものである。それに伴い、ジカルボン酸残基成分とはジカルボン酸エステル残基成分をも含む概念で用いられるものである。なお、本明細書では、「残基成分」を単に「成分」と言うこともある。
本発明では、成型性、外観、耐熱性、寸法安定性、経済性の点から、ポリエステルフィ
ルムを構成するグリコール成分の60モル%以上がエチレングリコール成分であり、ジカ
ルボン酸成分の60モル%以上がテレフタル酸成分であることが好ましい。
本発明のポリエステルフィルムに含まれるグリコール成分としては、エチレングリコール成分以外に、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどの脂肪族ジヒドロキシ化合物、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリコールなどの脂環族ジヒドロキシ化合物、ビスフェノールA、ビスフェノールSなどの芳香族ジヒドロキシ化合物など各成分が挙げられる。中でも、成型性、取り扱い性の点で、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの各成分が好ましく用いられる。
また、本発明のポリエステルフィルムに用いられる好ましいジカルボン酸成分としては、テレフタル酸成分以外には、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フマル酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、パラオキシ安息香酸などのオキシカルボン酸などの各成分を挙げることができる。また、ジカルボン酸エステル誘導体成分としては上記ジカルボン酸化合物のエステル化物、たとえばテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸2−ヒドロキシエチルメチルエステル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、ダイマー酸ジメチルなどの各成分を挙げることができる。中でも、成型性、取り扱い性の点で、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の各成分が好ましく用いられる。
[150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力(F200値
)]
本発明のポリエステルフィルムは、成型加工性の点から150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力(F200値)がそれぞれ3MPa以上60MPa未満であることが好ましい。成型部材の成型方法としては、真空成型、圧空成型、真空圧空成型、プレス成型、プラグアシスト成型といった加熱成型方法が挙げられるが、何れの成型法も赤外線ヒーターなどによる予熱工程でフィルムの温度を高い状態とした後に成型される工程を有する。このため、高温での成型応力を低くすることで、複雑な形状に成型することが可能となる。このため、150℃における200%伸長時応力(F200値)が3MPa以上60MPa未満とすることが好ましい。F200値が3MPa未満であると、成型加工での予熱工程でフィルム移送のための張力に耐えることができず、フィルムが変形、場合によっては破断してしまう場合があり、成型用途への使用に耐えないフィルムとなってしまう場合がある。逆に60MPa以上になると、熱成型時に変形が不十分であり、複雑な形状への成型が困難となってしまう場合がある。取扱い性、成型性の点で、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力(F200値)は3MPa以上55MPa未満であればより好ましく、5MPa以上40MPa未満であれば最も好ましい。
また、より複雑な形状へ成型するために、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の破断伸度がそれぞれ250%以上700%未満であることが好ましい。破断伸度が250%未満であると、複雑な形状に成型する場合、成型加工倍率に耐えきれずに、フィルムが破断してしまう場合がある。また、700%以上とするフィルムの設計は、経済的ではなく、また耐熱性に劣る場合もある。成型性、耐熱性、経済性の点で、フィルム長手方向および幅方向の伸度は250%以上600%未満であればより好ましく、300%以上500%未満であれば最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、150℃におけるフィルムの200%伸長時応力、破断伸度を上記の範囲とする方法としては、特に限定されないが、例えば下記の方法を挙げることができる。
方法1:ポリエステルフィルム中に、グリコール成分として、1,3−プロパンジオール成分、1,4−ブタンジオール成分、ネオペンチルグリコール成分、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分を含有せしめる方法が好ましく用いられる。また、ジカルボン酸成分として、イソフタル酸成分、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を含有せしめることが好ましい。中でも、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分および/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を含有させることが特に好ましい。特に、フィルム中のグリコール成分に対する1,4−シクロヘキサンジメタノール成分の含有量をx(モル%)、フィルム中のジカルボン酸成分に対する1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分の含有量をy(モル%)としたとき、x+yは5(モル%)以上であることが好ましく、7(モル%)以上であることがより好ましく、10(モル%)以上であることが特に好ましい。
フィルム中に、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分および/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を上記範囲で含有させることによって、成型時のフィルムの配向結晶化が抑制されるため、150℃におけるフィルムの200%伸長時応力(F200値)を低く抑えることができ、さらに、破断伸度も向上させることができる。併せて、200%伸長時応力(F200値)もより低く抑えることができ、さらに破断伸度も向上させることができる。
なお、フィルム中に、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を含有させる方法は特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートや、ポリブチレンテレフタレートといったホモポリエステルに1,4−シクロヘキサンジメタノール成分や1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を共重合し、該共重合ポリエステルを用いてフィルムを作成することにより、フィルム中にこれら成分を含有させる方法(方法1−1)や、上記したホモポリエステルと1,4−シクロヘキサンジメタノール成分や1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を含有しているポリエステルとをブレンドした原料を用いてフィルムを作成する方法(方法1−2)などが挙げられる。中でも、方法1−2は、ポリエステル(フィルム)の融点の低下を抑制させることができ、耐熱性の点で有利になるため、好ましく用いられる。
また、本発明では、フィルム中に、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸成分が含有されていることが好ましい。テレフタル酸成分の含有率は、フィルム中のジカルボン酸成分に対して75モル%以上が好ましい。また、フィルム中に、グリコール成分としてエチレングリコール成分が含有されていることが好ましい。エチレングリコール成分の含有率は、フィルム中のグリコール成分に対して75モル%以上が好ましい。テレフタル酸成分およびエチレングリコール成分の含有率を上記範囲とすることにより、フィルムに優れた機械特性や熱特性を付与しつつ、F200値や80℃における貯蔵弾性率を本願発明の範囲とすることができる。
方法2:フィルムの面配向係数を0.13未満とする方法も非常に好ましい。ここで面配向係数(fn)とは、アッベ屈折率計等で測定されるフィルムの屈折率により定義される数値であり、フィルムの長手方向の屈折率をnMD、幅方向の屈折率をnTD 、厚み方向の屈折率をnZDとすると、fn=(nMD+nTD)/2−nZDの関係式で表される。面配向係数が0.13未満であれば、フィルムの面方向の配向が低い状態で保たれているため、成型性に優れる。より好ましくは、面配向係数が0.125未満、さらに好ましくは、0.12未満である。
本発明のポリエステルフィルムは、寸法安定性、耐熱性、耐溶剤性、耐傷性の点で、二軸延伸させることが好ましいが、面配向係数を0.13未満にするために延伸倍率としては、長手方向、幅方向ともに、4.2倍未満、さらに好ましくは4倍未満、最も好ましくは3.8倍未満とすることが好ましい。また、延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが望ましい。また、長手方向の好ましい延伸温度としては、70℃以上120℃以下、幅方向の延伸温度は、80℃以上120℃以下である。
延伸方法は特に限定されないが、長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などが挙げられる。
また、面配向係数の調整には二軸延伸の後にフィルムの熱処理条件も重要である。熱処理はオーブン中、加熱したロール上などの方法により行うことができるが、熱処理温度としては、高温で行うことで、配向が緩和され、上記のような面配向係数を達成することができる。好ましい熱処理温度としては、200℃以上250℃以下であり、より好ましくは、210℃以上245℃以下である。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。
フィルムの成型性を向上させるために、上記方法(1)と方法(2)を併用することは非常に好ましいことである。
本発明のポリエステルフィルムは、寸法安定性、成型性の点から80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がそれぞれ2500MPa以上5,000MPa未満であることが好ましい。80℃における貯蔵弾性率が、2500MPa未満であれば、印刷、蒸着、コーティング、ラミネートといった加工工程での寸法安定性が低下してしまう場合がある。逆に、貯蔵弾性率を5,000MPa以上とすると、寸法安定性には優れるが、成型性が低下する場合がある。
すなわち寸法安定性の点から、80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は、2,500MPa以上であることが好ましく、2,700MPa以上であればより好ましく、3,000MPa以上であれば最も好ましい。また、成型性を低下させないためには、80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は、5,000MPa未満であることが好ましく、4,800MPa未満であればより好ましく、4,500MPa未満であれば最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、80℃における貯蔵弾性率を上記の範囲とする方法としては、特に限定されないが、例えば、下記の方法を挙げることができる。
方法3:上記方法1を採用する場合は、x+yを20モル(%)以下とする方法が挙げられる。より好ましくは17モル%以下であり、さらに好ましくは15モル%以下である。x+yを上記範囲内とすることにより、貯蔵弾性率を上記した範囲内とすることができる。
また、本発明のポリエステルフィルムは、成型性を維持したまま80℃の貯蔵弾性率を上記の範囲とすることが好ましいため、x+yの範囲は、5モル%以上20モル%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、7モル%以上17モル%以下であり、10モル%以上15モル%以下であれば最も好ましい。
すなわち、1,4−シクロヘキサンジメタノール成分および/または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分を含有することが好ましく、その含有量は(1)式を満たすことが好ましい。より好ましくは(1)’を満たすことであり、特に好ましくは(1)’’を満たすことである。
5(モル%)≦x+y≦20(モル%) (1)
7(モル%)≦x+y≦17(モル%) (1)’
10(モル%)≦x+y≦15(モル%) (1)’’
但し、xはフィルム中のグリコール成分に対する1,4−シクロヘキサンジメタノール成分のモル分率(モル%)であり、yはフィルム中のジカルボン酸成分に対する1,4−シクロヘキサンジカルボン酸成分のモル分率(モル%)である。
方法4:フィルムの面配向係数を0.07以上とする方法が挙げられる。より好ましくは0.08以上、さらに好ましくは0.09以上である。また、特に寸法安定性が必要な用途では、0.095以上であることが好ましい。面配向係数を上記範囲内とすることにより、貯蔵弾性率を上記した範囲内とすることができる。
面配向係数が0.07未満であると、フィルムの配向結晶化が不充分であるため、80℃での貯蔵弾性率が2,500MPa未満になる場合がある。
また、本発明のポリエステルフィルムは、成型性を維持したまま80℃の貯蔵弾性率を上記の範囲とすることが好ましいため、面配向係数は、0.07以上0.13未満とすることが好ましく、0.08以上0.125未満であればさらに好ましく、最も好ましくは0.09以上0.12未満である。また、特に寸法安定性が必要な用途では、0.095以上0.12未満とすることが望ましい。
面配向係数を上記範囲とするためには、延伸倍率として、長手方向、幅方向ともに3.0倍以上4.2倍以下、さらに好ましくは3.2倍以上4倍以下、最も好ましくは3.4倍以上3.8倍以下とすることが好ましい。
また、本発明のフィルムを得るために、上記方法3と方法4を併用することは非常に好ましい。
方法5:フィルムのガラス転移温度を65℃以上とする方法が挙げられる。ガラス転移温度以上に加熱すると、弾性率は低下するためである。さらに好ましくは75℃以上である。成型性と寸法安定性を両立させるために、ガラス転移温度は77℃以上85℃以下とすることが最も好ましい。
[25℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率]
本発明のポリエステルフィルムは、25℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がそれぞれ4,000MPa以上10,000MPa未満であることが好ましい。25℃における貯蔵弾性率が4,000MPa未満であれば、本発明のポリエステルフィルムを成型部材とした際に、表面硬度が不充分となり、耐傷性が低下する場合がある。逆に、25℃における貯蔵弾性率を10,000MPa以上にすると、成型性が低下してしまう場合がある。
すなわち、表面硬度の点から、25℃における貯蔵弾性率は、4,000MPa以上であることが好ましく、4,500MPa以上であればさらに好ましく、5,000MPa以上であれば最も好ましい。また、成型性を低下させないためには、25℃における貯蔵弾性率は、10,000MPa未満であることが好ましく、9,500MPa未満であればさらに好ましく、9,000MPa未満であれば最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、25℃における貯蔵弾性率を上記の範囲とする方法としては、80℃における貯蔵弾性率を2,500MPa以上5,000MPa未満とする方法と同様に、上記した方法3や方法5などが挙げられる。特に、方法5を採用することは、効果が大きいため好ましい。また、フィルムの結晶性を向上させる方法(下記に述べる方法6)も有効である。
方法6:結晶性を向上させる方法としては、結晶核剤を添加する方法が挙げられる。好ましい濃度としては、ポリエステルフィルム全体を100質量%として、0.01質量以上5質量%以下である。さらに好ましくは0.05質量%以上3質量%以下であり、0.1質量%以上2質量%以下であれば最も好ましい。結晶核剤を添加することによって、フィルム中の結晶化度を向上させることができる。また、結晶核剤を添加することで、結晶を形成する核が増加し、球晶を微細化させるため、球晶をつなぐ分子鎖が増加し、弾性率をより効率的に向上させることができる。
ここでいう結晶核剤とは、ポリエステルに添加することで、結晶化速度を向上させる結晶性物質のことを指し、例えば、タルク、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ソルビトール系化合物、有機リン酸化合物などが、好ましく用いられる。中でも、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩およびソルビトール系化合物が特に好ましく用いられる。ここで、脂肪族カルボン酸アミドとしては、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミドのような脂肪族モノカルボン酸アミド類、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−オレイルオレイン酸アミド、N−オレイルステアリン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、メチロールステアリン酸アミド、メチロールベヘニン酸アミドのようなN−置換脂肪族モノカルボン酸アミド類、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、エチレンビスベヘニン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、ブチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、へキサメチレンビスステアリン酸アミド、へキサメチレンビスベヘニン酸アミド、へキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドのような脂肪族ビスカルボン酸アミド類、N,N´−ジオレイルセバシン酸アミド、N,N´−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N´−ジステアリルセバシン酸アミド、N,N´−ジステアリルイソフタル酸アミド、N,N´−ジステアリルテレフタル酸アミドのようなN−置換脂肪族カルボン酸ビスアミド類、N−ブチル−N´−ステアリル尿素、N−プロピル−N´−ステアリル尿素、N−ステアリル−N´−ステアリル尿素、N−フェニル−N´−ステアリル尿素、キシリレンビスステアリル尿素、トルイレンビスステアリル尿素ヘキサメチレンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスステアリル尿素、ジフェニルメタンビスラウリル尿素のようなN−置換尿素類を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。
この中でも、脂肪族モノカルボン酸アミド類、N−置換脂肪族モノカルボン酸アミド類、脂肪族ビスカルボン酸アミド類が好適に用いられ、特に、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、リシノール酸アミド、ヒドロキシステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、m−キシリレンビスステアリン酸アミド、m−キシリレンビス−12−ヒドロキシステアリン酸アミドが好適に用いられる。
脂肪族カルボン酸塩の具体例としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシ
ウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸水素カリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸銀等のラウリン酸塩、ミリスチン酸リチウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン酸水素カリウム、ミリスチン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸銀等のミリスチン酸塩、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カリウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、パルミチン酸鉛、パルミチン酸タリウム、パルミチン酸コバルト等のパルミチン酸塩、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸鉛、オレイン酸タリウム、オレイン酸銅、オレイン酸ニッケル等のオレイン酸塩、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸タリウム、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ベリリウム等のステアリン酸塩、イソステアリン酸ナトリウム、イソステアリン酸カリウム、イソステアリン酸マグネシウム、イソステアリン酸カルシウム、イソステアリン酸バリウム、イソステアリン酸アルミニウム、イソステアリン酸亜鉛、イソステアリン酸ニッケル等のイソステアリン酸塩、ベヘニン酸ナトリウム、ベヘニン酸カリウム、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸バリウム、ベヘニン酸アルミニウム、ベヘニン酸亜鉛、ベヘニン酸ニッケル等のベヘニン酸塩、モンタン酸ナトリウム、モンタン酸カリウム、モンタン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸バリウム、モンタン酸アルミニウム、モンタン酸亜鉛、モンタン酸ニッケル等のモンタン酸塩等を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。
特に、ステアリン酸の塩類やモンタン酸の塩類が好適に用いられ、特に、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、モンタン酸ナトリウムなどが好適に用いられる。
脂肪族アルコールの具体例としては、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の脂肪族モノアルコール類、1,6−ヘキサンジオール、1,7−へプタンジール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等の脂肪族多価アルコール類、シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等の環状アルコール類等を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。特に脂肪族モノアルコール類が好適に用いられ、特にステアリルアルコールが好適に用いられる。
また、かかる脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、ラウリン酸セチルエステル、ラウリン酸フェナシルエステル、ミリスチン酸セチルエステル、ミリスチン酸フェナシルエステル、パルミチン酸イソプロピリデンエステル、パルミチン酸ドデシルエステル、パルミチン酸テトラドデシルエステル、パルミチン酸ペンタデシルエステル、パルミチン酸オクタデシルエステル、パルミチン酸セチルエステル、パルミチン酸フェニルエステル、パルミチン酸フェナシルエステル、ステアリン酸セチルエステル、べヘニン酸エチルエステル等の脂肪族モノカルボン酸エステル類、モノラウリン酸グリコール、モノパルミチン酸グリコール、モノステアリン酸グリコール等のエチレングリコールのモノエステル類、ジラウリン酸グリコール、ジパルミチン酸グリコール、ジステアリン酸グリコール等のエチレングリコールのジエステル類、モノラウリン酸グリセリンエステル、モノミリスチン酸グリセリンエステル、モノパルミチン酸グリセリンエステル、モノステアリン酸グリセリンエステル等のグリセリンのモノエステル類、ジラウリン酸グリセリンエステル、ジミリスチン酸グリセリンエステル、ジパルミチン酸グリセリンエステル、ジステアリン酸グリセリンエステル等のグリセリンのジエステル類、トリラウリン酸グリセリンエステル、トリミリスチン酸グリセリンエステル、トリパルミチン酸グリセリンエステル、トリステアリン酸グリセリンエステル、パルミトジオレイン、パルミトジステアリン、オレオジステアリン等のグリセリンのトリエステル類等を使用することができる。これらは一種類又は二種類以上の混合物であってもよい。この中でもエチレングリコールのジエステル類が好適であり、特にエチレングリコールジステアレートが好適に用いられる。
また、かかる脂肪族/芳香族カルボン酸ヒドラジドの具体例としては、セバシン酸ジ安息香酸ヒドラジド、メラミン系化合物の具体例としては、メラミンシアヌレート、ポリビン酸メラミン、フェニルホスホン酸金属塩の具体例としては、フェニルホスホン酸亜鉛塩、フェニルホスホン酸カルシウム塩、フェニルホスホン酸マグネシウム塩、フェニルホスホン酸マグネシウム塩等を使用することができる。
ソルビトール系化合物としては、1,3−ジ(P−メチルベンジリデン)ソルビトール、2,4−ジ(P−メチルベンジリデン)ソルビトール、1,3−ジベンジリデンソルビトール、2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3−ジ(P−エチルジベンジリデン)ソルビトール、2,4−ジ(P−エチルジベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられる。
リン酸ビス(4−t−ブチルフェニル)ナトリウム、リン酸−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、環状有機リン酸エステル塩基性多価金属塩とアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酢酸エステル塩有機カルボン酸金属塩の1種とから選ばれる混合物などが挙げられる。
上記した中でも、透明性、耐熱性の点から、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、ソルビトール系化合物が、好ましく用いられる。
また、成型性を損なわない程度に、ガラス繊維、炭素繊維などで繊維強化する方法なども挙げられる。また、ジカルボン酸成分の種類は、2種類以下とすることも有効である。
[150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率]
本発明のポリエステルフィルムは、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも100MPa以上1,500MPa未満であることが好ましい。150℃における貯蔵弾性率が100MPa未満の場合、高温で成型を行う際に、フィルムの偏変形が発生しやすく、不均一な成型となり、成型後の品位が低下してしまう場合がある。逆に、1,500MPa以上であると、成型性が低下してしまう場合がある。
すなわち、均一成型性の点から、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は、100MPa以上であることが好ましく、120MPa以上であればさらに好ましく、150MPa以上であれば最も好ましい。また、成型性を低下させないためには、150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率は、1,500MPa未満であることが好ましく、700MPa未満であればさらに好ましく、500MPa未満であれば最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムにおいて、150℃における貯蔵弾性率を上記の範囲とする方法としては、特に限定されないが、上記した方法3、方法5などが挙げられる。また、ポリエステルフィルムの融点を220℃以上260℃以下とする方法(下記に述べる方法7)も好ましい方法の一つである。
方法7:ポリエステルフィルムの融点は、150℃のフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率を100MPa以上とするためには、220℃以上であることが好ましく、230℃以上であればより好ましく、240℃以上であれば最も好ましい。また、150℃の貯蔵弾性率を1,500MPa未満とするためには、融点を260℃以下とすることが好ましく、255℃以下であることがより好ましく、250℃以下であれば最も好ましい。ここで、ポリエステルフィルムの融点としては示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分で測定を行った際の融解現象で発現する吸熱ピーク温度である(詳しくは後述する)。異なる組成のポリエステル樹脂をブレンドして使用し、フィルムとした場合には複数の融解に伴う吸熱ピークが現れる場合があるが、その場合、最も高温に現われる吸熱ピーク温度を本発明のポリエステルフィルムの融点とする。
ポリエステルフィルムの融点を掛かる温度範囲とする方法としては、フィルム製膜時に使用するポリエステル樹脂段階において、融点を220〜260℃の範囲としておくことが好ましく、また、異なる組成のポリエステル樹脂を用いる場合でも、融点が220℃以上であるポリエステル樹脂を使用し、また、融点が低いポリエステル樹脂をブレンドして使用する場合においても、溶融混練時の樹脂間でのエステル交換反応による融点降下を抑制するために、予め樹脂中に残存している触媒を失活させたり、触媒能を低減させるためにリン化合物を添加したりする。また、残存触媒量の低いポリエステル樹脂を準備するなどをすることで、融点を220〜260℃の範囲にすることができる。
また、成型性を損なわずに、150℃での貯蔵弾性率を上記の範囲とする方法としては、融点の異なる2種類以上のポリエステル樹脂を併用する方法(下記に述べる方法8)も非常に有効である。融点の異なる2種類以上のポリエステル樹脂を併用することで、成型性を保持したまま、150℃での貯蔵弾性率を特定の範囲に制御することが可能となる。
方法8:例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレートや、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレート、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート、2,6−ナフタレンジカルボン酸共重合ポリエチレンテレフタレートといった共重合ポリエチレンテレフタレートと、ホモポリエチレンテレフタレートとの併用、ポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートと、ポリエチレンテレフタレートとの併用などが挙げられる。
[温度80℃、荷重19.6mNで3分間保持した際のフィルム長手方向および幅方向の熱変形率]
本発明のポリエステルフィルムは、寸法安定性が厳しい用途で用いられる場合、温度80℃、荷重19.6mNで3分間保持した際のフィルム長手方向および幅方向の熱変形率がそれぞれ−1.5%以上+1.5%以下であることが好ましい。例えば、加工工程で、保護フィルムとラミネートしたり、厚膜コートする場合、寸法安定性が非常に厳しく、ラミネート時、コート時のカール性を抑制することが重要となる。温度80℃、荷重19.6mNで3分間保持した際のフィルム長手方向および幅方向の熱変形率を−1.5%以上+1.5%以下とすることで、耐カール性に優れたフィルムとなる。フィルムの熱変形率は、−0.75%以上+0.75%以下であればさらに好ましく、−0.5以上+0.5以下であれば最も好ましい。
本発明のポリエステルフィルムを、温度80℃、荷重19.6mNで3分間保持した際のフィルム長手方向および幅方向の熱変形率を−1.5%以上+1.5%以下とする方法としては特に限定されないが、二軸延伸の後のフィルムの熱処理温度の高温化する方法(方法9)が有効である。高温で熱処理を行うことで、フィルム中の歪みが緩和するため熱変形率を低くすることができる。好ましい熱処理温度は、200℃以上250℃以下であり、より好ましくは、210℃以上245℃以下である。また、熱処理時に、フィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行う方法も好ましく用いられる。熱処理時に弛緩させることによって、フィルム中の残存歪みが開放されるため、熱変形率が低くなる。熱処理時の好ましい弛緩率(リラックス率)は、3%以上である。また、高温熱処理後に、熱処理温度より低い温度で弛緩させる方法も好ましい方法である。
[粒子の含有とフィルムヘイズ]
本発明のポリエステルフィルムは、フィルム中に粒子が含有されていることが好ましい。フィルムの取り扱い性を向上させる方法として、コーティング層中に粒子を含有させる方法も挙げられるが、加工時、成型時にコーティング層から粒子が脱落して、ロール汚れ、金型汚れなどが発生する場合がある。また、複雑な形状に成型される場合に、コーティング層に層中の粒子を起点にしてクラックが発生してしまうこともある。さらに、コーティングは製膜工程中のインラインで行われる場合も、長手方向−幅方向の逐次二軸延伸方法では、長手方向にロールの速度差を利用して延伸する工程を経た後、コーティングを施し、幅方向へ延伸する方法が通常行われるが、長手方向の延伸時のロールとの滑り性が悪いため、キズが発生しやすくなってしまい、キズにより外観が低下してしまう傾向にある。これらの課題は、粒子をフィルム中に含有させることによって解決される。
ここで、使用する粒子としては特に限定されないが、搬送性、外観の点で、外部添加粒子が好ましく用いられる。外部添加粒子としては、たとえば、湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸など、有機粒子としては、スチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。中でも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの外部添加粒子は二種以上を併用してもよい。搬送性、外観の点からフィルム中の粒子含有量はフィルム全体を100質量%として、0.001〜0.2質量%であれば好ましく、0.0015〜0.18質量%であればさらに好ましく、0.002〜0.15質量%であれば最も好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルムはヘイズが0.1%以上3%未満であることが好ましい。ヘイズが3%以上となると、フィルムの外観が白濁しているように見え、外観、意匠性に劣る場合がある。一方、ヘイズが0.1%未満に使用とすると、フィルムの滑りが悪く、取扱い性が困難となり、フィルム表面に擦り傷などが発生したり、フィルムをロール形状に巻き取る際に、シワが発生しやすくなるなど、成型部材としての外観に悪影響を及ぼすだけでなく、フィルム自体の取扱い性が低下する場合がある。ヘイズのより好ましい範囲としては、0.2%以上2.5%未満であり、0.3%以上2%未満であれば最も好ましい。
ヘイズを0.1%以上3%未満とする方法としては、例えば少なくともA層とB層を有する2層以上の積層フィルムとし、A層またはB層のみに粒子を添加する方法が挙げられる。A層またはB層のみに粒子を添加することで、粒子の添加量を少なくでき、取扱い性を悪化させることなく、ヘイズを低減させることができる。取扱い性をさらに向上させるために、A層/B層/C層の3層構成として、A層およびC層のみに粒子を含有させる態様は非常に好ましい。
A層の積層比としては、(A層の厚み)/(フィルム全体の厚み)が0.01以上0.3以下であることが好ましい。積層比を0.01未満にしようとすると、A層の厚みが薄くなりすぎて、積層むらが生じる場合がある。また、積層比が0.3より大きい場合は、粒子の含有量が増えるため、ヘイズが高くなってしまう場合がある。積層比は0.02以上0.2以下であれば好ましく、0.03以上0.1以下であれば最も好ましい。また、A/B/Cの3層構成の場合、C層の積層比は、(C層の厚み)/(フィルム全体の厚み)も同様に0.01以上0.5以下であることが好ましい。製膜性の点からは、A層とC層の積層厚みは同等であることが好ましい。上記の積層厚み比は、A層を構成するポリエステルAと、B層を構成するポリエステルBを押出すときの吐出量を調整することにより達成することができる。吐出量は押出機のスクリューの回転数、ギヤポンプを使用する場合はギヤポンプの回転数、押出温度、ポリエステル原料の粘度などにより適宜調整できる。
フィルムの積層比は、フィルムの断面を走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、光学顕微鏡などで500倍以上10,000倍以下の倍率で観察することによって、積層各層の厚みを測定し、積層比を求めることができる。
本発明のポリエステルフィルムは、成型部材の深み性、形状保持性の点から、フィルム厚みは50μm以上500μm以下であることが好ましく、75μm以上300μm以下であればさらに好ましく、150μm以上250μm以下であれば最も好ましい。
[酸化防止剤]
本発明のポリエステルフィルムは、フィルムの品位の点から酸化防止剤を含有していることが好ましい。酸化防止剤を含有することで、ポリエステル樹脂の乾燥工程、押出工程での酸化分解を抑制することができ、ゲル状異物による品位の低下を防ぐことができる。酸化防止剤の種類としては特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール類、ヒドラジン類、フォスファイト類などに分類される酸化防止剤を好適に使用することができる。中でもペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトなどが好ましく用いられる。
[製造方法]
次に本発明のポリエステルフィルムの具体的な製造方法について記載する。
まず、使用するポリエチレンテレフタレート系の樹脂(a)と1,4−シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(b)を必要に応じて、所定の割合で計量し、混合する前もしくは混合した後に窒素雰囲気もしくは真空雰囲気で乾燥を行う。乾燥は乾燥後の樹脂中の水分率が50ppm以下とすることが好ましい。そして、混合したポリエステル樹脂を単軸もしくは二軸押出機に供給し溶融押出する。ついで、フィルターやギヤポンプを通じて、異物の除去、押出量の均整化を各々行い、Tダイより冷却ドラム上にシート状に吐出する。その際、高電圧を掛けた電極を使用して静電気で冷却ドラムと樹脂を密着させる静電印加法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けるキャスト法、キャスティングドラム温度をポリエステル樹脂のガラス転移点〜(ガラス転移点−20℃)にして押出したポリマーを粘着させる方法、もしくは、これらの方法を複数組み合わせた方法により、シート状ポリマーをキャスティングドラムに密着させ、冷却固化し、未延伸フィルムを得る。これらのキャスト法の中でも、ポリエステルを使用する場合は、生産性や平面性の観点から、静電印加する方法が好ましく使用される。
本発明のポリエステルフィルムは、耐熱性、寸法安定性の観点から二軸配向フィルムとすることが好ましい。二軸配向フィルムは、未延伸フィルムを長手方向に延伸した後、幅方向に延伸する、あるいは、幅方向に延伸した後、長手方向に延伸する逐次二軸延伸方法により、または、フィルムの長手方向、幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸方法などにより延伸を行うことで得ることができる。
かかる延伸方法における延伸倍率としては、それぞれの方向に、好ましくは、3.0倍以上4.2倍、さらに好ましくは3.2倍以上4.0倍以下、特に好ましくは3.4倍以上3.8倍以下が採用される。また、延伸速度は1,000%/分以上200,000%/分以下であることが望ましい。また延伸温度は、長手方向は70℃以上120℃以下、幅方向は、80℃以上120℃以下とすることが好ましい。また、延伸は各方向に対して複数回行ってもよい。
さらに二軸延伸の後にフィルムの熱処理を行う。熱処理はオーブン中、加熱したロール上など従来公知の任意の方法により行うことができる。この熱処理は120℃以上ポリエステルの融点以下の温度で行われるが、好ましくは200℃以上250℃以下であり、より好ましくは、210℃以上245℃以下である。また、熱処理時間は特性を悪化させない範囲において任意とすることができ、好ましくは1秒以上60秒以下、より好ましくは1秒以上30秒以下行うのが良い。さらに、熱処理はフィルムを長手方向および/または幅方向に弛緩させて行ってもよい。さらに、印刷層や接着剤、蒸着層、ハードコート層、耐候層といった各種加工層との接着力を向上させるため、少なくとも片面にコロナ処理を行ったり、易接着層をコーティングさせることもできる。コーティング層をフィルム製造工程内のインラインで設ける方法としては、少なくとも一軸延伸を行ったフィルム上にコーティング層組成物を水に分散させたものをメタリングリングバーやグラビアロールなどを用いて均一に塗布し、延伸を施しながら塗剤を乾燥させる方法が好ましく、その際易接着層厚みとしては0.01μm以上1μm以下とすることが好ましい。また、易接着層中に各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、顔料、染料、有機または無機粒子、帯電防止剤、核剤などを添加してもよい。易接着層に好ましく用いられる樹脂としては、接着性、取扱い性の点からアクリル樹脂、ポリエステル樹脂およびウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。中でもアクリル樹脂は、耐候性、耐熱・耐湿性に優れるため好ましい。
[保護層]
本発明に用いられる保護層は、加飾成型体に適用される場合、最表層に位置することとなるため、加飾成型用積層フィルムの加飾成型時の型への追従性を損なわない樹脂であると共に、透明性や光沢性といった意匠特性、耐擦過性、耐衝撃性、耐薬品性および耐候性といった塗膜特性を付与させることが好ましい。かかる特性を有する保護層として、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を含有した保護層が用いられる。ポリウレタン樹脂が脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有することが好ましい。
このようなポリウレタン樹脂(U)は、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有する活性水素成分(A)および有機イソシアネート成分(B)から形成されるポリウレタン樹脂であることが好ましい。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)としては、炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールまたはこれらと炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコール(好ましくは炭素数6〜10、さらに好ましくは炭素数6〜9のアルキレン基を有するアルキレンジオール)の1種または2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。なお、以下において、「脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)」等の化合物名に記号を付したものを単に「(a1)」等の記号のみで表す場合がある。
炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−または1,4−シクロヘキサンジメタノール水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピログリコールおよびジヒドロキシメチルトリシクロデカン等が挙げられる。
炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上)アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−または1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−または2,4−ペンタンジオール、2−または3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−または3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−または2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−または3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−、3−または4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−または4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、炭素数6〜12のトリアルカノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトールおよびマンニトール等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)の数平均分子量(以下、Mnと略記)の範囲は、得られる保護層の柔軟性の観点から、好ましくは500〜5,000、さらに好ましくは750〜3,000、特に好ましくは1,000〜2,000である。
なお、Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンを標準試料として測定することができる。
ポリウレタン樹脂(U)中における脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)に由来の骨格の含有量は、保護層の耐引っかき傷性や意匠特性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する(a1)が有する環状炭化水素基の質量割合が1〜30質量%となる量であることが好ましく、さらに5〜20質量%、特に10〜15質量%となる量であることが好ましい。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)以外の活性水素成分(A)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用できる。例えば、(a1)以外のMnが500〜5,000の高分子ポリオール(a2)、カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)、鎖伸長剤(a4)並びに反応停止剤(a5)等を用いることができる。
(a1)以外のMnが500〜5,000の高分子ポリオール(a2)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されている高分子ポリオールが使用できるが、得られる保護層の耐候性および耐水性の観点から好ましいのは脂肪族ポリカーボネートポリオール(a21)である。(a21)としては、炭素数4〜10の直鎖のジオール(1,4−ブタンジオール、1,6ーヘキサンジオールおよび1,9−ノナンジオール等)、炭素数4〜10の分岐のジオール(2−メチルブタンジオール、2−エチルブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチルペンタンジオールおよび3−メチルペンタンジオール等)およびこられの1種または2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネートおよび炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)としては、ポリウレタン樹脂(U)を水分散体として用いる場合に、その分散安定性の優れたものが特に好ましく用いられる。(a3)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、DMPAと略記)、2,2−ジメチロールブタン酸、2 ,2−ジメチロールヘプタン酸および2,2−ジメチロールオクタン酸]等およびこれらの塩が挙げられる。かかる塩の種類としては、例えばアンモニウム塩、アミン塩[炭素数1〜12の1級アミン(1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンおよびオクチルアミン)塩、2級モノアミン(ジメチルアミン、ジエチルアミンおよびジブチルミン)塩および3級モノアミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミンおよびN,N−ジメチルエタノールアミン等の脂肪族3級モノアミン)塩等]が挙げられ、これらの2種以上の併用も可能である。
上記塩のうち、得られる保護層の耐水性およびウレタン樹脂水分散体の安定性の観点から好ましいのは、上記塩を構成する塩基性化合物の常圧における沸点が−40℃〜150℃のものであり、具体的には、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩、N,N−ジメチルエタノールアミン塩等である。
ポリウレタン樹脂(U)中におけるカルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)に由来の骨格の含有量は、分散安定性および得られる保護層の耐水性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計質量に対する(a3)に含まれるカルボキシル基の質量割合が0.01〜1.5質量%となる値であることが好ましく、さらに好ましくは上記質量割合が0.05〜0.75質量%となる量であり、特に好ましくは上記質量割合が0.08〜0.50質量%となる量である。
ポリウレタン樹脂(U)形成後のポリウレタン樹脂(U)中のカルボキシル基の含量は、3〜10gのポリウレタン樹脂(U)を130℃で45分間加熱乾燥して得られる残査を水洗後再度130℃で45分間加熱乾燥し、ジメチルホルムアミドに溶解し、JIS−K0070記載の方法(電位差滴定法)で測定される酸価から算出できる。
鎖伸長剤(a4)としては、炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価またはそれ以上の価数)アルコール、これら非環式多価アルコールのエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイド低モル付加物(化学式量またはMnが500未満)、炭素数2〜10のジアミン(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンおよびトルエンジアミン等);ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン類(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等)、ヒドラジンおよびその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。
反応停止剤(a5)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、セロソルブ類およびカービトール類等)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミン、モノエタノールアミンおよびジエタノールアミン等)が挙げられる。
活性水素成分(A)の構成成分(a1)〜(a5)等はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機イソシアネート成分(B)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、炭素数6〜17の脂環式ポリイソシアネート(B1)、炭素数4〜21の脂肪族ポリイソシアネート(B2)、炭素数8〜25の芳香族ポリイソシアネート(B3)、炭素数10〜17の芳香脂肪族ポリイソシアネート(B4)およびこれらのポリイソシアネートの変性物(B5)等が使用される。有機イソシアネート成分(B)としては、これらのうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数6〜17の脂環式ポリイソシアネート(B1)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレートおよび2,5−または2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数4〜21の脂肪族ポリイソシアネート(B2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネートおよび2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜25の芳香族ポリイソシアネート(B3)としては、例えば1,3−または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDI略記)、粗製TDI、4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネートおよびm−またはp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜17の芳香脂肪族ポリイソシアネート(B4)としては、例えばm−またはp−キシリレンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(B1)〜(B4)のポリイソシアネートの変性物(B5)としては、ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基またはオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33質量%、好ましくは10〜30質量%、特に12〜29質量%のもの)が挙げられ、具体的には変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDIおよびトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDIおよびイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
これら有機イソシアネート成分(B)の内で得られる保護層の耐候性の観点から好ましいのは(B1)および(B2)であり、さらに好ましいのはIPDIおよび水添MDIである。
ポリウレタン樹脂(U)は、加飾成型用積層フィルムを形成する際の塗工性の観点から、樹脂溶液、または水分散体とすることができるものが好ましく、揮発性有機化合物(VOC)の削減による環境対応の観点から水分散体とすることができるものがさらに好ましい。ポリウレタン樹脂(U)の樹脂溶液または水分散体を作製する方法としては、既知の手法を用いることができる。
樹脂溶液の作製方法としては、溶剤中で各原料を反応させる手法や、無溶剤下で反応させたポリウレタン樹脂(U)を溶剤に溶解させる手法が挙げられる。用いる溶剤としては、公知の有機溶剤が使用できるが、ポリウレタン樹脂(U)の溶解性および保護層を得る際の乾燥性の観点から、アセトン、ジメチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフランおよびイソプロピルアルコール等の沸点が100℃以下の極性溶剤を使用することが好ましい。
また、水分散体の製造方法としては、特開2004−2732号公報等に記載されているプレポリマーミキシング法や、特開2009−96998号公報に記載されているウレタン樹脂のデッドポリマーを形成後、これを水に分散させる方法が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(U)を用いて保護層を形成する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(U)の樹脂溶液、またはポリウレタン樹脂(U)の水分散体を、成型用フィルム上に公知の塗布方法(例えば、バーコート、ロールコート、グラビアコート、カーテンコート、スプレーコート、シルクスクリーン印刷等)を用いて薄く均一に塗布し、熱風オーブン等に入れて反応させることにより、ポリカーボネート系ポリウレタン層を形成することができる。
このようにして形成される、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂から構成される保護層は、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂以外の樹脂をさらに含有してもよく、例えば、アクリル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン等を含有することができる。
加飾成型時の型への追従性を損ねずに得られる保護層の耐水性および耐引っかき傷性を向上させるために、さらに少なくとも下記条件(1)および条件(2)のいずれかを満たす必要がある。
条件(1):ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する。
条件(2):保護層がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)を含有し、ポリウレタン樹脂(U)がカルボキシル基を有する。
上記条件(1)に規定される分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U)を製造する方法としては、例えば、アミノ基又はカルボキシル基を有するウレタン樹脂と、分子内にグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)とを反応させる方法(1−1)、イソシアネート基を有するウレタン樹脂と分子内にアミノ基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(Y)を反応させる方法(1−2)が挙げられる。
方法(1−1)に用いられる化合物(X)としては、炭素数4〜11のグリドキシアルキルトリアルコキシシラン、炭素数4〜13のグリドキシアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数4〜15のグリドキシアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(上記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されたもの)が挙げられ、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等およびこれらの加水分解物(上記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されたもの)が挙げられる。化合物(X)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
方法(1−1)に用いられるカルボキシル基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、ウレタン樹脂の製造時に上記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を活性水素成分(A)として用いる方法等が挙げられる。また方法(1−1)に用いられるアミノ基を有するウレタン樹脂を得る方法としては、ポリウレタン樹脂の製造時の説明において鎖伸長剤(a4)として例示した炭素数2〜10のジアミンおよびポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等の多官能アミンを用いて末端にアミノ基を導入する方法、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応において、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基、アミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして末端にイソシアネート基を導入した後、水と反応させて末端アミノ基とする方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とカルボキシル基又はアミノ基等との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
方法(1−2)に用いられる化合物(Y)としては、炭素数4〜11のアミノアルキルトリアルコキシシラン、炭素数4〜13のアミノアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数4〜15のアミノアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(上記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されたもの)が挙げられ、具体的には3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等およびこれらの加水分解物(上記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されたもの)が挙げられる。化合物(Y)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
方法(1−2)に用いられるイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法としては、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応における、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基、アミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして、末端にイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とカルボキシル基又はアミノ基等との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する場合、加飾成型時の加熱等により、アルコキシシリル基および/またはシラノール基が架橋することにより架橋構造が形成され、耐久性に優れた保護層が得られる。
条件(2)に規定されるグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)としては、方法(1−1)に用いられる化合物(X)を用いることができる。また、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(U)を得る方法としては、方法(1−1)に用いられるカルボキシル基を有するウレタン樹脂を得る方法を用いることができる。
条件(2)を満たすために化合物(X)を保護層に含有させる方法としては、予め、カルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(U)と化合物(X)とを混合する方法、加飾成型用積層フィルムの製造時にポリウレタン樹脂(U)と化合物(X)とを混合する方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とカルボキシル基との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
保護層に化合物(X)を含有させた場合は、化合物(X)が有するグリシジルエーテル基とポリウレタン樹脂(U)が有するカルボキシル基とが反応し、さらに、加飾成型時の加熱等により化合物(X)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基が架橋することにより架橋構造が形成され、耐水性および耐引っかき傷性に優れた保護層が得られる。
(X)および/または(Y)の使用量は、得られる保護層の耐水性の傷性の観点から、(A)と(B)の合計100質量部に対する(X)および/または(Y)が有するアルコキシシリル基および/またはシラノール基に由来するSi原子の合計質量の割合が0.05〜2.0質量部となる量であることが好ましく、さらに0.1〜1.5質量部、特に0.2〜1.0質量部となる量であることが好ましい。
また、保護層には必要に応じて、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、染料、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが含有されてもよい。保護層におけるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂以外の樹脂や添加剤の含有量の合計は、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の全質量を基準として、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂以外の樹脂が上記範囲より多く含まれると、保護層の本来の性能が得られなくなる場合がある。
保護層の厚みは、好ましくは5〜40μmであり、さらに好ましくは、10〜30μmである。該厚みが5μm以上であると、塗膜特性を付与させることが容易となり好ましい。また、該厚みが40μm以下であると、適度な厚みとなり、表面が平坦となり、その上に着色層を形成するのが容易となるため好ましい。該厚みの測定は、微分干渉顕微鏡やレーザ顕微鏡、電子顕微鏡などで断面を観察することで、保護層の厚みを測定することができる。
また、本発明の成型用積層フィルムは、特別に意匠をもつ加飾に用いられる場合は、保護層との反対面側に金属蒸着層や印刷層を設けてもよい。
金属蒸着層としては、金属化合物を蒸着して使用することが好ましい。金属化合物を蒸着して使用することで、外観が金属調となり、現在メッキした樹脂が用いられている成型部品の代替品としても使用することができる。中でも、融点が150℃以上400℃以下である金属化合物を蒸着して使用することがより好ましい。掛かる融点範囲の金属を使用することで、ポリエステルフィルムが成型可能温度領域で、蒸着した金属層も成型加工が可能であり、成型による蒸着層欠点の発生を抑制しやすくなるので好ましい。特に好ましい金属化合物の融点としては150℃以上300℃以下である。融点が150℃以上400℃以下である金属化合物としては特に限定されるものではないが、インジウム(157℃)やスズ(232℃)が好ましく、特に金属調光沢、色調の点でインジウムを好ましく用いることができる。また、蒸着簿膜の作製方法としては、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。なお、ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性をより向上させるために、フィルムの表面をあらかじめコロナ放電処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法により前処理しておいても良い。また、蒸着膜の厚みとしては、1nm以上500nm以下であれば好ましく、3n以上300nm以下であればより好ましい。生産性の点からは3nm以上200nm以下であることが好ましい。
また、印刷層としては、印刷方法は特に限定されないが、グラビヤ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷などが好ましく用いられる。また、印刷層の厚みは好ましくは、1nm以上20μm以下である。
印刷層に用いられるバインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂のいずれを用いてもよい。熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびポリカーボネート樹脂などが挙げられる。また熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂およびポリスチロール樹脂などが挙げられる。また、光硬化性樹脂としては、例えばウレタンアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーンアクリレート樹脂およびエポキシアクリレート樹脂などが挙げられ、これらのうちから選択された1種以上と、必要な場合に光重合開始剤などを混合したものを用いてもよい。これらの樹脂には当然のことながら、その必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを混合してもよい。また、上記樹脂は共重合体であってもよく、または異種の樹脂の混合体であってもよいが、耐熱性が良く、取り扱いが容易で、かつ安価な熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。特に、加飾成型時の型への追従性の点から、ウレタン樹脂とアクリル樹脂とを含む混合体をバインダー樹脂として使用することが望ましい。
顔料としては、例えばアルミニウム粉体、カーボンブラック、二酸化チタン、マイカ、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレットなど、無機顔料、有機顔料のいずれを用いても良い。また、該顔料は単独で使用しても良く、2種以上を混合して使用してもよい。該顔料の濃度は、本発明の効果を阻害しない範囲で調整することができる。
本発明の成型用積層フィルムは、成型部材の加飾用途に好ましく用いられるが、成型加飾方法として、例えばインモールド成型用途、インサート成型用途に好ましく使用される。ここで言うインモールド成型とは、金型内にフィルムそのものを設置して、インジェクションする樹脂圧で所望の形状に成型して成型加飾体を得る成型方法である。また、インサート成型とは、金型内に設置するフィルム成型体を真空成型、圧空成型、真空圧空成型、プレス成型、プラグアシスト成型などで作成しておき、その形状に樹脂を充填することで、成型加飾体を得る成型方法である。より複雑な形状を出すことができることから、本発明の成型用積層フィルムはインサート成型用途に特に好ましく用いられる。
本発明のポリエステルフィルムは、高温領域での成型応力が低いため、真空成型、圧空成型、真空圧空成型や、射出樹脂圧で成型されるインモールド成型などといった様々な成型方法で成型が可能であり、また、低温領域での貯蔵弾性率が特定の範囲であるため、コーティング、ラミネート印刷、蒸着といった加工工程での寸法安定性に優れていることから、印刷、蒸着等により加飾を施し、例えば、建材、自動車部品や携帯電話、電機製品などの成型部材の加飾に好適に用いることができる。
[各種特性とその測定方法等]
(1)ポリエステルの組成
ポリエステル樹脂およびフィルムをヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)に溶解し、H−NMRおよび13C−NMRを用いて各モノマー残基成分や副生ジエチレングリコールについて含有量を定量することができる。積層フィルムの場合は、積層厚みに応じて、フィルムの各層を削り取ることで、各層単体を構成する成分を採取し、評価することができる。なお、本発明のフィルムについては、フィルム製造時の混合比率から計算により、組成を算出した。
(2)フィルム厚み
フィルムをエポキシ樹脂に包埋し、フィルム断面をミクロトームで切り出した。該断面を透過型電子顕微鏡(日立製作所製TEM H7100)で5,000倍の倍率で観察し、フィルム厚みを求めた
(3)面配向係数
ナトリウムD線(波長589nm)を光源として、アッベ屈折計を用いて、フィルムの長手方向の屈折率(nMD)、幅方向の屈折率(nTD)、厚み方向の屈折率(nZD)を測定し、下記式から面配向係数(fn)を算出した。
fn=(nMD+nTD)/2−nZD。
(4)貯蔵粘弾性率
フィルムを長手方向および幅方向に長さ60mm×幅5mmの矩形に切り出しサンプルとした。動的粘弾性測定装置(セイコーインスツルメンツ製、DMS6100)を用い、下記の条件下で、25℃、80℃および150℃での貯蔵弾性率(E‘)を求めた。
周波数:10Hz、試長:20mm、最小荷重:約100mN、振幅:10μm、
測定温度範囲:−50℃〜200℃、昇温速度:5℃/分。
(5)150℃での200%伸長時応力(F200値)
フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。引張試験機(オリエンテック製テンシロンUCT−100)を用いて、初期引張チャック間距離50mmとし、引張速度を300mm/分としてフィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行った。測定は予め150℃に設定した恒温層中にフィルムサンプルをセットし、90秒間の予熱の後で引張試験を行った。サンプルが200%伸長したとき(チャック間距離が150mmとなったとき)のフィルムにかかる荷重を読み取り、試験前の試料の断面積(フィルム厚み×10mm)で除した値を200%伸長時応力(F200値)とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(6)150℃での破断伸度
(5)と同様の方法で、フィルムの長手方向と幅方向にそれぞれ引張試験を行い、フィルムが破断したときの伸度をそれぞれの伸度とした。なお、測定は各サンプル、各方向に5回ずつ行い、その平均値で評価を行った。
(7)熱変形率
フィルムを長手方向および幅方向に長さ50mm×幅4mmの矩形に切り出しサンプルとした。熱機械分析装置(セイコーインスツルメンツ製、TMA EXSTAR6000)を使用して、下記の条件下で保持した際のフィルム長の変形率を求めた。
試長:15mm、荷重:19.6mN、保持温度:80℃、保持時間:3分
フィルム変形率(%)=
{|試長(mm)−保持後のフィルム長(mm)|/試長(mm)}×100。
(8)成型性
成型用積層フィルムを450℃の遠赤外線ヒーターを用いて、表面温度が150℃の温度になるように加熱し、70℃に加熱した円筒形金型(底面直径50mm、高さ20mm)に沿って真空成型を行った。円筒形金型は、エッジ部分のRを1mm、2mm、3mmの3種類準備して真空成型を行った。金型に沿って成型できた状態を以下の基準で評価した。
S:R1mmで成型できた(R1mmを再現できた)。
A:R2mmで成型できた(R2mmを再現できた)が、R1mmでは成型できなかった。
B:R3mmで成型できた(R3mmを再現できた)が、R1mmおよびR2mmでは成型できなかった。
C:R3mmで成型できなかった。
(9)寸法安定性
成型用積層フィルムをA4サイズにカットし、80℃の熱風オーブン中で60分間保管した後、水平台の上に取り出し、A4フィルムの4つ端部の水平台からの高さを測定し、その平均値を端部高さとして、下記の基準で評価を行った。
S:水平台からの端部高さが5mm未満
A:水平台からの端部高さが5mm以上10mm未満
B:水平台からの端部高さが10mm以上30mm未満
C:水平台からの端部高さが30mm以上。
(10)耐温水性
成型用積層フィルムを5cm角にカットし、80℃の温水中で30分後浸漬し、取り出して1時間後の成型用積層フィルムのヘイズを測定し、以下の基準で評価を行った。
S:ヘイズが0.5以上1.0未満
A:ヘイズが1.0以上3.0未満
B:ヘイズが3.0以上5.0未満
C:ヘイズが5.0以上。
(11)耐薬品性
エチルアルコール95質量%溶液をサラシに含ませ、成型用積層フィルムの保護層側を200g荷重で1回/秒の早さで50往復し、蒸発後の外観を目視確認し、以下の基準で評価を行った。
S:評価跡が分からない。
A:評価跡が分かるが、色等に変化ない。
B:評価跡が白化している。
C:評価跡が膨潤している。
(ポリエステルの製造)
製膜に供したポリエステル樹脂は以下のように準備した。
(ポリエステルA)
テレフタル酸ジメチル100質量部、およびエチレングリコール70質量部の混合物に、0.09質量部の酢酸マグネシウムと0.03質量部の三酸化アンチモンとを添加して、徐々に昇温し、最終的には220℃でメタノールを留出させながらエステル交換反応を行った。ついで、該エステル交換反応生成物に、0.020質量部のリン酸85%水溶液を添加した後、重縮合反応釜に移行した。重合釜内で加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して1hPaの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65,副生したジエチレングリコール成分が、樹脂中のグリコール成分に対して、2モル%共重合されたポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
(ポリエステルB)
1,4−シクロヘキサンジメタノール成分が、グリコール成分に対して、33モル%共重合された共重合ポリエステル(イーストマン・ケミカル社製 EatsterPETG6763)と、ポリエステルAとを質量比76:24で混合し、ベント式二軸押出機を用いて、280℃で溶融混練し、副生したジエチレングリコールが、樹脂中のグリコール成分に対して、2モル%共重合された、1,4−シクロヘキサンジメタノール25モル%共重合ポリエチレンテレフタレート樹脂(ジエチレングリコール共重合率2モル%)を得た。
(ポリウレタン樹脂の製造例)
(ポリウレタン樹脂U1)
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレンカーボネートとの反応より得られたMn1,000のポリカーボネートジオール165.5質量部、1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn2,000のポリカーボネートジオール66.2質量部、エチレングリコール0.26質量部、DMPA21.3質量部、IPDI104.4質量部およびアセトン153.3質量部を仕込んで85℃で15時間攪拌してウレタン化反応を行い、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液511質量部を簡易加圧反応装置に仕込み、40℃で撹拌しながらトリエチルアミン(中和剤)12.9質量部及び水623.9質量部を加えた。60rpmで3分間攪拌後、3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、エチレンジアミン(鎖伸長剤)3.6質量部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去し、分子内にシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)の水分散体1,000質量部を得た。
(ポリウレタン樹脂U2)
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール184.7質量部、1,6−ヘキサンジオールとエチレンカーボネートとの反応より得られたMn2,000のポリカーボネートジオール68.4質量部、1,6−ヘキサンジオール26.9質量部、DMPA29質量部、水添MDI178.2質量部およびメチルエチルケトン512.8質量部を仕込んで90℃で24時間攪拌してウレタン化反応操作を行い、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液1,000質量部を得た。
(実施例1)
ポリエステルAとポリエステルBとを質量比70:30で混合し、真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、単軸押出機に供給、275℃で溶融し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し、冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。
次いで、長手方向への延伸前に加熱ロールにてフィルム温度を上昇させ、予熱温度を90℃、延伸温度を95℃で長手方向に3.2倍延伸し、すぐに40℃に温度制御した金属ロールで冷却化した。
その後、コロナ放電処理を施し、ポリエステルフィルムの両面の濡れ張力を55mN/mとし、その処理面に、以下の塗剤A、B、C、Dを超音波分散させながら混合し、#4メタリングバーにて均一に塗布した。
塗剤A:水分散アクリル樹脂
塗剤B:メチロール化メラミン(希釈剤:イソプロパノール/水)
塗剤C:コロイダルシリカ(平均粒径:80nm)
塗剤D:フッ素系界面活性剤(希釈剤:水)。
次いでテンター式横延伸機にて予熱温度90℃、延伸温度100℃で幅方向に3.5倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に4%のリラックスを掛けながら温度210℃で5秒間の熱処理を行い、フィルム厚み200μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
次いで、得られた二軸配向ポリエステルフィルムをA4サイズにカットし、ポリウレタン樹脂U1をアプリケータ法で乾燥後の膜厚が20umになるように塗工し、90℃×10分乾燥した。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例2)
ポリウレタン樹脂(U2)100質量部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン2.5質量部を加えて均一撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。得られた分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を実施例1と同様の方法にて塗工し、成型用積層フィルムを得た。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例3)
ポリウレタン樹脂(U2)100質量部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1.3質量部を加えて均一撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。得られた分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を実施例1と同様の方法にて塗工し、成型用積層フィルムを得た。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(実施例4)
ポリウレタン樹脂(U2)100部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5質量部を加えて均一撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。得られた分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を実施例1と同様の方法にて塗工し、成型用積層フィルムを得た。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例1)
ポリウレタン樹脂(U2)100質量部を実施例1と同様の方法にて塗工し、成型用積層フィルムを得た。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例2)
ポリウレタン樹脂(U2)100質量部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン0.6質量部を加えて均一撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。得られた分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を実施例1と同様の方法にて塗工し、成型用積層フィルムを得た。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
(比較例3)
ポリウレタン樹脂(U2)100質量部に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン10質量部を加えて均一撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。得られた分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を実施例1と同様の方法にて塗工し、成型用積層フィルムを得た。得られた成型用積層フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure 2015182421
1:ポリエステルフィルム
2:保護層
本発明の成型用積層フィルムは高温領域での成型応力が低いため成型性に優れ、また、低温領域での貯蔵弾性率が特定の範囲であるため、寸法安定性に優れている。また、耐久性や耐薬品性があるため、成型加工を施して、様々な成型部材へ好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に保護層を有する成型用積層フィルムであって、ポリエステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の200%伸長時応力(F200値)がいずれも3MPa以上60MPa未満であり、かつ保護層が少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有するポリウレタン樹脂(U)を含有してなり、少なくとも条件(1)および条件(2)のいずれかを満たすことを特徴とする成型用積層フィルム。
    条件(1):ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である。
    条件(2):前記保護層がグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)を含有し、ポリウレタン樹脂(U)がアミノ基またはカルボキシル基および/またはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)である。
  2. ポリエステルフィルムの80℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも2,500MPa以上5,000MPa未満である請求項1に記載の成型用積層フィルム。
  3. ポリエステルフィルムの25℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも4,000MPa以上10,000MPa未満である請求項1または2のいずれかに記載の成型用積層フィルム。
  4. ポリエステルフィルムの150℃におけるフィルム長手方向および幅方向の貯蔵弾性率がいずれも100MPa以上1,500MPa未満である請求項1〜3のいずれかに記載の成型用積層フィルム。
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