JP2015174459A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ウエットグリップ性能及び静粛性に優れた空気入りタイヤ2の提供。【解決手段】このタイヤ2は、その外面がトレッド面26をなすトレッド4と、取り外し可能な環状のゴムリング16とを備えている。このトレッド面26に、周方向に延在する主溝28aが刻まれている。このゴムリング16は、引き延ばされた状態でこの主溝28aに固定されている。半径方向において、このゴムリング16の外面42はこのトレッド面26よりも内側に位置している。好ましくは、上記主溝28aに装着する前における上記ゴムリング16の内径の、上記主溝28aの底径に対する比は0.90以上0.95以下である。好ましくは、上記トレッド面26から上記ゴムリング16までの深さが、3.0mm以上であり、このトレッド面26からこのゴムリング16までの深さの、上記主溝28aの深さに対する比が、0.7以下である。【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤのトレッド面に、周方向に延在する複数の主溝が刻まれることがある。これら主溝は、ウエットグリップ性能に寄与しうる。
タイヤにおいて、主溝は通過騒音に影響する。ウェットグリップ性能及び静粛性の両立の観点から、この主溝の構成について様々な検討がなされている。この検討の一例が、特開平05−155203号公報に開示されている。
通過騒音を低減させるために、主溝の幅を狭めることがある。幅狭の主溝は、排水性に劣る。このタイヤには、ウェットグリップ性能が悪化するという問題がある。
通過騒音の低減の観点から、主溝の幅が極端に拡げられることがある。この主溝は、接地圧の上昇を招来する。過大な接地圧は、運動性能、ブレーキ性能、摩耗性能等に影響する。
主溝を浅くすると、通過騒音は低減する。浅い主溝はタイヤの耐用年数を低下させる。このタイヤは、ユーザーにとって不経済である。
柔軟なトレッドは、通過騒音の低減に寄与しうる。このトレッドは、コーナリングパワーの低下を招来する。このタイヤでは、運動性能が悪化してしまう。
高い剛性を有するベルトは、通過騒音の低減に寄与しうる。このベルトの採用は、質量の増加、燃費性能の悪化、乗り心地の低下等の弊害を伴う。
本発明は、このような情勢に鑑みてなされたものであり、ウエットグリップ性能及び静粛性に優れた空気入りタイヤの提供を目的としている。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、取り外し可能な環状のゴムリングとを備えている。このトレッド面に、周方向に延在する主溝が刻まれている。このゴムリングは、引き延ばされた状態でこの主溝に固定されている。半径方向において、このゴムリングの外面はこのトレッド面よりも内側に位置している。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記主溝に装着する前における上記ゴムリングの内径の、上記主溝の底径に対する比は0.90以上0.95以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記トレッド面から上記ゴムリングまでの深さは3.0mm以上である。このトレッド面からこのゴムリングまでの深さの、上記主溝の深さに対する比は、0.7以下である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記トレッド面から上記ゴムリングまでの深さの、上記主溝の深さに対する比は0.4以上である。
好ましくは、この空気入りタイヤでは、上記ゴムリングの硬度は上記トレッドの硬度よりも小さい。このゴムリングの硬度は、トレッドの硬度よりも大きくされてもよいし、トレッドの硬度と同等とされてもよい。
本発明に係る空気入りタイヤでは、ゴムリングは主溝に装着されている。このタイヤでは、ゴムリング装着前におけるトレッド面の溝表面積はゴムリング装着後におけるトレッド面の溝表面積と同等である。このタイヤは、ウエットグリップ性に優れる。ゴムリングが装着された主溝においては、溝容積が低減される。溝容積の低減は、通過騒音の低減に寄与しうる。このタイヤは、静粛性に優れる。このタイヤでは、ウエットグリップ性能及び静粛性の両立が達成されている。
このタイヤでは、摩耗により主溝が浅くなるとゴムリングが取り外される。これにより、ウェットグリップ性能の回復を図ることができる。取り外し可能なゴムリングは、タイヤの耐用年数の低下を防止しうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1に示されたタイヤ2は、図中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。この図1において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。
このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、バンド14、ゴムリング16、ウィング18、クリンチ20、インナーライナー22及びチェーファー24を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。本明細書では、このタイヤ2からゴムリング16を除いたものは成形体Fと称される。
トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。このトレッド4の外面は、トレッド面26をなしている。言い換えれば、このトレッド4はトレッド面26を備えている。このトレッド面26は、路面と接地する。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。このタイヤ2では、このトレッド4の硬度Hは60以上75以下である。
本明細書では、硬度はJIS−A硬度である。この硬度は、「JIS−K6253」の規定に準拠して、23℃の環境下で、タイプAのデュロメータによって測定される。より詳細には、この硬度Hは、図1に示された断面にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。
このタイヤ2では、トレッド面26には溝28が刻まれている。この溝28により、トレッドパターンが形成されている。図示されているように、このタイヤ2のトレッド面26には3本の主溝28aが刻まれている。これら主溝28aはそれぞれ、周方向に延在している。本発明では、主溝28aの本数は3本に限定されない。この主溝28aの本数は、タイヤ2の仕様に応じて適宜決められる。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア30と、このコア30から半径方向外向きに延びるエイペックス32とを備えている。コア30は、環状である。コア30は、非伸縮性ワイヤーが巻かれてなる。典型的には、コア30にスチール製ワイヤーが用いられる。エイペックス32は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス32は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、カーカスプライ34からなる。カーカスプライ34は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。カーカスプライ34は、コア30の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。
図示されていないが、カーカスプライ34は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は70°から90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。バイアス構造のカーカス10が採用されてもよい。
ベルト12は、カーカス10の半径方向外側に位置している。ベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側層36a及び外側層36bからなる。図示されていないが、内側層36a及び外側層36bのそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、10°以上35°以下である。内側層36aのコードの傾斜方向は、外側層36bのコードの傾斜方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
バンド14は、一対のエッジバンド38からなる。それぞれのエッジバンド38は、ベルト12の端40の部分を覆っている。図示されていないが、このエッジバンド38は、コードとトッピングゴムとからなる。コードは実質的に周方向に延びており、螺旋状に巻かれている。エッジバンド38は、いわゆるジョイントレス構造を有する。このコードによりベルト12が拘束されるので、ベルト12のリフティングが抑制される。コードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。なお、このバンド14がベルト12全体を覆うフルバンドで構成されてもよい。このバンド14が、このフルバンドと一対のエッジバンド38とを組み合わせたもので構成されてもよい。
ゴムリング16は、トレッド4の主溝28aに装着されている。前述したように、主溝28aは周方向に延在している。したがって、このゴムリング16も周方向に延在している。このゴムリング16は、図2に示されているように、環状を呈している。この図2においては、紙面に対して垂直な方向は軸方向である。矢印Aで示された方向が、周方向である。
このタイヤ2では、トレッド4に刻まれた主溝28aの全てにゴムリング16が装着される。前述したように、このタイヤ2は3本の主溝28aを備えている。したがって、このタイヤ2はゴムリング16を3本備えている。
図3に示されているのは、図2のIII−III線に沿ったゴムリング16の断面である。このゴムリング16は、その断面形状が主溝28aの形状に対応するように構成されている。ゴムリング16は、外面42、第一側面44a、第二側面44b及び内面46を備えている。ゴムリング16が主溝28aに装着されるとき、このゴムリング16はその内面46の側から主溝28aに挿入される。
このタイヤ2では、ゴムリング16は架橋されたゴム組成物からなる。このゴム組成物の基材ゴムとして、天然ゴム(NR)、エポキシ化天然ゴム(ENR)、ポリブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、イソブチレン−イソプレン共重合体(IIR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、ポリクロロプレン(CR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体(SIBR)、スチレン−イソプレン共重合体及びイソプレン−ブタジエン共重合体が例示される。2種以上のゴムが併用されてもよい。
このゴム組成物は、硫黄を含む。硫黄により、ゴム分子同士が架橋される。硫黄と共に、又は硫黄に代えて、他の架橋剤が用いられてもよい。電子線によって架橋がなされてもよい。
好ましくは、このゴム組成物は、硫黄と共に加硫促進剤を含む。スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤等が、用いられうる。好ましい加硫促進剤は、スルフェンアミド系加硫促進剤である。スルフェンアミド系加硫促進剤の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが挙げられる。
このゴム組成物は、補強材を含む。典型的な補強材は、カーボンブラックである。FEF、GPF、HAF、ISAF、SAF等が用いられうる。ゴムリング16の強度の観点から、カーボンブラックの量は、基材ゴム100質量部に対して5質量部以上が好ましく、10質量部以上が特に好ましい。ゴムリング16の軟質の観点から、カーボンブラックの量は50質量部以下が好ましく、40質量部以下が特に好ましい。カーボンブラックと共に、又はカーボンブラックに代えて、シリカが用いられてもよい。乾式シリカ及び湿式シリカが用いられうる。
このゴム組成物は、軟化剤を含む。好ましい軟化剤として、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル及び芳香族系プロセスオイルが例示される。ゴムリング16の軟質の観点から、軟化剤の量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、20質量部以上が特に好ましい。ゴムリング16の強度の観点から、軟化剤の量は40質量部以下が好ましく、30質量部以下が特に好ましい。
ゴム組成物には、ステアリン酸、酸化亜鉛、老化防止剤、ワックス、架橋助剤等が、必要に応じ添加される。
このタイヤ2では、ゴムリング16が、その内部に周方向に延在する芯を有することにより補強されていてもよい。この芯としては、その材質が金属とされたリング、有機繊維からなるリング及び樹脂組成物からなるリングが例示される。金属としては、スチール及びアルミニウム合金が例示される。有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。樹脂組成物の基材樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のような熱可塑性樹脂が例示される。
図4に示されているのは、このタイヤ2の主溝28aの部分である。この図4において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。
このタイヤ2では、ゴムリング16の外面42、第一側面44a、第二側面44b及び内面46のうち、第一側面44a、第二側面44b及び内面46が主溝28aと当接している。より詳細には、このゴムリング16の第一側面44a及び第二側面44bのそれぞれは、この主溝28aの壁48と隙間なく当接している。このゴムリング16の内面46は主溝28aの底50と隙間なく当接している。このタイヤ2では、ゴムリング16は主溝28aの底50の部分を埋めている。
このタイヤ2は、次のようにして製造される。トレッド4、サイドウォール6、ビード8等の部材が組み合わされ、ローカバー(未架橋タイヤとも称される)が準備される。このローカバーには、ゴムリング16は組み合わされない。言い換えれば、この製造方法では、ゴムリング16以外の部材が組み合わされ、ローカバーが準備される。ローカバーは、モールド(図示されず)に投入される。これにより、ローカバーの外面がモールドのキャビティ面と当接する。ローカバーの内面は、ブラダー又は中子に当接する。ローカバーは、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、ローカバーのゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、成形体Fが得られる。この成形体Fでは、モールドのキャビティ面に設けられた周方向に延在する凸条がこのローカバーに押し当てられることにより、主溝28aが形成されている。
ゴムリング16をなすゴム組成物が、押出機を用いて紐状に押し出される。この紐状に押し出されたゴム組成物の両端が付き合わされ、環状の予備成形体が形成される。予備成形体が、前述のモールドとは別のモールド(図示されず)に投入される。これにより、予備成形体の外面がモールドのキャビティ面と当接する。予備成形体は、モールド内で加圧及び加熱される。加圧及び加熱により、予備成形体のゴム組成物が流動する。加熱によりゴムが架橋反応を起こし、図2に示されたゴムリング16が得られる。このゴムリング16が前述の成形体Fの主溝28aに装着され、図1に示されたタイヤ2が得られる。
この製造方法では、ゴムリング16を主溝28aに装着する場合、このゴムリング16は拡径される。この製造方法では、ゴムリング16はそれ自体を変形させながら成形体Fの主溝28aに装着される。なお、このゴムリング16がその材質が金属とされたリングを芯として含む場合には、ゴムリング16は成形体Fを変形させながら主溝28aに装着される。
このタイヤ2では、ゴムリング16は力の付与により引き延ばされる。この力が除かれると、このゴムリング16は復元する。このゴムリング16が芯を含む場合も、力の付与によりこのゴムリング16は僅かに引き延ばされる。この力が除かれると、このゴムリング16は復元する。このタイヤ2のゴムリング16は、弾性体である。
このタイヤ2では、主溝28aに装着する前におけるゴムリング16の内径は、ゴムリング16の装着されていない主溝28aの底径よりも小さい。このため、主溝28aに装着されたゴムリング16は引き延ばされた状態にある。この状態にあるゴムリング16は、半径方向内向きに主溝28aを付勢しうる。これにより、このタイヤ2のゴムリング16は主溝28aに固定されている。このタイヤ2では、ゴムリング16は引き延ばされた状態で主溝28aに固定されている。
図2において、両矢印d1で示されているのはゴムリング16の内径である。この内径d1は、主溝28aに装着する前に荷重が掛けられない状態で計測される。図4において、矢印dで示されているのは、主溝28aの底径である。この底径dは、主溝28aにゴムリング16が装着されていない状態で計測される。
このタイヤ2では、ゴムリング16が主溝28aに安定に固定されうるという観点から、内径d1の底径dに対する比は0.95以下が好ましい。このゴムリング16に傷がついた場合にこの傷の急な成長が抑えられ、この傷による耐久性の低下が防止されうるという観点から、この比は0.90以上が好ましい。
このタイヤ2の製造方法では、このゴムリング16を主溝28aに装着するとき、この主溝28aのゴムリング16と当接する部分にゴム糊が塗布されてもよい。この場合、ゴム糊が主溝28aに塗布されてから、この主溝28aにゴムリング16が装着される。装着後、ゴムリング16の全体がその外面42の側から加熱される。ゴム糊に含まれるゴムが架橋反応を起こし、ゴムリング16が主溝28aに接着される。ゴムリング16は、ゴム糊の架橋体により主溝28aに接着される。これにより、ゴムリング16が主溝28aにより安定に固定される。安定な固定という観点から、ゴム糊は周方向に5mm間隔で塗布されるのが好ましい。なお、このゴム糊としては、架橋剤を含むゴム組成物をメチルエチルケトン(MEK)のような溶剤に溶かしたものが例示される。
このタイヤ2では、ゴムリング16は取り外し可能である。したがって、使用によりトレッド4が摩耗し主溝28aが浅くなると、このゴムリング16が主溝28aから取り外される。これにより、ウエットグリップ性能の回復を図ることができる。このゴムリング16は、タイヤ2の耐用年数の低下を防止する。
前述したように、ゴムリング16は引き延ばされた状態で主溝28aに装着されている。このため、このゴムリング16を一箇所切断すると、このゴムリング16は縮み主溝28aから外れる。このタイヤ2では、ゴムリング16の主溝28aからの取り外しは容易である。
このタイヤ2では、ゴムリング16を装着する前におけるトレッドパターンとこのゴムリング16を装着した後におけるトレッドパターンとは同等である。言い換えれば、ゴムリング16の装着前におけるトレッド面26の溝表面積はゴムリング16の装着後におけるトレッド面26の溝表面積と同等である。このタイヤ2では、ウエットグリップ性能が適切に維持されている。このタイヤ2は、ウェットグリップ性能に優れる。
このタイヤ2では、ゴムリング16の外面42は半径方向においてトレッド面26よりも内側に位置している。このタイヤ2では、ゴムリング16は主溝28aの全てではなくその一部を埋めている。言い換えれば、このタイヤ2では、ゴムリング16が主溝28aに装着されることにより、溝容積が低減されている。溝容積の低減は、通過騒音の低減に寄与しうる。このタイヤ2は、静粛性に優れる。前述したように、ゴムリング16の装着前におけるトレッド面26における溝表面積はゴムリング16の装着後におけるトレッド面26における溝表面積と同等である。このタイヤ2では、未使用状態における溝表面積を減らすことなく溝容積の低減が達成されている。このタイヤ2は、ウエットグリップ性能及び静粛性に優れている。
このタイヤ2では、ゴムリング16はトレッド4の主溝28aに嵌め合わされている。このゴムリング16は、トレッド4を補強しうる。このゴムリング16は、タイヤ2の耐摩耗性に寄与しうる。
図4において、両矢印Wは主溝28aの幅を表している。両矢印hは、主溝28aの深さを表している。この深さhは、トレッド面26から主溝28aの底50までの長さにより表される。両矢印h1は、トレッド面26からゴムリング16の外面42までの長さを表している。この長さh1は、主溝28aにゴムリング16が装着されたときにおける溝28の深さである。幅W、深さh及び深さh1は、未使用状態にあるタイヤ2において計測される。幅W及び深さhは、主溝28aにゴムリング16が装着されていない状態で計測される。
このタイヤ2では、主溝28aの幅Wは3mm以上13mm以下である。この主溝28aの幅Wは、従来のタイヤのそれと同等である。この主溝28aの深さhは、5mm以上20mm以下である。この主溝28aの深さhは、従来のタイヤのそれと同等である。
前述したように、このタイヤ2では、使用によりトレッド4が摩耗し主溝28aが浅くなると、ゴムリング16が主溝28aから取り外される。この取り外しまでにこのタイヤ2が走行できる距離が十分に確保されうるという観点から、深さh1は3mm以上が好ましい。
このタイヤ2では、深さh1の主溝28aの深さhに対する比は0.7以下が好ましい。この比が0.7以下に設定されることにより、ゴムリング16を主溝28aに装着したことにより達成される溝容積の低減が通過騒音の低減に効果的に寄与しうる。このタイヤ2は、静粛性に優れる。この観点から、この比は0.6以下がより好ましい。
このタイヤ2では、深さh1が3mm以上とされている場合においては、この深さh1の主溝28aの深さhに対する比は0.4以上とされるのが好ましい。これにより、トレッド面26と路面との間に存在する水が効果的に排水されうる。このタイヤ2では、ハイドロプレーニング現象の発生が効果的に防止されている。このタイヤ2は、ウェットグリップ性能に優れる。ゴムリング16による質量への影響が抑えられるので、転がり抵抗が適切に維持される。この観点から、この比は0.5以上がより好ましい。
前述したように、このタイヤ2では、ゴムリング16は架橋されたゴム組成物からなる。このタイヤ2では、このゴム組成物に含まれる補強材又は軟化剤の配合量が調整されて、ゴムリング16の硬度H1がトレッド4の硬度Hと同等とされてもよい。又はこのゴムリング16の硬度H1がトレッド4の硬度Hよりも大きくされてもよい。言い換えれば、硬度H1の硬度Hに対する比が1.0以上1.1以下とされてもよい。この比が1.0以上に設定されることにより、ゴムリング16がタイヤ2のコーナリング特性の向上に寄与しうる。この比が1.1以下に設定されることにより、タイヤ2に強い横力が掛かるサーキット走行において、ゴムリング16とトレッド4との間に歪みが集中することが防止されうる。このタイヤ2では、チャンキングの発生が抑制される。なお、ゴムリング16の硬度H1がトレッド4の硬度Hと同等とされる場合には、ゴムリング16がトレッド4のゴム組成物と同等のゴム組成物から構成されてもよい。ゴムリング16にトレッド4のゴム組成物と同等のゴム組成物を用いることは、タイヤ2の製造に使用する材料の集約に寄与しうる。このタイヤ2は、生産コストの低減に寄与しうる。
前述したように、トレッド4の硬度HはJIS−A硬度である。本明細書では、ゴムリング16の硬度H1もJIS−A硬度である。この硬度H1は、23℃の環境下で、図3に示された断面にタイプAのデュロメータが押し付けられることで測定される。
このタイヤ2では、ゴムリング16のゴム組成物に含まれる補強材又は軟化剤の配合量が調整されて、このゴムリング16の硬度H1がトレッド4の硬度Hよりも小さくされてもよい。この場合、硬度H1の硬度Hに対する比は0.85以上0.95以下が好ましい。この比が0.85以上に設定されることにより、ゴムリング16が適度な剛性を有する。このゴムリング16がトレッド4を効果的に補強しうるので、このタイヤ2は耐摩耗性に優れる。この比が0.95以下に設定されることにより、ゴムリング16が路面の凹凸に起因して生じる衝撃を効果的に柔らわげる。このタイヤ2は、乗り心地に優れる。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。乗用車用タイヤ2の場合は、内圧が180kPaの状態で、寸法及び角度が測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験A]
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の乗用車用空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、245/45R18である。このタイヤでは、トレッドに刻まれた3本の主溝のそれぞれに、引き延ばされた状態でゴムリングは固定された。ゴムリングの硬度H1のトレッドの硬度Hに対する比(H1/H)は、1.06とされた。ゴムリングの内径d1の主溝の底径dに対する比(d1/d)は、0.93とされた。主溝にゴムリングが装着されたときにおける溝の深さh1の主溝の深さhに対する比(h1/h)は、0.51とされた。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、下記の表1に示された仕様を備えた実施例1の乗用車用空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、245/45R18である。このタイヤでは、トレッドに刻まれた3本の主溝のそれぞれに、引き延ばされた状態でゴムリングは固定された。ゴムリングの硬度H1のトレッドの硬度Hに対する比(H1/H)は、1.06とされた。ゴムリングの内径d1の主溝の底径dに対する比(d1/d)は、0.93とされた。主溝にゴムリングが装着されたときにおける溝の深さh1の主溝の深さhに対する比(h1/h)は、0.51とされた。
[実施例2−5]
深さh1を変えて比(h1/h)を下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5のタイヤを得た。
深さh1を変えて比(h1/h)を下記の表1の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2−5のタイヤを得た。
[実施例6−9]
比(H1/H)を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−9のタイヤを得た。
比(H1/H)を下記の表2の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例6−9のタイヤを得た。
[実施例10−13]
比(d1/d)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−13のタイヤを得た。
比(d1/d)を下記の表3の通りとした他は実施例1と同様にして、実施例10−13のタイヤを得た。
[比較例1]
ゴムリングを設けなかった他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。この比較例1は、従来のタイヤである。
ゴムリングを設けなかった他は実施例1と同様にして、比較例1のタイヤを得た。この比較例1は、従来のタイヤである。
[通過騒音の計測]
試作タイヤをそのサイズが18×8Jであるリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、台上ロードノイズ(R/N)試験機に装着した。このタイヤを、ドラムの上で、60km/hの速度で走行させた。この走行時における、125Hzバンドの騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。各実施例の計測値と比較例1の計測値との差が、下記の表1、表2及び表3に示されている。数値が小さいほど、通過騒音が小さいことが示される。なお、比較例1の通過騒音は、71.5dBであった。
試作タイヤをそのサイズが18×8Jであるリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、台上ロードノイズ(R/N)試験機に装着した。このタイヤを、ドラムの上で、60km/hの速度で走行させた。この走行時における、125Hzバンドの騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。各実施例の計測値と比較例1の計測値との差が、下記の表1、表2及び表3に示されている。数値が小さいほど、通過騒音が小さいことが示される。なお、比較例1の通過騒音は、71.5dBであった。
[ウェットグリップ性能の評価]
試作タイヤをリム(サイズ:18×8J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。円形アスファルト路面上に水たまりを設けたコースに、速度を段階的に増加させながらこの乗用車を進入させ、横加速度(横G)を計測した。70km/hから90km/hの速度における平均の横Gが、比較例1を100とした指数値で、下記の表1、表2及び表3に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
試作タイヤをリム(サイズ:18×8J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。円形アスファルト路面上に水たまりを設けたコースに、速度を段階的に増加させながらこの乗用車を進入させ、横加速度(横G)を計測した。70km/hから90km/hの速度における平均の横Gが、比較例1を100とした指数値で、下記の表1、表2及び表3に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
[摩耗エネルギーの評価]
試作タイヤについて、昭和電機製作所社製の平板試験機を用い、この試験機の路面部に埋め込まれた摩耗エネルギーセンサによりタイヤ表面の剪断力と変位とを計測し、摩耗エネルギーを得た。その結果が、比較例1の摩耗エネルギーの逆数を100とした指数値で、下記の表1、表2及び表3に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
試作タイヤについて、昭和電機製作所社製の平板試験機を用い、この試験機の路面部に埋め込まれた摩耗エネルギーセンサによりタイヤ表面の剪断力と変位とを計測し、摩耗エネルギーを得た。その結果が、比較例1の摩耗エネルギーの逆数を100とした指数値で、下記の表1、表2及び表3に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
[コーナリング特性の評価]
試作タイヤをリム(サイズ:18×8J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、ラップタイムを計測した。この計測結果に基づいて評価した。その結果が、比較例1を100とした指数値で、下記の表1、表2及び表3に示されている。数値が大きいほど好ましい。
試作タイヤをリム(サイズ:18×8J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、ラップタイムを計測した。この計測結果に基づいて評価した。その結果が、比較例1を100とした指数値で、下記の表1、表2及び表3に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[カットグロスの評価]
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。このタイヤのゴムリングの外面に、深さ1mm、長さ10mmの傷を入れた。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、4.14kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。走行距離が20000kmに到達した時点で、このタイヤの外観を観察し、傷の長さを計測した。これにより傷の成長量(長さ)を得た。この成長量が、指数として、下記の表1、表2及び表3に示されている。数値が大きいほど、傷の成長量が小さいことが示される。
タイヤを正規リムに組み込み、このタイヤに空気を充填して内圧を230kPaとした。このタイヤのゴムリングの外面に、深さ1mm、長さ10mmの傷を入れた。このタイヤをドラム式走行試験機に装着し、4.14kNの縦荷重をタイヤに負荷した。このタイヤを、80km/hの速度で、半径が1.7mであるドラムの上を走行させた。走行距離が20000kmに到達した時点で、このタイヤの外観を観察し、傷の長さを計測した。これにより傷の成長量(長さ)を得た。この成長量が、指数として、下記の表1、表2及び表3に示されている。数値が大きいほど、傷の成長量が小さいことが示される。
表1、表2及び表3に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
[実験B]
[実施例14]
図1に示された基本構成を備え、下記の表4に示された仕様を備えた実施例14の乗用車用空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、195/65R15である。ゴムリングは、引き延ばされた状態でトレッドに刻まれた3本の主溝のそれぞれに固定された。ゴムリングの硬度H1のトレッドの硬度Hに対する比(H1/H)は、0.90とされた。ゴムリングの内径d1の主溝の底径dに対する比(d1/d)は、0.93とされた。主溝にゴムリングが装着されたときにおける溝の深さh1の主溝の深さhに対する比(h1/h)は、0.51とされた。
[実施例14]
図1に示された基本構成を備え、下記の表4に示された仕様を備えた実施例14の乗用車用空気入りタイヤを得た。このタイヤサイズは、195/65R15である。ゴムリングは、引き延ばされた状態でトレッドに刻まれた3本の主溝のそれぞれに固定された。ゴムリングの硬度H1のトレッドの硬度Hに対する比(H1/H)は、0.90とされた。ゴムリングの内径d1の主溝の底径dに対する比(d1/d)は、0.93とされた。主溝にゴムリングが装着されたときにおける溝の深さh1の主溝の深さhに対する比(h1/h)は、0.51とされた。
[実施例15−18]
深さh1を変えて比(h1/h)を下記の表4の通りとした他は実施例14と同様にして、実施例15−18のタイヤを得た。
深さh1を変えて比(h1/h)を下記の表4の通りとした他は実施例14と同様にして、実施例15−18のタイヤを得た。
[実施例19−22]
比(H1/H)を下記の表5の通りとした他は実施例14と同様にして、実施例19−22のタイヤを得た。
比(H1/H)を下記の表5の通りとした他は実施例14と同様にして、実施例19−22のタイヤを得た。
[実施例23−26]
比(d1/d)を下記の表6の通りとした他は実施例14と同様にして、実施例23−26のタイヤを得た。
比(d1/d)を下記の表6の通りとした他は実施例14と同様にして、実施例23−26のタイヤを得た。
[比較例2]
ゴムリングを設けなかった他は実施例14と同様にして、比較例2のタイヤを得た。この比較例2は、従来のタイヤである。
ゴムリングを設けなかった他は実施例14と同様にして、比較例2のタイヤを得た。この比較例2は、従来のタイヤである。
[通過騒音の計測]
タイヤをそのサイズが15×6Jであるリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、台上ロードノイズ(R/N)試験機に装着した。実験Aと同様にして、走行時における、125Hzバンドの騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。各実施例の計測値と比較例2の計測値との差が、下記の表4、表5及び表6に示されている。数値が小さいほど、通過騒音が小さいことが示される。なお、比較例2の通過騒音は、70.5dBであった。
タイヤをそのサイズが15×6Jであるリムに組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、台上ロードノイズ(R/N)試験機に装着した。実験Aと同様にして、走行時における、125Hzバンドの騒音レベル(dB)を集音マイクで計測した。各実施例の計測値と比較例2の計測値との差が、下記の表4、表5及び表6に示されている。数値が小さいほど、通過騒音が小さいことが示される。なお、比較例2の通過騒音は、70.5dBであった。
[ウェットグリップ性能の評価]
タイヤをリム(サイズ:15×6J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。実験Aと同様にして、横加速度(横G)を計測した。70km/hから90km/hの速度における平均の横Gが、比較例2を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
タイヤをリム(サイズ:15×6J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。実験Aと同様にして、横加速度(横G)を計測した。70km/hから90km/hの速度における平均の横Gが、比較例2を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
[摩耗エネルギーの評価]
試作タイヤについて、昭和電機製作所社製の平板試験機を用い、この試験機の路面部に埋め込まれた摩耗エネルギーセンサによりタイヤ表面の剪断力と変位とを計測し、摩耗エネルギーを得た。その結果が、比較例1の摩耗エネルギーの逆数を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
試作タイヤについて、昭和電機製作所社製の平板試験機を用い、この試験機の路面部に埋め込まれた摩耗エネルギーセンサによりタイヤ表面の剪断力と変位とを計測し、摩耗エネルギーを得た。その結果が、比較例1の摩耗エネルギーの逆数を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
[転がり抵抗(RRC)の評価]
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数を測定した。
使用リム:15×6J(アルミニウム合金製)
内圧:220kPa
荷重:4.6kN
速度:80km/h
この結果が、比較例2を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
転がり抵抗試験機を用い、下記の測定条件で転がり抵抗係数を測定した。
使用リム:15×6J(アルミニウム合金製)
内圧:220kPa
荷重:4.6kN
速度:80km/h
この結果が、比較例2を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。この数値が大きいほど、評価が高い。
[乗り心地の評価]
タイヤをリム(サイズ:15×6J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、乗り心地に関する官能評価を行った。その結果が、比較例2を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。数値が大きいほど好ましい。
タイヤをリム(サイズ:15×6J)に組み込み、このタイヤに内圧が230kPaとなるように空気を充填した。このタイヤを、排気量が2000ccである乗用車に装着した。ドライバーに、この乗用車をレーシングサーキットで運転させて、乗り心地に関する官能評価を行った。その結果が、比較例2を100とした指数値で、下記の表4、表5及び表6に示されている。数値が大きいほど好ましい。
[カットグロスの評価]
実験Aと同様にして、カットグロスを評価した。傷の成長量が、指数として、下記の表4、表5及び表6に示されている。数値が大きいほど、傷の成長量が小さいことが示される。
実験Aと同様にして、カットグロスを評価した。傷の成長量が、指数として、下記の表4、表5及び表6に示されている。数値が大きいほど、傷の成長量が小さいことが示される。
表4、表5及び表6に示されるように、実施例のタイヤでは、比較例のタイヤに比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたゴムリングは、主溝を有する様々なタイヤに適用されうる。
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・ゴムリング
26・・・トレッド面
28、28a・・・溝
42・・・外面
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・ゴムリング
26・・・トレッド面
28、28a・・・溝
42・・・外面
Claims (7)
- その外面がトレッド面をなすトレッドと、取り外し可能な環状のゴムリングとを備えており、
このトレッド面に、周方向に延在する主溝が刻まれており、
このゴムリングが、引き延ばされた状態でこの主溝に固定されており、
半径方向において、このゴムリングの外面がこのトレッド面よりも内側に位置している、空気入りタイヤ。 - 上記主溝に装着する前における上記ゴムリングの内径の、上記主溝の底径に対する比が、0.90以上0.95以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 上記トレッド面から上記ゴムリングまでの深さが、3.0mm以上であり、
このトレッド面からこのゴムリングまでの深さの、上記主溝の深さに対する比が、0.7以下である、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。 - 上記トレッド面から上記ゴムリングまでの深さの、上記主溝の深さに対する比が、0.4以上である、請求項3に記載の空気入りタイヤ。
- 上記ゴムリングの硬度が、上記トレッドの硬度よりも小さい、請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 上記ゴムリングの硬度が、上記トレッドの硬度よりも大きい、請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 上記ゴムリングの硬度が、上記トレッドの硬度と同等である、請求項1から4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014049560A JP2015174459A (ja) | 2014-03-13 | 2014-03-13 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014049560A JP2015174459A (ja) | 2014-03-13 | 2014-03-13 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
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JP2015174459A true JP2015174459A (ja) | 2015-10-05 |
Family
ID=54254045
Family Applications (1)
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JP2014049560A Pending JP2015174459A (ja) | 2014-03-13 | 2014-03-13 | 空気入りタイヤ |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2015174459A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017088043A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 株式会社小野測器 | タイヤ計測システム |
US20190283509A1 (en) * | 2018-03-14 | 2019-09-19 | Deepakkumar Motibhai Patel | Circumferential Automobile Tire Bands and Methods Associated Therewith |
-
2014
- 2014-03-13 JP JP2014049560A patent/JP2015174459A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017088043A (ja) * | 2015-11-12 | 2017-05-25 | 株式会社小野測器 | タイヤ計測システム |
US20190283509A1 (en) * | 2018-03-14 | 2019-09-19 | Deepakkumar Motibhai Patel | Circumferential Automobile Tire Bands and Methods Associated Therewith |
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